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特表2024-535157気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置及び方法
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  • 特表-気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/303 20060101AFI20240920BHJP
   G01N 3/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G01N3/303 D
G01N3/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539249
(86)(22)【出願日】2023-06-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2023101194
(87)【国際公開番号】W WO2024016926
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】202210848200.7
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522061811
【氏名又は名称】中煤科工集団沈陽研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】CCTEG SHENYANG RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.11,Binhe Road,Shenfu Demonstration Zone,Shenyang,Liaoning 113122,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 懐广
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲ヤオ▼林
(72)【発明者】
【氏名】曲 暁明
(72)【発明者】
【氏名】仇 海生
(72)【発明者】
【氏名】王 宇▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 春光
(72)【発明者】
【氏名】田 富超
(72)【発明者】
【氏名】蘇 偉偉
(72)【発明者】
【氏名】馬 金魁
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA13
2G061AA20
2G061BA01
2G061CA06
2G061EA05
2G061EA10
(57)【要約】
本発明は気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置及び方法を開示し、高圧ガスボンベ、ブースターポンプ、電圧レギュレータ、電圧保持落錘装置、真空ポンプ及び高圧ゴム管を備え、高圧ガスボンベの出力端子が高圧ゴム管によりブースターポンプに接続され、ブースターポンプの出力端子が高圧ゴム管により電圧レギュレータに接続され、電圧レギュレータの出力端子が高圧ゴム管により電圧保持落錘装置の入力端子に接続され、電圧保持落錘装置の出力端子が高圧ゴム管により真空ポンプに接続され、電圧保持落錘装置は電気制御ボックス、重錘破砕筒を備え、重錘破砕筒が電気制御ボックスの底部に固定され、電気制御ボックスと重錘破砕筒が電気的に接続され、重錘破砕筒は上筒体、中間筒体、下筒体、磁気誘導型シリンダ、電磁チャック装置及び重錘を備える。本発明は従来の手動で操作する石炭岩の強度の測定方法の精度及び効率が低いという問題を解決し、主に石炭岩体の強固性係数のテストに用いられ、それと同時に、自動化テスト及び電圧保持テストの利点を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置であって、
高圧ガスボンベ、ブースターポンプ、電圧レギュレータ、電圧保持落錘装置、真空ポンプ及び高圧ゴム管を備え、前記高圧ガスボンベの出力端子が高圧ゴム管によりブースターポンプに接続され、ブースターポンプの出力端子が高圧ゴム管により電圧レギュレータに接続され、電圧レギュレータの出力端子が高圧ゴム管により電圧保持落錘装置の入力端子に接続され、電圧保持落錘装置の出力端子が高圧ゴム管により真空ポンプに接続され、前記電圧保持落錘装置は電気制御ボックス、重錘破砕筒を備え、重錘破砕筒が電気制御ボックスの底部に固定され、電気制御ボックスと重錘破砕筒が電気的に接続され、前記重錘破砕筒は上筒体、中間筒体、下筒体、磁気誘導型シリンダ、電磁チャック装置及び重錘を備え、上筒体が中間筒体に連通し、中間筒体が下筒体に連通し、磁気誘導型シリンダの一端が上筒体の頂部に設置され、磁気誘導型シリンダにシリンダ伸縮ロッドが設置され、シリンダ伸縮ロッドが上筒体を通って中間筒体に入り、中間筒体に電磁チャック装置が設置され、シリンダ伸縮ロッドの下部が電磁チャック装置に固定して接続され、電磁チャック装置の底部に重錘が吸着接続され、電気制御ボックスと磁気誘導型シリンダが電気的に接続され、電圧レギュレータが高圧ゴム管により重錘破砕筒の下筒体に接続され、重錘破砕筒の下筒体が高圧ゴム管により真空ポンプに接続されることを特徴とする気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項2】
前記高圧ガスボンベとブースターポンプとの間の高圧ゴム管に第1ゲートバルブが接続され、ブースターポンプと電圧レギュレータとの間の高圧ゴム管に第1圧力センサが接続され、電圧レギュレータと電圧保持落錘装置との間の高圧ゴム管に第2ゲートバルブ、第2圧力センサ、流量センサが順次接続されることを特徴とする請求項1に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項3】
前記電圧保持落錘装置と真空ポンプとの間の高圧ゴム管に第3ゲートバルブが接続され、第1圧力センサ、第2圧力センサ、流量センサにいずれもデータ収集装置が接続され、データ収集装置にコンピュータが接続されることを特徴とする請求項2に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項4】
前記電気制御ボックスに操作パネルが設置され、操作パネルが電気制御ボックスの前側壁の上方に取り付けられ、電気制御ボックスの内部に制御回路が設置され、操作パネルに回数調節キー、制御スイッチ及び表示ランプが設置され、回数調節キー、制御スイッチ及び表示ランプがいずれも制御回路に接続され、回数調節キーが制御回路により重錘破砕筒の内部の磁気誘導型シリンダに電気的に接続され、電気制御ボックスが更に制御回路によりそれぞれブースターポンプ、真空ポンプに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項5】
前記上筒体の頂部には磁気誘導型シリンダに一体に固定して接続される第1フランジが設置され、第1フランジが上筒体の筒口に接続され、磁気誘導型シリンダが第1フランジの中心孔に固定され、磁気誘導型シリンダにシリンダ先端が更に設置され、シリンダ先端が第1フランジの中心に固定して接続され、シリンダ先端とシリンダ伸縮ロッドが組合せスペーサによりシール接続され、上筒体と中間筒体との間に第2フランジが設置され、上筒体と中間筒体が第2フランジにより接続され、磁気誘導型シリンダのシリンダ伸縮ロッドが第2フランジの中心の貫通孔を通過して中間筒体に入ることを特徴とする請求項1に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項6】
前記上筒体内には電磁チャック装置を制御するための磁性又は非磁性の磁気変換制御部材が設置され、磁気変換制御部材は導電ロッド、導電ローラ、導電スライドレールを備え、シリンダ伸縮ロッドの両側にはシリンダ伸縮ロッドの中心に関して対称的に導電ロッドが接続され、シリンダ伸縮ロッドの両側の導電ロッドの端部にいずれも導電ローラが接続され、上筒体の内側壁にはそれぞれ2つの導電ローラに係合接続される導電スライドレールが垂直に設置され、導電ローラがシリンダ伸縮ロッドの駆動によって導電スライドレールに上下摺動可能に接続され、導電スライドレールと電気制御ボックスが電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項7】
前記導電スライドレールは導電銅シート、有機ガラス板溝を備え、有機ガラス板溝が上筒体の内側壁に固定され、導電銅シートが有機ガラス板溝に固定して係着されることを特徴とする請求項6に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項8】
前記下筒体が石炭サンプル収納筒体であり、下筒体が石炭サンプルタンク及び石炭サンプルモルタルを備え、石炭サンプルモルタルが石炭サンプルタンクの外側に係合嵌着され、石炭サンプルモルタルが石炭サンプルタンクよりも高く、下筒体と中間筒体との接続箇所にプレスリングが設置され、プレスリングを石炭サンプルモルタルの上端口と中間筒体との間に係着することにより中間筒体及び下筒体のシールを実現し、石炭サンプルモルタルの内径が石炭サンプルタンクの外径に対応することを特徴とする請求項1に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置。
【請求項9】
気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験方法であって、
請求項1~8のいずれか1項に記載の気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置の気密性を検査し、具体的には、まず製造された石炭サンプルを下筒体に置き、更にプレスリングによりシールを実現するステップ、第1ゲートバルブを開けて、高圧ガスボンベ中の高圧ガスを、電圧保持落錘装置の石炭サンプルを入れた下筒体に充填し、且つブースターポンプ及び電圧レギュレータにより実験に必要な最高圧力に達して第1ゲートバルブを閉じるステップ、6時間以上保持し、圧力が変化するかどうかを観測するステップ、変化がある場合、試験装置を検出する必要があるステップ、及び、変化がない場合、真空ポンプにより下筒体を脱気して真空引きし、次のステップの実験を行うステップを含むステップ1と、
電圧保持落錘装置の石炭サンプルを入れた下筒体には予定圧力のメタンガスCHを充填し、具体的には、真空ポンプにより下筒体を脱気して真空引きした後、第1ゲートバルブを開けてガス充填するステップ、データ収集装置によって第1圧力センサ、第2圧力センサ、流量センサのデータをコンピュータに伝送するステップ、及び、24h以上保持して、石炭サンプルにガスを十分に吸着させ、最終的なバランス圧力を記録して第1ゲートバルブを閉じるステップを含むステップ2と、
石炭岩の強度をテストし、具体的には、石炭サンプルの吸着のバランスを取った後、電気制御ボックスの操作パネルを操縦して落錘試験を行い、予定圧力の条件における石炭岩の強度をテストするステップ、及び、上記ステップ1及びステップ2を繰り返して、異なるガス圧力の条件における石炭岩の強度をテストするステップを含むステップ3と、を含むことを特徴とする気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は石炭とガスの突出予測指標である石炭岩強度測定技術分野に属し、具体的に気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭とガスの突出問題は炭鉱の安全生産における重大災害事故の一つであり、我が国の炭鉱の突出防止レベルは近年大きな進歩を遂げたが、重特大ガス事故が依然として時々発生し、その中で、石炭とガスの突出事故が発生する場合が多く、ガス事故に占める割合が年々増加している。石炭岩の強度は石炭とガスの突出危険性を予測する重要な指標であり、その指標サイズを正確に測定することは石炭とガスの突出事故を予測及び防止するのに重要な意味を有する。
【0003】
現在、石炭岩の強度を測定する方法は主に落錘法であり、主な原理は石炭岩が自由落下する重錘の衝撃によって形成した特定の粒度の石炭粉の重量又は体積を測定することにより、石炭岩体の強度を反映することである。従来のテスト方法及び装置は手動で操作し、精度及び効率が低く、測定するのが自然に露出する状態の石炭岩体の強度であり、深層石炭岩体の気固結合状態における実際の強度を反映できない。気固結合状態の石炭岩体の強度を測定するために、早急に電圧保持状態における自由落錘テストを実現できる新たなテスト装置及び方法を追求する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の手動で操作する石炭岩の強度の測定方法は精度及び効率が低く、及び露出条件における測定結果が深層石炭岩体の気固結合状態における実際の強度を反映できない問題に対して、従来技術の欠陥を補うために、電圧保持状態において気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置及び方法を提供し、主に石炭岩体の強固性係数のテストに用いられ、それと同時に、自動化テスト及び電圧保持テストの利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術案を用いる。
【0006】
本発明に係る気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置であって、高圧ガスボンベ、ブースターポンプ、電圧レギュレータ、電圧保持落錘装置、真空ポンプ及び高圧ゴム管を備え、前記高圧ガスボンベの出力端子が高圧ゴム管によりブースターポンプに接続され、ブースターポンプの出力端子が高圧ゴム管により電圧レギュレータに接続され、電圧レギュレータの出力端子が高圧ゴム管により電圧保持落錘装置の入力端子に接続され、電圧保持落錘装置の出力端子が高圧ゴム管により真空ポンプに接続され、前記電圧保持落錘装置は電気制御ボックス、重錘破砕筒を備え、重錘破砕筒が電気制御ボックスの底部に固定され、電気制御ボックスと重錘破砕筒が電気的に接続され、前記重錘破砕筒は上筒体、中間筒体、下筒体、磁気誘導型シリンダ、電磁チャック装置及び重錘を備え、上筒体が中間筒体に連通し、中間筒体が下筒体に連通し、磁気誘導型シリンダの一端が上筒体の頂部に設置され、磁気誘導型シリンダにシリンダ伸縮ロッドが設置され、シリンダ伸縮ロッドが上筒体を通って中間筒体に入り、中間筒体に電磁チャック装置が設置され、シリンダ伸縮ロッドの下部が電磁チャック装置に固定して接続され、電磁チャック装置の底部に重錘が吸着接続され、電気制御ボックスと磁気誘導型シリンダが電気的に接続され、電圧レギュレータが高圧ゴム管により重錘破砕筒の下筒体に接続され、重錘破砕筒の下筒体が高圧ゴム管により真空ポンプに接続される。
【0007】
本発明の好適な解決手段として、前記高圧ガスボンベとブースターポンプとの間の高圧ゴム管に第1ゲートバルブが接続され、ブースターポンプと電圧レギュレータとの間の高圧ゴム管に第1圧力センサが接続され、電圧レギュレータと電圧保持落錘装置との間の高圧ゴム管に第2ゲートバルブ、第2圧力センサ、流量センサが順次接続される。
【0008】
本発明の他の好適な解決手段として、前記電圧保持落錘装置と真空ポンプとの間の高圧ゴム管に第3ゲートバルブが接続され、第1圧力センサ、第2圧力センサ、流量センサにいずれもデータ収集装置が接続され、データ収集装置にコンピュータが接続される。
【0009】
本発明の他の好適な解決手段として、前記電気制御ボックスに操作パネルが設置され、操作パネルが電気制御ボックスの前側壁の上方に取り付けられ、電気制御ボックスの内部に制御回路が設置され、操作パネルに回数調節キー、制御スイッチ及び表示ランプが設置され、回数調節キー、制御スイッチ及び表示ランプがいずれも制御回路に接続され、回数調節キーが制御回路により重錘破砕筒の内部の磁気誘導型シリンダに電気的に接続され、電気制御ボックスが更に制御回路によりそれぞれブースターポンプ、真空ポンプに電気的に接続される。
【0010】
本発明の他の好適な解決手段として、前記上筒体の頂部には磁気誘導型シリンダに一体に固定して接続される第1フランジが設置され、第1フランジが上筒体の筒口に接続され、磁気誘導型シリンダが第1フランジの中心孔に固定され、磁気誘導型シリンダにシリンダ先端が更に設置され、シリンダ先端が第1フランジの中心に固定して接続され、シリンダ先端とシリンダ伸縮ロッドが組合せスペーサによりシール接続され、上筒体と中間筒体との間に第2フランジが設置され、上筒体と中間筒体が第2フランジにより接続され、磁気誘導型シリンダのシリンダ伸縮ロッドが第2フランジの中心の貫通孔を通過して中間筒体に入る。
【0011】
本発明の他の好適な解決手段として、前記上筒体内には電磁チャック装置を制御するための磁性又は非磁性の磁気変換制御部材が設置され、磁気変換制御部材は導電ロッド、導電ローラ、導電スライドレールを備え、シリンダ伸縮ロッドの両側にはシリンダ伸縮ロッドの中心に関して対称的に導電ロッドが接続され、シリンダ伸縮ロッドの両側の導電ロッドの端部にいずれも導電ローラが接続され、上筒体の内側壁にはそれぞれ2つの導電ローラに係合接続される導電スライドレールが垂直に設置され、導電ローラがシリンダ伸縮ロッドの駆動によって導電スライドレールに上下に摺動可能に接続され、導電スライドレールと電気制御ボックスが電気的に接続される。
【0012】
更に、前記導電スライドレールは導電銅シート、有機ガラス板溝を備え、有機ガラス板溝が上筒体の内側壁に固定され、導電銅シートが有機ガラス板溝に固定して係着される。
【0013】
より更に、前記電磁チャック装置にユニバーサルジョイント構造が設置され、ユニバーサルジョイント構造の設置によって、電磁チャック装置の底部吸着面が重錘に接触する際に電磁チャック装置の底部吸着面と重錘の頂面が常に平行するように維持することが確保される。
【0014】
本発明の他の好適な解決手段として、前記下筒体が石炭サンプル収納筒体であり、下筒体が石炭サンプルタンク及び石炭サンプルモルタルを備え、石炭サンプルモルタルが石炭サンプルタンクの外側に係合嵌着され、石炭サンプルモルタルが石炭サンプルタンクよりも高く、下筒体と中間筒体との接続箇所にプレスリングが設置され、プレスリングを石炭サンプルモルタルの上端口と中間筒体との間に係着することにより中間筒体及び下筒体のシールを実現し、石炭サンプルモルタルの内径が石炭サンプルタンクの外径に対応する。
【0015】
本発明は気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験方法を更に提供し、上記気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置により実現され、
前記気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置の気密性を検査し、具体的には、まず製造された石炭サンプルを下筒体に置き、更にプレスリングによりシールを実現するステップ、第1ゲートバルブを開けて、高圧ガスボンベ中の高圧ガスを、電圧保持落錘装置の石炭サンプルを入れた下筒体に充填し、且つブースターポンプ及び電圧レギュレータにより実験に必要な最高圧力に達し、第1ゲートバルブを閉じるステップ、6時間以上保持し、圧力が変化するかどうかを観測するステップ、変化がある場合、試験装置を検出する必要があるステップ、及び、変化がない場合、真空ポンプにより下筒体を脱気して真空引きし、次のステップの実験を行うステップを含むステップ1と、
電圧保持落錘装置の石炭サンプルを入れた下筒体には予定圧力のメタンガスCHを充填し、具体的には、真空ポンプにより下筒体を脱気して真空引きした後、第1ゲートバルブを開けてガス充填するステップ、データ収集装置によって第1圧力センサ、第2圧力センサ、流量センサのデータをコンピュータに伝送するステップ、及び、24h以上保持して、石炭サンプルにガスを十分に吸着させ、最終的なバランス圧力を記録して第1ゲートバルブを閉じるステップを含むステップ2と、
石炭岩の強度をテストし、具体的には、石炭サンプルの吸着のバランスを取った後、電気制御ボックスの操作パネルを操縦して落錘試験を行い、予定圧力の条件における石炭岩の強度をテストするステップ、及び、上記ステップ1及びステップ2を繰り返して、異なるガス圧力の条件における石炭岩の強度をテストするステップを含むステップ3と、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0017】
従来技術に比べて、本発明は従来の手動で操作する石炭岩の強度の測定方法の精度及び効率が低いという問題を解決し、露出条件において測定結果が深層石炭岩体の気固結合状態における実際の強度を反映できないという問題を更に解決し、主に石炭岩体の強固性係数のテストに用いられ、それと同時に、自動化テスト及び電圧保持テストの利点を有し、本発明はメタンガスCHを充填している場合、石炭サンプルの密閉環境における重錘の持ち上げ-自由落下-持ち上げの往復運動を実現し、一定の高さにおける石炭サンプルの自動破砕を実現し、それにより密閉されたガス充填環境における石炭岩体の強固性係数の自動化テストを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置の全体構造模式図である。
図2】本発明に係る操作パネルの構造模式図である。
図3】本発明に係る重錘破砕筒の構造模式図である。
図4】本発明に係る導電ローラの構造模式図である。
図5】本発明に係る導電スライドレールの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明が解決する技術的問題、技術案及び有益な効果をより明確にするために、以下に図面を参照しながら具体的な実施形態によって本発明を更に詳しく説明する。理解されるように、ここに説明される具体的な実施形態は単に本発明を解釈するためのものであって、本発明を制限するためのものではない。
【0020】
図1及び図3に併せて参照されるように、本発明の実施例は気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置を提供し、高圧ガスボンベ1、ブースターポンプ3、電圧レギュレータ5、電圧保持落錘装置9、真空ポンプ13及び高圧ゴム管を備え、前記高圧ガスボンベ1の出力端子が高圧ゴム管によりブースターポンプ3に接続され、ブースターポンプ3の出力端子が高圧ゴム管により電圧レギュレータ5に接続され、電圧レギュレータ5の出力端子が高圧ゴム管により電圧保持落錘装置9の入力端子に接続され、電圧保持落錘装置9の出力端子が高圧ゴム管により真空ポンプ13に接続され、前記電圧保持落錘装置9は電気制御ボックス10、重錘破砕筒11を備え、重錘破砕筒11が電気制御ボックス10の頂部を通って電気制御ボックス10の内底部に固定され、電気制御ボックス10と重錘破砕筒11が電気的に接続され、前記重錘破砕筒11は上筒体21、中間筒体26、下筒体、磁気誘導型シリンダ17、電磁チャック装置25及び重錘27を備え、上筒体21が中間筒体26に連通し、中間筒体26が下筒体に連通し、磁気誘導型シリンダ17の一端が上筒体21の頂部に設置され、磁気誘導型シリンダ17にシリンダ伸縮ロッド22が設置され、シリンダ伸縮ロッド22が上筒体21を通って中間筒体26に入り、中間筒体26に電磁チャック装置25が設置され、シリンダ伸縮ロッド22の下部が電磁チャック装置25に固定して接続され、電磁チャック装置25の底部に重錘27が吸着接続され、電気制御ボックス10と磁気誘導型シリンダ17が電気的に接続され、電圧レギュレータ5が高圧ゴム管により重錘破砕筒11の下筒体に接続され、重錘破砕筒11の下筒体が高圧ゴム管により真空ポンプ13に接続される。
【0021】
前記高圧ガスボンベ1とブースターポンプ3との間の高圧ゴム管に第1ゲートバルブ2が接続され、ブースターポンプ3と電圧レギュレータ5との間の高圧ゴム管に第1圧力センサ4が接続され、電圧レギュレータ5と電圧保持落錘装置9との間の高圧ゴム管に第2ゲートバルブ6、第2圧力センサ7、流量センサ8が順次接続され、具体的に、前記第1ゲートバルブ2は高圧ガスボンベ1におけるガスの流れ状況を制御するためのものであり、前記ブースターポンプ3は高圧ガスボンベ1からのガス圧力を上昇させることができ、前記電圧レギュレータ5は圧力を上昇させた後のガスを安定化することができ、定圧力のガスを得て、前記第2ゲートバルブ6は高圧ゴム管中のガスが電圧保持落錘装置9の重錘破砕筒11の下筒体に流れ込むかどうかを制御するためのものであり、前記第1圧力センサ4は高圧ゴム管を流れるガスの圧力状況を検出するためのものであり、前記第2圧力センサ7は電圧保持落錘装置9の重錘破砕筒11の下筒体に流れ込むガスの圧力状況を検出するためのものであり、前記流量センサ8は電圧保持落錘装置9の重錘破砕筒11の下筒体に流れ込むガスの流量状況を検出するためのものである。
【0022】
前記電圧保持落錘装置9と真空ポンプ13との間の高圧ゴム管に第3ゲートバルブ12が接続され、第3ゲートバルブ12を開けることで、真空ポンプ13が電圧保持落錘装置9の重錘破砕筒11の下筒体中のガスを抽出することができ、データ収集装置14の信号入力端子が回路により第1圧力センサ4、第2圧力センサ7、流量センサ8に接続され、データ収集装置14の信号出力端子が回路によりコンピュータ15に接続される。
【0023】
図1図3に併せて参照されるように、前記電気制御ボックス10に操作パネル16が設置され、操作パネル16が電気制御ボックス10の前側壁の上方に取り付けられ、電気制御ボックス10の内部に制御回路が設置され、制御回路が通常回路であり、本発明の実施例においてその回路接続構造及び原理についての詳細な説明は省略し、操作パネル16に回数調節キー162、制御スイッチ163及び表示ランプ161が設置され、制御スイッチ163はエアポンプスイッチ、試験スイッチ、電源スイッチを含み、表示ランプ161はエアポンプ表示ランプ、上昇表示ランプ、降下表示ランプを含み、電源スイッチは試験装置全体の通電及び電源オフを制御するためのものであり、試験スイッチは電圧保持落錘装置9の動作を制御するためのものであり、回数調節キー162は電圧保持落錘装置9の動作回数を設定及び調節するためのものであり、電圧保持落錘装置9が動作するとき、磁気誘導型シリンダ17のシリンダ伸縮ロッド22は上下運動し、上昇時に上昇表示ランプが対応して点灯し、降下時に降下表示ランプが対応して点灯し、それにより重錘27の持ち上げ及び落下を実現し、エアポンプスイッチは真空ポンプ13の動作を制御するためのものであり、真空ポンプ13が動作するとき、エアポンプ表示ランプは点灯し、回数調節キー162、制御スイッチ163及び表示ランプ161がいずれも制御回路に接続され、回数調節キー162、試験スイッチがいずれも制御回路により重錘破砕筒11の内部の磁気誘導型シリンダ17に電気的に接続され、電気制御ボックス10が更に制御回路によりそれぞれブースターポンプ3、真空ポンプ13に電気的に接続される。
【0024】
前記上筒体21の頂部には磁気誘導型シリンダ17に一体に固定して接続される第1フランジ19が設置され、第1フランジ19が上筒体21の筒口に接続され、第1フランジ19と上筒体21との接続箇所がO形シールリングでシールされ、磁気誘導型シリンダ17が第1フランジ19の中心孔に固定され、磁気誘導型シリンダ17にシリンダ先端18が更に設置され、シリンダ先端18が第1フランジ19の中心に固定して接続され、シリンダ先端18とシリンダ伸縮ロッド22が組合せスペーサによりシール接続され、上筒体21と中間筒体26との間に第2フランジ24が設置され、上筒体21と中間筒体26が第2フランジ24により接続され、磁気誘導型シリンダ17のシリンダ伸縮ロッド22が第2フランジ24の中心の貫通孔を通過して中間筒体26に入る。
【0025】
図3図5に併せて参照されるように、前記上筒体21内には電磁チャック装置25を制御するための磁性又は非磁性の磁気変換制御部材が設置され、磁気変換制御部材は導電ロッド23、導電ローラ31、導電スライドレール32を備え、シリンダ伸縮ロッド22の両側にはシリンダ伸縮ロッド22の中心に関して対称的に導電ロッド23が接続され、シリンダ伸縮ロッド22の両側の導電ロッド23の端部にいずれも導電ローラ31が接続され、上筒体21の内側壁にはそれぞれ2つの導電ローラ31に係合接続される導電スライドレール32が垂直に設置され、導電ローラ31がシリンダ伸縮ロッド22の駆動によって導電スライドレール32に上下摺動可能に接続され、導電スライドレール32と電気制御ボックス10が電気的に接続される。
【0026】
前記導電スライドレール32は導電銅シート321、有機ガラス板溝322を備え、有機ガラス板溝322が上筒体21の内側壁に固定され、導電銅シート321が有機ガラス板溝322に固定して係着され、導電銅シート321の長さが有機ガラス板溝322の長さよりも小さく、導電銅シート321の下端縁が有機ガラス板溝322の下端縁と揃え、導電銅シート321の上端縁が有機ガラス板溝322の上端縁よりも低く、このように、有機ガラス板溝322の頂部には導電銅シート321がない領域が一部ある。
【0027】
前記電磁チャック装置25にユニバーサルジョイント構造が設置され、ユニバーサルジョイント構造の設置によって、電磁チャック装置25の底部吸着面が重錘27に接触する際に電磁チャック装置25の底部吸着面と重錘27の頂面が常に平行するように維持することが確保される。
【0028】
なお、前記電磁チャック装置25は従来技術であり、本発明の実施例では、電磁チャック装置25の具体的な詳細構造についての詳細な説明は省略し、前記電磁チャック装置25による重錘27の分離・接近はその内部の電磁誘導コイルの電源オフ・通電により実現され、電磁チャック装置25は通電時に、磁性があって重錘27を吸引し、電源オフ時に磁性がなくて重錘27に作用せず、前記磁気誘導型シリンダ17はシリンダ伸縮ロッド22の駆動によって電磁チャック装置25に対して上下に往復運動し、重錘27を一定の高さに持ち上げた後、このとき、シリンダ伸縮ロッド22に接続される導電ロッド23の端部の導電ローラ31は導電スライドレール32の頂部の導電銅シート321がない領域に位置し、従って、電磁チャック装置25は電源オフされ、磁性がなくて重錘27が落下し、重錘27の自由落下によって石炭サンプルタンク30中の石炭サンプルを破砕する。具体的に、前記電磁チャック装置25の磁性又は非磁性即ち磁気変換は磁気変換制御部材により実現され、磁気変換制御部材は導電ロッド23、導電ローラ31、導電スライドレール32で構成され、電磁チャック装置25、シリンダ伸縮ロッド22、導電ロッド23、導電ローラ31が導電スライドレール32に一体に電気的に接続され、電気制御ボックス10の操作パネル16により導電スライドレール32に通電するかどうかを制御し、更に電磁チャック装置25の電磁磁気変換を制御することを実現する。
【0029】
前記下筒体が石炭サンプル収納筒体であり、下筒体が石炭サンプルタンク30及び石炭サンプルモルタル29を備え、石炭サンプルモルタル29が石炭サンプルタンク30の外側に係合嵌着され、石炭サンプルモルタル29が石炭サンプルタンク30よりも高く、下筒体と中間筒体26との接続箇所にプレスリング28が設置され、プレスリング28を石炭サンプルモルタル29の上端口と中間筒体26との間に係着することにより中間筒体26及び下筒体のシールを実現し、石炭サンプルモルタル29の内径が石炭サンプルタンク30の外径に対応する。
【0030】
本発明は気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験方法を更に提供し、上記気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置により実現され、
前記気固結合状態の石炭岩の強度を測定する試験装置の気密性を検査し、具体的には、まず製造された石炭サンプルを下筒体に置き、更にプレスリング28によりシールを実現するステップ、第1ゲートバルブ2を開けて、高圧ガスボンベ1中の高圧ガスを、電圧保持落錘装置9の石炭サンプルを入れた下筒体に充填し、且つブースターポンプ3及び電圧レギュレータ5により実験に必要な最高圧力に達して第1ゲートバルブ2を閉じるステップ、6時間以上保持し、圧力が変化するかどうかを観測するステップ、変化がある場合、試験装置を検出する必要があるステップ、及び、変化がない場合、真空ポンプ13により下筒体を脱気して真空引きし、次のステップの実験を行うステップを含むステップ1と、
電圧保持落錘装置9の石炭サンプルを入れた下筒体には予定圧力のメタンガスCHを充填し、具体的には、真空ポンプ13により下筒体を脱気して真空引きした後、第1ゲートバルブ2を開けてガス充填するステップ、データ収集装置14によって第1圧力センサ4、第2圧力センサ7、流量センサ8のデータをコンピュータ15に伝送するステップ、及び、24h以上保持して、石炭サンプルにガスを十分に吸着させ、最終的なバランス圧力を記録して第1ゲートバルブ2を閉じるステップを含むステップ2と、
石炭岩の強度をテストし、具体的には、石炭サンプルの吸着のバランスを取った後、電気制御ボックス10の操作パネル16を操縦して落錘試験を行い、予定圧力の条件における石炭岩の強度をテストするステップ、及び、上記ステップ1及びステップ2を繰り返して、異なるガス圧力の条件における石炭岩の強度をテストするステップを含むステップ3と、を含む。
【0031】
理解されるように、以上の本発明についての具体的な説明は本発明を説明するためのものであって、本発明の実施例に説明される技術案に限定されることではなく、当業者であれば理解されるように、同じ技術的効果を実現するように依然として本発明に対して修正又は等価置換を行うことができ、使用ニーズを満たすものであれば、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 高圧ガスボンベ
2 第1ゲートバルブ
3 ブースターポンプ
4 第1圧力センサ
5 電圧レギュレータ
6 第2ゲートバルブ
7 第2圧力センサ
8 流量センサ
9 電圧保持落錘装置
10 電気制御ボックス
11 重錘破砕筒
12 第3ゲートバルブ
13 真空ポンプ
14 データ収集装置
15 コンピュータ
16 操作パネル
161 表示ランプ
162 回数調節キー
163 制御スイッチ
17 磁気誘導型シリンダ
18 シリンダ先端
19 第1フランジ
21 上筒体
22 シリンダ伸縮ロッド
23 導電ロッド
24 第2フランジ
25 電磁チャック装置
26 中間筒体
27 重錘
28 プレスリング
29 石炭サンプルモルタル
30 石炭サンプルタンク
31 導電ローラ
32 導電スライドレール
321 導電銅シート
322 有機ガラス板溝
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】