(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】動力車両の運転マヌーバの軌道を計画するための方法、コンピュータプログラム・プロダクト、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体、並びに、車両
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240918BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20240918BHJP
B60W 30/095 20120101ALI20240918BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/10
B60W30/095
B60W40/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516487
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 DE2022200221
(87)【国際公開番号】W WO2023057014
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021211164.5
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルホルン・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】リーダー・マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】エドリング・フランク
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BA32
3D241BB16
3D241DC25Z
5H181AA01
5H181BB05
5H181BB08
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
本発明は、動力車両(4)の運転マヌーバの軌道を計画するための方法に関し、該方法は、以下のステップを包含している:
1) 最新の走行状況を評価するステップ(200);
2) 適合された走行マヌーバを、評価された走行状況を基にして割出すステップ;
3) 評価された走行状況と割り出された走行マヌーバに基づいて、軌道のワークポイント(A1-A4)の数を算出するステップ;
4) 軌道の各々のワークポイント(A1-A4)における最新の周辺情報及び/或いは車両情報を離散化するステップ;
5) ドメイン固有の情報を基にして各々のワークポイント(A1-A4)用に関連する周辺データを選択し統合するステップ(300);
6) 選択され統合された周辺データを線形化するステップ;
7) QPモデルを定式化するために線形化された周辺データを用いるステップ;
8) QPソルバーを用いてQPモデルを解決するステップ(400);
9) ソリューションの収束に応じてステップ1)から8)を反復する(500)、但し、ステップ1)から8)を反復する際は、QPソルバーのソリューションを考慮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:
1) 最新の走行状況を評価するステップ(200);
2) 適合された走行マヌーバを、評価された走行状況を基にして割出すステップ;
3) 評価された走行状況と割り出された走行マヌーバに基づいて、軌道のワークポイント(A
1-A
4)の数を算出するステップ;
4) 軌道の各々のワークポイント(A
1-A
4)における最新の周辺情報及び/或いは車両情報を離散化するステップ;
5) ドメイン固有の情報を基にして各々のワークポイント(A
1-A
4)用に関連する周辺データを選択し統合するステップ(300);
6) 選択され統合された周辺データを線形化するステップ;
7) QPモデルを定式化するために線形化された周辺データを用いるステップ;
8) QPソルバーを用いてQPモデルを解くステップ(400);
9) ソリューションの収束に応じてステップ1)から8)を反復する(500)、但し、ステップ1)から8)を反復する際は、QPソルバーのソリューションを考慮する、
ことを特徴とする動力車両(4)の運転マヌーバの軌道を計画するための方法。
【請求項2】
以下に列記したヒューリスティックの一つ乃至複数が、ドメイン固有の(参照される)情報として、選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法:
- 適したマヌーバを認識するための最新の走行状況評価
- 評価された走行状況を基にした車両パラメータの調整
- 動力車両(4)の走行モード及び/或いは駆動モードの選択ないし調整。
【請求項3】
車両パラメータが、車両モデルを基にして、特に好ましくは、ダイナミックなシングルレーンモデルを基に割り出されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに対する他の交通参加者(TPO1,TPO2,TPO3,・・・,TPOn)各々の動力車両(4)の推定されたポジションを基にした長手方向における関連度が用いられることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに対する他の交通参加者(TPO1,TPO2,TPO3,・・・,TPOn)各々の動力車両(4)の推定されたポジションを基にした横手方向における関連度が用いられることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに用いることができる車線空間を用いることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
更に、以下のステップも包含していることを特徴とする先行請求項のうち一項に記載の方法:
- 二つのワークポイント(A
1-A
4);間にある少なくとも一つのオブジェクトを認識するためにヒューリスティックを用いるステップ
- 認識された少なくとも一つのオブジェクトをモデリングし、定式化されたQPモデルに追加するステップ。
【請求項8】
車載エンティティ及び/或いは車外エンティティが、最新の走行状況及び/或いは最新の周辺情報を提供するために用いられることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
該軌道の計画に、縦方向軌道と横方向軌道を組み合わせた計画が包含されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
プログラムの実行時に、請求項1から9に記載の方法を実施することをコンピュータに促す命令を包含しているコンピュータプログラム・プロダクト。
【請求項11】
プログラムの実行時に、請求項1から9に記載の方法を実施することをコンピュータに促す命令を包含しているコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項1から9に記載の方法を実施するための手段を包含する動力車両、特に、自律走行する動力車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力車両の運転マヌーバの軌道を計画するための方法、コンピュータプログラム・プロダクト、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体、並びに、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道計画は、車両の自動化において最も重要なステップの一つである。例えアウトバーン走行などと言った構造化された文脈においても起こり得るシナリオは、複雑であり、計画を立てるというタスクは簡単ではない。
【0003】
モデリングによる問題を、最適化と言う方法で解決しようとすると、非線形問題に到達する。従って、特に自律走行している動力車両が、その問題を解決しなければならない限られた時間枠と言う観点からは特に、確実且つ定められた時間枠内において問題を解決するためには、リソース効率の高いアルゴリズムが必須となる。
【0004】
非線形汎用ソルバーは、一般的な問題を解決する役割を有している。連続関数と混合整数を使用したモデリングでは、最適化の文脈における軌道計画の問題を解決するために必要なヒューリスティック評価を実施できない。
【0005】
離散的な決定において極小値に陥る問題(混合整数問題)も、引き続き文献に記載されている。
【0006】
しかしながら該文献や従来の技術に記載されている既知の方法は、不利である。特に複雑な走行シナリオにおいては、単一ステップで非線形問題全体を、効率的に解決する統合的な軌道計画アルゴリズムが、要求される。
【0007】
更に、例えば、2ステップの計画アプローチ(第1ステップ目:プリミティブ・サンプリング)、第2ステップ目:SQP・逐次二次計画法)では、周辺条件は、計画ループ間においてのみ調整され、全ての操作点において調整されるわけではない。
【0008】
加えて、既知の方法は、数値最適化法を用いた個別の横方向及び縦方向の軌道計画のみを考慮している。ここでは、続くステップにおいて、独立した軌道の双方の部分が、車両を自律制御するために組み合わせられるが、その結果、(計算)コストが上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この様な背景に基づき、本発明は、それらを用いて、低コスト且つ最適に軌道の計画が実施できる方法、コンピュータプログラム・プロダクト、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体、並びに、車両を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、該課題は、方法に関しては、請求項1の対象によって解決される。更に該課題は、コンピュータプログラム・プロダクトの観点からは、並列独立請求項10の対象によって、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体の観点からは、並列独立請求項11の対象によって、又、車両の観点からは、並列独立請求項12の対象によって解決される。
【0011】
好ましい形態、発展形態及びバリエーションは、従属請求項の対象である。
【0012】
方法に関して列記されている利点及び好ましい形態は、ニュアンス的に、コンピュータプログラム・プロダクト、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体、並びに、車両にも当てはまり、且つ、その逆も真である。
【0013】
具体的には、該方法に係る課題は、動力車両の運転マヌーバの軌道を計画するための方法によって、解決される。ここで言う「動力車両」とは、特に、自律走行プログラムを備えた自律的に走行する動力車両のことである。
【0014】
本方法は、以下のステップを包含する:
1) 最新の走行状況を評価するステップ;
2) 適合された走行マヌーバを、評価された走行状況を基にした軌道として割出すステップ;
3) 評価された走行状況と割り出された走行マヌーバに基づいて、軌道のワークポイントの数を算出するステップ;
4) 軌道の各々のワークポイントにおける最新の周辺情報及び/或いは車両情報を離散化するステップ;
5) ドメイン固有の情報を基にして各々のワークポイント用に関連する周辺データを選択し統合するステップ;
6) 選択され統合された周辺データを線形化するステップ;
7) QPモデルを定式化するために線形化された周辺データを用いるステップ;
8) QPソルバーを用いてQPモデルを解くステップ;
9) ソリューションの収束に応じてステップ1)から8)を反復する、但し、ステップ1)から8)を反復する際は、QPソルバーのソリューションを考慮する。
【0015】
第一ステップでは、先ず、動力車両自らの走行状況が、例えば、動力車両の周辺が、TPOs (Traffic Participant Object)とも呼ばれる他の交通参加者に関して調べられることによって評価される。言い換えれば、動力車両の周りの最新の交通状況が、割り出され、例えば、前を走行しているTPOに対する間隔に関して、或いは、動力車両の脇を走行している、特に、要望されている車線変更に対して意味を有するTPOに関して評価される。
【0016】
更に、第一方法ステップにおいては、最新の走行状況を評価するために、車両固有のパラメータも貢献できる。このような車両固有のパラメータとしては、例えば、設定されている走行モード(Economy/エコノミーやSport/スポーツ)、或いは、自律走行プログラムに対する、好ましくは、安全と節約を重視した走行を、或いは、反対に、スポーティな走行を実施する様にとの包括的な指示を挙げることができる。
【0017】
続いて、上述の様に割り出され、評価された最新の走行状況に基づいて、適合された走行マヌーバが、軌道と言う形で割り出される。
【0018】
続いて、軌道に沿ったワークポイントの数が算出される。計画する走行マヌーバによっては、10ヶ所やそれ以上のワークポイントが算出される。例えば、車線変更マヌーバでは、第一ワークポイントは、動力車両の現在地から始まり、最後のワークポイントは、動力車両が変更したいレーン上に“存在”している。
【0019】
次のステップでは、軌道に沿った各々のワークポイントの離散化が実施される。これは、各々のワークポイントにおいて最新の走行状況、並びに、何よりも周辺情報が、その鮮度に関して評価される、即ち、ワークポイントの各々の時点において走行状況と周辺情報が、評価される。例えば、あるTPOが、該動力車両の周辺部に既にいない場合、その事象は考慮され、軌道計画に反映される。
【0020】
続いて、本発明に係る方法の本来の真髄が、実施される。その結果、各々のワークポイントに関する周辺データのみが、ドメイン固有の情報に基づいて選択され、統合される。ここで言う「ドメイン固有の情報」とは、軌道計画の役に立ち、凸性、即ち、問題の解決性を改善できる、或いは、それがあって初めて問題解決が可能になると言った、動力車両、該動力車両の周辺、及び特に、最新の走行状況に関する情報であると解釈できる。ここでは、例えば、既知の交通シナリオを、関連する情報のみを考慮するために、参照することも可能である。例えば、該動力車両が、一本の走行レーンのみをトレースすればよく、よってそれに応じた軌道を計画すればことが足りる場合は、該動力車両のいる走行レーン、即ち、エゴレーンと関連の無い全てのTPOを、関連しないものとして無視することができる。要するに、計画には、前方を走行中の車両を、車間がつまりすぎない様に、考慮することが重要である。この様な情報は、例えば、ドメイン固有の情報として、このステップにおいて、軌道計画時に考慮されることができる。言い換えれば、軌道計画が、付加的なドメイン固有の情報により、必要ない情報は、削除され、それにより解決されるべき問題がより容易に解決される様に、或いは、こうすることによりようやく解決に至る様に、サポートされる。
【0021】
既に上述した選択され統合された周辺データは、次のステップにおいて、QPモデルの定式化のために用いられる。この際、先ず周辺データと車両モデルが、線形化される。
【0022】
続く、QPモデルの解決は、QPソルバーを用いて実施される。これは特に、解決されるべき問題とそれに関連するコスト・ファンクションが、付加的なドメイン固有の情報によって考慮する必要が無くなった二次条件を削除することによって、一般的なQPソルバーによって解決できる様になることにより、可能になっている。
【0023】
本方法の最後のステップでは、問題の解決策の分析が、収束の観点から実施される。言い換えれば、周辺の再離散化を実施しても、似通ったQP定式、並びに、似通ったQP解が得られるか否かが分析される。即ち、収束分析が、問題定式化と問題解決の観点から実施される。要するに、得られた解は、それが実行された近似の局所範囲内にある場合においては、非線形最適化問題の解を示している。それ以外の場合、更新された車両の動きの評価を用いて、シーケンスを反復しなければならない。反復の目的は、線形方程式と非線形方程式の収束を達成することである。
【0024】
達成されない場合、前記のステップが反復される。要するに、SQPを基にした軌道計画が実施される。
【0025】
原則的に、非線形汎用ソルバーは、汎用的問題を解決するという役割を担っている。ここで必須となる連続関数と混合整数を使用したモデリングでは、最適化の文脈における軌道計画の問題を解決するために必要なヒューリスティック評価を実施できない。離散的な決定において極小値に陥る問題(混合整数問題)は、引き続き文献に記載されている。
【0026】
この問題は、本発明の如く、以下においてドメイン固有のヒューリスティックとも呼ばれるドメイン固有の情報をSQPアルゴリズムに実装することによって、上述の方法により対処される。この出願における「ヒューリスティック」と言う用語は、一般的に、動力車両の走行機能に関する知識であると解釈できる。
【0027】
このアプローチによれば、上記のヒューリスティック、即ち、走行機能に関する知識を、それが包埋されている用途の範疇において用いることにより、軌道計画用の特別なSQPを基にしたソルバーを得ることができる。
【0028】
この目的を達成するため、軌道計画の非凸かつ非線形な問題を、シーケンシャルでローカルに正確なプログラムと、最新のQPソルバーによって解決可能な凸で二次元なプログラムに分割するために、ヒューリスティックが、SQPアルゴリズムに統合される。
【0029】
よって、本発明に係る方法の真髄は、ドメイン固有のヒューリスティックを用いるSQPを基にした非線形ソルバーである。更に、各々の離散化ステップは、最も適した離散化を、軌道全体を一般化すること無く選択できるように、個別に取り扱われる。
【0030】
線形二次元プログラムとしての問題のモデリングには、全ての関数の一次方程式または二次方程式としての定式化が必須である。長所は、最適化問題を、迅速かつ信頼性高く、そして、容易な手段を用いて解決するために、最新のQPソルバーを用いることができることである。
【0031】
本発明に係る方法は、特定の対象期間内の車両の動きを推定するために、例えば、下記の実施形態に記述したヒューリスティック並びに車両ダイナミクスのモデルを使用している。詳しく言えば、軌道が計画される該対象期間は、特定数の個別ステップ用に、離散化される必要がある。各々の離散化ステップ用の推定された車両状態は、ワークポイントとして、以下の近似のために用いられる。各々のワークポイント用に、上述の如く、静的および動的な周辺データが、各々離散化される。これは、例えば、50ms~150msの間隔で、好ましくは、100ms毎に実施される。
【0032】
加えて、全ての非線形方程式が、推定された作動ポイントにおいて線形化される。線形化された方程式と離散化された周辺データを用いて、線形二次プログラムを立て、解くことができる。
【0033】
ある実施形態では、ドメイン固有の(参照される)情報として、以下に列記したヒューリスティックの一つ乃至複数が、選択される:
- 適したマヌーバを認識するための最新の走行状況評価
- 評価された走行状況を基にした車両パラメータの調整
- 動力車両の走行モード及び/或いは駆動モードの選択ないし調整
【0034】
ここで言う「最新の走行状況評価」は、例えば、動力車両の最新の(エゴレーンとも呼ばれる)走行レーン、及び/或いは、隣接する走行レーンが、フリーないし他のTPOsによって使用されているか否かを確認することであると解釈できる。これは、各ワークポイントにおいて実施される。更に、車線変更と言う観点から、回避が、必要である又は必要となる可能性があるか否かも確認される。更に、シーンバリエーションも、周辺部が変化する可能性を有効利用するために考慮される。即ち要約すると、(空間的及び時間的に見て)各ワークポイントにおける空間的な成分のみならず、動力車両のダイナミクスもが、確認され、考慮される。
【0035】
本件出願における意味合いでは、「評価された走行状況を基にした車両パラメータの調整のヒューリスティック」は、例えば、上述の回避マヌーバの場合、動力車両の走行制限が、短期的に解除される、或いは、強化される、或いは、低減されることであると解釈できる。ここでは、「走行制限」という概念は、前方をそうこうしているTPOに対する設定されている、或いは、あらかじめ定められている、或いは、設定される車間であると解釈できる。要するに例えば、上述した車線変更において、隣車線のフリーなスペースに入り込むことが可能になる様に、短期的に速度リミットを高める、乃至、超える、及び/或いは、予め定められている前方のTPOに対する車間を下回ることが必要になり得る。
【0036】
この文脈においては、動力車両の走行モード及び/或いは駆動モードも、軌道の計画時に考慮され、用いられる。
【0037】
以下には、走行モードの例が、全て列記されているわけでは無い:
- Economy(非常に節約重視の走行)
- Comfort(通常の走行モード)
- Sport(スポーティな走行)
【0038】
以下には、駆動モードの例が、全て列記されているわけでは無い:
- 高エネリギー効率
- 電動
- 内燃機関のみ
- 固有モード、例えば、内燃機関を搭載した車両において能動的なフィルター再生のために高パワーに設定するなど
【0039】
ある更に他の実施形態によれば、車両パラメータは、車両モデルを基にして、特に好ましくは、ダイナミックなシングルレーンモデルを基に割り出される。この際、動力車両の機械的及び物理的パラメータと特徴が考慮されることが特に好ましい。この実施形態は、原則的に動力車両用の軌道は、物理的及び技術的理由から「走行可能」でなければならないと言う考えが基になっている。この理由からこの実施形態をもってすれば、該動力車両にとって物理的及び/或いは機械的に走行できない軌道は、考慮されないため、計画された軌道の更なる精度と最適化が、達成される。ダイナミックなシングルレーンモデルは、特に、物理的及び機械的特徴、例えば、動力車両の加速性能、車輪間隔に依存するカーブ特性、或いは、ブレーキ性能を、これらを考慮するために本方法において実装されるキネマティクス方程式として示すことを基にしている。
【0040】
ある実施形態によれば、関連する周辺データを割り出すために、動力車両の推定されたポジションを基にした長手方向における該走行マヌーバに対する他の交通参加者各々の関連度が用いられる。ここでは、推定された道路上の車両ポジション(作動ポイント)から、長手方向にあるどの動的オブジェクトを考慮するべきかが事前選択される。この様にすることで、オブジェクト観察用に必要な方程式の数は、一定に保たれ、基となっているQPの凸性に悪影響を与える可能性がある二次条件は、減少する。
【0041】
ある発展形態によれば、関連する周辺データを割り出すために、動力車両の推定されたポジションを基にした横手方向における該走行マヌーバに対する他の交通参加者各々の関連度が用いられる。ここでは、推定された道路上の車両ポジション(作動ポイント)から、どの動的オブジェクトが関連しているかが、あるタイムステップにおいて評価される。このアプローチが、このタイムステップにおいて該隣接レーンをブロックすると言う簡単なアイデアから、高度な幾何学的アイデアに至るまで拡張する。
【0042】
更に、本方法のある実施形態によれば、その走行マヌーバに用いることができる車線空間も、関連する周辺データを割り出すために、即ち、軌道計画を最適化するために用いられる。これにより、車線空間が、例えば、路面標示や動的又は静的オブジェクト、或いは、任意の時間に依存しない又は時間に依存する情報(例えば、時刻に依存した通行制限など)によって制限されている場合も、これらが考慮される。
【0043】
二個所の車両ポジション間にあるオブジェクトを割り出すため、通常は、双方の車両ポジションが、評価される。この様なオブジェクトを考慮するには、通常、基になっているQPモデルの大きさの変化を伴う高い走査速度が必要となる。これを分離するため、本方法は、ある実施形態において、以下のステップを包含している:
- 二つのワークポイント間にある少なくとも一つのオブジェクトを認識するためにヒューリスティックを用いるステップ
- 認識された少なくとも一つのオブジェクトをモデリングし、定式化されたQPモデルに追加するステップ。
【0044】
ある実施形態によれば、車載エンティティ及び/或いは車外エンティティが、最新の走行状況及び/或いは最新の周辺情報を提供するために用いられる。該車載エンティティは、必ずしもではないが、好ましくは、センサユニット或いはセンサシステム、例えば、動力車両に搭載されているカメラ、レーダセンサ又はライダセンサであることができる。一般的に、全ての「情報を提供する」車両のエレメント及び/或いはユニットは、本件出願における意味合いでは、車載エンティティであると解釈できる。即ち、車載ナビゲーション用地図も、車載エンティティの一つである。代案的或いは補足的に車外エンティティも、最新の走行状況及び/或いは最新の周辺情報を評価するために用いることができる。「車外エンティティ」と言う用語は、本件出願における意味合いにおいて、且つ、上述の車載エンティティの対義語として、車両の外部にあるが、最新の走行状況及び/或いは周辺情報を提供する全てのエンティティであると解釈できる。このような車外エンティティの例としては、所謂「インテリジェント駐車場」を挙げることができる。このような屋内駐車場は、それらを用いれば、動力車両及び/或いはその他の交通参加者の最新の位置、速度及び/或いは最新の周辺部を割り出すことが可能なカメラ乃至カメラシステム、並びに、様々なセンサ類を備えている。これらの情報は、軌道計画手段に提供される。本件出願における意味合いでは、「車外エンティティ」と言う用語は、他の交通参加者及び/或いは動力車両の搭乗者(例えば、スマートフォンのポジション信号や地図データなど)、及び/或いは、周辺部のインフラストラクチャ(例えば、監視カメラ)から提供され、伝達される情報であるとも解釈できる。
【0045】
更に、代案的或いは補足的に、動力車両の電子制御装置、並びに、特に電動モータによって駆動される動力車両では、電動駆動系(例えば、駆動系制御装置)を、特に最新の車両情報を提供するために、用いることができる。
【0046】
本方法のある実施形態では、軌道の計画には、縦方向軌道と横方向軌道を組み合わせた計画が包含されている。この実施形態は、既知の方法とは異なり、自動運転の複雑な非線形問題のモデリングによるモデル予測計画アプローチを用いる計画が、標準的QPソルバーによってリソース効率良く解決され得る点離散QP問題においてモデル化される縦・横レーン用の組み合わされた方法を可能にする。
【0047】
具体的に、該課題は、コンピュータプログラム・プロダクトの観点からは、コンピュータによってプログラムが実行されると、コンピュータに上述の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム・プロダクトによって、解決される。
【0048】
具体的に、該課題は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体の観点からは、コンピュータによって実行されると、コンピュータに上述の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体によって、解決される。
【0049】
具体的に、該課題は、動力車両の観点からは、上述の方法を実行するための手段を備える動力車両によって、解決される。該動力車両は、好ましくは、自律走行する動力車両、或いは、自律走行するために構成された動力車両である。
【0050】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいてより詳しく説明する。これらの図面は、部分的に非常に簡略化されて描かれている:
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、運転マヌーバ計画とその計画に基づく制御の基本シーケンスを示す概略ブロック図;
【
図2】
図2は、本発明に係る方法の簡略化したブロック図;
【
図3】
図3は、車線変更する運転マヌーバの概略シナリオ;
【
図4】
図4は、
図3にワークポイントを加えた概略シナリオを示している。
【発明を実施するための形態】
【0052】
これらの図面では、同じ効果を有する構成要素には、常に同じ符号が付けられている。
【0053】
図1には、動力車両4(
図3+
図4参照)の運転マヌーバ計画及び運転マヌーバ制御の基本シーケンスが示されている。ここでは、詳細な描写及び記述は省略する。
図1は、計画される走行マヌーバの計画プロセスにおける本発明の基本的な区分を示す役割を有している。
【0054】
図1からも明らかな如く、入力シグナルとして、例えば、車線推移に関する情報を有する所謂「ロード・モデル」が入力されるドライビング・プランナ6が、設けられている。補完するべく付加的に、動力車両4の周辺内にあるオブジェクトに関するリストとそれに伴う情報を、ドライビング・プランナ6の入力シグナルとして入力することもできる。該オブジェクトは、例えば、他の交通参加者或いは車線境界である。
【0055】
ドライビング・プランナ6は、マヌーバ・プランナ8と軌道プランナ10を有している。マヌーバ・プランナ8は、入力シグナルの情報を基にして、走行マヌーバが必要であるか否かを判断し、その判断に基づいてマヌーバ要求を軌道プランナ10において作成することができる様に構成されている。本件出願における意味合いでは、「走行マヌーバ」と言う用語は、道路交通において一般的マヌーバ、例えば、回避、車線変更、或いは、自己レーン上における追従であると解釈できる。加えて、包括的に衝突や事故を回避するために必要な走行マヌーバもこれに包含され、考え得る。
【0056】
要求された走行マヌーバ、例えば、レーン変更は、続いて、入力シグナルとして、軌道プランナ10に伝達される。そこでは、そこにある情報と、以下に詳しく説明する更なる情報を基にして、要求された走行マヌーバを実行するために動力車両が「それに沿って走行すべき」軌道が、計画される。実施された軌道計画後、それが、モーション・コントロール・モジュール12に伝達される。該モーション・コントロール・モジュール12は、軌道を実施するために必要な制御命令を、動力車両4の個々のコンポーネントに出す。上述の車線変更の例に関して述べるならば、モーション・コントロール・モジュール12によって、車線変更を実施するために、操舵系に対して操舵命令が、並びに、必要な場合、動力車両4の加速乃至減速の命令が、出される。
【0057】
図2は、軌道プランナ10内における、本発明による方法の概略的なブロック図を示している。
【0058】
軌道の計画は、第一基本ステップにおいて、最新の走行状況の評価200によって実施される。ここでは、動力車両4の近傍内に他の交通参加者がいるか否か、並びに、その数が、確認される。ここでは、「近傍」と言う概念は、要求された走行マヌーバに関連する動力車両の周辺部であると解釈できる。これは、要求された走行マヌーバに応じて異なる。車線変更の例のケースでは、動力車両の該近傍は、動力車両の間近な前方、後方並びに側方、即ち、間近な周辺部に限定されている。
【0059】
しかし、補完的に次の方法ステップでは、判定のために動力車両に関する情報も用いられる。この様にすることで、該動力車両が、現在どの走行モードに設定されているのかのみならず、該動力車両のどの物理的及び/或いは機械的限界、例えば、最大操舵角或いは加速性能を軌道の計画時に考慮するべきであるかもが、考慮される。
【0060】
現在の走行状況が、十分に評価された後、次のステップにおいて、近似300が、ドメイン固有のヒューリスティックを基にして実施され、軌道の計画の基となる解決されるべき問題が、定式化される。この際、計画されるべき軌道が、ワークポイントA
1-A
4の数に合わせて分割される(
図4参照)。更に、各々のワークポイントA
1-A
4において、周辺状況(今、該動力車両は、どこを走っているのか?-他の交通参加者は、前のワークポイントと比較して、どの様な挙動をとっているのか?)を評価し、QPの定式化が、それに適合される。
【0061】
本発明では、このステップにおいて、必要とされない周辺情報の削減が、ドメイン固有のヒューリスティックを基に実施される。その際、ドメイン固有の知識、例えば、該動力車両が既に体験済みの特定の交通状況に関する知識が利用される。これにより、軌道プランナ10によって解決されるべき問題が簡略化できる。再度上述の車線変更の例に関して言えば、ドメイン固有のヒューリスティックを用いると言うことは、軌道プランナ10は-動力車両4が、その時点の車線上を走っている間は-同じ車線上の他の交通参加者のみを軌道の計画において考慮すると言うことを意味する。該動力車両4が、隣の車線に変更した、乃至、少なくとも車線変更の半分が実施された時点からは、「新しい」車線上の交通参加者のみを軌道計画のために考慮すべきである。言い換えれば、ドメイン固有のヒューリスティックは、本発明において、問題解決の簡略化に寄与している。
【0062】
要するに、ドメイン固有のヒューリスティックを基にして「簡略化された」問題が、次の方法ステップ400において、QPソルバーによって解決される。
【0063】
続いて更なるステップ500において収束分析が実施される。この際、問題の収束が十分に達成されたか否か、即ち、計画された軌道が、要求された走行マヌーバを遂行するために十分であるか否かが、確認される。これが確認できた場合は、
図1の実施形態において既に述べた如く計画された軌道が、入力シグナルとしてモーション・コントロール・モジュール12に伝達される。十分な収束が確認できなかった場合は、該方法ステップが、より正確な収束を達成するために、再度、更なるシーケンスにおいて実施される。ここでは、先に到達したソリューション並びに補完的に他のドメイン固有のヒューリスティックが用いられる。
【0064】
即ち、要約すると、本発明に係る方法は、ドメイン固有のヒューリスティックの実装を、各々の作成されたワークポイントA1-A4において個別に評価され、且つ、一般的なQPソルバーによって解決可能なSQPを基にした問題において形成している。
【0065】
本方法を説明するために既に上述した車線変更の例を、以下、
図3と4に、より詳しく説明する。
【0066】
図3には、車線で示されている動力車両4が、その上を走行方向(図面では、右)へ向かって動いている二車線からなる道路の一部が描かれている。路面上には、付加的に、他の交通参加者TPO1,TPO2,TPO3,…,TPOnも描かれている。ここで「n」は、制限はされないが、交通参加者の最多数を示す正の自然数である。簡略且つ明確にするために、以下の実施形態では、常に三つの交通参加者TPO1,TPO2,TPO3のみを取り扱うが、これは、本発明の方法を限定するものではないことは言うまでも無い。
【0067】
他の交通参加者の走行方向は、それぞれ矢印で示されている。
図4には、同じシナリオが、もう一度描かれている。しかしながら
図4では、近似された軌道の個々のワークポイントA
1-A
4も示されている。ここでは、簡略化のために、各交通参加者に対して四つのワークポイントA
1-A
4のみを示しているが、これらは-各々のオブジェクトから矢印の方向に観察して-それぞれのワークポイントA
1-A
4の周辺及び/或いは走行状況に関する情報、及び/或いは、各ワークポイントA
1-A
4における車両自体に関する情報を示している。この際-既に上で詳しく説明したごとく-各ワークポイントA
1-A
4における情報としては、例えば、速度及び/或いは加速度だけでなく、車両に関する所謂「メタ情報」、例えば、車両タイプ、並びに、時点及び/或いは位置も含まれる。よって、エゴ軌道のワークポイントA
1が評価されると、TPO1、TPO2、TPO3などのワークポイントA
1も評価されることは、自明である。
【0068】
ここでは車線変更であるが、車両4の計画された軌道も、カーブした矢印によって描写されている。本発明に係る方法の範疇では、続いて、最新の走行状況を評価するために、他の交通参加者全員TPO1-TPO3の考慮、並びに、該動力車両の車内の情報の考慮が実施される。
【0069】
ドメイン固有のヒューリスティックが無ければ、各ワークポイントA
1-A
4(
図4参照)において、全ての情報、即ち、問題を複雑化し、計画コストとそれに伴った計算コストの上昇の原因となり得る他の交通参加者TPO1-TPO3に関する全ての情報を考慮しなければならない。
【0070】
ドメイン固有のヒューリスティックが実装されることにより、動力車両4乃至軌道プランナ10は、車線変更の開始時、即ち、該動力車両が、その時点においてまだ「旧」車線上を走っている間は、同じ車線上の交通参加者のみ、要するに、前方を走行している交通参加者TPO1のみを考慮している。他の交通参加者TPO2,TPO3とこれらの交通参加者に関する情報は、ワークポイントA1-A4においては、(まだ)考慮されない。該動力車両4が、少なくとも一部、中央線を越えた時点からは、軌道プランナ10は、ドメイン固有のヒューリスティックと周辺部から、続くワークポイントA1-A4においては、更なる計画において、「新」車線上を走行している交通参加者、即ち、交通参加者TPO2とTPO3のみを考慮すれば良いと言う情報を割出す。他の交通参加者TPO1が、制動する、加速する、或いは、右/左折するか否かは、軌道を計画する場合において、重要ではない。
【0071】
要するに、これらの付加的な情報は、関連しない二次条件を排除し、問題解決を容易にすることによって、該問題を、QPソルバーを用いて解けるようにすることで、軌道プランナ10をサポートする。要するにこれは、QPの凸化であると言うことができる。
【0072】
要約すると、上述の軌道計画の課題は非線形最適化問題として定式化できると言える。物理的及び安全に関与する限界は、この問題の二次条件として定式化できる。この最適化問題の目標は、(コスト関数とも呼べる)目的関数の極値(例えば、極小値)を算出することである。
【0073】
本発明は、上記の実施例に限定されない。況や、当業者によれば、本発明の対象を逸脱することなく、本発明に基づく他のバリエーションを得ることが可能である。特に、実施例と関連して記載された個々の特徴は、本発明の対象を逸脱することなく、更に、他のやり方で互いに組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0074】
4 動力車両
6 ドライビング・プランナ
8 マヌーバ・プランナ
10 軌道プランナ
12 モーション・コントロール・モジュール
A1-A4 ワークポイント
TPO1 他の交通参加者
TPO2 他の交通参加者
TPO3 他の交通参加者
200 最新の走行状況の評価
300 ドメイン固有のヒューリスティックを基準とする近似
400 QPソルバーを用いた問題の解決
500 収束分析
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
本発明は、上記の実施例に限定されない。況や、当業者によれば、本発明の対象を逸脱することなく、本発明に基づく他のバリエーションを得ることが可能である。特に、実施例と関連して記載された個々の特徴は、本発明の対象を逸脱することなく、更に、他のやり方で互いに組み合わせることも可能である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
以下のステップ:
1) 最新の走行状況を評価するステップ(200);
2) 適合された走行マヌーバを、評価された走行状況を基にして割出すステップ;
3) 評価された走行状況と割り出された走行マヌーバに基づいて、軌道のワークポイント(A
1
-A
4
)の数を算出するステップ;
4) 軌道の各々のワークポイント(A
1
-A
4
)における最新の周辺情報及び/或いは車両情報を離散化するステップ;
5) ドメイン固有の情報を基にして各々のワークポイント(A
1
-A
4
)用に関連する周辺データを選択し統合するステップ(300);
6) 選択され統合された周辺データを線形化するステップ;
7) QPモデルを定式化するために線形化された周辺データを用いるステップ;
8) QPソルバーを用いてQPモデルを解くステップ(400);
9) ソリューションの収束に応じてステップ1)から8)を反復する(500)、但し、ステップ1)から8)を反復する際は、QPソルバーのソリューションを考慮する、
ことを特徴とする動力車両(4)の運転マヌーバの軌道を計画するための方法。
2.
以下に列記したヒューリスティックの一つ乃至複数が、ドメイン固有の(参照される)情報として、選択されることを特徴とする上記1に記載の方法:
- 適したマヌーバを認識するための最新の走行状況評価
- 評価された走行状況を基にした車両パラメータの調整
- 動力車両(4)の走行モード及び/或いは駆動モードの選択ないし調整。
3.
車両パラメータが、車両モデルを基にして、特に好ましくは、ダイナミックなシングルレーンモデルを基に割り出されることを特徴とする上記2に記載の方法。
4.
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに対する他の交通参加者(TPO1,TPO2,TPO3,・・・,TPOn)各々の動力車両(4)の推定されたポジションを基にした長手方向における関連度が用いられることを特徴とする上記1~3のうち何れか一つに記載の方法。
5.
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに対する他の交通参加者(TPO1,TPO2,TPO3,・・・,TPOn)各々の動力車両(4)の推定されたポジションを基にした横手方向における関連度が用いられることを特徴とする上記1~4のうち何れか一つに記載の方法。
6.
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに用いることができる車線空間を用いることを特徴とする上記1~5のうち何れか一つに記載の方法。
7.
更に、以下のステップも包含していることを特徴とする上記1~6のうち一つに記載の方法:
- 二つのワークポイント(A
1
-A
4
);間にある少なくとも一つのオブジェクトを認識するためにヒューリスティックを用いるステップ
- 認識された少なくとも一つのオブジェクトをモデリングし、定式化されたQPモデルに追加するステップ。
8.
車載エンティティ及び/或いは車外エンティティが、最新の走行状況及び/或いは最新の周辺情報を提供するために用いられることを特徴とする上記1~3のうち何れか一つに記載の方法。
9.
該軌道の計画に、縦方向軌道と横方向軌道を組み合わせた計画が包含されていることを特徴とする上記1~8のうち何れか一つに記載の方法。
10.
プログラムの実行時に、上記1から9に記載の方法を実施することをコンピュータに促す命令を包含しているコンピュータプログラム・プロダクト。
11.
プログラムの実行時に、上記1から9に記載の方法を実施することをコンピュータに促す命令を包含しているコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体。
12.
上記1から9に記載の方法を実施するための手段を包含する動力車両、特に、自律走行する動力車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:
1) 最新の走行状況を評価するステップ(200);
2) 適合された走行マヌーバを、評価された走行状況を基にして割出すステップ;
3) 評価された走行状況と割り出された走行マヌーバに基づいて、軌道のワークポイント(A
1-A
4)の数を算出するステップ;
4) 軌道の各々のワークポイント(A
1-A
4)における最新の周辺情報及び/或いは車両情報を離散化するステップ;
5) ドメイン固有の情報を基にして各々のワークポイント(A
1-A
4)用に関連する周辺データを選択し統合するステップ(300);
6) 選択され統合された周辺データを線形化するステップ;
7) QPモデルを定式化するために線形化された周辺データを用いるステップ;
8) QPソルバーを用いてQPモデルを解くステップ(400);
9) ソリューションの収束に応じてステップ1)から8)を反復する(500)、但し、ステップ1)から8)を反復する際は、QPソルバーのソリューションを考慮する、
ことを特徴とする動力車両(4)の運転マヌーバの軌道を計画するための方法。
【請求項2】
以下に列記したヒューリスティックの一つ乃至複数が、ドメイン固有の(参照される)情報として、選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法:
- 適したマヌーバを認識するための最新の走行状況評価
- 評価された走行状況を基にした車両パラメータの調整
- 動力車両(4)の走行モード及び/或いは駆動モードの選択ないし調整。
【請求項3】
車両パラメータが、車両モデルを基にして、特に好ましくは、ダイナミックなシングルレーンモデルを基に割り出されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに対する他の交通参加者(TPO1,TPO2,TPO3,・・・,TPOn)各々の動力車両(4)の推定されたポジションを基にした長手方向における関連度が用いられることを特徴とす
る請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに対する他の交通参加者(TPO1,TPO2,TPO3,・・・,TPOn)各々の動力車両(4)の推定されたポジションを基にした横手方向における関連度が用いられることを特徴とす
る請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
関連する周辺データを割り出すために、該走行マヌーバに用いることができる車線空間を用いることを特徴とす
る請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
更に、以下のステップも包含していることを特徴とす
る請求項
1に記載の方法:
- 二つのワークポイント(A
1-A
4);間にある少なくとも一つのオブジェクトを認識するためにヒューリスティックを用いるステップ
- 認識された少なくとも一つのオブジェクトをモデリングし、定式化されたQPモデルに追加するステップ。
【請求項8】
車載エンティティ及び/或いは車外エンティティが、最新の走行状況及び/或いは最新の周辺情報を提供するために用いられることを特徴とす
る請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
該軌道の計画に、縦方向軌道と横方向軌道を組み合わせた計画が包含されていることを特徴とす
る請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
プログラムの実行時に、請求項1から9
の何れか一項に記載の方法を実施することをコンピュータに促す命令を包含しているコンピュータプログラム・プロダクト。
【請求項11】
プログラムの実行時に、請求項1から9
の何れか一項に記載の方法を実施することをコンピュータに促す命令を包含しているコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項1から9
の何れか一項に記載の方法を実施するための手段を包含する動力車両、特に、自律走行する動力車両。
【国際調査報告】