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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電池パックおよびその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/382 20190101AFI20240920BHJP
   G01R 31/385 20190101ALI20240920BHJP
   H02H 3/00 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G01R31/382
G01R31/385
H02H3/00 L
H02J7/00 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515898
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 KR2022014473
(87)【国際公開番号】W WO2023055038
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0129269
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ス・イ
【テーマコード(参考)】
2G216
5G142
5G503
【Fターム(参考)】
2G216BA01
2G216BB11
2G216BB13
5G142AA03
5G142AA15
5G142AC06
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503CA01
5G503FA14
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
本文書に開示された一実施形態に係る電池パックは、電池セルと、前記電池セルと第1ラインおよび第2ラインを介して連結される電池管理装置と、前記第1ラインと前記第2ラインを連結する第3ラインの電流を検知する検知部と、前記第3ラインの電流の検知有無に基づいて前記第1ラインの断線の発生有無を判断する判断部と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルと、
前記電池セルと第1ラインおよび第2ラインを介して連結される電池管理装置と、
前記第1ラインと前記第2ラインを連結する第3ラインの電流を検知する検知部と、
前記第3ラインの電流の検知有無に基づいて前記第1ラインの断線の発生有無を判断する判断部と、
を含む、電池パック。
【請求項2】
前記検知部は、
フォトカプラ(Photo Coupler)を含み、前記フォトカプラに含まれたダイオードは、前記第3ラインに連結されることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記判断部は、
前記フォトカプラに電流が流れる場合に、前記第1ラインが断線したと判断することを特徴とする、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記判断部は、MCU(Micro Controller Unit)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項5】
前記判断部は、前記電池管理装置に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池管理装置は、
前記第1ラインを介して電源の供給を受け、前記第1ラインが断線した場合に前記第3ラインを介して電源の供給を受けることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記第1ラインおよび前記第2ラインには、
抵抗が連結されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記第1ラインは第1電源供給ラインであり、前記第2ラインは電圧センシングラインであり、前記第3ラインは第2電源供給ラインであることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
前記第1ラインは前記電池管理装置の第1グラウンドラインであり、前記第2ラインは前記電池セルの電圧センシングラインであり、前記第3ラインは前記電池管理装置の第2グラウンドラインであることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記電池セルは複数であり、前記第2ラインは前記複数の電池セルのうち最上位電池セルの電圧センシングラインであることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項11】
前記電池セルは複数であり、前記第2ラインは前記複数の電池セルのうち最下位電池セルの電圧センシングラインであることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項12】
第1ラインおよび第2ラインを連結する第3ラインの電流を検知するステップ、前記第1ラインおよび前記第2ラインは電池セルと電池管理装置を連結し、および
前記検知された第3ラインの電流に基づいて前記第1ラインの断線の発生有無を判断するステップ
を含み、
前記電池管理装置は、前記第1ラインを介して電源の供給を受け、前記第1ラインが断線した場合に前記第3ラインを介して電源の供給を受ける、電池パックの動作方法。
【請求項13】
前記検知された第3ラインの電流に基づいて前記第1ラインの断線の発生有無を判断するステップは、
フォトカプラに電流が流れるか否かを判断するステップと、
前記フォトカプラに電流が流れると判断した場合に、前記第1ラインの断線が発生したと判断するステップと、を含むことを特徴とする、請求項12に記載の電池パックの動作方法。
【請求項14】
前記電池セルは複数であり、前記第2ラインは前記複数の電池セルのうち最上位電池セルの電圧センシングラインであることを特徴とする、請求項12又は13に記載の電池パックの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年09月29日付けの韓国特許出願第10-2021-0129269号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本文書に開示された実施形態は、電池パックおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充放電が可能な電池であり、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などと、最近のリチウムイオン電池とをいずれも含む意味である。二次電池の中でも、リチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などに比べて、エネルギー密度が遥かに高いという長所がある。また、リチウムイオン電池は、小型、軽量に作製することができるため、移動機器の電源として用いられており、近年、電気自動車の電源にまでその使用範囲が拡張され、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目を浴びている。
【0003】
電池管理装置は、電池セルの電圧を正確に測定するために、電池から電源の供給を受けるラインと、電池セルそれぞれの電圧センシングラインが分離される。電池管理装置の使用中に電池から電源の供給を受けるラインが断線すると、電池管理装置が動作を中止することになり、電池パック全体の使用が中止される問題が発生し得る。したがって、電池管理装置は、電源供給ラインが断線した場合にも、他のラインを介して電源の供給を受けるように設計されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本文書に開示された実施形態の一目的は、電池から電池管理装置に電源を供給するラインの断線を検知することができる電池パックおよびその動作方法を提供することにある。
【0005】
本文書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書に開示された一実施形態に係る電池パックは、電池セルと、前記電池セルと第1ラインおよび第2ラインを介して連結される電池管理装置と、前記第1ラインと前記第2ラインを連結する第3ラインの電流を検知する検知部と、前記第3ラインの電流の検知有無に基づいて前記第1ラインの断線の発生有無を判断する判断部と、を含むことができる。
【0007】
一実施形態において、前記検知部は、フォトカプラ(Photo Coupler)を含み、前記フォトカプラに含まれたダイオードは、前記第3ラインに連結されることができる。
【0008】
一実施形態において、前記判断部は、前記フォトカプラに電流が流れる場合に、前記第1ラインが断線したと判断することができる。
一実施形態において、前記判断部は、MCU(Micro Controller Unit)を含むことができる。
【0009】
一実施形態において、前記電池管理装置は、前記第1ラインを介して電源の供給を受け、前記第1ラインが断線した場合に前記第3ラインを介して電源の供給を受けることができる。
【0010】
一実施形態において、前記第1ラインおよび前記第2ラインには、抵抗が連結されることができる。
一実施形態において、前記第1ラインは第1電源供給ラインであり、前記第2ラインは電圧センシングラインであり、前記第3ラインは第2電源供給ラインであってもよい。
【0011】
一実施形態において、前記第1ラインは前記電池管理装置の第1グラウンドラインであり、前記第2ラインは前記電池セルの電圧センシングラインであり、前記第3ラインは前記電池管理装置の第2グラウンドラインであってもよい。
【0012】
一実施形態において、前記電池セルは複数であり、前記第2ラインは前記複数の電池セルのうち最下位電池セルの電圧センシングラインであってもよい。
一実施形態において、前記電池セルは複数であり、前記第2ラインは前記複数の電池セルのうち最上位電池セルの電圧センシングラインであってもよい。
【0013】
本文書に開示された一実施形態に係る電池パックの動作方法は、第1ラインおよび第2ラインを連結する第3ラインの電流を検知するステップ、前記第1ラインおよび前記第2ラインは電池セルと電池管理装置を連結し、および前記検知された第3ラインの電流に基づいて前記第1ラインの断線の発生有無を判断するステップを含み、前記電池管理装置は、前記第1ラインを介して電源の供給を受け、前記第1ラインが断線した場合に前記第3ラインを介して電源の供給を受けることができる。
【0014】
一実施形態において、前記検知された第3ラインの電流に基づいて前記第1ラインの断線の発生有無を判断するステップは、フォトカプラに電流が流れるか否かを判断するステップと、前記フォトカプラに電流が流れると判断した場合に、前記第1ラインの断線が発生したと判断するステップと、を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記電池セルは複数であり、前記第2ラインは前記複数の電池セルのうち最上位電池セルの電圧センシングラインであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本文書に開示された一実施形態に係る電池パックおよびその動作方法は、最上位電池セルの電圧センシングラインから電池管理装置に電源を供給するラインに流れる電流を検知し、電池管理装置の電源供給ラインの断線を判断することができる。
【0017】
本文書に開示された一実施形態に係る電池パックおよびその動作方法は、電池管理装置に電源を供給するラインが断線しても、電池パックの使用が中断されないように管理することができる。
【0018】
本文書に開示された一実施形態に係る電池パックおよびその動作方法は、最上位電池セルのセンシング電圧の降下により電池管理装置に電源を供給するラインの断線を判断する技術よりも正確に断線有無を判断することができる。
この他に、本文書により、直接的または間接的に把握される多様な効果が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを示す図である。
図2】本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを示す図である。
図3】本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを具体的に示す図である。
図4】本文書に開示された他の実施形態に係る電池パックを示す図である。
図5】本文書に開示された一実施形態に係る電池パックの動作方法を示すフローチャートである。
図6】本文書に開示された一実施形態に係る電池パックの動作方法をより具体的に示すフローチャートである。
図7】本文書に開示された一実施形態に係る電池パックの制御方法を実現するコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本文書に開示された実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにおいて、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示される際にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本文書に開示された実施形態を説明するにおいて、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本文書に開示された実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0021】
本文書に開示された実施形態の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いてもよい。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されることはない。また、他に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0022】
図1は、本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを示す図である。
図1を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池パック100は、センサ101、スイッチング部102、電池モジュール110、および電池管理装置120を含むことができる。一実施形態において、電池パック100には、センサ101、リレー102、電池モジュール110、および電池管理装置120が複数備えられることができる。
【0023】
電池モジュール110は、充放電可能な1つ以上の電池セルを含むことができる。電池モジュール110は、複数の電池セル111、112を含むことができる。例えば、電池モジュール110は、n(nは2以上の自然数)個の電池セルを含んで構成されることができる。電池モジュール110は、対象装置(図示せず)に電源を供給することができる。このために、電池モジュール110は、対象装置と電気的に連結されることができる。ここで、対象装置は、複数の電池セル111、112を含む電池パック100から電源の供給を受けて動作する電気的、電子的、または機械的装置を含むことができる。
【0024】
複数の電池セル111、112は、リチウムイオン(Li-ion)電池、リチウムイオンポリマー(Li-ion polymer)電池、ニッケルカドミウム(Ni-Cd)電池、ニッケル水素(Ni-MH)電池などであってもよく、これに限定されない。一方、図1では電池モジュール110が1個である場合が示されているが、実施形態により、電池モジュール110は複数構成されてもよく、複数の電池モジュールは直列または並列に連結されていてもよい。
【0025】
センサ101は、電池パック100に流れる電流を検出することができる。この際、電流の検出信号は、電池管理装置120に伝達されることができる。
リレー102は、電池モジュール110の(+)端子側または(-)端子側に直列に連結され、電池モジュール110の充放電電流の流れを制御することができる。例えば、リレー102は、電池パック100の仕様に応じて少なくとも1つのリレー、電磁接触器などを用いることができる。
【0026】
電池管理装置120は、電池パック100の電圧、電流、温度などをモニターし、過充電および過放電などを防止するように制御管理することができ、例えば、電池管理装置120は、BMSであってもよい。
【0027】
電池管理装置120は、各種パラメータを測定した値の入力を受けるインターフェースであり、複数の端子、およびこれらの端子と連結され、入力を受けた値の処理を行う回路などを含むことができる。また、電池管理装置120は、リレー102のON/OFFを制御することもでき、電池モジュール110に連結され、電池モジュール110の状態を監視することができる。
【0028】
電池管理装置120は、電池モジュール110の状態および/または動作を管理および/または制御することができる。例えば、電池管理装置120は、電池モジュール110に含まれた複数の電池セル111、112の状態および/または動作を管理および/または制御することができる。電池管理装置120は、電池モジュール110の充電および/または放電を管理することができる。
【0029】
また、電池管理装置120は、電池パック100に含まれた電池セル111、112それぞれの電圧、電流、温度、絶縁抵抗などをモニターすることができる。電池管理装置120によるモニターのために、図示していないセンサや各種測定モジュールが充放電経路または電池モジュール110などの任意の位置にさらに設けられることができる。電池管理装置120は、モニターした電圧、電流、温度などの測定値に基づいて、電池モジュール110の状態を示すパラメータ、例えば、SOC(State of Charge)やSOH(State of Health)などを算出することができる。
【0030】
図2は、本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを示すブロック図である。
図2を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池パック100は、電池セル111、電池管理装置120、検知部130、および判断部140を含むことができる。一実施形態において、電池パック100は、図1の電池パック100と実質的に同一であってもよく、電池セル111は、図1の電池モジュール110に含まれることができ、電池管理装置120は、図1の電池管理装置120と実質的に同一であってもよい。
【0031】
電池セル111は、図1の電池モジュール110に含まれることができる。例えば、電池モジュール110は、複数の電池セルを含むことができる。
電池管理装置120は、電池セル111と第1ライン10および第2ライン20を介して連結されることができる。例えば、第1ライン10は、電池管理装置120の第1電源供給ラインであってもよい。他の例を挙げると、第2ライン20は、電池セル111の電圧センシングラインであってもよい。すなわち、電池管理装置120は、第1ライン10を介して電池モジュール110から電源の供給を受けることができる。一実施形態において、電池管理装置120は、第1ライン10を介して電池モジュール110から電源の供給を受けて動作することができ、第1ライン10が断線した場合に、電池モジュール110から第1ライン10を介して電源の供給を受けることは不可能である。
【0032】
検知部130は、第1ライン10と第2ライン20を連結する第3ライン30の電流を検知することができる。例えば、第3ライン30は、第1ライン10が断線した場合に、電池管理装置120に電源を供給するラインであってもよい。他の例を挙げると、第3ライン30は、第2電源供給ラインであってもよい。一実施形態において、検知部130は、第3ライン30に連結されることができる。
【0033】
判断部140は、検知部130で検知された第3ライン30の電流に基づいて第1ライン10の断線の発生有無を判断することができる。例えば、判断部140は、第3ライン30に電流が流れることが検知された場合に、第1ライン10に断線が発生したと判断することができる。他の例を挙げると、判断部140は、第3ライン30に電流が流れないと判断した場合に、第1ライン10に断線が発生していないと判断することができる。
【0034】
一実施形態において、電池セル111は、電池モジュール110(図1参照)に含まれた複数の電池セルのうち最上位電池セルであってもよい。この場合、第1ライン10は、電池モジュール110から電池管理装置120に電源を供給するラインであってもよく、第2ライン20は、最上位電池セルの電圧をセンシングするラインであってもよく、第3ライン30は、第1ライン10が断線した場合に、電池管理装置120に電源を供給するラインであってもよい。
【0035】
本文書に開示された一実施形態に係る電池パック100は、電池管理装置120に電源を供給するラインである第1ライン10の断線有無を第3ライン30に電流が流れるか否かを検知して判断することができる。したがって、電池パック100は、第1ライン10の断線時に最上位電池セル111のセンシング電圧が減少することで第1ライン10の断線有無を判断する方法よりも、正確に第1ライン10の断線有無を判断することができる。また、電池パック100は、検知部130で検知される第3ライン30に電流が流れるか否かにより判断部140が第1ライン10の断線有無を判断することで、より正確に電池管理装置120に電源を供給するラインの断線を検知することができ、効率的に電池パック100を管理することができる。
【0036】
図3は、本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを具体的に示す図である。
図3を参照すると、電池モジュール110(図1参照)は、複数の電池セル111、112を含むことができる。例えば、最上位電池セル111および残りの電池セル112は直列に連結されることができる。一実施形態において、最上位電池セル111は、図2の電池セル111と実質的に同一であってもよい。
【0037】
電池管理装置120は、最上位電池セル111と第1ライン10および第2ライン20を介して連結されることができる。例えば、第1ライン10は、電池管理装置120に電源を供給するラインであってもよく、第2ライン20は、最上位電池セル111の電圧をセンシングするためのラインであってもよい。他の例を挙げると、第1ライン10および第2ライン20には抵抗が連結されることができる。一実施形態において、残りの電池セル112が電池管理装置120と連結されるラインには抵抗が連結されることができる。
【0038】
第1ライン10および第2ライン20は、第3ライン30を介して連結されることができる。例えば、第3ライン30は、第1ライン10が断線した場合に、電池管理装置120に電源を供給するラインであってもよい。
【0039】
検知部130は、第3ライン30の電流を検知することができる。例えば、検知部130はフォトカプラを含むことができ、フォトカプラに含まれたダイオードは第3ライン30に連結されることができる。すなわち、検知部130は、フォトカプラを介して第3ライン30に流れる電流を検知することができる。例えば、第3ライン30に電流が流れる場合、第3ライン30に連結されるダイオードが光を発生させることができ、フォトカプラは、ダイオードで発生した光が検知される場合に電流が流れることができる。
【0040】
判断部140は、検知部130で検知された第3ライン30の電流に基づいて第1ライン10の断線の発生有無を判断することができる。例えば、判断部140は、検知部130に含まれたフォトカプラに電流が流れる場合に、第1ライン10が断線したと判断することができる。すなわち、第1ライン10が断線した場合に、第3ライン30を介して電池管理装置120が電源の供給を受けることができ、この場合、フォトカプラは電流が流れることになり、判断部140は、フォトカプラに流れる電流を検知し、第1ライン10が断線したと判断することができる。
【0041】
一実施形態において、判断部140は、MCU(micro controller unit)を含むことができる。MCUは、フォトカプラに電流が流れるか否かを判断することができる。例えば、フォトカプラに電流が流れる場合、基準電圧に比べて電圧降下が発生し、MCUは、電圧降下を検知し、フォトカプラに電流が流れることを検知することができる。他の例を挙げると、フォトカプラに電流が流れない場合、基準電圧に比べて電圧降下が発生せず、MCUは、フォトカプラに電流が流れないことを検知することができる。MCUは、フォトカプラに電流が流れることが検知された場合には第1ライン10が断線したと判断することができ、フォトカプラに電流が流れないことが検知された場合には第1ライン10が断線していないと判断することができる。
【0042】
一実施形態において、MCUは、第1ライン10が断線したと判断した場合、ユーザに第1ライン10の断線に関する情報を出力することができる。したがって、電池パック100は、電池管理装置120の電源供給ラインを管理することができる。
【0043】
一実施形態において、判断部140は、ASIC GPIOを含むことができる。
一実施形態において、判断部140は、電池管理装置120に含まれることができる。例えば、電池管理装置120は、第1ライン10の断線有無を判断することができる。他の例を挙げると、電池管理装置120は、第1ライン10が断線したと判断した場合、上位制御器(図示せず)に第1ライン10の断線有無に関する情報を伝達することができる。
【0044】
図4は、本文書に開示された他の実施形態に係る電池パックを示す図である。
図4を参照すると、本文書に開示された他の実施形態に係る電池パック200は、複数の電池セル211、212、電池管理装置220、検知部230、および判断部240を含むことができる。一実施形態において、電池管理装置220は、図2の電池管理装置120と実質的に同一であってもよい。
【0045】
電池モジュール110(図1参照)は、複数の電池セル211、212を含むことができる。例えば、最下位電池セル211および残りの電池セル212は直列に連結されることができる。一実施形態において、最下位電池セル211は、図2の電池セル111と実質的に同一であってもよい。
【0046】
電池管理装置220は、最下位電池セル211と第1ライン40および第2ライン50を介して連結されることができる。例えば、第1ライン40は、電池管理装置220のグラウンドに連結されるラインであってもよく、第2ライン50は、最下位電池セル211の電圧をセンシングするためのラインであってもよい。一実施形態において、第2ライン50は、最下位電池セル211の電圧をセンシングするためのラインのうち最下位電池セル211の(-)極に連結されたラインであってもよい。一実施形態において、第1ライン40および第2ライン50には抵抗が連結されることができる。一実施形態において、残りの電池セル212が電池管理装置220と連結されるラインには抵抗が連結されることができる。
【0047】
第1ライン40および第2ライン50は、第3ライン60を介して連結されることができる。例えば、第3ライン60は、第1ライン40が断線した場合に、電池管理装置220のグラウンドに連結されるラインであってもよい。一実施形態において、第1ライン40は、電池管理装置220の第1グラウンドラインであってもよく、第2ライン50は、最下位電池セル211の電圧センシングラインであってもよく、第3ライン60は、電池管理装置220の第2グラウンドラインであってもよい。
【0048】
検知部230は、第3ライン60の電流を検知することができる。例えば、検知部230はフォトカプラを含むことができ、フォトカプラに含まれたダイオードは第3ライン60に連結されることができる。すなわち、検知部230は、フォトカプラを介して第3ライン60に流れる電流を検知することができる。例えば、第3ライン60に電流が流れる場合、第3ライン60に連結されるダイオードが光を発生させることができ、フォトカプラは、ダイオードで発生した光が検知される場合に電流が流れることができる。
【0049】
判断部240は、検知部230で検知された第3ライン60の電流に基づいて第1ライン40の断線の発生有無を判断することができる。例えば、判断部240は、検知部230に含まれたフォトカプラに電流が流れる場合に、第1ライン40が断線したと判断することができる。
【0050】
一実施形態において、判断部240は、MCU(micro controller unit)を含むことができる。MCUは、フォトカプラに電流が流れるか否かを判断することができる。例えば、フォトカプラに電流が流れる場合、基準電圧に比べて電圧降下が発生し、MCUは、電圧降下を検知し、フォトカプラに電流が流れることを検知することができる。他の例を挙げると、フォトカプラに電流が流れない場合、基準電圧に比べて電圧降下が発生せず、MCUは、フォトカプラに電流が流れないことを検知することができる。MCUは、フォトカプラに電流が流れることが検知された場合には第1ライン40が断線したと判断することができ、フォトカプラに電流が流れないことが検知された場合には第1ライン40が断線していないと判断することができる。
【0051】
一実施形態において、MCUは、第1ライン40が断線したと判断した場合、ユーザに第1ライン40の断線に関する情報を出力することができる。したがって、電池パック200は、電池管理装置220のグラウンドラインを管理することができる。
【0052】
一実施形態において、判断部240は、ASIC GPIOを含むことができる。
一実施形態において、判断部240は、電池管理装置220に含まれることができる。例えば、電池管理装置220は、第1ライン40の断線有無を判断することができる。他の例を挙げると、電池管理装置220は、第1ライン40が断線したと判断した場合、上位制御器(図示せず)に第1ライン40の断線有無に関する情報を伝達することができる。
【0053】
図3および図4には開示されていなが、本文書に開示された一実施形態に係る電池パックは、電池管理装置の電源供給ラインおよびグラウンドラインの断線を同時に判断することができる。例えば、一実施形態に係る電池パックは、図3および図4に示された構成を全て含むことができる。
【0054】
図5は、本文書に開示された一実施形態に係る電池パックの動作方法を示すフローチャートである。
図5を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池パック100の動作方法は、第1ラインおよび第2ラインを連結する第3ラインの電流を検知するステップ(S110)と、第3ラインの電流に基づいて第1ラインの断線の発生有無を判断するステップ(S120)と、を含むことができる。
【0055】
第1ラインおよび第2ラインを連結する第3ラインの電流を検知するステップ(S110)において、検知部130は、第1ライン10および第2ライン20を連結する第3ライン30の電流を検知することができる。例えば、第1ライン10は、電池管理装置120に電源を供給するラインであってもよく、第2ライン20は、最上位電池セルの電圧を電池管理装置120においてセンシングするためのラインであってもよい。他の例を挙げると、第3ライン30は、第1ライン10が断線した場合に、電池管理装置120に電源を供給するためのラインであってもよい。すなわち、第1ライン10が断線した場合、電池管理装置120に電源を供給するために、第3ライン30に電流が流れることができる。一実施形態において、検知部130は、第3ライン30に電流が流れるか否かを検知することができる。一実施形態において、検知部130はフォトカプラを含むことができ、フォトカプラはダイオードを含むことができる。一実施形態において、電池セルは、複数であってもよく、第2ライン20は、複数の電池セルのうち最上位電池セルの電圧センシングラインであってもよい。
【0056】
第3ラインの電流に基づいて第1ラインの断線の発生有無を判断するステップ(S120)において、判断部140は、第3ライン30の電流に基づいて第1ライン10の断線の発生有無を判断することができる。例えば、判断部140は、検知部130で検知された第3ライン30の電流に基づいて第1ライン10の断線の発生有無を判断することができる。他の例を挙げると、判断部140は、第3ライン30に電流が流れることが検知された場合には第1ライン10が断線したと判断することができ、第3ライン30に電流が流れないことが検知された場合には第1ライン10が断線していないと判断することができる。一実施形態において、判断部140は、MCUを含むことができる。
【0057】
図6は、本文書に開示された一実施形態に係る電池パックの動作方法をより具体的に示すフローチャートである。
図6を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池パック100の動作方法は、フォトカプラに電流が流れるか否かを判断するステップ(S210)と、フォトカプラに電流が流れると判断した場合に、第1ラインの断線が発生したと判断するステップ(S220)と、を含むことができる。一実施形態において、S210ステップおよびS220ステップは、図5のS120ステップに含まれることができる。
【0058】
フォトカプラに電流が流れるか否かを判断するステップ(S210)において、判断部140は、フォトカプラに電流が流れるか否かを判断することができる。例えば、第3ライン30に電流が流れる場合、第3ライン30に連結されるダイオードに電流が流れ、ダイオードが光を発生させることができ、フォトカプラは、ダイオードで発生した光を検知し、電流が流れることができる。この際、フォトカプラに電流が流れると、基準電圧よりも電圧降下が発生することになり、判断部140は、電圧降下を検知し、フォトカプラに電流が流れると判断することができる。
【0059】
フォトカプラに電流が流れると判断した場合に、第1ラインの断線が発生したと判断するステップ(S220)において、判断部140は、フォトカプラに電流が流れると判断した場合に、第1ライン10の断線が発生したと判断することができる。例えば、第1ライン10が断線した場合に第3ライン30に電流が流れることができ、フォトカプラに電流が流れることができるため、判断部140は、フォトカプラに電流が流れると判断した場合に、第1ライン10の断線が発生したと判断することができる。
【0060】
図7は、本文書に開示された一実施形態に係る電池管理装置の制御方法を実現するコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0061】
図7を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るコンピューティングシステム1000は、MCU1010、メモリ1020、入出力I/F1030、および通信I/F1040を含むことができる。
【0062】
MCU1010は、メモリ1020に格納されている各種プログラム(例えば、電池セルの電圧測定プログラム、スイッチング制御プログラムなど)を実行させ、このようなプログラムを介して電池セルの電圧および内部抵抗などを含む各種データを処理し、電源供給ラインの断線有無を検知し、前述した図2に示した電池パック100または判断部140の機能を行うようにするプロセッサであってもよい。
【0063】
メモリ1020は、電池セルの電圧測定やスイッチング制御などに関する各種プログラムを格納することができる。また、メモリ1020は、電池セルの電圧や内部抵抗などの各種データを格納することができる。
【0064】
このようなメモリ1020は、必要に応じて複数備えられてもよい。メモリ1020は、揮発性メモリであってもよく、不揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリとしてのメモリ1020は、RAM、DRAM、SRAMなどが用いられることができる。不揮発性メモリとしてのメモリ1020は、ROM、PROM、EAROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどが用いられることができる。上記で列挙したメモリ1020の例は単なる例示にすぎず、これらの例に限定されるものではない。
【0065】
入出力I/F1030は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)と、ディスプレイ(図示せず)などの出力装置と、MCU1010との間を連結してデータを送受信できるようにするインターフェースを提供することができる。
【0066】
通信I/F1040は、サーバと各種データを送受信できる構成でり、有線または無線通信を支援できる各種装置であってもよい。例えば、通信I/F1040を介して、別に備えられた外部サーバから電池セルの電圧測定およびスイッチング制御のためのプログラムや各種データなどを送受信することができる。
【0067】
このように、本文書に開示された一実施形態に係るコンピュータプログラムは、メモリ1020に記録され、MCU1010により処理されることで、例えば、図2に示した各機能を行うモジュールとして実現されてもよい。
【0068】
以上の説明は本文書に開示された技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本文書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。
【0069】
したがって、本文書に開示された実施形態は本文書に開示された技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本文書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示された技術思想の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本文書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0070】
10 第1ライン
20 第2ライン
30 第3ライン
40 第1ライン
50 第2ライン
60 第3ライン
100 電池パック
101 センサ
102 リレー、スイッチング部
110 電池モジュール
111 電池セル、最上位電池セル
112 電池セル
120 電池管理装置
130 検知部
140 判断部
200 電池パック
211 電池セル、最下位電池セル
212 電池セル
220 電池管理装置
230 検知部
240 判断部
1000 コンピューティングシステム
1010 MCU
1020 メモリ
1030 入出力I/F
1040 通信I/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】