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特表2024-535029端面発光型半導体レーザ及び複数の端面発光型半導体レーザの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】端面発光型半導体レーザ及び複数の端面発光型半導体レーザの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/10 20210101AFI20240918BHJP
   H01S 5/22 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H01S5/10
H01S5/22
H01S5/22 610
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516541
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2022074722
(87)【国際公開番号】W WO2023052053
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021125119.2
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】レル アルフレド
(72)【発明者】
【氏名】アイヒラー クリストフ
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AA08
5F173AB50
5F173AB79
5F173AD04
5F173AP32
5F173AP33
5F173AP42
5F173AP47
5F173AP87
5F173AR23
5F173AR52
5F173AR94
5F173AR96
(57)【要約】
端面発光型半導体レーザ及び複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法であり、以下の特徴を備えた端面発光型半導体レーザが特定される:-作動時に電磁放射線が生成される活性ゾーン(15)を備えるエピタキシャル半導体層積層体(14)、-エピタキシャル半導体層積層体(14)は、エピタキシャル半導体層積層体(14)の横方向の境界を定める少なくとも1つのファセット(12)を有し、-ファセット(12)は、活性ゾーン(15)で生成された電磁放射線に対して互いに異なる反射率を有する、少なくとも第1の部分表面(10)と少なくとも第2の部分表面(11)を有する。複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法も提供される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動時に電磁放射線が生成される活性ゾーン(15)を備えるエピタキシャル半導体層積層体(14)を備える端面発光型半導体レーザであり、
-前記エピタキシャル半導体層積層体(14)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の横方向の境界を定める少なくとも1つのファセット(12)を有し、
-前記ファセット(12)は、前記活性ゾーン(15)で生成された前記電磁放射線に対して互いに異なる反射率を有する、少なくとも第1の部分表面(10)と少なくとも第2の部分表面(11)を有し、
-前記第1の部分表面の反射率は、前記活性ゾーンの前記電磁放射線に対して前記第2の部分表面よりも高く、
-前記第1の部分表面は、共振器内の電磁レーザ放射線の所望のモードの増幅に有利に作用し、
-前記第2の部分表面は、前記共振器内の電磁レーザ放射線の不要なモードの減衰に有利になる、端面発光型半導体レーザ。
【請求項2】
前記活性ゾーン(15)で発生する前記電磁放射線は、共振器(17)内で複数のモード(21)を含む電磁レーザ放射線になる、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項3】
前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)の粗度は異なる、請求項1または2に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項4】
-前記第1の部分表面(10)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の垂直主面(6)に対して第1の垂直角(αW1)だけ傾斜して形成され、前記垂直主面(6)は、長手方向(R)に対して垂直であり、及び/または、
-前記第2の部分表面(11)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の前記垂直主面(6)に対して第2の垂直角(αW2)だけ傾斜している、請求項1~3のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項5】
-前記第1の部分表面(10)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の垂直主面(6)に対して第1の側方角(αL1)だけ傾斜しており、及び/または、
-前記第2の部分表面(11)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の前記垂直主面(6)に対して第2の側方角(αW2)だけ傾斜している、請求項1~4のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項6】
-前記第1の部分表面(10)は、前記ファセット(12)の放射出口領域(13)を覆う、請求項1~5のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項7】
-前記第1の部分表面(10)は、前記ファセット(12)の放射出口領域(13)を覆い、
-前記第1の部分表面(10)は、前記活性ゾーン(15)の前記電磁放射線に対して前記第1の部分表面(10)よりも低い反射率を有する2つの第2の部分表面(11)の間に配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項8】
リッジ導波路(9)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項9】
前記ファセット(12)は、前記活性ゾーン(15)で生成される前記電磁放射線に対して少なくとも部分的に異なる反射率を有するさらなる部分表面(11’、11’’、11’’’)を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項10】
前記ファセット(12)は、複数の部分表面(10、11、11’、11’’、11’’’)を有し、各部分表面は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の垂直主面(6)に対して側方角だけ傾斜し、前記ファセット(12)に少なくとも1つの切り込み(22)及び/または少なくとも1つの突起(23)を形成する、請求項1~9のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の端面発光型半導体レーザを少なくとも2つ備えるアレイ。
【請求項12】
複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法であって、
-動作時に電磁放射線を生成する活性領域(2)を備えたエピタキシャル半導体層シーケンスを用意することと、
-前記エピタキシャル半導体層シーケンスに1つまたは複数のトレンチを生成することと、
-前記トレンチ(4)の側面(5)上に少なくとも第1の部分表面(10)と少なくとも第2の部分表面(11)を生成することと、を含み、
-前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)は、前記活性領域(2)で発生する前記電磁放射線に対して異なる反射率を有し、
-前記第1の部分表面は、前記活性ゾーンの前記電磁放射線に対して前記第2の部分表面よりも高い反射率を有し、
-前記第1の部分表面は、共振器内の電磁レーザ放射線の所望のモードの増幅に有利に作用し、
-前記第2の部分表面は、共振器内の電磁レーザ放射線の不要なモードの減衰に有利になる、方法。
【請求項13】
-前記トレンチ(4)は、前記トレンチ(4)の側面(5)が前記エピタキシャル半導体層シーケンス(1)の垂直主面(6)に対して傾斜した垂直角(α)を有するように、ドライエッチングプロセスによって生成され、前記垂直主面(6)は長手方向(R)に対して垂直であり、
-前記第1の部分表面(10)または前記第2の部分表面(11)は、マスク(7)を使用する湿式化学法によって生成され、前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)の粗度は異なる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記湿式化学法により生成された前記部分表面(10、11)は、他の部分表面(10、11)よりも低い粗度を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トレンチ(4)は、マスク(7)を使用するドライエッチングプロセスによって生成され、前記第1の部分表面(10)は、垂直主面(6)と第1の垂直角(αW1)を囲み及び/または前記第2の部分表面(11)は、前記垂直主面(6)と第2の垂直角(αW2)を囲む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記トレンチ(4)は、少なくとも一つのマスク(7)を使用するドライエッチングプロセスによって生成され、前記第1の部分表面(10)は、垂直主面(6)と第1の側方角(αL1)を囲み及び/または前記第2の部分表面(11)は、前記垂直主面(6)と第2の側方角(αL2)を囲む、請求項12または15に記載の方法。
【請求項17】
前記マスク(7)は、前記ドライエッチングプロセスに対して異なる選択比を有する少なくとも2つのマスク層(7’、7’’)を有する、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法であって、
-動作時に電磁放射線を生成する活性領域(2)を備えたエピタキシャル半導体層シーケンス(1)を用意することと、
-複数の構造要素(20)を前記エピタキシャル半導体層シーケンスで生成することであって、構造要素(20)の側面が完成した半導体レーザのファセット(12)の第1の部分表面を少なくとも部分的に形成することと、
-前記完成した半導体レーザの前記ファセット(12)の少なくとも第2の部分表面(11)が形成されるように、前記半導体層シーケンス(1)を複数の端面発光型半導体レーザに個片化することと、を含み、
-前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)は、前記活性領域(2)で発生する前記電磁放射線に対して異なる反射率を有し、
-前記第1の部分表面は、活性ゾーン(15)の前記電磁放射線に対して前記第2の部分表面よりも高い反射率を有し、
-前記第1の部分表面(10)は、共振器(17)内の電磁レーザ放射線の所望のモードを増幅し、
-前記第2の部分表面(11)は、前記共振器(17)内の前記電磁レーザ放射線の不要なモードを少なくとも減衰させる、方法。
【請求項19】
前記第1の部分表面(10)は、前記第2の部分表面(11)よりも大きな粗度を有する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
端面発光型半導体レーザ及び複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法が開示される。
【発明の概要】
【0002】
改良された端面発光型半導体レーザが提供される。特に、半導体レーザは、可能な限り均質であるビーム品質、効率性の向上、及び高い信頼性を備えるべきである。さらに、そのような半導体レーザを、特にウェハレベルで製造するための簡便な方法が提供される。
【0003】
これらの課題は、特許請求項1の特徴を備えた端面発光型半導体レーザと、特許請求項12及び18のステップを備えた方法によって解決される。
【0004】
半導体レーザ及び方法の有利な実施形態及び発展形態が、それぞれの従属請求項に記載されている。
【0005】
一実施形態によれば、端面発光型半導体レーザは、動作時に電磁放射線が発生する活性ゾーンを有するエピタキシャル半導体層積層体を有する。特に、半導体層積層体は、互いの上にエピタキシャル成長した複数の半導体層を有するか、または互いの上にエピタキシャル成長した複数の半導体層から形成される。エピタキシャル半導体層積層体において、エピタキシャル半導体層積層体のエピタキシャル成長した半導体層の積層方向は垂直である。
【0006】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、半導体層積層体は、エピタキシャル半導体層積層体を横方向に画定するファセットを少なくとも1つ有する。特に、ファセットはエピタキシャル半導体層積層体の一部である。特に、ファセットは、エピタキシャル半導体層積層体の側面の全部または一部を形成する。換言すれば、ファセットは、特に半導体層積層体の半導体材料から形成される。
【0007】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、半導体層積層体はさらなるファセットを有する。2つのファセットは、互いに対向しており、エピタキシャル半導体層積層体の側面の全部または一部を形成することが好ましい。1つのファセットに関連する本明細書に記載のすべての実施形態及び特徴も、両方のファセットでなすことができる。
【0008】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、ファセットは、活性ゾーンで発生する電磁放射に対して互いに異なる反射率を有する少なくとも第1の部分表面及び少なくとも第2の部分表面を有する。
【0009】
好ましい実施形態によれば、半導体レーザは、動作時に電磁放射線が発生する活性ゾーンを有するエピタキシャル半導体層積層体を含む。ここで、半導体層積層体は、エピタキシャル半導体層積層体を横方向に画定するファセットを少なくとも1つ有し、ファセットは、活性ゾーンで発生する電磁放射線に対して互いに異なる反射率を有する少なくとも第1の部分表面及び少なくとも第2の部分表面を有する。
【0010】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、ファセットは、活性ゾーンで発生する電磁放射線に対して共振器を形成する。一般に、半導体レーザの動作時に共振器内で電磁放射線の定常波が形成される。活性ゾーンは、動作時の共振器内で反転分布が生成されるレーザ媒質となる。反転分布により、誘導放出が活性ゾーンで電磁放射を発生させ、共振器内で電磁レーザ放射線が形成される。誘導放出が電磁レーザ放射線を発生させることによって、自然放出が発生させる電磁放射線とは対照的に、電磁レーザ放射線は通常、非常に長いコヒーレンス長、非常に狭い発光スペクトル及び/または高い偏光度を有する。
【0011】
半導体レーザの一実施形態によれば、電磁レーザ放射線は異なるモードを有する。特に、波長、位相、及び/または振幅においてレーザ放射線のモードは異なる。さらに、異なるモードの電磁レーザ放射線は、一般に、共振器を形成するファセットの異なる部分表面に入射する。
【0012】
活性ゾーンで発生する電磁放射線に対して異なる反射率を有する異なる部分表面がファセットにある場合、とりわけ、電磁レーザ放射線の異なるモードが特に影響を受ける可能性がある。所望のモードは反射率を高めることで増幅でき、不要なモードは反射率を下げることで増幅を抑えるか減衰させることができる。例えば、活性ゾーンの電磁放射線に対する反射率を下げると、部分表面の反射率は多くても17%である。
【0013】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第1の部分表面の活性ゾーンの電磁放射線に対する反射率は、第2の部分表面よりも高い。さらに、第1の部分表面は、共振器内の電磁レーザ放射線の所望のモードの増幅に有利であり、第2の部分表面は、共振器内の電磁レーザ放射線の不要なモードの減衰に有利である。特に、第1の部分表面は、共振器内の電磁レーザ放射線の所望のモードを増幅し、第2の部分表面は、共振器内の電磁レーザ放射線の不要なモードを少なくとも減衰する。第2の部分表面が、共振器内の電磁レーザ放射線の不要なモードを取り除くことが好ましい。不要なモードが共振器から現れないことが好ましい。
【0014】
本発明の端面発光型半導体レーザでは、いくつかの異なる部分表面をファセット上に配置することも可能でき、部分表面は活性ゾーンで発生する電磁放射線に対して互いに少なくとも部分的に異なる反射率を有する。第1の部分表面及び第2の部分表面に関連する上記のすべての特徴及び実施形態も、他の部分表面のすべてまたは一部でなすことができる。
【0015】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、1つまたは複数の反射コーティング層がファセットに、好ましくは表面全体にわたって施される。特に、反射コーティング層は、活性ゾーンで発生する電磁放射線を少なくとも部分的に反射する。
【0016】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、活性ゾーンで発生する電磁放射線は、共振器内でいくつかのモードを含む電磁レーザ放射線になる。特に、共振器は、半導体層積層体の2つの対向するファセットによって形成される。
【0017】
本発明の端面発光型半導体レーザは、活性ゾーンで発生する電磁放射線に対して異なる反射率を有する第1の部分表面と第2の部分表面によって、電磁レーザ放射線の所望のモードのみを増幅できるが、一方で電磁レーザ放射線の不要なモードは、反射率が低い部分表面に入射すると、増幅を抑える、または減衰させるという利点を有する。特に、ファセット(フィラメント)上の局所的に高い電磁レーザ放射線の強度を少なくとも低減することができる。したがって、効率性、信頼性、及びビーム品質への好影響が実現できる。
【0018】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第1の部分表面の反射率は、第2の部分表面よりも高く、第1の部分表面は、第2の部分表面がレーザ放射線の別のモードを増幅させるよりも動作時のレーザ放射線の一モードを大きく増幅させる。
【0019】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第1の部分表面と第2の部分表面は、粗度が異なる。この場合、粗度は特に幾何平均粗度値Rを指す。幾何平均粗度値は、中心線から、粗度が未定である表面の測定点の平均距離を特定する。例えば、幾何平均粗度値を決めるために、それぞれの部分表面を測定部で走査し、すべての高さと深さの差分を粗さ曲線として記録する。測定部で粗さ曲線の積分値を求めた後、結果は測定部の長さで割る。例えば、第1の部分表面の粗度と第2の部分表面の粗度の差は、5ナノメートル以上20ナノメートル以下のΔR値である。
【0020】
一般に、それぞれの部分表面の粗度によってその反射率が決まる。一般に、粗度の高い部分表面は、粗度の低い部分表面よりも、活性ゾーンからの電磁放射線に対する反射率が低い。換言すれば、部分表面の反射率は、その粗度によって具体的に調整することができる。
【0021】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第1の部分表面は、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して第1の垂直角だけ傾斜して形成される。ここで、垂直主面とは、一方のファセットから他方のファセットに向かう長手方向に対して垂直である。したがって、長手方向は共振器の光軸と平行に延びる。さらに、長手方向は、エピタキシャル半導体層積層体の積層方向に対して垂直である。特に、第1の部分表面と第2の部分表面は、活性ゾーン内で長手方向に発生する電磁放射線に対して互いに異なる反射率を有する。
【0022】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第2の部分表面は、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して第2の垂直角だけ傾斜する。
【0023】
それぞれの垂直角で傾斜した部分表面と垂直主面との交線は、積層方向及び長手方向に対して垂直である。
【0024】
第1の部分表面及び第2の部分表面がそれぞれ、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して垂直角だけ傾斜して形成される場合、その垂直角は特に互いに異なる。例えば、一方の垂直角は+/-6°以下、好ましくは+/-2°以下の値である一方で、他方の角度は少なくとも+/-8°、好ましくは少なくとも+/-10°の値である。特に、2つの部分表面のうちの一方のみがエピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して傾斜し、他方の部分表面が垂直主面に平行であることも可能である。
【0025】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第1の部分表面は第1の垂直角だけ傾斜し、第2の部分表面は第2の垂直角だけ傾斜し、第1の垂直角と第2の垂直角は互いに異なる。垂直角がより大きい部分表面は、垂直角がより小さい部分表面よりも粗度が高いことが好ましい。
【0026】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第1の部分表面は、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して第1の側方角だけ傾斜しており、及び/または第2の部分表面は、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して第2の側方角だけ傾斜している。各側方角だけ傾斜した部分表面と垂直主面との交線は積層方向と平行である。
【0027】
半導体レーザがエピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して異なる側方角で傾斜した部分表面がいくつかある場合、切り込みや突起がファセットに形成される可能性がある。特に、異なる側方角を有するいくつかの部分表面は、直接隣接している。
【0028】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、ファセットは放射出口領域を有する。特に、ファセットは、共振器内で発生する電磁レーザ放射線を放射出口領域から放つ。言い換えれば、ファセットの面全体では、通常、電磁レーザ放射線を放つことを意図されていない。むしろ、ファセットは動作時に放射出口領域から電磁レーザ放射線を放つのみである。通常、半導体レーザの単一のファセットのみが放射出口領域を有する。放射出口領域からの電磁レーザ放射線の放射は、通常、電磁レーザ放射線の一部を透過する、ファセット上の1つまたは複数の反射コーティング層によって発生する。ファセットに切り込み及び突起がある場合、これらは放射出口領域に形成されることが特に好ましい。
【0029】
第1の部分表面はファセットの放射出口領域を覆い、第1の部分表面の反射率は活性ゾーンの電磁放射に対して第2の部分表面よりも高いことが特に好ましい。例えば、粗度が大きいため、電磁放射線に対する反射率が低い第2の部分表面は、ファセットの放射出口領域を覆わないことが特に好ましい。第1の部分表面は、電磁レーザ放射線の入射モードを増幅し、一方で、第2の部分表面は、電磁レーザ放射線の1つまたは複数のモードを減衰させることが好ましい。
【0030】
端面発光型半導体レーザのさらなる実施形態によれば、第1の部分表面はファセットの放射出口領域を覆い、第1の部分表面は、第1の部分表面よりも活性ゾーンの電磁放射線に対して低い反射率を有する2つの第2の部分表面の間に配置される。第1の部分表面は、電磁レーザ放射線の入射モードを増幅し、一方で、第2の部分表面は、電磁レーザ放射線の1つまたは複数のモードを減衰させることが好ましい。
【0031】
さらなる実施形態によれば、半導体レーザはリッジ導波路を有する。特に、比較的幅の広いリッジ導波路を備えた半導体レーザの場合、共振器内で発生する電磁レーザ放射線は一般にいくつかのモードを有する。したがって、異なる反射率を有するファセットによるモードの選択は、幅の広いリッジ導波路を備えた端面発光型半導体レーザにとって特に有用である。例えば、リッジ導波路の幅は、1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下、好ましくは2マイクロメートル以上50マイクロメートル以下である。
【0032】
リッジ導波路は、一般に、エピタキシャル半導体層積層体内で電磁レーザ放射線を導くように意図される。したがって、通常、ファセットの放射出口領域もリッジ導波路の下で積層方向に沿って配置される。
【0033】
さらなる実施形態によれば、端面発光型半導体レーザは、リッジ導波路のない屈折率導波型半導体レーザである。屈折率導波型半導体レーザでは、電磁レーザ放射線は、活性ゾーンへの電流印加によってエピタキシャル半導体層積層体内で誘導され、電流注入は、第1の主面と第1の主面に対向する第2の主面上の2か所の電気接点によって行われる。
【0034】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、ファセットは、活性ゾーンで発生する電磁放射に対して少なくとも部分的に異なる反射率を有する部分表面をさらに有する。
【0035】
半導体レーザのさらなる実施形態によれば、ファセットは複数の部分表面を有し、これらの部分表面のそれぞれは、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して側方画だけ傾斜して形成され、ファセットに少なくとも1つの切り込み及び/または突起を形成する。切り込み及び/または突起の断面積は、半導体レーザの主面の平面視で、例えば、多角形、長方形、三角形、円形、または楕円形である。
【0036】
端面発光型半導体レーザは、少なくとも2つの端面発光型半導体レーザを有するアレイで使用するために特に構成されている。半導体レーザとのみ関連する本明細書に開示される特徴及び実施形態は、アレイ内でなすこともでき、その逆も同様である。
【0037】
特に、アレイ半導体レーザは、互いに異なって設計することも、同じ方法で設計することもできる。例えば、アレイ半導体レーザは、少なくとも部分的に互いに異なる電磁レーザ放射線を放つ。特に、半導体レーザの電磁レーザ放射線の波長は、異なってよい。
【0038】
複数の端面発光型半導体レーザは、以下に記載の方法を使用して製造することができる。端面発光型半導体レーザとのみ関連する本明細書に開示される特徴及び実施形態は、方法でなすこともでき、その逆も同様である。
【0039】
複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法の一実施形態によれば、エピタキシャル半導体層シーケンスは、動作時に電磁放射線を発生する活性領域を備える。
【0040】
方法のさらなる実施形態によれば、エピタキシャル半導体層シーケンスに1つまたは複数のトレンチが生じる。特に、トレンチの側面は、完成した半導体レーザのファセットを少なくとも部分的に形成する。
【0041】
方法のさらなる実施形態によれば、少なくとも第1の部分表面及び少なくとも第2の部分表面がトレンチの側面上に生成され、第1の部分表面及び第2の部分表面は、活性領域で発生する電磁放射線に対して互いに異なる反射率を有する。
【0042】
特に、複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法は、以下のステップを含む:
-動作時に電磁放射線を発生する活性領域を備えたエピタキシャル半導体層シーケンスを用意することと、
-エピタキシャル半導体層シーケンスに1つまたは複数のトレンチを生成することと、
-少なくとも第1の部分表面及び少なくとも第2の部分表面をトレンチの側面上に生成することであり、第1の部分表面及び第2の部分表面は、活性領域で発生する電磁放射線に対して互いに異なる反射率を有する。
【0043】
指定されたステップは指定された順で実行されることが好ましい。
【0044】
複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法は、ウェハレベルで実行されることが好ましい。これは、エピタキシャル半導体層シーケンスがウェハの一部であり、複数の半導体レーザが同時に製造されることを意味する。これにより、製造工程が簡素化される。
【0045】
方法の最後に、例えば、ウェハのスクライブ及びブレイク、ステルスダイシングまたはレーザ分離によって、端面発光型半導体レーザが個片化される。特に、エピタキシャル半導体層シーケンスのトレンチは、半導体レーザが個片化される分離線を備える。
【0046】
半導体層積層体と活性ゾーンを備えた端面発光型半導体レーザは、個片化中に作製される。様々な端面発光型半導体レーザのエピタキシャル半導体層積層体は、ウェハレベルでの活性化半導体層シーケンスの一部であり、活性ゾーンはウェハレベルでの活性領域の一部である。したがって、エピタキシャル半導体積層体及び活性ゾーンに関連する本明細書に記載される特徴及び実施形態は、エピタキシャル半導体層シーケンス及び活性領域でなされてもよく、またその逆も同様である。
【0047】
特に、エピタキシャル半導体層シーケンス及びエピタキシャル半導体積層体において、エピタキシャル半導体層シーケンスのエピタキシャル成長した半導体層の積層方向は垂直である。エピタキシャル半導体層シーケンスの垂直主面は、エピタキシャル半導層シーケンスの主延在方向に沿って延在する長手方向に対して垂直である。さらに、長手方向は、エピタキシャル半導体層積層体の積層方向に対して垂直である。
【0048】
本明細書における特徴及び構成要素が便宜上、単数でのみ記載されることがあるが、複数の特徴及び構成要素が通常は同時に生成されることにも留意されたい。例えば、異なる反射率を有する複数の第1及び第2の部分表面がトレンチの側面に生成される。
【0049】
方法のさらなる実施形態によれば、トレンチは、トレンチの側面にエピタキシャル半導体層シーケンスの垂直主面に対して傾斜した垂直角があるように、ドライエッチングプロセスを使用して生成される。ドライエッチング法としては、例えば、プラズマエッチング法や反応性イオンエッチング(RIE)が挙げられる。
【0050】
方法のさらなる実施形態によれば、湿式化学法によって生成された部分表面の粗度は、他の部分表面よりも低い。
【0051】
方法のさらなる実施形態によれば、第1の部分表面または第2の部分表面は、マスクを使用する湿式化学法によって生成され、第1の部分表面と第2の部分表面の粗度は異なる。湿式化学法では、例えば、KOH、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、NH、NaOHのうちの1つ以上の材料をエッチング媒質として使用することができる。特に、湿式化学的にエッチングされた部分表面は、湿式化学エッチング前よりも湿式化学エッチング後の粗度が小さくなるように平滑化される。
【0052】
方法のこの実施形態では、トレンチは、一般に、エピタキシャル半導体層シーケンスの垂直主面に対して垂直角で傾斜して形成されるトレンチの側面とともに、プラズマエッチングなどのドライエッチングプロセスを使用して最初に生成されることが好ましい。ドライエッチングプロセスでは、通常、比較的粗い面が形成される。
【0053】
次のステップでは、その後の湿式化学法の材料に対して耐性のあるマスクが、完成した半導体レーザにおいてより高い粗度を有することになるトレンチの側面の部分表面に適用される。例えば、マスクは、金属、TaO及び/またはHfOなどの酸化物、及び/またはSiNなどの窒化物を含む。
【0054】
マスクが適用された後、トレンチ側面の露出部分を湿式化学法により平滑化し、マスクで覆われた部分表面よりも粗度の低い部分表面をさらに生成する。さらに、湿式化学法は、マスクによって覆われていないトレンチの側面のエリアが垂直に、したがってエピタキシャル半導体層シーケンスの垂直主面に平行に形成されるように、さらなる材料除去を含むことが好ましい。
【0055】
方法のさらなる実施形態によれば、トレンチは、プラズマエッチングなどのドライエッチング方法を用いて、第一の部分表面が、垂直主面と第一の垂直角を囲み及び/または第二の部分表面が、垂直主面と第二の垂直角を囲むように、少なくとも一つのマスクを使用しながら、形成される。方法の実施形態では、トレンチを形成するときに、異なる垂直角を有する第1の部分表面及び第2の部分表面が同時に生成される。特に、方法のこの実施形態では、マスクはエピタキシャル半導体層シーケンスの主面に適用される。
【0056】
方法のさらなる実施形態によれば、トレンチは、少なくとも一つのマスクを使用するドライエッチング方法を用いて、第一の部分表面が、垂直主面と第一の垂直角を囲み及び/または第二の部分表面が、垂直主面と第二の垂直角を囲むように、形成される。この方法でも、トレンチの生成と同時に第1の部分表面と第2の部分表面が生成される。特に、方法のこの実施形態では、マスクは半導体層シーケンスの主面に適用される。
【0057】
この方法のさらなる実施形態によれば、マスクは、ドライエッチングプロセスに対して異なる選択比を有する少なくとも2つのマスク層を有する。2つのマスク層は一般に、互いに異なるように形成され、エピタキシャル半導体層シーケンスの主面の異なるエリアを覆う。したがって、垂直主面に対して異なる側方角及び/または異なる垂直角を含む第1の部分表面及び/または第2の部分表面は、トレンチの形成時に同時に生成することができる。
【0058】
方法のさらなる実施形態によれば、垂直主面に対して異なる側方角及び/または異なる垂直角を含む部分表面が、さらなる湿式化学法で施される。一般に、垂直主面に対して大きな垂直角及び/または側方角を含む部分表面は、湿式化学法ではあまり滑らかにできないため、垂直主面に対して小さな角度を含む部分表面よりも粗度が大きくなる。特に、垂直主面に対して+/-6°以下の角度を有する部分表面は湿式化学法により比較的良好に平滑化できるが、垂直主面に対して+/-8°以上、好ましくは+/-10°以上の角度を有する部分表面は、比較的粗末な平滑化しかできない。湿式化学的平滑化の後、湿式化学的平滑化前の垂直主面に対して+/-6°以下の角度を含む部分表面は、垂直主面に対して+/-2°以下の角度を含むことが好ましい。言い換えれば、湿式化学的平滑化中に垂直角は、通常小さくなる。特に、部分表面がレーザ放射の主モードを増幅する場合、完成した半導体レーザの部分表面の垂直角は、垂直主面に対して+/-2°以下の角度を含む。
【0059】
次に、複数の端面発光型半導体レーザを製造するさらなる方法について説明する。半導体レーザと関連して説明した特徴及び実施形態は、この方法でなすこともでき、その逆も同様である。さらに、すでに説明した方法に関連して説明した特徴及び実施形態は、以下に説明する方法でなすことができ、またその逆も同様である。
【0060】
複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法の一実施形態によれば、エピタキシャル半導体層シーケンスは、動作時に電磁放射線を発生する活性領域を備えることを用意する。
【0061】
方法のさらなる実施形態によれば、複数の構造要素がエピタキシャル半導体層シーケンスで生成され、構造要素の側面が完成した半導体レーザのファセットの第1の部分表面を少なくとも部分的に形成する。例えば、構造要素はエピタキシャル半導体層シーケンスの切り込みである。
【0062】
方法のさらなる実施形態によれば、半導体層シーケンスは複数の端面発光型半導体レーザを形成するために個片化され、完成した半導体レーザのファセットの少なくとも第2の部分表面が形成される。換言すれば、第2の部分表面は、半導体レーザが個片化されるときに生成される。ここで、第1の部分表面と第2の部分表面は、活性領域で発生する電磁放射線に対して異なる反射率を有する。
【0063】
特に、方法は以下のステップを備える:
-動作時に電磁放射線を生成する活性領域を備えたエピタキシャル半導体層シーケンスを用意することと、
-複数の構造要素をエピタキシャル半導体層シーケンスで生成することであって、構造要素の側面が完成した半導体レーザのファセットの第1の部分表面を少なくとも部分的に形成することと、
-完成した半導体レーザのファセットの少なくとも第2の部分表面が形成されるように、半導体層シーケンスを複数の端面発光型半導体レーザに個片化することを含み、
-第1の部分表面と第2の部分表面は、活性領域で発生する電磁放射線に対して異なる反射率を有する。
【0064】
これらのステップは、付与された順に実行することが好ましい。
【0065】
方法のさらなる実施形態によれば、第1の部分表面の粗度は、第2の部分表面よりも大きい。
【0066】
構造要素は、例えば、既に示したエッチング媒質の1つを使用して、エピタキシャル半導体層シーケンスの主面に湿式化学エッチングを行うことによって生成される。さらに、プラズマエッチングなどのドライエッチングプロセスによって、エピタキシャル半導体層シーケンスの主面に構造要素を生成することも可能である。
【0067】
構造要素のドライエッチングプロセスにより、半導体層シーケンスの垂直主面と通常は垂直角を形成する側面を有する構造要素が得られる。さらに、側面がドライエッチングプロセスによって生成される場合、通常、側面の粗度は比較的大きい。
【0068】
方法のさらなる実施形態によれば、半導体レーザは、複数の半導体レーザにスクライブ及びブレイクすることによって個片化される。さらに、すでに述べた個片化に関する他の方法も可能である。
【0069】
通例は、半導体層積層体のファセットは個片化によって完成する。
【0070】
スクライブ及びブレイクによって生成されるファセットの部分表面は、比較的低い粗度を有し、通常は、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面と平行にさらに延びる。言い換えれば、構造要素のドライエッチングプロセスによって生成されるファセットの部分表面は、一般に、個片化のためのスクライブ及びブレイクによって生成されるファセットの部分表面よりも粗度が高い。さらに、半導体積層シーケンスにおける構造要素のドライエッチングプロセスによって生成されたファセットの部分表面は、一般に、エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面に対して垂直角を有するが、スクライブ及びブレイクによって生成されたファセットの部分表面は、一般に、垂直主面と平行である。
【0071】
次に、端面発光型半導体レーザの製造方法及び端面発光型半導体レーザを、図面に関連した例示的な実施形態を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の異なる段階を示す概略断面図である。
図2】例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の異なる段階を示す概略断面図である。
図3】例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の異なる段階を示す概略断面図である。
図4】例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の異なる段階を示す概略断面図である。
図5】例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の異なる段階を示す概略断面図である。
図6】例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザのファセットの概略上面図を示す。
図7】端面発光型半導体レーザの空間とエリアの方向をより詳細に示す概略図である。
図8】端面発光型半導体レーザの空間とエリアの方向をより詳細に示す概略図である。
図9】端面発光型半導体レーザの空間とエリアの方向をより詳細に示す概略図である。
図10】さらなる例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の一段階を示す概略断面図である。
図11】さらなる例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の一段階を示す概略断面図である。
図12】さらなる例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の異なる段階を示す概略断面図である。
図13】さらなる例示的な実施形態による複数の半導体レーザを製造する方法の異なる段階を示す概略断面図である。
図14】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図15】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図16】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図17】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図18】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図19】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図20】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図21】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図22】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図23】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図24】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図25】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図26】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図27】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図28】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図29】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図30】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図31】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図32】様々な例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図33】半導体レーザのファセットの走査型電子顕微鏡画像の一例を示す。
図34】さらなる例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図35】さらなる例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図36】さらなる例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザの概略図を示す。
図37】例示的な実施形態による複数の端面発光型半導体レーザを備えたアレイの概略図を示す。
図38】例示的な実施形態による複数の端面発光型半導体レーザを備えたアレイの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0073】
同一の要素、類似の要素、または同じ効果を有する要素には、図中で同じ参照符号が付けられている。図、及び図に示される要素の比率は、縮尺通りであるとみなされるべきではない。むしろ、個々の要素、特に層の厚さは、より良く可視化するため、及び/またはより良く理解するために、誇張して示される場合がある。
【0074】
図1~5の例示的な実施形態による方法では、動作時に電磁放射線を発生するのに適した活性領域2を有するエピタキシャル半導体積層シーケンス1が最初に用意される(図示せず)。エピタキシャル半導体層シーケンス1は、この場合、ウェハの形態で用意され、主面3を有する。
【0075】
複数のトレンチ4がエピタキシャル半導体層シーケンス1内に設けられている。明確にするために、図1には単一のトレンチ4を備えたエピタキシャル半導体層シーケンス1の断面のみが示されている。
【0076】
トレンチ4も同様に形成することが好ましい。トレンチ4は、エピタキシャル半導体層シーケンス1内で互いに平行に配置されることが特に好ましい。
【0077】
トレンチ4は、この場合、エピタキシャル半導体層シーケンス1を完全に貫通しないが、活性領域2を切り抜ける。換言すれば、トレンチ4が生成された後にエピタキシャル半導体層シーケンス1においてウェハは依然として完全に継続するよう設計される。
【0078】
トレンチ4は2つの対向する側面5を有する。この場合、エピタキシャル半導体層シーケンス1のトレンチ4はプラズマエッチングプロセスで生成される。このプロセスでは、トレンチ4の側面5がエピタキシャル半導体層シーケンス1の垂直主面6に対して傾斜して形成される。さらに、トレンチ4の側面5の粗度は、プラズマエッチングプロセスによって比較的高い。
【0079】
次のステップでは、マスク7をトレンチ4の側面5に適用する(図2及び図3)。図3のトレンチ4の側面5の上面図に示すとおり、マスク7はトレンチ4の側面5の適した位置にのみ適用されるため、側面5の領域8はアクセス自在である。
【0080】
この場合、突起はエピタキシャル半導体層シーケンス1の主面3に既に配置されており、完成した半導体レーザのリッジ導波路9となる。特に、側面5の領域8はマスク7で覆われず、主面3から見られるようにリッジ導波路9の下に配置される。
【0081】
マスク7は、例えば、構造化フォトレジストマスク及び続くリフトオフ法を使用して生成可能である。ここで、マスクの材料は、まず、トレンチ44の側面5上の構造化フォトレジストマスクの面全体に塗布される。次に、フォトレジストマスクが除去され、フォトレジストマスクの逆構造がマスクの材料に転写される。さらに、トレンチ4の側面5の全面に塗布されたマスク層に構造化フォトレジストマスクを塗布し、例えばエッチングプロセスによってマスク層を能動的に構造化することも可能である。
【0082】
次のステップでは、トレンチ4の側面5が、例えばエッチング媒質としてKOH、TMAH、NH、NaOHを使用する湿式化学法によって平滑化され、それによってマスク7で覆われない側面5の領域8が、エピタキシャル半導体層シーケンス1の垂直主面6に平行に同時に形成される(図4)。これにより、トレンチ4の側面5に、第2の部分表面11よりも粗度が低い第1の部分表面10が形成される。図5は、粗度が増加した部分表面の断面を示す。
【0083】
最後に、半導体レーザは、例えばブレイクすることによってトレンチに沿って個片化され、複数の端面発光型半導体レーザが作成される。
【0084】
図6は、図1から図5の例示的な実施形態による方法を使用して製造することができる端面発光型半導体レーザのファセット12の概略上面図を示す。
【0085】
図6の例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザは、第1の部分表面10と2つの第2の部分表面11を有するファセット12を有し、第1の部分表面10は第2の部分表面11の間に配置されている。この場合、第1の部分表面10の粗度は、本発明の場合同じ粗度を有する2つの第2の部分表面11よりも低い。
【0086】
この場合、第1の部分表面10は、ファセットの放射出口領域13を覆い、そこから、動作時に生成される電磁レーザ放射線が半導体レーザから出射される。特に、図6の例示的な実施形態による端面発光型半導体レーザはリッジ導波路9を有し、その下にファセット12の放射出口領域13が配置される。
【0087】
図7及び図9の模式図は、用語「垂直主面6」、「長手方向R」、「積層方向R」、及び「垂直角α」及び「側方角α」をより詳しく説明するために使用される。
【0088】
図7による半導体レーザは、活性ゾーン15を有するエピタキシャル半導体層積層体14を有する。エピタキシャル半導体層積層体14は、積層方向Rに積層された複数のエピタキシャル半導体層16を有する。
【0089】
エピタキシャル半導体層積層体14は、共振器17を形成する2つのファセット12によって境界が定められている。長手方向Rは、共振器17の光軸18に平行に、一方のファセット12から反対側の他方のファセット12まで延びる。
【0090】
2つのファセット12はさらに、長手方向Rに平行に延びるエピタキシャル半導体積層体ク16の側面19によって互いに接続されている。さらに、リッジ導波路9は、2つのファセット12の間で長手方向Rに沿って延在する。
【0091】
エピタキシャル半導体層積層体の垂直主面6は、積層方向Rに平行に延在し、長手方向Rに対して垂直である。
【0092】
図8は、リッジ導波路9を有するエピタキシャル半導体層積層体14の主面3’の上面図を示す。ファセット12の第2の部分表面11は、垂直主面6と側方角αを囲む一方で、ファセット12の第1の部分表面10は、垂直主面6と平行に延びている。
【0093】
図9は、エピタキシャル半導体層積層体14の側面19の上面図を示しており、ファセット12の第2の部分表面11が垂直主面6と垂直角αを形成している。
【0094】
図10の例示的な実施形態による方法では、マスク7がエピタキシャル半導体層シーケンス1の主面3に適用される。この場合、マスク7は2つの異なるマスク層7’、7’’を備えており、これらは互いに横方向に隣接して配置され、エピタキシャル半導体層シーケンス1の主面3の異なる領域を覆う。言い換えれば、マスクが構造化される。マスク層7’、7’’は、例えば異なる材料から形成される。例えば、金属、酸化物、またはフォトレジストは、マスク層7’、7’’に適した材料である。マスク7の2つのマスク層7’、7’’は、その後のドライエッチングプロセスに対して異なる選択比を持つことができる。
【0095】
本明細書では記載されていない次のステップでは、プラズマエッチングなどのドライエッチングプロセスを使用して、エピタキシャル半導体層シーケンス3内に複数のトレンチ4が生成される。マスク7の構造により、ドライエッチングプロセスにおいて垂直主面6を有し、異なる側方角αを有する側面5を有するトレンチ4が形成される。
【0096】
次のステップでは、特にエピタキシャル半導体層シーケンス1がGaNをベースとする場合には、垂直主面6とのより大きな側方角αを含む領域よりも平滑化されるため、垂直主面6に対して異なる側方角αを含む側面5のエリアが湿式化学エッチングされ、垂直主面6に対してより小さい側方角αを含む領域の粗度が小さくなる。その理由は、GaN結晶のm面からの傾斜面のずれにある。
【0097】
例えば、強く平滑化された側面5のエリアは、垂直主面6に対して+/-6°以下の側方角αを有し、一方、平滑化が不十分なエリアは、垂直主面6に対して少なくとも+/-8°、好ましくは少なくとも+/-10°の側方角αを含む。
【0098】
図11の例示的な実施形態による方法では、図10の例示的な実施形態による方法と同様に、ドライエッチングプロセスに対して異なる選択比を有する2つの異なるマスク層7’、7’’を有するマスク7が使用される。しかしながら、本発明の方法では、2つのマスク層7’、7’’は、互いに横方向に隣り合って配置されるだけでなく、半導体層シーケンス1の積層方向Rにおいて互いに重なり合うように配置される。したがって、ドライエッチングプロセスにより、トレンチ4が生成され、その側面5は、垂直主面6と異なる垂直角αを囲む部分表面10、11を有する。
【0099】
この例示的な実施形態では、トレンチ4の側面5も湿式化学法によって平滑化され、垂直主面6に対して+/-6°以下の垂直角αを含む部分表面10、11は、強く平滑化され、垂直主面6に対して+/-8°より大きい、好ましくは+/-10°より大きい垂直角αを含む部分表面10、11は、弱く平滑化されるか、全く平滑化されない。
【0100】
図12及び図13の例示的な実施形態による方法では、複数の構造要素20が、まず、例えばプラズマエッチングによってエピタキシャル半導体層シーケンス1の主面3に導入される(図12)。明確にするために、図12及び図13は、後に2つの半導体レーザを形成するエピタキシャル半導体層シーケンス1の一部のみを示す。したがって、図12は特に、単一の構造要素を示す。
【0101】
例えば、構造要素20は、エピタキシャル半導体層シーケンス1の積層方向R及び長手方向Rに垂直な直線Gに沿って配置される。
【0102】
次のステップでは、切り込み20を通る分離線に沿って端面発光型半導体レーザをスクライブ及びブレイクによって個片化することによって、ファセット12が生成される。
【0103】
図14及び図15の例示的な実施形態による半導体レーザは、第1の部分表面10及び2つの第2の部分表面12を有するファセット12を有する。第1の部分表面10は、2つの第2の部分表面12の間に配置され、ファセット12の放射出口領域13を覆う。本発明の場合、第1の部分表面10は、垂直主面6に対してより大きな第2の垂直角αW2をそれぞれ含む2つの第2の部分表面12よりも、垂直主面6に対して小さい第1の垂直角αW1を有する。
【0104】
さらに、第1の部分表面10は、より低い粗度を有し、したがって、端面発光型半導体レーザの活性ゾーン15において生成される電磁放射線に対してより大きな反射率を有する。したがって、半導体レーザの共振器17内の活性ゾーン15内で生成され、第2の部分表面11に入射する電磁レーザ放射線のモード21は減衰するが、ファセット12の第1の部分表面10に入射する電磁レーザ放射線のモード21は増幅する。
【0105】
さらに、図14及び図15の例示的な実施形態による半導体レーザは、リッジ導波路9を有する。第2の部分表面11はまた、ファセット12でリッジ導波路9を部分的に覆う。第1の部分表面10は、リッジ導波路9の領域内で完全に配置されている。
【0106】
図16及び図17の例示的な実施形態による半導体レーザとは対照的に、図14及び図15の例示的な実施形態による半導体レーザは、3つの第1の部分表面10と2つの第2の部分表面11を有するファセット12を有し、第2の部分表面11は、第1の部分表面10の間に配置される。第1の部分表面10は、第2の部分表面11よりも粗度が低く、したがって、共振器17内で発生する電磁レーザ放射線に対する反射率が高い。
【0107】
2つの第2の部分表面11は、この場合、ストリップ形状であり、エピタキシャル半導体層積層体14の積層方向Rに沿って延在する。さらに、2つの第2の部分表面11は、リッジ導波路9の完全に下に位置する。
【0108】
図18及び図19の例示的な実施形態による半導体レーザは、エピタキシャル半導体層積層体14の垂直主面6対して異なる垂直角αW1、αW2、αW3、αW4を有するいくつかの部分表面10、11、11’、11’’、11’’’を有する。さらに、異なる部分表面10、11、11’、11’’、11’’’は、垂直角αW1、αW2、αW3、αW4に応じて粗度が異なる。
【0109】
これまで説明した半導体レーザとは対照的に、図20及び図21の例示的な実施形態による半導体レーザは、第1の部分表面10と2つの第2の部分表面11を有し、第2の部分表面11は、エピタキシャル半導体層積層体14の垂直主面6に対してそれぞれ第2の側方角αL2を形成する。これに対し、第1の部分表面10は、垂直主面6と平行に延びている。また、第1の部分表面10は、第2の部分表面11の間に配置されている。さらに、第1の部分表面10は、2つの第2の部分表面11に対して平滑化されており、第1の部分表面10の粗度は2つの第2の部分表面11よりも低い。
【0110】
図22及び図23の例示的な実施形態による半導体レーザは、図20及び図21の例示的な実施形態と比較して、第2の部分表面11が湿式化学法により平滑化される。
【0111】
図24及び図25の例示的な実施形態による半導体レーザは、第1の部分表面10及び第2の部分表面11を有し、第1の部分表面10は、垂直主面6と第1の側方角αL1を形成し、第2の部分表面11は、第2の側方角αL2を形成する。第1の部分表面10と第2の部分表面11は、ファセット12の放射出口領域13内に互いに直接隣接して配置され、ファセット12内に切り込み22を形成する。切り込み22は、半導体レーザを平面視したときの断面形状が三角形である。
【0112】
図26及び図27の例示的な実施形態による半導体レーザは、図24及び図25の例示的な実施形態による半導体レーザとは対照的に、ファセット12の放射出口領域13に2つの切り込み22を有する。
【0113】
図24及び図25の半導体レーザとは対照的に、図28及び図29の例示的な実施形態による半導体レーザは、放射出口領域13のファセット12上に突起23を有する。突起23は、ファセット12上の第1の部分表面と第2の部分表面11によって形成され、第1の部分表面は垂直主面に対して第1の側方角を形成し、第2の部分表面は第2の側方角を形成する。
【0114】
図30及び図31の例示的な実施形態による半導体レーザとは対照的に、図28及び図29の例示的な実施形態による半導体レーザは、平面視で半円形の断面を有する突起23を有する。
【0115】
図30及び図31の例示的な実施形態による半導体レーザとは対照的に、図32の例示的な実施形態による半導体レーザは、互いに隣接して配置されており、平面視で半円形の断面を有する突起23を2つ有する。2つの突起23は、ファセット12の放射出口領域13に配置されている。
【0116】
図33は、例えば図31及び図32に概略的に示されるように、丸い突起23の外面の例示的な走査型電子顕微鏡画像を示す。図示のエピタキシャル半導体層積層体14は、窒化物化合物半導体材料を基としている。特に、エピタキシャル半導体層積層体14は窒化ガリウムで形成される。
【0117】
エピタキシャル半導体層積層体14のファセット12の丸い突起23または切り込み22は、プラズマエッチング中の円形構造(凹面または凸面)によって生成され得る。特に、円弧が窒化ガリウム結晶のm面と一致するとき、後続の湿式化学エッチング中に円弧の頂点で滑らかで垂直な第1の部分表面10が生成される。さらに、非常に粗い第2の部分表面12がファセットに生成される。
【0118】
図34及び図35の例示的な実施形態による半導体レーザとは対照的に、図30及び図31の例示的な実施形態による半導体レーザは、切り込み22を備えたファセット12を有し、切り込みは平面視で半円形の底面積を有する。切り込み22の側方には、比較的粗度の高い第2の部分表面11が配置されている。
【0119】
図36の例示的な実施形態による半導体レーザは、3つの切り込み22を備えたファセット12を有し、それぞれの切り込みは、上から見ると半円形の底面積を有する。切り込み22は、放射出口領域13内に互いに隣り合って配置されている。
【0120】
図37及び図38の例示的な実施形態によるアレイは、上述のとおり、いくつかの端面発光型半導体レーザを備える。具体的には、各半導体レーザは、放射出口領域13に、平面視で底面積が三角形の切り込み22を2つ隣り合わせに並べる。
【0121】
本特許出願は、ドイツ特許出願第102021125119.2号の優先権を主張し、その開示内容を参照により本明細書に組み込む。
【0122】
本発明は、実施形態に基づく説明により限定されるものではない。むしろ、特に特許請求の範囲の特徴の任意の組み合わせを含む任意の新しい特徴及び特徴の任意の組み合わせは、この特徴または組み合わせ自体が特許請求の範囲または実施形態に明示的に記載されていなくても、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
1 半導体層シーケンス
2 活性領域
3 半導体層シーケンスの主面
3’ 半導体層シーケンスの主面
4 トレンチ
5 側面
6 垂直主面
7 マスク
7’、7’’ マスク層
8 領域
9 リッジ導波路
10 第1の部分表面
11 第2の部分表面
11’、11’’、11’’’ さらなる部分表面
12 ファセット
13 放射出口領域
14 エピタキシャル半導体層積層体
15 活性ゾーン
16 エピタキシャル半導体層
17 共振器
18 光軸
19 エピタキシャル半導体層積層体の側面
20 構造要素
21 モード
22 切り込み
23 突起
長手方向
積層方向
α、αW1、αW2、αW3、αW4 垂直角
α、αL1、αL2 側方角
G 直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動時に電磁放射線が生成される活性ゾーン(15)を備えるエピタキシャル半導体層積層体(14)を備える端面発光型半導体レーザであり、
-前記エピタキシャル半導体層積層体(14)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の横方向の境界を定める少なくとも1つのファセット(12)を有し、
-前記ファセット(12)は、前記活性ゾーン(15)で生成された前記電磁放射線に対して互いに異なる反射率を有する、少なくとも第1の部分表面(10)と少なくとも第2の部分表面(11)を有し、
-前記第1の部分表面(10)は、電磁レーザ放射線の所望のモードを増幅し、前記第2の部分表面(11)は、電磁レーザ放射線の不要なモードを少なくとも減衰する、端面発光型半導体レーザ。
【請求項2】
前記活性ゾーン(15)で発生する前記電磁放射線は、共振器(17)内で複数のモード(21)を含む電磁レーザ放射線になる、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項3】
前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)の粗度は異なる、請求項1または2に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項4】
-前記第1の部分表面(10)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の垂直主面(6)に対して第1の垂直角(αW1)だけ傾斜して形成され、前記垂直主面(6)は、長手方向(R)に対して垂直であり、及び/または、
-前記第2の部分表面(11)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の前記垂直主面(6)に対して第2の垂直角(αW2)だけ傾斜している、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項5】
-前記第1の部分表面(10)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の垂直主面(6)に対して第1の側方角(αL1)だけ傾斜しており、及び/または、
-前記第2の部分表面(11)は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の前記垂直主面(6)に対して第2の側方角(αW2)だけ傾斜している、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項6】
-前記第1の部分表面(10)は、前記ファセット(12)の放射出口領域(13)を覆う、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項7】
-前記第1の部分表面(10)は、前記ファセット(12)の放射出口領域(13)を覆い、
-前記第1の部分表面(10)は、前記活性ゾーン(15)の前記電磁放射線に対して前記第1の部分表面(10)よりも低い反射率を有する2つの第2の部分表面(11)の間に配置される、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項8】
リッジ導波路(9)を有する、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項9】
前記ファセット(12)は、前記活性ゾーン(15)で生成される前記電磁放射線に対して少なくとも部分的に異なる反射率を有するさらなる部分表面(11’、11’’、11’’’)を有する、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項10】
前記ファセット(12)は、複数の部分表面(10、11、11’、11’’、11’’’)を有し、各部分表面は、前記エピタキシャル半導体層積層体(14)の垂直主面(6)に対して側方角だけ傾斜し、前記ファセット(12)に少なくとも1つの切り込み(22)及び/または少なくとも1つの突起(23)を形成する、請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ。
【請求項11】
請求項1に記載の端面発光型半導体レーザを少なくとも2つ備えるアレイ。
【請求項12】
複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法であって、
-動作時に電磁放射線を生成する活性領域(2)を備えたエピタキシャル半導体層シーケンスを用意することと、
-前記エピタキシャル半導体層シーケンスに1つまたは複数のトレンチを生成することと、
-前記トレンチ(4)の側面(5)上に少なくとも第1の部分表面(10)と少なくとも第2の部分表面(11)を生成することと、を含み、
-前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)は、前記活性領域(2)で発生する前記電磁放射線に対して異なる反射率を有し、
-前記第1の部分表面(10)は、電磁レーザ放射線の所望のモードを増幅し、前記第2の部分表面(11)は、電磁レーザ放射線の不要なモードを少なくとも減衰する、方法。
【請求項13】
-前記トレンチ(4)は、前記トレンチ(4)の側面(5)が前記エピタキシャル半導体層シーケンス(1)の垂直主面(6)に対して傾斜した垂直角(α)を有するように、ドライエッチングプロセスによって生成され、前記垂直主面(6)は長手方向(R)に対して垂直であり、
-前記第1の部分表面(10)または前記第2の部分表面(11)は、マスク(7)を使用する湿式化学法によって生成され、前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)の粗度は異なる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記湿式化学法により生成された前記部分表面(10、11)は、他の部分表面(10、11)よりも低い粗度を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トレンチ(4)は、マスク(7)を使用するドライエッチングプロセスによって生成され、前記第1の部分表面(10)は、垂直主面(6)と第1の垂直角(αW1)を囲み及び/または前記第2の部分表面(11)は、前記垂直主面(6)と第2の垂直角(αW2)を囲む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記トレンチ(4)は、少なくとも一つのマスク(7)を使用するドライエッチングプロセスによって生成され、前記第1の部分表面(10)は、垂直主面(6)と第1の側方角(αL1)を囲み及び/または前記第2の部分表面(11)は、前記垂直主面(6)と第2の側方角(αL2)を囲む、請求項12または15に記載の方法。
【請求項17】
前記マスク(7)は、前記ドライエッチングプロセスに対して異なる選択比を有する少なくとも2つのマスク層(7’、7’’)を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
複数の端面発光型半導体レーザを製造する方法であって、
-動作時に電磁放射線を生成する活性領域(2)を備えたエピタキシャル半導体層シーケンス(1)を用意することと、
-複数の構造要素(20)を前記エピタキシャル半導体層シーケンスで生成することであって、構造要素(20)の側面が完成した半導体レーザのファセット(12)の第1の部分表面を少なくとも部分的に形成することと、
-前記完成した半導体レーザの前記ファセット(12)の少なくとも第2の部分表面(11)が形成されるように、前記半導体層シーケンス(1)を複数の端面発光型半導体レーザに個片化することと、を含み、
-前記第1の部分表面(10)と前記第2の部分表面(11)は、前記活性領域(2)で発生する前記電磁放射線に対して異なる反射率を有し、
-前記第1の部分表面(10)は、電磁レーザ放射線の所望のモードを増幅し、前記第2の部分表面(11)は、電磁レーザ放射線の不要なモードを少なくとも減衰する、方法。
【請求項19】
前記第1の部分表面(10)は、前記第2の部分表面(11)よりも大きな粗度を有する、請求項18に記載の方法。
【国際調査報告】