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特表2024-535074光学システムのための光出力デバイス及び光出力方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】光学システムのための光出力デバイス及び光出力方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/124 20060101AFI20240918BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G02B6/124 301
G02B6/122 311
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518129
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 US2022044374
(87)【国際公開番号】W WO2023049256
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/247,526
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/949,066
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/949,079
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/949,096
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】ツ ヨンミン
(72)【発明者】
【氏名】ウィトマー ジェレミー ディー
(72)【発明者】
【氏名】デン フイヤン
(72)【発明者】
【氏名】アルボア マーク エイ
(72)【発明者】
【氏名】カマンダー デズフーリ モフセン
(72)【発明者】
【氏名】ビスムト アレフレド
(72)【発明者】
【氏名】マルコフ ペトル
【テーマコード(参考)】
2H147
【Fターム(参考)】
2H147AB04
2H147AB11
2H147AB21
2H147BA01
2H147BA05
2H147BB02
2H147BB05
2H147BD09
2H147BD10
2H147BE14
2H147BE26
2H147CA08
2H147CA11
2H147CA27
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14A
2H147EA14B
2H147FC02
2H147FC03
2H147GA26
(57)【要約】
光を誘導し、出力導波路における後方反射を低減するために使用される光学システムのための構成が開示される。光学システムは、スラブ導波路内に画定された出力導波路を含み得る。出力導波路は、スラブ導波路の出力側の前で終端してもよく、これは、出力側から出力導波路に戻る光の後方反射を低減することができる。出力側は、出力光を操向し得る光学要素を画定することができる。光学要素は、出力光をコリメートしてもよいし、出力光を収束させてもよいし、出力光を発散させてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムであって、
スラブ導波路であって、
自由伝搬領域と、
出力側と、を備える、スラブ導波路と、
前記スラブ導波路内に画定された出力導波路であって、
光が伝搬し、第1の側と、前記第1の側の反対側の第2の側とを含む、導波路コアと、
前記導波路コアの前記第1の側に隣接する第1の光閉じ込め領域と、
前記導波路コアの前記第2の側に隣接する第2の光閉じ込め領域と、を備え、
前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側の前及び前記自由伝搬領域の前で終端し、
前記光は、前記導波路コアを出て前記自由伝搬領域に入り、
前記光は、前記出力側で前記自由伝搬領域を出て、それによって、前記出力導波路への後方反射を低減する、光学システム。
【請求項2】
前記スラブ導波路の出力側は、前記光が通過する光学要素を備え、
前記光学要素は、前記スラブ導波路の前記出力側に画定され、
前記光学要素は、正レンズ又は負レンズとして機能する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記スラブ導波路の前記出力側は、前記光をコリメートする光学要素を備える、請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
前記スラブ導波路の前記出力側は、光学要素を備え、
前記光学システムは、前記光学要素上に反射防止コーティングを更に備える、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記スラブ導波路の前記出力側は、非球面光学要素を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項6】
前記スラブ導波路の前記出力側は、回折格子を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項7】
前記スラブ導波路を通って伝搬する前記光を偏光させ、前記出力導波路と前記スラブ導波路の前記出力側との間の前記スラブ導波路上に配置された金属を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項8】
前記出力導波路は、前記スラブ導波路内に光を放出するための複数の出力導波路のうちの1つであり、
前記光学システムは、前記スラブ導波路の前記出力側のプロファイル内に画定され、前記複数の出力導波路からの前記光を組み合わせるように構成された光学要素を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項9】
光を誘導するための方法であって、
前記光を出力導波路を通して伝搬させることと、
前記出力導波路からスラブ導波路の自由伝搬領域内に前記光を放出することと、
前記スラブ導波路からの前記光を、前記スラブ導波路の出力側の光学要素に通過させ、それによって、前記スラブ導波路の前記出力側からの前記光の後方反射を低減することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記出力導波路から前記光を放出することは、前記スラブ導波路の前記自由伝搬領域を通して前記出力導波路から前記光を伝搬させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記出力導波路から放出された前記光が部分的エッチング領域を通過するように、前記出力導波路と前記スラブ導波路の前記出力側との間に前記部分的エッチング領域を形成することを更に含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記部分的エッチング領域は、正レンズとして機能する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スラブ導波路の前記出力側は、前記光学要素を備える、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
光学システムであって、
スラブ導波路と、
前記スラブ導波路内に画定された出力導波路であって、
光を通過させる導波路コアと、
前記導波路コアの第1の側に隣接する第1の光閉じ込め領域と、
前記導波路コアの第2の側であって、前記第2の側は、前記導波路コアの前記第1の側の反対側である、第2の側に隣接する第2の光閉じ込め領域と、を備える、導波路コアと、
前記スラブ導波路の出力側に画定された光学要素であって、前記出力導波路の前記導波路コアから放出される前記光は、前記光学要素を通過する前に前記スラブ導波路を通って伝搬し、それによって、前記光学要素から前記出力導波路への前記光の後方反射を低減するように、前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側の前で終端する、光学要素と、備える、光学システム。
【請求項15】
前記光学要素は、前記スラブ導波路の一部であり、光軸に対して出射光の方向を操向するための正又は負の曲率半径を含み、
前記光学システムは、前記光学要素を通過する前記光の前記後方反射を低減するために前記光学要素上にコーティングされた反射防止コーティングを更に備える、請求項14に記載の光学システム。
【請求項16】
前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側に対して傾斜している、請求項14又は15に記載の光学システム。
【請求項17】
前記光学要素は、通過する前記光を発散させる、請求項14~16のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項18】
前記スラブ導波路に隣接する平面金属層であって、
前記平面金属層は、前記光学要素の上に延在し、
前記平面金属層は、前記出力導波路と前記スラブ導波路の前記出力側との間の領域に位置する、平面金属層を更に備える、請求項14~17のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項19】
前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側に対して垂直に配置される、請求項14若しくは15又は17若しくは18のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項20】
前記出力導波路は、前記導波路コアの幅が前記スラブ導波路に向かう方向に非断熱的に増加する屈折率調整領域を備える、請求項14~19のいずれか一項に記載の光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、フォトニック集積回路における光のルーティング及び出力に関する。より詳細には、本明細書の実施形態は、導波路から光を出力するためのオンチップレンズを有する光学システムに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本特許協力条約特許出願は、2022年9月20日に出願された米国特許出願第17/949,066号、2022年9月20日に出願された米国特許出願第17/949,079号、2022年9月20日に出願された米国特許出願第17/949,096号、及び2021年9月23日に出願された米国仮特許出願第63/247,526号の優先権を主張し、これらの内容は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
概して、フォトニック集積回路は、光源を有する光学システムを含んでいる。いくつかの光学システムでは、光源によって放出された光は、出力ファセットを介して光学システムから出力される。これらの出力ファセットは、光学システムからの光出力の効率を増加させるために、劈開及び研磨され得る。光の多くは出力されるが、光の一部は、光学システムを出る代わりに、出力ファセットから光学システム内に反射して戻る場合がある。この後方反射された光は、出力導波路及び/又は光源に戻るように伝搬し、これは通常、偽エタロンを生成し、光源の安定性に影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示で説明されるシステム、デバイス、方法、及び装置の実施形態は、オンチップレンズを有する光出力デバイスを含むフォトニック集積回路を対象とする。また、出力導波路の中に戻って結合し得る後方反射光を低減させる、面内レンズを伴う光学システムを対象とする、システム、デバイス、方法、及び装置も説明される。光学システムは、スラブ導波路の出力側から離れて位置し、光がスラブ導波路の出力側を通過する前にスラブ導波路を伝搬し得るように光を伝送する出力導波路を含み得る。スラブ導波路の出力側は、光軸に対して光が伝搬する方向を変化させることができるレンズを形成するか、又は別様で含む。平面内レンズはスラブ導波路の平面内にあるため、出力導波路への後方反射は低減される。
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示は、光学システムを説明する。光学システムは、自由伝搬領域及び出力側を有するスラブ導波路を含み得る。光学システムはまた、スラブ導波路内に画定された出力導波路を含むことができ、出力導波路は、光が伝搬する伝搬領域を含み、第1の側及び第1の側の反対側の第2の側と、伝搬領域の第1の側に隣接する第1の光閉じ込め領域と、伝搬領域の第2の側に隣接する第2の光閉じ込め領域と、を含む。出力導波路は、スラブ導波路の出力側の前及び自由伝搬領域の前で終端してもよく、光は、伝搬領域から自由伝搬領域の中に出てもよく、光は、出力側において自由伝搬領域から出てもよく、それによって、出力導波路の中への後方反射を低減させる。
【0006】
別の実施形態では、本開示は、光を誘導するための方法を説明する。本方法は、出力導波路を通して光を伝搬させることと、出力導波路からスラブ導波路の自由伝搬領域の中へ光を放出することと、スラブ導波路からの光をスラブ導波路の出力側内の光学要素を通して通過させ、それによって、スラブ導波路の出力側からの光の後方反射を低減させることと、を含み得る。
【0007】
別の実施形態では、本開示は、光学システムを説明する。光学システムは、スラブ導波路と、スラブ導波路内に画定された出力導波路とを含み得る。出力導波路は、光を通過させる伝搬領域と、伝搬領域の第1の側に隣接する第1の光閉じ込め領域と、伝搬領域の第2の側に隣接する第2の光閉じ込め領域と、を含むことができ、第2の側は、伝搬領域の第1の側の反対側である。光学システムはまた、スラブ導波路の出力側に画定される光学要素を含んでもよく、出力導波路は、出力導波路の伝搬領域から放出される光が光学要素を通過する前にスラブ導波路を通って伝搬し、それによって、光学要素から出力導波路の中への光の後方反射を低減させるように、スラブ導波路の出力側の前で終端する。
【0008】
更に他の実施形態は、基板、クラッド層、及び導波路層を含むフォトニック集積回路を対象とする。導波路層は、側面を有するスラブ導波路と、第1の光閉じ込め領域、第2の光閉じ込め領域、及び第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアを含む出力導波路と、を含む。スラブ導波路の側面は、半円曲線を有する円筒形レンズを形成する光学要素を画定し、出力導波路は、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、出力導波路は、出力導波路からスラブ導波路内に導入された入力光が側面を通ってフォトニック集積回路を出るように配置される。
【0009】
これらの変形例のうちの一部では、半円形曲線は、曲率中心を有し、出力導波路は、曲率中心に対して横方向にオフセットされる。これらの変形例のうちの一部では、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部は、曲率中心と位置合わせされ得る。他の変形例では、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部は、曲率中心が接合部と光学要素との間に配置されるように、曲率中心の背後に配置される。更に他の変形例では、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部は、接合部が接合部と光学要素との間に配置されるように、曲率中心の正面に配置される。
【0010】
これらの変形例のうちの他の変形例では、導波路層は、出力導波路からスラブ導波路の中に導入される入力光が部分的エッチング領域を通過するように、出力導波路とスラブ導波路の側面との間に部分的エッチング領域を含む。追加的又は代替的に、出力導波路は、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の一方又は両方の幅が接合部に向かう方向に減少する、接合部に配置された屈折率調整領域を含む。他の変形例では、出力導波路は、導波路コアの幅が接合部に向かう方向に増加する、接合部に配置された屈折率調整領域を含む。
【0011】
更に他の実施形態は、複数の光学要素、複数のスラブ導波路、及び複数の出力導波路を画定する側面を含む導波路層を含むフォトニック集積回路を対象とする。複数の出力導波路の各々は、第1の光閉じ込め領域と、第2の光閉じ込め領域と、第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアと、を含む。複数の光学要素の各光学要素は、複数のスラブ導波路のうちの対応するスラブ導波路及び複数の出力導波路のうちの対応する出力導波路に関連付けられ、その結果、対応する出力導波路から対応するスラブ導波路に導入された入力光は、光学要素を通ってフォトニック集積回路を出る。
【0012】
これらの変形例のうちの一部では、各光学要素は、オンチップレンズを形成する。複数の光学要素の各光学要素は、曲率中心を有する半円曲線を有する円筒形レンズを形成してもよい。これらの実施形態のうちの一部では、複数の導波路の各出力導波路は、出力導波路と関連付けられた光学要素の曲率中心から横方向にオフセットされる。他の変形例では、複数のスラブ導波路の全てが光学的に接続される。
【0013】
本明細書で説明される他の実施形態は、光源ユニットと、フォトニック集積回路と、コントローラと、を備える光学システムを対象とする。フォトニック集積回路は、側面と、光源ユニットに光学的に接続された複数のエミッタと、を含む。各エミッタは、側面に形成された光学要素と、スラブ導波路と、出力導波路からスラブ導波路に導入された入力光が光学要素を通ってフォトニック集積回路を出るように配置された出力導波路と、を含む。コントローラは、複数のエミッタを制御して出力光を放出するように構成される。
【0014】
これらの変形例のうちの一部では、複数のエミッタは、各エミッタが同一の形状及び方向を有する光の出力ビームを生成するように、同一の構成を有する。追加的又は代替的に、フォトニック集積回路は、複数の位相シフタを含み、その各々は、対応するエミッタの出力導波路によって搬送される光の位相を調整するように制御可能である。これらの変形例のうちの一部では、コントローラは、複数のエミッタの各々によって放出される出力光の位相を選択的に制御するように構成される。追加的又は代替的に、コントローラは、複数のエミッタのうちのいずれが出力光を放出するかを選択的に制御するように構成される。追加的又は代替的に、コントローラは、複数のエミッタの各々によって放出される出力光の強度を選択的に制御するように構成される。追加的又は代替的に、コントローラは、複数のエミッタの各々によって放出される出力光の1つ以上の波長を選択的に制御するように構成される。
【0015】
本明細書で説明される他の実施形態は、基板、クラッド層、及び導波路層を有するフォトニック集積回路を対象とする。導波路層は、スラブ導波路及び導波路を含み、導波路は、第1の光閉じ込め領域と、第2の光閉じ込め領域と、第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアと、を含む。導波路は、導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、導波路は、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の一方又は両方の幅が接合部に向かう方向に減少する、接合部に配置された屈折率調整領域を含む。
【0016】
これらの変形例のうちの一部では、導波路層は、光学スプリッタを含み、光学スプリッタは、スラブ導波路と、導波路と、複数の出力導波路とを含む。光学スプリッタは、導波路からスラブ導波路に導入された入力光を複数の出力導波路に分岐するように構成されている。他の変形例では、導波路層は、光学要素を画定する側面を備え、導波路は、導波路からスラブ導波路の中に導入された入力光が側面を通してフォトニック集積回路から出るように配置される。これらの変形例のうちの一部では、光学要素は、オンチップレンズを形成する。他の変形例では、光学要素は、回折格子を備える。
【0017】
他の変形例では、導波路コアの幅は屈折率調整領域において一定である。更に他の変形例では、導波路コアの幅は、屈折率調整領域において接合部に向かう方向に断熱的に狭くなる。更に他の変形例では、導波路コアの幅は、屈折率調整領域において接合部に向かう方向に非断熱的に増加する。追加的又は代替的に、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の一方又は両方の幅は、接合部に向かう方向に線形に減少する。
【0018】
更に他の実施形態は、基板、クラッド層、及び導波路層を含むフォトニック集積回路を対象とし、導波路層は、スラブ導波路及び導波路を含む。導波路は、第1の光閉じ込め領域と、第2の光閉じ込め領域と、第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアと、を含む。導波路は、導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、導波路は、導波路コアの幅が接合部に向かう方向に増加する、接合部に配置された屈折率調整領域を含む。これらの変形例のうちの一部では、導波路層は、光学スプリッタを含み、光学スプリッタは、スラブ導波路と、導波路と、複数の出力導波路とを含む。光学スプリッタは、導波路からスラブ導波路に導入された入力光を複数の出力導波路に分岐するように構成されている。他の変形例では、導波路層は、光学要素を画定する側面を備え、導波路は、導波路からスラブ導波路の中に導入された入力光が側面を通してフォトニック集積回路から出るように配置される。これらの変形例のうちの一部では、光学要素は、オンチップレンズを形成する。
【0019】
追加的又は代替的に、導波路コアの幅は、屈折率調整領域において非断熱的に増加する。追加的又は代替的に、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の幅は、屈折率調整領域において一定である。いくつかの変形例では、導波路は、導波路コアの幅が接合部に向かう方向に断熱的に狭くなる追加の領域を含み、その結果、屈折率調整領域は、追加の領域と接合部との間に配置される。追加的又は代替的に、導波路コアの幅は、屈折率調整領域において線形に増加する。
【0020】
更に他の実施形態は、目標波長範囲内の波長のセットを生成するように構成された光源ユニットと、フォトニック集積回路とを含む光学システムを対象とする。フォトニック集積回路は、基板、クラッド層、及び導波路層を含み、導波路層は、スラブ導波路及び導波路を含む。導波路は、第1の光閉じ込め領域と、第2の光閉じ込め領域と、第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアと、を含む。導波路は、導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、導波路は、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の各々の幅が接合部に向かう方向に第1の幅から第2の幅まで狭くなるように配置された屈折率調整領域を含む。
【0021】
これらの変形例のうちの一部では、第2の幅を有する第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の各々の一部は、長さが目標波長範囲内の波長の4分の1であるような長さを有する。追加的又は代替的に、導波路コアの幅は、屈折率調整領域において第3の幅から第4の幅に増加する。
【0022】
本明細書に記載される例示的な態様及び実施形態に加えて、更なる態様及び実施形態が、図面を参照することによって、及び以下の説明を検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】光を出力する導波路を含む一般的な光学システムの上面図を示す。
【0024】
図2】光学システムの出力側の前で終端する導波路を含む光学システムの一例の上面図を示す。
【0025】
図3】光の後方反射を軽減する光学システムの一例の上面図を示す。
【0026】
図4】出力光をコリメートする光学要素を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0027】
図5】出力光を収束させるように操向する光学要素を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0028】
図6】出力光を発散させるように操向する光学要素を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0029】
図7】出力側に対して傾斜した導波路を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0030】
図8】傾斜した出力側を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0031】
図9】複数の導波路を伴う光学システムの例の上面図を示す。
【0032】
図10】非球面形状のレンズを有する光学システムの例の上面図を示す。
【0033】
図11】導波路と出力側との間に部分的エッチング領域を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0034】
図12】導波路と光学要素との間に部分的エッチング領域を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0035】
図13】スラブ導波路の出力側に回折格子を設けた光学システムの一例を示す上面図である。
【0036】
図14】スラブ導波路上に金属を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0037】
図15】傾斜した出力側に光学要素を有する光学システムの一例の上面図を示す。
【0038】
図16A】それぞれ、フォトニック集積回路の外側に配置された出力側面を有するフォトニック集積回路の斜視図及び上面図を示す。
図16B】それぞれ、フォトニック集積回路の外側に配置された出力側面を有するフォトニック集積回路の斜視図及び上面図を示す。
図16C】フォトニック集積回路の内側に出力側面を有するフォトニック集積回路の別の変形例の上面図を示す。
【0039】
図17A】円筒形レンズとして構成される光学要素を有する、フォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図17B】円筒形レンズとして構成される光学要素を有する、フォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
【0040】
図18A】複数の光学要素を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図18B】複数の光学要素を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図18C】複数の光学要素を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図18D】複数の光学要素を伴うフォトニック集積回路を含む、光学システムの変形例の上面図を示す。
【0041】
図19A】屈折率調整領域を有する出力導波路を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図19B】屈折率調整領域を有する出力導波路を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
【0042】
図20A】本明細書に説明されるような光学スプリッタを伴うフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図20B】本明細書に説明されるような光学スプリッタを伴うフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
【0043】
図21A】屈折率調整領域を備えた出力導波路を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図21B】屈折率調整領域を備えた出力導波路を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図21C】屈折率調整領域を備えた出力導波路を有するフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
【0044】
図22A】本明細書に説明されるような光学スプリッタを伴うフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図22B】本明細書に説明されるような光学スプリッタを伴うフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
図22C】本明細書に説明されるような光学スプリッタを伴うフォトニック集積回路の変形例の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
添付の図におけるクロスハッチング又はシェーディングの使用は、全般的に、隣接している要素間の境界を明確にするために、又、図の視認性を促進するためにも提供されている。したがって、クロスハッチング又はシェーディングの有無のいずれも、添付の図に示す任意の要素に関する、特定の材料、材料特性、要素の比率、要素の寸法、同様に図示されている要素の共通性、又は任意の他の特質、属性、若しくは特性に対する、いかなる選好又は要件も、伝達又は指示するものではない。
【0046】
様々な特徴及び要素(並びに、それらの集合及びグループ化)の(相対的又は絶対的な)比率及び寸法、並びに、それらの間に提示されている境界、分離、及び位置関係は、単に本明細書で説明される様々な実施形態の理解を容易にするために、添付の図に提供されているものに過ぎず、したがって、必ずしも一定の縮尺で提示又は図示されていない場合があり、それらの図を参照して説明されている実施形態を除外して、図示されている実施形態に対する、いかなる選好又は要件も示すことを意図するものではない点を理解されたい。
【0047】
本明細書全体を通して使用される場合、参照番号の後に英字がない参照番号は、1つ以上の対応する参照、全ての参照のグループ、又は参照のうちのいくつかを指すことができる。例えば、「107」は、それが使用されるコンテキストに応じて、光107のいずれか(例えば、光107a又は光107bなど)を指すことがあり、又は光107の全てを指すことがある。光107という用語は、導波路から放出される光、又は光学システム若しくはフォトニック集積回路を出る光を論じるときに使用され得る。
【0048】
以下の実施例の説明では、実践することが可能な特定の実施例が実例として示されている添付図面が参照される。それら様々な実施例の範囲から逸脱することなく、他の実施例を使用することができ、そして構造上の変更を実施することができる点を理解されたい。
【0049】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態が詳細に説明される。以下の説明は、本開示を任意の好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲により定義される記載された実施形態の趣旨及び範疇に含むことができるような、代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図している。
【0050】
本明細書に記載されるのは、フォトニック集積回路、並びに関連する光学システム及び方法であり、これらの光学構成要素の動作中に後方反射を低減するように設計された光学構成要素を有する。いくつかの実施形態では、フォトニック集積回路は、出力導波路に戻される後方反射を低減しながら、出力導波路から受け取った光を発射するように設計されたファセットを含む。追加的又は代替的に、フォトニック集積回路は、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部を含み、接合部は、接合部における後方反射を低減するように構成される。
【0051】
本明細書で説明する光学システムは、1つ以上の導波路を使用して光をルーティングする1つ以上のフォトニック集積回路を含み得る。フォトニック集積回路において、導波路は、典型的には、平面基板上に支持され、光を閉じ込めてフォトニック集積回路の水平面に沿って進行させる。フォトニック集積回路から光を発射するために、光は、垂直出力カプラを使用して水平面から(例えば、フォトニック集積回路の上面又は底面を通して)再指向され得るか、又はフォトニック集積回路の横方向側面に沿って水平に出ることができるかのいずれかである。
【0052】
典型的には、光がフォトニック集積回路の横方向側面から水平に放出されるとき、導波路は、光が導波路のファセットから直接フォトニック集積回路を出るように、この横方向側面で終端する。すなわち、導波路は、導波路からの光が導波路から光学システムの外に直接通過するように、フォトニック集積回路の側面で終端する。光が導波路と別の材料(例えば、フォトニック集積回路を取り囲む空気、フォトニック集積回路と接触して配置された別の光学構成要素)との間の界面を通過するとき、光の一部は、望ましくないことに、フォトニック集積回路の側から反射して導波路に戻ることがある。この後方反射光は、エタロンを生成し、フォトニック集積回路内で照明を生成するために使用される光源の安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。反射防止コーティングなどの解決策は、光のいくらかの後方反射を軽減することができるが、これらの後方反射を完全に除去することはできない。したがって、多くの場合、導波路内に後方反射される光の量を最小限に抑えるように、フォトニック集積回路の放出面を構成することが望ましい。
【0053】
追加的に、いくつかの事例では、光が、特定の形状、発散などを有する1つ以上のビームを形成するように、フォトニック集積回路から発射される光を成形することが望ましくあり得る。光学システムは、補助するために1つ以上の自由空間レンズを組み込み得るが、自由空間レンズの追加は、コスト、設計複雑性、及び光学システムの全体的サイズを追加し得る。したがって、所与の光学システムにおいて使用される自由空間レンズの数を低減することが望ましい場合がある。
【0054】
本明細書で説明されるフォトニック集積回路、並びにこれらのフォトニック集積回路を組み込む光学システムは、(例えば、本明細書でより詳細に説明されるような光源ユニットの)1つ以上の光源からの光を受信してルーティングする。光源(単数又は複数)は、直接的に、又は1つ以上の中間構成要素(例えば、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、光学パワースプリッタ、スイッチ、光学カプラ、位相シフタ、それらの組み合わせ、又は同等物)を介して間接的に、のいずれかで、1つ以上の導波路によって受信される光を生成する。導波路は、フォトニック集積回路内で光をルーティングするために使用され、一部の導波路については、フォトニック集積回路から光を発射する。
【0055】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、ストリップ導波路、リブ導波路などの導波路(「出力導波路」)からの光が、出力導波路に結合して戻される後方反射光の量を低減しながら、フォトニック集積回路から放出されることを可能にする、フォトニック集積回路の出力ファセットを対象とする。これらの出力ファセットは、出力ファセットフォトニック集積回路から放出される光のビーム発散を制御するか、又は他の方法で調整するように更に構成することができる。これらの例では、スラブ導波路が出力導波路をフォトニック集積回路の出力ファセットに接続するように、出力導波路はスラブ導波路に接続される。出力導波路は、1つ以上の光源から生成された入力光を受け取り、入力光をスラブ導波路に渡す。スラブ導波路は、フォトニック集積回路の出力ファセットを形成する出力側を有し、出力導波路から受け取った入力光は、出力側を通ってスラブ導波路を出る。
【0056】
具体的には、出力導波路は、フォトニック集積回路の出力ファセットの前で終端し、したがって、出力導波路を出る光は、スラブ導波路の出力側に到達する前に、スラブ導波路を通って伝搬する。入力光は、スラブ導波路に到達すると回折し、スラブ導波路は、自由伝搬領域として作用する。入力光は、スラブ導波路の出力側(又は、本明細書でより詳細に議論されるような部分的エッチング領域などの介在光学構成要素)に到達するまで、スラブ導波路内で発散する。スラブ導波路の出力側は、フォトニック集積回路の出力ファセットの一部を形成するため、スラブ導波路を出る光は、フォトニック集積回路から放出される。
【0057】
いくつかの実施形態では、スラブ導波路の出力側はまた、入力光がスラブ導波路を出るときに入力光の発散を調整するように構成されてもよい。出力側は、出力側を通過してフォトニック集積回路を出る光の方向を操向するか又は他の方法で制御する、レンズなどの光学要素を含む。例えば、スラブ導波路の出力側の一部は、レンズ(本明細書では「オンチップレンズ」とも称される)を形成するように成形されてもよい。
【0058】
出力側は、他の出力導波路に対して任意の好適な形状及び配向を有する光学要素を画定するように成形されてもよい。例えば、光学要素は、凹状、凸状、平坦、及び/又はスラブ導波路の側の別の部分に対してある角度で配向されてもよく、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。光学要素の構造に応じて、そこを通過する光は、収束光、発散光、又はコリメート光を生成するように所望の方向に操向される。いくつかの実施形態では、光学システムの出力側は、平坦であってもよく、光が光学システムを離れるにつれて、光を成形することに低減された影響を及ぼす、又はほとんど影響を及ぼさないが、出力側から離れた出力導波路の位置決めは、出力導波路に結合される後方反射光を低減させ得る。
【0059】
これら及び他の実施形態は、図1図22Cを参照して本明細書で議論される。しかしながら、当業者は、これらの図に関して本明細書に与えられる発明を実施するための形態が、説明目的にすぎず、限定として解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
【0060】
図1は、出力側110からの光の放出を容易にするために、光学システム100の出力側110(例えば、フォトニック集積回路の側上の出力ファセット)で終端する出力導波路103を含む光学システム100の一部の上面図を示す。出力導波路103は、1つ以上の光源(図示せず)によって生成される入力光108を受け取ってもよく、光学システム100の出力側110を通して、この光の一部(光線107c、107d、及び107eとして示される)を出力してもよい。図示されるように、出力導波路103は、出力側110に当接し、そこで終端する。
【0061】
図1に示されるように、出力導波路103は、入力光108が伝搬し得る導波路コア120を含み、導波路コア120を画定し、導波路コア120に光学閉じ込めを提供する一対の光閉じ込め領域105を含む。典型的には、本明細書に記載されるフォトニック集積回路は、基板と、クラッド層と、クラッド層上に配置された導波路層とを含む。導波路層は、光閉じ込め領域(例えば、図1の光閉じ込め領域105)を画定する導波路層内のキャビティを画定するようにエッチング又はパターン化されてもよい。これらの光閉じ込め領域は、フォトニック集積回路の導波路層内の導波路(例えば、図1の導波路103)及び他の光学構成要素の形状を画定することができる。いくつかの変形例では、フォトニック集積回路は、光閉じ込め領域を充填する1つ以上の追加のクラッド層を含む。これらの事例のうちの一部では、追加のクラッド層又は複数の層もまた、導波路の上側を被覆してもよい。他の事例では、光閉じ込め領域は、導波路の横方向側面への空気界面を提供するように充填されないままであってもよい。これらの事例のうちの一部では、導波路の上部表面はまた、導波路の上部表面との空気界面を提供するように被覆されなくてもよい。
【0062】
したがって、いくつかの事例では、1つ以上のクラッド層が、導波路の長さに沿って、導波路コアを集合的に取り囲み、それへの光学閉じ込めを提供する。他の事例では、導波路コアの1つ以上の表面は、導波路の長さに沿って曝露され、直上で言及されるような空気界面を提供してもよい(また、導波路への光学閉じ込めを提供してもよい)。本明細書に記載のフォトニック集積回路の種々の層は、フォトニック集積回路内に画定された導波路によって搬送される光の1つ以上の波長に応じて、任意の適切な材料から形成することができる。例えば、いくつかの変形例では、導波路層(及びそれによって任意の導波路コア)は、シリコン、窒化ケイ素、シリカ、又は同等物から形成され、クラッド層(又は複数の層)は、二酸化ケイ素などの誘電材料(又は複数の材料)から形成され、基板は、シリコンから形成される。
【0063】
図1に戻ると、光閉じ込め領域105は、導波路120を隣接するスラブ導波路115から分離する。したがって、入力光108は、光学システム100の出力側110に到達するまで、導波路コア120内に閉じ込められ得る。この時点で、入力光108は、(光線107c、107d、及び107eによって示されるように)光学システム100の出力側110から大きく放出される。導波路コア120の幅、入力光108の波長(又は複数の波長)、及び導波路コア120と光学システム100の出力側110に接触する任意の材料(例えば、空気)との間の屈折率差に応じて、出力側110に到達する入力光108の一部は、後方反射光109として出力導波路103内に後方反射される。後方反射光109が出力導波路103に戻って結合すると、後方反射光109は、望ましくないエタロンを生成し、光源の安定性(例えば、入力光108を生成する光源の安定性)に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0064】
図2は、光が出力側210に到達する前にスラブ導波路215を通って進行するように、光学システム200のスラブ導波路215の出力側210の前で終端する出力導波路203を含む、本明細書に説明されるような光学システム200の例である。結果として、光学システム200は、図1に関して説明される出力導波路103と比較して、後方反射光を軽減することに役立つように設計することができる。いくつかの実施形態では、光学システム200は、光学要素225を含む。光学要素225は、出力側210の一部として形成されるものとして図2に示されているが、光学要素は、追加的又は代替的に、スラブ導波路215内に形成されてもよい。光学要素の実施形態及びその変形例は、図3図19B及び図21A図21Cを参照して更に詳細に説明されるであろう。
【0065】
出力導波路203は、本明細書で説明されるようなフォトニック集積回路の一部であってもよく、出力側210は、出力導波路203によって受信された光がフォトニック集積回路の側面から発射されるように、フォトニック集積回路の出力ファセットであってもよい。これらの例では、フォトニック集積回路の出力ファセットから発射された光は、光学システムの設計に応じて、光学システムから放出されてもよく、又は光学システムの別の要素に伝送されてもよい。具体的には、出力導波路203は、出力側210からある距離223で終端し、スラブ導波路215内に光を放出することができる。入力光は、スラブ導波路215に到達すると回折し、スラブ導波路は、入力光が出力側210に向かって伝搬する間に広がることを可能にする自由伝搬領域207として作用する。
【0066】
導波路(例えば、出力導波路又は入力導波路)がスラブ導波路で終端するものとして本明細書で説明される場合、導波路は、第1の光閉じ込め領域が導波路コアの第1の側に隣接し、第2の光閉じ込め領域が導波路コアの第2の側に隣接するように、一対の光閉じ込め領域の間に配置された導波路コアを含む。一対の光閉じ込め領域は、導波路コアの形状を画定し、導波路コア内に光を光学的に閉じ込めるように作用する。導波路は、導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路で終端する。一対の光閉じ込め領域はまた、この接合部で終端し、それによって導波路コアをスラブ導波路に遷移させる。導波路コアからスラブ導波路に通過する光は、本明細書で説明されるように、スラブ導波路内で回折し、自由に伝搬し得る。
【0067】
例えば、出力導波路203は、本明細書に記載されるような平面導波路層内の一対の光閉じ込め領域205の間に配置された導波路コア220を含む。光閉じ込め領域205は、出力導波路203をスラブ導波路215に結合するために、出力導波路203とスラブ導波路215との間の接合部で終端する。光閉じ込め領域205は、光がスラブ導波路215に入るときに光をもはや閉じ込めないため、光は、自由伝搬領域207を通って進むときに導波路層の平面内で広がることができる。出力導波路203が出力側210から分離される距離223(すなわち、出力導波路203の終端と出力側210との間)は、導波路層を出る前に光がどの程度広がるかを制御する。これは、それによって、出力側210に到達する光のビームのサイズを制御し得、それは、入力光が出力側210を通して(例えば、光学要素225を通して)出力側の反対側の材料の中へ(例えば、自由空間の中へ、又は光学システム200に当接する別の材料の中へ)通過するにつれて後方反射される光の量に影響を及ぼし得る。
【0068】
放出された光の大部分は、出力側210を通って(例えば、図2に示される変形例では光学要素225を通って)スラブ導波路215を離れるが、少量の光が、出力側210から(例えば、図2に示される変形例では光学要素225から)後方反射され得る。出力側210の設計に応じて、この後方反射された光の一部又は全部は、出力導波路203に結合して戻らない。その代わりに、後方反射光は、出力導波路203の導波路コア220に到達しないように、フォトニック集積回路の異なる部分に指向され得る。
【0069】
出力側210が光学要素225を含む場合、その光学要素は、任意の好適な方式で形成されてもよい。例えば、光学要素225は、フォトニック集積回路の一部をエッチング(例えば、ウェットエッチング又はドライエッチング)して、フォトニック集積回路の側面に所望の形状を作成することによって画定され得る。光学要素を形成するために、フォトニック集積回路は、少なくとも導波路層を貫通してエッチングされ、光学要素225を画定する。本明細書で論じるように、フォトニック集積回路は、クラッド層(例えば、下部クラッド層)を支持する基板と、クラッド層上に配置された(出力導波路203及びスラブ導波路215を画定する)導波路層と、任意選択で、導波路層上の追加のクラッド層(例えば、上部クラッド層)とを含み得る。いくつかの例では、フォトニック集積回路は、上部クラッド層(この層を含む例では)、導波路層を貫通し、少なくとも部分的に下部クラッド層を貫通してエッチングすることができる。これらの変形例のうちの一部では、フォトニック回路は、下部クラッド層を通して、及び少なくとも部分的に基板を通してエッチングされてもよい。
【0070】
このようにして、フォトニック集積回路の出力ファセットの少なくとも一部は、光がこの垂直面を通って水平にフォトニック集積回路を出るように、傾斜及び/又は湾曲した垂直面であってもよい。光学要素は、所望され得るような任意の好適な形状(例えば、凹状対称曲線、凸状対称曲線、凹状非対称曲線、凸状非対称曲線、正方形、格子、それらの任意の組み合わせなど)を有するように画定されてもよい。出力側210及び光学要素225を画定するために使用されるエッチングは、フォトニック集積回路の他の構成要素を画定するために使用されるプロセスステップの一部であってもよく、したがって、光学要素を組み込むことは、フォトニック集積回路の製造に追加の時間又は複雑さをほとんど又は全く追加しなくてもよい。
【0071】
出力側210からの後方反射を更に低減するために、出力側210の1つ以上の部分(例えば、光学要素225)は、反射防止コーティングでコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、反射防止コーティングは、誘電材料の1つ以上の層であってもよい。反射防止コーティングは、反射防止コーティングが光学要素225に隣接し得るように、コーティングされる、堆積される、結合される、それらの任意の組み合わせなどであってもよい。反射防止コーティングは、本明細書で説明されるフォトニック集積回路の種々の実施形態の任意の出力ファセットに(例えば、光が放出されるスラブ導波路の出力側に)適用され得ることを理解されたい。
【0072】
いくつかの実施形態では、フォトニック集積回路の少なくとも一部は、光が放出される出力ファセットを越えて延在することができる。例えば、図16Aは、本明細書に記載されるフォトニック集積回路1600の変形例の斜視図を示す。そこに示されるように、フォトニック集積回路1600は、基板1602、第1の誘電体層1604、導波路層1606、及び第2の誘電体層1608を含む。第1の誘電体層1604は、基板1602によって(直接又は間接的に)支持され、導波路層1606は、第1の誘電体層1604上に配置され、第2の誘電体層1608は、導波路層1606上に配置される。このようにして、第1及び第2の誘電体層1604、1608は、フォトニック集積回路1600によって搬送される光を導波路層1606の平面内に光学的に閉じ込めることができる。
【0073】
フォトニック集積回路1600は、フォトニック集積回路1600の周囲の一部を形成する横方向側面1610を含む。例えば、フォトニック集積回路1600は、横方向側面1610を露出させるためにダイシングされたより大きなウェハの一部として形成されてもよい。フォトニック集積回路1600の一部は、本明細書で説明されるように、フォトニック集積回路1600から光を出力するために使用される出力ファセット1612を画定するようにエッチングされる。具体的には、図16Aに示す変形例では、フォトニック集積回路1600は、第2の誘電体層1608、導波路層1606、第1の誘電体層1604、及び基板1602の一部を貫通してエッチングされる。フォトニック集積回路1600は、出力ファセット1612(前述のようにスラブ導波路の出力面に画定され得る)に光学要素1614を画定するようにエッチングされ得る。出力光が出力ファセット1612から離れて伝搬するときに、出力光がフォトニック集積回路1600の周囲部分によってクリップされないように、十分に深いエッチング深さを選択することが好ましい場合がある。
【0074】
出力ファセット1612は、出力ファセット1612からフォトニック集積回路1600を出る光が、(フォトニック集積回路1600を含む光学システムの別の光学構成要素によって再指向されない場合)横方向側面1610を通過して進むことができるように、横方向側面1610に対して凹んでいる。例えば、図16Bは、フォトニック集積回路1600の一部の上面図を示す。そこに示されるように、出力導波路1616は、導波路コア1620を画定する一対の光閉じ込め領域1618を介して導波路層1606内に画定されてもよい。これらの光閉じ込め領域1618は、第2のクラッド層1608によって、又は追加のクラッド層(例えば、異なる材料から形成される、及び/又は第2のクラッド層1608とは別個のステップで堆積される)によって充填されてもよい。出力導波路1616は、やはり導波路層1606内に画定されるスラブ導波路1622内で終端する。出力導波路1616は、光1624をスラブ導波路1622内に通過させてもよく、光1624は、出力ファセット1612に近づくにつれて発散する。光1624は、(スラブ導波路1622の出力面を形成する)出力ファセット1612を通過して、フォトニック集積回路1600を出る。図16Bに示すように、光1624は、出力ファセット1612を通ってフォトニック集積回路1600を出た後、横方向側面1610を通過して進む。
【0075】
出力ファセット1612は、フォトニック集積回路1600の外面を形成する(すなわち、フォトニック集積回路1600の外周の一部を形成する)が、他の変形例では、フォトニック集積回路は、フォトニック集積回路内に画定されたキャビティの内面から光を放出するように構成されてもよい。例えば、図16Cは、フォトニック集積回路1630の別の実施形態の上面図を示す。フォトニック集積回路1630は、例えば、基板1632と、基板1632によって支持された下部クラッド層(図示せず)と、下部クラッド層上に配置された導波路層1634とを含み得る。いくつかの例では、フォトニック集積回路1630は、導波路層1634上に配置された上部クラッド層(図示せず)を更に含む。フォトニック集積回路1630は、導波路層1634の一部を露出させるためにフォトニック集積回路1630を少なくとも部分的に貫通して延在するキャビティ1650を画定する。例えば、図1Cに示される変形例では、キャビティは、上部クラッド層(本層を含む変形例では)、導波路層1634、及び下部クラッド層を通して延在し、基板1632を部分的に通して延在する。
【0076】
これらの変形例では、フォトニック集積回路1630は、キャビティ1650の表面が、光がフォトニック集積回路1630から放出される出力ファセット1644として機能するように構成される。そこに示されるように、フォトニック集積回路1630は、一対の光閉じ込め領域1638によって画定される導波路コア1640を含む出力導波路1636を含む。出力導波路1636は、導波路層1634内に画定されたスラブ導波路で終端する。出力ファセット1644は、出力導波路1636からスラブ導波路に導入された光が出力ファセット1644を通ってスラブ導波路から放出されるように、スラブ導波路の出力面を画定する。この光は、導波路層1634を出てキャビティ1650に入る。
【0077】
キャビティ1650の内部は、フォトニック集積回路1630の表面によって境界付けられているため、出力ファセット1644を通って導波路層1634を出る光の少なくとも一部は、キャビティ1650の反対側の表面に向かって指向される。したがって、フォトニック集積回路1630は、この光をキャビティ1650から出るように再指向するように構成され得る。例えば、いくつかの変形例では、出力ファセット1644に対向するキャビティ1650の表面は、導波路層1634の平面から離れ、キャビティ1650から出るように光を再指向するように、非垂直に角度付けられてもよい(任意選択で、金属などの反射材料でコーティングされる)。他の変形例では、追加の構成要素1646が、少なくとも部分的にキャビティの中に挿入されてもよい。この追加の構成要素1646は、導波路層1634の平面から離れてキャビティ1650の外に光を再指向するように構成される、1つ以上の角度付けられた表面及び/又は他の特徴を含み得る。いくつかの変形例では、側面1644と追加の構成要素1646との間の任意の空間は、光が追加の構成要素1646に到達する前に、光の発散を制限するように作用し得る、別のタイプの材料で充填されてもよい。
【0078】
本明細書に説明される出力導波路によって搬送及び放出される光を生成するために、本明細書に説明される光学システムは、光を生成するように構成される、光源ユニットを含み得る。光源ユニットは、単一の波長で光を生成するように構成され得るか、又は所定の波長範囲にわたって複数の異なる波長を生成することが可能であり得る。本明細書に説明される光源ユニットは、光源のセット(単一の光源又は複数の異なる光源であり得る)を含み、その各々は、対応する波長のセットにおいて光を放出するように選択的に動作可能である。
【0079】
各光源は、発光ダイオード又はレーザなど、1つ以上の特定の波長で光を生成することができる任意の構成要素であってもよい。レーザは、レーザダイオード(例えば、分散ブラッグ反射器レーザ、分散帰還型レーザ、外部共振器レーザ)、量子カスケードレーザなどの半導体レーザを含んでもよい。所与の光源は、単一周波数(固定波長)であってもよく、又は複数の波長のうちの1つを選択的に生成するように同調可能であってもよい(すなわち、光源は、異なる時間に異なる波長を出力するように制御されてもよい)。セットの光源は、光源の任意の適切な組合せを含んでもよく、複数の異なる波長のいずれかで光を生成するように集合的に動作してもよい。
【0080】
光源ユニットが複数の異なる波長を生成することができる限り、光源ユニットは、異なる波長の光を同時に及び/又は順次に生成するように構成されてもよい。光源ユニットの光源の一部又は全部は、本明細書に記載のフォトニック集積回路に集積されてもよい。追加的又は代替的に、光源ユニットの光源のうちの一部又は全ては、フォトニック集積回路とは別個に配置され、光をフォトニック集積回路内に結合することができる。前述のように、光学システムは、光が入力光として出力導波路に到達する前に変更され得るように、光源ユニットの光源と出力導波路との間に追加の構成要素(図示せず)を含み得る。
【0081】
本明細書に説明される導波路が、波長の範囲(例えば、「波長の目標範囲」)を有する、及び/又はそれにわたって動作する入力光を搬送するものとして議論されるとき、いくつかの事例では、光源ユニットは、その範囲内のスペクトル全体(すなわち、範囲の最長波長と最短波長との間のあらゆる波長)を生成することが可能である必要はないことを理解されたい。その代わりに、光源ユニットは、その範囲内の離散的な数又はセットの波長を生成することができる。同様に、出力導波路は、これらの波長の全てを必ずしも同時に搬送しなくてもよく、その代わりに、光学システムの動作に応じて異なる時間にこれらの波長を受信してもよい。追加的に、波長の目標範囲は、光学システムの必要性に応じて、任意の特定の帯域幅に及んでもよい。例えば、いくつかの事例では、波長の目標範囲は、少なくとも100nmに及んでもよい。これらの変形例のうちの一部では、波長の目標範囲は、少なくとも500nmに及んでもよい。これらの変形例のうちの一部では、波長の目標範囲は、少なくとも1000nmに及んでもよい。
【0082】
図3は、光の後方反射を軽減する別の光学システム300の例である。具体的には、光学システム300は、出力側310によって画定される光学要素を含まない出力側310(本明細書で論じるようなフォトニック集積回路の出力ファセットであってもよい)から光を放出するように構成される。光学システム300は、出力導波路303及びスラブ導波路315を含み、その各々は、前述のように、導波路層内に画定されてもよい。出力導波路303は、導波路コア320を通って伝搬する光が光閉じ込め領域305によって閉じ込められるように、一対の光閉じ込め領域305によって画定される導波路コア320を含み得る。出力導波路303は、出力導波路303を出る光のための自由伝搬領域として作用するスラブ導波路315との接合部で終端する。
【0083】
出力導波路303の早期終端(すなわち、出力側310の前)は、スラブ導波路315の導波路コア320に戻って結合することから、後方反射光307a、307bの量を減少させ得る(これは、出力側310が反射防止コーティングでコーティングされる場合に更に軽減され得る)。具体的には、出力導波路303を出る入力光(この入力光の外側光線は、光線307a、307bによって表される)は、スラブ導波路315を通って進行するにつれて発散し、これは、出力導波路303の中に指向される後方反射光の量を低減させ得る。光が出力側310を通ってスラブ導波路315を出るとき、スラブ導波路315と周囲の材料(例えば、空気)との間の屈折率の変化は、出力光の発散(この光の外側の光線は、光線307d、307eによって表される)を入力光の発散に対して増加させ得る。光ビームは、図3図15において外側の光線として示されているが、光は、外側の光線の間の空間を満たし、外側の光線は、放出される光の外側の限界を表すことが理解され得る。
【0084】
出力側310で生じる屈折率変化に応じて、この発散変化の大きさは、そうでなければ所与の光学システムに対して所望されるものよりも大きくなり得る。したがって、いくつかの変形例では、フォトニック集積回路の出力ファセットは、出力側から出る光ビームを成形するのを助けることができる光学要素を画定するように構成することができる。例えば、図4は、光学要素425を画定する側面410を有する、光学システム400の例を示し、光学要素425は、オンチップレンズを形成する。この変形例では、光学要素425は、光が側面410から放出されるときに光をコリメートするように構成される。
【0085】
光学システム400は、スラブ導波路415及び出力導波路403を含む。例えば、スラブ導波路415及び出力導波路403は、上述したようなフォトニック集積回路の導波路層内に画定されてもよく、側面410は、フォトニック集積回路の出力ファセットである。出力導波路403は、スラブ導波路415に接続された導波路コア420(前述のように構成された一対の光閉じ込め領域405によって画定される)を有する。このようにして、出力導波路403は、側面410に達する前に終端する。したがって、出力導波路403によって受信された入力光は、スラブ導波路415(自由伝搬領域として作用する)に渡され、その中で、その境界が光線407a、407bによって表される入力光は、光学要素425に近づくにつれて発散する。
【0086】
入力光が光学要素425を通過して出力光ビームを生成すると、光学要素425は、出力光(最も外側の光線407d及び407eによって表される)をコリメートする正レンズ(すなわち、正の屈折力を有するレンズ)として作用する。このコリメーションは、スラブ導波路415を画定する導波路層の平面(すなわち、遅軸)内で生じ、光は、側面410を通って出た後、スラブ導波路415の平面に垂直な方向(すなわち、速軸)に依然として発散し得ることを理解されたい。追加の自由空間光学要素(例えば、速軸コリメータなどのレンズ要素)が、速軸におけるビームプロファイルを調整するために光学システム400に追加されてもよいが、光学要素425は、遅軸における出力光のための所望のビームプロファイルを達成するために必要な自由空間光学要素の数及び/又は複雑さを低減させてもよい。
【0087】
図4に示される変形例では、光学要素425は、正の曲率半径を伴う曲線(すなわち、出力導波路403に向かって湾曲する)などの凸形状を有する。入力光のビーム幅は、図4では、ビームが光学要素425の一部のみを通過するようにサイズ設定されるが、これは、例示の目的にすぎない。光学要素425は、入力光が、所望に応じて、光学要素425のより大きい又はより小さい部分を通過するようにサイズ設定されてもよい。例えば、いくつかの事例では、光学要素425は、入力光が光学要素425を通過するにつれて、入力光が光学要素425の近似幅(例えば、光学要素425の幅の5%以内)まで拡散するようにサイズ設定及び配置されてもよい。
【0088】
他の事例では、光学要素は、光が収束するように、側面から放出される光を集束させるように構成されてもよい。図5は、光学要素525を画定する側面510を有する光学システム500の一例であり、光学要素525は、側面510から放出された光を操向して収束させるように構成されたオンチップレンズを形成する。
【0089】
図4の光学システム400と同様に、光学システム500は、スラブ導波路515及び出力導波路503を含む。例えば、スラブ導波路515及び出力導波路503は、上述したようなフォトニック集積回路の導波路層内に画定されてもよく、側面510は、フォトニック集積回路の出力ファセットである。出力導波路503は、スラブ導波路515に接続された導波路コア520(上述したような一対の光閉じ込め領域505によって画定される)を有する。このようにして、出力導波路503は、側面510に達する前に終端する。したがって、出力導波路503によって受信された入力光は、スラブ導波路515(自由伝搬領域として作用する)に渡され、その中で、その境界が光線507a、507bによって表される入力光は、光学要素525に近づくにつれて発散する。
【0090】
光学システム500の光学要素525は、発散する入力光が光学要素525を通過するときに、光学要素525が収束する出力光ビーム(その境界が最も外側の光線507d及び507eによって表される)を生成するように配置され、かつ/又は湾曲される。図4の光学要素425と同様に、光学要素525は、光学要素525の曲率及び/又は出力導波路と光学要素525との間の距離が、出力光を収束させるように操向するように調整される(光学要素425と比較して)ことを除いて、正レンズ(すなわち、正の屈折力を有するレンズ)として作用するであろう。光学要素525は、正の曲率半径を有する曲線などの凸形状を有し、前述したような任意の適切な方法で製造することができる。本明細書で議論されるように、この集束は、スラブ導波路515の平面内で生じ、そうでなければ、遅軸において光を集束させるために使用されるであろう、自由空間光学系の数、サイズ、及び/又は複雑さを低減させ得る。
【0091】
他の変形例では、入力光がフォトニック集積回路の側面を出るときに入力光のビームプロファイルを著しく変化させることは望ましくない場合がある。したがって、いくつかの変形例では、フォトニック集積回路の出力側面は、円筒形レンズが一定の曲率半径を有するように、半円曲線を伴う円筒形レンズとして構成される光学要素を含み得る。図17Aは、(本明細書で説明される光学システムの一部であり得る)フォトニック集積回路1700の1つのかかる変形例を示す。フォトニック集積回路1700の導波路層1702のみが図17Aに示されているが、フォトニック集積回路1700は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。
【0092】
フォトニック集積回路1700は、光がフォトニック集積回路1700から放出され得る出力ファセットとして機能する側面1704を含む。側面1704は、半円曲線を有する円筒形オンチップレンズを形成する光学要素1706を画定する。フォトニック集積回路は、導波路層1702内に画定された出力導波路1708及びスラブ導波路1714を更に含む。具体的には、出力導波路1708は、一対の光閉じ込め領域1712によって境界付けられ画定された導波路コア1710を含む。出力導波路1708は、出力導波路1708とスラブ導波路1714との間の接合部においてスラブ導波路1714内で終端する。
【0093】
前述したように、入力光が出力導波路1708からスラブ導波路1714に導入されると、この入力光(その境界は矢印1718a及び1718bによって表される)はスラブ導波路1714内で発散する。図17Aに示されるように、出力導波路1708とスラブ導波路1714との間の接合部が光学要素1706の曲率中心に配置される場合、出力導波路1708から放出される入力光は、光が光学要素1706を通ってフォトニック集積回路1700を出るときにその発散を変化させない。具体的には、入力光が出力導波路1708からスラブ導波路1714内に導入されるとき、入力光内の各光線は、垂直入射で光学要素1706に当たるであろう(光学要素1706は、入力光が光学要素1706に当たる前にその遠視野に到達するようにサイズ設定されると仮定する)。各光線が光学要素1706に垂直入射で当たると、各光線は、スラブ導波路1714と側面1704と接触する材料(例えば、空気)との間の屈折率変化を受けるのと同じ方向に沿って進み続ける。したがって、光学要素1706は、入力光と同じビーム発散を有する出力光(最も外側の光線1720a及び1720bによって表される)を生成する。
【0094】
光線が光学要素1706に垂直入射で当たると、光がスラブ導波路1714を出るときに引き起こされる後方反射は、出力導波路1708に再帰反射される。実際には、後方反射光(その境界は矢印1718a及び1718bによっても表される)は、光学要素1706によって出力導波路1708の入口に集束される。これを軽減するために、出力導波路は、半円曲線の曲率中心に対して横方向にオフセットされるように配置されてもよい。本明細書で使用されるように、出力導波路は、出力導波路から出る光ビーム(すなわち、スラブ導波路内の入力光)が光学要素の曲率中心と交差しない線に沿って中心に置かれるとき、光学要素の曲率中心に対して「横方向にオフセットされる」と見なされる。図17Aに示される変形例では、出力導波路1708から出る入力光は、光学要素1706の曲率中心と交差する線1716上に中心が置かれ、したがって、出力導波路1708は、光学要素1706に対して横方向にオフセットされない。
【0095】
図17Bは、光学要素1736に対して横方向にオフセットされた導波路1738を含むフォトニック集積回路1730の別の変形例を示す。図17Bのフォトニック集積回路1700と同様に、フォトニック集積回路1730は、本明細書に記載の光学システムの一部であってもよく、基板と、下部クラッド層と、導波路層1732と、任意選択で上部クラッド層とを含んでもよい(ただし、図17Bには導波路層1732のみを示す)。
【0096】
フォトニック集積回路1730は、光がフォトニック集積回路1730から放出され得る出力ファセットとして機能する側面1734を含む。側面1734は、半円曲線を有する円筒形オンチップレンズを形成する光学要素1736を画定する。フォトニック集積回路は、導波路層1732内に画定された出力導波路1738及びスラブ導波路1744を更に含む。具体的には、出力導波路1738は、一対の光閉じ込め領域1742によって境界付けられ画定された導波路コア1740を含む。出力導波路1738は、出力導波路1738とスラブ導波路1744との間の接合部においてスラブ導波路1744内で終端する。
【0097】
図17Aの出力導波路1708とは異なり、フォトニック集積回路1730の出力導波路1738は、出力導波路1708とスラブ導波路1714との間の接合部が光学要素1706の曲率中心1760に配置されないように配置される。図17Bに示される変形例では、出力導波路1738は、光学要素1736の曲率中心1760に対して横方向にオフセットされる。具体的には、出力導波路1738は、ビームが光学要素1736の曲率中心1760と交差しない線1746に沿って中心に置かれるように、出力導波路1738が入力光のビーム(その外側境界が光線1748a、1748bによって表される)をスラブ導波路1744に導入するように配置される。
【0098】
出力導波路1738が曲率中心1760に対して横方向にオフセットされるとき、入力光の種々の光線は、非垂直角度で光学要素1736に衝打するであろう。その結果、これらの光線がスラブ導波路1744を出るときに引き起こされる後方反射は、出力導波路1738に再帰反射されない。代わりに、後方反射(その外側境界は、図17Bにおいて光線1752a、1752bによって表される)は、スラブ導波路1744内の異なる点に効果的に集束される。出力導波路1738が、光学要素1736の曲率中心1760に対して十分に横方向にオフセットされる場合、側面1734からの後方反射のいずれも、出力導波路1738の中に直接結合しないであろう。
【0099】
入力光が光学要素1736に到達すると、側面1734は、出力光のビームを生成する(その境界は、光線1750a及び1750bによって表される)。出力導波路1738を横方向に偏移させることは、(図17Aにおける側面1704によって生成されるビームと比較して)出力光ビームの発散の方向及び/又はレベルを調整し得るが、出力光ビームは、直上で説明されるように、低減された後方反射を実現しながら、依然として、所与の光学システムのためのシステム仕様内であり得る。実際、いくつかの事例では、出力導波路1738は、図18A図18Cに関して本明細書に説明されるように、出力ビームの発散を意図的に増加又は減少させるように配置されてもよい。
【0100】
図4図5図17A、及び図17Bに関して前に説明した光学要素は、凸形状を有するオンチップレンズとして構成されるが、他の変形例では、光学要素は、凹形状を有するオンチップレンズとして構成され得る。例えば、図6は、光学要素625を画定する側面610を有する光学システム600の一例であり、光学要素625はオンチップレンズを形成する。本変形例において、光学要素625は、側面610から出た光の広がりを大きくするように構成されている。
【0101】
光学システム600は、スラブ導波路615及び出力導波路603を含む。例えば、スラブ導波路615及び出力導波路603は、側面610がフォトニック集積回路の出力ファセットを形成するように、上述したようなフォトニック集積回路の導波路層内に画定することができる。出力導波路603は、スラブ導波路615に接続された導波路コア620(前述のように、一対の光閉じ込め領域605によって画定される)を有する。このようにして、出力導波路603は、側面610に達する前に終端する。したがって、出力導波路603によって受信された入力光は、スラブ導波路615(自由伝搬領域として作用する)に渡され、その中で、その境界が光線607a、607bによって表される入力光は、光学要素625に近づくにつれて発散する。
【0102】
入力光が光学要素625を通過して出力光ビームを生成するとき、光学要素625は、出力光(その境界は光線607d及び607eによって表される)の発散を増加させるための負レンズ(すなわち、負の屈折力を有するレンズ)として作用することになる。この操向は、スラブ導波路615を画定する導波路層の平面(すなわち、遅軸)内で生じ、出力光はまた、前述のように、速軸において発散し得る。図6に示される変形例では、光学要素625は、負の曲率半径を伴う曲線などの凹面形状を有する(すなわち、出力導波路603から離れて湾曲する)。本明細書で議論されるように、光学要素625は、そうでなければ遅軸において集束するために使用されるであろう、自由空間光学系の数、サイズ、及び/又は複雑さを低減させる。
【0103】
図4図6図17A、及び図17Bに関して本明細書で説明される光学システム及びフォトニック集積回路はそれぞれ、オンチップレンズとして形成された単一の光学要素を有する側面を有するものとして示されているが、本明細書で説明されるフォトニック集積回路(及び関連する光学システム)は、その側面に形成された複数の光学要素を含むことができることを理解されたい。例えば、図18Aは、フォトニック集積回路1800の1つのかかる変形例を示す。フォトニック集積回路1800の導波路層1802のみが図18Aに示されているが、フォトニック集積回路1800は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。
【0104】
フォトニック集積回路1800は、光がフォトニック集積回路1800から放出され得る出力ファセットとして機能する側面1804を含む。側面1804は、その各々がオンチップレンズを形成する複数の光学要素1806a~1806cを画定する。複数の光学要素1806a~1806cは、3つの光学要素(すなわち、第1の光学要素1806a、第2の光学要素1806b、及び第3の光学要素1806c)を有するものとして図18Aに示されるが、複数の光学要素1806a~1806cは、任意の好適な数の光学要素(例えば、2、3、4、5、10、20、若しくは30、又はそれを上回る光学要素)を含み得る。これらの光学要素の各々は、本明細書に説明されるようなオンチップレンズのいずれかとして構成されてもよく、したがって、複数の光学要素1806a~1806cは、所望に応じて、オンチップレンズの任意の組み合わせを含み得る。複数の光学要素1806a~1806cは、それぞれ、同一形状を有してもよい、又は代替的に、複数の光学要素1806a~1806cの一部又は全部は、異なる形状を有してもよい。
【0105】
フォトニック集積回路1800は、導波路層1802内に画定された複数の出力導波路1808a~1808c及び複数のスラブ導波路1810a~1810cを更に含む。複数の出力導波路1808a~1808cの各出力導波路及び複数のスラブ導波路1810a~1810cの各スラブ導波路は、複数の光学要素1806a~1806cの対応する光学要素に関連付けられ、その結果、各光学要素は、複数の出力導波路1808a~1808cのうちの1つから(複数のスラブ導波路1810a~1810cのうちの対応するスラブ導波路を介して)光を受け取り、出力光の対応するビームを生成する。各光学要素、その対応する出力導波路、及びその対応するスラブ導波路は、出力ビームのビームを生成することが可能なエミッタを集合的に形成する。したがって、フォトニック集積回路1800は複数のエミッタを含み、その各々は、フォトニック集積回路1800の側面1804を通して対応する光ビームを放出することができる。側面1804は、出力光のより大きいビームを集合的に形成し得る、出力光の複数の個々のビームを放出してもよい。
【0106】
図18Aに示される変形例では、複数の出力導波路1808a~1808cは、第1の出力導波路1808aと、第2の出力導波路1808bと、第3の出力導波路1808cとを含む。同様に、複数のスラブ導波路1810a~1810cは、第1のスラブ導波路1810a、第2のスラブ導波路1810b、及び第3のスラブ導波路1810cを含む。複数のスラブ導波路1810a~1810cは、スラブ導波路1810a~1810cが(図18Aに示されるように)互いに光学的に接続されるように、共通のスラブ導波路の異なる部分であってもよく、又は、光が複数のスラブ導波路1810a~1810cの間を進むことができないように、(例えば、介在する光閉じ込め領域を介して)光学的に分離されてもよいことを理解されたい。
【0107】
第1の出力導波路1808aは、第1の出力導波路1808aと第1のスラブ導波路1810aとの間の接合部において第1のスラブ導波路1810a内で終端する。前述したように、入力光1814aのビームが第1の出力導波路1808aから第1のスラブ導波路1810aに導入されると、この入力光1814aは第1のスラブ導波路1810a内で発散する。入力光1814aは、第1の光学要素1806aを通過して、出力光1816aの第1のビームを生成する。第2の出力導波路1808b、第2のスラブ導波路1810b、及び第2の光学要素1806bは、同様に、第2の出力導波路1808bから第2のスラブ導波路1810bに導入される入力光1814bのビームから出力光1816bの第2のビームを生成するように構成され得る。第3の出力導波路1808c、第3のスラブ導波路1810c、及び第3の光学要素1806cは、同じ方法で入力光1814cの対応するビームから出力光1816cの第3のビームを生成する。
【0108】
図18Aに示される変形例では、複数の光学要素1806a~1806cはそれぞれ、半円曲線を伴う円筒形レンズとして構成される。これらの変形例のうちの一部では、複数の出力導波路1808a~1808cの各々は、その対応する光学要素の曲率中心から横方向にオフセットされる。これは、図17Bのフォトニック集積回路1730に関して本明細書で説明したように、光が対応する光学要素1806a~1806cを通過するときに、後方反射が複数の出力導波路1808a~1808cに到達するのを低減又は防止することができる。
【0109】
いくつかの変形例では、複数のエミッタの各々は、同一の構成を有する。これらの変形例では、各エミッタは、その対応する光学要素、出力導波路、及びスラブ導波路の同一の相対的サイズ、位置決め、及び配向を有する。具体的には、複数の出力導波路1808a~1808cの各々は、複数の光学要素1806a~1806cのうちの対応する光学要素に対して同じ位置及び配向を有する。追加的に、複数の光学要素1806a~1806cの各々は、同一形状を有し、したがって、複数のエミッタによって生成される出力光1816a~1816cのビームは、同一形状及び方向を有するであろう。他の変形例では、異なるエミッタは、異なる構成を有してもよい。例えば、複数の光学要素1806a~1806cのうちの少なくとも一部は、(例えば、出力光の対応するビームの形状又は方向を変更するように)異なる形状を有してもよい。追加的又は代替的に、複数の出力導波路1808a~1808cのうちの一部は、それらの対応する光学要素に対して異なる位置及び/又は配向を有し、したがって、異なる形状及び/又は方向を有する出力光のビームを生成するであろう。したがって、これらの位置及び配向は、複数の光学要素1806a~1806cによって集合的に生成される光の全体的ビームの形状を調整するように、複数の出力導波路1808a~1808cの各々内で調整されてもよい。
【0110】
図18Aに示される変形例では、複数の出力導波路1808a~1808cとそれらの対応するスラブ導波路1810a~1810cとの間の接合部は、複数の光学要素1806a~1806cの曲率中心(図示せず)と位置合わせされる。これは、図18Aの複数の光学要素1806a~1806cの各々の曲率中心と交差する線1812によって表される。接合部が線1812に沿って配置され、対応する光学要素の曲率中心から横方向にオフセットされている場合、対応する光学要素からの後方反射光(例えば、第1の光学要素1806aの後方反射光1818a、第2の光学要素1806bの後方反射光1818b、及び第3の光学要素1806cの後方反射光1818c)は、線1812に沿っているが曲率中心の反対側にある点に集束される。したがって、これらの接合部は、上述したように、後方反射光が複数の出力導波路1808a~1808cに入射しないように配置することができる。
【0111】
他の例では、出力導波路と対応するスラブ導波路との間の接合部は、対応する光学要素の半円曲線の曲率中心と位置合わせされず、これは、出力光がフォトニック集積回路の側面を出るときに、出力光の発散を増加又は減少させるために使用され得る。例えば、図18Bは、フォトニック集積回路1820の別の変形例を示す。具体的には、図18Bは、複数の光学要素(第1の光学要素1826a、第2の光学要素1826b、及び第3の光学要素1826cを含む)を画定する側面1824と、複数の出力導波路(第1の出力導波路1828a、第2の出力導波路1828b、及び第3の出力導波路1828cを含む)と、複数のスラブ導波路(第1のスラブ導波路1830a、第2のスラブ導波路1830b、及び第3のスラブ導波路1830cを含む)とを含む、フォトニック集積回路1820の導波路層1822を示す。これらの構成要素は、前述のように、複数のエミッタを集合的に形成する。側面1824は、フォトニック集積回路1820から光が放出され得る出力ファセットとして機能する。
【0112】
フォトニック集積回路1820は、複数の出力導波路1828a~1828cの各々が、(図18Bにおいて複数の光学要素1826a~1826cの各々の曲率中心と交差する線1832によって表されるように)その対応する光学要素の曲率中心の後方で終端することを除いて、図18Aのフォトニック集積回路1800と同じように構成され得る。換言すれば、出力導波路とその対応するスラブ導波路との間の接合部は、対応する光学要素の曲率中心が接合部と光学要素との間に配置されるように配置される。これは、それらの対応する入力光のビームよりもわずかにコリメートされた(すなわち、より少ない発散を有する)出力光のビームをもたらし得る。例えば、第1の出力導波路1828aが入力光1834aのビームを第1のスラブ導波路1830aに(すなわち、線1832の後方の接合部において)導入するとき、入力光1834aのビームは、第1の光学要素1826aを通過するときに部分的にコリメートされる。結果として、第1の光学要素1826aは、入力光のビーム1834aよりも少ない発散を有する出力光の第1のビーム1836aを生成する。同様に、第2の光学要素1826bは、入力光1834bの対応するビームよりも小さい発散を有する出力光1836bの第2のビームを生成することができ、第3の光学要素1826cは、入力光1834cの対応するビームよりも小さい発散を有する出力光1836cの第3のビームを生成することができる。複数の出力導波路1828a~1828cの各々は、対応する光学要素の曲率中心から横方向にオフセットされ得ることを理解されたい。これは、線1832の反対側の点に集束される後方反射光(図示せず)をもたらし得るが、複数の出力導波路1828a~1828cは、依然として、後方反射光が複数の出力導波路1828a~1828cの中に結合されないように配置されてもよい。
【0113】
図18Cは、フォトニック集積回路1840の更に別の変形例を示す。具体的には、図18Cは、複数の光学要素(第1の光学要素1846a、第2の光学要素1846b、及び第3の光学要素1846cを含む)を画定する側面1844と、複数の出力導波路(第1の出力導波路1848a、第2の出力導波路1848b、及び第3の出力導波路1848cを含む)と、複数のスラブ導波路(第1のスラブ導波路1850a、第2のスラブ導波路1850b、及び第3のスラブ導波路1850cを含む)とを含む、フォトニック集積回路1840の導波路層1842を示す。これらの構成要素は、前述のように、複数のエミッタを集合的に形成する。側面1844は、フォトニック集積回路1840から光が放出され得る出力ファセットとして機能する。
【0114】
フォトニック集積回路1840は、複数の出力導波路1848a~1428cの各々が、(図18Cにおいて複数の光学要素1846a~1846cの各々の曲率中心と交差する線1852によって表されるように)その対応する光学要素の曲率中心を越えて延在し、その曲率中心の前で終端することを除いて、図18Aのフォトニック集積回路1800と同じように構成され得る。換言すれば、各出力導波路とその対応するスラブ導波路との間の接合部は、接合部が対応する光学要素とその曲率中心との間に配置されるように配置される。これは、対応する入力光のビームよりも増加した発散を有する出力光のビームをもたらし得る。例えば、第1の出力導波路1848aが入力光1854aのビームを第1のスラブ導波路1850bに(すなわち、線1852の前の接合部において)導入するとき、入力光1854aのビームは、第1の光学要素1846aを通過するにつれて発散するであろう。結果として、第1の光学要素1846aは、入力光のビーム1854bよりも大きい発散を有する出力光の第1のビーム1856aを生成することになる。同様に、第2の光学要素1846bは、入力光1854bの対応するビームよりも大きい発散を有する出力光1856bの第2のビームを生成することができ、第3の光学要素1846cは、入力光1854cの対応するビームよりも大きい発散を有する出力光1856cの第3のビームを生成することができる。複数の出力導波路1848a~1848cの各々は、対応する光学要素の曲率中心から横方向にオフセットされ得ることを理解されたい。これは、線1852の反対側の点に集束される後方反射光(図示せず)をもたらし得るが、複数の出力導波路1848a~1848cは、依然として、後方反射光が複数の出力導波路1848a~1848cの中に結合されないように配置されてもよい。
【0115】
複数のエミッタを使用して複数の出力ビームが生成される事例では、出力ビームの一部又は全部の個々の制御を可能にすることが望ましくあり得る。これは、光学システムのフォトニック集積回路から放出される全体的な照明の調整を可能にし得る。例えば、フォトニック集積回路は、異なる出力ビームの強度、波長(又は複数の波長)、及び/又は位相を選択的に制御することができてもよい。図18Dは、複数のエミッタを介して出力光の複数のビームを放出するように構成されたフォトニック集積回路1862を有する光学システム1860の一例を示す。具体的には、フォトニック集積回路1862は、複数の光学要素1866a~1866dを画定する側面1864を有する。側面1864は、フォトニック集積回路1862の出力ファセットとして機能する。複数の光学要素1866a~1866dは、4つの光学要素(例えば、第1の光学要素1866a、第2の光学要素1866b、第3の光学要素1866c、及び第4の光学要素1866d)を含むが、前述のように、任意の好適な数の光学要素を含み得る。
【0116】
フォトニック集積回路1862は、複数の出力導波路1868a~1868dを更に含み、その各々は、図18A図18Cのフォトニック集積回路に関して本明細書で説明したように、複数の光学要素1866a~1866dのうちの対応する光学要素に関連付けられる。具体的には、第1の出力導波路1868aは、出力光の第1のビーム1874aを生成するために入力光のビーム1872aを第1の光学要素1866aに指向することができ、第2の出力導波路1868bは、出力光の第2のビーム1874bを生成するために入力光のビーム1872bを第2の光学要素1866bに指向することができる。同様に、第3の出力導波路1868cは、出力光の第3のビーム1874cを生成するために入力光のビーム1872cを第3の光学要素1866cに指向することができ、第4の出力導波路1868dは、出力光の第4のビーム1874dを生成するために入力光のビーム1872dを第4の光学要素1866dに指向することができる。これは、前述の複数のエミッタを集合的に形成してもよい。光学要素1866a~1866dの相対的配置及び出力光1874a~1874dのビームの発散に応じて、出力光1874a~1874dのビームの一部又は全部は、少なくとも部分的に重複してもよい。
【0117】
いくつかの事例では、光学システム1860は、出力光1874a~1874dのビームの異なる組み合わせが異なる時間に生成され得るように、エミッタのうちのどれが光を放出しているか(すなわち、光学要素1866a~1866dのうちのどれが出力光のビームを能動的に生成しているか)を選択的に制御してもよい。これらの事例では、個々のエミッタ又はエミッタの群は、光を生成するように(例えば、本明細書で議論されるようなコントローラによって)個々に制御されてもよい。追加的又は代替的に、光学システム1860は、光の強度が異なるエミッタ間で変動するように、出力光1874a~1874dのこれらのビームの強度を選択的に制御してもよい。例えば、光学システム1860は、光源ユニット1869を含むことができ、これは、上述したような任意の方法で構成することができる。光源ユニット1869は、複数のエミッタの各々と光学的に接続される。具体的には、光源ユニット1869は、複数の出力導波路1868a~1868dの各々に光学的に接続され、入力光1872a~1872dのビームの各々(したがって、出力光1874a~1874dのビーム)は、光源ユニット1869の1つ以上の光源によって最初に生成される。光源ユニット1869は、図18Dでは、フォトニック集積回路1862に組み込まれているように示されているが、他の例では、光源1869の光源の一部又は全部は、フォトニック集積回路1862とは別個であり、光をフォトニック集積回路1862に結合するように配置される。
【0118】
いくつかの変形例では、光源ユニット1869は、光源ユニット1869の異なる光源を選択的にアクティブ化することによって、出力導波路1868a~1868dのうちのどれが出力光を受信するかを制御してもよい。追加的又は代替的に、フォトニック集積回路1862は、光源ユニット1869と出力導波路1868a~1868dのうちの1つ以上との間に配置された1つ以上の追加の光学構成要素(例えば、光学スイッチ、可変光学減衰器、それらの組み合わせなど)を含み得る。これらの構成要素は、光源ユニット1869によって生成される光が複数の出力導波路1868a~1868dのうちの特定の出力導波路に到達するかどうかを判定するように制御されることができる。所与の出力光ビームの強度は、光源ユニット1869によって生成される光の強度を変化させること、及び/又はその光が対応する出力導波路に到達する量を制御することなどによって、同様に調整されてもよい。
【0119】
その結果、光学システム1860は、(光源ユニット1869及び/又は任意の介在構成要素を介して)出力導波路1868a~1868dのうちのいずれが入力光を受信するかを選択し、したがって、光学要素1866a~1866dのうちのいずれが出力光のビームを放出するかを選択してもよい。例えば、光学システム1860は、エミッタ(及びそれらのそれぞれの光学要素)の全てが出力光の対応するビームを放出するように、入力光を出力導波路1868a~1868dの全てに指向してもよい。他の時には、光学システム1860は、出力導波路1868a~1868dのサブセットを選択することができ、入力光を選択された出力導波路のみに指向することができる。このようにして、エミッタ(及びそれらのそれぞれの光学要素)の対応するサブセットのみが出力光のビームを放出する。光学システム1860の設計に応じて、光学システムは、光を放出しているエミッタの選択を変更するように、異なる時間に出力導波路1868a~1868dの異なるサブセットを選択してもよい。
【0120】
同様に、出力導波路の任意のグループ及びそれらの対応する光学要素(例えば、これらの要素の全て又はそのサブセット)について、光学システム1860は、異なる出力導波路に提供される入力光の強度を選択的に制御してもよい。これらの例では、出力導波路1868a~1868dの異なるサブセットは、光学要素1866a~1866dの異なるサブセットが異なる強度を有する出力光のビームを生成するように、異なる強度を有する入力光を受信することができる。例えば、エミッタ(及びそれらのそれぞれの光学要素)の第1のサブセットは、第1の強度を有する出力光のビームを生成してもよい一方で、エミッタ(及びそれらのそれぞれの光学要素)の第2のサブセットは、第1の強度を上回る第2の強度を有する出力光のビームを同時に生成する。したがって、異なるエミッタは、異なる強度の光を同時に放出してもよく、いくつかの事例では、他のエミッタが能動的に光を放出していない間にそうしてもよい。
【0121】
追加的又は代替的に、光学システム1860は、波長が異なるエミッタ間で変動し得るように、各光学要素によって放出される出力光のビームの波長(又は複数の波長)を選択的に制御してもよい。具体的には、出力導波路1868a~1868dの異なるサブセットは、エミッタ(及びその個別の光学要素)の異なるサブセットが、波長の異なるセットを有する出力光のビームを生成するように、波長の異なるセットを有する入力光を受信してもよい。例えば、光学システム1860は、光学要素1866a~1866dの第1のサブセットが、出力光のビームの対応するセットを生成し得るように制御され得、その各々は、波長の第1のセットを有する。光学システム1860は、光学要素1866a~1866dの第2のサブセットが、その各々が第1の波長セットとは異なる第2の波長セットを有する第2の出力光ビームセットを同時に生成するように更に制御することができる。これらの例では、一方のセットが他方のセットに含まれない光の少なくとも1つの波長を含む限り、波長の第1及び第2のセットは異なると考えられる。
【0122】
更に他の変形例では、光学システム1860は、本位相が出力光の異なるビーム間で変動し得るように、各エミッタによって放出される光を制御してもよい。例えば、図18Dに示される光学システム1860は、複数の位相シフタ1870a~1870dを含み、その各々は、対応する出力導波路の位相を選択的に調整するように制御可能である(すなわち、エミッタ又はエミッタの群は、異なる位相を有する光を放出するように個々に制御されてもよい)。例えば、第1の位相シフタ1870aは、第1の出力導波路1868aによって搬送される入力光の位相を調整するように制御可能であり、第2の位相シフタ1870bは、第2の出力導波路1868bによって搬送される入力光の位相を調整するように制御可能であり、第3の位相シフタ1870cは、第3の出力導波路1868cによって搬送される入力光の位相を調整するように制御可能であり、第4の位相シフタ1870dは、第4の出力導波路1868dによって搬送される入力光の位相を調整するように制御可能である。これにより、光学要素1866a~1866d(又はそのサブセット)の各々が、光学要素1866a~1866dによって生成される他の出力光ビームに対して一意の位相を有する出力光ビームを生成することが可能になり得る。複数の位相シフタは、熱光学位相シフタ(導波路の温度を変化させることによって導波路の屈折率を変化させる)、キャリアベースの位相シフタ(導波路内に存在する電荷キャリアの量を変化させることによって導波路の屈折率を変化させる)、光学機械位相シフタ(導波路を通って移動する光が受ける有効屈折率を変化させるために導波路に対して可動構造を移動させる)、それらの組み合わせなど、任意の適切な位相シフタを含み得る。
【0123】
したがって、エミッタの異なるサブセットは、異なる位相を有する出力光を放出するように制御されてもよい。例えば、エミッタの第1のサブセット(及びそれらのそれぞれの光学要素)は、第1の位相を有する出力光のビームを生成してもよい一方で、エミッタの第2のサブセット(及びそれらのそれぞれの光学要素)は、第1の位相と異なる第2の位相を有する出力光のビームを同時に生成する。したがって、異なるエミッタは、異なる位相の光を同時に放出することができる。
【0124】
図18Dに示されるように、光学システム1860は、複数のエミッタを制御するように構成される、コントローラ1876を含み得る。具体的には、コントローラ1876は、前述のように側面1864から光を放出するようにフォトニック集積回路1862の動作を制御する。具体的には、コントローラ1876は、光源ユニット1869を制御して、光源ユニット1869に、出力光ビーム1874a~1874d(又は光学システム1860によって選択されたそのサブセット)を生成するのに必要な光を生成させることができる。追加的に、コントローラ1876は、光源ユニット1869から選択された出力導波路に光をルーティングするために、必要に応じて、任意の介在構成要素を制御してもよい。光学システム1860が1つ以上の位相シフタ(複数の位相シフタ1870a~1870dなど)を含む変形例では、コントローラ1876は、これらの位相シフタを制御して、前述のように出力光ビーム1874a~1874dの相対位相を調整することができる。コントローラ1876は、例えば、1つ以上のプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、これらの機能(本明細書に説明される方法ステップのうちのいずれかを含む)を行うために必要とされるようなソフトウェア、ハードウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせを含み得る。
【0125】
本明細書で説明されるフォトニック集積回路の種々の実施形態では、光がフォトニック集積回路を出る側面に対して垂直にならないように、出力導波路に角度を付けることが望ましい場合がある。図7は、出力導波路703及びスラブ導波路715を有する光学システム700の一例であり、出力導波路703は、スラブ導波路715の出力側710に対して角度が付けられている。これらの事例では、出力導波路703に角度を付けることは、出力側710からの光707の後方反射を軽減することができる。図7に示される具体的な位置決めは、説明目的のみであって、出力導波路703は、光の後方反射を軽減する任意の適切な角度で配置されてもよい。
【0126】
具体的には、出力導波路703(前述のように一対の光閉じ込め領域705によって少なくとも部分的に画定される導波路コア720を含むことができる)は、出力導波路703によって搬送される入力光がスラブ導波路715に渡されるように、スラブ導波路715で終端することができる。出力導波路703は、入力光のビーム(その境界が光線707a、707bによって表される)がスラブ導波路715の出力側710に対して同様に角度付けられるように、角度付けられる。これらの例では、(光線708によって表される)入力光のビームの中心は、非垂直入射で出力側710に当たる。
【0127】
入力光のビームが出力側710を通過して出力光のビーム(その境界は光線707d及び707eによって表され、光線707cを更に含む)を生成すると、後方反射光(図示せず)がスラブ導波路715に戻され得る。出力導波路703の位置決め及び角度に応じて、後方反射光の一部又は全部は、出力導波路703から離れるように指向され得る。いくらかの後方反射光が出力導波路703に戻る例では、入力光のビームの中心が垂直入射で出力側710に当たる同様の設計と比較して、より低い強度を有し得る。いくつかの実施形態では、出力側710は、出力側710の外形にエッチングされた光学要素を有してもよく、光学要素は、本明細書に説明されるような任意のレンズであってもよい。
【0128】
出力導波路703と出力側710との間の相対角度は、任意の好適な方式で達成されてもよい。例えば、図7に示される変形例では、スラブ導波路715の出力側710は、ウェハのダイシングによって露出されるフォトニック集積回路の横方向面であってもよく、その場合、出力導波路は、この横方向面に対してある角度で画定されてもよい。側面を形成するためにフォトニック集積回路の一部がエッチングされる場合(図16A図16Cに関して本明細書で説明されるように)、このエッチングは、側面と出力導波路との間に相対角度を生成することができる。図8は、出力導波路803と、傾斜した出力側810を有するスラブ導波路815とを有する光学システム800の一例である。これらの例では、出力側810は、出力導波路803と出力側810との間に相対角度を生成するために、フォトニック集積回路の横方向面からエッチングされてもよい。
【0129】
図8に示すように、平面811は、フォトニック集積回路の横方向面に平行な平面を表す。出力導波路803(前述のように、光画定領域805によって画定される導波路コア820を含み得る)は、平面811に対して垂直に配置される。その結果、出力導波路803からスラブ導波路815に渡される入力光のビーム(その境界は光線807a、807bによって表される)は、平面811に対して垂直である(すなわち、入力光のビームの中心は、垂直入射で平面811と交差する)。しかし、スラブ導波路815の出力側810は、横方向側面に対して角度845で傾斜するようにエッチングすることができる。これにより、出力導波路803と出力側810との間に、図7に関連して説明した相対角度と同様の相対角度が生じる。したがって、入力光が出力側810を通過し、出力光のビーム(その境界は、光線807d、807eによって表される)を生成するにつれて、後方反射光の一部又は全部は、出力導波路803から離れるように指向されてもよい。本明細書に説明される実施形態のいずれかと同様に、反射防止コーティングが、出力側810に適用されてもよい。
【0130】
いくつかの変形例では、オンチップレンズなどの光学要素が、複数の出力導波路から光を受信することが望ましくあり得る。例えば、図9は、光学要素925を画定する出力側910を有する光学システム900を示す。光学システムは更に、複数の出力導波路903a、903b、903cを含み、その各々は、スラブ導波路915を介して光学要素925を通して光を指向するように構成される。
【0131】
スラブ導波路915及び複数の出力導波路903a~903cは、前述したようなフォトニック集積回路の導波路層内に画定されてもよく、側面910は、フォトニック集積回路の横方向側面である。出力導波路903a~903cの各々は、前述のように構成されてもよい(例えば、第1の出力導波路903aは、光閉じ込め領域905aの対応する対によって画定される第1の導波路コア920aを含み、第2の出力導波路903bは、光閉じ込め領域905bの対応する対によって画定される第2の導波路コア920bを含み、第3の出力導波路903cは、光閉じ込め領域905cの対応する対によって画定される第3の導波路コア920cを含む)。出力導波路903a~903cは、入力光のビーム(単一の光線907a~907cとして表される)をスラブ導波路915内に通す。スラブ導波路915は、自由伝搬領域として作用し、これらのビームが、光学要素925を通ってフォトニック集積回路を出る前に広がって、出力光のビーム(光線907d、907eによって表される)を形成することを可能にする。入力光は、出力導波路903a~903cに同時に導入されてもよく、又は異なる出力導波路に異なる時間に導入されてもよい。出力光の形状及び/又は方向は、どの出力導波路903a~903cが入力光をスラブ導波路915内に伝送しているかに応じて変化し得る。
【0132】
光学要素925は、本明細書に説明されるような任意の好適な方式で構成されてもよい。例えば、光学要素925は、オンチップレンズとして構成されてもよい。更に、複数の出力導波路903a~903cは、所望に応じて、相互に対して、及び光学要素925に対して、任意の好適な位置及び角度に配置されてもよい。例えば、出力導波路903a~903cは、出力側910から同じ距離に配置されてもよく、又は出力側910から異なる距離に配置されてもよい。
【0133】
図10は、出力導波路1003と、出力側1010を有するスラブ導波路1015とを含む光学システム1000の一例であり、出力側1010(フォトニック集積回路の側面であってもよい)は、光学要素1025を画定する。この変形例では、光学要素1025は、非球面オンチップレンズを形成するように成形される。図17A及び図17Bの光学要素1706及び1736とは異なり、光学要素1025のレンズは、半円曲線を有していない。代わりに、光学要素1025の垂直面の曲率半径は、光学要素1025の中心からいずれかの端部まで変化する。出力導波路1003(一対の閉じ込め領域1005によって画定された導波路コア1020を含むことができる)は、入力光をスラブ導波路1015に通すことができる。この入力光(その境界は光線1007a、1007bによって表される)は、光学要素1025を通過して、出力光のビーム(その境界は光線1007d、1007eによって表される)を生成する。図10に示される変形例では、光学要素は、出力光のビームを操向して収束させるように成形される。これらの場合、収束光は、球面レンズが使用されるときよりも小さいスポットに収束することができる。したがって、球面レンズとは対照的に非球面レンズを使用するときに、より少ない波面誤差が生じ得る。
【0134】
図11及び図12は、出力導波路とスラブ導波路の出力側(フォトニック集積回路の出力ファセットを形成し得る)との間に配置された部分的エッチング領域を含む光学システムの例である。部分的エッチング領域は、出力導波路と出力側との間のレンズとして作用してもよく、これは、入力光が出力側に到達する前に、入力光が再指向されることを可能にする。具体的には、図11は、出力導波路1103と光学要素1125を画定する出力側1110との間に部分的エッチング領域1150を伴う、光学システム1100を示す。図12は、出力導波路1203と光学要素を含まない出力側1210との間に部分的エッチング領域1250を有する光学システム1200を示す。
【0135】
前の実施形態と同様に、図11において、出力導波路1103は、一対の光閉じ込め領域1105によって境界付けられ、画定され、スラブ導波路1115との接合部で終端する導波路コア1120を含む。出力導波路1103からスラブ導波路1115に導入される入力光(その境界は、光線1107a及び1107bによって表される)は、スラブ導波路1115の出力側1110(フォトニック集積回路の出力ファセットを形成し得る)に到達する前に、部分的エッチング領域1150を通過する。具体的には、入力光は、光学要素1125を通過し、前述のような出力ビーム(その境界は、光線1107d、1107eによって表される)を生成してもよい。部分的エッチング領域1150の形状に応じて、部分的エッチング領域1150は、入力光のビームが部分的エッチング領域を通過するにつれて、発散を変化させ、及び/又は入力光のビームを再指向してもよい。例えば、図11に示される変形例では、部分的エッチング領域1150は、入力光が光学要素1125に到達する前に、入力光を部分的に集束させてもよい。このようにして、部分的エッチング領域1150及び光学要素1125は、光学要素1125から放出される出力光の所望の形状及び方向を達成するために、2つのレンズシステムを集合的に形成し得る。
【0136】
部分的エッチング領域1150は、図11では楕円形として示されているが、限定はしないが、円形、正方形、長方形、台形、非対称などの任意の形状であってもよい。部分的エッチング領域1150は、これらの構成要素が2つの異なる深さまでエッチングされ得るため、光学要素1125を形成するために使用されるエッチングステップと、は異なるプロセスステップ中にエッチングされ得る。すなわち、部分的エッチング領域1150は、光学要素1125を画定するために使用されるエッチングよりも浅いエッチングであり得る。部分的エッチング領域1150は、追加の材料で充填することができ、周囲のスラブ導波路1115とは異なる屈折率を有することができる。例えば、部分的エッチング領域1150は、この追加の材料が下部クラッド層(すなわち、その上にスラブ導波路1115を画定する導波路層が形成されるクラッド層)上に配置されるように構成することができる。フォトニック集積回路が上部クラッド層を含む場合、この追加の材料は、上部クラッド層の下に配置されてもよい。上部及び/又は下部クラッド層は、部分的エッチング領域を通過する光を導波路層の平面内に閉じ込めるのに役立ち得る。
【0137】
図12の光学システム1200は、出力側1210が光学要素を含まないことを除いて、光学システム1100と同様に機能することができる。具体的には、出力導波路1203は、一対の光閉じ込め領域1205によって境界付けられ画定された導波路コア1220を含み、スラブ導波路1215との接合部で終端する。出力導波路1203からスラブ導波路1215に導入される入力光(その境界は光線1207a及び1207bによって表される)は、スラブ導波路1215の出力側1210(フォトニック集積回路の側面であってもよい)に到達する前に、部分的エッチング領域1250を通過する。具体的には、入力光は出力側1210を通過して、前述のような出力ビーム(その境界は光線1207d、1207eによって表される)を生成することができる。部分的エッチング領域1250の形状に応じて、部分的エッチング領域1250は、入力光のビームが部分的エッチング領域を通過するにつれて、発散を変化させ、及び/又は入力光のビームを再指向してもよい。部分的エッチング領域1250は、図11に関して本明細書に説明されるような任意の方式で構成されてもよい。
【0138】
図13は、スラブ導波路1315の出力側1310に回折格子1355を有する光学システム1300の一例である。光は、出力導波路1303を通って伝搬してもよく、出力導波路1303は、導波路コア1320を含み、一対の光閉じ込め領域1305によって境界付けられ、画定される。光が出力導波路1303を通って伝搬するとき、光は導波路コア1320を通って伝搬していることが理解され得る。回折格子1355は、スラブ導波路1315を通って伝搬する光を受け取ることができる。回折格子1355を通って伝搬する出力光は、異なる次数の光(例えば、ゼロ次、1次、2次など)を生成し得る。いくつかの実施形態では、光の1次は、ゼロ次のいずれかの側で生じてもよく、他の格子からの光の経路光が光の約1波長に等しいときに現れてもよい。いくつかの実施形態では、光の1つを上回る波長が、回折格子1355によって受信される場合、出力光は、異なる波長に分解されてもよい。
【0139】
図14は、スラブ導波路1415上に金属1460を有する光学システム1400の一例である。金属1460は、スラブ導波路1415上に堆積されてもよく、偏光子として機能してもよい。いくつかの実施形態では、金属は、平面金属層であってもよい。出力導波路1403の導波路コア1420(一対の光閉じ込め領域1405によって画定され、境界付けられる)を通って伝搬する光は、ランダムに偏光されてもよく、金属は、第2の偏光よりも多くの第1の偏光を吸収してもよい。その結果、スラブ導波路1415の出力側1410は、出力導波路1403によって搬送される入力光と比較して異なる相対偏光を有する出力光のビームを放出することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、光は、TE偏光及び/又はTM偏光などの偏光を含み得る。金属1460は、光のTM偏光を減衰させて光のTE偏光を通過させてもよいし、光のTE偏光を減衰させて光のTM偏光を通過させてもよい。本明細書で使用される場合、光のTE偏光が通過するとき、TM偏光よりも比較的多くのTE偏光が偏光子を通って伝搬することを可能にすることが理解され得る。同様に、光のTM偏光が通過するとき、TE偏光よりも相対的に多くのTM偏光が偏光子を通って伝搬することを可能にすることが理解され得る。いくつかの例では、吸収層が、スラブ導波路1415上及び金属1460の下に堆積され得る。吸収層は、通過する光の選択された偏光の損失を低減することができる。「通過させる」及び「減衰させる」という用語は、相対的な用語であり得る。いくつかの例では、「通過する」という用語は、第1の偏光が通過するとき、第2の偏光よりも多くの第1の偏光が通過し得、その逆も同様であることを示し得る。いくつかの例では、「減衰させる」という用語は、第2の偏光が減衰されるとき、第1の偏光よりも多くの第2の偏光が減衰されることを示し得る。
【0141】
金属1460は矩形として示されているが、金属は任意の適切な形状で堆積されてもよい。いくつかの実施形態では、金属1460は、スラブ導波路1415上に堆積され、光学要素1425の形状にわたって延在してもよい。図14では、光学要素1425は、半円として示される正レンズであり、いくつかの例では、金属は、同様に半円形状を被覆するように示され、延在される面積を被覆してもよい。
【0142】
図15は、傾斜した出力側1510に光学要素1525を有する光学システム1500の例である。図15は、図5及び図8を参照しながら本明細書で説明した異なる実施形態を組み合わせる例である。出力側1510は、出力導波路1503(一対の光閉じ込め領域1505によって境界付けられ画定された導波路コア1520を含む)の端面に垂直な平面1511に対して角度を付けることができ、出力導波路1503は、スラブ導波路1515に終端する。出力側1510は、出力側1510と平面1511(破線として示される)との間の角度1540にあり得る。別の言い方をすれば、出力導波路1503が図7のような角度で配置されていなくても、全ての光(その境界は光線1507a、1507bによって表される)は、出力側1510の光学要素1525をある角度で通過することができる。出力光(その境界は光線1507d、1507eによって表される)は、光学要素1525を出ることができる。前述のように、光学要素1525は、本明細書に説明される任意の要素、又は所望のタイプの出力光を達成するための任意の適切な光学要素であってもよい。
【0143】
いくつかの例では、本明細書に記載されるフォトニック集積回路及び光学システムは、広範囲の波長にわたって動作可能であることが望ましい場合がある。所与の光学システムの意図される使用(例えば、分光測定を行うこと)に応じて、本明細書に説明されるような光源ユニットは、数十又は数百ナノメートルに及ぶ複数の波長を生成するように構成されてもよく、光学システムの種々の光学構成要素は、本範囲の一部又は全部に及ぶ波長に適応する必要があり得る。これらの例では、所与の光学構成要素が、それが受ける光の波長にかかわらず、同様のレベルの性能を有することが望ましい。
【0144】
前述のように、出力導波路がスラブ導波路内で終端する場合、光は、(自由伝搬領域として機能する)スラブ導波路に入射する際に回折する。所与の入力光についての回折角は、入力光がスラブ導波路に到達するときの入力光の波長とモードサイズとの間の比に依存し、これは、入力光の異なる波長について異なる回折角をもたらすことができる。これは、次に、自由伝搬領域内のビームサイズを波長の関数として変化させる可能性があり、その結果、光学システムの性能に波長依存の変動が生じる可能性がある。
【0145】
この波長依存性を低減するのを助けるために、出力導波路の導波路コアは、入力光のモードのサイズが所定の目標波長範囲にわたって入力光の波長に比例するように、スラブ導波路(例えば、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部)に近づくにつれて(例えば、テーパリングを介して)十分に狭くなるようにサイズ決定され得る。したがって、出力導波路が目標範囲の波長を搬送するように構成される場合、導波路の幅は、この目標範囲の波長に基づいて選択されてもよい。
【0146】
このようにして出力導波路を狭くすることは、波長の目標範囲にわたって回折角の改善された均一性を提供し得るが、これはまた、出力導波路とスラブ導波路との間の界面における後方反射を増加させ得る。具体的には、出力導波路を狭めることは、波長のうちの少なくとも一部のモードが不十分に閉じ込められることを引き起こし、それによって、出力導波路とスラブ導波路とを境界付ける光閉じ込め領域間の有効屈折率の変化を経験し得る。この有効屈折率の変化は、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部において後方反射を生じさせる。
【0147】
これらの後方反射を低減するのを助けるために、本明細書で説明されるフォトニック集積回路及び光学システムのいくつかの実施形態では、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部は、出力導波路が終端する前に変化する有効屈折率を提供するように構成され得る。これは、導波路コア及び/又は接合部付近の光閉じ込め領域の幅を変化させることを含み得る。例えば、図19Aは、本明細書に記載されるようなフォトニック集積回路1900の例を示す。フォトニック集積回路1900の導波路層1902のみが図19Aに示されているが、フォトニック集積回路1900は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。
【0148】
フォトニック集積回路1900は、光がフォトニック集積回路1900から放出され得る出力ファセットとして機能する側面1904を含む。図19Aに示される変形例では、側面1904は、光学要素1906(前述の光学要素のいずれかとして構成されてもよい)を画定する。フォトニック集積回路1900は、導波路層1902内に画定された出力導波路1908及びスラブ導波路1915を更に含む。具体的には、出力導波路1908は、一対の光閉じ込め領域1910a、1910bによって境界付けられ画定された導波路コア1912を含む。光閉じ込め領域の対は、第1の光閉じ込め領域1910a及び第2の光閉じ込め領域1910bを含み、その各々は、前述のように、クラッド材料又は空気で充填され、導波路コア1912に光学閉じ込めを提供してもよい。出力導波路1908は、出力導波路1908とスラブ導波路1915との間の接合部においてスラブ導波路1915内で終端する。したがって、入力光(図示せず)は、導波路コア1912からスラブ導波路1915まで通過することができ、前述のように側面1904を介してフォトニック集積回路1900を出ることができる。
【0149】
出力導波路1908は、屈折率調整領域1914の遠位端が出力導波路1908とスラブ導波路1915との間の接合部と一致するように、出力導波路1915とスラブ導波路1915との間の接合部に配置された屈折率調整領域1914を含む。屈折率調整領域1914は、光がスラブ導波路1908との接合部に近づくにつれて、出力導波路1908を通って移動する光が受ける有効屈折率を変化させるように構成される。図19Aに示される変形例では、光閉じ込め領域1910a、1910bの一方又は両方の幅は、屈折率調整領域1914において、スラブ導波路1915との接合部に近づくにつれて狭くなる(すなわち、接合部に向かう方向に減少する)。図19Aでは、光閉じ込め領域1910a、1910bの一方又は両方の幅が屈折率調整領域1914で狭くなっているように示されているが、他の例では、光閉じ込め領域の一方のみ(すなわち、第1の光閉じ込め領域1910a又は第2の光閉じ込め領域1910bのいずれか)の幅が屈折率調整領域1914で狭くなっている。
【0150】
図19Aに示される変形例では、導波路コアの幅は、屈折率調整領域1914内で一定のままであってもよい。代替的に、導波路コア1912の幅は、導波路コア1912がスラブ導波路1915との接合部に近づくにつれて(すなわち、接合部に向かう方向に)、屈折率調整領域1914内で断熱的に狭くなってもよい。これらの例では、光閉じ込め領域1910a、1910bの幅の変化は、屈折率調整領域1914の長さにわたって有効屈折率の変化を広げ、これは、出力導波路が終端するときの有効屈折率変化に関連する光後方反射によって経験される瞬間的な屈折率変化を低減する。追加的に、接合部における光閉じ込め領域1910a、1910bの低減された幅は、側面1904において生成された後方反射を受け取るためのより狭い表面を提供する。その結果、この後方反射光は、最終的にこの後方反射光が出力導波路1908に結合されるように光閉じ込め領域1910a、1910bから反射される可能性が低くなる。
【0151】
図19Aに示される変形例では、光閉じ込め領域1910a、1910bの低減された幅は、接合部に向かう方向に線形にテーパ状になる。幅は、ゼロの幅まで線形に漸減するように示されるが、他の事例では、幅は、非ゼロ最小幅(部分的に、光閉じ込め領域1910a、1910bを画定するために使用される製造能力に依存し得る)まで漸減し得る。これらの変形例のうちの一部では、光閉じ込め領域1910a、1910bの一方又は両方の幅は、導波路コア1912によって搬送される入力光のモード形状が屈折率調整領域1914内で著しく変化することができないように、非断熱的にテーパ状になる。例えば、断熱テーパは、光閉じ込め領域1910a、1910bの幅の特定の変化を達成するために数百ミクロンを要し得るが、本明細書に説明されるような非断熱テーパは、数ミクロン又はそれ未満の長さにわたって幅の同一の変化を達成し得る。
【0152】
他の変形例では、光閉じ込め領域1910a、1910bの幅は、非線形方式で狭くなり得る。図19Bは、本明細書で説明されるようなフォトニック集積回路1920の例の1つのかかる変形例を示す。フォトニック集積回路1920の導波路層1922のみが図19Bに示されているが、フォトニック集積回路1920は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。フォトニック集積回路1920は、第1及び第2の光閉じ込め領域1930a、1930bによって画定され、境界付けられた導波路コア1932を含む出力導波路1928と、光学要素1926を画定する側面1924を有するスラブ導波路1935とを含む。これらの構成要素は、出力導波路1928が異なる屈折率調整領域1934を有することを除いて、図19Aに関して本明細書で論じたのと同じように構成することができる。
【0153】
屈折率調整領域1934は、屈折率調整領域1934の遠位端が出力導波路1928とスラブ導波路1935との間の接合部と一致するように、出力導波路1928とスラブ導波路1935との間の接合部に配置される。屈折率調整領域1934内では、光閉じ込め領域1930a、1930bの幅は階段状である。特に、光閉じ込め領域1930a、1930bの各々の幅は、屈折率調整領域1934内で(すなわち、出力導波路1928がスラブ導波路1935との接合部で終端する前に)第1の幅からより狭い第2の幅に変化する。出力導波路が波長の目標範囲にわたって複数の波長を搬送するように構成される場合、より狭い第2の幅を有する光閉じ込め領域1930a、1930bの部分の長さは、波長の目標範囲内の波長のうちの1つの波長(例えば、波長の目標範囲内の中心波長)の4分の1であるように選択され得る。導波路コア1932の幅は、屈折率調整領域1934内で一定のままであってもよい。代替的に、導波路コア1932の幅は、導波路コア1932がスラブ導波路1935との接合部に近づくにつれて、屈折率調整領域1934内で断熱的に狭くなってもよい。
【0154】
図19A及び図19Bに関して説明した屈折率調整領域1914及び1934は、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部を含む任意の光学構成要素において利用することができる。例えば、図20Aは、本明細書に記載されるようなフォトニック集積回路2000の例を示す。フォトニック集積回路2000の導波路層2002のみが図20Aに示されているが、フォトニック集積回路2000は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。この変形例では、フォトニック集積回路2000は光学スプリッタ2004を含む。
【0155】
示されるように、導波路層は、一対の光閉じ込め領域2008a、2008bによって境界付けられ、画定される光によって画定される導波路コア2009を含む入力導波路2006を含む。入力導波路2006は、図19Aの出力導波路1908と同様に構成することができ、スラブ導波路2012との接合部に近づくにつれて屈折率調整領域2010内の光閉じ込め領域2008a、2008bの各々の幅を減少させるように屈折率調整領域1914と同様に構成された屈折率調整領域2010を含む。
【0156】
スラブ導波路2012は、入力導波路2006を複数の出力導波路に光学的に結合するための自由伝搬領域として機能する。入力導波路2006からスラブ導波路2012に導入された光は、自由伝搬領域を横断して、複数の出力導波路間で光を分割する。スラブ導波路2012の境界は、図20Aでは破線として示されているが、スラブ導波路2012の実際の境界は、光学スプリッタの動作に影響を与えない導波路層2002の任意の部分に配置することができることを理解されたい。
【0157】
複数の出力導波路を画定するために、光学スプリッタ2004は、複数の光閉じ込め領域2016a~2016fと、複数の導波路コア2014a~2014eとを含む。各出力導波路は、複数の導波路コア2014a~2014eのうちの1つと、複数の光閉じ込め領域2016a~2016fのうちの対応する1対の光閉じ込め領域として画定される。例えば、第1の導波路コア2014aは、第1の出力導波路を形成するために、第1の光閉じ込め領域2016a及び第2の光閉じ込め領域2016bによって境界付けられ、画定されてもよく、一方、第2の導波路コア2014bは、第2の出力導波路を形成するために、第2の光閉じ込め領域2016b及び第3の光閉じ込め領域2016cによって境界付けられ、画定されてもよい。光学スプリッタ2004は、5つの出力導波路(すなわち、複数の導波路コア2014a~2014eの各々に対して1つ)を有するものとして図20Aに示されているが、光学スプリッタ2004は、所望に応じて任意の数の出力導波路を含むことができることを理解されたい。同様に、これらの導波路コア2014a~2014eは、同じ厚さを有するものとして図20Aに示されているが、異なる出力導波路が異なる幅を有する導波路コアを有してもよいことを理解されたい。本明細書に説明される光学スプリッタは、所望に応じて、入力導波路から受信された光を複数の出力導波路の間で均一又は不均一に分割するように構成されてもよい。
【0158】
屈折率調整領域2010は、入力導波路2006を十分に狭くして、光がスラブ導波路2012に入るときの(波長の関数としての)回折角の均一性を改善し、更に、入力導波路2006とスラブ導波路2012との間の接合部における後方反射を低減することができる。全体として、光学スプリッタ2004は、波長の範囲にわたって改善された分割性能を有することができる。
【0159】
図20Bは、本明細書で説明されるようなフォトニック集積回路2020の例の1つのかかる変形例を示す。フォトニック集積回路2020の導波路層2022のみが図20Bに示されているが、フォトニック集積回路2020は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。フォトニック集積回路2020は、入力導波路2026によってスラブ導波路2032に導入された光を複数の出力導波路間で分割するように設計された光学スプリッタ2024を含む。示されるように、入力導波路2026は、第1及び第2の光閉じ込め領域2028a、2028bによって画定され、境界付けられた導波路コア2009を含む。導波路層2022は、複数の出力導波路を画定する複数の導波路コア2034a~2034e及び複数の光閉じ込め領域2036a~2036fを含む。これらの構成要素は、出力導波路2026が異なる屈折率調整領域2030を有することを除いて、図20Aの光学スプリッタ2004に関して本明細書で説明したのと同じように構成することができる。この屈折率調整領域2030は、図19Bに関して本明細書で説明した屈折率調整領域1934と同じように構成することができる。具体的には、光閉じ込め領域2028a、2028bの幅が階段状になっている。特に、光閉じ込め領域2028a、2028bの各々の幅は、屈折率調整領域2030内で(すなわち、入力導波路2026がスラブ導波路2032との接合部で終端する前に)第1の幅からより狭い第2の幅に変化する。
【0160】
他の変形例では、導波路は、スラブ導波路との接合部に近づくにつれて導波路コアの幅が増加するように構成されてもよい。例えば、図21Aは、本明細書に記載されるようなフォトニック集積回路2100の例を示す。フォトニック集積回路2100の導波路層2102のみが図21Aに示されているが、フォトニック集積回路2100は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。
【0161】
フォトニック集積回路2100は、光がフォトニック集積回路2100から放出され得る出力ファセットとして機能する側面2104を含む。図21Aに示される変形例では、側面2104は、光学要素2106(前述の光学要素のいずれかとして構成されてもよい)を画定する。フォトニック集積回路2100は、導波路層2102内に画定された出力導波路2108及びスラブ導波路2114を更に含む。具体的には、出力導波路2108は、一対の光閉じ込め領域2110a、2110bによって境界付けられ画定された導波路コア2112を含む。光閉じ込め領域の対は、第1の光閉じ込め領域2110a及び第2の光閉じ込め領域2110bを含み、その各々は、前述のように、クラッド材料又は空気で充填され、導波路コア2112に光学閉じ込めを提供してもよい。出力導波路2108は、出力導波路2108とスラブ導波路2114との間の接合部においてスラブ導波路2114内で終端する。したがって、入力光(図示せず)は、導波路コア2112からスラブ導波路2114まで通過することができ、前述のように側面2104を介してフォトニック集積回路2100を出ることができる。
【0162】
出力導波路2108は、スラブ導波路2114との接合部に近づくにつれて、出力導波路2108を通って進行する光が受ける有効屈折率を変化させるように構成された屈折率調整領域2116を含む。屈折率調整領域2116は、屈折率調整領域2116の遠位端が出力導波路2108とスラブ導波路2114との間の接合部と一致するように、出力導波路2108とスラブ導波路2114との間の接合部に配置される。図21Aに示す変形例では、光閉じ込め領域2110a、2110bの各々の幅は、屈折率調整領域2116において、スラブ導波路2114との接合部に近づくにつれて狭くなっている。導波路コア2112の幅は、光閉じ込め領域2110a、2110bの幅が減少するにつれて、屈折率調整領域2116内で増加する。図19Aに示す光閉じ込め領域1910a及び1910bは、出力導波路1908の導波路コア1912に向かってテーパ状になっているが、図21Aに示す光閉じ込め領域2110a及び2110bは、導波路コア2112から離れるにつれてテーパ状になっている。
【0163】
屈折率調整領域2116における導波路コア2112の増加する幅は、光が出力導波路2108からスラブ導波路2114に進行するにつれて、より漸進的な有効屈折率遷移を提供し、それによって、出力導波路2108とスラブ導波路2114との間の接合部における光の後方反射を低減する。更に、導波路コア2112の幅は、屈折率調整領域2116内で非断熱的に増加する。その結果、幅の増加は、導波路コア2112の屈折率調整領域2116を通って進行する光のモードの形状を著しく変化させない。これは、導波路コア2112が、前述のように、波長の目標範囲にわたって回折角度の改良された均一性を提供するようにサイズ設定されることを可能にする一方、導波路コア2112の幅の非断熱的増加は、この均一性に有意に影響を及ぼすことなく、後方反射を低減させる。
【0164】
具体的には、出力導波路2108は、屈折率調整領域2116が追加領域2118とスラブ導波路2114との間に配置されるように、屈折率調整領域2116に接続された追加領域2118を含む。いくつかの変形例では、追加領域2118は、導波路コア2112の幅が屈折率調整領域2116に近づくにつれて一定であるように、一定の幅を有する。これらの変形例のうちの一部では、出力導波路2108は、導波路コア2112の幅が断熱的に狭くなる第3の領域(図示せず)を更に含む。このようにして、第3の領域は、導波路コア2112を初期幅から狭くなった第1の幅まで断熱的にテーパ状にすることができる。追加領域2118における導波路コア2112の幅は、第1の幅を有し、屈折率調整領域2116において第1の幅からより広い第2の幅に非断熱的に増加する。
【0165】
他の変形例では、導波路コア2112の幅は、導波路コア2112の幅が屈折率調整領域2116に到達するにつれて狭くなるように、追加領域2118において断熱的に狭くなる。これらの例では、導波路コア2112の幅は、追加領域2118において初期幅からより狭い第1の幅まで断熱的に漸減してもよく、屈折率調整領域2116において第1の幅からより広い第2の幅まで非断熱的に増加してもよい。第1の幅、第2の幅、並びに導波路コア2112が第1の幅と第2の幅との間でそれに沿って遷移する長さの選択は、回折角、波長の関数としての回折角の均一性、及び出力導波路2108とスラブ導波路2114との間の接合部における後方反射光の量の特定のバランスを得るように、所望に応じて選択され得ることを理解されたい。
【0166】
他の変形例では、出力導波路の導波路コアは、出力導波路を境界付ける光閉じ込め領域の幅の対応する減少を伴わずに、増加してもよい。例えば、図21Bは、本明細書で説明されるようなフォトニック集積回路2120の例の1つのかかる変形例を示す。フォトニック集積回路2120の導波路層2122のみが図21Bに示されているが、フォトニック集積回路2120は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。フォトニック集積回路2120は、第1及び第2の光閉じ込め領域2130a、2130bによって画定され、境界付けられた導波路コア2132を含む出力導波路2128と、光学要素2126を画定する側面2124を有するスラブ導波路2134とを含む。出力導波路2128は、追加領域2138に接続された屈折率調整領域2136を含む。
【0167】
フォトニック集積回路2120は、その他の点では、屈折率調整領域2136を除いて、図21Aのフォトニック集積回路2100に関して本明細書で説明したように構成される。屈折率調整領域2136は、屈折率調整領域2136の遠位端が出力導波路2128とスラブ導波路2134との間の接合部と一致するように、出力導波路2128とスラブ導波路2134との間の接合部に配置される。そこに示されるように、導波路コア2132の幅は、屈折率調整領域2136内で第1の幅からより広い第2の幅に増加するが、光閉じ込め領域2130a、2130bは、屈折率調整領域2136内で一定の幅を維持する。したがって、第1及び第2の光閉じ込め領域2130a、2130bは、屈折率調整領域2136内で互いに離れるように角度が付けられている。
【0168】
導波路コア2112及び2132の幅は、図21A及び21Bの屈折率調整領域2116及び2136内で線形に増加するが、他の例では、導波路コアの幅は、非線形に増加してもよい。図21Cは、本明細書で説明されるようなフォトニック集積回路2140の例の1つのかかる変形例を示す。フォトニック集積回路2140の導波路層2142のみが図21Cに示されているが、フォトニック集積回路2140は、前述のように、基板、下部クラッド層、及び任意選択で上部クラッド層を含むこともできる。フォトニック集積回路2140は、第1及び第2の光閉じ込め領域2150a、2150bによって画定され、境界付けられた導波路コア2152を含む出力導波路2148と、光学要素2146を画定する側面2144を有するスラブ導波路2154とを含む。出力導波路2148は、追加領域2158に接続された屈折率調整領域2156を含む。
【0169】
フォトニック集積回路2140は、屈折率調整領域2156を除いて、図21Aに関して本明細書で説明したように他の方法で構成される。屈折率調整領域2156は、屈折率調整領域2156の遠位端が出力導波路2148とスラブ導波路2154との間の接合部と一致するように、出力導波路2148とスラブ導波路2154との間の接合部に配置される。屈折率調整領域2156内で、導波路コア2152の幅は階段状である。具体的には、導波路コア2152の幅は、屈折率調整領域2156内で(すなわち、出力導波路2148がスラブ導波路2154との接合部で終端する前に)第1の幅からより広い第2の幅に増加する。これらの変形例のうちの一部では、光閉じ込め領域2150a、2150bの幅は、導波路コア2152の幅が増加するにつれて減少してもよい。
【0170】
出力導波路が波長の目標範囲にわたって複数の波長を搬送するように構成される場合、より広い第2の幅を有する導波路コア2152の部分の長さは、波長の目標範囲内の波長のうちの1つの波長(例えば、波長の目標範囲内の中心波長)の4分の1になるように選択され得る。
【0171】
図21A図21Cの出力導波路2108、2128、及び2148は、代わりに、前述のように、光学スプリッタのための入力導波路として使用されてもよい。例えば、図22Aは、光学スプリッタ2204を画定する導波路層2202を有するフォトニック集積回路2200の変形例を示す。光学スプリッタ2204は、スラブ導波路2214と、複数の出力導波路を形成する複数の導波路コア2216a~2216e及び光閉じ込め領域2218a~2218fとを含む。フォトニック集積回路2200は、そうでなければ、入力導波路2206を除いて、図20Aのフォトニック集積回路2000に関して本明細書で説明されるように構成される。この変形例では、入力導波路2206は、図21Aの出力導波路2108と同じように構成される。
【0172】
具体的には、入力導波路2206は、一対の光閉じ込め領域2208a、2208bによって境界付けられ画定された導波路コア2212を含む。入力導波路2206は、上述したように、屈折率調整領域2210と、屈折率調整領域2210に接続された追加領域2211とを含む。光閉じ込め領域2108a、2108bの各々の幅は、屈折率調整領域2210において、スラブ導波路2214との接合部に近づくにつれて狭くなっている。同様に、導波路コア2212の幅は、光閉じ込め領域2210a、2210bの幅が減少するにつれて、屈折率調整領域2210内で増加する。追加領域2211は、図21Aの追加領域2118と同様に構成されてもよい。
【0173】
図22Bは、光学スプリッタ2224を画定する導波路層2222を有するフォトニック集積回路2220の別の変形例を示す。光学スプリッタ2224は、スラブ導波路2234と、複数の出力導波路を形成する複数の導波路コア2236a~2236e及び光閉じ込め領域2238a~2238fとを含む。光学スプリッタ2224は、一対の光閉じ込め領域2228a、2228bによって画定され境界付けられた導波路コア2232を有する入力導波路2226を含む。入力導波路2226は、前述のように屈折率遷移領域2230に接続された追加の領域2231を含む。フォトニック集積回路2220は、屈折率遷移領域2230を除いて、図22Aのフォトニック集積回路2200に関して本明細書で説明したように構成される。この変形例では、屈折率遷移領域2230は、図21Bの出力導波路2128と同じように構成される。そこに示されるように、導波路コア2232の幅は、屈折率調整領域2230内で第1の幅からより広い第2の幅に増加するが、光閉じ込め領域2228a、2228bは、屈折率調整領域2230内で一定の幅を維持する。したがって、第1及び第2の光閉じ込め領域2228a、2228bは、屈折率調整領域2230内で互いに離れるように角度が付けられている。
【0174】
図22Cは、光学スプリッタ2244を画定する導波路層2242を有するフォトニック集積回路2240の別の変形例を示す。光学スプリッタ2244は、スラブ導波路2254と、複数の出力導波路を形成する複数の導波路コア2256a~2256e及び光閉じ込め領域2258a~2258fとを含む。光学スプリッタ2244は、一対の光閉じ込め領域2248a、2248bによって画定され境界付けられた導波路コア2252を有する入力導波路2246を含む。入力導波路2246は、前述のように屈折率遷移領域2250に接続された追加の領域2251を含む。フォトニック集積回路2240は、屈折率遷移領域2250を除いて、図22Aのフォトニック集積回路2200に関して本明細書で説明したように構成される。この変形例では、屈折率遷移領域2250は、図21Cの出力導波路2148と同じように構成される。具体的には、導波路コア2252の幅は、上述したように、屈折率調整領域2250内で第1の幅からより広い第2の幅へと段階的に増加する。
【0175】
図19A図22Cに関して本明細書に説明される実施形態の各々について、屈折率遷移領域の種々の寸法は、前述のように、回折角、波長の関数としての回折角の均一性、及び後方反射光の量の所望の平衡を達成するように選択されてもよいことを理解されたい。更に、本明細書の図19A図22Cに関して説明される屈折率遷移領域は、図2図18Dに関して本明細書で説明される実施形態のいずれか、並びに光学マルチプレクサ、光学デマルチプレクサなどの、導波路(例えば、ストリップ導波路、リブ導波路など)及びスラブ導波路からの遷移を含む任意の他の光学構成要素に適用され得ることを理解されたい。
【0176】
プロセスステップ又は方法ステップは順番に記述され得るが、そのようなプロセス及び方法は、任意の適切な順序で機能するように構成され得る。換言すれば、本開示で説明することが可能なステップの、いずれの連続又は順序も、その順序でステップが実行されるという要件を、それ自体で示すものではない。更には、いくつかのステップは、(例えば、或る1つのステップが、他のステップの後に説明されていることにより)同時には実施されないものとして説明又は示唆されているにもかかわらず、同時に実行される場合もある。更には、或るプロセスの、図面におけるその説明による例示は、例示されているプロセスが、そのプロセスに対する他の変形及び修正を排除することを示唆するものではなく、例示されているプロセス、又はそのステップのうちのいずれかが、1つ以上の実施例に必要であることを示唆するものでもなく、例示されているプロセスが、好ましいものであることを示唆するものでもない。
【0177】
本開示による方法及び装置の、代表的な適用例が、本セクションで説明されている。これらの実施例は、前後関係を追加し、説明する実施例の理解を助けることのみを目的として提供される。それゆえ、説明される実施例は、特定の詳細のうちの一部又は全てを伴わずに実践することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。他の適用例が可能であり、それゆえ以下の実施例は、限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0178】
添付図面を参照して、本開示の実施例が十分に説明されてきたが、様々な変更及び修正が、当業者には明らかとなるであろう点に留意されたい。そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、本開示の実施例の範囲内に含まれるものとして理解されたい。
【0179】
実施形態の追加の説明
実施形態1:フォトニック集積回路であって、
基板と、
クラッド層と、
導波路層であって、
側面を有するスラブ導波路と、
出力導波路であって、
第1の光閉じ込め領域、
第2の光閉じ込め領域、及び
第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアを備える、出力導波路と、を備える、導波路層と、を備え、
スラブ導波路の側面は、半円曲線を有する円筒形レンズを形成する光学要素を画定し、
出力導波路は、出力導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、
出力導波路は、出力導波路からスラブ導波路に導入された入力光が側面を介してフォトニック集積回路から出るように配置される、フォトニック集積回路。
実施形態2:
半円形曲線は、曲率中心を有し
出力導波路は、曲率中心に対して横方向にオフセットされる、実施形態1のフォトニック集積回路。
実施形態3:
出力導波路とスラブ導波路との間の接合部は、曲率中心と位置合わせされる、実施形態2のフォトニック集積回路。
実施形態4:
出力導波路とスラブ導波路との間の接合部は、曲率中心が接合部と光学要素との間に位置するように、曲率中心の後方に位置する、実施形態2のフォトニック集積回路。
実施形態5:
出力導波路とスラブ導波路との間の接合部は、接合部が接合部と光学要素との間に配置されるように、曲率中心の前方に配置される、実施形態2のフォトニック集積回路。
実施形態6:
導波路層は、出力導波路からスラブ導波路に導入される入力光が通過するように、出力導波路とスラブ導波路の側面との間に部分的エッチング領域を有する、実施形態1~5のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態7。出力導波路は、接合部に配置された屈折率調整領域を備え、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の一方又は両方の幅は、接合部に向かう方向に減少する、実施形態1~6のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態8。出力導波路は、導波路コアの幅が接合部に向かう方向に増加する接合部に配置された屈折率調整領域を備える、実施形態1~7のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態9:フォトニック集積回路であって、
導波路層であって、
複数の光学要素を画定する側面と、
複数のスラブ導波路と、
複数の出力導波路であって、複数の出力導波路の各々は
第1の光閉じ込め領域、
第2の光閉じ込め領域、及び
第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアを備える、出力導波路と、を備える、導波路層と、を備え、
複数の光学要素の各光学要素は、複数のスラブ導波路のうちの対応するスラブ導波路及び複数の出力導波路のうちの対応する出力導波路に関連付けられ、その結果、対応する出力導波路から対応するスラブ導波路に導入された入力光は、光学要素を通ってフォトニック集積回路を出る、フォトニック集積回路。
実施形態10:
光学要素は、オンチップレンズを構成する、実施形態9のフォトニック集積回路。
実施形態11:
複数の光学要素の各光学要素は、曲率中心を有する半円曲線を有する円筒形レンズを形成する、実施形態10のフォトニック集積回路。
実施形態12:
複数の出力導波路の各出力導波路は、出力導波路に関連付けられた光学要素の曲率中心から横方向にオフセットされる、実施形態11のフォトニック集積回路。
実施形態13:
複数のスラブ導波路の全ては、光学的に接続される、実施形態10~12のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態14:光学システムであって、
光源ユニットと、
フォトニック集積回路であって、
側面と、
光源ユニットに光学的に接続された複数のエミッタであって、各エミッタは、
側面に形成された光学要素、
スラブ導波路、及び
出力導波路からスラブ導波路に導入された入力光が光学要素を通ってフォトニック集積回路を出るように配置された出力導波路を備える、複数のエミッタと、を備える、フォトニック集積回路と、
複数のエミッタを制御して出力光を放出するように構成されたコントローラと、を備える、光学システム。
実施形態15:
複数のエミッタの各エミッタは、各エミッタが同じ形状及び方向を有する光の出力ビームを生成するように共通の構成を有する、実施形態14の光学システム。
実施形態16:フォトニック集積回路は、
複数の位相シフタであって、その各々は対応するエミッタの出力導波路によって搬送される光の位相を調整するように制御可能である、複数の位相シフタを備える、実施形態14又は15の光学システム。
実施形態17:コントローラは、複数のエミッタの各々によって放出される出力光の位相を選択的に制御するように構成される、実施形態16の光学システム。
実施形態18:コントローラは、複数のエミッタのうちのどれが出力光を放出するかを選択的に制御するように構成される、実施形態14~17のいずれかの光学システム。
実施形態19:コントローラは、複数のエミッタの各々によって放出される出力光の強度を選択的に制御するように構成される、実施形態14~18のいずれかの光学システム。
実施形態20:コントローラは、複数のエミッタの各々によって放出される出力光の1つ以上の波長を選択的に制御するように構成される、実施形態14~19のいずれかの光学システム。
実施形態21:フォトニック集積回路であって、
基板と、
クラッド層と、
導波路層であって、
スラブ導波路、及び
導波路であって、
第1の光閉じ込め領域、
第2の光閉じ込め領域、及び
第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアを備える、出力導波路と、を備える、導波路層と、を備え、
導波路は、導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、
導波路は、接合部に位置し、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の一方又は両方の幅が接合部に向かう方向に減少する屈折率調整領域を備える、フォトニック集積回路。
実施形態22:導波路層は、
光学スプリッタであって、
スラブ導波路と、
導波路と、
複数の出力導波路と、を備える、光学スプリッタを備え、
光学スプリッタは、導波路からスラブ導波路に導入された入力光を複数の出力導波路に分岐する、実施形態21のフォトニック集積回路。
実施形態23:
導波路層は、光学要素を画定する側面を備え、
導波路は、導波路からスラブ導波路に導入された入力光が、側面を介してフォトニック集積回路から出るように配置される、実施形態21のフォトニック集積回路。
実施形態24:
光学要素は、オンチップレンズを構成する、実施形態23のフォトニック集積回路。
実施形態25:
光学要素は、回折格子を含む、実施形態23又は24の集積回路。
実施形態26:
導波路コアの幅は、屈折率調整領域において一定である、実施形態21~25のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態27:
導波路コアの幅は、屈折率調整領域において、接合部に向かう方向に断熱的に狭くなる、実施形態21~25のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態28:
導波路コアの幅は、屈折率調整領域において、接合部に向かう方向に非断熱的に増加する、実施形態21~25のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態29:
第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の一方又は両方の幅は、接合部に向かう方向に線形に減少する、実施形態21~28のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態30:フォトニック集積回路であって、
基板と、
クラッド層と、
導波路層であって、
スラブ導波路、及び
導波路であって、
第1の光閉じ込め領域、
第2の光閉じ込め領域、及び
第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアを備える、出力導波路と、を備える、導波路層と、を備え、
導波路は、導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、
導波路は、接合部に位置し、導波路コアの幅が接合部に向かう方向に増加する屈折率調整領域を備える、フォトニック集積回路。
実施形態31:導波路層は、
光学スプリッタであって、
スラブ導波路と、
導波路と、
複数の出力導波路と、を備える、光学スプリッタを備え、
光学スプリッタは、導波路からスラブ導波路に導入された入力光を複数の出力導波路に分岐する、実施形態21のフォトニック集積回路。
実施形態32:
導波路層は、光学要素を画定する側面を備え、
導波路は、導波路からスラブ導波路に導入された入力光が、側面を介してフォトニック集積回路から出るように配置される、実施形態30のフォトニック集積回路。
実施形態33:
光学要素は、オンチップレンズを構成する、実施形態23のフォトニック集積回路。
実施形態34:
導波路コアの幅は、屈折率調整領域において非断熱的に増加する、実施形態30~33のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態35:
第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の幅は、屈折率調整領域において一定である、実施形態30~34のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態36:
導波路は、導波路コアの幅が接合部に向かう方向に断熱的に狭くなる追加領域を備え、
屈折率調整領域は、追加領域と接合部との間に位置する、実施形態30~35のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態37:導波路コアの幅は、屈折率調整領域において線形に増加する、実施形態30~36のいずれかのフォトニック集積回路。
実施形態38:光学システムであって
目標波長範囲内の波長のセットを生成するように構成された光源ユニットと、
フォトニック集積回路であって、
基板と、
クラッド層と、
導波路層であって、
スラブ導波路、及び
導波路であって、
第1の光閉じ込め領域、
第2の光閉じ込め領域、及び
第1の光閉じ込め領域と第2の光閉じ込め領域との間に配置された導波路コアを備える、出力導波路と、を備える、導波路層と、を備え、
導波路は、導波路とスラブ導波路との間の接合部においてスラブ導波路内で終端し、
導波路は、第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域のそれぞれの幅が接合部に向かう方向に第1の幅から第2の幅まで狭くなるように配置された屈折率調整領域を備える、光学システム。
実施形態39:
第2の幅を有する第1の光閉じ込め領域及び第2の光閉じ込め領域の各々の一部は、長さを有し、
長さは、目標波長範囲内の波長の4分の1である、実施形態38の光学システム。
実施形態40:
導波路コアの幅は、屈折率調整領域において第3の幅から第4の幅に増加する、実施形態38又は39の光学システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムであって、
スラブ導波路であって、
自由伝搬領域と、
出力側と、を備える、スラブ導波路と、
前記スラブ導波路内に画定された出力導波路であって、
光が伝搬し、第1の側と、前記第1の側の反対側の第2の側とを含む、導波路コアと、
前記導波路コアの前記第1の側に隣接する第1の光閉じ込め領域と、
前記導波路コアの前記第2の側に隣接する第2の光閉じ込め領域と、を備え、
前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側の前及び前記自由伝搬領域の前で終端し、
前記光は、前記導波路コアを出て前記自由伝搬領域に入り、
前記光は、前記出力側で前記自由伝搬領域を出て、それによって、前記出力導波路への後方反射を低減する、光学システム。
【請求項2】
前記スラブ導波路の出力側は、前記光が通過する光学要素を備え、
前記光学要素は、前記スラブ導波路の前記出力側に画定され、
前記光学要素は、正レンズ又は負レンズとして機能する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記スラブ導波路の前記出力側は、前記光をコリメートする光学要素を備える、請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
前記スラブ導波路の前記出力側は、光学要素を備え、
前記光学システムは、前記光学要素上に反射防止コーティングを更に備える、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記スラブ導波路の前記出力側は、非球面光学要素を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項6】
前記スラブ導波路の前記出力側は、回折格子を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項7】
前記スラブ導波路を通って伝搬する前記光を偏光させ、前記出力導波路と前記スラブ導波路の前記出力側との間の前記スラブ導波路上に配置された金属を更に備える、請求項1~のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項8】
前記出力導波路は、前記スラブ導波路内に光を放出するための複数の出力導波路のうちの1つであり、
前記光学システムは、前記スラブ導波路の前記出力側のプロファイル内に画定され、前記複数の出力導波路からの前記光を組み合わせるように構成された光学要素を更に備える、請求項1~のいずれか一項に記載の光学システム。
【請求項9】
光を誘導するための方法であって、
前記光を出力導波路を通して伝搬させることと、
前記出力導波路からスラブ導波路の自由伝搬領域内に前記光を放出することと、
前記スラブ導波路からの前記光を、前記スラブ導波路の出力側の光学要素に通過させ、それによって、前記スラブ導波路の前記出力側からの前記光の後方反射を低減することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記出力導波路から前記光を放出することは、前記スラブ導波路の前記自由伝搬領域を通して前記出力導波路から前記光を伝搬させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記出力導波路から放出された前記光が部分的エッチング領域を通過するように、前記出力導波路と前記スラブ導波路の前記出力側との間に前記部分的エッチング領域を形成することを更に含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記部分的エッチング領域は、正レンズとして機能する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スラブ導波路の前記出力側は、前記光学要素を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
光学システムであって、
スラブ導波路と、
前記スラブ導波路内に画定された出力導波路であって、
光を通過させる導波路コアと、
前記導波路コアの第1の側に隣接する第1の光閉じ込め領域と、
前記導波路コアの第2の側であって、前記第2の側は、前記導波路コアの前記第1の側の反対側である、第2の側に隣接する第2の光閉じ込め領域と、を備える、導波路コアと、
前記スラブ導波路の出力側に画定された光学要素であって、前記出力導波路の前記導波路コアから放出される前記光は、前記光学要素を通過する前に前記スラブ導波路を通って伝搬し、それによって、前記光学要素から前記出力導波路への前記光の後方反射を低減するように、前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側の前で終端する、光学要素と、備える、光学システム。
【請求項15】
前記光学要素は、前記スラブ導波路の一部であり、光軸に対して出射光の方向を操向するための正又は負の曲率半径を含み、
前記光学システムは、前記光学要素を通過する前記光の前記後方反射を低減するために前記光学要素上にコーティングされた反射防止コーティングを更に備える、請求項14に記載の光学システム。
【請求項16】
前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側に対して傾斜している、請求項14又は15に記載の光学システム。
【請求項17】
前記光学要素は、通過する前記光を発散させる、請求項14または15に記載の光学システム。
【請求項18】
前記スラブ導波路に隣接する平面金属層であって、
前記平面金属層は、前記光学要素の上に延在し、
前記平面金属層は、前記出力導波路と前記スラブ導波路の前記出力側との間の領域に位置する、平面金属層を更に備える、請求項14または15に記載の光学システム。
【請求項19】
前記出力導波路は、前記スラブ導波路の前記出力側に対して垂直に配置される、請求項14または15に記載の光学システム。
【請求項20】
前記出力導波路は、前記導波路コアの幅が前記スラブ導波路に向かう方向に非断熱的に増加する屈折率調整領域を備える、請求項14または15に記載の光学システム。
【国際調査報告】