(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-27
(54)【発明の名称】伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体
(51)【国際特許分類】
H05K 1/09 20060101AFI20240919BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240919BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H05K1/09 A
H05K1/02 B
H05K1/02 J
H01L23/12 F
H01L23/12 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509083
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 US2022074964
(87)【国際公開番号】W WO2023023482
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521075321
【氏名又は名称】リキッド ワイヤ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIQUID WIRE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】リビエラ, トレバー アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス, マイケル アドベンチャー
(72)【発明者】
【氏名】キンゼル, チャールズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ローナイ, マーク ウィリアム
【テーマコード(参考)】
4E351
5E338
【Fターム(参考)】
4E351AA04
4E351AA16
4E351BB50
4E351CC14
4E351DD04
4E351DD10
4E351DD12
4E351GG20
5E338AA01
5E338AA16
5E338BB04
5E338BB75
5E338CC04
5E338CC07
5E338CD13
5E338EE27
(57)【要約】
装置は、金属層102と、金属層の少なくとも一部と重なるように構成された流体相導体202と、流体相導体を含むビアまたはチャネルを有するステンシル層204と、装置内に流体相導体を封入するように構成された封入層206とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属パターンを含む金属層と、
前記金属層の前記金属パターンの少なくとも第1の部分に重なるように構成された流体相導体と、
前記金属層上に配置された第1の封入層と、を含む装置であって、
前記第1の封入層は、前記流体相導体で充填された1つまたは複数のビアを有し、前記装置内に前記流体相導体を封入するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
第2の封入層をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の封入層内の前記複数のビアのうちの少なくとも1つを介して前記第1の封入層に電気通信を提供するように構成されたステンシル層をさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体相導体を含むスロットの第2のパターンを備える第2のステンシル層をさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のステンシル層は、前記第2の封入層に接着される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の封入層は、前記第1のステンシル層に接着される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記金属層に結合された電子部品をさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記電子部品を支持するように構成された別個の補強セグメントをさらに含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記別個の補強セグメントは、2つの層の間に挿入される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記別個の補強セグメントにより、前記装置は、前記電子部品の長さの2倍よりも大きい曲げ半径を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記別個の補強セグメントは、テキスタイルセグメントである請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記別個の補強セグメントは、ポリマーフィルムのセグメントである請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ポリマーフィルムは、ポリイミドフィルムである請求項12に記載の装置。
【請求項14】
金属層と、
前記金属層に結合された基板層と、
前記金属層および前記基板層に濡れた流体相導体と、
前記金属層および前記流体相導体を封入する封入層と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項15】
流体相導体を含むステンシル層をさらに含み、
前記封入層は、前記ステンシル層に結合される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記金属層が第1の金属層であり、前記基板層が第1の基板層であり、前記金属層および前記基板層が第1のセグメントを形成し、
第2の基板層を含む第2のセグメントと、
第3の基板層を含む第3のセグメントと、前記流体相導体は前記金属層および前記第3の基板層に濡れ、
前記金属層および前記第3の基板層を封入する第3の封入層と、をさらに含み、
前記第2のセグメントは、前記第3のセグメントの少なくとも一部に電気的に結合される、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の金属層に電気的に結合された電子部品をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記金属層が第1の金属層であり、前記基板層が第1の基板層であり、前記金属層および前記基板層が第1のセグメントを形成し、
第2の基板層を含む第2のセグメントと、
所定の電流伝導率を有する前記流体相導体を含む第3のセグメントと、をさらに含む、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の金属層に電気的に結合された電子部品をさらに含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記電子部品は、外部装置への端子、集積回路、チップ、抵抗器、コンデンサ、またはインダクタからなる群から選択される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記電子部品は、集積回路(IC)である請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記電子部品は、前記第2の金属層に機械的に結合された第1の電子部品であり、
前記封入層に機械的に結合された第2の電子部品をさらに含み、
前記第2の電子部品は、前記第1の電子部品よりも大きい物理的サイズ係数を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記物理的サイズ係数は、SMTパッケージ規格に対応する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記物理的サイズ係数は、少なくとも0603SMTパッケージサイズである請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記流体相導体は、1.5アンペア以下の最大電流を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
前記流体相導体の前記最大電流は、1.0アンペア以下である請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記金属層は、前記流体相導体の最大電流よりも大きい最大電流を有する、請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権出願)
本出願は2021年8月16日に出願された米国仮特許出願第63/233,689号および2021年9月16日に出願された米国仮特許出願第63/261,266号に対する優先権の利益を主張するものであり、その両方の内容は、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
任意の特定の要素または動作の説明を容易に識別するために、参照番号における最上位の1つまたは複数の桁は、その要素が最初に導入された図番号を指す。
【0003】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、可撓性金属クラッド基板の一例である。
【0004】
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、可撓性金属クラッド基板の断面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、可撓性金属クラッド基板の平面図を示す。
【0005】
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、電子部品を含む可撓性金属クラッド基板の断面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、電子部品を含む可撓性金属クラッド基板の平面図を示す。
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による、電子部品を含む可撓性金属クラッド基板の断面図を示す。
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による、電子部品を含む可撓性金属クラッド基板の断面図を示す。
【0006】
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、電子部品を含む可撓性金属クラッド基板の平面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、電子部品を含む可撓性金属クラッド基板の断面図を示す。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による、電子部品を含む可撓性金属クラッド基板の断面図を示す。
【0007】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による例示的な可撓性回路の平面図である。
【0008】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による例示的な可撓性回路の上面図である。
【0009】
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態によるチップパッケージの例示的な可撓性回路の様々な図である。
【
図7B】
図7Bは、いくつかの実施形態によるチップパッケージの例示的な可撓性回路の様々な図である。
【
図7C】
図7Cは、いくつかの実施形態によるチップパッケージの例示的な可撓性回路の様々な図である。
【0010】
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による例示的な可撓性回路基板の図である。
【発明の概要】
【0011】
[発明を実施するための形態]
例示的な方法およびシステムは、伸縮性および可撓性の金属フィルム(stretchable and flexible metal film)のシステム、回路、ならびに前記システムおよび/または回路を製造する方法を対象とする。実施例は、可能な変形例を単に代表するものである。特に明記しない限り、構成要素および機能はオプションであり、組み合わされてもよく、または細分化されてもよく、操作は、順序が変わってもよく、または組み合わされてもよく、または細分化されてもよい。以下の説明では、説明の目的で、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本主題がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0012】
様々な構成要素間の電気的接続を提供するために、様々な構成要素を有する様々なシステムに適合させることができる、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体が開発されている。伸縮性および可撓性の金属フィルムは、導電性ゲルの包含(inclusion of conductive gel)を提供し、これは、様々な構成要素間のさらなる電気的接続を提供し、さらに可撓性および伸縮性を改善する。伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体はまた、本明細書に開示されるように、ステンシル・イン・プレース構造の包含(inclusion of stencil-in-place structures)を容易にする。伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体を使用して形成することができる様々なシステムは、テキスタイルシステム(textile systems)に容易に組み込むことができる。
【0013】
伸縮性基板層は、伸縮および屈曲するように構成され、金属フィルムまたは金属箔を有する領域は一般に、伸縮および/または屈曲しない。金属がエッチングされるとき、構造体は、(例えば、伸縮性基板層を介して)伸縮する部分と、伸縮しない部分(例えば、金属フィルム/金属箔)とを備える。この構成は、様々な目的(例えば、ウェアラブル物品)に望ましい柔軟性および適合性を有する構造体を可能にする。
【0014】
さらに、構造体は、1つ以上の層中、1つ以上の層上、または1つ以上の層内に埋め込まれた1つ以上の電子部品を備えてもよい。いくつかの実施形態では、電子部品が表面実装技術(SMT)タイプまたは表面実装デバイス(SMD)タイプの構成要素であり、コネクタは伸縮性および可撓性のフィルム構造体の表面上に面一に配置される。いくつかの実施形態では、電子部品は、パッケージタイプ603の標準表面実装技術(SMT)であり、これは、長さ0.06インチ、幅0.03インチを有し、~500ミクロンのランディングパッド(landing pad)を利用する。構造体はまた、より大きいサイズの構成要素を備えてもよい。前記より大きいサイズの構成要素のビアおよび/または接点パッド(contact pads)間の距離(別名「ウェビング(webbing)」と呼ばれる)は、100~250ミクロンの間の距離で離間される。いくつかの実施形態では、電子部品は、50~100ミクロンの間のウェビングを有するプラスチック極薄クワッドフラットノーリード(PVQFN)64ピンパッケージタイプである。いくつかの他の実施形態では、電子部品は、SOIC-8パッケージタイプを含む小型アウトライン集積回路(SOIC)である。
【0015】
様々なサイズの複数の他の電子部品もまた、構造体内に組み込まれ得る。電子部品は、別のタイプ、例えば、任意選択的に、金属層を介して延在し、および/またはビア(図示せず)内に貫通するコネクタを有する貫通孔タイプの構成要素であってもよく、または何らかの他の構成要素タイプもしくは構成であってもよい。本明細書に記載される特定のパッケージタイプおよびサイズは一例であり、他のパッケージタイプおよびサイズが存在し、本開示に従って使用され得ることが理解される。このような電子部品の実装方法も、構成要素の種類によって異なる場合がある。
【0016】
以下に記載される実施形態および実施例の詳細は、例示の目的のためのものである。図面は、必ずしも一定の縮尺で示されていない。本発明の原理は、これらの実施形態および詳細に限定されない。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態による、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100の一例である。伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100は、金属層102および伸縮性基板層104を備える。いくつかの実施形態では、金属層102は、伸縮性基板層104に結合された連続金属層を形成する。いくつかの実施形態では、金属層102は、金属箔の形態で伸縮性基板層104に結合された金属トレースを形成する。金属トレースは、電子部品のための電気トレース、ビア、およびパッドを形成するようにパターン化される。金属層102は、伸縮性基板層104上に結合されるか、または他の方法で取り付けられ得る(例えば、伸縮性基板層104に堆積されるか、接着されるか、または他の方法で固定される)。金属層102は、いくつかの実施形態では無酸素銅(oxygen-free copper)から構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、伸縮性基板層104は、他の好適な化合物または材料の中でも、Bステージ樹脂フィルム、Cステージ樹脂フィルム、接着剤、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、および/またはシリコーンのうちの1つから形成され得る。
【0019】
図1には2つの層が示されているが、この実施例および本明細書の様々な実施例では、伸縮性フィルム構造体、または伸縮性フィルム構造体の原理に従って形成された他の構造体を組み込んでいるが、層の数は、所望に応じて(例えば、金属層(例えば、金属層102)を分離する伸縮性基板層104の交互のパターンに応じて)、増やすことができることが理解される。
【0020】
本明細書の実施例は、所望に応じて異なる方法で構成され得る様々な他の追加の層の中でも、複数の金属層、複数の伸縮性基板層を組み込んでもよい。
【0021】
伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100は、金属層102を利用して、電源、外部プロセッサ、制御回路、ならびに様々な別個の電気部品および/または電子部品など、より大きなシステムの外部構成要素に、または外部構成要素と電気的に結合し得る。
【0022】
一例では、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100は、図示されるように、金属層102が配置される主表面とは反対側の基板層104の第2の主表面上の第2の金属であってもよく、またはその第2の金属を含んでもよい。基板層104の詳細は米国特許出願公開第2020/0381349号、「異種材料間の連続的な相互接続(CONTINUOUS INTERCONNECTS BETWEEN HETEROGENEOUS MATERIALS)」、Ronay et al.に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。様々な実施例では、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、特許協力条約出願PCT/JP2017/045989、「金属箔を有する伸縮性部材(STRETCHABLE MEMBER WITH METAL FOIL)」、Tangyii et al.に開示される構造体もしくは任意の適切な代替物であってもよく、それを備えてもよい。
【0023】
図2A~
図2Bは、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200の断面図および底面斜視図の例である。いくつかの実施形態では、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200は、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100の発展型(extension)であってもよく、様々な追加の構成要素を含んでもよい。
【0024】
伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200は伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100に示される構成要素に加えて、ステンシル層(stencil layer)204と、ステンシル層204とを含み、これらは一緒になってステンシル・イン・プレース構造506(
図5)を形成する。さらに、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200は、金属ゲル202を含む。
【0025】
金属層102は、
図1に関して説明したような金属層102であってもよい。伸縮性層104は、
図1に関して説明したような伸縮性基板104から構成され得る。
【0026】
ステンシル層204は、層全体にわたって1つ以上のビアまたはチャネルを形成し、導電性ゲル(例えば、金属ゲル202)を含むいくつかのステンシル層のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、金属ゲル202は、ステンシル層204の1つ以上のビアおよび/またはチャネルを充填する。
【0027】
封入層(encapsulation layer)206は、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200の構成要素および/または1つ以上の層を封入するように構成された封入材および/または封入層であってもよい。いくつかの実施形態では、ステンシル層204が、金属層102を封入し、金属層102を他の層および/または環境条件から隔離(isolate)するように構成される。いくつかの実施形態では、ステンシル層204は、TPU、Bステージ樹脂または熱硬化性フィルム、Cステージ樹脂または熱硬化性フィルム、概して熱硬化性樹脂、概してエラストマー、または任意の他の適切な封入材料から作製される。
【0028】
いくつかの実施形態では、ステンシル層204、金属ゲルおよび封入層206の組合せは、本明細書ではステンシル・イン・プレース構造(例えば、ステンシル・イン・プレース構造506、
図5)と呼ばれる。
【0029】
金属ゲル202は、構造体内の様々な構成要素の間の電気的接続を提供するように、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体100または200の層上または層内に挿入された導電性ゲルまたは他の流体相導体(fluid phase conductor)であってもよく、構造体の可撓性および伸縮性の向上を促進する。
【0030】
図2Bは、いくつかの実施形態による、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200の底面斜視図である。図示されるように、金属層102、伸縮性基板104、ステンシル層204は、サンドイッチ状の層に一緒に構成され、接着される。いくつかの実施形態では、ステンシル層204は、金属ゲル202で充填された1つ以上のチャネルを備える。いくつかの実施形態では、金属層102は、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200の接地面(ground plane)として機能するように構成される。いくつかの実施形態では、金属層102は、回路の接地端子(ground terminal)に結合される。
図5に関してより詳細に説明されるように、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体200は、より大きなシステムの構成要素であってもよい。
【0031】
図3A~
図3Dは、いくつかの実施形態による、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の様々な図を提供する。
【0032】
図3Aは、電子部品302を含む伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の一部の断面図である。図示のように、電子部品302は、金属層102に結合される。金属層102は、金属であり、電子部品302からステンシル層204の金属ゲル202を介して電気的結合を提供する。電子部品302は、金属層102上に取り付けられ、それに電気的に結合され得る。いくつかの実施形態では、ステンシル層204が金属ゲル202のための封入材として作用する。任意選択的に、または追加的に、電子部品302は、基板層104への接着(adhesion)によって、例えば、基板層104の接着剤(adhesive)および/または接着特性(adhesive characteristic)を使用して、構造体300に取り付けられてもよい。
【0033】
金属層102は電子部品302の左側にのみラベル付けされているが、金属層102と電子部品302との間に(例えば、電子部品302の右側に)1つ以上の接点の事例(instances of contact)があってもよいことが理解される。それに対応して、金属ゲル202で充填された、または、金属ゲル202を含む、伸縮性基板層104およびステンシル層204内のビアおよび/またはチャネルは、1つの位置においてラベル付けされ得るが、他の位置(例えば、電子部品302の右側)に存在してもよい。ステンシル・イン・プレース構造が例示の目的で示されているが、本明細書に開示された原理は、2022年2月25日に出願された特許協力条約出願PCT/US2022/070853、「高持続性回路を製造および使用する装置、システムおよび方法(DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS OF MAKING AND USING HIGHLY SUSTAINABLE CIRCUITS)」、Kruskopf et al.に開示された任意の構造を含むがこれらに限定されない、様々な代替構造のいずれにも適用することができることが認識され、理解されるべきであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
図3Bは、いくつかの実施形態による、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の等角図である。図示のように、電子部品302は、伸縮性基板104に接着される。電子部品302は、電子部品302の1つ以上のコネクタ314を備える。1つ以上のコネクタ314の各々は、1つ以上のビア(例えば、ビア312)を介して電気的に結合される。いくつかの実施形態では、電子部品302の対応する各コネクタは、金属ゲル202で充填されたビア312を介して、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の金属層102の金属トレースに電気的に結合される。
【0035】
いくつかの実施形態では、流体トレース幅(fluid trace width)308は、金属トレース幅(metal trace width)310よりも小さい。流体トレース幅308は、約0.05mm~1mmの範囲で変化してもよく、約10cmの長さのトレース長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、流体トレース幅308は、0.05mm以上~約0.5mmの幅を有してもよい。そのような例において、約1.5アンペアを超える電流が流れるとき、トレースは高温になり、トレース内に断絶(discontinuity)が生じる可能性がある。金属ゲル202における過剰な熱蓄積の場合、金属ゲル202は、低電流状態(例えば、1アンペア未満)に戻った後に、自己修復することができる。また、高温は、構造体300の完全性を損なう可能性があり、例えば、層のうちの1つの中に孔を溶融または焼き付ける可能性がある。
【0036】
図3Cは、いくつかの実施形態による、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の第1実施形態の第1の断面図である。
図3Aに示される伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300と同様に、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300は、電子部品302と、金属層102と、伸縮性基板104と、ステンシル層204と、ステンシル層204と、金属ゲル202で充填された1つ以上のビア312とを備える。さらに、
図3Cの伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300は、補強材(stiffener)または伸縮ロックアウト機構(stretch lockout feature)などの補強部材304を備える。いくつかの実施形態では、補強部材304は、テキスタイルセグメント、ポリマーフィルムのセグメント、例えば、ポリイミドフィルム、または任意の他の適切な可撓性材料である。いくつかの実施形態では、補強材が電子部品302を支持するために電子部品302の下に配置される。いくつかの実施形態では、補強部材304が伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の2つの層の間に挿入されるか、または(
図3Cに示されるように)伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の最下層として構成される。いくつかの実施形態では、補強部材304により、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300は、電子部品302の長さの2倍よりも大きい曲げ半径(bend radius)を有する。曲げ半径は、構造体300に組み込まれた補強部材304を用いて、かつ構成要素302の取り付け前に、決定、測定、または計算することができる。曲げ半径は、IPC-2223の設計基準の原理を使用して計算することができる。
【0037】
補強部材304は、伸縮性および可撓性の回路上で電子部品302を支持するために使用されてもよい。電子部品302の損傷を回避するために、電子部品302の曲げ、ねじれ、または伸縮を回避する必要があり得る。いくつかの実施形態では、伸縮性および可撓性の回路上の構成要素(例えば、電子部品302)の曲率半径(radius of curvature)を超えると、構成要素は、破損し得、および/または接続点は、構造体300から切り離され得る。
【0038】
本明細書に記載されるように、補強材のセクション(例えば、ポリイミド(PI)シートまたはフィルムで作製された補強部材304)を使用して、回路が最大曲げ半径に達しないようにすることができる。いくつかの実施形態では、ガラス強化エポキシ積層材料(FR4)の補強層が、構成要素(例えば、電子部品302)を備えるPI基板の1つ以上のセクションの下に配置されるか、または、それ自体で、補強部材304を構成し得る。いくつかの実施形態では、補強部材が最大5mm、またはわずか~0.1mmだけ構成要素のエッジを越えて延在する。いくつかの例では、補強部材304は、電子部品302よりも小さい設置面積(footprint)を有し得る。一例では、構成要素レイアウトの設置面積は、約3mm×3mm、または9mm^2であり、4mm×4mmもしくは16mm^2の補強セグメントまたは補強部材は、構成要素の下に配置される。いくつかの実施形態では、補強部材がない構造体300の剛性および補強部材304のために選択された材料の弾性率に応じて、補強部材の厚さは、0.1~2mmであってもよい。
【0039】
図3Dは、いくつかの実施形態による、
図3Cの伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300と同様の、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の第2実施形態の断面図である。この例の構造体300は、別のステンシル層306および隔離層(isolation layer)316をそれぞれ追加した、
図3Cに示されるものと同様である。いくつかの実施形態では、追加のステンシル層および/または隔離層を使用することができる。追加の層によって、多層回路が、各ステンシル層内の流体相または金属ゲル導体でパターン化されることを可能にする。各層内の回路のパターンに応じて、隔離層は、望ましくない個々のトレースの電気的結合を防止するために使用され得る。いくつかの実施形態では、補強部材304は、電子部品302の寸法および下の構造体の所望の曲げ剛性プロファイルに応じて、厚さが変化してもよい。
【0040】
図4A~
図4Cは、いくつかの実施形態による、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体300の一部の第2実施形態の等角図および断面図を提供する。
【0041】
図4Aは、いくつかの実施形態による、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400の上面等角図である。伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400は、伸縮性基板104に結合された金属層102の金属トレースに結合された電子部品302を備える。さらに、電子部品302は、金属ゲル202を含むビア312を介して金属層102に電気的に結合される。
図4Aに示されるビア312は、ビアが重なり、層を横断するときに均一な円筒形状を有するものとして示されるが、ビアが存在する層に基づいて、ビアの寸法が異なり得ることが理解され、認識される。例えば、最上層(例えば、金属層102)内の接点パッドは、1mmの直径を有していてもよく、最上層の接点パッドの下の中間層(例えば、伸縮性基板層104)内のビアは、0.75mmの直径を有していてもよく、中間層の下の最下層内のビアは、0.5mmの直径を有していてもよい。別の例では、ビアが存在する層に基づいて、交互の構成においてビアのサイズが異なり得る。最上層(例えば、金属層102)内の接点パッドは、1mmの直径を有していてもよく、最上層の接点パッドの下の中間層(例えば、伸縮性基板層104)内のビアは、0.75mmの直径を有していてもよく、最下層または中間層の下の層内のビアは、1mmの直径を有していてもよい。ビアの寸法は、必要に応じて構成可能かつ可変であると理解される。いくつかの実施形態では、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400は、ステンシル層204、第2のステンシル層306、および封入層206を備える。
【0042】
図4Bは、いくつかの実施形態による、
図4Aの伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400の断面図である。断面は、電子部品302の長さに実質的に直交するトレース310の接点パッドのほぼ中央で取られる。いくつかの実施形態では、電子部品302は、金属ゲル202と電気的に接触している金属層102の表面に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、伸縮性基板層104は、ステンシル層204の1つ以上のチャネル内に金属ゲル202を封入するために使用される。追加の層は、第2のステンシル層306および封入層206を備えていてもよい。
【0043】
図4Cは、いくつかの実施形態による、
図4Aの伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400の第2実施形態の断面図である。
図4Bの構造体300と同じ位置で断面が取られ、
図4Bに示された伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400と同様に、電子部品302は、金属層102に結合される。いくつかの実施形態では、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400は、ステンシル層204内の開口、スロットまたはチャネルのパターンを隔離して、および/または金属ゲル202を含有する層内に提供されるビア/チャネルの深さを延ばして、様々な他の層との電気的結合を可能にするように構成される、追加の隔離層206を備える。封入層402は、金属ゲル202を追加の第2のステンシル層306内に封入するように構成される。追加のまたは任意の補強部材404が、
図3Cおよび
図3Dの構造体300について説明したのと同様に、伸縮性および可撓性の金属フィルム構造体400に結合されてもよい。
【0044】
図5は、いくつかの実施形態による例示的な可撓性回路の上面等角図である。可撓性回路500は、1つ以上のステンシル・イン・プレース構造を備えることができる基板506を含む。本明細書に記載のアイランド構造502は、上記で開示した伸縮性金属クラッドフィルム構造体の1つと同様であり得、例えば、構造体200、300、400は、可撓性回路500に結合され得る。追加の電子部品504は、可撓性回路500に含まれ、基板506のステンシル・イン・プレース部分に物理的に取り付けられ、図示のように金属ゲルトレース508および510、および/またはアイランド構造502に電気的に結合するように構成され、または回路設計の慣例に従って様々な構成であってもよい。いくつかの実施形態では、金属ゲルトレース508および510の厚さは、アイランド構造502上に設けられる金属トレースとは異なり得る。本明細書で説明するように、アイランド構造502は、少なくとも伸縮性基板104と、金属トレースおよび接点パッドのパターンを備えた金属層102と、電子部品302とを備え、より大きい回路(例えば、可撓性回路500)の上または内部に配置されるように構成された別個の回路であり得る。アイランド構造502は、アイランド構造502および可撓性回路500の両方の1つ以上の層内における1つ以上のビアによって、可撓性回路500のステンシル・イン・プレース部分のトレースに電気的に結合され得る。そのようなビアは、アイランド構造502の接点パッドまで延在してもよく、金属ゲルのみで、および/または、接点パッドに物理的および/または電気的に結合された別の流体相導体、導電性エポキシ、はんだ、または他の導電性媒体と組み合わせて充填されてもよい。
【0045】
図6は、いくつかの実施形態による例示的な可撓性回路の上面図である。可撓性回路システム600は、可撓性回路602およびアイランド構造604を備える。可撓性回路500と同様に、可撓性回路システム600は、別個の可撓性回路602および別個のアイランド構造604を示す。可撓性回路602は、上記で開示されたようなステンシル・イン・プレース構造であってもよい。ロケーション606および608は、アイランド構造604を受け入れるように構成された可撓性回路602内の物理的領域を識別する。いくつかの実施形態では、可撓性回路602が上記で開示したような金属ゲルなどの流体相導体で充填された1つ以上のトレース610を備える。1つ以上の任意のセンサまたは外部装置612が可撓性回路602上に設けられてもよく、この例に示されるように、可撓性回路に取り付けられてもよく、またはステンシル・イン・プレース構造に統合されてもよい。
【0046】
より詳細に示すために可撓性構造体と比較して拡大してここでは示されているアイランド構造604は、実質的に上記に開示されているようなものであってもよい。いくつかの実施形態では、アイランド構造604は、電子部品302と、金属層102内の1つ以上の金属トレースと、少なくとも1つ以上のビア312とを備える。アイランド構造604は、少なくとも1つの伸縮性基板層を有してもよく、ビアは、基板層に設けられてもよい。アイランド構造のトレースは、箔などの金属層から形成することができ、可撓性回路602に電気的に結合するために接点パッドを設けることができる。1つ以上の接点パッドは、1つ以上のビアの上に直接配置され得る。アイランド構造上の構成要素の密度は、可撓性回路602の密度よりも大幅に大きくてもよいことを理解されたい。
【0047】
本開示で企図される構成要素の密度は、構造体の単位サイズ当たりの構造体に電気的および/または物理的に結合された構成要素の数として特徴付けられ得る。例えば、10個の構成要素が取り付けられ、2cm×2.5cmのサイズを有する構造体は、平方cm当たり2個の構成要素の密度を有する。構成要素密度は、構造体が製造され得る分解能(resolution)を特徴付けるのに有用であり得、それによって、それが、流体相導体をトレースとして利用するステンシル・イン・プレース・プロセスから完全に製造され得るかどうか、または構造体の少なくとも一部が、金属層から形成されたトレースの少なくとも一部と、可撓性および/または伸縮性基板を組み合わせた金属層とを利用して製造され得るかどうかという情報が得られる。
【0048】
図7A~
図7Cは、いくつかの実施形態によるチップパッケージの例示的な可撓性回路の様々な図である。いくつかの実施形態では、例示的な可撓性回路システム600は、より大きな回路上に実装される別個のアイランド構造(例えば、502、604)を備えるように構成される。
【0049】
図7Aは、チップ710(例えば、クワッドフラットノーリード(QFN)チップ)、1つ以上のトレース706、および1つ以上のビア704を備えるパッケージ700の上面図である。パッケージ700は、可撓性基板702を備えてもよく、または封入層206に関して説明したように可撓性材料によって封入されてもよく、チップ710を封入するように構成されてもよい。パッケージ700は、最終パッケージ700に組み立てられる1つ以上の層708を含んでもよい。
【0050】
図7Bは、チップ710と、チップ710の1つ以上のパッドを可撓性基板702に電気的に結合するための対応するトレース706とを含むパッケージ700の底面図である。パッケージ700の底面図は、チップ710を可撓性回路500および/または602などの外部装置に電気的に接続するためのパッド、トレース、およびビアを有する、チップ710内の1つ以上の電子部品を示す。
【0051】
図7Cは、いくつかの実施形態による、例示的な可撓性回路の図である。
図7Cは、補強部材718、720、722、および724を備える可撓性回路の一部の図である。図示の補強部材は、少なくとも
図3Cおよび
図3Dに関して本明細書で説明されている。補強部材は、様々な材料であってもよく、補強部材718、720、722、および724の間で異なっていてもよい。
【0052】
図8は、いくつかの実施形態による例示的な可撓性回路基板800の図である。本明細書に記載されるように、アイランド構造(例えば、502、504、200、300、400)は、電子部品のための可撓性基板を含む。いくつかの実施形態では、それぞれのアイランド構造のそのような電子部品は、とりわけ、発光ダイオード(LED)802、マイクロコントローラユニット(MCU)806、センサ804である。説明される電子部品の各々は、剛性の性質を有し、1つ以上のトレース808によって電気的に結合される。
【0053】
すべての例において、構造体は、層ごとのプロセス(layer-by-layer process)において、付加的に構築されてもよく、このプロセスでは、以前に組み立てられた層の上(または下)に、各層が形成され配置される。したがって、各層は、構造体全体の所望の特性を提供するように、多くの異なる方法でカスタマイズすることができる。各層は、上述のように、導電性ゲルで充填されたスロットまたはチャネルを有するステンシル層を除いて、実質的に1つの材料から形成され得る。しかしながら、低電力回路の場合、本明細書に開示される構造体のために企図される機能を実行するために必要とされる金属の体積は、比較的最小であることに留意されたい。したがって、金属層の得られる厚さは、非常に小さく、例えば、200ミクロン以下、または約0.010インチ以下であってもよい。この薄い層を取り扱い、組み立てることは、製造環境において困難であり得る。したがって、例えば、金属層102および例えば基板層104は、例えば構造体100を組み立てるときに、1つのフィルムまたは層として提供されてもよい。さらに、単一層は、構造体への組み立て前に、例えば、上述のように化学エッチングによって、不要な金属材料を除去するために処理されてもよい。あるいは、金属層は、別個の層として積層構造に付加的に堆積されてもよい。企図された機能を実行するために、例えば、回路にRFシールドを提供するために、高電力バスとして作用するために、接地面として機能するために、または、金属層の比較的大きなパターンもしくはシートを必要とし得るか、または製造作業中に離散層として容易に提供され得る他の機能もしくは構成のために、金属層が比較的大きな表面積を有することを必要とする構造体の場合、金属層を付加的に提供することが有利であり得る。本明細書全体を通して、複数の事例は、単一の事例として説明される構成要素、操作、または構造を実装し得る。1つ以上の方法の個々の操作が、別個の操作として図示および説明されているが、個々の操作のうちの1つ以上は、同時に実行されてもよく、操作は、図示の順序で実行されることを必要としない。例示的な構成において、別個の構成要素として提示される構造および機能は、組み合わせられた構造または構成要素として実装され得る。同様に、単一の構成要素として提示される構造および機能は、別個の構成要素として実装され得る。これらおよび他の変形、修正、追加、および改良は、本明細書の主題の範囲内に含まれる。
【0054】
本明細書では、特定の実施形態が、ロジックまたはいくつかの構成要素、モジュール、または機構を含むものとして説明される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体上または送信信号内に具現化されたコード)またはハードウェアモジュールのいずれかを構成し得る。「ハードウェアモジュール」は、特定の操作を実行することが可能な有形のユニットであり、特定の物理的な方法で構成または配置され得る。様々な例示的な実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、またはサーバコンピュータシステム)、またはコンピュータシステムの1つ以上のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサまたはプロセッサのグループ)は、本明細書で説明するような特定の操作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーションまたはアプリケーション部分)によって構成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、ハードウェアモジュールは、機械的に、電子的に、またはそれらの任意の適切な組合せで実装され得る。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の操作を実行するように永続的に構成された専用の回路またはロジックを含み得る。例えば、ハードウェアモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはASICなどの専用プロセッサであり得る。ハードウェアモジュールはまた、特定の操作を実行するためにソフトウェアによって一時的に構成されるプログラマブルロジックまたは回路を含み得る。例えば、ハードウェアモジュールは、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるソフトウェアを含み得る。ハードウェアモジュールを機械的に、専用の永続的に構成された回路に、または一時的に構成された回路(例えば、ソフトウェアによって構成された回路)に実装するという決定は、コストおよび時間を考慮して決定され得ることが理解されよう。
【0056】
したがって、「ハードウェアモジュール」という語句は、有形のエンティティを包含すると理解されるべきであり、これは、本明細書で説明する特定の操作を実行するように、または、特定の方法で動作するように、物理的に構築され、永続的に構成され(例えば、ハードワイヤードされ)、または一時的に構成され(例えば、プログラムされ)たエンティティであると理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェアモジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールの各々は、一度に任意の1つの事例において構成または事例化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、専用プロセッサになるようにソフトウェアによって構成された汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは異なる時間にそれぞれ異なる専用プロセッサ(例えば、異なるハードウェアモジュールを含むもの)として構成され得る。したがって、ソフトウェアは、例えば、ある時点で特定のハードウェアモジュールを構成し、異なる時点で異なるハードウェアモジュールを構成するように、プロセッサを構成することができる。
【0057】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受信することができる。したがって、説明されたハードウェアモジュールは、通信可能に結合されているとみなされ得る。複数のハードウェアモジュールが同時に存在する場合、通信は、ハードウェアモジュールのうちの2つ以上の間で(例えば、適切な回路およびバスを介して)信号伝送によって達成され得る。複数のハードウェアモジュールが異なる時間に構成または事例化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールによりアクセスされるメモリ構造内の情報の記憶および検索を介して達成され得る。例えば、1つのハードウェアモジュールは操作を実行し、その操作の出力を、それが通信可能に結合されるメモリデバイスに保存することができる。次いで、さらなるハードウェアモジュールは、後に、記憶された出力を取り出して処理するためにメモリデバイスにアクセスし得る。ハードウェアモジュールはまた、入力デバイスまたは出力デバイスとの通信を開始することができ、リソース(例えば、情報のまとまり(collection of information))上で動作することができる。
【0058】
本明細書で説明される例示的な方法の各種操作は、関連する操作を実行するように、(例えば、ソフトウェアによって)一時的に構成されるか、または永続的に構成される1つ以上のプロセッサによって、少なくとも部分的に実行され得る。一時的にまたは永続的に構成されるかどうかにかかわらず、そのようなプロセッサは、本明細書で説明される1つ以上の操作または機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成し得る。本明細書で使用される場合、「プロセッサ実装モジュール」は、1つ以上のプロセッサを使用して実装されるハードウェアモジュールを指す。
【0059】
同様に、本明細書で説明される方法は、少なくとも部分的にプロセッサ実装(processor-implemented)され得、プロセッサはハードウェアの一例である。例えば、方法の操作の少なくとも一部は、1つ以上のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールによって実行され得る。さらに、1つ以上のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境において、または「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)として、関連する操作の性能をサポートするように動作することもできる。例えば、操作の少なくとも一部は、(プロセッサを含むマシンの例として)コンピュータのグループによって実行され得、これらの操作は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、および1つ以上の適切なインターフェース(例えば、アプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0060】
特定の操作の性能は、単一のマシン内に常駐するだけでなく、いくつかのマシンにわたって展開される、1つ以上のプロセッサの間で分散され得る。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、単一の地理的ロケーション(例えば、ホーム環境、オフィス環境、またはサーバファーム内)に配置され得る。他の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、いくつかの地理的ロケーションにわたって分散され得る。
【0061】
本明細書に記載の物品に含まれる導電性ゲルなどの導電性組成物(electrically conductive compositions)は、例えば、とりわけ、酸化ガリウムが共晶ガリウム合金(eutectic gallium alloy)中に混合されたときに、酸化ガリウムが組成物に与えることができる構造を利用することによって作り出すことができるペースト状またはゲル状のコンシステンシー(consistency)を有することができる。共晶ガリウム合金に混合されると、酸化ガリウムは、共晶ガリウム合金のバルク材料特性を変化させることができる、本明細書にさらに記載されるマイクロ構造またはナノ構造を形成することができる。
【0062】
本明細書で使用するとき、用語「共晶」は、一般に、最も低い融点を有し、この温度で各相が溶融溶液から同時に結晶化する組成物の2つ以上の相の混合物を指す。共晶を得るための相の比は、相図(phase diagram)上の共晶点(eutectic point)によって特定される。共晶合金の特徴の一つは鋭い融点である。
【0063】
導電性組成物は、導電性剪断減粘ゲル組成物(conducting shear thinning gel compositions)として特徴付けることができる。本明細書に記載の導電性組成物は、ビンガムプラスチック(Bingham plastic)の特性を有する組成物として特徴付けることもできる。例えば、導電性組成物は、粘塑性(viscoplastics)であることができ、その結果、それらは、剛性であり、低応力では高さおよび幅によって特徴付けられる三次元特徴を形成および維持することができるが、高応力では粘性流体として流動する。したがって、例えば、導電性組成物は、低剪断下で約10,000,000Pa*s~約40,000,000Pa*s、高剪断で約150~180の範囲の粘度を有することができる。例えば、低剪断の条件下で、組成物は、約10,000,000Pa*s、約15,000,000Pa*s、約20,000,000Pa*s、約25,000,000Pa*s、約30,000,000Pa*s、約45,000,000Pa*s、または約40,000,000Pa*sの粘度を有する。高剪断の条件下で、組成物は、約150Pa*s、約155Pa*s、約160Pa*s、165Pa*s、約170Pa*s、約175Pa*s、または約180Pa・sの粘度を有する。
【0064】
本明細書に記載の導電性組成物は、約2×105S/m~約8×105S/mの導電率などの任意の好適な導電率を有することができる。
【0065】
本明細書に記載の導電性組成物は、約-20℃~約10℃、約-10℃~約5℃、約-5℃~約5℃または約-5℃~約0℃の融点などの任意の適切な融点を有することができる。
【0066】
導電性組成物は共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物を含むことができ、共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物は、約59.9%~約99.9%(例えば約67%~約90%)の間の重量百分率(wt%)の共晶ガリウム合金、および約0.1%~約2.0%(例えば約0.2%~約1%)の間の重量百分率(wt%)の酸化ガリウムを有する。例えば、導電性組成物は、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはそれ以上、例えば約99.9%の共晶ガリウム合金、および約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、および約2.0%の酸化ガリウムを有することができる。
【0067】
共晶ガリウム合金は、任意の元素比で、ガリウム-インジウムまたはガリウム-インジウム-スズを含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金は、ガリウムおよびインジウムを含む。導電性組成物は、ガリウム-インジウム合金中に任意の適切な重量百分率のガリウムを含むことができ、その重量百分率は、約40%~約95%の間であり、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%である。
【0068】
導電性組成物は、ガリウム-インジウム合金中に約5%~約60%の間の重量百分率のインジウムを含むことができ、その重量百分率は、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、または約60%である。
【0069】
共晶ガリウム合金は、ガリウムおよびスズを含むことができる。例えば、導電性組成物は、合金中に約0.001%~約50%の間の重量百分率のスズを含むことができ、その重量百分率は、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%である。
【0070】
導電性組成物は、共晶ガリウム合金および酸化ガリウムとブレンドされた1つ以上のマイクロ粒子(micro-particles)またはサブミクロンスケールの粒子を含むことができる。粒子は、共晶ガリウム合金またはガリウム中にコーティングされ、酸化ガリウム中に封入されるか、または前の方法でコーティングされないかのいずれかで、共晶ガリウム合金中に懸濁させることができる。マイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子は、ナノメートルからマイクロメートルのサイズの範囲であり得、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、またはガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁され得る。粒子対合金の比率は、変えることができ、導電性組成物の流動特性を変化させることができる。マイクロ構造およびナノ構造は、超音波処理または他の適切な手段によって導電性組成物内にブレンドすることができる。導電性組成物は、共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内にマイクロ構造およびナノ構造のコロイド懸濁液を含むことができる。
【0071】
導電性組成物は、組成物内に分散された1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子をさらに含むことができる。これは、共晶ガリウム合金またはガリウム中にコーティングされ、酸化ガリウム中に封入されているか、または先の方法でコーティングされていない粒子を、導電性組成物中に、または特に共晶ガリウム合金流体中に懸濁させることを含む、任意の適切な方法で達成することができる。これらの粒子は、ナノメートルからマイクロメートルのサイズの範囲であり得、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、またはガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁され得る。粒子対合金の比率は、とりわけ、合金および導電性組成物のうちの少なくとも1つの流体特性を変化させるために、変えることができる。さらに、コロイド懸濁液または共晶ガリウム合金への任意の補助材料の添加は、とりわけ、その物理的、電気的、または熱的特性を強化または修正するためである。共晶ガリウム合金および導電性組成物の少なくとも1つの中でのマイクロ構造およびナノ構造の分布は、粒子を加えることなく、超音波処理または他の機械的手段を含む任意の好適な手段によって達成することができる。特定の実施形態では、1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロン粒子が、共晶ガリウム合金および導電性組成物の少なくとも1つとブレンドされ、マイクロ粒子の重量%は、約0.001%~約40.0%の間であり、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、または約40%である。
【0072】
1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロン粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀被覆銅、非酸化銅、タングステン、過飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、銀被覆銅球および銀被覆銅フレークなどの銀被覆銅、銅フレークもしくは銅球、またはそれらの組合せ、または共晶ガリウム合金および導電性組成物のうちの少なくとも1つに濡れることができる任意の他の材料を含む、任意の適切な材料で作ることができる。1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子は、回転楕円体、ロッド、チューブ、フレーク、プレート、立方体、角柱、ピラミッド、ケージ(cages)、およびデンドリマー(dendrimers)の形状を含む、任意の適切な形状を有することができる。1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子は、約0.5ミクロン~約60ミクロンのサイズ範囲を含む任意の適切なサイズを有することができ、そのサイズは、例えば、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、または約60ミクロンである。
【0073】
本明細書に記載の導電性組成物は、表面酸化物/合金界面(surface oxide/alloy interface)の剪断混合(shear mixing)によって、共晶ガリウム合金の表面上に形成された表面酸化物を、共晶ガリウム合金のバルク中にブレンドすることを含む方法を含む、任意の適切な方法によって作製することができる。そのような組成物の剪断混合は、表面酸化物中に架橋微細構造(cross linked microstructure)をもたらし、それによって、導電性剪断減粘ゲル組成物を形成することができる。微細構造のコロイド懸濁液は、共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内に、例えば酸化ガリウム粒子および/またはシートとして形成される。
【0074】
表面酸化物は、約59.9%(重量)~約99.9%の共晶ガリウム合金と、約0.1%(重量)~約2.0%の酸化ガリウムとの比率など、任意の適切な比率でブレンドされる。例えば、酸化ガリウムとブレンドされるガリウム合金の重量百分率は、約60%、61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはそれ以上、例えば約99.9%の共晶ガリウム合金であり、酸化ガリウムの重量百分率は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、および約2.0%の酸化ガリウムである。実施形態において、共晶ガリウム合金は、列挙された元素の任意の比率で、ガリウム-インジウムまたはガリウム-インジウム-スズを含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金は、ガリウムおよびインジウムを含むことができる。
【0075】
ガリウム-インジウム合金中のガリウムの重量百分率は、約40%~約95%の間であり、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%である。
【0076】
代替的にまたは追加的に、ガリウム-インジウム合金中のインジウムの重量百分率は、約5%~約60%の間であり、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、または約60%である。
【0077】
共晶ガリウム合金は、ガリウム、インジウムおよびスズを含むことができる。ガリウム-インジウム-スズ合金中のスズの重量百分率は、約0.001%~約50%の間であり、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%である。
【0078】
ガリウム-インジウム-スズ合金中のガリウムの重量百分率は、約40%~約95%の間であり、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%である。
【0079】
代替的にまたは追加的に、ガリウム-インジウム-スズ合金中のインジウムの重量百分率は、約5%~約60%の間であり、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、または約60%である。
【0080】
1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子を、共晶ガリウム合金および酸化ガリウムとブレンドすることができる。例えば、1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロン粒子は、組成物中のマイクロ粒子の重量%が、約0.001%~約40.0%となるように混合物とブレンドすることができ、その重量%は、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、または約40%である。実施形態において、粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀被覆銅、非酸化銅、タングステン、過飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、銀被覆銅球および銀被覆銅フレークなどの銀被覆銅、銅フレークもしくは銅球、またはそれらの組合せ、またはガリウムに濡れることができる任意の他の材料であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子は、回転楕円体、ロッド、チューブ、フレーク、プレート、立方体、角柱、ピラミッド、ケージ、およびデンドリマーの形状である。特定の実施形態では、1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子が、約0.5ミクロン~約60ミクロンのサイズ範囲であり、そのサイズは、例えば、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、または約60ミクロンである。
【実施例】
【0081】
実施例1は、金属パターンを含む金属層と、金属層の金属パターンの少なくとも第1の部分に重なるように構成された流体相導体と、金属層上に配置された第1の封入層と、を含む装置であって、第1の封入層は、流体相導体で充填され、装置内に流体相導体を封入するように構成された1つ以上のビアを有する装置である。
【0082】
実施例2では、実施例1の主題は、第2の封入層を含む。
【0083】
実施例3では、実施例1および2のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1の封入層内の複数のビアのうちの少なくとも1つを介して、第1の封入層に電気通信を提供するように構成されたステンシル層を含む。
【0084】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つ以上の主題は、流体相導体を含むスロットの第2のパターンを含む第2のステンシル層を含む。
【0085】
実施例5では、実施例1~4のいずれか1つ以上の主題は、第2のステンシル層が第2の封入層に接着されていることを含む。
【0086】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つ以上の主題は、第2の封入層が第1のステンシル層に接着されていることを含む。
【0087】
実施例7では、実施例1~6のいずれか1つ以上の主題は、金属層に結合された電子部品を含む。
【0088】
実施例8では、実施例1~7のいずれか1つ以上の主題は、電子部品を支持するように構成された別個の補強セグメントを含む。
【0089】
実施例9では、実施例1~8のいずれか1つ以上の主題は、別個の補強セグメントが2つの層の間に挿入されることを含む。
【0090】
実施例10では、実施例1~9のいずれか1つ以上の主題は、別個の補強セグメントにより、装置が、電子部品の長さの2倍よりも大きい曲げ半径を有することを含む。
【0091】
実施例11では、実施例1~10のいずれか1つ以上の主題は、別個の補強セグメントがテキスタイルセグメントであることを含む。
【0092】
実施例12では、実施例1~11のいずれか1つ以上の主題は、別個の補強セグメントがポリマーフィルムのセグメントであることを含む。
【0093】
実施例13では、実施例1~12のいずれか1つ以上の主題は、ポリマーフィルムがポリイミドフィルムであることを含む。
【0094】
実施例14は、金属層と、金属層に結合された基板層と、金属層および基板層に濡れた流体相導体と、金属層および流体相導体を封入する封入層とを含む装置である。
【0095】
実施例15では、実施例14の主題は、流体相導体を含むステンシル層を含み、封入層はステンシル層に結合されることを含む。
【0096】
実施例16では、実施例14および15のいずれか1つ以上の主題は、金属層が第1の金属層であり、基板層が第1の基板層であり、金属層および基板層が第1のセグメントを形成し、第2の基板層を含む第2のセグメントと、第3の基板層を含む第3のセグメントであって、流体相導体が金属層および第3の基板層に濡れている第3のセグメントと、金属層および第3の基板層を封入する第3の封入層であって、第2のセグメントが第3のセグメントの少なくとも一部に電気的に結合されている第3の封入層と、をさらに含む、ことを含む。
【0097】
実施例17では、実施例14~16のいずれか1つ以上の主題は、第2の金属層に電気的に結合された電子部品を含む。
【0098】
実施例18では、実施例14~17のいずれか1つ以上の主題は、金属層が第1の金属層であり、基板層が第1の基板層であり、金属層および基板層が第1のセグメントを形成し、第2の基板層を含む第2のセグメントと、所定の電流伝導率(current conductivity)を有する流体相導体を含む第3のセグメントとをさらに含む、ことを含む。
【0099】
実施例19では、実施例14~18のいずれか1つ以上の主題は、第2の金属層に電気的に結合された電子部品を含む。
【0100】
実施例20では、実施例14~19のいずれか1つ以上の主題は、電子部品が、外部装置への端子、集積回路、チップ、抵抗器、コンデンサ、またはインダクタからなる群から選択されることを含む。
【0101】
実施例21では、実施例14~20のいずれか1つ以上の主題は、電子部品が集積回路(IC)であることを含む。
【0102】
実施例22では、実施例14~21のいずれか1つ以上の主題は、電子部品が第2の金属層に機械的に結合された第1の電子部品であり、封入層に機械的に結合された第2の電子部品をさらに含み、第2の電子部品が、第1の電子部品よりも大きい物理的サイズ係数を有することを含む。
【0103】
実施例23では、実施例14~22のいずれか1つ以上の主題は、物理サイズ係数がSMTパッケージ規格に対応することを含む。
【0104】
実施例24では、実施例14~23のいずれか1つ以上の主題は、SMTパッケージサイズを含む。
【0105】
実施例25では、実施例14~24のいずれか1つ以上の主題は、アンペアを含む。
【0106】
実施例26では、実施例14~25のいずれか1つ以上の主題は、アンペアを含む。
【0107】
実施例27では、実施例14~26のいずれか1つ以上の主題は、金属層が、流体相導体の最大電流よりも大きい最大電流を有することを含む。
【0108】
実施例28は、電気的接続を提供するための金属層と、ステンシル層であって、ステンシル層内に開口の第1のパターンを形成するステンシル層と、開口は流体相導体を含み、金属層とステンシル層との間に配置された第1の封入層と、第2の封入層とを含む装置であって、第1および第2の封入層は、装置内に流体相導体を封入するように構成される装置である。
【0109】
実施例29では、実施例28の主題は、金属層が接地面として構成されることを含む。
【0110】
実施例30では、実施例28および29のいずれか1つ以上の主題は、ステンシル層内の開口がスロットであることを含む。
【0111】
実施例31では、実施例28~30のいずれか1つ以上の主題は、ステンシル層が第1のステンシル層であり、装置が開口の第2のパターンを形成する第2のステンシル層をさらに含み、開口は流体相導体を含む、ことを含む。
【0112】
実施例32では、実施例28~31のいずれか1つ以上の主題は、第1のステンシル層と第2のステンシル層との間に配置された隔離層を含み、隔離層は、第1のステンシル層のスロットの第1のパターンの少なくとも1つのスロットと、第2のステンシル層のスロットの第2のパターンの少なくとも1つのスロットとの間に電気的接点(electrical contact)を提供するように構成された1つ以上のビアを含む、ことを含む。
【0113】
実施例33は、第1のトレース幅を有する金属パターンを含む金属層と、ステンシル層であって、ステンシル層内に開口の第1のパターンを形成するステンシル層と、開口は、流体相導体を含み、金属層の金属パターンの少なくとも第1の部分と重なるように構成され、金属層とステンシル層との間に配置された第1の封入層であって、流体相導体で充填された1つ以上のビアを有し、装置内に流体相導体を封入するように構成された第1の封入層と、を含む装置である。
【0114】
実施例34では、実施例33の主題は、ステンシル層内の開口がスロットであることを含む。
【0115】
実施例35では、実施例33および34のいずれか1つ以上の主題は、流体相導体を含む開口の第1パターンが、金属パターンの第1トレース幅よりも大きい第2トレース幅を有することを含む。
【0116】
実施例36では、実施例33~35のいずれか1つ以上の主題は、第2のトレース幅が50マイクロメートル以上500マイクロメートル以下の第1の最小値を有し、第1のトレース幅が第1の最小値未満の第2の最小値を有することを含む。
【0117】
実施例37では、実施例33~36のいずれか1つ以上の主題は、開口の第1のパターンの少なくとも2つの隣接する開口間の開口間隔が、金属パターンの少なくとも2つの隣接するトレース間のトレース間隔よりも大きいことを含む。
【0118】
実施例38では、実施例33~37のいずれか1つ以上の主題は、金属層に電気的に結合された電子部品を含む。
【0119】
実施例39では、実施例33~38のいずれか1つ以上の主題は、電子部品が第1の電子部品であり、装置が、ステンシル層に電気的に結合された第2の電子部品をさらに含む、ことを含む。
【0120】
実施例40では、実施例33~39のいずれか1つ以上の主題は、第2の電子部品が、ステンシル層の1つ以上の開口および第1の封入層の1つ以上のビアを介して、ステンシル層に電気的に結合されることを含む。
【0121】
実施例41では、実施例33~40のいずれか1つ以上の主題は、第1の封入層とは反対側の表面上のステンシル層に接着された第2の封入層を含む。
【0122】
実施例42では、実施例33~41のいずれか1つ以上の主題は、電子部品が金属層に物理的に結合されることを含む。
【0123】
実施例43では、実施例33~42のいずれか1つ以上の主題は、電子部品が第2の封入層に物理的に結合されることを含む。
【0124】
実施例44では、実施例33~43のいずれか1つ以上の主題は、第2の封入層が、流体相導体を含む少なくとも1つのビアを含み、電子部品が、ステンシル層の1つ以上のスロットと、第1の封入層内の少なくとも1つのビアと、第2の封入層内の少なくとも1つのビアとによって、金属層に電気的に結合されることを含む。
【0125】
実施例45は、処理回路によって実行されると、処理回路に、実施例1~44のいずれかを実施する操作を実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0126】
実施例46は、実施例1~44のいずれかを実施するための手段を含む装置である。
【0127】
実施例47は、実施例1~44のいずれかを実施するためのシステムである。
【0128】
実施例48は、実施例1~44のいずれかを作製または実施する方法である。
【0129】
本明細書の一部は、マシンメモリ(例えば、コンピュータメモリ)内にビットまたはバイナリデジタル信号として記憶されたデータに対する演算のアルゴリズムまたは記号表現に関して提示される。これらのアルゴリズムまたは記号表現は、データ処理技術の当業者が他の当業者に自分の仕事の内容を伝えるために使用する技術の例である。本明細書で使用される場合、「アルゴリズム」は、所望の結果をもたらす、自己整合的な一連の操作または同様の処理である。この文脈では、アルゴリズムおよび操作は、物理量の物理的操作を含む。必ずしも必要ではないが、典型的にはそのような量は、機械によって記憶、アクセス、転送、結合、比較、またはその他の方法で操作されることが可能な電気信号、磁気信号、または光信号の形式をとることがある。主に一般的な使用の理由から、「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数」、「数字」などのような単語を使用して、そのような信号を指すことが好都合である場合がある。しかしながら、これらの単語は単に便利なラベルであり、適切な物理量と関連付けられるべきである。
【0130】
特に明記しない限り、「処理する」、「コンピューティングする」、「計算する」、「決定する」、「提示する」、「表示する」などの単語を使用する本明細書の説明は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの任意の適切な組合せ)内、レジスタ内、または情報を受信、保存、送信、または表示する他の機械構成要素内の物理的(例えば、電子的、磁気的、または光学的)量として表されるデータを操作または変換する機械(例えば、コンピュータ)の動作またはプロセスを指し得る。さらに、特に明記しない限り、用語「a」または「an」は本明細書において、特許文献において一般的であるように、1つまたは2つ以上の事例を含むように使用される。最後に、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、特に明記しない限り、非排他的な「または」を指す。
【国際調査報告】