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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】酸化による底部空気スペーサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L29/78 301Z
H01L27/092 G
H01L29/78 301H
H01L29/78 301X
H01L29/78 301G
H01L27/092 C
H01L29/78 301N
H01L29/78 301R
H01L27/088 A
H01L27/088 E
H01L27/088 331
H01L21/316 X
H01L21/318 B
H01L21/318 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513401
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 EP2022077506
(87)【国際公開番号】W WO2023057412
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】17/494,061
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、フイメイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、イ
(72)【発明者】
【氏名】バスカー、ヴィララガヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィー、カーティス
(72)【発明者】
【氏名】シッディーキー、シャハブ
【テーマコード(参考)】
5F048
5F058
5F140
【Fターム(参考)】
5F048AA01
5F048AC03
5F048BA14
5F048BA15
5F048BB09
5F048BB11
5F048BB19
5F048BC03
5F048BD07
5F048BF02
5F048BF07
5F048CB07
5F058BB01
5F058BC02
5F058BC08
5F058BC11
5F058BF02
5F058BF04
5F058BF11
5F140AA11
5F140AA39
5F140AB03
5F140BA01
5F140BA03
5F140BA05
5F140BA06
5F140BB04
5F140BC15
5F140BD05
5F140BD07
5F140BD09
5F140BD11
5F140BD12
5F140BD13
5F140BE07
5F140BE08
5F140BE09
5F140BE10
5F140BF05
5F140BF06
5F140BF07
5F140BF10
5F140BF42
5F140BG26
5F140BG27
5F140BG28
5F140BG30
5F140BG44
5F140BH06
5F140BH30
5F140BH47
5F140BJ05
5F140BJ07
5F140BJ10
5F140BJ15
5F140BJ17
5F140BK17
5F140BK18
5F140BK20
5F140BK28
5F140BK29
5F140BK30
5F140CC02
5F140CC03
5F140CC08
5F140CC11
5F140CC12
5F140CE07
(57)【要約】
酸化により形成された細孔底部空気スペーサを有するVFETデバイスが提供される。一態様では、VFETデバイスは、以下を含む:基板上に存在する少なくとも1つのフィンであって、少なくとも1つのフィンは、VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、少なくとも1つのフィンと、少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域と、底部ソース/ドレイン領域に配置された底部空気含有スペーサと、少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックと、少なくとも1つのフィンの上部でゲートスタックの上にある上部スペーサと、少なくとも1つのフィンの上部にある上部ソース/ドレイン領域。VFETデバイスを形成する方法も提供される。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスであって、
基板上に存在する少なくとも1つのフィンであって、前記少なくとも1つのフィンは、前記VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、少なくとも1つのフィンと、
前記少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域と、
前記底部ソース/ドレイン領域に配置された底部空気含有スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックと、
前記少なくとも1つのフィンの上部で前記ゲートスタックの上にある上部スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンの上部にある上部ソース/ドレイン領域と、
を含む、VFETデバイス。
【請求項2】
空気含有細孔が前記底部空気含有スペーサ全体に分布している、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項3】
前記底部空気含有スペーサが純粋な酸化ケイ素(SiOx)を含む、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項4】
前記ゲートスタック上に配置された封止ライナーをさらに含む、
請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項5】
封止ライナーが、窒化ケイ素(SiN)、炭化窒化ケイ素(SiCN)、アモルファスケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項4に記載のVFETデバイス。
【請求項6】
前記上部スペーサの上面が、前記少なくとも1つのフィンの上面と同一平面上にある、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項7】
前記ゲートスタックは、
前記少なくとも1つのフィン上に配置されたゲート誘電体と、
前記ゲート誘電体上に配置された少なくとも1つの仕事関数設定金属と、
を含む、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項8】
前記上部ソース/ドレイン領域との少なくとも1つの接点
をさらに含む、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項9】
垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスであって、
基板上に存在する少なくとも1つのフィンであって、前記少なくとも1つのフィンは、前記VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、少なくとも1つのフィンと、
前記少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域であって、前記底部ソース/ドレイン領域は、前記少なくとも1つのフィンの側壁の第1の部分と直接接触している、底部ソース/ドレイン領域と、
前記底部ソース/ドレイン領域に直接配置された底部空気含有スペーサであって、前記底部空気含有スペーサは、前記少なくとも1つのフィンの前記側壁の第2の部分と直接接触している、底部空気含有スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックと、
前記少なくとも1つのフィンの上部で前記ゲートスタックの上にある上部スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンの上部にある上部ソース/ドレイン領域と、
を含む、VFETデバイス。
【請求項10】
空気含有細孔が前記底部空気含有スペーサ全体に分布している、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項11】
前記上部スペーサの上面が、前記少なくとも1つのフィンの上面と同一平面上にある、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項12】
前記底部空気含有スペーサが純粋なSiOxを含む、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項13】
前記ゲートスタック上に配置された封止ライナーであって、前記封止ライナーは、SiN、SiCN、アモルファスケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、封止ライナーをさらに含む、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項14】
前記底部ソース/ドレイン領域が、約0%から約50%のゲルマニウム(Ge)を含む、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項15】
垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのフィンを基板にパターニングすることと、
前記少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域を形成することと、
酸化を利用して、前記底部ソース/ドレイン領域上に底部空気スペーサを形成することであって、前記底部空気スペーサは、前記底部スペーサ全体に分布する空気含有細孔を含む、形成することと、
前記少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックを形成することであって、前記少なくとも1つのフィンは、前記VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、形成することと、
前記少なくとも1つのフィンの上部に前記ゲートスタックの上にある上部スペーサを形成することと、
前記少なくとも1つのフィンの上部に上部ソース/ドレイン領域を形成することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記底部ソース/ドレイン領域上に底部スペーサを形成することであって、前記底部スペーサは、前記底部ソース/ドレイン領域よりもゲルマニウム(Ge)含有量が多いシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む、形成することと、
前記底部ソース/ドレイン領域上に前記底部空気スペーサを形成するために、酸素雰囲気中で前記底部スペーサをアニールすることと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記底部スペーサが、約50%から約100%のゲルマニウム(Ge)を有するSiGeを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アニールは、前記ゲートスタックが前記少なくとも1つのフィンと並んで形成された後に実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記底部スペーサ上にキャッピング層を形成することと、
前記底部ソース/ドレイン領域上に前記底部空気スペーサを形成するために、酸素雰囲気中で前記底部スペーサをアニールすることと、
前記キャッピング層を除去することと、
前記少なくとも1つのフィンと並んで前記ゲートスタックを形成することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのフィンと並んで二層スペーサを形成することであって、前記二層スペーサは、前記少なくとも1つのフィンの側壁に配置された第1の側壁スペーサと、前記第1の側壁スペーサを覆う第2の側壁スペーサとを含み、前記第2の側壁スペーサは、前記第1の側壁スペーサの下方で前記少なくとも1つのフィンと直接接触する、形成することと、
前記二層スペーサの下の前記少なくとも1つのフィンの基部に前記底部ソース/ドレイン領域を形成することと、
前記第2の側壁スペーサを選択的に除去することと、
前記第1の側壁スペーサの下の前記少なくとも1つのフィンの前記基部で、前記底部ソース/ドレイン領域に前記底部スペーサを形成することと、
前記第1の側壁スペーサを選択的に除去することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスに関し、より詳細には、細孔底部空気スペーサを有するVFETデバイスおよび酸化プロセスを用いたその製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プレーナ型相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスとは対照的に、垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスは、底部ソース/ドレイン上に配置された垂直フィンチャネルと、フィンチャネル上に配置された上部ソース/ドレインとを備えている。VFETデバイスは、CMOSスケーリングを継続するための実行可能なデバイスオプションとして追求されている。
【0003】
しかしながら、VFET設計の実装には、いくつかの顕著な課題がある。例えば、VFETの垂直配向構成では、ゲートスタックと底部ソース/ドレイン領域との間に大きな面積の重なり領域が存在することが多い。この重なり面積が大きいと、ゲートスタックと底部ソース/ドレイン領域との間にかなりの寄生容量が生じる可能性がある。
【0004】
寄生容量とは、互いに近接するデバイスコンポーネント間(この場合はゲートスタックと底部ソース/ドレイン領域)に存在するキャパシタンスを指し、その結果、蓄積された電荷が生じる。このような寄生容量は、VFETデバイスの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
したがって、VFETデバイスの寄生容量を効率的かつ効果的に低減する技術が望まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、酸化により形成された細孔底部空気スペーサを有する垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスを提供する。本発明の一態様では、VFETデバイスが提供される。VFETデバイスは、基板上に存在する少なくとも1つのフィンであって、少なくとも1つのフィンは、VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、少なくとも1つのフィンと、少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域と、底部ソース/ドレイン領域に配置された底部空気含有スペーサと、少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックと、少なくとも1つのフィンの上部でゲートスタックの上にある上部スペーサと、少なくとも1つのフィンの上部にある上部ソース/ドレイン領域と、を含む。
【0007】
本発明の別の態様では、別のVFETデバイスが提供される。VFETデバイスは以下を含む:基板上に存在する少なくとも1つのフィンであって、少なくとも1つのフィンは、VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、少なくとも1つのフィンと、少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域であって、底部ソース/ドレイン領域は、少なくとも1つのフィンの側壁の第1の部分と直接接触している、底部ソース/ドレイン領域と、底部ソース/ドレイン領域に直接配置された底部空気含有スペーサであって、底部空気含有スペーサは、少なくとも1つのフィンの側壁の第2の部分と直接接触している、底部空気含有スペーサと、少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックと、少なくとも1つのフィンの上部でゲートスタックの上にある上部スペーサと、少なくとも1つのフィンの上部にある上部ソース/ドレイン領域。
【0008】
本発明のさらに別の態様では、VFETデバイスを形成する方法が提供される。この方法には以下が含まれる:少なくとも1つのフィンを基板にパターニングすることと、少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域を形成することと、酸化を利用して、底部ソース/ドレイン領域上に底部空気スペーサを形成することであって、底部空気スペーサは、底部スペーサ全体に分布する空気含有細孔を含む、形成することと、少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックを形成することであって、少なくとも1つのフィンは、VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、形成することと、少なくとも1つのフィンの上部にゲートスタックの上にある上部スペーサを形成することと、少なくとも1つのフィンの上部に上部ソース/ドレイン領域を形成すること。例えば、底部ソース/ドレイン領域上に底部スペーサを形成することができ、底部スペーサは、約50%Geから約100%Geを有するシリコンゲルマニウム(SiGe)を含み、底部ソース/ドレイン領域上に底部空気スペーサを形成するために、底部スペーサが酸素雰囲気中でアニールされ得る。
【0009】
本発明のより完全な理解、ならびに本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による、フィンハードマスクを用いて基板にパターニングされた複数のフィンと、フィンと並んで形成された第1の側壁スペーサとを示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態による、フィンの間の基板を凹ませ、それによってフィンの基部を第1の側壁スペーサよりも下方に延長するために行われたエッチングを示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態による、フィンの底部の幅をトリミング/縮小するために行われた、フィンの露出した基部の横方向エッチングを示す断面図である。
図4】本発明の実施形態による、二層スペーサを形成する第1の側壁スペーサの上にフィンと並んで形成された第2の側壁スペーサを示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態による、フィンの間の基板をさらに凹ませ、それによってフィンの基部を二層スペーサよりも下方に延長するために行われたエッチングを示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態による、フィンの底部の幅をトリミング/縮小するために行われた、二層スペーサ下のフィンの露出した基部の任意の横方向エッチングを示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態による、二層スペーサ下のフィンの基部に形成された底部ソース/ドレイン領域を示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態による、第1の側壁スペーサに対して選択的にフィンから除去された第2の側壁スペーサを示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態による、第1の側壁スペーサ下のフィンの基部の底部ソース/ドレイン領域に形成された高ゲルマニウム(Ge)含有底部スペーサを示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態による、第1の側壁スペーサが除去され、ゲートスタック(ゲート誘電体および少なくとも1つの仕事関数設定金属を含む)がフィンと並んで、底部ソース/ドレイン領域および底部スペーサの上に形成され、封止ライナーがフィンの上のゲートスタック上に形成された状態を示す断面図である。
図11】本発明の一実施形態による、底部ソース/ドレイン領域とゲートスタックとの間に底部空気含有スペーサを形成するために酸化された底部スペーサを示す断面図である。
図12】本発明の一実施形態による、ゲートスタックおよびフィン上に堆積された(第1の)層間絶縁膜(ILD)を示す断面図である。
図13】本発明の一実施形態による、封止ライナー、仕事関数設定金属、ゲート誘電体、およびフィンハードマスクがフィンの上部(すなわち、VFETデバイスの垂直フィンチャネル)から除去され、フィンの上部の側壁と第1のILDとの間に間隙が形成された状態を示す断面図である。
図14】本発明の一実施形態による、フィンの上部(すなわち、垂直フィンチャネル)と並んだ間隙にゲートスタックの上に形成された上部スペーサを示す断面図である。
図15】本発明の一実施形態による、フィン(すなわち、垂直フィンチャネル)の上部の溝内に形成された上部ソース/ドレイン領域を示す断面図である。
図16】本発明の一実施形態による、フィン上の第1のILD上に堆積された(第2の)ILDと、各上部ソース/ドレイン領域上の第2のILDにパターニングされた接触溝とを示す断面図である。
図17】本発明の一実施形態による、上部ソース/ドレイン領域への接点を形成するために金属で充填された接触溝を示す断面図である。
図18】代替実施形態による、図9に続く断面図であり、本発明の一実施形態による底部スペーサ上に形成されたキャッピング層を示す図である。
図19】本発明の一実施形態による、底部ソース/ドレイン領域とキャッピング層との間に底部空気含有スペーサを形成するために酸化された底部スペーサを示す断面図である。
図20】本発明の一実施形態による、選択的に除去されたキャッピング層を示す断面図である。
図21】第1の側壁スペーサが除去され、ゲートスタック(ゲート誘電体および仕事関数設定金属を含む)が、フィンと並んで、底部ソース/ドレイン領域および底部空気含有スペーサ上に形成された状態を示す断面図であり、プロセスの残りの部分は、本発明の実施形態による上記図12図17と同じである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記のように、垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスアーキテクチャでは、ゲートスタックと底部ソース/ドレイン領域との間にかなりの面積の重なりが存在する。この重なりは、デバイスの性能に悪影響を及ぼす寄生容量を不必要に高くする原因となり得る。
【0012】
底部スペーサは、ゲートスタックを底部ソース/ドレイン領域からオフセットするために採用されることが多い。従来の設計では、底部スペーサの形成に窒化ケイ素(SiN)などの酸化物や窒化物の誘電体材料を用いるのが一般的である。それでも、寄生容量がデバイス性能に与える影響は依然として大きい。
【0013】
一方、空気は、これら従来の酸化物や窒化物の誘電体スペーサ材料よりも比誘電率が著しく低い。例えば、あくまで一例だが、室温(すなわち25℃)において、空気は1.00059の比誘電率を持つのに対し、SiNの比誘電率は約9.5である。したがって、VFETデバイスの設計において底部空気スペーサを効果的に実装できれば、寄生容量を大幅に削減できる。
【0014】
有利なことに、本明細書で提供されるのは、酸化プロセスを使用してVFETデバイス用の細孔底部空気スペーサを形成するための技術である。以下で詳細に説明するように、底部スペーサは、高いゲルマニウム(Ge)含有量を有するシリコンゲルマニウム(SiGe)などの半導体材料から形成される(本明細書では「高Ge含有SiGe」とも呼ぶ)。次いで、ゲートスタックと底部ソース/ドレイン領域との間に多孔質酸化物(例えば、酸化ケイ素(SiOx))の底部空気スペーサを形成するために、高Ge含有SiGeが酸化される。「多孔質」とは、底部スペーサ全体に(本プロセスによって)空気含有細孔が形成されることを意味する。
【0015】
以上の概要を踏まえて、次に、VFETデバイスを製造するための例示的な方法論を、図1図17を参照して説明する。図1に示すように、プロセスは、基板102に複数のフィン106をパターニングすることから始まる。例示的な実施形態によれば、基板102は、バルクシリコン(Si)、バルクゲルマニウム(Ge)、バルクシリコンゲルマニウム(SiGe)もしくはバルクIII-V半導体ウェハ、またはその組み合わせなどのバルク半導体ウェハである。あるいは、基板102は、半導体オン絶縁体(SOI)ウェハであり得る。SOIウェハは、埋もれた絶縁体によって下地基板から分離されたSOI層を含む。埋もれた絶縁体が酸化物である場合、本明細書では埋もれた酸化物またはBOXとも呼ばれる。SOI層は、Si、Ge、SiGeもしくはIII-V族半導体、またはその組み合わせなどの任意の適切な半導体材料を含むことができる。さらに、基板102は、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、抵抗器、相互接続、配線などの予め構築された構造(図示せず)を既に有することができる。
【0016】
基板102にフィン106をパターニングするために、標準的なリソグラフィおよびエッチング技術を採用することができる。例えば、標準的なリソグラフィおよびエッチング技術では、リソグラフィスタック(図示せず)、例えば、フォトレジスト/有機平坦化層(OPL)/反射防止コーティング(ARC)を使用して、フィン106の各々のフットプリントおよび位置を有するフィンハードマスク104をパターニングする。適切なハードマスク材料には、窒化ケイ素(SiN)、酸化窒化ケイ素(SiON)もしくは炭化窒化ケイ素(SiCN)、またはその組み合わせなどの窒化物ハードマスク材料が含まれるが、これらに限定されない。次に、反応性イオンエッチング(RIE)などの方向性(すなわち、異方性)エッチングプロセスを採用して、パターンをフィンハードマスク104から基板102に転写し、基板102にフィン106を形成する。あるいは、フィンハードマスク104は、側壁イメージ転写(SIT)、自己整合二重パターニング(SADP)、自己整合四重パターニング(SAQP)、および他の自己整合多重パターニング(SAMP)を含むがこれらに限定されない他の適切な技術によって形成することができる。図1に示すように、パターニングされたままのフィン106は、基板102の一部を貫通して延びている。
【0017】
以下で詳細に説明するように、底部ソース/ドレイン領域はフィン106の基部で成長させ、続いて底部スペーサを成長させる(後に酸化して細孔底部空気スペーサを形成する)。そのために、独自の二層スペーサベースのプロセスが採用され、第1の側壁スペーサがフィン106と並んで形成され、その後、第1の側壁スペーサの下方にフィン106の基部を延長するためのエッチングが行われる。次に、第2の側壁スペーサが第1の側壁スペーサの上に形成され(すなわち、二層スペーサが形成され)、その後、第2の側壁スペーサの下にフィン106の基部をさらに延長するために別のエッチングが行われる。
【0018】
その後、二層スペーサは、フィン106の基部に底部ソース/ドレイン領域を配置するために使用される。その後、第2の側壁スペーサが除去され、第1の側壁スペーサが、フィン106の基部の底部ソース/ドレイン領域上に底部スペーサを配置するために使用される。その後、第1の側壁スペーサも除去される。
【0019】
すなわち、図1に示すように、フィン106と並んで第1の側壁スペーサ108が形成される。一例として、第1の側壁スペーサ108は、スペーサ材料の層をフィン106および基板102の露出表面に堆積させることによって形成することができる。その後、RIEなどの方向性(すなわち、異方性)エッチングプロセスを使用して、水平表面に堆積した材料を除去することができる。残るのは、フィン106の側壁にあるスペーサ材料で、これが第1の側壁スペーサ108として機能する。
【0020】
第1の側壁スペーサ108に適した材料としては、SiN、炭化ケイ素(SiC)、ホウ炭窒化ケイ素(SiBCN)、もしくは酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、またはその両方が挙げられるが、これらに限定されず、化学気相成長(CVD)、原子層堆積(ALD)、または物理気相成長(PVD)などのプロセスを使用して堆積させることができる。例示的な実施形態によれば、第1の側壁スペーサ108は、約2ナノメートル(nm)~約5nmおよびその間の範囲の厚さを有するように形成される。
【0021】
第1の側壁スペーサ108がフィン106の側壁を保護するようになったので、上記で強調したように、次にエッチングを行って基板102をフィン106の間に凹ませ、それによってフィン106の基部を第1の側壁スペーサ108の下に延長する。図2を参照されたい。この凹部エッチングには、RIEなどの方向性(すなわち異方性)エッチングプロセスを採用することができる。
【0022】
図2に示すように、第1の側壁スペーサ108は、この凹部エッチング中に下地基板の一部を覆う。その結果、フィン106の底部は、第1の側壁スペーサ108に隣接するフィン106の部分よりも幅が広くなっている。すなわち、第1の側壁スペーサ108に隣接するフィン106の部分は幅W1を有し、フィン106の底部は幅W2を有し、これにより、W1はW2より小さく、すなわち、W1<W2である。しかし、以下で詳細に説明するように、フィン106の底部は次にトリミングされてその幅が縮小される。フィンの底部の幅をトリミングすることは、特に、底部のソース/ドレイン領域と垂直フィンチャネル(後述)との間の距離を短くするなどの顕著な利点を有する。
【0023】
【0024】
上記で強調したように、次に第2の側壁スペーサ402が、第1の側壁スペーサ108の上にフィン106と並んで形成される。図4を参照されたい。この第1の側壁スペーサ108と第2の側壁スペーサ402の組み合わせは、本明細書では二層スペーサと呼ばれるものである。第1の側壁スペーサ108と同様に、第2の側壁スペーサ402は、第1の側壁スペーサ108上のフィン106および基板102の露出表面にスペーサ材料の層を堆積させることによって形成することができる。その後、RIEなどの方向性(すなわち、異方性)エッチングプロセスを使用して、水平面上に堆積した材料を除去することができる。残るのは、フィン106の側壁に沿った第1の側壁スペーサ108上のスペーサ材料で、第2の側壁スペーサ402として機能する。
【0025】
第1/第2の側壁スペーサ108および402のために選択された材料は、第1の側壁スペーサ108に対する第2の側壁スペーサ402の選択的な除去を可能にする必要がある。すなわち、以下で詳細に説明するように、これにより、フィン106の基部のソース/ドレイン領域上に底部スペーサを形成することが可能になる。例示に過ぎないが、第2の側壁スペーサ402に適した材料には、CVD、ALD、またはPVDなどのプロセスを使用して堆積させることができる窒化ケイ素(SiN)が含まれるが、これらに限定されない。例示的な実施形態によれば、第2の側壁スペーサ402は、約2nm~約8nmおよびその間の範囲の厚さを有するように形成される。
【0026】
特に、図4に示すように、第2の側壁スペーサ402は、第1の側壁スペーサ108、ならびに第1の側壁スペーサ108の下方のフィン106の基部の側壁を覆っている。すなわち、第2の側壁スペーサ402は、第1の側壁スペーサ108の下方のフィン106と直接接触している。詳細は後述するが、このように第1の側壁スペーサ108の下方のフィン106に沿って第2の側壁スペーサ402を配置することにより、まず底部ソース/ドレイン領域の形成が可能となり、続いて底部スペーサの形成が可能となる。
【0027】
次に、上記と同様の方法で、基板を再び凹ませてフィン106の基部を二層スペーサ(すなわち、第1の側壁スペーサ108/第2の側壁スペーサ402)の下方に延ばし、その後、フィン106の露出した基部を横方向にトリミングする。すなわち、第1の側壁スペーサ108と第2の側壁スペーサ402がフィン106の側壁を保護している状態で、フィン106の間の基板102をさらに凹ませるためのエッチングが行われ、これによりフィン106の基部が二層スペーサの下に延長される。図5を参照されたい。この凹部エッチングには、RIEなどの方向性(すなわち異方性)エッチングプロセスを用いることができる。
【0028】
図5に示すように、二層スペーサ(すなわち、第1の側壁スペーサ108/第2の側壁スペーサ402)は、この凹部エッチングの間、下地基板の一部を覆う。その結果、フィン106の底部は、二層スペーサに隣接するフィン106の部分よりも広くなっている。すなわち、二層スペーサに隣接するフィン106の部分は上述と同じ幅W1を有し、フィン106の底部は幅W3を有し、これにより、W1はW2より小さい、すなわち、W1<W2である。第1の側壁スペーサ108および第2の側壁スペーサ402の組み合わされた厚さに基づいて、フィン106の底部における幅W3も、第1の凹部エッチング(上述の図2参照)から生じる幅W2よりも大きく、すなわち、W2<W3である。次に、フィン106の底部における任意のトリミングを実行して、その幅を縮小することができる。二層スペーサより下のフィン106の露出した基部をトリミングすることは、底部ソース/ドレイン領域における抵抗を改善するのに役立つが、そうすることは必須ではなく、二層スペーサより下のフィン106のトリミングが実行されない実施形態が本明細書で企図されることは注目に値する。
【0029】
【0030】
底部ソース/ドレイン領域702は、次に、二層スペーサ(すなわち、第1の側壁スペーサ108/第2の側壁スペーサ402)の下のフィン106の基部に形成される。図7を参照されたい。例示的な実施形態によれば、底部ソース/ドレイン領域702は、フィン106の基部で成長し、n型またはp型ドーパントでドープされた、エピタキシャルSi、エピタキシャルSiGeなどの、in-situドープ(すなわち、成長中)またはex-situドープ(例えば、イオン注入を介して)されたエピタキシャル材料から形成される。好適なn型ドーパントとしては、リン(P)もしくはヒ素(As)またはその両方が挙げられるが、これらに限定されない。好適なp型ドーパントとしては、ホウ素(B)が挙げられるが、これに限定されない。底部ソース/ドレイン領域702の成長は、二層スペーサの下のフィン106の側壁の部分に限定される。
【0031】
次に、第2の側壁スペーサ402は、第1の側壁スペーサ108に選択的にフィン106から除去される。図8を参照されたい。図8に示すように、第1の側壁スペーサ108はフィン106の上部を覆ったままである。しかしながら、第2の側壁スペーサ402を除去すると、底部ソース/ドレイン領域702の上のフィン106の基部に側壁の一部が露出する。上記で提供したように、第2の側壁スペーサ402は、SiNのような材料から形成することができる。その場合、フッ素含有プラズマおよび水素含有プラズマを用いたエッチングを採用して、第2の側壁スペーサ402を選択的に除去することができる。
【0032】
次に、底部スペーサ902が、第1の側壁スペーサ108の下のフィン106の基部の底部ソース/ドレイン領域702上に形成される。図9を参照されたい。例示的な実施形態によれば、底部スペーサ902は、高いGe含有量を有するSiGe(本明細書では「高Ge含有SiGe」とも呼ぶ)などの半導体材料から形成される。例としてのみ、本明細書で使用される「高Ge含有SiGe」という用語は、約50%のGeから約100%のGe(すなわち、純粋なGe)およびその間の範囲を有するSiGeを指す。例えば、1つの非限定的な例では、底部スペーサ902は、約60%以上のGeを有するSiGeから形成され、場合によっては、底部スペーサ902は、約75%以上のGeを有するSiGeから形成され、さらに場合によっては、底部スペーサ902は、約80%以上のGeを有するSiGeから形成される。上記で強調したように、高Ge含有SiGeは後に酸化されて、底部ソース/ドレイン領域702上に多孔質酸化物(例えば、SiOx)底部空気スペーサを形成する。有利なことに、底部空気スペーサの誘電率が低いため、寄生容量を大幅に低減することができる。
【0033】
一実施形態では、底部スペーサ902は、フィン106の基部にある底部ソース/ドレイン領域702上にエピタキシャル成長した高Ge含有SiGeから形成される。エピタキシャルSiGeは、シラン(SiH)またはジクロロシラン、ゲルマン(GeH)またはジゲルマン(Ge)などのSiおよびGe前駆体をそれぞれ使用して成長させることができる。Ge含有量は、成長中のGe前駆体の流れを制御することによって調節することができる。例示的な実施形態によれば、底部スペーサ902は、約5nm~約20nmおよびその間の範囲の厚さを有するように形成される。底部スペーサ902の成長は、底部ソース/ドレイン領域702の上にあり、第1の側壁スペーサ108の下にあるフィン106の側壁の部分に限定される。
【0034】
底部スペーサ902の形成に続いて、第1の側壁スペーサ108が除去される。第1の側壁スペーサ108を除去するために採用される特定のエッチング化学は、第1の側壁スペーサ108のために選択された材料に基づいて選択することができる。例えば、あくまで一例ではあるが、第1の側壁スペーサ108がSiNから形成されている場合(上記参照)、第1の側壁スペーサ108を選択的に除去するために、リン酸(HPO)による湿式化学エッチングを使用することができる。その後、ゲートスタックがフィン106と並んで、底部ソース/ドレイン領域702および底部スペーサ902の上に形成される。図10を参照されたい。図10に示すように、ゲートスタックは、フィン106上に配置されたゲート誘電体1002と、ゲート誘電体1002上に配置された少なくとも1つの仕事関数設定金属1004とを含む。図には明示されていないが、ゲート誘電体1002が界面酸化物上のフィン106上に配置されるように、ゲート誘電体1002の前に、フィン106の露出表面上に界面酸化物が形成されてもよい。例示的なものに過ぎないが、界面酸化物は、熱酸化、化学酸化、または任意の他の適切な酸化物形成プロセスによってフィン106の露出表面に形成することができる。例示的な実施形態によれば、界面酸化物は、約0.5nm~約5nmおよびその間の範囲、例えば約1nmの厚さを有する。
【0035】
ゲート誘電体1002に適した材料としては、SiOx、SiN、酸化窒化ケイ素(SiOxNy)、高κ材料、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用する「高κ」という用語は、二酸化ケイ素の比誘電率よりもはるかに高い比誘電率κを有する材料を指す(例えば、比誘電率κは、SiOの3.9ではなく、酸化ハフニウム(HfO)の約25である)。適切な高κ材料としては、HfO、ハフニウム酸化ケイ素(HfSiO)、ハフニウム酸化ケイ素窒化物(HfSiO)、酸化ランタン(La)、酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ジルコニウムシリコン(ZrSiO)、酸化ジルコニウムケイ素酸窒化物(ZrSiOxNy)、酸化タンタル(TaOx)、酸化チタン(TiO)、酸化バリウムストロンチウムチタン(BaOSrTi)、酸化バリウムチタン(BaTiO)、酸化ストロンチウムチタン(SrTiO)、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)、鉛スカンジウムタンタル酸化物(Pb(Sc,Ta)O)、および/またはニオブ酸亜鉛鉛(Pb(Zn,Nb)O)、またはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。高κ材料は、ランタン(La)、アルミニウム(Al)もしくはマグネシウム(Mg)、またはその組み合わせなどのドーパントをさらに含むことができる。ゲート誘電体1002は、熱酸化、化学酸化、熱窒化、プラズマ酸化、プラズマ窒化、CVD、ALDなどのプロセスまたはプロセスの組み合わせを使用して堆積させることができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態によれば、ゲート誘電体1002は、約1nm~約5nmおよびその間の範囲の厚さを有する。
【0036】
適切な仕事関数設定金属1004は、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、窒化ハフニウム(HfN)、ハフニウム窒化ケイ素(HfSiN)、窒化タンタル(TaN)、タンタル窒化ケイ素(TaSiN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化ニオブ(NbN)、炭化チタン(TiC)炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、炭化タンタル(TaC)もしくは炭化ハフニウム(HfC)、またはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。仕事関数設定金属1004は、CVD、ALD、PVD、スパッタリング、メッキ、蒸着、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着、レーザー支援蒸着、化学溶液蒸着などのプロセスまたはプロセスの組み合わせを使用して堆積させることができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態によれば、仕事関数設定金属1004は、約5nm~約10nmおよびその間の範囲の厚さを有する。
【0037】
次に、封止ライナー1006が、フィン106上のゲートスタック(すなわち、ゲート誘電体1002および仕事関数設定金属1004)上に形成される。封止ライナー1006は、その後の処理工程中にゲートスタックを保護する役割を果たす。封止ライナー1006に適した材料としては、SiNおよび/または炭化窒化ケイ素(SiCN)および/またはアモルファスシリコンなどの窒化物材料が挙げられるが、これらに限定されず、CVD、ALDまたはPVDなどのプロセスを使用して堆積させることができる。例示的な実施形態によれば、封止ライナー1006は、約1nm~約5nmおよびその間の範囲の厚さを有する。
【0038】
次に、底部スペーサ902を酸化して、底部ソース/ドレイン領域702とゲートスタック(すなわち、ゲート誘電体1002および仕事関数設定金属1004)との間に底部空気含有スペーサ1102を形成する。図11を参照されたい。上記で提供したように、底部スペーサ902は、高Ge含有SiGe、すなわち、約50%のGeから約100%のGe(すなわち、純粋なGe)を有するSiGe、およびその間の範囲、例えば、約60%以上のGeを有するSiGe、約75%以上のGeを有するSiGe、さらには約80%以上のGeを有するSiGeから形成される。底部スペーサ902中のGeの存在は酸化反応を触媒し、温度の上昇は反応速度を増加させる。例えば、Mohamed A. Rabieら、”A kinetic model for the oxidation of silicon germanium alloys”、Journal of Applied Physics、98、074904(2005年10月)(11ページ)(以下、「Rabie」)を参照されたい。また、Geの含有量が高いほど、例えば、その下にある底部ソース/ドレイン領域702と比較して反応速度が増大する。したがって、底部ソース/ドレイン領域702がGeを含む場合(上記参照)、底部スペーサ902のGe含有量は、底部ソース/ドレイン領域702のGe含有量よりも大きいことが好ましい。例えば、例示的な実施形態によれば、底部ソース/ドレイン領域702は、約0%Geから約50%Geおよびその間の範囲のGeを含む。そのようにして、本技術は、底部ソース/ドレイン領域702にも酸化が生じるとしてもほとんど生じることなく、酸化によって底部空気含有スペーサ1102を形成するために実施することができる。
【0039】
本明細書において、本発明の酸化技術を採用することにより、形成される底部空気含有スペーサ1102は、最終的な底部空気含有スペーサ1102にGeが存在しないことを意味する純粋なSiOxであることが見出された。特定の理論に束縛されることなく、この酸化プロセスの間に、Geは酸化ゲルマニウム(GeO)として昇華し、底部空気含有スペーサ1102として純粋なSiOxを残し、Geの昇華によって残された材料中の空孔が底部空気含有スペーサ1102に空気含有細孔を形成すると考えられる。すなわち、図11に示すように、底部空気含有スペーサ1102は、全体に分布する空気含有細孔1104を有し、これらの空気含有細孔1104は気泡形状を有する。例示的な実施形態によれば、空気含有細孔1104の各々は、約1nm~約15nmおよびその間の範囲のサイズを有し、これは、空気含有細孔1104の各々の最大直径dとして測定される(図11参照)。形成される空気含有細孔1104のサイズは、底部スペーサ902のGe含有量および/または厚さ(上記参照)および/または熱酸化アニールの温度(下記参照)などの要因に依存し得る。すなわち、底部スペーサ902のGe含有量が高いほど、および/または底部スペーサ902の厚さが大きいほど、および/または熱酸化アニールの温度が高いほど(本明細書で提供される範囲内で)、結果として生じる空気含有細孔1104のサイズは大きくなる。上述したように、底部空気含有スペーサ1102における空気含有細孔1104の存在は、ゲートスタック(すなわち、ゲート誘電体1002および仕事関数設定金属1004)と底部ソース/ドレイン領域702との間の寄生容量を大幅に低減するのに役立つ。したがって、1つの例示的な実施形態では、目標は、底部空気含有スペーサ1102において可能な限り最大の(大きさの)空気含有細孔1104を生成することである。
【0040】
例示的な一実施形態によれば、底部スペーサ902は、熱酸化プロセスを用いて酸化され、これにより、VFETデバイス構造は、全体に分布した空気含有細孔1104を有する底部空気含有スペーサ1102(すなわち、純粋なSiOx)を形成するのに十分な条件(例えば、温度、時間など)で、酸素(O)含有雰囲気中でアニールされる。例示的な一実施形態では、アニールは、約700℃を超える温度、例えば、約700℃~約900℃およびその範囲の温度で、約1分~約10分およびその範囲の継続時間実施される。例示的な実施形態によれば、アニールは、約25℃/秒から約50℃/秒およびその範囲のランプ速度で行われる。Oに加えて、水素(H)ガスを使用することもできる。例えば、例示的な一実施形態では、約5%から約15%のHが、(すなわち、純粋なSiOx)底部空気含有スペーサ1102を形成するために、Oと混合される。
【0041】
次に、層間絶縁膜(ILD)1202が、ゲートスタック(すなわち、ゲート誘電体1002および仕事関数設定金属1004)およびフィン106の上に堆積される。図12を参照されたい。ILD1202に適した材料としては、SiOxおよび/または有機ケイ酸ガラス(SiCOH)などの酸化物材料、および/または超低-κ層間絶縁膜(ULK-ILD)材料(例えば、2.7未満の誘電率κを有する)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な超低-κ誘電体材料としては、多孔性有機ケイ酸塩ガラス(pSiCOH)が挙げられるが、これに限定されない。CVD、ALD、PVDなどのプロセスを用いてILD1202を堆積することができる。堆積後、化学機械研磨(CMP)などのプロセスを用いて、ILD1202を封止ライナー1006まで研磨することができる。
【0042】
封止ライナー1006は、フィン106の上部で露出される。封止ライナー1006の露出により、その除去が可能になり、また、フィン106の上部からの下層のフィンハードマスク104およびゲートスタックの除去も可能になる。図13を参照されたい。図13に示すように、封止ライナー1006、仕事関数設定金属1004、ゲート誘電体1002、およびフィンハードマスク104がフィン106の上部から除去されている。フィン106は、VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する。
【0043】
例示的な実施形態によれば、封止ライナー1006、仕事関数設定金属1004およびゲート誘電体1002は、封止ライナー1006、仕事関数設定金属1004およびゲート誘電体1002の上面がフィン106の上面(すなわち、垂直フィンチャネル)の下に存在するように凹んでいる。そうすることで、フィン106の上面の側壁とILD1202との間に間隙1302が生じる。図13を参照されたい。詳細は後述するが、これらの間隙には上部スペーサが形成され、フィン106の露出した上部には上部ソース/ドレイン領域が形成される。底部スペーサ902および上部スペーサは、それぞれ、底部ソース/ドレイン領域702および上部ソース/ドレイン領域をゲートスタックからオフセットする役割を果たす。RIEなどの方向性(すなわち、異方性)エッチングプロセスもしくは湿式化学エッチングもしくは気相エッチングなどの非方向性(すなわち、等方性)エッチング、またはその両方のプロセスを採用して、フィン106の上部から封止ライナー1006、仕事関数設定金属1004、ゲート誘電体1002、およびフィンハードマスク104を除去することができる。
【0044】
次に、上部スペーサ1402が、フィン106の上部(すなわち、垂直フィンチャネル)と並んだ間隙1302内のゲートスタックの上方に形成される。図14を参照されたい。上部スペーサ1402に適した材料としては、SiOxもしくはオキシ炭化ケイ素(SiOC)またはその両方などの酸化物スペーサ材料、および/またはSiN、窒化ケイ素ホウ素(SiBN)、炭窒化ケイ素ホウ素(SiBCN)、もしくは炭窒酸化ケイ素(SiOCN)、またはその組み合わせなどの窒化物スペーサ材料が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、CVD、ALD、またはPVDなどのプロセスを用いて間隙1302に堆積させることができる。堆積後、スペーサ材料のエッチバック(例えば、場合により酸化物または窒化物選択的RIEを使用)を使用して、間隙1302内に上部スペーサ1402を形成する。このプロセスに基づいて、例示的な実施形態によれば、上部スペーサ1402の上面は、フィン106の上面と同一平面上にある。図14を参照されたい。さらに、これにより、フィン106の上面が上部スペーサ1402と並んで露出し、上部ソース/ドレイン領域の形成が可能になる。
【0045】
すなわち、封止ライナー1006、仕事関数設定金属1004、ゲート誘電体1002、およびフィンハードマスク104をフィン106の上部から除去する上述の工程に続いて、フィン106の上部に沿って上部スペーサ1402を形成することにより、フィン106の上に溝1404が形成される。図14に示すように、フィン106の上部は溝1404の底部で露出している。次いで、フィン106の上部の溝1404内に上部ソース/ドレイン領域1502が形成される(すなわち、垂直フィンチャネル)。図15を参照されたい。
【0046】
例示的な実施形態によれば、上部ソース/ドレイン領域1502は、フィン106の上部で成長し、n型またはp型ドーパントでドープされたエピタキシャルSi、エピタキシャルSiGeなどの、in-situドープ(すなわち、成長中)またはex-situドープ(例えば、イオン注入を介して)されたエピタキシャル材料から形成される。上記で提供したように、好適なn型ドーパントには、PもしくはAsまたはその両方が含まれるが、これらに限定されない。好適なp型ドーパントには、Bが含まれるが、これに限定されない。成長後、エピタキシャル材料は、CMPなどのプロセスを使用して平坦化することができる。その結果、上部ソース/ドレイン領域1502の上面は、ILD1202の上面と同一平面上にある。図15を参照されたい。
【0047】
次に、上部のソース/ドレイン領域1502に接点が形成される。そのために、まずILD1602がフィン106(すなわち、垂直フィンチャネル)上のILD1202上に堆積される。本明細書では、ILD1202およびILD1602を指す場合、わかりやすくするために、「第1」および「第2」という用語を使用することもある。ILD1602に適した材料としては、SiOxもしくはSiCOHまたはその両方などの酸化物材料および/またはpSiCOHなどのULK-ILD材料が挙げられるが、これらに限定されない。CVD、ALD、またはPVDなどのプロセスを使用して、ILD1602を堆積させることができる。堆積後、CMPなどのプロセスを用いてILD1602を研磨することができる。その後、標準的なリソグラフィ技術およびエッチング技術(上記参照)を使用して、ILD1602に接触溝1604をパターニングする。図16に示すように、接触溝1604の1つは、上部ソース/ドレイン領域1502のそれぞれを覆うようにILD1602に存在する。
【0048】
接触溝1604は、次に金属または金属の組み合わせで充填され、上部ソース/ドレイン領域1502への接点1702を形成する。図17を参照されたい。好適な金属としては、銅(Cu)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)もしくは白金(Pt)またはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。金属は、蒸着、スパッタリング、または電気化学めっきなどのプロセスを使用して、接触溝1604に堆積され得る。堆積後、CMPなどのプロセスを用いて金属オーバーバードを除去することができる。金属を堆積する前に、バリア層(図示せず)を接触溝1604内に堆積して裏打ちすることができる。かかるバリア層の使用は、周囲のILD1602への金属の拡散を防止するのに役立つ。適切なバリア層材料としては、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)もしくは窒化チタン(TiN)、またはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、金属堆積の前に、すなわち、接触溝1604内への金属のめっきを容易にするために、シード層(図示せず)を接触溝1604内に堆積して裏打ちすることができる。
【0049】
図17に示すように、本発明のVFETデバイスには、特筆すべき特有の構造的特徴がいくつかある。例えば、上述の二層スペーサ(すなわち、第1の側壁スペーサ108/第2の側壁スペーサ402)の設計およびプロセスシーケンスに基づき、底部ソース/ドレイン領域702は、フィン106の側壁の第1の部分1704と並んで(およびこれと直接接触して)フィン106の基部に存在する。底部空気含有スペーサ1102は、フィン106の側壁の第1の部分1704の上にあるフィン106の側壁の第2の部分1706と並んで(そして直接接触して)底部ソース/ドレイン領域702上に直接存在する。
【0050】
上述のプロセスでは、高Ge含有SiGe底部スペーサ902は、ゲートスタック(すなわち、ゲート誘電体1002および仕事関数設定金属1004)の前に配置される。しかしながら、底部空気含有スペーサ1102を形成するための(熱)酸化は、ゲートスタックの形成後に行われる。このプロセスは、ゲート誘電体1002の再酸化を引き起こす可能性があり、材料に欠陥を発生させ、それによりデバイス性能を低下させる可能性がある。ゲート誘電体1002の再酸化を回避するために、本明細書では、高Ge含有SiGe底部スペーサ902の配置と底部空気スペーサを形成するための(熱)酸化の両方がゲートスタックを形成する前に行われ、それによりゲート誘電体1002が再酸化にさらされることを完全に回避する代替プロセスフローが考えられる。
【0051】
次に、この代替的な例示的実施形態を、図18~21を参照して説明する。このプロセスは、上述の図1図9の説明と併せて説明した例と全く同じ方法で、すなわち、フィンハードマスク104を使用して基板102にフィン106をパターニングすることから始まり、二層スペーサ(すなわち、第1の側壁スペーサ108/第2の側壁スペーサ402)の形成、関連する凹みとフィン106の基部のトリミングを上述と全く同じ方法で行い、フィン106の基部に底部ソース/ドレイン領域702を形成し、第2の側壁スペーサ402を除去し、底部スペーサ902を形成する。上記で提供したように、底部スペーサ902は、高Ge含有SiGe、すなわち、約50%のGeから約100%のGe(すなわち、純粋なGe)を有するSiGe、およびその間の範囲、例えば、約60%以上のGeを有するSiGe、約75%以上のGeを有するSiGe、さらには約80%以上のGeを有するSiGeから形成される。したがって、図18に描かれているものは、図9の構造に従う。
【0052】
しかし、この場合、次に、高Ge含有SiGe底部スペーサ902上にキャッピング層1802が形成される。図18を参照されたい。キャッピング層1802に適した材料としては、SiN、SiONもしくはSiCN、またはその組み合わせなどの窒化物材料が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態によれば、キャッピング層1802は、垂直面(フィン106/第1の側壁スペーサ108の側壁に沿ってなど)に比べて水平面(底部スペーサ902の上部を含む)により多くの量のキャッピング層材料が堆積される方向性堆積プロセスを用いて形成される。したがって、キャッピング層材料にエッチングが使用される場合、垂直表面からキャッピング層材料を除去するのに必要なエッチングのタイミングは、より多くの量のキャッピング層材料が底部スペーサ902上に堆積されたため、底部スペーサ902上に図18に示すキャッピング層1802を残すことになる。例示に過ぎないが、高密度プラズマ(HDP)化学気相成長(CVD)または物理気相成長(PVD)プロセスを方向性膜堆積に使用することができ、窒化物選択的等方性エッチングを使用して、垂直面上に堆積した(より薄い)キャッピング層材料を除去することができる。例示的な一実施形態によれば、キャッピング層1802は、約1nmより大きい厚さを有するように形成される。
【0053】
次いで、高Ge含有SiGe底部スペーサ902の酸化は、底部スペーサ902上にゲートスタックではなくキャッピング層1802が存在することを除いて、上述したのと同じ方法で行われ、底部ソース/ドレイン領域702とキャッピング層1802との間に底部空気含有スペーサ1102が形成される。すなわち、例示的な実施形態によれば、底部スペーサ902は、熱酸化プロセスを用いて酸化され、これにより、VFETデバイス構造は、全体に分布した空気含有細孔1104を有する底部空気含有スペーサ1102(すなわち、純粋なSiOx)を形成するのに十分な条件(例えば、温度、時間など)下で、O含有周囲中でアニールされる。図19を参照されたい。例示的な一実施形態では、アニールは、約700℃を超える温度、例えば、約700℃~約900℃およびその間の範囲の温度で、約1分~約10分およびその間の範囲の時間にわたって行われる。例示的な一実施形態によれば、アニールは、約25℃/秒から約50℃/秒およびその範囲のランプ速度で行われる。Oに加えて、Hガスも使用することができる。例えば、ある例示的な実施形態では、約5%から約15%のH、Oと混合して(すなわち、純粋なSiOx)底部空気含有スペーサ1102を形成する。上述したように、底部空気含有スペーサ1102における空気含有細孔1104の存在は、ゲートスタックと底部ソース/ドレイン領域702との間の寄生容量を大幅に低減するのに役立つ。ゲートスタックまたはこの場合、キャッピング層1802の存在は、例えば、形成されるSiOxが付着することができる表面を提供することによって、この酸化プロセス中に(すなわち、純粋なSiOx)底部空気含有スペーサ1102の形成を促進するのに役立つ。
【0054】
酸化後、キャッピング層1802は選択的に除去される。図20を参照されたい。上記で提供したように、キャッピング層1802は、窒化物材料(例えば、SiN、SiONもしくはSiCN、またはその組み合わせ)から形成することができる。その場合、キャッピング層1802を除去するために、窒化物選択的RIEなどの窒化物選択的エッチングを採用することができる。
【0055】
第1の側壁スペーサ108も上述のように選択的に除去され、ゲートスタックがフィン106と並んで、底部ソース/ドレイン領域702および底部空気含有スペーサ1102の上に形成される。図21を参照されたい。上述したのと同様の方法で、ゲートスタックは、フィン106上に配置されたゲート誘電体1002と、ゲート誘電体1002上に配置された少なくとも1つの仕事関数設定金属1004とを含む。図には明示されていないが、ゲート誘電体1002が界面酸化物上のフィン106上に配置されるように、ゲート誘電体1002の前に、フィン106の露出表面に界面酸化物を形成してもよい。ゲート誘電体1002、仕事関数設定金属1004および界面酸化物のための適切な材料、寸法および製造技術は、上記で提供された。
【0056】
次に、封止ライナー1006が、フィン106上のゲートスタック(すなわち、ゲート誘電体1002および仕事関数設定金属1004)上に形成される。上述したように、封止ライナー1006は、後続の処理工程中にゲートスタックを保護する役割を果たす。封止ライナー1006に適した材料、寸法および製造技術は、上記で提供されている。
【0057】
プロセスの残りの部分は、上述の図12図17の説明と併せて説明したものと同じである。すなわち、(第1の)ILD1202がゲートスタック上に堆積され、封止ライナー1006、仕事関数設定金属1004、ゲート誘電体1002、およびフィンハードマスク104がフィン106の上部から除去され、上部スペーサ1402がフィン106の上部に沿って形成され(すなわち、垂直フィンチャネル)が形成され、上部ソース/ドレイン領域1502がフィン106の上部に形成され、(第2の)ILD1602がフィン106上のILD1202上に堆積され、接点1702がILD1602内で上部ソース/ドレイン領域1502に形成される。したがって、代替の実施形態によれば、図12に描かれていることは、図21の構造から続くことができる。
【0058】
本明細書では、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明はこれらの正確な実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によって他の様々な変更および修正がなされ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスであって、
基板上に存在する少なくとも1つのフィンであって、前記少なくとも1つのフィンは、前記VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、少なくとも1つのフィンと、
前記少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域と、
前記底部ソース/ドレイン領域に配置された底部空気含有スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックと、
前記少なくとも1つのフィンの上部で前記ゲートスタックの上にある上部スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンの上部にある上部ソース/ドレイン領域と、
を含む、VFETデバイス。
【請求項2】
空気含有細孔が前記底部空気含有スペーサ全体に分布している、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項3】
前記底部空気含有スペーサが純粋な酸化ケイ素(SiOx)を含む、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項4】
前記ゲートスタック上に配置された封止ライナーをさらに含む、
請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項5】
封止ライナーが、窒化ケイ素(SiN)、炭化窒化ケイ素(SiCN)、アモルファスケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項4に記載のVFETデバイス。
【請求項6】
前記上部スペーサの上面が、前記少なくとも1つのフィンの上面と同一平面上にある、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項7】
前記ゲートスタックは、
前記少なくとも1つのフィン上に配置されたゲート誘電体と、
前記ゲート誘電体上に配置された少なくとも1つの仕事関数設定金属と、
を含む、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項8】
前記上部ソース/ドレイン領域との少なくとも1つの接点
をさらに含む、請求項1に記載のVFETデバイス。
【請求項9】
垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスであって、
基板上に存在する少なくとも1つのフィンであって、前記少なくとも1つのフィンは、前記VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、少なくとも1つのフィンと、
前記少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域であって、前記底部ソース/ドレイン領域は、前記少なくとも1つのフィンの側壁の第1の部分と直接接触している、底部ソース/ドレイン領域と、
前記底部ソース/ドレイン領域に直接配置された底部空気含有スペーサであって、前記底部空気含有スペーサは、前記少なくとも1つのフィンの前記側壁の第2の部分と直接接触している、底部空気含有スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックと、
前記少なくとも1つのフィンの上部で前記ゲートスタックの上にある上部スペーサと、
前記少なくとも1つのフィンの上部にある上部ソース/ドレイン領域と、
を含む、VFETデバイス。
【請求項10】
空気含有細孔が前記底部空気含有スペーサ全体に分布している、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項11】
前記上部スペーサの上面が、前記少なくとも1つのフィンの上面と同一平面上にある、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項12】
前記底部空気含有スペーサが純粋なSiOxを含む、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項13】
前記ゲートスタック上に配置された封止ライナーであって、前記封止ライナーは、SiN、SiCN、アモルファスケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、封止ライナーをさらに含む、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項14】
前記底部ソース/ドレイン領域が、約0%から約50%のゲルマニウム(Ge)を含む、請求項9に記載のVFETデバイス。
【請求項15】
垂直電界効果トランジスタ(VFET)デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのフィンを基板にパターニングすることと、
前記少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域を形成することと、
酸化を利用して、前記底部ソース/ドレイン領域上に底部空気スペーサを形成することであって、前記底部空気スペーサは、前記底部空気スペーサ全体に分布する空気含有細孔を含む、形成することと、
前記少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックを形成することであって、前記少なくとも1つのフィンは、前記VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、形成することと、
前記少なくとも1つのフィンの上部に前記ゲートスタックの上にある上部スペーサを形成することと、
前記少なくとも1つのフィンの上部に上部ソース/ドレイン領域を形成することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記底部ソース/ドレイン領域上に底部スペーサを形成することであって、前記底部スペーサは、前記底部ソース/ドレイン領域よりもゲルマニウム(Ge)含有量が多いシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む、形成することと、
前記底部ソース/ドレイン領域上に前記底部空気スペーサを形成するために、酸素雰囲気中で前記底部スペーサをアニールすることと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記底部スペーサが、約50%から約100%のゲルマニウム(Ge)を有するSiGeを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アニールは、前記ゲートスタックが前記少なくとも1つのフィンと並んで形成された後に実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記底部スペーサ上にキャッピング層を形成することと、
前記底部ソース/ドレイン領域上に前記底部空気スペーサを形成するために、酸素雰囲気中で前記底部スペーサをアニールすることと、
前記キャッピング層を除去することと、
前記少なくとも1つのフィンと並んで前記ゲートスタックを形成することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのフィンと並んで二層スペーサを形成することであって、前記二層スペーサは、前記少なくとも1つのフィンの側壁に配置された第1の側壁スペーサと、前記第1の側壁スペーサを覆う第2の側壁スペーサとを含み、前記第2の側壁スペーサは、前記第1の側壁スペーサの下方で前記少なくとも1つのフィンと直接接触する、形成することと、
前記二層スペーサの下の前記少なくとも1つのフィンの基部に前記底部ソース/ドレイン領域を形成することと、
前記第2の側壁スペーサを選択的に除去することと、
前記第1の側壁スペーサの下の前記少なくとも1つのフィンの前記基部で、前記底部ソース/ドレイン領域に前記底部スペーサを形成することと、
前記第1の側壁スペーサを選択的に除去することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明のさらに別の態様では、VFETデバイスを形成する方法が提供される。この方法には以下が含まれる:少なくとも1つのフィンを基板にパターニングすることと、少なくとも1つのフィンの基部にある底部ソース/ドレイン領域を形成することと、酸化を利用して、底部ソース/ドレイン領域上に底部空気スペーサを形成することであって、底部空気スペーサは、底部空気スペーサ全体に分布する空気含有細孔を含む、形成することと、少なくとも1つのフィンと並んだゲートスタックを形成することであって、少なくとも1つのフィンは、VFETデバイスの垂直フィンチャネルとして機能する、形成することと、少なくとも1つのフィンの上部にゲートスタックの上にある上部スペーサを形成することと、少なくとも1つのフィンの上部に上部ソース/ドレイン領域を形成すること。例えば、底部ソース/ドレイン領域上に底部スペーサを形成することができ、底部スペーサは、約50%Geから約100%Geを有するシリコンゲルマニウム(SiGe)を含み、底部ソース/ドレイン領域上に底部空気スペーサを形成するために、底部スペーサが酸素雰囲気中でアニールされ得る。
【国際調査報告】