(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】DKK1に対するアプタマー及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/115 20100101AFI20240920BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240920BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20240920BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240920BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20240920BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C12N15/115 Z ZNA
A61K31/7088
A61K48/00
A61P35/00
A61P19/10
A61P19/02
A61P19/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515626
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2022121254
(87)【国際公開番号】W WO2023046147
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111127857.6
(32)【優先日】2021-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520303058
【氏名又は名称】アプタキュア セラピューティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】APTACURE THERAPEUTICS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ユアンユアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘー, イーシン
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ハンイン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジー
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZA96
4C084ZA97
4C084ZB15
4C084ZB26
4C084ZC41
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB15
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、生物医学の分野に関する。具体的には、本発明は、DKK1に対するアプタマー及びその使用に、特にDKK1関連がん等のDKK1関連疾患の治療における使用に関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DKK1に対するアプタマーであって、
i)配列番号1~20のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか;又は
ii)配列番号1~20のいずれか1つの中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、若しくはそれを上回る数の連続ヌクレオチドを含むか;又は
iii)配列番号45~64のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか;又は
iv)配列番号87~105のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、
DKK1に特異的に結合する、アプタマー。
【請求項2】
配列番号1~64及び87~105のいずれか1つの配列を含む、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項3】
配列番号5、20、35~38、49、又は64に示されるヌクレオチド配列、好ましくは配列番号37に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項4】
350nM未満、好ましくは150nM未満、好ましくは100nM未満、好ましくは50nM未満、好ましくは30nM未満、好ましくは20nM未満、好ましくは10nM未満、好ましくは5nM未満、好ましくは1nM未満の、又はそれを下回る、DKK1に対するK
dを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のアプタマー。
【請求項5】
DKK1の生物学的活性を阻害することができる、請求項1~4のいずれか一項に記載のアプタマー。
【請求項6】
細胞ベースのWntシグナル伝達アッセイにおいてDKK1の拮抗効果を遮断することができる、請求項1~5のいずれか一項に記載のアプタマー。
【請求項7】
DKK1の生物学的活性を阻害する、例えばWntシグナル伝達経路に対するDKK1の拮抗効果を阻害することに対して、2000nM未満、好ましくは1500nM未満、好ましくは1000nM未満、好ましくは800nM未満の、又はそれを下回るIC50値を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のアプタマー。
【請求項8】
増強したヌクレアーゼ耐性を前記アプタマーに付与する及び/又は前記アプタマーのインビボ半減期を増強する1種又は複数の修飾を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のアプタマー。
【請求項9】
2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のアプタマー。
【請求項10】
それを必要とする対象に、請求項1~9のいずれか一項に記載のDKK1に対するアプタマーの治療有効量を投与するステップを含む方法であって、前記対象が例えばヒトである、DKK1関連疾患を治療するための方法。
【請求項11】
前記DKK1関連疾患が、骨髄腫(例えば、溶骨性病変を有する多発性骨髄腫、肝門部胆管癌を伴う多発性骨髄腫)、乳がん、結腸がん、黒色腫、肝細胞がん、上皮がん、食道がん、胃がん、胃食道がん、肝門部胆管癌、脳腫瘍、肺がん、前立腺がん、又は膵臓がん等の、DKK1関連がん並びにその任意の転移である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記DKK1関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症、及び骨髄腫から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載のDKK1に対する少なくとも1種のアプタマー、及び薬学的に許容できるキャリア又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項14】
DKK1関連疾患を治療するための医薬の調製における、請求項1~9のいずれか一項に記載のDKK1に対するアプタマー又は請求項13に記載の医薬組成物の、使用。
【請求項15】
前記DKK1関連疾患が、骨髄腫(例えば、溶骨性病変を有する多発性骨髄腫、肝門部胆管癌を伴う多発性骨髄腫)、乳がん、結腸がん、黒色腫、肝細胞がん、上皮がん、食道がん、胃がん、胃食道がん、肝門部胆管癌、脳腫瘍、肺がん、前立腺がん、又は膵臓がん等の、DKK1関連がん並びにその任意の転移である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記DKK1関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症、及び骨髄腫から選択される、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、生物医学の分野に関する。具体的には、本発明は、DKK1に対するアプタマー及びその使用に、特にDKK1関連がん等のDKK1関連疾患の治療における使用に関する。
【0002】
[背景]
Dickkopf-1(DKK1)は、dickkopfタンパク質ファミリーのメンバーであり、Wntシグナル伝達の負の調節因子であることが証明されており、DKK1は、骨の発達及び形成において中核的役割を果たす。LRP5(LRP6)及びクレメン(kremen)タンパク質に結合することによって、DKK1は、LRP5又はLRP6がWnt経路のメンバーに結合するのを阻止し、それによってWnt媒介性シグナル伝達を阻止し、骨形成を阻害する。
【0003】
臨床研究において、Wnt拮抗剤DKK1のレベルの増加が、一連のがんを有する患者の血清又は腫瘍において検出されており、この増加は、予後不良としばしば関連している。加えて、DKK1は、免疫抑制性腫瘍微小環境を促進し、T細胞を阻害することによって腫瘍が免疫監視を逃れるように誘導する。化学療法との組み合わされた、DKN-01と名付けられたDKK1に対するヒト化モノクローナル治療用抗体が、食道胃がん及び他のタイプのがんを治療するために、第II相試験において使用されている。それゆえ、DKK1は、腫瘍免疫療法の有望な標的であることがある。しかしながら、高い免疫原性(Padhi、Jangら2011、Padhi、Allisonら2014)、産生するのに費用がかかり且つ労力を要する(Baker 2015、Bradbury及びPluckthun 2015、Groff、Brownら2015)、輸送及び保管に連続的なコールドチェーンを要する不安定性(Jayasena 1999)を含めた、治療用抗体に対するいくつかの大きな懸念がある。それゆえ、無の免疫原性、容易な産生、低いコスト、及び高い安定性を有する代替的な抗DKK1剤が、骨同化療法に望ましい。
【0004】
アプタマーは、それらアプタマーの高い結合親和性及び特異性、並びに低い免疫原性に起因して、幅広い注目を集めている。アプタマーは、立体構造的相補性を通じてそれらアプタマーの標的に結合する、短い一本鎖オリゴヌクレオチドである(Ellington及びSzostak 1990、Tuerk及びGold 1990)。治療用抗体と比較して、アプタマーは、同様の親和性及び特異性を所有するが、ある重要な利点を有する。免疫原性に関して、アプタマーは免疫系によって異物として認識されず、小さなサイズが理由で負の免疫応答を刺激しない(Keefe、Paiら2010)。産生及びコストに関して、アプタマーは、様々な選択条件下でインビトロで特定され、化学的方法によって容易に合成され得、そのような産生は、それほど費用がかからず且つリスクが低い(Banerjee 2010)。安定性に関して、アプタマーは、耐熱性であり、冷却のいかなる特別な要件もなしで輸送に耐え得ることから、無期限の貯蔵寿命を有し、連続的なコールドチェーンの必要性を排除する(Jayasena 1999)。加齢黄斑変性症の治療のための、血管内皮細胞成長因子(VEGF)に対するアプタマーであるペガプタニブは、クリニックにおける使用に成功している(Jellinek、Greenら1994、Ruckman、Greenら1998、Ng及びAdamis 2006、Que-Gewirth及びSullenger 2007)。
【0005】
それゆえ、DKK1に対するアプタマーを開発して、DKK1関連がんの治療のためのモノクローナル抗体を置き換えることが望ましい。
【0006】
[発明の概要]
1つの態様において、本発明は、DKK1に対するアプタマーであって、アプタマーは、
i)配列番号1~20のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか;又は
ii)配列番号1~20のいずれか1つの中の少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、若しくはそれを上回る数の連続ヌクレオチドを含むか;又は
iii)配列番号45~64のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか;又は
iv)配列番号87~105のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、若しくは少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、
アプタマーはDKK1に特異的に結合する、アプタマーを提供する。
【0007】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号1~64及び87~105のいずれか1つの配列を含む。
【0008】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号5、20、35~38、49、又は64に示されるヌクレオチド配列、好ましくは配列番号37に示されるヌクレオチド配列を含む。
【0009】
一部の実施形態において、アプタマーは、増強したヌクレアーゼ耐性をアプタマーに付与する及び/又はアプタマーのインビボ半減期を増強する1種又は複数の修飾を含む。
【0010】
一部の実施形態において、アプタマーは、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む。
【0011】
一部の実施形態において、アプタマーは、350nM未満、好ましくは150nM未満、好ましくは100nM未満、好ましくは50nM未満、好ましくは30nM未満、好ましくは20nM未満、好ましくは10nM未満、好ましくは5nM未満、好ましくは1nM未満の、又はそれを下回る、DKK1に対するKdを有する。
【0012】
一部の実施形態において、アプタマーは、DKK1の生物学的活性を阻害することができる。一部の実施形態において、アプタマーは、細胞ベースのWntシグナル伝達アッセイにおいてDKK1の拮抗効果を遮断することができる。一部の実施形態において、アプタマーは、DKK1の生物学的活性を阻害する、例えばWntシグナル伝達経路に対するDKK1の拮抗効果を阻害することに対して、2000Nm未満、好ましくは1500nM未満、好ましくは1000nM未満、好ましくは800nM未満の、又はそれを下回るIC50値を有する。
【0013】
別の態様において、本発明は、DKK1関連疾患を治療するための方法であって、方法は、それを必要とする対象に、本発明のDKK1に対するアプタマーの治療有効量を投与するステップを含み、対象は例えばヒトである、方法を提供する。
【0014】
一部の実施形態において、DKK1関連疾患は、骨髄腫(例えば、溶骨性病変を有する多発性骨髄腫、肝門部胆管癌を伴う多発性骨髄腫)、乳がん、結腸がん、黒色腫、肝細胞がん、上皮がん、食道がん、胃がん、胃食道がん、肝門部胆管癌、脳腫瘍、肺がん、前立腺がん、又は膵臓がん等の、DKK1関連がん並びにその任意の転移である。
【0015】
一部の実施形態において、DKK1関連疾患は、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症、及び骨髄腫から選択される。
【0016】
別の態様において、本発明は、本発明のDKK1に対する少なくとも1種のアプタマー、及び薬学的に許容できるキャリア又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、DKK1関連疾患を治療するための医薬の調製における、本発明のDKK1に対するアプタマー又は本発明の医薬組成物の使用を提供する。
【0018】
一部の実施形態において、DKK1関連疾患は、骨髄腫(例えば、溶骨性病変を有する多発性骨髄腫、肝門部胆管癌を伴う多発性骨髄腫)、乳がん、結腸がん、黒色腫、肝細胞がん、上皮がん、食道がん、胃がん、胃食道がん、肝門部胆管癌、脳腫瘍、肺がん、前立腺がん、又は膵臓がん等の、DKK1関連がん並びにその任意の転移である。
【0019】
一部の実施形態において、DKK1関連疾患は、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、OI、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症、及び骨髄腫から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】DKK1タンパク質へのNi-NTA磁気アガロースビーズの試験された結合能を示した図である。2回の実験を実施して、DKK1タンパク質へのNi-NTA磁気アガロースビーズの結合能を検出した。還元条件下でのドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)において、DKK1の見かけの分子量は約40KDaである。この条件(0.6nmol DKK1+6μl 5%ビーズ)が、最も高い結合能を示している。
【
図2】ラウンド1~ラウンド20でスクリーニングされたアプタマープールのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物についてのアガロースゲル(3%)電気泳動分析を示した図である。第1のレーンはDNAラダーである。DNAバンドは、およそ80bpに存在する。
【
図3】アプタマー候補の系統樹及びアライメントを示した図である。20種のアプタマー配列は、2つの群に分割される。第1の群は、Gリッチな群として知られる、8種のグアニンリッチな配列を含有し;第2の群は、Gリッチでない群として知られる、他のヌクレオチドに属する12種の配列を含む。
【
図4】代表的なアプタマー候補の特異性を示した図である。酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)を使用して、DKK1に対する1μMの各アプタマー/RSの特異性を判定し、450nmにおける吸光度を検出する。****はP<0.0001を表し;**はP<0.005を表し;*はP<0.05を表す。
【
図5】代表的なアプタマー候補の親和性を示した図である。DKK-1に対する親和性を、特異的濃度の各アプタマーを用いて検出し、450nmにおける吸光度を測定する。
【
図6】代表的なアプタマー候補の阻害効果を示した図である。対照群と比較して、aptdkk-5、19、及び20はより高い比を示し、それらアプタマーが、DKK1によるWntシグナル伝達の阻害を軽減することができることを示す。
【
図7】代表的なアプタマー候補の阻害効力を示した図である。aptdkk-5は、IC
50=754±29nMを有して相対的に高い阻害効力を有し、一方でaptdkk-20は、IC
50=1504±39nMを有して相対的に低い阻害効力を有する。aptdkk-19のデータは、フィッティング曲線に合わない。
【
図8】短縮aptdkk5の特異性を示した図である。DKK-1に対する特異性を、a)100nM及びb)1nMの各短縮aptdkk5を用いて検出し、450nmにおける吸光度を元のaptdkk-5の吸光度と比較する。*はP<0.05を表し;NSは有意差なしを表す。
【
図9】短縮aptdkk5の親和性を示した図である。DKK1への結合親和性を、勾配濃度の各アプタマーを用いて検出し、450nmにおける吸光度を検出する。
【
図10】Aptdkk5s変異体の特異性を示した図である。DKK-1に対する1μMの各アプタマーの特異性をELONAによって検出し、450nmにおける吸光度を検出する。****はP<0.0001を表し;**はP<0.005を表し;*はP<0.05を表す。
【
図11】SDS-PAGEゲル電気泳動によって測定された、HEK293T細胞におけるDKK1及び欠陥のあるDKK1の発現レベルを示した図である。S4、pCS2-DKK1-His-flag;S3、pCS2-DKK1-ΔC-His-flag;及びS2、pCS2-DKK1-ΔL2&C-His-flag。
【
図12】全長及び短縮DKK1の結合能、並びにDKK1変異体へのaptdkk5s結合の蛍光画像を示した図である。S4、pCS2-DKK1-His-flag;S3、pCS2-DKK1-ΔC-His-flag;S2、pCS2-DKK1-ΔL2&C-His-flag;陽性対照、純粋なタンパク質DKK1 His6;及び陰性対照、ビーズのみ。
【
図13】修飾されたaptdkk5sの特異性を示した図である。DKK-1への1μMの各アプタマーの特異性をELONAによって検出し、450nmにおける吸光度を検出する。
【
図14】修飾されたaptddk5sの親和性を示した図である。DKK-1へのある特定の濃度の各アプタマーの親和性をELONAによって検出し、450nmにおける吸光度を検出する。
【
図15】修飾されていないaptdkk5sと比較した、修飾されたaptdkk5sの血清安定性についての評価を示した図である。すべてのアプタマーを、それぞれ10%及び100%胎仔ウシ血清で0~72時間処理する。
【
図16】aptdkk5-OM-indTの阻害効力を示した図である。3コピーの各群分析がある。
【
図17】配列富化傾向曲線を示した図である。各ラウンドにおけるアプタマーのタイプをシーケンシング読み取りの数で割ることによって、各ラウンドにおけるDNAプールの富化の程度を算出する。飽和富化はラウンド24において生じると思われる。
【
図18】ラウンド21~ラウンド30で選択されたアプタマープールのPCR産物についてのアガロースゲル(3%)電気泳動分析を示した図である。前方のレーンはDNAラダーである。DNAバンドは、およそ80bpにある。
【
図19】ラウンド30における代表的なアプタマー候補の特異性を示した図である。DKK1に対する1μMの各アプタマー/RSの特異性をELONAによって検出し、450nmにおける吸光度を検出する。
【
図20】代表的なアプタマー候補の結合曲線を示した図である。DKK-1に対する親和性を、ある特定の濃度の各アプタマーを用いてバイオレイヤー干渉法(BLI)によって検出する。
【0021】
[発明の詳細な説明]
別様に示されない又は定義されない限り、使用されるすべての用語は、当業者に明らかであろう、当技術分野におけるそれら用語の通常の意味を有する。例えば、Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」;Lewin、「Genes IV」;及びRoittら、「Immunology」(第8編)等の標準的手引書への、並びに本明細書において引用される一般的背景技術への参照がなされる。さらに、別様に示されない限り、詳細に具体的に記載されないすべての方法、ステップ、技法、及び操作は、当業者に明らかであろうように、それ自体が公知の様式で実施され得且つ実施されている。例えば、標準的手引書への、上で参照される一般的背景技術への、及び本明細書において引用されるさらなる参考文献への参照が再度なされる。
【0022】
定義
本明細書において使用するとき、「ヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド、又はその修飾形態、並びにその類似体を指す。ヌクレオチドは、プリン(例えば、アデニン、ヒポキサンチン、グアニン、並びにそれらの誘導体及び類似体)、並びにピリミジン(例えば、シトシン、ウラシル、チミン、並びにそれらの誘導体及び類似体)を含む種を含む。
【0023】
本明細書において使用するとき、「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、及び「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチドのポリマーを指すために互換可能に使用され、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、並びに、任意の位置におけるヌクレオチド単位への様々な実体又は部分の付着が含まれる、これらの種類の核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドの修飾を含む。「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、及び「核酸」という用語は、二本鎖又は一本鎖分子を含む。核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドは、アプタマーという用語よりも広い用語であり、ゆえに、核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドという用語は、アプタマーを含むがアプタマーに限定されるわけではない。
【0024】
本明細書において使用するとき、「アプタマー」とは、標的分子に対して望ましい作用を有する、天然に存在しない核酸を指す。望ましい作用は、標的に結合すること、標的を触媒的に変化させること、標的若しくは標的の機能的活性を修飾する若しくは変更する手段で標的と反応すること、標的に共有結合で付着すること、及び標的と別の分子との間の反応を促すことを含むが、それらに限定されるわけではない。1つの実施形態において、作用は、標的分子(DKK1等)に対する特異的な結合親和性であり、そのような標的分子は、ワトソン/クリック塩基対合又は三重らせん形成から独立しているメカニズムを通じてアプタマーに結合するポリヌクレオチド以外の3次元化学構造であり、アプタマーは、標的分子によって結合される公知の生理学的機能を有する核酸ではない。この文脈において、アプタマーの標的(DKK1等)に対するアプタマーの「特異的結合」とは、アプタマーが、混合物又はサンプルにおける他の非標的の構成要素に結合するよりもはるかに高い程度の親和性を一般的に有して、アプタマーがアプタマーの標的に結合することを意味する。
【0025】
配列「同一性」は周知の意味を有し、2種の核酸又はポリペプチド分子又は領域の間の配列同一性のパーセンテージは、公開された技法を使用して算出され得る。配列同一性は、ポリヌクレオチド若しくはポリペプチドの全長に沿って、又は分子の領域に沿って測定され得る。(例えば、Computational Molecular Biology、Lesk,A.M.編、Oxford University Press、New York、1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects、Smith,D.W.編、Academic Press、New York、1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part I、Griffin,A.M.、及びGriffin,H.G編、Humana Press、New Jersey、1994;Sequence Analysis in Molecular Biology、von Heinje,G、Academic Press、1987;並びにSequence Analysis Primer、Gribskov,M.及びDevereux,J.編、M Stockton Press、New York、1991を参照されたい)。2種のポリヌクレオチド又はポリペプチドの間の同一性を測定するいくつかの方法が存在するものの、「同一性」という用語は当業者に周知である(Carrillo,H.&Lipman,D.、SIAM J Applied Math 48:1073(1988))。配列同一性パーセントを判定するために適切であるアルゴリズムの1つの例は、基本的局所アライメント検索ツール(以降「BLAST」)において使用されるアルゴリズムであり、例えばAltschulら、J.Mol.Biol.215:403~410、1990及びAltschulら、Nucleic Acids Res.、15:3389~3402、1997を参照されたい。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、米国国立生物工学情報センター(以降「NCBI」)を通じて公的に使用可能である。NCBIから使用可能なソフトウェア、例えばBLASTN(ヌクレオチド配列に対する)を使用して配列同一性を判定することにおいて使用される初期設定パラメーターは、McGinnisら、Nucleic Acids Res.、32:W20~W25、2004に記載される。
【0026】
DKK1に対するアプタマー
タンパク質-SELEX技術に基づき、本発明者らは、陽性スクリーニングに対して標的タンパク質としてDKK1を、陰性スクリーニングに対して非関連タンパク質を使用し、高い親和性でDKK1に特異的に結合するアプタマーを最終的に選択した。本明細書に記載されるDKK1は、好ましくはヒトDKK1、例えばアミノ酸配列が配列番号73に示されるDKK1である。
【0027】
例示的なヒトDKK1アミノ酸配列:
MMALGAAGATRVFVAMVAAALGGHPLLGVSATLNSVLNSNAIKNLPPPLGGAAGHPGSAVSAAPGILYPGGNKYQTIDNYQPYPCAEDEECGTDEYCASPTRGGDAGVQICLACRKRRKRCMRHAMCCPGNYCKNGICVSSDQNHFRGEIEETITESFGNDHSTLDGYSRRTTLSSKMYHTKGQEGSVCLRSSDCASGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHRRKGSHGLEIFQRCYCGEGLSCRIQKDHHQASNSSRLHTCQRH(配列番号73)
【0028】
それゆえ、1つの態様において、本発明は、DKK1に対するアプタマーを提供する。一部の実施形態において、アプタマーはDKK1に特異的に結合する。
【0029】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号1~20のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号1~20のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列からなる。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号1~20のいずれか1つの中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、少なくとも65個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号1~20のいずれか1つの中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドからなる。
【0030】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号5と少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号5と少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列からなる。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号5の中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、少なくとも65個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号5の中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドからなる。
【0031】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号19と少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号19と少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列からなる。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号19の中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、少なくとも65個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号19の中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドからなる。
【0032】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号20と少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号20と少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列からなる。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号20の中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、少なくとも65個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号20の中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、又はそれを上回る数の連続ヌクレオチドからなる。
【0033】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号45~64のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号45~64のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、又は配列番号45~64のいずれか1つのヌクレオチド配列からなる。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号49、63、若しくは64に示されるヌクレオチド配列を含む、又は配列番号49、63、若しくは64に示されるヌクレオチド配列からなる。
【0034】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号87~105のいずれか1つと少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号87~105のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、又は配列番号87~105のいずれか1つのヌクレオチド配列からなる。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号87~90、93~96、及び98~105のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、又は配列番号87~90、93~96、及び98~105のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列からなる。
【0035】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号1~20のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号1~20のいずれか1つのヌクレオチド配列からなる。
【0036】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号21~44のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号21~44のいずれか1つのヌクレオチド配列からなる。
【0037】
一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号74~86のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、配列番号74~86のいずれか1つのヌクレオチド配列からなる。
【0038】
一部の好ましい実施形態において、アプタマーは、配列番号1~44のいずれか1つのヌクレオチド配列を含み、より好ましくは、アプタマーは、配列番号5、19、又は20~44のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含み、より好ましくは、アプタマーは、配列番号5、20、又は35~38のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。一部の好ましい実施形態において、アプタマーは、配列番号1~44のいずれか1つのヌクレオチド配列からなり、より好ましくは、アプタマーは、配列番号5、19、又は20~44のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列からなり、より好ましくは、アプタマーは、配列番号5、20、又は35~38のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列からなる。一部の好ましい実施形態において、アプタマーは、配列番号37に示されるヌクレオチド配列を含む、又は配列番号37に示されるヌクレオチド配列からなる。
【0039】
一部の実施形態において、本発明のアプタマーは、約350nM未満、好ましくは約150nM未満、好ましくは約100nM未満、好ましくは約50nM未満、好ましくは約30nM未満、好ましくは約20nM未満、好ましくは約10nM未満、好ましくは約5nM未満、好ましくは約1nM未満の、又はそれより小さい、DKK1に対するKd(解離定数)を有する。一部の実施形態において、本発明のアプタマーは、約0.01nM~約350nM、好ましくは約0.01nM~約150nM、好ましくは約0.01nM~約100nM、好ましくは約0.01nM~約50nM、好ましくは約0.01nM~約30nM、好ましくは約0.01nM~約20nM、好ましくは約0.01nM~約10nM、好ましくは約0.01nM~約5nM、好ましくは約0.01nM~約1nMの、DKK1に対するKd(解離定数)を有する。Kdは、例えば酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)又はバイオレイヤー干渉法(BLI)によって判定される。
【0040】
一部の実施形態において、本発明のアプタマーは、DKK1の生物学的活性を阻害する。「阻害」とは、アプタマーの非存在と比較して、アプタマーの存在下でDKK1の生物学的活性が低下する、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、及びさらに少なくとも約90%低下することを意味する。
【0041】
本記事において使用するとき、「生物学的活性」という用語は、生理学的又は病態生理学的過程に影響を及ぼすことがある1種又は複数の細胞又は細胞外の過程に対する影響を指す。DKK1の生物学的活性は、Wntシグナル伝達経路に拮抗することを含むが、それに限定されるわけではない。一部の実施形態において、本発明のアプタマーは、Wntシグナル伝達経路に対するDKK1の拮抗効果を阻害することができる。例えば、本発明のアプタマーは、細胞ベースのWntシグナル伝達アッセイにおいてDKK1の拮抗効果を遮断することができる。
【0042】
一部の実施形態において、本発明のアプタマーは、約2000nM未満、好ましくは約1500nM未満、好ましくは約1000nM未満、好ましくは約800nM未満、好ましくは約400nM未満、好ましくは約200nM未満の、又はそれを下回るIC50値で、Wntシグナル伝達経路に対するDKK1の拮抗効果を阻害する等、DKK1の生物学的活性を阻害する。一部の実施形態において、本発明のアプタマーは、約200nM~約2000nM、好ましくは約200nM~約1500nM、好ましくは約200nM~約1000nM、好ましくは約200nM~約800nM、又は好ましくは約200nM~約400nMのIC50値で、Wntシグナル伝達経路に対するDKK1の拮抗効果を阻害する等、DKK1の生物学的活性を阻害する。一部の実施形態において、IC50値は、HEK293T細胞におけるTCF-Wnt誘導性ルシフェラーゼ活性アッセイによってインビトロで判定される。
【0043】
一部の実施形態において、本発明のアプタマーは、1種又は複数の修飾をさらに含有してもよい。例えば、修飾は、増強したヌクレアーゼ耐性をアプタマーに付与する及び/又はアプタマーのインビボ半減期を増強する修飾である。
【0044】
修飾は、例えば3’及び5’キャッピング等の3’及び5’修飾を含む。一部の実施形態において、アプタマーは、3’末端で逆位デオキシチミジンでキャッピングされる、すなわち3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾。
【0045】
修飾は、修飾ヌクレオチドでの、1つ又は複数の天然に存在するヌクレオチドの置換をさらに含んでもよい。例えば、修飾ヌクレオチドは、2’-フルオロ、2’-メトキシエチル、2’-メトキシ、及び/又は2’アリルオキシ修飾ヌクレオチド(すなわち、リボースの2’位ヒドロキシル基が、フッ素、メトキシエチル、メトキシ、又はアリルオキシ等によって置換されている)を含むが、それらに限定されるわけではない。修飾ヌクレオチドは、C-5修飾ピリミジンも含んでもよい。「C-5修飾ピリミジン」という用語は、C-5位における修飾を有するピリミジンを指す。C-5修飾ピリミジンは、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増強し得、当技術分野において公知である。例えば、PCT出願国際公開第2011/130195号及びその中で引用される参考文献への参照がなされ得る。一部の好ましい実施形態において、修飾は2’-メトキシ(2’-OMe)修飾である。一部の実施形態において、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾等の修飾は、アプタマーの5’及び/又は3’末端における1つ又は複数のヌクレオチド、例えば4個のヌクレオチドに対して行われる。
【0046】
修飾は、非荷電結合(メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミンエステル、カルバメート等)を有するそうしたヌクレオチド間修飾、及び荷電結合(ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)を有するそうしたヌクレオチド間修飾、挿入剤(アクリジン、ソラーレン等)を有するヌクレオチド間修飾、キレート剤(金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属等)を含有するヌクレオチド間修飾、アルキル化剤を含有するヌクレオチド間修飾、並びに修飾結合(例えば、アルファアノマー核酸等)を有するヌクレオチド間修飾等、ヌクレオチド間修飾をさらに含む。
【0047】
修飾は、ペグ化修飾(PEG修飾)も含んでもよい。PEGとのコンジュゲーションは、インビボ半減期等、アプタマーの半減期を延長させ得る。一部の実施形態において、PEGの分子量は、約1kDa~約100kDa、例えば約10kDa~約80kDa、約20kDa~約60kDa、約30kDa~約50kDa、約40kDaである。一部の実施形態において、PEGは、アプタマーの5’末端にコンジュゲートされてもよい。一部の実施形態において、PEGは、アプタマーの3’末端にコンジュゲートされてもよい。
【0048】
修飾は、脂肪酸修飾及び/又はクマリン修飾をさらに含んでもよい。例えば、アプタマーは、脂肪酸及び/又はクマリン誘導体とコンジュゲートされてもよい(例えば、アプタマー分子の5’末端にコンジュゲートされる)。適切な脂肪酸は、ドデカン二酸、パルミチン酸(PA)、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ステアリン酸(SA)、オクタデカン二酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、及びアラキドン酸(ARA)を含むが、それらに限定されるわけではない。適切なクマリン誘導体は、4-ヒドロキシクマリン、3-アセチル-6-カルボキシクマリン、ワルファリン、(2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)酢酸、[8-アセチル-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)酸素]酢酸、クマリン-3-カルボン酸、N-(4-メチル-7-クマリン)オキサルアミド、7-(カルボキシメチル)-4-メチルクマリン、7-メトキシクマリン-3-カルボン酸、及び6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボン酸を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0049】
一部の実施形態において、アプタマーは、上で記載される様々な修飾の組み合わせを含んでもよい。例えば、アプタマーは、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含んでもよい。
【0050】
一部の実施形態において、本発明の修飾されたアプタマーのインビボ半減期は、対応する修飾されていないアプタマーのインビボ半減期の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、又はそれを上回る倍である。
【0051】
疾患の治療
別の態様において、本発明は、本発明のDKK1に対するアプタマーによって疾患を治療するための方法であって、方法は、それを必要とする対象に、本発明のDKK1に対するアプタマーの治療有効量を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0052】
本発明のDKK1に対するアプタマーによって治療される疾患は、例えば、DKK1媒介性疾患等のDKK1関連疾患である。一実施形態において、DKK1関連疾患は、DKK1の過剰発現等、DKK1の異常な発現を有する疾患によって特徴付けられる。
【0053】
本明細書において使用するとき、「DKK1関連疾患」は、DKK1関連がんを含む。一実施形態において、「DKK1関連がん」は、DKK1の過剰発現等、DKK1の異常な発現を有するがんによって特徴付けられる。一実施形態において、DKK1関連がんは、例えば骨髄腫(例えば、溶骨性病変を有する多発性骨髄腫、肝門部胆管癌多発性骨髄腫)、乳がん、結腸がん、黒色腫、肝細胞がん、上皮がん、食道がん、胃がん、胃食道がん、肝門部胆管癌、脳腫瘍、肺がん、前立腺がん、又は膵臓がん、並びにその任意の転移から選択される。
【0054】
本明細書において使用するとき、「DKK1関連疾患」は、異常な骨芽細胞又は破骨細胞活性に関連した骨関連疾患等の骨関連疾患を含む。異常な骨芽細胞又は破骨細胞活性によって特徴付けられる疾患は、原発性及び続発性骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、無血管性壊死(骨壊死)、骨折及びインプラント治癒(歯科インプラント及び股関節インプラント)、他の疾患に起因した骨喪失(例えば、HIV感染症、がん、又は関節炎と関連した)を含むが、それらに限定されるわけではない。他の「DKK1関連疾患」は、関節リウマチ、変形性関節症、関節炎、及び溶骨性病変を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0055】
対象は、ネコ、イヌ、ウマ、ブタ、及びウシを含むがそれらに限定されない任意の動物(飼い慣らされた、家畜の、又は野生の)であり得、ヒト対象が好ましい。本明細書において使用するとき、患者、個体、及び対象という用語は、互換可能に使用され得る。一部の実施形態において、対象は、雄性又は雌性であり得る。
【0056】
本明細書において使用するとき、疾患に罹患している個体を「治療すること」とは、個体の症状が、治療後に部分的に若しくは完全に緩和する、又は変化しないままであることを意味する。ゆえに、治療は、阻止、治療、及び/又は回復を含む。阻止とは、潜在的疾患の阻止、及び/又は症状の悪化若しくは疾患進行の阻止を指す。
【0057】
本明細書において使用するとき、「治療有効量」又は「治療有効用量」とは、対象への投与後に治療効果をもたらすのに少なくとも十分である、物質、化合物、材料、又は化合物を含む組成物の量を指す。ゆえに、該用語は、疾患又は病状の症状を阻止するか、治すか、改善するか、食い止めるか又は部分的に食い止めるのに必要な量である。本明細書において使用するとき、「治療効果」とは、疾患若しくは病態の症状を変更するか、おおむね改善するか、若しくは緩和する、又は疾患若しくは病態を治す、個体の治療により生じる効果を意味する。
【0058】
DKK1に対するアプタマーの投薬量レジメンは、例えば、患者のタイプ、種、年齢、重量、性別、及び医学的病状;治療されるべき病状の重症度;投与の経路;患者の腎機能及び肝機能;並びに使用されるDKK1に対する特異的アプタマー又はその塩を含めた、多様な因子に従って選択される。通常の技能を有する医師であれば、病状の進行を阻止するか、対抗するか、又は阻害するのに要される組成物の有効量を容易に判定し得且つ指定し得る。
【0059】
典型的に、DKK1に対するアプタマーの投薬量レジメンは、日あたり約1μg/kg体重~約100mg/kg体重である。
【0060】
例示的な治療レジームは、1日1回、2日ごとに1回、週あたり1回、週あたり2回、2週間ごとに1回、3週間ごとに1回、4週間ごとに1回、月1回、3カ月ごとに1回、若しくは3~6カ月ごとに1回の投与、又は当初は短い投与間隔(週あたり1回から3週間ごとに1回等)及び次いでその後長い間隔(月1回から3~6カ月ごとに1回等)を有する投与を伴う。投与の頻度及び間隔は、アプタマーの薬物動態学的パラメーターに従って、当業者によって判定され得る。
【0061】
医薬組成物
別の態様において、本発明は、本発明のDKK1に対する少なくとも1種のアプタマー、及び薬学的に許容できるキャリア又は賦形剤を含む医薬組成物も提供する。前記医薬組成物は、例えばDKK1関連疾患を治療するために使用される。
【0062】
本明細書に記載されるアプタマーは、注射可能な剤形、液体分散体、ゲル、エアロゾル、軟膏、クリーム、凍結乾燥製剤、乾燥粉末、錠剤、カプセル、制御放出製剤、急速に溶ける製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、混合型即時放出及び制御放出製剤等を含むがそれらに限定されない、任意の薬学的に許容できる剤形において利用され得る。具体的には、本明細書に記載されるアプタマーは、(a)経口、肺、静脈内、動脈内、髄腔内、関節内、直腸、眼科的、結腸、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、局所、頬、鼻腔、及び局部投与のうちのいずれかから選択される投与のために;(b)液体分散体、ゲル、エアロゾル、軟膏、クリーム、錠剤、小袋、及びカプセルのうちのいずれかから選択される剤形に;(c)凍結乾燥製剤、乾燥粉末、急速に溶ける製剤、制御放出製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、並びに混合型即時放出及び制御放出製剤のうちのいずれかから選択される剤形に;又は(d)その任意の組み合わせ、に製剤化され得る。
【0063】
非経口、皮内、又は皮下適用に使用される溶液又は懸濁液は、以下の構成要素:(1)注射用水、生理食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒等の無菌の希釈剤;(2)ベンジルアルコール又はメチルパラベン等の抗細菌剤;(3)アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム等の抗酸化物質;(4)エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤;(5)酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩等の緩衝液;及び(6)塩化ナトリウム又はデキストロース等の張度の調整のための作用物質、のうちの1種又は複数を含み得る。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウム等の酸又は塩基で調整され得る。非経口調製物は、ガラス又はプラスチックで作製されたアンプル、使い捨て注射器、又は複数用量バイアルに封入され得る。
【0064】
注射可能な使用に適切な医薬組成物は、無菌の水溶液(水溶性である場合)又は分散体、及び無菌の注射可能な溶液若しくは分散体の即席調製のための無菌の粉末を含んでもよい。静脈内投与に関して、適切なキャリアは、生理学的食塩水、静菌水、又はリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。すべての場合において、組成物は無菌であるべきであり、易注射器能(syringability)が存在する程度に流体であるべきである。医薬組成物は、製造及び保管の条件下で安定であるべきであり、細菌及び真菌等の微小生物の汚染作用から守られるべきである。本明細書において使用される「安定な」という用語は、患者への投与に適切である状態又は条件にとどまることを意味する。
【0065】
キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、及びその適切な混合物を含めた、溶媒又は分散媒であり得る。適正な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用によって、分散体の場合には要される粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。微小生物の作用の阻止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって達成され得る。多くの場合、等張剤、例えば糖類、マンニトール又はソルビトール等の多価アルコール、及び塩化ナトリウム等の無機塩を組成物に含めることが好ましいであろう。注射可能な組成物の長期吸入は、吸入を遅延させる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物に含めることによってもたらされ得る。
【0066】
無菌の注射可能な溶液は、必要に応じて、上で列挙される成分の1種又は組み合わせとともに、適当な溶媒に要される量の活性試薬(例えば、DKK1に対するアプタマー)を組み入れ、その後に濾過滅菌が続くことによって調製され得る。一般的に、分散体は、基本的分散媒及び任意の他の要される成分を含有する無菌のビヒクルに、DKK1に対する少なくとも1種のアプタマーを組み入れることによって調製される。無菌の注射可能な溶液の調製のための無菌の粉末の場合、例示的な調製方法は、真空乾燥及びフリーズドライを含み、その両方とも、DKK1に対するアプタマーと、以前に滅菌濾過されたその溶液からの任意の付加的な所望の成分との粉末を産出するであろう。
【0067】
経口組成物は、不活性希釈剤又は食用キャリアを一般的に含む。経口組成物は、例えばゼラチンカプセルに封入され得る、又は錠剤に圧縮され得る。経口の治療的投与の目的上、DKK1に対するアプタマーは、賦形剤とともに組み入れられ得、錠剤、トローチ、又はカプセルの形態で使用され得る。薬学的に適合する結合剤及び/又はアジュバント材料が、組成物の一部として含まれ得る。
【0068】
吸入による投与に関して、化合物は、適切な推進剤、例えば二酸化炭素等の気体を含有する加圧容器若しくはディスペンサーからのエアロゾルスプレー、適切なデバイスからの噴霧液体又は乾燥粉末の形態で送達される。経粘膜又は経皮投与に関して、透過されるべきバリアに適当な浸透剤が製剤において使用される。そのような浸透剤は、当技術分野において一般的に公知であり、例えば経粘膜投与に関しては、洗浄剤、胆汁塩、及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、鼻腔スプレー又は座薬の使用により遂行され得る。経皮投与に関して、活性試薬は、当技術分野において一般的に公知であるように、軟膏、軟膏薬、ゲル、又はクリームに製剤化される。試薬は、直腸送達のための座薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリド等、従来の座薬基剤を有する)又は停留浣腸の形態でも調製され得る。
【0069】
1つの実施形態において、DKK1に対するアプタマーは、局部投与のために製剤化される。本明細書において使用するとき、「局部投与」とは、動物の皮膚(表皮)のすべて又は一部分に、DKK1に対するアプタマーを含む製剤を直接的に又は別様に接触させることによる、動物へのDKK1に対するアプタマーの送達を指す。該用語は、局部及び経皮を含むがそれらに限定されない、いくつかの投与の経路を包含する。これらの投与の様態に対する共通の要件は、標的組織又は層への効率的な送達である。1つの態様において、局部投与は、表皮及び真皮に浸透し、DKK1に対するアプタマーの全身送達を究極的には達成するための手段として使用される。別の態様において、局部投与は、動物の表皮若しくは真皮に又はその特異的な層に、DKK1に対するアプタマーを選択的に送達するための手段として使用される。
【0070】
局部投与に関して、DKK1に対するアプタマーは、薬学的に許容できる軟膏、クリーム、ローション、眼軟膏、点眼薬、点耳薬、含浸包帯、及びエアロゾル、薬用粉末、薬用接着剤、泡に製剤化されてもよく、例えば防腐剤又は薬物浸透を支援する溶媒、並びに軟膏、ゲル、及びクリームにおける皮膚軟化剤を含めた、適当な従来の添加物又は賦形剤を含有してもよい。そのような局部製剤は、適合する従来のキャリア、例えばローションのためのエタノール又はオレイルアルコールも含有してもよい。そのようなキャリアは、製剤の約1重量%~約98重量%を構成してもよく;より通常では、そのようなキャリアは、製剤の最高約80重量%を構成するであろう。アプタマーの局部送達のための具体的な製剤は、当技術分野において記載される。
【0071】
1つの実施形態において、DKK1に対するアプタマーは、身体からの迅速な排除を防ぐであろうキャリアとともに調製される。例えば、インプラント及びマイクロカプセル化送達システムを含めた、制御放出製剤が使用され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸等、生分解性生体適合性ポリマーが使用され得る。そのような製剤の調製のための方法は、当業者に明白であろう。
【0072】
感染細胞を標的にするウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有するリポソームを含めたリポソーム懸濁液も、薬学的に許容できるキャリアとして使用され得る。これらリポソーム懸濁液は、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0073】
付加的に、DKK1に対するアプタマーの懸濁液は、適当な油性注射懸濁液として調製されてもよい。適切な親油性溶媒又はビヒクルは、ゴマ油等の脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド、若しくはリポソーム等の合成脂肪酸エステルを含む。非脂質性ポリカチオン性アミノポリマーも送達に使用されてもよい。任意選択で、懸濁液は、化合物の溶解度を増加させ且つ高度に濃縮された溶液の調製を可能にするための、適切な安定剤又は作用物質も含んでもよい。
【0074】
ある場合には、投与のし易さ及び投薬量の均一性のために、経口又は非経口組成物を単位剤形に製剤化することがとりわけ有利であることがある。本明細書において使用される単位剤形とは、治療されるべき対象に対する単一の投薬量として適した物理的に別々の単位を指し;各単位は、要される薬学的キャリアと併せて所望の治療効果をもたらすように算出された、DKK1に対するアプタマーの所定の分量を含有する。本明細書に記載されるDKK1に対するアプタマーの単位剤形に関する仕様は、DKK1に対する特定のアプタマーの特有の特徴、及び達成されるべき特定の治療効果、及び個体の治療のためのそのような活性剤を配合することについての当技術分野において固有の制限によって決定付けられ且つそれらに直接依存する。
【0075】
DKK1に対する少なくとも1種のアプタマーを含む医薬組成物は、1種又は複数の薬学的賦形剤を含み得る。そのような賦形剤の例は、結合剤、充填剤、滑沢剤、懸濁化剤、甘味料、香味剤、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、崩壊剤、発泡剤、及び他の賦形剤を含むが、それらに限定されるわけではない。そのような賦形剤は当技術分野において公知である。例示的な賦形剤は、(1)様々なセルロース及び架橋ポリビニルピロリドン、アビセル(Avicel)PH101及びアビセルPH102等の微結晶セルロース(microcrystalhne cellulose)、ケイ化微結晶セルロース(プロソルブ(ProSolv)SMCC(商標))、トラガカントゴム、並びにゼラチンを含む結合剤;(2)様々なデンプン、ラクトース、ラクトース一水和物、及び無水ラクトース等の充填剤;(3)アルギン酸、プリモゲル、コーンスターチ、軽度架橋ポリビニルピロリドン、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、及び加工デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロス-ポビドン(cross-povidone)、デンプングリコール酸ナトリウム、並びにその混合物等の崩壊剤;(4)圧縮される対象となる粉末の流動性に作用し、ステアリン酸マグネシウム、アエロジル(Aerosil)200等のコロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、及びシリカゲルを含む作用物質を含めた滑沢剤;(5)コロイド状二酸化ケイ素等の流動促進剤;(6)ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸及びその塩、ブチルパラベン等のパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチル若しくはベンジルアルコール等のアルコール、フェノール等のフェノール化合物、又は塩化ベンザルコニウム等の第4級化合物等の防腐剤;(7)微結晶セルロース、ラクトース、リン酸カルシウム二塩基性、サッカリド等の薬学的に許容できる不活性充填剤等の希釈剤、並びに/或いは前述のもののいずれかの混合物を含み;希釈剤の例は、アビセルPH101及びアビセルPH102等の微結晶セルロース;ラクトース一水和物、無水ラクトース、及びファーマトース(Pharmatose)DCL21等のラクトース;エムコンプレス(Emcompress)等のリン酸カルシウム二塩基性;マンニトール;デンプン;ソルビトール;スクロース;及びグルコース;(8)スクロース、サッカリンスクロース、キシリトール、サッカリンナトリウム、チクロ、アスパルテーム、及びアセスルファム等、任意の天然又は人工甘味料を含めた甘味剤;(9)ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香味料、マグナスイート(Magnasweet)(MAFCOの商標)、バブルガム香味料、果実香味料等の香味剤;並びに(10)有機酸とカーボネート又はバイカーボネート等の発泡性カップルを含めた発泡剤を含む。
【0076】
[実施例]
本発明は、以下の実施例によってさらに記載されるが、本発明の範囲は、記載される実施例に限定されるわけではない。
【0077】
材料及び方法
タンパク質-SELEX:DKK1に対するアプタマーを、Ni-NTAビーズに基づくSELEX法によってスクリーニングした。要するに、His6タグ付DKK-1をNi-NTAビーズとともにまずインキュベートして、タンパク質結合Ni-NTA磁気ビーズを形成した。次いで、そのような複合体をssDNAランダムライブラリーとともに室温でインキュベートして、ssDNA-タンパク質結合Ni-NTA磁気ビーズ複合体を形成した。洗浄した後、ssDNA-タンパク質結合Ni-NTA磁気ビーズ複合体を、フォワードプライマー及びビオチン化リバースプライマーを用いたPCRを実施するための鋳型として使用する。メーカーのプロトコールに従い、ストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズによって、ssDNAを再生させた。ssDNAプールを、次のラウンドのSELEXに使用した。第4ラウンドから、進化したssDNAプールを、逆選択のためにNi-NTAビーズ又は非標的タンパク質とともにインキュベートした。次いで、結合していないssDNAを逆選択及び陰性選択から回収し、DKK1結合Ni-NTA磁気ビーズに適用した。ラウンド10、16、18、及び20からのssDNA産物を使用して、初回ランダムライブラリーと比較した、選択過程における富化の程度を判定した。最も高い結合親和性を有するssDNAライブラリーをクローニングし、シーケンシングした。
【0078】
酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA):ウェルあたり160ng DKK1、及び陰性標的を、疎水性相互作用により、4℃で一晩インキュベートすることによって、96ウェルマイクロタイタープレートにおいてコートした。ウェルにおける非結合部位を、雄牛血清アルブミン(BSA)で室温にて1時間ブロッキングし、次いでDNA結合緩衝液で各5分間4回洗浄した。適当な濃度を有するビオチン化アプタマー候補/RSを各ウェルに添加し、連続的に穏やかに振とうしながら室温で45分間インキュベートした。結合後、プレートを洗浄緩衝液で各5分間4回洗浄して、非特異的な及び弱く結合している配列を除去した。100μlストレプトアビジン-ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)(PBST+0.1%BSAに1:10000希釈)を各ウェルに添加し、30分間インキュベートし、結合緩衝液で4回洗浄した。HRP基質としての50μl 3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)を各ウェルに添加し、20分間インキュベートした。50μl 2M H2SO4を添加して反応を終結させた。450nmにおける吸光度を、マイクロプレートリーダー(Molecular Device i3x)で測定した。データをOriginソフトウェアで分析した。結合曲線を作成し、非線形曲線フィッティングモデルロジスティックを用いてKDを算出した。
【0079】
TCF-wnt誘導性ルシフェラーゼ活性アッセイ:HEK293T細胞に、TOPFlash、FOPFlash、Wnt3a、及びDKK1構築物を含めた対応するプラスミドを共トランスフェクトした。等量のキャリアをトランスフェクションのたびに使用した。トランスフェクションの24時間後に、培養培地を置き換えた。細胞を、1μMの対応するアプタマー候補を含有する順化培養培地で処理した。阻害効果を判定するために、細胞を、勾配濃度を有するアプタマー候補で処理する。処理の24時間後、細胞を100μlの溶解緩衝液で溶解し、20μlを分析のために採取した。阻害効果をプロトコール(デュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイ、Promega)に従って算出した。
【0080】
結合能アッセイ:トランスフェクションの48時間後、培養培地を15ml遠心分離チューブに回収し、3000rpmで10分間遠心分離した。2mlの上清を、30μl NTA磁気ビーズとともに室温で1時間インキュベートした(Saiyed、Telangら、2003)。ビーズをPBSで2回洗浄することによって、結合していないタンパク質を除去することができる。その後、ビーズ-DKK1複合体を、20μlの総容積で250nM FAMタグ付aptdkk5sとともに室温で45分間インキュベートした。インキュベーションの後、ビーズ複合体をPBSで2回洗浄して、結合していないDNAを除去した。次いで、蛍光シグナルを倒立蛍光顕微鏡の下で検出した。
【0081】
DNA検出:すべてのアプタマーサンプルのバンド密度を、モレキュラーイメージャー(Bio-Rad)によって測定した(Klussmann、Nolteら1996、Siller-Matula、Merhiら2012)。
【0082】
実施例1:NTA磁気ビーズに固定された組み換えHis6-DKK1
Ni-NTA磁気アガロースビーズを5%(v/v)懸濁液で提供し、6×Hisタグ付タンパク質へのNi-NTA磁気アガロースビーズの結合能は、懸濁液のミリリットルあたり300μgタンパク質(約24kDa)であった。後続の第1ラウンドのSELEXにおいて磁気ビーズに0.2nmolのDKK1を固定するために、組み換えHis6-DKK1及びNTA磁気ビーズの量及び比を最適化した。0.8nmolタンパク質+10μl磁気ビーズ、0.6nmolタンパク質+10μl磁気ビーズ、0.4nmolタンパク質+10μl磁気ビーズ、0.8nmolタンパク質+6μl磁気ビーズ、0.6nmolタンパク質+6μl磁気ビーズ、及び0.4nmolタンパク質+6μl磁気ビーズを4℃で60分間インキュベートした。インキュベーションの後、タンパク質-ビーズ複合体をSDS-PAGEによって分析した。結果によれば、最適な条件は、0.6nmol His6-DKK1及び6μL NTAアガロース磁気ビーズであった(
図1)。それゆえ、そのような条件を以下の調査に使用した。
【0083】
実施例2:全長DKK1を標的にするアプタマーのSELEX
His6タグを有する組み換えヒトDKK-1をNi-NTA磁気ビーズに固定し、フォワード選択標的として使用した。ブランクNi-NTAビーズ、及びHis6タグを有する他のタンパク質を、陰性選択標的として使用した。フォワード選択の各ラウンド後に回収されたssDNAプールをPCRによって増幅し、ssDNA再生の前にアガロースゲル電気泳動によって検出した(
図2)。PCRサイクルをモニターして、PCRにおける非特異的副産物を回避した。20ラウンドのSELEXを実施した。
【0084】
実施例3:シーケンシングデータの分析
第10ラウンド及び最終ラウンドのssDNAプールを次世代シーケンシングによってシーケンシングした。第10ラウンドにおいて富化された配列はなく、一方で最終ラウンドには富化された配列が現れた(表1)。それゆえ、最も高い発生率を有する20種の潜在的配列を、最終的に富化されたssDNAプールにおいて特定し、Aptdkk-1~20と名付けた(表2)。クラスターオメガ(Cluster Omega)を使用した多重配列アライメント結果に従い、これらの配列を2つの群に分割することができた(
図3)。第1の群は、明らかにグアニンに富み(赤色のボックスに示される)、一方で第2の群は、Gリッチでない配列であった(青色のボックスに示される)。
【0085】
【0086】
【0087】
実施例4:G-群様態の予測
Gリッチな配列は、安定ならせん形状を有し、1本、2本、又は4本の鎖によって形成されることができるグアニンテトラッドを含有する、特別なG-4重鎖構造を典型的に形成した。次いで、Gリッチな配列を、潜在的G群のQGRS、及び単分子4重鎖を形成するそれら配列の傾向についてのGスコアによって分析した。通常、Gスコアを算出する場合、予測QGRSにおけるギャップのサイズ及び分布を考慮した。より高いスコアを有する配列ほど、G-4重鎖のより優れた候補になることができた。分析結果によれば、これらすべての配列は、2本のG鎖を形成することができる2つのGテトラッドを有した(表3)。Gスコアはすべて19~20前後であった。加えて、ギャップの分布は、同様のパターンで示された。安定なG-4重鎖を形成するそれら配列の能力は非常に同様であることが示された。
【0088】
【0089】
実施例5:代表的なアプタマー候補の特異性
DKK-1に対する1μMの各アプタマー/RSの特異性を、最も高い発生率を有する20種の潜在的配列(表4)に関してELONAによって判定し、450nmにおける吸光度を検出した。ブランク対照と比較して、候補3を除くアプタマー候補のほとんどは、有意により高い吸光度を示した(
図4)。
【0090】
【0091】
実施例6:代表的なアプタマー候補の親和性
有意な特異性を有するアプタマー候補、及び陰性対照としての候補3を使用して、DKK1に対する結合親和性を判定した。候補1、2、4、及び14は、(0、62.5nM、125nM、250nM、500nM、1000nM、2000nM、及び4000nM)の濃度を有し、候補7、10、15、及び16は、(0、23.44nM、46.86nM、93.75nM、187.5nM、375nM、750nM、及び1500nM)の濃度を有し、他の候補は、(0、0.18nM、0.74nM、2.96nM、11.84nM、47.35nM、189.39nM、及び757.58nM)の濃度を有した。各候補の結合曲線を、
図5及び表5に示した。11種のアプタマー候補は、DKK1に対する高い親和性(低いK
d値)を示した。6種の候補(aptdkk-5、13、20、19、6、及び1)はGに富んでいた。他の5種の配列(aptdkk-9、18、12、17、及び8)はGに富んでいなかった。
【0092】
【0093】
実施例7:代表的なアプタマー候補の阻害効果
未処理群と比較して、aptdkk-5、19、及び20で処理された細胞は、より高いルシフェラーゼシグナルを示し、それらアプタマー候補が、DKK1によるWntシグナル伝達の阻害を解放することができることを示した(
図6)。しかしながら、他のアプタマー候補で処理された細胞は、未処理群と同様のルシフェラーゼシグナルを示した。それゆえ、aptdkk-5、19、及び20は、Wntシグナル伝達に対するDKK1の拮抗効果を阻害することができた。
【0094】
実施例8:代表的なアプタマー候補の阻害効力
算出によれば、aptdkk-5の阻害効力はIC
50=754±29nMであり、aptdkk-20の阻害効力はIC
50=1504±39nMであった。候補19のデータは、試験された濃度のフィッティング曲線にフィットせず、より高いIC
50を示した(
図7)。この結果は、aptdkk-5及びaptdkk-20が両方とも、DKK1によるWntシグナル伝達の阻害に対する阻害効果を示し、一方でaptdkk-19の効果が相対的に弱いことを示した。
【0095】
実施例9:短縮aptdkk-5の特異性
DKK-1に対する100nM/1nMの各アプタマー/RSの特異性を、aptdkk5の24種の短縮配列及び元のaptdkk5(表6)に関してELONAによって判定し、450nmにおける吸光度を検出した。濃度が100nMである場合、apt5-1-38、apt5-1-35、apt5-1-62、又はapt5-1-59と元のaptdkk5との間に、吸光度の有意な差又はわずかな差はなかった(
図8a)。濃度が1nMである場合、apt5-1-50、apt5-1-47、apt5-1-44、apt5-1-41、apt5-1-38、apt5-1-35、apt5-1-65、apt5-1-62、apt5-1-59、又はapt5-1-53と元のaptdkk5との間に、吸光度の有意な差又はわずかな差はなかった(
図8b)。これらアプタマーの特異性及び長さを考慮した後、apt5-1-44、apt5-1-41、apt5-1-38、及びapt5-1-35を選択して、DKK1に対する結合親和性を判定した。
【0096】
【0097】
実施例10:短縮aptdkk-5の親和性
有意な特異性を有するアプタマー候補(apt5-1-44、apt5-1-41、apt5-1-38、及びapt5-1-35)、及び陽性対照としての元のaptdkk5を使用して、DKK1に対する結合親和性を判定した。元のaptdkk5及びapt5-1-44は、(0.15625nM、0.625nM、1.25nM、2.5nM、5nM、10nM、50nM、及び100nM)の濃度を有し、apt5-1-41、apt5-1-38、及びapt5-1-35は、(0、1.5625nM、3.125nM、6.25nM、12.5nM、25nM、及び50nM)の濃度を有した。各候補の結合曲線を、
図9に示した。11種のアプタマー候補は、DKK1に対する高い親和性(低いK
d値)を示した。これら4種の候補の中で、apt5-1-38は、DKK1に対する最も高い親和性を示し、そのため、apt5-1-38をさらなる調査のための最適アプタマーとして選択した。
【0098】
実施例11:DKK1との短縮Aptdkk5(Aptdkk5s)の結合部位に関する調査
DKK-1に対する特異性を、aptdkk5sの13種の変異配列及び元のaptdkk5s(実施例10におけるapt5-1-38)(表7)に関して、1μMの各アプタマー/RSを用いてELONAによって判定し、450nmにおける吸光度を検出した。ブランク対照と比較して、候補アプタマーのほとんど、とりわけaptdkk5s-3、aptdkk5s-9、及びaptdkk5s-11は、有意により低い吸光度を示し(
図10)、これらアプタマーの配列が、DKK1とのaptdkk5sの結合部位であることがあることを示した。aptdkk5sへのDKK1結合のドメインを特定するために、HEK293T細胞トランスフェクションのための野生型DKK1プラスミド又は3種の短縮DKK1(配列番号73の残基1~91、1~142、及び1~178)プラスミドを、Hisタグを有するベクターpCS2において構築することに成功した。タンパク質-ビーズ複合体をSDS-PAGEゲル電気泳動に適用し、pCS2-DKK1-His-flag(S4)、pCS2-DKK1-ΔC-His-flag(S3)、及びpCS2-DKK1-ΔC&L2-His-flag(S2)の発現を検証した(
図11)。蛍光画像結果によれば、aptdkk5sは全長DKK1に有意に結合し、一方で大部分は他の短縮DKK1に結合しなかったことがわかり、DKK1のCドメイン(178~266aa)が、aptdkk5sとのDKK1の結合ドメインであることがあることを示した(
図12)。
【0099】
【0100】
実施例12:化学修飾されたaptdkk5sの特異性及び親和性
dkk5s-2G-indT及びdkk5s-OM-indTを含めた、aptdkk5sのIDT修飾を以下の特徴付けに適用した。修飾された及び元のaptdkk5sの両方とも、有意に高い吸光度を示し(>2)、一方ですべての修飾されたaptdkk5sの吸光度は、元のaptdkk5sのものよりもわずかに低く(
図13)、修飾されたaptdkk5sの特異性が非常に高いことを示した。その後、修飾されたアプタマー及び陽性対照としての元のaptdkk5sを使用して、種々の濃度(0、15.625nM、31.25nM、62.5nM、125nM、250nM、500nM、及び1000nM)を有するDKK1に対する結合親和性をELONAによって判定した。修飾されたaptdkk5s(dkk5s-2G-indT及びdkk5s-OM-indT)の両方とも、DKK1に対する高い親和性を示したが、元のaptdkk5sよりもわずかに低かった(より高いK
d値)(
図14)。
【0101】
実施例13:化学修飾されたaptdkk5sの血清安定性
修飾された及び修飾されていないアプタマーの血清代謝安定性をFBSにおいて評価した。アプタマーを、10%及び100%FBSで0~72時間処理した(
図15)。元のaptdkk5sは、10%FBSにおいて16時間インキュベートされた後に分解し始め、100%FBSにおいて2時間から分解し始めた。Dkk5s-2G-indTは、10%FBSにおいて72時間インキュベートされた後に分解し始め、100%FBSにおいて8時間から分解し始めた。Dkk5s-OM-indTは、10%FBSにおいて48時間インキュベートされた後に分解し始め、100%FBSにおいて8時間から分解し始めた。要するに、修飾されていないaptdkk5sと比較して、修飾されたaptdkk5sの血清安定性は有意に向上した。言い換えれば、IDTの3’逆位デオキシチミジン及びO-メチル修飾は両方とも、血清代謝安定性を増強した。
【0102】
実施例14:化学修飾されたaptdkk5sの阻害効力
細胞アッセイ結果によれば、上で記載される、修飾されたaptdkk-5(aptdkk5-OM-indT)の阻害効力はIC
50=383±64nMであり、一方で元のaptdkk-5の阻害効力はIC
50=754±29nMであった(
図16)。結果は、修飾されたaptdkk-5が、DKK1によるWntシグナル伝達の阻害に対するより高い阻害効果を有することを示した。
【0103】
実施例15:全長DKK1に対するアプタマーのさらなるSELEX
DKK1に対する最後の20ラウンドのSELEXについてのデータ分析によれば、20ラウンドのSELEXの配列富化は不十分であった。それゆえ、DKK1に対する付加的な10ラウンドのSELEXを、よりストリンジェントな条件下で実施して、より優れた富化を有するssDNAプールを獲得した(
図17及び18)。その後、19種の潜在的配列を、第30ラウンドにおいて富化されたssDNAライブラリーにおいて特定し、D30-1~D30-19と名付けた(表8)。
【0104】
【0105】
実施例16:第30ラウンドにおける代表的なアプタマー候補の特異性及び親和性
DKK-1に対する特異性を、第30ラウンドにおいて最も高い発生率を有する19種の潜在的配列に関して、1μMの各アプタマー/RSを用いてELONAによって判定した。結果は、アプタマーのほとんどが、キャリアと比較して有意により高い吸光度を示し、一方で候補3、7、8、及び12は、以前に特定されたアプタマーaptddk5sと比較してより高い吸光度を有することを示した(
図19)。次に、DKK1に対する結合親和性を、候補アプタマーに関してBLIによって判定した。DKK1タンパク質を、0nM、3.125nM、6.25nM、12.5nM、25nM、50nM、100nM、及び200nMの勾配濃度で適用した。候補5、6、及び11を除いて(表9及び
図20)、高い親和性を有する16種の候補が検出され、Kd値は1.67nM~23nMであった。
【0106】
【0107】
参考文献:
1. H Kagey M, Xi H. Rationale for targeting the Wnt signalling modulator Dickkopf-1 for oncology. Br J Pharmacol (2017) 174:4637-4650. doi:10.1111/bph.13894
2. D’Amico L, Mahajan S, Capietto AH, Yang Z, Zamani A, Ricci B, Bumpass DB, Meyer M, Su X, Wang-Gillam A, et al. Dickkopf-related protein 1 (Dkk1) regulates the accumulation and function of myeloid derived suppressor cells in cancer. J Exp Med (2016) 213:827-840. doi:10.1084/jem.20150950
3. Malladi S, MacAlinao DG, Jin X, He L, Basnet H, Zou Y, De Stanchina E, Massague J. Metastatic Latency and Immune Evasion through Autocrine Inhibition of WNT. Cell (2016) 165:45-60. doi:10.1016/j.cell.2016.02.025
4. Arend R, Castro C, Matulonis U, Hamilton E, Gunderson C, LyBarger K, Goodman H, Duska L, Mahdi H, ElNaggar A, et al. 76 Patients (PTS) with recurrent gynecologic cancer whose tumors have activating wnt pathway mutations respond better to DKN-01, a DICKKOPF-1 (DKK1) inhibitor. Int J Gynecol Cancer (2019) 29:A40. doi:10.1136/ijgc-2019-igcs.76
5. Arend RC, Castro CM, Matulonis UA, Hamilton E, Gunderson CC, Lybarger KSS, Kagey M, Sirard C, Birrer MJ. Safety and efficacy of a DKK1 inhibitor (DKN-01) as monotherapy or in combination with paclitaxel in patients with Wnt activated recurrent gynecologic malignancies. Gynecol Oncol (2019) 154:34. doi:10.1016/j.ygyno.2019.04.080
6. Jayasena SD. Aptamers: An emerging class of molecules that rival antibodies in diagnostics. Clin Chem (1999) 45:1628-1650. doi:10.1093/clinchem/45.9.1628
7. Boylan MO, Athanassiou M, Houle B, Wang Y, Zarbl H. Activation of tumor suppressor genes in nontumorigenic revertants of the HeLa cervical carcinoma cell line. Cell Growth Differ (1996)
8. Largy E, Mergny J-L, Gabelica V. “Role of Alkali Metal Ions in G-Quadruplex Nucleic Acid Structure and Stability,” in doi:10.1007/978-3-319-21756-7_7
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10. Sundquist WI, Klug A. Telomeric DNA dimerizes by formation of guanine tetrads between hairpin loops. Nature (1989) doi:10.1038/342825a0
【0108】
配列表
配列番号1
CGTACGGTCGACGCTAGCTGTGGTTATGGGGTTGGTGGGTGGGTTCTTACGGAGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号2
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGTTGGGGTGGGTTGGTGGGTATTTTGGCGGTGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号3
CGTACGGTCGACGCTAGCTAACTGTCCGACGCGTCTTTCACTTTCTCCCGCCGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号4
CGTACGGTCGACGCTAGCTGCACGCTTTTCCCTCCTTTTCTCGTCTGACCGCGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号5
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号6
CGTACGGTCGACGCTAGCCCGGTTGCAATGGTTGGGGTGGTTGGTTTTGCATGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号7
CGTACGGTCGACGCTAGCAGCCCCCTTCCTTTCTTCCTCGACCTCCCTCCGCAGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号8
CGTACGGTCGACGCTAGCTGCCACCCCTGTTTTCCACATTTTCCTCGACCGCGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号9
CGTACGGTCGACGCTAGCTACACCCCTTCCTGTTCTATTCTTCCTGCCTTGCGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号10
CGTACGGTCGACGCTAGCACTCTCCACGTTTTTCCACCTCCTTCCTCCTTTGCGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号11
CGTACGGTCGACGCTAGCCATCCAGCTCCCTTTATTCCCTCTGTACCCTCCTGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号12
CGTACGGTCGACGCTAGCTCCCCTCATAATCCGACTTTTTCCCTCCCCCTCCCGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号13
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGTGGGGGTGGGTGGTGGGTTGTATCGTTTGAGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号14
CGTACGGTCGACGCTAGCCTGTGCAGTTGGTTGGTTATGGTTGGGACTGTCAGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号15
CGTACGGTCGACGCTAGCACGTTCAGATACCTTTTTTCCCCTTTGTTCTGCCGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号16
CGTACGGTCGACGCTAGCTACACGCCATCGGTGCCCTTTTCTCTTCTTGTCTGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号17
CGTACGGTCGACGCTAGCTACTTCTCCACGTCTCTTTCCCTGTCCCCTTCGCAGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号18
CGTACGGTCGACGCTAGCTCCACCCAATTCTCTTCCCGTCTTTCCTGCACATGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号19
CGTACGGTCGACGCTAGCATAGGTTGGGTAGGTTGGTTGCTTTTTTTGTCGCGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号20
CGTACGGTCGACGCTAGCCGTAGGGAGGTGGGTGGGTATTTCTCTCTGTCGTGGGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号21 Apt5-4-71
ACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号22 Apt5-7-71
GTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号23 Apt5-10-71
GACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号24 Apt5-13-71
GCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号25 Apt5-16-71
AGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号26 Apt5-19-71
TGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号27 Apt5-19-53
TGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCG
配列番号28 Apt5-22-71
TGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号29 Apt5-25-71
TTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号30 Apt5-28-71
GGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号31 Apt5-31-71
TGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号32 Apt5-34-71
GTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCTACG
配列番号33 Apt5-1-50
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGG
配列番号34 Apt5-1-47
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCG
配列番号35 Apt5-1-44
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGT
配列番号36 Apt5-1-41
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGT
配列番号37 Apt5-1-38
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号38 Apt5-1-35
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGT
配列番号39 Apt5-1-68
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGACGCT
配列番号40 Apt5-1-65
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTCGAC
配列番号41 Apt5-1-62
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACGGTC
配列番号42 Apt5-1-59
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGTACG
配列番号43 Apt5-1-56
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCGCGT
配列番号44 Apt5-1-53
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCG
配列番号45
TGTGGTTATGGGGTTGGTGGGTGGGTTCTTACGGA
配列番号46
TGGTGTTGGGGTGGGTTGGTGGGTATTTTGGCGGT
配列番号47
TAACTGTCCGACGCGTCTTTCACTTTCTCCCGCCG
配列番号48
TGCACGCTTTTCCCTCCTTTTCTCGTCTGACCGCG
配列番号49
TGGTGGTTGGGGTGGGTGGTGGTTGTTCGTGGCCG
配列番号50
CCGGTTGCAATGGTTGGGGTGGTTGGTTTTGCATG
配列番号51
AGCCCCCTTCCTTTCTTCCTCGACCTCCCTCCGCA
配列番号52
TGCCACCCCTGTTTTCCACATTTTCCTCGACCGCG
配列番号53
TACACCCCTTCCTGTTCTATTCTTCCTGCCTTGCG
配列番号54
ACTCTCCACGTTTTTCCACCTCCTTCCTCCTTTGC
配列番号55
CATCCAGCTCCCTTTATTCCCTCTGTACCCTCCTG
配列番号56
TCCCCTCATAATCCGACTTTTTCCCTCCCCCTCCC
配列番号57
TGGTGTGGGGGTGGGTGGTGGGTTGTATCGTTTGA
配列番号58
CTGTGCAGTTGGTTGGTTATGGTTGGGACTGTCA
配列番号59
ACGTTCAGATACCTTTTTTCCCCTTTGTTCTGCCG
配列番号60
TACACGCCATCGGTGCCCTTTTCTCTTCTTGTCTG
配列番号61
TACTTCTCCACGTCTCTTTCCCTGTCCCCTTCGCA
配列番号62
TCCACCCAATTCTCTTCCCGTCTTTCCTGCACATG
配列番号63
ATAGGTTGGGTAGGTTGGTTGCTTTTTTTGTCGCG
配列番号64
CGTAGGGAGGTGGGTGGGTATTTCTCTCTGTCGTG
配列番号65 QGRS-6
GGTTGGGGTGGTTGG
配列番号66 QGRS-20
GGGAGGTGGGTGGG
配列番号67 QGRS-19
GGTTGGGTAGGTTGG
配列番号68 QGRS-14
GGTTGGGTAGGTTGG
配列番号69 QGRS-13
GGGTGGGTGGTGGG
配列番号70 QGRS-5
GGTTGGGGTGGGTGGTGG
配列番号71 QGRS-1
GGTTGGTGGGTGGG
配列番号72 QGRS-2
GGTGGGTTGGTGGG
配列番号73 ヒトDKK1アミノ酸配列
MMALGAAGATRVFVAMVAAALGGHPLLGVSATLNSVLNSNAIKNLPPPLGGAAGHPGSAVSAAPGILYPGGNKYQTIDNYQPYPCAEDEECGTDEYCASPTRGGDAGVQICLACRKRRKRCMRHAMCCPGNYCKNGICVSSDQNHFRGEIEETITESFGNDHSTLDGYSRRTTLSSKMYHTKGQEGSVCLRSSDCASGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHRRKGSHGLEIFQRCYCGEGLSCRIQKDHHQASNSSRLHTCQRH
配列番号74 Aptdkk5s-1
AAAACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号75 Aptdkk5s-2
CGTAAAGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号76 Aptdkk5s-3
CGTACGAAAGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号77 Aptdkk5s-4
CGTACGGTCAAAGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号78 Aptdkk5s-5
CGTACGGTCGACAAAAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号79 Aptdkk5s-6
CGTACGGTCGACGCTAAATGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号80 Aptdkk5s-7
CGTACGGTCGACGCTAGCAAATGGTTGGGGTGGGTGGT
配列番号81 Aptdkk5s-8
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGAAATTGGGGTGGGTGGT
配列番号82 Aptdkk5s-9
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGAAAGGGTGGGTGGT
配列番号83 Aptdkk5s-10
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGAAATGGGTGGT
配列番号84 Aptdkk5s-11
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGAAAGTGGT
配列番号85 Aptdkk5s-12
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGAAAGT
配列番号86 Aptdkk5s-13
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGAA
配列番号87 D30-1
ATGTCCATTTGCGAGTAGGTGTTTGAGTGAGGTGA
配列番号88 D30-2
CATTGTCTCAGCGCATGTGTTCAGTTCTTGTGTGT
配列番号89 D30-3
CTTCTTGTCCCTCGATGTGTTCAGTGTTTGTGTGT
配列番号90 D30-4
TGCTGAACTTTACGTGATTCTAGTCGCTGACCGCG
配列番号91 D30-5
ATAGGTTGGGTAGGTTGGTTGCTTTTTTTGTCGCG
配列番号92 D30-6
TCAGTGTCGTAAAGTGTGTCCCTTTCTTTACGCGC
配列番号93 D30-7
TGTAGATAGAGGGGTTGGTGTGGTTGGCGCTATCC
配列番号94 D30-8
TGCATCTTCCTTCTTCGATTCTATGCTCGGCCGCG
配列番号95 D30-9
CTGTTCTAACGTGGTTGACCCCCCTTTGCTTTGAC
配列番号96 D30-10
TCCTCTTCCTTTGGCTAGGTTGGTTAGGTTGGTGC
配列番号97 D30-11
TGGTGTGGGGGTGGGTGGTGGGTTGTATCGTTTGA
配列番号98 D30-12
TCGTGCTTGATTCCATGCTTGGCCGCCTTCTCGTG
配列番号99 D30-13
TATGGTTTCCCTACATGTGTTCAGTGTTTGTGTGT
配列番号100 D30-14
ATGCCCCTCCTCTGTTGAACTGTTTACCCCTTTGA
配列番号101 D30-15
AATTTCGATAGTCCATGTGTTCAGTGCCTGTGTGT
配列番号102 D30-16
ATGTAAATCGATTCCTCTGGCCGCATCGCGCTTTA
配列番号103 D30-17
CAGTCTTAGTGCTCATGTGTTCAGTGTTTGTGTGT
配列番号104 D30-18
TCTGCTTTCACGTACTAGGTTGGTTAGGTTGGTGT
配列番号105 D30-19
TACCTTCTGCTCGATGTGTTCAGTGTGTTGTGTGT
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DKK1に対するアプタマーであって、
i)配列番号1~20のいずれか1つと少なくと
も90%、少なくと
も91%、少なくと
も92%、少なくと
も93%、少なくと
も94%、少なくと
も95%、少なくと
も96%、少なくと
も97%、少なくと
も98%、若しくは少なくと
も99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか;又は
ii)配列番号1~20のいずれか1つの中の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、若しくはそれを上回る数の連続ヌクレオチドを含むか;又は
iii)配列番号45~64のいずれか1つと少なくと
も90%、少なくと
も91%、少なくと
も92%、少なくと
も93%、少なくと
も94%、少なくと
も95%、少なくと
も96%、少なくと
も97%、少なくと
も98%、若しくは少なくと
も99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか;又は
iv)配列番号87~105のいずれか1つと少なくと
も90%、少なくと
も91%、少なくと
も92%、少なくと
も93%、少なくと
も94%、少なくと
も95%、少なくと
も96%、少なくと
も97%、少なくと
も98%、若しくは少なくと
も99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、
DKK1に特異的に結合する、アプタマー。
【請求項2】
配列番号1~64及び87~105のいずれか1つの配列を含む、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項3】
配列番号5、20、35~38、49、又は64に示されるヌクレオチド配
列を含む、請求項1に記載のアプタマー。
【請求項4】
350nM未
満の、DKK1に対するK
dを有する、請求項
1に記載のアプタマー。
【請求項5】
DKK1の生物学的活性を阻害することができる、請求項
1に記載のアプタマー。
【請求項6】
細胞ベースのWntシグナル伝達アッセイにおいてDKK1の拮抗効果を遮断することができる、請求項
1に記載のアプタマー。
【請求項7】
DKK1の生物学的活性を阻害す
ることに対して、2000nM未満
のIC50値を有する、請求項
1に記載のアプタマー。
【請求項8】
増強したヌクレアーゼ耐性を前記アプタマーに付与する及び/又は前記アプタマーのインビボ半減期を増強する1種又は複数の修飾を含む、請求項
1に記載のアプタマー。
【請求項9】
2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、請求項
1に記載のアプタマー。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のDKK1に対するアプタマーの治療有効量を
含む、DKK1関連疾患を治療するための医薬組成物。
【請求項11】
前記DKK1関連疾患が
、DKK1関連がん並びにその任意の転移である、請求項10に記載の
医薬組成物。
【請求項12】
前記DKK1関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症、及び骨髄腫から選択される、請求項10に記載の
医薬組成物。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載のDKK1に対する少なくとも1種のアプタマー、及び薬学的に許容できるキャリア又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項14】
DKK1関連疾患を治療するための医薬の調製における、請求項1~9のいずれか一項に記載のDKK1に対するアプタマ
ーの、使用。
【請求項15】
前記DKK1関連疾患が
、DKK1関連がん並びにその任意の転移である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記DKK1関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症、及び骨髄腫から選択される、請求項14に記載の使用。
【国際調査報告】