(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】収着性ポリマー複合材(SPC)材料及び該収着性ポリマー複合材(SPC)材料を使用する水銀除去のための方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/86 20060101AFI20240918BHJP
B01J 37/22 20060101ALI20240918BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20240918BHJP
B01J 37/03 20060101ALI20240918BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20240918BHJP
B01J 31/26 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B01D53/86 250
B01J37/22 ZAB
B01J37/02 101Z
B01J37/03 A
B01J37/04 101
B01J31/26 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516889
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022043633
(87)【国際公開番号】W WO2023043903
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】シアオ-チュン ルー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ ハードウィック
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ ボイシャー
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
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4G169ZA01A
(57)【要約】
例えば、工業排ガスから水銀(Hg)を除去できる装置及び方法。例示的な収着性ポリマー複合材(SPC)は、ポリマー、微細構造を有する収着剤、及び微細構造内の遷移金属ハロゲン化物を含むことができる。遷移金属ハロゲン化物は、銀(Ag)、ヨウ素(I)又は両方(AgI)を含むことができる。SPCを製造する方法は、遷移金属非ハロゲン化物塩を収着剤に適用すること、非遷移金属ハロゲン化物を収着剤に適用して、非遷移金属ハロゲン化物を非ハロゲン化物塩と反応させて、それにより、収着剤の微細構造内に遷移金属ハロゲン化物を生成することを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと、収着剤とを含んでなり、
該収着剤は微細構造を含み、さらに該微細構造は遷移金属ハロゲン化物を含む、
収着性ポリマー複合材(SPC)。
【請求項2】
硫黄をさらに含む、請求項1記載のSPC。
【請求項3】
前記硫黄は元素硫黄を含む、請求項2記載のSPC。
【請求項4】
前記硫黄は、前記SPCの総質量に基づいて0.1wt%~20wt%の範囲の量で存在する、請求項2又は3記載のSPC。
【請求項5】
前記硫黄は、前記SPCの総質量に基づいて3wt%~5wt%の範囲の量で存在する、請求項2又は3記載のSPC。
【請求項6】
前記遷移金属ハロゲン化物は、遷移金属塩化物、遷移金属臭化物、遷移金属フッ化物、遷移金属ヨウ化物のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか1項記載のSPC。
【請求項7】
前記遷移金属ハロゲン化物は、ニッケル、鉛、銅、マンガン、鉄、水銀、銀、白金のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか1項記載のSPC。
【請求項8】
前記遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含む、請求項1~7のいずれか1項記載のSPC。
【請求項9】
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ素(I)を含む、請求項1~8のいずれか1項記載のSPC。
【請求項10】
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む、請求項1~7のいずれか1項記載のSPC。
【請求項11】
前記SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に変化しない、請求項8又は10記載のSPC。
【請求項12】
前記SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して低下しない、請求項8又は10記載のSPC。
【請求項13】
前記SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、ヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に変化しない、請求項9~10のいずれか1項記載のSPC。
【請求項14】
前記収着剤は、遷移金属非ハロゲン化物塩の硝酸銀(AgNO
3)に対して、23℃で1,765ミリモル/L以上の吸着容量ラングミュア等温パラメータqmを有する、請求項1~13のいずれか1項記載のSPC。
【請求項15】
前記ポリマーはフルオロポリマーを含む、請求項1~14のいずれか1項記載のSPC。
【請求項16】
前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項1~15のいずれか1項記載のSPC。
【請求項17】
前記遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて、前記SPC中に0.1wt%~20wt%の量で存在する、請求項1~16のいずれか1項記載のSPC。
【請求項18】
前記遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて、前記SPC中に0.1wt%~6wt%の量で存在する、請求項1~14のいずれか1項記載のSPC。
【請求項19】
前記収着剤は、活性炭、シリカゲル、ゼオライト又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~18のいずれか1項記載のSPC。
【請求項20】
前記収着剤は活性炭を含む、請求項1~19のいずれか1項記載のSPC。
【請求項21】
前記活性炭は炭素源に由来し、前記炭素源は石炭、亜炭、木材、ヤシ殻又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項20記載のSPC。
【請求項22】
元素硫黄をさらに含み、
前記収着剤は活性炭を含み、かつ
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)である、請求項1記載のSPC。
【請求項23】
ポリマー及び収着剤を含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得ること、
遷移金属非ハロゲン化物塩を得ること、
非遷移金属ハロゲン化物を得ること、
該遷移金属非ハロゲン化物塩を該収着剤に適用して、該遷移金属非ハロゲン化物塩を該収着剤の微細構造内に組み込むこと、及び、
該非遷移金属ハロゲン化物を該収着剤に適用して、該非遷移金属ハロゲン化物を該遷移金属非ハロゲン化物塩と反応させ、それにより該収着剤の微細構造内に遷移金属ハロゲン化物を生成すること、
を含んでなる方法。
【請求項24】
前記収着剤の前記微細構造内に非遷移金属塩がさらに形成され、そして
前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することは、
溶媒を使用して前記収着剤から前記非遷移金属塩を溶解することを含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記溶媒は、水、メタノール、エタノール又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記非遷移金属ハロゲン化物は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アンモニウムハロゲン化物のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項23~26のいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属硝酸塩を含む、請求項23~27のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は、遷移金属硫酸塩、遷移金属亜硫酸塩、遷移金属亜硝酸塩、遷移金属硝酸塩、金属酢酸塩、遷移金属塩素酸塩、遷移金属過塩素酸塩のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項23~28のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記収着剤は活性炭を含み、
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は硝酸銀(AgNO
3)を含み、
前記非遷移金属ハロゲン化物はヨウ化カリウム(KI)であり、そして
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)であり、そして
前記遷移金属非ハロゲン化物塩と非遷移金属ハロゲン化物との反応は:
AgNO
3+KI→AgI+KNO
3
を含む、請求項23記載の方法。
【請求項31】
前記SPCは元素硫黄(S)を含む、請求項23~30のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
前記遷移金属は銀(Ag)である、請求項23~31のいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は溶液として前記収着剤に適用される、請求項23~32のいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記溶液は、前記溶液を前記収着剤上にスプレーすること、前記収着剤を前記溶液に浸漬すること、又はそれらの任意の組み合わせによって適用される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記溶液は、水中に1ミリモル/L~100ミリモル/Lの遷移金属非ハロゲン化物塩を含む、請求項31又は請求項34記載の方法。
【請求項36】
遷移金属ハロゲン化物と硫黄とを含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得、そして
水銀を含むガスを流して該SPCと接触させ、該遷移金属ハロゲン化物が触媒として作用する水銀と硫黄との触媒反応によって硫化水銀(HgS)を形成させる、方法。
【請求項37】
前記遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、前記SPCの銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ素又はヨウ化物(I)を含む、請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCのヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む、請求項36記載の方法。
【請求項42】
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCのヨウ化銀(AgI)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCの銀(Ag)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCの銀(Ag)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して減少しない、請求項41記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年9月17日に出願された仮出願第63/245,596号の利益を主張し、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、ガス流から化合物及び微粒子状物質を除去するための汚染制御デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
石炭火力発電所、都市廃棄物焼却施設及び製油所は、硫黄酸化物(SO2及びSO3)、窒素酸化物(NO、NO2)、水銀(Hg)蒸気、粒子状物質(PM)などの実質的に多種多量の環境汚染物を含む大量の排ガスを生成する。工業排ガスから水銀蒸気及び微粒子状物質を除去する方法を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示される実施形態のいずれか又はすべての部分は、任意の実施形態の他の部分と組み合わせることができる。
【0005】
幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材(SPC)はポリマー及び収着剤、ならびに遷移金属ハロゲン化物を含み、遷移金属ハロゲン化物は収着剤の微細構造内に存在する。幾つかの実施形態において、SPCは硫黄を含む。幾つかの実施形態において、硫黄は元素硫黄を含む。幾つかの実施形態において、硫黄は元素硫黄である。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~20wt%の範囲の量で存在する。
【0006】
幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は遷移金属塩化物を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は遷移金属臭化物を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は遷移金属フッ化物を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は遷移金属ヨウ化物を含む。
【0007】
幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はニッケルを含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は鉛を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は銅を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はマンガンを含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は鉄を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は水銀を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は白金を含む。
【0008】
幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はヨウ素又はそのイオン形態であるヨウ化物(I)を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む。
【0009】
幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用(すなわち、少なくともSO2を含む排ガスに暴露される)のために構成され、銀(Ag)の濃度は少なくとも6カ月の運転使用全体を通して実質的に変化しない。幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するために少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して減少しない。幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度は、少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に減少しない。
【0010】
幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、ヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に変化しない。幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、ヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して減少しない。幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、ヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に減少しない。
【0011】
幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度及びヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6か月の運転使用全体を通して実質的に変化しない。幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度及びヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して減少しない。幾つかの実施形態において、SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度及びヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に減少しない。
【0012】
「実質的に変化しない」という用語は、本明細書で使用されるときに、開始値の±10%の範囲内にある、開始値からのおおよその値の変化を表す。「実質的に減少しない」という用語は、本明細書で使用されるときに、開始値からのおよその値の変化が最大で-10%の変化であることを表す。
【0013】
幾つかの実施形態において、収着剤は、遷移金属硝酸銀(AgNO3)の非ハロゲン化物塩に対して、23℃で1,765ミリモル/L以上の吸着容量ラングミュア等温パラメータqmを有する。
【0014】
幾つかの実施形態において、ポリマーはフルオロポリマーを含む。幾つかの実施形態において、ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。
【0015】
幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて、SPC中に0.1wt%~20wt%の量で存在する。
【0016】
幾つかの実施形態において、収着剤は、活性炭、シリカゲル、ゼオライト又はそれらの任意の組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、収着剤は活性炭を含む。幾つかの実施形態において、活性炭は炭素源に由来し、該炭素源は石炭、褐炭、木材、ココナッツシェル又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0017】
幾つかの実施形態において、SPCは元素硫黄をさらに含み、収着剤は活性炭を含み、遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)である。
【0018】
幾つかの実施形態において、本出願は次の式を特徴とする。
遷移金属非ハロゲン化物塩+非遷移金属ハロゲン化物→遷移金属ハロゲン化物+非遷移金属非ハロゲン化物塩
【0019】
幾つかの実施形態において、本出願は次の式を特徴とする。
AgNO3+KI→AgI+KNO3
【0020】
方法の幾つかの実施形態において、方法は、ポリマー及び収着剤を含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得ること、遷移金属非ハロゲン化物塩を得ること、非遷移金属ハロゲン化物を得ること、前記遷移金属非ハロゲン化物塩を前記収着剤に適用して、前記遷移金属非ハロゲン化物塩を前記収着剤の微細構造内に組み込むこと、及び、前記非遷移金属ハロゲン化物を前記収着剤に適用して、前記非遷移金属ハロゲン化物を前記遷移金属非ハロゲン化物塩と反応させ、それによって前記収着剤の微細構造内に遷移金属ハロゲン化物を生成することを含む。
【0021】
この方法の幾つかの実施形態において、非遷移金属塩も前記収着剤の微細構造内に生成され、この方法は、前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することをさらに含む。この方法の幾つかの実施形態において、前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することは、溶媒を使用して前記収着剤から前記非遷移金属塩を溶解することを含む。
【0022】
この方法の幾つかの実施形態において、溶媒は水を含む。この方法の幾つかの実施形態において、溶媒はアルコールを含む。この方法の幾つかの実施形態において、溶媒は、水、アルコール又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、アルコールは、メタノール、エタノール又はそれらの組み合わせを含む。この方法の幾つかの実施形態において、溶媒は、水、メタノール、エタノールのうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む。
【0023】
幾つかの実施形態において、非遷移金属ハロゲン化物はアルカリ金属ハロゲン化物を含む。幾つかの実施形態において、非遷移金属ハロゲン化物は、アルカリ土類金属ハロゲン化物を含む。幾つかの実施形態において、非遷移金属ハロゲン化物はハロゲン化アンモニウムを含む。幾つかの実施形態において、非遷移金属ハロゲン化物は、少なくともリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム又はフランシウムを含む。
【0024】
幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属硫酸塩を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属亜硫酸塩を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属亜硝酸塩を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属硝酸塩を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属酢酸塩を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属塩素酸塩を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属過塩素酸塩を含む。
【0025】
この方法の幾つかの実施形態において、収着剤は活性炭を含む。ここで、遷移金属非ハロゲン化物塩は硝酸銀(AgNO3)を含み、非遷移金属ハロゲン化物はヨウ化カリウム(KI)であり、遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)であり、遷移金属非ハロゲン化物塩と非遷移金属ハロゲン化物との反応は以下を含む。得られる非遷移金属塩は硝酸カリウム(KNO3)である。
AgNO3+KI→AgI+KNO3
【0026】
幾つかの実施形態において、方法は、ポリマーを得ること、及び、収着剤とポリマーから収着性ポリマー複合材(SPC)を形成することをさらに含む。この方法の幾つかの実施形態において、ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。
【0027】
幾つかの実施形態において、方法は、硫黄を得ること、及び、硫黄をSPCに組み込むことをさらに含む。この方法の幾つかの実施形態において、SPCは元素硫黄(S)を含む。この方法の幾つかの実施形態において、遷移金属は銀(Ag)である。
【0028】
この方法の幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は溶液として収着剤に適用される。この方法の幾つかの実施形態において、溶液は、溶液を収着剤上にスプレーすること、収着剤を溶液に浸漬すること、又はそれらの任意の組み合わせによって適用される。
【0029】
この方法の幾つかの実施形態において、溶液は、水中に1ミリモル/L~100ミリモル/Lの遷移金属非ハロゲン化物塩を含む。
【0030】
幾つかの実施形態において、方法は、遷移金属ハロゲン化物及び硫黄を含む収着ポリマー複合材(SPC)を得ること、及び、水銀を含むガスを流してSPCと接触させることを含み、それにより、水銀と硫黄の触媒反応によって硫化水銀(HgS)が生成され、遷移金属が触媒として作用する。この方法の幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含む。この方法の幾つかの実施形態において、ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間操作され、SPCの銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない。この方法の幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はヨウ素又はヨウ化物(I)を含む。この方法の幾つかの実施形態において、ガスを流すことは少なくとも6カ月間操作され、SPCのヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は少なくとも6カ月全体を通して実質的に変化しない。この方法の幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む。この方法の幾つかの実施形態において、ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間操作され、SPCのヨウ化銀(AgI)の濃度は少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の一部を形成し、本明細書で説明されるシステム及び方法が実施されうる実施形態を示す添付図面を参照する。
【0032】
【
図1】
図1は、本開示の幾つかの実施形態による、排ガス処理ユニットの概略図を示す。
【0033】
【
図2A】
図2Aは、本開示の幾つかの実施形態による、収着性ポリマー複合材の簡略図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示の幾つかの実施形態による、収着性ポリマー複合材の簡略図である。
【0034】
【
図3】
図3は、方法の幾つかの実施形態によるフローチャートである。
【0035】
【
図4】
図4は、方法の幾つかの実施形態によるフローチャートである。
【0036】
【
図5】
図5は、方法の幾つかの実施形態によるフローチャートである。
【0037】
【
図6】例1及び2のラングミュア等温線決定グラフを示す。
【0038】
【
図7】
図7は、例3、4及び5の水銀除去効率試験のデータを示す。
【0039】
【
図8】
図8は、例5、6及び7の水銀除去効率試験のデータを示す。
【0040】
【
図9】
図9は、例6の実験室耐久性試験のデータを示す。
【0041】
【0042】
【
図11】
図11は、例8のフィールド耐久性試験のデータを示す。
【0043】
【
図12】
図12は、例A、B及びHgO粉末のXANESグラフを示す。
【0044】
【0045】
【
図14】
図14は、例C、D、E及びHgS粉末のXANESグラフを示す。そして
【0046】
【0047】
同様の参照番号は、全体を通して同じ又は類似の部分を表す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
開示された利点及び改良点のうち、本開示の他の目的及び利点は、添付の図面と併せて行われる以下の説明から明らかになるであろう。本開示の詳細な実施形態は本明細書に開示される。しかしながら、開示された実施形態は、様々な形態で具体化されうる本開示の単なる例示にすぎないことを理解されたい。さらに、本開示の様々な実施形態に関して与えられた各例は、例示を目的とするものであり、限定するものではない。本開示のすべての実施形態は、本開示の範囲又は主旨から逸脱することなく組み合わせることができるように意図されている。
【0049】
本明細書で使用されるときに、「排ガス(flue gas)」とは、燃焼プロセス(限定されないが、石炭燃焼プロセスなど)の少なくとも1つの副生成物を含むガス状混合物を指す。幾つかの実施形態において、排ガスは完全に燃焼プロセスの副生成物からなることができる。幾つかの実施形態において、排ガスは、燃焼プロセスから生じる濃度と比較して高濃度の少なくとも1つのガスを含むことができる。幾つかの実施形態において、排ガスは、燃焼プロセスから出てくる少なくとも1つのガスの初期濃度と比較して、より低い濃度の少なくとも1つのガスを含むことができる。これは、例えば、燃焼後に少なくとも1つのガスの少なくとも一部を除去することによって起こりうる。幾つかの実施形態において、排ガスは、複数の燃焼プロセスの副生成物の組み合わせであるガス状混合物の形態をとることがある。
【0050】
本明細書で使用されるときに、用語「収着剤」は、吸収、吸着又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって別の物質の分子を収集する特性を有する物質を意味する。
【0051】
本明細書で使用されるときに、「複合材」という用語は、異なる物理的又は化学的特性を有する2つ以上の構成材料を含み、それらを組み合わせると、個々の構成要素とは異なる特性を有する材料が得られる材料を指す。
【0052】
本明細書で使用されるときに、「収着性ポリマー複合材」(SPC)は、収着剤とポリマーを含む複合材である。実施形態において、収着性ポリマー複合材は、ポリマーの微細構造中に組み込まれた収着剤粒子を含むことができる。
【0053】
本開示の幾つかの実施形態はデバイスに関する。
図1は、本開示の幾つかの非限定的な実施形態による例示的なデバイスの概略図を示す。図示のように、燃焼器からの排ガス10の流れは、熱交換器によって温度を下げられ、電気集塵機又はバッグハウス11に導入されうる。幾つかの実施形態において、処理された排ガス流は、処理ユニット12によってさらに温度を下げることができる。幾つかの実施形態において、処理ユニット12は、ガス湿度をさらに増加させる水スプレーを含む。幾つかの実施形態において、処理された排ガスは、本開示の幾つかの実施形態による収着性ポリマー複合材100を含む収着剤ハウジング13に導入される。幾つかの実施形態において、収着剤ハウスは、石灰石スクラバーの頂部に都合よく配置されうる。幾つかの実施形態において、処理された排ガス10中の金属蒸気は、収着性ポリマー複合材100上に吸収される。幾つかの実施形態において、追い出された硫酸は酸リザーバ14に滴下することができる。幾つかの実施形態において、処理された排ガスは収着剤ハウジング13を出て、スタック15を出る。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書で使用されるときに、「運転使用」は、少なくともSO
2を含む排ガスにさらされる、収着剤ハウジング13の一部として処理ユニット12内での使用を意味する。
【0054】
図2Aは、本明細書に記載の収着性ポリマー複合材100の非限定的な実施形態を断面図で示している。この非限定的な実施形態において、収着性ポリマー複合材100は、ポリマー101を部分的又は完全に覆う収着剤102を含む。幾つかの非限定的な実施形態において、遷移金属ハロゲン化物103(本明細書に記載のとおり)は、収着剤102の部分を部分的又は完全に覆うことができる。幾つかの実施形態において、収着剤102は炭素を含む。幾つかの実施形態において、収着剤102粒子は活性炭粒子であることができる。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物103は、収着剤102の細孔に吸収されうる。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物103は、収着剤102に吸着されうる。幾つかの実施形態において、収着剤102は、微細構造中に遷移金属ハロゲン化物103を含む又は有する微細構造を有する。遷移金属ハロゲン化物103は、少なくとも、塩化ニッケル、塩化鉛、塩化第一銅、塩化マンガン、塩化第一鉄、塩化第二水銀、塩化銀、塩化白金、臭化ニッケル、臭化鉛、臭化第一銅、臭化マンガン、臭化第一鉄、 臭化第二水銀、臭化銀、臭化白金、フッ化ニッケル、フッ化鉛、フッ化第一銅、フッ化マンガン、フッ化第一鉄、フッ化第二水銀、フッ化銀、フッ化白金、ヨウ化ニッケル、ヨウ化鉛、ヨウ化第一銅、ヨウ化マンガン、ヨウ化第一鉄、ヨウ化第二水銀 、ヨウ化銀、ヨウ化白金又はそれらの任意の組み合わせであることができる。
【0055】
図2Bは、本明細書に記載される収着性ポリマー複合材100の追加の非限定的な実施形態を示す。図示されるように、収着性ポリマー複合材料100は、ポリマーの微細構造201に組み込まれた収着剤202粒子を含むことができる。幾つかの実施形態において、ポリマーの微細構造201はフィブリルを含むことができる。幾つかの実施形態において、ポリマーは延伸PTFEであることができる。
【0056】
本明細書に記載される収着性ポリマー複合材のさらなる非限定的な構成は、Hardwickらの米国特許第9,827,551号明細書及びLuらの米国特許第7,442,352号明細書に記載されており、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材は、米国特許第7,791,861号明細書に教示される一般的なドライブレンド法を使用して調製することができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、活性炭、シリカゲル、ゼオライト又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、活性炭は、石炭由来の炭素、亜炭由来の炭素、木材由来の炭素、ココナッツ由来の炭素又はそれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態において、収着剤をポリマーと組み合わせるときに、得られた混合物を延伸して、収着剤を移動させることなく多孔質構造を形成することができる。収着性ポリマー複合材の収着剤は、400m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、600m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、800m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、1000m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、1200m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、1400m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、1600m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、1800m2/gを超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材の収着剤は、2000m2/gを超える表面積を有する。
【0058】
幾つかの実施形態において、収着剤は、23℃で1ミリモル/L~10ミリモル/L、又は2ミリモル/L~10ミリモル/L、又は3ミリモル/L~10ミリモル/L、又は4ミリモル/L~10ミリモル/L、又は5ミリモル/L~10ミリモル/L、又は7ミリモル/L~10ミリモル/Lの吸着容量ラングミュア等温パラメータqmを有することができ、あるいは収着剤はこれらの範囲に含まれる任意の値の吸着容量ラングミュア等温パラメータqmを有することができる。
【0059】
収着性ポリマー複合材のポリマーは、ポリフルオロエチレンプロピレン(PFEP)、 ポリペルフルオロアクリレート(PPFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデンのターポリマー(THV)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCFE)の少なくとも1つ又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態において、ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。幾つかの実施形態において、ポリマーは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。幾つかの実施形態において、ポリマーの構造は、延伸すると、ポリマーのフィブリルとノードとの間に空隙を形成することができるように多孔質になる可能性がある。収着性ポリマー複合材料のポリマーは31ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材のポリマーは30ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材料のポリマーは25ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材料のポリマーは20ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する。幾つかの実施形態において、収着性ポリマー複合材料のポリマーは15ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する。
【0060】
幾つかの実施形態において、SPCは、ポリマー、収着剤及び遷移金属ハロゲン化物を含み、遷移金属ハロゲン化物は収着剤の微細構造内に存在する。
【0061】
幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、以下の遷移金属元素のうちの少なくとも1つ:
ニッケル、鉛、銅、マンガン、鉄、水銀、銀又は白金を含み、
そして次のハロゲン化物の少なくとも1つ:
塩化物、臭化物、フッ化物又はヨウ化物を含む。
【0062】
幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~1wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~2wt%の範囲の量で存在する。 幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~3wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~2wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~3wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて1wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~3wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて2wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて3wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態に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いて、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて4wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて5wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて6wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて7wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて8wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて9wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて10wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて11wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金
属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて12wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて13wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて13wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて13wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて13wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて13wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて13wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて13wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて14wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて14wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて14wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて14wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて14wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて14wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて15wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて15wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて15wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて15wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて15wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて16wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて16wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて16wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて16wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて17wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて17wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて17wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて18wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて18wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて19wt%~20wt%の範囲の量で存在する。
【0063】
幾つかの実施形態において、SPCは硫黄を含む。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~1wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~2wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~3wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて0.1wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~2wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~3wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて1wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~3wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて2wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~4wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて3wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~5wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて4wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~6wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~17wt%の範囲の量で存
在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて5wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~7wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて6wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~8wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて7wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~9wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて8wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~10wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて9wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~11wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて10wt%~20wt%の範囲の量で存在する。 幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~12wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて11wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~13wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて12wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて13wt%~14wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて13wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて13wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて13wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて13wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて13wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて13wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて14wt%~15wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて14wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて14wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて14wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて14wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて14wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて15wt%~16wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて15wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて15wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて15wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて15wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて16wt%~17wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて16wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて16wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量
に基づいて16wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて17wt%~18wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて17wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて17wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて18wt%~19wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて18wt%~20wt%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、硫黄は、SPCの総質量に基づいて19wt%~20wt%の範囲の量で存在する。
【0064】
幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はヨウ素(I)を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む。幾つかの実施形態において、収着剤は活性炭を含む。
【0065】
幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩の溶液を調製又は取得し、遷移金属非ハロゲン化物塩を収着剤に適用して、収着剤の微細構造内に遷移金属非ハロゲン化物塩を組み込む。次いで、非遷移金属ハロゲン化物を収着剤に適用して、非遷移金属ハロゲン化物を遷移金属非ハロゲン化物塩と反応させる。この反応により、収着剤の微細構造内に遷移金属ハロゲン化物が生成される。
【0066】
等温線を測定し、ラングミュア等温パラメータqm及びBを決定するために、遷移金属非ハロゲン化物塩の溶液を、ある所定の濃度で調製することができる。収着剤サンプルを小片に切断し、アルコールで湿らせることができる。次に、湿ったサンプルのそれぞれを、特定の温度で調製された溶液のそれぞれに浸すことができる。しばらくしてからサンプルを乾燥させ、乾燥サンプルのSEM(走査型電子顕微鏡写真)画像のエネルギー分散型X線分光法(EDX)を使用して遷移金属含有量を定量化できる。EDXは、電子ビームがサンプルに衝突し、サンプルの電子にエネルギーシフトを引き起こす分析技術である。このシフトにより、サンプルはX線信号を放出し、サンプルの元素組成の識別が可能になる。シグナルは、標的成分の相対濃度を反映する光強度でサンプルの画像において観察される。得られたデータは、溶液中の遷移金属含有量対遷移金属非ハロゲン化物塩濃度のグラフにプロットでき、以下に従ってラングミュア等温線に当てはめることができる。
【数1】
ラングミュアpパラメータ、qm及びBは曲線近似から抽出される。
【0067】
幾つかの実施形態において、本出願は次の式を特徴とする。
遷移金属非ハロゲン化物塩+非遷移金属ハロゲン化物→遷移金属ハロゲン化物+非遷移金属非ハロゲン化物塩
【0068】
幾つかの実施形態において、本出願は次の式を特徴とする。
【化1】
【0069】
幾つかの実施形態によれば、AgIは収着剤の微細構造(例えば、収着剤の炭素)に組み込まれることになる。しかしながら、AgIはこの組み込みを容易に達成できるほど容易に可溶性でない。
図3~5に示されるように、AgIのこの組み込みを達成するための方法の実施形態は開示されている。幾つかの実施形態において、炭素微細構造内の化学反応を使用して、AgIを収着剤の微細構造に組み込む。化学反応により、両方の試薬である遷移金属非ハロゲン化物塩及び非遷移金属ハロゲン化物が炭素に輸送される。幾つかの実施形態において、化学反応は、可溶性遷移金属非ハロゲン化物塩を選択することを含む。幾つかの実施形態において、硝酸銀(AgNO
3)が「水溶性」遷移金属非ハロゲン化塩として選択される。幾つかの実施形態において、AgNO
3の高い水溶解度が化学反応にとって重要となりうる。
【0070】
幾つかの実施形態において、遷移金属非ハロゲン化物塩は溶媒(例えば、AgNO3に対して水)と混合され、収着剤の炭素微細構造に適用される。AgNO3は単に微細構造に吸収されうるだけでなく、収着剤に強く吸着されうる。これにより、その後の炭素の微細構造の表面上でのKIとの化学反応が促進されうる(溶媒内での反応ではなく、生成されたAgIの少なくとも一部が炭素の微細構造の外側に生じることができる)。
【0071】
KIは非遷移金属ハロゲン化物の例である。幾つかの実施形態による非遷移金属ハロゲン化物の特性には、非遷移金属ハロゲン化物が収着剤の炭素の微細構造に輸送されることができる「水溶性ハロゲン化物」種であることが含まれ、それは、続いて、吸着したAgNO3と反応することができる。幾つかの例において、「非遷移金属ハロゲン化物」群の材料は、アンモニウム、第I族又は第II族ハロゲン化物を含む。これらの塩はすべて水溶性であるか、又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール又はそれらの組み合わせ)に可溶である。幾つかの実施形態において、カチオンの選択における考慮事項は、そのカチオンのハロゲン化物塩が水又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール又はそれらの組み合わせ)に可溶であることができることである。幾つかの実施形態による別の考慮事項は、副生成物(例えば、この例では、副生成物はKNO3)の溶解度であることができる。KNO3は、上記の化学反応の「副生成物」である。KNO3は、事実上すべての硝酸塩と同様に可溶性である。したがって、「副生成物」は、洗浄することによって、又は動作中にSPC内で生成される酸に単に溶解することによって容易に除去することができる。「非遷移金属塩」の組成は、使用する試薬によって異なる。
【0072】
幾つかの実施形態において、AgIは上述の化学反応の「生成物」である。幾つかの実施形態において、AgIは遷移金属ハロゲン化物である。AgIは水に不溶であり、水を溶媒として使用して炭素の微細構造から抽出することができない。
【0073】
上記の実施形態は迅速に(事実上瞬時に)反応し、硫黄を含有するSPCの微細構造への組み込みにより、水銀捕捉効率が大幅に向上する。
【0074】
図3は方法300の幾つかの実施形態によるフローチャートを示し、この方法は、ポリマー及び収着剤を含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得ること302、及び、遷移金属非ハロゲン化物塩を得ること304及び非遷移金属ハロゲン化物を得ること306を含む。これらの工程302、304、306は任意の順序で実行することができる。方法300は、遷移金属非ハロゲン化物塩を収着剤に適用して、遷移金属非ハロゲン化物塩を収着剤の微細構造内に組み込むこと308、次いで、非遷移金属ハロゲン化物を収着剤に適用し(工程308の後)、非遷移金属ハロゲン化物を、収着剤の微細構造内に組み込まれている遷移金属非ハロゲン化物塩と反応させることにより、収着剤の微細構造内で遷移金属ハロゲン化物を生成すること310をさらに含む。
【0075】
図4は、幾つかの実施形態による別のフローチャートを示し、方法400は、
図3に示される方法300に加えて、非遷移金属塩も収着剤の微細構造内で生成されることをさらに含み、したがって、方法400は、収着剤から非遷移金属塩を除去すること402をさらに含む。
【0076】
図5は、幾つかの実施形態による別のフローチャートを示し、方法500は、
図3に示される方法300に加えて、非遷移金属塩も収着剤の微細構造内で生成されることさらに含み、したがって、方法500は、収着剤から非遷移金属塩を除去すること502をさらに含み、収着剤から非遷移金属塩を除去すること502は、溶媒を使用して収着剤から非遷移金属塩を溶解すること504を含む。
【0077】
SPCの幾つかの実施形態において、ヨウ化銀担持炭素は、硝酸銀溶液を炭素に導入することによって調製することができ、ここで、硝酸銀分子は炭素上に吸収される。続いて、ヨウ化カリウム溶液を炭素に導入することができ、ここで、炭素細孔上の硝酸銀分子は次の反応に従ってヨウ化カリウム分子と相互作用する。
AgNO3+KI→AgI+KNO3
【0078】
上記の反応は速度論的に速く(ほぼ瞬時に)起こる。反応後に、AgIとKNO3が炭素細孔上又は炭素細孔内に生成される。次に、KNO3は水溶性であるため、適宜に、又は必要に応じて、水を使用してKNO3を炭素から洗い流すか又は除去することができる。
【実施例】
【0079】
以下の例は、本明細書に開示される様々な実施形態の動作機能が理解されることを保証するために提供される。保護範囲は、以下に示す様々な例によって必ずしも限定されるわけではない。
【0080】
装填方法の例:
【0081】
装填方法の例:AgI装填方法1
非限定的な例において、0.724gの硝酸銀(AgNO3)を15mLの脱イオン(DI)水と混合することによって第一の溶液を調製した。第二の溶液は、0.707gのヨウ化カリウム(KI)を15mLの脱イオン水と混合することによって調製された。AgNO3とKIとの量は、炭素粉末上に1wt%のAgI装填量を達成するように計算された。他のwt%の添加量を達成するために、硝酸銀及びヨウ化カリウムの量を調整することができる。100gの活性炭粉末をタンブラードラム反応器チャンバに入れ、50rpmでタンブリングした。硝酸銀を含む第一の溶液は、炭素粉末のタンブリング中に炭素上にゆっくりとスプレーされた。約10分間タンブリングした後に、ヨウ化カリウムを含む第二の溶液をゆっくりとカーボン上にスプレーした。両方の溶液の適用後に、タンブラードラム反応器チャンバをさらに20分間タンブリングした。次に、炭素粉末を含浸チャンバから取り出し、100℃のオーブンで24時間乾燥させた。
【0082】
装填方法の例:AgI装填方法2
別の非限定的な例において、第一の溶液は、7.24gの硝酸銀(AgNO3)を1800mLのDI水と混合することによって調製され、第二の溶液は、7.07gのヨウ化カリウム(KI)と800mLのDI水とを混合することによって調製された。AgNO3とKIの量は、炭素粉末上に1wt%のAgI装填量を達成するように計算された。 他のwt%の装填量を達成するために、硝酸銀及びヨウ化カリウムの量を調整することができる。1kgの活性炭粉末を反応チャンバに入れた。硝酸銀を含む第一の溶液を、撹拌を続けながら反応チャンバにゆっくりと加えた。さらに60分間撹拌した後に、撹拌を続けながら、ヨウ化カリウムを含む第二の溶液を反応チャンバにゆっくりと加えた。両方の溶液を適用した後に、反応チャンバをさらに60分間撹拌した。スターラを止め、炭素を3時間沈降させた。次に、過剰な水をスラリーからデカントし、炭素粉末を100℃のオーブンで24時間乾燥させた。
【0083】
装填方法の例:AgI装填方法3:
さらに別の非限定的な例において、100gの乾燥活性炭粉末を1gのAgI粉末と混合して、炭素粉末上に1wt%のAgI装填を形成した。 AgIの量は、炭素粉末上に1wt%のAgI装填量を達成するように計算された。AgI及び乾燥活性炭粉末の量は、他の所望の量に応じて調整することができる。
【0084】
ラングミュア等温線の決定例:
【0085】
非限定的な例において、幾つかの硝酸銀(AgNO3)溶液を0~100ミリモル/Lの濃度で調製した。SPCサンプルを直径5mmのディスクに切断し、アルコールで湿らせた。湿ったサンプルを室温でAgNO3溶液に各溶液に1つずつ浸漬した。2日後に、サンプルを100℃で2時間乾燥させ、EDXを使用して乾燥サンプルのSEM画像から銀含有量を定量化した。3つのSEM画像からの平均銀含有量を、その特定のAgNO3溶液に浸漬したサンプルの銀含有量として平均した。得られたデータを、銀含有量対溶液中の硝酸銀濃度のグラフにプロットし、上記式に従ってラングミュア等温線に当てはめ、曲線当てはめからラングミュアパラメータqm及びBを抽出した。
【0086】
開示された実施形態の有効性を決定するために、水銀蒸気除去に関する非限定的な例示的な試験を実施した。これらの試験の性能において、非限定的な試験装置を使用した。試験装置は、例えば、以下のものを含む。
(1)質量フローコントローラによって調整されるエアサプライ、
(2)水銀透過管を備えたDYNACALIBRATOR校正ガス発生器(VICI Metronics,Inc.、米国ワシントン州ポールズボ)を介した少量の窒素パージによって生成される水銀源、
(3)質量フローコントローラによって調整される、窒素中の2%SO2ガス混合物から得られるSO2、及び、
(4)バイパスが取り付けられそして60℃に維持されたオーブン内に配置される、辺長さが12mmである300mmの三角形のサンプルセル、
(5)総水銀濃度、元素水銀濃度及びイオン水銀濃度を測定できるTekran 3300水銀分析装置(Tekran Instruments Corporation、カナダ、トロント)による水銀検出、及び、
(6)TeledyneモデルT100HハイレンジUV蛍光SO2分析装置 (Teledyne API、カリフォルニア州、米国)によるSO2分析装置。
【0087】
除去効率(例えば、%効率)は、入口レベル(サンプルをバイパスする;濃度(入口)) と出口レベル(サンプルを通過する;濃度(出口))との差として決定できる。パーセント効率 (%効率)は以下のように定義される。
%効率=100×[濃度(入口)-濃度(出口)]/[濃度(入口)]
【0088】
排ガスへの暴露に関する非限定的な例示的な試験を実施した。排ガスへの暴露は、例えば以下のものを含むことができる試験装置を使用してシミュレートできる。
(1)質量フローコントローラによって調整されるエアサプライ、
(2)質量フローコントローラによって調整される、窒素中の1%SO2ガス混合物から得られるSO2、
(3)バイパスが取り付けられそして55℃に維持されたオーブン内に配置される、辺長さが12mmである300mmの三角形のサンプルセル、
(4)オーブンの外部に設置されたMH-070浸透管加湿器(PermaPure、ニュージャージー州、米国)を使用して80%を超える高い相対湿度を維持しながら行う。
【0089】
様々な例示的なサンプルの除去効率を決定するために、サンプルを、785mg/m3のSO2を含み、湿度90%を備えたシミュ―レートされる排ガス流に、総空気流量 1標準リットル/分で暴露した。
【0090】
およそ月に1回(例えば、30日ごと)、サンプルを採取し、蛍光X線(「XRF」) によってヨウ素含有量を分析した。ヨウ素含有量を経時的に追跡した。
【0091】
排ガス耐久性に関する非限定的な例示的な試験は、石炭火力発電所の湿式排ガス脱硫吸収装置のスリップ流からの流出ガスに様々なサンプルを暴露することによって実行された。様々な試験サンプルを、例えば、限定するわけではないが、最大2つの構成で排ガスに暴露した。
【0092】
第一の構成において、最大6枚の3.5インチ×12インチ(8.89cm×30.48cm)のSPCサンプルシートをロッドで支えてシートを横切る流れが妨げられないようにして、3.5インチ×3.5インチ×40インチ(8.89cm×8.89cm×101cm) 絶縁サンプル固定具に取り付けた。サンプルは、ファンによって一連のパイプを通してサンプル固定具に約80ACFM(137m3/hr)の排ガスを引き込むことによって暴露された。
【0093】
第二の構成において、1.25インチ×12インチ(3.175cm×30.48cm)のSPCストリップを2'×2'×1'(61cm×61cm×30cm)のフレーム固定具に取り付けた。ストリップの上部及び下部は、最大100枚のストリップを保持できるフレームのレールに沿って所定の位置に固定された。フレームを横切る妨げられない流れを提供するために、レールを2インチ(50mm)離して配置した。フレームを、2.1フィート×2.1フィート×8フィート(0.66m×0.66m×2.4m)の断熱パイロットタワー ユニットに挿入した。サンプルは、ファンによって約2880ACFM(4860m3/hr)の排ガスを吸引することによって暴露された。
【0094】
両方の場合に、サンプル固定具を横切る流量及び圧力差をモニタリングした。排ガスの組成は非常に多様であったが、排ガスの典型的な組成は、水銀濃度2μg/m3、SO2濃度20~40ppm、O2濃度6%、NO濃度200ppmを備え、相対湿度は >95%であった。流出ガスの温度は、典型的に50~55℃であった。
【0095】
およそ月に1回(例えば、30日ごと)、サンプルを採取し、XRFによってヨウ素含有量を分析した。ヨウ素含有量を経時的に追跡した。
【0096】
サンプル:
【0097】
例1-収着評価用のAgIを含まないSPCテープ
【0098】
55wt%の木質活性炭(NUCHAR SA-20、Ingevity、サウスカロライナ州、米国)と45wt%のPTFE(SPCの合計wt%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書に教示されている一般的な乾式混合法を使用して調製して、複合材サンプルを形成した。
【0099】
例2-収着評価用のAgIを含まないSPCテープ
【0100】
75wt%の石炭系活性炭(Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国)と25wt%のPTFE(SPCの合計wt%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書に教示されている一般的な乾式混合法を用いて調製して、複合材サンプルを形成した。
【0101】
例3-木質炭素を含むSPCテープ
【0102】
木質活性炭(NUCHAR SA-20、Ingevity、サウスカロライナ州、米国)に、例示的なAgI装填方法1を使用して1wt%のヨウ化銀(AgI)を含浸させた。次に、53wt%の上述のAgI担持活性炭、42wt%のPTFE及び5wt%の硫黄(SPCの総質量%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書に教示されている一般的な乾式混合法を使用して調製して複合材サンプルを形成した。
【0103】
例4-石炭系炭素を含むSPCテープ1
【0104】
石炭系活性炭(Norit Vapure612、Cabot Inc.、テキサス州、米国)に、例示的なAgI装填方法1を使用して1wt%のヨウ化銀(AgI)を含浸させた。次に、72wt%の上記のAgI含浸活性炭、22wt%のPTFE及び6wt%の硫黄(SPCの総質量%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書に教示されている一般的な乾式混合法を使用して調製して複合材サンプルを形成した。
【0105】
例5-石炭系炭素を含むSPCテープ2
【0106】
石炭系活性炭(Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国) に、例示的なAgI装填方法1を使用して1wt%のヨウ化銀(AgI)を含浸させた。次に、72wt%の上記のAgI含浸活性炭、22wt%のPTFE及び6wt%の硫黄(SPCの総質量%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書に教示されている一般的な乾式混合方法を使用して調製して複合材サンプルを形成した。
【0107】
例6-乾燥混合AgIを含むSPCテープ
【0108】
石炭系活性炭(Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国) を、例示的なAgI装填方法3を使用して1wt%のヨウ化銀(AgI)粉末と混合した。 次に、72wt%の上記AgI混合活性炭、22wt%のPTFE、及び6wt%の硫黄(SPCの総質量%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書に教示される一般的な乾式混合方法を使用して調製し、複合材サンプルを形成した。
【0109】
例7-AgIを含まないSPCテープ(比較例)
【0110】
72wt%の石炭系活性炭(Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国)、22wt%のPTFE及び6wt%の硫黄(SPCの総質量%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書で教示されている一般的な乾式混合法を使用して調製して複合材サンプルを形成した。
【0111】
例8-石炭系炭素を含むSPCテープ2
【0112】
石炭系活性炭 (Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国)に、例示的なAgI装填方法2を使用して、8.22wt%のヨウ化銀(AgI)を含浸させた。次に、71wt%の上記のAgI含浸活性炭、24wt%のPTFE、及び6wt%の硫黄(SPCの総質量%に基づく)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成し、米国特許第7,791,861号明細書に教示されている一般的な乾式混合方法を使用して調製して複合材サンプル形成した。
【0113】
その他の金属ハロゲン化物の例
【0114】
他の幾つかの遷移金属ハロゲン化物を試験し、有効な特性があることを確認した。例えば、ヨウ化銅(CuI)を試験し、約30%~約70%の水銀除去効率を有することが判明した。例えば、ヨウ化第二水銀(HgI2)を試験し、乾燥条件下(IPAを含む10 wt%のHgI2を吸収させた木質SA20炭素粉末)で16%を超えるHg除去効率があることが判明した。別の例において、臭化銀(AgBr)もHg除去に効果的であることが判明した。1wt%AgBr含浸PAC-20BFカーボンテープ試験では、Hg除去効率は約35%(25%超、50%未満)であった。別の例において、塩化銀(AgCl)もHg除去に効果的であることが判明した。1wt%AgClを含浸させたPAC-20BFカーボンテープの試験において、Hg除去効率は約30%(20%超、40%未満)であった。
【0115】
図6は、例1及び例2のラングミュア等温決定グラフを示す。例1及び2からのSPCサンプルは、収着等温試験及び上記の方法を使用してフィッティングされたモデルを使用して評価した。
図6は、例1によるサンプルのラングミュアパラメータが、qm=11.81wt%、B=0.88L/ミリモルであったことを示している。
図6は、例2によるサンプルのラングミュアパラメータが、qm=41.81wt%、B=0.34L/ミリモルであったことを示している。さらに、曲線適合(破線)から、遷移金属硝酸銀(AgNO
3)の非ハロゲン化物塩に対して、収着剤が23℃で1,765ミリモル/L以上の吸着容量ラングミュア等温パラメータqmを有することが計算できる。
【0116】
図7に、例3、4及び5の水銀除去効率試験の評価データを示す。例3では、水銀除去効率は26.4%と決定された。例4では、水銀除去効率は55.6%であると決定された。例5では、水銀除去効率は58.8%であると決定された。
【0117】
図8に、例5、6及び7の水銀除去効率試験の評価データを示す。例5では、水銀除去効率は58.8%と決定された。例6では、水銀除去効率は43.3%であると決定された。例7では、水銀除去効率は43.5%であると決定された。
【0118】
図9は、例6の実験室耐久性(模擬暴露)試験からの評価データを示す。例6の耐久性試験は132日間実施された。銀及びヨウ素の含有量を、「保持」サンプル(例えば、初期含有量又は排ガスに「暴露」されなかったサンプル)と個別に比較した。132日間の模擬暴露後でも、評価可能な銀又はヨウ素含有量の損失はないことが判明した。
【0119】
図10は、例8の実験室耐久性(模擬暴露)試験の評価データを示す。例8の耐久性試験は、77日、139日及び200日実施した。銀及びヨウ素の含有量を、「保持」サンプル(例えば、初期含有量又は排ガスに「暴露」されなかったサンプル)と個別に比較した。77、139及び200日間の模擬暴露後でも、評価可能な銀又はヨウ素含有量の損失はないことが判明した。
【0120】
図11は、例8のフィールド耐久試験(石炭火力発電所の湿式排ガス脱硫吸収装置のストリップ流)からの別の評価データを示す。例8の耐久試験は253日間実施した。 銀及びヨウ素の含有量を、「保持」サンプル(例えば、初期含有量又は排ガスに「暴露」されなかったサンプル)と個別に比較した。保持サンプルと比較して、排ガス暴露後に評価可能な銀又はヨウ素含有量の損失がないことが判明した。
【0121】
銀及びヨウ素含有量の評価可能な損失がないという有利かつ予期せぬ結果は、以下のように理解できる。
【0122】
SPCサンプルの様々な例は、SPCの活性炭に捕捉されている水銀の特定の種を決定するために、X線吸収近端分光法(「XANES」)を使用して試験した。XANESは、サンプルを高エネルギーX線(例えば、一般にシンクロトロンからの)に暴露し、X線エネルギーの関数としてX線吸光度を測定及び決定することを含む。近端吸収の位置と形状から、元素の酸化状態に関する情報を得ることができる。適切な標準が提供されていれば、位置と形状を未知のものを識別するためのフィンガープリントとして使用することもできる。
【0123】
本明細書に記載の発見は、AgIが消費されない、反応に参加しない、あるいはその両方であるという点で、AgIが他のヨウ素源(KI、TBAIなど)と比べて異なる働きをすることを示している。むしろ、AgIは、おそらく触媒反応又はその形態への何らかの関与を介して、異なる種の水銀(例えば、HgS)を生成する。
【0124】
図12は、例A及び例BのXANESグラフと、比較としてHgO粉末のグラフを示す。
【0125】
例Aは、AgIをHgに暴露していない非限定的なSPCサンプルである。この例を調製するために、76%の石炭系活性炭(Norit PAC-20B、米国テキサス州キャボット社)及び19%のPTFEを含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成した。SPCは、一般的な乾式混合法を使用して調製された(例えば、米国特許第7791861号明細書を参照されたい)。このサンプルの直径18mmのSPCディスクを、数滴の水銀元素(Hg)を含む密閉容器内に入れた。容器を70℃のオーブンに1時間入れて、SPCを水銀蒸気にさらした。処理されたサンプルの一部をXRFで分析し、約0.6wt%の水銀が含まれていることが示された。
【0126】
例Bは、AgIをHgに暴露した別の非限定的なSPCサンプルである。この例を調製するために、例示的なAgI装填方法2(上記参照)に従って、5wt%のヨウ素銀(AgI)を装填した80wt%の石炭系活性炭 (Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国)及び20wt%のPTFEを含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成した。SPCは、一般的な乾式混合法を使用して調製された(例えば、米国特許第7,791,861号明細書を参照されたい)。このサンプルのSPCの6インチ×1インチのストリップを、数滴の水銀元素(Hg)を含む密閉容器に入れた。容器を60℃のオーブンに66時間入れて、SPCを水銀蒸気にさらした。処理されたサンプルの一部をXRFで分析し、約0.6wt%の水銀を含むことが判明した。
【0127】
図12に示されるように、例A及び例Bを評価して、HgL
111端のXANESスペクトルを取得し、得られたスペクトルを酸化水銀(HgO)の基準スペクトルと比較することにより、例に含まれる水銀種を決定した。XANESスペクトルは、SPC上の水銀が比較により、主にHgOの形で存在していることを示した。活性炭に捕捉された水銀元素は、XANES分析によってHgOの形であることが判明した。XANESスペクトルに新しい特徴が存在しないことは、AgIがHgと有意な程度まで反応しないことを示している。
図13は、例A、例B及び参照HgOスペクトルのHgL
111端のXANESスペクトルの導関数を示す。
図13は、上記の決定に一致し、それを裏付けている。
【0128】
図14は、例C、例D及び例EのXANESグラフと、比較としてHgS粉末のグラフを示す。
【0129】
例Cは、AgIを含まず、硫黄を含む、Hgに暴露された別の非限定的なSPCサンプルである。この例を調製するために、76wt% の石炭系活性炭(Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国)、19wt%のPTFE及び5wt%の硫黄 (S)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成した。SPCは、一般的な乾式混合法(例えば、米国特許第7,791,861号明細書を参照されたい)を使用して調製し、複合材サンプルを形成した。このサンプルの合計7つの直径18mmのSPCディスクを、数滴の水銀元素(Hg)を含む密閉容器内に入れた。容器を70℃のオーブンに19時間入れて、SPCを水銀蒸気にさらした。処理されたサンプルの一部をXRFで分析し、約2.4wt%のHgを含むことが示された。
【0130】
例Dは、AgI及び硫黄を含む、Hgに暴露されたさらに別の非限定的なSPCサンプルである。この例を調製するために例示的なAgI装填方法2に従って、5wt%のAgIを装填した76wt%の石炭系活性炭(Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国)、19wt%のPTFE及び5wt%の硫黄(S)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成した。SPCは、一般的な乾式混合法を使用して調製された(例えば、米国特許第7,791,861号明細書を参照されたい)。このサンプルの合計7つの直径18mmのSPCディスクを、数滴の水銀元素(Hg)を含む密閉容器に入れた。容器を70℃のオーブンに19時間入れて、SPCを水銀蒸気にさらした。処理されたサンプルの一部をXRFで分析し、約4.1wt%のHgを含むことが示された。
【0131】
例Eは、硫黄及びAgI(銀含量が低い)を含み、Hgに暴露された別の非限定的なSPCサンプルである。この例を調製するために、例示的な AgI装填方法2により1wt%のAgIを装填した76wt%の石炭系活性炭(Norit PAC-20B、Cabot Inc.、テキサス州、米国)、19wt%のPTFE及び5wt%の硫黄(S)を含む収着性ポリマー複合材を実験室条件下で作成した。SPCは、一般的な乾式混合法を使用して調製された(例えば、米国特許第7,791,861号明細書を参照されたい)。このサンプルの合計7つの直径18mmのSPCディスクを、数滴の水銀元素(Hg)を含む密閉容器に入れた。容器を70℃のオーブンに165時間入れた。処理されたサンプルの一部をXRFで分析し、約4.6wt%のHg を含むことが示された。
【0132】
図14に示すように、例C、D及びEを、HgL
111端のXANESを介してどのような水銀種が含まれているかを決定するために評価した。スペクトルは硫化水銀(HgS)の参照スペクトルと比較された。例C、D及びEのXANESスペクトルは、SPC上の水銀が主にHgSの形態で存在することを示した。XANESスペクトルに新しい特徴が存在しないことは、AgIがHgと有意な程度まで反応しないことを示している。AgIに関連する可能性のある新しい水銀種の証拠は存在しなかった。
図15は、例C、D、EのHgL
111端のXANESスペクトル及び参照HgSスペクトルの導関数を示す。
図15は、上記の決定と一致し、それを裏付けている。
【0133】
驚くべきことに、HgとAgIの反応に関する証拠はなかったが、吸収された水銀の量は例C(2.4%)から例D(4.1%)及び例E(4.6%)へと劇的に増加し、AgIの強力な促進効果を示唆した。
【0134】
幾つかの実施形態において、SPCは、収着剤として不活性な非炭素質担体を利用する。すなわち、幾つかの実施形態によれば、収着剤は炭素を含まない。幾つかの実施形態において、収着剤は炭素担体と非炭素質担体の両方を含む。
【0135】
非炭素質担体の非限定的な例は、以下のように製造することができる。50℃の温度に保たれた液体トルエン10mLを入手し、継続的に撹拌しながら、デカンテーションによって過剰の元素硫黄をMS-3030メソポーラスシリカ(PQコーポレーション、バレーフォージ、ペンシルベニア州、米国)10gに加える。次にトルエンを120℃で蒸発させ、サンプルを乾燥させる(例えば、一晩)。次の工程において、0.2gの硝酸銀(AgNO3)を含む水溶液10mLを、継続的に撹拌しながら硫黄を豊富に含むシリカ担体に添加する。次に、過剰な水を120℃で蒸発させ、サンプルを乾燥させる(例えば、一晩)。次に、AgNO3と硫黄を豊富に含むサンプルを、別の開いたバイアルに入った過剰な元素ヨウ素を含む密閉容器に入れる。次に、密閉容器を60℃のオーブンに入れる(例えば、一晩)。次に容器をパージし、ヨウ素バイアルを取り除く。次いで、120℃での最終乾燥工程を実行して、残留する元素ヨウ素を除去し、幾つかの実施形態による、収着剤である、又は収着剤の一部であることができる非炭素質担体を生成する。
【0136】
上記に従って作成されたサンプルをEDXによって評価した。試験結果は、ヨウ素(I)と銀(Ag)の化学量論比を示し、AgNO3から AgIへの直接変換を示している。上記の手順により、AgIは均一に分布し、元素硫黄(S)と同じ位置にあり、反応性の高いAgIが最後のHgアクセプタの硫黄の周囲にシェルを形成すると予想される。
【0137】
本明細書に記載される例は、同様の結果、同様の特性、同様の利点又はそれらの組み合わせを有することが試験された、又は有することが期待される様々な実施形態及びそれらの組み合わせの非限定的な代表例である。
【0138】
本明細書で使用される用語は、実施形態を記載することを意図しており、限定することを意図したものではない。「a」、「an」及び「the」という用語には、特に明記されていない限り、複数形も含まれる。「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用されるときに、記載された特徴、整数、工程、操作、要素及び/又は構成要素の存在を指すが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、操作、要素及び/又は構成要素の存在又は追加を排除するものではない。
【0139】
本開示の範囲から逸脱することなく、特に使用される構成材料及び部品の形状、サイズ、及び配置に関して詳細部の変更が可能であることを理解されたい。この明細書及び説明される実施形態は例であり、本開示の真の範囲及び主旨は特許請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
本開示の範囲から逸脱することなく、特に使用される構成材料及び部品の形状、サイズ、及び配置に関して詳細部の変更が可能であることを理解されたい。この明細書及び説明される実施形態は例であり、本開示の真の範囲及び主旨は特許請求の範囲によって示される。以下、本発明の態様を列挙する。
(態様1)
ポリマーと、収着剤とを含んでなり、
該収着剤は微細構造を含み、さらに該微細構造は遷移金属ハロゲン化物を含む、
収着性ポリマー複合材(SPC)。
(態様2)
硫黄をさらに含む、態様1記載のSPC。
(態様3)
前記硫黄は元素硫黄を含む、態様2記載のSPC。
(態様4)
前記硫黄は、前記SPCの総質量に基づいて0.1wt%~20wt%の範囲の量で存在する、態様2又は3記載のSPC。
(態様5)
前記硫黄は、前記SPCの総質量に基づいて3wt%~5wt%の範囲の量で存在する、態様2又は3記載のSPC。
(態様6)
前記遷移金属ハロゲン化物は、遷移金属塩化物、遷移金属臭化物、遷移金属フッ化物、遷移金属ヨウ化物のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様1~5のいずれか1項記載のSPC。
(態様7)
前記遷移金属ハロゲン化物は、ニッケル、鉛、銅、マンガン、鉄、水銀、銀、白金のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様1~6のいずれか1項記載のSPC。
(態様8)
前記遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含む、態様1~7のいずれか1項記載のSPC。
(態様9)
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ素(I)を含む、態様1~8のいずれか1項記載のSPC。
(態様10)
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む、態様1~7のいずれか1項記載のSPC。
(態様11)
前記SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に変化しない、態様8又は10記載のSPC。
(態様12)
前記SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して低下しない、態様8又は10記載のSPC。
(態様13)
前記SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、ヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に変化しない、態様9~10のいずれか1項記載のSPC。
(態様14)
前記収着剤は、遷移金属非ハロゲン化物塩の硝酸銀(AgNO
3
)に対して、23℃で1,765ミリモル/L以上の吸着容量ラングミュア等温パラメータqmを有する、態様1~13のいずれか1項記載のSPC。
(態様15)
前記ポリマーはフルオロポリマーを含む、態様1~14のいずれか1項記載のSPC。
(態様16)
前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、態様1~15のいずれか1項記載のSPC。
(態様17)
前記遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて、前記SPC中に0.1wt%~20wt%の量で存在する、態様1~16のいずれか1項記載のSPC。
(態様18)
前記遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて、前記SPC中に0.1wt%~6wt%の量で存在する、態様1~14のいずれか1項記載のSPC。
(態様19)
前記収着剤は、活性炭、シリカゲル、ゼオライト又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様1~18のいずれか1項記載のSPC。
(態様20)
前記収着剤は活性炭を含む、態様1~19のいずれか1項記載のSPC。
(態様21)
前記活性炭は炭素源に由来し、前記炭素源は石炭、亜炭、木材、ヤシ殻又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様20記載のSPC。
(態様22)
元素硫黄をさらに含み、
前記収着剤は活性炭を含み、かつ
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)である、態様1記載のSPC。
(態様23)
ポリマー及び収着剤を含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得ること、
遷移金属非ハロゲン化物塩を得ること、
非遷移金属ハロゲン化物を得ること、
該遷移金属非ハロゲン化物塩を該収着剤に適用して、該遷移金属非ハロゲン化物塩を該収着剤の微細構造内に組み込むこと、及び、
該非遷移金属ハロゲン化物を該収着剤に適用して、該非遷移金属ハロゲン化物を該遷移金属非ハロゲン化物塩と反応させ、それにより該収着剤の微細構造内に遷移金属ハロゲン化物を生成すること、
を含んでなる方法。
(態様24)
前記収着剤の前記微細構造内に非遷移金属塩がさらに形成され、そして
前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することをさらに含む、態様23記載の方法。
(態様25)
前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することは、
溶媒を使用して前記収着剤から前記非遷移金属塩を溶解することを含む、態様24記載の方法。
(態様26)
前記溶媒は、水、メタノール、エタノール又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様25記載の方法。
(態様27)
前記非遷移金属ハロゲン化物は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アンモニウムハロゲン化物のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様23~26のいずれか1項記載の方法。
(態様28)
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は遷移金属硝酸塩を含む、態様23~27のいずれか1項記載の方法。
(態様29)
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は、遷移金属硫酸塩、遷移金属亜硫酸塩、遷移金属亜硝酸塩、遷移金属硝酸塩、金属酢酸塩、遷移金属塩素酸塩、遷移金属過塩素酸塩のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様23~28のいずれか1項記載の方法。
(態様30)
前記収着剤は活性炭を含み、
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は硝酸銀(AgNO
3
)を含み、
前記非遷移金属ハロゲン化物はヨウ化カリウム(KI)であり、そして
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)であり、そして
前記遷移金属非ハロゲン化物塩と非遷移金属ハロゲン化物との反応は:
AgNO
3
+KI→AgI+KNO
3
を含む、態様23記載の方法。
(態様31)
前記SPCは元素硫黄(S)を含む、態様23~30のいずれか1項記載の方法。
(態様32)
前記遷移金属は銀(Ag)である、態様23~31のいずれか1項記載の方法。
(態様33)
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は溶液として前記収着剤に適用される、態様23~32のいずれか1項記載の方法。
(態様34)
前記溶液は、前記溶液を前記収着剤上にスプレーすること、前記収着剤を前記溶液に浸漬すること、又はそれらの任意の組み合わせによって適用される、態様33記載の方法。
(態様35)
前記溶液は、水中に1ミリモル/L~100ミリモル/Lの遷移金属非ハロゲン化物塩を含む、態様31又は態様34記載の方法。
(態様36)
遷移金属ハロゲン化物と硫黄とを含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得、そして
水銀を含むガスを流して該SPCと接触させ、該遷移金属ハロゲン化物が触媒として作用する水銀と硫黄との触媒反応によって硫化水銀(HgS)を形成させる、方法。
(態様37)
前記遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含む、態様36記載の方法。
(態様38)
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、前記SPCの銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、態様37記載の方法。
(態様39)
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ素又はヨウ化物(I)を含む、態様36記載の方法。
(態様40)
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCのヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、態様39記載の方法。
(態様41)
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む、態様36記載の方法。
(態様42)
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCのヨウ化銀(AgI)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、態様41記載の方法。
(態様43)
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCの銀(Ag)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、態様41記載の方法。
(態様44)
前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、
前記SPCの銀(Ag)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して減少しない、態様41記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと、収着剤とを含んでなり、
該収着剤は微細構造を含み、さらに該微細構造は遷移金属ハロゲン化物を含む、
収着性ポリマー複合材(SPC)。
【請求項2】
元素硫黄をさらに含む、請求項1記載のSPC。
【請求項3】
前記元素硫黄は、前記SPCの総質量に基づいて3wt%~5wt%の範囲の量で存在する、請求項2記載のSPC。
【請求項4】
前記遷移金属ハロゲン化物は遷移金属ヨウ化物であり、かつ、ニッケル、鉛、銅、マンガン、鉄、水銀、銀、白金のうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項記載のSPC。
【請求項5】
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)を含む、請求項1~3のいずれか1項記載のSPC。
【請求項6】
前記SPCは、水銀(Hg)と反応するための少なくとも6ヶ月の運転使用のために構成され、銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月の運転使用全体を通して実質的に変化しない、又は低下しない、請求項5記載のSPC。
【請求項7】
前記収着剤は、遷移金属非ハロゲン化物塩の硝酸銀(AgNO
3
)に対して、23℃で1,765ミリモル/L以上の吸着容量ラングミュア等温パラメータqmを有する、請求項1~3のいずれか1項記載のSPC。
【請求項8】
前記ポリマーはフルオロポリマーを含む、請求項1~3のいずれか1項記載のSPC。
【請求項9】
前記遷移金属ハロゲン化物は、SPCの総質量に基づいて、前記SPC中に0.1wt%~20wt%の量で存在する、請求項1~3のいずれか1項記載のSPC。
【請求項10】
前記収着剤は、活性炭、シリカゲル、ゼオライト又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項記載のSPC。
【請求項11】
ポリマー及び収着剤を含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得ること、
遷移金属非ハロゲン化物塩を得ること、
非遷移金属ハロゲン化物を得ること、
該遷移金属非ハロゲン化物塩を該収着剤に適用して、該遷移金属非ハロゲン化物塩を該収着剤の微細構造内に組み込むこと、及び
該非遷移金属ハロゲン化物を該収着剤に適用して、該非遷移金属ハロゲン化物を該遷移金属非ハロゲン化物塩と反応させ、それにより該収着剤の微細構造内に遷移金属ハロゲン化物を生成すること、
を含んでなる方法。
【請求項12】
前記収着剤の前記微細構造内に非遷移金属塩がさらに形成され、そして
前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することを含み、さらに
前記収着剤から前記非遷移金属塩を除去することは、溶媒を使用して前記収着剤から前記非遷移金属塩を溶解することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記収着剤は活性炭を含み、
前記遷移金属非ハロゲン化物塩は硝酸銀(AgNO
3
)を含み、
前記非遷移金属ハロゲン化物はヨウ化カリウム(KI)であり、
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ化銀(AgI)であり、そして
前記遷移金属非ハロゲン化物塩と前記非遷移金属ハロゲン化物との反応は:
AgNO
3
+KI→AgI+KNO
3
を含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
遷移金属ハロゲン化物と硫黄とを含む収着性ポリマー複合材(SPC)を得、そして
水銀を含むガスを流して該SPCと接触させ、該遷移金属ハロゲン化物が触媒として作用する水銀と硫黄との触媒反応によって硫化水銀(HgS)を形成させる、方法。
【請求項15】
前記遷移金属ハロゲン化物は銀(Ag)を含み、かつ、前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、前記SPCの銀(Ag)の濃度は少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記遷移金属ハロゲン化物はヨウ素又はヨウ化物(I)を含み、かつ、前記ガスを流すことは少なくとも6ヶ月間行われ、前記SPCのヨウ素又はヨウ化物(I)の濃度は、少なくとも6ヶ月全体を通して実質的に変化しない、請求項14記載の方法。
【国際調査報告】