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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】地下構造物の探査方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/88 20060101AFI20240918BHJP
   G01S 13/34 20060101ALI20240918BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G01S13/88 200
G01S13/34
G01S7/02 212
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516848
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2021075712
(87)【国際公開番号】W WO2023041176
(87)【国際公開日】2023-03-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503003234
【氏名又は名称】プロセク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ザームエル レーナー
(72)【発明者】
【氏名】マルセル ポザー
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AD05
5J070AH35
5J070AH40
5J070AK22
5J070AK40
(57)【要約】
本発明は、地下構造を探査するための方法および装置に関する。本方法は、(a)プローブ信号を電磁波として構造物に送信するステップと、(b)構造物から電磁波のエコー信号を受信するステップと、(c)構造物に関する情報を導出するためにエコー信号を処理するステップと、を含む。エコー信号を処理するステップ(c)は、サンプリング周波数fでエコー信号をサンプリングすることを含む。プローブ信号は、複数の離散周波数成分fn,kを含み、複数の周波数成分fn,kのうちの少なくとも2つは、異なるナイキストゾーンに位置する。第nナイキストゾーンは、(n-1)*f/2からn*f/2までの周波数範囲をカバーし、fはサンプリング周波数であり、n=1,2,...である。さらに、k=1...Kであり、Kは第nナイキストゾーンの周波数成分fn,kの数である。本方法および装置は、周波数成分に関する情報を失うことなく、データ取得速度の向上を容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下の構造物を探査するための方法であって、
(a)プローブ信号を電磁波として前記構造物に送信するステップと、
(b)前記構造物から前記電磁波のエコー信号を受信するステップと、
(c)前記構造物に関する情報を導出するために、前記エコー信号を処理するステップと、
を含み、
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、サンプリング周波数(f)で前記エコー信号をサンプリングすることを含み、
前記プローブ信号は、複数の離散周波数成分(fn,k)を含み、
前記複数の周波数成分(fn,k)のうちの少なくとも2つは、異なるナイキストゾーンに配置され、
第nナイキストゾーンは、(n-1)*f/2からn*f/2までの周波数範囲をカバーし、fはサンプリング周波数であり、n=1,2,...であり、
k=1...Kであり、Kは前記第nナイキストゾーンの周波数成分(fn,k)の数である、
方法。
【請求項2】
前記第nナイキストゾーンの周波数成分(fn,k)は、第1ナイキストゾーンの折り返し周波数成分(f´n,k)の上に折り返され、
【数1】
であり、
前記離散周波数成分(fn,k)は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´n,k)が互いに異なるようにされ、
特に、前記周波数成分(fn,k)が周波数空間で等間隔である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのナイキストゾーン、特に、n=1...Nで、Nが少なくとも2である全てのナイキストゾーンについて、K>1、特に、K>10、または、K>20である、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記離散周波数成分(fn,k)は、第Nナイキストゾーンまでのナイキストゾーンに配置され、N>2であり、
特に、Nは、少なくとも4、または、少なくとも6、または、少なくとも8である、
請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記離散周波数成分(fn,k)は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´n,k)が、少なくとも1/tである互いの最小距離(Δf´)を有し、tはプローブ信号の持続時間であるようにされる、
請求項2乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記離散周波数成分(fn,k)は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´n,k)が、少なくとも0.1MHz、特に、少なくとも0.4MHzである互いの最小距離(Δf´)を有するようにされる、
請求項2乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記プローブ信号が、少なくともM個の離散周波数成分(fn,k)を含み、
Mは、少なくとも10、特に、少なくとも100、または、少なくとも200であり、
特に、Mは、約N*Kである、
請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記離散周波数成分(fn,k)は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´n,k)が、少なくともf/(4*M)、特に、少なくともf/(4*N*K)である互いの最小距離(Δf´)を有するようにされる、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プローブ信号における前記複数の離散周波数成分(fn,k)以外の周波数成分は全てゼロである、
請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記複数の離散周波数成分(fn,k)が、前記プローブ信号の帯域幅(Bw)に渡っており、
前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)は、ナイキストゾーンよりも広く、特に、f/2よりも広い、
請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)は、少なくとも500MHz、特に、少なくとも1GHzである、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記サンプリング周波数(f)は、100~500MHz、特に、200~300MHzである、
請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記エコー信号のスペクトル分析、特に、フーリエ分析を実行することを含む、
請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記エコー信号における前記折り返し周波数成分f´n,kのそれぞれの振幅および/または位相を示す量を決定することを含む、
請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記折り返し周波数成分(f´n,k)を対応する前記離散周波数成分(fn,k)に帰属させることを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、偶数nの周波数成分(fn,k)の振幅および/または位相を示す前記量を共役させることを含む、
請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記離散周波数成分(fn,k)の少なくとも2つの初期位相シフトは、前記プローブ信号の最大振幅が、同じ離散周波数成分(fn,k)を有するが前記離散周波数成分(fn,k)の初期位相シフトがゼロである仮想的なプローブ信号の最大振幅よりも小さく、特に、少なくとも10%、少なくとも25%、または、少なくとも50%小さくなるようにされる、
請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記ステップ(a)、(b)、および(c)は、前記プローブ信号の離散周波数成分(fn,k)を変化させながら反復され、
後続する反復の間に、前記プローブ信号の前記離散周波数成分(fn,k)は、周波数オフセットだけシフトされ、
特に、前記周波数オフセットは前記帯域幅(Bw)以上である、
請求項1乃至17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記後続する反復の前記プローブ信号が、少なくとも1GHz、特に、少なくとも2GHz、または、少なくとも3GHzの全帯域幅(Bwt)に渡り、
特に、前記全帯域幅(Bwt)は、少なくとも40MHz~3.44GHzの周波数をカバーする、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、少なくとも前記後続するプローブ信号の一部について、特に、前記エコー信号の前記スペクトル分析を実行する前に、前記エコー信号を局部発振器信号とダウンミックスすることを含み、
特に、前記局部発振器信号は、1~2GHzの周波数を有する、
請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
地下の構造物を探査するための装置であって、
プローブ信号を発生するように構成されたプローブ信号発生器と、
前記プローブ信号を電磁波として前記構造物に送信するように構成された送信アンテナと、
前記構造物から前記電磁波のエコー信号を受信するように構成された受信アンテナと、
前記構造物に関する情報を導出するために前記エコー信号を処理するように構成されたエコー信号プロセッサと、
を備え、
前記装置は、請求項1乃至20のいずれかに記載の方法を実行するように構成されている、
装置。
【請求項22】
前記送信アンテナ(TX)および前記受信アンテナ(RX)はそれぞれ、低周波サブアンテナおよび高周波サブアンテナを備え、
特に、前記低周波サブアンテナの中心周波数は300~500MHzであり、かつ/または、
特に、前記高周波サブアンテナの中心周波数は1~1.5GHzである、
請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記プローブ信号発生器は、デジタル信号発生器と、デジタル/アナログ変換器(DAC)と、を備える、
請求項21または22に記載の装置。
【請求項24】
前記プローブ信号発生器は、複数の離散周波数成分(fn,k)を含むプローブ信号を発生するように構成され、
特に、前記プローブ信号発生器の周波数分解能は、0.1MHz以下である、
請求項21乃至23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記プローブ信号発生器および前記エコー信号プロセッサは、少なくとも部分的に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として実装される、
請求項21乃至24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記エコー信号プロセッサは、サンプリング周波数(f)で前記エコー信号をサンプリングするように構成されたアナログ部、デジタル部、および、アナログ/デジタル変換器(ADC)を備え、
特に、前記サンプリング周波数(f)は、前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)の2倍より小さい、
請求項21乃至25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記エコー信号プロセッサは、前記アナログ部において、局部発振器(LO)と、前記エコー信号を前記局部発振器(LO)からの局部発振器信号とダウンミックスするように構成されたダウンミキサーと、を備え、
特に、前記局部発振器(LO)は、少なくとも2つの切り替え可能なアナログ発振器を備える、
請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記送信アンテナ(TX)は、複数の送信アンテナ(TX1、TX2、TXN)を備え、
前記受信アンテナ(RX)は、複数の受信アンテナ(RX1、RX2、RXN)を備え、
前記装置は、前記複数の送信アンテナおよび受信アンテナを、一度に1つの送信アンテナおよび1つの受信アンテナの組で連続して動作させるように構成される、
請求項21乃至27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
少なくとも2つの送信アンテナは偏波が異なり、
少なくとも2つの受信アンテナは偏波が異なる、
請求項28に記載の装置。
【請求項30】
請求項21乃至29のいずれかに記載の装置に、請求項1乃至20のいずれかに記載の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下構造物を探査するための方法および地下構造物を探査するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁波は、人工構造物や地中などの地下構造物を探査するために一般的に使用されている。地中レーダー(GPR)は、物理探査やコンクリート構造物などの非破壊検査によく応用される技術であり、通常は10MHzから3.4GHzの電磁波を用いる。
【0003】
GPRデータの収集方法として、ステップ周波数連続波(SFCW)が知られている。SFCWプローブ信号の周波数f対時間tの特性の概略図を図1aに示す。単一の広帯域パルスまたは固定周波数の連続プローブ信号を送信する代わりに、SFCWでは、時間経過とともに、または、後続のプローブ信号間で、特に、Δfのステップで変化する周波数を有する持続時間tsの連続波プローブ信号を使用する。後続のプローブ信号は、例えば、400MHzから3.4GHzの範囲で、プローブ信号の掃引を構成する。SFCW方法および好適な装置の例は、WO2018/161183A1に記載されている。
【0004】
地下構造物で反射されたSFCW電磁波のエコーは、アンテナで受信され、地下構造物に関する情報を取得するために処理される。このような情報は、例えば、コンクリート中の鉄筋、建築構造物中の欠陥、パイプ、土壌中の地質層など、地下構造物における不連続性の存在、位置、および/または、特性である。特に、Aスキャン、即ち、広帯域インパルスに応答して受信されるエコーの振幅対時間プロットは、SFCWプローブ信号のエコーから再構成され、次に地下構造物に関する情報の観点から評価することができる。
【0005】
SFCW法は、電磁波の浸透深度を大きく維持しながら、データの品質、ひいては得られる地下構造物の画像の品質、特に、信号対雑音比(SNR)および解像度の点で有利であり、その結果、深い探査が容易になる。
【0006】
一方、従来のSFCW法の取得速度は制限されており、例えば、2cmの分解能のGPR測定は、GPR装置が地中に対して最大取得速度(例えば、10~20km/h)より速く移動しない場合にのみ達成される。さらに、従来のSFCW法は、広い周波数範囲を掃引するため、規制上の制限を受ける。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の全体的な目的は、高分解能データ、特に、50mm以上の分解能を有するデータを、高い測定速度、特に、50~80km/h以上で取得することを容易にする、地下構造物を探査するための方法および装置を提供することである。好ましくは、このような地下構造物を探査するための方法および装置は、例えば、連邦通信委員会(FCC)の規制などの規制要件に適合している。
【0008】
本方法に関して以下に説明する特徴は、装置にも関係するものであり、その逆もまた同様である。さらに、記載された特徴は、互いに独立して開示され、合理的な場合には組み合わせて開示されることを意図している。
【0009】
地下構造物の探査方法
以下の説明でより容易に明らかになるであろう、本発明の上記およびさらなる目的を実施するために、地下構造物、例えば、人工構造物または地下を探査するための方法は、以下のステップを含む。
【0010】
(a)プローブ信号を電磁波として構造物に送信するステップ。電磁波は、例えば、直線偏波などの偏波であってもよい。電磁波を構造物に送信するステップは、特に、アンテナによって実行される。
【0011】
(b)構造物から電磁波のエコー信号を受信するステップ。好ましくは、構造物に送信された波の一部は、構造物の内部の特性によって反射され、この特性は、電気的特性の変化、例えば、誘電率の変化によって特徴付けられる。反射された波の一部は、エコー信号、即ち、反射された電磁波として、構造物から、特に、他の手段またはアンテナによって受信することができる。
【0012】
(c)エコー信号を処理して、構造物に関する情報を導出するステップ。導出される情報は、構造物の内部の特徴に関連する場合がある。内部の特徴は、例えば、構造物内の内部の境界の位置および/または勾配、散乱体または反射体の特性、構造物内の特定の位置における電気的特性、例えば、誘電率の変化量等であってもよく、上記の背景技術の項も参照されたい。
【0013】
エコー信号を処理するステップ(c)は、サンプリング周波数fでエコー信号をサンプリングすることを含む。サンプリングによって、特に、アナログ信号として受信され、アナログ領域で前処理され得るエコー信号は、サンプリング周波数fでデジタル化される。サンプリングは、好ましくは、アナログ/デジタル変換器(ADC)によって実行される。ADCは、通常、可能な最大サンプリング周波数およびアナログ帯域幅の点で制限がある。例えば、500MHz以上のような大きなアナログ帯域幅を有するADCは、一般に複雑で高価であるか、SNRおよび出力信号分解能の点で性能が悪い。
【0014】
一般に、サンプリング周波数fで信号をサンプリングすると、ナイキスト周波数f/2までの周波数成分のみを確実に復元することができる。ナイキスト周波数以上では折り返し(aliasing)が発生し、f/2以上の周波数を有する周波数成分が0とf/2の間の周波数範囲に折り返されて(folded down)しまう。ADCの能力の制限(上述した通り)と関連して、ナイキスト周波数の制限は、超広帯域(UWB)信号、即ち、特に、500MHz以上の帯域幅を有する信号をGPRアプリケーションでも使用することを困難にしている。この制限を克服するために、本方法は以下の特徴を有する。
【0015】
プローブ信号は複数の離散周波数成分fn,kを含み、特に、プローブ信号は複数の離散周波数成分fn,kから構成される。特に、周波数成分fn,kは、その周波数、振幅および位相によって特徴付けられる。あるいは、振幅および位相は複素振幅として表すこともできる。好ましくは、プローブ信号における複数の離散周波数成分fn,k以外の全ての周波数成分はゼロであり、特に、fn,k以外の全ての周波数成分は、fn,kの最大振幅の最大50%、特に、最大25%、または、最大10%の振幅を有する。
【0016】
さらに、複数の周波数成分fn,kのうち少なくとも2つは、異なるナイキストゾーンに位置する。第nナイキストゾーンは、(n-1)*f/2からn*f/2までの周波数範囲をカバーし、fはサンプリング周波数であり、n=1,2,...である。厳密に言えば、特に、第nナイキストゾーンは、その上限n*f/2を含まない。さらに、k=1...Kであり、Kは第nナイキストゾーンの周波数成分の数である。Kは、いくつかのナイキストゾーンではゼロであってもよく、特に、Kは、最大の周波数を有するfn,kが位置する第Nナイキストゾーンより上の全てのナイキストゾーンではゼロである。
【0017】
一実施形態において、複数の離散周波数成分fn,kは、プローブ信号の帯域幅に渡る。上述したように、プローブ信号の帯域幅はナイキストゾーンよりも広く、特に、f/2よりも広くてもよい。好ましくは、プローブ信号の帯域幅は、少なくとも500MHz、特に、少なくとも1GHzである。このようなUWB信号の使用は、以下に示すように、FCC規制などの規制制限への準拠や、高速データ取得を容易にする。
【0018】
さらに好ましくは、サンプリング周波数fは、100~500MHz、特に、200~300MHz、例えば、250MHzである。後者の場合、第1ナイキストゾーンは、0~125MHzである。結果として、500MHz、または、1GHzの帯域幅では、それぞれ、4つ、または、8つのナイキストゾーンを利用する必要がある(それぞれ、N=4、または、N=8)。このようなサンプリング周波数およびアナログ入力帯域幅の値は、従来のADCで実現可能であるため、本方法の実装は実際に可能であり、価格も妥当である。
【0019】
先にも述べたように、周波数成分f1,k、即ち、f/2未満の周波数を有する第1ナイキストゾーン内の周波数成分のみが、折り返し無しで復元可能である。一般に、第nナイキストゾーンの周波数成分fn,kは、第1ナイキストゾーンにおける折り返し周波数成分f´n,kに折り返される。f´n,kの周波数は次式で表される。
【数1】
【0020】
好ましくは、fn,kは、全てのnおよびkに対して、f´n,kが互いに異なるようにされる。換言すれば、(アナログ)エコー信号に存在する複数の離散周波数成分fn,kの各々は、(サンプリング後のデジタル信号において)他のf´n,kとは異なり、特に、区別可能な第1ナイキストゾーンの折り返し周波数成分f´n,kにマッピングされる。このようにして、ADCの要件、特に、fに関する要件を維持したまま、より広い帯域幅を意味する複数のナイキストゾーンからの周波数成分を地下構造物の探査に使用することができる。これにより、従来型の手頃な価格のADCをUWB信号に使用することができる。単一周波数のプローブ信号の代わりにUWB信号を使用することで、FCC規制などの規制制限への準拠が容易になる。
【0021】
備考
構造物から受信したエコー信号の周波数成分の周波数は、構造物に送信されたプローブ信号の周波数成分fn,kの周波数と実質的に同じであると仮定する。特に、周波数シフトのような非線形効果は、通常、無視できる。
【0022】
サンプリング後のf´n,kが一義的であるという上記の条件のさらなる利点は、取得速度が速いことである。従来のSFCW法のように一度に1つの周波数成分を送信するのではなく、複数の周波数成分を同時に送信するため、取得速度は、特に、同時に送信される周波数成分の数Mに等しい係数だけ大きくなる。これにより、50mm、特に、25mm以上の空間分解能で、例えば、時速50km、または、時速80kmまでの取得速度が可能になる。このように、上記の方法を実施するGPR装置は、車両に容易に取り付けることができ、GPRデータ取得をより効率的に行うことができる。
【0023】
一実施形態において、少なくとも1つのナイキストゾーン、特に、n=1...NでNが少なくとも2である全てのナイキストゾーンについて、K>1、特に、K>10、または、K>20である。さらに、周波数成分fn,kは、好ましくは、第Nナイキストゾーンまでのナイキストゾーンに配置され、ここでN>2である。特に、Nは、少なくとも4、または、少なくとも6、または、少なくとも8である。K個の周波数成分が第Nナイキストゾーンまでの全てのナイキストゾーンに配置される場合、周波数成分の数はN*Kとなり、したがって、特に、データ取得が最大N*K倍速くなる。
【0024】
さらに、プローブ信号は、少なくともM個の離散周波数成分fn,kを含んでよく、Mは、少なくとも10、特に、少なくとも100、または、少なくとも200である。最初のN個のナイキストゾーンに渡る周波数成分の分布が等しい場合、Mは約N*Kであり、特に、約±Nまでの偏差を意味する。
【0025】
n,kに関する好適な条件
一実施形態において、周波数成分fn,kは周波数空間において等間隔に配置され、特に、隣接するfn,k間の周波数間隔(Δf)によって等間隔に配置される。周波数間隔は、例えば、0.1~100MHz、特に、1~10MHzとすることができる。周波数成分fn,kの間隔が等しいと、特に、従来のSFCW処理アルゴリズムを適用したシンプルなデータ処理が可能になる。周波数空間におけるfn,kの間隔が等しい場合、サンプリング後に個別のf´n,kを得るために、サンプリング周波数fは周波数間隔Δfの倍数であってはならない。一般に、適切なfn,kは経験的に見出される。以下、図を用いて実施例について説明する。
【0026】
好ましくは、周波数成分fn,kは、全てのnおよびkについて、折り返し周波数成分f´n,kが、プローブ信号の持続時間であるtを用いて、少なくとも1/tである互いの最小距離Δf´を有するようにされる。f´n,k間の最小距離Δf´に関するこのような条件は、f´n,kを確実に識別可能とする。したがって、離散周波数成分fn,k、特に、その振幅および位相は、一義的に決定することができる。
【0027】
典型的なADCの例として、サンプリング周波数f=250MHzを挙げることができる。プローブ信号の持続時間t=2μsの場合、折り返し周波数成分f´n,kは、別個の周波数成分として分離可能とするために、少なくとも0.5MHzの最小距離Δf´が必要である。最短距離Δf´を短くするためには、プローブ信号の持続時間t(したがってエコー信号の持続時間)を長くする必要がある。
【0028】
一実施形態において、周波数成分fn,kは、全てのnおよびkについて、折り返し周波数成分f´n,kが、少なくとも0.1MHz、特に、少なくとも0.4、または、少なくとも0.7MHzである互いの最小距離Δf´を有するようにされる。上に例示したように、このような周波数の選択により、十分に短いプローブ信号の持続時間を使用することができ、その結果、高い取得速度を実現することができる。
【0029】
さらに好ましくは、周波数成分fn,kは、全てのnおよびkについて、折り返し周波数成分f´n,kが、少なくともf/(4*M)、特に、Mが約N*Kであるという上記の仮定を適用する場合、少なくともf/(4*N*K)である互いの最小距離Δf´を有するようにされる。最小距離Δf´に関するこのような条件は、f´n,kが第1ナイキストゾーン内で実質的に等間隔であることを意味し、最小距離Δf´の値は、全てのM個の折り返し周波数成分f´n,kが第1ナイキストゾーン、即ち、0からf/2までの周波数範囲において等間隔である場合のf´n,k間の理論的距離の50%に相当する。
【0030】
エコー信号の処理
一実施形態において、エコー信号を処理するステップ(c)は、エコー信号のスペクトル分析、特に、フーリエ分析を実行することを含む。これは、好ましくは、デジタル領域において、即ち、特に(アナログ)エコー信号をサンプリングした後に実行される。
【0031】
好ましくは、エコー信号を処理するステップ(c)は、エコー信号における折り返し周波数成分f´n,kの各々の振幅および/または位相を示す量を決定することを含む。そのような量は、例えば、直接的にエコー信号の振幅および/または位相、あるいは、各f´n,kの複素フーリエ係数とすることができる。特に、周波数成分の振幅および/または位相を示す量は、次に、例えば、従来のSFCWアルゴリズムによって、地下構造物に関する情報を導出するためにさらに処理される。しかしながら、そのような量は、最初に、(サンプリング前の)エコー信号における(展開された)離散周波数成分fn,kの対応する周波数に帰属される必要がある。
【0032】
したがって、好ましくは、エコー信号を処理するステップ(c)は、折り返し周波数成分f´n,kを対応する離散周波数成分fn,kに帰属させることを含む。プローブ信号に存在するfn,kの周波数は既知であり、それらは異なるf´n,k上にマッピングされるため、このような帰属は、f´n,kとfn,kとの間の上記の関係で可能である。
【0033】
偶数nを有する周波数成分fn,kについては、更なるステップが必要となる場合がある。好ましくは、エコー信号を処理するステップ(c)は、これらの周波数成分の振幅および/または位相を示す量を共役させることを含む。特に、これは、周波数成分fn,kの複素フーリエ係数を偶数nで共役することを含む。このような共役演算は、第1ナイキストゾーンへの畳み込み時に量の共役を反転させるために必要である。
【0034】
非ゼロ初期位相シフト
複数の周波数成分fn,kを含むプローブ信号をそのまま送信すると、送信電力のピークが高くなる場合がある。これは、初期位相シフトがゼロである周期関数のピーク、特に、等間隔に配置された周波数が、ある時間において構造的に加算されるため、高い累積信号が生成されることによる。この「初期位相シフト」は、低周波関数のゼロ位相と高周波関数の最も近いゼロ位相との間の位相差として定義することができる。地下構造を探査する装置において、フロントエンド、即ち、アンテナと受信信号を処理するためのアナログコンポーネント、プローブ信号を生成するためのプローブ信号発生器、エコー信号を処理するためのエコー信号プロセッサは、ピーク送信電力を処理するように適合させる必要がある。信号対雑音比と低相互変調のために、平均送信電力より遥かに大きい高いピーク送信電力を発生することは望ましくない。
【0035】
したがって、好ましい実施形態において、周波数成分fn,kの少なくとも2つは、非ゼロの初期位相シフトを有する。特に、少なくとも2つのスペクトル成分の初期位相シフトは、プローブ信号の最大振幅が、(同じ)周波数成分を有するが周波数成分の初期位相シフトがゼロである仮想的なプローブ信号の最大振幅よりも小さく、特に、少なくとも10%、少なくとも25%、または、少なくとも50%小さくなるようにされる。これにより、ピーク送信電力を低く抑えることができ、特に、平均送信電力よりもそれほど大きくならない、例えば、2~3倍程度に抑えることができる。したがって、良好な信号対雑音比と低い相互変調を実現することができる。
【0036】
実際には、与えられた数の周波数成分fn,kに対して上記の条件を満たす初期位相シフトは、経験的なアプローチ、例えば、数値シミュレーションによって求めることができる。周波数成分がランダムな初期位相シフトで加算され、テストプローブ信号が生成される。次に、テストプローブ信号の平均値に対するテストプローブ信号の最大値の比を求める。これら2つのステップを異なるランダムな初期位相シフトで繰り返し、テストプローブ信号のセットを作成する。実際の地下構造物探査においては、最小の比率を有するテストプローブ信号が選択される。このアプローチでは、初期位相シフトは乱数発生器から導出することができるが、その後、アプリケーションで変更されることはない。特に、少なくとも2つの周波数成分の初期位相シフトは、各プローブ信号に対して一定、即ち、同一にすることができる。
【0037】
明らかに、離散周波数成分fn,kの(既知の)初期位相シフトは、処理において考慮される必要がある。好ましくは、エコー信号を処理するステップ(c)は、初期位相シフトによって、少なくとも2つの離散周波数成分fn,kの位相を補正することを含む。
【0038】
初期位相シフトと同様に、離散周波数成分fn,kの周波数は、周波数オフセットθn,kによってオフセットされる場合がある。異なる周波数成分fn,kに異なるθn,kを適用すると、隣接する周波数間の周波数間隔Δfが一定の場合と比較して、プローブ信号の全体的な周期時間、即ち、全体的な周期を短縮することができる。しかしながら、周波数オフセットθn,kは、隣接する周波数と重ならないように、例えば、間隔(-0.5,+0.5)×Δfで区切られる等、大きすぎないことが望ましい。特に、全ての周波数オフセットθn,kは、θn,k=θと同じであってもよい。
【0039】
好ましくは、周波数オフセットθn,kは、1サイクルの全てのプローブ信号に対して同じである。異なるθn,kを異なるサイクルに適用して、全体のサイクル時間を短縮することができる。異なる周波数オフセットを異なるサイクルに適用することのさらなる利点は、スプリアス信号による測定誤差の低減である。周波数オフセットを変えるとこのような誤差が異なるため、異なるサイクルで平均化することにより、このような誤差を補償することができる。
【0040】
プローブ信号の掃引
従来のSFCW信号と同様に、上記の特性を有し、周波数成分fn,kが変化するプローブ信号をつなぎ合わせて、例えば、40MHzから3GHzまでの広い周波数範囲をカバーするプローブ信号の掃引を実現することができる。
【0041】
したがって、一実施形態において、上記方法のステップ(a)、(b)および(c)は、プローブ信号内の離散周波数成分fn,kを変化させながら反復される。後続する反復の間、プローブ信号の離散周波数成分fn,kは、周波数オフセットだけシフトされ、この周波数オフセットは、一定であってもよい。特に、周波数オフセットは、帯域幅以上とすることができる。
【0042】
好ましくは、後続する反復のプローブ信号は、少なくとも1GHz、特に、少なくとも2GHz、または、少なくとも3GHzの全帯域幅に及ぶ。全帯域幅は、特に、最低周波数成分と最高周波数成分によって広げられる周波数範囲として定義することができる。特に、全帯域幅は、少なくとも40MHz~3GHzの周波数をカバーすることができ、多くの地質学および非破壊検査用途で高分解能かつ高浸透深度のレーダーデータが得られる。
【0043】
一例におけるプローブ信号の掃引は、3つの後続プローブ信号、即ち、40MHzから1GHzの周波数をカバーする周波数成分fn,kを有する第1プローブ信号、1GHzから2GHzの範囲をカバーするfn,kを有する第2プローブ信号、2GHzから3GHzの範囲をカバーするfn,kを有する第3プローブ信号を含んでよい。
【0044】
プローブ信号の掃引の場合、エコー信号を処理するステップ(c)は、少なくとも後続のプローブ信号の一部について、エコー信号を局部発振器信号とダウンミックスすることを含むことが好ましい。これは、特に、エコー信号のスペクトル分析を実行する前に、即ち、アナログ領域で実行されるべきである。上記の実施例における値に従うと、局部発振器信号は、例えば、1GHzと2GHzの間の周波数、特に、1GHzの第1局部発振器と2GHzの第2局部発振器を有してもよい。
【0045】
エコー信号をサンプリングする前にダウンミックスすることで、後続のコンポーネント、特に、ADCに対する要件を緩和することができる。ADCの指定入力帯域幅は、プローブ信号の掃引の全帯域幅をカバーする必要はない。しかしながら、好ましくは、ADCの入力帯域幅は、1つのプローブ信号の帯域幅をカバーする。
【0046】
地下構造物を探査するための装置
本発明の第2の態様は、以下の構成要素を含む、地下構造物を探査するための装置に関する。
- プローブ信号、特に、上記のいずれかの特性を有するプローブ信号を発生するように構成されたプローブ信号発生器。好ましくは、プローブ信号発生器は、デジタル信号発生器とデジタル/アナログ変換器(DAC)を含む。さらに、プローブ信号発生器は、複数の離散周波数成分fn,kを含むプローブ信号を発生するように構成される。好ましくは、プローブ信号発生器の周波数分解能は0.1MHz以下である。
- プローブ信号を電磁波として構造物に送信するように構成された送信アンテナ。
- 電磁波のエコー信号を構造物から受信するように構成された受信アンテナ。送信アンテナおよび受信アンテナは、それぞれ低周波サブアンテナおよび高周波サブアンテナを含むことができる。低周波サブアンテナの中心周波数は、例えば、300~500MHz、特に、380MHz程度とすることができる。高周波サブアンテナの中心周波数は、例えば、1~1.5GHz、特に、1.2GHz程度である。
- 構造物に関する情報を導出するためにエコー信号を処理するように構成されたエコー信号処理装置。好ましくは、エコー信号プロセッサは、アナログ部、デジタル部、およびサンプリング周波数fでエコー信号をサンプリングするように構成されたアナログ/デジタル変換器(ADC)を備える。上記の方法と一致して、特に、サンプリング周波数fは、プローブ信号の帯域幅の2倍より小さい。
【0047】
さらに、この装置は、好ましくは、上述の方法を実行するように構成される。
【0048】
一実施形態において、エコー信号プロセッサは、アナログ部において、局部発振器と、エコー信号を局部発振器からの局部発振器信号とダウンミックスするように構成されたダウンミキサーと、を備える。上述したように、これは、複数のプローブ信号の掃引の場合、ADCの入力帯域幅が、掃引の全帯域幅をカバーする必要はなく、1つのプローブ信号の帯域幅のみをカバーすればよいという効果がある。
【0049】
さらに、局部発振器は、少なくとも2つの切り替え可能なアナログ発振器を備えてよい。特に、プローブ信号の第1部分については、アナログ発振器のうちの第1発振器を局部発振器として使用し、プローブ信号の第2部分については、アナログ発振器のうちの第2発振器を局部発振器として使用し、プローブ信号の第3部分については、ダウンミックスを必要としない、即ち、ダウンミキサーを省略することができる。低周波サブアンテナおよび高周波サブアンテナの場合、高周波サブアンテナで受信されたエコー信号は局部発振器信号とダウンミックスされ、低周波サブアンテナで受信されたエコー信号はダウンミックスを全く必要としない場合がある。ダウンミックスにより、例えば、上記の実施例における40MHzから3GHzまでの全帯域幅を、1GHzの入力帯域幅を有するADCで実現することができる。
【0050】
一実施形態において、プローブ信号発生器およびエコー信号プロセッサは、少なくとも部分的に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として実装される。好ましくは、信号発生器の一部において、FPGAは、離散周波数成分fn,kを、特に、定義された振幅および位相で生成するように構成することができる。エコー信号プロセッサの側では、FPGAは、好ましくは、上述したように、サンプリング後のエコー信号のスペクトル分析、並びに、f´n,kの対応するfn,kへの帰属および当該周波数成分の共役を実行するように構成される。さらに、FPGAは、例えば、アンテナ効果に対する取得された周波数成分の較正、および/または、例えば、複数の掃引に渡る空間平均を実行するように構成することができる。FPGAは、上述のタスクを効率的に実行するように構成することができるため、高いデータ取得速度を実現することができる。さらに、例えば、従来のSFCWアルゴリズムによる更なる処理や、例えば、リモートコンピューティングデバイスへのインターフェースを介した転送に必要なデータ量を削減することができる。
【0051】
GPRアレイ
データ取得の効率をさらに高めるため、特に、横方向のカバレッジを高めるために、アンテナのアレイを形成することができる。このような実施形態において、送信アンテナは複数の送信アンテナを備え、受信アンテナは複数の受信アンテナを備える。送信アンテナおよび受信アンテナは、データ取得方向に対して横方向に千鳥格子状に配置することができ、特に、隣接する受信アンテナの間に常に1つの送信アンテナを配置することができる。その後、装置は、複数の送信アンテナおよび受信アンテナを、例えば、一度に1つの送信アンテナおよび1つの受信アンテナの組で、または、一度に1つの送信アンテナと2つの隣接する受信アンテナの組で、連続して動作させるように構成することができる。
【0052】
さらに、少なくとも2つの送信アンテナは偏波が異なり、少なくとも2つの受信アンテナは偏波が異なることが好ましい。このようにして、異なる偏波、例えば、水平偏波(HH)および垂直偏波(VV)または、交差偏波(HV、VH)の電磁波によって地下構造物を探査することができ、これにより構造物に関する補完的な情報が得られ、理想的には構造物のより完全な画像を得ることができる。これは、鉄筋やパイプのような細長い導電性の構造物の場合に特に有効である。
【0053】
コンピュータプログラム
本発明の第3の態様は、上記方法を実施する命令を含むコンピュータプログラムに関する。特に、コンピュータプログラムは、上記装置に上記方法のステップを実行させる命令を含むことができる。
【0054】
その他の好ましい実施形態は、以下の説明とともに従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明は、以下の詳細な説明から、よりよく理解され、上記以外の目的も明らかになるであろう。かかる説明は、添付図面を参照する。
図1a図1aは、本発明の実施形態による従来のSFCWプローブ信号、超広帯域プローブ信号および超広帯域SFCWプローブ信号の概略的な周波数対時間の図を示す。
図1b図1bは、本発明の実施形態による従来のSFCWプローブ信号、超広帯域プローブ信号および超広帯域SFCWプローブ信号の概略的な周波数対時間の図を示す。
図1c図1cは、本発明の実施形態による従来のSFCWプローブ信号、超広帯域プローブ信号および超広帯域SFCWプローブ信号の概略的な周波数対時間の図を示す。
図2図2は、実施形態によるエコー信号における複数の離散周波数成分とサンプリング後の折り返し周波数成分の概略的なパワー対周波数の図を示す。
図3図3は、実施形態による、折り返し周波数成分とその近傍(折り返し後)との間の周波数差の概略的なプロットを示す。
図4図4は、実施形態による地下構造を探査するための装置のフロントエンドのブロック図である。
図5図5は、実施形態による装置の構成要素と機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1aは、従来のSFCW信号に実装されている、時間経過に伴う周波数の掃引を示している。単一周波数のプローブ信号が一定時間tsにわたって送信される。その後、プローブ信号の周波数は、「背景技術」の項で説明したように、周波数ステップΔfだけ増加する。
【0057】
図1bは、周波数空間において帯域幅Bwに渡る周波数fを有する典型的なUWB信号を示している。UWB信号は、有限個の離散周波数成分を含む場合もあれば、周波数空間における周波数の連続スペクトルを含む場合もある。UWB信号が経時的に変化しない場合(図1bに示すように)、信号の帯域幅Bwは全帯域幅Bwtに等しい。FCCの定義によれば、UWBは、特に、放射される信号の帯域幅が500MHzまたは算術中心周波数の20%のいずれか小さい方を超えるアンテナ送信と定義される。従って、特に、Bw>500MHzの各信号はUWB信号である。
【0058】
図1cは、各帯域幅Bwのプローブ信号の掃引を示し、掃引は全帯域幅Bwtをカバーする。各プローブ信号は、好ましくは同じ持続時間tを有する。さらに、各プローブ信号は、複数の離散周波数成分fn,k、特に、有限個Mの離散周波数成分fn,kを含み、これらの離散周波数成分fn,kは、特に、周波数空間において周波数ステップΔfで分離される場合がある。
【0059】
好ましくは、掃引の各プローブ信号の帯域幅Bwは、少なくとも500MHzであり、即ち、各プローブ信号はUWB信号である。これには、電気通信システムとの干渉の可能性が最小限に抑えられ、そのような信号が規制上の制限、特に、FCCの規制に従っているという利点がある。
【0060】
一例として、各プローブ信号の帯域幅はBw=1GHzであってよい。掃引の第1プローブ信号は400~1400MHzの周波数成分を含み、第2プローブ信号は1400~2400MHzの周波数成分を含み、第3プローブ信号は2400~3400MHzの周波数成分を含んでよい。本実施例において、全帯域幅はBwt=3GHzである。一般に、後続のプローブ信号の周波数成分fn,kによって広げられる周波数範囲は、上記の実施例におけるように、また図1cに示されているように、重複していても重複していなくてもよく、特に、互いに直接的に隣接していてもよい。
【0061】
さらに本実施例において、各プローブ信号はM=240個の離散的な周波数成分fn,kを含んでよい。等間隔に並んだ周波数成分の場合、周波数ステップΔfは約4MHzである。このようなプローブ信号の実施形態は、換言すれば、図1aに示されるような古典的なSFCW掃引では、その後に送信されるM=240個の周波数成分の送信を容易にする。このことは、t=tsという仮定の下で、理論的にはM=240倍までデータ取得の高速化を可能にする。これは逆に、古典的なSFCW方式と比較して、例えば、時速50~80kmの範囲の自動車やドローンの速度まで取得速度を上げることができることを意味する。しかしながら、従来のSFCW法と比較して、各離散周波数成分fn,kの情報、特に、振幅および/または位相情報が失われないように、プローブ信号から一義的に導出可能であることが要件となる。
【0062】
上記の要求は、構造物からエコー信号として受信された反射信号の処理に関する課題を提起する。エコー信号の処理の大部分、特に、各周波数成分fn,kの振幅および/または位相を示す量を導出することは、デジタル領域で実行されるのが好都合である。受信したエコー信号をアナログ領域からデジタル領域へ転送するため、即ち、エコー信号をデジタル化するために、サンプリングは、典型的にはADCによって実行される。しかしながら、従来のADCは、サンプリング周波数fとアナログ入力帯域幅に制限がある。一例として、従来の、特に手頃な価格のADCの最大サンプリング周波数とアナログ入力帯域幅は、それぞれ250MHzと1GHzである。ナイキストの定理により、fでサンプリングされたエコー信号から、f/2までの周波数成分、即ち、本実施例における0~125MHzの第1ナイキストゾーン内の周波数成分のみを一義的に決定することができる。明らかに、UWB信号は、さらなる対策を講じなければ、このような従来のADCでは情報を失わずにデジタル化することはできない。
【0063】
このような課題は、本発明の実施形態による以下の手段によって解決される。プローブ信号の複数の離散周波数成分fn,kは、図2に例示されるように、異なるナイキストゾーン、例えば、ナイキストゾーン1から4にわたって分布される。図示された実施形態において、離散周波数成分fn,kは、周波数ステップΔfによって分離された周波数空間において等間隔に配置され、等しいパワーを有する。一般に、fn,kは異なるパワーを有し、かつ/または、それらは不等間隔を有してよい。特に、異なるfn,kの振幅は、例えば、構造体を通る電磁波の移動経路における周波数依存減衰を補償するために、適合され得る。また、プローブ信号の平均電力に対するピーク電力の比を低減するためなどに、異なるfn,kの位相を適合させることができる。
【0064】
図2は、プローブ信号の13個の離散的な周波数成分fn,kを示しており、nはナイキストゾーンの数、kは第nナイキストゾーンの周波数成分の数である。具体的には、図2のプローブ信号は、周波数成分f1,1、f1,2、f1,3、f2,1、f2,2、f2,3、f2,4、f3,1、f3,2、f3,3、f4,1、f4,2、f4,3を含む。周波数fでサンプリングした後、より高いナイキストゾーン、即ち、n>1の周波数成分は、図2の矢印で示すように、第1ナイキストゾーンまで折り返される。折り返し周波数成分は、サンプリング後、第1ナイキストゾーンのみに位置し、f1,kのみがサンプリング時に周波数が変化しないことを意味する。
【0065】
上記実施例におけるf=250MHz、従って、0~125MHzの第1ナイキストゾーンの場合、サンプリング後の130MHzにおける周波数成分は、120MHzにおける周波数成分と区別できないことを意味する。一般に、折り返し周波数成分f´n,kについては、上記の式が適用される。情報を失わないために、第1ナイキストゾーンの同じ周波数に複数のfn,kが折り返されることは望ましくない。換言すれば、折り返し周波数成分f´n,kは区別可能である必要がある。そして、例えば、プローブ信号のfn,kとそれらに対応する折り返しf´n,kの表によって、f´n,kをプローブ信号の元のfn,kに一義的に帰属させることができる。
【0066】
周波数成分fn,kおよびサンプル周波数fを選択するためのさらなる条件は、図2のΔf´の説明も参照すると、任意の2つの折り返し周波数成分f´n,kが周波数空間において少なくとも最小距離Δf´だけ異なることである、これは、サンプリングされたエコー信号のスペクトル分析、例えば、フーリエ分析が、少なくともΔf´だけ離隔した周波数成分を別個の周波数成分として分解することしかできない場合があることによる。特に、その場合にのみ、f´n,kの振幅および/または位相を一義的に決定することが可能である。fn,kまたはΔf´に関する好ましい条件は、上記に示されている。
【0067】
一般に、プローブ信号の離散周波数成分fn,kは、経験的、総当り試行錯誤的、または、最適化に基づいて、例えば、数値シミュレーションによって定義することができる。第1のステップにおいて、AD9683-250などの適切なADCを選択し、アナログ入力帯域幅とサンプリング周波数fを確定する。入力帯域幅1GHz、f=250MHzの上記実施例において、プローブ信号のfn,kは、8つのナイキストゾーンに分散することができる。第2のステップにおいて、サンプリング後の最小周波数距離Δf´を、例えば、取得速度に関連する所望の最大プローブ信号持続時間tに基づいて定義することができる。定義されたΔf´は、f´n,kに関する条件を与える。第3のステップにおいて、周波数成分の数Mが選択され、例えば、M=240である。帯域幅Bw=1GHzおよびMから、さらなる最適化のために、約4MHzの初期周波数ステップΔfを導き出すことができる。さらに、初期周波数オフセットf 、即ち、f1,1の周波数を選択することができる。Δfとf を選択することにより、fn,kが確定される。第4のステップにおいて、対応するf´n,kが上式を介して計算され、f´n,kが最小周波数距離Δf´の基準を満たすか否かがチェックされる。yesの場合、fn,kをプローブ信号として使用することができる。そうでない場合は、第3のステップにおいてΔfおよび/またはf を変化させ、第4のステップを変化させた値(複数可)で繰り返し実行する。
【0068】
一般に、上記のf´n,kとfn,kの関係式から理解できるように、Δf´とΔfの関係は非線形である。したがって、上記のようにΔfおよび/またはf を変化させながら、複数回の繰り返しで総当たり的に適切なfn,kを探索する必要がある場合がある。
【0069】
図3は、M=240個の周波数成分fn,kの適切なセットの一例を示している。図3の図は、縦軸に、各折り返し周波数成分f´n,kについて、その最も近い次の隣接周波数成分までの距離を示している。この場合、2つの折り返しf´n,k間の最小距離Δf´は約0.4MHzである。基本となる(折り畳まれていない)周波数成分fn,kは、パラメータf=2MHzとΔf=3.8MHzによって決定され、サンプリング周波数はf=250MHzである。
【0070】
図4は、実施形態による地下構造物を探査するための装置のフロントエンドのブロック図である。この装置は、N個の送信アンテナ、例えば、N=3であればTX1、TX2、TX3と、N個の受信アンテナ、例えば、RX1、RX2、RX3と、を備えるGPRアレイである。一般に、装置は、1つの送信アンテナおよび1つの受信アンテナのみを備えていてもよいし、複数の送信アンテナおよび受信アンテナ、例えば、20~50個の範囲のアンテナを備えていてもよい。また、送信アンテナの数と受信アンテナの数は必ずしも一致しない。好ましくは、複数の送受信アンテナは、互いに横方向にオフセットされている、即ち、取得方向に対して横方向にオフセットされている。このようにして、マルチプレクサMUX1およびMUX2などにより、異なる送受信アンテナペアTXn-RXnにわたって多重化することにより、複数の測定ラインを擬似的に同時に測定することができる。
【0071】
さらに、本装置は、低周波サブアンテナ、例えば、RX1およびTX1を備えてもよく、特に、低周波サブアンテナの中心周波数は300~500MHzである。本装置は、高周波サブアンテナ、例えば、RX2およびTX2を備えてもよく、特に、高周波サブアンテナの中心周波数は1~1.5GHzである。このように、本装置は、少なくとも3GHzの全帯域幅Bwtを有するプローブ信号を送信するのに適している。
【0072】
地下構造物についてより多くの情報を取得するためには、異なる偏波の電磁波を使用することが好ましい。したがって、少なくとも2つの送信アンテナは偏波が異なり、例えば、TX1は水平偏波、TX3は垂直偏波であり、少なくとも2つの受信アンテナは偏波が異なり、例えば、RX1は水平偏波、RX3は垂直偏波である。
【0073】
図4の装置において、fn,kを含むプローブ信号はFPGAによって生成され、最大6GHzの範囲内で最大1GHzの信号帯域幅を生成できるDAC、例えば、AD9163によってデジタルからアナログ領域に変換される。DACは、集積型数値制御発振器(NCO)およびミキサーを備え、例えば、3GHzの全帯域幅Bwtにわたってプローブ信号を生成するように構成されている。FPGAからMUX1までの送信側コンポーネントは、プローブ信号発生器を構成する。
【0074】
対照的に、ADC、例えば、AD9683-250は1GHzの入力帯域幅を有してよい。従って、1GHz以上の周波数は全てミックスダウンされる必要がある。この目的のために、受信アンテナRXNとADCの間の回路にRXミキシングステージが加わる。RXミキシングステージはミキサーMIXを備え、エコー信号を、例えば、1GHz超から1GHz未満にダウンミックスするように構成されている。
【0075】
好ましい実施形態において(図4に示すように)、RXミキシングステージは、ミキサーMIX経由でエコー信号を送信するか、ミキサーMIXをショートカットするために、2つのスイッチSW1、SW2を備えている。ADCの入力帯域幅内の周波数を有するプローブ/エコー信号の場合、ミキサーMIXをショートカットすることができる。これは特に、低周波数のサブアンテナによって受信されたエコー信号の場合である。ADCの入力帯域幅を超える周波数のプローブ/エコー信号については、ミキサーMIXによってエコー信号をダウンミックスすることができる。これは、特に、高周波数のサブアンテナによって受信されたエコー信号の場合である。
【0076】
ADCによってデジタル化されたエコー信号は、図5を参照して後述するように、FPGAによってさらに処理される。受信側、つまりMUX2とFPGAの間のコンポーネントは、エコー信号プロセッサを構成する。
【0077】
図4によれば、好ましくは、さらなる電子コンポーネントが装置のアナログ部に存在し得る。送信側、即ち、DACと送信アンテナTXNとの間には、第1のバンドパスフィルタFILT1および第1の増幅器AMP1が、プローブ信号を整形および増幅するように構成され得る。受信側、即ち、受信アンテナRXNとADCの間では、第2の(および第3の)増幅器AMP2(AMP3)および第2の(および第3の)バンドパスフィルタFILT2(FILT3)が、エコー信号に対して同じことを行うことができる。また、受信アンテナRXNとミキサーMIXとの間、特に、第2のバンドパスフィルタFILT2とミキサーMIXとの間に、調整可能な減衰器ATTが存在してもよい。減衰器ATTは、好ましくは、エコー信号のレベルを一定に保つ。さらに、マルチプレクサMUX1とMUX2の間の較正経路CALを介して送受信アンテナをショートカットできるため、アンテナの較正が容易になり、特に、FPGAでのエコー信号処理においてアンテナの影響を後で補正することができる。
【0078】
図5は、同様の装置のコンポーネントおよび機能を有するブロック図である。特に、図5は、図4の装置の異なる態様を示す。送信アンテナTXにつながる送信側において、FPGAは、逆高速フーリエ変換IFFTによって、対応する振幅係数および位相係数からベースバンド離散周波数成分f n,kを生成する。特に、振幅係数および位相係数、ならびにベースバンド離散周波数成分f n,kは、掃引の全てのプローブ信号に対して同一である可能性がある。プローブ信号の周波数範囲に応じて、ベースバンド離散周波数成分f n,kは、DACの統合ミキサーiMIXによって、NCOからの信号とアップミックスされる。NCOは、FPGA内の有限状態マシンFSM、例えば、カウンタによって制御され、例えば、図1cに概略的に示されるように、後続のプローブ信号の掃引が生成されるようにNCOの信号の周波数を変更するように構成される。
【0079】
図5の装置の受信側において、ミキサーMIXは、受信アンテナRXからのエコー信号を、局部発振器LOによって生成された局部発振器信号とダウンミックスするように構成されている。LOは、この場合も、FPGA内の有限状態マシンFSMによって制御される。特に、受信側のFSMと送信側のFSMは同期している。受信側のFSMは、エコー信号をベースバンド周波数範囲、特に、ADCの入力帯域幅内にあるベースバンド周波数成分f n,kに対応する周波数範囲にダウンミックスするように構成される。
【0080】
デジタル化されたエコー信号(ADCの後)に対して、FPGAでさらなる処理が実行される。一般に、さらなるエコー信号の処理は、少なくとも部分的には、中央処理装置CPUで実行され、特に、リモートデバイス、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどのCPUで実行される。図5のブロック図では、ライブラリLIBとしてまとめられたブロックの機能はCPU上で実行される。装置のFPGAとリモートデバイスのCPUとの間のインターフェースは、ワイヤレス接続を介して実装することができる。FPGAとCPUへの異なる機能の割り当ては、一般に、図5に示されているものとは異なる可能性がある。好ましくは、エコー信号から取得されるデータ量は、FPGAでの処理によって、特に、データがリモートデバイスなどのCPUに送信される前に削減される。
【0081】
デジタル信号処理の第1ステップとして、特に、FPGA上で、高速フーリエ変換FFTまたは同様のスペクトル分析がエコー信号に対して実行される。その結果、各f´n,kの振幅および位相を示す(複素数値の)量が取得される。第2ステップとして、f´n,kをプローブ信号のfn,kに帰属させ、「エコー信号の処理」の項で上述したように、偶数nの各fn,kについて、振幅および位相を示す量を共役化する(図5の記号CON)。第3ステップとして,較正データをメモリMEMからロードし,fn,kの振幅および位相を示す量を較正するために使用することができる(図5の記号CAL)。較正データは、例えば、図4に記号CALで示されるようなアンテナ較正に関連してもよい。第4ステップとして、空間平均(図5の記号
)が実行され、それによって信号対雑音比(SNR)が増加する。
【0082】
重み付け、ゼロパディング、および、特に、CPU上で実行され得る逆高速フーリエ変換(IFFT)を実行するさらなるステップは、従来のSFCW方法と同じである。これらのステップの説明は、例えば、WO2018/161183A1に記載されている。その結果、従来のAスキャンが受信され、このAスキャンは、異なるfn,kによってカバーされる帯域幅およびプローブ信号の掃引に起因して、大きな浸透深さ、良好な深さ分解能、および高いSNRを同時に有する。
【0083】
上述のようなプローブ信号、特に、離散周波数成分fn,kの特定の特性により、上述のような従来のSFCW法の有利な点を維持したまま、GPR調査の取得速度を大幅に向上させることができる。特に、50mm以上の空間分解能、あるいは高周波サブアンテナでは25mm以上の空間分解能で、少なくとも時速80kmの取得速度を実現することができる。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
上述のようなプローブ信号、特に、離散周波数成分fn,kの特定の特性により、上述のような従来のSFCW法の有利な点を維持したまま、GPR調査の取得速度を大幅に向上させることができる。特に、50mm以上の空間分解能、あるいは高周波サブアンテナでは25mm以上の空間分解能で、少なくとも時速80kmの取得速度を実現することができる。
[構成1]
地下の構造物を探査するための方法であって、
(a)プローブ信号を電磁波として前記構造物に送信するステップと、
(b)前記構造物から前記電磁波のエコー信号を受信するステップと、
(c)前記構造物に関する情報を導出するために、前記エコー信号を処理するステップと、
を含み、
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、サンプリング周波数(f )で前記エコー信号をサンプリングすることを含み、
前記プローブ信号は、複数の離散周波数成分(f n,k )を含み、
前記複数の周波数成分(f n,k )のうちの少なくとも2つは、異なるナイキストゾーンに配置され、
第nナイキストゾーンは、(n-1)*f /2からn*f /2までの周波数範囲をカバーし、f はサンプリング周波数であり、n=1,2,...であり、
k=1...Kであり、Kは前記第nナイキストゾーンの周波数成分(f n,k )の数である、
方法。
[構成2]
前記第nナイキストゾーンの周波数成分(f n,k )は、第1ナイキストゾーンの折り返し周波数成分(f´ n,k )の上に折り返され、
【数1】
であり、
前記離散周波数成分(f n,k )は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´ n,k )が互いに異なるようにされ、
特に、前記周波数成分(f n,k )が周波数空間で等間隔である、
構成1に記載の方法。
[構成3]
少なくとも1つのナイキストゾーン、特に、n=1...Nで、Nが少なくとも2である全てのナイキストゾーンについて、K>1、特に、K>10、または、K>20である、
構成1または2に記載の方法。
[構成4]
前記離散周波数成分(f n,k )は、第Nナイキストゾーンまでのナイキストゾーンに配置され、N>2であり、
特に、Nは、少なくとも4、または、少なくとも6、または、少なくとも8である、
構成1乃至3のいずれかに記載の方法。
[構成5]
前記離散周波数成分(f n,k )は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´ n,k )が、少なくとも1/t である互いの最小距離(Δf´)を有し、t はプローブ信号の持続時間であるようにされる、
構成2乃至4のいずれかに記載の方法。
[構成6]
前記離散周波数成分(f n,k )は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´ n,k )が、少なくとも0.1MHz、特に、少なくとも0.4MHzである互いの最小距離(Δf´)を有するようにされる、
構成2乃至5のいずれかに記載の方法。
[構成7]
前記プローブ信号が、少なくともM個の離散周波数成分(f n,k )を含み、
Mは、少なくとも10、特に、少なくとも100、または、少なくとも200であり、
特に、Mは、約N*Kである、
構成1乃至6のいずれかに記載の方法。
[構成8]
前記離散周波数成分(f n,k )は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´ n,k )が、少なくともf /(4*M)、特に、少なくともf /(4*N*K)である互いの最小距離(Δf´)を有するようにされる、
構成7に記載の方法。
[構成9]
前記プローブ信号における前記複数の離散周波数成分(f n,k )以外の周波数成分は全てゼロである、
構成1乃至8のいずれかに記載の方法。
[構成10]
前記複数の離散周波数成分(f n,k )が、前記プローブ信号の帯域幅(Bw)に渡っており、
前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)は、ナイキストゾーンよりも広く、特に、f /2よりも広い、
構成1乃至9のいずれかに記載の方法。
[構成11]
前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)は、少なくとも500MHz、特に、少なくとも1GHzである、
構成10に記載の方法。
[構成12]
前記サンプリング周波数(f )は、100~500MHz、特に、200~300MHzである、
構成1乃至11のいずれかに記載の方法。
[構成13]
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記エコー信号のスペクトル分析、特に、フーリエ分析を実行することを含む、
構成1乃至12のいずれかに記載の方法。
[構成14]
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記エコー信号における前記折り返し周波数成分f´ n,k のそれぞれの振幅および/または位相を示す量を決定することを含む、
構成1乃至13のいずれかに記載の方法。
[構成15]
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記折り返し周波数成分(f´ n,k )を対応する前記離散周波数成分(f n,k )に帰属させることを含む、
構成14に記載の方法。
[構成16]
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、偶数nの周波数成分(f n,k )の振幅および/または位相を示す前記量を共役させることを含む、
構成14または15に記載の方法。
[構成17]
前記離散周波数成分(f n,k )の少なくとも2つの初期位相シフトは、前記プローブ信号の最大振幅が、同じ離散周波数成分(f n,k )を有するが前記離散周波数成分(f n,k )の初期位相シフトがゼロである仮想的なプローブ信号の最大振幅よりも小さく、特に、少なくとも10%、少なくとも25%、または、少なくとも50%小さくなるようにされる、
構成1乃至16のいずれかに記載の方法。
[構成18]
前記ステップ(a)、(b)、および(c)は、前記プローブ信号の離散周波数成分(f n,k )を変化させながら反復され、
後続する反復の間に、前記プローブ信号の前記離散周波数成分(f n,k )は、周波数オフセットだけシフトされ、
特に、前記周波数オフセットは前記帯域幅(Bw)以上である、
構成1乃至17のいずれかに記載の方法。
[構成19]
前記後続する反復の前記プローブ信号が、少なくとも1GHz、特に、少なくとも2GHz、または、少なくとも3GHzの全帯域幅(Bwt)に渡り、
特に、前記全帯域幅(Bwt)は、少なくとも40MHz~3.44GHzの周波数をカバーする、
構成18に記載の方法。
[構成20]
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、少なくとも前記後続するプローブ信号の一部について、特に、前記エコー信号の前記スペクトル分析を実行する前に、前記エコー信号を局部発振器信号とダウンミックスすることを含み、
特に、前記局部発振器信号は、1~2GHzの周波数を有する、
構成18または19に記載の方法。
[構成21]
地下の構造物を探査するための装置であって、
プローブ信号を発生するように構成されたプローブ信号発生器と、
前記プローブ信号を電磁波として前記構造物に送信するように構成された送信アンテナと、
前記構造物から前記電磁波のエコー信号を受信するように構成された受信アンテナと、
前記構造物に関する情報を導出するために前記エコー信号を処理するように構成されたエコー信号プロセッサと、
を備え、
前記装置は、構成1乃至20のいずれかに記載の方法を実行するように構成されている、
装置。
[構成22]
前記送信アンテナ(TX)および前記受信アンテナ(RX)はそれぞれ、低周波サブアンテナおよび高周波サブアンテナを備え、
特に、前記低周波サブアンテナの中心周波数は300~500MHzであり、かつ/または、
特に、前記高周波サブアンテナの中心周波数は1~1.5GHzである、
構成21に記載の装置。
[構成23]
前記プローブ信号発生器は、デジタル信号発生器と、デジタル/アナログ変換器(DAC)と、を備える、
構成21または22に記載の装置。
[構成24]
前記プローブ信号発生器は、複数の離散周波数成分(f n,k )を含むプローブ信号を発生するように構成され、
特に、前記プローブ信号発生器の周波数分解能は、0.1MHz以下である、
構成21乃至23のいずれかに記載の装置。
[構成25]
前記プローブ信号発生器および前記エコー信号プロセッサは、少なくとも部分的に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として実装される、
構成21乃至24のいずれかに記載の装置。
[構成26]
前記エコー信号プロセッサは、サンプリング周波数(f )で前記エコー信号をサンプリングするように構成されたアナログ部、デジタル部、および、アナログ/デジタル変換器(ADC)を備え、
特に、前記サンプリング周波数(f )は、前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)の2倍より小さい、
構成21乃至25のいずれかに記載の装置。
[構成27]
前記エコー信号プロセッサは、前記アナログ部において、局部発振器(LO)と、前記エコー信号を前記局部発振器(LO)からの局部発振器信号とダウンミックスするように構成されたダウンミキサーと、を備え、
特に、前記局部発振器(LO)は、少なくとも2つの切り替え可能なアナログ発振器を備える、
構成26に記載の装置。
[構成28]
前記送信アンテナ(TX)は、複数の送信アンテナ(TX1、TX2、TXN)を備え、
前記受信アンテナ(RX)は、複数の受信アンテナ(RX1、RX2、RXN)を備え、
前記装置は、前記複数の送信アンテナおよび受信アンテナを、一度に1つの送信アンテナおよび1つの受信アンテナの組で連続して動作させるように構成される、
構成21乃至27のいずれかに記載の装置。
[構成29]
少なくとも2つの送信アンテナは偏波が異なり、
少なくとも2つの受信アンテナは偏波が異なる、
構成28に記載の装置。
[構成30]
構成21乃至29のいずれかに記載の装置に、構成1乃至20のいずれかに記載の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下の構造物を探査するための方法であって、
(a)プローブ信号を電磁波として前記構造物に送信するステップと、
(b)前記構造物から前記電磁波のエコー信号を受信するステップと、
(c)前記構造物に関する情報を導出するために、前記エコー信号を処理するステップと、
を含み、
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、サンプリング周波数(f)で前記エコー信号をサンプリングすることを含み、
前記プローブ信号は、複数の離散周波数成分(fn,k)を含み、
前記複数の周波数成分(fn,k)のうちの少なくとも2つは、異なるナイキストゾーンに配置され、
第nナイキストゾーンは、(n-1)*f/2からn*f/2までの周波数範囲をカバーし、fはサンプリング周波数であり、n=1,2,...であり、
k=1...Kであり、Kは前記第nナイキストゾーンの周波数成分(fn,k)の数である、
方法。
【請求項2】
前記第nナイキストゾーンの周波数成分(fn,k)は、第1ナイキストゾーンの折り返し周波数成分(f´n,k)の上に折り返され、
【数1】
であり、
前記離散周波数成分(fn,k)は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´n,k)が互いに異なるようにされ、
特に、前記周波数成分(fn,k)が周波数空間で等間隔である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのナイキストゾーン、特に、n=1...Nで、Nが少なくとも2である全てのナイキストゾーンについて、K>1、特に、K>10、または、K>20である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記離散周波数成分(fn,k)は、第Nナイキストゾーンまでのナイキストゾーンに配置され、N>2であり、
特に、Nは、少なくとも4、または、少なくとも6、または、少なくとも8である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記離散周波数成分(fn,k)は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´n,k)が、少なくとも1/tである互いの最小距離(Δf´)を有し、tはプローブ信号の持続時間であるようにされる、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記離散周波数成分(fn,k)は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´n,k)が、少なくとも0.1MHz、特に、少なくとも0.4MHzである互いの最小距離(Δf´)を有するようにされる、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記プローブ信号が、少なくともM個の離散周波数成分(fn,k)を含み、
Mは、少なくとも10、特に、少なくとも100、または、少なくとも200であり、
特に、Mは、約N*Kであかつ/または、
特に、前記離散周波数成分(f n,k )は、全てのnおよびkについて、前記折り返し周波数成分(f´ n,k )が、少なくともf /(4*M)、特に、少なくともf /(4*N*K)である互いの最小距離(Δf´)を有するようにされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プローブ信号における前記複数の離散周波数成分(fn,k)以外の周波数成分は全てゼロである、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の離散周波数成分(fn,k)が、前記プローブ信号の帯域幅(Bw)に渡っており、
前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)は、ナイキストゾーンよりも広く、特に、f/2よりも広
特に、前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)は、少なくとも500MHz、特に、少なくとも1GHzである、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプリング周波数(f)は、100~500MHz、特に、200~300MHzである、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記エコー信号のスペクトル分析、特に、フーリエ分析を実行することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記エコー信号における前記折り返し周波数成分f´n,kのそれぞれの振幅および/または位相を示す量を決定することを含
特に、前記エコー信号を処理するステップ(c)は、前記折り返し周波数成分(f´ n,k )を対応する前記離散周波数成分(f n,k )に帰属させることを含み、かつ/または、
特に、前記エコー信号を処理するステップ(c)は、偶数nの周波数成分(f n,k )の振幅および/または位相を示す前記量を共役させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記離散周波数成分(fn,k)の少なくとも2つの初期位相シフトは、前記プローブ信号の最大振幅が、同じ離散周波数成分(fn,k)を有するが前記離散周波数成分(fn,k)の初期位相シフトがゼロである仮想的なプローブ信号の最大振幅よりも小さく、特に、少なくとも10%、少なくとも25%、または、少なくとも50%小さくなるようにされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップ(a)、(b)、および(c)は、前記プローブ信号の離散周波数成分(fn,k)を変化させながら反復され、
後続する反復の間に、前記プローブ信号の前記離散周波数成分(fn,k)は、周波数オフセットだけシフトされ、
特に、前記周波数オフセットは前記帯域幅(Bw)以上であかつ/または、
特に、前記後続する反復の前記プローブ信号が、少なくとも1GHz、特に、少なくとも2GHz、または、少なくとも3GHzの全帯域幅(Bwt)に渡り、特に、前記全帯域幅(Bwt)は、少なくとも40MHz~3.44GHzの周波数をカバーする、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記エコー信号を処理するステップ(c)は、少なくとも前記後続するプローブ信号の一部について、特に、前記エコー信号の前記スペクトル分析を実行する前に、前記エコー信号を局部発振器信号とダウンミックスすることを含み、
特に、前記局部発振器信号は、1~2GHzの周波数を有する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
地下の構造物を探査するための装置であって、
プローブ信号を発生するように構成されたプローブ信号発生器と、
前記プローブ信号を電磁波として前記構造物に送信するように構成された送信アンテナと、
前記構造物から前記電磁波のエコー信号を受信するように構成された受信アンテナと、
前記構造物に関する情報を導出するために前記エコー信号を処理するように構成されたエコー信号プロセッサと、
を備え、
前記装置は、請求項1乃至15のいずれかに記載の方法を実行するように構成されている、
装置。
【請求項17】
前記送信アンテナ(TX)および前記受信アンテナ(RX)はそれぞれ、低周波サブアンテナおよび高周波サブアンテナを備え、
特に、前記低周波サブアンテナの中心周波数は300~500MHzであり、かつ/または、
特に、前記高周波サブアンテナの中心周波数は1~1.5GHzである、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記プローブ信号発生器は、デジタル信号発生器と、デジタル/アナログ変換器(DAC)と、を備える、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記プローブ信号発生器は、複数の離散周波数成分(fn,k)を含むプローブ信号を発生するように構成され、
特に、前記プローブ信号発生器の周波数分解能は、0.1MHz以下であかつ/または、
特に、前記プローブ信号発生器および前記エコー信号プロセッサは、少なくとも部分的に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として実装される、
請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記エコー信号プロセッサは、サンプリング周波数(f)で前記エコー信号をサンプリングするように構成されたアナログ部、デジタル部、および、アナログ/デジタル変換器(ADC)を備え、
特に、前記サンプリング周波数(f)は、前記プローブ信号の前記帯域幅(Bw)の2倍より小さかつ/または、
特に、前記エコー信号プロセッサは、前記アナログ部において、局部発振器(LO)と、前記エコー信号を前記局部発振器(LO)からの局部発振器信号とダウンミックスするように構成されたダウンミキサーと、を備え、特に、前記局部発振器(LO)は、少なくとも2つの切り替え可能なアナログ発振器を備える、
請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記送信アンテナ(TX)は、複数の送信アンテナ(TX1、TX2、TXN)を備え、
前記受信アンテナ(RX)は、複数の受信アンテナ(RX1、RX2、RXN)を備え、
前記装置は、前記複数の送信アンテナおよび受信アンテナを、一度に1つの送信アンテナおよび1つの受信アンテナの組で連続して動作させるように構成され、
特に、少なくとも2つの送信アンテナは偏波が異なり、かつ/または、
特に、少なくとも2つの受信アンテナは偏波が異なる、
請求項16に記載の装置。
【請求項22】
請求項16に記載の装置に、請求項1に記載の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム要素
【国際調査報告】