(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】瞬間冷却のための冷却装置
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20240918BHJP
F28D 7/02 20060101ALI20240918BHJP
F25D 31/00 20060101ALI20240918BHJP
F25D 3/02 20060101ALI20240918BHJP
B67D 1/08 20060101ALN20240918BHJP
B67D 3/00 20060101ALN20240918BHJP
【FI】
F25D11/00 102E
F28D7/02
F25D31/00
F25D3/02
B67D1/08 A
B67D3/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516930
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 KR2022018897
(87)【国際公開番号】W WO2023096424
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0164330
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524100080
【氏名又は名称】ジーエスアイ カンパニーリミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、サ オン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒョン ミ
【テーマコード(参考)】
3E082
3L044
3L045
3L103
【Fターム(参考)】
3E082BB01
3E082EE02
3L044AA04
3L044BA05
3L044CA03
3L044DC01
3L044KA04
3L045AA04
3L045BA04
3L045CA01
3L045PA04
3L103AA37
3L103BB33
3L103BB35
3L103BB44
3L103CC02
3L103CC17
3L103DD05
(57)【要約】
本開示は、冷却が求められる被冷却水が流入する流入口を有する入水パイプと、流入口を介して流入した被冷却水を冷却させた冷水が排出される排水口を有するハウジングと、ハウジングの外側面に螺旋状に囲むように設けられた冷媒循環配管と、冷媒循環配管によってハウジングの内側壁に形成された螺旋状の氷スパイラルとを含む、冷却装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却が求められる被冷却水が流入する流入口を有する入水パイプと、
前記流入口を介して流入した前記被冷却水を冷却させた冷水が排出される排水口を有するハウジングと、
前記ハウジングの外側面に螺旋状に囲むように設けられた冷媒循環配管と、
前記冷媒循環配管によって前記ハウジングの内側壁に形成された螺旋状の氷スパイラルと、
を含む冷却装置。
【請求項2】
前記ハウジング内に設けられ、内部に前記入水パイプが長手方向に沿って挿入されるように設けられた冷却パイプ
を更に含み、前記氷スパイラルは前記入水パイプまたは前記冷却パイプの内部には形成されない、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
冷却パイプの一端部には、前記ハウジングの内側壁に向かって貫通形成された第1通路
を含み、
前記第1通路は、多数の微細孔が形成された形態である、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記入水パイプおよび冷却パイプの内部で流動する前記被冷却水は予備冷却され、前記冷却パイプの外部で前記氷スパイラルに沿って回動する前記被冷却水は集中冷却される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
冷却パイプと前記ハウジングとの間に設けられた第1および第2インナーパイプ
を更に含み、
前記被冷却水は、前記入水パイプの一端に設けられた前記流入口を介して流入して、前記入水パイプの他端に設けられた第1開口部を介して排出され、前記第1開口部から排出された前記被冷却水は、前記冷却パイプの閉鎖された他端部によって方向が転換されて、前記冷却パイプの長手方向に沿って流動した後、前記第1インナーパイプに流入し、
前記第1インナーパイプに流入した前記被冷却水は、前記第1インナーパイプの長手方向に沿って流動した後、前記第1インナーパイプの他端に設けられた第2開口部を介して排出され、
前記第2開口部を介して排出された前記被冷却水は、前記第2インナーパイプの内側壁の長手方向に沿って流動し、前記氷スパイラルに沿って回動した後、前記第2インナーパイプの一端に貫通形成された第2通路を介して前記ハウジングの内側壁に流入し、
前記ハウジングの内側壁に流入した前記被冷却水は、前記ハウジングの内側壁の長手方向に沿って流動し、前記氷スパイラルに沿って回動した後、前記排水口へ排出される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記第2通路は多数の微細孔が形成された形態である、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記冷却パイプの閉鎖された他端部は、両端が開口した管状のパイプに別体のカバー部材が結合されて形成される、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記カバー部材は、
同心に設けられた複数の溝に前記冷却パイプおよび前記第2インナーパイプが嵌合されて、前記冷却パイプおよび前記第2インナーパイプに閉鎖された他端部を形成させる、請求項7に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記カバー部材は、
前記複数の溝のうちの一部には、縁のうちの少なくとも一部の深さが深く、流体が半径方向に流動することができる流路を形成させる、請求項8に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記ハウジングの外側面に設けられ、前記ハウジングを囲むように設けられた保温材
を更に含む、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記排水口に設けられたバルブ
を更に含み、
前記バルブは、前記排水口を介して排出される冷水と、前記冷水よりも高い温度の流体とを混合し、混合によって温度が調節された混合水を排出する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記排水口に前記被冷却水が流入し、前記流入口から冷水が排出される、請求項1~3のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記排水口に沿って流入した前記被冷却水は、前記氷スパイラルに沿って回動して予備冷却される、請求項12に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記流入口と前記排水口は、前記ハウジングの一側と同じ方向に設けられる、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、被冷却水が流入する入水口を有する前記入水パイプと、前記入水パイプの外側に離隔するように設けられた第3インナーパイプと、前記第3インナーパイプの外側に離隔するように設けられた冷却パイプとを含み、前記冷却パイプの外側に冷水が排出される前記排水口が設けられている、請求項14に記載の冷却装置。
【請求項16】
前記排水口に前記被冷却水が流入し、前記流入口から冷水が排出される、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項17】
前記ハウジングの少なくとも一側には、両端が開口した管状の前記入水パイプ、前記第3インナーパイプ、および前記冷却パイプのうちの少なくとも1つの一端または他端を選択的に遮断する少なくとも1つのカバー部材が設けられる、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記流入口または前記排水口の周辺に設けられた前記カバー部材は、内部の空気が外部に排気されることができるように、少なくとも1つのエアホールを含む、請求項17に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器、冷温水機、冷蔵庫など、冷却が求められる被冷却水を瞬間冷却させて冷水を作ることができる冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水器や冷温水機などでは、原水である常温水を冷却するために冷水タンクを用いて、冷水タンクに貯蔵された水を冷却させて貯蔵した後、冷水排出操作により冷水タンクに貯蔵された冷水は外部へ排出されることができる。
【0003】
このように冷水タンクを用いて内部に貯蔵された被冷却水を冷却させる場合、冷水タンク内部に貯蔵された水が汚染されることを防ぐため、冷水排出を行わないときにも冷却のために電気エネルギーの消費される。また、冷水タンクに貯蔵された水を使い切った場合、再び冷水を作るまでに時間がかかる。
【0004】
従って、被冷却水である常温水などを瞬間冷却させて排出することができる技術に対する要求が高まっている。本発明者は、韓国特許登録番号第10-1804385号において、瞬間冷却が可能な装置を提示した。
【0005】
本発明者は、別の方法で被冷却水を瞬間冷却させて冷水を作ることのできる別の方法を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、被冷却水を短時間で冷却させて冷水を作るための冷却装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、冷却が求められる被冷却水が流入する流入口を有する入水パイプと、前記流入口を介して流入した前記被冷却水を冷却させた冷水が排出される排水口を有するハウジングと、ハウジングの外側面に螺旋状に囲むように設けられた冷媒循環配管と、冷媒循環配管によってハウジングの内側壁に形成された螺旋状の氷スパイラルとを含む、冷却装置を提供する。
【0008】
一実施形態により、ハウジング内に設けられ、内部に前記入水パイプが長手方向に沿って挿入されるように設けられた冷却パイプを更に含み、前記氷スパイラルは前記入水パイプまたは前記冷却パイプの内部には形成されなくてもよい。
【0009】
一実施形態により、前記冷却パイプの一端部には、前記ハウジングの内側壁に向かって貫通形成された第1通路を含み、前記第1通路は、多数の微細孔が形成された形態であってもよい。
【0010】
一実施形態により、前記冷却パイプと前記ハウジングとの間に設けられた第1および第2インナーパイプを更に含み、前記被冷却水は、前記入水パイプの一端に設けられた前記流入口を介して流入して、前記入水パイプの他端に設けられた第1開口部を介して排出され、前記第1開口部から排出された前記被冷却水は、前記冷却パイプの閉鎖された他端部によって方向が転換されて、前記冷却パイプの長手方向に沿って流動した後、前記第1インナーパイプに流入し、前記第1インナーパイプに流入した前記被冷却水は、前記第1インナーパイプの長手方向に沿って流動した後、前記第1インナーパイプの他端に設けられた第2開口部を介して排出され、前記第2開口部を介して排出された前記被冷却水は、前記第2インナーパイプの内側壁の長手方向に沿って流動し、前記氷スパイラルに沿って回動した後、前記第2インナーパイプの一端に貫通形成された第2通路を介して前記ハウジングの内側壁に流入し、前記ハウジングの内側壁に流入した前記被冷却水は、前記ハウジングの内側壁の長手方向に沿って流動し、前記氷スパイラルに沿って回動した後、前記排水口へ排出されてもよい。
【0011】
一実施形態により、前記第2通路は多数の微細孔が形成された形態であってもよい。
【0012】
一実施形態により、前記冷却パイプの閉鎖された他端部は、両端が開口した管状のパイプに別体のカバー部材が結合されて形成されてもよい。
【0013】
一実施形態により、前記カバー部材は、同心に設けられた複数の溝に前記冷却パイプおよび前記第2インナーパイプが嵌合されて、前記冷却パイプおよび前記第2インナーパイプに閉鎖された他端部を形成させてもよい。
【0014】
一実施形態により、前記カバー部材は、前記複数の溝のうちの一部には、縁のうちの少なくとも一部の深さが深く、流体が半径方向に流動することができる流路を形成させてもよい。
【0015】
一実施形態により、前記ハウジングの外側面に設けられ、前記ハウジングを囲むように設けられた保温材を更に含んでもよい。
【0016】
一実施形態により、前記排水口に設けられたバルブを更に含み、前記バルブは、前記排水口を介して排出される冷水と、前記冷水よりも高い温度の流体とを混合し、混合によって温度が調節された混合水を排出してもよい。
【0017】
一実施形態により、前記排水口に前記被冷却水が流入し、前記流入口から冷水が排出されてもよい。
【0018】
一実施形態により、前記排水口に沿って流入した前記被冷却水は、前記氷スパイラルに沿って回動して予備冷却されてもよい。
【0019】
一実施形態により、前記流入口と前記排水口は、前記ハウジングの一側と同じ方向に設けられてもよい。
【0020】
一実施形態により、前記ハウジングは、被冷却水が流入する前記入水口を有する前記入水パイプと、前記入水パイプの外側に離隔するように設けられた第3インナーパイプと、前記第3インナーパイプの外側に離隔するように設けられた冷却パイプとを含み、前記冷却パイプの外側に冷水が排出される前記排水口が設けられてもよい。
【0021】
一実施形態により、前記排水口に前記被冷却水が流入し、前記流入口から冷水が排出されてもよい。
【0022】
一実施形態により、前記ハウジングの少なくとも一側には、両端が開口した管状の前記入水パイプ、前記第3インナーパイプ、および前記冷却パイプのうちの少なくとも1つの一端または他端を選択的に遮断する少なくとも1つのカバー部材が設けられてもよい。
【0023】
一実施形態により、前記流入口または前記排水口の周辺に設けられた前記カバー部材は、内部の空気が外部に排気されることができるように、少なくとも1つのエアホールを含んでもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態に係る冷却装置は、外部から流入した被冷却水を短時間に冷却させて冷水を作ることができる。
【0025】
内部に重なって設けられたパイプにより、冷媒循環配管により過冷却が行われたとしても、外部から被冷却水が流入する入水パイプにまで完全結氷されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一実施形態に係る冷却装置の外観を示した図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る冷却装置の縦断面を示した図である。
【
図3】
図2の冷却装置で流体が流路に沿って流動する様子を示した図である。
【
図4】本開示の他の一実施形態に係る冷却装置の縦断面を示した図である。
【
図5】
図4の冷却装置で流体が流路に沿って流動する様子を示した図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係るるカバー部材が結合された様子を示した図である。
【
図8】本開示の他の一実施形態に係る冷却装置の外観を示した図である。
【
図9】本開示の他の一実施形態に係る冷却装置の縦断面を示した図である。
【
図10】本開示の他の一実施形態に係る冷却装置のエアホールを示した図である。
【
図11】本開示の他の一実施形態に係る冷却装置のエアホールを示した図である。
【
図12】本開示の他の一実施形態に係る冷却装置の内部空気がエアホールに沿って外部に排気される流路を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本明細書に開示された実施形態を詳しく説明するが、図面符号に関係なく同一または類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略することとする。以下の説明で用いられる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書の作成の容易さのみを考慮して付与または混用されるものであり、それ自体で互いに区別される意味または役割を持つものではない。本明細書に開示された実施形態を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。添付の図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものにすぎず、添付の図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されるものでなく、本開示の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0028】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、または「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されるべきである。ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、または「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0029】
単数の表現は文脈上明らかに異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。
【0030】
本明細書で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0031】
図1は、本開示の一実施形態に係る冷却装置の外観を示した図である。
図2は、本開示の一実施形態に係る冷却装置の縦断面を示した図である。
【0032】
本開示の一実施例係る冷却装置は、水を瞬間冷却のための冷却装置である。
図1および
図2に示すように、本開示の一実施形態に係る冷却装置は、ハウジング10を含む。ハウジング10は、第一端側に流入口11が設けられ、第二端側に排水口12が設けられている。ハウジング10の外側面には冷媒循環配管20が設けられている。冷媒循環配管20は、ハウジング10の外側面を螺旋状に囲むように設けられている。流入口11は冷却が求められる被冷却水が流入する。排水口12は冷却された冷水を排出することができる。このとき、冷媒循環配管20によって冷却された冷気により被冷却水が冷却される。
【0033】
なお、
図1および
図2に示した構成要素は必須ではなく、それよりも多くの構成要素を有するか、それよりも少ない構成要素を有する冷却装置が具現され得ることは勿論である。
【0034】
以下、各構成要素について説明する。
【0035】
ハウジング10は冷却装置の外観を形成するものである。ハウジング10の第一端側には流入口11を有する入水パイプ110が挿入されている。ハウジング10の第二端側には流入口11を介して流入した被冷却水が冷却された冷水が排出される排水口12を有する。
【0036】
排水口12はハウジング10の第二端側に設けられている。排水口12は、ハウジング10の内部で形成された冷水が排出される流路を形成することができる。排水口12はハウジング10の内部に設けられたパイプの数に応じて流入口11と同じ方向に設けられてもよい。本開示に係る冷却装置においては、流入口11および排水口12の位置について特に限定しない。
【0037】
入水パイプ110は長手方向の両端部に開口が形成された管形状を有する。入水パイプ110は第一端部に被冷却水が流入する流入口11が形成されている。流入口11はハウジング10の外部に設けられてもよいが、本開示に係る冷却装置では流入口11の位置について特に限定しない。
【0038】
ハウジング10の第一端側に挿入された入水パイプ110の第二端部はハウジング10の内部に設けられてもよい。入水パイプ110の第二端部、すなわち排水口12側の端部には第1開口部111が形成されてもよい。この構成により、流入口11を介して流入した被冷却水は、入水パイプ110に沿って流動した後、第1開口部111から排出される。
【0039】
入水パイプ110の第二端部には、一端部が閉鎖された冷却パイプ120が設けられてもよい。冷却パイプ120の閉鎖された一端部が入水パイプ110の第二端部を離隔して覆った状態を有するように冷却パイプ120が設けられてもよい。
【0040】
管状の冷却パイプ120はハウジング10の内部に設けられていてもよい。入水パイプ110は冷却パイプ120の内部に長手方向に沿って挿入されるように設けられてもよい。一端部が閉鎖された冷却パイプ120は、閉鎖された一端部が入水パイプ110の第1開口部111を覆うように設けられてもよい。
【0041】
本開示の一実施形態により、
図7に示されるように、一端部が閉鎖された冷却パイプ120は、開口した両端部のうちのいずれかの一端部に別体のカバー部材50が結合された構成でもよい。
【0042】
本開示の一実施形態に係るカバー部材50は、同心配置された複数のパイプのうちの少なくとも一端部を覆って結合することにより、複数のパイプのうちの少なくともいずれか1つの一端部を選択的に閉鎖または開放することができる。
【0043】
具体的には、カバー部50は、パイプの断面と対応する円形または四角形を有する。カバー部材50の一面には、複数のパイプを結合することができる複数の溝51が形成されている。複数の溝51のうちの一部には冷却パイプ120および第2インナーパイプ125が完全に嵌合される。これにより冷却パイプ120および第2インナーパイプ125には、閉鎖された第二端部を形成させることができる。
【0044】
複数の溝51のうち他の一部には入水パイプ110または第1インナーパイプ115が嵌め込まれる。入水パイプ110または第1インナーパイプ115が嵌め込まれた溝51の縁のうちの少なくとも一部は他の部分よりも深さが深い構成であると、流体が流動することができる流路として、第1開口部111または第2開口部115aを形成することができる。
【0045】
これにより、
図3に示したように、入水パイプ110の一端部に設けられた流入口11を介して流入した被冷却水は、入水パイプ110に沿って流動して他端部の第1開口部111から排出される。その結果、入水パイプ110の第1開口部から排出された被冷却水は、入水パイプ110に覆われた冷却パイプ120の閉鎖された一端部によって流動方向が変えられ、冷却パイプ120の内側壁に沿って流動することができる。
【0046】
冷却パイプ120の内側壁に沿って流動した被冷却水は、流入口11側の端部に外側方向、すなわちハウジング10の内側壁に向かって貫通して形成された第1通路を介して半径方向に流動することができる。第1通路を通過した被冷却水は、再びハウジング10の内側壁に沿って反対方向に流動し、後述するように、氷スパイラル30に沿って回流を形成することができる。
【0047】
すなわち、ハウジング10の内側壁には、ハウジング10の内周面に沿って囲んだ形態の螺旋状の氷スパイラル30を含むことができる。
【0048】
ハウジング10の外側面には、氷スパイラル30に沿って形成された、すなわちハウジング10を螺旋状に囲んだ形態の冷媒循環配管20が設けられてもよい。
【0049】
冷媒循環配管20の内部には冷媒が流動することにより、その周辺を冷却させることができる。一例として、冷媒循環配管20は、冷凍サイクルを構成する圧縮機、凝縮機、蒸発機および膨脹バルブのうち蒸発機に相応するものである。蒸発機は、膨脹バルブから流入した低温低圧の液体冷媒を蒸発させ、周囲と熱交換することができる。すなわち、蒸発機で蒸発した低温低圧の気体冷媒を吸入した圧縮機は冷媒を加圧する。加圧された冷媒が凝縮機で凝縮して液化されることができるように凝縮温度に相応する飽和圧力まで加圧させることができる。凝縮機は圧縮機で圧縮されて吐出される高温高圧の気体冷媒を周囲の空気と熱交換させることにより、高温の気体冷媒は熱を放出して凝縮液化される。膨脹バルブは凝縮機によって凝縮液化された高温高圧の液体冷媒を絞り作用により低温低圧の液体冷媒に変換させることができる。
【0050】
ハウジング10の外周面に、螺旋状に囲むように設けられた冷媒循環配管20によって、ハウジング10の内周面には流入口11を介して流入した被冷却水が冷却される。ハウジング10を冷媒循環配管20で囲んだ形態により螺旋状の氷、すなわち氷スパイラル30を形成できる。
【0051】
これにより、冷却パイプ120の一端部に形成された第1通路を介して半径方向に流動した被冷却水は、螺旋状の氷スパイラル30と接触し、その形態によって回動しながら流動することができる。
【0052】
第1通路を介して冷却パイプ120の半径方向に流動した被冷却水は、螺旋状の氷スパイラル30に沿って、すなわち
図3に示したf3流路に沿って流動し、氷スパイラル30に沿って流動する被冷却水を排水口12に誘導させることができる。
【0053】
冷媒循環配管20によって形成された氷スパイラル30は、
図2および
図3に示したように、断面視で、ハウジング10の長手方向に沿って形成された隣接する氷の間に離隔形成され、被冷却水が流動することができる流路を形成することが好ましい。
【0054】
言い換えれば、氷スパイラル30はハウジング10の縦断面上長手方向に沿って形成された隣接する氷の間に互いに離隔形成されるように、ハウジング10の外周面に冷媒循環配管20を配置して形成することが好ましい。
【0055】
これにより、被冷却水は螺旋状の氷スパイラル30の表面に接触した状態で排水口12に向かって流動し、被冷却水は氷との接触時間が増大するとともに氷との接触面積が広くなることで熱交換効率が増大し、被冷却水の冷却効率を高めることができる。
【0056】
氷スパイラル30は、
図2および
図3に示したように、ハウジング10の内側方向に突出して形成されてもよい。突出して形成された氷スパイラル30の内側端部は、冷却パイプ120の外側壁まで形成されるか、または冷却パイプ120の内側の少なくとも一部まで形成されることができるように構成し、入水パイプ110の内部には形成されないことが好ましい。言い換えると、氷スパイラル30は、入水パイプ110の内部を除く領域に形成されることが好ましい。
【0057】
本開示は、特に限定しないが、冷却パイプ120の一端部、すなわち流入口11側端部に形成された第1通路(不図示)は管壁に貫通して形成される。第1通路は、冷却パイプ120の長手方向に沿って流動した被冷却水がハウジング10の内側壁に向かう半径方向に流動することができるように、その流路を形成することができる。
【0058】
第1通路は、多数の微細孔が形成された形態であってもよい。第1通路は、多数の微細孔が形成された形態であってもよい。これにより、第1通路を通過する被冷却水を微細噴射できるように構成することが好ましい。
【0059】
第1通路を通過して微細噴射された被冷却水は、氷スパイラル30の表面に接触する面積が広くなることにより、被冷却水の冷却効率を向上させることができる。
【0060】
本開示の一実施形態による冷却装置において、流入口11を介して流入した被冷却水が排水口12を介して排出される過程で形成される被冷却水の流路を説明すると、
図3に示したとおりである。
【0061】
図3に示したように、本開示の一実施形態による冷却装置において、流入口11を介して流入した被冷却水は、入水パイプ110に沿って流動してf1流路を形成する。
【0062】
入水パイプ110の第一端部に設けられた流入口11を介して流入した被冷却水は、入水パイプ110の長手方向に沿って流動して第二端部の第1開口部111から排出される。第1開口部111から排出された被冷却水は、第二端部を覆った冷却パイプ120によって再び反対方向に冷却パイプ120の長手方向に沿って流動してf2流路を形成する。
【0063】
入水パイプ110および冷却パイプ120に沿って内側で流動する被冷却水は、氷スパイラル30に直接接触しないが、冷媒循環配管20および氷スパイラル30によって形成された冷気により予備冷却される。
【0064】
その後、冷却パイプ120の流入口11側端部に形成された第1通路を介して半径方向に流動した被冷却水は、螺旋状の氷スパイラル30に沿って排水口12側に向かって回動することでf3流路を形成する。このとき被冷却水は、氷スパイラル30と直接接触することで集中冷却される。
【0065】
このように流入口11を介してハウジング10の内部に流入した被冷却水は、予備冷却および集中冷却過程を経ることで、短時間に冷却される。
【0066】
図4は、本開示の他の一実施形態に係る冷却装置の縦断面を示した図である。
図5は、
図4の冷却装置で流体が流路に沿って流動する状態を示した図である。
図6は、
図4の冷却装置の横断面を示した図である。
【0067】
図4および
図6に示したように、本開示のさらに他の一実施形態に係る冷却装置は、冷却パイプ120とハウジング10との間に設けられた第1インナーパイプ115と、第2インナーパイプ125とを含んでもよい。第1インナーパイプ115は内殻を形成し、第2インナーパイプ125は外殻を形成するように第1および第2インナーパイプ115、125は順次配置される。
【0068】
第1インナーパイプ115の第二端、すなわち排水口12側の端部には第2開口部115aが形成されてもよい。第2インナーパイプ125の第一端、すなわち流入口11側の端部には管壁を貫通形成する第2通路が設けられてもよい。第2通路は、第1通路と同様に多数の微細孔が形成された形態であってもよい。第2通路は、多数の微細孔が形成された形態であってもよい。
【0069】
本実施形態による氷スパイラル30は、ハウジング10の内側壁に内側方向に突出して形成されている。突出して形成された氷スパイラル30の内側端部は第2インナーパイプ125を越えて、第1インナーパイプ115の外側壁まで形成することが好ましい。
【0070】
本実施形態に係る冷却装置において、流入口11を介して流入した被冷却水が排水口12をから排出される過程で形成される被冷却水の流路は
図5に示したとおりである。
【0071】
図5に示すように、本実施形態係る冷却装置において、流入口11を介して流入した被冷却水は、入水パイプ110に沿って流動してf1流路を形成する。
【0072】
入水パイプ110の第一端部に設けられた流入口11を介して流入した被冷却水は、入水パイプ110の長手方向に沿って流動し、第二端部に設けられた第1開口部111を介して排出される。このとき、入水パイプ110の第二端部を覆った冷却パイプ120の閉鎖された第二端部によって反対方向に方向が転換されて、冷却パイプ120の長手方向に沿って流動してf2流路を形成する。
【0073】
その後、冷却パイプ120の流入口11側端部に形成された第1通路を介して半径方向に流動した被冷却水は、第1インナーパイプ115へ流入することができる。第1インナーパイプ115に流入した被冷却水は、第1インナーパイプ115の長手方向に沿って流動してf3流路を形成した後、第1インナーパイプ115の他端に設けられた第2開口部115aから排出される。
【0074】
入水パイプ110、冷却パイプ120、および第1インナーパイプ115の内側で流動する被冷却水は、氷スパイラル30に直接接触しないが、冷媒循環配管20および氷スパイラル30によって形成された冷気により、予備冷却される。
【0075】
第1インナーパイプ115の第二端に設けられた第2開口部115aから排出された被冷却水は、第2インナーパイプ125の内側壁の長手方向に沿って流動し、第2インナーパイプ125の内側壁に形成された氷スパイラル30に沿って回動してf41流路を形成することができる。その後、第2インナーパイプ125の一端に管壁に貫通して形成された第2通路を介してハウジング10の内側壁に流入することができる。
【0076】
第2通路を介してハウジング10の内側壁に流入した被冷却水は、ハウジング10の内側壁の長手方向に沿って流動し、ハウジング10の内側壁に形成された氷スパイラル30に沿って回動してf42流路を形成することができる。その後、被冷却水は排水口12から排出される。
【0077】
本実施形態に係る冷却装置は、予備冷却後、f41流路およびf42流路に沿って被冷却水が氷スパイラル30と直接接触して往復流動することができるため、繰り返される集中冷却過程によって冷却効率を更に高めることができる。
【0078】
ハウジング10の内部に第1および第2インナーパイプ115、125、冷却パイプ120、および入水パイプ110が重なって設けられているため、冷媒循環配管20によって過冷却が行われたとしても、入水パイプ110にまで氷が完全結氷されないようにすることができる。
【0079】
図4ないし
図6に示したように、本開示の一実施形態に係る冷却装置のハウジング10の外側面には、ハウジング10を囲むように保温材40が設けられてもよい。
【0080】
保温材40は、内部と外部の間に熱が互いに伝達されないように断熱を形成することができるものであれば、その素材について特に限定しない。
【0081】
本開示の一実施形態に係る排水口12は、被冷却水が冷却された冷水が排出されることもある。ただし、排水口12を介して排出される冷水の温度を調節する必要がある。
【0082】
これにより、本開示の一実施形態による排水口12にはバルブ(不図示)が設けられてもよい。このとき、バルブは、排水口12から排出される冷水と、冷水より高い温度の流体、具体的には被冷却水とを混合し、混合によって温度が調節された混合水を排出することができる。
【0083】
このとき、冷水に混合される流体はバルブの開閉率によって流量が調節され、バルブから出水する混合水の温度は調節され得る。
【0084】
上記の実施形態においてハウジング10の流入口11に被冷却水を流入させると、排水口12で被冷却水が冷却された冷水が排出される。しかし、本開示のさらに他の一実施形態によれば、逆に排水口12に被冷却水を流入させて流入口11で冷水を排出させることができる。
【0085】
予備冷却後に集中冷却する順でなく、逆順に、排水口12を介して被冷却水を流入させて被冷却水を先ず氷スパイラル30の表面に接触させるようにして、集中冷却させ、その後、入水パイプ11を経て流入口11で冷水を排出させることができる。この場合、出水される冷水の温度偏差を減らすことができる効果がある。
【0086】
ハウジング10の流入口11で被冷却水が流入し、あるいは冷却された冷水が排出されたりすることができ、これとともにハウジング10の排水口12で冷却された冷水が排出され、あるいは被冷却水が流入したりすることができる。
【0087】
上記の実施形態に係る冷却装置のハウジング10は、第一端側に流入口11が設けられ、第二端側に排水口12が設けられた説明をしたが、本開示の他の一実施形態に係る冷却装置として、ハウジング10は、一端側に流入口11と排水口12とが設けられてもよい。
【0088】
図8は、本開示の他の一実施形態に係る冷却装置の外観を示した図である。
図9は、本開示の他の一実施形態に係る冷却装置の縦断面を示した図である。
【0089】
図8および
図9に示したように、ハウジング10の一端側に設けられた流入口11に流入した被冷却水は、ハウジング10の内部で少なくとも一度往復誘導して冷却され、流入口11が設けられた方向と同じ方向に設けられた排水口12から排出される。
【0090】
ハウジング10の一端側に流入口11と排水口12の両方が設けられた場合、ハウジング10の内部には、入水パイプ110および冷却パイプ120、さらに奇数個の第3インナーパイプ130が設けられてもよい。
【0091】
基本的な一例として、
図9に示したように、ハウジング10の内部には、被冷却水が流入する流入口11を有する入水パイプ110と、入水パイプ110の外側に離隔するように設けられた第3インナーパイプ130と、第3インナーパイプ130の外側に離隔するように設けられた冷却パイプ120とが設けられてもよい。
【0092】
これにより、入水パイプ110、第3インナーパイプ130および冷却パイプ120に沿って流動する被冷却水は予備冷却され、ハウジング10の内側壁に螺旋状に形成された氷スパイラル30に沿って回動して集中冷却された後、冷却パイプ120の外側に設けられた排水口12を介して排出される。
【0093】
上述したように、排水口12に被冷却水が流入した場合、逆順により、被冷却水は、ハウジング10の内側壁に螺旋状に形成された氷スパイラル30に沿って回動して予備冷却された後、冷却パイプ120、第3インナーパイプ130および入水パイプ110に沿って流動して集中冷却された後、入水パイプ110の流入口11を介して排出される。
【0094】
ハウジング10の内部に入水パイプ110、第3インナーパイプ130および冷却パイプ120を設け、
図9のような被冷却水の流れを形成するために、入水パイプ110、第3インナーパイプ130および冷却パイプ120のうちの少なくとも1つの一端または他端を選択的に遮断するための少なくとも1つのカバー部材50a、50bが設けられてもよい。
【0095】
本開示の一実施形態により、ハウジング10の内部に充填されているエアを外部に排気するための少なくとも1つのエアホールを含んでもよい。カバー部材50a、50bに少なくとも1つのエアホールが形成されてもよい。
【0096】
一実施形態として、冷却水がハウジング10の内部に流入して加圧される場合には、ハウジング10の内部の空気はエアホールを介して外部に排気されることができる。
【0097】
エアホールは、
図10ないし
図12に示したように、入水パイプ110の流入口11または排水口12の周辺に設けられたカバー部材50aに少なくとも1つのエアホールが設けられてもよい。
【0098】
これにより、ハウジング10の内部の空気がエアホールを介して外部に排気されるとき、その周辺に位置する流入口11または排水口12を介して排気されるようにすることができる。
【0099】
より好ましい一実施形態により、カバー部材50aには複数のエアホールが設けられてもよい。複数のエアホールは、
図11に示したように、それらの間にエアが流動できる通路として、溝や管路形態などを有するエアラインで接続されてもよい。
【0100】
すなわち、ハウジング10の内部の空気は、エアホールおよびエアラインに沿って、流入口11または排水口12を介して外部に排気することができる。
【0101】
一方、本開示の一実施形態によるハウジング10は、
図8ないし
図9に示したように、内部に貯蔵された水を外部に排出するための少なくとも1つのドレインパイプ13a、13bが設けられてもよい。
【0102】
少なくとも1つのドレインパイプ13a、13bは、ハウジング10の任意の位置で内部と外部との間に連通できるように設けられ、バルブ開放時にハウジング10の内部に貯蔵された水を外部へ排出することができる。
【0103】
以上、本開示の好ましい実施形態を図面を参考して詳細に説明した。本開示の説明は例示のためのものであり、本開示が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本開示の技術的思想や必須の特徴を変更することなしに他の具体的な形態に容易に変形可能であることを理解できるであろう。
【0104】
従って、本開示の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味、範囲およびその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【国際調査報告】