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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】多機能発音装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20240920BHJP
   H04R 9/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R9/02 101C
H04R9/02 102A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580782
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2022126304
(87)【国際公開番号】W WO2024055384
(87)【国際公開日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】202211111102.1
(32)【優先日】2022-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522237667
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ (ナンジン) カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Technologies (Nanjing) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】8th Floor, R&D Building, Emerging Industry Incubation Base, Nanda Science Park, Yuanhua road, Xianlin University Town, Qixia district, Nanjing City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】惠 耀
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 久健
【テーマコード(参考)】
5D012
【Fターム(参考)】
5D012BB02
5D012CA09
5D012DA04
(57)【要約】
【課題】本発明は多機能発音装置を提供する。
【解決手段】
多機能発音装置は、ハウジングと、発音単体と、コイルユニットが設置されたモータアセンブリとを含み、前記発音単体は、フレームと、振動システムと、磁気ギャップを有する磁気回路システムとを含み、前記振動システムは、前記磁気回路システムの駆動により第1方向に沿って振動発音し、前記磁気回路システムは、弾性アームを介して前記ハウジングに弾性的に接続され、前記磁気回路システムの中心位置にスルーホールを有し、前記モータアセンブリは、前記スルーホール内に収容され、前記モータアセンブリは、コイルユニットを含み、前記コイルユニットは、前記ハウジングに固定され、前記コイルユニットと前記磁気回路システムは、間隔を隔てかつ前記磁気回路システムが第2方向に沿って振動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は、互いに垂直である。関連技術に比べて、本発明の多機能発音装置の全体の厚さが小さく、かつ体積が小さく、モータアセンブリの駆動力が強くかつ磁気回路システムの駆動力への影響が小さく、音響性能が優れ、かつ振動性能が優れる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能発音装置であって、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に固定的に収容された発音単体とを含み、前記発音単体は、フレームと、それぞれ前記フレームに固定された振動システム及び磁気ギャップを有する磁気回路システムとを含み、前記振動システムは、前記磁気回路システムの駆動により第1方向に沿って振動発音し、
前記磁気回路システムは、弾性アームを介して前記ハウジングに弾性的に接続され、前記磁気回路システムの中心位置にスルーホールを有し、
前記多機能発音装置は、前記スルーホール内に収容されたモータアセンブリをさらに含み、前記モータアセンブリは、コイルユニットを含み、前記コイルユニットは、前記ハウジングに固定され、前記コイルユニットは、前記磁気回路システムと間隔を隔てかつ前記磁気回路システムが第2方向に沿って振動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は、互いに垂直であることを特徴とする多機能発音装置。
【請求項2】
前記磁気回路システムは、前記フレームに固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークに固定された主磁性鋼と、それぞれ前記主磁性鋼の対向する両側に位置しかつ前記主磁性鋼と間隔を隔てて前記磁気ギャップを形成する2つの副磁性鋼と、環状を呈する第1軟磁性鋼と、環状を呈する第2軟磁性鋼とを含み、
前記磁気ヨークの中心位置には、それを貫通する磁気ヨーク中心孔が設置され、
前記主磁性鋼は、環状を呈しかつガイド空間を囲み、前記主磁性鋼は、前記磁気ヨークに固定されかつ前記磁気ヨーク中心孔を取り囲んで設置され、前記ガイド空間は、前記磁気ヨーク中心孔と連通しかつ共に前記スルーホールを囲み、
前記副磁性鋼は、前記磁気ヨークの他の対向する両側に位置し、
前記第1軟磁性鋼は、前記主磁性鋼の前記磁気ヨークから離れる側に積層設置されて固定され、前記第2軟磁性鋼は、それぞれ前記副磁性鋼の前記磁気ヨークから離れる側に積層設置されて固定されていることを特徴とする請求項1に記載の多機能発音装置。
【請求項3】
前記磁気ヨークは、磁気ヨーク本体と、前記磁気ヨーク本体の対向する両側からそれぞれ延在する2つの前記弾性アームとをさらに含み、前記磁気ヨーク中心孔は、前記磁気ヨーク本体に位置し、前記主磁性鋼及び前記副磁性鋼は、いずれも前記磁気ヨーク本体に固定され、前記弾性アームは、前記ハウジングに弾性的に接続されかつ前記磁気ヨーク本体を前記収容空間内に懸架することを特徴とする請求項2に記載の多機能発音装置。
【請求項4】
前記磁気回路システムは、前記磁気ヨークの対向する両側に固定された2つの補助磁性鋼をさらに含み、2つの前記補助磁性鋼は、それぞれ前記主磁性鋼の対向する両側に間隔を隔てて設置され、かつそれぞれ2つの前記弾性アームの位置に対応し、前記第2軟磁性鋼は、さらに前記補助磁性鋼の前記磁気ヨークから離れる側に積層設置されて固定されていることを特徴とする請求項3に記載の多機能発音装置。
【請求項5】
前記モータアセンブリは、前記磁気ヨーク本体の前記ハウジングから離れる側に固定されたモータ磁性鋼を含み、前記モータ磁性鋼は、前記ガイド空間内に収容され、前記主磁性鋼は、前記モータ磁性鋼を取り囲んで設置されていることを特徴とする請求項3に記載の多機能発音装置。
【請求項6】
前記モータ磁性鋼は、2つ設置され、前記主磁性鋼は、矩形状を呈し、2つの前記モータ磁性鋼は、それぞれ前記主磁性鋼の短手方向又は長手方向の対向する両側に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の多機能発音装置。
【請求項7】
前記コイルユニットは、前記ハウジングに固定された鉄芯と、前記鉄芯に巻設されたコイルとを含み、前記鉄芯は、前記ハウジングに固定されかつ前記磁気ヨーク中心孔を貫通した後に少なくとも部分的に前記ガイド空間に収容され、前記コイルは、それぞれ前記モータ磁性鋼及び前記主磁性鋼と間隔を隔てかつ前記モータ磁性鋼と前記主磁性鋼が前記第2方向に沿って振動するように駆動し、前記モータアセンブリは、前記磁気回路システムに固定された質量ブロックをさらに含み、前記質量ブロックは、前記磁気ヨーク及び/又は前記第2軟磁性鋼に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の多機能発音装置。
【請求項8】
前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜が前記磁気ギャップに挿設されて前記振動膜が振動発音ように駆動するボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記振動膜に固定する骨格とを含み、前記ボイスコイルは、矩形状を呈し、前記ボイスコイルの長手方向の長さと前記主磁性鋼の長手方向の長さとの長さの差は、前記モータ磁性鋼の最大振幅以上であることを特徴とする請求項5に記載の多機能発音装置。
【請求項9】
前記振動システムは、弾性部材をさらに含み、前記弾性部材の一端が前記フレーム又は前記ハウジングに接続され、前記弾性部材の他端が前記ボイスコイルに接続されていることを特徴とする請求項8に記載の多機能発音装置。
【請求項10】
前記主磁性鋼は、厚さが同じである環状構造であることを特徴とする請求項2に記載の多機能発音装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の分野に関し、特に電子スピーカ製品に応用される多機能発音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルインターネット時代の到来に伴い、スマートモバイルデバイスの数は絶えず増加する。多くのモバイルデバイスにおいて、携帯電話は、明らかに最も一般的で、最も携帯可能なモバイル端末装置である。現在、携帯電話の機能は、非常に多様であり、高品質の音楽機能及び振動機能を有し、したがって、振動機能及び音声を再生するための多機能発音装置は、現在のスマートモバイルデバイスに大量に応用されている。
【0003】
関連技術における前記多機能発音装置は、ハウジングと、前記ハウジング内に収容された発音単体及びモータアセンブリとを含み、前記発音単体は、フレームと、それぞれ前記フレームに固定された振動システム及び磁気ギャップを有する磁気回路システムとを含み、前記モータアセンブリは、前記磁気回路システムの振動システムから離れる側に貼設されている。
【0004】
しかしながら、関連技術における前記多機能発音装置における前記発音単体と前記モータアセンブリは、独立して制御することができるが、前記モータアセンブリが前記発音単体の下方に積層設置されているため、前記多機能発音装置の厚さが増加し、前記多機能発音装置の薄型化を実現することが困難である。また、前記発音単体と前記モータアセンブリのそれぞれの磁性鋼は、同一平面に位置せず、それぞれを操作する磁界駆動力が互いに干渉及び影響することにより、前記多機能発音装置における磁性鋼の数が多く、体積が大きくて小型化できないことを引き起こし、それにより前記多機能発音装置の音響性能及び振動性能が低い。
【0005】
したがって、上記技術課題を解決し、新たな多機能発音装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、全体の厚さが小さくかつ体積が小さく、モータアセンブリの駆動力が強くかつ磁気回路システムの駆動力への影響が小さく、音響性能に優れかつ振動性能に優れる多機能発音装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、多機能発音装置を提供し、当該多機能発音装置は、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に固定的に収容された発音単体とを含み、前記発音単体は、フレームと、それぞれ前記フレームに固定された振動システム及び磁気ギャップを有する磁気回路システムとを含み、前記振動システムは、前記磁気回路システムの駆動により第1方向に沿って振動発音し、前記磁気回路システムは、弾性アームを介して前記ハウジングに弾性的に接続され、前記磁気回路システムの中心位置にスルーホールを有し、前記多機能発音装置は、前記スルーホール内に収容されたモータアセンブリをさらに含み、前記モータアセンブリは、コイルユニットを含み、前記コイルユニットは、前記ハウジングに固定され、前記コイルユニットは、前記磁気回路システムと間隔を隔てかつ前記磁気回路システムが第2方向に沿って振動するように駆動し、前記第1方向と前記第2方向は、互いに垂直である。
【0008】
好ましくは、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークに固定された主磁性鋼と、それぞれ前記主磁性鋼の対向する両側に位置しかつ前記主磁性鋼と間隔を隔てて前記磁気ギャップを形成する2つの副磁性鋼と、環状を呈する第1軟磁性鋼と、環状を呈する第2軟磁性鋼とを含み、前記磁気ヨークの中心位置には、それを貫通する磁気ヨーク中心孔が設置され、前記主磁性鋼は、環状を呈しかつガイド空間を囲み、前記主磁性鋼は、前記磁気ヨークに固定されかつ前記磁気ヨーク中心孔を取り囲んで設置され、前記ガイド空間は、前記磁気ヨーク中心孔と連通しかつ共に前記スルーホールを囲ん、前記副磁性鋼は、前記磁気ヨークの他の対向する両側に位置し、前記第1軟磁性鋼は、前記主磁性鋼の前記磁気ヨークから離れる側に積層設置されて固定され、前記第2軟磁性鋼は、それぞれ前記副磁性鋼の前記磁気ヨークから離れる側に積層設置されて固定されている。
【0009】
好ましくは、前記磁気ヨークは、磁気ヨーク本体と、前記磁気ヨーク本体の対向する両側からそれぞれ延在する2つの前記弾性アームとをさらに含み、前記磁気ヨーク中心孔は、前記磁気ヨーク本体に位置し、前記主磁性鋼及び前記副磁性鋼は、いずれも前記磁気ヨーク本体に固定され、前記弾性アームは、前記ハウジングに弾性的に接続されかつ前記磁気ヨーク本体を前記収容空間内に懸架する。
【0010】
好ましくは、前記磁気回路システムは、前記磁気ヨークの対向する両側に固定された2つの補助磁性鋼をさらに含み、2つの前記補助磁性鋼は、それぞれ前記主磁性鋼の対向する両側に間隔を隔てて設置され、かつそれぞれ2つの前記弾性アームの位置に対応し、前記第2軟磁性鋼は、さらに前記補助磁性鋼の前記磁気ヨークから離れる側に積層設置されて固定されている。
【0011】
好ましくは、前記モータアセンブリは、前記磁気ヨーク本体の前記ハウジングから離れる側に固定されたモータ磁性鋼を含み、前記モータ磁性鋼は、前記ガイド空間内に収容され、前記主磁性鋼は、前記モータ磁性鋼を取り囲んで設置されている。
【0012】
好ましくは、前記モータ磁性鋼は、2つ設置され、前記主磁性鋼は、矩形状を呈し、2つの前記モータ磁性鋼は、それぞれ前記主磁性鋼の短手方向又は長手方向の対向する両側に固定されている。
【0013】
好ましくは、前記コイルユニットは、前記ハウジングに固定された鉄芯と、前記鉄芯に巻設されたコイルとを含み、前記鉄芯は、前記ハウジングに固定されかつ前記磁気ヨーク中心孔を貫通した後に少なくとも部分的に前記ガイド空間に収容され、前記コイルは、それぞれ前記モータ磁性鋼と前記主磁性鋼と間隔を隔てかつ前記モータ磁性鋼と前記主磁性鋼が前記第2方向に沿って振動するように駆動し、前記モータアセンブリは、前記磁気回路システムに固定された質量ブロックをさらに含み、前記質量ブロックは、前記磁気ヨーク及び/又は前記第2軟磁性鋼に固定されている。
【0014】
好ましくは、前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜が前記磁気ギャップに挿設されて前記振動膜が振動発音ように駆動するボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記振動膜に固定する骨格とを含み、前記ボイスコイルは、矩形状を呈し、前記ボイスコイルの長手方向の長さと前記主磁性鋼の長手方向の長さとの長さの差は、前記モータ磁性鋼の最大振幅以上である。
【0015】
好ましくは、前記振動システムは、弾性部材をさらに含み、前記弾性部材の一端が前記フレーム又は前記ハウジングに接続され、前記弾性部材の他端が前記ボイスコイルに接続されている。
【0016】
好ましくは、前記主磁性鋼は、厚さが同じである環状構造である。
【発明の効果】
【0017】
関連技術に比べて、本発明の多機能発音装置は、中心位置に前記スルーホールを設置することにより、前記磁気回路システムの中間領域の磁力線が少ないため、該構造は、前記磁気回路システムの中間領域に前記スルーホールを設置すると、前記磁気回路システムの磁気エネルギー積の利用率を向上させることにより、前記多機能発音装置の音響性能が優れる。前記モータアセンブリを前記スルーホール内に収容し、それにより前記多機能発音装置の全体の厚さが小さく、前記多機能発音装置の薄型化応用に役立つ。前記モータアセンブリのコイルユニットを前記ハウジングに固定し、前記コイルユニットは、前記磁気回路システムと間隔を隔てかつ前記磁気回路システムが第2方向に沿って振動するように駆動し、該構造は、前記磁気回路システムの磁性鋼を前記モータアセンブリが駆動力を提供する磁性鋼とし、磁性鋼を別途増加させず、それにより前記磁気回路システムの磁性鋼を多重化使用することができ、それにより前記モータアセンブリの駆動力を強化し、それにより前記多機能発音装置の振動性能が良い。好ましくは、前記第1方向と前記第2方向は、互いに垂直であることにより、前記モータアセンブリのコイルユニットが前記発音単体の磁気回路システムの前記第1方向での駆動力に与える影響が小さく、相互干渉が少なく、それにより本発明の多機能発音装置は、音響性能に優れかつ振動性能に優れることを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本発明に係る多機能発音装置の斜視構造概略図である。
図2】本発明に係る多機能発音装置の部分斜視構造分解図である。
図3】本発明に係る多機能発音装置の一部のハウジングを取り除いた部分斜視構造分解図である。
図4図3におけるA-A線に沿った断面図である。
図5】本発明に係る多機能発音装置の磁気回路システム及びモータアセンブリの立体組立構成を示す模式図である。
図6】本発明に係る多機能発音装置の磁気ヨークの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明確で、完全に説明し、明らかなように、記述される実施例は、本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0020】
本発明は、多機能発音装置100を提供する。同時に図1~6に示すとおり、前記多機能発音装置100は、前記収容空間200を有するハウジング20と、前記収容空間200内に固定的に収容された発音単体10及びモータアセンブリ4とを含む。
【0021】
前記ハウジング20は、上カバー201と、前記上カバー201に蓋設されかつ前記上カバー201と共に前記収容空間200を囲む下カバー202とを含む。当然のことながら、これに限定されず、前記ハウジング20は、一体成形されてもよい。
【0022】
前記発音単体10は、フレーム1と、前記フレーム1にそれぞれ固定された振動システム2及び磁気ギャップ30を有する磁気回路システム3とを含む。前記振動システム2は、前記磁気回路システム3の駆動で第1方向に沿って振動発音する。本実施例において、前記第1方向は、前記発音単体10の厚さ方向である。
【0023】
前記振動システム2は、前記フレーム1に固定された振動膜21と、前記磁気ギャップ30に挿設されて前記振動膜21が振動発音するように駆動するボイスコイル22と、前記ボイスコイル22の前記振動膜21から離れる側に接続された弾性支持アセンブリ23と、前記ボイスコイル22を前記振動膜21に固定する骨格24とを含む。前記弾性支持アセンブリ23は、前記ボイスコイル22に直接固定されてもよいか又は骨格を設置しかつ骨格を介して前記ボイスコイル22に固定されてもよい。前記弾性支持アセンブリ23の設置により、前記ボイスコイル22が振動する時の横方向の揺動を防止する効果が高いことを達成することができ、それにより前記多機能発音装置100の安定性が高い。
【0024】
本実施形態において、前記骨格24は、金属材料で製造される。前記振動膜21のドームと前記ボイスコイル22との剛性接続を実現するために用いられる。
【0025】
前記磁気回路システム3は、前記振動システム2が振動発音するように駆動する。前記磁気回路システム3の中心位置には、スルーホール300を有する。前記モータアセンブリ4は、前記スルーホール300内に収容される。前記磁気回路システム3の中間領域の磁力線が少ないため、該構造は、前記磁気回路システム3の中間領域に前記スルーホール300を設置すると、前記磁気回路システム3の磁気エネルギー積の利用率を向上させることにより、前記多機能発音装置100の音響性能が優れる。
【0026】
前記磁気回路システム3は、磁気ヨーク31と、主磁性鋼32と、副磁性鋼33とを含む。
【0027】
前記磁気ヨーク31は、前記フレーム1に固定される。
【0028】
前記磁気ヨーク31は、磁気ヨーク本体311と、前記磁気ヨーク本体311の対向する両側から延在する2つの弾性アーム312と、それを貫通する磁気ヨーク中心孔3110とを含む。
【0029】
前記磁気ヨーク本体311は、矩形状を呈する。
【0030】
前記磁気ヨーク31の中心位置には、それを貫通する磁気ヨーク中心孔3110が設けられ、前記磁気ヨーク中心孔3110は、前記磁気ヨーク本体311に位置する。
【0031】
前記磁気回路システム3は、前記弾性アーム312を介して前記ハウジング20に弾性的に接続される。2つの前記弾性アーム312は、それぞれ前記磁気ヨーク本体311の短手方向の対向する両側に位置し、前記弾性アーム312は、前記ハウジング20に固定されかつ前記磁気ヨーク本体311を前記収容空間200内に懸架し、該構造は、前記磁気ヨーク31の抗揺れ性能を増加させ、それにより本発明の多機能発音装置100の振動性能を向上させる。
【0032】
本実施形態において、前記磁気ヨーク中心孔3110は、前記磁気ヨーク本体311の中間領域に位置する。前記磁気ヨーク中心孔3110は、前記収容空間200に連通する。
【0033】
前記主磁性鋼32は、前記磁気ヨーク31に固定される。前記主磁性鋼32は、環状を呈しかつガイド空間320を囲む。前記主磁性鋼32は、前記磁気ヨーク本体311に固定されかつ前記磁気ヨーク中心孔3110を取り囲んで設置され、環状を呈する前記主磁性鋼32は、前記磁気回路システム3の前記磁気ギャップ30の空間を増大させ、前記多機能発音装置100の音響性能を向上させることに役立つ。前記ガイド空間320は、前記磁気ヨーク中心孔3110に連通しかつ共に前記スルーホール300を囲む。前記ガイド空間320は、前記モータアセンブリ4を収容するために用いられ、該構造は、前記モータアセンブリ4が前記ガイド空間320内に取り付けられ、それにより前記多機能発音装置100の全体の厚さが小さく、前記多機能発音装置100の薄型化応用に役立つ。
【0034】
本実施形態において、前記主磁性鋼32は、厚さが同じである環状構造である。すなわち、前記主磁性鋼32は、その周方向に沿った各位置の断面積がいずれも同じである。前記主磁性鋼32の中間領域の磁力線が少ないため、前記主磁性鋼32の中間領域の磁性鋼を除去した後、前記発音単体10の音響性能に影響を与えない。本実施形態では、前記主磁性鋼32は、矩形を呈する。前記主磁性鋼32は、4つの磁性鋼で囲まれ、この4つの磁性鋼の幅が等しくなる場合、磁気エネルギーの利用率が高く、それにより前記主磁性鋼32の磁気エネルギー積の利用率を向上させ、それにより前記多機能発音装置100の音響性能が優れる。
【0035】
前記副磁性鋼33は、2つあり、2つの前記副磁性鋼33は、それぞれ前記主磁性鋼32の対向する両側に位置しかつ前記主磁性鋼32と間隔を隔てて前記磁気ギャップ30を形成する。本実施形態では、前記主磁性鋼32は、矩形を呈する。2つの前記副磁性鋼33は、それぞれ前記主磁性鋼32の長手方向の対向する両側に位置する。具体的には、前記副磁性鋼33は、前記磁気ヨーク本体311の他の対向する両側に位置する。
【0036】
前記モータアセンブリ4は、前記ガイド空間320内に収容される。具体的には、前記モータアセンブリ4は、コイルユニット41と、モータ磁性鋼42とを含む。
【0037】
前記コイルユニット41は、前記ハウジング20に固定される。本実施形態において、前記コイルユニット41は、前記下カバー202に固定される。
【0038】
前記コイルユニット41は、前記磁気回路システム3と間隔を隔てかつ前記磁気回路システム3が第2方向に沿って振動するように駆動する。前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である。前記第1方向と前記第2方向が互いに垂直であるため、前記モータアセンブリ4のコイルユニット41は、前記発音単体10の磁気回路システムの前記第1方向での駆動力への影響が小さく、相互干渉が少なく、それにより本発明の多機能発音装置100は、音響性能に優れかつ振動性能に優れる。
【0039】
具体的には、前記コイルユニット41は、前記ハウジング20に固定された鉄芯411と、前記鉄芯411に巻設されたコイル412とを含む。前記鉄芯411は、前記ハウジング20に固定されかつ前記磁気ヨーク中心孔3110を通過した後に少なくとも部分的に前記ガイド空間320に収容される。前記コイル412は、それぞれ前記モータ磁性鋼42と前記主磁性鋼32と間隔を隔てかつ前記モータ磁性鋼42と前記主磁性鋼32が前記第2方向に沿って振動するように駆動する。該構造は、前記磁気回路システム3の磁性鋼を前記モータアセンブリ4が駆動力を提供する磁性鋼とし、磁性鋼を別途増加させず、それにより前記磁気回路システム3の磁性鋼を多重化使用することができ、それにより前記モータアセンブリ4の駆動力を強化し、それにより前記多機能発音装置100の振動性能が良い。
【0040】
本実施形態において、前記コイル412の巻き数は、100回巻きを超え、前記鉄芯411と前記コイル412は共に電磁石を構成し、通電する時、前記コイルユニット41は、磁界駆動力を生成する。具体的には、前記コイルユニット41は、前記主磁性鋼32と間隔を隔てかつ前記主磁性鋼32が前記振動システム2の振動方向に垂直な方向に沿って往復運動するように駆動する。該構造により、前記振動システム2と前記コイルユニット41は、前記主磁性鋼32の振動を駆動する振動方向が異なり、相互干渉を減少させ、それにより本発明の多機能発音装置100は、音響性能に優れかつ振動性能に優れる。前記コイル412と前記ボイスコイル22は、それぞれ外部の異なる信号により独立して制御され、前記発音単体10は、音楽信号又は音声信号をロードする。また、前記モータアセンブリ4は、振動信号をロードする。
【0041】
前記モータ磁性鋼42は、前記磁気ヨーク本体311の前記ハウジング20から離れる側に固定される。前記モータ磁性鋼42は、前記ガイド空間320内に収容され、前記主磁性鋼32は、前記モータ磁性鋼42を取り囲んで設置される。
【0042】
前記モータ磁性鋼42と前記コイルユニット41は、いずれも前記ガイド空間320内に収容される。前記ガイド空間320内の前記コイルユニット41と前記モータ磁性鋼42が互いに間隔を隔てて形成された振動空間は、前記モータアセンブリ4の振動に用いられ、即ち前記モータ磁性鋼42が振動する。また、該振動空間の幅は、前記モータ磁性鋼42の最大振幅以上である。これにより、前記多機能発音装置100の振動信頼性が高い。
【0043】
前記モータ磁性鋼42は、2つ設置され、2つの前記モータ磁性鋼42は、それぞれ前記主磁性鋼32の対向する2つの内側面に固定される。該構造は、前記モータ磁性鋼42と前記モータ磁性鋼42に固定された前記主磁性鋼32の部分を、前記モータアセンブリ4に駆動力を提供する磁性鋼グループに形成し、該磁性鋼グループは、磁気回路を形成して振動ユニットを形成し、該振動ユニットの重量も前記モータ磁性鋼42と前記主磁性鋼32の合わせ重量により増大し、それにより前記モータアセンブリ4の駆動力を強化し、それにより前記多機能発音装置100の振動性能が良い。関連技術の多機能発音装置に比べて、本発明の多機能発音装置100の前記モータアセンブリ4の駆動力の上昇幅は、80%よりも大きい。好ましくは、前記モータ磁性鋼42と前記主磁性鋼32はいずれも同一の平面に位置し、また前記モータ磁性鋼42は、前記発音単体10の磁気回路システム3の駆動力への影響が小さく、相互干渉が少ないことにより、本発明の多機能発音装置100は、音響性能に優れかつ振動性能に優れることを実現する。
【0044】
2つの前記モータ磁性鋼42は、それぞれ前記主磁性鋼32の短手方向又は長手方向の対向する両側に固定される。本実施形態において、2つの前記モータ磁性鋼42は、それぞれ前記主磁性鋼32の短手方向の対向する両側に固定される。該構造により、前記モータアセンブリ4の前記コイルユニット41は、前記モータ磁性鋼42が前記主磁性鋼32の長手方向の方向に沿って振動するように駆動する。前記発音単体10は、前記発音単体10の厚さ方向に沿って振動し、両者の振動方向が異なり、相互干渉を減少させ、それにより本発明の多機能発音装置100は、音響性能に優れかつ振動性能に優れる。別の実施形態において、前記磁気ヨーク本体311を前記収容空間200内によりよく懸架するために、前記モータ磁性鋼42にさらに前記ハウジング20に接続されたバネが設置される。前記バネは、V型又はC型を呈するバネであり、前記モータ磁性鋼42の一部にバネ構造が設置されることにより前記磁気ヨーク31の抗揺れ性能を増加させ、それにより本発明の多機能発音装置の振動性能を向上させる。
【0045】
本実施形態では、前記ボイスコイル22は、矩形状を呈する。すなわち前記ボイスコイル22は、延長型のボイスコイルである。前記ボイスコイル22の長手方向の長さと前記主磁性鋼32の長手方向の長さとの長さの差は、前記モータ磁性鋼42の最大振幅以上である。すなわち、前記ボイスコイル22の長手方向の長さは、前記主磁性鋼32の長手方向の長さと前記モータ磁性鋼42の振動の2倍の振幅との和以上である。前記ボイスコイル22の内側が前記主磁性鋼32を取り囲みかつ間隔を隔て、即ち前記ボイスコイルが前記磁気ギャップ30内に位置しかつ内側が前記主磁性鋼32であり、前記ボイスコイル22の長手方向の長さを延長型にされることは、前記主磁性鋼32が前記コイルユニット41の駆動で前記主磁性鋼32の長手方向の方向に沿って振動する場合に、前記主磁性鋼32が前記モータ磁性鋼42の振動の最大幅範囲内に前記ボイスコイル22が前記発音単体10の厚さの方向に沿って振動することに影響を与えないことを保証することに役立ち、それにより本発明の多機能発音装置100は、音響性能に優れかつ振動性能に優れることを実現する。
【0046】
本実施形態において、前記磁気回路システム3は、前記磁気ヨーク31の対向する両側に固定された2つの補助磁性鋼34をさらに含む。2つの前記補助磁性鋼34は、それぞれ前記主磁性鋼32の対向する両側に間隔を隔てて設置され、かつそれぞれ2つの前記弾性アーム312の位置に対応する。具体的には、2つの前記補助磁性鋼34は、それぞれ前記主磁性鋼32の短手方向の対向する両側に間隔を隔てて設置される。前記主磁性鋼32と前記モータ磁性鋼42で形成された磁性鋼グループは、前記主磁性鋼32の長手方向の方向に沿って繰り返して振動するため、前記主磁性鋼32の短手方向の対向する両側の磁界駆動力が不平衡及び非対称であることを引き起こし、多機能発音装置100の純音に影響を与える。したがって、前記主磁性鋼32の短手方向の対向する両側に2つの前記補助磁性鋼34が設置され、該構造は、前記主磁性鋼32の短手方向の対向する両側の磁界駆動力を向上させることができ、それにより本発明の多機能発音装置100は、音響性能が優れることを実現し、一方では、さらに前記モータアセンブリ4の抗揺れ性能を増加させることができ、それにより本発明の多機能発音装置100の振動性能を向上させる。
【0047】
本実施形態において、前記磁気回路システム3は、環状を呈する第1軟磁性鋼35と、環状を呈する第2軟磁性鋼36とをさらに含む。前記第1軟磁性鋼35は、前記主磁性鋼32の前記磁気ヨーク31から離れる側に積層設置されて固定され、前記第2軟磁性鋼36は、それぞれ前記副磁性鋼の前記磁気ヨークから離れる側と前記補助磁性鋼34の前記磁気ヨーク31から離れる側に積層設置されて固定される。
【0048】
本実施形態において、前記モータアセンブリ4は、前記磁気回路システム3に固定された質量ブロック(図示せず)をさらに含む。前記質量ブロックは、カウンターウェイトに用いられ、前記モータ磁性鋼42と前記主磁性鋼32で形成された振動ユニットの重量を増加させることにより、振動ユニットの振動振幅を向上させることにより、前記モータアセンブリ4は、より高い加速度を出力し、それにより本発明の多機能発音装置100の振動性能を改善する。
【0049】
前記質量ブロックは、前記磁気ヨーク31及び/又は前記第2軟磁性鋼36に固定される。本実施形態において、前記質量ブロックは、前記磁気ヨーク31に固定される。前記質量ブロックは、2つあり、2つの前記質量ブロックは、それぞれ前記主磁性鋼32の短手方向の対向する両側に位置する。
【0050】
本実施形態において、本発明の多機能発音装置100の振動の安定性を向上させるために、前記振動システム2には、弾性部材231が設置される。具体的には、前記弾性支持アセンブリ23は、弾性部材231を含む。前記弾性部材231の一端は、前記フレーム1又は前記ハウジング20に接続される。前記弾性部材231の他端は、前記ボイスコイル22に接続される。前記弾性部材231の設置により、前記ボイスコイル22が振動する時の横方向揺動を防止する効果が高く、かつ前記ボイスコイル22の振動性能を増加させることを達成することができ、それにより前記多機能発音装置100の安定性が良い。前記弾性部材231は、フレキシブル回路板であり、ボイスコイル22に電力を供給し、前記ボイスコイル22のリード線の断線を防止するために用いられ、それにより前記多機能発音装置100の安定性が良い。
【0051】
本実施形態において、前記弾性部材231は2つあり、それぞれ前記磁気回路システム3の短手方向の対向する両側に位置する。
【0052】
さらに好ましくは、前記コイルユニット41は、前記主磁性鋼32が前記振動システム2の振動方向に垂直な方向に沿って往復運動するように駆動する時、前記弾性部材231は、同時に前記磁気ヨーク31の抗揺れ性能を増加させ、それにより本発明の多機能発音装置100の振動性能を向上させる。
【0053】
関連技術に比べて、本発明の多機能発音装置は、中心位置に前記スルーホールを設置することにより、前記磁気回路システムの中間領域の磁力線が少ないため、該構造は、前記磁気回路システムの中間領域に前記スルーホールを設置すると、前記磁気回路システムの磁気エネルギー積の利用率を向上させることにより、前記多機能発音装置の音響性能が優れる。前記モータアセンブリを前記スルーホール内に収容し、それにより前記多機能発音装置の全体の厚さが小さく、前記多機能発音装置の薄型化応用に役立つ。前記モータアセンブリのコイルユニットを前記ハウジングに固定し、前記コイルユニットは、前記磁気回路システムと間隔を隔てかつ前記磁気回路システムが第2方向に沿って振動するように駆動し、該構造は、前記磁気回路システムの磁性鋼を前記モータアセンブリが駆動力を提供する磁性鋼とし、磁性鋼を別途増加させず、それにより前記磁気回路システムの磁性鋼を多重化使用することができ、それにより前記モータアセンブリの駆動力を強化し、それにより前記多機能発音装置の振動性能が良い。さらに好ましくは、前記第1方向と前記第2方向は、互いに垂直であることにより、前記モータアセンブリのコイルユニットが前記発音単体の磁気回路システムの前記第1方向での駆動力に与える影響が小さく、相互干渉が少なく、それにより本発明の多機能発音装置は、音響性能に優れかつ振動性能に優れることを実現する。
【0054】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】