(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】マルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法、装置、機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
A61B 5/026 20060101AFI20240918BHJP
A61B 6/00 20240101ALI20240918BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240918BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20240918BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240918BHJP
A61B 1/313 20060101ALI20240918BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
A61B5/026 140
A61B6/00 550P
A61B6/46 536Q
A61B6/00 550D
A61B6/03 560J
A61B6/03 560D
A61B6/50 500B
A61B1/313 510
A61B1/00 550
A61B1/00 526
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516544
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2022113089
(87)【国際公開番号】W WO2023040560
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111073928.9
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523177012
【氏名又は名称】スーヂョウ・パルス・ロンイン・メディカル・テクノロジー・カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU PULSE RONGYING MEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】リ、イングワン
(72)【発明者】
【氏名】リン、リ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シュン
【テーマコード(参考)】
4C017
4C093
4C161
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA11
4C017AB04
4C017AC26
4C017BB12
4C017FF05
4C093AA01
4C093AA22
4C093AA24
4C093CA15
4C093DA02
4C093FF16
4C093FF21
4C093FF28
4C093FF35
4C161AA22
4C161BB08
4C161DD03
4C161HH51
4C161WW16
(57)【要約】
本発明はマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法、装置、機器及び媒体を提供し、前記方法は、関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得すること(S210)と、検査対象の血管セグメントを含む血管外部画像を取得し、検査対象の血管セグメントと関心血管セグメントは少なくともが一部と重なり合うこと(S220)と、血管腔内画像及び血管外部画像に対してレジストレーションを行うことで、レジストレーション結果を得ること(S230)と、レジストレーション結果により、血管腔内画像及び血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定すること(S240)と、を含む。本発明のFFR決定方法は、血管腔内画像と血管外部画像とのレジストレーション結果により、血管腔内画像と血管外部画像との優位な情報を統合することによって、血流予備量比の算出を最適化し、マルチモダール医用画像に基づく血管セグメントの完全性と局部精確性とを兼ね備える血流予備量比を得て、血流予備量比算出の正確さ及び安定性を高めた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法において、
関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得することと、
検査対象の血管セグメントを含む血管外部画像を取得し、前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合うことと、
前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行うことで、レジストレーション結果を得ることと、
前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することと、を含むことを特徴とするマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法。
【請求項2】
前記の前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行うことで、レジストレーション結果を得ることは、
前記血管腔内画像において前記関心血管セグメントの内部管腔情報を含む第一特徴情報を取得することと、
前記血管外部画像において前記検査対象の血管セグメントの外部管腔情報を含む第二特徴情報を取得することと、
前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に基づいてレジストレーションを行うことで、レジストレーション結果を得ることと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、
前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比に対応する第二プルバックカーブを決定することと、
前記レジストレーション結果により、前記第一プルバックカーブ及び前記第二プルバックカーブに基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得することと、
前記血管腔内画像及び前記血流速度に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することは、
前記関心血管セグメントの第一分岐血管情報を取得し、前記第一分岐血管情報は、前記血管腔内画像に基づいて得られた分岐開口情報、及び前記血管外部画像に基づいて得られた分岐情報を含むことと、
前記血管腔内画像及び前記第一分岐血管情報に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記の前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比に対応する第二プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得することと、
前記血管外部画像及び前記血流速度に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びそれに対応する第二プルバックカーブを決定することと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記の前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比に対応する第二プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの第二分岐血管情報を取得し、前記第二分岐血管情報は、前記血管腔内画像に基づいて得られた分岐開口情報、及び前記血管外部画像に基づいて得られた分岐情報を含むことと、
前記血管外部画像及び前記第二分岐血管情報に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びそれに対応する第二プルバックカーブを決定することと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記の前記レジストレーション結果により、前記第一プルバックカーブ及び前記第二プルバックカーブに基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記第一プルバックカーブに基づいて、前記血管腔内画像中の関心血管セグメントの第一血管位置の配列に対応する第一血流予備量比の配列を決定することと、
前記第二プルバックカーブに基づいて、前記血管外部画像中の検査対象の血管セグメントの第二血管位置の配列に対応する第二血流予備量比の配列を決定し、前記第二血管位置の配列と前記第一血管位置の配列とは少なくとも一部が重なり合うことと、
前記レジストレーション結果により、前記第一血流予備量比の配列と前記第二血流予備量比の配列とを融合し、目標血流予備量比の配列を得ることと、
前記目標血流予備量比の配列に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記の前記レジストレーション結果により、前記第一血流予備量比の配列と前記第二血流予備量比の配列とを融合し、目標血流予備量比の配列を得ることは、
前記第一血流予備量比の配列に基づいて第一差値の配列を算出し、前記第一差値の配列内の値は、前記第一血流予備量比の配列内の対応位置の血流予備量比の1つ前の位置の血流予備量比に対する低減値であることと、
前記第二血流予備量比の配列に基づいて第二差値の配列を算出し、前記第二差値の配列内の値は、前記第二血流予備量比の配列内の対応位置の血流予備量比の1つ前の位置の血流予備量比に対する低減値であることと、
前記レジストレーション結果により、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列とを融合し、目標差値の配列を得ることと、
前記目標差値の配列に基づいて前記目標血流予備量比の配列を決定することと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記血管腔内画像において前記関心血管セグメントの内部管腔情報を含む第一特徴情報を取得することと、
前記血管外部画像において前記検査対象の血管セグメントの外部管腔情報を含む第二特徴情報を取得することと、
前記レジストレーション結果により、前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を算出することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像と前記血管外部画像との画像融合を行うことで、融合画像を得ることと、
前記融合画像において前記検査対象の血管セグメントの融合管腔情報を含む融合特徴情報を取得することと、
前記融合特徴情報に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を算出することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
マルチモダール医用画像に基づくFFR決定装置において、
関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得するための血管腔内画像取得モジュールと、
検査対象の血管セグメントを含む血管外部画像を取得するための血管外部画像取得モジュールであって、前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合う血管外部画像取得モジュールと、
前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行うことで、レジストレーション結果を得るためのレジストレーションモジュールと、
前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定するための血流予備量比決定モジュールと、を備えることを特徴とするマルチモダール医用画像に基づくFFR決定装置。
【請求項13】
電子機器において、プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリに少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムが記憶されており、前記少なくとも1つの命令又は前記少なくとも1つのプログラムは、前記プロセッサでロードされて実行されることで、請求項1~11のいずれか1項に記載のマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実現することを特徴とする電子機器。
【請求項14】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムが記憶されており、前記少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムは、プロセッサでロードされて実行されることで、請求項1~11のいずれか1項に記載のマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血管内インターベンション画像の医療器械分野に関し、特に、マルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法、装置、機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
冠状動脈疾病は既に世界で一番患者数の多い致死的な疾病になっている。現在、経皮的冠状動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention,PCIと略称する)は冠状動脈疾病の有効な治療方法の1つである。
【0003】
血流予備量比(Fractional Flow Reserve,FFRと略称する)は、冠状動脈の狭窄部の遠位端と近位端との圧力差の値を測定することにより、狭窄病変の血管の供血機能への影響を効果的に反映することができ、冠動脈から血液が供給される心筋の虚血を引き起こすか否かを評価することができる。現在、FFRは、既に臨床においてPCI治療を診断し、指導して評価するゴールドスタンダードになっている。
【0004】
しかしながら、従来のFFRは、圧力ガイドワイヤーを介して血液の圧力を測定する必要があるが、このような検査操作が複雑で、費やす時間が比較的長く、所要の手術消耗品(FFRガイドワイヤー)の値段が高い。また、血管への拡張薬物の注射による副作用は患者に気分が悪い反応をさせることになり、ガイドワイヤーのインターベンションプロセスにおいて患者の血管への損傷を引き起こし易い。上記の原因により圧力ガイドワイヤー方法でFFRを測定する技術の普及が制限されている。
【0005】
このほか、従来の画像によってFFRを算出して得る方法は、通常、血管画像技術、例えば、X線造影イメージング、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography,CT)イメージング、光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography,OCT)イメージング及び血管内超音波(Intravenous Ultrasound,IVUS)イメージング技術等に基づいて、血管外部画像又は血管腔内画像を取得し、更に血管管腔情報を得て、流体力学解析、応力解析、血管組織的解析等の方法により、血流予備量比を算出する。
【0006】
しかしながら、血管腔内画像を採取する時にイメージングされた血管の長さに限りがあるので、病変血管全体を完全に覆うことができない場合があるため、血管腔内画像に基づいて算出される血流予備量比に表現される血管セグメントは不完全である。また、血管腔内画像は、分岐血管に対する観察範囲がとても短くて、血流に対する分岐血管の分流を正確に特定することができないと共に、血管腔内画像は、血管の全体空間情報、特に、屈曲情報を反映することができず、計算誤差を導入し易い。血管腔内画像に比べて、血管外部画像は、検査対象の血管セグメントの全体空間情報をより良く示すことができ、血管外部画像に基づいて算出された血流予備量比で表現される血管セグメントは、比較的完全であるが、局部精度がしばしば腔内画像より弱い。
【発明の概要】
【0007】
従来技術の上記問題に対し、本発明の目的は、血流予備量比算出の正確さ及び安定性を高めることができる、マルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法、装置、機器及び媒体を提供することにある。
【0008】
上記問題を解決するために、本発明は、
関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得することと、
検査対象の血管セグメントを含む血管外部画像を取得し、前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合うことと、
前記血管腔内画像と前記血管外部画像に対してレジストレーションを行うことでレジストレーション結果を得ることと、
前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することと、を含むマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を提供する。
【0009】
さらには、前記の前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行うことで、レジストレーション結果を得ることは、
前記血管腔内画像において前記関心血管セグメントの内部管腔情報を含む第一特徴情報を取得することと、
前記血管外部画像において前記検査対象の血管セグメントの外部管腔情報を含む第二特徴情報を取得することと、
前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に基づいてレジストレーションを行ことで、レジストレーション結果を得ることと、を含む。
【0010】
さらには、前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、
前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比に対応する第二プルバックカーブを決定することと、
前記レジストレーション結果により、前記第一プルバックカーブ及び前記第二プルバックカーブに基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記の前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得することと、
前記血管腔内画像及び前記血流速度に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記の前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することは、
前記関心血管セグメントの第一分岐血管情報を取得し、前記第一分岐血管情報は、前記血管腔内画像に基づいて得られた分岐開口情報、及び前記血管外部画像に基づいて得られた分岐情報を含むことと、
前記血管腔内画像及び前記第一分岐血管情報に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、を含む。
【0013】
好ましくは、前記の前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びその対応する第二プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得することと、
前記血管外部画像及び前記血流速度に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びその対応する第二プルバックカーブを決定することと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記の前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びその対応する第二プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの、前記血管腔内画像に基づいて得られた分岐開口情報、及び前記血管外部画像に基づいて得られた分岐情報を含む第二分岐血管情報を取得することと、
前記血管外部画像及び前記第二分岐血管情報に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びその対応する第二プルバックカーブを決定することと、を含む。
【0015】
さらには、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一プルバックカーブ及び前記第二プルバックカーブに基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記第一プルバックカーブに基づいて、前記血管腔内画像中の関心血管セグメントの第一血管位置の配列に対応する第一血流予備量比の配列を決定することと、
前記第二プルバックカーブに基づいて、前記血管外部画像中の検査対象の血管セグメントの第二血管位置の配列に対応する第二血流予備量比の配列を決定し、前記第二血管位置の配列と前記第一血管位置の配列とは少なくとも一部が重なり合うことと、
前記レジストレーション結果により、前記第一血流予備量比の配列と前記第二血流予備量比の配列とを融合し、目標血流予備量比の配列を得ることと、
前記目標血流予備量比の配列に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することと、を含む。
【0016】
さらには、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一血流予備量比の配列と前記第二血流予備量比の配列とを融合し、目標血流予備量比の配列を得ることは、
前記第一血流予備量比の配列に基づいて第一差値の配列を算出し、前記第一差値の配列のうちの値は、前記第一血流予備量比の配列のうちの対応位置の血流予備量比の前の位置の血流予備量比に対する低減値であることと、
前記第二血流予備量比の配列に基づいて第二差値の配列を算出し、前記第二差値の配列内の値は、前記第二血流予備量比の配列中の対応位置の血流予備量比が前の位置の血流予備量比に対する低減値であることと、
前記レジストレーション結果により、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列とを融合し、目標差値の配列を得ることと、
前記目標差値の配列に基づいて前記目標血流予備量比の配列を決定することと、を含む。
【0017】
好ましくは、前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記血管腔内画像において前記関心血管セグメントの前記関心血管セグメントの内部管腔情報を含む第一特徴情報を取得することと、
前記血管外部画像において前記検査対象の血管セグメントの外部管腔情報を含む第二特徴情報を取得することと、
前記レジストレーション結果により、前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を算出することと、を含む。
【0018】
好ましくは、前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像と前記血管外部画像との画像融合を行うことで、融合画像を得ることと、
前記融合画像において前記検査対象の血管セグメントの融合管腔情報を含む融合特徴情報を取得することと、
前記融合特徴情報に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を算出することと、を含む。
【0019】
本発明の別の側面は、
関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得するための血管腔内画像取得モジュールと、
検査対象の血管セグメントを含む血管外部画像を取得するための血管外部画像取得モジュールであって、前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合う血管外部画像取得モジュールと、
前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行い、レジストレーション結果を得るためのレジストレーションモジュールと、
前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定するための血流予備量比決定モジュールと、を備えるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定装置を提供する。
【0020】
本発明の別の側面は、プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリに少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムが記憶されており、前記少なくとも1つの命令又は前記少なくとも1つのプログラムが、前記プロセッサでロードされて実行されることで、上記のマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実現する電子機器を提供する。
【0021】
本発明の別の側面は、少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムが記憶されており、前記少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムは、プロセッサでロードされて実行されることで、上記のマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0022】
上記の技術手段によれば、本発明は以下の効果を奏する。
【0023】
本発明実施例のマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法によれば、血管腔内画像及び血管外部画像に対してレジストレーションを行い、レジストレーション結果により、血管腔内画像と血管外部画像との優位な情報を統合することによって、血流予備量比の算出を最適化し、これによって、マルチモダール医用画像に基づく血管セグメントの完全性と局部精確性とを兼ね備える血流予備量比を得て、血流予備量比算出の正確さ及び安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の技術手段をよりはっきりと説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載に使用する必要のある図面について簡単に紹介する。明らかに、下記の図面はただ本発明の幾つかの実施例だけであり、当業者にとって、発明的な努力を費やさない前提下で、これらの図面に基づいてその他の図面をさらに得ることができる。
【0025】
【
図1】
図1は本発明の一実施例による実施環境を示す図である。
【
図2】
図2は本発明の一実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は本発明の別の実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は本発明の一実施例による目標血流予備量比の配列を決定することを示す図である。
【
図5A】
図5Aは本発明の一実施例による第一プルバックカーブを示す図である。
【
図5B】
図5Bは本発明の一実施例による第二プルバックカーブを示す図である。
【
図5C】
図5Cは本発明の一実施例による目標プルバックカーブを示す図である。
【
図6】
図6は本発明の別の実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は本発明の別の実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は本発明の一実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定装置の構造概略図である。
【
図9】
図9は本発明の一実施例による電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
当業者に本発明の技術手段をより良く理解させるために、以下、本発明実施例の図面を参照しながら、本発明実施例の技術手段について明確かつ十分に記載する。明らかに、記載される実施例は、ただ本発明の一部の実施例だけであり、全部の実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が発明的な努力を費やさない前提下で得られたあらゆるその他の実施例のいずれも、本発明の保護範囲に属する。
【0027】
なお、本発明の明細書と特許請求の範囲及び上記図面における用語「第一」、「第二」等は、類似の対象を区別するためのものであり、特定の順序又は前後順番を記載するために用いられなくてもよい。このように使用されるデータは、適当な場合には交換可能であり、これによって、ここで記載された本発明の実施例はここで図示又は記載された順序以外の順序で実施可能であると理解されるべきである。又、用語「含む」と「有する」及びそれらの如何なる変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットのプロセス、方法、装置、製品或いは機器を含んでおり、明確に列記されたそれらのステップ又はユニットに限る必要はなく、明確に列記されない又はこれらのプロセス、方法、製品或いは機器に対して固有のその他のステップ又はユニットを含んでもよい。
明細書の
図1を参照し、本発明の一実施例による実施環境を示す図を示している。
図1に示すように、該実施環境は、少なくとも1つの医用走査機器110及びコンピュータ機器120を含んでもよく、前記コンピュータ機器120及び各医用走査機器110は、有線又は無線通信の方式で直接又は間接的に接続されてもよく、本発明実施例はこれに対して限定しない。
【0028】
ここで、前記コンピュータ機器120は、各種のサーバー、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットコンピュータ及び携帯型ウェアラブルデバイスであってもよいが、これらに限らず、サーバーは、独立のサーバー又は複数のサーバーからなるサーバーグループ或いは分散システムであってもよく、さらに、クラウドサービス、クラウドデータベース、クラウドコンピューティング、クラウドファンクション、クラウドストレージ、ネットワークサービス、クラウドコミュニケーション、ミドルウェアサービス、ドメインサービス、安全サービス、コンテンツ配信ネットワーク(Cotent Delivery Network,CDN)、及びビッグデータや人工知能プラットホームなどの基礎のクラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバーであってもよい。
【0029】
前記医用走査機器110は、OCTイメージングやIVUSイメージングなどのイメージング技術を用いて関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得しても良く、X線造影イメージングやCTイメージングなどのイメージング技術を用いて検査対象の血管セグメント(前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合う)を含む血管外部画像を取得しても良い。
【0030】
前記コンピュータ機器120は、前記医用走査機器110が採取した前記血管腔内画像及び前記血管外部画像を取得して、本発明実施例が提供した方法によりマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定してもよい、これによって、医者が調べて、措置をとるようタイムリーに指導することができる。マルチモダール医用画像に基づいて、血流予備量比の計算を最適化することにより、血管セグメントの完全性と局部精確性とを兼ね備える目標血流予備量比を得ることができ、その正確さと安定性のいずれも単一の医用画像に基づいて算出された血流予備量比よりも高い。
【0031】
具体的には、本発明実施例が提供するマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法は、左回旋枝、左前下行枝、右冠動脈等の冠動脈血管の外部画像及び腔内画像に基づいて血流予備量比を算出する場面に適用してもよい。
【0032】
なお、
図1はただ1つの示例だけである。当業者は、
図1には1つの医用走査機器110のみが示されているが、本発明の実施例を限定するものではなく、図示よりも多い又は少ない医用走査機器110を含んでいてもよいことを理解できる。
【0033】
明細書の
図2を参照し、本発明の一実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法のフローを示している。該方法は
図1におけるコンピュータ機器120に用いられてもよい。具体的には、
図2に示すように、前記方法は、以下のステップを含んでいてもよい。
【0034】
S210:関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得する。
【0035】
本発明実施例では、前記関心血管セグメントは、正常な血管に対して異常が現れたあるセグメント血管であってもよく、前記血管腔内の画像を取得するのは、既に分離された関心血管セグメントのみを含む画像を直接取得してもよいし、血管の血管腔内画像から関心血管セグメントに対応する画像を選び取ってもよく、本発明実施例はこれを限定しない。前記血管腔内画像のうち、一部の結像品質が悪い場合には、結像品質の良い一部の腔内画像のみを選択して後続処理を行い、結像品質の良い一部の腔内画像における血管セグメントを関心血管セグメントとしてもよい。
【0036】
本発明実施例では、前記血管腔内画像は、一種類の血管腔内画像であってもよいし、複数種類の血管腔内画像を含んでもよく、前記血管腔内画像の出処は、直接導入された関連データであってもよいし、他のリソースライブラリからリアルタイムに接続して取得されたものであってもよいし、記憶された画像データベースからユーザの名前等の情報に基づいて検索することで取得されたものであってもよく、本発明実施例はこれに対して限定しない。具体的には、前記血管腔内画像は、OCT画像であってもよく、IVUS画像などであってもよい。
【0037】
S220:検査対象の血管セグメントを含む血管外部画像を取得し、前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合う。
【0038】
本発明実施例では、前記血管外部画像を取得するのは、既に分離された検査対象の血管セグメントのみを含む画像を直接取得してもよいし、血管の血管外部画像から検査対象の血管セグメントに対応する画像を選び取ってもよく、本発明実施例はこれに対して限定しない。前記血管外部画像のうち、一部の結像品質が悪い場合には、結像品質の良い一部の外部画像のみを選択して後続処理を行い、結像品質の良い一部の外部画像における血管セグメントを関心血管セグメントとしても良い。
【0039】
本発明実施例では、前記血管外部画像は、一種類の血管外部画像であってもよいし、複数種類の血管外部画像を含んでもよく、前記血管外部画像の出処は、直接導入された関連データであってもよいし、他のリソースライブラリからリアルタイムに接続して取得されたものであってもよいし、記憶された画像データベースからユーザの名前等の情報に基づいて検索することで取得されたものであってもよく、本発明実施例はこれに対して限定しない。具体的には、前記血管外部画像はX線画像であってもよく、CT画像などであってもよい。
【0040】
本発明実施例では、前記検査対象の血管セグメントは、前記関心血管セグメントを含んでいてもよい、例えば、前記検査対象の血管セグメントは、前記関心血管セグメントが所在する血管全体であってもよいし、又は前記検査対象の血管セグメントは、前記関心血管セグメントの一部の血管セグメントのみを含んでもよい、例えば、前記検査対象の血管セグメントは、前記関心血管セグメントの近位端、中間又は遠位端の一部の血管セグメントのみを含んでもよい。本発明実施例はこれに対して限定しない。
【0041】
実際の使用において、血管外部画像に表示された血管が往々にして完全であるため、前記関心血管セグメントは、一般に前記検査対象の血管セグメントの一部の血管セグメントに対応し、前記関心血管セグメントが前記検査対象の血管セグメントの範囲を超えた場合、実際の状況に応じて前記関心血管セグメントを裁断し、前記検査対象の血管セグメントに対応するマルチモダール医用画像に基づく血流予備量比を取得し、又は前記関心血管セグメントにより前記検査対象の血管セグメントを延長し、延長した血管セグメントに対応するマルチモダール医用画像に基づく血流予備量比を取得してもよい。
【0042】
S230:前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行い、レジストレーション結果を得る。
【0043】
本発明実施例では、前記血管腔内画像の特性情報及び前記血管外部画像の特徴情報に基づいてレジストレーションを行い、前記関心血管セグメントと前記検査対象の血管セグメントとの間の対応関係を取得してもよい。
【0044】
本発明実施例では、前記の前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行い、レジストレーション結果を得ることは、
前記血管腔内画像において、前記関心血管セグメントの内部管腔情報を含む第一特徴情報を取得することと、
前記血管外部画像において、前記検査対象の血管セグメントの外部管腔情報を含む第二特徴情報を取得することと、
前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に基づいてレジストレーションを行い、レジストレーション結果を得ることと、を含んでも良い。
【0045】
具体的には、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してそれぞれ図像処理を行い、対応する第一特徴情報及び第二特徴情報を取得してもよい。ここで、前記内部管腔情報は、血管内の各箇所の血管内径及び血管内側の長さを含んでもよい。前記血管内径とは血管腔内画像に基づいて得られた血管の直径を指し、前記血管内側の長さは血管内の管腔上のある箇所から前記関心血管セグメントの近位端点までの血管軸線に沿った長さである。前記外部管腔情報は、血管外各箇所の血管外径及び血管外側の長さを含んでもよい。前記血管外径とは血管外部画像に基づいて得られた血管の直径を指し、前記血管外側の長さは血管外管腔上のある箇所から前記検査対象の血管セグメントの近位端点までの血管軸線に沿った長さである。
【0046】
好ましくは、前記第一特徴情報は、前記関心血管セグメントの分岐開口情報、組織学的情報又は血管プラーク情報等をさらに含んでもよい。前記第二特徴情報は、前記検査対象の血管セグメントの分岐情報又は応力情報等をさらに含んでもよい。ここで、前記分岐開口情報は、内部分岐血管の番号(該番号は該分岐が血管上の何番目の分岐に属するかの情報を含んでいる)と、該内部分岐血管の関心血管セグメントに対する位置情報とを含んでいてもよい。前記分岐情報は、外部分岐血管の番号(該番号は該分岐が血管上の何番目の分岐に属するかの情報を含んでいる)と、該外部分岐血管の検査対象の血管セグメントに対する位置情報とを含んでいてもよい。
【0047】
なお、本発明実施例は、従来技術中の各種の図像処理方法を用いて前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対して図像処理を行い、対応する第一特徴情報及び第二特徴情報を得てもよい、異なる特徴情報は異なる図像処理方法によって得てもよい、本発明実施例はこれに対し限定しない。例示的に、従来技術中の各種の管腔セグメンテーション方法、例えば、人工知能に基づく管腔セグメンテーション方法等により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対して管腔セグメンテーションを行い、それぞれ対応する外部管腔情報及び内部管腔情報を取得してもよい。従来技術中の各種の分岐識別方法(例えば、人工知能に基づく分岐識別方法等)により前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対して分岐識別を行い、それぞれ対応する分岐開口情報及び分岐情報を取得してもよい。
【0048】
具体的には、レジストレーションを行う際に、先ず、前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に対して一次レジストレーションを行い、第三特徴情報を得、それから、前記第一特徴情報及び前記第三特徴情報に対して二次レジストレーションを行い、レジストレーション結果を得てもよい。ここで、前記第三特徴情報は、血管外部画像のうちの関心血管セグメントに対応する第一目標血管セグメントの外部管腔情報を含み、前記レジストレーション結果は、前記第一特徴情報と前記第三特徴情報との間の対応関係であってもよい。なお、本発明実施例では、関心血管セグメントが血管内部に位置し、第一目標血管セグメントとは前記関心血管セグメントに対応する血管外部に位置する血管セグメントを指す。
【0049】
なお、本発明実施例では、前記関心血管セグメントの第一特徴情報を取得するステップと、前記検査対象の血管セグメントの第二特徴情報を取得するステップとの順序は交換可能であり、同時に行ってもよい。本発明実施例は、関心血管セグメントの第一特徴情報及び検査対象の血管セグメントの第二特徴情報の取得順序に対し限定しない。
【0050】
なお、幾つかの可能な実施例では、さらに従来技術中の他のレジストレーション方法を用いて前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に対してレジストレーションを行っても良い。本発明実施例はこれに対し限定しない。
【0051】
S240:前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定する。
【0052】
本発明実施例では、前記目標血流予備量比は、前記検査対象の血管セグメントに対応する血流予備量比であってもよく、前記関心血管セグメントを利用して前記検査対象の血管セグメントを延長することで得られた延長した血管セグメントに対応する血流予備量比であってもよい。前記目標血流予備量比は、完全な血管セグメントを表現することができ、比較的良い局部精度を有し、その正確さと安定性のいずれも単一の医用画像によって算出された血流予備量比よりも高いので、医者が血管の血液供給機能をより良く評価し、血管が狭い部位を正確に決定するのを助けることができる。
【0053】
本発明実施例では、明細書の
図3を参照し、前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、以下のステップを含むことができる。
【0054】
S2411:前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定する。
【0055】
ここで、前記第一プルバックカーブは、前記関心血管セグメントにおける血管位置と血流予備量比との関係曲線である。本発明実施例は、従来技術中の血管腔内画像に基づいて血流予備量比を決定する各種の方法を用いて血流予備量比を算出し、前記第一プルバックカーブを得てもよい、本発明実施例は、これに対し限定しない。例示的に、前記血管腔内画像において前記関心血管セグメントの内部管腔情報及び分岐開口情報等の特徴情報を取得し、第一血管の管腔モデルを再構築して、正常な血流速度に基づいて流体動力学解析を行って血流予備量比を算出し、前記第一プルバックカーブを得てもよい、前記正常な血流速度は予め決定されてもよい。
【0056】
一つの可能な実施例では、前記の前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得することと、
前記血管腔内画像及び前記血流速度に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、を含むことができる。
【0057】
具体的には、前記検査対象の血管セグメントの血流速度は、前記血管外部画像に基づいて計算しててもよい、具体的な計算方法は従来技術であり、本発明実施例はここではもう贅言しない。例えば、前記検査対象の血管セグメントの血流速度は血管造影技術により測定してもよい、例えば、造影剤の前記検査対象の血管セグメントにおける流速を前記検査対象の血管セグメントの血流速度として測定してもよい、又は前記検査対象の血管セグメントの造影図像の配列に基づいて造影剤が充満している時の平均血流速度を前記検査対象の血管セグメントの血流速度等として算出してもよい。なお、幾つかの可能な実施例では、さらに従来技術中の他の血流速度計算方法を用いて前記検査対象の血管セグメントの血流速度を得てもよい。本発明実施例はこれに対し限定しない。
【0058】
具体的には、前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得した後、前記血流速度により前記血管腔内画像に基づいて血流予備量比を計算する計算プロセスを最適化することによって、精度がさらに高い血流予備量比及び第一プルバックカーブを得ることができる。
【0059】
別の可能な実施例では、前記の前記血管腔内画像に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することは、
前記関心血管セグメントの第一分岐血管情報を取得し、前記第一分岐血管情報は前記血管腔内画像に基づいて得られた分岐開口情報、及び前記血管外部画像に基づいて得られた分岐情報を含むことと、
前記血管腔内画像及び前記第一分岐血管情報に基づいて前記関心血管セグメントの血流予備量比に対応する第一プルバックカーブを決定することと、を含んでもよい。
【0060】
具体的には、従来技術中の各種の分岐識別方法(例えば、人工知能に基づく分岐識別方法等)により、前記血管腔内画像に対して分岐識別を行い、前記関心血管セグメントの分岐開口情報を得ると共に、前記血管外部画像に対して分岐識別を行い、前記検査対象の血管セグメントの分岐情報を得、さらに前記レジストレーション情報により前記検査対象の血管セグメントのうち、前記関心血管セグメントに対応する血管セグメントの分岐情報を決定し、前記関心血管セグメントの分岐情報としてもよい。前記関心血管セグメントの第一分岐血管情報を得た後、前記第一分岐血管情報により前記血管腔内画像に基づいて血流予備量比を計算する計算プロセスを最適化することによって、精度がさらに高い血流予備量比及び第一プルバックカーブを得ることができる。例えば、前記第一分岐血管情報により第一血管の管腔モデルを再構築するプロセスを最適化してもよい。
【0061】
別の可能な実施例では、さらに前記検査対象の血管セグメントの血流速度及び前記関心血管セグメントの第一分岐血管情報により前記血管腔内画像に基づいて血流予備量比を計算する計算プロセスを同時に最適化することによって、精度がさらに高い血流予備量比及び第一プルバックカーブを得てもよい。例えば、前記第一分岐血管情報により第一血管の管腔モデルを再構築するプロセスを最適化し、前記検査対象の血管セグメントの血流速度に基づいて流体動力学解析を行い、血流予備量比を算出し、前記第一プルバックカーブを得てもよい。
【0062】
S2412:前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比に対応する第二プルバックカーブを決定する。
【0063】
ここで、前記第二プルバックカーブは前記検査対象の血管セグメントにおける血管位置と血流予備量比との関係曲線である。本発明実施例は従来技術中の血管外部画像に基づいて血流予備量比を決定する各種の方法を用いて血流予備量比を算出し、前記第二プルバックカーブを得てもよい。本発明実施例はこれに対し限定しない。例示的に、前記血管外部画像において、前記検査対象の血管セグメントの外部管腔情報及び分岐情報等の特徴情報を取得し、第二血管の管腔モデルを再構築して、正常な血流速度に基づいて流体動力学解析を行い、血流予備量比を算出し、前記第二プルバックカーブを得てもよい、前記正常な血流速度は予め決定されてもよい。
【0064】
一つの可能な実施例では、前記の前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比に対応する第二プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得することと、
前記血管外部画像及び前記血流速度に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びそれに対応する第二プルバックカーブを決定することと、を含んでもよい。
【0065】
具体的には、前記検査対象の血管セグメントの血流速度の決定方法はステップS2411に類似し、本発明実施例はここではもう贅言しない。前記検査対象の血管セグメントの血流速度を取得した後、前記血流速度により前記血管外部画像に基づいて血流予備量比を計算する計算プロセスを最適化することによって、精度がさらに高い血流予備量比及び第二プルバックカーブを得てもよい。
【0066】
別の可能な実施例では、前記の前記血管外部画像に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比に対応する第二プルバックカーブを決定することは、
前記検査対象の血管セグメントの第二分岐血管情報を取得し、前記第二分岐血管情報が前記血管腔内画像に基づいて得られた分岐開口情報、及び前記血管外部画像に基づいて得られた分岐情報を含むことと、
前記血管外部画像及び前記第二分岐血管情報に基づいて前記検査対象の血管セグメントの血流予備量比及びそれに対応する第二プルバックカーブを決定することと、を含んでも良い。
【0067】
具体的には、従来技術中の各種の分岐識別方法(例えば、人工知能に基づく分岐識別方法等)により、前記血管外部画像に対して分岐識別を行い、前記検査対象の血管セグメントの分岐情報を得、かつ、前記血管腔内画像に対して分岐識別を行い、前記関心血管セグメントの分岐開口情報を得、さらに前記レジストレーション情報により前記関心血管セグメントのうち、前記検査対象の血管セグメントに対応する血管セグメントの分岐開口情報を前記検査対象の血管セグメントの分岐開口情報として決定してもよい。前記検査対象の血管セグメントの第二分岐血管情報を得た後、前記第二分岐血管情報により前記血管外部画像に基づいて血流予備量比を計算する計算プロセスを最適化することによって、精度がさらに高い血流予備量比及び第二プルバックカーブを得てもよい。例えば、前記第二分岐血管情報により第二血管管腔モデルを再構築するプロセスを最適化してもよい。
【0068】
別の可能な実施例では、さらに、前記検査対象の血管セグメントの血流速度及び前記検査対象の血管セグメントの第二分岐血管情報により前記血管外部画像に基づいて血流予備量比を計算する計算プロセスを同時に最適化することによって、精度がさらに高い血流予備量比及び第二プルバックカーブを得てもよい。例えば、前記第二分岐血管情報により第二血管管腔モデルを再構築するプロセスを最適化して、前記検査対象の血管セグメントの血流速度に基づいて流体動力学解析を行い、血流予備量比を算出し、前記第二プルバックカーブを得てもよい。
【0069】
S2413:前記レジストレーション結果により、前記第一プルバックカーブ及び前記第二プルバックカーブに基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定する。
【0070】
血管腔内画像に基づいて算出された血流予備量比が良い局部精度を有し、血管外部画像に基づいて算出された血流予備量比が完全な血管セグメントを表現することができるため、血管腔内画像に基づいて算出された血流予備量比と血管外部画像に基づいて算出された血流予備量比との融合を行い、血管セグメントの完全性と局部精確度とを兼ね備える目標血流予備量比を得ることができる。
【0071】
本発明実施例では、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一プルバックカーブ及び前記第二プルバックカーブに基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記第一プルバックカーブに基づいて前記血管腔内画像中の関心血管セグメントの第一血管位置の配列に対応する第一血流予備量比の配列を決定することと、
前記第二プルバックカーブに基づいて前記血管外部画像中の検査対象の血管セグメントの第二血管位置の配列に対応する第二血流予備量比の配列を決定し、前記第二血管位置の配列と前記第一血管位置の配列との少なくとも一部が重なり合うことと、
前記レジストレーション結果により、前記第一血流予備量比の配列と前記第二血流予備量比の配列との融合を行い、目標血流予備量比の配列を得ることと、
前記目標血流予備量比の配列に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することと、を含んでも良い。
【0072】
実際の使用において、前記血管外部画像において、前記検査対象の血管セグメントの近位端から、前記検査対象の血管セグメントの外部管腔に対して均一にサンプリングを行い、前記検査対象の血管セグメントの第二血管位置の配列を得て、前記第二プルバックカーブに基づいて前記第二血管位置の配列中の各血管位置に対応する検査対象の血管セグメントの血流予備量比を決定し、前記第二血流予備量比の配列を得てもよい。それから、前記第二血管位置の配列のうちの前記関心血管セグメントに対応する第一目標血管セグメントにある血管位置のサブ配列を決定し、前記血管位置のサブ配列を前記第一血管位置の配列のサブ配列として、前記関心血管セグメントにおける前記検査対象の血管セグメント範囲を超える部分について、同様のサンプリング間隔で均一にサンプリングを行うと、前記第一血管位置の配列を得ることができる。さらに、前記レジストレーション結果により、前記第一プルバックカーブに基づいて前記第一血管位置の配列のうちの各血管位置に対応する関心血管セグメントの血流予備量比を決定し、前記第一血流予備量比の配列を得る。
【0073】
なお、サンプリングプロセスにおいて、1つの好適な実施形態は、前記検査対象の血管セグメントの近位端点を第1番目のサンプリング位置とし、前記検査対象の血管セグメントの遠位端点を最後のサンプリング位置として、かつ、前記関心血管セグメントの近位端点と遠位端点も前記第二血管位置の配列に含まれるが、上記の好適な実施形態はサンプリング位置に限定されるものではなく、実際の使用において、前記第二血管位置の配列は、前記検査対象の血管セグメントの近位端点と遠位端点、及び前記関心血管セグメントの近位端点と遠位端点のうちの1つ又は複数の位置を含んでもよく、そのうちのいずれか1つを含まなくてもよい。本発明実施例はこれに対し限定しない。
【0074】
具体的には、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一血流予備量比の配列と前記第二血流予備量比の配列との融合を行い、目標血流予備量比の配列を得ることは、
前記第一血流予備量比の配列に基づいて第一差値の配列を算出し、前記第一差値の配列内の値は、前記第一血流予備量比の配列の中の対応位置の血流予備量比の1つ前の位置の血流予備量比に対する低減値であることと、
前記第二血流予備量比の配列に基づいて第二差値の配列を算出し、前記第二差値の配列内の値は、前記第二血流予備量比の配列の中の対応位置の血流予備量比の1つ前の位置の血流予備量比に対する低減値であることと、
前記レジストレーション結果により、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列との融合を行い、目標差値の配列を得ることと、
前記目標差値の配列に基づいて前記目標血流予備量比の配列を決定することと、を含む。
【0075】
実際の使用において、前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合うため、実際の使用において、以下の幾つかの場合があり得る。
【0076】
第一の場合には、前記関心血管セグメントは前記検査対象の血管セグメントにおける一部の血管セグメントであり、この時、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列との融合を行い、目標差値の配列を得ることは、前記レジストレーション結果により、前記第二差値の配列のうちの前記第一差値の配列に対応する目標のサブ配列を決定することと、前記第一差値の配列により前記第二差値の配列のうちの目標のサブ配列を取り替え、前記目標差値の配列を得ることと、を含んでも良い。
【0077】
例示的に、明細書の
図4を参照し、前記第一プルバックカーブに基づいて決定された第一血流予備量比の配列が{1,0.99,0.98,0.97}であり、前記第二プルバックカーブに基づいて決定された第二血流予備量比の配列が{1,0.98,0.96,0.94,0.92,0.90,0.88,0.86,0.84,0.82,0.80}だと仮定すると、第一のステップでは、計算することで、第一差値の配列が{0,0.01,0.01,0.01}であり、第二差値の配列が{0,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02}であることを得ることができる。
【0078】
第二のステップでは、レジストレーション結果により、前記第二差値の配列のうち、前記第一差値の配列に対応する目標のサブ配列が第3番目の配列値~第6番目の配列値からなるサブ配列が{0.02,0.02,0.02,0.02}だと決定することができ、それでは、前記第一差値の配列により前記目標のサブ配列を取り替え、目標差値の配列{0,0.02,0,0.01,0.01,0.01,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02}を得ることができる。
【0079】
第二の場合には、前記検査対象の血管セグメントは、前記関心血管セグメント近位端又は遠位端の一部の血管セグメントのみを含み、この時、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列との融合を行い、目標差値の配列を得ることは、前記レジストレーション結果により前記第一差値の配列のうち、前記第二差値の配列に対応する第一のサブ配列、及び前記第二差値の配列のうち、前記第一差値の配列に対応する第二のサブ配列を決定することと、前記第一のサブ配列により前記第二差値の配列のうちの第二のサブ配列を取り替え、前記目標差値の配列を得ることと、を含んでもよい。
【0080】
好ましくは、前記第一のサブ配列により前記第二差値の配列のうちの第二のサブ配列を取り替えた後、さらに前記第一差値の配列のうちの前記第一のサブ配列以外の差値の配列を、取り替えて得られた差値の配列に補充して、最終的に前記目標差値の配列を得てもよい。
【0081】
例示的に、計算によって第一差値の配列が{0,0.01,0.01,0.01}であり、第二差値の配列が{0,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02}であり、レジストレーション結果により決定された前記第一差値の配列のうち、前記第二差値の配列に対応する第一のサブ配列が第3番目の配列値~第4番目の配列値からなるサブ配列{0.01,0.01}であり、前記第二差値の配列のうち、前記第一差値の配列に対応する第二のサブ配列が第1番目の配列値~第2番目の配列値からなるサブ配列{0,0.02}だと仮定すると、前記第一のサブ配列により前記第二差値の配列のうちの第二のサブ配列を取り替え、目標差値の配列{0.01,0.01,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02}を得てもよい。
【0082】
好ましくは、さらに前記第一差値の配列のうちの前記第一のサブ配列以外の差値の配列{0,0.01}を、取り替えて得られた差値の配列に補充して、最終的に目標差値の配列{0,0.01,0.01,0.01,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02}を得てもよい。
【0083】
第三の場合には、前記検査対象の血管セグメントは、前記関心血管セグメント中の一部の血管セグメントであり、この時、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列との融合を行い、目標差値の配列を得ることは、前記レジストレーション結果により前記第一差値の配列のうち前記第二差値の配列に対応する目標のサブ配列を決定することと、前記第二差値の配列により前記第一差値の配列のうちの目標のサブ配列を取り替えて、前記目標差値の配列を得ることと、を含んでも良い。
【0084】
第四の場合には、前記検査対象の血管セグメントは、前記関心血管セグメントと同一の血管セグメントであり、この時、前記の前記レジストレーション結果により、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列との融合を行い、目標差値の配列を得ることは、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列における位置が対応する2つの差値に対して平均値又は加重平均値を求めて、該位置に対応する目標差値を得、最終的に前記目標差値の配列を得ることを含んでも良い。
【0085】
例示的に、計算して得られた第一差値の配列が{0,0.01,0.01,0.01}であり、第二差値の配列が{0,0.02,0.02,0.02}だと仮定すると、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列における位置が対応する2つの差値について、平均値を求めて、目標差値の配列{0,0.015,0.015,0.015}を得てもよい。
【0086】
なお、幾つかの可能な実施例では、第一~第三の場合には、前記第一差値の配列と前記第二差値の配列における位置が対応する部分について、平均値又は加重平均値等を求める方式で各位置に対応する目標差値を得てもよい。本発明実施例はこれに対し限定しない。
【0087】
実際の使用において、前記目標差値の配列に基づいて前記目標血流予備量比の配列を決定することは、前記第二血流予備量比の配列における第一番目の位置の血流予備量比から、前記目標差値の配列における現在位置の前(現在位置を含む)の配列値の和を引き去り、現在位置に対応する血流予備量比を得、最終的に前記目標血流予備量比の配列を得ることを含んでも良い。
【0088】
例示的に、目標差値の配列が{0,0.02,0,0.01,0.01,0.01,0.02,0.02,0.02,0.02,0.02}だと仮定すると、第一番目の位置の血流予備量比は1-0=1であり、第二番目の位置の血流予備量比は1-0-0.02=0.98であり、第三番目の位置の血流予備量比は1-0-0.02-0=0.98であり、第四番目の位置の血流予備量比は1-0-0.02-0-0.01=0.97であり、その他はこれによって類推することができ、最終的に目標血流予備量比の配列が{1,0.98,0.98,0.97,0.96,0.95,0.93,0.91,0.89,0.87,0.85}であることを得ることができる。
【0089】
具体的には、前記の前記目標血流予備量比の配列に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
前記目標血流予備量比の配列によりカーブフィッティングを行い、マルチモダール医用画像に基づく目標プルバックカーブを得て、前記目標プルバックカーブは第二目標血管セグメントにおける血管位置と血流予備量比との関係曲線であることと、
前記目標プルバックカーブにおける前記第二目標血管セグメントの遠位端点に対応する血流予備量比を前記目標血流予備量比とすることと、を含んでも良い。
【0090】
ここで、前記第二目標血管セグメントは前記目標血流予備量比の配列と関わりがある。例えば、前記関心血管セグメントが前記検査対象の血管セグメント中の一部の血管セグメントである場合、前記第二目標血管セグメントは、前記検査対象の血管セグメントである。前記検査対象の血管セグメントが前記関心血管セグメント近位端又は遠位端の一部のみを含む血管セグメントである場合、もし前記関心血管セグメントが前記検査対象の血管セグメント範囲を超えたデータを捨てれば(即ち、前記目標血流予備量比の配列を算出する際に前記第一差値の配列のうちの前記第一のサブ配列以外の差値の配列を、取り替えて得られた差値の配列に補充しなければ)、前記第二目標血管セグメントは、前記検査対象の血管セグメントであり、もし前記関心血管セグメントが前記検査対象の血管セグメント範囲を超えたデータを補充すれば(即ち前記目標血流予備量比の配列を算出する際に前記第一差値の配列のうちの前記第一のサブ配列以外の差値の配列を、取り替えて得られた差値の配列に補充すれば)、前記第二目標血管セグメントは、前記関心血管セグメントを利用して前記検査対象の血管セグメントを拡張して得られた血管セグメントである。前記検査対象の血管セグメントが前記関心血管セグメント中の一部の血管セグメントである場合、前記第二目標血管セグメントは、前記関心血管セグメントである。前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントが同一の血管セグメントである場合、前記第二目標血管セグメントは、前記検査対象の血管セグメントである。
【0091】
実際の使用において、カーブフィッティングを行う際に、もし前記目標血流予備量比の配列には前記第二目標血管セグメントの近位端点に対応する血流予備量比(1である)が含まれていなければ、前記第二目標血管セグメントの近位端点に対応する血流予備量比が終始1であることを確保するように、まずそれを前記目標血流予備量比の配列に添加し、さらにカーブフィッティングを行ってもよい。
【0092】
実際の使用において、血管位置のサンプリングを行う際に、もし前記検査対象の血管セグメントの遠位端点を第二血管位置の配列の最後の血管位置とし、前記関心血管セグメントの遠位端点を第一血管位置の配列の最後の血管位置とすれば、直接前記目標血流予備量比の配列のうち、前記検査対象の血管セグメントの遠位端点又は前記関心血管セグメントの遠位端点に対応する血流予備量比を前記マルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比としてもよい。
【0093】
例示的に、血管腔内画像に基づいて決定された関心血管セグメントの第一プルバックカーブが
図5Aの通りであり、血管外部画像に基づいて決定された検査対象の血管セグメントの第二プルバックカーブが
図5Bの通りであると仮定すると、前記第一プルバックカーブに基づいて決定された第一血流予備量比の配列は{0.99,0.98,0.97,0.965,0.96,0.955,0.95,0.93,0.91,0.89,0.87,0.85}であり、前記第二プルバックカーブに基づいて決定された第二血流予備量比の配列は{0.98,0.96,0.94,0.92,0.9,0.86,0.82,0.78,0.77,0.76,0.75,0.74,0.73,0.71,0.69,0.67,0.65,0.63,0.61,0.59}であり、上記方法により、目標血流予備量比の配列{0.99,0.98,0.97,0.965,0.96,0.955,0.95,0.93,0.91,0.89,0.87,0.85,0.84,0.82,0.8,0.78,0.76,0.74,0.72,0.7}を得ることができ、最終的にフィッティングして得られたマルチモダール医用画像に基づく目標プルバックカーブは
図5Cの通りであり、前記目標プルバックカーブは、完全な血管セグメントを表現することができるだけでなく、比較的高い局部精確性を有する。
【0094】
ここで、前記のマルチモダール医用画像に基づく目標プルバックカーブにおける最後の点(即ち前記第二目標血管セグメントの遠位端点の位置)に対応する血流予備量比は最も重要であり、血管全体及び冠動脈の血供給状況を評価する基準であり、0.8より大きい場合、心筋に送られる血液が十分であることを示し、でないと、心筋に送られる血液が不十分であることを示す。
図5Cに示すように、前記目標血流予備量比は0.7であり、心筋送られる血液が不十分であることを示す。
【0095】
本発明実施例は、血管腔内画像に基づいて決定された第一プルバックカーブと、血管外部画像に基づいて決定された第二プルバックカーブとの融合を行うことで、マルチモダール医用画像に基づく目標プルバックカーブ及び目標血流予備量比を得るので、完全な血管セグメントを表現できるだけでなく、比較的高い局部精確性を有し、その正確さと安定性のいずれも単一の医用画像に基づいて算出された血流予備量比よりも高く、より正確に心筋虚血の状況を評価し、血管狭窄病変の状況を決定することができる。
【0096】
一つの可能な実施例では、明細書の
図6を参照し、前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
S2421:前記血管腔内画像において前記関心血管セグメントの内部管腔情報を含む第一特徴情報を取得することと、
S2422:前記血管外部画像において前記検査対象の血管セグメントの外部管腔情報を含む第二特徴情報を取得することと、
S2423:前記レジストレーション結果により、前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を算出することと、を含んでも良い。
【0097】
具体的には、前記第一特徴情報は、前記関心血管セグメントの分岐開口情報、組織学的情報や血管プラーク情報などをさらに含んでもよく、前記第二特徴情報は、前記検査対象の血管セグメントの分岐情報や応力情報などをさらに含んでもよい。前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報の取得方法はことS230に類似し、本発明実施例はここではもう贅言しない。
【0098】
好ましくは、まず前記第一特徴情報に基づいて第一血管管腔モデルを再構築し、前記第二特徴情報に基づいて第二血管管腔モデルを再構築し、それから前記レジストレーション結果により前記第一血管管腔モデルと前記第二血管管腔モデルを融合させ、目標管腔モデルを得て、前記検査対象の血管セグメントの血流速度に基づいて流体動力学解析を行って血流予備量比を算出し、対応するマルチモダール医用画像に基づく目標プルバックカーブ及び目標血流予備量比を得てもよい。ここで、前記検査対象の血管セグメントの血流速度の決定方法はステップS2411に類似し、本発明実施例はここではもう贅言しない。
【0099】
好ましくは、前記レジストレーション結果により、前記第一特徴情報及び前記第二特徴情報に基づいて、第三血管管腔モデルを再構築して、前記検査対象の血管セグメントの血流速度に基づいて流体動力学分析を行って血流予備量比を算出し、対応するマルチモダール医用画像に基づく目標プルバックカーブ及び目標血流予備量比を得てもよい。ここで、前記検査対象の血管セグメントの血流速度の決定方法はことS2411に類似し、本発明実施例はここではもう贅言しない。
【0100】
別の可能な実施例では、明細書の
図7を参照し、前記の前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定することは、
S2431:前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像と前記血管外部画像との図像融合を行い、融合画像を得ることと、
S2432:前記融合画像において前記検査対象の血管セグメントの融合管腔情報を含む融合特徴情報を取得することと、
S2433:前記融合特徴情報に基づいてマルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を算出することと、を含んでもよい。
【0101】
具体的には、前記融合管腔情報は、血管各箇所の血管直径及び血管長さを含んでもよい。前記血管直径とは融合画像に基づいて得られた血管直径を指し、前記血管長さは血管上のある1箇所から前記融合画像中の血管の近位端点までの血管軸線に沿った長さである。
【0102】
好ましくは、前記融合特徴情報は、融合分岐情報、組織学的情報や血管プラーク情報などをさらに含んでもよい。前記融合特徴情報の取得方法はステップS230に類似し、本発明実施例はここではもう贅言しない。
【0103】
具体的には、前記融合特徴情報に基づいて第四血管管腔モデルを再構築して、前記検査対象の血管セグメントの血流速度に基づいて流体動力学分析を行って血流予備量比を算出し、対応するマルチモダール医用画像に基づく目標プルバックカーブ及び目標血流予備量比を得てもよい。ここで、前記検査対象の血管セグメントの血流速度の決定方法はステップS2411に類似し、本発明実施例はここではもう贅言しない。
【0104】
上記のように、本発明実施例のマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法に基づいて、血管腔内画像及び血管外部画像に対してレジストレーションすることで、レジストレーション結果により血管腔内画像及び血管外部画像の優位な情報を統合することにより、血流予備量比の計算を最適化し、マルチモダール医用画像に基づく血管セグメントの完全性と局部精確性を兼ね備える血流予備量比を得ることによって、血流予備量比を算出する正確さと安定性を高めることができる。
【0105】
なお、多種の医用画像に基づいて融合計算して1つの血流予備量比を得ることによって、同一の血管について、異なる医用画像に基づいて、異なる血流予備量比を算出してしまい、さらには引き起こされる選択と統一する問題をさらに解決することができ、本発明実施例のマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法は、各種の医用画像を選び取って血管に表現される優位な情報について、計算して得られた血流予備量比の正確さと安定性が、いずれも単一の医用画像に基づいて算出される血流予備量比よりも高い。
【0106】
明細書の
図8を参照し、それは本発明の一実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定装置800の構造を示している。
図8に示すように、前記装置800は、
関心血管セグメントを含む血管腔内画像を取得するための血管腔内画像取得モジュール810と、
検査対象の血管セグメントを含む血管外部画像を取得するための血管外部画像取得モジュールであって、前記検査対象の血管セグメントと前記関心血管セグメントとは少なくとも一部が重なり合う血管外部画像取得モジュール820と、
前記血管腔内画像及び前記血管外部画像についてレジストレーションを行い、レジストレーション結果を得るためのレジストレーションモジュール830と、
前記レジストレーション結果により、前記血管腔内画像及び前記血管外部画像に基づいて、マルチモダール医用画像に基づく目標血流予備量比を決定するための血流予備量比決定モジュール840と、を備えてもよい。
【0107】
なお、上記実施例による装置は、その機能を実現する際に、上記各機能モジュールの区分のみで例を挙げて説明する。実際の使用において、必要に応じて上記機能を異なる機能モジュールに割り当てて完成させることができ、即ち機器の内部構造を異なる機能モジュールに区分することで、上記の全部又は一部の機能を完成させる。また、上記実施例が提供する装置は相応の方法の実施例と同一の構想に属し、その具体的な実現過程の詳細は対応する方法の実施例を参照し、ここではもう贅言しない。
【0108】
本発明の一実施例は電子機器をさらに提供し、該電子機器はプロセッサ及びメモリを備え、該メモリに少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムが記憶されており、該少なくとも1つの命令又は該少なくとも1つのプログラムは該プロセッサでロードされて実行され、これによって、上記のような方法実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実現する。
【0109】
メモリは、ソフトウエアプログラム及びモジュールを記憶するために用いられることができ、プロセッサは、メモリに記憶されたソフトウエアプログラム及びモジュールを実行することによって、各種の機能アプリケーション及びデータ処理を実行する。メモリは、オペレーティングシステム、機能に必要なアプリケーションプログラム等を記憶可能な記憶プログラム領域と、前記機器の使用に応じて作成されたデータ等を記憶可能な記憶データ領域とを主に備えることができる。又、メモリは、高速ランダムアクセスメモリを備えてもよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の揮発性固体記憶デバイスをさらに備えてもよい。相応に、メモリは、プロセッサによるメモリへのアクセスを提供するように、メモリコントローラをさらに備えてもよい。
【0110】
具体的な一実施例では、
図9は本発明の実施例によるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実現するための電子機器のハードウエアの構造概略図を示している。前記電子機器は、コンピュータ端末、モバイル端末又はその機器であってもよく、前記電子機器は、本発明の実施例によるマルチモーダル医用画像に基づくFFR決定装置を構成又は含むものであってもよい。
図9に示すように、前記電子機器900は、一つ又は一つ以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体のメモリ910、一つ又は一つ以上の処理コアのプロセッサ920、入力ユニット930、表示ユニット940、無線周波(Radio Frequency,RF)回路950、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity,WiFi)モジュール960及び電源970等の部品を備えてもよい。当業者は、
図9に示される電子機器の構成が、電子機器900に対する限定を構成するものではなく、図示よりも多い又は少ない部品を備えてもよいし、ある部品を組み合わてもよいし、異なる部材配置を行ってもよいことを理解できる。
【0111】
前記メモリ910は、ソフトウエアプログラム及びモジュールを記憶するためのものであってもよい。前記プロセッサ920は、前記メモリ910に記憶されたソフトウエアプログラム及びモジュールの動作又は実行、並びにメモリ910内に記憶されたデータの呼び出しによって、各種の機能アプリケーション及びデータ処理を実行する。前記メモリ910は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラム等を記憶可能な記憶プログラム領域と、前記電子機器の使用に応じて作成されたデータ等を記憶可能な記憶データ領域とを主に備えてもよい。また、メモリ910は、高速ランダムアクセスメモリを備えてもよく、不揮発性メモリ、例えば、ハードディスク、メモリ、プラグイン型ハードディスク、スマートメモリカード(Smart Media Card,SMC)、セキュアデジタル(Secure Digital,SD)カード、フラッシュメモリカード(Flash Card)、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の揮発性固体記憶デバイスをさらに備えてもよい。相応に、メモリ910は、プロセッサ920によるメモリ910へのアクセスを提供するように、メモリコントローラをさらに備えてもよい。
【0112】
前記プロセッサ920は、電子機器900の制御センターであり、電子機器全体の各部を各種インタフェースや回線で接続し、メモリ910内に記憶されたソフトウエアプログラム及び/又はモジュールの操作又は実行、及びメモリ910内に記憶されたデータの呼び出しにより、電子機器900の各種の機能やデータ処理を実行することによって、電子機器900を全体的に監視する。前記プロセッサ920は、中央処理装置であってもよいし、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Singal Processor,DSP)、特定用途向け集積回路(Applecation Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)又は別のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、該プロセッサが任意の従来のプロセッサ等であってもよい。
【0113】
前記入力ユニット930は、入力された数字又は文字情報を受信し、ユーザ設定及び機能制御に係るキーボード、マウス、操作レバー、光学又はトラックボールの信号の入力が生じるように構成されてもよい。具体的には、入力ユニット930は、タッチ感知面931及び他の入力機器932を含んでもよい。具体的には、タッチ感知面931は、タッチパッド又はタッチパネルを含んでもよいが、これに限定されず、他の入力機器932は、物理キーボード、ファンクションキー(例えば、ボリュームコントロールボタン、スイッチボタン等)、トラックボール、マウス、操作レバー等のうちの1種又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0114】
前記表示ユニット940は、ユーザにより入力された情報やユーザに提供される情報、電子機器の各種グラフィカルユーザインタフェースを表示するためのものであってもよい、これらのグラフィカルユーザインタフェースは、図形、テキスト、アイコン、ビデオ、及びこれらの任意の組み合わせによって構成されてもよい。表示ユニット940は、表示パネル941を含んでもよく、好ましくは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode,OLED)等の形式で表示パネル941を配置してもよい。
【0115】
前記RF回路950は、メッセージの送受信又は通話中、信号の受信及び送信に用いられても良い、特に、基地局の下りメッセージを受信した後、1つ又は1つ以上のプロセッサ920で処理され、また、上りに係るデータを基地局に送信する。通常、RF回路950は、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、チューナ、1つまたは複数の発振器、加入者識別モジュール(SIM)カード、送受信機、カプラ、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier,LNA)、デュプレクサなどを含むが、これらに限定されない。又、RF回路950は、無線通信によりネットワークや他の機器と通信することも可能である。前記無線通信は、いずれか1つの通信標準又はプロトコルを使用してもよく、グローバル移動通信システム(Global System of Mobile communication,GSM)、一般パケット無線サービス(General Packet Radio Service,GPRS)、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access,WCDMA)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution,LTE)、電子メール、ショートメッセージサービス(Short messaging Service,SMS)等を含むが、これらに限定されない。
【0116】
WiFiは、短距離無線伝送技術に属し、電子機器900は、WiFiモジュール960を介して、ユーザによる電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスなどを支援することができ、ユーザに無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供する。
図9はWiFiモジュール960を示しているが、電子機器900の必須構成ではなく、発明の本質を変更しない範囲で、必要に応じて省略してもよいことは言うまでもない。
【0117】
前記電子機器900は、各部品に電力を供給する電源970(例えばバッテリ)をさらに備え、好ましくは、電源が、電源管理システムを介してプロセッサ920と論理的に接続されることによって、電源管理システムにより、充電、放電の管理、及び消費電力管理等の機能を実現してもよい。電源970は、一つ又は一つ以上の直流又は交流電源、再充電システム、電源故障検出回路、電源変換器又はインバータ、電源状態インジケータ等の任意の組立部品をさらに含んでもよい。
【0118】
なお、図示していないが、前記電子機器900は、ブルートゥースモジュール等を含んでもよく、ここではもう贅言しない。
【0119】
本発明の一実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供しており、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、マルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法に関する少なくとも1つの命令又は少なくとも1つのプログラムを保存するために電子機器の中に設置されてもよい、該少なくとも1つの命令又は該少なくとも1つのプログラムは、該プロセッサによってロードされて実行されることにより、上記の方法実施例で提供されるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実現する。
【0120】
好ましくは、本発明の実施例では、上記の記憶媒体は、Uディスク、リードオンリーメモリ(ROM,Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)、リムーバブルハードディスク、磁気ディスク、又は光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0121】
本発明の一実施例は、コンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムをさらに提供し、該コンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムは、コンピュータ命令を含み、該コンピュータ命令がコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されている。コンピュータ機器のプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取り、プロセッサは、該コンピュータ命令を実行することで、該コンピュータ機器が上記各種の好ましい実施例に提供されるマルチモダール医用画像に基づくFFR決定方法を実行するようになる。
【0122】
なお、上記の本発明の実施例の前後順序は説明のためのものに過ぎず、実施例の優劣を表すものではない。以上、本発明の特定の実施例について説明した。他の実施形態は、特許請求の範囲に記載された範囲内にある。幾つかの場合には、特許請求の範囲に記載された動作又はステップは、実施例とは異なる順序で実行されてもよく、かつ、依然として所望の結果を実現することができる。また、図面に示されたプロセスは、必ずしも示された特定の順序または連続した順序でこそ、所望の結果が実現されるとは限らない。ある実施形態では、マルチタスク処理及び並列処理も行われてもよい、又は有利になり得る。
【0123】
本明細書中の各実施例は、いずれも漸進的に記述されており、各実施例の間では同一又は類似の部分が互いに参照すればよく、各実施例は他の実施例との相違点を重点的に説明する。特に、装置の実施例については、基本的に方法の実施例と類似するため、簡単に説明することになり、関連する部分については、方法の実施例の部分の説明を参照すればよい。
【0124】
当業者なら、上記実施例の全部又は一部のステップがハードウェアで実現されてもよいし、プログラムによって関連するハードウェアに実現するように命令してもよく、前記のプログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、上記に言及された記憶媒体は、リードオンリーメモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよいことを理解することができる。
【0125】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、凡そ本発明の精神及び原則内でなされた如何なる修正、同等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】