(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】骨成長段階の分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240920BHJP
【FI】
A61B6/00 550Z
A61B6/00 560
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569785
(86)(22)【出願日】2023-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2023007521
(87)【国際公開番号】W WO2024048918
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0109771
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523422912
【氏名又は名称】クレスコム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リ ジェジュン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093DA10
4C093FF21
4C093FF28
4C093FF50
(57)【要約】
本出願の一実施形態に係る骨の成長段階分析方法は、骨領域を含む医療イメージを獲得する段階;前記医療イメージから関心領域を検出する段階;各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階;前記骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算する段階;前記医療イメージの全体領域から骨年齢を演算する段階;骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、前記相関関係情報を利用して前記演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算する段階;および前記臨時成長段階および前記基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算する段階;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨分析装置が骨の成長段階を分析する方法において、
骨領域を含む医療イメージを獲得する段階;
前記医療イメージから関心領域を検出する段階;
各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階;
前記骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算する段階;
前記医療イメージの全体領域から骨年齢を演算する段階;
骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、前記相関関係情報を利用して前記演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算する段階;および
前記臨時成長段階および前記基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算する段階;を含む、骨の成長段階分析方法。
【請求項2】
前記骨の最終成長段階情報を演算する段階は、
前記演算された臨時成長段階の補正イベントを検出する段階;および
前記補正イベントが検出された場合には前記基準成長段階に基づいて前記臨時成長段階を補正して前記最終成長段階情報を獲得し、前記補正イベントが検出されなかった場合には前記演算された臨時成長段階を前記最終成長段階情報と決定する段階;をさらに含む、請求項1に記載の骨の成長段階分析方法。
【請求項3】
前記骨格成熟指標は、
骨幹と骨端の広さの一致の有無、骨幹を骨端が覆ったかどうか、または骨端の融合の有無により複数の下位分類で構成されたSMI指標である、請求項1に記載の骨の成長段階分析方法。
【請求項4】
前記各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階は、
学習が完了した人工知能モデルを獲得する段階;および
学習が完了した人工知能モデルを通じて、前記関心領域から前記骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を獲得する段階;をさらに含む、請求項3に記載の骨の成長段階分析方法。
【請求項5】
前記人工知能モデルは、
医療イメージの関心領域と、関心領域に対して割り当てられた前記骨格成熟指標の下位分類値とで構成された学習データセットに基づいて訓練される、請求項4に記載の骨の成長段階分析方法。
【請求項6】
前記人工知能モデルは、
前記人工知能モデルから出力された予測値と前記下位分類値との差に基づいて前記予測値が前記下位分類値に近似されて出力されるように訓練される、請求項5に記載の骨の成長段階分析方法。
【請求項7】
前記臨時成長段階または前記基準成長段階は、
急成長期、急成長期前、および急成長期後のうち少なくとも一つに該当する、請求項1に記載の骨の成長段階分析方法。
【請求項8】
前記関心領域は、
第3指の末節骨(DP3)、第3指の中節骨(MP3)、第3指の基節骨(PP3MC)、第5指の中節骨(MP5)、親指の中手骨(PP1)、および橈骨(Radius)のうち少なくとも一つに対応する領域を含む、請求項1に記載の骨の成長段階分析方法。
【請求項9】
コンピュータに請求項1~請求項8のいずれか一項に記載された方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
骨領域を含む医療イメージを獲得し、医療イメージから骨の成長段階を演算する骨成長段階分析装置に、
骨領域を含む医療イメージを獲得する映像獲得部;および
前記医療イメージから骨の成長段階を演算するように構成されるプロセッサを含み、
前記プロセッサは、
前記医療イメージから関心領域を検出し、各関心領域別に骨格成熟指標を演算し、前記骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算し、前記医療イメージの全体領域から骨年齢を演算し、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、前記相関関係情報を利用して前記演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算し、前記臨時成長段階および前記基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算するように構成された、骨成長段階分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、骨成長段階の分析方法、骨成長段階の分析装置、および骨成長段階の分析システムに関する。具体的には、本出願は、骨領域を含む医療イメージから骨成長段階を演算するための骨成長段階の分析方法、骨成長段階の分析装置、および骨成長段階の分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージ分析技術の向上により、骨領域を含む医療映像を分析して骨の成熟度を演算し、演算された骨の成熟度に基づいて骨の成長段階を判断するための技術が多方面で研究されている。
【0003】
児童青少年が急成長期前であるか、急成長段階であるか、急成長期を過ぎたのであるかを正確に判断することは、児童青少年の成長状態を評価し、必要に応じて成長段階に合う成長治療をするにあたって重要である。また、歯科では、適合な矯正方法を探すために、児童青少年の成長段階を評価するためにskeletal maturity indicators(SMI)評価方式が多く活用されている。
【0004】
SMI評価方式は、親指の中手骨と、第3指の基節骨、中節骨、および末節骨と、第5指の中節骨と、橈骨との構造的形態に基づいて骨の成熟度を定量化する方式であって、便利かつ速かに児童青少年の成長段階を分類することができるという長所がある。ただし、SMI評価方式は、対象者によって各部位別成長段階の変化時期の偏差が多様であり、骨の成熟段階の区分が曖昧であるように各部位の構造的形態が検出される場合が頻繁に発生して、児童青少年期の成長段階を精密に判断するのに限界が存在した。
【0005】
このため、より精密に骨の成長段階を分析するための骨成長段階の分析方法、骨成長段階の分析装置、および骨成長段階の分析システムの開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする一課題は、骨領域を含む医療イメージから骨成長段階を演算するための骨成長段階の分析方法、骨成長段階の分析装置、および骨成長段階の分析システムを提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は前述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の一実施形態に係る骨の成長段階分析方法は、骨領域を含む医療イメージを獲得する段階;前記医療イメージから関心領域を検出する段階;各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階;前記骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算する段階;前記医療イメージの全体領域から骨年齢を演算する段階;骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、前記相関関係情報を利用して前記演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算する段階;および前記臨時成長段階および前記基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算する段階;を含むことができる。
【0009】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置は、骨領域を含む医療イメージを獲得する映像獲得部;および前記医療イメージから骨の成長段階を演算するように構成されるプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記医療イメージから関心領域を検出し、各関心領域別に骨格成熟指標を演算し、前記骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算し、前記医療イメージの全体領域から骨年齢を演算し、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、前記相関関係情報を利用して前記演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算し、前記臨時成長段階および前記基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算するように構成され得る。
【0010】
本発明の課題の解決手段は前述した解決手段に制限されるものではなく、言及されていない解決手段は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【発明の効果】
【0011】
本出願の実施形態に係る骨成長段階分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システムによると、骨格成熟指標に基づいて演算された成長段階と、骨年齢に基づいて演算された成長段階とに基づいて骨の成長段階情報を演算することによって、より精密に骨の成長段階を演算することができる。
【0012】
本出願の実施形態に係る骨成長段階分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システムによると、骨格成熟指標に基づいて演算された成長段階に存在する補正イベントを検出し、骨年齢に基づいて演算された成長段階を利用して骨格成熟指標に基づいて演算された成長段階を補正することによって、より精密に骨の成長段階を演算することができる。
【0013】
本出願の実施形態に係る骨成長段階分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システムによると、骨の成長段階を精密に演算することによって、各成長段階に最適の矯正治療を対象者に提供することができる。
【0014】
本発明の効果は前述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析システムの概略図である。
【
図2】本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置の動作を示した図面である。
【
図3】本出願の一実施形態に係る骨成長段階の分析方法を示したフローチャートである。
【
図4】本出願の一実施形態に係る関心領域を獲得する様相を説明するための図面である。
【
図5】本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標を演算する段階を具体化したフローチャートである。
【
図6】本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標を演算する様相を説明するための図面である。
【
図7】本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標から臨時成長段階を演算する様相を説明するための図面である。
【
図8】本出願の一実施形態に係る骨年齢から基準成長段階を演算する様相を説明するための図面である。
【
図9】本出願の一実施形態に係る骨の最終成長段階情報を演算する段階を具体化したフローチャートである。
【
図10】本出願の一実施形態に係る臨時成長段階を補正するための補正イベントを判断する一様相を図示した図面である。
【
図11】本出願の一実施形態に係る臨時成長段階を補正するための補正イベントを判断する一様相を図示した図面である。
【
図12】本出願の一実施形態に係る骨の最終成長段階情報を演算する様相を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本出願の前述した目的、特徴および長所は、添付された図面に関連した下記の詳細な説明を通じてより明白となるであろう。ただし、本出願は多様な変更を加えることができ多様な実施形態を有することができるところ、以下では特定実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明することにする。
【0017】
明細書全体に亘って同じ参照番号は原則的に同じ構成要素を示す。また、各実施形態の図面に示される同一思想範囲内の機能が同一の構成要素は同一の参照符号を使って説明し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0018】
本出願に関連した公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本出願の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で利用される数字(例えば、第1、第2等)は一つの構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0019】
また、以下の実施形態で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は明細書作成の容易さのみが考慮されて付与または混用されるものであり、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0020】
以下の実施形態において、単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0021】
以下の実施形態において、含むまたは有するなどの用語は明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0022】
図面では説明の便宜のために、構成要素のその大きさが誇張または縮小され得る。例えば、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したもので、本発明は必ずしも図示されたところに限定されない。
【0023】
或る実施形態が別に具現可能である場合、特定のプロセスの順序は説明される順序と異なって遂行されてもよい。例えば、連続して説明される二つのプロセスが実質的に同時に遂行されてもよく、説明される順序と反対の順序で進行され得る。
【0024】
以下の実施形態において、構成要素などが連結されたとする時、構成要素が直接的に連結された場合だけでなく構成要素の中間に構成要素が介在されて間接的に連結された場合も含む。
【0025】
例えば、本明細書で構成要素などが電気的に連結されたとする時、構成要素などが直接電気的に連結された場合だけでなく、その中間に構成要素などが介在されて間接的に電気的に連結された場合も含む。
【0026】
本出願の一実施形態に係る骨の成長段階分析方法は、骨領域を含む医療イメージを獲得する段階;前記医療イメージから関心領域を検出する段階;各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階;前記骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算する段階;前記医療イメージの全体領域から骨年齢を演算する段階;骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、前記相関関係情報を利用して前記演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算する段階;および前記臨時成長段階および前記基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算する段階;を含むことができる。
【0027】
本出願の一実施形態によると、前記骨の最終成長段階情報を演算する段階は、前記演算された臨時成長段階の補正イベントを検出する段階;および前記補正イベントが検出された場合には前記基準成長段階に基づいて前記臨時成長段階を補正して前記最終成長段階情報を獲得し、前記補正イベントが検出されなかった場合には前記演算された臨時成長段階を前記最終成長段階情報と決定する段階;をさらに含むことができる。
【0028】
本出願の一実施形態によると、前記骨格成熟指標は、骨幹と骨端の広さの一致の有無、骨幹を骨端が覆ったかどうか、または骨端の融合の有無により複数の下位分類で構成されたSMI指標であり得る。
【0029】
本出願の一実施形態によると、前記各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階は、学習が完了した人工知能モデルを獲得する段階;および学習が完了した人工知能モデルを通じて、前記関心領域から前記骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を獲得する段階;をさらに含むことができる。
【0030】
本出願の一実施形態によると、前記人工知能モデルは、医療イメージの関心領域と、関心領域に対して割り当てられた前記骨格成熟指標の下位分類値とで構成された学習データセットに基づいて訓練され得る。
【0031】
本出願の一実施形態によると、前記人工知能モデルは、前記人工知能モデルから出力された予測値と前記下位分類値との差に基づいて前記予測値が前記下位分類値に近似されて出力されるように訓練され得る。
【0032】
本出願の一実施形態によると、前記臨時成長段階または前記基準成長段階は、急成長期、急成長期前、および急成長期後のうち少なくとも一つに該当し得る。
【0033】
本出願の一実施形態によると、前記関心領域は、第3指の末節骨(DP3)、第3指の中節骨MP3、第3指の基節骨(PP3MC)、第5指の中節骨(MP5)、親指の中手骨(PP1)、および橈骨(Radius)のうち少なくとも一つに対応する領域を含むことができる。
【0034】
本出願の一実施形態によると、前記骨の成長段階分析方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供され得る。
【0035】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置は、骨領域を含む医療イメージを獲得する映像獲得部;および前記医療イメージから骨の成長段階を演算するように構成されるプロセスを含み、前記プロセッサは、前記医療イメージから関心領域を検出し、各関心領域別に骨格成熟指標を演算し、前記骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算し、前記医療イメージの全体領域から骨年齢を演算し、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、前記相関関係情報を利用して前記演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算し、前記臨時成長段階および前記基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算するように構成され得る。
【0036】
以下では、
図1~
図12を参照して、本出願の骨成長段階分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システムに関して説明する。
【0037】
図1は、本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析システムの概略図である。
【0038】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析システム10は、医療映像獲得装置100および骨成長段階分析装置1000を含むことができる。
【0039】
医療映像獲得装置100は医療イメージを撮影することができる。例えば、医療映像獲得装置100は、磁気共鳴映像装置(magnetic resonance imaging)、コンピュータ断層撮影装置(computerized tomography equipment)、X線装置(X-ray equipment)等を含んで任意の形態の医療イメージを獲得する装置を包括する意味であり得る。医療映像獲得装置100により獲得された医療イメージは2次元形態の映像であり得る。この時、医療イメージは、ピクセルの座標、色相、強度等に関連したピクセル情報を含むことができる。医療映像獲得装置100により獲得された医療イメージは3次元形態の映像であり得る。この時、医療イメージは、ボクセルの座標、色相、強度に関連したピクセル情報を含むことができる。
【0040】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、医療イメージを分析して骨成長段階情報を獲得することができる。より具体的には、骨成長段階分析装置1000は、医療イメージの関心領域から骨格成熟指標を演算し、演算された骨格成熟指標に基づいて臨時的な第1成長段階(以下、臨時成長段階と指称)を演算することができる。また、骨成長段階分析装置1000は、医療イメージの関心領域を含む医療イメージの全体領域から骨年齢を演算し、演算された骨年齢に基づいて臨時成長段階の補正の有無を判断するために基準となる第2成長段階(以下、基準成長段階と指称)を演算することができる。この時、骨成長段階分析装置1000は、臨時成長段階と基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算または獲得することができる。
【0041】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、送受信部1100、メモリ1200、およびプロセッサ1300を含むことができる。
【0042】
骨成長段階分析装置1000の送受信部1100は、医療映像獲得装置100を含んだ任意の外部機器と通信を遂行できる。例えば、骨成長段階分析装置1000は、送受信部1100を通じて、医療映像獲得装置100が撮影した医療イメージを受信することができる。また、骨成長段階分析装置1000は、送受信部1100を通じて、骨の成長段階情報を医療映像獲得装置100を含んだ任意の外部機器に送信することができる。
【0043】
骨成長段階分析装置1000は、送受信部1100を通じてネットワークに接続して各種データを送受信することができる。送受信部は、大きく有線タイプと無線タイプを含むことができる。有線タイプと無線タイプはそれぞれ長所と短所を有するので、場合により骨成長段階分析装置1000には有線タイプと無線タイプが同時に設けられてもよい。ここで、無線タイプの場合には、主にワイファイ(Wi-Fi)のようなWLAN(Wireless Local Area Network)系列の通信方式を利用することができる。または、無線タイプの場合には、セルラー通信、例えば、LTE、5G系列の通信方式を利用することができる。ただし、無線通信プロトコルは前述した例示に制限されるものではなく、任意の適切な無線タイプの通信方式を利用することも可能である。有線タイプの場合にはLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)通信が代表的な例であり、その他の方式も可能である。
【0044】
骨成長段階分析装置1000のメモリ1200は各種情報を保存することができる。メモリ1200には各種データが一時的にまたは半永久的に保存され得る。メモリ1200の例としては、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ(flash memory)、ロム(ROM:Read-Only Memory)、ラム(RAM:Random Access Memory)等があり得る。メモリ1200は、骨成長段階分析装置1000に内蔵される形態や着脱可能な形態で提供され得る。メモリ1200には、骨成長段階分析装置1000を駆動するための運用プログラム(OS:Operating System)や骨成長段階分析装置1000の各構成を動作させるためのプログラムをはじめとして骨成長段階分析装置1000の動作に必要な各種データが保存され得る。
【0045】
プロセッサ1300は、骨成長段階分析装置1000の全般的な動作を制御することができる。例えば、プロセッサ1300は、医療イメージを獲得する動作、医療イメージから関心領域を検出する動作、関心領域から骨格成熟指標を分類する動作、分類された骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算する動作、医療イメージから骨年齢を分析して基準成長段階を演算する動作、臨時成長段階と基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算する動作などの骨成長段階分析装置1000の全般的な動作を制御することができる。具体的には、プロセッサ1300は、メモリ1200から骨成長段階分析装置1000の全般的な動作のためのプログラムをローディングして実行することができる。プロセッサ1300は、ハードウェアやソフトウェアまたはこれらの組み合わせによりAP(Application Processor)、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Microcontroller Unit)やこれと類似する装置で具現され得る。この時、ハードウェア的には電気的信号を処理して制御機能を遂行する電子回路の形態で提供され得、ソフトウェア的にはハードウェア的回路を駆動させるプログラムやコードの形態で提供され得る。
【0046】
一方、
図1では図示してはいないが、骨成長段階分析装置1000は、任意の適切な入力部および/または出力部を含むことができる。具体的には、骨成長段階分析装置1000は、入力部を通じて、医療イメージの分析に必要な使用者の入力を受信することができる。例えば、骨成長段階分析装置1000は、入力部を通じて、医療イメージに含まれた複数の領域それぞれに、関心領域に関連したラベル情報を割り当てる使用者の入力を獲得することができる。他の例として、骨成長段階分析装置1000は、入力部を通じて、関心領域に骨格成熟指標の下位分類値を割り当てる使用者の入力を獲得することができる。
【0047】
また、骨成長段階分析装置1000は、出力部を通じて、骨の最終成長段階情報を含む任意の分析結果を出力することができる。
【0048】
以下では、
図2~
図12を参照して、本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000の動作と骨成長段階の分析方法を具体的に叙述する。
【0049】
図2は、本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置の動作を示した図面である。
【0050】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、映像獲得部を含むことができる。具体的には、骨成長段階分析装置1000の映像獲得部は医療映像獲得装置100から獲得された医療イメージを獲得することができる。例えば、映像獲得部は、送受信部1100を通じて医療映像獲得装置100を含んだ任意の外部装置から医療イメージを獲得することができる。
【0051】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、関心領域検出部を含むことができる。骨成長段階分析装置1000の関心領域検出部は、医療イメージから関心領域を検出することができる。具体的には、関心領域検出部は、骨格成熟指標を演算するために少なくとも一つ以上の関心領域を検出することができる。例えば、関心領域は、第3指の末節骨DP3、第3指の中節骨MP3、第3指の基節骨PP3MC、第5指の中節骨MP5、親指の中手骨PP1、および橈骨(Radius)のうち少なくとも一つに対応する領域であり得る。一方、本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000の関心領域検出部は、人工知能技法を活用して医療イメージから関心領域を検出することができる。関心領域を検出する内容に関しては、
図3と
図4に関連してより具体的に叙述することにする。
【0052】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、骨格成熟指標分類部を含むことができる。骨成長段階分析装置1000の骨格成熟指標分類部は、検出された関心領域を分析して骨格成熟指標を演算することができる。一例として、骨格成熟指標分類部は、人工知能技法を活用して関心領域に基づいて関心領域(例えば、第3指の末節骨DP3、第3指の中節骨MP3、第3指の基節骨PP3MC、第5指の中節骨MP5、親指の中手骨PP1等)の骨幹と骨端の広さの一致の有無、骨幹を骨端が覆ったかどうか、または骨端の融合の有無により複数の下位分類(例えば、第1分類~第11分類)で構成された骨格成熟指標(例えば、skeletal maturity indicators(SMI))を演算することができる。より具体的には、骨格成熟指標分類部は、学習が完了した人工知能モデルを利用して関心領域から骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値または骨格成熟指標の下位分類情報を演算するように構成され得る。骨格成熟指標を演算する内容については、
図5~
図6でより具体的に叙述することにする。
【0053】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、臨時成長段階演算部を含むことができる。骨成長段階分析装置1000の臨時成長段階演算部は骨格成熟指標から骨の臨時成長段階を演算することができる。
【0054】
一例として、臨時成長段階演算部は、対象者が男児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第6段階~第7段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期と判断することができる。または、臨時成長段階演算部は、対象者が男児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第1段階~第5段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期前と判断することができる。または、臨時成長段階演算部は、対象者が男児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第8段階~第11段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期後と判断することができる。
【0055】
他の例として、臨時成長段階演算部は、対象者が女児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第4段階~第6段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期と判断することができる。または、臨時成長段階演算部は、対象者が女児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第1段階~第3段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期前と判断することができる。または、臨時成長段階演算部は、対象者が女児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第7段階~第11段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期後と判断することができる。
【0056】
臨時成長段階を演算する内容については、
図7に関連してより具体的に叙述することにする。
【0057】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、基準成長段階演算部を含むことができる。骨成長段階分析装置1000の基準成長段階演算部は、医療イメージの全体領域を分析して骨年齢を演算することができる。具体的には、基準成長段階演算部は、医療イメージの全体領域から抽出された特徴値および/または医療イメージの各関心領域から抽出された特徴値に基づいて骨年齢を演算するように構成され得る。例えば、基準成長段階演算部は、医療イメージの各関心領域から分類された骨格成熟指標と、医療イメージの全体領域から分類された骨格成熟指標とに基づいて骨年齢を演算することができる。例えば、基準成長段階演算部は、医療イメージの全体領域から抽出された特徴値に基づいて骨格成熟指標を演算(または分類)することができる。この時、基準成長段階演算部は、医療イメージの各関心領域から分類された骨格成熟指標と、医療イメージの全体領域から分類された骨格成熟指標とに基づいて骨年齢を演算することができる。
【0058】
ひいては、基準成長段階演算部は、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、相関関係情報を利用して演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算するように構成され得る。例えば、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報は、骨年齢と成長速度との間の相関関係情報と、成長速度による骨成長段階情報とを含むことができる。この時、骨成長段階分析装置1000は、相関関係情報を利用して演算された骨年齢に対応する骨成長段階情報を基準成長段階として演算するように構成され得る。基準成長段階を演算する内容については、
図8に関連してより具体的に叙述することにする。
【0059】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、最終成長段階情報演算部を含むことができる。骨成長段階分析装置1000の最終成長段階情報演算部は、骨格成熟指標に基づいて演算された臨時成長段階と、骨年齢に基づいて演算された基準成長段階とに基づいて最終成長段階情報を演算するように構成され得る。一例として、最終成長段階情報演算部は、演算された臨時成長段階に対する補正イベントが存在するかどうかを判断し、補正イベントが存在する場合には基準成長段階に基づいて臨時成長段階を補正して最終成長段階情報を獲得するように構成され得る。反面、補正イベントが存在しない場合には最終成長段階情報演算部は演算された臨時成長段階を最終成長段階情報と決定するように構成され得る。最終成長段階情報を演算する内容については、
図9~
図12に関連してより具体的に叙述することにする。
【0060】
以下では、
図3~
図12を参照して本出願の一実施形態に係る骨の成長段階分析方法についてより具体的に説明することにする。骨の成長段階分析方法を説明するにおいて、
図2に関連して説明した重複する実施形態は省略され得るが、これは説明の便宜のためのものに過ぎず、これに制限的に解釈されてはならない。
【0061】
図3は、本出願の一実施形態に係る骨成長段階の分析方法を示したフローチャートである。
【0062】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階の分析方法は、骨領域を含む医療イメージを獲得する段階(S1000)、関心領域を検出する段階(S2000)、各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階(S3000)、骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算する段階(S4000)、医療イメージの全体領域から骨年齢を演算する段階(S5000)、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、相関関係情報を利用して演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算する段階(S6000)、および臨時成長段階および基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算する段階(S7000)を含むことができる。
【0063】
骨領域を含む医療イメージを獲得する段階(S1000)では、骨成長段階分析装置1000は、送受信部1100を通じて医療映像獲得装置100を通じて撮影された医療イメージを含むことができる。この時、医療イメージは、骨領域を含むイメージを包括して指称する。
【0064】
関心領域を検出する段階(S2000)では、骨成長段階分析装置1000は、医療イメージから関心領域を検出することができる。具体的には、骨成長段階分析装置1000は、骨格成熟指標を演算するために少なくとも一つ以上の関心領域を検出することができる。例えば、関心領域は、第3指の末節骨DP3、第3指の中節骨MP3、第3指の基節骨PP3MC、第5指の中節骨MP5、親指の中手骨PP1、および橈骨(Radius)のうち少なくとも一つに対応する領域であり得る。一方、本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、人工知能技法を活用して医療イメージから関心領域を検出することができる。
【0065】
図4は、本出願の一実施形態に係る関心領域を獲得する様相を説明するための図面である。具体的には、
図4(a)は、学習が完了した人工知能モデルを利用して関心領域を検出する様相を説明するための図面である。また、
図4(b)は、関心領域を検出するための人工知能モデルを訓練させる様相を説明するための図面である。
【0066】
本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、学習が完了した人工知能モデルを利用して医療イメージから関心領域を検出することができる。具体的には、骨成長段階分析装置1000は、学習が完了した人工知能モデルに医療イメージを入力し、人工知能モデルを通じて出力される関心領域情報を獲得することができる。
【0067】
学習が完了した人工知能モデルは、医療イメージと、医療イメージに含まれた各関心領域に割り当てられたラベル情報とで構成された学習データセットに基づいて訓練され得る。具体的には、人工知能モデルは、医療イメージに基づいて各関心領域に関連した予測値を出力するように構成され得る。この時、骨成長段階分析装置1000は、予測値と各関心領域に割り当てられたラベル情報との差に基づいて人工知能モデルに含まれたパラメータ情報を更新することによって、人工知能モデルを訓練させることができる。特に人工知能モデルはラベル情報に近似されるように予測値を出力するように訓練され得、訓練が完了した人工知能モデルは医療イメージから関心領域情報を演算することができる。
【0068】
各関心領域別に骨格成熟指標を演算する段階(S3000)では、骨成長段階分析装置1000は、S2000段階を通じて獲得した関心領域情報に基づいて骨格成熟指標を演算することができる。一例として、骨成長段階分析装置1000は、人工知能技法を活用して関心領域に基づいて関心領域(例えば、第3指の末節骨DP3、第3指の中節骨MP3、第3指の基節骨PP3MC、第5指の中節骨MP5、親指の中手骨PP1等)の骨幹と骨端の広さの一致の有無、骨幹を骨端が覆ったかどうか、または骨端の融合の有無により複数の下位分類(例えば、第1分類~第11分類)で構成された骨格成熟指標(例えば、skeletal maturity indicators(SMI))を演算することができる。
【0069】
以下では、
図5および
図6を参照して本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標を演算する内容についてより具体的に叙述することにする。
図5は、本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標を演算する段階を具体化したフローチャートである。
図6は、本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標を演算する様相を説明するための図面である。具体的には、
図6(a)は、学習が完了した人工知能モデルを利用して骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を演算する様相を説明するための図面である。また、
図6(b)は、骨格成熟指標を演算するための人工知能モデルを訓練させる様相を説明するための図面である。
【0070】
本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標を演算する段階(S3000)は、学習が完了した人工知能モデルを獲得する段階(S3100)、および学習が完了した人工知能モデルを通じて、関心領域から骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を獲得する段階(S3200)をさらに含むことができる。
【0071】
学習が完了した人工知能モデルを獲得する段階(S3100)では、骨成長段階分析装置1000は、送受信部1100を通じて骨格成熟指標を演算するように構成された学習が完了した人工知能モデルの実行データを獲得することができる。ここで、実行データとは、人工知能モデルの演算情報、構造情報、および/またはパラメータ情報を含んで学習が完了した人工知能モデルを適切に実行させるための任意のデータを包括する意味であり得る。
【0072】
本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標を演算するための人工知能モデルは、関心領域の構造的形態と、関心領域の構造的形態により分類された骨格成熟指標の下位分類値とで構成された学習データセットに基づいて訓練され得る。具体的には、骨格成熟指標を演算するための人工知能モデルは、医療イメージの関心領域に基づいて関心領域の構造的形態により骨格成熟指標の下位分類値に対応する予測値を出力するように構成され得る。この時、この時、骨成長段階分析装置1000は、予測値と、関心領域の構造的形態により分類された骨格成熟指標の下位分類値との差に基づいて人工知能モデルに含まれたパラメータ情報を更新することによって、人工知能モデルを訓練させることができる。特に人工知能モデルは骨格成熟指標の下位分類値に近似されるように予測値を出力するように訓練され得、訓練が完了した人工知能モデルは関心領域の構造的形態を分析して骨格成熟指標の特定下位分類に該当する確率値を演算することができる。
【0073】
学習が完了した人工知能モデルを通じて、関心領域から骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を獲得する段階(S3200)では、骨成長段階分析装置1000は、学習が完了した人工知能モデルを利用して関心領域から骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を獲得することができる。具体的には、骨成長段階分析装置1000は、学習が完了した人工知能モデルにS2000段階を通じて獲得した関心領域情報を入力し、人工知能モデルを通じて出力される骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を獲得することができる。
【0074】
一方、
図6では骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値を獲得するものと説明した。ただし、これは例示に過ぎず、骨格成熟指標の下位分類に関連した任意の形態の情報を出力するように人工知能モデルが適切に構成され得る。
【0075】
骨格成熟指標に基づいて臨時成長段階を演算する段階(S4000)では、骨成長段階分析装置1000は、S3000段階(あるいはS3200段階)を通じて獲得した骨格成熟指標(あるいは骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値)に基づいて骨の臨時成長段階を演算することができる。
【0076】
図7は、本出願の一実施形態に係る骨格成熟指標から臨時成長段階を演算する様相を説明するための図面である。
【0077】
一例として、骨成長段階分析装置1000は、対象者が男児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第6段階~第7段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期と判断することができる。または、骨成長段階分析装置1000は、対象者が男児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第1段階~第5段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期前と判断することができる。または、骨成長段階分析装置1000は、対象者が男児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第8段階~第11段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期後と判断することができる。
【0078】
他の例として、骨成長段階分析装置1000は、対象者が女児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第4段階~第6段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期と判断することができる。または、骨成長段階分析装置1000は、対象者が女児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第1段階~第3段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期前と判断することができる。または、骨成長段階分析装置1000は、対象者が女児であり骨格成熟指標(例えば、SMI)が第7段階~第11段階として演算された場合には、臨時成長段階を急成長期後と判断することができる。
【0079】
一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、分類された骨格成長指標の下位分類のうち最も大きい段階の下位分類に対応する成長段階を臨時成長段階と決定することができる。例えば、骨格成長指標(例えば、SMI)の演算の結果として、第2段階の下位分類(すなわち、第3指の中節骨の骨幹、骨端の広さが一致することが検出される)に分類され、第6段階の下位分類(すなわち、第3指の中節骨の骨端を覆うことが検出される)に分類されたが、第3段階~第5段階および第7段階~第11段階の下位分類は分類されない場合が存在し得る。この時、骨成長段階分析装置1000は、分類された骨格成長指標のうち最も大きい段階(すなわち、第6段階)の下位分類に対応する成長段階(例えば、急成長期)を臨時成長段階として演算することができる。
【0080】
ただし、骨格成熟指標に基づいて演算された臨時成長段階は、
図9と
図10で後述するように、誤差が存在する可能性が存在する。したがって本出願の一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、骨年齢を演算し、演算された骨年齢を利用して臨時成長段階を補正するように構成され得る。
【0081】
医療イメージの全体領域から骨年齢を演算する段階(S5000)では、骨成長段階分析装置1000は、医療イメージの全体領域を分析して骨年齢を演算することができる。一実施形態によると、骨成長段階分析装置1000は各関心領域から抽出された特徴値と、全体領域から抽出された特徴値とに基づいて骨年齢を演算するように構成され得る。
【0082】
骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得し、相関関係情報を利用して演算された骨年齢に対応する基準成長段階を演算する段階(S6000)では、骨成長段階分析装置1000は、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報を獲得することができる。例えば、骨年齢と骨成長段階との間の相関関係情報は、骨年齢と成長速度との間の相関関係情報と、成長速度による骨成長段階情報とを含むことができる。この時、骨成長段階分析装置1000は、相関関係情報を利用して演算された骨年齢に対応する骨成長段階情報を基準成長段階として演算するように構成され得る。
【0083】
図8は、本出願の一実施形態に係る骨年齢から基準成長段階を演算する様相を説明するための図面である。具体的には、
図8(a)は、一形態の相関関係情報から基準成長段階を演算する様相を図示した図面である。また、
図8(b)は、他の形態の相関関係情報から基準成長段階を演算する図示した図面である。
【0084】
図8(a)を参照すると、骨成長段階分析装置1000は、年齢による身長の年間成長値で構成された相関関係情報から基準成長段階を演算するように構成され得る。例えば、骨成長段階分析装置1000は、相関関係情報の身長の年間成長値により予め区分された成長段階に基づいて基準成長段階を演算するように構成され得る。具体的には、骨成長段階分析装置1000は、S5000段階を通じて演算された骨年齢(*)を獲得し、演算された骨年齢に対応する予め区分された成長段階(例えば、
図8(a)での演算された骨年齢に対応する急成長期段階)を基準成長段階として演算するように構成され得る。
【0085】
図8(b)を参照すると、骨成長段階分析装置1000は、性別および年齢による身長の年間成長値で構成された相関関係情報から基準成長段階を演算するように構成され得る。例えば、骨成長段階分析装置1000は、相関関係情報の身長の年間成長値により予め区分された成長段階および性別に基づいて基準成長段階を演算するように構成され得る。具体的には、骨成長段階分析装置1000は、分析対象の医療イメージに対応する被施術者の性別情報と、S5000段階を通じて演算された骨年齢(*)とを獲得し、演算された骨年齢に対応する予め区分された成長段階(例えば、男児である場合には
図8(b)での演算された骨年齢に対応する急成長期段階、女児である場合には急成長期後段階)を基準成長段階として演算するように構成され得る。
【0086】
図8では特定形態の相関関係情報から基準成長段階を演算するものと説明した。ただし、これは説明の便宜のためのものに過ぎず、任意の適切な形態の骨年齢と骨の成長段階との間の相関関係情報を利用して演算された骨年齢から基準成長段階が演算され得るであろう。
【0087】
臨時成長段階および基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算する段階(S7000)では、骨成長段階分析装置1000は、骨格成熟指標に基づいて演算された臨時成長段階と、骨年齢に基づいて演算された基準成長段階とに基づいて骨の最終成長段階情報を演算することができる。具体的には、骨成長段階分析装置1000は、演算された臨時成長段階に対して補正イベントが存在するかどうかを判断し、判断結果により臨時成長段階と基準成長段階に基づいて骨の最終成長段階情報を演算することができる。
【0088】
以下では、
図9~
図12を参照して本出願の一実施形態に係る骨の最終成長段階情報を演算する内容についてより具体的に叙述することにする。
【0089】
図9は、本出願の一実施形態に係る骨の最終成長段階情報を演算する段階を具体化したフローチャートである。
【0090】
本出願の一実施形態に係る骨の最終成長段階情報を演算する段階(S7000)は、演算された臨時成長段階の補正イベントを検出する段階(S7100)、および補正イベントが検出された場合には基準成長段階に基づいて臨時成長段階を補正して最終成長段階情報を獲得し、補正イベントが検出されなかった場合には演算された臨時成長段階に基づいて最終成長段階情報を決定する段階(S7200)をさらに含むことができる。
【0091】
演算された臨時成長段階の補正イベントを検出する段階(S7100)では、骨成長段階分析装置1000は、演算された臨時成長段階(または演算された骨格成長指標)に補正イベントが存在するかどうかを判断することができる。
【0092】
図10は、本出願の一実施形態に係る臨時成長段階を補正するための補正イベントを判断する一様相を図示した図面である。
【0093】
一例として、骨成長段階分析装置1000は、演算された骨格成長指標(例えば、SMI)が不連続的に演算された場合には、演算された臨時成長段階に対する補正イベントが存在すると判断することができる。例えば、
図10を参照すると、SMIの演算の結果として、第2段階の下位分類(すなわち、第3指の中節骨の骨幹、骨端の広さが一致することが検出される)に分類され、第6段階の下位分類(すなわち、第3指の中節骨の骨端を覆うことが検出される)に分類されたが、第3段階~第5段階の下位分類に対応する現象は検出されない場合が存在し得る。この時、第3段階~第5段階の下位分類に対応する現象は検出されていないにもかかわらず、第6段階の下位分類値が演算されたため第6段階に対応する急成長期と骨の成長段階を決定するのは不正確である可能性が高い。
【0094】
したがって、骨成長段階分析装置1000は、演算された骨格成長指標の下位分類が不連続的に演算された場合には、演算された臨時成長段階に対する補正イベントが存在すると判断するように構成され得る。
【0095】
一方、骨成長段階分析装置1000は、演算された骨格成長指標の下位分類が連続的に演算された場合には演算された臨時成長段階に補正イベントが存在しないと判断し、前述した通り、最も大きい段階の下位分類に対応する骨の成長段階を臨時成長段階と決定することができる。
【0096】
図11は、本出願の一実施形態に係る臨時成長段階を補正するための補正イベントを判断する一様相を図示した図面である。
【0097】
前述した通り、一実施形態に係る骨成長段階分析装置1000は、人工知能モデルを通じて骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値(例えば、
図11の確率値P1~P11)の形態の情報を獲得するように構成され得る。この時、骨成長段階分析装置1000は、骨格成熟指標の下位分類に該当する確率値に基づいて臨時成長段階に該当する確率値(例えば、急成長期、急成長期前、急成長期後のうちいずれか一つに該当する確率値)を演算することができる。この時、骨成長段階分析装置1000は、臨時成長段階に該当する確率値を予め定められた閾確率値と比較し、臨時成長段階に該当する確率値が閾確率値より小さいか閾確率値と同じである場合には演算された臨時成長段階に補正イベントが存在すると判断するように構成され得る。一方、臨時成長段階に該当する確率値が閾確率値より大きい場合には、骨成長段階分析装置1000は演算された臨時成長段階に補正イベントが存在しないと判断するように構成され得る。
【0098】
一例として、骨成長段階分析装置1000は、骨格成熟指標に基づいて演算された臨時成長段階と、骨年齢に基づいて演算された基準成長段階とを比較し、臨時成長段階と基準成長段階とが一致しなかった場合には臨時性情段階に補正イベントが存在すると判断し、臨時成長段階と基準成長段階とが一致する場合には臨時性情段階に補正イベントが存在しないと判断することができる。例えば、臨時成長段階が急成長期として演算されたが基準成長段階が急成長期前として演算された場合には、骨成長段階分析装置1000は臨時成長段階に補正イベントが存在すると判断することができる。例えば、臨時成長段階と基準成長段階がすべて急成長期として演算された場合には、骨成長段階分析装置1000は臨時性情段階に補正イベントが存在しないと判断することができる。
【0099】
図12は、本出願の一実施形態に係る骨の最終成長段階情報を演算する様相を説明するための図面である。
【0100】
補正イベントが検出された場合には基準成長段階に基づいて臨時成長段階を補正して最終成長段階情報を獲得し、補正イベントが検出されなかった場合には演算された臨時成長段階に基づいて最終成長段階情報を決定する段階(S7200)では、骨成長段階分析装置1000は、S7100段階を通じて臨時成長段階に補正イベントが存在すると判断された場合には、骨年齢に基づいて演算された基準成長段階を利用して臨時成長段階を補正して骨の最終成長段階情報を獲得することができる。反面、骨成長段階分析装置1000は、S7100段階を通じて臨時成長段階に補正イベントが存在しないと判断された場合には、骨格成熟指標に基づいて演算された臨時成長段階を骨の最終成長段階情報を決定するように構成され得る。
【0101】
一方、
図9~
図12では補正イベントが検出された場合には臨時成長段階を補正するものと説明した。ただし、これは例示に過ぎず、補正イベントが検出された場合には、骨成長段階分析装置1000は、骨格成熟指標の下位分類情報を補正し、補正された骨格成熟指標に基づいて骨の成長段階情報を演算するように具現されてもよいであろう。
【0102】
本出願の実施形態に係る骨成長段階分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システムによると、骨格成熟指標に基づいて演算された成長段階と、骨年齢に基づいて演算された成長段階とに基づいて骨の成長段階情報を演算することによって、より精密に骨の成長段階を演算することができる。
【0103】
本出願の実施形態に係る骨成長段階分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システムによると、骨格成熟指標に基づいて演算された成長段階に存在する補正イベントを検出し、骨年齢に基づいて演算された成長段階を利用して骨格成熟指標に基づいて演算された成長段階を補正することによって、より精密に骨の成長段階を演算することができる。
【0104】
本出願の実施形態に係る骨成長段階分析方法、骨成長段階分析装置、および骨成長段階分析システムによると、骨の成長段階を精密に演算することによって、各成長段階に適切な矯正治療を被施術者に提供することができる。
【0105】
前述した骨成長段階分析装置1000の多様な動作は骨成長段階分析装置1000のメモリ1200に保存され得、骨成長段階分析装置1000のプロセッサ1300はメモリ1200に保存された動作を遂行するように提供され得る。
【0106】
以上で実施形態に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態にのみ限定されるものではない。ひいては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施形態に対しても組み合わせまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に関係した内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0107】
また、以上で実施形態を中心に説明したが、これは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるであろう。すなわち、実施形態に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は添付された請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】