(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】歩行用杖
(51)【国際特許分類】
A45B 3/04 20060101AFI20240918BHJP
A45B 9/02 20060101ALI20240918BHJP
A45B 9/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
A45B3/04 Z
A45B9/02
A45B9/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517505
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 TH2022000033
(87)【国際公開番号】W WO2023043382
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524104170
【氏名又は名称】サクデフ,シラシット
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】サクデフ,シラシット
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104AA02
3B104AA03
(57)【要約】
本発明は、中空シャフトを有する杖である。ハンドルの内側には、心拍数測定モジュール、血圧測定モジュール、体温測定モジュール、CPU、GSM、及びGPS、並びにBluetoothモジュールのための様々なセンサを有するプリント回路基板(PCB)がある。ハンドルは、指を挿入するための区画を有する。各区画の内側には、プリント回路基板(PCB)上のモジュール、CPU、GSM、GPS、Bluetoothモジュール、及びクラウドサーバに接続された信号ケーブルを有するセンサがある。(サーバ)Bluetoothモジュールは、リアルタイムデータを見るために、スマートフォンとの間でデータを受信及び送信する。プリント回路基板は、電源ケーブルを通して、杖のカラーとシャフトとの間に設置されたバッテリから電気を受け取る。杖は、電気変換器モジュール又は外部電力を通してバッテリに供給される電気を生成する圧電ディスクを有し、CPU、GSM、及びGPSは、記録データをクラウドサーバ(サーバ)に転送する。クラウドサーバは、スマートケアシステム(SCS)アプリケーションへの表示データを生成し、SCSアプリケーションは、異常が検出された場合に、病院、クリニック、及び介護者にSOS信号を送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本杖は、前記杖の内側にプリント回路基板(PCB)(2)を設置するための中空ハンドル(1)を備える。
前記杖の注目すべき特徴は、
前記プリント回路基板が、心拍数測定モジュール(3)、血圧測定モジュール(4)、体温測定モジュール(5)、CPU、GSM、及びGPS(6)、並びにBluetoothモジュール(7)の設置をサポートする。
前記ハンドルが、指を挿入するための3つの区画(8)、(9)、及び(10)を有する。各区画が、前記プリント回路基板(PCB)上のモジュールに接続された信号ケーブルを有するセンサを有する。
区画(8)が、センサの前記設置をサポートする。前記挿入された指が、前記心拍数測定モジュール(3)に接続された前記センサと接触する。
区画(9)が、センサの前記設置をサポートする。前記挿入された指が、前記血圧測定モジュール(4)に接続された前記センサと接触する。
区画(10)が、センサの前記設置をサポートする。前記挿入された指が、前記体温測定モジュール(5)に接続された前記センサと接触する。
これら3つの測定モジュールは、前記杖のユーザのデータを前記CPU、GSM、及びGPS(6)に送信するように信号ケーブルによって接続されている。前記CPUは、受信した前記データを処理し、次いで、それをBluetoothモジュール(7)及びクラウドサーバ(20)に送信する。
前記Bluetoothモジュール(7)は、インストールされたアプリケーションによって、前記CPU、GSM、及びGPS(6)からデータを受信して、スマートフォン(24)に送信する。
前記ハンドルは、シャフトを前記ハンドル(13)に組み付けるカラー(11)を有する。スティックの前記シャフトは、中空及び円筒形形状である。
前記プリント回路基板(PCB)は、前記カラー(11)を通して挿入された電源ケーブル(14)を通して、前記シャフト(13)の内側に装着されたバッテリ(12)から電流を受け取る。前記バッテリの他方の側は、圧電モジュール(16)に配線されている。前記圧電モジュールは、圧電ディスク(15)に接続された電源ケーブルを有し、前記圧電ディスク(15)は、前記圧電ディスクへの衝撃を地面と作り出す、患者により前記杖に及ぼされる圧力による前記杖(13)の動きからエネルギーを採取する。
前記ハンドル(13)はまた、運動センサ(17)も有する。前記運動センサは、前記杖の不規則な動きを検出して、信号を前記CPUに送信する。
前記プリント回路基板(PCB)上の全てのセンサ及びモジュールは、前記バッテリ(12)によって給電される。前記CPU、GSM、及びGPS(6)は、保存されたデータを取り出して、前記クラウドサーバ(サーバ)(20)に転送する。前記クラウドサーバは、前記アプリケーション(スマートケアシステム)上で前記データを生成して表示する。任意の異常が検出された場合、病院(21)、クリニック(22)、又は介護者にSOSコールが送信される。
【請求項2】
前記杖は、前記杖(13)の前記動きからエネルギーを採取するために使用される圧電ディスク(15)を有する。前記患者により前記杖のハンドルに及ぼされた押圧力が、圧電変換器モジュール(16)を通して前記圧電ディスクから電流を生成する。
【請求項3】
前記杖のハンドルは、前記杖のユーザの心拍数データを前記CPU、GSM、及びGPS(6)に送信するようにケーブルによって接続された心拍数測定モジュール(3)を有する。前記CPUは、受信した前記データを処理し、次いで、それを前記Bluetoothモジュール(7)及び前記クラウドサーバ(サーバ)(20)に送信する。
【請求項4】
前記杖のハンドルは、前記杖のユーザの心拍数データを前記CPU、GSM、及びGPS(6)に送信するように信号ケーブルによって接続された血圧測定モジュール(4)を有する。前記CPUは、受信した前記データを処理して、それを前記Bluetoothモジュール(7)及び前記クラウドサーバ(20)に送信する。
【請求項5】
前記杖のハンドルは、前記杖のユーザの心拍数データを前記CPU、GSM、及びGPS(6)に送信するように信号ケーブルによって接続された体温測定モジュール(5)を有する。前記CPUは、受信した前記データを処理して、それを前記Bluetoothモジュール(7)及び前記クラウドサーバ(20)に送信する。
【請求項6】
前記杖のハンドルは、前記CPU、GSM、及びGPS(6)に位置付けられたGPSを使用して、前記杖のユーザの現在の位置を特定する。
【請求項7】
前記杖のハンドル材料は、丈夫で、軽量で、非導電性で、ユーザフレンドリであり、かつ使用時に滑らない。
【請求項8】
前記杖の材料(13)は、丈夫で、軽く、導電性で、非導電性である。
【請求項9】
調節可能な三部構造としての、又は調節不可能な単一構造としての前記杖(13)は、簡単に分解されるように設計されており、内部機器を装着するための、又は前記杖のサービス及びメンテナンスのためのスロットを有する。
【請求項10】
前記杖(13)の底部は、取り付けられたゴムパッド又はゴムフェルール(18)を有する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
医療、電気工学、及び情報技術
〔先行技術〕
聴力損失のある人々のための漏電検出杖は、電極エネルギー検出ユニット(一対)と、エネルギー貯蔵ユニットと、アラームレベル調節ユニットと、光警報ユニット、音響警報ユニット、及び振動アラームユニットと、を備えている。エネルギー検出ユニットは、電流の漏出によって生成されたエネルギーを取り込み、貯蔵された電圧がアラームレベル調節ユニットにおいて設定された値を調節するのに十分に高くなったときに、そのエネルギーをエネルギー貯蔵ユニットのコンデンサに貯蔵する。
【0002】
タイ国小特許第13158号は、視力障害者のための障害物ロケータを有するスリーウェイ感知杖を記載している。本発明は、角度湾曲したハンドル、及びそれが障害物又は穴を見つけた場合にユーザと通信するためのヘッドセットからなる。ハンドルの底部には、電子部品及びバッテリのための箱がある。この箱は、超音波センサ検出器、電子コンパス、処理ユニット、及びDACユニットを収容している。箱の頂部領域、前部領域、及び底部領域はまた、超音波センサも備えている。
【0003】
タイ国小特許第17355号は、パーキンソン病のある及び中枢神経系変性のある患者のための視覚刺激として光ビームを使用する杖を記載している。杖は、地面に平行に、かつ杖に垂直にビームを向ける光源を有する。杖の一端部は、光ビームの直径を拡大すること、又はその外縁によって形状を作成することができる拡大鏡/ガラスクリスタルを備えている。拡大鏡は、患者が必要とする光の距離に調節するように移動させることができる第1の枢動ディスクに位置付けられている。
【0004】
タイ国特許出願公開第1901000186A号は、運動エネルギー変換杖を記載している。杖は、杖を使用することによる押圧力、衝撃、及び振動から環状圧電ディスクを通して運動エネルギーを採取して、交流電流の形態でエネルギーを生成する。補強リング及びばねのセットが追加のばね運動及び振動を生成し、より多くのエネルギー採取を可能にする。エネルギーは、回路図及び回路システムを通して交流電流を直流電流に変換する過給エネルギー変換デバイスに送られる。これは、直流電流が不安定な電気エネルギーを生成しないようにするためのものである。
【0005】
次いで、電気エネルギーが、電力供給点を通して、バックアップバッテリ又は他の電子デバイスポートに送られる。
【0006】
これらの先行技術には、異なる不利点があり、特に、CPU及びGSMを介してシステムを病院、クリニック、又は介護者のサーバに接続することができない。
【0007】
〔発明の説明及び目的〕
この杖の発明は、ユーザの安全性を高める、数多くの拡張機能及び特徴を有する。杖が心拍数、血圧、及び体温を測定する能力を有するためには、杖のユーザ/購入者は、最初に、スマートフォンにアプリケーションをダウンロードしなければならない。歩行用杖はまた、緊急の場合のユーザの現在位置へのアクセス、及びアプリケーションのメンテナンス(ケアシステムメンテナンス)を可能にするGSM(登録商標)モジュールも備えている。ユーザが風邪をひいている場合は、介護者も杖にアクセスすることができる。これは、周りに誰もいなくても、年中無休のケアを可能にすることができる。GSMモジュールを使用することはまた、家族がアルツハイマー患者を見つけて位置を特定するのを補助することもできる。
【0008】
したがって、この杖は、公衆安全対策を向上させること、及び病院が現在の患者情報にアクセスして知ることができるように病院が患者を定期的に監視するための新しい方法を提供することを目的とする。
【0009】
この杖は、中空ハンドルを有する。ハンドル内には、心拍数測定モジュール、血圧測定モジュール、体温測定モジュール、CPU及びGSM、GPS、並びにBluetooth(登録商標)モジュールを構成する様々なセンサを有するプリント回路基板(PCB)がある。
【0010】
ハンドルの一部は、指を挿入するための3つの区画を有する。挿入された指は、プリント回路基板(PCB)に装着された一組のモジュールに信号ケーブルが接続された状態で設置されたセンサに接触する。3つのモジュールは、記録データをCPU及びGSMに送信するように信号ケーブルによって接続され、杖がそのユーザの位置を特定することを可能にする。CPUは、モジュールからのデータを処理して、それをBluetoothモジュール及びクラウドサーバに送信する。Bluetoothモジュールは、リアルタイムで見るために、スマートフォンとの間でデータを受信及び送信する。
【0011】
プリント回路基板(PCB)は、電源ケーブルを通して、シャフトの内側に装着されたバッテリから電流を受け取る。電源ケーブルは、バッテリの他方の側の圧電モジュールに接続されている。圧電モジュールは、圧電ディスクに接続された電源ケーブルを有し、杖の動きからエネルギーを採取する。患者が杖に圧力を及ぼすことによって、杖が圧電モジュールを通して圧電ディスクから電流を生成する。バッテリはまた、外部電気エネルギーを受け取るための接続ポートも有する。
【0012】
プリント回路基板(PCB)に装着された全てのセンサ及びモジュールは、CPU、GSM、及びGPSによって、バッテリから電力を受け取り、記録データをクラウドサーバ(サーバ)に転送する。クラウドサーバは、処理するためのデータを生成して、それをスマートケアシステム(SCS)アプリケーション上に表示し、異常が検出された場合は、病院、クリニック、又は介護者に支援のための信号(SOSコール)を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【0014】
〔発明の開示〕
本発明は、より明確に理解するために、発明の実施例及び図面を使用して説明されている。同じ参照番号は、これらの図面内の部品を表す。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に従う。
【0015】
図1~
図3は、杖の画像及び動作システムを示す。中空ハンドル(1)は、ねじ及びボルトを使用してハンドルの左側及び右側に取り付けることによって作製した。ハンドル内の空間は、心拍数測定モジュール(3)、血圧測定モジュール(4)、体温測定モジュール(5)、CPU、GSM、及びGPS(6)、並びにBluetoothモジュール(7)を有するプリント回路基板(PCB)(2)を収容している。
【0016】
ハンドルの一方の側面は、ユーザの指を挿入するための3つの区画(8)、(9)、及び(10)を有する。挿入した指は、設置されたセンサと接触する。センサは、信号ケーブルを介してプリント回路基板(PCB)に装着されたモジュールに接続されている。
【0017】
センサが設置された区画(8)に指が挿入されると、信号ケーブルを介して入力が心拍数測定モジュール(3)に送信される。心拍数測定モジュールは、杖のユーザの心拍数データをCPU、GSM、及びGPS(6)に送信するように信号ケーブルによって接続されている。CPUは、受信したデータを処理し、次いで、それをBluetoothモジュール(7)及びクラウドサーバ(サーバ)(20)に送信する。
【0018】
センサが設置された区画(9)に指が挿入されると、信号ケーブルを介して入力が血圧測定モジュール(4)に送信される。血圧測定モジュールは、杖のユーザの血圧データをCPU、GSM、及びGPS(6)に送信するように信号ケーブルによって接続されている。CPUは、受信したデータを処理し、次いで、それをBluetoothモジュール(7)及びクラウドサーバ(サーバ)(20)に送信する。
【0019】
センサが設置された区画(10)に指が挿入されると、信号ケーブルを介して入力が体温測定モジュール(5)に送信される。体温測定モジュールは、杖のユーザの体温データをCPU、GSM、及びGPS(6)に送信するように信号ケーブルによって接続されている。CPUは、受信したデータを処理し、次いで、それをBluetoothモジュール(7)及びクラウドサーバ(サーバ)(20)に送信する。
【0020】
Bluetoothモジュール(7)は、CPU、GSM、及びGPS(6)からデータを受信して、それを、様々な値を記録して、録画設定、記録間隔、バッテリの電力、などの杖の設定を調節するためのアプリケーションを有するスマートフォン(24)に送信する。Bluetoothモジュールは、CPUからデータを取り込み、それをスマートフォンに送信し、逆もまた可能である。
【0021】
ハンドルの下部中央部は、ハンドルをシャフト(13)に接続するカラー(11)として知られている中空接続要素を有する。シャフトは、中空円筒形状であり、複数のセクションに分かれており、取り外すこと及び組み立てることができる。
【0022】
プリント回路基板(PCB)は、カラー(11)を通して挿入された電源ケーブル(14)を通して、シャフト(13)の内側に装着されたバッテリ(12)から電流を受け取る。
【0023】
プリント回路基板(PCB)(2)は、電源ケーブル(14)を通して、シャフト(13)の内側に装着されたバッテリ(12)から電気を受け取る。バッテリの他方の側には、杖の(13)の動きによるエネルギーを採取するように圧電ディスク(15)に接続された電源ケーブルを有する圧電モジュール(16)に電源ケーブルが接続されている。患者が杖(13)に押圧力を及ぼすことによって、圧電モジュール(16)を通して圧電ディスクから電気が生成される。バッテリはまた、外部電気エネルギー(19)を受け取るための接続要素も有する。
【0024】
杖のハンドル(13)の一部は、運動センサ設置(17)を収容している。杖のユーザが急に倒れた場合などの、杖の任意の異常な動きが検出された場合に、運動センサが信号をCPUに送信する。
【0025】
プリント回路基板(PCB)に装着された全てのセンサ及びモジュールは、プリント回路基板(PCB)を通してバッテリ(12)から電力を受け取る。CPU、GSM、及びGPS(6)は、クラウドサーバ(20)との間で記録データを受信、送信、及び転送する。クラウドサーバは、分析するためのデータを生成して、それをスマートケアシステム(SCS)アプリケーション上に表示する。任意の異常が検出された場合は、アプリケーションが、病院(21)、クリニック(22)、又は介護者(23)に信号(SOSコール)を送信する。
【0026】
杖は、CPUとともに位置付けられたGPS及びGSM(6)によって杖のユーザの現在の位置を特定することができる。
【0027】
ハンドル(1)材料は、丈夫で、軽く、非導電性で、ユーザフレンドリであり、かつ使用中に滑らない。
【0028】
シャフト(13)は、丈夫で、軽く、かつ非導電性の材料で作製されており、また、分解するために3つの部品に分けることができる。ハンドルはまた、内部機器を設置するための、又はメンテナンス作業用のサービス区画も有し、シャフト(13)の一端部を閉じるためのゴムパッド又はゴムフェルール(18)が付属している。
【0029】
本発明は、実施例として添付図面を使用して十分に説明されているが、本発明の範囲及び目的の範囲内にある限り、関連分野の通常の過程において、当業者によって様々な修正又は補正が行われ得ることを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲で概説されている説明に従うものであり、更には、特に特許請求の範囲では概説されていないが、利用することができて、特許請求の範囲に記載された本発明を利用して同じ効果をもたらし得る本発明の態様を包含する。
【0030】
〔発明を実施するための形態〕
「発明の開示」に記載されているとおりである。
【国際調査報告】