(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】人工知能ディープラーニング技法を活用した唾液基盤の血糖値予測システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20240920BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20240920BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G16H50/20
A61B5/145
G01N33/50 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567043
(86)(22)【出願日】2023-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 KR2023012977
(87)【国際公開番号】W WO2024049234
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0110419
(32)【優先日】2022-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518086871
【氏名又は名称】ドンウン アナテック カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】12F, 22, Banpo-daero, Seocho-gu, Seoul, 06716 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イン ス
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】クォン,フィ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ソン ファン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ウン ヒェ
(72)【発明者】
【氏名】ケ,ジ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】シム,ウン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,フィ ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミ リム
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン チョル
【テーマコード(参考)】
2G045
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CB07
2G045DA31
2G045JA01
4C038KK10
4C038KL05
4C038KX01
5L099AA03
(57)【要約】
人工知能ディープラーニング技術を活用した唾液基盤の血糖予測システムおよび方法を提供する。一実施形態によると、食後血糖値予測システムは、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論するように糖変化推論モデルを学習させ、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論するように食後血糖値推論モデルを学習させる学習モデリング部、対象者の身体指標と食後唾液糖を取得する対象者情報取得部、前記対象者の身体指標を入力パラメータとし、前記糖変化推論モデルを利用して前記対象者のパターン差を推定するパターン差推定部、および前記対象者の食後唾液糖と前記推定されたパターン差を入力パラメータとし、前記食後血糖値推論モデルを利用して前記対象者の食後血糖値を予測する食後血糖値予測部を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食事による血糖値変化と唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論するように糖変化推論モデルを学習させ、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論するように食後血糖値推論モデルを学習させる学習モデリング部、
対象者の身体指標と食後唾液糖を取得する対象者情報取得部、
前記対象者の身体指標を入力パラメータとし、前記糖変化推論モデルを利用して前記対象者のパターン差を推定するパターン差推定部、および
前記対象者の食後唾液糖と前記推定されたパターン差を入力パラメータとし、前記食後血糖値推論モデルを利用して前記対象者の食後血糖値を予測する食後血糖値予測部
を含む、食後血糖値予測システム。
【請求項2】
前記パターン差は、
前記食事による血糖値変化および唾液糖変化の時間遅延の差、最大値の差、および変化率の差を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食後血糖値予測システム。
【請求項3】
前記学習モデリング部は、
前記対象者の空腹時血糖値を含む個人データに基づいて、前記糖変化推論モデルおよび前記食後血糖値推論モデルを前記対象者に合わせて個人化して学習させることを特徴とする、請求項1に記載の食後血糖値予測システム。
【請求項4】
前記学習モデリング部は、
前記パターン差を前記身体指標を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技術を用いて学習することによって前記糖変化推論モデルを構築し、前記食後唾液糖と前記食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技術を用いて学習することによって前記食後血糖値推論モデルを構築することを特徴とする、請求項1に記載の食後血糖値予測システム。
【請求項5】
前記身体指標は、
性別、年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、および腹囲を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食後血糖値予測システム。
【請求項6】
前記学習モデリング部は、
前記身体指標とHOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論し、前記パターン差と前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論するように前記糖変化推論モデルを学習させることを特徴とする、請求項1に記載の食後血糖値予測システム。
【請求項7】
前記学習モデリング部は、
前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellで計算されるインスリン抵抗性およびインスリン分泌能と前記パターン差の相関関係を推論するように前記糖変化推論モデルを学習させることを特徴とする、請求項6に記載の食後血糖値予測システム。
【請求項8】
対象者の身体指標と食後唾液糖を取得する段階、
前記対象者の身体指標を入力パラメータとし、糖変化推論モデル(前記糖変化推論モデルは、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者のパターン差を推定する段階、および
前記対象者の食後唾液糖と前記推定されたパターン差を入力パラメータとし、食後血糖値推論モデル(前記食後血糖値推論モデルは、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者の食後血糖値を予測する段階
を含む、食後血糖値予測方法。
【請求項9】
前記パターン差は、
前記食事による血糖値変化および唾液糖変化の時間遅延の差、最大値の差、および変化率の差を含むことを特徴とする、請求項8に記載の食後血糖値予測方法。
【請求項10】
前記糖変化推論モデルおよび前記食後血糖値推論モデルは、
前記対象者の空腹時血糖値を含む個人データに基づいて、前記対象者に合わせて個人化されて学習されることを特徴とする、請求項8に記載の食後血糖値予測方法。
【請求項11】
前記パターン差を前記身体指標を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技法を利用して学習することによって前記糖変化推論モデルを構築する段階、および
前記食後唾液糖と前記食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技法を利用して学習することによって前記食後血糖値推論モデルを構築する段階
をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の食後血糖値予測方法。
【請求項12】
前記身体指標は、
性別、年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、および腹囲を含むことを特徴とする、請求項8に記載の食後血糖値予測方法。
【請求項13】
前記糖変化推論モデルは、
前記身体指標とHOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論し、前記パターン差と前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論するように学習されることを特徴とする、請求項8に記載の食後血糖値予測方法。
【請求項14】
前記糖変化推論モデルは、
前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellで計算されるインスリン抵抗性およびインスリン分泌能と前記パターン差の相関関係を推論するように学習されることを特徴とする、請求項13に記載の食後血糖値予測方法。
【請求項15】
食後血糖値予測方法をコンピュータ装置に実行させるためのコンピュータプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記食後血糖値予測方法は、
対象者の身体指標と食後唾液糖を取得する段階、
前記対象者の身体指標を入力パラメータとし、糖変化推論モデル(前記糖変化推論モデルは、食事による血糖値変化と唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者のパターン差を推定する段階、および
前記対象者の食後唾液糖と前記推定されたパターン差を入力パラメータとし、食後血糖値推論モデル(前記食後血糖値推論モデルは、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者の食後血糖値を予測する段階
を含む、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、唾液糖から血糖値を予測するシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の診断のためには、血液中のブドウ糖の濃度である血糖や尿糖が指標として一般的に使われている。
【0003】
しかし、尿糖検査では健常者と糖尿病患者の境界型である耐糖能異常者が糖尿病患者に分類されるため、糖尿病診断の精度が下がるという問題がある。
【0004】
これにより、糖尿病診断の精度を保障するために血糖値が主に利用されている。しかし、血糖を測定するためには血液の採取が必須となり、これは侵襲的な方法でしか行うことができないとう限界が存在するため、採血の手間や痛みなどが発生するという欠点がある。
【0005】
さらに、現在の血糖値検査は、食事前の空腹状態で実施しなければならないという制約があるため、検査のために空腹を維持しなければならないという欠点がある。
【0006】
したがって、上述したような血糖検査の限界と制約を克服しながら、欠点を解決することができる技術の提案が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一実施形態は、侵襲的な方法でしか血液を採取できないという血糖値測定の限界を克服して血液採取の手間や痛みが発生するなどの欠点を解決すると同時に、検査のために空腹を維持しなければならないという制約および欠点を解決するために、食後唾液糖から食後血糖値を予測し、食後血糖値から糖尿病を診断することができるシステムおよびその方法を提案する。
【0008】
より詳しく説明すると、一実施形態は、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論する糖変化推論モデル、および食後唾液糖と食後血糖値の相関関係をパターン差を考慮しながら推論する食後血糖値推論モデルを利用することによって食後唾液糖から食後血糖値を予測するシステムおよびその方法を提案する。
【0009】
このとき、一実施形態は、糖変化推論モデルおよび食後血糖値推論モデルを対象者に合わせて個人化して学習させることによって推論および予測の精度を高める、システムおよびその方法を提案する。
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題が上述したものに限定されてはならず、本発明の技術的思想および領域から逸脱しない範囲で多様に拡張されてよい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態によると、食後血糖値予測システムは、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論するように糖変化推論モデルを学習させ、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論するように食後血糖値推論モデルを学習させる学習モデリング部、対象者の身体指標と食後唾液糖を取得する対象者情報取得部、前記対象者の身体指標を入力パラメータとし、前記糖変化推論モデルを利用して前記対象者のパターン差を推定するパターン差推定部、および前記対象者の食後唾液糖と前記推定されたパターン差を入力パラメータとし、前記食後血糖値推論モデルを利用して前記対象者の食後血糖値を予測する食後血糖値予測部を含んでよい。
【0012】
一態様によると、前記パターン差は、前記食事による血糖値変化と唾液糖変化の時間遅延の差、最大値の差、および変化率の差を含むことを特徴としてよい。
【0013】
他の一態様によると、前記学習モデリング部は、前記対象者の空腹血糖値を含む個人データに基づいて、前記糖変化推論モデルおよび前記食後血糖値推論モデルを前記対象者に合わせて個人化して学習させることを特徴としてよい。
【0014】
また他の一態様によると、前記学習モデリング部は、前記パターン差を前記身体指標を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技法を利用して学習することによって前記糖変化推論モデルを構築し、前記食後唾液糖と前記食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技法を利用して学習することによって前記食後血糖値推論モデルを構築することを特徴としてよい。
【0015】
また他の一態様によると、前記身体指標は、性別、年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、および腹囲を含むことを特徴としてよい。
【0016】
また他の一態様によると、前記学習モデリング部は、前記身体指標とHOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論し、前記パターン差と前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論するように前記糖変化推論モデルを学習させることを特徴としてよい。
【0017】
さらに他の一態様によると、前記学習モデリング部は、前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellで計算されるインスリン抵抗性およびインスリン分泌能と前記パターン差の相関関係を推論するように前記糖変化推論モデルを学習させることを特徴としてよい。
【0018】
一実施形態によると、食後血糖値予測方法は、対象者の身体指標と食後唾液糖を取得する段階、前記対象者の身体指標を入力パラメータとし、糖変化推論モデル(前記糖変化推論モデルは、食事による血糖値変化と唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者のパターン差を推定する段階、および前記対象者の食後唾液糖と前記推定されたパターン差を入力パラメータとし、食後血糖値推論モデル(前記食後血糖値推論モデルは、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者の食後血糖値を予測する段階を含んでよい。
【0019】
一態様によると、前記パターン差は、前記食事による血糖値変化と唾液糖変化の時間遅延の差、最大値の差、および変化率の差を含むことを特徴としてよい。
【0020】
他の一態様によると、前記糖変化推論モデルおよび前記食後血糖値推論モデルは、前記対象者の空腹血糖値を含む個人データに基づいて、前記対象者に合わせて個人化されて学習されることを特徴としてよい。
【0021】
また他の一態様によると、前記食後血糖値予測方法は、前記パターン差を前記身体指標を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技術を用いて学習することによって前記糖変化推論モデルを構築する段階、および前記食後唾液糖と前記食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論する実験データを人工知能ディープラーニング技術を用いて学習することによって前記食後血糖値推論モデルを構築する段階をさらに含むことを特徴としてよい。
【0022】
また他の一態様によると、前記身体指標は、性別、年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、および腹囲を含むことを特徴としてよい。
【0023】
また他の一態様によると、前記糖変化推論モデルは、前記身体指標とHOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論し、前記パターン差と前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論するように学習されることを特徴としてよい。
【0024】
さらに他の一態様によると、前記糖変化推論モデルは、前記HOMA-IRおよびHOMAβ-cellで計算されるインスリン抵抗性およびインスリン分泌能と前記パターン差の相関関係を推論するように学習されることを特徴としてよい。
【0025】
一実施形態によると、食後血糖値予測方法をコンピュータ装置に実行させるためのコンピュータプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記食後血糖値予測方法は、対象者の身体指標と食後唾液糖を取得する段階、前記対象者の身体指標を入力パラメータとし、糖変化推論モデル(前記糖変化推論モデルは、食事による血糖値変化と唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者のパターン差を推定する段階、および前記対象者の食後唾液糖と前記推定されたパターン差を入力パラメータとし、食後血糖値推論モデル(前記食後血糖値推論モデルは、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を前記パターン差を考慮しながら推論するように学習される)を利用して前記対象者の食後血糖値を予測する段階を含んでよい。
【発明の効果】
【0026】
一実施形態は、食後唾液糖から食後血糖値を予測し、食後血糖値から糖尿病を診断できるようにするシステムおよびその方法を提案することにより、侵襲的な方法でしか血液を採取できないという血糖値測定の限界を克服して血液採取の手間および痛みが発生するなどの欠点を解決すると同時に、検査のために空腹を維持しなければならないという制約および欠点を解決することができる。
【0027】
より詳しく説明すると、一実施形態は、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論する糖変化推論モデル、および食後唾液糖と食後血糖値の相関関係をパターン差を考慮しながら推論する食後血糖値推論モデルを利用することによって食後唾液糖から食後血糖値を予測する、システムおよびその方法を提案することができる。
【0028】
このとき、一実施形態は、糖変化推論モデルおよび食後血糖値推論モデルを対象者に合わせて個人化して学習させることによって推論および予測の精度を高めることができる、システムおよびその方法を提案することができる。
【0029】
本発明の効果が上述したものに限定されてはならず、本発明の技術的思想および領域から逸脱しない範囲内で多様に拡張されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】一実施形態における、糖尿病の診断環境の一例を示した図である。
【
図2】一実施形態における、電子機器およびサーバの内部構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】一実施形態における、食後血糖値予測システムの例を示したブロック図である。
【
図4】一実施形態における、食後血糖値予測方法を示したフローチャートである。
【
図5】一実施形態における、食後血糖値予測方法で利用する糖変化推論モデルを説明するための図である。
【
図6】一実施形態における、食後血糖値予測方法で利用する糖変化推論モデルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。ただし、本発明が実施形態によって制限されたり限定されてはならない。なお、各図面に示された同一の参照符号は、同一の部材を示す。
【0032】
また、本明細書で使用される用語(Terminology)は、本発明の好ましい実施形態を適切に表現するために使用される用語であり、これは、視聴者、運営者の意図、または本発明が属する分野の慣例などによって異なることがある。したがって、これらの用語は、本明細書の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。例えば、本明細書に記載する単数形は、文脈で特に言及していない限り複数形も含む。また、本明細書で使用される「含む(comprise)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作、および/または素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作、および/または素子の存在または追加を排除するものではない。また、本明細書において、第1、第2などの用語が多様な領域、方向、形状などを示すために使用されているが、これらの領域、方向、形状がこのような用語によって限定されてはならない。これらの用語は、ある所定の領域、方向、または形状を他の領域、方向、または形状と区別するために使用するものであり、したがって、ある実施形態で第1部分として言及される部分が他の実施形態では第2部分として言及されることもある。
【0033】
また、本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが相互排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造、および特性は、一実施形態と関連して、本発明の技術的思想および範囲を逸脱しない範囲内で他の実施形態で実施されてもよい。また、提示するそれぞれの実施形態のカテゴリにおける個別の構成要素の位置、配置、または構成は、本発明の技術的思想および範囲を逸脱しない範囲内で変更が可能であると理解されなければならない。
【0034】
以下の実施形態では、食後唾液糖から食後血糖値を予測し、食後血糖値から糖尿病を診断できるようにする食後血糖値予測システムおよび食後血糖値予測方法について説明する。
【0035】
食後血糖値予測方法は、以下で説明するサーバや電子機器(例えば、測定装置または測定装置と通信によって接続するユーザ端末)を実現する少なくとも1つのコンピュータ装置によって実行されてよい。これにより、以下で説明するサーバや電子機器に含まれる少なくとも1つのコンピュータ装置は、食後血糖値予測方法を実行する食後血糖値予測システムを構成してよい。食後血糖値予測システムを実現するコンピュータ装置は、実行されたコンピュータプログラムの制御にしたがって実施形態に係る食後血糖値予測方法を実行してよい。上述したコンピュータプログラムは、コンピュータ装置と結合して食後血糖値予測方法をコンピュータ装置に実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。ここで説明したコンピュータプログラムは、独立した1つのプログラムパッケージの形態であってもよいし、独立した1つのプログラムパッケージの形態がコンピュータ装置に予めインストールされてオペレーティングシステムや他のプログラムパッケージと連係する形態であってもよい。
【0036】
以下、唾液糖とは、唾液内に含まれるグルコース(Glucose)を意味し、血糖値とは、血液内に含まれるグルコースの濃度を意味する。また、以下、唾液糖を取得するということは、唾液糖に関する情報(例えば、唾液糖の濃度、指数、数値など)を取得することを意味し、血糖を予測するということは、血糖に関する情報(例えば、血糖の濃度、指数、数値など)を予測することを意味する。
【0037】
図1は、一実施形態における、糖尿病の診断環境の一例を示した図である。
図1の糖尿病診断環境は、複数の電子機器110、120、130、140、150、サーバ160、およびネットワーク170を含む例を示している。このような
図1は、本発明の説明のための一例に過ぎず、電子機器の数やサーバの数が
図1のように限定されてはならない。
【0038】
複数の電子機器110、120、130、140、150は、検体対象者がそれぞれ所持しているスマートフォン(smart phone)、携帯電話、タブレットPC、ナビゲーション、コンピュータ、ノート型PC、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)などの端末であって、複数の電子機器110、120、130、140、150それぞれには、対応する採取装置111、バイオセンサ112、および測定装置113が備えられてよい。
【0039】
すなわち、検体対象者はそれぞれ、電子機器110とともに、採取装置111、バイオセンサ112、および測定装置113を保有していてよく、バイオセンサ112および測定装置113は、複数の電子機器110、120、130、140、150それぞれにインストールされた専用アプリケーションを通じて複数の電子機器110、120、130、140、150それぞれと接続してよい。
【0040】
採取装置111は、検体(例えば、唾液)を収集するための装置であって、検体収集部、フィルタ、および圧縮チューブ(compression tube)を含んでよい。検体が唾液である場合、採取装置111は、収集した唾液から圧縮チューブ内のフィルタによって干渉物質を除去し、干渉物質が除去された唾液を外部に、すなわち、バイオセンサ112に提供してよい。
【0041】
バイオセンサ112は、採取装置111によって採取された検体(例えば、唾液)が採取装置111に挿入される場合、干渉物質が除去された検体から測定しようとする情報(例えば、グルコース(Glucose))をセンシングする機能を実行する構成要素であって、測定装置113にバイオセンサストリップを挿入し、測定装置113から受信される検体認識信号に基づいて検体を認識し、検体認識信号とは別に印加される検体測定信号によって検体に含まれるグルコースに対する応答信号を測定装置113に提供してよい。
【0042】
測定装置113は、バイオセンサ112の挿入を認識してバイオセンサ112に検体認識信号を提供することにより、バイオセンサ112に検体が接触されたかどうかを判断した後、検体が接触されたと判断されると検体測定精神信号を提供して、測定しようとする検体の応答信号(唾液中のグルコース(唾液糖)に対する応答信号)を受信することにより、検体の応答信号(唾液糖に対する応答信号、例えば、唾液糖の濃度や指数数値など)を測定して表示してよい。
【0043】
また、測定装置113は、ネットワーク170を介して電子機器(例えば、第1電子機器110)またはサーバ160と通信するための通信モジュールを含んでよい。このような場合、測定装置113は、検体の応答信号(唾液糖に対する応答信号、例えば、唾液糖の濃度や指数数値など)を電子機器110またはサーバ160に送信することにより、電子機器110またはサーバ160で検体の応答信号(唾液糖に対する応答信号、例えば、唾液糖の濃度や指数数値など)に基づいて検体対象者(以下、対象者とする)の食後血糖値を予測し、食後血糖値に基づいて対象者の糖尿病を診断してよい。
【0044】
ただし、これに限定されてはならず、測定装置113自体で検体の応答信号(唾液糖に対する応答信号、例えば、唾液糖の濃度や指数数値など)を基にして対象者の食後血糖値を予測し、食後血糖値を基にして対象者の糖尿病を診断することも可能である。このような場合、測定装置113には、通信モジュールが含まれなくてよい。
【0045】
通信方式が限定されることはなく、ネットワーク170が含むことのできる通信網(一例として、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網)を利用する通信方式だけではなく、機器間の近距離無線通信が含まれてもよい。例えば、ネットワーク170は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。さらに、ネットワーク170は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0046】
サーバ160は、複数の電子機器110、120、130、140、150とネットワーク170を介して通信し、複数の電子機器110、120、130、140、150それぞれに対応する測定装置113または複数の電子機器110、120、130、140、150から測定された検体の応答信号(唾液糖に対する応答信号、例えば、唾液糖の濃度や指数数値など)を受信し、受信した検体の応答信号(唾液糖に対する応答信号、例えば、唾液糖の濃度や指数数値など)に基づいて対象者の食後血糖値を予測して糖尿病を診断する食後血糖値予測サービスを提供するコンピュータ装置または複数のコンピュータ装置で実現されてよい。
【0047】
すなわち、複数の電子機器110、120、130、140、150を所持する対象者は、測定装置113または電子機器110を利用して、予めインストールされたオペレーティングシステム(Operating System:OS)や少なくとも1つのプログラム(例えば、ブラウザや前記インストールされたアプリケーション)の制御にしたがってサーバ160に接続することにより、サーバ160が提供する食後血糖値予測サービスを利用することができる。
【0048】
図2は、一実施形態における、電子機器およびサーバの内部構成を説明するためのブロック図である。上述した複数の電子機器110、120、130、140、150それぞれやサーバ160は、
図2を参照しながら説明したコンピュータ装置200によって実現されてよい。
【0049】
このようなコンピュータ装置200は、
図2に示すように、メモリ210、プロセッサ220、通信インタフェース230、および入力/出力インタフェース240を含んでよい。メモリ210は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、およびディスクドライブのような永続的大容量記録装置を含んでよい。ここで、ROMやディスクドライブのような永続的大容量記録装置は、メモリ210とは区分される別の永続的記録装置としてコンピュータ装置200に含まれてもよい。また、メモリ210には、オペレーティングシステムと、少なくとも1つのプログラムコードが記録されてよい。このようなソフトウェア構成要素は、メモリ210とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリ210にロードされてよい。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではない通信インタフェース230を通じてメモリ210にロードされてもよい。例えば、ソフトウェア構成要素は、ネットワーク170を介して受信されるファイルによってインストールされるコンピュータプログラムに基づいてコンピュータ装置200のメモリ210にロードされてよい。
【0050】
プロセッサ220は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ210または通信インタフェース230によって、プロセッサ220に提供されてよい。例えば、プロセッサ220は、メモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって受信される命令を実行するように構成されてよい。
【0051】
通信インタフェース230は、ネットワーク170を介してコンピュータ装置200が他の装置(一例として、上述した記録装置)と互いに通信するための機能を提供してよい。一例として、コンピュータ装置200のプロセッサ220がメモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって生成した要求や命令、データ、ファイルなどが、通信インタフェース230の制御にしたがってネットワーク170を介して他の装置に伝達されてよい。これとは逆に、他の装置からの信号や命令、データ、ファイルなどが、ネットワーク170を経てコンピュータ装置200の通信インタフェース230を通じてコンピュータ装置200に受信されてよい。通信インタフェース230を通じて受信された信号や命令、データなどは、プロセッサ220やメモリ210に伝達されてよく、ファイルなどは、コンピュータ装置200がさらに含むことのできる記録媒体(上述した永続的記録装置)に記録されてよい。
【0052】
入力/出力インタフェース240は、入力/出力装置250とのインタフェースのための手段であってよい。例えば、入力装置は、マイク、キーボード、またはマウスなどの装置を、出力装置は、ディスプレイ、スピーカのような装置を含んでよい。他の例として、入力/出力インタフェース240は、タッチスクリーンのように入力と出力のための機能が1つに統合された装置とのインタフェースのための手段であってもよい。入力/出力装置250は、コンピュータ装置200と1つの装置で構成されてもよい。
【0053】
また、他の実施形態において、コンピュータ装置200は、
図2の構成要素よりも少ないか多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、コンピュータ装置200は、上述した入力/出力装置250のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバ、データベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0054】
以下では、食後血糖値予測サービスを提供する食後血糖値予測方法およびシステムの具体的な実施形態について説明する。
【0055】
図3は、一実施形態における、食後血糖値予測システムの例を示したブロック図であり、
図4は、一実施形態における、食後血糖値予測方法を示したフローチャートであり、
図5~
図6は、一実施形態における、食後血糖値予測方法で利用する糖変化推論モデルを説明するための図である。
【0056】
以下の実施形態において、コンピュータ装置200は、以下で説明する食後血糖値予測方法を実行することによって対象者の食後血糖値を予測し、これに基づいて対象者の糖尿病を診断するサービスを提供する。このため、コンピュータ装置200には、食後血糖値予測方法を実行する主体である食後血糖値予測システムが構成されてよい。一例として、食後血糖値予測システムは、独立的に動作するプログラムの形態で実現されてもよいし、専用アプリケーションのイン-アプリ(in-app)の形で構成されて専用アプリケーション上で動作するように実現されてもよい。
【0057】
コンピュータ装置200のプロセッサ220は、
図4に示した食後血糖値予測方法を実行するための構成要素として実現されてよい。一例として、プロセッサ220は、
図4に示した段階410~430を実行するように、
図3に示すように、学習モデリング部310、対象者情報取得部320、パターン差推定部330、および食後血糖値予測部340を含んでよい。実施形態によって、プロセッサ220の構成要素は、選択的にプロセッサ220に含まれてもよいし除外されてもよい。また、実施形態によって、プロセッサ220の構成要素は、プロセッサ220の機能を表現するために、分離されてもよいし結合されてもよい。
【0058】
このようなプロセッサ222およびプロセッサ222の構成要素は、
図4に示した食後血糖値予測方法に含まれる段階410~430を実行するようにサーバ160を制御してよい。例えば、プロセッサ220およびプロセッサ220の構成要素は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードと、少なくとも1つのプログラムのコードとによる命令(instruction)を実行するように実現されてよい。
【0059】
ここで、プロセッサ220の構成要素は、サーバ160に記録されたプログラムコードが提供する命令にしたがってプロセッサ220によって実行される、プロセッサ220の互いに異なる機能(different functions)の表現であってよい。例えば、対象者の食後血糖値を予測するプロセッサ220の機能的表現として、食後血糖値予測部340が利用されてよい。
【0060】
プロセッサ220は、コンピュータ装置200の制御に関連する命令がロードされたメモリ210から必要な命令を読み取ってよい。この場合、前記読み取られた命令は、プロセッサ220が以下で説明する段階410~430を実行するように制御するための命令を含んでよい。
【0061】
以下で説明する段階410~430は、
図4に示した順序とは異なる順に実行されてもよいし、段階410~430の一部が省略されたり、追加の過程がさらに含まれてもよい。
【0062】
段階410の前に、学習モデリング部310は、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論する実験データを入力データとして人工知能ディープラーニング技法を利用して糖変化推論モデルを学習させて予め構築しておき、食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を考慮しながら推論する実験データを入力データとして人工知能ディープラーニング技法を利用して食後血糖値推論モデルを学習させて予め構築しておいてよい。実験データは、多数の検体対象者に対する臨床試験データであって、実験データによって学習された糖変化推論モデルおよび食後血糖値推論モデルは、対象者の多様な群集をそれぞれ満たす平均的な推論結果および予測結果をもたらすものであると言える。
【0063】
血糖値変化および唾液糖変化のパターン差は、血液中の糖の発現と唾液中の糖の発現速度および発現程度の差によるものであって、食事による血糖値変化および唾液糖変化間の時間遅延の差、最大値の差、および変化率の差を含んでよい。例えば、血糖値変化および唾液糖変化は、血液中および唾液中のそれぞれで発現される速度および程度の違いにより、
図5に示すように、増減する時間が遅延する差、増減による最大糖値、最小糖値の差、および増減する変化率の差を有してよい。
【0064】
このような血糖値変化および唾液糖変化のパターン差は、食後唾液糖から食後血糖値を予測するアルゴリズムに大きな影響を与える指標となるため、食後血糖値予測方法で活用される食後血糖値推論モデルは、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を考慮しながら食後唾液糖と食後血糖値の相関関係を推論するように学習されてよい。これにより、食後血糖値推論モデルが食後血糖値予測方法で活用されることにより、食後唾液糖から予測される食後血糖値の精度を高めることができる。
【0065】
一方、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差は、身体指標によって影響を受けるようになる。これは、性別、年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、および腹囲などの身体指標が、
図6に示すように、HOMA-IRおよびHOMAβ-cellと相関関係を有し、インスリン抵抗性およびインスリン分泌能がHOMA-IRおよびHOMAβ-cellから計算され、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差がインスリン抵抗性およびインスリン分泌能と相関関係を有するためである。
【0066】
このような原理を利用しながら、学習モデリング部310は、身体指標とHOMA-IRおよびHOMAβ-cellの相関関係を推論し、HOMA-IRおよびHOMAβ-cellで計算されるインスリン抵抗性およびインスリン分泌能と食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差の相関関係を推論するように糖変化推論モデルを学習させてよい。したがって、糖変化推論モデルが、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を推論する精度を高めることができる。
【0067】
特に、学習モデリング部310は、対象者の個人データ(例えば、対象者の空腹時の血糖を基にする、食事による血糖値変化データおよび唾液糖変化データ、対象者の食後唾液糖データおよび食後血糖値データなど)に基づいて、糖変化推論モデルおよび食後血糖値推論モデルを対象者に合わせて個人化して学習させることにより、糖変化推論モデルおよび食後血糖値推論モデルが活用されるときに対象者を特定することで、精度が飛躍的に高まった推論結果および予測結果をもたらすことができる。
【0068】
上述した糖変化推論モデルおよび食後血糖値推論モデルそれぞれの学習過程には、公知の多様な機械学習アルゴリズムが使用されてよい。
【0069】
段階410で、対象者情報取得部320は、対象者の身体指標と食後唾液糖を取得してよい。例えば、対象者情報取得部320は、上述したように、複数の電子機器110、120、130、140、150それぞれに対応する測定装置113で測定された食後唾液に関する情報(例えば、食後唾液糖に対する応答信号。例えば、食後唾液糖の濃度や指数数値など)を受信して取得してよく、複数の電子機器110、120、130、140、150それぞれから対象者それぞれの身体指標を入力を受けて取得してよい。
【0070】
段階420で、パターン差推定部330は、対象者の身体指標を入力パラメータとし、糖変化推論モデルを利用して対象者の食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を推定してよい。
【0071】
段階430で、食後血糖値予測部340は、対象者の食後唾液糖と推定された食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を入力パラメータとし、食後血糖値推論モデルを利用して対象者の食後血糖値を予測してよい。予測された対象者の食後血糖値は、対象者に対応する電子機器110または電子機器110に対応する測定装置113に提供されてよい。
【0072】
また、食後血糖値予測部340は、予測された食後血糖値に基づいて対象者の糖尿病を診断し、この結果を提供してもよい。対象者の糖尿病を診断するということは、対象者が正常型に該当するか、境界型に該当するか、糖尿病型に該当するかを確認することを意味してよい。
【0073】
このように、一実施形態に係る食後血糖値予測システムおよび方法は、食事による血糖値変化および唾液糖変化のパターン差を身体指標を考慮しながら推論する糖変化推論モデル、および食後唾液糖と食後血糖値の相関関係をパターン差を考慮しながら推論する食後血糖値推論モデルを利用して食後唾液糖から食後血糖値を予測することにより、侵襲的な方法でしか血液を採取できないという限界を克服して血液採取の手間や痛みの発生などのような欠点を解決すると同時に、検査のために空腹を維持しなければならないという制約や欠点を解決することができる。
【0074】
また、一実施形態に係る食後血糖値予測システムおよび方法は、糖変化推論モデルおよび食後血糖値推論モデルを対象者に合わせて個人化して学習させることにより、推論および予測の精度を高めることができる。
【0075】
以上、食後唾液糖から食後血糖値を予測することについて説明したが、食後血糖値から食後唾液糖を予測することも、上述した食後血糖値予測システムおよび方法によって可能である。このような場合、対象者情報取得部320が唾液糖の代わりに血糖を取得することに応答して、食後血糖値予測部340では、取得された食後血糖値から食後唾液糖を予測してよい。
【0076】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者であれば、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0077】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、仮想装置(virtual equipmet)、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0078】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。前記コンピュータで読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含んでよい。前記媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計されたものであってもよいし、コンピュータソフトウエアの当業者に公知された使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を記録して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけではなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0079】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0080】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付の特許請求の範囲に属する。
【国際調査報告】