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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】故障保護された信号スプリッタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 47/00 20060101AFI20240920BHJP
   H03M 1/12 20060101ALI20240920BHJP
   H03M 1/10 20060101ALI20240920BHJP
   H03M 1/66 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01H47/00 A
H03M1/12 C
H03M1/10 Z
H03M1/66 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515116
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022042230
(87)【国際公開番号】W WO2023038836
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/261,071
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/646,247
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511289471
【氏名又は名称】ナノトロニクス イメージング インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NANOTRONICS IMAGING,INC.
【住所又は居所原語表記】2251 FRONT STREET,SUITE 110,P.O.BOX 306,CUYAHOGA FALLS,OHIO 44223,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プットマン,ジョン ビー
(72)【発明者】
【氏名】プットマン,マシュー シー
(72)【発明者】
【氏名】リモージュ,ダマス
(72)【発明者】
【氏名】モスキー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョナサン
【テーマコード(参考)】
5G057
5J022
【Fターム(参考)】
5G057BB07
5G057BC10
5G057RR10
5G057RT10
5J022AA01
5J022AB01
5J022AC03
5J022CE08
5J022CF07
(57)【要約】
システムが本明細書において開示される。システムはスプリッタボードを含む。スプリッタボードは、マイクロプロセッサ、変換器、およびバイパスリレーを含む。変換器は、アナログ-デジタル回路およびデジタル-アナログ回路を含む。バイパスリレーは、第1の状態と第2の状態との間で構成可能である。第1の状態において、バイパスリレーは、入力信号を変換器に向けるように構成される。変換器は、入力信号を変換済み入力信号に変換し、変換済み入力信号を第1の部分および第2の部分に分割する。第1の部分はマイクロプロセッサに向けられる。第2の部分は、下流プロセスのためにスプリッタボードの出力ポートに向けられる。第2の状態において、バイパスリレーは、入力信号に変換器を迂回させるように構成される。バイパスリレーは、下流プロセスのためにスプリッタボードの出力ポートに入力信号を向ける。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
アナログ-デジタル回路およびデジタル-アナログ回路を備える変換器と、
前記変換器に結合されたバイパスリレーであって、前記バイパスリレーは、第1の状態と第2の状態との間で構成可能である、バイパスリレーと、
前記変換器および前記バイパスリレーに結合されたマイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記バイパスリレーを切り替えるように構成される、マイクロプロセッサと
を備えるスプリッタボード
を備え、
前記第1の状態において、前記バイパスリレーは、入力信号を前記変換器に向け、前記変換器は、前記入力信号を変換済み入力信号に変換し、前記変換済み入力信号を第1の部分および第2の部分に分割し、前記マイクロプロセッサは、前記第1の部分に較正因子を掛け、下流プロセスのために前記スプリッタボードの出力ポートにおける出力のために前記第1の部分を前記変換器に戻し、前記第2の部分を外部サーバデバイスに出力するように構成され、
前記第2の状態において、前記バイパスリレーは、前記入力信号に前記変換器を迂回させ、前記下流プロセスのために前記スプリッタボードの前記出力ポートに前記入力信号を向ける、システム。
【請求項2】
前記マイクロプロセッサに結合された第2の変換器であって、前記第2の変換器は、第2のアナログ-デジタル回路および第2のデジタル-アナログ回路を備える、第2の変換器と、
前記マイクロプロセッサおよび前記第2の変換器に結合された第2のバイパスリレーであって、前記第2のバイパスリレーは、前記第1の状態と前記第2の状態との間で構成可能である、第2のバイパスリレーと
をさらに備え、
前記マイクロプロセッサは、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記第2のバイパスリレーを切り替えるようにさらに構成され、前記第1の状態において、前記第2のバイパスリレーは、第2の入力信号を前記第2の変換器に向け、前記第2の変換器は、前記第2の入力信号を第2の変換済み入力信号に変換し、前記第2の変換済み入力信号を第3の部分および第4の部分に分割し、前記第3の部分は、前記マイクロプロセッサに向けられ、前記第4の部分は、前記下流プロセスのために前記スプリッタボードの第2の出力ポートに向けられ、前記第2の状態において、前記第2のバイパスリレーは、前記第2の入力信号に前記第2の変換器を迂回させ、前記下流プロセスのために前記スプリッタボードの前記第2の出力ポートに前記第2の入力信号を向ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記バイパスリレーは、前記第1の状態にあり、前記第2のバイパスリレーは、前記第2の状態にある、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記変換器および前記マイクロプロセッサに結合された較正回路であって、前記較正回路は、前記変換器の前記アナログ-デジタル回路を較正するように構成される、較正回路
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記変換器は、前記入力信号をバッファリングするように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記較正回路が前記変換器の前記アナログ-デジタル回路を較正している間に、前記変換器は、前記バッファリングされた入力信号を出力する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記変換器は、故障検出モジュールをさらに備え、前記故障検出モジュールは、前記スプリッタボードの少なくとも1つの構成要素が故障した場合を検出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサは、前記スプリッタボードの前記少なくとも1つの構成要素が故障した場合を判定するために前記故障検出モジュールを読み取るように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記変換器が故障したと判定すると、前記マイクロプロセッサは、前記バイパスリレーを前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えさせるように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記スプリッタボードと通信する第2のスプリッタボードであって、前記第2のスプリッタボードは、
第2のアナログ-デジタル回路および第2のデジタル-アナログ回路を備える第2の変換器と、
前記第2の変換器に結合された第2のバイパスリレーであって、前記第2のバイパスリレーは、第3の状態と第4の状態との間で構成可能である、第2のバイパスリレーと、
前記第2の変換器および前記第2のバイパスリレーに結合された第2のマイクロプロセッサであって、前記第2のマイクロプロセッサは、前記第3の状態と前記第4の状態との間で前記第2のバイパスリレーを切り替えるように構成される、第2のマイクロプロセッサと
を備える、第2のスプリッタボード
をさらに備え、
前記第3の状態において、前記第2のバイパスリレーは、第2の入力信号を前記第2の変換器に向け、前記第2の変換器は、前記第2の入力信号を第2の変換済み入力信号に変換し、前記第2の変換済み入力信号を第3の部分および第4の部分に分割し、前記マイクロプロセッサは、前記第3の部分に前記較正因子を掛け、前記下流プロセスのために前記第2のスプリッタボードの第2の出力ポートにおける出力のために前記第1の部分を前記変換器に戻し、前記第4の部分を前記外部サーバデバイスに出力するように構成され、
前記第4の状態において、前記第2のバイパスリレーは、前記第2の入力信
号に前記第2の変換器を迂回させ、前記スプリッタボードの前記マイクロプロセッサへの出力のために前記スプリッタボードの前記第2の出力ポートに前記第2の入力信号を向ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記スプリッタボードは、ホストスプリッタボードであり、前記第2のスプリッタボードは、補助スプリッタボードであり、前記スプリッタボードおよび前記第2のスプリッタボードは、デイジーチェーンに配置される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
システムであって、
第1の位置と第2の位置との間で構成可能な入力リレーと、
前記入力リレーと通信する入力パッドと、
開位置と閉位置との間で構成可能なスイッチと、
第1の位置と第2の位置との間で構成可能な出力リレーと、
前記出力リレーと通信する出力パッドと
を備える、マザーボードと、
前記マザーボードに接続するように構成されたドータボードであって、前記ドータボードが前記マザーボードに接続されると、前記入力リレーは、前記開位置から前記閉位置に切り替わり、その結果、電源が前記入力リレーおよび前記出力リレーに供給され、前記入力リレーを前記第1の位置から前記第2の位置に切り替えさせ、前記出力リレーを前記第1の位置から前記第2の位置に切り替えさせる、ドータボードと
を備え、
前記第2の位置において、前記入力パッドは、前記マザーボードから前記ドータボードに入力信号を提供し、前記出力パッドは、前記ドータボードから出力信号を受信する、システム。
【請求項13】
前記ドータボードは、
アナログ-デジタル回路およびデジタル-アナログ回路を備える変換器と、
前記変換器に結合されたバイパスリレーであって、前記バイパスリレーは、第1の状態と第2の状態との間で構成可能である、バイパスリレーと、
前記変換器および前記バイパスリレーに結合されたマイクロプロセッサであって、前記マイクロプロセッサは、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記バイパスリレーを切り替えるように構成される、マイクロプロセッサと
を備え、前記第1の状態において、前記バイパスリレーは、入力信号を前記変換器に向け、前記変換器は、前記入力信号を変換済み入力信号に変換し、前記変換済み入力信号を第1の部分および第2の部分に分割し、前記マイクロプロセッサは、前記第1の部分に較正因子を掛け、下流プロセスのために出力ポートにおける出力のために前記第1の部分を前記変換器に戻し、前記第2の部分を外部サーバデバイスに出力するように構成され、前記第2の状態において、前記バイパスリレーは、前記入力信号に前記変換器を迂回させ、前記下流プロセスのために前記出力ポートに前記入力信号を向ける、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ドータボードは、
第2のアナログ-デジタル回路および第2のデジタル-アナログ回路を備える第2の変換器と、
前記第2の変換器に結合された第2のバイパスリレーであって、前記第2のバイパスリレーは、第3の状態と第4の状態との間で構成可能である、第2のバイパスリレーと、
前記第2の変換器および前記第2のバイパスリレーに結合された第2のマイクロプロセッサであって、前記第2のマイクロプロセッサは、前記第3の状態と前記第4の状態との間で前記第2のバイパスリレーを切り替えるように構成される、第2のマイクロプロセッサと
をさらに備え、
前記第3の状態において、前記第2のバイパスリレーは、第2の入力信号を前記第2の変換器に向け、前記第2の変換器は、前記第2の入力信号を第2の変換済み入力信号に変換し、前記第2の変換済み入力信号を第3の部分および第4の部分に分割し、前記マイクロプロセッサは、前記第3の部分に前記較正因子を掛け、前記下流プロセスのために前記ドータボードの第2の出力ポートにおける出力のために前記第1の部分を前記変換器に戻し、前記第4の部分を前記外部サーバデバイスに出力するように構成され、
前記第4の状態において、前記第2のバイパスリレーは、前記第2の入力信号に前記第2の変換器を迂回させ、前記マイクロプロセッサへの出力のために前記第2の出力ポートに前記第2の入力信号を向ける、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記バイパスリレーは、前記第1の状態にあり、前記第2のバイパスリレーは、前記第2の状態にある、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ドータボードの内部にあり、前記マイクロプロセッサおよび前記変換器に結合された較正回路であって、前記較正回路は、前記変換器の前記アナログ-デジタル回路を較正するように構成される、較正回路
をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記変換器は、前記入力信号をバッファリングするように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記較正回路が前記変換器の前記アナログ-デジタル回路を較正している間に、前記変換器は、前記バッファリングされた入力信号を出力する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ドータボードの外部にあり、前記マイクロプロセッサおよび前記変換器に結合された較正回路であって、前記較正回路は、前記変換器の前記アナログ-デジタル回路を較正するように構成される、較正回路
をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記変換器は、故障検出モジュールをさらに備え、前記故障検出モジュールは、前記ドータボードの少なくとも1つの構成要素が故障した場合を検出するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記マイクロプロセッサは、前記ドータボードの前記少なくとも1つの構成要素が故障した場合を判定するために前記故障検出モジュールを読み取るように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記変換器が故障したと判定すると、前記マイクロプロセッサは、前記バイパスリレーを前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えさせるように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
マイクロプロセッサによって、スプリッタボードを起動することであって、前記スプリッタボードを起動することは、前記スプリッタボードのバイパスリレーに通電することを含み、通電されると、前記バイパスリレーは、入力信号を変換器に向け、前記変換器は、前記入力信号を変換済み信号に変換し、前記変換済み信号を第1の部分および第2の部分に分割するように構成される、スプリッタボードを起動することと、
前記マイクロプロセッサによって、前記スプリッタボードの少なくとも1つの構成要素が故障したことを検出することと、
前記検出することに基づいて、前記マイクロプロセッサによって、前記バイパスリレーを電源切断することであって、前記バイパスリレーを電源切断することは、前記入力信号に前記変換器を迂回させる、前記バイパスリレーを電源切断することと
を含む、方法。
【請求項24】
前記変換器のアナログ-デジタル回路を較正するために較正プロセスを起動することと、
前記変換器によって、前記入力信号をバッファリングすることと、
前記変換器に較正信号を入力することと、
前記変換器から前記バッファリングされた入力信号を出力している間に、前記較正信号を使用して前記変換器を較正することと
をさらに含む、請求項23に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年9月10日に出願された米国出願第63/261,071号および2021年12月28日に出願された米国出願第17/646,247号の優先権を主張し、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、信号分割システムおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
信号スプリッタは、単一のアナログ信号が複数のソースに送られる必要がある測定および制御の適用例のための製造において使用されることが多い。信号スプリッタは、一般に、単一の入力を受信し、その単一の入力を1次出力および2次出力に分割するように構成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、システムが本明細書において開示される。システムは、アナログ-デジタル回路およびデジタル-アナログ回路を含む変換器と、変換器に結合されたバイパスリレーであって、バイパスリレーは、第1の状態と第2の状態との間で構成可能である、バイパスリレーと、変換器およびバイパスリレーに結合されたマイクロプロセッサであって、マイクロプロセッサは、第1の状態と第2の状態との間でバイパスリレーを切り替えるように構成される、マイクロプロセッサとを含むスプリッタボードを含み、第1の状態において、バイパスリレーは、入力信号を変換器に向け、変換器は、入力信号を変換済み入力信号に変換し、変換済み入力信号を第1の部分および第2の部分に分割し、マイクロプロセッサは、第1の部分に較正因子を掛け、下流プロセスのためにスプリッタボードの出力ポートにおける出力のために第1の部分を変換器に戻し、第2の部分を外部サーバデバイスに出力するように構成され、第2の状態において、バイパスリレーは、入力信号に変換器を迂回させ、下流プロセスのためにスプリッタボードの出力ポートに入力信号を向ける。
【0005】
いくつかの実施形態では、システムが本明細書において開示される。システムは、第1の位置と第2の位置との間で構成可能な入力リレーと、入力リレーと通信する入力パッドと、開位置と閉位置との間で構成可能なスイッチと、第1の位置と第2の位置との間で構成可能出力リレーと、出力リレーと通信する出力パッドとを含むマザーボードと、マザーボードに接続するように構成されたドータボードであって、ドータボードがマザーボードに接続されると、入力リレーは開位置から閉位置に切り替わり、その結果、電源が入力リレーおよび出力リレーに供給され、入力リレーを第1の位置から第2の位置に切り替えさせ、出力リレーを第1の位置から第2の位置に切り替えさせる、ドータボードとを含み、第2の位置において、入力パッドは、マザーボードからドータボードに入力信号を提供し、出力パッドは、ドータボードから出力信号を受信する。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法が本明細書において開示される。方法は、マイクロプロセッサによって、スプリッタボードを起動することであって、スプリッタボードを起動することは、スプリッタボードのバイパスリレーに通電することを含み、通電されると、バイパスリレーは、入力信号を変換器に向け、変換器は、入力信号を変換済み信号に変換し、変換済み信号を第1の部分および第2の部分に分割するように構成される、スプリッタボードを起動することと、マイクロプロセッサによって、スプリッタボードの少なくとも1つの構成要素が故障したことを検出することと、検出することに基づいて、マイクロプロセッサによって、バイパスリレーを電源切断することであって、バイパスリレーを電源切断することは、入力信号に変換器を迂回させる、バイパスリレーを電源切断することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の上記の特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡潔に要約された本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することにより行われてもよく、その一部が添付図面に示される。なお、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示したものであり、したがって、本開示は他の等しく有効な実施形態をも許容し得るので、本開示の範囲の限定とみなされるべきではないことに留意されたい。
【0008】
図1】例示的実施形態による、スプリッタボードを示すブロック図である。
【0009】
図2】例示的実施形態による、スプリッタボードを示すブロック図である。
【0010】
図3】例示的実施形態による、補助ボードを示すブロック図である。
【0011】
図4】例示的実施形態による、デイジーチェーン構成400で配置されたスプリッタボードおよび補助ボードを示すブロック図である。
【0012】
図5】例示的実施形態による、スプリッタボードがアクティブ状態にあるときのスプリッタボードを示すブロック図である。
【0013】
図6A】例示的実施形態による、スプリッタボードが故障状態にあるときのスプリッタボードを示すブロック図である。
【0014】
図6B】例示的実施形態による、スプリッタボードが故障状態にあるときのスプリッタボードを示すブロック図である。
【0015】
図7】例示的実施形態による、較正プロセスを受けているスプリッタボードを示すブロック図である。
【0016】
図8】例示的実施形態による、較正プロセスを受けているスプリッタボードを示すブロック図である。
【0017】
図9】例示的実施形態による、スプリッタボードを示すブロック図である。
【0018】
図10】例示的実施形態による、スプリッタボードを示すブロック図である。
【0019】
図11A】例示的実施形態による、マザーボードを示すブロック図である。
【0020】
図11B】例示的実施形態による、マザーボードを示すブロック図である。
【0021】
図12】例示的実施形態による、ドータボードを示すブロック図である。
【0022】
図13】例示的実施形態による、スプリッタボードを動作させる方法を示す流れ図である。
【0023】
図14A】例示的実施形態による、スプリッタボードを較正する方法を示す流れ図である。
【0024】
図14B】例示的実施形態による、スプリッタボードを較正する方法を示す流れ図である。
【0025】
図15A】例示的実施形態による、コンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【0026】
図15B】例示的実施形態による、コンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【0027】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を表すために同一の参照符号が使用されている。一実施形態に開示される要素が、特定の言及なしに他の実施形態で有益に利用され得ることが想定される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
信号スプリッタは、単一のアナログまたはデジタル信号が複数のソースに送られる製造、測定、および制御の適用例において使用されることが多い。一般に、信号スプリッタは、1次入力信号を受信し、1次出力信号および2次出力信号を出力する。典型的には、1次出力信号は、特定のプロセスを制御するなどの特定の目的に不可欠な場合があり、2次出力信号は、特定の目的にそれほど不可欠ではない場合がある。例えば、1次出力信号はプロセスを制御し得る一方、2次出力信号はそのプロセスを監視するために使用され得る。プロセスは、2次出力なしで継続し得るが、一般に1次出力なしでは継続できない。1次出力の不可欠性のため、信号スプリッタは、たとえ信号スプリッタが故障した場合にも、1次信号を出力し続けなければならない。
【0029】
アナログスプリッタは通常、単一のアナログ入力を複数のアナログ出力に分割するために使用される。アナログ入力からデジタル信号を出力するためにアナログ-デジタル変換器(ADC)が利用可能である。同様に、デジタル入力からアナログ信号を出力するためにデジタル-アナログ変換器(DAC)が利用可能である。
【0030】
従来の信号スプリッタおよびアナログスプリッタは有用な適用例を有するが、このようなデバイスは、アナログ信号を受信し複数のアナログ出力を提供することができない。同様に、アナログ入力を受信し複数のデジタル出力を生成することができる装置またはデバイスは存在しない。
【0031】
本明細書で提供される1つまたは複数の技術は、従来のデバイスの制限に対する解決策を提供する。例えば、本明細書に記載される1つまたは複数の技術は、複数のアナログ信号を単一のボードに入力し、ミラーリングされたアナログ信号およびデジタル信号を出力するための方法および装置を含む。1つまたは複数の技術は、複数のボードが接続されることを可能にしてもよく、その結果、複数のボードは、複数のデジタル信号を信号のデジタル出力に組み合わせるために接続され得る。このような手法は、ADC/DACなどの、特定の入力に関連付けられたボード構成要素が故障した場合に故障保護を提供することが可能であり、そのような場合、特定の入力信号は、アクティブな信号回路を迂回し、その信号の出力に直接渡されることが可能である一方、他のすべての入力信号はADC/DAC回路を通って処理を継続する。
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示は、1次出力チャネルを途絶させることなく、入力チャネルが較正されることを可能にする1つまたは複数の技術をさらに含む。例えば、本明細書で提供される1つまたは複数の技術は、入力信号がADCから切断され、ADCへの入力信号が較正信号で置換されることを可能にする。DACは、較正中に、バッファリングされた信号をアナログ信号出力に出力し続け得るため、ADCは、信号出力への妨害なしに較正されることが可能となる。アクティブな信号回路は、較正後に、ADC/DACを通して再確立されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、入力信号は、ADCから切断され、アナログ出力に直接送られてもよい。ADCへの入力は、較正信号で置換されてもよい。アナログ信号出力は、較正中に継続し得るため、ADCは、信号出力への妨害なしに較正されることが可能となる。アクティブな信号回路は、較正後に、ADC/DACを通して再確立されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される1つまたは複数の技術は、較正信号がADCの第2のチャネルC2に継続的に送られることを可能にしてもよい。例えば、入力信号は、ADCの第1のチャネルC1に送られてもよい。ADCの第2のチャネルC2は、較正係数を計算してもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャネルC2は、毎分、毎時、毎日など頻繁に較正係数を計算してもよい。係数が、指定された量だけ前の較正とは異なる場合、新たな係数が第1のチャネルC1に即時に提供されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、較正信号は外部にあり、回路が較正されているときに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、較正信号は内部にあってもよい。較正信号が内部にある実施形態では、較正信号は、利得およびオフセット較正を可能にするために事前認定および選択されてもよい。いくつかの実施形態では、ファームウェアが、入力を定期的(例えば、毎日、毎週、毎月など)に確認および較正するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、較正は、サーバまたは専用コントローラを通してオンデマンド方式で起動されてもよい。いくつかの実施形態では、内部較正は、信号入力の全範囲較正を可能にするために複数の回路を含んでもよい。これは、ゼロ(例えば、最低の期待される信号)およびスパン(例えば、高い期待される信号)を含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される1つまたは複数の技術は、システムを較正するためのソフトウェアまたはファームウェア手法を提供する。外部較正のためなどのいくつかの実施形態では、本システムは、較正されるべき入力信号の選択を可能にする。いくつかの実施形態では、ユーザが、選択されたゼロおよびスパン入力に促されてもよい。いくつかの実施形態では、較正データは、スプリッタボード上に自動的に記憶されてもよい。
【0037】
内部較正のためなどのいくつかの実施形態では、本システムは、自動較正が実行され得る時間間隔を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、本システムは、内部較正標準を再較正するための手段を提供してもよい。いくつかの実施形態では、本システムは、選択された内部選択に従ってゼロおよびスパン入力を自動的に設定してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、本システムは、意図しないユーザからデジタル日付が難読化され得るように、ユーザがデータを符号化または暗号化することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、補助ボードおよび/またはホストボードからのデータが符号化または暗号化されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、本システムは、ボードまたはボード出力が認証されることを可能にしてもよい。ホストボードおよび補助ボードが直列に使用され、ホストボードがサーバに接続してもよい。ホストおよび補助ボードは、指定された構成でそれらが許可および使用され得るような認証情報を含んでもよい。例えば、認証は、スプリッタボードとともに使用されるデバイスがスプリッタボードのファームウェアおよびサーバのソフトウェアによって認識され、デバイスがスプリッタボードとともに使用されることが許可されることを保証するプロセスを指してもよい。いくつかの実施形態では、認証プロセスのさらなる機能は、ホストまたは補助ボードのいずれかが、指定された接続ボードのみに接続され得るように、見当合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本システムは、入力信号の完全性を検証するための方法を提供してもよい。
【0040】
図1は、例示的実施形態による、スプリッタボード120を示すブロック図である。スプリッタボード120は、ホストスプリッタボードおよび補助ボードに関連付けられた機能を含んでもよい。図示のように、スプリッタボード120は、少なくとも1つの入力信号ISおよび少なくとも1つの出力信号OS1を含んでもよい。スプリッタボード120は、第2の入力信号ISおよび第2の出力信号OSをさらに含んでもよい。当業者は認識するように、スプリッタボードは、第nの入力信号ISおよび第nの出力信号OSを含んでもよい。説明および図示を簡単にするため、図1は入力信号ISおよびISならびに出力信号OSおよびOSを含むが、残りの説明は、単一の入力信号および単一の出力信号のみに言及する場合もある。いくつかの実施形態では、入力信号はアナログ信号(例えば、電流/電圧)であることができる。いくつかの実施形態では、入力信号はデジタル状態信号(TTLまたはデジタルI/O)であることができる。いくつかの実施形態では、入力信号ISは複数の信号を表してもよい。同様に、出力信号OSは複数の出力信号を表してもよい。一般に、各入力信号(例えば、IS、IS、...、IS)はn個の入力信号を表してもよく、各出力信号(例えば、OS、OS、...、OS)はm個の出力信号を表してもよい。いくつかの実施形態では、n=mである。いくつかの実施形態では、n>mである。
【0041】
スプリッタボード120の構成要素に対する注釈は、「a」および「b」の表記を使用することによって、各信号に対するアクティブ回路を区別する。例えば、第1の信号に対する変換器は160aであってもよく、第2の信号に対する変換器は160bであってもよい。
【0042】
スプリッタボード120は、ホストボードおよび補助ボードの両方の機能を実行するように構成されてもよい。スプリッタボード120は、その上に配設されたさまざまな電子機器を含んでもよい。例えば、スプリッタボード120は、入力リレー136a、バイパスリレー131a、出力リレー132a、変換器160aを含んでもよい。
【0043】
外部アナログ信号ISが、スプリッタボード120に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、外部アナログ信号ISは、信号の種類に応じて、1つまたは複数のワイヤを表してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ISは、2線式入力である熱電対信号を表してもよい。図1はISに対して単一の「ライン」の入力を示しているが、当業者は理解するように、特定の入力が複数のラインまたはワイヤからなっていてもよい。外部アナログ信号ISは、入力リレー136aに結合または提供されてもよい。いくつかの実施形態では、外部アナログ信号ISは、トレース133aを介して入力リレー136aに結合または提供されてもよい。
【0044】
トレース138aは、入力リレー136aをバイパスリレー131aに接続してもよい。バイパスリレー131aは、変換器160aに向かって、またはADC/DAC160aから離れるように、入力信号IS1を切り替えるように構成されてもよい。バイパスリレー131aは、変換器160aの状態に応じて、アクティブ状態と故障状態との間でトグルしてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、アクティブ状態は、スプリッタボード120が適切に動作している状況を指してもよい。スプリッタボード120への電源があり、スプリッタボード120の構成要素がすべて作動しているとき、スプリッタボード120は適切に動作している。スプリッタボード120が適切に動作しているとき、入力アナログ信号ISは変換器160aによって分割され、出力アナログ信号OSおよびデジタル出力信号に変換されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、故障状態は、障害が発生している状況を指してもよい。いくつかの実施形態では、障害は、全ボード障害であってもよい。全ボード障害は、スプリッタボード120への電源がなく、すべての出力がないときであってもよい。いくつかの実施形態では、障害は、単一構成要素障害であってもよい。単一構成要素障害は、スプリッタボード120の構成要素が故障した場合であってもよい。例えば、変換器160aまたは変換器160bが故障する。
【0047】
アクティブ状態にあるとき、バイパスリレー131aは第1の状態にあってもよく、その状態でバイパスリレー131aは入力信号ISを変換器160aに向ける。故障状態にあるとき、バイパスリレー131aは第2の状態にあってもよく、その状態でバイパスリレー131aは入力信号ISを出力リレー132aに向け、変換器160aを迂回する。
【0048】
トレース140aは、バイパスリレー131aを変換器160aに接続してもよい。いくつかの実施形態では、図示しないが、スプリッタボード120は、バイパスリレー131aと変換器160aとの間に電子機器または他の構成要素を含んでもよい。例えば、スプリッタボード120は、変換器160aで受信される前の信号を増幅するために、入力リレー136aと変換器160aとの間に増幅器を含んでもよい。
【0049】
変換器160aは、入来信号を分割し、入来信号をあるフォーマット(例えば、デジタルまたはアナログ)から別のフォーマット(例えば、デジタルまたはアナログ)に変換するように構成されてもよい。例えば、変換器160aは、2つの機能、すなわち、アナログ-デジタル変換(ADC)およびデジタル-アナログ変換(DAC)からなっていてもよい。変換器160aは、入力信号ISをアナログからデジタルに、またはデジタルからアナログに変換してもよい。例えば、変換器160aは、入力信号ISを第1の部分および第2の部分に分割してもよい。変換器160aは、入力信号の両方の部分をアナログ信号からデジタル信号に変換してもよい。アクティブ状態において、変換器160aは、デジタル信号の第1の部分およびデジタル信号の第2の部分をマイクロプロセッサ180に提供してもよい。マイクロプロセッサ180は、デジタル信号の第1の部分に較正因子を掛けるように構成されてもよい。較正因子がデジタル信号の第1の部分に掛けられた後、マイクロプロセッサ180は、デジタル信号の第1の部分を変換器160aに戻してもよく、変換器160aは、デジタル信号をアナログ信号に戻すように変換してもよい(ただし、アナログ信号に戻すように変換されるデジタル信号には較正因子が掛けられている)。アナログ信号は、出力のためにトレース145aを介してリレー132aに提供されてもよい。図示しないが、変換器160aは、複数の出力信号OSを提供してもよい。いくつかの実施形態では、変換器160aは、複数のデジタル出力信号を複数のマイクロプロセッサ180に向けてもよい。
【0050】
図示のように、トレース170は、変換器160aをマイクロプロセッサ180に接続してもよい。トレース170は、マイクロプロセッサ180との間で情報を通信してもよい。トレース170は、変換器160aとの間で情報を通信してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、変換器160aと通信し、および/または変換器160aを制御するように構成されてもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、変換器160a、入力リレー136a、バイパスリレー131a、および出力リレー132aのうちの1つまたは複数のロジックを制御するファームウェアを実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、すべての信号を読み取って制御するように構成されてもよく、その結果、マイクロプロセッサ180は、故障検出モジュール190aにロジックおよび機能を提供してもよい。
【0051】
変換器160aは、故障検出モジュール190aを含んでもよい。故障検出モジュール190aは、変換器160aがアクティブ状態にあるかどうかをチェックするように構成された回路を表してもよい。故障検出モジュール190aは、マイクロプロセッサ180によって読み取られ制御されてもよい。故障検出モジュール190aは、さまざまなやり方で故障を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、故障検出モジュール190aは、一般的なリレーロジックを使用して故障を検出してもよい。例えば、バイパスリレー131aは、スプリッタボード120に供給されている電源があるとき、通電切替位置(例えば、第1の状態)にあってもよい。電源がない場合、バイパスリレー131aは電源切断されてもよく(例えば、第2の状態)、バイパスリレー131aからの出力は故障信号135aに切り替わってもよい。いくつかの実施形態では、電源障害中に、スプリッタボード120上のすべての変換器(例えば、変換器160a、変換器160b、変換器160nなど)は故障状態に切り替わってもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180の組込みコードロジックが、個別の変換器回路障害を検出するために使用されてもよい。例えば、いくつかの変換器(例えば、変換器160a)はレジスタを含んでもよく、これはアクティブな変換中に変化することができる。マイクロプロセッサ180は、レジスタが漸進的に変化していることを保証するためにレジスタをチェックしてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、変換器160aは、デジタル入力/出力を含んでもよい。このような実施形態では、変換器160aは、デジタル出力を生成するように構成されてもよい。アクティブ状態にある場合、信号はハイであることができる。変換器160aが故障した場合、信号はローになる。
【0053】
故障状態において、変換器160aからマイクロプロセッサ180への通信が故障する。その代わりに、バイパスリレー131aは、故障信号135aを出力リレー132aに出力してもよい。出力リレー132aは、故障信号135aを受信し、出力信号OSを出力するように構成されてもよい。このようにして、変換器160aが故障状態にあるときであっても、元の入力信号ISは通過し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、出力リレー132aおよび入力リレー136aは、論理リレーを表してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、出力リレー132aおよび入力リレー136aは、単一の多投物理リレーを表してもよい。いくつかの実施形態では、出力リレー132aおよび入力リレー136aは、共通のコイル回路を有する別個のリレーを表してもよい。いくつかの実施形態では、出力リレー132aおよび入力リレー136aは、個別のコイル回路のソフトウェア制御を有する別個のリレーを表してもよい。
【0055】
図示のように、アクティブ状態にあるとき、変換器160aは、トレース170を介してマイクロプロセッサ180にデジタル信号を出力する。マイクロプロセッサ180は、入力デジタル信号に基づいて1つまたは複数のデジタル信号を出力してもよい。例えば、図示のように、マイクロプロセッサ180は、ポート185を通じてトレース184によってサーバ199に第1のデジタル信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、サーバ199にデジタル信号を提供する前に、第1のデジタル信号を暗号化してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180はまた、コネクタ196を通じてトレース195によって専用コントローラ101にデジタル信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180はまた、補助ボード(図示せず)をスプリッタボード120に接続するポート183を通じてトレース182によって補助ボードにデジタル信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、ポート183は、スプリッタボード120を補助ボードに接続するための1つまたは複数のワイヤを含んでもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180はまた、ポート187を通じて補助ボード(図示せず)にデジタル信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、信号は、補助ボードに提供される前にマイクロプロセッサ180によって暗号化および/または認証されてもよい。補助ボードが特定の順序でデイジーチェーン接続され得るように、見当合わせが要求されてもよい。このようにして、スプリッタボード120は、ホストスプリッタボード120および補助ボードの両方に関連付けられた機能を含んでもよい。
【0056】
図示のように、スプリッタボード120は、構成要素の追加的なセットを含んでもよい。例えば、図示のように、スプリッタボード120は、構成要素の2つのセット(それぞれの参照番号に続く「a」および「b」によって区別される)を含む。当業者は理解するように、スプリッタボード120は、単一セットの構成要素またはnセットの構成要素を含んでもよい。説明を簡単にするため、構成要素の2つのセットが図1に示されている。
【0057】
スプリッタボード120は、構成要素の第2のセットをさらに含んでもよい。構成要素の第2のセットは、入力リレー136b、バイパスリレー131b、出力リレー132b、変換器160bを含む。
【0058】
外部アナログ信号ISが、スプリッタボード120に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、外部アナログ信号ISは、信号の種類に応じて、1つまたは複数のワイヤを表してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ISは、2線式入力である熱電対信号を表してもよい。図1はISに対して単一の「ライン」の入力を示しているが、当業者は理解するように、特定の入力が複数のラインまたはワイヤからなっていてもよい。外部アナログ信号ISは、入力リレー136bに結合または提供されてもよい。いくつかの実施形態では、外部アナログ信号ISは、トレース133bを介して入力リレー136bに結合または提供されてもよい。
【0059】
トレース138bは、入力リレー136bをバイパスリレー131bに接続してもよい。バイパスリレー131bは、変換器160bに向かって、またはADC/DAC160bから離れるように、入力信号ISを切り替えるように構成されてもよい。バイパスリレー131bは、変換器160bの状態に応じて、アクティブ状態と故障状態との間でトグルしてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、アクティブ状態は、スプリッタボード120が適切に動作している状況を指してもよい。スプリッタボード120への電源があり、スプリッタボード120の構成要素がすべて作動しているとき、スプリッタボード120は適切に動作している。スプリッタボード120が適切に動作しているとき、入力アナログ信号ISは変換器160bによって分割され、出力アナログ信号OSおよびデジタル出力信号に変換されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、故障状態は、障害が発生している状況を指してもよい。いくつかの実施形態では、障害は、全ボード障害であってもよい。全ボード障害は、スプリッタボード120への電源がなく、すべての出力がないときであってもよい。いくつかの実施形態では、障害は、単一構成要素障害であってもよい。単一構成要素障害は、スプリッタボード120の構成要素が故障した場合であってもよい。例えば、変換器160aまたは変換器160bが故障する。
【0062】
アクティブ状態にあるとき、バイパスリレー131bは第1の状態にあってもよく、その状態でバイパスリレー131bは入力信号ISを変換器160bに向ける。故障状態にあるとき、バイパスリレー131bは第2の状態にあってもよく、その状態でバイパスリレー131bは入力信号ISを出力リレー132bに向け、変換器160bを迂回する。
【0063】
トレース140bは、バイパスリレー131bを変換器160bに接続してもよい。いくつかの実施形態では、図示しないが、スプリッタボード120は、バイパスリレー131bと変換器160bとの間に電子機器または他の構成要素を含んでもよい。例えば、スプリッタボード120は、変換器160bで受信される前の信号を増幅するために、入力リレー136bと変換器160bとの間に増幅器を含んでもよい。
【0064】
変換器160bは、入来信号を分割し、入来信号をあるフォーマット(例えば、デジタルまたはアナログ)から別のフォーマット(例えば、デジタルまたはアナログ)に変換するように構成されてもよい。例えば、変換器160bは、2つの機能、すなわち、アナログ-デジタル変換(ADC)およびデジタル-アナログ変換(DAC)からなっていてもよい。変換器160bは、入力信号ISをアナログからデジタルに、またはデジタルからアナログに変換してもよい。例えば、変換器160bは、入力信号ISを第1の部分および第2の部分に分割してもよい。変換器160bは、入力信号の両方の部分をアナログ信号からデジタル信号に変換してもよい。アクティブ状態において、変換器160bは、デジタル信号の第1の部分およびデジタル信号の第2の部分をマイクロプロセッサ180に提供してもよい。マイクロプロセッサ180は、デジタル信号の第1の部分に較正因子を掛けるように構成されてもよい。較正因子がデジタル信号の第1の部分に掛けられた後、マイクロプロセッサ180は、デジタル信号の第1の部分を変換器160bに戻してもよく、変換器160bは、デジタル信号をアナログ信号に戻すように変換してもよい(ただし、アナログ信号に戻すように変換されるデジタル信号には較正因子が掛けられている)。アナログ信号は、出力のためにトレース145bを介してリレー132bに提供されてもよい。図示しないが、変換器160bは、複数の出力信号OSを提供してもよい。いくつかの実施形態では、変換器160bは、複数のデジタル出力信号を複数のマイクロプロセッサ180に向けてもよい。
【0065】
図示のように、トレース170は、変換器160bをマイクロプロセッサ180に接続してもよい。トレース170は、マイクロプロセッサ180との間で情報を通信してもよい。トレース170は、変換器160bとの間で情報を通信してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、変換器160bと通信し、および/または変換器160bを制御するように構成されてもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、変換器160b、入力リレー136b、バイパスリレー131b、および出力リレー132bのうちの1つまたは複数のロジックを制御するファームウェアを実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、すべての信号を読み取って制御するように構成されてもよく、その結果、マイクロプロセッサ180は、故障検出モジュール190bにロジックおよび機能を提供してもよい。
【0066】
変換器160bは、故障検出モジュール190bを含んでもよい。故障検出モジュール190bは、変換器160bがアクティブ状態にあるかどうかをチェックするように構成された回路を表してもよい。故障検出モジュール190bは、マイクロプロセッサ180によって読み取られ制御されてもよい。故障検出モジュール190bは、さまざまなやり方で故障を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、故障検出モジュール190bは、一般的なリレーロジックを使用して故障を検出してもよい。例えば、バイパスリレー131bは、スプリッタボード120に供給されている電源があるとき、通電切替位置(例えば、第1の状態)にあってもよい。電源がない場合、バイパスリレー131bは電源切断されてもよく(例えば、第2の状態)、バイパスリレー131bからの出力は故障信号135bに切り替わってもよい。いくつかの実施形態では、電源障害中に、スプリッタボード120上のすべての変換器(例えば、変換器160a、変換器160b、変換器160nなど)は故障状態に切り替わってもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180の組込みコードロジックが、個別の変換器回路障害を検出するために使用されてもよい。例えば、いくつかの変換器(例えば、変換器160b)はレジスタを含んでもよく、これはアクティブな変換中に変化することができる。マイクロプロセッサ180は、レジスタが漸進的に変化していることを保証するためにレジスタをチェックしてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、変換器160bは、デジタル入力/出力を含んでもよい。このような実施形態では、変換器160bは、デジタル出力を生成するように構成されてもよい。アクティブ状態にある場合、信号はハイであることができる。変換器160bが故障した場合、信号はローになる。
【0068】
故障状態において、変換器160bからマイクロプロセッサ180への通信が故障する。その代わりに、バイパスリレー131bは、故障信号135bを出力リレー132bに出力してもよい。出力リレー132bは、故障信号135bを受信し、出力信号OSを出力するように構成されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、出力リレー132bおよび入力リレー136bは、論理リレーを表してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、出力リレー132bおよび入力リレー136bは、単一の多投物理リレーを表してもよい。いくつかの実施形態では、出力リレー132bおよび入力リレー136bは、共通のコイル回路を有する別個のリレーを表してもよい。いくつかの実施形態では、出力リレー132bおよび入力リレー136bは、個別のコイル回路のソフトウェア制御を有する別個のリレーを表してもよい。
【0070】
図示のように、アクティブ状態にあるとき、変換器160bは、トレース170を介してマイクロプロセッサ180にデジタル信号を出力する。マイクロプロセッサ180は、入力デジタル信号に基づいて1つまたは複数のデジタル信号を出力してもよい。例えば、図示のように、マイクロプロセッサ180は、ポート185を通じてトレース184によってサーバ199にデジタル信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、サーバ199にデジタル信号を提供する前に、デジタル信号を暗号化してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180はまた、コネクタ196を通じてトレース195によって専用コントローラにデジタル信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180はまた、補助ボード(図示せず)をスプリッタボード120に接続するポート183を通じてトレース182によって補助ボードにデジタル信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、ポート183は、スプリッタボード120を補助ボードに接続するための1つまたは複数のワイヤを含んでもよい。いくつかの実施形態では、信号は、補助ボードに提供される前にマイクロプロセッサ180によって暗号化および/または認証されてもよい。補助ボードが特定の順序でデイジーチェーン接続され得るように、見当合わせが要求されてもよい。
【0071】
スプリッタボード120が構成要素の複数のセット(例えば、a-構成要素およびb-構成要素)を含む場合、マイクロプロセッサ180は、変換器160aおよび変換器160bの両方からデジタル出力を受信してもよい。いくつかの実施形態では、変換器160aまたは変換器160bのいずれかが故障した場合などに、マイクロプロセッサ180は、依然としてアクティブ状態にある変換器からデジタル出力を受信してもよい。変換器160aおよび変換器160bの両方がアクティブ状態にあるとき、マイクロプロセッサ180は、変換器160aおよび変換器160bの両方からのデータを集約してもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、変換器160aからのデジタル出力を変換器160bからのデジタル出力と集約してもよい。このような実施形態では、マイクロプロセッサ180は、ポート185を通じてトレース184によってサーバ199に、集約されたデータを提供してもよい。同様に、マイクロプロセッサ180は、コネクタ196を通じてトレース195によって専用コントローラに、集約されたデータを提供し、ポート183を通じてトレース182によって補助ボードにデジタル信号を提供してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、スプリッタボード120は、内部較正回路をさらに含んでもよい。内部較正回路は、較正リレー141、較正デバイス142、および較正信号143を含む。いくつかの状況では、スプリッタボード120上の1つまたは複数の変換器(例えば、変換器160aおよび/または変換器160b)を較正することが必要または有用であり得る。例えば、変換器160aおよび/または変換器160bのADCが較正されてもよい。較正プロセス中に、入力信号ISおよび/またはISは切断されてもよく、変換器160aおよび/または変換器160bは較正状態に置かれてもよい。例えば、図示のように、入力信号ISは入力リレー136aに提供されてもよく、これはトレース137aを介して較正リレー141に入力信号を渡してもよい。同様に、入力信号ISは入力リレー136bに提供されてもよく、これはトレース137bを介して較正リレー141に入力信号を渡してもよい。
【0073】
説明を簡単にするため、以下の記載は、a-構成要素に対する較正のみを説明する。当業者は理解するように、このようなプロセスはまた、b-構成要素に対して、またはより一般的には、スプリッタボード120のn-構成要素に対して、実行可能である。
【0074】
較正デバイス142は、変換器160aを較正するように構成されてもよい。較正デバイス142は、較正デバイス142のADCを較正するために使用され得る複数の信号を含んでもよい。いくつかの実施形態では、較正信号は、低基準信号LRSおよび高基準信号HRSを含んでもよい。LRSは最低の期待されるアナログ信号を表してもよく、HRSは最高の期待されるアナログ信号を表してもよい。基準信号の数は入力信号の線形性に応じて変わり得る。較正デバイス142は、較正リレー141に較正信号143を出力してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、較正信号143をLRSからHRSに、またはHRSからLRSに変更するためのロジックを含んでもよい。マイクロプロセッサ180は、出力較正信号が所望のADCに送られるように較正リレー141を制御してもよい。このようにして、較正回路は、測定される信号が正しい値を正確に反映することを保証し得る。
【0075】
図2は、例示的実施形態による、スプリッタボード200を示すブロック図である。スプリッタボード200は、スプリッタボード120に類似したアーキテクチャを有してもよい。スプリッタボード200がスプリッタボードと共通して有する構成要素を容易に示すため、同じ参照番号が使用されている。
【0076】
スプリッタボード200は、補助ボードのチェーン内の第1の、または1次ボードを表してもよい。例えば、スプリッタボード200は、ポート183を介して補助ボードからデータを集積し、ポート185を介してサーバ199にデータを通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、サーバ199は、スプリッタボード200に入力および命令を提供してもよい。いくつかの実施形態では、サーバ199は、スプリッタボード200を介して補助ボードのうちのいずれかに入力および命令を提供してもよい。スプリッタボード200はトレース184およびポート185を通じてのみサーバ199に接続され得るという点で、スプリッタボード200はスプリッタボード120とは異なってもよい。スプリッタボード200は1つのポート183のみを含んでもよい。
【0077】
換言すれば、スプリッタボード200は専用のホストスプリッタボードであり得るのに対して、スプリッタボード120は、ホストスプリッタボードおよび補助スプリッタボードの両方の機能を含んでもよい。
【0078】
図3は、例示的実施形態による、補助ボード300を示すブロック図である。補助ボード300は、スプリッタボード120に類似したアーキテクチャを有してもよい。補助スプリッタボード300がスプリッタボード120と共通して有する構成要素を容易に示すため、同じ参照番号が使用されている。
【0079】
補助ボード300は、適用可能な場合には他のボードに、または複数の他の補助ボードに、連結の機能を提供してもよい。前述したように、スプリッタボード200またはスプリッタボード120に直接接続された第1の補助ボードとともに、複数の補助ボードがデイジーチェーン接続されてもよい。
【0080】
図示のように、補助ボード300は、サーバ199に直接接続されなくてもよい。その代わりに、補助ボード300がポート183およびポート187を通じてそれぞれ2つの他のボードに接続するように、補助ボード300は構成されてもよい。例えば、補助ボード300が一連の補助ボードにおける第1の補助ボードである場合、ポート183またはポート187のいずれかがスプリッタボード200に接続される。残りのポート(ポート183またはポート187)は、別の補助ボードに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、スプリッタボード200または別の補助ボードと接続して使用される場合、補助ボード300は、ボードの使用を許可されるために認証されてもよい。補助ボード300は、ポート187を介してスプリッタボード200または別の補助ボードに連結してもよい。補助ボード300はまた、ポート183を介して別の補助ボードに連結してもよい。
【0081】
図4は、例示的実施形態による、デイジーチェーン構成(daisy chain configuration)400で配置されたスプリッタボード120および補助ボード300を示すブロック図である。
【0082】
図示のように、スプリッタボード120のポート183は、補助ボード300のポート187に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ポート183は、以下のものに限定されないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)、シリアル、Modbus、イーサネット、または他の周知の通信手段などの任意の手段を通じてポート187に接続されてもよい。これに応じて、補助ボード300からの出力はスプリッタボードに提供されてもよい。
【0083】
ホストスプリッタボード120は、補助ボード300からサーバ199に出力を提供してもよい。スプリッタボードは、ポート185を通じてサーバ199に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ポート185は、以下のものに限定されないが、USB、シリアル、Modbus、イーサネット、または他の周知の通信手段などの任意の手段を通じてサーバ199に接続されてもよい。図示のように、補助ボード300からの入力は、トレース182を介してマイクロプロセッサ180に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、補助ボード300からサーバ199に信号を単に渡してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、補助ボード300からの信号を、他の補助ボードからの任意の他の入力信号またはホストスプリッタボード120によって生成された信号と集約してもよい。
【0084】
図5は、例示的実施形態による、スプリッタボード120がアクティブ状態にあるときのスプリッタボード120を示すブロック図である。
【0085】
説明を簡単にするため、スプリッタボード120を通る信号の経路が強調されている。アクティブ状態において、入力信号ISは、リレー136aを通り、トレース138aを介してバイパスリレー131aに流れる。リレー136aは電源切断位置にある。マイクロプロセッサ180によって命令されると、変換器160aが較正されるべきときなどに、リレー136aは通電されてもよい。電源切断位置にあるとき、信号は、リレー136aを通り、トレース138aを介してバイパスリレー131aに渡ってもよい。バイパスリレー131aは、通電位置で示されている。通電されると、信号は、リレー136aのアクティブ回路を通って変換器160aに渡される。いくつかの実施形態では、バイパスリレー131aのアクティブ回路は、増幅などの信号調整を含んでもよい。変換器160aは、入力信号を分割し、分割された入力信号をデジタル信号に変換する。例えば、変換器160aのADCは、アナログ入力信号をデジタル信号に変換してもよい。分割されたデジタル入力信号は、トレース170を介してマイクロプロセッサ180に提供される。マイクロプロセッサ180は、信号を解釈し、1つまたは複数の出力(例えば、サーバ199、コントローラ101など)に命令を送ってもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、信号の精度を保証するために第1のデジタル信号に較正因子を掛けてもよい。マイクロプロセッサ180は、較正されたデジタル信号を変換器160aのDACに通信してもよい。変換器160aは、較正されたデジタル信号をアナログ信号に変換してもよい。変換器160aは、トレース145aを介して出力リレー132aにアナログ信号を出力してもよい。アナログ信号は、OSを介して外部デバイスに利用可能であってもよい。
【0086】
同様に、入力信号ISは、リレー136bを通り、トレース138bを介してバイパスリレー131bに流れる。リレー136bは電源切断位置にある。マイクロプロセッサ180によって命令されると、変換器160bが較正されるべきときなどに、リレー136bは通電されてもよい。電源切断位置にあるとき、信号は、リレー136bを通り、トレース138bを介してバイパスリレー131bに渡ってもよい。バイパスリレー131bは、通電位置で示されている。通電されると、信号は、リレー136bのアクティブ回路を通って変換器160bに渡される。いくつかの実施形態では、バイパスリレー131bのアクティブ回路は、増幅などの信号調整を含んでもよい。変換器160bは、入力信号を分割し、分割された入力信号をデジタル信号に変換する。例えば、変換器160bのADCは、アナログ入力信号をデジタル信号に変換してもよい。分割されたデジタル入力信号は、トレース170を介してマイクロプロセッサ180に提供される。マイクロプロセッサ180は、信号を解釈し、1つまたは複数の出力(例えば、サーバ199、コントローラ101など)に命令を送ってもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、信号の精度を保証するために第1のデジタル信号に較正因子を掛けてもよい。マイクロプロセッサ180は、較正されたデジタル信号を変換器160bのDACに通信してもよい。変換器160bは、較正されたデジタル信号をアナログ信号に変換してもよい。変換器160bは、トレース145bを介して出力リレー132bにアナログ信号を出力してもよい。アナログ信号は、OSを介して外部デバイスに利用可能であってもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、変換器160aおよび変換器160bからのデジタル信号をサーバ199への送信のために集約してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、送信前に出力信号を暗号化してもよい。
【0088】
図6Aは、例示的実施形態による、スプリッタボード120が故障状態にあるときのスプリッタボード120を示すブロック図である。
【0089】
説明を簡単にするため、スプリッタボード120を通る信号の経路が強調されている。
【0090】
いくつかの実施形態では、図6Aに示されるもののように、故障状態は、ボード電源の喪失による全ボード障害によって引き起こされ得る。スプリッタボード120のいくつかの構成要素は、動作するために電源を必要とする。例えば、マイクロプロセッサ180、変換器160a、160b、ならびにリレー136a、136b、131a、131b、132a、および132bは通常、動作するために電源を必要とする。
【0091】
故障状態にあるとき、入力リレー136aは、トレース138aを介してバイパスリレー131aに信号を通過させてもよい。電源障害中に、バイパスリレー131aは、電源切断位置に戻ってもよい。電源切断位置において、入力信号は、出力リレー132aに直接渡された後、出力OSに渡されてもよい。換言すれば、電源障害中に、すべての入力がアクティブ回路を迂回してもよい。元の入力信号ISは、出力ポートOSで利用可能であってもよい。このようにして、元の入力信号を必要とするスプリッタボード120の外部の下流プロセスは、中断なしに継続してもよい。その間、通常はポート183、185、187を介して出力されるデジタル出力は、電源が回復されるまで利用可能でない。
【0092】
同様に、入力リレー136bは、トレース138bを介してバイパスリレー131bに信号を通過させてもよい。電源障害中に、バイパスリレー131bは、電源切断位置に戻ってもよい。電源切断位置において、入力信号は、出力リレー132bに直接渡された後、出力OSに渡されてもよい。換言すれば、電源障害中に、すべての入力がアクティブ回路を迂回してもよい。元の入力信号ISは、出力ポートOSで利用可能であってもよい。このようにして、元の入力信号を必要とするスプリッタボード120の外部の下流プロセスは、中断なしに継続してもよい。その間、通常はポート183、185、187を介して出力されるデジタル出力は、電源が回復されるまで利用可能でない。
【0093】
図6Bは、例示的実施形態による、スプリッタボード120が故障状態にあるときのスプリッタボード120を示すブロック図である。
【0094】
説明を簡単にするため、スプリッタボード120を通る信号の経路が強調されている。
【0095】
いくつかの実施形態では、図6Bに示されるもののように、故障状態は、スプリッタボード120上の単一の構成要素が故障することによって引き起こされ得る。図示のように、a-構成要素のセットが障害を受け得る。例えば、変換器160a、リレー136a、バイパスリレー131a、またはリレー132aのうちの1つが故障した可能性がある。これに応じて、入力信号ISは故障状態にあり得る一方、入力信号ISはアクティブ状態にあり得る。このような実施形態では、入力ISのためのバイパスリレー131aおよび出力リレー132aは上記の図6Aで説明したように挙動してもよく、すべてのアクティブ回路を迂回し、入力を出力ポートOSに向ける。バイパスリレー131bおよび出力バイパスリレー132bは、図5とともに上記で説明したように、アクティブ状態に留まってもよい。
【0096】
構成要素障害の場合、構成要素が故障した回路のみが、バイパス回路を通してリダイレクトされる。例えば、変換器160aが故障した場合、入力信号は、「a」バイパス回路を通して渡される。構成要素障害は、故障検出モジュール190aおよび190bを通じて監視されてもよい。例えば、故障検出モジュール190aは、変換器160aまたは他の構成要素がアクティブ状態にあることを保証するために連続的または継続的にチェックしてもよい。
【0097】
故障検出モジュール190aは、マイクロプロセッサ180によって読み取られ制御されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、一般的なリレーロジックを使用して故障を検出してもよい。例えば、スプリッタボード120への電源があるとき、バイパスリレー131aは(図1に示すもののような)通電切替位置にあってもよい。電源がない場合、バイパスリレー131aは電源切断されてもよく、バイパスリレー131aからの出力は、故障信号135aに切り替えられてもよい。電源障害中に、すべての変換器160a~160nは故障状態に戻る。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、個別の変換器回路障害を検出するために組込みコードロジックを利用してもよい。例えば、変換器160aは、アクティブな変換中に変化するレジスタを含んでもよい。マイクロプロセッサ180は、レジスタが漸進的に変化していることを保証するためにレジスタをチェックしてもよい。別の例では、変換器160aがデジタル入力/出力を含む場合、デジタル信号が出力されることができる。アクティブな場合、信号はハイであることができ、変換器が故障した場合、信号はローになる。
【0098】
図7は、例示的実施形態による、較正プロセスを受けているスプリッタボード120を示すブロック図である。
【0099】
スプリッタボード120は、較正プロセス中であっても、下流プロセスへのアナログ出力を維持することができる。図示のように、変換器160aは、較正プロセスを受けてもよい。較正プロセス中に、バイパスリレー131aは、入力信号ISが変換器160aに送られないように、状態を切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、状態を切り替える前に、変換器160aは入力信号ISをバッファリングしてもよい。その代わりに、較正デバイス142に対する信号が、変換器160aのADCを較正するために使用されてもよい。さらに、変換器160aのDACは、プロセス信号が途絶しないように、較正中に、バッファリングされたアナログ出力信号を出力してもよい。較正リレー141は、較正デバイス142からの信号がバイパスリレー131aを通じて変換器160aのADCに送られるように活性化されてもよい。
【0100】
図示のように、較正信号は、較正プロセス中に入力信号ISと同じ構成要素を通って流れてもよい。いくつかの実施形態では、プロセス信号はまた、変換器160aのADCを通って流れてもよい。較正の完了後、マイクロプロセッサ180は、変換器160aのDACをリアルタイム出力に戻してもよい。マイクロプロセッサ180はさらに、較正リレー141をその元の状態に戻してもよい。マイクロプロセッサ180はさらに、入力リレー136aをその以前の状態に戻し、入力信号を変換器160aのADCに戻してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、較正信号が元の入力信号ISと同じ回路に従い得るように、較正信号は、バイパスリレー131aを通じて向けられてもよい。例えば、入力リレー136aとバイパスリレー131aとの間またはバイパスリレー131aと変換器160aとの間に入力信号の増幅がある場合、較正信号は、同じ回路を通って渡されてもよい。一般に、較正デバイス142は、較正リレー141を介してスプリッタボード120の任意の変換器を較正するように構成されてもよく、較正リレー141は、他の変換器の他のADCに較正信号を向けてもよい。
【0102】
さらに、較正デバイス142は、スプリッタボード120の構成要素であるように示されているが、当業者は認識するように、いくつかの実施形態では、較正デバイス142はスプリッタボード120の外部にあってもよい。
【0103】
図8は、例示的実施形態による、較正プロセスを受けているスプリッタボード800を示すブロック図である。
【0104】
スプリッタボード800は、上記のスプリッタボード120と同様に構成されてもよい。図8に示す例では、スプリッタボード800は、較正バイパス802をさらに含んでもよい。較正バイパス802は、入力信号ISをアナログ出力信号OSに接続してもよい。
【0105】
較正中に、バイパスリレー131aは、入力信号ISが較正バイパス802を介して出力リレー132aに直接送られるように状態を切り替えてもよい。出力リレー132aは、入力信号ISが出力ポートOSに向けられるように状態を切り替えてもよい。較正リレー141は、較正デバイス142からの信号がバイパスリレー131aを通じて変換器160aのADCに送られ得るように活性化されてもよい。較正デバイス142からの信号は、ADCを較正するために使用されてもよい。
【0106】
較正後、較正リレー141は、その以前の状態に戻されてもよい。バイパスリレー131aは、その以前の状態に戻され、入力信号ISを変換器160aのADCに戻してもよい。このようにして、スプリッタボード800は、途絶なしにアナログ出力を維持することができる。
【0107】
図9は、例示的実施形態による、スプリッタボード900を示すブロック図である。図示のように、スプリッタボード900は、スプリッタボード120と同様に構成されてもよい。スプリッタボード900は、2つのADCチャネルC1およびC2を含む変換器960aを含んでもよい。較正デバイス142は、トレース146を通じて変換器960aのADCチャネルC1に接続されてもよい。較正デバイス142は、トレース151を通じて変換器960bのADCチャネルC2に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルC1は、同じADCチップ上にあっても、異なるADCチップ上にあってもよい。
【0108】
チャネルC2は、定期的に較正されてもよい。例えば、チャネルC2は、毎時、毎日、毎週、または任意の所望の間隔で較正されてもよい。いくつかの実施形態では、較正パラメータがマイクロプロセッサ180によって記憶される。マイクロプロセッサ180は、現在の較正値を以前に記憶された較正値と比較してもよい。現在の較正値が記憶された較正値と所定量だけ異なるとき、マイクロプロセッサ180は、ADCチャネルC1に対する新たな較正パラメータを書き込んでもよい。このようなプロセス、すなわち新たな較正パラメータの書き込みは、出力信号OSの顕著な途絶なしに行うことができる。
【0109】
図10は、例示的実施形態による、スプリッタボード1000を示すブロック図である。スプリッタボード1000は、スプリッタボード120のものに類似した構成要素を含んでもよい。スプリッタボード1000は、スプリッタボード1000が別個の較正回路なしに較正を実行することができる点でスプリッタボード120とは異なる。
【0110】
図示のように、スプリッタボード120の較正回路はスプリッタボード1000から除去されている。スプリッタボード1000を較正するため、入力信号、例えばISおよび/またはISは、スプリッタボード1000から切断されてもよい。入力信号が接続される場所で、較正デバイス(図示せず)がスプリッタボード1000に接続されてもよい。そして、較正デバイスは変換器160aおよび/または変換器160bを較正してもよい。較正後、較正デバイスはスプリッタボード1000から切断されてもよく、入力信号が再接続されてもよい。
【0111】
図11Aは、例示的実施形態による、マザーボード1100を示すブロック図である。マザーボード1100は、他の回路ボードおよび構成要素がそれに接続されることを可能にする回路ボードを表してもよい。マザーボード1100は、プロセッサボードから取得される信号を入力および出力するように構成されてもよい。プロセッサボードは、信号を処理し、処理された信号をマザーボード1100に出力する回路ボードまたは構成要素を指してもよい。
【0112】
図示のように、マザーボード1100は、構成要素の複数のセットを含んでもよい。例えば、マザーボード1100は、わずか1セットの構成要素またはnセットまでの構成要素を含んでもよい。例えば、マザーボード1100は、複数の入力信号IS...ISを受信するように構成されてもよく、複数の出力信号OS...OSを出力してもよい。
【0113】
マザーボード1100は、電源入力をV+およびV-で受信するように構成されてもよい。マザーボード1100は、故障保護を提供するように構成されてもよく、その結果、ドータボード(例えば、図12に示す)なしに、入力信号ISが出力OSに通過されてもよい。
【0114】
図示のように、マザーボード1100は、見当合わせピンA、B、C、およびDと、スイッチ1120と、入力リレー1130と、出力リレー1135とを含んでもよい。スイッチ1120は、電子回路によって制御されてもよい。スイッチ1120は、ドータボードが所定の位置にないとき、開位置にあってもよい。スイッチ1120は、ドータボードが所定の位置にあるとき、閉位置にあってもよい。図11Aに示すもののように、ドータボードが所定の位置にないとき、マザーボード1100は故障状態にあってもよい。したがって、スイッチ1120は、図11Aでは開位置にあるように示されている。故障位置では、入力リレー1130および出力リレー1135は、電源切断されてもよい。このようにして、入力信号ISは、出力信号OSに直接渡される。
【0115】
図11Bは、例示的実施形態による、マザーボード1100を示すブロック図である。図示のように、マザーボード1100はアクティブ状態にある。マザーボード1100は、ドータボードがマザーボード1100に接続されているとき、アクティブ状態にあってもよい。ドータボードが検出されると、スイッチ1120は閉位置に移動されてもよい。スイッチ1120が閉じられると、リレー1130に通電するために電源が印加されてもよい。通電されると、入力リレー1130は、入力信号ISを転送パッド1116に渡してもよい。転送パッド1116は、入力信号ISをマザーボード1100からドータボードに転送し、または渡すように構成される。さらに、アクティブ状態において、出力リレー1135に通電するために電源が印加されてもよい。出力リレー1135は、出力パッド1118と通信してもよい。出力パッド1118は、ドータボードからの出力信号を受信するように構成されてもよい。出力パッド1118で受信された出力信号は、出力リレー1135を通され、出力信号OSとして出力されてもよい。
【0116】
したがって、図11Aおよび図11Bにわたって示すように、ドータボードが所定の位置にあるとき、マザーボード1100はアクティブ状態にあり、入力信号はドータボードを通して送られてもよい。ドータボードが所定の位置にないとき、マザーボード1100は故障状態にあり、元の入力信号が出力に送られる。
【0117】
図12は、例示的実施形態による、ドータボード1200を示すブロック図である。図示のように、ドータボード1200は、マザーボード1100の見当合わせピンA、B、C、およびDとそれぞれインタフェースするように構成された見当合わせピンA、B、C、およびDを含んでもよい。ドータボード1200は、スプリッタボード120と同様に構成されてもよく、スプリッタボード120の特定の使用例を表してもよい。ドータボード1200は、入力パッド1215および出力パッド1217を含む。例えば、ドータボード1200が所定の位置にあるとき、入力信号ISは転送パッド1116でマザーボード1100から入力パッド1215に渡されてもよい。同様に、出力信号は、出力パッド1217でドータボード1200から、出力パッド1118でマザーボード1100に渡されてもよい。
【0118】
図13は、例示的実施形態による、スプリッタボードを動作させる方法1300を示す流れ図である。方法1300は、ステップ1302で開始してもよい。説明を簡単にするため、以下の動作は、構成要素の単一のセットとともに説明される。当業者は理解するように、プロセスは、構成要素の各セットと、構成要素のそのそれぞれのセットに提供される各入力信号とについて繰り返されてもよい。
【0119】
ステップ1302で、マイクロプロセッサ180は、スプリッタボードのためのファームウェアを初期化してもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、ブートプロセスを実行してもよく、その間にマイクロプロセッサ180は、故障が存在するかどうかを判定するために各構成要素の状態をチェックしてもよい。
【0120】
ステップ1304で、マイクロプロセッサ180は、故障条件が存在するかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180は、完全ボード障害または構成要素障害があるかどうかを判定してもよい。
【0121】
ステップ1304で、故障条件があるとマイクロプロセッサ180が判定した場合、方法1300はステップ1306に進む。ステップ1306で、マイクロプロセッサ180は、故障を解決する。一方、ステップ1304で、故障条件がないとマイクロプロセッサ180が判定した場合、方法1300はステップ1308に進む。
【0122】
ステップ1308で、マイクロプロセッサ180は、サーバ199との通信を確立する。例えば、スプリッタボードは、ポート185を通じてサーバ199に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ポート185は、以下のものに限定されないが、USB、シリアル、Modbus、イーサネット、または他の周知の通信手段などの任意の手段を通じてサーバ199に接続されてもよい。
【0123】
ステップ1310で、マイクロプロセッサ180は、各変換器160a~160nのすべての入力チャネルを較正してもよい。較正プロセスは、図14Aおよび図14Bとともに以下でより詳細に説明される。
【0124】
ステップ1312で、マイクロプロセッサ180は、すべての入力信号を接続してもよい。いくつかの実施形態では、構成要素の各セットは各々、それに関連付けられた入力信号の別個のセットを含んでもよい。例えば、a-構成要素は、入力信号ISの第1のセットを含んでもよい。マイクロプロセッサ180は、すべての入力信号をそれぞれの入力リレーに接続してもよい。例えば、入力信号ISは、バイパスリレー131aに接続されてもよい。同様に、入力信号ISは、バイパスリレー131bに接続されてもよい。入力信号は、1つまたは複数のアナログ信号を表してもよい。
【0125】
ステップ1314で、マイクロプロセッサ180は、スプリッタボードが故障状態にあるかどうかを判定してもよい。故障状態は、障害が発生している状況を指してもよい。いくつかの実施形態では、障害は、全ボード障害であってもよい。全ボード障害は、スプリッタボードへの電源がなく、すべての出力がないときであってもよい。いくつかの実施形態では、障害は、単一構成要素障害であってもよい。単一構成要素障害は、スプリッタボードの構成要素が故障した場合であってもよい。例えば、変換器160aまたは変換器160bが故障する。
【0126】
マイクロプロセッサ180は、変換器の故障検出モジュールを読み取ることによって、スプリッタボードが故障状態にあるかどうかを判定してもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、変換器160aの故障検出モジュール190aおよび変換器160bの故障検出モジュール190bを読み取ってもよい。故障検出モジュール190aは、さまざまなやり方で故障を検出してもよい。いくつかの実施形態では、故障検出モジュール190aは、一般的なリレーロジックを使用して故障を検出してもよい。例えば、バイパスリレー131aは、スプリッタボード120に供給されている電源があるとき、通電切替位置(例えば、第1の状態)にあってもよい。電源がない場合、バイパスリレー131aは電源切断されてもよく(例えば、第2の状態)、バイパスリレー131aからの出力は故障信号135aに切り替わってもよい。いくつかの実施形態では、電源障害中に、スプリッタボード120上のすべての変換器(例えば、変換器160a、変換器160b、変換器160nなど)は故障状態に切り替わってもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ180の組込みコードロジックが、個別の変換器回路障害を検出するために使用されてもよい。例えば、いくつかの変換器(例えば、変換器160a)はレジスタを含んでもよく、これはアクティブな変換中に変化することができる。マイクロプロセッサ180は、レジスタが漸進的に変化していることを保証するためにレジスタをチェックしてもよい。
【0127】
ステップ1314で、スプリッタボードが故障状態にあるとマイクロプロセッサ180が判定した場合、方法1300はステップ1316に進む。ステップ1316で、マイクロプロセッサ180は、警報プロトコルを開始してもよい。警報プロトコル中に、マイクロプロセッサ180は、入力信号にアクティブな信号回路を迂回させ、その信号の出力リレーに直接渡されてもよい。例えば、入力信号ISは、図6Aおよび図6Bとともに上記で図示および説明したもののように、出力信号OSに直接進んでもよい。
【0128】
一方、ステップ1314で、スプリッタボードがアクティブ状態にあるとマイクロプロセッサ180が判定した場合、方法1300はステップ1318に進む。ステップ1318で、マイクロプロセッサ180は、入力信号を変換のために変換器に向けてもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、入力信号ISをアクティブ回路に向けてもよく、その結果、入力信号ISは変換器160aのADC/DACに到達する。
【0129】
ステップ1320で、変換器は、入力信号に対してデータ変換を実行してもよい。例えば、変換器160aのADCは、入力信号ISをアナログからデジタル信号に変換してもよい。図示しないが、マイクロプロセッサ180は、スプリッタボード内の故障を継続的にチェックしてもよい。ステップ1304および1314で実行される故障チェックは、マイクロプロセッサ180が故障状態をチェックし得るときの例である。
【0130】
ステップ1322で、変換器は、変換済み信号を2つ以上の出力信号に分割する。例えば、変換器160aは、変換済み入力信号を、マイクロプロセッサ180に送られるべき第1の信号および第2の信号に分割してもよい。
【0131】
ステップ1324で、マイクロプロセッサ180は、第1の信号に較正因子を掛けてもよい。較正因子は、例えば、図14Aおよび図14Bとともに以下で説明される動作に基づいて決定されてもよい。マイクロプロセッサ180は、掛けられた較正因子とともに、第1の信号を変換器160aに戻るように送信してもよい。
【0132】
ステップ1326で、変換器160aは、第1の信号をアナログ信号に戻すように変換してもよい。アナログ信号は、デジタル信号と、マイクロプロセッサ180によってデジタル信号に掛けられた較正因子とに基づく。
【0133】
ステップ1328で、スプリッタボードは、データ信号を出力してもよい。例えば、アナログ信号が、下流プロセスのために、スプリッタボードから出力リレー132aを介して出力信号OSとして出力されてもよい。同様に、マイクロプロセッサ180は、分析のためにサーバ199にデジタル信号を出力してもよい。
【0134】
図14Aは、例示的実施形態による、スプリッタボードを較正する方法1400を示す流れ図である。方法1400は、図1図3および図9とともに上記で説明したスプリッタボードを較正することに特に適用可能であり得る。説明を簡単にするため、以下の動作は、構成要素の単一のセットとともに説明される。当業者は理解するように、プロセスは、構成要素の各セットと、構成要素のそのそれぞれのセットに提供される各入力信号とについて繰り返されてもよい。方法1400は、ステップ1402で開始してもよい。
【0135】
ステップ1402で、マイクロプロセッサ180は、較正ルーチンを初期化してもよい。いくつかの実施形態では、較正ルーチンは、サーバ199を通じて初期化されてもよい。いくつかの実施形態では、較正ルーチンは、ファームウェア内またはマイクロプロセッサ180上に存在してもよい。
【0136】
ステップ1404で、スプリッタボードは、出力ポート、例えばOSへの信号を維持してもよく、変換器160aのADCから信号を取り除いてもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、入力信号ISが変換器160aに送られないように、バイパスリレー131aに状態を切り替えさせてもよい。その代わりに、較正デバイス142のための信号が、変換器160aのADCを較正するために使用されてもよい。さらに、変換器160aのDACは、バッファリングされたアナログ出力信号を出力してもよい。
【0137】
ステップ1406で、スプリッタボードは、変換器160aのADCに較正信号をルーティングしてもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、較正リレー141を活性化して、較正デバイス142からの信号がバイパスリレー131aを通じて変換器160aのADCへ送られるようにしてもよい。
【0138】
ステップ1408で、スプリッタボードは、変換器160aのADCを較正してもよい。いくつかの実施形態では、適切な信号が順に逐次的に変換器160aのADCに向けられてもよい。例えば、ゼロおよびスパン信号(LRSおよびHRS)である。較正定数が、マイクロプロセッサ180によって計算および記憶されてもよい。
【0139】
ステップ1410で、スプリッタボードは、変換器160aのADCから較正信号を取り除いてもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、較正リレー141を不活性化し、較正デバイス142からの信号がもはや変換器160aのADCへ渡されないようにしてもよい。
【0140】
ステップ1412で、スプリッタボードは、変換器160aのADCへの信号を復元してもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、入力信号ISが変換器160aに送られるように、バイパスリレー131aに状態を切り替えさせてもよい。
【0141】
図14Bは、例示的実施形態による、スプリッタボードを較正する方法1450を示す流れ図である。方法1450は、図10とともに上記で説明したスプリッタボードを較正することに特に適用可能であり得る。説明を簡単にするため、以下の動作は、構成要素の単一のセットとともに説明される。当業者は理解するように、プロセスは、構成要素の各セットと、構成要素のそのそれぞれのセットに提供される各入力信号とについて繰り返されてもよい。方法1450は、ステップ1452で開始してもよい。
【0142】
ステップ1452で、スプリッタボードは、較正ルーチンを初期化してもよい。例えば、マイクロプロセッサ180は、較正ルーチンを開始するためにサーバ199と通信してもよい。
【0143】
ステップ1454で、スプリッタボードは、C入力に較正器を接続してもよい。
【0144】
ステップ1456で、スプリッタボードは、較正プログラムを初期化してもよい。
【0145】
ステップ1458で、スプリッタボードは、S出力バッファを計算してもよく、出力をバッファ値に切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、変換器160aのADCの較正は、システムに応じて、10マイクロ秒~数秒間かかり得る。較正のために必要とされる時間が推定されてもよく、入力信号を収集およびバッファリングするために等価時間が使用されるべきである。
【0146】
ステップ1460で、スプリッタボードは、変換器160aのADCを較正してもよい。いくつかの実施形態では、較正が開始すると、バッファリングされた信号が出力に送られてもよい。較正が完了すると、ライブ信号が再び処理されてもよい。
【0147】
ステップ1462で、スプリッタボードは、較正定数を記憶してもよい。マイクロプロセッサ180は、上記の図13で説明したもののように、後で入力信号に較正入力を掛けてもよい。
【0148】
ステップ1464で、スプリッタボードは、較正器を切断してもよい。スプリッタボードは、入力信号ISに再接続してもよい。
【0149】
較正の完了後、マイクロプロセッサ180は、変換器160aのDACをリアルタイム出力に戻してもよい。マイクロプロセッサ180はさらに、較正リレー141をその元の状態に戻してもよい。マイクロプロセッサ180はさらに、入力リレー136aをその以前の状態に戻し、入力信号を変換器160aのADCに戻してもよい。
【0150】
いくつかの実施形態では、較正信号が元の入力信号ISと同じ回路に従い得るように、較正信号は、バイパスリレー131aを通じて向けられてもよい。例えば、入力リレー136aとバイパスリレー131aとの間またはバイパスリレー131aと変換器160aとの間に入力信号の増幅がある場合、較正信号は、同じ回路を通って渡されてもよい。一般に、較正デバイス142は、較正リレー141を介してスプリッタボードの任意の変換器を較正するように構成されてもよく、較正リレー141は、他の変換器の他のADCに較正信号を向けてもよい。
【0151】
図15Aは、例示的実施形態による、コンピューティングシステム1500のシステムバスアーキテクチャを示す。システム1500は、マイクロプロセッサ180の少なくとも一部を表してもよい。システム1500の1つまたは複数の構成要素は、バス1505を使用して互いに電気通信してもよい。システム1500は、処理ユニット(CPUまたはプロセッサ)1510と、読み出し専用メモリ(ROM)1520およびランダムアクセスメモリ(RAM)1525などのシステムメモリ1515を含むさまざまなシステム構成要素をプロセッサ1510に結合するシステムバス1505とを含んでもよい。システム1500は、プロセッサ1510に直接もしくは近接して接続され、またはプロセッサ1510の一部として統合された高速メモリのキャッシュを含んでもよい。システム1500は、プロセッサ1510による迅速なアクセスのために、メモリ1515および/または記憶デバイス1530からキャッシュ1512にデータをコピーしてもよい。このようにして、キャッシュ1512は、データを待機している間のプロセッサ1510の遅延を回避する性能向上を提供してもよい。これらおよび他のモジュールは、さまざまなアクションを実行するようにプロセッサ1510を制御してもよく、または制御するように構成されてもよい。他のシステムメモリ1515が、同様に使用のために利用可能であってもよい。メモリ1515は、異なる性能特性を有する複数の異なる種類のメモリを含んでもよい。プロセッサ1510は、記憶デバイス1530に記憶されプロセッサ1510を制御するように構成された、サービス1 1532、サービス2 1534、およびサービス3 1536などの任意の汎用プロセッサおよびハードウェアモジュールまたはソフトウェアモジュールと、ソフトウェア命令が実際のプロセッサ設計に組み込まれた専用プロセッサとを含んでもよい。プロセッサ1510は本質的に、複数のコアまたはプロセッサ、バス、メモリコントローラ、キャッシュなどを含む完全に自己完結型のコンピューティングシステムであってもよい。マルチコアプロセッサは対称型または非対称型であってもよい。
【0152】
コンピューティングシステム1500とのユーザインタラクションを可能にするため、入力デバイス1545は、音声のためのマイクロフォン、ジェスチャまたはグラフィカル入力のためのタッチセンシティブスクリーン、キーボード、マウス、モーション入力、音声などの任意の数の入力メカニズムを表してもよい。出力デバイス1535もまた、当業者に既知のいくつかの出力メカニズムのうちの1つまたは複数であってもよい。いくつかの実例では、マルチモーダルシステムが、ユーザがコンピューティングシステム1500と通信するために複数種類の入力を提供することを可能にしてもよい。通信インタフェース1540は一般に、ユーザ入力およびシステム出力を統制および管理してもよい。任意の具体的なハードウェア配置上で動作することに制限はないため、ここでの基本的な特徴は、改良されたハードウェア構成またはファームウェア構成が開発されるのに応じて容易に置き換えられ得る。
【0153】
記憶デバイス1530は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、ソリッドステートメモリデバイス、デジタル多用途ディスク、カートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)1525、読み出し専用メモリ(ROM)1520、およびそれらの混成のような、不揮発性メモリであってもよく、データを記憶することが可能でありコンピュータによってアクセス可能である、ハードディスクまたは他の種類のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0154】
記憶デバイス1530は、プロセッサ1510を制御するためのサービス1532、1534、および1536を含んでもよい。他のハードウェアまたはソフトウェアモジュールは想定される。記憶デバイス1530は、システムバス1505に接続されてもよい。一態様では、特定の機能を実行するハードウェアモジュールは、その機能を実施するために、プロセッサ1510、バス1505、出力デバイス1535(例えば、ディスプレイ)などのような必要なハードウェア構成要素に関連した、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア構成要素を含んでもよい。
【0155】
図15Bは、マイクロプロセッサ180の少なくとも一部を表し得るチップセットアーキテクチャを有するコンピュータシステム1550を示す。コンピュータシステム1550は、開示された技術を実施するために使用され得るコンピュータハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの例であってもよい。システム1550は、プロセッサ1555を含んでもよく、プロセッサ1555は、識別される計算を実行するように構成されたソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアを実行することが可能な任意の数の物理的および/または論理的に別個のリソースを表す。プロセッサ1555は、プロセッサ1555への入力およびプロセッサ1555からの出力を制御し得るチップセット1560と通信してもよい。この例では、チップセット1560は、ディスプレイなどの出力1565に情報を出力し、例えば磁気媒体、およびソリッドステート媒体を含み得る記憶デバイス1570で情報を読み出し、書き込んでもよい。チップセット1560はまた、記憶デバイス1575(例えば、RAM)からデータを読み出し、記憶デバイス1575にデータを書き込んでもよい。さまざまなユーザインタフェース構成要素1585とインタフェースするためのブリッジ1580が、チップセット1560とインタフェースするために提供されてもよい。このようなユーザインタフェース構成要素1585は、キーボード、マイクロフォン、タッチ検出・処理回路、およびマウスなどのようなポインティングデバイスを含んでもよい。一般に、システム1550への入力は、機械生成および/または人間生成の、さまざまなソースのいずれに由来してもよい。
【0156】
チップセット1560はまた、異なる物理インタフェースを有し得る1つまたは複数の通信インタフェース1590とインタフェースしてもよい。このような通信インタフェースは、有線および無線ローカルエリアネットワークのため、広帯域無線ネットワークおよびパーソナルエリアネットワークのためのインタフェースを含んでもよい。本明細書において開示されるGUIを生成、表示、および使用するための方法のいくつかの適用例は、物理インタフェースを通じて順序付きデータセットを受信することを含んでもよく、またはプロセッサ1555が記憶デバイス1570または記憶デバイス1575に記憶されたデータを分析することによってマシン自体によって生成されてもよい。さらに、マシンは、ユーザインタフェース構成要素1585を通じてユーザから入力を受信し、プロセッサ1555を使用してこれらの入力を解釈することによって閲覧機能などの適切な機能を実行してもよい。
【0157】
理解され得るように、例示的なシステム1500および1550は、より高い処理能力を提供するために、複数のプロセッサ1510を有してもよく、または互いにネットワーク接続されたコンピューティングデバイスのグループもしくはクラスタの一部であってもよい。
【0158】
上記は本明細書に記載される実施形態に向けられているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、他のおよびさらなる実施形態が案出されてもよい。例えば、本開示の態様は、ハードウェアもしくはソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組合せにおいて実施されてもよい。本明細書に記載される一実施形態は、コンピュータシステムとともに使用するためのプログラム製品として実施されてもよい。プログラム製品のプログラムは、実施形態(本明細書に記載される方法を含む)の機能を規定し、さまざまなコンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、以下のものに限定されないが、(i)情報が永続的に記憶される書き込み不能記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み出し可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、または任意の種類のソリッドステート不揮発性メモリなどの、コンピュータ内の読み出し専用メモリ(ROM)デバイス)、および(ii)改変可能な情報が記憶される書き込み可能記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ内のフロッピーディスクもしくはハードディスクドライブまたは任意の種類のソリッドステートランダムアクセスメモリ)を含む。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、開示された実施形態の機能を指令するコンピュータ可読命令を実行するとき、本開示の実施形態である。
【0159】
当業者には理解されるように、上記の例は例示であって限定的でない。それに対するすべての置換、拡張、均等物、および改良は、本明細書を読み図面を検討した当業者には明らかであり、本開示の真の思想および範囲内に含まれることが意図されている。したがって、以下に添付される特許請求の範囲は、すべてのそのような修正、置換、および均等物をこれらの教示の真の思想および範囲内に入るものとして含むことが意図されている。

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
【国際調査報告】