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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】欠陥を修復する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B22D 19/06 20060101AFI20240920BHJP
   C23C 6/00 20060101ALI20240920BHJP
   C23C 4/06 20160101ALI20240920BHJP
   C23C 4/02 20060101ALI20240920BHJP
   B22D 19/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B22D19/06
C23C6/00
C23C4/06
C23C4/02
B22D19/00 Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514622
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2022074896
(87)【国際公開番号】W WO2023036839
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】2112740.2
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524084609
【氏名又は名称】ローウォーター アプライド テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】イーデン、 ロバート、 デビッド
【テーマコード(参考)】
4K031
【Fターム(参考)】
4K031AA01
4K031BA04
(57)【要約】
表面の欠陥を修復するための方法及び装置が提供される。この方法は、a)充填チャンバ内に少なくとも部分的に液体の合金のボーラスを提供するステップであって、充填チャンバは閉鎖可能な出口及び閉鎖可能な圧力入口を有するステップと、b)圧力入口を介して加圧流体を前記充填チャンバに導入し、ボーラスが出口を介して充填チャンバから射出されるようにボーラスを加速するステップと、c)ボーラスが欠陥に接触するように、充填チャンバと欠陥との間の経路に沿ってボーラスを方向付けるステップと、d)欠陥と接触している間に、少なくとも部分的に液体の合金を凝固させるステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の欠陥を修復する方法において、
a)充填チャンバ内に少なくとも部分的に液体の合金のボーラスを提供するステップであって、前記充填チャンバは閉鎖可能な出口及び閉鎖可能な圧力入口を有するステップと、
b)前記圧力入口を介して加圧流体を前記充填チャンバに導入し、前記ボーラスが前記出口を介して前記充填チャンバから射出されるように前記ボーラスを加速するステップと、
c)前記ボーラスが前記欠陥に接触するように、前記充填チャンバと前記欠陥との間の経路に沿って前記ボーラスを方向付けるステップと、
d)前記欠陥と接触している間に、前記少なくとも部分的に液体の合金を凝固させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記欠陥に前記ボーラスを方向付けるステップ(c)は、前記経路の少なくとも一部を画定する送達ラインを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送達ラインは、ロボットによって位置決めされ、任意選択的に、前記ロボットは、スネークアームロボットである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記送達ラインは、前記ボーラスからの熱損失を制限し、及び/又は前記ボーラスに熱を提供するように動作可能である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記充填チャンバに前記ボーラスを提供するステップ(a)は、
i)固体合金を少なくとも部分的に溶融し、それによって生じる少なくとも部分的に液体の合金を前記充填チャンバに導入すること、又は
ii)前記固体合金を前記充填チャンバに導入し、その場で少なくとも部分的に溶融すること
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記加圧流体は、
i)加熱され、及び/又は
ii)圧縮ガス(例えば、圧縮空気)であり、及び/又は
iii)蒸気であり、及び/又は
iv)約30barまでの圧力を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記合金は、ビスマス合金、インジウム合金、アンチモン合金、スズ合金、鉛合金及びガリウム合金からなる群から選択され、好ましくは、前記合金はビスマス合金である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記入口を介して加圧流体を前記充填チャンバに導入し、前記ボーラスが前記出口を介して前記充填チャンバから射出されるように前記ボーラスを加速するステップ(b)において、
i)前記加圧流体が導入されると前記ボーラスが射出されるように、前記出口及び圧力入口が同時に開かれ、又は
ii)前記加圧流体が導入されると前記ボーラスが射出されるように、前記出口が第1に開かれ、前記圧力入口が第2に開かれ、又は
iii)前記圧力入口が第1に開かれかつ前記加圧流体が前記充填チャンバに導入され、前記出口が開くと前記充填チャンバから前記ボーラスが射出されるように、前記出口が第2に開かれる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記欠陥は進行中の漏洩であり、任意選択的に、前記方法は、前記進行中の漏洩によって射出される材料を前記経路から偏向させるステップをさらに含み得る、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
洗浄ステップをさらに含み、洗浄液が前記欠陥に送達される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ボーラスは、前記欠陥に侵入する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ボーラスが前記欠陥に接触するように、前記充填チャンバと前記欠陥との間の経路に沿って前記ボーラスを方向付けるステップの前に、前記欠陥の周囲に鋳型を配置するステップをさらに含み、前記鋳型は、前記合金を前記欠陥に接触させたまま保持するように動作可能である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
欠陥を修復するための装置において、
少なくとも部分的に液体の合金を保持するための充填チャンバであって、圧力入口及び出口を備える充填チャンバと、
前記圧力入口と流体接続され、かつ加圧流体源に接続可能な圧力ラインと
を備える、装置。
【請求項14】
前記出口と流体接続された送達ラインをさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記送達ラインは、
i)可撓性であり、及び/又は
ii)前記出口に近接したハンドルを備え、任意選択的に、前記ハンドルは、前記少なくとも部分的に液体の合金を射出するための手段を備え、及び/又は
iii)前記送達ラインを位置決めするように動作可能なロボット(例えば、スネークアームロボット)を備え、及び/又は
iv)断熱材及び/又は加熱装置を備え、及び/又は
v)末端にノズルを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記充填チャンバは、合金入口をさらに備える、請求項13~15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、前記合金入口と流体接続された合金チャンバをさらに備え、任意選択的に、前記合金チャンバは、固体合金の一部を少なくとも部分的に溶融するように動作可能なヒータを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記合金チャンバは、バランス入口をさらに備え、前記装置は、前記バランス入口と流体接続されたバランスラインをさらに備え、任意選択的に、前記バランスラインは、前記圧力ラインとも流体接続されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記充填チャンバは、断熱材及び/又はヒータを備える、請求項13~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、1つ以上のセンサ(例えば、温度/圧力)及び/又は制御システムをさらに備える、請求項13~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、偏向ラインをさらに備える、請求項13~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は、除去ラインをさらに備える、請求項13~21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記充填チャンバ、前記圧力ラインの少なくとも一部、存在する場合は送達ラインの少なくとも一部、存在する場合は合金チャンバ、存在する場合はバランスラインの少なくとも一部、及び存在する場合は除去ラインのうちの1つ以上を収容するハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、断熱材及び/又はヒータを備える、請求項13~22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
少なくとも部分的に液体の合金のボーラスを表面の欠陥に適用するための、請求項13~23のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項25】
少なくとも部分的に液体の合金のスプレーを表面の欠陥に適用するための、請求項13~23のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項26】
少なくとも部分的に液体の合金のジェットを表面の欠陥に適用するための、請求項13~23のいずれか1項に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の欠陥を修復することに関する。特に、本発明は、少なくとも部分的に液体の合金組成物のボーラスを用いて表面を修復する方法、並びにそれに適した装置及び前記装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面には、穴、亀裂、割れ目、破壊、くぼみ、裂け目、孔、及び穿刺等の欠陥が生じることが一般的であり、これらは、物体がその機能を果たす能力を妨げ又は制限する。例えば、管又は容器には、それらの内容物が漏れる可能性のある亀裂又は穴が生じる可能性がある。このような状況では、理想的にはその場で修復する必要があるが、欠陥に到達するのが難しい場合又は危険な場所にある場合はそれが困難な場合がある。
【0003】
表面欠陥を修復する一般的な方法は、影響を受ける領域に材料のパッチを適用することである。例えば、(例えば溶接によって)金属プレートをバレルに貼り付け、又は硬化性ポリマー樹脂を適用する。しかしながら、これらの方法は、多くの場合、より適切な環境への影響を受けた物体の移動及び/又は手動の適用を必要とする。
【0004】
コールドスプレーは、キャリアガスを用いて非常に高速で表面に向かって加熱された固体微粒子を加速することを含む。加熱された微粒子は、表面との衝撃で塑性変形するような速度で加速される。変形した金属粒子は、表面と、及び他の金属粒子と機械的に結合し、表面に層を形成する。コールドスプレーは、金属層を堆積するために使用されてきた。しかしながら、コールドスプレーは、特に合金粉末の場合、堆積効率が悪い。さらに、コールドスプレーに適した微粒子のサイズ(典型的には1から50μm)は狭い範囲に限られ、使用される微粒子の種類によっては、表面との衝撃で必要な変形を引き起こすために超音速(典型的には500から1000m/s)が必要である。このような高速は、多くの場合、キャリアガスを800℃を超える温度に加熱することによってもたらされる。したがって、コールドスプレーで使用される極端な温度及び速度は、多くの場合、密封される表面に損傷を引き起こし、脆弱な表面には確実に不向きである。また、コールドスプレーは大気条件下での表面の密封にのみ適しており、水中条件下では使用できない。これは、金属粒子の速度が周囲の水との摩擦の結果として減少し、さらに粒子の熱エネルギーが表面に当たる前に周囲の水に散逸するためである。そのため、微粒子は水中で冷却され、その弾性(衝撃で変形する能力)を失い、したがって単に被覆される表面から跳ね返る。
【0005】
WO2020/002886A1には、表面を密封する方法において、金属組成物を提供するステップと、推進剤を提供するステップと、金属組成物を金属組成物の融点以上に加熱して、少なくとも部分的に液体の金属組成物を提供するステップと、推進剤によって少なくとも部分的に液体の金属組成物を表面に向けて加速するステップと、少なくとも部分的に液体の金属組成物を表面に適用するステップとを含む方法が記載されている。この方法により、少なくとも部分的に液体の金属のスプレーを表面に向けることができる。表面に接触すると、液体の金属の液滴が変形して冷却される。液滴が冷却されると、表面上で凝固して被覆を形成する。被覆は、金属液滴の流れが方向付けられる表面を補強及び/又は密封する。この方法は、漏洩、特に進行中の漏洩を密封するために使用され得る。しかしながら、特定の状況において、スプレーを形成する液体金属液滴は、表面に接触する前に高速材料を漏出させることによって偏向されやすく、又は、漏洩が特に高圧下にある容器内にある場合、密封が失敗する可能性がある。
【0006】
したがって、前述の問題の1つ以上に対処する表面の欠陥を修復するための方法及び適切な装置に対する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、表面の欠陥を修復する方法が提供される。この方法は、a)充填チャンバ内に少なくとも部分的に液体の合金のボーラスを提供するステップであって、前記充填チャンバは閉鎖可能な出口及び閉鎖可能な圧力入口を有するステップと、b)前記圧力入口を介して加圧流体を前記充填チャンバに導入し、前記ボーラスが前記出口を介して前記充填チャンバから射出されるように前記ボーラスを加速するステップと、c)前記ボーラスが前記欠陥に接触するように、前記充填チャンバと前記欠陥との間の経路に沿って前記ボーラスを方向付けるステップと、d)前記欠陥と接触している間に、前記少なくとも部分的に液体の合金を凝固させるステップとを含む。
【0008】
少なくとも部分的に液体の合金のボーラスは、少なくとも部分的に液体の合金のスプレーとは異なる、少なくとも部分的に液体の合金の離散的な隣接した量である(すなわち、少なくとも部分的に液体の合金の多数の離散的な不連続な液滴)。ボーラスの性質は、過剰な量の材料を堆積させることなく、液体の合金をより高速で提供し、より大きな運動量を有することを可能にする。その結果、ボーラスは、欠陥から漏れる材料による偏向に対してより耐性があり、欠陥に少なくとも部分的に侵入することがより可能であり、より堅牢な修復を提供する。少なくとも部分的に液体の合金は、好ましくは、完全に液体である。ボーラスは、「スラグ」と呼ばれることもある。
【0009】
少なくとも部分的に液体の合金の凝固は、欠陥と接触している間に、少なくとも部分的に液体の合金を冷却することによって達成される。少なくとも部分的に液体の合金は、周囲環境に熱を失う。いくつかの実施形態では、この熱損失率(したがって、凝固速度)は、冷却剤(例えば、低温流体)の適用によって増加させ得る。
【0010】
欠陥がボーラスの体積と比較して相対的に大きい場合、欠陥を完全に修復するのに十分な材料が提供されるまで、ステップa)~c)を繰り返すことが必要であり得る。
【0011】
前記欠陥に前記ボーラスを方向付けるステップ(c)は、前記経路の少なくとも一部を画定する送達ラインを提供することを含んでもよい。送達ラインは、ボーラスを外力から保護し、それが経路に沿って正しく移動することを確実にする。さらに、送達ラインは、経路が非線形であることを可能にし、加圧流体の散逸を防止することによって経路の最大可能長を延長する。
【0012】
送達ラインは、ロボット又は遠隔配置アームによって位置決めされてもよく、任意選択的に、前記ロボットは、スネークアームロボットである、ロボットによる送達ラインの位置決めは、送達ラインの配置が遠隔で実行されることを可能にする。これにより、人間のオペレータにとって有害な環境(例えば、窒息性又は有毒な雰囲気、高温又は放射線のある場所)における欠陥の修復が可能になる。自由度の高いスネークアームロボット及び類似のロボットは、送達ラインを、他のやり方では接近不可能な欠陥に向けることも可能にするため、特に適している。
【0013】
前記送達ラインは、前記ボーラスからの熱損失を制限し、及び/又は前記ボーラスに熱を提供するように動作可能であってもよい。これにより、ボーラスの時期尚早の凝固の危険を冒すことなく、送達ラインを延長することが可能になる。熱損失の制限は、送達ラインの内部又は周囲に断熱材を含めることによって達成され得る。熱の提供は、送達ラインの内部又は周囲に加熱要素を含めることによって達成され得る。
【0014】
前記充填チャンバに前記ボーラスを提供するステップ(a)は、i)固体合金を少なくとも部分的に溶融し、それによって生じる少なくとも部分的に液体の合金を前記充填チャンバに導入すること、又はii)前記固体合金を前記充填チャンバに導入し、その場で少なくとも部分的に溶融することを含んでもよい。
【0015】
他の実施形態では、固体合金は、充填チャンバに導入する前に部分的に溶融されてもよく、さらなる溶融を充填チャンバ内で発生してもよい。
【0016】
加圧流体は、任意選択的に、合金の融点を超えるまで加熱されてもよい。加圧流体を加熱することは、合金を少なくとも部分的に液体状態に維持するのに役立つ。加圧流体は、圧縮ガス(例えば圧縮空気)又は蒸気であってもよい。圧縮ガスは、既に圧縮されたガスの容器によって提供されてもよく、又は圧縮機によって必要に応じて提供されてもよい。加圧流体は、約30barまでの圧力、好ましくは約1barから約30barの範囲、より好ましくは約5barから約25barの範囲、最も好ましくは約10barから約20barの範囲の圧力を有してもよい。代替的に、加圧流体は、1barから15barの範囲、好ましくは3barから8barの範囲の圧力を有してもよい。装置が進行中の漏洩である欠陥を修復するために使用される場合、加圧流体の圧力(すなわち、ボーラスに加えられる圧力)は、欠陥から漏洩する流体の圧力を超えることが好ましい。加圧流体の必要な圧力は、出口と欠陥との間の経路の長さ(例えば、送達ラインの長さ)、及び存在する場合には、前記送達ラインの直径に基づくことが理解されよう。進行中の漏洩の修復は、漏洩の速度が減少するか、又は完全に防止されることを意味する。
【0017】
合金は、好ましくは約300℃未満の融点を有し、より好ましくは150℃未満の融点を有し、最も好ましくは100℃未満の融点を有する。前記合金は、ビスマス合金、インジウム合金、アンチモン合金、スズ合金、鉛合金及びガリウム合金からなる群から選択されてもよい。合金は、好ましくは、凝固時に膨張する。合金は、好ましくは、ビスマス合金(すなわち、ビスマスを主成分とする合金)又はビスマスを含む合金を含む。本明細書で使用される場合、合金という用語は、1つ以上の金属を含む合金であると理解される。例えば、ビスマス合金は、ビスマス含有合金であると理解されるが、他の金属を含んでもよい。1つの例示的な合金は、32.5重量%のBi、51重量%のIn、及び16.5重量%のSnを含むフィールドメタルである。この合金は、US6474414B1に記載された組成物の1つ、特に第3列8行目から第4列47行目に記載された組成物であってもよい。一例では、この合金は、約91から97重量%のビスマス及び約3から9重量%の銀を含んでもよい。別の例では、この合金は、少なくとも50重量%のビスマス、30から35重量%のスズ、及び1.8から2.5重量%のアンチモンを含んでもよい。別の例では、この合金は、EP3810816A1に定義されたものであってもよく、特にその請求項に定義された合金であってもよい。US6474414及びEP3810816の内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
いくつかの実施形態では、この合金は、凝固時に最小の寸法変化、例えば、5%未満、好ましくは3%未満、最も好ましくは1%未満の収縮を有する。凝固時に膨張するか又は体積に変化がない合金を使用することが好ましく、これは、凝固時に収縮する材料と比較して、より強力な修復を提供するためである。この合金は、少なくとも部分的に液体の形態の表面に適用されるため、凝固時に収縮すると、欠陥の端部から引き離され、したがって、修復はあまり効果的ではない。対照的に、本発明の方法によれば、冷却又は凝固時に膨張するか又は一定体積を保持する合金を有することは、欠陥の端部と機械的に連動する修復をもたらす。
【0019】
この方法では、前記入口を介して加圧流体を前記充填チャンバに導入し、前記ボーラスが前記出口を介して前記充填チャンバから射出されるように前記ボーラスを加速するステップ(b)において、i)加圧流体が導入されるときに前記ボーラスが射出されるように、前記出口及び圧力入口が同時に開かれ、又はii)前記加圧流体が導入されるときに前記ボーラスが射出されるように、前記出口が第1に開かれ、前記圧力入口が第2に開かれ、又はiii)前記圧力入口が第1に開かれかつ前記加圧流体が前記充填チャンバに導入され、前記出口が開いたときに前記充填チャンバから前記ボーラスが射出されるように、前記出口が第2に開かれる。
【0020】
これらの特定の動作条件は、合金の離散量が単一の連続した質量として加速されるため、少なくとも部分的に液体の合金をスプレーとしてではなくボーラスとして射出することを可能にする。ボーラスの質量は、過剰な材料を含まずに欠陥を修復する(例えば、表面から欠損している材料を置換する)のに十分な、欠陥のサイズに対して選択される。一般的に、ボーラスは100gまでの質量を有してもよく、この量の合金では修復を行うのに不十分であるほど欠陥が十分に大きい場合、複数のボーラスが使用されてもよい。ボーラスが射出される速度は、加圧流体の圧力、ボーラスの質量、充填チャンバの直径、及び使用される場合には、送達ラインの直径に応じて変化する。
【0021】
欠陥の周囲に合金ボーラスを保持するために欠陥部位の周囲に鋳型が導入される実施形態では、合金ボーラスの質量は、鋳型の体積に固有であり、典型的には300gから5kgの範囲である。
【0022】
欠陥は、進行中の漏洩であってもよい。言い換えれば、欠陥は、修復される物体の内容物がそれを通って逃げる経路を提供している場合がある。前記方法は、前記進行中の漏洩によって射出される材料を前記経路から偏向させるステップをさらに含み得る。このようなステップは、少なくともステップc)と同時に起こる。この偏向は、偏向ラインに沿って偏向流体を提供することによって達成されてもよい。任意選択的に、偏向流体は、圧縮ガス又は蒸気であってもよく、又は加圧流体であってもよい。欠陥が進行中の漏洩である場合、ボーラスは、進行中の漏洩を介して射出される材料よりも大きな運動量を与えるのに十分な速度で射出されることが好ましい。
【0023】
前記方法は、洗浄ステップをさらに含んでもよく、洗浄液が前記欠陥に送達される。洗浄液は、圧縮ガス又は蒸気であってもよく、又は加圧流体であってもよい。ボーラスを送達する前の洗浄液の適用は、任意の微粒子、垢、塵、汚れ等を表面から除去することを可能にし、欠陥との接触が改善されるため、合金をより確実に保持することを可能にする。洗浄液は、送達ラインを介して、又は偏向ラインを介して送達されてもよい。代替的に、洗浄液は、専用の洗浄ラインを介して送達されてもよい。
【0024】
ボーラスは、少なくとも部分的に欠陥に侵入してもよい。そのような実施形態では、合金は、欠陥の上に位置するだけでなく、欠陥内に位置し、任意選択的に、欠陥を越えて物体の内腔に延在する。欠陥に入ることで、欠陥と合金との間の相互作用が増大し、修復の強度が高まる。欠陥を越えて延在する合金は、物体の内面と相互作用することを可能にし、(例えば、物体内の圧力による)外側への除去に合金自体の破壊が必要となるように、修復を機械的に固定する。
【0025】
欠陥は、少なくとも部分的に水性流体に浸漬されてもよい。水性流体には、水、生理食塩水、海水、油と水との混合物等が含まれ得る。代替的に、欠陥は、油のような非水性流体中に少なくとも部分的に浸漬されてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、欠陥は、少なくとも部分的に水中に浸漬されてもよい。有利には、融点が100℃未満の合金が好ましいということは、合金が水の沸点よりも低い融点を有することを意味する。そのため、ビスマス合金は、水中に浸漬された場合、冷却して固体になるまで液体形態に留まり、さらに、蒸気の発生をもたらさない。同様に、ビスマス合金は、例えば、水と激しく又は爆発的に反応する液体アルミニウムとは対照的に、水と反応しない。そのため、合金は、液体状態にある場合に水と激しく反応する組成物を含まない。これは、化学反応であってもよく、又は合金を溶融するのに必要な高温による蒸気の急速な生成によるものであってもよい。
【0026】
前記方法は、前記ボーラスが欠陥に接触するように、前記充填チャンバと前記欠陥との間の経路に沿って前記ボーラスを方向付けるステップの前に、前記欠陥の周囲に鋳型を配置するステップをさらに含んでもよく、前記鋳型は、前記合金を前記欠陥に接触させたまま保持するように動作可能である。鋳型を使用することにより、合金が冷却及び凝固する際に、合金が欠陥に接触したままであることが確実にされる。また、鋳型は、凝固合金を有利な形状で生成するように成形されてもよい。例えば、鋳型は、欠陥が位置する物体を取り囲む冷却された合金を生成してもよく、欠陥及び/又は表面からの単なる分離ではなく、凝固された合金の破壊を必要とするように、修復を強化する。
【0027】
前記方法は、送達ライン及び/又は充填チャンバからデブリを除去するステップをさらに含んでもよい。デブリを除去するステップは、例えば、除去ライン及び除去バルブを介して、加圧流体に送達ライン及び/又は充填チャンバを通過させることを含んでもよい。
【0028】
本発明の第2の態様は、欠陥を修復するための装置に関し、この装置は、少なくとも部分的に液体の合金を保持するための充填チャンバであって、圧力入口及び出口を備える充填チャンバと、前記圧力入口と流体接続され、かつ加圧流体源に接続可能な圧力ラインとを備える。前記装置は、少なくとも部分的に液体の合金のボーラスを加圧流体で推進することによって欠陥に向けることができる。ボーラスは、欠陥との衝撃で変形し、冷却及び凝固して欠陥の修復を行う前に、その形状に一致する。前記装置は、少なくとも部分的に液体の合金をスプレーとして欠陥に向けることもできる。充填チャンバは、少なくとも部分的に液体の金属の温度及び加圧流体の圧力に耐えることができるように構成される。言い換えれば、合金によって急速に劣化することなく溶融合金を保持することができる任意の材料である。例えば、充填チャンバは軟鋼、ステンレス鋼、又は銅から構成されてもよい。これらの材料は構成が固体である。充填チャンバは任意の適切な形態であってもよく、好ましくは、充填チャンバは管又はチューブの一部である。充填チャンバの内部容積は、含まれ得る合金の最大容積を制限し、したがってボーラスの最大サイズを制限する。充填チャンバは、本質的に円筒形であってもよく、最大150mm、好ましくは5mmから25mmの範囲、より好ましくは10mmから20mmの範囲、最も好ましくは約15mmの内径を有してもよい。合金が充填チャンバ内で少なくとも部分的に溶融される実施形態では、好ましい充填チャンバの直径は、20mmから150mmの範囲、より好ましくは50mmから100mmの範囲、最も好ましくは約70mmである。合金が合金チャンバ内で少なくとも部分的に溶融される実施形態では、好ましい充填チャンバの直径は、2mmから20mmの範囲、より好ましくは4mmから15mmの範囲、最も好ましくは5mmから13mmの範囲である。
【0029】
圧力ラインは、圧力流体源に接続可能である。いくつかの実施形態では、圧力流体源は装置の一部であり、圧力ラインは圧力流体源に接続される。圧力流体源は、圧縮ガスの容器(例えば、空気又は窒素のような圧縮ガスのシリンダ)であってもよい。代替的に、圧力流体源は、圧縮機であってもよい。さらに代替的に、圧力流体源は、ボイラであってもよい。
【0030】
装置は、出口と流体連通する送達ラインをさらに備えてもよい。送達ラインは、充填チャンバからの射出の後に、加圧流体の散逸を防止し、外力がボーラスに干渉するのを防止することによって、出口と欠陥との間の経路の可能な最大長を延長する。場合によっては、送達ラインは、出口と欠陥との間の経路を画定するのに必要な任意の適切な長さであってもよい。送達ラインは、50mまでの長さ、代替的には25mまでの長さ、さらに代替的には10mまでの長さ、さらに代替的には5mまでの長さであってもよい。
【0031】
送達ラインは、可撓性であってもよい。これにより、経路を非線形にすることが可能であり、到達困難な欠陥へのアクセスを可能にする。送達ラインは、任意の適切な材料、例えば、編組金属(例えば、軟鋼、ステンレス、アルミニウム、又は銅)、ポリマーチューブ又はシリコーン配管で作られてもよい。いくつかの実施形態では、送達ラインは、編組金属のシース内の高分子チューブ又はシリコーン配管である。チューブラインの直径は、0.1mmから25mm、好ましくは1mmから15mm、より好ましくは2mmから15mm、さらに好ましくは3mmから13mmの範囲、最も好ましくは約6mmである。いくつかの実施形態では、チューブの直径は、遠位端(すなわち、欠陥に近接する端部)に向かって狭くなる。
【0032】
これにより、ボーラスの速度が増加する。他の実施形態では、チューブの直径は、その長さに沿って一定である。
【0033】
前記送達ラインは前記出口に近接したハンドルを備えてもよく、任意選択的に、前記ハンドルは、前記少なくとも部分的に液体の合金を射出するための手段を備える。ハンドルは、オペレータにとって送達ラインの位置決めを容易にし、オペレータとボーラスとの間の距離を増加させることによって安全性を高める。有利には、ハンドルには、ボーラスを射出するために圧力入口及び出口を作動させる手段が組み込まれてもよい。
【0034】
送達ラインは、送達ラインを位置決めするように動作可能なロボット(例えばスネークアームロボット)と適合可能であるか、又はそのようなロボットを備えてもよい。ロボットを使用することにより、人間のオペレータが存在する必要なしに送達ラインを位置決めすることが可能になり、それにより、危険な環境で装置を使用することが可能になる。スネークアームロボット及び同様に可撓性のあるロボットは、他のやり方ではアクセスできない場所にある欠陥にアクセスすることを可能にするので、特に有用である。
【0035】
送達ラインは、断熱材及び/又は加熱装置を含んでもよい。送達ラインの中又は周囲に断熱材及び/又は加熱装置を含めることにより、少なくとも部分的に液体の合金のボーラスが時期尚早に冷却(及び潜在的に凝固)されることを防止する。送達ラインは、少なくとも部分的に加熱テープで被覆されてもよい。
【0036】
送達ラインは、その終端にノズルを備えてもよい。ノズルは、円錐形、円筒形、立方形、又は弓形であってもよい。ノズル開口は、円形、菱形、又は弓形であってもよい。実際には、任意の適切なノズル形状又はノズル開口形状が使用されてもよい。ノズル又はノズル開口の形状は、ボーラスに特定の形状を提供するように選択されてもよい。
【0037】
充填チャンバは、合金入口をさらに備えてもよい。合金入口は、固形状態又は少なくとも部分的に液体状態のいずれかで、充填チャンバにボーラスを形成する合金の導入を可能にする。この目的のために特定の入口を設けることにより、充填チャンバを迅速にリセットすることが可能になり、それにより装置は複数のボーラスを迅速に提供することができる。
【0038】
前記装置は、前記合金入口と流体接続された合金チャンバをさらに備えてもよく、任意選択的に、前記合金チャンバは、固体合金の一部を少なくとも部分的に溶融するように動作可能なヒータを備える。合金チャンバは、使用の準備ができているように合金の貯蔵を可能にする。合金チャンバは、充填チャンバに導入され、その場で溶融される固体として合金を貯蔵してもよく、好ましくは、合金は、充填チャンバに導入される際に容易に分割することができる粒状固体である。選択的なヒータは、充填チャンバに導入される前に合金を少なくとも部分的に液体状態に変換することを可能にし、それによってボーラスの送達間に必要な時間を短縮する。合金チャンバは、好ましくは1リットルまでの、少なくとも1つの適切なサイズのボーラスの送達に適した容積を有する。ボーラスの適切なサイズは、実行される修復のサイズ、及び使用される場合には、欠陥の周囲に固定される鋳型のサイズに基づいて決定され得る。
【0039】
前記合金チャンバは、バランス入口をさらに備え、前記装置は、前記バランス入口と流体接続されたバランスラインをさらに備えてもよく、任意選択的に、前記バランスラインは、前記圧力ラインとも流体接続されている。バランス入口及びバランスラインは、バランス流体を合金チャンバに導入することを可能にし、バランス流体は、合金を合金チャンバから充填チャンバに押し出すように動作可能である。バランスラインが圧力ラインと流体接続されている場合、バランス流体は、加圧流体と同じである。代替的に、バランスラインは、専用のバランス流体源に流体接続されていてもよい。
【0040】
前記充填チャンバは、断熱材及び/又はヒータを備えてもよい。これらの特徴により、少なくとも部分的に液体の合金を少なくとも部分的に液体の状態に維持し、及び/又は固体合金を充填チャンバ内で少なくとも部分的に液体の合金に変換することが可能になる。
【0041】
装置は、1つ以上のセンサ(例えば温度/圧力センサ)及び/又は制御システムをさらに備えてもよい。センサを含むことにより、オペレータは、装置を監視し、例えば、充填チャンバ内の合金の温度及び圧力ライン内の圧力を監視することによって、ボーラスを送達する準備ができたときを決定することができる。制御システムは、任意選択的に、1つ以上のセンサからの計測値に応答して、温度及び/又は圧力の容易な制御を可能にする。
【0042】
前記装置は、偏向ラインをさらに備えてもよい。偏向ラインは、ボーラスが移動する経路から欠陥から漏れている可能性のある材料を偏向させる偏向流体を送達するように動作可能である。偏向ラインは、圧力ラインと流体接続されてもよい。代替的に、偏向ラインは、専用の偏向流体源に流体接続されてもよい。
【0043】
前記装置は、前記充填チャンバ、前記圧力ラインの少なくとも一部、存在する場合は前記送達ラインの少なくとも一部、存在する場合は前記合金チャンバ、及び存在する場合は前記バランスラインの少なくとも一部のうちの1つ以上を収容するハウジングをさらに備えてもよく、任意選択的に、前記ハウジングは、断熱材及び/又はヒータを備える。ハウジングは、装置が保護されることを保証し、より容易な輸送を可能にする。ハウジングが断熱材及び/又はヒータを備える場合、少なくとも部分的に液体の合金が液体状態に維持され、及び/又は固体合金が少なくとも部分的に液体の合金に変換され得る容易さが増す。
【0044】
装置は、除去ラインをさらに備えてもよい。除去ラインは、送達ラインにデブリがないことを保証し、及び/又は加圧流体を使用して欠陥を含む表面を洗浄するためにシステムを除去するように動作可能である。除去ラインは、圧力ラインと充填チャンバとの間の流体接続を可能にし、これは合金チャンバ(存在する場合)及び充填チャンバの少なくとも一部をバイパスする。いくつかの実施形態では、除去ラインは、充填チャンバを完全にバイパスし、圧力ラインと送達ラインとの間の流体連通を提供する。これにより、少なくとも部分的に液体の合金を充填チャンバ内に保持しながら、送達ラインの除去及び/又は欠陥を含む表面の洗浄が可能になる。
【0045】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様の装置を使用して、少なくとも部分的に液体の合金のボーラスを対象の欠陥に適用することに関する。これは、一旦、充填チャンバが少なくとも部分的に液体の合金のボーラスを保持すると、以下のように出口及び圧力入口を動作させることによって達成され得る。i)出口及び圧力入口を同時に開く、又はii)圧力入口を開く前に出口を開く、又はiii)出口を開く前に圧力入口を開き、出口が開いたときにボーラスが充填チャンバから射出されるようにする。
【0046】
代替的に、これは、充填チャンバからの少なくとも部分的に液体の合金のボーラスがない状態で、圧力入口、合金入口、及び出口を以下のように動作させることによって達成され得る。i)合金入口及び出口が同時に開かれる前に圧力入口を開く、又はii)a.圧力入口、b.合金入口、c.出口の順序で値を開く。
【0047】
本発明の第4の態様は、本発明の第2の態様の装置を使用して、少なくとも部分的に液体の合金のスプレーを表面の欠陥に適用することに関する。これは、出口及び圧力入口の両方が開いている間に、少なくとも部分的に液体の合金を充填チャンバに導入することによって達成され得る。少なくとも部分的に液体の合金は、導入されると消耗され、液滴はスプレーを形成するように分離される。代替的又は追加的に、これは、離散した液滴のスプレーを形成するためにボーラスを分割するように、除去バルブを開いてさらなる加圧ガスを導入することによって達成され得る。
【0048】
本発明の第5の態様は、本発明の第2の態様の装置を使用して、少なくとも部分的に液体の合金のジェットを表面の欠陥に適用することに関する。これは、大量の少なくとも部分的に液体の合金を加圧し、出口から射出することによって達成され得る。ジェットは、ボーラスを形成する離散量の少なくとも部分的に液体の合金とは対照的に、少なくとも部分的に液体の合金の連続流である。例えば、少なくとも部分的に液体の合金のジェットの前縁は、ジェットが出口又は、使用される場合には、送達ラインからまだ押し出されている間に、欠陥に接触し得る。
【0049】
本明細書に記載される任意のヒータは、1つ以上の抵抗加熱要素(例えば加熱テープ)を含んでもよい。代替的又は追加的に、ヒータは、蒸気又は水等の加熱された流体が通過する管であってもよい。代替的又は追加的に、ヒータは火工的手段であってもよい。
【0050】
出口、圧力入口、バランス入口、又は合金入口又は除去バルブのいずれかは、開位置から閉位置へ、及びその逆に切り替えられるように動作可能なバルブを備えてもよい。バルブは、例えば、1秒未満、0.5秒未満、0.2秒未満、又は0.1秒未満で、開位置から閉位置へ迅速に切り替えることができる。適切なバルブは、限定されないが、ボール、バタフライ、又は針を含み、機械的に作動し、又は電気機械的に作動し得る(例えば電磁バルブ)。
【0051】
本発明の1つの態様に関して説明した任意の特徴は、本発明の別の態様に関して説明した特徴と組み合わされ得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明の第2の態様の装置の一実施形態の概略図であり、装置は、圧力入口(20)及び圧力出口(30)を有する充填チャンバ(10)、及び圧力ライン(40)を備える。
図2】本発明の第2の態様の装置の一実施形態の概略図であり、装置は、圧力入口(20)及び圧力出口(30)を有する充填チャンバ(10)、圧力ライン(40)、及び送達ライン(50)を備える。
図3】本発明の第2の態様の装置の一実施形態の概略図であり、装置は、圧力入口(20)、圧力出口(30)及び合金入口(60)を有する充填チャンバ(10)、圧力ライン(40)、送達ライン(50)、及び合金チャンバ(70)を備える。
図4】本発明の第2の態様の装置の一実施形態の概略図であり、装置は、圧力入口(20)、圧力出口(30)及び合金入口(60)を有する充填チャンバ(10)、圧力ライン(40)、送達ライン(50)、バランス入口(80)を有する合金チャンバ(70)、及びバランスライン(90)を備える。
図5】本発明の第2の態様の装置の一実施形態の概略図であり、装置は、圧力入口(20)、圧力出口(30)及び合金入口(60)を有する充填チャンバ(10)、圧力ライン(40)、合金入口(60)、圧力ライン(40)、送達ライン(50)、及び合金チャンバ(70)を備える。
図6】本発明の第2の態様の装置の一実施形態の概略図であり、装置は、圧力入口(20)と、圧力出口(30)、合金入口(60)、及び除去バルブ(100)とを有する充填チャンバ(10)、圧力ライン(40)、送達ライン(50)、合金チャンバ(70)、及び除去ライン(110)を備える。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明は、表面の欠陥を修復するための方法及び装置を提供する。欠陥には、穴、亀裂、割れ目、破壊、くぼみ、裂け目、孔、及び穿刺が含まれ、これらは、物体がその機能を果たす能力を妨げるか、又は制限する。例えば、容器又は管等の中空の物体は、欠陥が表面の厚さに及ぶ場合に漏洩を生じる可能性がある。
【0054】
本発明の方法及び装置によって修復され得る欠陥は、様々な表面、例えば、木製表面、金属表面、地層表面(例えば、石又は岩)、複合表面(例えばセメント)、ポリマー表面及び建築表面で生じ得る。欠陥は、放射性、化学的又は生物学的廃棄物によって汚染された場所、又は過度の温度又は有害な雰囲気にさらされた場所等の危険な場所で生じ得る。修復可能な欠陥は、石油及びガスの油井及びパイプライン、化学精製設備、航空機の胴体や翼等の航空機部品、軍事設備、鉱山設備、及び潜水艦、船舶及びボート等の海洋車両で発生し得る。
【0055】
本明細書で使用される場合、修復という用語及び類似の用語は、修復されるべき表面を構成する物体を元の機能に復元することを意味すると理解される。例えば、以前に亀裂が入って漏れていた管は、本来対処するように設計されていた圧力に耐えることができるようになる。修復は、(腐食等の化学的過程、又は衝撃等の物理的過程を経て)表面材料が変位した領域を合金組成物で充填することによって行われる。また、合金組成物は、他の領域の表面と接触してもよい。当技術分野の特定の分野では、「回復」及び「密封」という用語は、「修復」という用語と互換的に使用され得る。例えば、原子力産業においては、表面の復元は、「修復」よりもむしろ「回復」(recovery)と呼ばれるであろう。
【0056】
欠陥の修復は、漏洩の源である欠陥の修復を含んでもよい。漏洩は、修復プロセス中に材料が漏出している進行中の漏洩であってもよく、これは、修復される物体を隔離及び/又は排出することによって漏洩を止める必要なしに、本発明の方法を使用して欠陥を修復するために利用され得ることを意味する。
【0057】
図1を参照すると、本発明は、表面の欠陥を修復するための装置を提供する。装置は、圧力入口(20)及び出口(30)を含む充填チャンバ(10)と、加圧流体を提供する圧力源に接続可能な圧力ライン(40)とを備える。動作時には、少なくとも部分的に液体の合金のボーラスが充填チャンバ(10)内に提供され、装置は、出口(30)が欠陥に向けられるように配置され、ボーラスは、出口(30)と欠陥との間の経路に沿って充填チャンバ(10)から射出される。ボーラスは、欠陥に衝突し、それが少なくとも部分的に液体の状態にある間、その外形に一致するように変形する。欠陥と接触している間、ボーラスは冷却及び凝固し、欠損材料を置換し、欠陥が位置していた表面を含む物体の機能性を回復する。
【0058】
この実施形態では、充填チャンバ(10)は、合金を少なくともその融点まで加熱するように構成されたヒータを含む。圧力入口(20)及び出口(30)はそれぞれ、開位置と閉位置との間で迅速に切り換えられるように動作可能なバルブを含む(例えば、それぞれは、ボール、バタフライ、ニードル、又はソレノイドバルブであってもよい)。いくつかの実施形態では、出口(30)は、ボーラスが意図された経路に沿って移動することを確実にするノズルをさらに含んでもよい。
【0059】
充填チャンバ(10)からのボーラスの射出は、出口(30)が開いている間に、それを加圧流体源からの加圧流体に曝すことによって行われる。充填チャンバ(10)内に保持された少なくとも部分的に液体の合金の全量が、単一の連続した質量、すなわちボーラスとして射出される。
【0060】
これは、(例えば、出口(30)が開いているときに加圧流体と少なくとも部分的に液体の合金とを同時に充填チャンバ(10)に導入することによって)少なくとも部分的に液体の合金の不連続部分が分離され、個々の液滴として加速されるスプレーの形成とは対照的である。
【0061】
その変形可能な性質のため、ボーラスを徐々に圧力に曝すと、それが崩壊してスプレーを形成し得る。ボーラスが移動できる間に圧力が徐々に導入されると、「突破(breakthrough)」のリスクが増加する(加圧流体がボーラスを介してチャネルを形成し、加速率を低下させ、ボーラスが破壊されてスプレーを形成する可能性を増加させる)。したがって、ボーラスの射出には、加圧流体への急速な曝露による加速が必要である。これは、次のいずれかのやり方で達成され得る。
【0062】
第1のモードでは、出口(30)及び圧力入口(20)は同時に開かれる。このモードは、加速が起こるまでボーラスを充填チャンバ(10)内に捕捉し、それが(例えば重力下で)時期尚早に流れ始めることがないようにする。しかしながら、それは出口(30)と圧力入口(20)との間の高度な調整を必要とする。
【0063】
第2のモードでは、圧力入口(20)が開かれる前に出口(30)が開かれる。これは、ボーラスが時期尚早に出口(30)から流れ始める危険性があるが、圧力入口(20)のみが迅速に開く必要があることを意味する。
【0064】
第3のモードでは、圧力入口(20)が出口(30)より前に開かれる。これは、ボーラスが圧力入口(20)から圧力ライン(40)に沿って流れ始める危険性があるが、出口(30)のみが迅速に開く必要があることを意味する。
【0065】
いずれの場合も、圧力ライン(40)内の加圧流体と出口(30)を越えた大気圧との間の圧力差によって、ボーラスは出口(30)の方向に加速され、適切に配置された場合、欠陥に向かって加速される。
【0066】
いくつかの実施形態では、装置は、1つ以上のセンサをさらに含む。例えば、装置は、加圧流体がボーラスを加速するのに十分な圧力を有することを確実にするために、圧力ライン(40)内における圧力センサ、及び/又は合金が少なくとも部分的に液体であることを確実にするために、充填チャンバ(10)内における温度センサを含んでもよい。これらのセンサによって収集された情報は、(例えば、装置が「準備ができている」又は「準備ができていない」ことを通知するために)オペレータ及び/又は制御システムに通信されてもよい。
【0067】
図2の実施形態は、出口(30)と流体接続された送達ライン(50)が追加された図1の実施形態に対応する。ノズルが使用される場合、送達ライン(50)は、出口(30)とノズルとの間に位置する。使用時、送達ライン(50)は、出口(30)と欠陥との間の経路を画定し、ボーラスがより長い距離でも正確に送達されることを確実にする。ボーラスは、少なくとも部分的に液体であるため、送達ライン(50)が画定する経路の任意の曲線に沿って、流れとして送達ライン(50)を流下すると考えることができる。
【0068】
この実施形態では、送達ライン(50)は可撓性であり、経路が非線形であることを可能にする。これにより、送達ライン(50)の末端のみが正確な位置決めを必要とするため、欠陥に対する装置の位置決めが簡単になる。さらに、他のやり方ではアクセスできない場所(例えば、密閉された空間)における欠陥の修復が可能になる。
【0069】
他の実施形態では、可撓性のある送達ライン(50)は、送達ラインを自律的に位置決めすることができるロボット位置決めシステム(例えばスネークアームロボット)をさらに含んでもよい。これにより、人間のオペレータの安全を危険にさらすことなく、危険な環境で装置を使用することができる。
【0070】
図3の実施形態は、合金入口(60)を介して充填チャンバ(10)と流体連通する合金チャンバ(70)を追加した図2の実施形態に対応する。この配置は、合金の充填チャンバ(10)への容易な装填を可能にし、装置の使用をより迅速にする。
【0071】
合金入口(60)は、合金チャンバ(70)と充填チャンバ(10)との間の合金の移動を仲介するバルブを含む。このバルブは、ボーラスの推進中に閉じられるべきであることに留意されたい。充填チャンバ(10)は、上記のような加熱要素を含んでもよい。代替的又は追加的に、合金チャンバ(70)は、合金を少なくともその融点まで加熱するように構成された加熱要素を含んでもよい。
【0072】
図4の実施形態は、圧力ライン(40)及び合金チャンバ(70)に流体接続されたバランスライン(90)が追加された図3の実施形態に対応し、後者はバランス入口(80)を介して接続されている。
【0073】
バランスライン(90)は、合金を合金チャンバ(70)から充填チャンバ(10)に移送するために必要な原動力を提供する。また、バランスライン(90)は、出口(30)が開いている間に合金と加圧流体とを同時に導入することにより、装置を「スプレーモード」で動作させることを可能にする。また、バランスライン(90)は、(例えば、圧力入口(20)が閉じている間に出口(30)及びバランス入口(80)を開くことによって)合金チャンバの全内容物を加圧することにより、装置を「ジェットモード」で動作させることを可能にする。代替的に、装置は、過剰な量の少なくとも部分的に液体の合金を充填チャンバ内に提供することにより、「ジェットモード」で作動させることができ、これにより、合金を離散的なボーラスとしてではなく、連続的な流れとして射出することができる。
【0074】
図5の実施形態は、合金入口(60)が圧力入口(10)としても作用し、合金チャンバ(70)が圧力ライン(40)の続きとして作用するように、合金チャンバ(70)及び充填チャンバ(10)を経由する加圧流体経路を有する。この実施形態では、合金チャンバ(70)から充填チャンバ(10)へ合金を移送するための原動力の提供は、圧力出口(30)が開いたときに、充填チャンバからボーラスを発射するための原動力も提供する。
【0075】
図6の実施形態は、合金チャンバ(70)内の合金を妨害することなく、あらゆるデブリのラインを除去することができるという動作上の利点のために、除去ライン(110)及び除去バルブ(100)を追加した図5の実施形態に対応する。合金をシステムから射出するためにボーラスモードで動作させる場合、除去バルブ(100)は、動作全体にわたって閉じたままである。
【0076】
また、除去ライン(110)は、出口(30)が開いている間に、合金及び加圧流体を同時に充填チャンバ(10)に導入することによって、装置を「スプレーモード」で動作させることを可能にする。また、除去ライン(110)は、合金チャンバの全内容物を加圧することによって、装置を「ジェットモード」で動作させることを可能にする。
【0077】
除去ライン(110)及び除去バルブ(100)は、デブリのラインを除去する機能を提供するために、本明細書に記載された任意の実施形態に組み込むことができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、除去バルブ(100)及び出口(30)は、例えば、三方バルブの形態で組み合わされ、加圧流体、少なくとも部分的に液体の金属、又はそれらの組み合わせを、必要に応じて、送達ラインを通して通過させる。
【0078】
前述のモードのいずれかで操作される場合、(ボーラス、スプレー、ジェットの形態に関わらず)合金が欠陥の位置に正確に向けられることを確実にするために、欠陥の位置をカラー又は鋳型に適合させることが有利であり得る。特定の実施形態では、カラーは、合金が注入される欠陥の周囲の体積を規定するために使用される。有利には、カラー又は鋳型は、欠陥が位置する物体を取り囲む体積を規定し、それにより凝固した合金の除去には、凝固した合金の移動だけでなく破壊も必要となる。
【0079】
(実施例)
次に、本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して説明される。
【0080】
(実施例1)
図4に記載した装置を使用して、外径が1インチ(2.54cm)であって、直径1mmの穴が形成された鋼管の進行中の漏洩を修復した。示された速度で水が各漏洩口から出ていた。各実施例において、以下のプロセスステップに従った。
【0081】
1.ヒータをオンにし、必要な合金チャンバ及び送達ラインの温度を設定した。
【0082】
2.圧力ライン内の加圧流体(この例では窒素)が、必要な圧力にされた。
【0083】
3.合金(この例では、融点が62℃のフィールドメタル(32.5重量%のBi、51重量%のIn、16.5重量%のSn))を加熱された合金チャンバに加えて、溶融させた。
【0084】
4.バランス入口及び合金入口を備えるバルブを開き、溶融した合金を充填チャンバに移送した。
【0085】
5.バランス入口及び合金入口を備えるバルブを閉じた。
【0086】
6.送達ラインは、その末端のノズルが進行中の漏洩に向けられるように配置された。
【0087】
7.圧力入口及び出口を備えるバルブを同時に開き、溶融合金を単一の「充填」で射出した。
【0088】
8.欠陥に接触しながら溶融合金を冷却させた。
【0089】
各修復の有効性のテストとして、管内の水を修復が失敗するまで加圧した。
【0090】
【表1】
【0091】
(実施例2)
図5に記載した装置を使用して、ステンレス鋼の欠陥を修復した。修復時には水は流れていなかったが、密封前に漏洩率を測定した。各実施例について、以下のステップに従った。
【0092】
1.ヒータをオンにし、必要な合金チャンバ、充填チャンバ及び送達ラインの温度を設定した。
【0093】
2.合金(この例では、融点が62℃のフィールドメタル(32.5重量%のBi、51重量%のIn、16.5重量%のSn))が、固体状で加熱された合金チャンバに添加され、溶融させられた。
【0094】
3.圧力ライン内の加圧流体(この例では窒素)が、必要な圧力にされた。
【0095】
4.送達ラインは手動で位置決めされたが、欠陥に入射する既知の角度及び距離でスタンドによって保持された。
【0096】
5.圧力入口を備えるバルブが開かれた。
【0097】
6.合金入口を備えるバルブが開かれ、溶融合金が充填チャンバに移送された。
【0098】
7.圧力出口を備えるバルブが開かれ、溶融合金が単一の「充填」で射出された。
【0099】
8.欠陥に接触しながら溶融合金を冷却させた。
【0100】
各修復の効果をテストするために、配管内の水を最大15bargまで加圧し、漏洩率を測定した。
【0101】
【表2】
【0102】
(実施例3)
図2に示す装置を使用して、2本の1インチ銅管を接合するストレートユニオンステンレス鋼接合部の欠陥を修復した。4.5bargの流れの窒素ガス漏洩が密閉時に流れた。修復箇所の周囲に鋳型を使用した。以下のプロセスステップに従った。
【0103】
1.ヒータをオンにし、必要な合金チャンバ、充填チャンバ及び送達ラインの温度を設定した。
【0104】
2.合金(この例では、融点が62℃のフィールドメタル(32.5重量%のBi、51重量%のIn、16.5重量%のSn))が、固体状で加熱された合金チャンバに添加され、溶融させられた。
【0105】
3.鋳型は、修復箇所の周囲に設置された。
【0106】
4.送達ラインを鋳型に接続した。
【0107】
5.圧力ライン内の加圧流体(この例では窒素)が、必要な圧力にされた。
【0108】
6.圧力入口を備えるバルブが開かれた。
【0109】
7.圧力出口を備えるバルブを開いて、溶融合金を単一の「充填」で射出した。
【0110】
8.欠陥に接触させながら溶融合金を冷却した。
【0111】
9.鋳型を取り外した。
【0112】
【表3】
【0113】
(実施例4)
図2に示す装置を使用して、ステンレス鋼配管の間の2インチのエルボ接続部の欠陥を修復した。0.2bargの滴下鉱物油漏洩が密封時に流れていた。修復箇所の周囲に鋳型を使用した。以下のプロセスステップに従った。
【0114】
1.ヒータをオンにし、必要な合金チャンバ、充填チャンバ及び送達ラインの温度を設定した。
【0115】
2.合金(この例では、融点が78℃のビスマス合金(57重量%のBi、26重量%のIn、17重量%のSn))を固体状で加熱された合金チャンバに添加し、溶融させた。
【0116】
3.鋳型は、修復箇所の周囲に設置された。
【0117】
4.送達ラインを鋳型に接続した。
【0118】
5.圧力ライン内の加圧流体(この例では窒素)が、必要な圧力にされた。
【0119】
6.圧力入口を備えるバルブが開かれた。
【0120】
7.圧力出口を備えるバルブを開いて、溶融合金を単一の「充填」で射出した。
【0121】
8.欠陥に接触させながら溶融合金を冷却した。
【0122】
9.鋳型を取り外した。
【0123】
【表4】
【0124】
これらの実施例は、本発明の方法及び装置が、表面欠陥の修復を達成するために使用され得ること、具体的には、材料が漏出している欠陥を修復するために使用され得ることを示す。これらの実施例は、本発明の方法及び装置によって達成される修復が堅牢であり、修復された表面全体にわたる著しい圧力差に耐えることができることをさらに示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】