(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】空気調和装置及びケーシング構造体
(51)【国際特許分類】
F24F 1/48 20110101AFI20240920BHJP
F24F 1/38 20110101ALI20240920BHJP
F24F 1/56 20110101ALI20240920BHJP
【FI】
F24F1/48
F24F1/38
F24F1/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507479
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 JP2022032931
(87)【国際公開番号】W WO2024047836
(87)【国際公開日】2024-03-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】マニシュ、クマール
(72)【発明者】
【氏名】ビナイ、シュリバスタバ
(72)【発明者】
【氏名】ローハン、シャー
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 拓
(72)【発明者】
【氏名】尾原 秀司
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA04
3L054BB01
3L054BB03
(57)【要約】
【解決課題】空気調和装置及びケーシング構造体を提供すること。
【解決手段】本発明の空気調和装置は、熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する冷媒と、少なくとも前記熱交換器及び前記ファンユニットを収容するケーシングとを備える。前記空気調和装置はさらに、前記空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと;前記動作モードによらずに向流熱交換状態を達成するために前記正回転及び前記逆回転において前記プロペラファンを回転するためのファンモータとを備え、前記プロペラファンは、前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有するファンブレードを備え、前記空気調和装置の前記動作モードに依存して、前記正回転が前記熱交換器から前記ファンユニットへの方向の空気流を生成すると共に、前記逆回転が前記ファンユニットから前記熱交換器への別の空気流を生成する。前記空気調和装置はさらに、ショートサイクリングを排除すると共に空気流性能をそれぞれ改善するためのウィンドガイド及び横桟を横側に備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する冷媒と、少なくとも前記熱交換器及び前記ファンユニットを収容するケーシングとを備える空気調和装置であって、前記空気調和装置は、
前記空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと;
前記動作モードによらずに向流熱交換状態を達成するために前記正方向及び前記逆方向において前記プロペラファンを回転するためのファンモータと
を備え、
前記プロペラファンは、前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有するファンブレードを備え、前記空気調和装置の前記動作モードに依存して、正回転が前記熱交換器から前記ファンユニットへの方向の空気流を生成すると共に、逆回転が前記ファンユニットから前記熱交換器への別の空気流を生成する、
空気調和装置。
【請求項2】
前記冷媒は、非共沸冷媒である、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記室外ユニットは、3°以上の温度勾配を有する冷媒を使用する、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記ファンブレードは、前記空気流に向かって傾斜する概ね平坦な形状を備え、水平面に向いた傾斜角が前記ファンブレードの径方向の位置に関連して変化する、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記空気調和装置はさらに、前記ファンブレードに向き、かつ前記空気流の方向に延びる平坦領域を備えると共に、前記プロペラファンを取り囲むベルマウスを備え、前記ファンブレードの外周端の中心が前記ファンブレードに向く前記平坦領域のレベル内に位置決めされる、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記ファンブレードの前記外周端の前記中心が前記ベルマウスの前記平坦領域の中心に位置決めされるか、又は前記平坦領域の前記中心から前記熱交換器に向かってシフトされる、請求項5に記載の空気調和装置。
【請求項7】
空気調和装置の室外ユニットのためのケーシングであって、
横側から放出される空気流を、プロペラファンの前記空気調和装置の前面側から遠くなるように抜けさせてプロペラファンの逆回転におけるショートサイクリングを防止することを可能とするため、前記空気調和装置の前記横側に一体配設されたウィンドガイドを備え、前記室外ユニットが:
熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する非共沸冷媒とを備え、前記ケーシングは、前記熱交換器を収容し、前記空気調和装置が:
空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと;
前記正方向及び前記逆方向に前記プロペラファンを回転させ、前記動作モードによらず向流熱交換状態を達成するファンモータと、を備え、
前記プロペラファンが前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有する複数のファンブレードを備える、
ケーシング。
【請求項8】
前記ウィンドガイドが前記室外ユニットの前記前面側から遠くなるように位置決めされたアパーチャ又は複数のアパーチャを有する、請求項7に記載のケーシング。
【請求項9】
前記ウィンドガイドは、前記室外ユニットの背面側に向いて傾斜したアパーチャを有するか、又は背面側に傾斜したアパーチャを形成する、請求項7に記載のケーシング。
【請求項10】
前記ケーシングは、前記室外ユニットの前記横側に複数のスロットを備え、前記複数のスロットは、その頂部が前記熱交換器に向いたほぼ矩形の断面を有する横桟によって構成される、請求項7に記載のケーシング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね空気調和技術に関し、より具体的には空気調和装置及び空調機の性能を改善する、ケーシング構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化係数を軽減するため、R32といった冷媒の代わりに、極めて低い地球温暖化係数(以下、GWPとして参照する)を達成することが可能な、非共沸冷媒の使用が考慮されている。しかしながら、R32に比較して、非共沸冷媒の大きな温度勾配及び高い比容積のため、冷房/暖房能力及び効率は低下するであろう。
【0003】
室外ユニット(以下、ODUとして参照する。)の熱交換器が冷房及び暖房モードにおいて従来の一定の空気流方向において動作される場合、冷媒流の方向は、暖房モードにおいて反転し、暖房モードで並流熱交換状態が発生する。この観点において、非共沸冷媒の効率は、熱交換動作における並流状態の生成のため、さらに悪化する可能性がある。
【0004】
図28は、暖房モードにあるODUの熱交換器内で発生する向流及び並流を説明するための、簡単な冷媒流の方向を示す。
図28では、より低温の冷媒が薄い灰色のラインで、より高い温度の冷媒が濃い灰色(黒)のラインで図示されている。
【0005】
図28(a)及び
図28(b)は、それぞれ暖房モードにおいて向流及び並流型の配置での室外機熱交換器の動作を示す。熱交換器2802は、ODU(図示せず)へと吸い込まれる空気流2801と、熱交換器2802のチューブを通して流れる冷媒2804との間で熱交換を行う。
【0006】
図28(a)では、熱交換器2802に吸い込まれる空気流2801は、向流において冷媒流2804と熱交換を行い、そこで、吸い込まれた空気流2801は先ず、高温の冷媒と熱交換を行う。当技術において良く知られるように、熱交換効率は、温度差が大きくなればなるほど、熱交換効率はより高くなるので、空気流2801と、冷媒との間の熱交換は、より高い効率で熱交換を行う。
【0007】
この状態は、
図28(b)に示す向流においては変化し、そこでは冷媒流の方向が変転し、ODU(図示せず)内に吸い込まれる空気流は、先ず低温の冷媒2804を熱交換するので、熱交換効率がより低下する。このことは、冷媒が一種、又は共沸性(又は疑似共沸性)である場合における熱交換スキームでは、最適ではないものの許容できるできるであろう。しかしながら、冷媒が非共沸性である場合においては、空気調和装置の空調効率は、並流、その温度勾配及び高い比容積のために著しく低下する。
【0008】
非共沸冷媒を使用して暖房及び冷房モードの両方の間に冷媒流と、空気流との間の向流配置を維持することは可能ではあるものの、そのような設計的努力は空調設計の大きな構造変更を要求する可能性があり、かつ大きなコストを要するであろう。
【0009】
ODU内の熱交換器のための冷却空気は、通常ではプロペラファンによって供給されるので、プロペラファンを暖房モードで反転すれば反転した空気流が供給されるので、
図28(a)に示されるような向流熱交換スキームが提供されるであろう。
【0010】
しかしながら、プロペラファンのそのような反転は、
図29(a)に示すように、従来のプロペラファンが典型的には回転方向に向く凹面2902を有すると共に、回転方向の反対に向く凸面2901を有するために、空気流特性の低下に加えてプロペラファンの電力消費を増大させる可能性がある。空気調和装置のための従来のプロペラファンはさらに、プロペラファンがその通常の使用においては所定の方向に回転するという前提の下で、前縁に鋭いブレード先端部を有する。また、従来のベルマウス形状は、形状において非対称であり、かつ
図29(b)に示されるように一方向の流れのために最適設計されてきた。このことは、従来のプロペラファンがその実際的な使用において双方向回転として設計されていなかったことを意味する。
【0011】
加えて、プロペラファンのそのような変転動作は、プロペラファンがその前提とされた回転方向と反対に回転する場合に、ODUにおける空気のショートサイクリングが増大し、このことがまた、熱交換効率を劣化させる可能性がある。このため、このショートサイクリングは、透過的な性能を有する構造体を提供することにより対処されるべきである。
【0012】
プロペラファンの性能を改善するための多くの労力が行われており、例えば、特開平08-285397号公報(特許文献1)は、非共沸性の混合冷媒を使用して、空調機において冷房及び暖房動作の場合に流れ方向を変更することができる発明を記載する。そのブレードは、可動な形状記憶合金によって形成され、かつ流れ方向を変える場合に、ブレードのキャンバがグリルから熱交換器へと空気流を流すように変化する。
【0013】
WO2021192237(PCT/JP2020/014075)(特許文献2)は、風向ガイドを開示し、これは、室外ユニットからの吹き出される空気の方向を変化させることができる。風向ガイドは、グリルの後ろで室外ユニットフロントパネルに取り付けられており、この風向ガイドは、放出空気の方向を変化するための複数の風向ガイド板から成る。
【0014】
特開2002-229691号公報(特許文献3)は、ODUから吹き出される空気の方向を制御するための風向ガイド及び室外ユニットを記載する。しかしながら、特開2002-229691号公報は、ショートサイクリングを低減するのではなく、単に放出された空気の方向任意に変えるにすぎない。
【0015】
したがって、空気調和装置の大きな設計変更の変更なく、空気調和機の性能を改善しつつ非共沸性冷媒を使用するための新規な技術が依然として要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開平08-285397号公報
【特許文献2】WO2021192237
【特許文献3】特開2002-229691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は従来技術の上述した問題に鑑みて完成されたものであり、本発明の目的は、非共沸冷媒について好ましく使用される新規な空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、空気調和装置及びケーシング構造体が提供される。前記空気調和装置は、熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する冷媒と、少なくとも前記熱交換器及び前記ファンユニットを収容するケーシングとを備え:前記空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと;前記動作モードによらずに向流熱交換状態を達成するために前記正方向及び前記逆方向において前記プロペラファンを回転するためのファンモータとを備え、前記プロペラファンは、前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有するファンブレードを備え、前記空気調和装置の前記動作モードに依存して、正回転が前記熱交換器から前記ファンユニットへの方向の空気流を生成すると共に、逆回転が前記ファンユニットから前記熱交換器への別の空気流を生成し、プロペラファンは、前記プロペラファンの中心を通る対称線Bに関して対称的な形状を有するファンブレードを含む。
【0019】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前記冷媒は非共沸冷媒である。
【0020】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前記室外機は、3°以上の温度勾配を有する冷媒を使用する。
【0021】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前記空気調和装置はさらに、前記ファンブレードに向き、かつ前記空気流の方向に延びる平坦領域を備えると共に、前記プロペラファンを取り囲むベルマウスを備え、前記ファンブレードの外周端の中心が前記ファンブレードに向く前記平坦領域のレベル内に位置決めされる。
【0022】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前記ファンブレードの前記外周端の前記中心が前記ベルマウスの前記平坦領域の中心、又は前記平坦領域の前記中心から前記熱交換器に向かってシフトされる。
【0023】
本発明のもう1つの側面によれば、空気調和装置のためのケーシングが提供される。前記ケーシングは、横側から放出される空気流を、プロペラファンの前記空気調和装置の前面側から遠くなるように抜けさせてプロペラファンの逆回転におけるショートサイクリングを防止することを可能とする、前記空気調和装置の前記横側に一体配設されたウィンドガイドを備え、前記室外ユニットが:熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する非共沸冷媒とを備え、前記ケーシングは、前記熱交換器を収容し、前記空気調和装置が:空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと;前記正方向及び逆方向に前記プロペラファンを回転させ、前記動作モードによらず向流熱交換状態を達成するファンモータと、を備え、前記プロペラファンが前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有する複数のファンブレードを備える。
【0024】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前記ウィンドガイドが前記室外ユニットの前記前面側から遠くなるように位置決めされたアパーチャ又は複数のアパーチャを有する。
【0025】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前記ウィンドガイドは、前記室外ユニットの背面側に向いて傾斜したアパーチャを有するか、又は背面側に傾斜したアパーチャを形成する。
【0026】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によれば、前記ケーシングは、前記ケーシングの前記横側に複数のスロットを備え、前記複数のスロットは、その頂部を前記熱交換器へと向けたほぼ三角-矩形の断面を有する横桟により構成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、非共沸冷媒に好適に使用することができる空気調和装置及びケーシング構造体を提供することができ、これらは、順方向及び逆方向への良好な空気流、許容可能な静圧上昇、効率及びノイズ抑制を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、概ね本発明の1つの実施形態による空気調和装置100の例示的な実施形態を示す。
【
図2】
図2は、オン発明の1つの実施形態によるODU101の詳細な構造を示す。
【
図3】
図3は、
図2のラインA-Aを通るODU101の部分断面図を示す。
【
図4】
図4は、例示的な従来のプロペラファン400と共に本発明の1つの実施形態のプロペラファン102の新規な構造を示す。
【
図5】
図5は、本発明の1つの実施形態によるプロペラファン102の詳細な側面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態により、プロペラファン102の位置、すなわちファンブレード102-1、102-2、及び102-3がHEX125へとシフトされた代替的な実施形態を示す。
【
図7】
図7は、表の形態において本発明の1つ又はそれ以上の実施形態による空気調和性能を示す。
【
図8】
図8は、表の形態において本発明の1つ又はそれ以上の実施形態による空気調和性能を示す。
【
図9】
図9は、表の形態において本発明の1つ又はそれ以上の実施形態による空気調和性能を示す。
【
図10A】
図10Aは、暖房モードにおける本発明の1つ又はそれ以上の実施形態による空気調和装置のサイクルシミュレーションの結果のプロットを示す。
【
図10B】
図10Bは実施例及び比較例についてのシミュレーションされたAPF値に加え、シミュレーションにおけるパラメータ及びシミュレーションされたAPF値を示す。
【
図11】
図11は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態による、逆回転動作における、ODU101A(従来のプロペラファン400を搭載する)及びODU101(本発明のプロペラファン102を搭載する。)の周囲の空気流のCFD(Computational Fluid Dynamics)計算の結果を示す。
【
図12】
図12は、ウィンドガイド1201の1つの実施形態及びウィンドガイド1201が取り付けられたODU101を示す。
【
図13】
図13は、本発明による1つの実施形態のウィンドガイド1201の効果を図示するCFDシミュレーションを示す。
【
図14】
図14は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のもう1つの実施形態のウィンドガイド1401を示す。
【
図15】
図15は、
図14のウィンドガイド1401の効果を図示するCFDシミュレーションを示す。
【
図16】
図16は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のもう1つの実施形態のウィンドガイド1601を示す。
【
図18】
図18は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のもう1つの実施形態のウィンドガイド1801を示す。
【
図19】
図19は、
図18のウィンドガイド1801の効果を図示するCFDシミュレーションを示す。
【
図20】
図20は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のもう1つの実施形態のウィンドガイド2001を示す。
【
図21】
図21は、
図20のウィンドガイド2001の効果を図示するCFDシミュレーションを示す。
【
図22A】
図22Aは、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の性能改善のためのもう1つの実施形態を示す。
【
図22B】
図22Bは、ケーシングの横スロットを形成する横桟2203の拡大形状を示す。
【
図23】
図23は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の空気流性能に対する横桟形状の効果を示す。
【
図24】
図24は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の速度分布についての横桟形状の効果についてのCFD計算を示す。
【
図25】
図25は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の速度分布についての横桟形状の効果についてのCFD計算を示す。
【
図26】
図26は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の速度分布についての横桟形状の効果についてのCFD計算を示す。
【
図27】
図27は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の速度分布についての横桟形状の効果についてのCFD計算を示す。
【
図28】
図28は、ODUの熱交換における暖房モード中に発生する向流及び並流の例示的な冷媒の流れ方向を示す。
【
図29】
図29は、従来のプロペラファンの形状及びファンブレードと、ベルマウスの間の想定的位置決めを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
空気調和装置の概略構成
ここで、本発明を理解するためだけのために使用されるべき、図面を参照して1つ又はそれ以上の実施形態を説明する。図面及び後述する詳細な説明は、いかなる程度であっても添付する請求項に列挙された本発明を制限するものとして理解されるべきではない。図面の説明において、周知の要素及び相対的に重要性の低い要素は、図面の説明において本発明の本質的理解に加えて説明の明確性のために図面中に記載されていないことが理解されるべきである。しかしながら、説明におけるそのような要素の省略は、そのような要素が本発明において使用されないことを意味することはない。以下、それ以外が宣言されない限り、類似の要素は類似の数字及び符号により参照される。
【0030】
図1は、概ね本発明の1つ又はそれ以上の実施形態による空気調和装置100の例示的な実施形態を示す。1つ又はそれ以上の実施形態の空気調和装置100のタイプは特に限定はなく、パッケージ空気調和装置(PAC)、室内空気調和装置(RAC)、可変冷媒流(VRF)システムといった多空気調和装置、又は特定の用途に応じた冷凍機として実装することができる。
【0031】
空気調和装置100は、室内ユニット(IDU)110、室外ユニット(以下、ODUとして参照する)101、及び室内ユニット110と、ODU101との間を接続する冷媒配管140とを含む。室内ユニット110は、室内空間に配置され、そこで空気調和が行われて、リモートコントローラ130といったユーザによって操作されるリモート制御端末を通じてユーザが所望する空気調和を提供する。
【0032】
室内ユニット110は、フィルタ113、ファン114、及び室内熱交換器(図示せず)を収容し、かつ吸い込みグリル112が室内空間に向いた頂部から前部へと配置されている。室内ユニット110は、空気調和のための空気を、吹き出しグリル115から室内空間へと供給すると共に、室内空気の空気調和を行うことを可能とするため、吸い込みグリル112を通して室内空気を室内ユニット110内に吸い込む。
【0033】
加えて、ODU101は、ケーシング108内に、少なくとも圧縮機126、熱交換器(HEX)125及びプロペラファン102及びファンモータ(図示せず)を含むファンユニットを収容する。プロペラファン102は、ハブ103と、ハブ103から径方向外側に延びた複数のファンブレード102-1、102-2、102-3とを備える;しかしながら、プロペラファンのブレードの数は、3つに限定されることはなく、他の数のブレードが本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によって許容されるであろう。
【0034】
圧縮機126は、室内空気の空気調和の後に室内ユニット110から戻された冷媒を圧縮し、冷媒の熱力学的状態を調整するため、それを熱交換器125へと送付して、冷房モードでの連続的な空気調和を提供することを可能とする。圧縮機126は、室外熱交換器125から戻された冷媒を圧縮し、冷媒の熱力学的状態を調整するため、それを室内ユニット110へと送付して、暖房モードでの連続的な空気調和を提供することを可能とする。プロペラファン102は、ファンモータ(図示せず)により駆動され、かつ冷房モードのための正回転においては横側スロット及び背面の横側開口から室外空気をODU101へと引き込む。プロペラファン102は、ファンモータ(図示せず)により駆動され、かつ暖房モードのための逆転においてはODUの前面側に取り付けられたグリル構造体107から室外空気をODU101へと引き込む。このようにして、本発明は、HEX125及び冷媒に関連して動作モードに関わらずに常時向流状態を提供する。
【0035】
従来のプロペラファンは、1つの主要な回転方向に対して効率を最適化することによって設計されてきており、このため、もしもプロペラファンが逆回転するならば、プロペラファンの効は低下する。本開示によれば、動作モードの変化による冷媒流の方向に関して“常時向流構成”を達成するため、新規なプロペラファン構造が記載され、これは空気調和性能に対して顕著な影響を与えることなく正回転及び逆回転の両方に適切に使用するすることができる。
【0036】
本明細書において、用語“正回転”とは、ケーシング108の背面側から正面側への空気流を生じさせるプロペラファンの回転方向を参照し、用語“逆回転”とは、ケーシング108の正面側から背面側への空気流を生じさせるプロペラファンの回転方向を参照する。加えて、本明細書における用語“正面側”とは、HEX125が配置される側のファンユニットを超えた反対側を意味し、かつ通常フロントパネルによって覆われる側面を参照する。ここで、本発明のプロペラファンを詳細に説明する。
【0037】
プロペラファン
図2は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のODU101の詳細な構造を示す。ODU101は、少なくとも圧縮機126、HEX125、及びプロペラファン102を収容する。プロペラファン102は、ハブ103と、ハブ103から径方向外側に延びた複数のブレード102-1、102-2及び102-3とを備える。ハブ103の後ろ側にはファンモータ(
図2においては、プロペラファン102によって隠されていて図示せず)が配置されており、これは、次いでサポート部材201によって支持されていて、プロペラファン102及びファンモータがODU101内に堅固に設置されている。
【0038】
プロペラファン102は、ベルマウス104によって周方向に取り囲まれていると共に、プロペラファン102のファンブレード102-1、102-2、及び102-3の外周端と、ベルマウス104との間に一定の距離を残している。さらに、背面パネルの開口及び複数のスロット105が、ODU101のケーシング108の横側に形成されていて、正回転/逆回転時にHEX125との熱交換のため外気がODU101の内/外に流れることを可能とする。
【0039】
図3は、ODU101の
図2のラインA-Aを通した部分断面図を示しており、これがさらにプロペラファン102の周囲の構造の詳細を示す。ODU101は、ODU101のケーシング108の背後壁に沿って配設されたHEX125を備える。HEX125は、外気環境からの空気流と、冷媒との熱交換を行い、所望する空気調和を達成する。非共沸冷媒と共に使用される場合、周囲環境からの空気流203、204の流れ方向は、それぞれ加熱及び冷房モードのために
図3に示されるように変化する。
【0040】
プロペラファン102は、ODU101のケーシング108の上側パネルから底部パネルまで延びたサポート部材201によって位置決めされると共に支持されている。プロペラファン102のファンブレード102-1、102-2及び102-3は、ハブ103の外側面から径方向外側にベルマウス104に近接するまえ延びると共に、ベルマウス104まで一定の距離を残している。
図3に示された1つ又はそれ以上の実施形態においては、ファンブレード、例えばファンブレード102-1の外周端の中心は、空気流の方向に沿ってベルマウス104の垂直方向のほぼ中心に位置決めされる。この構成は、必須的ではなく、空気流量又は電力消費又はそれらの両方といった空気調和装置の効率を考慮して変更されるであろう。ベルマウス104と、プロペラファン102/ファンブレード102-1、102-2、102-3との間の位置決めの詳細については、後述する。
【0041】
低GWPを有する、R454A、R454C、R32が50%、R1234yfが50%の混合物といった非共沸冷媒においては、温度勾配は、比較的大きくなるので、向流使用が強く推奨される。本開示においては、用語“温度勾配”とは、液相と、気相との間の組成の違いによる、熱交換器(HEX)内での蒸発と、凝縮との間の開始温度及び終了温度の差を意味する。
【0042】
HEX125への空気流がHEX125内の冷媒流に関して並流となる場合、HEX125の熱交換効率は低下し、かつこれは、非共沸冷媒を使用するメリットを台無しにすることさえあり得る。この事実は、HEX125内の冷媒流と、外部環境からの空気流との間で“常時向流構成”を提供する必要性を提起する。
【0043】
さらに、本開示においては、用語“並流”は、周囲環境から導入される空気流が暖房モードについては先ずHEX125内を流れるより低温の冷媒流と接触することを意味する。代替的に、用語“向流”は、周囲環境から導入される空気流が暖房モードについては先ずHEX125内を流れるより高温の冷媒流と接触することを意味する。さらに、用語“常時向流”は、周囲環境から導入される空気流が暖房モードについては先ずより高温の冷媒流と、冷房モードではより低温の冷媒と接触することを意味する。
【0044】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のODU101は、対称的な構造を有する新規なプロペラファン102を使用して上述の要請に対処することが可能である。ここで、本発明のプロペラファン102と、ファンブレード102-1、102-2、102-3を詳細に説明する。
【0045】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のプロペラファン102は、プロペラファン102の回転方向を変化させることにより空気流の方向を変化することができる。
図3に示されるように、空気流204(
図3参照)は、HEX125について正方向であり、空気流203(
図3参照)は、HEX125との熱交換について逆方向である。
【0046】
プロペラファンの従来構造(
図4を参照して後述する。)は、回転方向に向いた凹面及び回転方向の後ろ側に向いた凸面を有することに加えて、前縁に鋭いブレード端部を有する。この鋭いブレード端部はノイズを抑制する。
【0047】
図3に示すように、例えば、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のファンブレード102-1、102-2、及び102-3は、空気流の方向に沿って傾斜した角度を持ってハブ103に固定され、かつプロペラファン102の回転がその回転方向に依存して空気流203及び空気流204を生成する。
【0048】
図4は、サンプルである従来のプロペラファン400と共に、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によるファンブレード102の新規な構造を示す。
図4(a)は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のプロペラファン102の平面図を示し、
図4(b)は、従来のプロペラファン400の平面図を示す。
【0049】
それぞれのファンブレード102-1、102-2、及び102-3は、プロペラファン102の中心からファンブレード102-1、102-2、及び102-3それぞれの外周中心へと延びる対称的な仮想線Bを中心とした線対称を有しているが、対称的な仮想線Bは、説明のためにファンブレード102-2上に示されている。他のファンブレード102-1及び102-3もまた、同一の構造を有する。
【0050】
従来のファンの逆回転においては、キャンバが反対向きになり、流れはブレード表面に付着しなくなり、流れの分離のために空気流が劇的に減少する。
【0051】
図5は、プロペラファン102の詳細な側面図(
図5(a))、ある径での円周面でのブレードの断面図(
図5(b))、及びプロペラファン102と、ベルマウス104との間の相対的位置決め(
図5(c))を示す。ファンブレード102-2は、その側面構造を示すために最良に図示されているが、他のファンブレード102-1、102-3もまた、それぞれ同様の形状及び構成を有する。
【0052】
特に、
図5(c)は、ファンブレード102-2とベルマウス104との間の詳細な相対的な位置決めを示す。1つの実施形態においては、ファンブレード102-2の外周端102fの周方向の中心は、
図5(c)に示されるように外周端102fがベルマウス104に最も近くなる位置で空気流方向に沿ったベルマウス104の概ね中心に位置決めすることができる。代替的な実施形態においては、ファンブレード102-2の外周端102fは、HEX125に向かってベルマウス104の中心からシフトさせることができる。
【0053】
ベルマウス104は、概ねその複数の角が丸められて平坦領域及び複数の円に近い領域を形成する矩形の断面を備える。平坦領域は、ファンブレード102-1、102-2、及び102-3に向いていて、プロペラファン102を取り囲みながら空気流の方向へと延びる。ベルマウス104は、ODU101を通して通過する空気流を整流している。
【0054】
シフトの方向及びその量は特定の要求及びファンブレード102-1、102-2、102-3の形状に応じて変化させることができる。1つの例示的な実施形態においては、プロペラファン102、すなわちファンブレード102-1、102-2、及び102-3を、HEX125の方向に向かってシフトさせた場合に、空気吹き出し性能及びシャフト電力を後述するように好ましく改善することができる。再度、ファンブレード102-1、102-2、及び102-3と、ベルマウス104との間の相対的位置は、本発明の原理を良く理解するための1つの実施例を説明することを指摘し、本発明は開示された実施形態に限定されるとか、これに尽きるとか、又はそれらの両方とされることはない。
【0055】
図6は、前述した代替実施形態を示しており、そこではプロペラファン102、すなわち、ファンブレード102-1、102-2、及び102-3がHEX125に向かってシフトされる。
図6における例示的な実施形態においては、ファンブレード102-1の外周端102fは、ベルマウス104の中心に関連して内側約10mmに位置決めされている。さらに他の実施形態では、プロペラファン102は、ベルマウス104の中心に関連して内側約20mmに位置決めされることができる。
【0056】
ここで、
図7~10を参照すると、本発明の実施形態及びそれらの実際上の効果がシミュレーション結果を使用することにより説明される。
【0057】
本発明者らは、
図2に示されるODU101を構成し、そのいくつかの性能をいくつかの条件で測定した。比較例として、プロペラファン400のような従来のファンブレードが装着されたことを除いて類似の構成を含むもう1つのODUを使用した。以下の表は、シミュレーションの条件を列挙する。
【0058】
【表1】
1)
図4のプロペラファン102の構成を備える。
2)
図4のプロペラファン400のような構成を有する。
3)正規位置からのミリメートル(mm)での内側(HEX125)へのシフト量。
4)フロントパネルからのシュラウド位置の寸法は、(mm)である。
【0059】
図7は、1つの回転数(RPM)の下でシミュレーションした結果をテーブルとして示しており、その結果は、以下のとおり要約される:
1)同一のRPMにおいては、従来のODUの空気流は、逆回転において14.1%だけ劇的に低下し、シャフト電力は正回転で動作した場合のそれらに比較して12.2%だけ低下する。
2)同一のRPMにおいては、実施例1~4は、空気流量及び逆回転において、実施例1~2について空気流量における大きな低下、又は変化、又はそれらの両方は見られず、実施例3~4においてはわずかに減少した。
正回転及び逆回転に関し、比較例と比較すると、シャフト電力に関して、実施例1~4は、シャフト電力の増加を示す。
3)同一のRPMにおいては、実施例1~4の空気流は、10%の範囲内に維持され、特に実施例3は、空気流量及びシャフト電力の両方において最優秀な性能を示す。
4)同一のRPMにおける正回転においては、実施例3の空気流は、
図7に示される表の最後のカラムに最良の結果としてリストされるように、比較例と比較して5%増加し、かつシャフト電力は16.4%増加する。逆回転において、実施例3における空気流は、
図7の表の最後のカラムに示されるように、比較例と比較して21.2%増加すると共に、シャフト電力が31.5%増加する。
【0060】
図7の表の最後の行は、プロペラファン102のRPMを正回転及び逆回転で一定に維持する場合のシャフト電力の変化をリストする。
図7に示されるように、すべての実施例は、比較例と比較すると、逆回転との間で相対的に低い変化を示す。特に実施例3(10mm内側に位置決めしたプロペラファン102)は、
図7に示すように、その正回転と比較して、正回転及び逆回転の間で、空気流において0.9%及びシャフト電力において0.7%の低下という優秀な結果を示す。
【0061】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によるプロペラファン102は、同一の回転速度において従来のプロペラファンと比較した場合、空気流量を増大する傾向にあるので、本発明者らは、さらに1つ又はそれ以上の実施形態によるプロペラファン102を搭載したODU101及び比較例の性能を、同一の空気流における性能変化を試験するため、3553CMH(立法メートル/時間)において試験した。それらの結果が
図8に表として示されている。
【0062】
図8に示されるように、本発明によるODU101は、正回転及び逆回転の両方について比較例の正回転のシャフト電力と比較して、シャフト電力につき優秀な低い変化を示すが、比較例は、正回転におけるそのシャフト電力に比較して、空気流量を3553CMHに維持するためには、逆回転において38.7%、シャフト電力が増加する。
【0063】
特に実施例3のシャフト電力は、同一の空気流の逆回転において2.5%以内に維持され;このことは、実施例3のシャフト電力が同一の空気流量においてプロペラファン102の回転方向に関係なく実質的に一定に維持されることを意味することを示す。したがって、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のプロペラファンを使用し、非共沸冷媒を使用する場合、正回転と、逆回転との間の性能変化を抑制することについて目標性能要求を満足することができる。
【0064】
上記に述べたように、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によるODU101、例えばファンブレード102-1、102-2、及び102-3を搭載したプロペラファン102は、空気流量及びシャフト電力といった空調機性能について顕著な劣化無しに熱交換器(HEX)125への向流を提供することができると結論される。したがって、非共沸冷媒を使用する空気調和装置100の効率は、本発明により著しく改善され、かつまた、地球温暖化の低減に貢献することができる。
【0065】
上記の所見に基づき、本発明者らはさらに、同一の空気流量3553CMHの下でのシャフト電力及び回転速度(RPM)についての性能を試験した。それらの結果が表として
図9に示される。
図9に示されるように、RPMにおける回転速度の低下は、実施例3において正回転及び逆回転の両方において、それぞれ4.8%及び3.9%低下したが、シャフト電力は、従来のODUと実質的に同一に維持されることが見いだされる。このことは、ファンブレード102-1、102-2、及び102-3の相対的位置決めが本発明の1つ又はそれ以上の実施形態のファンブレード102-1、102-2及び102-3の性能において重要性を有することを意味する。
【0066】
図9に示した結果から、ODU101、すなわちプロペラファン102/ファンブレード102-1、102-2、及び102-3を備えるファンユニットは、従来のODUに比較して顕著な不都合なく、空気流量及びシャフト電力といった要求を保持しながら正回転と、逆回転との間の性能変化を優秀に抑制することができる。
【0067】
図10Aは、ODU101が本発明の1つの実施形態のプロペラファン102を含むファンユニットを備えると仮定することによる、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態による暖房モードにおける空気調和装置100のサイクルシミュレーションの結果グラフを示す。暖房モードの間のサイクルシミュレーションは、R454B、50%のR32及び50%のR1234yf、R454A及びR454Cなどの非共沸冷媒で、APF(Annual performance factor))値を改善することを示す。
【0068】
APF値は、温度勾配が5Kまで増加するにつれて徐々に増大し、かつAPFレベルは、5Kの温度勾配以後、次第に減少し始め、このことは、本発明が非共沸冷媒の温度勾配に対してより大きなマージンを提供することができるので、本発明がAPF値を改善しつつ非共沸冷媒の広範な種類の利用を実現できることを意味する。
図10Bは、シミュレーションされたAPF値に加え、実施例及び比較例についてシミュレーションにおけるパラメータ及びシミュレーションされたAPF値を示す。
図10Bに示されるように、従来のプロペラファンは、逆回転によりAPF値を減少させるが、本実施形態のプロペラファンは、APF値を改善する。
【0069】
ケーシング構造
ODU101の構成をこれまで説明してきたが、空調性能は、ODU101周囲の空気流特性を調整することによっても改善されるであろう。
図11は、逆回転動作における、ODU101A(従来のプロペラファンを搭載する)及びODU101(本発明のプロペラファン102を搭載する)の周囲の空気流のCFD(Computational Fluid Dynamics)計算の結果を示す。
図11、13、15、17、19及び21において、ODU101、101Aに吸い込まれる室外空気の空気流の方向は、矢線Eにより示される。
【0070】
シミュレーション1110は、プロペラファン400に類似する従来のプロペラファンを搭載するODU101Aの周囲の逆回転動作における空気流を示す。シミュレーション1120は、本発明の1つの実施形態のプロペラファン102を搭載するODU101の周囲の逆回転動作における空気流を示す。
【0071】
追加的に、ODU101、101Aのケーシング108の横側のスロット105を通るODU101、101Aから放出される空気流が、ラインにより示されており、この方向は、
図11の曲がった太い矢線により示されている。
図13,15、17、19及び21において、これらの太い矢線は、結果の明瞭さのために省略されている。
【0072】
さらに、空気流の速度は、ヒートマップにより表されており、それぞれの図面において濃色は、高速を示す。図面における空気流の方向の明確さのため、室外空気は、前側から吸い込まれ、かつ灰色が濃くなるにつれてより大きな速度を有すると共に、ODU101、101Aに朱込まれる空気は、ODU101、101Aのケーシング108の後側及び横側から放出されている。
【0073】
ODU101Aに関しては、プロペラファン400に類似する従来のプロペラファンを備えており、室外空気は、プロペラファン400の逆回転のためにODU101Aへと吸い込まれている。逆回転においては、吸い込まれた空気流は、HEX125に向かって流れ、そして熱交換後、空気は、ODU101Aのケーシング108の背面側の開口及びスロット105から放出される。
【0074】
放出された空気流は、前面側へと迂回する傾向にあり、そこで室外空気は、逆回転動作のためにODU101へと吸い込まれる。横側(スロット105を通しての)からの空気流のこの運動は、本明細書において“ショートサイクリング”として参照され、かつそのようなショートサイクリングは、ODUs101、101Aの両方の空調性能に悪影響を生じる。
【0075】
CFDの結果1120に示されるように、本発明の1つの実施形態のプロペラファン102を含むODU101においては、横側から放出された空気は、従来のODU101Aに比較した場合に、より短い経路に沿って前面パネル側に回り込む傾向にあるので、本発明による1つ又はそれ以上の実施形態のプロペラファン102を搭載するODU101においてはより効率的にショートサイクリングが抑制されなければならない。
【0076】
放出空気のショートサイクリングを抑制するためには、1つ又はそれ以上の実施形態は、ODU101の横側の周りに配設されるウィンドガイドを採用することができる。そのようなウィンドガイド1201の1つの実施例が
図12に示されている。
図12において、
図12(a)は、ODU101の分解前面図を示し;
図12(b)は、ODU101の分解背面図を示し;そして、
図12(c)は、ウィンドガイド1201がODU101に一体化されるODU101の前面斜視図を示す。
【0077】
ウィンドガイド1201は、スロット1202が形成されたODU101の横側でスナップインフック、ボルトネジなど、本技術分野において知られたいかなる固定具によってでも取り付けることができる。
図12、特に
図12(c)に示されるウィンドガイド1201は、対向する底部及び頂部壁1201a、1201d、及び対となって対向する複数の横壁1201bを備える。複数の横壁1201bは、頂部及び底部壁1201a、1201dにそれらのそれぞれの垂直縁部が一体化されて、それぞれの壁1201a、1201bと、1201dとの間にそれぞれ対向するアパーチャ1201c、1201fを残して箱形形状を画定する。
【0078】
複数の横壁1201bのそれぞれは、ODU101に隣接して形成される反対側のアパーチャ1201fよりもより狭いアパーチャ1201cを形成すため、ODU101に接触する縁部から垂直に延びる第1の副壁及び第1の副壁から対向する横壁1201bに向かって傾斜して延びる第2の副壁を備える。
【0079】
対となった底部及び頂部壁1201a、1201dは、それぞれ下側のアパーチャ1201fから上側アパーチャ1201cに向かって傾斜する。複数の横壁1201b及び対となった頂部及び底部壁1201a、1201dは、放出された空気がODU101から離れて放出されることを許容すると共に、スロット1202上で、放出された空気のショートサイクリングを抑制するためのフードのような形状を形成する。このウィンドガイドは、低コストで製造できると共に、ODU101の横側に装着する組み立てにおいてまた単純である。
【0080】
図13は、ウィンドガイド1201の効果を図示するCFDシミュレーション1310、1320を示し、
図13(a)が、ODU101の周囲の広域ビューのもの1310であり、
図13(b)がODU101周りの狹域ビューのもの1320である。
図13に示されるように、放出された空気のショートサイクリングは、ウィンドガイド1201の装着により、
図11(
図1120)に比較して効果的に抑制することができている。
【0081】
図14は、本発明による1つ又はそれ以上の実施形態のウィンドガイド1401のもう1つの実施形態を示す。
図14において、
図14(a)は、ODU101の分解前面図を示し;
図14(b)は、ODU101の分解背面図を示し;そして
図14(c)は、ウィンドガイド1401が一体化されるODU101の前面斜視図を示す。
図14のウィンドガイド1401は、底部及び頂部壁1401a、1401dを除き
図12に示したウィンドガイド1201に概ね似た形状を有しており、これらはODU101の横側から水平に延びる。このウィンドガイドはまた、低コストで製造することができると共にODU101の横側に装着する組み立てにおいてまた単純である。
【0082】
図15は、CFDシミュレーション1510、1520として
図14のウィンドガイドの効果を示し、
図15(a)は、ODU101の周囲の広域ビューのもの1510であり、
図15(b)は、ODU101の周囲の狹域ビューのもの1520である。
図15に示されるように、放出された空気のショートサイクリングは、
図11におけるようにウィンドガイドが使用されない事例に比較して、また効果的に改善されることができる。
【0083】
図16は、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態によるウィンドガイド1601のもう1つの実施形態を示す。
図16において、
図16(a)は、ODU101の分解前面図を示し;
図16(b)は、ODU101の分解背面図を示し;そして
図16(c)は、ウィンドガイド1601が一体化されるODU101の前面斜視図を示す。
【0084】
図16のウィンドガイド1601は、また対となった側壁を備えるが、ODU101の前側に近い第1の側壁1601bは、第2の側壁1601bよりもより大きな長さを有しており、かつODU101に隣接する端部から上側アパーチャ1601cへとスムーズに延びる凸曲面を有する。
【0085】
第1の側壁1601bに対向する第2の側壁1601bは、第1の側壁1601bよりも小さな長さを有しており、かつODU101に隣接する端部から概ね垂直に延びる。第1の側壁1601bは、放出された空気に対してODU101の前面とは反対側に空気流を偏向するためのウィンドガイドとして機能するので、ショートサイクリングが効果的に改善されることができる。このウィンドガイドは、また低コストで製造することができると共に、ODU101の横側に装着する組み立てにおいてまた単純である。
【0086】
図17は、CFDシミュレーション1710、1720として
図16のウィンドガイドの効果を示し、
図17(a)は、ODU101の周囲の広域ビューのもの1710であり、
図17(b)は、ODU101の周囲の狹域ビューのもの1720である。
図17に示されるように、放出された空気のショートサイクリングは、
図11におけるようにウィンドガイドが使用されない事例に比較して、また効果的に改善されることができる。
【0087】
図18は、ウィンドガイド1801のもう1つの実施形態を示し、
図18(a)は、ODU101の分解背面図を示し;
図18(b)は、ODU101のウィンドガイド1801を一体化した背面図を示し;そして
図18(c)は、ウィンドガイド1801が一体化されるODU101の前面斜視図を示す。
【0088】
図18に示す実施形態においては、ショートサイクリングを防止するために、ODU101の前面の反対側に傾斜した多重のプレートがウィンドガイド1801に形成されており、かつ傾斜したプレートの間に形成された開口が放出された空気を背面側に向けてODU101から脱出させることを許容する。傾斜したプレートは、水平方向に沿って、かつまた垂直方向に沿って同一のピッチでそれぞれ配設されて、背面側に向いたODU101の横側上のルーバのような構成を形成する。
【0089】
それぞれの傾斜したプレートは、1つの実施形態では、約23mmの長さで、約45°の角度で傾斜されている。プレートの傾斜により、スロット1802から放出されたケーシング108上の流れは、ODU101の後側に向かって偏向され、したがって、ショートサイクリングが改善されることができる。さらに、このウィンドガイドは、低コストで製造でき、かつODU101の横側に装着する組み立てにおいてまた単純である。
【0090】
図19は、CFDシミュレーション1910、1920として
図18のウィンドガイドの効果を示し、
図19(a)は、ODU101の周囲の広域ビューのもの1910であり、
図19(b)は、ODU101の周囲の狹域ビューのもの1920である。
図19に示されるように、放出された空気のショートサイクリングは、
図11におけるようにウィンドガイドが使用されない事例に比較して、また効果的に改善されることができる。
【0091】
図20は、またさらにウィンドガイドのもう1つの実施形態を示し、
図20(a)は、ODU101の分解前面図を示し;
図20(b)は、ウィンドガイド2001が一体化されるODU101の前面斜視図を示す。
【0092】
本実施形態においては、ショートサイクリングを防止するために矩形の傾斜し、かつODU101の前側と反対に向いた複数のウィンドガイドのセグメントが、
図20に示されるように、スロット2001に対応する位置でウィンドガイド2001に形成される。それぞれの矩形のウィンドガイドの長さはこれに限定されることはなく、45°の角度、約20mm~約25mmで、ODU101の前面とは反対側に延びるように変化することができる。その形状及び傾斜角のため、ショートサイクリングが効果的に改善されることができる。このウィンドガイドは、また低コストで製造でき、かつODU101の横側に装着する組み立てにおいてまた単純である。
【0093】
図21は、CFDシミュレーション2110、2120として
図20のウィンドガイドの効果を示し、
図21(a)は、ODU101の周囲の広域ビューのもの2110であり、
図21(b)は、ODU101の周囲の狹域ビューのもの2120である。
図21に示されるように、放出された空気のショートサイクリングは、
図11におけるようにウィンドガイドが使用されない事例に比較して、また効果的に改善されることができる。
【0094】
上述したウィンドガイド1201、1401、1601、1801及び2001の実施形態において、放出方向は、放出方向が背面側であるものとして説明されるが、放出方向は、限定されることはなく、前面側に向いた方向以外の、上、下及び遠位といった、いかなる方向でも想定することができる。
【0095】
図22Aは、性能を向上するためのさらなるもう1つの実施形態を示しており、
図22A(a)は、ODU101の前面図を示し;
図22A(b)は、ODU101の背面斜視図を示し;かつ
図22A(c)は、スロット2202の拡大構成を示す。
【0096】
正回転及び逆回転の両方においてODU101の空気流性能をさらに改善するために、
図22Aの実施形態は、ケーシング108上に形成されたスロット2202を画定するための横桟を備え、横桟のそれそれは、それ上に
図22Aに示される容易にHEX125に向いた傾斜面を有する。この構成は、その頂部を内側に向けた、断面が矩形の横桟2203を提供する。横桟2203上に形成されたこの傾斜面は、1つの実施形態では約5mm長さ及び約30°の傾斜角を有する。長さ及び角度は、性能変化に応じて返納することができる。加えて、このスロット形状は、上述したウィンドガイド1201、1401、1601、1801及び2001との組み合わせにおいて、さらに性能を改善するために使用されてもよい。
【0097】
図22Bは、ケーシングにスロットを形成する横桟2203の拡大形状を示す。
図22B(a)は、分解背面図であり、
図22B(b)は、矩形の横桟2203により形成されるスロット2202の拡大図を示す。横桟2203の形状のため、単純なスロットの事例に比較して速度分布を改善することができる。
図23は、本発明による1つ又はそれ以上の空気流性能についての横桟形状の効果を、表の形態として示す。スロット2202のこの構成のため、空気流性能は、
図23に示されるように向上する。例えば、同一のRPMにおいて、空気流は、正回転及び具約回転の両方において1.2%向上する。加えて、同一の空気流量において、正回転及び逆回転のそれぞれにおいて、2.7%及び2.2%シャフト電力が低下する。
【0098】
図24~27は、矩形形状の横桟2203及び従来の単純な矩形形状のスロット105を備える実施例3のODU101のODU101内部の速度分布についてのCFDシミュレーション2410-2720を示す。 全部の図面は、ODU101の横側上の矩形形状の横桟2203を通る放出空気のスピードアップを示しており、これは、さらに、正回転及び逆回転の両方において放出された空気に対して大きな速度を付与することに寄与する。
図24~27において、改善された速度領域が、矢線で示されている。
【0099】
本発明をこれまで付属する図面を参照して説明してきた。説明された実施形態及び図面は、当業者が本発明の精神を理解するための実施例のみを提供するものであり、請求項に列挙された発明をいかなる要にでも限定するものとして理解されるべきではない。
【0100】
本開示において使用される用語は、本発明の実施形態及び原理を最良に説明するために選択されたものであり、請求項に記載の発明についてのいかなる限定も意味することはない。用語は、その肯定的な技術的意味、辞書的意味、又は特徴又は要素を説明するために当業者が通常使用する意味、又はこれらの組み合わせとして理解されるべきである。
【0101】
上記の開示において、語“約”を伴って数値的値が説明される場合、それは、数値それ自体、本開示の技術的効果を実現することができる本願が出願された時において当技術において知られている測定誤差内の範囲内、又はさらには当該通知的値の±5%~±10%の範囲を含むものとして理解されるべきである。加えて、“ほぼ”又は“実質的に”、又はこれらの組み合わせを伴う用語は、当業者がそのような用語によって特定される要素又は特徴又はそれらの組みあわせであると理解するであろう要素又は特徴又はそれらの組み合わせの範囲を含む。
【0102】
当業者は、多くの代替例、修正例、又は変更例を明示的に記載された、又は暗示された実施形態及び実施例又はそれらの組み合わせについて本明細書の開示から理解することができることについて理解されるところである;しかしながら本発明のそのような代替例、修正例、又は変更例、又はそれらの均等物、又はそれらの組み合わせは、そのような代替例、修正例又は変更例又は均等物又はそれらの組み合わせが本開示において説明された本発明の技術的効果及び精神を示す限り、本発明の範囲内にあるべきものである。本発明の真の範囲は、添付する請求項に請求されるとおりの特徴及び要素からのみ、理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明によれば、非共沸冷媒に好適に使用される空気調和装置及びケーシング構造体が提供され、これらは、地球温暖化のソリューションに貢献しながら、正方向及び逆方向に対して優秀な流量、許容可能な静圧上昇、効率及びノイズ抑制を提供することができる。
【符号の説明】
【0104】
100-空気調和装置
101-室外ユニット(ODU)
102-ファンユニット
102-1、102-2、102-3-ファンブレード
103-ハブ
104-ベルマウス
105-スロット
106-ウィンドガイド
107-フロントグリル
108-ケーシング
125-熱交換器(HEX)
126-圧縮機
201-サポート部材
202-ファンモータ
203-空気流(逆方向)
204-空気流(正方向)
400-従来のプロペラファン
【手続補正書】
【提出日】2023-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する冷媒と、少なくとも前記熱交換器及び前記ファンユニットを収容するケーシングとを備える空気調和装置であって、前記空気調和装置は、
前記空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと
、
前記動作モードによらずに向流熱交換状態を達成するために前記正方向及び前記逆方向において前記プロペラファンを回転するためのファンモータと
を備え、
前記プロペラファンは、前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有するファンブレードを備え、前記空気調和装置の前記動作モードに依存して、正回転が前記熱交換器から前記ファンユニットへの方向の空気流を生成すると共に、逆回転が前記ファンユニットから前記熱交換器への別の空気流を生成
し、
前記ファンブレードは、前記空気流に向かって傾斜する概ね平坦な形状を備え、水平面に向いた傾斜角が前記ファンブレードの径方向の位置に関連して変化する、
空気調和装置。
【請求項2】
前記冷媒は、非共沸冷媒である、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記室外ユニットは、3°以上の温度勾配を有する冷媒を使用する、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記空気調和装置はさらに、前記ファンブレードに向き、かつ前記空気流の方向に延びる平坦領域を備えると共に、前記プロペラファンを取り囲むベルマウスを備え、前記ファンブレードの外周端の中心が前記ファンブレードに向く前記平坦領域のレベル内に位置決めされる、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記ファンブレードの前記外周端の前記中心が前記ベルマウスの前記平坦領域の中心に位置決めされるか、又は前記平坦領域の前記中心から前記熱交換器に向かってシフトされる、請求項5に記載の空気調和装置。
【請求項6】
空気調和装置の室外ユニッ
トであって、
横側から放出される空気流を、プロペラファンの前記空気調和装置の前面側から遠くなるように抜けさせてプロペラファンの逆回転におけるショートサイクリングを防止することを可能とするため、前記空気調和装置の前記横側に一体配設されたウィンドガイドを備え、前記室外ユニットが
、
熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する非共沸冷媒とを備え
、ケーシング
が、前記熱交換器を収容し、前記
室外ユニットがさらに、
空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと、
前記正方向及び前記逆方向に前記プロペラファンを回転させ、前記動作モードによらず向流熱交換状態を達成するファンモータと、を備え、
前記プロペラファンが前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有する複数のファンブレードを備
えると共に、
前記ファンブレードは、前記空気流に向かって傾斜する概ね平坦な形状を備え、水平面に向いた傾斜角が前記ファンブレードの径方向位置に関連して変化する、
室外ユニット。
【請求項7】
前記ウィンドガイドが前記室外ユニットの前記前面側から遠くなるように位置決めされたアパーチャ又は複数のアパーチャを有する、請求項
6に記載の
室外ユニット。
【請求項8】
前記ウィンドガイドは、前記室外ユニットの背面側に向いて傾斜したアパーチャを有するか、又は背面側に傾斜したアパーチャを形成する、請求項
6に記載の
室外ユニット。
【請求項9】
前記ケーシングは、前記室外ユニットの前記横側に複数のスロットを備え、前記複数のスロットは、その頂部が前記熱交換器に向いたほぼ矩形の断面を有する横桟によって構成される、請求項
6に記載の
室外ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する冷媒と、少なくとも前記熱交換器及び前記ファンユニットを収容するケーシングとを備える空気調和装置であって、前記空気調和装置は、前記空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと、前記動作モードによらずに向流熱交換状態を達成するために前記正方向及び前記逆方向において前記プロペラファンを回転するためのファンモータとを備え、前記プロペラファンは、前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有するファンブレードを備え、前記空気調和装置の前記動作モードに依存して、正回転が前記熱交換器から前記ファンユニットへの方向の空気流を生成すると共に、逆回転が前記ファンユニットから前記熱交換器への別の空気流を生成し、前記ファンブレードは、前記空気流に向かって傾斜する概ね平坦な形状を備え、水平面に向いた傾斜角が前記ファンブレードの径方向位置に関連して変化する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本発明のもう1つの側面によれば、空気調和装置のための室外ユニットが提供される。前記ケーシングは、横側から放出される空気流を、プロペラファンの前記空気調和装置の前面側から遠くなるように抜けさせてプロペラファンの逆回転におけるショートサイクリングを防止することを可能とする、前記空気調和装置の前記横側に一体配設されたウィンドガイドを備え、前記室外ユニットが、熱交換器と、ファンユニットと、前記熱交換器と熱交換する非共沸冷媒とを備え、ケーシングは、前記熱交換器を収容し、前記室外ユニットがさらに、空気調和装置の動作モードに依存して正方向及び逆方向に回転するプロペラファンを備えるファンユニットと、前記正方向及び前記逆方向に前記プロペラファンを回転させ、前記動作モードによらず向流熱交換状態を達成するファンモータと、を備え、前記プロペラファンが前記プロペラファンの中心を通る対称軸に関して対称な形状を有する複数のファンブレードを備えると共に、前記ファンブレードは、前記空気流に向かって傾斜する概ね平坦な形状を備え、水平面に向いた傾斜角が前記ファンブレードの径方向位置に関連して変化する。
【国際調査報告】