IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アップル インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-535022カソードノイズを軽減するためのディスプレイを有する電子デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】カソードノイズを軽減するためのディスプレイを有する電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240918BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240918BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240918BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240918BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240918BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240918BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 611E
G09G3/20 611H
G09G3/20 670E
G09G3/20 670L
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/00 309Z
H10K59/123
H01L29/78 612Z
H01L29/78 618B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516449
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2022041092
(87)【国際公開番号】W WO2023043579
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】17/859,835
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/244,045
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】リン チン-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】コロン-べリオス アイーダ アール
(72)【発明者】
【氏名】グイ ファン
(72)【発明者】
【氏名】アイグン レヴェント エルダール
(72)【発明者】
【氏名】エスマイリ ラド モハマド レザ
(72)【発明者】
【氏名】トゥ ラン
(72)【発明者】
【氏名】リン シン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB07
3K107CC33
3K107EE04
3K107EE59
3K107HH02
3K107HH05
5C080AA06
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD06
5C080DD09
5C080DD20
5C080EE29
5C080FF11
5C080GG12
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080JJ06
5C080KK02
5C080KK07
5C080KK49
5C094AA21
5C094AA51
5C094BA03
5C094BA29
5C094CA19
5C094DB01
5C094DB04
5C094FB02
5C094FB14
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB18
5C380AB21
5C380AB23
5C380AB24
5C380AB28
5C380AB34
5C380AC02
5C380AC08
5C380AC11
5C380BA08
5C380BA39
5C380BA42
5C380BA48
5C380BB09
5C380CA01
5C380CA11
5C380CB17
5C380CC04
5C380CC07
5C380CC27
5C380CC33
5C380CC39
5C380CC66
5C380CD037
5C380CF05
5C380CF62
5C380CF66
5C380DA02
5C380DA06
5F110BB01
5F110CC02
5F110CC04
5F110DD02
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE06
5F110EE30
5F110FF01
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF04
5F110FF09
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110HJ01
5F110HL02
5F110HL03
5F110HL04
5F110HL06
5F110NN03
5F110NN71
5F110NN72
5F110NN78
5F110QQ19
5G435AA16
5G435BB05
5G435CC09
5G435GG31
5G435HH20
(57)【要約】
ディスプレイは、画素のアレイを含み得る。アレイ内の各画素が、駆動トランジスタ(Tdrive)と、発光ダイオード(26)と、蓄積コンデンサ(Cst)と、電流ブーストコンデンサ(Cboost)と、静電圧線(Vdc)と電流ブーストコンデンサとの間に接続された分離トランジスタ(Tiso)とを含む。画素が、エミッショントランジスタ(Tem1、Tem2)、データローディングトランジスタ(Tdata)、ゲート電圧設定トランジスタ(Tref)及びアノードリセットトランジスタ(Tar)を更に含み得る。データリフレッシュは、初期化フェーズ、閾値電圧サンプリングフェーズ、及びデータプログラミングフェーズを含み得る。閾値電圧サンプリングフェーズは、閾値電圧サンプリングフェーズ中の電流サンプリングレベルを減少させるためにデータプログラミングフェーズよりも実質的に長くすることができ、これは、温度変動に対するディスプレイ輝度感度を低減するのに有用である。データリフレッシュ中、分離トランジスタが、電流ブーストを提供するためにオンにされ得る。エミッション期間中、カソードノイズが画素内の1つ以上の直流電圧ノードに潜在的に結合することを防止するために、分離トランジスタがオフにされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画素であって、
ドレイン端子、ゲート端子、及びソース端子を有する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合されたアノード端子を有する発光ダイオードと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1の端子と、前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第2の端子とを有する第1のコンデンサと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第1の端子と、静電圧線に結合された第2の端子とを有する第2のコンデンサと、
前記静電圧線と前記駆動トランジスタの前記ソース端子との間で前記第2のコンデンサと直列に結合されたノイズ分離トランジスタとを備える、表示画素。
【請求項2】
前記静電圧線が電源線を含む、請求項1に記載の表示画素。
【請求項3】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、データ線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号を受信するように構成されているゲート端子とを有するデータローディングトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、基準電圧線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1の走査信号とは異なる第2の走査信号を受信するように構成されるゲート端子とを有するゲート電圧設定トランジスタと、
を更に備える、請求項1に記載の表示画素。
【請求項4】
前記駆動トランジスタ、前記データローディングトランジスタ、及び前記ゲート電圧設定トランジスタが、半導体酸化物材料を有する半導体酸化物トランジスタを含む、請求項3に記載の表示画素。
【請求項5】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項6】
表示画素であって、
前記第1のエミッショントランジスタが、p型シリコントランジスタを含み、
前記第2のエミッショントランジスタが、n型シリコントランジスタを含み、
前記アノードリセットトランジスタが、半導体酸化物トランジスタを含む、
請求項5に記載の表示画素。
【請求項7】
表示画素であって、
前記第1のエミッショントランジスタが、半導体酸化物トランジスタを含み、
前記第2のエミッショントランジスタが、p型シリコントランジスタを含み、
前記アノードリセットトランジスタが、p型シリコントランジスタを含む、
請求項5に記載の表示画素。
【請求項8】
表示画素であって、
前記第1のエミッショントランジスタが、半導体酸化物トランジスタを含み、
前記第2のエミッショントランジスタが、p型シリコントランジスタを含み、
前記アノードリセットトランジスタが、半導体酸化物トランジスタを含む、
請求項5に記載の表示画素。
【請求項9】
前記第1のエミッショントランジスタが、前記駆動トランジスタと前記第2のエミッショントランジスタとの間に結合されている、請求項5に記載の表示画素。
【請求項10】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1の走査信号及び第2の走査信号とは異なる第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有する初期化トランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項11】
前記第1のエミッショントランジスタ、前記第2のエミッショントランジスタ、前記アノードリセットトランジスタ、及び前記初期化トランジスタが、p型シリコントランジスタを備える、請求項10に記載の表示画素。
【請求項12】
前記第1のエミッショントランジスタが、前記駆動トランジスタと前記第2のエミッショントランジスタとの間に結合されている、請求項11に記載の表示画素。
【請求項13】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第2のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有する初期化トランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項14】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受信するように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1の走査信号及び第2の走査信号とは異なる第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタであって、前記ノイズ分離トランジスタが、前記第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子を有する、アノードリセットトランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項15】
前記駆動トランジスタ、前記ノイズ分離トランジスタ、前記データローディングトランジスタ、前記ゲート電圧設定トランジスタ、前記第1のエミッショントランジスタ、前記第2のエミッショントランジスタ、及び前記アノードリセットトランジスタが、全て半導体酸化物トランジスタである、請求項14に記載の表示画素。
【請求項16】
発光ダイオードと直列に結合された駆動トランジスタを有する表示画素を動作させる方法であって、前記駆動トランジスタが、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、前記発光ダイオードが、アノード端子及びカソード端子を有し、前記方法が、
初期化フェーズ中に、前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に基準電圧を印加することと、
前記初期化フェーズ中に、前記発光ダイオードの前記アノード端子をリセットすることと、
閾値電圧サンプリングフェーズ中に、前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された蓄積コンデンサをバイアスして、前記蓄積コンデンサにわたる電圧が前記駆動トランジスタの閾値電圧に比例するようにすることと、
データプログラミングフェーズ中に、前記駆動トランジスタの前記ゲート端子にデータ信号をロードすることと、
エミッションフェーズの間、前記発光ダイオードの前記カソード端子からのノイズが前記静電圧源に結合することを防止するために、前記駆動トランジスタの前記ソース端子を前記表示画素内の前記静電圧源から切り離すこととを含む、方法。
【請求項17】
前記表示画素が、前記駆動トランジスタの前記ソース端子と前記静電圧源との間に結合された電流ブーストコンデンサと、前記電流ブーストコンデンサと直列に結合された分離スイッチとを更に備え、前記駆動トランジスタの前記ソース端子を前記静電圧源から切り離すことが、前記エミッションフェーズ中に前記分離スイッチを非アクティブ化することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記初期化フェーズ、前記閾値電圧サンプリングフェーズ、及び前記データプログラミングフェーズ中に前記分離スイッチをアクティブ化すること、
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記データプログラミングフェーズが第1の持続時間を有し、前記閾値電圧サンプリングフェーズが前記第1の持続時間の少なくとも5倍である第2の持続時間を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記エミッションフェーズ中にエミッション制御信号をアサートすることと、
前記初期化フェーズ中に前記発光ダイオードの前記アノード端子をリセットするためにアノードリセットトランジスタをアクティブ化するために前記エミッション制御信号を使用することと、
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
表示画素であって、
アノードとカソードとを有する発光ダイオードと、
電源線に結合された第1のソース-ドレイン端子、前記アノードに結合された第2のソース-ドレイン端子、及びゲート端子を有する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1の端子と、前記駆動トランジスタの前記第2のソース-ドレイン端子に結合された第2の端子とを有する蓄積コンデンサと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、データ線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号を受信するように構成されているゲート端子とを有するデータローディングトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、基準電圧線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第2の走査信号を受信するように構成されているゲート端子とを有する電圧設定トランジスタと、
前記駆動トランジスタがエミッションフェーズ中に前記発光ダイオードを通して駆動する電流の量をブーストするように構成された電流ブーストコンデンサであって、前記駆動トランジスタの前記第2のソース-ドレイン端子に結合された第1の端子を有し、前記電源線に結合された第2の端子を有する、電流ブーストコンデンサと、
前記電流ブーストコンデンサの前記第2の端子と前記電源線との間に結合された分離スイッチであって、前記カソード上のノイズが前記電源線に結合することを防止するために前記エミッションフェーズ中に無効にされる、分離スイッチとを備える、表示画素。
【請求項22】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタ及び前記発光ダイオードと直列に結合されたエミッショントランジスタと、
前記アノードに結合されたリセットトランジスタであって、前記エミッショントランジスタ及び前記リセットトランジスタが、同じ制御信号を受信するように構成される、リセットトランジスタと、
を更に備える、請求項21に記載の表示画素。
【請求項23】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタ及び前記発光ダイオードと直列に結合された第1のエミッショントランジスタ及び第2のエミッショントランジスタと、
前記アノードに結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧をリセットするように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタであって、前記分離スイッチが、前記第3の走査信号も受信するゲート端子を有する、アノードリセットトランジスタと、
を更に備える、請求項21に記載の表示画素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
これは、概して、ディスプレイを有する電子デバイスに関し、より詳細には、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどのディスプレイに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年7月7日に出願された米国特許出願第17/859,835号及び2021年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/244,045号の優先権を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、多くの場合、ディスプレイを含む。例えば、携帯電話及びポータブルコンピュータは、通常、ユーザに画像コンテンツを提示するためのディスプレイを備える。OLEDディスプレイは、発光ダイオードに基づく表示画素のアレイを有する。このタイプのディスプレイにおいて、各表示画素は、発光ダイオード、及び発光ダイオードを発光させるデータ信号の印加を制御するための関連する薄膜トランジスタを含む。電子デバイス用の満足のいくOLEDディスプレイを設計することは困難であり得る。
【発明の概要】
【0003】
電子デバイスが、表示画素のアレイを有するディスプレイを含んでもよい。表示画素は、有機発光ダイオード表示画素であってもよい。各表示画素は、少なくとも、発光する有機発光ダイオード(OLED)と、画素の動作を制御し、ディスプレイの温度輝度感度の低減を支援するための関連する薄膜トランジスタを含むことができる。
【0004】
表示画素は、発光ダイオードを通る電流を駆動するための駆動トランジスタと、駆動トランジスタと直列に結合された第1のエミッショントランジスタと、駆動トランジスタと直列に結合された第2のエミッショントランジスタと、駆動トランジスタのゲート端子とソース端子との間に結合された蓄積コンデンサと、駆動トランジスタのゲート端子に結合されたデータローディングトランジスタと、駆動トランジスタのゲート端子に結合されたゲート電圧設定トランジスタと、発光ダイオードのアノードに直接結合されたアノードリセットトランジスタと、駆動トランジスタのソース端子と静電圧源との間に結合された電流ブーストコンデンサとを含み得る。分離トランジスタは、電流ブーストコンデンサと直列に結合されることができ、発光ダイオードのカソード上の任意の潜在的なノイズが静電圧源上に結合することを防止するために、エミッション期間中にオフにされることができる。
【0005】
データローディングトランジスタは、データ線に結合することができ、第1の走査信号によって制御することができる。ゲート電圧設定トランジスタは、基準電圧線に結合され、第2の走査信号によって制御され得る。アノードリセットトランジスタは、アノードリセット電圧に結合され得る。分離トランジスタは、更に別の走査信号によって制御することができる。駆動トランジスタ、データローディングトランジスタ及びゲート電圧設定トランジスタは、半導体酸化物トランジスタであり得る。第1のエミッショントランジスタ及びアノードリセットトランジスタは、互いに反対のチャネルタイプを有し、同じ制御信号によって制御され得る。駆動トランジスタと第1のエミッショントランジスタの順序は相互交換することができる。画素は、駆動トランジスタのソース端子に結合された初期化トランジスタを更に含み得る。アノードリセットトランジスタ及び初期化トランジスタは、同じ走査信号によって制御されてもよい。別の例として、初期化トランジスタは第1のエミッション制御信号によって制御され、アノードリセットトランジスタは第2のエミッション制御信号によって制御されてもよい。所望に応じて、電流ブーストコンデンサは画素から除外されてもよい。
【0006】
データリフレッシュを実行するために、表示画素は、少なくとも初期化フェーズ、閾値電圧サンプリングフェーズ、及びデータプログラミングフェーズを経てもよい。初期化フェーズの間、ゲート電圧設定トランジスタは、基準電圧を駆動トランジスタのゲート端子に印加し、アノードリセットトランジスタは、アノード及び駆動トランジスタのソース端子をアノードリセット電圧レベルにリセットする。初期化トランジスタが駆動トランジスタのソース端子に結合される場合、駆動トランジスタのソース端子は、初期化電圧レベルに単独でリセットされ得る。閾値電圧サンプリングフェーズの終了時に、蓄積コンデンサは、蓄積コンデンサの両端の電圧が駆動トランジスタの閾値電圧に比例するようにバイアスされる。データプログラミングフェーズの間、データローディングトランジスタは、前の閾値電圧サンプリングフェーズにおいてサンプリングされた閾値電圧情報を失うことなく、データ信号を蓄積コンデンサにロードするようにアクティブ化される。分離トランジスタは、データリフレッシュ中にアクティブ化されてもよいが、エミッション前に非アクティブ化されてもよい。エミッション中に生成される対応する駆動電流は、駆動トランジスタにおける任意の閾値電圧変化から独立しているべきである。閾値電圧サンプリングフェーズは、温度変動に対するディスプレイの感度を低減するために、データプログラミングフェーズよりも実質的に長くてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】いくつかの実施形態による、ディスプレイを有する例示的な電子デバイスの図である。
【0008】
図2】いくつかの実施形態による、有機発光ダイオード(OLED)表示画素のアレイを有する例示的なディスプレイの図である。
【0009】
図3】いくつかの実施形態による、閾値電圧サンプリングフェーズ中のサンプリング電流を示す図である。
【0010】
図4】いくつかの実施形態による、ディスプレイ内の温度輝度感度が閾値電圧サンプリング持続時間の関数としてどのように変化するかを示すプロットである。
【0011】
図5A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の回路図である。
【0012】
図5B】いくつかの実施形態による、図5Aに示す画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0013】
図6A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0014】
図6B】いくつかの実施形態による、図6Aに示される画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0015】
図7A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0016】
図7B】いくつかの実施形態による、図7Aに示される画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0017】
図8A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0018】
図8B】いくつかの実施形態による、図8Aに示す画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0019】
図9A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0020】
図9B】いくつかの実施形態による、図9Aに示される画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0021】
図10】いくつかの実施形態による例示的な表示画素の別の実装を示す回路図である。
【0022】
図11A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0023】
図11B】いくつかの実施形態による、図11Aに示される画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0024】
図12A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0025】
図12B】いくつかの実施形態による、図12Aに示す画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0026】
図13A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0027】
図13B】いくつかの実施形態による、図13Aに示す画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0028】
図14A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0029】
図14B】いくつかの実施形態による、図14Aに示される画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【0030】
図15】いくつかの実施形態によるシリコントランジスタ及び半導体酸化物トランジスタを有する例示的な表示画素の側断面図である。
【0031】
図16A】いくつかの実施形態による、データプログラミングフェーズとは別の延長された閾値電圧サンプリングフェーズを実行するように動作可能な例示的な表示画素の別の実装形態を示す回路図である。
【0032】
図16B】いくつかの実施形態による、図16Aに示される画素のリフレッシュ動作中の関連する制御波形の挙動を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ディスプレイを備え得るタイプの例示的な電子デバイスを、図1に示す。図1に示すように、電子デバイス10は、制御回路16を有することができる。制御回路16は、デバイス10の動作をサポートするための記憶及び処理回路を含み得る。記憶及び処理回路は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又は、ソリッドステートドライブを形成するように構成されている他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含み得る。制御回路16内の処理回路は、デバイス10の動作を制御するために使用することができる。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
【0034】
入出力デバイス12などのデバイス10内の入出力回路を使用して、データをデバイス10へ供給することを可能にしてもよく、データをデバイス10から外部デバイスへ提供することを可能にしてもよい。入出力デバイス12は、ボタンジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、音源、振動器、カメラ、センサ、発光ダイオード及び他の状態インジケータ、データポートなどを含み得る。ユーザは、入出力デバイス12を介してコマンドを供給することによってデバイス10の動作を制御し得、入出力デバイス12の出力リソースを使用してデバイス10から状態情報及び他の出力を受信し得る。
【0035】
入出力デバイス12は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含み得る。ディスプレイ14は、ユーザからのタッチ入力を収集するためのタッチセンサを含むタッチスクリーンディスプレイであってもよく、又はディスプレイ14はタッチ感応性でなくてもよい。ディスプレイ14のためのタッチセンサは、静電容量式タッチセンサ電極のアレイ、音響タッチセンサ構造体、抵抗性タッチ構成要素、力ベースのタッチセンサ構造体、光ベースのタッチセンサ、又は他の好適なタッチセンサ装置に基づいてもよい。
【0036】
制御回路16は、オペレーティングシステムコード及びアプリケーションなどのソフトウェアをデバイス10上で実行するために使用されてもよい。デバイス10の動作中、制御回路16上で実行されているソフトウェアは、ディスプレイ14内の画素のアレイを使用して、ディスプレイ14上に画像を表示することができる。デバイス10は、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ディスプレイ、携帯電話、メディアプレーヤ、腕時計デバイス若しくは他のウェアラブル電子機器、又は他の好適な電子デバイスであってもよい。
【0037】
ディスプレイ14は、有機発光ダイオードディスプレイであってもよく、又は他のタイプのディスプレイ技術に基づくディスプレイであってもよい。ディスプレイ14が有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである構成が、一例として本明細書で説明される場合がある。しかしながら、これは、単に例示に過ぎない。所望であれば、デバイス10において任意の好適なタイプのディスプレイが使用されてもよい。
【0038】
ディスプレイ14は矩形の形状を有してもよく(すなわち、ディスプレイ14は、矩形のフットプリントと、その矩形のフットプリントの周囲に延びている矩形の周縁部を有し得る)、又は他の好適な形状を有してもよい。ディスプレイ14は平らであってもよく、又は湾曲した外形を有してもよい。
【0039】
ディスプレイ14の一部分の上面図を、図2に示す。図2に示すように、ディスプレイ14は、基板36上に形成された画素22のアレイを有してもよい。基板36は、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、磁器、又は他の基板材料から形成されてもよい。画素22は、(データ信号線、列線などと呼ばれることもある)データ線Dなどの信号経路を介してデータ信号を受信することができ、(ゲート線、走査線、発光制御線、行線などと呼ばれることもある)水平制御線Gなどの制御信号経路を介して、1つ以上の制御信号を受信することができる。ディスプレイ14内には、任意の好適な数(例えば、数十以上、数百以上、又は数千以上)の、画素22の行及び列が存在し得る。
【0040】
各画素22は、薄膜トランジスタ28及び薄膜コンデンサなどの薄膜トランジスタ回路から形成された画素制御回路の制御下で光24を発する発光ダイオード26を有し得る。薄膜トランジスタ28は、ポリシリコン薄膜トランジスタ、インジウム亜鉛ガリウム酸化物トランジスタなどの半導体酸化物薄膜トランジスタ、又は他の半導体から形成された薄膜トランジスタであってもよい。画素22は、カラー画像を表示する能力をディスプレイ14に提供するために異なる色(例えば、赤色、緑色、及び青色)の発光ダイオードを含んでもよい。
【0041】
ディスプレイドライバ回路30を使用して、画素22の動作を制御してもよい。ディスプレイドライバ回路30は、集積回路、薄膜トランジスタ回路、又は他の好適な電子回路から形成することができる。図2のディスプレイドライバ回路30は、経路32を介して、図1の制御回路16などのシステム制御回路と通信するための通信回路を含み得る。経路32は、フレキシブルプリント回路上のトレース、又は他のケーブルから形成することができる。動作中、制御回路(例えば、図1の制御回路16)は、ディスプレイ14上に表示される画像についての情報を、回路30に供給することができる。
【0042】
表示画素22上に画像を表示するために、ディスプレイドライバ回路30は、クロック信号及び他の制御信号を、経路38を介してゲートドライバ回路34などの補助ディスプレイドライバ回路に発行しながら、画像データをデータ線D(例えば、画素22の列を流れ下るデータ線)に供給することができる。所望であれば、ディスプレイドライバ回路30はまた、クロック信号及び他の制御信号をディスプレイ14の反対側のエッジ上のゲートドライバ回路34に供給することができる(例えば、ゲートドライバ回路は、表示画素アレイの2つ以上の側部上に形成されてもよい)。
【0043】
(水平線制御回路又は行ドライバ回路と呼ばれることもある)ゲートドライバ回路34は、集積回路の一部として実装することができ、及び/又は薄膜トランジスタ回路を使用して実装され得る。ディスプレイ14内の水平/行制御線Gは、ゲート線信号(走査線制御信号)、発光有効化制御信号、及び/又は各行の画素を制御するための他の水平制御信号を搬送することができる。画素22の行ごとに任意の好適な数の水平制御信号(例えば、1つ以上の行制御線、2つ以上の行制御線、3つ以上の行制御線、4つ以上の行制御線、5つ以上の行制御線など)が存在してもよい。
【0044】
図3は、表示画素22の一部分を示す図である。図3に示すように、画素22は、少なくとも、トランジスタTdriveなどの駆動トランジスタと、コンデンサCstなどの蓄積コンデンサと、発光ダイオード26とを含むことができる。画素22はまた、データローディングトランジスタ、エミッション制御トランジスタ、アノードリセットトランジスタ、初期化トランジスタ、バイアストランジスタなどの他のトランジスタを含み得る。駆動トランジスタTdriveは、駆動電流をダイオード26に提供するように構成され、ゲート(G)端子、ドレイン(D)端子、及びソース(S)端子を有する。トランジスタの電流導電端子を説明するために使用される「ソース」及び「ドレイン」端子という用語は、時には相互交換可能であり、本明細書では「ソース-ドレイン」端子と呼ばれ得る。蓄積コンデンサCstは、トランジスタTdriveのゲート端子に結合されてもよく、画素22のデータ信号値を蓄積するように構成されてもよい。
【0045】
実際には、表示画素22は、プロセス、電圧、及び温度(PVT)の変化の影響を受ける場合がある。そのような変化に起因して、異なる表示画素22間でトランジスタの閾値電圧が変化する可能性がある。駆動トランジスタの閾値電圧における変化により、異なる表示画素22に所望の画像にマッチしない光量を生成させる可能性がある。閾値電圧変化を緩和するための取り組みでは、図3に示すタイプの表示画素22は、画素内閾値電圧(Vt)補償をサポートするように動作可能であってもよい。画素内Vtキャンセリングス動作とも呼ばれる画素内閾値電圧補償動作は通常、少なくとも初期化フェーズと、Vtサンプリングフェーズと、データプログラミングフェーズと、エミッションフェーズと、を(この順で)含むことができる。Vtサンプリングフェーズ中、トランジスタTdriveの閾値電圧は、蓄積コンデンサCstを使用してサンプリングされ得る。その後、エミッションフェーズの間、トランジスタTdriveから発光ダイオード26内に流れるエミッション電流は、サンプリングされたVtレベルと相殺される期間を有する。結果として、エミッション電流は、駆動トランジスタの閾値電圧Vtに依存せず、したがって、駆動トランジスタにおける任意のVt変化の影響を受けないことになる。Vtサンプリングフェーズ中、サンプリング電流は、電流Isampleによって示されるようにトランジスタTdriveを通って流れることができる。
【0046】
サンプリング電流レベルIsampleは、温度に対するディスプレイの感度に影響を及ぼし得る。例えば、ディスプレイの輝度は、温度の関数として変化し得る。そのような変動は、本明細書では温度輝度感度として定義される。実験は、サンプリング電流レベルが高いほど、特に低階調レベルにおいて温度輝度感度が高くなり、サンプリング電流レベルが低いほど、低階調レベルにおいて温度輝度感度が低くなることを示している。温度輝度感度は、所定の温度変化に対する表示輝度のパーセンテージ変化として定義することができる。一般に、温度に対するディスプレイの感度を最小化するために、温度輝度感度を可能な限り0に近く保持することが望ましい。
【0047】
実施形態によれば、サンプリング電流Isampleは、Vtサンプリングフェーズの持続時間を長くすることによって低減することができる。図4は、ディスプレイにおける温度輝度感度が閾値電圧サンプリング持続時間Tsampleの関数としてどのように変化するかを示す特性曲線50をプロットしている。図4に示すように、曲線50は、閾値電圧サンプリング時間Tsampleが増加するにつれて、0%/℃に近づく。換言すれば、Tsample持続時間を増加させることにより、温度に対するディスプレイの感度を低減するのに役立ち得る。しかしながら、従来の表示画素アーキテクチャでは、Vtサンプリング持続時間は、データプログラミング期間の持続時間によって制限される(すなわち、データプログラミング期間は通常、ディスプレイの性能要件によって設定される1行時間に制限される)。
【0048】
実施形態によれば、図5Aは、閾値電圧サンプリングフェーズをデータプログラミングフェーズから分離し、閾値電圧サンプリングフェーズの持続時間を延長して温度輝度感度を低減することによって、温度輝度感度を低減するように動作可能な例示的な表示画素22の回路図である。図5Aに示すように、表示画素22は、有機発光ダイオード26などの発光素子と、蓄積コンデンサCstなどのコンデンサと、駆動トランジスタTdrive、ゲート電圧設定トランジスタTref、データローディングトランジスタTdata、アノードリセットトランジスタTar、及び、エミッション制御トランジスタTem1、Tem2などの薄膜トランジスタとを含み得る。エミッショントランジスタTem1及びTem2は、エミッショントランジスタと呼ばれることがある。画素22内のトランジスタの少なくとも一部又は全部は、半導体酸化物トランジスタである。半導体酸化物トランジスタは、半導体酸化物材料(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物すなわちIGZO、インジウムスズ亜鉛酸化物すなわちITZO、インジウムガリウムスズ亜鉛酸化物すなわちIGTZO、インジウムスズ酸化物すなわちITO、又は他の半導体酸化物材料)から形成されたチャネル領域を有する薄膜トランジスタとして定義され、一般に、n型(nチャネル)トランジスタと見なされる。
【0049】
半導体酸化物トランジスタは、シリコントランジスタ(すなわち、LTPS又は低温ポリシリコンと呼ばれることもある低温プロセスを使用して堆積されたポリシリコンチャネル領域を有するトランジスタ)とは著しく異なる。半導体酸化物トランジスタは、シリコントランジスタよりも漏れが低いため、トランジスタの少なくとも一部を画素22内に実装することにより、(例えば、電流がゲート端子又は駆動トランジスタTdriveから漏れ出すのを防止することによって)点滅(flicker)を低減するのに役立ち得る。
【0050】
所望であれば、画素22内のトランジスタの少なくとも一部は、画素22が半導体酸化物トランジスタとシリコントランジスタ(例えば、n型LTPSトランジスタ又はp型LTPSトランジスタ)との組み合わせを含むハイブリッド構成を有するように、シリコントランジスタとして実装されてもよい。更に他の適切な実施形態では、画素22は、画素22内の1つ以上の内部ノードに初期化電圧又は基準電圧を印加するための追加の初期化トランジスタを含むことができる。別の例として、表示画素22は、画素22の性能又は動作を改善する1つ以上のバイアス電圧を印加するための追加のスイッチングトランジスタ(例えば、1つ以上の追加の半導体酸化物トランジスタ又はシリコントランジスタ)を更に含むことができる。画素22がシリコントランジスタ及び半導体酸化物トランジスタの両方を含む例示的な構成は、本明細書では一例として説明されることがある。
【0051】
図5Aの例では、トランジスタTdrive、Tdata、Tref、及びTarは、半導体酸化物トランジスタ(例えば、n型半導体酸化物トランジスタ)として実装される。エミッショントランジスタTem1は、p型(pチャネル)シリコントランジスタとして実装され、エミッショントランジスタTem2は、n型(nチャネル)シリコントランジスタとして実装される。所望であれば、トランジスタTarは、代替的にn型シリコントランジスタとして実装され得る。一般に、n型半導体酸化物及びシリコントランジスタは、「アクティブハイ」デバイス(例えば、ゲート端子における電圧がハイに駆動されるときにアクティブ化されるかオンにされるスイッチ)であり、p型シリコントランジスタは、「アクティブロー」デバイス(例えば、ゲート端子における電圧がローに駆動されるときに非アクティブ化されるかオフにされるスイッチ)である。
【0052】
駆動トランジスタTdriveは、ゲート端子G、(第1のソース-ドレイン端子と呼ばれることもある)ドレイン端子D、及び(第2のソース-ドレイン端子と呼ばれることもある)ソース端子Sを有する。トランジスタTdrive、エミッション制御トランジスタTem1、Tem2、及び発光ダイオード26は、正電源線60と接地電源線62との間に直列に結合された。発光ダイオード26は、関連するダイオードキャパシタンスColedを有することができる。エミッショントランジスタTem1は、第1のエミッション制御信号EM1を受信するように構成されたゲート端子を有する一方で、トランジスタTem2は、第2のエミッション制御信号EM2を受信するように構成されたゲート端子を有し得る。トランジスタTem1及びTem2が異なるエミッション信号を受信するこの例は単なる例示である。他の実施形態では、トランジスタTem1及びTem2は同じエミッション制御信号を受信することができる。
【0053】
正電源電圧VDDELは、正電源端子60に供給され得、接地電源電圧VSSELは、接地電源端子62に供給され得る。正電源電圧VDDは、3V、4V、5V、6V、7V、2~8V、6V超、8V超、10V超、12V超、6~12V、12~20V、又は任意の好適な正電源電圧レベルであってもよい。接地電源電圧VSSELは、0V、-1V、-2V、-3V、-4V、-5V、-6V、-7V、2V未満、1V未満、0V未満、又は任意の好適な接地若しくは負電源電圧レベルであってもよい。エミッションフェーズの間、信号EM1及びEM2は、トランジスタTem1及びTem2をオンにするようにアサートされることができ、これにより、電流が駆動トランジスタTdriveからダイオード26に流れることが可能になる。駆動トランジスタTdriveがオンする程度により、ダイオード26を介して端子60から端子62に流れる電流量、ひいては表示画素22からの発光量が制御される。
【0054】
図5Aの例では、蓄積コンデンサCstは、駆動トランジスタTdriveのゲート端子とソース端子との間に結合され得る。データローディングトランジスタTdataは、トランジスタTdriveのゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、データ線(例えば、データ信号を搬送する列線)に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査制御信号SCAN1を受信するように構成されているゲート端子とを有し得る。トランジスタTrefは、トランジスタTdriveのゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、基準電圧線(例えば、基準電圧Vrefを搬送する列線)を介して基準電圧Vrefに結合された第2のソース-ドレイン端子と、第2の走査制御信号SCAN2を受信するように構成されているゲート端子とを有し得る。したがって、Tdriveへのゲート端子に基準電圧Vrefを渡すように動作可能なトランジスタTrefは、ゲート電圧設定トランジスタと呼ばれることがある。電圧Vrefは、VDDELに等しいか、VDDEL未満であるか、又はVSSELとVDDELとの間の何らかの他の電圧レベルである固定電圧レベルであり得る。
【0055】
アノードリセットトランジスタTarは、ダイオード26のアノード端子(アノード電極と呼ばれることもある)に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧線(例えば、アノードリセット電圧Varを搬送する列線)を介してアノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第1のエミッション制御信号EM1を受信するように構成されたゲート端子とを有し得る。ダイオード26は、VSSEL接地電源線62(共通電源線と呼ばれることもある)に結合されたカソード端子(カソード電極と呼ばれることもある)を有する。
【0056】
いくつかの電子デバイスでは、カソード端子は、ノイズを受ける可能性がある(例えば、カソードノイズ源64を参照)。このカソードノイズ64は、カソード層と重なって形成されることがあるタッチセンサ電極からなど、ディスプレイスタックの近傍に配置された他のシグナリング構成要素に起因して生じる可能性がある。したがって、重なり合うタッチセンサ電極からの任意の潜在的な信号摂動が、VSSEL接地線上に不注意に結合され得る。
【0057】
表示画素22はまた、トランジスタTdriveのソース端子と直流電圧Vdcとの間に結合された追加のコンデンサCboostを含む。電圧Vdcは、画素22内のVDDEL、VSSEL、Vref、Var、又は他の利用可能な/既存のDC若しくは静的電源電圧に短絡され得る。VdcがVDDELに短絡されるデバイス構成は、本明細書において一例として説明されることがある。このように構成すると、画素22の駆動電流は、[(Coled+Cboost)/(Cst+Coled+Cboost)に比例する。コンデンサCboostを適切なサイズにすることによって、Coledによって引き起こされる駆動電流の減衰は、特定のデータ電圧範囲で減少させることができる。したがって、コンデンサCboostは、駆動電流レベルをブーストするように機能し、したがって、電流ブーストコンデンサと呼ばれることがある。
【0058】
エミッション中、カソードノイズ64は、ダイオードキャパシタンスColed及び電流ブーストコンデンサCboostを介してVdc(例えば、VDDEL線)に不注意に結合される可能性がある。Vdcに結合されるそのようなノイズは、画素22にロードされるデータ信号の値に影響を及ぼす可能性があり、それは望ましくない表示アーチファクトにつながる可能性がある。このような潜在的なノイズ影響を軽減するために、画素22には、トランジスタTdriveのソース端子とVdc電圧線との間でコンデンサCboostと直列に結合された分離スイッチTisoなどの分離デバイスが備えられる。エミッション期間中、スイッチTisoは、カソードノイズ64が電圧Vdcに結合されることを防止するために、非アクティブ化され(オフにされ)得る。カソードとVdcとの間のこの容量結合経路を遮断することによって、そのようなノイズ結合に関連する任意の悪影響又は望ましくない影響を軽減することができる。したがって、スイッチTisoは、ノイズ遮断器、ノイズ分離器、又はノイズデカップリングスイッチと呼ばれることがある。スイッチTisoは、半導体酸化物トランジスタ、n型シリコントランジスタ、又はp型シリコントランジスタとすることができる。
【0059】
図5Bは、図5Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。時刻t1以前において、第2のエミッション信号EM2はハイである。
【0060】
時刻t1において、第1のエミッション制御信号EM1がハイにパルス化され、アノードリセットトランジスタTarが一時的にアクティブ化される。アノードリセットトランジスタTarをアクティブ化すると、ダイオード26のアノード端子がアノードリセット電圧レベルVarにバイアスされる。このとき、第2のエミッション制御信号EM2はハイであるので、トランジスタTdriveのソース端子もリセット電圧Varにバイアスされる。t1の後のある時刻に、走査信号SCAN2をアサートして(ハイに駆動して)、トランジスタTrefをアクティブ化する(オンにする)ことができる。トランジスタTrefをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのゲート端子が基準電圧レベルVrefに駆動される。したがって、信号SCAN2がアサートされている間、トランジスタTdriveのゲート-ソース電圧Vgsは(Vref-Var)にバイアスされる。トランジスタTdriveのVgsが既知の電圧差に初期化され、アノード端子が電圧Varにリセットされる時刻t1とt2との間のこの期間は、初期化フェーズと呼ばれることがある。次に、信号SCAN3は、分離スイッチTisoをオンにするために(例えば、ブーストコンデンサCboostを使用状態に切り替えるために)、初期化フェーズ中のある時点でハイに駆動される。初期化フェーズの終了時(時刻t2)に、第2のエミッション制御信号EM2は、トランジスタTem2をオフにするためにローに駆動される。
【0061】
時刻t3において、第1のエミッション制御信号EM1がローにパルス化され、トランジスタTem1がオンする。トランジスタTem1をオンにすると、トランジスタTdriveのドレイン端子がVDDELまで駆動され、その結果、トランジスタTdriveのソース端子が、トランジスタTdriveのゲートにおけるVrefレベルよりも1Vt低いレベルまで充電される。換言すれば、トランジスタTdriveのソース端子は、(Vref-Vt)まで充電される。したがって、この時間中に蓄積コンデンサにわたってサンプリングされる電圧は(Vref-[Vref-Vt])に等しく、これはVtに等しい。時刻t4において、エミッション信号EM1がハイに駆動されてトランジスタTem1をオフにし、信号SCAN2がローに駆動されてトランジスタTrefをオフにする。Vtが蓄積コンデンサCstにわたってサンプリングされるt3からt4までのこの期間は、Vtサンプリング持続時間Tsampleを有するVtサンプリングフェーズと呼ばれる。
【0062】
時刻t5において、走査信号SCAN1は、トランジスタTdataをオンにするためにハイにパルス化される。トランジスタTdataをアクティブ化させると、トランジスタTdriveのゲート端子が、画素22の新しいデータ信号値に対応するデータ電圧Vdataに駆動される。このとき、トランジスタTem2はオフにされるので、トランジスタTdriveのソース端子はハイインピーダンスノードとなり、コンデンサCstは放電できない(例えば、コンデンサCstにわたる電圧は、駆動トランジスタゲート端子が新たなVdataレベルに駆動されるにもかかわらず、Vtに等しいままである)。トランジスタTdataがデータ電圧Vdataをロードするためにアクティブ化される時刻t5~t6のこの期間は、データプログラミングフェーズと呼ばれる。
【0063】
時刻t7において、エミッション信号EM1及びEM2の両方がアサートされてエミッションフェーズを開始し、その間にダイオード26は電圧Vdataに比例する光量を発することができる。エミッションフェーズの間、結果として生じるトランジスタTdriveのVgsは、[Vdata-(Vref-Vt)]に等しくなる。最終的なエミッション電流はVgs-Vtに比例するため、(Vgs-Vt)が(Vdata-Vref+Vt-Vt)と等しくなり、Vtが相殺されるので、エミッション電流はVtに依存しない。このように駆動トランジスタ閾値電圧が内部サンプリングされ相殺されるタイプの動作方式は、画素内閾値電圧補償と呼ばれることがある。初期化フェーズ、Vtサンプリングフェーズ、及びデータプログラミングフェーズを含むt1からt6までの期間は、データリフレッシュ期間と呼ばれることがある。信号SCAN4は、データリフレッシュ動作中にアサートされて、所望の量の電流ブーストによる適切なデータローディングを保証する。しかしながら、信号SCAN4は、画素22内の1つ以上のDC(静的)電圧ノード(例えば、Vdc)に漏れる任意の潜在的なカソードノイズを分離又は遮断するために、エミッション期間中にデアサートされる。
【0064】
温度変動に対するディスプレイの感度を最小限に抑えるために、Vtサンプリングフェーズの持続時間Tsampleを延長することができ、それによりサンプリング電流レベルを低減する。Vtサンプリングフェーズをデータプログラミングフェーズから切り離すことにより、Vtサンプリングフェーズ持続時間をデータプログラミングフェーズ持続時間から独立して長くすることが可能になり、データプログラミングフェーズ持続時間は、通常、ディスプレイの性能要件によって設定される1行時間に制限される。いくつかの実施形態では、Vtサンプリングフェーズ持続時間(すなわち、期間Tsample)は、データプログラミングフェーズ持続時間(すなわち、SCAN1のパルス幅)よりも10から20倍長くすることができる。一般に、Vtサンプリングフェーズ持続時間Tsampleは、データプログラミングフェーズ持続時間よりも少なくとも2倍、5倍、2~5倍、10倍、5~10倍、10~20倍、又は20倍超長くすることができる。Vtサンプリングフェーズの持続時間は、ディスプレイ温度輝度感度を抑制する必要な程度に応じて動的に調整することもできる。一般に、Vtサンプリングフェーズ持続時間が長くなれば、温度輝度感度が減少するであろう。
【0065】
エミッショントランジスタTem1がp型シリコントランジスタとして実装され、エミッショントランジスタTem2がn型シリコントランジスタとして実装される図5Aの例は、単なる例示である。図6Aは、エミッショントランジスタTem1が半導体酸化物トランジスタとして実装され、エミッショントランジスタTem2がp型シリコントランジスタとして実装される画素22の別の好適な実施形態を示す。更に、アノードリセットトランジスタTarは、p型シリコントランジスタとして実装することができる。画素22の残りの構造は、図5Aに関連して既に説明したものと同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0066】
図6Bは、図6Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。トランジスタTem1を制御する信号EM1は、ここではアクティブハイ信号であるので、信号EM1の極性は、図5Bに示されるものに対して反転され得る。同様に、トランジスタTem2を制御する信号EM2は、ここではアクティブロー信号であるので、信号EM2の極性は、図5Bに示されるものに対して反転され得る。その他の点では、図6Aに示されるタイプの画素22を動作させるための原理及びフェーズは、図5Bに関して既に説明されたものと同じままであり、明確にするために詳細に繰り返す必要はない。
【0067】
トランジスタTarがp型シリコントランジスタとして実装される図6Aの例は単なる例示である。図16Aは、トランジスタTiso、Tar、及びTem2が全てn型トランジスタとして実装される、画素22の別の好適な実施形態を示す。所望であれば、図16Aの画素22を有する薄膜トランジスタの全てをn型半導体酸化物トランジスタとして実装することができる(例えば、トランジスタTdrive、Tdata、Tref、Tem1、Tem2、Tiso、及びTarは全て半導体酸化物トランジスタとして実装される)。特に、分離トランジスタTisoは、コンデンサCboostに結合された第1のソース-ドレイン端子と、電圧Vdcに結合された第2のソース-ドレイン端子と、第3の走査信号SCAN3を受信するように構成されたゲート端子とを有し得る。アノードリセットトランジスタは、ダイオード26のアノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、電圧Varを受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第3の走査信号SCAN3を受信するように構成されたゲート端子とを有し得る。画素22の残りの構造は、図6Aに関連して既に説明したものと同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0068】
図16Bは、図16Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。n型トランジスタTem2を制御する信号EM2は、ここではアクティブハイ信号であるので、信号EM2の極性は、図6Bに示されるものに対して反転され得る。その他の点では、図16Aに示されるタイプの画素22を動作させるための原理及びフェーズは、図6Bに関して既に説明されたものと同じままであり、明確にするために詳細に繰り返す必要はない。
【0069】
エミッショントランジスタTem1が正電源線60と駆動トランジスタTdriveとの間に結合された図5Aの例は、単なる例示である。図7Aは、トランジスタTdrive及びTem1の順序が入れ替えられた画素22の別の好適な実施形態を示す。特に、トランジスタTdriveは、正電源線60に直接結合されたドレイン端子と、トランジスタTem1を介してトランジスタTem2に結合されたソース端子とを有する。トランジスタTem1は、トランジスタTdriveのソース端子に結合されたソース端子と、信号EM1を受信するように構成されたゲート端子と、ドレイン端子とを有する。蓄積コンデンサCstは、トランジスタTdriveのゲート端子に結合された第1の端子と、トランジスタTem1のドレイン端子に結合された第2の端子とを有する。ここで、コンデンサCboostはトランジスタTem1のドレイン端子に結合される。トランジスタTem1と同様に、トランジスタTem2もp型シリコントランジスタとして実装され得る。画素22の残りの構造は、図5Aに関連して既に説明したものと同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0070】
図7Bは、図7Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。時刻t1以前において、第2のエミッション信号EM2はローである。
【0071】
時刻t1において、第1のエミッション制御信号EM1がハイにパルス化され、アノードリセットトランジスタTarが一時的にアクティブ化される。アノードリセットトランジスタTarをアクティブ化すると、ダイオード26のアノード端子がアノードリセット電圧レベルVarにバイアスされる。このとき、第2のエミッション制御信号EM2はローであるので、トランジスタTdriveのソース端子もリセット電圧Varにバイアスされる。t1の後のある時刻に、走査信号SCAN2をアサートして(ハイに駆動して)、トランジスタTrefをアクティブ化する(オンにする)ことができる。トランジスタTrefをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのゲート端子が基準電圧レベルVrefに駆動される。信号SCAN2がアサートされている間、トランジスタTdriveのゲート-ソース電圧Vgsは、したがって、初期化フェーズ中に(Vref-Var)にバイアスされる。次に、信号SCAN3は、分離スイッチTisoをオンにするために(例えば、ブーストコンデンサCboostを使用状態に切り替えるために)、初期化フェーズ中のある時点でハイに駆動される。初期化フェーズの終了時(時刻t2)において、第2のエミッション制御信号EM2は、トランジスタTem2をオフにするためにハイに駆動される。
【0072】
時刻t3において、第1のエミッション制御信号EM1がローにパルス化され、トランジスタTem1がオンする。トランジスタTem1をオンにすると、トランジスタTdriveのドレイン端子がVDDELまで駆動され、その結果、トランジスタTdriveのソース端子が、トランジスタTdriveのゲートにおけるVrefレベルよりも1Vt低いレベルまで充電される。換言すれば、トランジスタTdriveのソース端子は、Vtサンプリングフェーズ中に(Vref-Vt)まで充電される。したがって、この時間中に蓄積コンデンサにわたってサンプリングされる電圧は(Vref-[Vref-Vt)に等しく、これはVtに等しい。時刻t4において、エミッション信号EM1がハイに駆動されてトランジスタTem1をオフにし、信号SCAN2がローに駆動されてトランジスタTrefをオフにする。
【0073】
時刻t5において、走査信号SCAN1がハイにパルス化されて、データプログラミングフェーズ中にトランジスタTdataをオンにする。トランジスタTdataをアクティブ化させると、トランジスタTdriveのゲート端子が、画素22の新しいデータ信号値に対応するデータ電圧Vdataに駆動される。このとき、トランジスタTem2はオフにされるので、トランジスタTdriveのソース端子はハイインピーダンスノードとなり、コンデンサCstは放電できない(例えば、コンデンサCstにわたる電圧は、駆動トランジスタゲート端子が新たなVdataレベルに駆動されるにもかかわらず、Vtに等しいままである)。
【0074】
時刻t7において、エミッション信号EM1及びEM2の両方がアサートされてエミッションフェーズを開始し、その間にダイオード26は電圧Vdataに比例する光量を発することができる。エミッションフェーズの間、結果として生じるトランジスタTdriveのVgsは、[Vdata-(Vref-Vt)に等しくなる。(Vgs-Vt)は(Vdata-Vref+Vt-Vt)に等しくなるので、最終的なエミッション電流はVgs-Vtに比例するので、エミッション電流はVtとは無関係であり、Vtは相殺して画素内閾値電圧補償を実行する。温度変動に対するディスプレイの感度を最小限に抑えるために、Vtサンプリング位相持続時間を任意選択的に延長することができる(例えば、Vtサンプリングフェーズ期間は、データプログラミングフェーズ持続時間よりも少なくとも2倍、5倍、2倍~5倍、10倍、5倍~10倍、10倍~20倍、又は20倍超長くすることができる)。Vtサンプリングフェーズの持続時間は、ディスプレイ温度輝度感度を抑制する必要な程度に応じて動的に調整することもできる。
【0075】
エミッショントランジスタTem1がp型シリコントランジスタとして実装され、アノードリセットトランジスタTarが半導体酸化物トランジスタとして実装される図7Aの例は、単なる例示である。図8Aは、エミッショントランジスタTem1が半導体酸化物トランジスタとして実装され、アノードリセットトランジスタTarがp型シリコントランジスタとして実装される、画素22の別の好適な実施形態を示す。画素22の残りの構造は、図7Aの構造と同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0076】
図8Bは、図7Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。トランジスタTem1を制御する信号EM1は、ここではアクティブハイ信号であるので、信号EM1の極性は、図7Bに示されるものに対して反転され得る。その他の点では、図8Aに示されるタイプの画素22を動作させるための原理及びフェーズは、図7Bに関して既に説明されたものと同じままであり、明確にするために詳細に繰り返す必要はない。
【0077】
1つのリセットトランジスタTarのみを有する図5Aの実施形態は、単なる例示である。図9Aは、トランジスタTiniなどの追加の初期化トランジスタが備えられた画素22の別の好適な実施形態を示す。図9Aに示すように、初期化トランジスタTiniは、トランジスタTdriveのソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化線(例えば、Viniを搬送する列線)を介して初期化電圧Viniを受け取るように構成されたドレイン端子と、走査信号SCAN3を受信するように構成されたゲート端子とを有する。電圧Viniは、電圧Varと等しくてもよいし、異なっていてもよい。一例では、ViniはVarより大きくてもよい。別の例では、ViniはVar未満であってもよい。トランジスタTarは、信号SCAN3を受信するようにも構成されたゲート端子を有するp型シリコントランジスタである。エミッショントランジスタTem2は、p型シリコントランジスタである。ここで、ノイズデカップリングスイッチTisoは、第4の走査制御信号SCAN4によって制御される。画素22の残りの構造は、図5Aの構造と同様であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。トランジスタTar及びTiniは、相互交換可能に「リセット」トランジスタと呼ばれることがある。
【0078】
図9Bは、図9Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。時刻t1の前に、エミッション制御信号EM1及びEM2もハイに駆動されて、エミッショントランジスタTem1及びTem2をオフにすることができる。信号EM2は、(例えば、エミッションの開始までトランジスタTem2をオフに保持するために)リフレッシュ動作の残りの間、ハイのままであり得る。
【0079】
時刻t1において、信号SCAN3がローにパルス化され、アノードリセットトランジスタTar及び初期化トランジスタTiniを一時的にアクティブ化する。アノードリセットトランジスタTarをアクティブ化すると、ダイオード26のアノード端子がアノードリセット電圧レベルVarにバイアスされる。初期化トランジスタTiniをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのソース端子が初期化電圧レベルViniにバイアスされる。t1のしばらく後に、走査信号SCAN2をアサート(ハイ駆動)してトランジスタTrefをアクティブ化する(オンにする)ことができる。トランジスタTrefをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのゲート端子が基準電圧レベルVrefに駆動される。信号SCAN3がアサートされている間、トランジスタTdriveのゲート-ソース電圧Vgsは、したがって、初期化フェーズ中に(Vref-Vini)にバイアスされる。次に、信号SCAN4は、分離スイッチTisoをオンにするために(例えば、ブーストコンデンサCboostを使用状態に切り替えるために)、初期化フェーズ中のある時点でハイに駆動される。
【0080】
時刻t3において、第1のエミッション制御信号EM1がローにパルス化され、トランジスタTem1がオンする。トランジスタTem1をオンにすると、トランジスタTdriveのドレイン端子がVDDELまで駆動され、その結果、トランジスタTdriveのソース端子が、トランジスタTdriveのゲートにおけるVrefレベルよりも1Vt低いレベルまで充電される。換言すれば、トランジスタTdriveのソース端子は、Vtサンプリングフェーズ中に(Vref-Vt)まで充電される。したがって、この時間中に蓄積コンデンサにわたってサンプリングされる電圧は(Vref-[Vref-Vt])に等しく、これはVtに等しい。時刻t4において、エミッション信号EM1がハイに駆動されてトランジスタTem1をオフにし、信号SCAN2がローに駆動されてトランジスタTrefをオフにする。
【0081】
時刻t5において、走査信号SCAN1がハイにパルス化されて、データプログラミングフェーズ中にトランジスタTdataをオンにする。トランジスタTdataをアクティブ化させると、トランジスタTdriveのゲート端子が、画素22の新しいデータ信号値に対応するデータ電圧Vdataに駆動される。このとき、トランジスタTem2、Tiniはオフにされるので、トランジスタTdriveのソース端子はハイインピーダンスノードとなり、コンデンサCstは放電できない(例えば、コンデンサCstにわたる電圧は、駆動トランジスタゲート端子が新たなVdataレベルに駆動されるにもかかわらず、Vtに等しいままである)。
【0082】
時刻t7において、エミッション信号EM1及びEM2の両方がアサートされてエミッションフェーズを開始し、その間にダイオード26は電圧Vdataに比例する光量を発することができる。エミッションフェーズの間、結果として生じるトランジスタTdriveのVgsは、[Vdata-(Vref-Vt)]に等しくなる。(Vgs-Vt)は(Vdata-Vref+Vt-Vt)に等しくなるので、最終的なエミッション電流はVgs-Vtに比例するので、エミッション電流はVtとは無関係であり、Vtは相殺して画素内閾値電圧補償を実行する。温度変動に対するディスプレイの感度を最小限に抑えるために、Vtサンプリング位相持続時間を任意選択的に延長することができる(例えば、Vtサンプリングフェーズ持続時間は、データプログラミングフェーズ持続時間よりも少なくとも2倍、5倍、2倍~5倍、10倍、5倍~10倍、10倍~20倍、又は20倍超長くすることができる)。Vtサンプリングフェーズの持続時間は、ディスプレイ温度輝度感度を抑制する必要な程度に応じて動的に調整することもできる。
【0083】
エミッショントランジスタTem1が正電源線60と駆動トランジスタTdriveとの間に結合された図9Aの例は、単なる例示である。図10は、トランジスタTdrive及びTem1の順序が入れ替えられた画素22の別の好適な実施形態を示す。特に、トランジスタTdriveは、正電源線60に直接結合されたドレイン端子と、トランジスタTem1を介してトランジスタTem2に結合されたソース端子とを有する。トランジスタTem1は、トランジスタTdriveのソース端子に結合されたソース端子と、信号EM1を受信するように構成されたゲート端子と、ドレイン端子とを有する。蓄積コンデンサCstは、トランジスタTdriveのゲート端子に結合された第1の端子と、トランジスタTem1のドレイン端子に結合された第2の端子とを有する。ここで、コンデンサCboostは、トランジスタTem1のドレイン端子に結合される。画素22の残りの構造は、図9Aに関連して既に説明したものと同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。図10の画素を動作させるためのタイミング図は、図9Bのタイミング図と同一であってもよい。
【0084】
トランジスタTar及びTiniが両方とも信号SCAN3を受信するように構成されたp型シリコントランジスタである図9Aの実施形態は、単なる例示である。図11Aは、両方とも半導体酸化物トランジスタとして実装されたトランジスタTar及びTiniを有する画素22の別の好適な実施形態を示す。図11Aに示すように、トランジスタTarは、アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧Varを受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、エミッション制御信号EM2を受信するように構成されたゲート端子とを有し得る。トランジスタTem2は、ここではp型シリコントランジスタとして実装される。トランジスタTiniは、トランジスタTdriveのソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化電圧Viniを受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、受信信号EM1を受信するように構成されたゲート端子とを有し得る。画素22の残りの構造は、図5Aの構造と同様であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0085】
図11Bは、図11Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。時刻t1の前に、エミッション制御信号EM1及びEM2もハイに駆動されて、エミッショントランジスタTem1及びTem2をオフにすることができる。信号EM2は、(例えば、エミッションの開始までトランジスタTem2をオフに保持するために)リフレッシュ動作の残りの間、ハイのままであり得る。
【0086】
時刻t1からt2までの初期化フェーズの間、ハイEM1はトランジスタTiniをオンにし、ハイEM2はトランジスタTarをオンにする。アノードリセットトランジスタTarをアクティブ化すると、ダイオード26のアノード端子がアノードリセット電圧レベルVarにバイアスされる。初期化トランジスタTiniをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのソース端子が初期化電圧レベルViniにバイアスされる。t1のしばらく後に、走査信号SCAN2をアサート(ハイ駆動)してトランジスタTrefをアクティブ化する(オンにする)ことができる。トランジスタTrefをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのゲート端子が基準電圧レベルVrefに駆動される。したがって、少なくとも信号EM1がアサートされている間、トランジスタTdriveのゲート-ソース電圧Vgsは、初期化フェーズ中に(Vref-Vini)にバイアスされる。次に、信号SCAN3は、分離スイッチTisoをオンにするために(例えば、ブーストコンデンサCboostを使用状態に切り替えるために)、初期化フェーズ中のある時点でハイに駆動される。
【0087】
時刻t3において、第1のエミッション制御信号EM1がローにパルス化され、トランジスタTem1がオンする。トランジスタTem1をオンにすると、トランジスタTdriveのドレイン端子がVDDELまで駆動され、その結果、トランジスタTdriveのソース端子が、トランジスタTdriveのゲートにおけるVrefレベルよりも1Vt低いレベルまで充電される。換言すれば、トランジスタTdriveのソース端子は、Vtサンプリングフェーズ中に(Vref-Vt)まで充電される。したがって、この時間中に蓄積コンデンサにわたってサンプリングされる電圧は(Vref-[Vref-Vt])に等しく、これはVtに等しい。時刻t4において、信号SCAN2がローに駆動され、トランジスタTrefをオフにする。
【0088】
時刻t5において、走査信号SCAN1がハイにパルス化されて、データプログラミングフェーズ中にトランジスタTdataをオンにする。トランジスタTdataをアクティブ化させると、トランジスタTdriveのゲート端子が、画素22の新しいデータ信号値に対応するデータ電圧Vdataに駆動される。このとき、トランジスタTem2、Tiniはオフにされるので、トランジスタTdriveのソース端子はハイインピーダンスノードとなり、コンデンサCstは放電できない(例えば、コンデンサCstにわたる電圧は、駆動トランジスタゲート端子が新たなVdataレベルに駆動されるにもかかわらず、Vtに等しいままである)。
【0089】
時刻t7において、エミッション信号EM1及びEM2の両方がアサートされてエミッションフェーズを開始し、その間にダイオード26は電圧Vdataに比例する光量を発することができる。エミッションフェーズの間、結果として生じるトランジスタTdriveのVgsは、[Vdata-(Vref-Vt)]に等しくなる。(Vgs-Vt)は(Vdata-Vref+Vt-Vt)に等しくなるので、最終的なエミッション電流はVgs-Vtに比例するので、エミッション電流はVtとは無関係であり、Vtは相殺して画素内閾値電圧補償を実行する。温度変動に対するディスプレイの感度を最小限に抑えるために、Vtサンプリング位相持続時間を任意選択的に延長することができる(例えば、Vtサンプリングフェーズ持続時間は、データプログラミングフェーズ持続時間よりも少なくとも2倍、5倍、2倍~5倍、10倍、5倍~10倍、10倍~20倍、又は20倍超長くすることができる)。Vtサンプリングフェーズの持続時間は、ディスプレイ温度輝度感度を抑制する必要な程度に応じて動的に調整することもできる。
【0090】
エミッショントランジスタTem2がp型シリコントランジスタとして実装され、アノードリセットトランジスタTarが半導体酸化物トランジスタとして実装される図11Aの例は、単なる例示である。図12Aは、エミッショントランジスタTem2が半導体酸化物トランジスタとして実装され、アノードリセットトランジスタTarがp型シリコントランジスタとして実装される、画素22の別の好適な実施形態を示す。画素22の残りの構造は、図12Aの構造と同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0091】
図12Bは、図12Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。トランジスタTem2を制御する信号EM2は、ここではアクティブハイ信号であるので、信号EM2の極性は、図11Bに示されるものに対して反転され得る。その他の点では、図12Aに示されるタイプの画素22を動作させるための原理及びフェーズは、図11Bに関して既に説明されたものと同じままであり、明確にするために詳細に繰り返す必要はない。
【0092】
エミッショントランジスタTem1が正電源線60と駆動トランジスタTdriveとの間に結合された図12Aの例は、単なる例示である。図13Aは、トランジスタTdrive及びTem1の順序が入れ替えられた画素22の別の好適な実施形態を示す。特に、トランジスタTdriveは、正電源線60に直接結合されたドレイン端子と、トランジスタTem1を介してトランジスタTem2に結合されたソース端子とを有する。トランジスタTem1は、トランジスタTdriveのソース端子に結合されたドレイン端子と、信号EM1を受信するように構成されたゲート端子と、ソース端子とを有するn型シリコントランジスタである。蓄積コンデンサCstは、トランジスタTdriveのゲート端子に結合された第1の端子と、トランジスタTem1のソース端子に結合された第2の端子とを有する。ここで、コンデンサCboostはトランジスタTem1のソース端子に結合される。トランジスタTarと同様に、トランジスタTiniもp型シリコントランジスタとして実装され得る。画素22の残りの構造は、図12Aに関連して既に説明したものと同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0093】
図13Bは、図13Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。トランジスタTem1を制御する信号EM1は、ここではアクティブハイ信号であるので、信号EM1の極性は、図12Bに示されるものに対して反転され得る。その他の点では、図13Aに示されるタイプの画素22を動作させるための原理及びフェーズは、図12Bに関して既に説明されたものと同じままであり、明確にするために詳細に繰り返す必要はない。
【0094】
画素22が電流ブーストコンデンサCboostを含む図9Aの実施形態は単なる例示である。図14Aは、電流ブーストコンデンサを含まない画素22の別の好適な実施形態を示す。図14Aに示すように、蓄積コンデンサCstの第1の端子はトランジスタTdriveのゲート端子に結合され、第2の端子はダイオード26のアノード端子に結合された。エミッショントランジスタTem1、Tem2は、いずれも同じエミッション制御信号EMを受信するように構成されたp型シリコントランジスタである。画素22の残りの構造(構成要素Cboost及びTisoを除く)は、図9Aに関連して既に説明したものと同一であり、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために詳細に繰り返す必要はない。
【0095】
図14Bは、図14Aに示すタイプの表示画素22のリフレッシュ動作を示すタイミング図である。時刻t1において、エミッション制御信号EMをハイに駆動して、エミッショントランジスタTem1及びTem2をオフにすることもできる。
【0096】
t1のしばらく後に、走査信号SCAN2をアサート(ハイ駆動)してトランジスタTrefをアクティブ化する(オンにする)ことができる。トランジスタTrefをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのゲート端子が基準電圧レベルVrefに駆動される。次に、信号SCAN3をローにパルス化して、アノードリセットトランジスタTar及び初期化トランジスタTiniを一時的にアクティブ化することができる。アノードリセットトランジスタTarをアクティブ化すると、ダイオード26のアノード端子がアノードリセット電圧レベルVarにバイアスされる。初期化トランジスタTiniをアクティブ化すると、トランジスタTdriveのソース端子が初期化電圧レベルViniにバイアスされる。信号SCAN3がアサートされている間、トランジスタTdriveのゲート-ソース電圧Vgsは、したがって、初期化フェーズ中に、(Vref-Vini)にバイアスされる。
【0097】
時刻t3において、エミッション制御信号EMがローにパルス化され、トランジスタTem1及びTem2をオンにする。トランジスタTem1をオンにすると、トランジスタTdriveのドレイン端子がVDDELまで駆動され、その結果、トランジスタTdriveのソース端子が、トランジスタTdriveのゲートにおけるVrefレベルよりも1Vt低いレベルまで充電される。換言すれば、トランジスタTdriveのソース端子は、Vtサンプリングフェーズ中に(Vref-Vt)まで充電される。トランジスタTem2もオンになるので、Cstのボトム端子も(Vref-Vt)まで充電される。したがって、この時間中に蓄積コンデンサにわたってサンプリングされる電圧は(Vref-[Vref-Vt])に等しく、これはVtに等しい。時刻t4において、エミッション信号EMがハイに駆動されてトランジスタTem1をオフにし、信号SCAN2がローに駆動されてトランジスタTrefをオフにする。
【0098】
時刻t5において、走査信号SCAN1がハイにパルス化されて、データプログラミングフェーズ中にトランジスタTdataをオンにする。トランジスタTdataをアクティブ化させると、トランジスタTdriveのゲート端子が、画素22の新しいデータ信号値に対応するデータ電圧Vdataに駆動される。このとき、トランジスタTem2、Tarはオフにされるので、アノード端子はハイインピーダンスノードとなり、コンデンサCstは放電できない(例えば、コンデンサCstにわたる電圧は、駆動トランジスタゲート端子が新たなVdataレベルに駆動されるにもかかわらず、Vtに等しいままである)。
【0099】
時刻t7において、エミッション信号EMがアサートされて、ダイオード26が電圧Vdataに比例する光量を発することができるエミッションフェーズを開始する。エミッションフェーズの間、結果として生じるトランジスタTdriveのVgsは、[Vdata-(Vref-Vt)]に等しくなる。(Vgs-Vt)は(Vdata-Vref+Vt-Vt)に等しくなるので、最終的なエミッション電流はVgs-Vtに比例するので、エミッション電流はVtとは無関係であり、Vtは相殺して画素内閾値電圧補償を実行する。温度変動に対するディスプレイの感度を最小限に抑えるために、Vtサンプリング位相持続時間を任意選択的に延長することができる(例えば、Vtサンプリングフェーズ持続時間は、データプログラミングフェーズ持続時間よりも少なくとも2倍、5倍、2倍~5倍、10倍、5倍~10倍、10倍~20倍、又は20倍超長くすることができる)。Vtサンプリングフェーズの持続時間は、ディスプレイ温度輝度感度を抑制する必要な程度に応じて動的に調整することもできる。
【0100】
図15は、例示的な表示画素22(例えば、図5A、6A、7A、8A、9A、10、11A、12A、13A、又は14Aに示されるタイプの画素22)の側断面図である。図15に示すように、ディスプレイは、基板100などの基板層を有する薄膜トランジスタ(TFT)層を含み得る。基板100は、任意選択的に、1つ以上のバッファ層102で覆われてもよい。バッファ層(単数又は複数)102は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は他のパッシベーション若しくは誘電体材料の層などの、無機バッファ層を含むことができる。
【0101】
無機バッファ層102上にポリシリコン層(例えば、低温ポリシリコン又は「LTPS」層)を形成してもよい。ポリシリコン層104をパターン化及びエッチングして、LTPS又はシリコントレース104を形成し得る。シリコントレース104の2つの対向する端部は、任意選択的にドープされて(例えば、nドープ又はpドープ)、表示画素22内にシリコントランジスタTsi(例えば、LTPSトランジスタ)のソース-ドレイン領域を形成し得る。
【0102】
バッファ層102上及びシリコントレース104上にゲート絶縁(GI)層106を形成し得る。一例として、ゲート絶縁層106は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化セリウム、炭素ドープ酸化物、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、スピンオン有機ポリマー誘電体、スピンオンシリコン系ポリマー誘電体、これらの材料の組み合わせ、及び他の好適な低k又は高k固体絶縁材料から形成されてもよい。
【0103】
ゲート絶縁層106の上に第1の金属層(例えば、第1のゲート金属層GAT1)が形成されてもよい。GAT1金属層は、アルミニウム、ニッケル、クロム、銅、モリブデン、チタン、銀、金、これらの材料の組み合わせ、他の金属、又は他の好適なゲート導体を使用して形成し得る。GAT1金属層は、パターン化され、エッチングされて、シリコントランジスタTsiのゲート導体108を形成し得る。GAT1金属層はまた、画素22内の1つ以上のコンデンサの端子を形成するためにパターン化及びエッチングされ得る(例えば、コンデンサCAPの下側端子として構成されたGAT1金属層から形成された導電性プレート110を参照)。コンデンサCAPは、蓄積コンデンサCst、電流ブーストコンデンサCboost、又は画素22内の任意の他のコンデンサを表し得る。GAT1金属層はまた、画素22内の半導体酸化物トランジスタTox1などの半導体酸化物トランジスタのためのボトムゲート及び/又は遮蔽層を形成するためにパターン化及びエッチングされ得る(例えば、トランジスタTox1のためのボトムゲート/遮蔽層として構成された金属層111を参照)。
【0104】
一般に、表示画素22は、(もしあれば)任意の好適な数のシリコントランジスタを含み得る。したがって、画素22が1つのシリコントランジスタTsiのみを有するように示されている図15の断面は、単なる例示である。トランジスタTsiは、画素22内の任意の1つ以上のシリコントランジスタを表し得る。いくつかの実施形態では、画素22は、少なくとも2つのシリコントランジスタを備え得る。別の例として、画素22は、3つ以上のシリコントランジスタを備えてもよい。別の例として、画素22は、4~10個のシリコントランジスタを含み得る。更に別の例として、画素22は、10個より多くのシリコントランジスタを含み得る。
【0105】
層間誘電体(ILD)層112は、第1のゲート金属層及びシリコントランジスタTsiの上に形成されてもよい。ILD層112は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化セリウム、炭素ドープ酸化物、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、スピンオン有機ポリマー誘電体、スピンオンシリコン系ポリマー誘電体、これらの材料の組み合わせ、及び他の好適な低k又は高k固体絶縁材料から形成されてもよい。
【0106】
ILD層112上に第2の金属層(例えば、第2のゲート金属層GAT2)を形成し得る。GAT2金属層は、GAT1金属層と同様の又は異なる材料を使用して形成され得る。GAT2金属層は、画素22内の1つ以上のコンデンサの別の端子を形成するためにパターン化及びエッチングされ得る(例えば、コンデンサCAPの上側端子として構成されたGAT2金属層から形成された導電性プレート114を参照)。いくつかの実施形態において、GAT2金属遮蔽層115などの底部遮蔽層は、半導体酸化物トランジスタTox2などの半導体酸化物トランジスタの直下に形成されてもよい。このように構成されると、GAT2金属層115は、トランジスタTox2のためのボトムゲート及び/又は遮蔽層として構成され得る。
【0107】
半導体酸化物バッファ層116は、第2のGAT2金属層上に形成され得る。バッファ層116は、ILD層112又はバッファ層102と同様又は異なる材料を使用して形成されてもよい。バッファ層16は、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層などの無機バッファ層であってもよい。
【0108】
半導体酸化物層(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物又は「IGZO」層)がバッファ層116の上に形成されてもよい。半導体酸化物層は、パターン化され、エッチングされて、半導体酸化物トレース120を形成し得る。各半導体酸化物トレース120の2つの対向する端部は、任意選択的にドープされて(例えば、nドープ又はpドープ)、表示画素22内にトランジスタTox1及びTox2などの半導体酸化物トランジスタのソース-ドレイン領域を形成してもよい。トランジスタTox1は、画素22内の任意の半導体酸化物トランジスタを表し得る。トランジスタTox2は、画素22内の駆動トランジスタ又は任意の他の半導体酸化物トランジスタを表し得る。
【0109】
パターン化された半導体酸化物トレース120上にゲート絶縁層122などの絶縁層を形成し得る。ゲート絶縁層122は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、酸化セリウム、炭素ドープ酸化物、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、スピンオン有機ポリマー誘電体、スピンオンシリコン系ポリマー誘電体、これらの材料の組み合わせ、及び他の好適な低k又は高k固体絶縁材料から形成されてもよい。
【0110】
ゲート絶縁層122上には、第3のゲート金属層OGが形成されてもよい。第3のゲート金属層OGは、半導体酸化物トランジスタTox1及びTox2のためのゲート導体124として機能するように構成され得る。したがって、第3のゲート金属層は、酸化物ゲート導体又は半導体酸化物ゲート導体と呼ばれることがある。ゲート絶縁層122が酸化物バッファ層116の表面全体にわたってブランケット層として形成される図15の例は、単なる例示である。他の実施形態では、ゲート絶縁層122は、酸化物ゲート導体の下にのみ形成されてもよい。別の層間誘電体層126は、層12上及び半導体酸化物トランジスタの上に形成されてもよい。
【0111】
一般に、表示画素22は、(もしあれば)任意の好適な数の半導体酸化物トランジスタを含み得る。したがって、画素22が2つの半導体酸化物トランジスタTox1及びTox2のみを含むように示されている図15の断面は、単なる例示である。別の例として、画素22は、3つ以上の半導体酸化物トランジスタを備えてもよい。別の例として、画素22は、4つ~6つの半導体酸化物トランジスタを含み得る。別の例として、画素22は、3つ未満の半導体酸化物トランジスタを含み得る。別の例として、画素22は、4つ未満の半導体酸化物トランジスタを含み得る。別の例として、画素22は、5つ未満の半導体酸化物トランジスタを含み得る。更に別の例として、画素22は、5つより多くの半導体酸化物トランジスタを含み得る。所望に応じて、画素22は、半導体酸化物薄膜トランジスタのみを含み得る。
【0112】
第1のソース-ドレイン金属ルーティング層SD1は、誘電体層126上に形成されてもよい。SD1金属ルーティング層は、アルミニウム、ニッケル、クロム、銅、モリブデン、チタン、銀、金、これらの材料の組み合わせ、他の金属、又は他の好適な金属ルーティング導体から形成されてもよい。SD1金属ルーティング層は、SD1金属ルーティング経路を形成するためにパターン化及び/又はエッチングされてもよい。図15に示すように、SD1金属ルーティング経路のいくつかは、垂直ビアを使用して、シリコントランジスタTsiに関連する1つ以上のソース-ドレイン領域に結合し得る。SD1金属ルーティング経路のうちのいくつかは、層122及び126を通して形成された対応する垂直ビアを使用して、半導体酸化物トランジスタTox1及びTox2に関連付けられた1つ以上のソース-ドレイン領域に結合され得る。SD1金属ルーティング経路のうちのいくつかは、垂直ビアを使用してGAT2金属導体に結合され得る。所望に応じて、SD1金属ルーティング経路のうちのいくつかは、垂直ビアを使用して酸化物ゲート(OG)導体に結合され得る。
【0113】
層128などの第1の平坦化(PLN1)層は、SD1金属ルーティング層の上に形成されてもよい。平坦化層128は、ポリマーなどの有機誘電体材料から形成されてもよい。第2のソース-ドレイン金属ルーティング層SD2は、有機平坦化層128上に形成されてもよい。SD2金属ルーティング層は、SD1金属ルーティング層と同じ、同様の、又は異なる材料を使用して形成され得る。SD2金属ルーティング層は、SD2金属ルーティング経路を形成するためにパターン化及び/又はエッチングされてもよい。SD2金属ルーティング経路のうちのいくつかは、第1の平坦化層128を通して形成される垂直ビアを使用して、SD1金属ルーティング経路のうちのいくつかに選択的に結合され得る。いくつかの実施形態では、金属遮蔽層170などの金属遮蔽層は、トランジスタTox1及びTox2の上に少なくとも部分的に形成され、トランジスタTox1及びTox2を覆ってもよい(例えば、金属遮蔽170は、トランジスタTox1及びTox2の少なくとも一部に直接重なって覆ってもよい)。所望であれば、金属遮蔽層170は、トランジスタTox1及びTox2を完全に覆ってもよい(例えば、金属遮蔽層170は、半導体酸化物トランジスタのソース-ドレイン領域を越えて延在する周縁部を有してもよい)。金属遮蔽層170は、(一例として)SD2金属ルーティング層内に形成されてもよい。金属遮蔽層170は、正電源電圧VDD、接地電源電圧VSS、又は他の静的電圧レベルにバイアスされ得る。このように構成されると、層170は、トランジスタTox1及び/又はTox2を、半導体酸化物トランジスタの上の構成要素から生じる望ましくないノイズ源又は無給電結合から遮蔽し得る。
【0114】
層130などの第2の平坦化(PLN2)層は、平坦化層128上及びSD2ルーティング金属線上に形成されてもよい。平坦化層130は、ポリマーなどの有機誘電体材料から形成されてもよい。平坦化層130上には、画素22内の有機発光ダイオードのアノード端子を構成するアノード導体132を含むアノード層が形成されてもよい。アノード導体132は、平坦化層130を通して形成された垂直ビア192を使用してSD2金属ルーティング経路の少なくともいくつかに結合し得る。アノード層132の上に画素画定層134を形成して、各画素22の開口部を画定することができる。アノード層の上に、追加の構造を形成することができる。例えば、スペーサ構造、有機発光ダイオード発光性材料、カソード層、及び他の画素構造もまた、表示画素22のスタックアップに含まれてもよい。しかしながら、これらの追加の構造は、簡潔明瞭にするために省略されている。
【0115】
一実施形態によれば、ドレイン端子、ゲート端子、及びソース端子を有する駆動トランジスタと、駆動トランジスタのソース端子に結合されたアノード端子を有する発光ダイオードと、駆動トランジスタのゲート端子に結合された第1の端子及び駆動トランジスタのソース端子に結合された第2の端子を有する第1のコンデンサと、駆動トランジスタのソース端子に結合された第1の端子及び静電圧線に結合された第2の端子を有する第2のコンデンサと、静電圧線と駆動トランジスタのソース端子との間で第2のコンデンサと直列に結合されたノイズ分離トランジスタとを含む表示画素が提供される。
【0116】
別の実施形態によれば、静電圧線は電源線を含む。
【0117】
別の実施形態に応じて、表示画素は、駆動トランジスタのゲート端子に結合される第1のソース-ドレイン端子と、データ線に結合される第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号を受信するように構成されるゲート端子とを有するデータローディングトランジスタと、駆動トランジスタのゲート端子に結合される第1のソース-ドレイン端子と、基準電圧線に結合される第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号とは異なる第2の走査信号を受信するように構成されるゲート端子とを有するゲート電圧設定トランジスタとを含む。
【0118】
別の実施形態によれば、駆動トランジスタ、データローディングトランジスタ、及びゲート電圧設定トランジスタは、半導体酸化物材料を有する半導体酸化物トランジスタを含む。
【0119】
別の実施形態によれば、表示画素は、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、発光ダイオードのアノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第1のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタとを含む。
【0120】
別の実施形態によれば、第1のエミッショントランジスタはp型シリコントランジスタを含み、第2のエミッショントランジスタはn型シリコントランジスタを含み、アノードリセットトランジスタは半導体酸化物トランジスタを含む。
【0121】
別の実施形態によれば、第1のエミッショントランジスタは半導体酸化物トランジスタを含み、第2のエミッショントランジスタはp型シリコントランジスタを含み、アノードリセットトランジスタはp型シリコントランジスタを含む。
【0122】
別の実施形態によれば、第1のエミッショントランジスタは半導体酸化物トランジスタを含み、第2のエミッショントランジスタはp型シリコントランジスタを含み、アノードリセットトランジスタは半導体酸化物トランジスタを含む。
【0123】
別の実施形態によれば、第1のエミッショントランジスタは、駆動トランジスタと第2のエミッショントランジスタとの間に結合される。
【0124】
別の実施形態によれば、表示画素は、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、発光ダイオードのアノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受信するように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号及び第2の走査信号とは異なる第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、駆動トランジスタのソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化電圧を受信するように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有する初期化トランジスタとを含む。
【0125】
別の実施形態によれば、第1のエミッショントランジスタ、第2のエミッショントランジスタ、アノードリセットトランジスタ、及び初期化トランジスタは、p型シリコントランジスタを含む。
【0126】
別の実施形態によれば、第1のエミッショントランジスタは、駆動トランジスタと第2のエミッショントランジスタとの間に結合される。
【0127】
別の実施形態によれば、表示画素は、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、発光ダイオードのアノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受信するように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第2のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、駆動トランジスタのソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化電圧を受信するように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第1のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有する初期化トランジスタとを含む。
【0128】
別の実施形態によれば、表示画素は、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、発光ダイオードのアノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受信するように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号及び第2の走査信号とは異なる第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタとを含み、ノイズ分離トランジスタは、第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子を有する。
【0129】
別の実施形態によれば、駆動トランジスタ、ノイズ分離トランジスタ、データローディングトランジスタ、ゲート電圧設定トランジスタ、第1のエミッショントランジスタ、第2のエミッショントランジスタ、及びアノードリセットトランジスタは全て半導体酸化物トランジスタである。
【0130】
一実施形態によれば、発光ダイオードと直列に結合された駆動トランジスタを有する表示画素を動作させる方法であって、駆動トランジスタは、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、発光ダイオードは、アノード端子及びカソード端子を有し、方法は、初期化フェーズ中に、駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を印加することと、初期化フェーズ中に、発光ダイオードのアノード端子をリセットすることと、閾値電圧サンプリングフェーズ中に、駆動トランジスタのゲート端子に結合された蓄積コンデンサをバイアスして、蓄積コンデンサの両端の電圧が駆動トランジスタの閾値電圧に比例するようにすることと、データプログラミングフェーズ中に、データ信号を駆動トランジスタのゲート端子にロードすることと、エミッションフェーズ中に、駆動トランジスタのソース端子を表示画素内の静電圧源から切り離して、発光ダイオードのカソード端子からのノイズが静電圧源に結合するのを防止することとを含む、方法が提供される。
【0131】
別の実施形態によれば、表示画素は、駆動トランジスタのソース端子と静電圧源との間に結合された電流ブーストコンデンサと、電流ブーストコンデンサと直列に結合された分離スイッチとを含み、駆動トランジスタのソース端子を静電圧源から切り離すことは、エミッションフェーズ中に分離スイッチを非アクティブ化することを含む。
【0132】
別の実施形態によれば、方法は、初期化フェーズ、閾値電圧サンプリングフェーズ、及びデータプログラミングフェーズ中に分離スイッチをアクティブ化することを含む。
【0133】
別の実施形態によれば、データプログラミングフェーズは第1の持続時間を有し、閾値電圧サンプリングフェーズは、第1の持続時間の少なくとも5倍である第2の持続時間を有する。
【0134】
別の実施形態によれば、本方法は、エミッションフェーズ中にエミッション制御信号をアサートすることと、初期化フェーズ中に発光ダイオードのアノード端子をリセットするためにアノードリセットトランジスタをアクティブ化するためにエミッション制御信号を使用することとを含む。
【0135】
一実施形態によれば、アノード及びカソードを有する発光ダイオードと、電源線に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードに結合された第2のソース-ドレイン端子と、ゲート端子とを有する駆動トランジスタと、駆動トランジスタのゲート端子に結合された第1の端子を有し、駆動トランジスタの第2のソース-ドレイン端子に結合された第2の端子を有する蓄積コンデンサと、駆動トランジスタのゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、データ線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するデータローディングトランジスタと、駆動トランジスタのゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、基準電圧線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第2の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有する電圧設定トランジスタと、エミッションフェーズ中に駆動トランジスタを介して発光ダイオードを介して駆動する電流量をブーストするように構成された電流ブーストコンデンサとを含み、電流ブーストコンデンサは、駆動トランジスタの第2のソース-ドレイン端子に結合されている第1の端子と、電源線に結合されている第2の端子と、電流ブーストコンデンサの第2の端子と電源線との間に結合されている分離スイッチとを有し、分離スイッチは、カソード上のノイズが電源線に結合するのを防止するためにエミッションフェーズ中に無効にされる、表示画素が提供される。
【0136】
別の実施形態によれば、表示画素は、駆動トランジスタ及び発光ダイオードと直列に結合されたエミッショントランジスタと、アノードに結合されたリセットトランジスタとを含み、エミッショントランジスタ及びリセットトランジスタは、同じ制御信号を受信するように構成される。
【0137】
別の実施形態によれば、表示画素は、駆動トランジスタ及び発光ダイオードと直列に結合された第1のエミッショントランジスタ及び第2のエミッショントランジスタと、アノードに結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧をリセットするように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタとを含み、分離スイッチは、第3の走査信号も受信するゲート端子を有する。
【0138】
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画素であって、
ドレイン端子、ゲート端子、及び、ソース端子を有する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合されたアノード端子を有する発光ダイオードと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1の端子と、前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第2の端子とを有する第1のコンデンサと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第1の端子と、静電圧線に結合された第2の端子とを有する第2のコンデンサと、
前記静電圧線と前記駆動トランジスタの前記ソース端子との間で前記第2のコンデンサと直列に結合されたノイズ分離トランジスタとを備え、前記ノイズ分離トランジスタが、前記カソード端子上のノイズが前記静電圧線に結合することを防止するために、エミッションフェーズ中に非アクティブ化される、表示画素。
【請求項2】
前記静電圧線が電源線を含む、請求項1に記載の表示画素。
【請求項3】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、データ線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号を受信するように構成されているゲート端子とを有するデータローディングトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、基準電圧線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1の走査信号とは異なる第2の走査信号を受信するように構成されるゲート端子とを有するゲート電圧設定トランジスタと、
を更に備える、請求項1に記載の表示画素。
【請求項4】
前記駆動トランジスタ、前記データローディングトランジスタ、及び前記ゲート電圧設定トランジスタが、半導体酸化物材料を有する半導体酸化物トランジスタを含む、請求項3に記載の表示画素。
【請求項5】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項6】
表示画素であって、
前記第1のエミッショントランジスタが、p型シリコントランジスタを含み、
前記第2のエミッショントランジスタが、n型シリコントランジスタを含み、
前記アノードリセットトランジスタが、半導体酸化物トランジスタを含む、
請求項5に記載の表示画素。
【請求項7】
表示画素であって、
前記第1のエミッショントランジスタが、半導体酸化物トランジスタを含み、
前記第2のエミッショントランジスタが、p型シリコントランジスタを含み、
前記アノードリセットトランジスタが、p型シリコントランジスタ又は半導体酸化物トランジスタを含む、
請求項5に記載の表示画素。
【請求項8】
前記第1のエミッショントランジスタが、前記駆動トランジスタと前記第2のエミッショントランジスタとの間に結合されている、請求項5に記載の表示画素。
【請求項9】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1の走査信号及び第2の走査信号とは異なる第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有する初期化トランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項10】
前記第1のエミッショントランジスタ、前記第2のエミッショントランジスタ、前記アノードリセットトランジスタ、及び前記初期化トランジスタが、p型シリコントランジスタを含み、前記第1のエミッショントランジスタが、前記駆動トランジスタと前記第2のエミッショントランジスタとの間に結合されている、請求項9に記載の表示画素。
【請求項11】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第2のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ソース端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、初期化電圧を受け取るように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1のエミッション制御信号を受信するように構成されたゲート端子とを有する初期化トランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項12】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、第1のエミッション制御信号を受信するように構成された第1のエミッショントランジスタと、
前記駆動トランジスタと直列に結合され、前記第1のエミッション制御信号とは異なる第2のエミッション制御信号を受信するように構成された第2のエミッショントランジスタと、
前記発光ダイオードの前記アノード端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧を受信するように構成された第2のソース-ドレイン端子と、前記第1の走査信号及び第2の走査信号とは異なる第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタであって、前記ノイズ分離トランジスタが、前記第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子を有する、アノードリセットトランジスタと、
を更に備える、請求項3に記載の表示画素。
【請求項13】
発光ダイオードと直列に結合された駆動トランジスタを有する表示画素を動作させる方法であって、前記駆動トランジスタが、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、前記発光ダイオードが、アノード端子及びカソード端子を有し、前記方法が、
初期化フェーズ中に、前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に基準電圧を印加することと、
前記初期化フェーズ中に、前記発光ダイオードの前記アノード端子をリセットすることと、
閾値電圧サンプリングフェーズ中に、前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された蓄積コンデンサをバイアスして、前記蓄積コンデンサにわたる電圧が前記駆動トランジスタの閾値電圧に比例するようにすることと、
データプログラミングフェーズ中に、前記駆動トランジスタの前記ゲート端子にデータ信号をロードすることと、
エミッションフェーズの間、前記発光ダイオードの前記カソード端子からのノイズが前記静電圧源に結合することを防止するために、前記駆動トランジスタの前記ソース端子を前記表示画素内の前記静電圧源から切り離すこととを含む、方法。
【請求項14】
前記表示画素が、前記駆動トランジスタの前記ソース端子と前記静電圧源との間に結合された電流ブーストコンデンサと、前記電流ブーストコンデンサと直列に結合された分離スイッチとを更に備え、前記駆動トランジスタの前記ソース端子を前記静電圧源から切り離すことが、前記エミッションフェーズ中に前記分離スイッチを非アクティブ化することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記初期化フェーズ、前記閾値電圧サンプリングフェーズ、及び前記データプログラミングフェーズ中に前記分離スイッチをアクティブ化すること、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記データプログラミングフェーズが第1の持続時間を有し、前記閾値電圧サンプリングフェーズが前記第1の持続時間の少なくとも5倍である第2の持続時間を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記エミッションフェーズ中にエミッション制御信号をアサートすることと、
前記初期化フェーズ中に前記発光ダイオードの前記アノード端子をリセットするためにアノードリセットトランジスタをアクティブ化するために前記エミッション制御信号を使用することと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
表示画素であって、
アノードとカソードとを有する発光ダイオードと、
電源線に結合された第1のソース-ドレイン端子、前記アノードに結合された第2のソース-ドレイン端子、及びゲート端子を有する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1の端子と、前記駆動トランジスタの前記第2のソース-ドレイン端子に結合された第2の端子とを有する蓄積コンデンサと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、データ線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第1の走査信号を受信するように構成されているゲート端子とを有するデータローディングトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に結合された第1のソース-ドレイン端子と、基準電圧線に結合された第2のソース-ドレイン端子と、第2の走査信号を受信するように構成されているゲート端子とを有する電圧設定トランジスタと、
前記駆動トランジスタがエミッションフェーズ中に前記発光ダイオードを通して駆動する電流の量をブーストするように構成された電流ブーストコンデンサであって、前記駆動トランジスタの前記第2のソース-ドレイン端子に結合された第1の端子を有し、前記電源線に結合された第2の端子を有する、電流ブーストコンデンサと、
前記電流ブーストコンデンサの前記第2の端子と前記電源線との間に結合された分離スイッチであって、前記カソード上のノイズが前記電源線に結合することを防止するために前記エミッションフェーズ中に無効にされる、分離スイッチとを備える、表示画素。
【請求項19】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタ及び前記発光ダイオードと直列に結合されたエミッショントランジスタと、
前記アノードに結合されたリセットトランジスタであって、前記エミッショントランジスタ及び前記リセットトランジスタが、同じ制御信号を受信するように構成される、リセットトランジスタと、
を更に備える、請求項18に記載の表示画素。
【請求項20】
表示画素であって、
前記駆動トランジスタ及び前記発光ダイオードと直列に結合された第1のエミッショントランジスタ及び第2のエミッショントランジスタと、
前記アノードに結合された第1のソース-ドレイン端子と、アノードリセット電圧をリセットするように構成された第2のソース-ドレイン端子と、第3の走査信号を受信するように構成されたゲート端子とを有するアノードリセットトランジスタであって、前記分離スイッチが、前記第3の走査信号も受信するゲート端子を有する、アノードリセットトランジスタと、
を更に備える、請求項18に記載の表示画素。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
ゲート絶縁層122上には、第3のゲート金属層OGが形成されてもよい。第3のゲート金属層OGは、半導体酸化物トランジスタTox1及びTox2のためのゲート導体124として機能するように構成され得る。したがって、第3のゲート金属層は、酸化物ゲート導体又は半導体酸化物ゲート導体と呼ばれることがある。ゲート絶縁層122が酸化物バッファ層116の表面全体にわたってブランケット層として形成される図15の例は、単なる例示である。他の実施形態では、ゲート絶縁層122は、酸化物ゲート導体の下にのみ形成されてもよい。別の層間誘電体層126は、層12上及び半導体酸化物トランジスタの上に形成されてもよい。
【国際調査報告】