IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヒタチ・エナジー・リミテッドの特許一覧

特表2024-535193キャパシタ補償されたサイリスタ制御制動抵抗器
<>
  • 特表-キャパシタ補償されたサイリスタ制御制動抵抗器 図1
  • 特表-キャパシタ補償されたサイリスタ制御制動抵抗器 図2
  • 特表-キャパシタ補償されたサイリスタ制御制動抵抗器 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】キャパシタ補償されたサイリスタ制御制動抵抗器
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/24 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H02J3/24
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024512123
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2021078192
(87)【国際公開番号】W WO2023061561
(87)【国際公開日】2023-04-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラスムッセン,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】インニェストレーム,グンナル
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AD02
5G066AD11
(57)【要約】
送配電網(102)を安定化するためのシステム(100)は、送配電網(102)に電力を提供するように構成された発電機(104)であって、電力は有効電力成分および無効電力成分を有する、発電機と、発電機(104)から送配電網(102)に電力を伝送するように構成された電力線(106)とを備える。システム(100)は、電力線(106)上に配置されたサイリスタ制御制動抵抗器(TCBR)(108)と、TCBR(108)と直列に電気的に接続されたキャパシタ(110)とを備える。TCBR(108)は、電力線(106)の故障中に発電機(104)から無効電力成分の少なくとも一部を吸収し、キャパシタ(110)は、TCBR(108)によって吸収される無効電力成分の少なくとも一部を補償するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送配電網を安定化するためのシステムであって、
前記送配電網に電力を提供するように構成された発電機であって、前記電力は有効電力成分および無効電力成分を有する、発電機と、
前記発電機から前記送配電網に電力を伝送するように構成された電力線と、
前記電力線上に配置されたサイリスタ制御制動抵抗器TCBRと、
前記TCBRと直列に電気的に接続されたキャパシタと
を備え、
前記キャパシタは、前記TCBRによって吸収される無効電力成分の少なくとも一部を補償するように構成される、システム。
【請求項2】
前記発電機と前記送配電網との間で前記電力線上に接続された変圧器をさらに備え、
前記キャパシタは、前記変圧器と前記TCBRとの間、または前記変圧器と前記送配電網との間に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記キャパシタをバイパスするように構成されたバイパススイッチをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記キャパシタと並列に電気的に接続されたバリスタをさらに備える、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記TCBRは、
前記発電機から電気負荷を引き出すように構成された制動抵抗器と、
前記抵抗器と直列に電気的に接続され、前記制動抵抗器によって引き出される前記電気負荷を制御するように構成されたサイリスタと
を備える、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記サイリスタは、制御ユニットによって制御されるように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制動抵抗器は、少なくとも2つの抵抗器からなり、
前記サイリスタは、前記少なくとも2つの抵抗器の間に配置される、請求項5または請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のシステムを備える送配電網。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、送配電網における耐故障性に関する。より詳細には、本開示は、送配電網の故障中に使用するためのサイリスタ制御制動抵抗器に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
送配電網は、負荷に電力を供給する発電機を備える。発電機は、通常、電力線、すなわち発電機から送配電網の負荷に電力を伝送する電気ケーブルで送配電網に接続される。例えば、放射状ネットワークでは、単一の発電機が単一の電力線を介して負荷に給電する。
【0003】
電力線はしばしば弾力性のために構成されるが、電力線故障が発生した場合、発電機の負荷はすぐに失われる可能性がある。そのような状況では、発電機がトリップし、損傷し、および/またはシャットダウンする必要があり得る。
【0004】
電力線が修理および/または再接続され得るまで発電機のトリップを回避するために、故障の場合に発電機の一時的な負荷として制動抵抗器が使用され得る。発電機をシャットダウンする場合、これは、サイリスタ制御制動抵抗器(TCBR)を使用して電力をランプダウンすることによって制御された方法で行うことができる。
【0005】
TCBRは、抵抗器の内部インダクタンスに起因して動作するときに無効電力を消費し、発火の遅延を伴って動作するときにサイリスタの無効電力消費量を消費し、また、使用される場合には変圧器の無効電力消費量にも起因する。この無効電力消費は、グリッド上の電圧を低下させる可能性があり、これにより、発電機が不足電圧でトリップする可能性がある。そのようなTCBRの例は、米国特許第5198745号に開示されている。
【0006】
TCBRによって吸収された無効電力は、機械的に切り替えられるかサイリスタで切り替えられるシャントキャパシタバンクによって補償され、したがって発電機のトリップのリスクを軽減することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本開示の態様は、TCBRを使用する送配電網の安定性を改善するために提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、送配電網を安定化するためのシステムが提供され、システムは、送配電網に電力を提供するように構成された発電機と、発電機から送配電網に電力を伝送するように構成された電力線とを備える。
【0009】
送配電網は、例えば、各々が単一の電力線を介して送配電網の負荷に給電する単一の発電機を有する放射状送配電網であってもよい。あるいは、送配電網は、リングまたはメッシュネットワークであってもよい。送配電網は、都市の電力ネットワーク、商業用不動産、または何らかの他の負荷またはそれらの組合せなどの負荷の組合せで構成され得る負荷に電力を提供する。
【0010】
発電機は、1日または1年にわたって大きく変化し得る負荷の需要を満たすように、負荷に電力を提供するのに適した任意の発電機であってもよい。発電機は、風力タービンもしくは水力発電システム、または何らかの他の電力源などの再生可能な供給源によって駆動され得る。電力線は、発電機によって生成された電力を送配電網、より具体的には送配電網の負荷に配送するように構成される。
【0011】
本開示のこの態様によれば、システムは、電力線上に配置され、電力線の故障中に発電機から電力を吸収するように構成されたサイリスタ制御制動抵抗器(TCBR)をさらに備える。TCBRは、発電機から電気負荷を引き出すように構成された制動抵抗器と、抵抗器と電気的に直列に接続され、制動抵抗器によって引き出される電気負荷を制御するように構成されたサイリスタとを備えてもよい。一般に、TCBRは、発電機から引き出される電流および電力の制御可能性を有利に提供し、これは所望の設定点に(例えば、制御ユニットまたは何らかの他の手段との接続を介して)制御されることができる。
【0012】
発電機によって生成された電力は、有効成分および無効成分を有し、TCBRは、その動作において、発火の遅延を伴って動作するとき、抵抗器の内部インダクタンスおよび/またはサイリスタの無効電力消費に起因して無効電力成分の少なくとも一部を吸収するように構成される。
【0013】
したがって、TCBRによるこの無効電力吸収を補償するために、本開示のこの態様の一部として、TCBRと直列に電気的に接続されたキャパシタを提供することが提案され、キャパシタは、TCBRによって吸収される無効電力成分の少なくとも一部を補償するように構成される。無効電力は、TCBR内の電流に応じて、必要な程度まで補償することができる。
【0014】
【数1】
【0015】
このように直列キャパシタを設けることは、例えば、シャント抵抗器の欠点が、無効電力が離散的なステップで補償され、グリッド電圧に望ましくないステップを引き起こすことであるため、シャント抵抗器などの以前の解決策を改善する。キャパシタの使用は、補償がTCBR内の電流に従ってスケーリングされるので、グリッド電圧にそのようなステップを引き起こさない。
【0016】
いくつかの例では、システムは、発電機と送配電網との間の電力線上に接続された変圧器をさらに備えてもよい。
【0017】
そのような例では、キャパシタは、変圧器と送配電網との間、すなわち変圧器の1次側に配置されてもよい。キャパシタが変圧器の1次側に配置されると、変圧器の電圧は電流とともに増大する可能性があり、変圧器の定格電圧も増大する可能性がある。直列キャパシタは、好ましくは、グリッドの高電圧レベルに対して絶縁されてもよい。
【0018】
あるいは、キャパシタは、変圧器とTCBRとの間、すなわち変圧器の2次側に配置されてもよい。キャパシタが変圧器の2次側に配置される場合、これは有利には直列キャパシタおよび変圧器のより低い絶縁要件を与えるが、サイリスタバルブの電圧は電流とともに増大し得る。サイリスタバルブおよび抵抗器の最適化は、より複雑になる可能性がある。
【0019】
変圧器に対するキャパシタの特定の配置は、システムに依存し得る。無効電力補償は、変圧器を含まないTCBRシステムを備えた直列キャパシタによって提供することもできる。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態によれば、システムは、システムのさらなる信頼性のために、キャパシタおよび/またはキャパシタと並列に電気的に接続されたバリスタをバイパスするように構成されたバイパススイッチをさらに備えてもよい。
【0021】
本発明は様々な修正および代替形態が可能であるが、特定の実施形態は、本明細書で詳細に説明される図面に例として示されている。しかしながら、本明細書の詳細な説明および本明細書に添付の図面は、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、その意図は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替物を網羅することである。
【0022】
本明細書における先行技術文献または比較例へのいかなる参照も、そのような先行技術が広く知られていること、または当分野における共通の一般知識の一部を形成することの承認と見なされるべきではない。
【0023】
本明細書で使用される場合、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」という単語、および同様の単語は、排他的または網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、それらは「含むが限定されない」を意味するように意図されている。
【0024】
図面の簡単な説明
1つまたは複数の実施形態を、単なる例として、以下の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施形態による、送配電網を安定化するためのシステムの概略図である。
図2図1のシステムで使用するためのキャパシタの例示的な構成の概略図である。
図3図1のシステムで使用するためのサイリスタ制御制動抵抗器の例示的な構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本発明を、いくつかの例示的な実施例によって以下に説明する。これらの例は、例示および説明のためにのみ提供され、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されよう。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。さらに、実施例は個々の実施形態の形態で提示されてもよいが、本発明は本明細書に記載の実施形態の組合せも包含することが認識されるであろう。
【0027】
図1は、実施形態による、送配電網102を安定化するための例示的なシステム100を示す。
【0028】
図示されたシステム100は、少なくとも、それらが送配電網102に電力を提供するように構成された発電機104を備える点で同様であり、電力は有効電力成分および無効電力成分を有する。発電機104は、特定の実施態様に応じて、1つまたは複数の電力線であってもよい電力線106を介して送配電網102に接続される。
【0029】
電力線106上には、発電機104と直列に、サイリスタ制御制動抵抗器(TCBR)108が配置される。TCBR108の例示的な構成は、以下で図3に関連して説明される。
【0030】
TCBR108は、例えば送配電網102からの切断につながる電力線106の故障の場合に、発電機104の一時的な負荷として作用する。TCBR108は、システム100の特定の要件に従って、発電機104から引き出される電力を、例えば所望の最大または最小設定点に制御するように(例えば、TCBR108のサイリスタに接続された制御ユニットを介して)制御可能である。
【0031】
理解されるように、発電機104からの電力は有効電力成分および無効電力成分を有し、TCBR108に含まれる制動抵抗器は主に有効電力成分を消費するように構成される。無効電力成分の多くが、TCBR108の構成要素、またはシステム100内の他の構成要素によって消費される(または戻さずに貯蔵される)場合、送配電網102の電圧は望ましくないことに低下し得る。これにより、発電機104が不足電圧でトリップし得る。
【0032】
システム100は、TCBR108と直列に電気的に接続されたキャパシタ110をさらに備える。キャパシタ110がこのように直列に配置されることにより、キャパシタ110は、TCBR108の構成要素による無効電力の消費を補償することが可能である。したがって、送配電網102の電圧は望ましくないほど低下せず、発電機104は不足電圧でトリップするリスクが少ない。その結果、システム100はより堅牢で信頼性が高くなる。
【0033】
キャパシタ110の構成は、図2に関連して以下でより詳細に説明される。
いくつかの例では、システムは、発電機104と送配電網102との間の電力線106上に接続された変圧器112を備えてもよい。図示された2つのシステム100は、変圧器112に対するキャパシタ110の電位配置が異なる。変圧器112は、高電圧(HV)1次側および中電圧(MV)2次側を有することができ、電圧は、送配電網102に配電される前にMV2次側からHV1次側にステップアップされる。
【0034】
キャパシタ110は、変圧器112の1次HV側に直列に配置されてもよいし、変圧器112の2次MV側に直列に配置されてもよい。言い換えると、キャパシタ110は、変圧器112と送配電網102との間、または変圧器112とTCBR108との間に配置されてもよい。
【0035】
キャパシタ110が変圧器112の1次側に直列に配置される場合、変圧器112の電圧は電流とともに増大する可能性があり、それに応じて変圧器112の定格電圧を増大させることができる。
【0036】
好ましくは、変圧器112のHV側にキャパシタ110を配置することに対応するために、直列キャパシタ110は、送配電網102のHVレベルに対して絶縁されてもよい。
【0037】
キャパシタ110が変圧器112の2次側に直列に配置される場合、TCBR108内のサイリスタバルブの電圧は電流とともに増大する。したがって、TCBR108内のサイリスタバルブおよび抵抗器の最適化は、より複雑になる可能性がある。しかしながら、有利には、直列キャパシタ110は、変圧器112のMV側に配置されるため、絶縁要件が低くなり得る。
【0038】
キャパシタ110が変圧器112のHV側に配置されるかMV側に配置されるかは、システムに依存し得る。さらに、図1の点線で示すように、変圧器112はシステム100に含まれなくてもよい。変圧器112がなくても、キャパシタ110は、TCBRを有するシステム100に無効電力補償を依然として提供し得る。しかしながら、変圧器112が含まれる場合、変圧器112は無効電力の消費(またはリターンのない貯蔵)に寄与し得る。
【0039】
図2は、図1のシステムで使用するためのキャパシタ110の例示的な構成200を概略的に示す。
【0040】
図示の構成200では、キャパシタ110は、キャパシタ110をバイパスするように配置された、例えば電力線106上のキャパシタ110の端子間に配置されたバイパススイッチ114を有し得る。これにより、バイパススイッチ114の制御(例えば、遠隔制御)により、キャパシタ110の無効電力補償を追加および削除することができる。
【0041】
バイパススイッチ114は、バイパススイッチ114が開いている間にキャパシタ110を通る電気的流れを可能にしながら、バイパススイッチ114の閉鎖時にキャパシタ110の電気的バイパスを可能にするのに適した任意の形態をとり得る。バイパススイッチ114を設けることにより、システム100の安全性および/またはシステム100の制御性をさらに改善し得る。
【0042】
追加的または代替的に、構成200は、キャパシタ110と並列に配置されたバリスタ116をさらに備えてもよい。バリスタ116は、有利には、キャパシタ110のさらなる保護を提供し、したがってシステム100の安全性および信頼性をさらに改善し得る。
【0043】
構成200は、例えば安全性、定格などに関して、システム100の必要な仕様に従って、バイパススイッチ114およびバリスタ116の一方または両方を含み得る。
【0044】
図3は、図1のシステム100で使用するためのTCBR108の例示的な構成を概略的に示す。
【0045】
図示の例によれば、TCBR108は、発電機104から電気負荷を引き出すように構成された制動抵抗器118と、抵抗器118と電気的に直列に接続され、制動抵抗器118によって引き出される電気負荷を制御するように構成されたサイリスタ120とを備えてもよい。
【0046】
サイリスタ120は、TCBR108の必要な仕様に応じて、1つまたは複数のサイリスタであってもよい。例えば、サイリスタ120は、電圧能力を高めるために直列に配置された複数のサイリスタ120を備えてもよい。
【0047】
上述したように、電気負荷を引き出すときの制動抵抗器118の主な目的は、(例えば、TCBR108が発電機104の一時的な負荷として機能している場合)発電機104からの有効電力を消費することであるが、TCBR108は無効電力を蓄積または消費することもできる。
【0048】
TCBR108は、その動作中に(例えば、0の理想的な無効電力消費に対して)比較的大量の無効電力を消費し得る。これは、TCBR108の発火に遅延がある場合、制動抵抗器118の内部インダクタンスおよび/またはサイリスタ120の無効電力消費に起因し得る。
【0049】
TCBR108によって消費される無効電力の量は、直列キャパシタ110の提供の結果として比例的に補償される。したがって、キャパシタ110による無効電力の補償は、TCBR108による無効電力の消費に比例する。結果として、発電機104がトリップすることを防止することができ、送配電網102の電圧は不規則に変化しない。
【0050】
いくつかの例では、制動抵抗器118は、1対の抵抗器118、118aからなるように、さらなる抵抗器118aを備えてもよい。そのような例では、サイリスタ120は、1対の制動抵抗器118、118aの間に配置され、電気的に接続されてもよい。
【0051】
サイリスタ120の他方の側に追加の抵抗器118aを設けることにより、抵抗を部分、すなわち2部分に分割することが可能になり、これはサイリスタ120のバルブ内の短絡電流を有利に制限する。
【0052】
いくつかのさらなる例では、リアクトル(図示せず)がサイリスタ120と直列に含まれてもよく、したがって追加のリアクタンスを提供して、サイリスタ120のバルブを通る電流の導出を制限してもよい。
【0053】
抵抗器118および/または118aは、有利には、より低い内部インダクタンス(したがって、例えば無効電力消費が低減される)、小さな温度依存性(したがって、例えば、動作中の過熱を防止する)、および高い過負荷能力(例えば、より良好な弾力性のために)のために選択され得る。
【0054】
ただ1つの追加の抵抗器118aが示されているが、例えばサイリスタ120のいずれかの側により多くの追加の抵抗器が設けられてもよいことが理解されよう。さらに、図3の点線で示すように、追加の抵抗器118aは設けられなくてもよい。
【0055】
抵抗器118、118aの抵抗とキャパシタ110の静電容量との間の関係は、TCBRが接続される選択電圧(すなわち、変圧器112の2次電圧)および/または動作中にシステム100で許容され得る無効電力に基づいて決定され得る。
【0056】
いくつかの例では、TCBR108は、サイリスタ120を制御するように構成された制御ユニット122をさらに備えてもよい。制御ユニット122は、例えば、サイリスタ120ごとに1つずつ設けられてもよい。
【0057】
制御ユニット122は、それ自体が局所的または遠隔的に制御されてもよく、サイリスタ120を局所的または遠隔的に制御してもよく、TCBR108が発電機104の一時的な負荷として機能しているときに、TCBR108が発電機104から引き出される電力量を制御することを可能にする。例えば、TCBR108は、制御ユニット122によるサイリスタ120の制御を介して、引き出される電気負荷の所望の設定点に制御されてもよい。この設定点は、システム100の特定の要件に従って、何らかの計算手段によって事前決定され、または動的に決定されてもよい。
【0058】
特に明記しない限り、前述の説明で開示された様々な構成要素および特徴は、別々にまたは組み合わせて実装されてもよいことが理解されよう。さらに、前述の開示された実施形態は網羅的に列挙されておらず、添付の特許請求の範囲内にさらなる例示的な実施形態があり得ることが理解されよう。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送配電網を安定化するためのシステムであって、
前記送配電網に電力を提供するように構成された発電機であって、前記電力は有効電力成分および無効電力成分を有する、発電機と、
前記発電機から前記送配電網に電力を伝送するように構成された電力線と、
前記電力線上に配置され、前記発電機から引き出される電力を制御するように構成されたサイリスタ制御制動抵抗器TCBRと、
前記TCBRと直列に電気的に接続されたキャパシタと
を備え、
前記キャパシタは、前記TCBRによって吸収される無効電力成分の少なくとも一部を補償するように構成される、システム。
【請求項2】
前記発電機と前記送配電網との間で前記電力線上に接続された変圧器をさらに備え、
前記キャパシタは、前記変圧器と前記TCBRとの間、または前記変圧器と前記送配電網との間に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記キャパシタをバイパスするように構成されたバイパススイッチをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記キャパシタと並列に電気的に接続されたバリスタをさらに備える、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記TCBRは、
前記発電機から電気負荷を引き出すように構成された制動抵抗器と、
前記抵抗器と直列に電気的に接続され、前記制動抵抗器によって引き出される前記電気負荷を制御するように構成されたサイリスタと
を備える、先行する請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記サイリスタは、制御ユニットによって制御されるように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制動抵抗器は、少なくとも2つの抵抗器からなり、
前記サイリスタは、前記少なくとも2つの抵抗器の間に配置される、請求項5または請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のシステムを備える送配電網。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送配電網を安定化するためのシステムであって、
前記送配電網に電力を提供するように構成された発電機であって、前記電力は有効電力成分および無効電力成分を有する、発電機と、
前記発電機から前記送配電網に電力を伝送するように構成された電力線と、
前記電力線上に配置され、前記発電機から引き出される電力を制御するように構成されたサイリスタ制御制動抵抗器TCBRと、
前記TCBRと直列に電気的に接続されたキャパシタと
を備え、
前記キャパシタは、前記TCBRによって吸収される無効電力成分の少なくとも一部を補償するように構成される、システム。
【請求項2】
前記発電機と前記送配電網との間で前記電力線上に接続された変圧器をさらに備え、
前記キャパシタは、前記変圧器と前記TCBRとの間、または前記変圧器と前記送配電網との間に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記キャパシタをバイパスするように構成されたバイパススイッチをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記キャパシタと並列に電気的に接続されたバリスタをさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記TCBRは、
前記発電機から電気負荷を引き出すように構成された制動抵抗器と、
前記抵抗器と直列に電気的に接続され、前記制動抵抗器によって引き出される前記電気負荷を制御するように構成されたサイリスタと
を備える、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記サイリスタは、制御ユニットによって制御されるように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制動抵抗器は、少なくとも2つの抵抗器からなり、
前記サイリスタは、前記少なくとも2つの抵抗器の間に配置される、請求項5または請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のシステムを備える送配電網。
【国際調査報告】