(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】仮想ネットワーク機能の電力管理コンポーネントおよび電力管理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0895 20220101AFI20240920BHJP
【FI】
H04L41/0895
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502107
(86)(22)【出願日】2023-07-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 EP2023071148
(87)【国際公開番号】W WO2024037863
(87)【国際公開日】2024-02-22
(32)【優先日】2022-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】コスタス,カトサリス
(72)【発明者】
【氏名】マルケス,トリアイ ヨアン
(72)【発明者】
【氏名】谷口 航介
(72)【発明者】
【氏名】久野 友也
(57)【要約】
ある実施形態によれば、電力管理コンポーネントが記載される。電力管理コンポーネントは、仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶するように構成されたメモリを有する。各電力状態について、省電力プロファイルは、その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される前記物理資源によって提供される仮想化コンテナの量、およびその電力状態において提供される前記仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す。電力管理コンポーネントは、前記仮想ネットワーク機能についての前記電力状態の1つを選択し、選択された電力状態について記憶されている前記省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されたコントローラを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理コンポーネントであって、
仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶するように構成されたメモリであって、各電力状態について、前記省電力プロファイルは、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される前記物理資源上に展開された仮想化コンテナの量、および
・その電力状態において提供される前記仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す、
メモリと;
コントローラであって、
・前記仮想ネットワーク機能についての電力状態の1つを選択し;
・第1の電力状態から第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御し;
・前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、前記仮想ネットワーク機能についての動作状態情報を記憶し;
・前記第2の電力状態から、選択された電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、記憶された前記動作状態情報を考慮に入れて前記仮想ネットワーク機能を構成し;
・前記選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されている、
コントローラとを有する。
電力管理コンポーネント。
【請求項2】
前記仮想ネットワーク機能の電力状態が変更されるべきであることを示す情報を受信するように構成された入力インターフェースを有しており、前記コントローラは、前記情報の受信に応答して、前記電力状態のうちの前記1つを選択し、前記選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するように前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されている、請求項1に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項3】
前記情報は、電力状態を現在の状態から変更する要求である、請求項2に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項4】
前記情報は、前記仮想ネットワーク機能の消費電力に関する情報を含む、請求項2または3に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項5】
各省電力プロファイルは、該省電力プロファイルに従った前記仮想ネットワーク機能の動作の電力消費を示す、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項6】
各省電力プロファイルは、該省電力プロファイルにおいて動作させられる前記仮想ネットワーク機能の仮想ネットワーク機能コンポーネントの数をさらに指定する、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項7】
前記コントローラは、電力消費測定に基づいて各省電力プロファイルについての電力消費を決定するように構成される、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項8】
前記コントローラは、各省電力プロファイルについて、決定された電力消費を前記省電力プロファイルに含めるように構成される、請求項7に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項9】
前記電力管理コンポーネントは、決定された電力消費を考慮に入れて前記電力状態を選択するように構成される、請求項7に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項10】
前記コントローラは、前記選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルが許す限り、記憶された動作状態情報に従って前記仮想ネットワーク機能を構成するように構成される、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項11】
前記メモリは、前記仮想ネットワーク機能の前記複数の電力状態のそれぞれについて、NFV-MANOからのそれぞれの省電力プロファイルを受領するようにさらに構成され、
前記コントローラは、前記複数の電力状態のいずれか1つについての省電力プロファイルが前記メモリにおいて存在しない場合に、前記複数の電力状態の前記いずれか1つについての省電力プロファイルをまとめるようにさらに構成される、
請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項12】
前記メモリは、複数の仮想ネットワーク機能のそれぞれについて、その仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれについての省電力プロファイルを個別に記憶するように構成される、請求項11に記載の電力管理コンポーネント。
【請求項13】
仮想ネットワーク機能の電力管理のための方法であって:
仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶する段階であって、
各電力状態について、前記省電力プロファイルは、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される前記物理資源上に展開された仮想化コンテナ(VMおよびOSコンテナ)の量、および
・その電力状態において提供される前記仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す、
段階と;
前記仮想ネットワーク機能についての電力状態の1つを選択する段階と;
第1の電力状態から第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する段階と;
前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、前記仮想ネットワーク機能についての動作状態情報を記憶する段階と;
前記第2の電力状態から、選択された電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、記憶された前記動作状態情報を考慮に入れて前記仮想ネットワーク機能を構成する段階と;
・前記選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御する段階とを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仮想ネットワーク機能の電力管理コンポーネントおよび電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムでは、多くの技術システムと同様に、できるだけ少ない電力を消費することが望ましい。これは特に、物理資源、仮想資源(すなわち、仮想化コンテナ)、および実際のアプリケーション(すなわち、実際のネットワーク機能)という複数の「層」を含む通信システムの仮想ネットワーク機能に関連する。これらのすべての層が電力消費に影響し、一方では電力管理のための多くの自由度を提供するが、他方では仮想ネットワーク機能のための最適な電力管理を複雑にする。したがって、仮想ネットワーク機能のために効果的に電力消費を最適化できるようにするアプローチが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある実施形態によれば、電力管理コンポーネントが提供され、該電力管理コンポーネントは、仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶するように構成されたメモリであって、各電力状態について、省電力プロファイルは、
・電力状態において仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、
・電力状態において仮想ネットワーク機能によって使用される物理資源上に展開された仮想化コンテナ(VMおよびOSコンテナ)の量、および
・電力状態において提供される仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す、
メモリと;
コントローラであって、
・前記仮想ネットワーク機能についての電力状態のいずれかを選択し;
・第1の電力状態から第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御し;
・前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、前記仮想ネットワーク機能についての動作状態情報を記憶し;
・前記第2の電力状態から選択された電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、記憶された前記動作状態情報を考慮に入れて前記仮想ネットワーク機能を構成し;
・選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されている、
コントローラとを含む。
【0004】
図面では、同様の参照符号は、一般に、種々の図を通じて同じ部分を指す。図面は必ずしも同縮尺ではなく、その代わりに一般に、本発明の原理を例解することに重点が置かれている。以下の説明では、以下の図面を参照してさまざまな側面が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】ネットワーク機能仮想化管理および統率(NFV-MANO)アーキテクチャー・フレームワークを含むアーキテクチャーを示す。
【
図3】ある実施形態によるVNF汎用OAM(運用・管理・保守)機能へのVNF電力マネージャーの追加を示す。
【
図4】仮想化コンテナの上で動作する2つのVNFを示す。
【
図5】VNF(電力)ステートマシンの状態図を示す。
【
図6】通常動作モードにおけるVNFのVNF動作状態情報、続いてスリープ・モードに入った後のVNFのVNF動作状態情報、続いて通常動作モードにおけるVNFのVNF動作状態情報を示す。
【
図7】1つのVNFに属し、分散式に展開された2つのVNFコンポーネントによるVNFの展開を示す。
【
図8】電力管理に関するVNF構成のフロー図を示す。
【
図9】電力管理用のためにVNFを登録する方法を示すフロー図を示す。
【
図10】VNFをスリープ・モードに設定する方法を示すフロー図を示す。
【
図11】VNFをスリープ・モードから通常動作モードの電力管理に復元する方法を示すフロー図を示す。
【
図12】ある実施形態による電力管理コンポーネントを示す。
【
図13】仮想ネットワーク機能の電力管理方法を示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、本発明が実施されうる本開示の具体的な詳細および側面を、例示として示す添付図面を参照する。他の側面が利用されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的、論理的および電気的な変更を行うことができる。この開示のさまざまな側面は、必ずしも相互に排他的ではなく、この開示のいくつかの側面は、この開示の一つまたは複数の他の側面と組み合わせて新しい側面を形成することができる。
【0007】
この開示の諸側面に対応するさまざまな例を以下に示す。
【0008】
実施例1は、電力管理コンポーネントであって、該電力管理コンポーネントは、仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶するように構成されたメモリであって、各電力状態について、前記省電力プロファイルは、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される前記物理資源上に展開された仮想化コンテナの量、および
・その電力状態において提供される前記仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す、
メモリと;
コントローラであって、
・前記仮想ネットワーク機能についての電力状態の1つを選択し;
・第1の電力状態から第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御し;
・前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、前記仮想ネットワーク機能についての動作状態情報を記憶し;
・前記第2の電力状態から、ある選択された電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、記憶された前記動作状態情報を考慮に入れて前記仮想ネットワーク機能を構成し;
・前記選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されている、
コントローラとを含む、
電力管理コンポーネントである。
【0009】
実施例2は、前記仮想ネットワーク機能の電力状態が変更されるべきであることを示す情報を受信するように構成された入力インターフェースを含む実施例1の電力管理コンポーネントであって、前記コントローラは、前記情報の受信に応答して、前記電力状態のうちの前記1つを選択し、選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するように前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されている。
【0010】
実施例3は、実施例2の電力管理コンポーネントであり、前記情報は、電力状態を現在の状態から変更する要求である。
【0011】
実施例4は、実施例2または3の電力管理コンポーネントであり、前記情報は、前記仮想ネットワーク機能の消費電力に関する情報を含む。
【0012】
実施例5は、実施例1ないし4のうちいずれか一項の電力管理コンポーネントであり、各省電力プロファイルは、該省電力プロファイルに従った前記仮想ネットワーク機能の動作の電力消費を示す。
【0013】
実施例6は、実施例1ないし5のうちいずれか一項の電力管理コンポーネントであり、各省電力プロファイルは、該省電力プロファイルで動作させられる前記仮想ネットワーク機能の仮想ネットワーク機能コンポーネントの数をさらに指定する。
【0014】
実施例7は、実施例1ないし6のうちいずれか一項の電力管理コンポーネントであり、前記コントローラは、電力消費測定に基づいて各省電力プロファイルについての電力消費を決定するように構成される。
【0015】
実施例8は、実施例1ないし5のうちいずれか一項の電力管理コンポーネントであり、前記コントローラは、各省電力プロファイルについて、決定された電力消費を前記省電力プロファイルに含めるように構成される。
【0016】
実施例9は、実施例7または8の電力管理コンポーネントであり、該電力管理コンポーネントは、決定された電力消費を考慮に入れて前記電力状態を選択するように構成される。
【0017】
実施例10は、実施例1ないし9のうちいずれか一項の電力管理コンポーネントであり、前記コントローラは、第1の電力状態から第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成され、前記コントローラは、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、前記仮想ネットワーク機能に関する動作状態情報を記憶し、前記第2の電力状態から前記選択された電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、記憶された動作状態情報を考慮に入れて前記仮想ネットワーク機能を構成するように構成される。
【0018】
実施例11は、実施例10の電力管理コンポーネントであり、前記コントローラは、選択された電力状態について記憶された省電力プロファイルが許す限り、記憶された動作状態情報に従って前記仮想ネットワーク機能を構成するように構成される。
【0019】
実施例12は、実施例11の電力管理コンポーネントであり、前記メモリは、複数の仮想ネットワーク機能のそれぞれについて、前記仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれについて省電力プロファイルを個別に記憶するように構成される。
【0020】
実施例13は、仮想ネットワーク機能の電力管理のための方法であり、仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶する段階であって、各電力状態について、前記省電力プロファイルは、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される前記物理資源上に展開された仮想化コンテナ(VMおよびOSコンテナ)の量、および
・その電力状態において提供される前記仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す、
段階と;
・前記仮想ネットワーク機能についての電力状態の1つを選択する段階と;
・第1の電力状態から第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する段階と;
・前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、前記仮想ネットワーク機能についての動作状態情報を記憶する段階と;
・前記第2の電力状態から、ある選択された電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、記憶された前記動作状態情報を考慮に入れて前記仮想ネットワーク機能を構成する段階と;
・前記選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御する段階とを含む。
【0021】
上記の例のうち任意のものの特徴の一つまたは複数は、他の例のうち任意のものと組み合わせることができることに注意されたい。特に、デバイスのコンテキストで記載されている実施例は、方法についても同様に有効である。
【0022】
さらなる実施形態によれば、コンピュータによって実行されると、該コンピュータに上記の実施例のいずれかの方法を実行させる命令を含むコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ可読媒体が提供される。
【0023】
以下、さまざまな例についてより詳細に説明する。
【0024】
図1は、たとえば3GPP(登録商標)(Third Generation Partnership Project[第三世代パートナーシッププロジェクト])によって規定された5G(Fifth Generation[第五世代])に従って構成された移動無線通信システム100を示す。
【0025】
移動無線通信システム100は、UE(user equipment[ユーザー機器])等の移動無線端末装置102を含む。移動無線端末装置102は、加入者端末とも呼ばれ、端末側を形成する一方、以下で記載される移動無線通信システム100の他の構成要素は、移動通信ネットワーク側、すなわち移動通信ネットワーク(たとえば、Public Land Mobile Network[公共地上移動体ネットワーク]、PLMN)の一部である。
【0026】
さらに、移動無線通信システム100は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)103を含み、これは、複数の無線アクセスネットワークノード、すなわち、5G(Fifth Generation)無線アクセス技術(5G New Radio[5Gニューラジオ])に従って無線アクセスを提供するように構成された基地局を含みうる。なお、移動無線通信システム100は、LTE(Long Term Evolution[ロングタームエボリューション])や他の移動無線通信規格(たとえば、Wi-Fiのような非3GPPアクセス)に従って構成されていてもよいが、ここでは5Gが例として使用される。各無線アクセスネットワークノードは、エアインターフェースを通じて移動無線端末装置102との無線通信を提供してもよい。無線アクセスネットワーク103は、任意の数の無線アクセスネットワークノードを含むことができることに留意されたい。
【0027】
移動無線通信システム100は、さらに、RAN 103に接続されたアクセスおよびモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function、AMF)101、統一データ管理(Unified Data Management、UDM)104およびネットワークスライス選択機能(Network Slice Selection Function、NSSF)105を含むコア・ネットワーク(5GC)119をさらに含む。ここおよび以下の例では、UDMはさらに、たとえばUDR(Unified Data Repository[統一データリポジトリ])として知られる実際のUEのサブスクリプションデータベースから構成されてもよい。コア・ネットワーク119は、さらに、AUSF(Authentication Server Function[認証サーバー機能])114、PCF(Policy Control Function[ポリシー制御機能])115およびAF(application function[アプリケーション機能])120を含む。
【0028】
コア・ネットワーク119は、複数のコアネットワークスライス106、107を有することができ、各コアネットワークスライス106、107について、事業者(モバイルネットワークオペレータ[Mobile Network Operator]からMNOとも呼ばれる)は、複数のコアネットワークスライスインスタンス108、109を作成することができる。たとえば、コア・ネットワーク119は、向上モバイルブロードバンド(Enhanced Mobile Broadband、eMBB)を提供するための3つのコアネットワークスライスインスタンス(core network slice instance、C-NSI)108を有する第1のコアネットワークスライス106と、車両対万物(Vehicle-to-Everything、V2X)を提供するための3つのコアネットワークスライスインスタンス(network slice instance、NSI)109を有する第2のコアネットワークスライス107とを含む。
【0029】
典型的には、コアネットワークスライスが展開される(すなわち生成される)と、ネットワーク機能(network function、NF)がインスタンス化されるか、または(すでにインスタンス化されている場合は)コアネットワークスライスインスタンスを形成するために参照され、コアネットワークスライスインスタンスに属するネットワーク機能は、コアネットワークスライスインスタンス識別情報を用いて構成される。
【0030】
具体的には、示された例では、第1のコアネットワークスライス106の各インスタンス108は、第1のセッション管理機能(SMF)110および第1のユーザープレーン機能(UPF)111を含み、第2のコアネットワークスライス107の各インスタンス109は、第2のセッション管理機能(SMF)112および第2のユーザープレーン機能(UPF)113を含む。SMF 110、112は、PDU(Protocol Data Unit[プロトコルデータ単位])セッションを扱うため、すなわち、PDUセッションを生成、更新および除去し、ユーザープレーン機能(UPF)とのセッションコンテキストを管理するためのものである。
【0031】
RAN 103およびコア・ネットワーク119は、移動無線通信システムのネットワーク側をなす、すなわち、移動無線通信ネットワークをなす。移動無線通信ネットワークと、移動無線通信ネットワークにアクセスする移動端末とが一緒になって移動無線通信システムをなす。
【0032】
コア・ネットワーク119と同様に、RAN 103もスライスされてもよい、すなわち、複数のRANスライスを含むことができる。RANスライスおよびコアネットワークスライス106、107は、グループ化されてネットワークスライスを形成してもよい。
【0033】
以下では、「ネットワークスライス」(または単に「スライス」)は、一般にコアネットワークスライスを指すが、RANスライスやトランスポートネットワークスライスを含んでいてもよい。
【0034】
移動無線通信システム100は、OAM(Operation, Administration and Maintenance[運用・管理・保守])機能(またはエンティティ)116をさらに含むことができ、たとえば、RAN 103およびコア・ネットワーク119に接続されている(簡単のため接続は図示していない)一つまたは複数のOAMサーバーによって実装される。OAM 116は、MDAS(Management Data Analytics Service[管理データ分析サービス])を含むことができる。MDASは、たとえば、ネットワークスライスインスタンスの負荷に関する分析レポートを提供することができる。ネットワークスライスインスタンスの負荷には、さまざまな要因が影響する可能性がある。たとえば、ネットワークにアクセスするUEの数、QoSフローの数、ネットワークスライスインスタンスに関連する種々のNFの資源使用率などである。
【0035】
さらに、コア・ネットワーク118は、NRF(Network Repository Function[ネットワークリポジトリ機能])を含む。
【0036】
コア・ネットワーク119は、さらに、ネットワークデータ分析機能(Network Data Analytics Function、NWDAF)117を含んでいてもよい。NWDAFは、ネットワーク機能からの要求の際に、ネットワーク分析および/または予測情報を提供することを受け持つ。
【0037】
さまざまなネットワーク機能は、特別なハードウェア、すなわちいわゆるACTA(Advanced Telecommunications Computing Architecture[先進遠隔通信コンピューティングアーキテクチャー])デバイス上に実装されることができる。これは、ネットワーク機能が特別なハードウェア上に展開された物理的なネットワーク機能として実装されることを意味する。ネットワーク機能を実装するためのソフトウェアは、ハードウェアと強く結合される。
【0038】
しかしながら、ネットワーク機能を特別でないハードウェア、すなわち、COTS(Commercial off-the-shelf[商業的な既成の])サーバー上で(すなわち、汎用またはオープンなコンピューティングプラットフォーム、すなわちデバイス上で)展開された仮想マシン(および/またはコンテナ)上で実行されるソフトウェアアプリケーションとしても実装することが望ましい場合がある。これは、仮想化技術(たとえばハイパーバイザー、オペレーティング・システム(OS)コンテナなど)によって可能にされる ネットワーク機能(たとえば、SMF、PCFなど)は、仮想マシン(一つまたは複数のvCPUをもつVM)および/または(オペレーションシステム(OS))コンテナ(コンテナは「軽量」VMと見なすことができる)において展開されることができる。これらは仮想ネットワーク機能(virtual network function、VNF)と呼ばれる。VMおよびOSコンテナは、ここでは一般的な用語「仮想化コンテナ(virtualization container)」によって参照される。
【0039】
ネットワーク機能仮想化管理および統率(Network Function Virtualization Management and orchestration、NFV-MANO)は、ETSI(European Telecommunications Standards Institute[欧州電気通信標準機関])ネットワーク機能仮想化(network functions virtualization、NFV)アーキテクチャーの重要な要素である。MANOは、クラウドベースのアプリケーションのためのネットワーク資源を調整し、仮想ネットワーク機能(VNF)とネットワークサービスのライフサイクル管理を調整するアーキテクチャー・フレームワークである。そのため、迅速で信頼性の高いNFV展開を大規模に確保するために重要である。MANOは、とりわけ、NFVオーケストレーター(NFV orchestrator、NFVO)、VNFマネージャー(VNF manager、VNFM)、および仮想インフラストラクチャーマネージャー(virtual infrastructure manager、VIM)を含む。
【0040】
図2は、OSS/BSS(operations support system and business support system[運用支援システムおよび業務支援システム])201と、ネットワーク機能仮想化管理および統率(NFV-MANO)アーキテクチャー・フレームワークの簡易版を示している。これは、機能ブロックと機能のコレクション、これらの機能ブロックによって使用されるデータリポジトリ、およびこれらの機能ブロックがNFVを管理および統率するためにそれを通じて情報を交換するところの参照ポイントおよびインターフェースを含む。
【0041】
具体的には、MANOはNFVO 202、VNFM 203、VIM 204、およびCISM(container Infrastructure Service Management)205を含む。以下では、CISM 205はVIM 204の一部であると想定され、よって、VIM 204のみが参照される(すなわち、VIM 204およびCISM 205は、破線で示されるようにまとめられ、VIM 204と呼ばれる)。
【0042】
NFVO 202は、この例ではAMF 207、SMF 208、PCF 209およびAF 210を含むネットワークサービス(NS)206を管理する。ネットワークサービス(NS)は、その機能および挙動仕様によって定義されるネットワーク機能および/またはサービスの混合である。
【0043】
アーキテクチャー200はさらに、VNFが展開される環境を構築するハードウェアおよびソフトウェア・コンポーネントを含むNFVI 211を含む。
【0044】
この例では、SMF 208、PCF 209およびAF 210は、VNFとして、すなわちNFVI 211上に展開可能なNFとして実装される。PCF 209は、仮想マシンにおいて実行されるコンテナ212によって、AF 210は仮想マシン213上で、SMF 208はコンテナ214において実装され、すべてCOTSサーバー215上で実行される。対照的に、AMF 207はATCAデバイス216上で実装される、すなわち物理ネットワーク機能である。
【0045】
NFVO 202はNSライフサイクルを管理し、NSライフサイクル、VNFライフサイクル(VNFM 203によってサポートされる)およびNFVI資源(VIM 204によってサポートされる)の管理を調整して、必要な資源と接続の最適化された割り当てを保証する。
【0046】
VNFM 203はVNFのライフサイクル管理を受け持つ。
【0047】
VIM 204は、NFVIのコンピューティング、ストレージ、およびネットワーク資源の制御と管理を受け持つ機能ブロックであり、典型的にはある事業者のインフラストラクチャードメイン内にある。
【0048】
3GPPによるネットワーク機能は、ネットワーク機能(NF)の管理と構成、およびNF間の相互作用を受け持つが、仮想ネットワーク機能の側面の管理は受け持っていないことに注意する必要がある。実際、3GPP機能は、ネットワーク機能が仮想化されているかどうかさえ認識しない。ETSI NFV-MANOの観点からは、どれがVNF内で「ホスト」されている実際のNFであるかは関係ない。
【0049】
3GPPネットワーク機能(OSSと通信する要素マネージャー)がネットワーク機能を管理し、NFV-MANO(やはりOSSと通信する)が、それらを実装する(すなわちホストする)VNFを管理する。
【0050】
NFV-MANOの観点からは、VNF管理(設定、更新、解放などのライフサイクル管理(life cycle management、LCM))はNFV-MANO(特にVNFM)によって行われ、その構成は要素マネージャーによって行われる。
【0051】
電力を節約するために、たとえば、VNFがNFV-MANOによって管理されるときはO-RANベースの展開では、電力管理は次のように実行されうる:前提条件は、NF(たとえば分散ユニット(distributed unit、DU))がOSSに登録され、無線使用状況がRU(無線ハードウェアユニット)からDUに1分ごとに報告されるということである。スリープ・モードに入る決定は、無線使用状況に基づいて行われる(たとえば、非RT-RIC(non-real time RAN intelligent controller[非リアルタイムRANインテリジェントコントローラ])またはMANOにおけるMDAF(Management Data Analytics Function[管理データ分析機能])、またはVNF電力マネージャーVNF汎用OAM機能によって、またはそれらの相互作用を通じて)。ドロップされるべき(すなわち、スリープ・モードに入るべき)ネットワーク機能は、RB(resource block、資源ブロック)使用レート、オーバーレイ情報、スリープ・モードのターゲット・セル(など)を比較することによって決定される。なお、O-RANでは、RICがどのNFをオフにするかを決定し、NFV-MANOと協働してNFVI(コンピューティング/NW機器)への電力をオフにしたり、VMを停止したりする。
【0052】
さまざまな実施形態によれば、VNFを構成する特別な特性を考慮する(すなわち、物理および仮想資源、アプリケーションおよび/またはVNF LCMを合同で考慮する、すなわち、VNF電力管理(アプリケーションおよび仮想資源)および基礎となる物理電力管理を合同で考慮する)、VNFの電力管理のためのアプローチが提供される。よって、さまざまな実施形態によれば、換言すれば、電力管理はVNFの観点から考慮される(たとえば、純粋に無線資源(たとえばRB)の観点からではなく)。特に、それはVNFのさまざまな電力モード(特にスリープ・モードを含む)の定義を含み、これらの電力モード間(たとえば、VNF動作ステータスとVNFスリープ・モードの間)の状態遷移と、電力管理の面でVNFを管理するプロセスを含み、任意の電力状態遷移後にVNF動作状態を復元することを担うVNF電力管理を実行する機能を導入する。さまざまな実施形態によれば、電力管理に関する相互作用は、NFV-MANOとOSSだけでなく、VNF汎用OAM機能フレームワークによって提供されるすべてのサービスをも用いて可能にされる。
【0053】
特に、さまざまな実施形態によれば、VNF電力管理プロファイルは、仮想化層によって導入される物理とソフトウェアの間の分離を考慮して、VNFレベルでの電力管理を可能にするために確立される。VNF電力管理プロファイルは、VM、アプリケーション(すなわち、提供されたネットワーク機能)および物理資源が電力状態遷移によってどのように影響を受けるかを示す。
【0054】
さらに、さまざまな実施形態によれば、スリープ・モード中にVNFのランタイム情報を維持する(およびスリープ・モードを終了するときにそれを回復する)ことを許容する(動作)状態復元のための機構が提供される。この状態情報は、たとえば、VNFの識別情報、VNF/仮想化コンテナ内の構成情報、およびVNFの電力状態遷移中のNFV-MANO管理オブジェクト情報(NFV-MANO managed objects information)を含む。さらに、低電力モードから復元されるVNFが、状態遷移プロセス中にピア・エンティティに影響を与えることなく、必要な計算、ストレージおよび/またはネットワーク資源と正しい電力状態を回復することが可能にされる。
【0055】
さまざまな実施形態によれば、電力消費(物理的動作)の対象となる要素として、インフラストラクチャーと管理および統率システムとによって提供される電力管理の能力が活用される。さらに、さまざまな実施形態によれば、管理および統率システム(たとえば、NFV-MANO)は、もとの管理オブジェクト情報(managed object information)および構成の追跡を支援するために使用される。
【0056】
さまざまな実施形態によれば、上記の機構、プロセスおよび機能は、以下でVNF電力マネージャー(VNF-PoMF)と呼ばれる電力管理コンポーネントによって提供される。
【0057】
この電力管理コンポーネントは、たとえば、VNF汎用OAM機能フレームワークに導入されてもよく、
図3に示されるように、(可能性としてはNFV-MANOとの相互作用を考慮することなく)いくつかのVNFと相互作用することができる。
【0058】
図3は、ある実施形態によるVFN汎用OAM機能301フレームワーク内のVNF電力マネージャー300の追加を示す。
【0059】
VNF汎用OAM機能301は、一例として、トラフィック・エンフォーサー305に接続された、ネットワーク構成マネージャー302、VNFアップグレード機能303およびVNF構成マネージャー304を含む。VNF汎用OAM機能301はさらに、メトリック・アグリゲーター309およびログ・アグリゲーター310とそれぞれ情報を交換するメトリック解析器307およびログ解析器308に接続された通知マネージャー306を含む。通知マネージャー306はさらに、VNF汎用OAM機能301の時間機能311に接続される。VNF汎用OAM機能の間の異なる相互作用も可能である。
【0060】
VNF汎用OAM機能301(特にVNF電力マネージャー300)は、
図2を参照して説明されるような、OSS 312、MANO 313(すなわち、たとえば、NFVO、VNFMおよびVIMを含む構成)およびNFVI 314を含む(相互接続された)仮想化関連コンポーネントに接続される。
【0061】
VNF汎用OAM機能301は、さらに、複数のVNF 315(簡単のためにそのうちの一つのみが示されている)と通信する。以下では、VNF電力マネージャー300を参照するが、それに関して記述された機能、機構およびプロセスは、電力管理コンポーネントまたはアーキテクチャー内の他の場所に配置された電力管理コンポーネントによって実行されてもよい(すなわち、必ずしもVNF汎用OAM機能フレームワークの一部ではない;たとえば、仮想化(たとえばNFV)管理および統率システムが、VNFの電力状態を管理および制御してもよい)。
【0062】
VNF電力マネージャー300は、以下の機能のうちの一つまたは複数を有する。
・VNF電力プロファイルをまとめる〔コンパイルする〕こと(これらはNFV-MANO 313によっても提供される。たとえば、VNF電力プロファイルは、VNFを展開し、管理するために使用される記述子において記述されることができる。)。
・インフラストラクチャー(またはその対応する管理システム)から取得された電力消費情報を処理することによって、VNF関連の電力情報を収集すること。
・各VNF 315についての電力プロファイルに関する情報を収集し、実際のVNF組成および計算、ストレージ、および/またはネットワーク資源(物理および仮想)の使用状況と関連付けること。
・VNF電力モード(スリープ、レジュームなど)に関連するすべての状態を管理し、関連する状態遷移を実行すること。
・VNF上の電力管理(スリープ/レジューム)を実行するときに、他のVNFとの依存関係を解決する。
・VNF(構成、動作データ、正しい電力状態)のための動作および設定状態を保存し、電力管理操作が実行された後に復元すること。
【0063】
VNF電力プロファイルは、アプリケーション、仮想資源、および物理資源の使用状況に関連する。これについては、
図4を参照して以下でより詳細に説明する。
【0064】
図4は、第1のVNF 401および第2のVNF 402を示す。これらはたとえば、それぞれのアプリケーション(ここでは、第1のVNF 401はAMF 403をホストし、第2のVNFはSMF 404をホストし、これらのSMFは接続されている)と、物理資源(ここでは同じ物理資源407だが、これらは別個であってもよく、たとえば別々のコンピュータであってもよい)によって提供されるそれぞれの仮想資源405、406とを含む。
【0065】
各VNF 401、402についての各電力状態は、それぞれのVNF電力プロファイルに関連付けられる。VNF電力プロファイルは、例として次のことを考慮する。
・アプリケーションと仮想化された資源および物理資源の関係。
・仮想化された資源の組成とその能力/容量。
・VNFの展開フレーバー。
・管理システムによって提供されるVNF電力ポリシー。
【0066】
さらに、VNF電力プロファイルは、さまざまなメトリック(たとえば、アプリケーションKPI、インフラストラクチャー資源電力など)に基づいて正確な電力消費を計算するために、管理および統率システム・エンティティによって調整される。調整されたプロファイルでは、VNFの電力管理を受け持つエンティティ(たとえばVNF電力マネージャー300)は、より正確な電力消費計算を実行できる。
【0067】
表1は、VNF電力プロファイルの例(たとえば、第1のVNF 401についてのもの)を示す。
【表1】
【0068】
上記の諸例の各電力状態プロファイルは、物理インフラストラクチャーが影響を受けないことをも示しうる。
【0069】
第2のVNF 402は、第1のVNF 401とは異なる電力プロファイルを有していてもよい。特に、スリープ・モードは、異なるVNFについては異なる場合がある。
【0070】
たとえば、第1のVNF 401および第2のVNF 402のプロファイルは、次のように定義される。
●VNF 401が(たとえば通常動作モードから)スリープ・モードに入るとき
■アプリケーション・レベルで100スレッドが10スレッドに削減される
■仮想資源レベルで10 vCPSが1 vCPUに減少する
■物理資源レベルで物理ノードがシャットダウンされることができる
●VNF 402が(たとえば通常動作モードから)スリープ・モードに入るとき
■アプリケーション・レベルで1万セッションが100セッションに削減される
■仮想資源レベルでVMが停止される
■物理資源レベルでCPUクロック周波数が10GHzから1GHzに低減される
【0071】
なお、割り当てられた仮想資源と割り当てられた物理資源が同じであっても、スリープ・モードにおけるアプリケーション・レベルと動作モード(たとえば、より多くのセッションを提供する、または一般により高いサービス容量を提供する)におけるアプリケーションの間で、実際の電力消費が異なることがありうる。
【0072】
VNF電力マネージャー300には、たとえば、下記を含みうる。
●VNF電力プロファイルをまとめ、更新するVNF電力プロファイル・マネージャー
●関連するVNF電力メトリックを解析し、推定などを導出するVNF電力メトリック解析器
●VNF電力ポリシーを受領して解析するVNF電力ポリシー・マネージャー
●VNF電力状態マシンと状態間の遷移を管理するVNF電力状態コントローラ。
【0073】
図5は、VNF(電力)状態マシンについての状態図を示す。
【0074】
この例では、VNFはスリープ・モード状態501、スリーピング(すなわち、スリープにはいろうとしている)状態502、レジューミング状態503、通常動作状態504、低電力消費モード状態505、および高電力消費モード状態506を有する。
【0075】
スリーピング・モード状態502は、スリープ・モード501の前の中間状態である低電力消費モードであってもよい(これは「最低電力消費モード」である)。
【0076】
VNF電力マネージャー300は、VNFについて確立されたVNF電力プロファイルを使用して、VNF電力状態および該VNFについてサポートされる状態遷移を決定する。VNF電力プロファイルは、VNF電力マネージャー300がVNFの電力消費を決定し、状態間の遷移をトリガーするために使用できる情報を提供する。
【0077】
VNF電力マネージャー300(たとえば、VNF電力状態コントローラ)は、たとえば、状態変化が必要とされるかどうかを自律的に決定することができる。
【0078】
各電力状態は、電力状態プロファイルを参照して上記で説明したように、アプリケーション・レベル、仮想資源レベルおよび物理資源レベルでの利用率のレベルに関連する。特に、スリープ・モード501の定義は、VNF全体の電力消費に影響を与えることができるすべての側面を考慮する。よって、スリープ・モード501は、SW(ソフトウェア)スリープ・モードとHW(ハードウェア)スリープ・モードを単一のフレームワークに組み合わせるものと見ることができる。このため、両方の目標を達成するために、両者の間の相互作用がモデル化されてもよい。
【0079】
VNFスリープ・モードは、本質的にSWスリープ・モードとHWスリープ・モードを組み合わせる。SWスリープ・モードに入ることは、VNFアプリケーションを構成するソフトウェア・モジュールの組成を最小サブセットに修正すること、および/またはより少ない電力を要求するある種のソフトウェア・コンポーネントの部分的終了を実行することを含む。
【0080】
HWスリープ・モードに入ることは、基礎になる物理インフラストラクチャー資源(たとえば、計算)の電力状態を修正すること、またはある種の構成を変更すること(たとえば、ネットワーク機器)を含む。
【0081】
さらに、前述のように、VNFスリープ・モードを設定することは、VNFスリープ・モード501から通常動作モード504に戻った後、どのようにしてVNFが関連する構成を回復する方法を考慮する。たとえば、仮想化されたDU(vDU)またはvDUコンポーネントについて、必要とされるセル構成およびトポロジーは、通常モードに戻るときにそれを回復するために、VNFスリープ・モード501の間、維持される。維持および回復されるVNF動作状態情報の例は、セル構成、トポロジー、ネットワーク構成およびアプリケーション・データである。
【0082】
図6は、通常動作モードのVNFのVNF動作状態情報601、続いてスリープ・モードに入った後のVNFのVNF動作状態情報602、続いて通常動作モード(スリープ・モードを抜けた後)のVNFのVNF動作状態情報603を示す。
【0083】
見て取れるように、スリープ・モードの間、VNF動作状態情報602は、通常動作モードのVNF動作状態情報601に関して少なくとも部分的に変化しうる。通常動作に再入する(すなわち復帰する)とき、VNF電力マネージャー300は、VNF状態(構成、データなど)を復元しようと試みる。このためには、さまざまな技術を用いることができる。たとえば、
●レジストリにおいて構成および管理情報を保存すること(タイムスタンプおよびバージョン管理(versioning)付き)。
●管理および統率システムが保持するVNF構成データを保持すること。
●一つまたは複数の関連するVNFまたはVNFCの状態および構成データを保持し、復元手順において使用されることができるVNFまたはVNFC(VNF component[VNFコンポーネント])スナップショットを作成すること。
●VNF復元を実行する/通常動作モードに復帰するときに資源を確保する目的で、VNFの(すなわち、あるVNFCの)部分的な終了によって解放される仮想化された資源および物理資源の資源予約を実行すること。
●NFVI資源を追跡し、マッピングすること。それにより、影響を受ける資源が決定でき、VNFスリーピング・モードに関してそれらの電力状態が変更できる。
●VNF復元および(部分的な)VNF再インスタンス化イベント:VMが再生成され、次のものに関連付けられる:
■復元されたVNF/MANO管理オブジェクト(VNF/MANO managed object)は、以前のMANO管理オブジェクトの状態を継承する。
■(任意的に)予約されたNFVI資源を使用する。
【0084】
次いで、VNF電力マネージャー300は、VNF動作状態情報回復が達成されたかどうかをチェックすることができる。VNF電力マネージャー300は、VNFを(選択された)電力状態に設定するとき、該選択された電力状態の電力プロファイルが許す限りにおいてのみ、VNFの構成を復元することに留意されたい。たとえば、VNFが最初に高電力消費モードに、次いでスリープ・モードにあり、今、通常動作に入れられるべきである場合、VNFの構成を完全に復元することはできないかもしれない。それが通常動作の電力プロファイルを尊重しないかもしれないからである。
【0085】
上述したように、VNFの分散展開が、電力管理、特にVNF電力状態プロファイルにおいて考慮されうる。
【0086】
図7は、対照的に非分散式に展開されている2つのVNF 704、705に加えて、2つのVNFコンポーネント702、703によって分散式になされたVNF 701の展開を示す。
【0087】
仮想化ネットワーク機能コンポーネント(Virtualised Network Function Component、VNFC)702、703は、VNFの機能の定義されたサブセットをVNFプロバイダーに提供するVNFの内部コンポーネントであり、このコンポーネントの単一インスタンスがたとえば1:1で単一の仮想化コンテナにマッピングされるという主な特徴を有する。VNF電力マネージャー300は、(VNF電力状態プロファイルの一部として)VNFの諸VNFCについて異なるVNFC電力サブプロファイルを使用(および確立)することができる。
【0088】
よって、さまざまな実施形態によれば、VNF電力管理(たとえば、VNF電力マネージャー300によって実装されるもの)は、下記のうちの一つまたは複数ができる。
●仮想化された資源予約を使用して、VNF電力復元のための仮想化された資源を確保する。
●VNFスナップショットを使用して、VNF電力管理の手順の間にVNFの状態および構成を保持し、復元する。
●管理および統率システムに管理されるリポジトリおよびデータベースを使用して、VNFの状態および構成を保持する。
●VNF電力遷移における影響を受ける要素を決定するための入力として、VNFアプリケーションの状態および構成と、VNFコンポーネント、および基礎となる使用される仮想および物理インフラストラクチャー資源の間のマッピング情報を使用する。
●独自のVNFインスタンス・ストレージ・コンポーネントを使用して、VNF状態および構成を保持する。
●(VNF記述子(VNF descriptor、VNFD)に基づく)VNF展開フレーバーの使用、およびVNF電力モードを変更する機構としてのVNFフレーバー動作の変更。
●仮想化資源管理機能を使用。たとえば仮想化された資源の開始/停止、VNF電力状態修正を扱うための、基礎となるホスティング物理資源の電力モードの変更。
●専用または共通のVNF汎用OAM機能として、単一または複数のVNFについての電力管理を扱う。
●他の管理および統率システムから、またはインフラストラクチャーもしくはVNFから、関連する電力消費データを取得する。
●VNF電力消費量および該当する電力状態に関する情報を管理および統率システムに返す。これにより、これらの他のシステムは、必要なアクション(たとえば、サーバーの電力状態の変更、ネットワーク機器の構成の変更など)を実行するために、他の要素(たとえば、NFVI)とさらに対話できる。
●自律的に、または何らかのイベントに基づいて、状態間で変化する(たとえば、VNFスリープ・モードに入る)ことを決定する。
【0089】
VNF電力管理は、分析およびインテリジェント制御(たとえば、O-RANにおけるRIC、NFV-MANOにおけるMDAF)専用のコンポーネント、またはVNF電力管理機能300(たとえば、VNF汎用OAM機能フレームワーク301における機能)専用のコンポーネントによってトリガーされうる。
【0090】
図8は、電力管理に関するVNF構成についてのフロー図 800を示している。
【0091】
図3を参照して記載されたコンポーネントがこのフローに関与する:VNF電力マネージャー801、OSS/BSS 802、NFV-MANO 803およびNFVI 804、VNF 805、VNF構成マネージャー806、メトリック・アグリゲーター808、メトリクス解析器807、ログ・アグリゲーター810、ログ解析器809および通知マネージャー811。
【0092】
812で、OSS/BSS 802は新しいVNFの提供を要求し、このVNFについての電力管理を有効にする。
【0093】
813で、NFV-MANO 803とNFVI 804は、通常の手順を使用して(要求に応答して)VNF 805を開始する。
【0094】
814で、NFV-MANO 803は、VNF 805をVNF電力マネージャー801に登録し、(利用可能であれば)VNF 805についてのVNF電力プロファイルをVNF電力マネージャー801に渡す。VNF電力プロファイルがNFV-MANOから利用可能でない場合、VNF電力マネージャーは、VNFについてのVNF電力プロファイルをまとめる。
【0095】
815において、VNF電力マネージャー801は、該プロファイルを電力ポリシーおよび動作要件と整合させる。
【0096】
816において、VNF電力マネージャー801は、VNFデータを収集する。
【0097】
817において、VNF電力マネージャー801は、VNF 805および従属VNFまたはVNFCについて、必要であればメトリック収集およびVNF電力プロファイルに基づいて、再構成アクションを実行する(たとえば、vCPUを割り当てし直す)。
【0098】
818において、VNF電力マネージャー801は、VNF構成マネージャー806を通じてVNF 805に再構成アクションを適用する。
【0099】
819において、VNF電力マネージャー801は、NFV-MANO 803に通知する。
【0100】
820において、NFV-MANO 803およびNFVI 804は、必要であれば、仮想化および/または物理資源電力管理アクションを実行する。
【0101】
図9は、電力管理のためにVNFを登録する方法を示すフロー図 900を示す。
【0102】
OSS/BSS 901、NFV-MANO 902、NFVI 903およびVNF電力マネージャー904(たとえば
図3におけるような)が該フローに関与する。
【0103】
905において、OSS/BSS 901によって要求されたVNFが、NFV-MANO 902およびNFVI 903によってインスタンス化される。
【0104】
906において、NFV-MANO 902、NFVI 903およびVNF電力マネージャー904は、VNFについてのVNF電力プロファイルを取得および/または構築する。MANOは、VNFについての電力プロファイルを、たとえば関連付けられた展開フレーバーなどを用いて、示すことができる。該プロファイルがNFV-MANOによって提供されない場合、VNF電力マネージャーは、このVNFについてのVNF電力プロファイルをまとめる。
【0105】
907では、NFV-MANO 902は、電力管理のためのVNFを、電力管理のためのVNF電力マネージャーに登録する。
【0106】
908では、VNF電力マネージャー904は、他のVNF汎用OAM機能との関連で、モニタリングおよびVNF構成のための必要なメトリックをセットアップする。
【0107】
909では、VNF電力マネージャー904は、VNFの登録を確認する。
【0108】
VNFがインスタンス化される間、910においてループが実行され、これは、911における、NFV-MANO 902およびNFVI 903による電力管理に関連するメトリックの、VNF電力マネージャー904への公開と、912における、メトリックおよびVNF電力プロファイルの値に基づくVNF電力消費の計算、ならびにVNF電力プロファイルの微調整とを含む(すなわち、VNF電力マネージャー904は、その電力消費(メトリック値によって示される)が目標電力消費削減を達成しない場合、VNF電力プロファイルを適応させることができる)。
【0109】
図10は、VNFをスリープ・モードに設定する方法を示すフロー図 1000を示す。
【0110】
OSS/BSS 1001、NFV-MANO 1002、NFVI 1003およびVNF電力マネージャー1004(たとえば
図3のようなもの)がこのフローに関わる。
【0111】
1005では、VNF電力マネージャー1004が、(たとえば、OSS/BSS 1001からの要求によって、または自律的に)VNFをスリープ・モードに設定するようトリガーされる。
【0112】
1006では、VNF電力マネージャー1004は、VNF構成と動作状態(すなわち、VNF動作状態情報)をレジストリに保存する。
【0113】
1007では、VNF電力マネージャー1004は、VNF電力状態をスリープ・モードに更新する。
【0114】
1008では、VNF電力マネージャー1004は、VNF電力状態の変化についてNFV-MANO 1002に通知する。
【0115】
1009では、NFV-MANO 1002は、スリープ・モードの電力状態プロファイルに従って資源管理アクションを処理し、それに従って1010において資源を管理する。
【0116】
1011では、NFV-MANO 1002、NFVI 1003およびVNF電力マネージャー1004は、資源管理に従って資源再割り当てアクションを実行し、1012において資源変更に関する確認および/または通知を交換する。
【0117】
図11は、スリープ・モードから通常動作モードの電力管理にVNFを復元する方法を示すフロー図 1100を示す。
【0118】
OSS/BSS 1101、NFV-MANO 1102、NFVI 1103およびVNF電力マネージャー1104(たとえば
図3のようなもの)がこのフローに関わる。
【0119】
1105では、VNF電力マネージャー1104が、(たとえば、OSS/BSS 1101からの要求によって、または自律的に)通常動作モードに復元されるようにVNFを設定するようトリガーされる。
【0120】
1106において、VNF電力マネージャー1104は、VNF電力復元をNFV-MANO 1102に通知する。
【0121】
1107において、NFV-MANO 1102は、通常動作モードの電力状態プロファイルに従って、NF電力マネージャーによって要求された資源管理アクションを処理し、それに従って1108において資源を管理する。
【0122】
1109において、NFV-MANO 1102、NFVI 1103およびVNF電力マネージャー1104は、資源管理に従って資源アクションを実行し、1110において、資源変更に関する確認および/または通知を交換する。
【0123】
1111において、NFV-MANO 1102は、VNFライフサイクルの変更についてVNF電力マネージャー1104に通知する。
【0124】
1112において、VNFマネージャー1104は、(他のVNF汎用OAM機能との関連で)レジストリからVNF構成および動作状態を復元する。
【0125】
1113において、VNFマネージャー1104は、VNF電力状態を通常動作モードに更新し、更新された電力状態が正しく、プロファイルと整合しているかどうかをチェックする。
【0126】
1114において、VNF電力マネージャー1104は、VNF電力状態の変化についてNFV-MANO 1104に通知する。
【0127】
上述のアプローチは、特に
図3のアーキテクチャーでは、O-RANのような他のシステムと相互作用しうる。たとえば、仮想化関連のコンポーネント312,313,314とVNF電力マネージャー300の両方が接続され、O-RANベースの展開のSMO(Service Management & Orchestrator[サービス管理および統率器])およびO-Cloudと相互作用しうる。
【0128】
要約すると、さまざまな実施形態によれば、
図12に示されるように、通信電力管理コンポーネントが提供される。
【0129】
図12は、ある実施形態による電力管理コンポーネント1200を示す。
【0130】
電力管理コンポーネントは、ある仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれについて省電力プロファイル1202を記憶するように構成されたメモリ1201を含む。
【0131】
各電力状態について、省電力プロファイルは例として次のものを示す:
・その電力状態においてその仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量
・その電力状態においてその仮想ネットワーク機能によって使用される物理資源上に展開された仮想化コンテナ(VMおよびOSコンテナ)の量
・その電力状態において提供される仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量。
【0132】
電力管理コンポーネント1200は、さらに、仮想ネットワーク機能についての電力状態の一つを選択し、選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するよう仮想ネットワーク機能を制御するように構成されたコントローラ1203を含む。
【0133】
さまざまな実施形態によれば、換言すれば、仮想ネットワーク機能の全三層(物理資源、仮想資源、アプリケーション)のそれぞれの使用(すなわち、使用のレート、比率または割合)を定義する電力状態プロファイルが確立される。このように、各電力状態は、全三層に関して微調整されうる。
【0134】
図12のアプローチは、仮想化環境において電力消費を削減し、エネルギー効率を向上させるために使用できる。これには、エネルギー効率、エネルギー消費ポリシーの適用に関連する多くの潜在的な使用事例(たとえば、O-RANの駆動されるインテリジェント制御)をもち、VNF汎用OAM機能フレームワークを通じた拡張を含む、多くの可能な実施形態で実装できる。汎用OAM機能は、前記実装に対して簡単にプラグインできる。さらに、
図12のアプローチは、VNF電力管理をさらに簡素化および最適化でき、マルチテクノロジーVNF環境(VMベース、コンテナ・ベース)を通じて動作させうる仕方に対する柔軟性を可能にする。
【0135】
さらに、
図12のアプローチは、さまざまな実施形態によれば、VNF電力管理を可能にし、たとえば統合された統率プレーンの一部として、エネルギー効率を最適化することができる方法および/または機構およびインターフェースを用いて、通信事業者の統率機構を向上させる。
【0136】
電力管理コンポーネント1200は、通信ネットワーク(たとえば、コア・ネットワーク)、たとえば5G通信システムのコンポーネントである。
【0137】
電力管理コンポーネント1200は、たとえば、
図13に示すような方法を実行する。
【0138】
図13は、仮想ネットワーク機能の電力管理のための方法を示すフロー図 1300を示す。
【0139】
1301では、ある仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれについて省電力プロファイルが記憶される。
【0140】
それぞれの電力状態について、省電力プロファイルは、その電力状態において仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、その電力状態において仮想ネットワーク機能によって使用される物理資源上に展開される仮想化コンテナ(VMおよびOSコンテナ)の量、およびその電力状態において提供される仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す。
【0141】
1302では、仮想ネットワーク機能について、電力状態の一つが選択される。
【0142】
1303において、仮想ネットワーク機能は、選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するように制御される。
【0143】
さまざまな実施形態によれば、たとえば、VNFのための電力管理を最適化する方法が提供され、その方法は、以下を含む:
●管理システムからVNFについての電力管理を有効にする要求を受信する
●VNF/VNFCから下記についての情報を受信し、公開し、翻訳する:VNF電力状態、VNF構成情報、関連する管理および統率および資源構成、VNFアプリケーションの動作状態
■VNFの電力管理状態を更新する
■電力管理動作に関するVNF間の隔離を維持する
■後でVNF電源を復元するための資源を確保する
●管理、統率、および資源構成に関する情報を管理システムから受信し、公開し、翻訳する
■VNF電力を認識するポリシーへの準拠
■他の管理および統率システムとの相互作用あり、またはなしで、VNF構成および管理動作を自動化する。
【0144】
電力管理コンポーネント(特に、コントローラ;これは、上述したVNF電力マネージャーについてのさまざまな機能の任意のものを実装していると見ることができ、すなわち、電力管理コンポーネントの「論理」を実装しているエンティティとして見ることができる)の諸コンポーネントは、たとえば、一つまたは複数の回路によって実装されてもよい。「回路」は、特殊目的の回路、またはメモリ、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせに記憶されているソフトウェアを実行するプロセッサでありうる任意の種類の論理実装エンティティとして理解されうる。よって、「回路」は、固定配線の論理回路またはプログラム可能なプロセッサ、たとえばマイクロプロセッサのようなプログラム可能な論理回路でありうる。「回路」は、ソフトウェア、たとえば任意の種類のコンピュータ・プログラムを実行するプロセッサであってもよい。上記の各機能の他の任意の種類の実装も、「回路」として理解されうる。
【0145】
さらなる例が、以下に記載される。
〔条項1〕
電力管理コンポーネントであって、
仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶するように構成されたメモリであって、各電力状態について、前記省電力プロファイルは、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される前記物理資源上に展開された仮想化コンテナの量、および
・その電力状態において提供される前記仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す、
メモリと;
前記仮想ネットワーク機能についての前記電力状態の1つを選択し、選択された電力状態について記憶されている前記省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されたコントローラとを有する、
電力管理コンポーネント。
〔条項2〕
前記仮想ネットワーク機能の電力状態が変更されるべきであることを示す情報を受信するように構成された入力インターフェースを有する条項1の電力管理コンポーネントであって、前記コントローラは、前記情報の受信に応答して、前記電力状態のうちの前記1つを選択し、選択された電力状態について記憶されている前記省電力プロファイルに従って動作するように前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成されている、電力管理コンポーネント。
〔条項3〕
前記情報は、電力状態を現在の状態から変更する要求である、条項2に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項4〕
前記情報は、前記仮想ネットワーク機能の消費電力に関する情報を含む、条項2または3に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項5〕
各省電力プロファイルは、該省電力プロファイルに従った前記仮想ネットワーク機能の動作の電力消費を示す、条項1ないし4のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項6〕
各省電力プロファイルは、該省電力プロファイルにおいて動作させられる前記仮想ネットワーク機能の仮想ネットワーク機能コンポーネントの数をさらに指定する、条項1ないし5のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項7〕
前記コントローラは、電力消費測定に基づいて各省電力プロファイルについての電力消費を決定するように構成される、条項1ないし6のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項8〕
前記コントローラは、各省電力プロファイルについて、決定された電力消費を前記省電力プロファイルに含めるように構成される、条項1ないし5のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項9〕
前記電力管理コンポーネントは、決定された電力消費を考慮に入れて前記電力状態を選択するように構成される、条項7または8に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項10〕
前記コントローラは、第1の電力状態から第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御するように構成され、
前記コントローラは、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、前記仮想ネットワーク機能に関する動作状態情報を記憶し、前記第2の電力状態から前記選択された電力状態に切り換えるよう前記仮想ネットワーク機能を制御する際に、記憶された動作状態情報を考慮に入れて前記仮想ネットワーク機能を構成するように構成される、条項1ないし9のうちいずれか一項に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項11〕
前記コントローラは、選択された電力状態について記憶された省電力プロファイルが許す限り、記憶された動作状態情報に従って前記仮想ネットワーク機能を構成するように構成される、条項10に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項12〕
前記メモリは、複数の仮想ネットワーク機能のそれぞれについて、その仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれについての省電力プロファイルを個別に記憶するように構成される、条項11に記載の電力管理コンポーネント。
〔条項13〕
仮想ネットワーク機能の電力管理のための方法であって、仮想ネットワーク機能について、該仮想ネットワーク機能の複数の電力状態のそれぞれのための省電力プロファイルを記憶する段階であって、各電力状態について、前記省電力プロファイルは、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される物理データ処理資源の量、
・その電力状態において前記仮想ネットワーク機能によって使用される前記物理資源上に展開された仮想化コンテナ(VMおよびOSコンテナ)の量、および
・その電力状態において提供される前記仮想化コンテナ上で動作するネットワーク機能のサービス容量を示す、
段階と;
前記仮想ネットワーク機能についての電力状態の1つを選択する段階と;
選択された電力状態について記憶されている省電力プロファイルに従って動作するよう前記仮想ネットワーク機能を制御する段階とを含む、
方法。
【0146】
個別的な諸側面が記載されているが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の諸側面の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細におけるさまざまな変更がそこでなされうることが、当業者に理解されるべきである。よって、範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の意味および等価物の範囲内にはいるすべての変更は、包含されることが意図されている。
【国際調査報告】