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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】強磁性検出器および脅威分析
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61B5/055 390
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508408
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022076327
(87)【国際公開番号】W WO2023044294
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,313
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524052550
【氏名又は名称】アイラディメッド・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IRADIMED CORPORATION
【住所又は居所原語表記】1025 Willa Springs Dr., Winter Springs, Florida 32708, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】スージー・ロジャー・イー
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ウィンストン・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ブーチー・デーナ・イー
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB46
4C096AD19
4C096FB03
4C096FC04
(57)【要約】
磁気共鳴画像(MRI)スキャナによる強力な磁気引力の領域内で移動する可能性のある潜在的に危険な鉄製物体など、高磁場の領域で発射物の危険性の可能性を示す物体を検出するための装置、システム、およびプロセス。システムおよびプロセスは、通路の周囲に配置された複数の磁場センサおよび複数の飛行時間型センサを含むことができる。飛行時間型センサは、潜在的に危険な鉄製物体の運動(例えば、速さおよび/または方向)の決定を容易にして、脅威検出の精度を高めることができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性物体を検出し、前記物体が通路を通過する際に発射体になる脅威を分析するためのシステムであって、前記システムは、
前記通路の1つまたは複数の部分に固定されるように構成された1つまたは複数の磁場センサを備える第1のセンサアレイであって、
前記第1のセンサアレイに近接する強磁性物体の存在を示す磁場の検出に応答して第1の信号を生成し、
前記第1の信号を出力する
ように構成される、第1のセンサアレイと、
前記通路の一部に固定されるように構成される第2のセンサグループであって、
前記通路に対して、および前記通路に近接して移動する物体に応答して第2の信号を生成し、
前記物体の速度および前記第1のセンサアレイに対する前記物体の運動方向に関する情報を含む前記第2の信号を出力する
ように構成される、第2のセンサグループと、
前記第1のセンサアレイおよび前記第2のセンサグループと通信するプロセッサであって、
前記第1のセンサアレイから前記第1の信号を受信し、
前記第1の信号の大きさを特定し、
前記第2のセンサグループから前記第2の信号を受信し、
前記通路に対する前記物体の前記速度および前記通路に対する前記物体の前記運動方向を特定し、
前記通路を通過する前記物体の脅威レベルを示す警報を生成する
ように構成され、前記脅威レベルは、前記第1の信号の前記大きさ、前記物体の前記速度、および前記物体の前記運動方向に少なくとも部分的に基づく、プロセッサと
を含む、システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1の信号の前記大きさが第1の閾値を超え、かつ前記物体の前記速度が第2の閾値を超えた場合に前記警報を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記物体の前記速度および前記物体の前記運動方向に基づいて、前記第1の閾値を動的かつリアルタイムに調整するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のセンサグループは、前記通路の上部に固定されるように構成され、前記第2のセンサグループは、
前記通路のドア部分の運動または前記通路を通過する物体の運動を検出するために、前記通路の一部に面するように構成された第1のセンサ対と、
前記通路に接近する物体の運動を検出するために、下方向を向くように構成された第2のセンサ対と、
物体の運動を検出するために、前記通路とは反対側を向くように構成された第3のセンサ対と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のセンサアレイ、前記第2のセンサグループ、および前記プロセッサはそれぞれ、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が閉状態にあることを検出することに応答してスリープモードに入り、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が開状態にあることを検出することに応答して動作モードに入る
ように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のセンサアレイは、
前記通路の第1のフレーム部分に固定されるように構成された第1のセンサグルーピングであって、
前記第1のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第1の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第2の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第3の磁場センサと
を備える、第1のセンサグルーピングと、
前記通路の第2のフレーム部分に固定されるように構成された第2のセンサグルーピングであって、
前記第2のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第4の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第5の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第6の磁場センサと
を備える、第2のセンサグルーピングと、
を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記通路に固定されて、1つまたは複数の色の光を発光するように構成された複数の発光ダイオード(LED)を備え、前記1つまたは複数の色の各々は、前記警報の固有のステータスを示し、前記警報の前記ステータスは、(1)脅威なし、(2)潜在的な脅威、(3)実際の脅威を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記プロセッサと通信するディスプレイを備え、前記プロセッサは、前記生成された警報を前記ディスプレイに出力するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のセンサグループは、物体の運動を検出するための複数のセンサを備え、前記第2のセンサグループの前記複数のセンサは、磁場の変動を使用しないように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の信号は、前記物体と前記通路との間の距離に関する情報をさらに含み、前記プロセッサは、前記距離を決定するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
強磁性物体を検出し、通路を通過する前記物体の脅威を分析するための方法であって、前記方法は、
前記通路の1つまたは複数の部分に固定されるように構成された1つまたは複数の磁場センサを備える第1のセンサアレイによって、前記第1のセンサアレイに近接する強磁性物体の存在を示す磁場の検出に応答して第1の信号を生成することと、
前記第1の信号をプロセッサに出力することと、
前記通路の一部に固定されるように構成される第2のセンサグループによって、前記通路に対して、および前記通路に近接して移動する物体に応答して第2の信号を生成することと、
前記物体の速度および前記第1のセンサアレイに対する前記物体の運動方向に関する情報を含む前記第2の信号を前記プロセッサに出力することと、
前記プロセッサによって、前記第1のセンサアレイから前記第1の信号を受信することと、
前記プロセッサによって、前記第1の信号の大きさを特定することと、
前記プロセッサによって、前記第2のセンサグループから前記第2の信号を受信することと、
前記プロセッサによって、前記通路に対する前記物体の前記速度および前記通路に対する前記物体の前記運動方向を特定することと、
前記プロセッサによって、前記通路を通過する前記物体の脅威レベルを示す警報を生成することと
を含み、前記脅威レベルは、前記第1の信号の前記大きさ、前記物体の前記速度、および前記物体の前記運動方向に少なくとも部分的に基づく、方法。
【請求項12】
前記第1の信号の前記大きさが第1の閾値を超え、かつ前記物体の前記速度が第2の閾値を超えた場合に前記警報を生成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記物体の前記速度および前記物体の前記運動方向に基づいて、前記第1の閾値を動的かつリアルタイムに調整することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記通路の上部に固定され、前記通路の一部に面するように構成された前記第2のセンサグループの第1のセンサ対によって、前記通路のドア部分の運動または前記通路を通過する物体の運動を検出することと、
前記通路の上部に固定され、下方向を向くように構成された前記第2のセンサグループの第2のセンサ対によって、前記通路に接近する物体の運動を検出することと、
前記通路の上部に固定され、前記通路とは反対側を向くように構成された前記第2のセンサグループの第3のセンサ対によって、物体の運動を検出することと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のセンサアレイ、前記第2のセンサグループ、および前記プロセッサに、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が閉状態にあることを検出することに応答してスリープモードに入り、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が開状態にあることを検出することに応答して動作モードに入る
ようにさせることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のセンサアレイは、
前記通路の第1のフレーム部分に固定されるように構成された第1のセンサグルーピングであって、
前記第1のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第1の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第2の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第3の磁場センサと
を備える、第1のセンサグルーピングと、
前記通路の第2のフレーム部分に固定されるように構成された第2のセンサグルーピングであって、
前記第2のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第4の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第5の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第6の磁場センサと
を備える、第2のセンサグルーピングと、
を備える、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記通路に固定され、1つまたは複数の色の光を発光するように構成された1つまたは複数の発光ダイオード(LED)によって、
脅威が存在しないことに対応する前記警報の第1のステータスを示す第1の色を発光することと、
潜在的な脅威が存在することに対応する前記警報の第2のステータスを示す第2の色を発光することと、
実際の脅威が存在することに対応する前記警報の第3のステータスを示す第3の色を発光することと
をさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記生成された警報をディスプレイに出力することをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
物体の運動を検出するために、前記第2のセンサグループによって、磁場変動を使用しないことをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記物体と前記通路との間の距離に関する前記第2の信号内の情報に部分的に基づいて、前記プロセッサによって、前記距離を決定することをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記距離に関する前記第2の信号内の情報に部分的に基づいて、前記プロセッサによって、座標系内の物体の前記位置を決定することをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記距離に関する前記第2の信号内の情報に部分的に基づいて、前記プロセッサによって、物体の前記速度を決定することをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記プロセッサによって、ドア距離、ドア角距離、ドア運動、ドア速度、およびドア角速度を決定することをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ドアハンドル/ノブ内で鉄金属が移動することによって引き起こされる誤ったアラームを減少させるために、ドアハンドルの隣に位置するセンサによる鉄出力をいつ無視するかを前記プロセッサによって決定することをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記プロセッサによって、運動しない停滞物体、および停滞物体によって生成されるノイズをフィルタリングすることをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月17日に出願された「FERROMAGNETIC DETECTOR AND THREAT ANALYSIS」と題する米国仮特許出願第63/245,313号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、労働安全および/または医療/臨床安全に関するものであり、より具体的には、人的介入なしに、高磁場(磁気共鳴画像(「MRI」)スキャンの「磁石」の近くで頻繁に見られる磁場など)の場所で発射体の危険をもたらす可能性がある大きさおよび/または質量の鉄製物体の接近を検出し警報を出し、同時に磁気的に引き付けられないためこのような高磁場の場所では危険性がほとんどない物体の検出を低減(例えば、最小限に抑えながら)するシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
金属物体の検出は、空港および刑務所などの場所で安全目的のために、一般的に、武器として使用される可能性のある隠れた物体を発見するために実行される。金属物体の検出は、隠れた金属物体または埋もれた金属物体の位置を特定するためにも使用できる。このようなデバイスは一般的に、鉄製物体だけでなくあらゆる種類の金属を検出し、刺激用交流磁場を生成して金属物体を励起し、センサが測定するための比較的強い信号を取得する。
【0004】
別の場合では、大型の磁場を発生させる装置の近くでの安全目的など、磁気吸引力のある(鉄製)物体のみを検出することが望ましい場合もある。MRI装置は、多くの場合、様々な医療指向の施設(例えば、病院、外来、自立型画像センター、動物病院など)に設置されている。典型的なMRIスキャナは現在、中央の画像化領域内で1.5~3テスラの磁場を生成するが、一部の設計では7テスラ~12テスラである。1テスラ以下などのより低い磁場を備えたMRIシステムでも、重大な発射体の危険性が記録されている。周辺磁場の到達範囲を狭める遮蔽物が提供されることがよくあるが、鉄を含む物体が漂遊磁場に巻き込まれると、それらは危険な速度で中央フィールドに向かって加速される可能性がある。このような現象は、発射体効果として知られており、患者および担当の臨床スタッフに死亡を含む危害を引き起こしたことが多く報告されている。顕著な漂遊磁場は、中心ボアから2メートル以上の距離に達しており、遮蔽物があると、そのような磁場内に少し移動するたびに、磁場強度が非常に急激に上昇する可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、強磁性物体または鉄の物体を検出し、強磁性物体または鉄の物体が通路(MRIスキャン室への出入り口など)を通過する際に発射体の危険性となる脅威を分析するためのシステムを提供する。このシステムは、1つまたは複数の磁場センサ(例えば、アモルファス磁気インピーダンスセンサ)を含む第1のセンサアレイを含む。1つまたは複数の磁場センサは、通路の1つまたは複数の部分(例えば、ドア枠、ドア柱、まぐさ、敷居)または通路に隣接する壁に固定、結合、または取り付けられるように構成することができる。第1のセンサアレイは、第1のセンサアレイに近接する強磁性物体の存在を示す磁場の検出に応答して、1つまたは複数の第1の信号(例えば、第1の信号)を生成し、第1の信号を出力するように構成される。このシステムは、通路の一部(例えば、ドア枠、ドア柱、まぐさ、敷居)に固定、結合、または取り付けられるように構成された、少なくとも1つの第2のセンサ、または複数の第2のセンサを含む第2のセンサグループを含む。第2のセンサグループは、通路に対しておよび通路に近接して移動する物体に応答して1つまたは複数の第2の信号(例えば、第2の信号)を生成し、第2の信号を出力するように構成される。第2の信号は、物体の速度および第1のセンサアレイに対する物体の運動方向に関する情報を含む。
【0006】
このシステムはまた、第1のセンサアレイおよび第2のセンサグループと通信する処理手段(例えば、マイクロプロセッサなどの1つまたは複数のプロセッサ)を含むことができる。処理手段は、第1のセンサアレイから第1の信号を受信し、第1の信号の大きさを特定し、第2のセンサグループから第2の信号を受信し、通路に対する物体の速度および通路に対する物体の運動方向を特定し、第2の信号(例えば、第2のセンサグループによって検出された2次元の運動を示す)と、第1のセンサアレイの第1の信号(例えば、磁気信号)の両方に基づいて通路を通過する物体の脅威レベルを示す警報を生成するように構成する(例えば、処理手段のメモリまたは処理手段と通信可能に結合されたメモリに記憶された実行可能命令を用いてプログラミングする)ことができる。脅威レベルは、物体の速度と共に、第1の信号の大きさ、および第2のセンサグループによって決定される物体の運動方向に、少なくとも部分的に基づくことができる。
【0007】
いくつかの実装形態では、処理手段は、第1の信号の大きさが第1の閾値を超え、かつ物体の速度が第2の閾値を超えた場合に警報を生成するように構成することができる。
【0008】
いくつかの実装形態では、処理手段は、物体の速度および物体の運動方向に基づいて、第1の閾値を動的かつリアルタイムに調整するように構成することができる。
【0009】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループは、通路の上部(例えば、上部の梁、柱、まぐさ、通路の上の壁の一部)に固定されるか、または取り付けられるように構成することができ、第2のセンサグループは、第1のセンサ対を含むことができる。第1のセンサ対は、ドア部分の運動、通路の一部、または通路を通過する物体の運動を検出するために、通路の一部に面するように構成することができる。第2のセンサグループは、物体が通路に接近する際の物体の運動を検出するために、下方向を向くように構成され得る第2のセンサ対も含むことができる。第2のセンサグループは、物体が通路に向かって移動する際の運動を検出するために、通路とは反対側を(例えば、外側に)向くように構成された第3のセンサ対も含むことができる。
【0010】
いくつかの実装形態では、第1のセンサアレイ、第2のセンサグループ、および処理手段はそれぞれ、第1のセンサアレイが通路のドア部分が閉状態にあることを検出することに応答してスリープモードに入り、第2のセンサグループが通路のドア部分が開状態にあることを検出することに応答して動作モードに入るように(例えば、コンピュータ可読プログラム命令の実行に基づいて)構成することができる。
【0011】
いくつかの実装形態では、第1のセンサアレイは、通路の第1のフレーム部分(例えば、左側レール)を磁気的に監視するように構成された第1のセンサグルーピングを含むことができる。第1のセンサグルーピングは、第1のフレーム部分の上部を監視するように構成された第1の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第1のフレーム部分の中間部分を監視するように構成された第2の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第1のフレーム部分の底部を監視するように構成された第3の磁場センサまたは一対の磁場センサとを含むことができる。
【0012】
第1のセンサアレイは、通路の第2のフレーム部分(例えば、右側レール)に固定されるように構成された第2のセンサグルーピングを含むことができる。第2のセンサグルーピングは、第2のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第4の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第2のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第5の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第2のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第6の磁場センサまたは一対の磁場センサとを含むことができる。
【0013】
いくつかの実装形態では、システムは、複数の発光ダイオード(「LED」)を含み、複数の発光ダイオード(「LED」)は、通路に固定され、1つまたは複数の色(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の色)の光を発光するように構成することができる。1つまたは複数の色の各々は、警報の固有のステータスまたは条件を示すことができ、警報のステータスまたは条件は、例えば、(1)脅威なし、(2)潜在的な脅威、および/または(3)実際の脅威を含むことができる。一例では、脅威なしは、緑色に対応することができ、潜在的な脅威は、黄色に対応することができ、実際の脅威は、赤色に対応することができる。
【0014】
いくつかの実装形態では、システムは、処理手段と通信するディスプレイを備えることができ、処理手段は、生成された警報をディスプレイに出力するように構成することができる。警報には、目に見える警報に加えて、音声による警報も含むことができる。音声による警報は、警報のステータスまたは状態によって異なる可能性がある。
【0015】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数の第2の信号を生成するように構成された第2のセンサグループは、物体の運動を検出するための複数のセンサを含むことができ、第2のセンサグループの複数のセンサは、磁場の変動を使用しないように構成することができる。
【0016】
いくつかの実装形態では、第2の信号は、物体と通路との間の距離に関する情報を含むことができ、処理手段は、距離を決定するように構成することができる。
【0017】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループは、物体の位置および経時的な位置変化を検出することができ、これを速度データおよび方向データに処理することができる。処理されたデータは、物体がセンサに近づいているときの予防的警告に(例えば、実際の脅威警報が生成される前に)使用できる。いくつかの実装形態では、予防的警告に音声による警告が含まれない場合がある。目に見える出力は、前述の警報と同じである場合もあれば、異なる方法で表示される場合もある。
【0018】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループは、第2のセンサグループと通路(例えば、通路のドア)との間の距離に関連する追加の信号を出力することができる。このような信号を利用して、ドアの距離を特定する、および/または閉じたときのドアの角度位置を推定することができるため、システムは、閉じたドアの位置を効果的に学習できる。
【0019】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループを利用して、学習されたドア閉位置からの閾値に基づいてドア位置が開いているか閉じているかを判断することができる。第2のセンサグループに対するドアの距離(公称距離または角距離)が、ドアが閉まった閾値より小さいかどうかを判断することは、ドアが人または危険な大きさの物体の侵入を防ぐ位置にあるかどうかを識別するために使用できる。学習したドア閉位置からの閾値を超えた場合、ドアが十分に開いていると識別できるため、人または危険な大きさの物体の侵入が可能になる。
【0020】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループは、変化するドア距離(公称距離または角距離)から取得したデータを利用してドア速さを計算することができる。計算されたドア速さを使用して、ドアが動いているかどうかを判断できる。
【0021】
いくつかの実装形態では、システムおよび/または方法は、第2のセンサグループによって(例えば、第2のセンサグループまたは第2のセンサグループの一部に適用されるハイパスフィルタを実装することによって)検出された静止物体(例えば、出入り口、床、カート、キャビネットなど)をフィルタリングして除去することを含むことができる。いくつかの実装形態によれば、距離が変化しない第2のセンサグループによって検出された静止物体は、誤って運動を示すことはない。
【0022】
いくつかの実装形態では、システムおよび/または方法は、局所環境をマッピングする較正または学習プロセスを通じて、静止物体(例えば、ドアフレーム)によって引き起こされるノイズをフィルタリングして除去することを含むことができる。マッピングされた環境は、物体が運動中であるか、または物体が静止しているかを検出するために、環境内の物体によって測定された距離を使用したデータ処理に利用できる。
【0023】
いくつかの実装形態では、システムおよび/または方法は、第2のセンサグループの視野内のノイズの多い領域を特定し、ノイズが考慮されないようにノイズフロア閾値を追加することによって、部分的に検出された停滞物体によって引き起こされるノイズをフィルタリングして除去することを含むことができる。このようなノイズフロア閾値は、第2のセンサグループの出力全体に、または第2のセンサグループの視野内の限られた領域にのみ追加することができる。
【0024】
いくつかの実装形態では、ステータスデータおよびログデータは、有線または無線ネットワーク接続を通じてそれぞれのネットワーク(例えば、病院通信ネットワーク)に送信することができる。
【0025】
それぞれのネットワーク(例えば、病院ネットワーク)にログを送信する方法は、リモートアラームおよびログ記録ユニット(「RALU」)へのイーサネット接続であり得る。フォーマットは、データが使用されるエンドアプリケーションおよびアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(「API」)に固有であり得る。ログデータは、例えば、日付、時刻、全体的な分類のタイプ、損傷のタイプ、および/または傷害のタイプを含み得る。ステータスデータは、例えば、ドアが開いているか、閉じているか、動いているか、および/またはシステムがアラームを発しているか、または警告しているかを含み得る。
【0026】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループの信号は、モーションデータ、またはセンサから直接処理されたジェスチャデータから直接構成され得る。代わりに、ジェスチャデータは、ジェスチャを示す信号と共に速度を決定できるかまたは決定できない異なる信号であってもよい。
【0027】
いくつかの実装形態では、第1のセンサアレイの第2のセンサグループの視野の複数の点内の個々の出力を比較して、鉄または強磁性材料の位置を推定することができる。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、強磁性物体を検出し、通路を通過するそのような物体の脅威を分析するための方法が提供される。方法は、通路の1つまたは複数の部分に固定されるか、または取り付けられるように構成された1つまたは複数の磁場センサを含む第1のセンサアレイによって、第1のセンサアレイに近接する強磁性物体の存在を示す磁場の検出に応答して第1の信号を生成することを含む。方法はまた、第1の信号を処理手段(例えば、マイクロプロセッサなどの1つまたは複数のプロセッサ)に出力することを含む。方法はさらに、通路の一部に固定されるか、または取り付けられるように構成された第2のセンサグループによって、通路に対しておよび通路に近接して移動する物体に応答して第2の信号を生成することを含む。方法はまた、第2の信号を処理手段に出力することを含む。
【0029】
第2の信号は、物体の速度および第1のセンサアレイに対する物体の運動方向に関する情報を含むことができる。方法はまた、処理手段によって、第1のセンサアレイから第1の信号を受信することと、処理手段によって、第1の信号の大きさを特定することとを含むことができる。方法は、処理手段によって、第2のセンサグループから第2の信号を受信することと、処理手段によって、通路に対する物体の速度および通路に対する物体の運動方向を特定することとをさらに含むことができる。方法はまた、処理手段によって、通路を通過する物体の脅威レベルを示す警報を生成することを含むことができる。いくつかの実装形態では、脅威レベルは、第1の信号の大きさ、物体の速度、および物体の運動方向に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0030】
いくつかの実装形態では、方法は、第1の信号の大きさが第1の閾値を超え、かつ物体の速度が第2の閾値を超えた場合に警報を生成することを含むことができる。
【0031】
いくつかの実装形態では、方法は、ドアが開いている場合、またはプログラミングされた閾値を超えて開いている場合にのみ警報信号をゲートすること、つまり、ドアが不十分に開いている場合または運動中の場合、およびドアが閉じている場合にはアラームを発しないことを含むことができる。
【0032】
ドアが開いている場合のみアラームを発する方法は、ドアが動いているか、またはドアが現在閉まっている場合には警報を生成しないことで、警報を生成する前のチェックとして実装できる。
【0033】
いくつかの実装形態では、方法は、ドアが閉じているか、または動いているときに、第1のセンサアレイのセンサの信号出力をゲートすること、またはドアノブまたはハンドルの運動中の鉄金属によって引き起こされる誤報を減らす用途のために、ドアハンドルまたはドアノブの近くに位置する第1のセンサの第1のセンサ閾値警報レベルを上げることを含むことができる。
【0034】
いくつかの実装形態では、方法は、物体の速度および物体の運動方向に基づいて、第1の閾値を動的かつリアルタイムに調整することを含むことができる。
【0035】
いくつか実装形態では、方法は、通路の上部に固定され、通路の一部に面するように構成された第2のセンサグループの第1のセンサ対によって、通路のドア部分の運動または通路を通過する物体の運動を検出することと、通路の上部に固定され、下方向を向くように構成された第2のセンサグループの第2のセンサ対によって、通路に接近する物体の運動を検出することと、通路の上部に固定され、通路とは反対側を向くように構成された第2のセンサグループの第3のセンサ対によって、物体の運動を検出することとを含むことができる。
【0036】
いくつかの実装形態では、方法は、第1のセンサアレイ、第2のセンサグループ、および処理手段に、第2のセンサグループが通路のドア部分が閉状態にあることを検出することに応答してスリープモードに入り、第2のセンサグループが通路のドア部分が開状態にあることを検出することに応答して動作モードに入るようにさせることを含むことができる。
【0037】
いくつかの実装形態では、第1のセンサアレイは、通路の第1のフレーム部分に固定されるか、または取り付けられるように構成された第1のセンサグルーピングを含むことができる。第1のセンサグルーピングは、第1のフレーム部分の上部に固定されるか、または取り付けられるように構成された第1の単一の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第1のフレーム部分の中間部分に固定されるか、取り付けられるように構成された第2の単一の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第1のフレーム部分の底部に固定されるか、または取り付けられるように構成された第3の単一の磁場センサまたは一対の磁場センサとを含むことができる。第1のセンサアレイは、通路の第2のフレーム部分に固定されるか、または取り付けられるように構成された第2のセンサグルーピングを含むことができる。第2のセンサグルーピングは、第2のフレーム部分の上部に固定されるか、または取り付けられるように構成された第4の単一の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第2のフレーム部分の中間部分に固定されるか、または取り付けられるように構成された第5の単一の磁場センサまたは一対の磁場センサと、第2のフレーム部分の底部に固定されるか、または取り付けられるように構成された第6の単一の磁場センサまたは一対の磁場センサとを含むことができる。いくつかの実装形態では、磁場センサのペアリングは、ペアの差動接続によって、磁場の変化に対するペアリングの感度を高める、および/または磁気信号ノイズを低減するように構成される。
【0038】
いくつかの実装形態では、方法は、通路に固定されるか、または取り付けられ、1つまたは複数の色の光を発光するように構成された1つまたは複数のLEDによって、脅威が存在しないことに対応する警報の第1のステータスを示す第1の色(例えば、緑色)を発光することと、潜在的な脅威が存在することに対応する警報の第2のステータスを示す第2の色(例えば、黄色)を発光することと、実際の脅威が存在することに対応する警報の第3のステータスを示す第3の色(例えば、赤色)を発光することとを含むことができる。
【0039】
いくつかの実装形態では、方法は、生成された警報をディスプレイに出力することを含むことができる。方法はまた、決定された警報のステータスを示す1つまたは複数の音声による警報を生成することを含むことができる。
【0040】
いくつかの実装形態では、方法は、物体の運動を検出するために、前記第2のセンサグループによって、磁場変動を使用しないことを含むことができる。
【0041】
いくつかの実装形態では、方法は、距離に関する第2の信号内の情報に部分的に基づいて、処理手段によって、物体と通路との間の距離を決定すること含む。
【0042】
いくつかの実装形態では、方法は、距離に関する第2の信号内の情報に部分的に基づいて、処理手段によって、座標系内の物体の位置を決定することを含む。
【0043】
いくつかの実装形態では、方法は、距離に関する第2の信号内の情報に部分的に基づいて、処理手段によって、物体の速度を決定することを含む。
【0044】
いくつかの実装形態では、方法は、処理手段によって、ドア距離、ドア角距離、ドア運動、ドア速度、およびドア角速度を決定することを含む。
【0045】
いくつかの実装形態では、本方法は、ドアハンドル/ノブ内で鉄金属が移動することによって引き起こされる誤ったアラームを減少させるために、ドアハンドルの隣に位置するセンサによる鉄出力をいつ無視するかを処理手段によって決定することを含む。
【0046】
いくつかの実装形態では、方法は、処理手段によって、運動しない停滞物体、および停滞物体によって生成されるノイズをフィルタリングすることを含む。
【0047】
添付の特許請求の範囲内のシステム、方法、およびデバイスの様々な実施形態はそれぞれ、いくつかの態様を有し、そのうちのどの1つの態様も本明細書に記載される望ましい属性を単独で担うわけではない。添付の特許請求の範囲を限定することなく、以下の説明はいくつかの顕著な構成を説明する。
【0048】
本明細書に記載される主題の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。他の構成、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対的な寸法は、縮尺どおりに描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】強磁性物体を検出し、その脅威を判断し、警報を出すシステムの例示的な一実施形態を示す。
【0050】
図2】強磁性物体を検出するための、第1のセンサアレイを備えたセンサレールの例示的な一実施形態を示す。
【0051】
図3】飛行時間型センサ(例えば、各々が視野をカバーする検出素子のマトリクスを有する)を含む第2のセンサグループの例示的な一実施形態を示す。
図4】飛行時間型センサ(例えば、各々が視野をカバーする検出素子のマトリクスを有する)を含む第2のセンサグループの例示的な一実施形態を示す。
【0052】
図5】強磁性物体を検出するためのセンサの例示的な一実施形態を示す。
【0053】
図6】強磁性物体を検出するためのセンサの信号処理コンポーネントの例示的な一実施形態を示す概略図である。
【0054】
図7】アナログ磁気センサ信号、デジタル飛行時間(TOF)信号、および1つまたは複数のセンサレールの通信信号(例えば、無線、有線)を入力する手段を備えたマイクロプロセッサの例示的な一実施形態を示すブロック図である。
【0055】
図8】強磁性物体を検出し、その脅威を判断するための信号例を示すグラフである。
図9】強磁性物体を検出し、その脅威を判断するための信号例を示すグラフである。
図10】強磁性物体を検出し、その脅威を判断するための信号例を示すグラフである。
【0056】
図11】強磁性物体を検出し、その脅威を判断するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本開示は、MRI装置の近くなどの高磁場領域に導入される可能性のある鉄製または強磁性の物体の検出を最適化するためのシステムおよび方法を提供する。MRI環境では、特に発射体の危険を表す大きさ/質量の鉄製物体を検出すると主張する、検出および警告警報の発行のための様々なデバイスが存在する。鋼製のヘアピンおよびペーパークリップなどの物体の検出は他の理由から望ましい場合もあるが、そのような低質量の物体は通常、発射体の危険を示すものではないことに留意すべきである。しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、「飛行」による大きな衝撃による危害の危険性を示さないものの、例えば、無線周波数(「RF」)加熱、画像劣化などの他の危険性を示す可能性がある、そのような小さな物体も選別するように(例えば、感度を上げて)構成することができる。
【0058】
Keeneは米国特許第7,113,092号で、磁気共鳴スキャナの近くにある強磁性物体を検出するための装置を提示している。Keeneのデバイスは、フラックスゲートセンサを利用しているが、可能な代替検出手段として、磁気抵抗、磁気インピーダンス、ホール効果、ガルバニック・コイル・タイプのセンサなど、当時知られていた様々な磁気センサのリストが含まれている。Keeneは、強磁性物体の接近によって引き起こされる、地球の自然の背景磁場によってもたらされるかなり静的な周囲磁場の変化に依存している。Keeneはさらに、単純なハイパスおよびローパスフィルタリングを使用して、DC(地球の静磁場)信号と、電源からのおよびその高調波などの高周波の周囲磁気ノイズを除去することを教示している。
【0059】
このような基本的なフィルタリングと非公開レベルの増幅の後、Keeneは、手動で設定された閾値を有する単純なコンパレータを利用して、フィルタリングされた磁気センサの出力レベルが事前に設定されたコンパレータの限界を超えたという警告をトリガーする。Keeneはさらに、より大きな開口部(出入り口)に対して、この第2のセンサの閾値トリップの並列「論理和」を使用して第2のセンサを追加できることを教示している。
【0060】
Keeneは、自分のデバイスが誤ったアラームを起こしやすいことを認識しているため、「第2の」非磁性センサを追加して誤ったアラームを制限し、磁気センサのラッチされたコンパレータ出力と「論理積」を取られたこの第2の非磁性スイッチを使用して光線を遮断することで、出入り口を通過する物体を検知し、警報を続行できるようにすることを教示している。
【0061】
Keeneの発明は、一定レベルを超える磁気信号のみに基づいて危険な鉄製物体を検出する。この検出レベルは、調整可能であるが、リアルタイム条件では時間変化しない。Keeneの図面(図3および図4)に見られるように、第2の非磁気センサの使用は、純粋にアラームゲートとして使用される。この第2の非磁気センサからは、速さも方向も含めた運動は収集されない。リアルタイムの閾値適応は、行われない。
【0062】
第2の特許アプローチは、主に、Koppのホール効果センサの使用に提示された、通過する鉄製物体の磁気効果を増大させるためのMRI磁場の漂遊(残留)磁界へのKoppの依存と、「遠方磁場磁気妨害を識別する」Koppの方法(これは、米国特許商標庁の審査官の特許査定理由書の記述である)に基づいて、米国特許第7,489,128号でKoppに付与された。Koppの特許は、ホール効果センサ信号の増幅とバンドパスフィルタリングを教示しており、詳細は示されていないが、信号プロセッサとアラーム発生デバイスが入力される増幅されたセンサ信号を分析し、「プログラミングされたパラメータに基づいて」アラームを発すべきかどうかを決定することが教示されている。Koppは、彼の分析には、信号を時間の経過と共に分析して接近速さを決定し、その後、誤ったアラームを防ぐために上限と下限を適用するバンドパスフィルタを「含むことができる」と述べている。この分析に含まれていると主張しているのは、明らかな開示はないが、遠方磁場の磁気擾乱を識別する何らかの方法である。
【0063】
Koppは、接近速さを決定できると主張しているが、バンドパスがゆっくりと動く物体に対してセンサの信号変化をロールオフする一方で、より速く動く物体がフィルタリングされた信号をより高いレベルまで上昇させることを可能にするため、鉄製物体の速さの粗い指標のみが、フィルタリングされたセンサ出力信号の傾き(1次導関数)によって決定され得ることに留意すべきである。センサからのDC結合信号は、物体の速さ、およびAC結合信号に適用されるゲイン量、並びに物体の質量に関係なく同じであるため、この傾きは、フィルタの周波数応答に完全に関連している。物体の鉄の質量と幾何学的特性を事前に知ることによってのみ、その実際の速さを決定することができる。磁気センサの信号変化速度によってそのように推定される「速さ」に基づいて、検出閾値をリアルタイムにどのように調整できるかについては、これ以上説明しない。
【0064】
Koppは、米国特許第9,651,701号で、彼の信号解析方法に詳細を加えているようである。Koppは、MRI装置からの残留磁場強度を受動的に監視する検出器と共に、遠方磁場擾乱から各々のセンサを補正する「補正機能」があると述べている。これは、前の’128号特許における「遠方磁場擾乱の識別」という開示に関連する、より詳細な内容として読み取れる。「補正機能」は、すべての信号値(各々のセンサからの信号)の合計をセンサの数で割って、その結果の平均値を各々のセンサの出力から差し引いたものであることが示されている。この「補正」がDCセンサ出力に対して行われ、センサグループに対する遠方の静磁気の影響が補正されるのか、それともAC(フィルタされた)結合されたセンサ信号が使用され、遠方磁場のより過渡的な擾乱が補正されるのかは開示されていない。しかしながら、どちらの場合でも、センサの出力の閾値を適応的に変更するような補正機能は適用されず、その結果、危険な鉄信号がトリガーされることになる。また、鉄製物体の移動の速さまたは方向に対して閾値が調整されることもない。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、潜在的な磁気的な危険性を検出する際に物体の運動(例えば、速さおよび/または方向)を有利に考慮し、それによって、アラームシステムの無効化または無視につながる可能性が高く、安全性が向上する代わりに安全性が低下する誤ったアラームが起こりにくくなる、より正確でより堅牢なシステムを提供する。
強磁性検出システムの例示的なデバイスおよび実施形態
【0066】
図1は、2つのセンサレール1および2を含む強磁性検出(FMD)システムの例示的な一実施形態を示しており、これらのセンサレール1および2は、強磁性物体の検出を必要とする(例えば、MRIスキャン室の)通路(例えば、出入り口)の両側のそれぞれのドア枠または他の適切な取り付けブラケットに直接取り付けることができる。或いはまた、センサレール1および2は、通路(例えば、出入り口)に隣接する壁の部分に固定されるか、または取り付けられてもよい。センサレール1および2は、複数の磁気センサ(例えば、高感度アモルファス磁気センサ)、複数の表示灯(例えば、三色表示灯)、および無線通信およびシリアル通信を備えた1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。
【0067】
さらに図1には、2次元脅威アプローチ(例えば、飛行時間型センサ)レール3と遠隔アラームおよびログ記録ユニット(RALU)4が示されている。図1はさらに、左側レール1からアプローチレール3の脅威を経て右側レール2に至る有線接続5を示している。この有線接続5は、センサレール1および2の1つまたは複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を連結し、脅威接近レール3の複数の移動(例えば、飛行時間型)センサとの通信を容易にすることができるシリアル(例えば、ユニバーサル非同期受信機-送信機(「UART」)および相互集積回路(「I2C」))通信を含むことができる。有線接続は、単一のケーブルに束ねられた複数の通信ワイヤ、または別個のワイヤまたはケーブルとして維持された複数の通信ワイヤを含むことができる。ワイヤは、シールドされ得る、または包まれ得る。
【0068】
RALU4は、レール1および/またはレール2内の1つまたは複数の処理手段またはユニット(例えば、マイクロプロセッサ)によって感知および判断された脅威が、警報/警告および/または音声アラーム音(例えば、液晶ディスプレイ(「LCD」)またはその他の表示ユニットを介した色付きの視覚的警報、および/または1つまたは複数のスピーカーを介した音声による警報)の提示によってさらに示される点である。RALU4は、内部無線装置とアンテナ6を介してセンサレール1または2と無線で通信できる。いくつかの実施形態によれば、1つのセンサレールは、RALU4との無線通信の目的のためのマスタである。有線実装も使用できる。RALU4は、オペレータ入力を受信し、目に見える出力を表示するように構成されたディスプレイ(例えば、タッチスクリーンLCD)を含むことができる。ディスプレイには、1つまたは複数のグラフィカルユーザインターフェイス、キーパッド、ボタン、スイッチ、またはその他のユーザ入力デバイスを含むことができる。
【0069】
図1は、システム用の(例えば、センサレール1、2および脅威接近レール3に電力供給するための)DC電源7も示している。DC電源7は、電力が有線接続5を介してFMDシステムのコンポーネント全体に中継されることもできるため、レール1またはレール2のいずれかであり得る1つのレールに取り付けられる(機械的に取り付けられる、および/または電気的に結合される)ことができる。RALU4は、センサレール1および/またはセンサレール2内の1つまたは複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を「無線」でプログラミングするため、並びにシステムのセットアップ、磁気閾値と接近速さの設定、および較正のために使用することもできる。RALU4は、様々な制御(例えば、通路(例えば、出入り口)の左側と右側のどちらのレールであるかを規定する制御、各々のセンサの出力、感度および背景磁界レベル、並びに各々の特定の現場が所望するおよび/または要求する全体的な脅威検出レベルをチェックする制御など)を提供するようにプログラミングまたは構成することができる。RALU4はまた、(図4に示される)どのセンサ14がドアまたは通路入口に向けられるかを設定するようにプログラミングまたは構成することもできる。RALU4は、1つまたは複数の処理ユニット(例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ)、および1つまたは複数の処理アルゴリズムまたはプログラム命令を記憶するためのメモリを含むことができる。
【0070】
図2は、単一のセンサまたはセンサ対として3セットの磁場センサ8(例えば、アモルファス磁気インピーダンス、またはAMI磁場センサ)を含み得る、例示的なセンサレール(例えば、図1に示されるレール1またはレール2)の詳細を示す。いくつかの実施形態では、センサレールは、1セット、2セット、4セット、5セット、または5セットを超えるセンサなど、3セットより多いか少ない磁場センサ8を含んでもよい。センサ8は、例えば床から人の平均身長寸法にわたる通路を覆うように、レール1、2に沿った様々な点に取り付けることができる。センサ8はさらに、感度をさらに高め、コモンモード磁気ノイズを低減するために、差動的に配線されたおよび/または方向付けられた対で配置することができる。このような差動接続は、物理的方向付けまたは電気的接続を通じて達成され得る。さらに、いくつかの実装形態では、DC磁場をゼロにする漂遊背景磁場を、対のセンサのうちの1つと置き換えることができる。ゼロ磁場は、固定された小さな磁石を介して生成されるか、適切なコア材料に巻かれたコイル内の電流によって能動的に生成されることができる。いくつかの実装形態では、DC磁場ゼロ化コンポーネントは、コイル電流を有する小さなフェライトコアのシールドされていないインダクタを含むことができるため、磁場は、手動で設定可能な電流源によって生成および制御される。或いはまた、電流源は、例えば、デジタルアナログコンバータ(「DAC」)またはパルス幅変調(「PWM」)出力を介して、処理手段(例えば、1つまたは複数のプロセッサまたはマイクロプロセッサ)によって制御されてもよい。
【0071】
図2に示されるように、通路のステータスを提示するための複数のセットのLED9(例えば、3色LED)または他の光源を含めることができる。例えば、LEDの様々な色は、通路の様々なステータス、または通路の様々な位置における脅威レベルを示すことができる。例えば、緑色は、通路に脅威が存在しないことを示すことができ、黄色は、センサ8が範囲内に磁気的脅威の可能性を検出したことを示すことができ、赤色は、脅威が脅威接近レール3の真下の通路を通過していることを確認した上で、脅威の速さと方向が、接近速さに応じて調整された磁気信号の閾値と共に、実際の脅威として認められることを示すことができる。
【0072】
図2はまた、レール1、2の一方または両方に含めることができる無線装置を備えたマイクロプロセッサ10を示しており、より詳細は図7に示されている。センサレール1、2の各々は、電力入力接続11を含むことができ、各々のセンサレール1、2と脅威接近レール3との間の通信は、それぞれのインターフェイスコネクタ12を介して行うことができ、これにより機械的および/または電気的接続(例えば、電気機械的接続)が容易になり得る。さらに、センサレール1、2は、各々のセンサ8用のアナログ信号処理回路またはデバイスを含むことができ、これは図6により詳細に示されている。
【0073】
図3は、通路(例えば、出入り口)の上部を横切って取り付けられ、センサレールLED9または他の光源と協働して通路の脅威を示す追加のLED13(例えば、3色LED、2色LED、または単色LED)または他の光源を含むことができる脅威接近レール3の一例を示す。脅威接近レール3はまた、6つの飛行時間型センサ14(または、1、2、3、4、5、7つまたは7つを超える飛行時間型センサなど、6つより多いまたは少ない飛行時間型センサ)を含むこともできる。TOFセンサ14は、赤外線(IR)ベースの飛行時間型センサまたは他のタイプの運動センサ(例えば、物体の方向および/または速さを感知できるセンサ)であってもよい。センサ14は、レール1、2内のセンサ8の第1のアレイとは異なるセンサの第2のグループを備え得る。
【0074】
図4は、TOFセンサ14を用いて実装される第2のセンサグループまたは第2のセンサ要素に関するさらなる詳細を示す。いくつかの実装形態では、6つのそのようなセンサ14を使用して通路をカバーすることができるが、通路の大きさに応じて他の数を使用することもできる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のTOFセンサ14aをドアに向けてドアの運動およびドアの開放ステータスを検出することができ、1つまたは複数のTOFセンサ14bを真下に向けて脅威(例えば、鉄製の物体)が侵入したか、または保護領域に(例えば通路を介して)進入しようとしていることを確認することができ、1つまたは複数のTOFセンサ14cを保護された通路から外側に向けることができる。TOFセンサ14は、磁気センサレールと組み合わせてもよいし、別個のレールに配置されてもよい。TOFセンサ14は、様々な実施形態において、対で使用されてもよいし、単一のユニットとして使用されてもよい。TOFセンサ14は、単数でも複数でもよく、各々のセンサ14は、センサの視野全体を構成する複数の小さな領域またはピクセルからTOF信号を生成することができる。各々のピクセルから、視野内の物体の相対的な位置と速さを収集できる。さらなる方向情報は、ピクセル間を追跡することによって導出され、それにより視野内の物体の二次元情報を提供することができる。外向きのTOFセンサ14cは、潜在的な脅威の二次元(2D)の運動(速さおよび方向)を取得することができる。各々のセンサ14の視野方向、視野、および範囲は、実際のフィールド位置での性能を最適化するためにRALU4からプログラミングすることができる。各々が素子のアレイを使用するセンサ14により、視野の拡大と方向ベクトルのより高い分解能が得られる。1つの構成は、各々が4×4の感知アレイを有するTOFセンサ14を利用する。いくつかの実装形態では、アレイの各々のピクセルは、距離と距離の変化(例えば、速さ)を提供する。
【0075】
図5は、コアアモルファスワイヤ15と外側感知コイル16を示す磁気センサ8の構造の詳細を示す。センサ8は、例えば3mm~8mmの長さの感知ワイヤ15を使用して、高い磁気感度を備えながら非常に小型に作製することができる。他の長さも使用できる。いくつかの実装形態では、磁化電流の短いパルス(例えば、約200ナノ秒)がワイヤ15上に印加または生成されて、外側感知コイル16によって感知される表皮効果として磁区17を方向付ける。いくつかの実装形態によれば、感知信号の振幅は、周囲磁場に比例して増加する。図5には、斜視図、側面図、および断面図が含まれている。断面図に示されるように、ワイヤ15は、内部コア、中間層、および磁区表皮効果層を含む。
【0076】
図6は、センサ8の1つとそのアナログ信号処理回路を示す。センサ8は、タイミングパルス20を介して電流パルス19(例えば、約200ナノ秒の電流パルス)によって励起され得る。センサ受信コイルまたは外側感知コイル16は、適切にタイミングをとられた復調パルス21(例えば、約500ナノ秒)、およびフィルタコンデンサ22によって復調され、その後、第1のローパスフィルタ段23と、それに続くさらなる手動ゲイン較正段(複数可)25へのACカップリング24が行われる。また、いくつかの実施形態によれば、センサ8は非常に敏感である可能性があるため、地球の磁場および/またはMRI漂遊磁場の磁場から局所的な静磁気背景を除去するために、周囲磁場の低減が必要となる場合もある。このような周囲磁場の中和は、所定の回路位置26に電気的に導入することができる。
【0077】
図7は、センサレール1および2の一方または両方に含まれるプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)10の例示的な一実施形態の詳細を示す。マイクロプロセッサ10は、図7に示されるように、アナログデジタル(A/D)変換に適用されるセンサ8の様々な増幅器からアナログ信号を受信する。DC信号と高ゲインAC信号は両方とも、各々のセンサ8からのマルチチャンネルA/Dコンバータによって変換できる。マイクロプロセッサ10は、図1のRALU4と通信するためのオンチップ無線装置28を含む。マイクロプロセッサ10はまた、センサレール1と2の間の通信のための非同期シリアルポート29(例えば、uART)と、図4の飛行時間型センサ14との通信のための集積回路間(「I2C」または「ICC」)通信ポート30とを含む。通信ポート30は、シリアルデータ(「SDA」)ピンおよびシリアルクロック(「SCL」)ピンを含み得る。マイクロプロセッサ10はまた、様々なスイッチの制御および各々のレール1、2上のインジケータLED9のバンクおよび脅威接近レール3上のLED13の制御を含む信号伝達のために、汎用入出力(「GPIO」)31を使用することもできる。
【0078】
図8図9、および図10は、マイクロプロセッサ10内の信号処理アルゴリズムの一実装形態の動作を示す。図8は、サンプリングされた典型的な入力センサ信号32の例示的表現を示し、この信号は、アナログフィルタをかけられているが、依然としてノイズが多すぎて、信頼性が高く誤ったアラームが少ない検出を行うことができない。図9は、マイクロプロセッサ10内のさらなるバンドパスフィルタリングおよび移動平均フィルタの追加の効果を示す。また、マイクロプロセッサ10は、移動平均信号33をウィンドウ処理し、ウィンドウ限界(ウィンドウ上限34およびウィンドウ下限35)を、例えば中央平均33から1~3標準偏差に設定する。希望および/または必要に応じて、他のウィンドウ制限を使用することもできる。
【0079】
図10は、ある時点で移動平均標準偏差(SD)ウィンドウ限界を超えた信号36として可能性のある脅威が検出されることを示している。可能性のある脅威信号36は、接近する物体の速さに基づく(例えば、飛行時間型センサ14に基づく)方向の確認および閾値調整によって脅威を確認するためにさらに処理される。入口に向かって移動していない物体は無視され、脅威として確認される信号36の最終的な違反振幅は、検出された物体への接近速さに対して修正される。これらの確認プロセスについては、以下でさらに説明する。
強磁性検出システムの例示的実装形態
【0080】
強磁性検出について本明細書に記載されるシステムおよびデバイスは、例えば鉛直スタックまたはレール内に配置され得る複数の磁気センサまたはセンサ要素(例えば、高感度アモルファス磁気インピーダンス(「AMI」)センサ8)を含むことができる。鉛直スタックまたはレールは、通路(例えば、出入り口)の周囲に配置され得る。いくつかの実施形態では、3つ以上のそのようなセンサ(例えば、第1のセンサアレイ)を使用して、床の真上から人の平均肩高さまでの範囲をカバーすることができる。感度は、レール内のセンサ要素からの鉄製物体が配置される距離に大きく依存し得るため、エリアまたは開口部を適切にカバーするには複数のレール(例えば、センサレール1、2)が必要になり得る。いくつかの構成では、出入り口または廊下を保護するために、互いに向かい合って配置された2本の鉛直レールで、幅3~5フィートの通路を安全にカバーできる。しかしながら、より大きな通路には、追加のレールまたは追加のセンサ8を備えたより長いレールを使用することもできる。いくつかの実施形態によれば、センサ感度は、全方向性ではなく、床と平行な水平面内で移動する物体の信号を最大に検出するように感知素子が最適化される。
【0081】
レールをできるだけ目立たないようにするために、センサと電子支援回路は、小型のものにすることができる。例えば、センサ素子(例えば、センサ8)の大きさは、長手(感知)方向に約4mm、高さ2mm未満とすることができるが、所望および/または必要に応じて、他の長さおよび高さを使用することもできる。他の回路は、増幅、単純なアナログフィルタ、A/D変換、デジタル信号処理(「DSP」)機能を備えたマイクロプロセッサ処理、および無線システムオンチップ(「SOC」)を含むことができる。レール(例えば、レール1、2)はまた、3色のLEDインジケータを含むことができ、いくつかの実施形態では、各々のインジケータを感知素子のうちの1つの近くに設定することができる。これらのインジケータは、高い警報(例えば、赤色)、注意喚起(例えば、黄色)、および問題なしの表示(例えば、緑色)を表示するために使用できる。さらに、レールは、ユーザ制御、システム診断/セットアップ、および鉄製物体の検出などの脅威イベントのログ記録のために、外部ディスプレイ、データログ、およびアラームユニット(例えば、RALU4)に(例えば、無線で)リンクするように構成できる。
【0082】
いくつかの実装形態では、強磁性検出システムは、典型的には通路の上部を横切って取り付けられる第3のセクションを含むことができる。第3のセクション、またはレールは、物体の移動および運動を検出するためのセンサを含む(例えば、含有する)ことができる(例えば、脅威センサレール3)。「飛行時間」で計時された反射光パルスを利用して、これらのセンサ(例えば、飛行時間型センサ14)は、その視野内の物体の実際の2Dベクトルを示す信号を提示することができる。処理アルゴリズムは、視野内(例えば、約6フィート)の物体の方向と大きさ(速度)をリアルタイムに(例えば、感知、検出、分析、警報などが行われている間に)動的に利用し、処理された磁気センサ信号のトリガー閾値を調整し、アラームのトリガーを調整することができる。有利なことに、磁気センサ信号の動的追跡と、2Dセンサデータを磁気センサ信号と組み合わせて使用する警報トリップ閾値の動的調整の両方を組み合わせることで、実際の脅威を検出し、誤った脅威警報を提示しない信頼性を高め、それにより有利なことにユーザの採用と信頼を高め、ユーザエクスペリエンスを向上させ、機器、臨床専門家、および患者の安全性を強化することができる。
【0083】
磁性物体の速さを磁気センサ信号と組み合わせて利用することで、システムの脅威を識別する能力が強化される。いくつかの実装形態では、磁気センサがバンドパスAC結合されるため、鉄製物体がセンサに近接して移動する速さは、第1の磁気センサによって生成される信号に関係する。非常に遅い速度または非常に速い速さで移動する強磁性物体は、比較的小さな磁気信号を生成するが、同じ質量の強磁性物体がバンドパスフィルタの中心点の近くと一致する速さで移動すると、より大きな磁気信号が生成される。したがって、物体の速さのための係数を追加すると、感度が正規化され、より正確なアラーム閾値が達成される。
【0084】
いくつかの実装形態によれば、飛行時間型センサ(例えば、センサ14)の出力は、移動物体の2Dベクトルだけでなく、それらの距離および距離に対する変化率、すなわち3次元も識別できる。本明細書で説明されるシステムおよび方法は、図4に示されるセンサ14cのように、ドアから離れた空間を見るために、そのような飛行時間(TOF)センシングを割り当てることができ、また、図4に示されるセンサ14aのように、ドアを見ることもできる(例えば、システムがドアから数フィート以内に設置される場合)。ドア視認センサ(例えば、図4の14a)からの情報は、処理アルゴリズム(例えば、処理アルゴリズムを実行する1つまたは複数のプロセッサ)に提示され、ドアが開いていると見られるまで、さらなる警報ゲーティングが適用され、開放量をさらに含めることも可能である。また、ドアが動くと、この運動によって磁気センサが妨害され、不自然な信号が生成される可能性がある。ドアの動きを知ることで、磁気センサの出力をさらに補正し、実際の鉄の脅威に対する最大の感度を維持できる。
【0085】
図4に示されるセンサ14bなど、真下に向けられた第3セットのTOFセンサも、接近する物体が実際に開口部を通過していることの最終確認として利用することができる。
【0086】
さらに、いくつかの実装形態では、システムをMRIスキャン室のすぐ内側に設置することが有利な場合がある。このような場合、所望のMRI画像にアーチファクトを加える可能性のあるレベルのRFノイズを生成する可能性のある電子機器は、スリープするか、そのようなRFノイズを画像化信号閾値未満に保つような低速で動作するように構成できる。ドア監視TOFセンサ(例えば、センサ14a)を利用することによって、電子機器は、ドアが開くまで「スリープ」することができ、ドアが開くと、電子機器は、本明細書で説明されるような通常動作を含む動作モードに入ることができる。次に、さらに、移動物体がMRスキャン室から外へ移動しているという2Dベクトルに関する知識が追加されることにより、物体がMRスキャン室内へ移動していることを2Dベクトル情報が示す時点まで、さらなるアラームゲーティングを適用することができる。
【0087】
強磁性検出システムに使用できる磁気センサの一例について説明する。ここで説明する特性は、図5に関連して説明した例に組み込むことができ、またその逆も可能である。このセンサは、非常に小さな直径のアモルファス特殊鋼ワイヤの外表面における磁区の表皮効果に基づくことができる。いくつかの実装形態では、直径約30μmのアモルファスワイヤ(例えば、直径10~50μm、直径20~40μm、直径25~35μm、それらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の直径値)は、わずか数ミリアンペアの100~400nsの短パルスを1~40MHzのレートで繰り返すことにより直接励起され、実際にワイヤを磁化したり飽和させたりすることなく、ワイヤの表皮磁区を揃える。ワイヤのコアは、短パルスの影響を受けない可能性がある。様々な実施形態では、ワイヤの直径が異なると、異なるパルス幅および繰り返しレートが必要となり、それらが許容されるが、かなり細いワイヤを実装して、大きさ、電流を低減(例えば、最小化)し、感度を増加(例えば、最大化)することができる。
【0088】
アモルファスワイヤの長さは、4mmにすることができるが、1mm~8mmの長さが使用されて成功しており、長さに応じて感度は増加するが、ノイズも長さに応じて増加する。
【0089】
いくつかの実装形態では、励起されたワイヤが入れられる外部磁場は、表皮の磁区の再配列に影響を与える。これは、アモルファスワイヤの長さの周りに巻かれた感知コイルで感知される。励起パルスによる感知コイル出力の同期復調により、外部磁場の高感度出力測定が得られる。この効果は、アモルファスワイヤに対する磁気インピーダンス効果として知られている。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、結果として生じる4mmワイヤを有するセンサは、240pT/VHzおよび30nTp-pのノイズ0.1Hz~10Hzで30mV/μTの感度をもたらす。このような感度とノイズフロアは、ホール効果センサまたはフラックスゲートセンサよりもはるかに優れている。例えば、最良の線形出力ホール効果(磁場による抵抗変化)センサの感度は、100μV/μTであることがわかっているが、これは、感度が約300倍低く、ノイズは500倍である。現在の最高のフラックスゲートセンサは、1.5nT/VHzのノイズと4nTの分解能と同等の感度を提供することがわかっており、どちらも本明細書で説明するアモルファスワイヤMIセンサよりも約200倍低い。
【0091】
地球の磁場(すべての場所で等しくなく、変化している)は、高感度アモルファス・ワイヤ・センサ(例えば、AMIセンサ)8に影響を与える可能性がある。地球の磁場は、通常0.8Gで、センサに対する大幅な「DC」オフセットを表す。センサの基本ノイズが適用できるゲインの実際の限界であることを考慮すると、このAMIセンサ設計では、基本センサのノイズフロアにより多くの使用可能な増幅信号が許可されるため、大幅なゲインの適用が可能になる。しかしながら、特にDCレベルのゲインが高い場合、DC成分により、増幅された信号が使用される演算増幅器(オペアンプ)のレールに押し込まれる可能性がある。したがって、最大の信号ヘッドルームを維持するために、設置中に現場でオフセット調整を補償することが有利である可能性がある。このDC補償は、感知コイルに最も近い最初の増幅器に近い信号チェーン内で直接行うことができる。このようなことは、地球上の様々な場所で、北南対東西の様々な方向、および近くの建物構造物の残留磁気またはMRI自体の漂遊磁場などの他の背景DC磁場で必要になる可能性があり、これらはすべて、上記の他者によって提供された既存の設計では使用できないだけでなく、排除または無効化しようとする影響である。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される出願人の磁気センサの低ノイズフロアにより、有利なことに、センサのノイズが通常の背景環境の磁気ノイズをさらに複雑にすることなく、高いACゲインが可能になる。フロントエンド増幅における帯域幅制限により、センサノイズの量がさらに制限され、環境ノイズが低減される可能性がある。地球のDC磁場を補償できる約5倍のゲインの初期増幅段階から、0.3Hz~10Hzに制限された帯域で、約300~500の追加ゲインをセンサ8に適用できる。これにより、100pT/カウント未満の感度を提供するA/D分解能で、1000V/Gと同等または100nT/V未満の使用可能な検出可能な信号が得られる可能性がある。
【0093】
環境には、検出フロアよりもはるかに高いノイズが存在する。エレベーターまたはさらには冷水器などのモータ始動時の電気ノイズは、数千pTまたは数百のA/Dカウントを示す。鋼製ファイル用引き出しを開けたり、椅子を動かしたりすると、静磁場に大きな乱れが生じ、再びA/Dに大きな信号がもたらされる可能性がある。このような信号は一時的であり、対象の帯域内にあるため、従来のフィルタは、非常に限定的な用途にしか使えない。いくつかの実施形態によれば、本明細書で説明されるFMDシステムは、TOFセンサ(例えば、センサ14)からの2Dベクトル信号をリアルタイムにさらに適応させる動的追跡フィルタ法を採用する。
処理技術の例示的実装形態
【0094】
アナログ回路を介して各々のセンサに適用される基本ゲインとフィルタリングにより、得られる帯域幅は約3Hz~10Hz、ゲインは300~500となる。いくつかの実装形態では、アナログデジタル変換(「ADC」)は、各々のセンサアンプ出力をDCとして、およびバンドパスおよび2000Hzでのゲイン後の両方でサンプリングし、直接形式IIバイクワッドカスケードフィルタを使用してソフトウェアで高ゲイン帯域幅が制限された信号をさらにフィルタリングする。いくつかの実装形態では、フィルタは、ローパス、10Hz、5次フィルタであり、センサノイズを低減するために、および人間がセンサを超えて鉄の脅威を移動させる可能性がある速さから予想される速さを超える不必要な高速信号変化を低減するために使用される。フィルタリングされた信号は、さらに50Hzまでダウンサンプリングされ、次のアルゴリズムで処理される最終的な磁気信号が生成される。
【0095】
いくつかの実装形態によれば、磁場中を移動する鉄製物体による磁場の変化は一変量ではないため、脅威検出アルゴリズムは、一定の閾値を有するデータからの磁場の値の差を単純に測定することはできない。観察を通じて、アモルファス・ワイヤ・センサによって測定される磁場の変化は、到来する物体の速度に基づいて最小限に抑えられる。物体の形状および方向が信号レベル出力に影響を与える可能性があるため、これが必ずしも唯一の要因ではない。しかしながら、この関係は物体の速さと関係があるため、信号の大きさではなく信号の変化を測定する方が有利な場合がある。この測定は、N個の最新サンプルの傾きの合計を計算し、この値を閾値と比較することによって実行できる。閾値は、TOFセンサ(例えば、センサ14)によって決定される物体の運動の2Dベクトルに基づいてリアルタイムに決定され得る。いくつかの実装形態では、AC結合されフィルタリングされた磁気検出器信号の傾きは、サンプルごとに計算され、これは、新しいサンプルが受信されると、前のサンプルと比較して値の差が測定されることを意味する。この変化は、長さNのバッファに保存でき、そのバッファの合計が任意の所与の時点での「傾き合計」になる。「傾き合計」値は、現在の閾値と比較され得る。この値は、次のように表記することができる。
【0096】
傾き合計値が比較される閾値は、物体が磁気センサ(例えば、センサ8)に近づく速さによって決定され得る。速さは、上部レール3内の前向き飛行時間型赤外線センサ(例えば、センサ14c)から受信した距離値を使用して計算することができる。いくつかの実装形態では、速度は、サンプルごとに計算される。言い換えれば、サンプルを受信すると、前のサンプルと比較して値の差が取得される。この値は、サンプル当たりのmm単位で、M個の速度のバッファに保存され得る。このバッファの平均に基づいて、上記で処理された磁気センサ信号に使用される実際の閾値は、次のように表すことができる。
【0097】
いくつかの実装形態では、ベースライン磁気閾値は、サンプル当たり100ADCカウントである。閾値が調整されるとき、ベースライン閾値に調整される前に、接近する物体が磁気センサ(例えば、センサ8)に到達できるように、閾値を一定時間調整することができる。いくつかの実装形態では、強磁性検出器システム内に6つの磁気センサがあり、センサレールごとに3つである。任意のセンサの状態をMDと呼ぶことができ、ここで、sは、評価されているセンサである。いずれかの時点で傾き合計SSの値がTmagより大きくなった場合、処理アルゴリズム(1つまたは複数のプロセッサによる実行時)は、センサが強磁性物体を検出したと判断することができる。
【0098】
この値と、赤外線飛行時間型センサ(例えば、センサ14)を使用して計算された他の値とに基づいて、強磁性検出器システムのロジック(例えば、RALU4またはマイクロプロセッサ10内)は、アラームを発する正確な時間を決定することができる。
【0099】
いくつかの実装形態によれば、傾き合計が比較される閾値は、物体が磁気センサ(例えば、センサ8)に接近する速さ(速度)によって決定される。いくつかの実装形態では、速度は、最初に最大ウォークゲート速さ(例えば、1.0m/s)に関するパーセントに変換される。このパーセントに接近速さ係数として知られるユーザが調整可能な値を乗じて、速度修正定数を決定することができる。速度が最大の場合、速度修正値も最大になり、速度が最小の場合、速度修正値は、最小値の1に設定される。速度修正値に、ユーザが調整可能な基本閾値(例えば、30~300の範囲とすることができる)を乗算して、傾き合計が比較される最終閾値を取得することができます。
【0100】
他の実施形態は、より多くの、またはより少ないAMI磁場センサ(例えば、センサ8)、異なる技術の磁気センサ、または背景ノイズをキャンセルする、および/またはそれらの組み合わせ感度を高めるように配置されたセンサを使用することができる。2Dベクトル、速さ、方向の測定には、他の様々なタイプのセンサを利用できる。いくつかの実装形態では、TOFセンサ(例えば、センサ14)は、パルスIR光の飛行時間に依存するため、高周波RFパルスを使用するレーダーに似ている。ソナーに似た音パルスの時限反射の使用も、2Dの運動を決定するのに役立つ可能性がある。
【0101】
いくつかの実装形態によれば、第2のAMIセンサを、位相をずらして物理的にセンサの各々の特異位置の近くに追加することによって、センサペア自体が方向情報を提供できる。このような差動接続における対のセンサ配置もノイズフロアを低減できるため、検出感度が向上し、外部環境の影響がさらに低減される。
強磁性物体を検出して警報を生成する例示的プロセス
【0102】
図11は、強磁性物体の検出および脅威分析に基づいて警報を生成するための例示的なプロセス1100を示すフローチャートである。プロセス1100またはその一部は、メモリに格納されたコンピュータ可読処理タスクまたは命令を並列または直列で実行する1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実行され得る。1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、本明細書に記載されるような強磁性検出システムのセンサ(例えば、センサ8、14)と通信する1つまたは複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ(複数可)10、またはRALU4内のプロセッサもしくはマイクロプロセッサ)を含み得る。ブロック1101で、プロセッサは、1つまたは複数の第1のセンサから第1の信号を受信することができる。第1のセンサは、例えば図1を参照して説明したセンサ8などの1つまたは複数の磁場センサを備え得る。ブロック1103で、プロセッサは、1つまたは複数の第1のセンサによって検出された磁場の強度を示し得る第1の信号の大きさを決定することができ、次いで、検出された物体の大きさと相関し得る。例えば、大きさが大きい第1の信号は、大きな強磁性物体が1つまたは複数の第1のセンサによって検出されたことを示し得る一方、大きさが小さい第1の信号は、小さな強磁性物体が1つまたは複数の第1のセンサによって検出されたことを示し得る。
【0103】
複数の第1のセンサが使用される場合、(例えば、検出された物体の位置が、信号の大きさが最も大きい第1のセンサに最も近いと仮定することによって)第1のセンサの信号の大きさを比較して、強磁性物体の位置を推定することもできる。強磁性物体の位置は、信号の大きさが最も大きい第1のセンサに最も近い警報または予防的警告またはインジケータ(例えば、LEDの点滅)によって示すことができる。いくつかの実装形態では、システムに「大きな」信頼度がある場合にのみ位置を示すことができる。例えば、第1のセンサの信号の大きさの差が、他の第1のセンサの信号の大きさ(または他の第1のセンサの少なくとも最小の大きさ)よりも少なくとも25%大きい場合、強磁性物体の位置に対する大きな信頼度が判断され得る。
【0104】
ブロック1105で、プロセッサは、第2のセンサまたは第2のセンサグループから第2の信号を受信することができる。1つまたは複数の第2のセンサは、物体の運動および/または距離を検出するためのセンサを備え得る。例えば、1つまたは複数の第2のセンサは、図3および図4を参照して説明したようなIRベースの飛行時間型センサ14を備え得る。第2の信号は、通路(例えば、出入り口)に接近する強磁性物体など、検出された物体の2Dベクトルに関する情報を含むことができる。2Dベクトルは、物体の速度の大きさおよび速度の方向に関する情報を含むことができる。ブロック1107で、プロセッサは、第2の信号を分析して、2Dベクトルを決定し、および/または物体の速度の大きさおよび/または速度の方向を決定し得る。
【0105】
ブロック1109で、プロセッサは、物体の2Dベクトル(例えば、物体の速度の大きさおよび/または速度の方向)に少なくとも部分的に基づいて、第1の閾値を調整することができる。例えば、プロセッサは、速度の大きさが小さい検出物体、および/または速度の方向が通路(例えば、出入り口または他の通路)から離れる方向を向いている検出物体に対して、第1の閾値を上げる(例えば、警報をトリガーする可能性を下げる)ことができる。別の一例として、プロセッサは、検出された物体の速度の大きさが大きい場合、および/または、検出された物体の速度の方向が通路に向いている場合、例えば、ある角度範囲内(例えば、速度の方向が通路と45度以内(未満)の直交度)にある場合、第1の閾値を下げる(例えば、警報をトリガーする可能性を高める)ことができる。他の範囲(例えば、50度未満の直交度、40度未満の直交度、35度未満の直交度、30度未満の直交度)が、使用されてもよい。
【0106】
いくつかの実装形態では、プロセッサは、例えば、第2の信号内の情報に基づいて、検出された物体の通路からの距離を特定することができる。プロセッサは、通路からの物体の距離に基づいて第1の閾値を調整することができる。例えば、プロセッサは、物体が通路から遠く離れている(例えば、所定の第1の距離より大きい)場合、第1の閾値を上げてもよく、物体が通路に近い(所定の第2の距離より小さい)場合、第1の閾値を下げてもよい。
【0107】
ブロック1111で、プロセッサは、第1の信号の大きさが第1の閾値を超えるかどうかを判断することができ、超えている場合には、ブロック1113に進むことができる。そうでない場合、プロセス1100は、ブロック1101に戻ることができる。
【0108】
ブロック1113で、プロセッサは、2Dベクトルの大きさ(例えば、物体の速度の大きさ)が第2の閾値を超えているかどうかを判断することができ、超えている場合には、ブロック1115に進むことができる。そうでない場合、プロセス1100は、ブロック1101に戻ることができる。
【0109】
ブロック1115で、プロセッサは、2Dベクトルの方向(例えば、物体の速度の方向)が特定の範囲内にあるかどうか(例えば、通路に十分に方向付けられているか、または向いているか)を判断し、そうであれば、ブロック1117に進むことができる。そうでない場合、プロセス1100は、ブロック1101に戻ることができる。
【0110】
ブロック1117で、プロセッサは、通路を通過する強磁性物体の潜在的な脅威を示す警報を生成することができる。警報は、1つまたは複数のLEDまたは光源を作動させることを含むことができる。LEDまたはその他の光源が異なる色を表示できる場合、警報は、脅威の重大度のレベルに応じて1つまたは複数の色とすることができる。いくつかの実施形態では、脅威は、ディスプレイに出力することができる。いくつかの実施形態では、警報は、音声による警報を含むことができる。第1の信号は、1つまたは複数の第1のセンサからの複数の第1の信号を含むことができ、第2の信号は、1つまたは複数の第2のセンサからの複数の第2の信号を含むことができる。
ドアの位置とドアの運動を決定するための例示的実装形態
【0111】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループ(例えば、1つまたは複数のセンサ14)は、第2のセンサグループと通路内のドアとの間の距離(公称距離または角距離)に関連する追加の信号を生成することができる。いくつかの実装形態では、システムは、距離を決定し、静止しているときのドアの角度位置を推定するように構成され、それによって、閉じたドアの位置、またはドアが閉じているときのドアの位置を「学習」する。
【0112】
ドアの角距離を推定する追加の信号を生成する方法は、第2のセンサグループ14から出入り口までの距離を使用することによって決定することができる。角距離は、第2のセンサグループの公称距離から角距離を計算する三角方程式、並びにドアが完全に閉じた時点、または45度の位置またはその他の角度位置で開いた時点を含む較正/学習ステップ中に以前に取得されたマッピングされたドア距離値を使用して推定することができる。
【0113】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループは、第2のセンサグループに対するドアの距離(例えば、公称距離または角距離)が、学習された閉じたドア位置に基づく制限閾値よりも小さいかどうかを判断することによって、ドアの位置が開いているか閉じているかを判断するために使用され得る。ドアが人または危険な大きさの物体の侵入を防ぐのに十分に閉まっているかどうかが判断され得る。または、第2のセンサグループの距離増加によって決定されるように、距離が増加するにつれて閾値を超えた場合、ドアが人または危険な大きさの物体の侵入を許可するのに十分に開いていると判断され得る。
【0114】
ドアが開いているか閉じているかを判断する方法は、最初に較正プロセスでドア閉鎖閾値を決定または学習し、次にこの値に小さな定数をヒステリシスとして追加することによって実装でき、これにより、後続のドア閉動作が常に確実に検出され得る。ドア開放閾値は、ドア閉鎖閾値に小さな定数を加算することで決定できる。ドアが開いているか閉じているかを検出する方法は、公称距離または角距離を使用して実行できる。ドア位置(例えば、公称距離または角距離測定値の決定に基づく)がドア閉鎖閾値より小さい場合、ドアは、閉まっていると見なすことができる。ドアの位置がドア開放閾値よりも大きい場合、ドアは開いていると見なすことができる。ドアの位置がドアの開状態とドアの閉状態の間である場合、ドアの状態は、予め定められた状態から変化しない可能性がある。
【0115】
ドアの角距離を決定する方法は、第2のセンサグループ(例えば、1つまたは複数のセンサ14)によって測定される、設定点でのドアの距離を使用することによって実装することができる。角距離は、三角方程式を使用して第2のセンサグループからの角距離と、ドアの閉位置およびドアの開位置の較正または学習プロセス中に決定されたドア距離値を計算することによって推定できる。
【0116】
いくつかの実装形態では、第2のセンサグループは、動いているドアの速度を計算することによってドアが運動中かどうかを判断するために使用され得る。例えば、第2のセンサグループに対するドアの距離(公称距離または角距離)を使用することにより、プロセッサは、ドアが運動中かどうかを判断できる。ドアが運動中かどうか(つまり、動いているかどうか)を判断する方法は、一定期間(例えば、10ミリ秒~3秒の間の期間)にわたる距離の変化の絶対値が設定された閾値よりも大きいかどうかを計算することによって実行できる。
誤った警報またはアラームを削減するための例示的実装形態
【0117】
いくつかの実装形態では、方法(本明細書に記載の方法など)は、ドアが開いている場合、またはプログラミングされた閾値を超えて開いている場合にのみアラーム信号をゲートすることを含むことができる。例えば、強磁性検出システムは、ドアが十分に開いていない、まだ運動中である、または閉まっていると判断された場合にはアラームを生成しないことができる。
【0118】
いくつかの実装形態では、方法は、(例えば、ドアが閉じているときまたは動いているとき)ドアハンドルまたはドアノブに最も近いセンサ(複数可)(例えば、センサ8)の信号出力をゲートすることを含むことができる。これらのセンサ(複数可)から出力された信号をゲート制御すると、ドアノブまたはドアハンドルにある可能性のある鉄金属によって引き起こされる誤ったアラームを減らすことができる。
【0119】
いくつかの実装形態では、方法は、(例えば、ドアが閉まっているとき、または動いているとき)ドアハンドルまたはドアノブに最も近くに位置するセンサ(複数可)の閾値アラームレベルを上げることを含むことができる。閾値アラームレベルを上げると、ドアノブまたはドアハンドルにある可能性のある鉄金属によって引き起こされる誤ったアラームを減らすことができる。
【0120】
ドアの運動中にドアノブまたはドアハンドルの鉄金属によって引き起こされる誤ったアラームを減らす方法は、較正または学習プロセスを実行することで実現できる。較正または学習プロセスにより、最大鉄センサ出力が決定され、信号がゲートされる。最大鉄センサ信号出力の取得では、ドアノブまたはドアハンドルを素早く数回動かす間に、最も信号出力の大きいセンサが最大出力値を決定する。ドアが他の信号によって閉まったと判断される場合、鉄センサ出力信号(例えば、センサ8の出力)は、誤ったアラームを減らすためにアラームを発するかどうかを検討する際に無視することができる。
【0121】
センサレール1、2上の回路間を流れる電流によっても、誤った磁気信号が生成される可能性がある。電流の変化(例えば、LEDの点滅)は、磁場センサが検出し得る磁気信号である。誤った磁気信号の生成を避けるために、そのようなスイッチングされた電流を制御する追加の回路が必要である。1つの方法は、導体に定電流の流れを維持することであり、導体を目的の負荷(例えば、LED)に切り替えて、単純な抵抗負荷に戻すことができる。
ノイズ検出およびノイズフィルタリングの例示的実装形態
【0122】
いくつかの実装形態では、方法(本明細書に記載の方法など)は、運動のない停滞物体(例えば、ドアフレーム、床、カート、キャビネットなど)をフィルタリングして除去することを含むことができる。例えば、フィルタリングは、距離が変化しない物体が運動検出処理で考慮されないように、第2の信号(例えば、1つまたは複数の第2のセンサグループ14によって出力される信号)または第2の信号の一部に選択的に適用されるハイパスフィルタリングを利用することを含むことができる。
【0123】
運動のない停滞物体をフィルタリングして除去する方法は、例えば、第2の信号(例えば、1つまたは複数の第2のセンサグループ14によって出力される信号)に適用されるハイパスフィルタの使用を通じて実装することができる。フィルタリングは、例えばカットオフ周波数が0.005Hzの4次バターワースハイパスフィルタから設計された係数を有するデジタルバイクワッドフィルタなどのデジタル信号処理技術を使用することによって適応的に実行することができる。
【0124】
いくつかの実装形態では、方法は、環境(例えば、ドアフレーム)をマッピングする較正または学習プロセスを通じて、静止物体によって引き起こされるノイズをフィルタリングして除去することを含むことができる。マッピングされた環境を使用して、物体の距離を処理し、物体が静止しているか物体が運動中であるかを判断し、検出された物体が潜在的な脅威であるかどうかを判断できる。距離値を学習されたマップと比較して、検出が第2の信号(例えば、センサ14のうちの1つからの信号)からの潜在的な脅威の運動ベクトルの使用に関連しているかどうかを判断することができる。
【0125】
静止物体をフィルタリングして除去する方法は、物体が存在しないときに第2のセンサグループ(例えば、TOFセンサ14)の信号から得られる距離を記録する較正または学習プロセスを実行することによって実現することができる。強磁性検出システムが実行されている場合、静止物体が警報またはアラームの生成を引き起こす脅威であると判断されないように、マッピングされた距離(に追加の任意選択の定数を加えたもの)よりも大きい距離値は、無視することができる。
【0126】
いくつかの実装形態では、方法は、二次センサの視野内のノイズの多い領域を決定し、ノイズが考慮されないようにノイズフロア閾値を追加することによって、部分的に検出された停滞物体によって引き起こされるノイズをフィルタリングして除去することを含むことができる。このようなノイズフロアは、第2のセンサグループの出力全体に追加されることも、第2のセンサグループの視野内の限られた領域にのみ追加されることも可能である。
【0127】
部分的に検出された停滞物体によって引き起こされるノイズを除去する方法は、ノイズフロア閾値を決定することによって実現できる。第2のセンサグループの視野内の各々の領域、つまり距離値の出力について、距離値は、そのような距離値がノイズフロアに小さな定数を加えたものに類似している場合、ノイズと見なすことができる。距離値は、そのような距離値が一定期間(例えば、約1000ミリ秒)または一定数の連続サンプル(例えば、15連続サンプル)にわたって安定しない場合、ノイズと見なすこともできる。連続して観測された場合、信号はノイズではなく、真の物体と見なされる。いくつかの実装形態では、ノイズフロア閾値は、1つまたは複数の条件下で閾値を上げたり下げたりすることを提案することによって調整することができる。まず、現在のノイズフロアの距離よりも短いサンプルによって、新しいより大きなノイズ閾値が提案され得る。一定の時間(例えば、5秒)後、このウィンドウの特定の割当量、パーセンテージ、または持続時間(例えば、ウィンドウの最大0.6秒)の間、より高いサンプルが見られる場合、この期間に観測された最小距離までノイズ閾値を引き上げることができる。さらに長い時間(例えば、15秒)内にノイズが観察されない場合、ノイズフロアは、より長い時間(例えば、最後の15秒)の間に観測された最小距離に小さな定数を加えた値まで下げることができる。
座標系上の物体点の例示的実装形態
【0128】
物体の運動の2Dベクトルを決定する方法は、TOF第2センサ(例えば、センサ14)から受信した距離を使用することによって計算することができる。まず、方法は、基準座標系における物体の座標を計算することを含み得る。いくつかの実装形態では、各々のTOF第2センサは、各々のセンサの合計視野内の4×4表示グリッドの各々の領域の距離値を生成する。各々の領域またはピクセルは、高いところに取り付けられたセンサとそれが向けられる床の間の静的な光線を表すと考えることができる。物体が存在する場合、ベクトル投影数学を使用して、物体と光線との間の接触点の座標データ(X値、Y値、Z値)を抽出できる。物体の中心は、基準点(例えば、ドアフレームの中心)を基準としたセンサ自体の位置に対して座標オフセットを適用しながら、すべての接触点の座標を平均することによって計算できる。より高い精度で距離を決定するために、時間畳み込みを使用して、最後の接触の時間に基づいて各々の接触点を点の平均に関して重み付けすることができる。接触点が現在存在する場合、または接触点が最後の0.75秒以内に発生した場合には、重み1を使用できる。いくつかの実装形態では、接触点が最後の1.5秒以内に発生した場合、重み
が使用され、ここで、tは、接触点が発生してからの秒単位の時間である。いくつかの実装形態では、接触点がない場合、または接触点が1.5秒よりも前に発生した場合には、重み0が使用される。
【0129】
物体の運動の2Dベクトルを決定する方法は、最後の0.5秒以内に物体から検出された座標の移動平均を実行することによって正確に計算できる。最後の0.5~1.0秒以内の座標値に対して別の移動平均を計算できる。2つの移動平均を減算し、その結果に決定された定数を乗算することにより、物体の2Dベクトルの運動を正確に決定することができる。
【0130】
ドアまたは物体から距離および運動の情報を抽出する方法は、1つの距離値または複数の値のみを報告するTOFセンサによって抽出できる。運動情報抽出の方法は、第2のセンサ(例えば、TOFセンサまたはセンサ14)から直接行われてもよい。例えば、第2のセンサは、内部で距離から運動を計算してもよい。方法は、運動のパターンを観察するために、第2のセンサ(例えば、センサ14)からのジェスチャ検出を使用することもできる。
【0131】
いくつかの実施形態では、運動情報抽出の方法は、物体の距離および/または速度を決定するために、極座標、または他の線形および非線形座標などの他の座標系を使用してもよいし、使用しなくてもよい。
結論と用語
【0132】
本明細書で使用される場合、「システム」、「機器」、「装置」、および「デバイス」は、一般的に、ハードウェア(例えば、機械的および電子的)と、一部の実装形態では、関連するソフトウェア(例えば、グラフィックスコントロール用の特殊なコンピュータプログラム)コンポーネントの両方を包含する。
【0133】
必ずしもすべての目的または利点が、本明細書に記載される任意の特定の実施形態に従って達成されるわけではないことを理解すべきである。したがって、例えば、当業者は、特定の実施形態が、本明細書で教示または示唆され得るような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法で動作するように構成され得ることを認識するであろう。
【0134】
前のセクションで説明したプロセス、方法、およびアルゴリズムの各々は、1つまたは複数のコンピュータシステムまたはコンピュータハードウェアを含むコンピュータプロセッサによって実行されるコードモジュールで具体化され、完全にまたは部分的に自動化され得る。コードモジュールは、例えば、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、光ディスクなどの任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体またはコンピュータ記憶デバイスに記憶され得る。システムおよびモジュールは、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む様々なコンピュータ可読伝送媒体上で、生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログまたはデジタル伝播信号の一部として)送信されることもでき、様々な形態を(例えば、単一または多重化されたアナログ信号の一部として、または複数の個別のデジタルパケットまたはフレームとして)取ることができる。プロセスおよびアルゴリズムは、アプリケーション固有の回路で部分的または全体的に実装され得る。開示されたプロセスおよびプロセスステップの結果は、永続的または別の方法で、例えば揮発性または不揮発性記憶装置などの任意のタイプの非一時的なコンピュータ記憶装置に記憶され得る。
【0135】
本明細書に記載したもの以外の多くの変形例は、本開示から明らかとなるであろう。例えば、実施形態に応じて、本明細書で説明される任意のアルゴリズムの特定の動作、イベント、または機能は、異なる順序で実行することができ、追加、統合、または完全に省略することができる(例えば、説明された動作またはイベントのすべてがアルゴリズムの実行に必要なわけではない)。さらに、特定の実施形態では、動作またはイベントは、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサまたはプロセッサコアを通じて、または他の並列アーキテクチャ上で、順次ではなく同時に実行することができる。また、異なるタスクまたはプロセスは、共に機能できる異なるマシンおよび/またはコンピューティングシステムによって実行できる。
【0136】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズム要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、本明細書では、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、および要素をそれらの機能の観点から一般的に説明した。このような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーションとシステム全体に課せられる設計上の制約によって決まる。説明された機能は、特定のアプリケーションごとに様々な方法で実装できるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲から逸脱するものとして解釈されるべきではない。
【0137】
本明細書で説明される様々な構成およびプロセスは、互いに独立して使用することも、様々な方法で組み合わせることもできる。あらゆる可能な組み合わせおよび部分的な組み合わせは、本開示の範囲内に含まれることが意図される。また、いくつかの実装形態では、特定の方法またはプロセスブロックが省略される場合がある。また、本明細書で説明される方法およびプロセスは、いかなる特定のシーケンスにも限定されず、それに関連するブロックまたは状態は、適切な他のシーケンスで実行することができる。例えば、説明されたブロックまたは状態は、特に開示された順序以外の順序で実行されてもよく、または複数のブロックまたは状態が、単一のブロックまたは状態に組み合わされてもよい。例示的なブロックまたは状態は、直列、並列、またはその他の方法で実行することができる。ブロックまたは状態は、開示された例示的な実施形態に追加または削除され得る。本明細書で説明される例示的なシステムおよびコンポーネントは、説明とは異なるように構成されてもよい。例えば、開示された例示的な実施形態と比較して、要素が追加されたり、削除されたり、再配置されたりする可能性がある。
【0138】
本明細書で開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(「FPGA」)または他のプログラマブル・ロジック・デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネント、または本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなどのマシンによって実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、またはそれらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の一実施形態では、プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理せずに論理演算を実行するFPGAまたは他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することもできる。本明細書では主にデジタル技術に関して説明するが、プロセッサは、主にアナログコンポーネントを含むこともできる。例えば、本明細書で説明される信号処理アルゴリズムの一部またはすべては、アナログ回路またはアナログとデジタルの混合回路で実装され得る。コンピューティング環境には、いくつか例を挙げると、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル・シグナル・プロセッサ、ポータブル・コンピューティング・デバイス、デバイスコントローラ、またはアプライアンス内の計算エンジンに基づくコンピュータシステムを含むが、これらに限定されない、任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
【0139】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される方法、プロセス、またはアルゴリズムの要素は、ハードウェアで直接、1つまたは複数のメモリデバイスに格納され1つまたは複数のプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つの組み合わせで具体化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、またはその他の形態の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、または当技術分野で知られている物理的なコンピュータ記憶装置に常駐できる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合することができる。代替として、記憶媒体をプロセッサと一体化することもできる。記憶媒体は、揮発性でも不揮発性でもよい。プロセッサと記憶媒体は、ASIC内に常駐できる。ASICは、ユーザ端末に常駐できる。代替として、プロセッサと記憶媒体は、ユーザ端末内の個別のコンポーネントとして常駐することができる。
【0140】
特に「できる(can)」、「可能である(could)」、「かもしれない(might)」、または「得る(may)」などの条件付きの文言は、特に別段の記載がない限り、または使用される文脈内で他の方法で理解されない限り、一般的に、特定の実施形態は、特定の構成、要素、および/またはステップを含むが、他の実施形態は、それらを含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付きの文言は、一般的に、構成、要素、および/またはステップが、何らかの形で1つまたは複数の実施形態に必要であることを、またはユーザ入力またはプロンプトの有無にかかわらず、これらの構成、要素、および/またはステップが特定の実施形態に含まれるか、または実行されるかどうか決定するためのロジックを1つまたは複数の実施形態が必ず含むことを、暗示することを意図したものではない。
【0141】
「X、Y、またはZの少なくとも1つ」という語句などの選言的な表現は、特に明記されていない限り、ある項目、用語などが、X、Y、またはZのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y、および/またはZ)である可能性があることを示すために一般的に使用されるものとして文脈と共に理解される。したがって、そのような選言的な表現は、一般的に、特定の実施形態が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、またはZの少なくとも1つがそれぞれ存在することを必要とすることを暗示することを意図したものではなく、また暗示するべきではない。
【0142】
本明細書に記載されているおよび/または添付の図に示されているフロー図内のプロセスの説明、要素、またはブロックは、プロセス内の特定の論理機能またはステップを実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの部分を潜在的に表すものとして理解されるべきである。代替実装形態は、本明細書で説明される実施形態の範囲内には、当業者であれば理解できるように、関係する機能に応じて、要素または機能を削除したり、実質的に同時または逆の順序を含む、図示または説明した順序とは異なる順序で実行したりする代替実施形態も含まれる。
【0143】
特に明記されていない限り、「a」または「an」などの冠詞は、通常、1つまたは複数の記載された項目を含むと解釈されるべきです。したがって、「ように構成されたデバイス」などの語句は、記載された1つまたは複数のデバイスを含むことを意図している。このような1つまたは複数の記載されたデバイスは、記述された記載を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「記載A、B、およびCを実行するように構成されたプロセッサ」は、記載BおよびCを実行するように構成された第2のプロセッサと連携して動作する、記載Aを実行するように構成された第1のプロセッサを含むことができる。
【0144】
本明細書で説明されるすべての方法およびプロセスは、1つまたは複数の汎用コンピュータによって実行されるソフトウェアコードモジュールで具体化され、それを介して部分的または完全に自動化され得る。例えば、本明細書に記載される方法は、コンピューティングシステムおよび/または他の任意の適切なコンピューティングデバイスによって実行され得る。これらの方法は、ソフトウェア命令の実行、または有形のコンピュータ可読媒体から読み取られた他の実行可能コードに応答して、コンピューティングデバイス上で実行され得る。有形のコンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータを保存できるデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体の例には、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、その他の揮発性または不揮発性メモリデバイス、CD-ROM、磁気テープ、フラッシュドライブ、および光データストレージデバイスが含まれる。
【0145】
一般的に、本明細書で説明されるプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ10)は、単一のプロセッサとして、または協働してネットワーク化されたか、またクラスタ化されたプロセッサのセットとして具体化され得る。これらのプロセッサの機能は、例えば、1つまたは複数の固定機能または汎用集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用して、ハードウェアのみで実装することができる。或いはまた、この機能は、少なくとも部分的にソフトウェアで実装されてもよい。例えば、プロセッサのうちの任意の1つは、例えば中央処理装置(CPU)および/またはグラフィックス処理装置(GPU)を含むプログラミングされたプロセッサとして具体化され得る。ソフトウェアプログラムを含むプログラムコードおよび/またはデータは、CPUおよび/またはGPUによる実行および処理のためにロードされ得る。プログラムコードおよび/またはデータは、例えばネットワークを介して電子形式でプロセッサ(複数可)にダウンロードされ得る。いくつかの実施形態では、プログラムコードおよび/またはデータは、磁気メモリ、光学メモリ、または電子メモリなどの非一時的な有形媒体に提供および/または保存され得る。このようなプログラムコードおよび/またはデータは、プロセッサ(複数可)に提供されると、本明細書に記載のタスクを実行するように構成されたマシンまたは専用コンピュータを生み出す。プロセッサは、様々な構成でタスクを並行して実行することも、個別に実行することもできる。
【0146】
いくつかの実施形態では、システムは、(複数の構成ではなく)単一の構成として存在する様々な構成を備える。例えば、一実施形態では、システムは、単一のセンサレール、単一の脅威センサレール、単一のセンサアレイ、単一のプロセッサ、単一のディスプレイ、単一のセンサ、単一のRALU、単一の無線装置、単一の電源コネクタなどを含む。代替実施形態では、複数の構成またはコンポーネントが提供される。
【0147】
本明細書で説明した実施形態に対して多くの変形および修正を行うことができ、その要素は、他の許容可能な例のうちの1つとして理解されるべきであることを強調すべきである。このような修正および変形はすべて、本明細書において本開示の範囲内に含まれることを意図している。本明細書で使用されるセクション見出しは、読みやすさを高めるために単に提供されており、特定のセクションで開示される実施形態の範囲を、そのセクションで開示される構成または要素に限定することを意図するものではない。上記の説明は、特定の実施形態を詳述したものである。しかしながら、前述の内容がテキストでどれほど詳細に示されていても、システムおよび方法は、多くの方法で実施できることが理解されるであろう。本明細書にも記載されているように、システムおよび方法の特定の構成または態様を説明する際の特定の用語の使用は、その用語が関連付けられているシステムおよび方法の構成または態様の任意の特定の特性を含むことに限定されるように本明細書で再定義されていることを意味するものと解釈されるべきではないことに留意すべきである。
【0148】
当業者であれば、情報、メッセージ、および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通じて参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光粒子、またはそれらの組み合わせによって表すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性物体を検出し、前記物体が通路を通過する際に発射体になる脅威を分析するためのシステムであって、前記システムは、
前記通路の1つまたは複数の部分に固定されるように構成された1つまたは複数の磁場センサを備える第1のセンサアレイであって、
前記第1のセンサアレイに近接する強磁性物体の存在を示す磁場の検出に応答して第1の信号を生成し、
前記第1の信号を出力する
ように構成される、第1のセンサアレイと、
前記通路の一部に固定されるように構成される第2のセンサグループであって、
前記通路に対して、および前記通路に近接して移動する物体に応答して第2の信号を生成し、
前記物体の速度および前記第1のセンサアレイに対する前記物体の運動方向に関する情報を含む前記第2の信号を出力する
ように構成される、第2のセンサグループと、
前記第1のセンサアレイおよび前記第2のセンサグループと通信するプロセッサであって、
前記第1のセンサアレイから前記第1の信号を受信し、
前記第1の信号の大きさを特定し、
前記第2のセンサグループから前記第2の信号を受信し、
前記通路に対する前記物体の前記速度および前記通路に対する前記物体の前記運動方向を特定し、
前記通路を通過する前記物体の脅威レベルを示す警報を生成する
ように構成され、前記脅威レベルは、前記第1の信号の前記大きさ、前記物体の前記速度、および前記物体の前記運動方向に少なくとも部分的に基づく、プロセッサと
を含
前記プロセッサは、前記第1の信号の前記大きさが第1の閾値を超え、かつ前記物体の前記速度が第2の閾値を超えた場合に前記警報を生成するように構成されると共に、前記第1の信号の前記大きさが第1の閾値を超え、かつ前記物体の前記速度が第2の閾値を超えた場合に前記警報を生成するように構成される、システム。
【請求項2】
前記第2のセンサグループは、前記通路の上部に固定されるように構成され、前記第2のセンサグループは、
前記通路のドア部分の運動または前記通路を通過する物体の運動を検出するために、前記通路の一部に面するように構成された第1のセンサ対と、
前記通路に接近する物体の運動を検出するために、下方向を向くように構成された第2のセンサ対と、
物体の運動を検出するために、前記通路とは反対側を向くように構成された第3のセンサ対と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のセンサアレイ、前記第2のセンサグループ、および前記プロセッサはそれぞれ、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が閉状態にあることを検出することに応答してスリープモードに入り、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が開状態にあることを検出することに応答して動作モードに入る
ように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のセンサアレイは、
前記通路の第1のフレーム部分に固定されるように構成された第1のセンサグルーピングであって、
前記第1のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第1の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第2の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第3の磁場センサと
を備える、第1のセンサグルーピングと、
前記通路の第2のフレーム部分に固定されるように構成された第2のセンサグルーピングであって、
前記第2のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第4の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第5の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第6の磁場センサと
を備える、第2のセンサグルーピングと、
を備える、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記通路に固定されて、1つまたは複数の色の光を発光するように構成された複数の発光ダイオード(LED)を備え、前記1つまたは複数の色の各々は、前記警報の固有のステータスを示し、前記警報の前記ステータスは、(1)脅威なし、(2)潜在的な脅威、(3)実際の脅威を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記プロセッサと通信するディスプレイを備え、前記プロセッサは、前記生成された警報を前記ディスプレイに出力するように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のセンサグループは、物体の運動を検出するための複数のセンサを備え、前記第2のセンサグループの前記複数のセンサは、磁場の変動を使用しないように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の信号は、前記物体と前記通路との間の距離に関する情報をさらに含み、前記プロセッサは、前記距離を決定するように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
強磁性物体を検出し、通路を通過する前記物体の脅威を分析するための方法であって、前記方法は、
前記通路の1つまたは複数の部分に固定されるように構成された1つまたは複数の磁場センサを備える第1のセンサアレイによって、前記第1のセンサアレイに近接する強磁性物体の存在を示す磁場の検出に応答して第1の信号を生成することと、
前記第1の信号をプロセッサに出力することと、
前記通路の一部に固定されるように構成される第2のセンサグループによって、前記通路に対して、および前記通路に近接して移動する物体に応答して第2の信号を生成することと、
前記物体の速度および前記第1のセンサアレイに対する前記物体の運動方向に関する情報を含む前記第2の信号を前記プロセッサに出力することと、
前記プロセッサによって、前記第1のセンサアレイから前記第1の信号を受信することと、
前記プロセッサによって、前記第1の信号の大きさを特定することと、
前記プロセッサによって、前記第2のセンサグループから前記第2の信号を受信することと、
前記プロセッサによって、前記通路に対する前記物体の前記速度および前記通路に対する前記物体の前記運動方向を特定することと、
前記プロセッサによって、前記通路を通過する前記物体の脅威レベルを示す警報を生成することと
を含み、前記脅威レベルは、前記第1の信号の前記大きさ、前記物体の前記速度、および前記物体の前記運動方向に少なくとも部分的に基づ
前記第1の信号の前記大きさが第1の閾値を超え、かつ前記物体の前記速度が第2の閾値を超えた場合に前記警報を生成することをさらに含むと共に、前記物体の前記速度および前記物体の前記運動方向に基づいて、前記第1の閾値を動的かつリアルタイムに調整することをさらに含む、方法。
【請求項10】
前記通路の上部に固定され、前記通路の一部に面するように構成された前記第2のセンサグループの第1のセンサ対によって、前記通路のドア部分の運動または前記通路を通過する物体の運動を検出することと、
前記通路の上部に固定され、下方向を向くように構成された前記第2のセンサグループの第2のセンサ対によって、前記通路に接近する物体の運動を検出することと、
前記通路の上部に固定され、前記通路とは反対側を向くように構成された前記第2のセンサグループの第3のセンサ対によって、物体の運動を検出することと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のセンサアレイ、前記第2のセンサグループ、および前記プロセッサに、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が閉状態にあることを検出することに応答してスリープモードに入り、
前記第1のセンサ対が前記通路の前記ドア部分が開状態にあることを検出することに応答して動作モードに入る
ようにさせることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のセンサアレイは、
前記通路の第1のフレーム部分に固定されるように構成された第1のセンサグルーピングであって、
前記第1のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第1の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第2の磁場センサと、
前記第1のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第3の磁場センサと
を備える、第1のセンサグルーピングと、
前記通路の第2のフレーム部分に固定されるように構成された第2のセンサグルーピングであって、
前記第2のフレーム部分の上部に固定されるように構成された第4の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の中間部分に固定されるように構成された第5の磁場センサと、
前記第2のフレーム部分の底部に固定されるように構成された第6の磁場センサと
を備える、第2のセンサグルーピングと、
を備える、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記通路に固定され、1つまたは複数の色の光を発光するように構成された1つまたは複数の発光ダイオード(LED)によって、
脅威が存在しないことに対応する前記警報の第1のステータスを示す第1の色を発光することと、
潜在的な脅威が存在することに対応する前記警報の第2のステータスを示す第2の色を発光することと、
実際の脅威が存在することに対応する前記警報の第3のステータスを示す第3の色を発光することと
をさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記生成された警報をディスプレイに出力することをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
物体の運動を検出するために、前記第2のセンサグループによって、磁場変動を使用しないことをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記物体と前記通路との間の距離に関する前記第2の信号内の情報に部分的に基づいて、前記プロセッサによって、前記距離を決定することをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記距離に関する前記第2の信号内の情報に部分的に基づいて、前記プロセッサによって、座標系内の物体の前記位置を決定することをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記距離に関する前記第2の信号内の情報に部分的に基づいて、前記プロセッサによって、物体の前記速度を決定することをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記プロセッサによって、ドア距離、ドア角距離、ドア運動、ドア速度、およびドア角速度を決定することをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ドアハンドル/ノブ内で鉄金属が移動することによって引き起こされる誤ったアラームを減少させるために、ドアハンドルの隣に位置するセンサによる鉄出力をいつ無視するかを前記プロセッサによって決定することをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記プロセッサによって、運動しない停滞物体、および停滞物体によって生成されるノイズをフィルタリングすることをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】