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特表2024-535248インプラントを送達するための注入器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】インプラントを送達するための注入器
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61F9/007 170
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516629
(86)(22)【出願日】2022-10-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 US2022045542
(87)【国際公開番号】W WO2023059550
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/251,799
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/359,281
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522129856
【氏名又は名称】アイポイント ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハワード‐スパークス, ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】サイム, サイード
(72)【発明者】
【氏名】シリング, アメリア
(72)【発明者】
【氏名】パッジャリーノ, ダリオ
(72)【発明者】
【氏名】ロリンズ, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ, エヴァン ハンター
(72)【発明者】
【氏名】ハルバート, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】スミス, ダニエル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】メッツ, マイケル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ガイドス, ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン, ジョシュア
(57)【要約】
注入器(100)は、プッシュロッド、マガジンチューブ、ゲート、カニューレ(122)及びアクチュエータ(170)を含む。マガジンチューブは、その入口から出口まで延在する管腔を有する。マガジンチューブは、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容する。ゲートは、マガジンチューブの出口を覆う閉鎖構成と、マガジンチューブの出口を覆わない開放構成と、を有する。カニューレ(122)は、眼に挿入されるように構成された、遠位端(123)を有する。カニューレ(122)の管腔は、ゲートが開放構成にあるとき、マガジンチューブの管腔と流体連通している。アクチュエータ(170)の作動が、ゲートを閉鎖構成から開放構成に移動させ、マガジンチューブ及びカニューレ(122)を通るプッシュロッドの並進を引き起こす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入器であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配設されたプッシュロッドと、
前記ハウジング内に配設され、かつ入口、出口、及び前記入口から前記出口まで延在する管腔を有する、マガジンチューブであって、前記マガジンチューブが、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容するように構成され、前記プッシュロッドが、前記マガジンチューブの前記管腔内に摺動自在に受容されるように構成されている、マガジンチューブと、
前記ハウジング内に配設されたゲートであって、前記ゲートが、前記マガジンチューブの前記出口を覆う閉鎖構成と、前記マガジンチューブの前記出口を覆わない開放構成と、を有する、ゲートと、
前記ハウジングの外側に配設され、眼に挿入されるように構成されている遠位端を有するカニューレであって、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記カニューレの管腔が、前記マガジンチューブの前記管腔と流体連通している、カニューレと、
アクチュエータであって、前記アクチュエータの作動が、前記ゲートを前記閉鎖構成から前記開放構成に移動させ、前記マガジンチューブ及び前記カニューレを通る前記プッシュロッドの並進を引き起こす、アクチュエータと、を備える、注入器。
【請求項2】
前記ハウジングに結合されるときに、前記カニューレの前記遠位端を覆うために、前記ハウジングに取り外し可能に結合されるように構成されている、安全キャップを更に備え、前記安全キャップが、前記アクチュエータの作動を防止するために前記安全キャップが前記ハウジングに結合されるときに、前記アクチュエータに形成されたスロット内に延在するタブを含む、請求項1に記載の注入器。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記ハウジングの残りの長さの高さよりも大きい高さを含む非対称フィンを有する略管状の構造を有する、請求項1に記載の注入器。
【請求項4】
前記カニューレの前記遠位端が、面取りされている、請求項1に記載の注入器。
【請求項5】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、前記無延伸構成に付勢される、請求項1に記載の注入器。
【請求項6】
前記ばねが、前記無延伸構成で巻回される、請求項5に記載の注入器。
【請求項7】
非展開位置にある前記アクチュエータが、前記ばねが前記延伸構成にあるように、前記シャトル本体を保持する、請求項5に記載の注入器。
【請求項8】
前記アクチュエータの前記非展開位置から展開位置への作動が、前記シャトル本体を解放し、前記ばねが前記無延伸構成を復旧させることを可能にする、請求項7に記載の注入器。
【請求項9】
前記アクチュエータが前記非展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に当接係止し、前記アクチュエータが前記展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に接触せず、前記シャトル本体から係合解除される、請求項8に記載の注入器。
【請求項10】
前記アクチュエータが、前記シャトル本体に対して回転し、前記非展開位置と前記展開位置との間を移行するように構成されている、請求項8に記載の注入器。
【請求項11】
前記マガジンチューブが、最大3つのインプラントを保持するように構成されており、前記注入器が、前記アクチュエータの単一の作動を介して、前記3つのインプラントを送達するように構成されている、請求項1に記載の注入器。
【請求項12】
前記カニューレ及び前記マガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、前記マガジンチューブの前記出口と前記カニューレの入口との間に延在している、請求項1に記載の注入器。
【請求項13】
前記ゲートの一部分が、前記ゲートが前記閉鎖構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設され、前記ゲートの前記一部分が、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設されない、請求項12に記載の注入器。
【請求項14】
前記ハウジングが、前記プッシュロッドの前記並進に関係する視覚的フィードバックを可能にするために前記ハウジングの上に形成された、窓を含む、請求項1に記載の注入器。
【請求項15】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体の外面が、前記窓を通して前記視覚的フィードバックを提供するための状態インジケータをその上に含む、請求項14に記載の注入器。
【請求項16】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、ドラッグワイヤが、前記シャトル本体に取り付けられており、前記注入器が、前記ハウジング内に配設されたシャトル減速器を更に含み、前記シャトル減速器が、その正弦波経路内に前記ドラッグワイヤを受容するように構成されている、請求項1に記載の注入器。
【請求項17】
前記シャトル減速器の前記正弦波経路が、複数のボスによって画定されており、前記ドラッグワイヤと前記複数のボスとの間の相互作用が、前記シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる摩擦を生じる、請求項16に記載の注入器。
【請求項18】
前記ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、前記複数のボスが、プラスチック材料から形成されている、請求項17に記載の注入器。
【請求項19】
前記プッシュロッドが、ステンレス鋼から形成されている、請求項1に記載の注入器。
【請求項20】
前記少なくとも1つのインプラントを更に含む、請求項1に記載の注入器。
【請求項21】
注入器を使用して、少なくとも1つのインプラントを眼に送達する方法であって、前記方法が、
前記注入器を前記眼の近くに位置決めすることであって、前記注入器が、プッシュロッドと、入口、出口、及び前記入口から前記出口まで延在する管腔と、を有する、マガジンチューブであって、前記マガジンチューブが、その中に配設された前記少なくとも1つのインプラントを有する、マガジンチューブと、前記マガジンチューブの前記出口を覆う閉鎖構成にある、ゲートと、カニューレと、アクチュエータと、を含む、位置決めすることと、
前記カニューレの遠位端を、前記眼の組織に挿入することと、
前記アクチュエータを作動させて、前記少なくとも1つのインプラントを前記眼の前記組織に送達することと、を含み、前記アクチュエータの作動が、前記ゲートを前記閉鎖構成から、前記ゲートが前記マガジンチューブの前記出口を覆わない開放構成に移動させ、前記アクチュエータの作動はまた、前記マガジンチューブ及び前記カニューレを通る前記プッシュロッドの並進を引き起こして、前記少なくとも1つのインプラントを押す、方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのインプラントが、ちょうど3つのインプラントを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項23】
前記眼の前記組織が、前記眼の硝子体を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記カニューレの管腔が、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記マガジンチューブの前記管腔と流体連通している、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記カニューレの前記遠位端が、面取りされている、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記プッシュロッドが、シャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、前記無延伸構成に付勢される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記ばねが、前記無延伸構成で巻回される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
非展開位置にある前記アクチュエータが、前記ばねが前記延伸構成にあるように、前記シャトル本体を保持する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記アクチュエータの前記非展開位置から展開位置への作動が、前記シャトル本体を解放し、前記ばねが前記無延伸構成を復旧させることを可能にする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記アクチュエータが前記非展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に当接係止し、前記アクチュエータが前記展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に接触せず、前記シャトル本体から係合解除される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記カニューレ及び前記マガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、前記マガジンチューブの前記出口と前記カニューレの入口との間に延在している、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記ゲートの一部分が、前記ゲートが前記閉鎖構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設され、前記ゲートの前記一部分が、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設されない、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記プッシュロッドが、シャトル本体に取り付けられており、ドラッグワイヤが、前記シャトル本体に取り付けられており、前記注入器が、前記シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる、シャトル減速器を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記シャトル減速器が、正弦波経路を形成する複数のボスを含み、前記ドラッグワイヤと前記複数のボスとの間の相互作用が摩擦を生じる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、前記複数のボスが、プラスチック材料から形成されている、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
注入器であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配設されたプッシュロッドと、
前記ハウジング内に配設され、かつ入口、出口、及び前記入口から前記出口まで延在する管腔を有する、マガジンチューブであって、前記マガジンチューブが、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容するように構成され、前記プッシュロッドが、前記マガジンチューブの前記管腔内に摺動自在に受容されるように構成されている、マガジンチューブと、
前記ハウジングの外側に配設され、眼に挿入されるように構成されている遠位端を有する、カニューレと、
アクチュエータと、を備え、前記アクチュエータの作動が、前記マガジンチューブ及び前記カニューレを通る前記プッシュロッドの並進を引き起こし、前記マガジンチューブが、少なくとも3つのインプラントを保持するように構成されており、前記注入器が、前記アクチュエータの単一の作動を介して、前記少なくとも3つのインプラントを送達するように構成されており、
前記少なくとも3つのインプラントの送達速度が、前記送達速度が2~12秒であるように制御される、注入器。
【請求項37】
前記ハウジング内に配設されたゲートであって、前記ゲートが、前記マガジンチューブの前記出口を覆う閉鎖構成と、前記マガジンチューブの前記出口を覆わない開放構成と、を有する、ゲートを更に備え、
前記カニューレの管腔が、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記マガジンチューブの前記管腔と流体連通しており、
前記アクチュエータの作動がまた、前記ゲートを前記閉鎖構成から前記開放構成に移動させる、請求項36に記載の注入器。
【請求項38】
前記カニューレ及び前記マガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、前記マガジンチューブの前記出口と前記カニューレの入口との間に延在している、請求項37に記載の注入器。
【請求項39】
前記ゲートの一部分が、前記ゲートが前記閉鎖構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設され、前記ゲートの前記一部分が、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設されない、請求項38に記載の注入器。
【請求項40】
前記ハウジングに結合されるときに、前記カニューレの前記遠位端を覆うために、前記ハウジングに取り外し可能に結合されるように構成されている、安全キャップを更に備え、前記安全キャップが、前記アクチュエータの作動を防止するために前記安全キャップが前記ハウジングに結合されるときに、前記アクチュエータに形成されたスロット内に延在するタブを含む、請求項36に記載の注入器。
【請求項41】
前記ハウジングが、前記ハウジングの残りの長さの高さよりも大きい高さを含む非対称フィンを有する略管状の構造を有する、請求項36に記載の注入器。
【請求項42】
前記カニューレの前記遠位端が、面取りされている、請求項36に記載の注入器。
【請求項43】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、前記無延伸構成に付勢される、請求項36に記載の注入器。
【請求項44】
前記ばねが、前記無延伸構成で巻回される、請求項43に記載の注入器。
【請求項45】
非展開位置にある前記アクチュエータが、前記ばねが前記延伸構成にあるように、前記シャトル本体を保持する、請求項43に記載の注入器。
【請求項46】
前記アクチュエータの前記非展開位置から展開位置への作動が、前記シャトル本体を解放し、前記ばねが前記無延伸構成を復旧させることを可能にする、請求項45に記載の注入器。
【請求項47】
前記アクチュエータが前記非展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に当接係止し、前記アクチュエータが前記展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に接触せず、前記シャトル本体から係合解除される、請求項46に記載の注入器。
【請求項48】
前記アクチュエータが、前記シャトル本体に対して回転し、前記非展開位置と前記展開位置との間を移行するように構成されている、請求項46に記載の注入器。
【請求項49】
前記ハウジングが、前記プッシュロッドの前記並進に関係する視覚的フィードバックを可能にするために前記ハウジングの上に形成された、窓を含む、請求項36に記載の注入器。
【請求項50】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体の外面が、前記窓を通して前記視覚的フィードバックを提供するための状態インジケータをその上に含む、請求項49に記載の注入器。
【請求項51】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、ドラッグワイヤが、前記少なくとも3つのインプラントの前記送達速度を制御するために、前記シャトル本体に取り付けられており、前記注入器が、前記ハウジング内に配設されたシャトル減速器を更に含み、前記シャトル減速器が、その正弦波経路内に前記ドラッグワイヤを受容するように構成されている、請求項36に記載の注入器。
【請求項52】
前記シャトル減速器の前記正弦波経路が、複数のボスによって画定されており、前記ドラッグワイヤと前記複数のボスとの間の相互作用が、前記シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる摩擦を生じる、請求項51に記載の注入器。
【請求項53】
前記ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、前記複数のボスが、プラスチック材料から形成されている、請求項52に記載の注入器。
【請求項54】
前記プッシュロッドが、ステンレス鋼から形成されている、請求項36に記載の注入器。
【請求項55】
前記少なくとも3つのインプラントの前記送達速度が、前記送達速度が3~10秒であるように制御される、請求項36に記載の注入器。
【請求項56】
前記少なくとも3つのインプラントの前記送達速度が、前記送達速度が5~7秒であるように制御される、請求項36に記載の注入器。
【請求項57】
前記少なくとも3つのインプラントを更に含む、請求項36に記載の注入器。
【請求項58】
注入器であって、
自身の上に形成された窓を含む、ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配設されたプッシュロッドと、
前記ハウジング内に配設され、かつ入口、出口、及び前記入口から前記出口まで延在する管腔を有する、マガジンチューブであって、前記マガジンチューブが、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容するように構成され、前記プッシュロッドが、前記マガジンチューブの前記管腔内に摺動自在に受容されるように構成されている、マガジンチューブと、
前記ハウジングの外側に配設され、眼に挿入されるように構成されている遠位端を有する、カニューレと、
アクチュエータと、を備え、前記アクチュエータの作動が、前記マガジンチューブ及び前記カニューレを通る前記プッシュロッドの並進を引き起こし、
前記窓が、前記ハウジングを通る前記プッシュロッドの並進の視覚的フィードバックを可能にし、前記視覚的フィードバックが、前記少なくとも1つのインプラントの送達が完了している表示を提供する、注入器。
【請求項59】
前記ハウジング内に配設されたゲートであって、前記ゲートが、前記マガジンチューブの前記出口を覆う閉鎖構成と、前記マガジンチューブの前記出口を覆わない開放構成と、を有する、ゲートを更に備え、
前記カニューレの管腔が、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記マガジンチューブの前記管腔と流体連通しており、
前記アクチュエータの作動がまた、前記ゲートを前記閉鎖構成から前記開放構成に移動させる、請求項58に記載の注入器。
【請求項60】
前記カニューレ及び前記マガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、前記マガジンチューブの前記出口と前記カニューレの入口との間に延在している、請求項59に記載の注入器。
【請求項61】
前記ゲートの一部分が、前記ゲートが前記閉鎖構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設され、前記ゲートの前記一部分が、前記ゲートが前記開放構成にあるとき、前記移行ギャップ内に配設されない、請求項60に記載の注入器。
【請求項62】
前記ハウジングに結合されるときに、前記カニューレの前記遠位端を覆うために、前記ハウジングに取り外し可能に結合されるように構成されている、安全キャップを更に備え、前記安全キャップが、前記アクチュエータの作動を防止するために前記安全キャップが前記ハウジングに結合されるときに、前記アクチュエータに形成されたスロット内に延在するタブを含む、請求項58に記載の注入器。
【請求項63】
前記ハウジングが、前記ハウジングの残りの長さの高さよりも大きい高さを含む非対称フィンを有する略管状の構造を有する、請求項58に記載の注入器。
【請求項64】
前記カニューレの前記遠位端が、面取りされている、請求項58に記載の注入器。
【請求項65】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、前記無延伸構成に付勢される、請求項58に記載の注入器。
【請求項66】
前記ばねが、前記無延伸構成で巻回される、請求項65に記載の注入器。
【請求項67】
非展開位置にある前記アクチュエータが、前記ばねが前記延伸構成にあるように、前記シャトル本体を保持する、請求項65に記載の注入器。
【請求項68】
前記アクチュエータの前記非展開位置から展開位置への作動が、前記シャトル本体を解放し、前記ばねが前記無延伸構成を復旧させることを可能にする、請求項67に記載の注入器。
【請求項69】
前記アクチュエータが前記非展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に当接係止し、前記アクチュエータが前記展開位置にあるとき、前記アクチュエータが、前記シャトル本体に接触せず、前記シャトル本体から係合解除される、請求項68に記載の注入器。
【請求項70】
前記アクチュエータが、前記シャトル本体に対して回転し、前記非展開位置と前記展開位置との間を移行するように構成されている、請求項68に記載の注入器。
【請求項71】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、ドラッグワイヤが、前記シャトル本体に取り付けられており、前記注入器が、前記ハウジング内に配設されたシャトル減速器を更に含み、前記シャトル減速器が、その正弦波経路内に前記ドラッグワイヤを受容するように構成されている、請求項58に記載の注入器。
【請求項72】
前記シャトル減速器の前記正弦波経路が、複数のボスによって画定されており、前記ドラッグワイヤと前記複数のボスとの間の相互作用が、前記シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる摩擦を生じる、請求項71に記載の注入器。
【請求項73】
前記ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、前記複数のボスが、プラスチック材料から形成されている、請求項71に記載の注入器。
【請求項74】
前記プッシュロッドが、ステンレス鋼から形成されている、請求項58に記載の注入器。
【請求項75】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体の外面が、前記窓を通して前記視覚的フィードバックを提供するための少なくとも1つの状態インジケータをその上に含む、請求項58に記載の注入器。
【請求項76】
前記少なくとも1つの状態インジケータが、第1の状態インジケータ及び第2の状態インジケータを含み、前記第1の状態インジケータが、前記第2の状態インジケータの近位に配設され、前記第1の状態インジケータが、前記アクチュエータの作動前に、前記窓を通して表示され、前記第2の状態インジケータが、前記少なくとも1つのインプラントの前記送達が完了しているとき、前記窓を通して表示される、請求項75に記載の注入器。
【請求項77】
前記少なくとも1つの状態インジケータが、前記第1の状態インジケータと前記第2の状態インジケータとの間に配設された第3の状態インジケータを更に含み、前記第2の状態インジケータが、前記シャトル本体が前記ハウジング内で移動している間に、前記窓を通して配設される、請求項76に記載の注入器。
【請求項78】
前記第1の状態インジケータが、第1の色であり、前記第2の状態インジケータが、第2の色であり、前記第3の状態インジケータが、第3の色である、請求項77に記載の注入器。
【請求項79】
前記少なくとも1つのインプラントを更に含む、請求項58に記載の注入器。
【請求項80】
注入器を使用して、少なくとも1つのインプラントを眼に送達する方法であって、前記方法が、
前記注入器の遠位先端を前記眼の注入部位に隣接して位置決めすることであって、前記注入器が、プッシュロッドと、入口、出口、及び前記入口から前記出口まで延在する管腔と、を有する、マガジンチューブであって、前記マガジンチューブが、その中に配設された前記少なくとも1つのインプラントを有する、マガジンチューブと、前記マガジンチューブの前記出口を覆う閉鎖構成にある、ゲートと、カニューレと、アクチュエータと、状態インジケータと、を含む、位置決めすることと、
前記注入器の前記遠位端を、前記注入部位で前記眼の組織へ通すことと、
前記アクチュエータを作動させて、前記少なくとも1つのインプラントを前記眼の前記組織に送達することであって、前記アクチュエータの作動が、前記ゲートを前記閉鎖構成から、前記ゲートが前記マガジンチューブの前記出口を覆わない開放構成に移動させ、前記アクチュエータの作動はまた、前記マガジンチューブ及び前記カニューレを通る前記プッシュロッドの並進を引き起こして、前記少なくとも1つのインプラントを押す、作動させることと、
前記注入器の前記状態インジケータがインプラント送達の完了を示すまで、前記注入器の前記遠位端の位置を、前記眼の前記組織内に維持することと、
前記注入器の前記状態インジケータがインプラント送達の完了を示した後に、前記眼の前記組織から前記注入器を取り外すことと、を含む、方法。
【請求項81】
前記少なくとも1つのインプラントが、ちょうど3つのインプラントを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記少なくとも1つのインプラントが、治療を必要とする眼の前記眼の後部に影響を与える慢性非感染性ぶどう膜炎を治療するために使用される、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記眼の前記組織が、前記眼の硝子体を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項84】
前記インプラントが、約0.18mgのフルオシノロンアセトニドを含む硝子体内インプラントである、請求項80に記載の方法。
【請求項85】
前記インプラントがまた、ポリビニルアルコール、シリコーン接着剤、ポリイミドチューブを含み、水を含み得る、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記少なくとも1つのインプラントが、治療を必要とする眼の網膜疾患を治療するために使用される、請求項80に記載の方法。
【請求項87】
前記網膜疾患が、滲出型AMD、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫及び網膜静脈閉塞から選択される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記インプラントが、硝子体内インプラントであり、約400μg~約2800μgのボロラニブを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記インプラントがまた、ポリビニルアルコールを含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
治療を必要とする眼の前記眼の後部に影響を与える慢性非感染性ぶどう膜炎の治療を治療する方法であって、請求項1に記載の注入器を使用して、フルオシノロンアセトニドを含有するインプラントを施すことを含む、方法。
【請求項91】
前記インプラントが、約0.18mgのフルオシノロンアセトニドを含む硝子体内インプラントである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記インプラントがまた、ポリビニルアルコール、シリコーン接着剤、ポリイミドチューブを含み、水を含み得る、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
治療を必要とする眼の網膜疾患を治療する方法であって、請求項1に記載の注入器を使用して、ボロラニブを含むインプラントを施すことを含む、方法。
【請求項94】
前記インプラントが、硝子体内インプラントであり、約400μg~約2800μgのボロラニブを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記インプラントがまた、ポリビニルアルコールを含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記注入器が、前記ハウジング内に配設された回転ダンパを更に含み、前記回転ダンパが、前記プッシュロッドに結合されており、前記プッシュロッドが前記ハウジング内で移動する速度を減速させるように構成されている、請求項1に記載の注入器。
【請求項97】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、4~9秒の注入速度を有する、請求項96に記載の注入器。
【請求項98】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、2.5~7.5秒の注入速度を有する、請求項96に記載の注入器。
【請求項99】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、1.5~6.5秒の注入速度を有する、請求項96に記載の注入器。
【請求項100】
前記注入器が、前記ハウジング内に配設された回転ダンパを更に含み、前記回転ダンパが、前記プッシュロッドに結合されており、前記プッシュロッドが前記ハウジング内で移動する速度を減速させるように構成されている、請求項36に記載の注入器。
【請求項101】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、4~9秒の注入速度を有する、請求項100に記載の注入器。
【請求項102】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、2.5~7.5秒の注入速度を有する、請求項100に記載の注入器。
【請求項103】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、1.5~6.5秒の注入速度を有する、請求項100に記載の注入器。
【請求項104】
前記注入器が、前記ハウジング内に配設された回転ダンパを更に含み、前記回転ダンパが、前記プッシュロッドに結合されており、前記プッシュロッドが前記ハウジング内で移動する速度を減速させるように構成されている、請求項58に記載の注入器。
【請求項105】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、4~9秒の注入速度を有する、請求項104に記載の注入器。
【請求項106】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、2.5~7.5秒の注入速度を有する、請求項105に記載の注入器。
【請求項107】
前記プッシュロッドが、前記ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、前記シャトル本体が、ばねに結合されており、前記ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、前記回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、前記注入器が、1.5~6.5秒の注入速度を有する、請求項105に記載の注入器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月4日に出願された米国特許出願第63/251,799号、及び2022年7月8日に出願された米国特許出願第63/359,281号の利益を主張し、その全開示が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、注入器に関し、より具体的には、1つ以上のインプラントを送達するための注入器に関する。
【背景技術】
【0003】
眼の疾患を治療する上での主な問題は、薬物又は治療薬を眼に導入すること、及びこれらの薬物又は薬剤を、眼内で治療上有効な濃度で必要な期間維持することである。全身投与は、薬物の許容できない副作用の発生率の増加に伴い、有効な眼内濃度を達成するために、許容できないほど高レベルの全身投与が必要とされることが多いため、理想的な解決策ではない場合がある。薬物は、涙液作用によって迅速に洗い流され得るか、又は眼から全身循環に入り得るため、単純な点眼又は塗布は、多くの場合、許容可能な代替物ではない。薬液の脈絡膜上注入も実行されているが、薬物の有効性は長続きしない。そのような方法は、薬物の治療レベルを適切な期間維持することを困難にする。この問題に対処するための努力は、制御された量の所望の薬物が、数日、又は数週間、又は数ヶ月の期間にわたって、絶えず放出され得るように、眼に植え込むことができる、薬物送達デバイス、又はインプラントの開発につながっている。
【0004】
眼には、薬物送達デバイス又はインプラントの植え込みのための様々な部位、例えば、眼の後部、前眼房若しくは後眼房、又は網膜内、網膜下、脈絡膜内、脈絡膜上、強膜内、強膜上、結膜下、角膜間若しくは上角膜空間を含む眼の他の領域などが存在する。植え込みの所望の場所がどこであろうとも、典型的な植え込み方法は全て、比較的侵襲的な外科的処置を必要とし、眼に過度の外傷のリスクをもたらし、インプラントの過度な取り扱いを必要とする。例えば、硝子体内に設置するための典型的な方法では、切開は、強膜を通して行われ、インプラントは、鉗子又は他の同様の手動把持デバイスを使用して、硝子体内の所望の場所に挿入及び付着される。いったん付着すると、鉗子(又は把持デバイス)は取り外され、切開部が縫合される。代替的に、切開は、強膜を通して行われ得、トロカールは、切開部の中を通過され得、次いで、インプラントは、トロカールを通して送達され得る。同様の方法を用いて、他の場所にインプラントを送達することができ、例えば、角膜の切開部を通して前眼房に植え込むことができる。
【0005】
インプラント送達のためのそのような技術の欠点は多い。これらの技術では、インプラントの広範な取り扱いが必要であり、その過程でインプラントが損傷又は汚染されるリスクが生じる。そのような多くのインプラントは、ポリマーベースであり、比較的脆い。そのようなインプラントの一部分が損傷し、切断されると、いったん設置されたインプラントによって送達される放出プロファイル及び/又は有効治療用量は大幅に変更される。加えて、これらの方法を使用して、個々の患者間で再現可能な設置を達成することは困難であり得る。また、重要なのは、そのような技術は、縫合が必要するほど大きい強膜の開口部を必要とし得るという事実である。したがって、そのような技術は、典型的には、外科的設定で実行される。
【0006】
インプラントを眼に送達するためのより簡易で、使い勝手が良く、侵襲の少ない、及び/又は外傷性が低い手段が望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本明細書の第1の実施形態によれば、本開示は、注入器であって、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配設されたプッシュロッドと、ハウジング内に配設されたマガジンチューブと、ハウジング内に配設されたゲートと、ハウジングの外側に配設され、眼に挿入されるように構成されている遠位端を有する、カニューレと、アクチュエータと、を含む、注入器を提供する。マガジンチューブは、入口、出口、及び入口から出口まで延在する管腔を有する。マガジンチューブは、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容するように構成され、プッシュロッドは、マガジンチューブの管腔内に摺動自在に受容されるように構成されている。ゲートは、マガジンチューブの出口を覆う閉鎖構成と、マガジンチューブの出口を覆わない開放構成と、を有する。カニューレの管腔は、ゲートが開放構成にあるとき、マガジンチューブの管腔と流体連通している。アクチュエータの作動は、ゲートを閉鎖構成から開放構成に移動させ、マガジンチューブ及びカニューレを通るプッシュロッドの並進を引き起こす。
【0008】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、安全キャップであって、ハウジングに結合されるときに、カニューレの遠位端を覆うために、ハウジングに取り外し可能に結合されるように構成されている、安全キャップを更に含むことを提供する。安全キャップは、アクチュエータの作動を防止するために安全キャップがハウジングに結合されるときに、アクチュエータに形成されたスロット内に延在するタブを含む。
【0009】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ハウジングが、ハウジングの残りの長さの高さよりも大きい高さを含む非対称フィンを有する略管状の構造を有することを提供する。
【0010】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレの遠位端が、面取りされていることを提供する。
【0011】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、無延伸構成に付勢されることを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ばねが、無延伸構成で巻回されることを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、非展開位置にあるアクチュエータが、ばねが延伸構成にあるように、シャトル本体を保持することを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータの非展開位置から展開位置への作動が、シャトル本体を解放し、ばねが無延伸構成を復旧させることを可能にすることを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータが非展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に当接係止し、アクチュエータが展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に接触せず、シャトル本体から係合解除されることを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータが、シャトル本体に対して回転し、非展開位置と展開位置との間を移行するように構成されていることを提供する。
【0012】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、マガジンチューブが、最大3つのインプラントを保持するように構成されており、注入器が、アクチュエータの単一の作動を介して、3つのインプラントを送達するように構成されていることを提供する。
【0013】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレ及びマガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、マガジンチューブの出口とカニューレの入口との間に延在していることを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ゲートの一部分が、ゲートが閉鎖構成にあるとき、移行ギャップ内に配設され、ゲートの一部分が、ゲートが開放構成にあるとき、移行ギャップ内に配設されないことを提供する。
【0014】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ハウジングが、プッシュロッドの並進に関係する視覚的フィードバックを可能にするためにハウジングの上に形成された、窓を含むことを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体の外面が、窓を通して視覚的フィードバックを提供するための状態インジケータをその上に含むことを提供する。
【0015】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられていることを提供する。ドラッグワイヤが、シャトル本体に取り付けられている。注入器は、ハウジング内に配設されたシャトル減速器を更に含み、シャトル減速器は、その正弦波経路内にドラッグワイヤを受容するように構成されている。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、シャトル減速器の正弦波経路が、複数のボスによって画定されており、ドラッグワイヤと複数のボスとの間の相互作用が、シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる摩擦を生じることを提供する。第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、複数のボスが、プラスチック材料から形成されていることを提供する。
【0016】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ステンレス鋼から形成されていることを提供する。
【0017】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、ハウジング内に配設された回転ダンパを更に含み、回転ダンパが、プッシュロッドに結合されており、プッシュロッドがハウジング内で移動する速度を減速させるように構成されていることを提供する。
【0018】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、4~9秒の注入速度を有することを提供する。
【0019】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、2.5~7.5秒の注入速度を有することを提供する。
【0020】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、1.5~6.5秒の注入速度を有することを提供する。
【0021】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、予防又は治療を必要とする眼の眼症状又は疾患を予防又は治療する方法であって、第1の実施形態の注入器を使用して、活性医薬成分(API)を含有するインプラントを施すことを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、インプラントは、前眼症状を治療するために施される。他の実施形態では、後眼症状を治療するために施され得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、前眼症状を予防するために施される。他の実施形態では、後眼症状を予防するために施され得る。
【0022】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、治療を必要とする眼の眼の後部に影響を与える慢性非感染性ぶどう膜炎の治療を治療する方法であって、第1の実施形態の注入器を使用して、フルオシノロンアセトニドを含有するインプラントを施すことを含む、方法を提供する。一実施形態によれば、インプラントは、約0.18mgのフルオシノロンアセトニドを含む硝子体内インプラントである。インプラントはまた、ポリビニルアルコール、シリコーン接着剤、ポリイミドチューブを含み得、水を含み得る。
【0023】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、治療を必要とする眼の網膜疾患を治療する方法であって、第1の実施形態の注入器を使用して、ボロラニブを含むインプラントを施すことを含む、方法を提供する。一実施形態によれば、インプラントは、硝子体内インプラントであり、約400μg~約2800μgのボロラニブを含む。インプラントはまた、ポリビニルアルコールも含み得る。
【0024】
本明細書の第2の実施形態によれば、本開示は、注入器を使用して、少なくとも1つのインプラントを眼に送達する方法を提供する。注入器は、眼の近くに位置決めされる。注入器は、プッシュロッドと、入口、出口、及び入口から出口まで延在する管腔と、を有する、マガジンチューブであって、マガジンチューブが、その中に少なくとも1つのインプラントを有する、マガジンチューブと、マガジンチューブの出口を覆う閉鎖構成にある、ゲートと、カニューレと、アクチュエータと、を含む。カニューレの遠位端は、眼の組織に挿入される。アクチュエータは、少なくとも1つのインプラントを眼の組織に送達するように作動される。アクチュエータの作動は、ゲートを閉鎖構成から、ゲートがマガジンチューブの出口を覆わない開放構成に移動させ、アクチュエータの作動はまた、マガジンチューブ及びカニューレを通るプッシュロッドの並進を引き起こして、少なくとも1つのインプラントを押す。
【0025】
第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも1つのインプラントが、ちょうど3つのインプラントを含むことを提供する。
【0026】
第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、眼の組織が、眼の硝子体を含むことを提供する。
【0027】
第2の実施形態の一態様では、本明細書の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレの管腔は、ゲートが開放構成にあるとき、マガジンチューブの管腔と流体連通していることを提供する。
【0028】
第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレの遠位端が、面取りされていることを提供する。
【0029】
第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、シャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、無延伸構成に付勢されることを提供する。第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ばねが、無延伸構成で巻回されることを提供する。第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、非展開位置にあるアクチュエータが、ばねが延伸構成にあるように、シャトル本体を保持することを提供する。第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータの非展開位置から展開位置への作動が、シャトル本体を解放し、ばねが無延伸構成を復旧させることを可能にすることを提供する。第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータが非展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に当接係止し、アクチュエータが展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に接触せず、シャトル本体から係合解除されることを提供する。
【0030】
第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレ及びマガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、マガジンチューブの出口とカニューレの入口との間に延在していることを提供する。第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ゲートの一部分が、ゲートが閉鎖構成にあるとき、移行ギャップ内に配設され、ゲートの一部分が、ゲートが開放構成にあるとき、移行ギャップ内に配設されないことを提供する。
【0031】
第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、シャトル本体に取り付けられていることを提供する。ドラッグワイヤが、シャトル本体に取り付けられている。注入器は、シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる、シャトル減速器を更に含む。第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、シャトル減速器が、正弦波経路を形成する複数のボスを含み、ドラッグワイヤと複数のボスとの間の相互作用が摩擦を生じることを提供する。第2の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、複数のボスが、プラスチック材料から形成されていることを提供する。
【0032】
本開示の第3の実施形態によれば、本開示は、注入器であって、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配設されたプッシュロッドと、ハウジング内に配設されたマガジンチューブと、ハウジングの外側に配設され、眼に挿入されるように構成されている遠位端を有する、カニューレと、アクチュエータと、を含む、注入器を提供する。マガジンチューブは、入口、出口、及び入口から出口まで延在する管腔を有する。マガジンチューブは、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容するように構成され、プッシュロッドは、マガジンチューブの管腔内に摺動自在に受容されるように構成されている。アクチュエータの作動が、マガジンチューブ及びカニューレを通るプッシュロッドの並進を引き起こす。マガジンチューブは、少なくとも3つのインプラントを保持するように構成されており、注入器は、アクチュエータの単一の作動を介して、少なくとも3つのインプラントを送達するように構成されている。少なくとも3つのインプラントの送達速度は、送達速度が2~12秒であるように制御される。
【0033】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、ハウジング内に配設されたゲートを更に含むことを提供する。ゲートは、マガジンチューブの出口を覆う閉鎖構成と、マガジンチューブの出口を覆わない開放構成と、を有する。カニューレの管腔は、ゲートが開放構成にあるとき、マガジンチューブの管腔と流体連通している。アクチュエータの作動が、ゲートを閉鎖構成から開放構成に移動させる。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレ及びマガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、マガジンチューブの出口とカニューレの入口との間に延在していることを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ゲートの一部分が、ゲートが閉鎖構成にあるとき、移行ギャップ内に配設され、ゲートの一部分が、ゲートが開放構成にあるとき、移行ギャップ内に配設されないことを提供する。
【0034】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、安全キャップであって、ハウジングに結合されるときに、カニューレの遠位端を覆うために、ハウジングに取り外し可能に結合されるように構成されている、安全キャップを更に含むことを提供する。安全キャップは、アクチュエータの作動を防止するために安全キャップがハウジングに結合されるときに、アクチュエータに形成されたスロット内に延在するタブを含む。
【0035】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ハウジングが、ハウジングの残りの長さの高さよりも大きい高さを含む非対称フィンを有する略管状の構造を有することを提供する。
【0036】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレの遠位端が、面取りされていることを提供する。
【0037】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、無延伸構成に付勢されることを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ばねが、無延伸構成で巻回されることを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、非展開位置にあるアクチュエータが、ばねが延伸構成にあるように、シャトル本体を保持することを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータの非展開位置から展開位置への作動が、シャトル本体を解放し、ばねが無延伸構成を復旧させることを可能にすることを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータが非展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に当接係止し、アクチュエータが展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に接触せず、シャトル本体から係合解除されることを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータが、シャトル本体に対して回転し、非展開位置と展開位置との間を移行するように構成されていることを提供する。
【0038】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ハウジングが、プッシュロッドの並進に関係する視覚的フィードバックを可能にするためにハウジングの上に形成された、窓を含むことを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体の外面が、窓を通して視覚的フィードバックを提供するための状態インジケータをその上に含むことを提供する。
【0039】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられていることを提供する。ドラッグワイヤは、少なくとも3つのインプラントの送達速度を制御するために、シャトル本体に取り付けられている。注入器は、ハウジング内に配設されたシャトル減速器を更に含み、シャトル減速器は、その正弦波経路内にドラッグワイヤを受容するように構成されている。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、シャトル減速器の正弦波経路が、複数のボスによって画定されており、ドラッグワイヤと複数のボスとの間の相互作用が、シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる摩擦を生じることを提供する。第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、複数のボスが、プラスチック材料から形成されていることを提供する。
【0040】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ステンレス鋼から形成されていることを提供する。
【0041】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも3つのインプラントの送達速度が、送達速度が3~10秒であるように制御されることを提供する。
【0042】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも3つのインプラントの送達速度が、送達速度が4~9秒であるように制御されることを提供する。
【0043】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、ハウジング内に配設された回転ダンパを更に含み、回転ダンパが、プッシュロッドに結合されており、プッシュロッドがハウジング内で移動する速度を減速させるように構成されていることを提供する。
【0044】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、4~9秒の注入速度を有することを提供する。
【0045】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、2.5~7.5秒の注入速度を有することを提供する。
【0046】
第3の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、1.5~6.5秒の注入速度を有することを提供する。
【0047】
本明細書の第4の実施形態によれば、本開示は、注入器であって、自身の上に形成された窓を含む、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配設されたプッシュロッドと、ハウジング内に配設されたマガジンチューブと、ハウジングの外側に配設され、眼に挿入されるように構成されている遠位端を有する、カニューレと、アクチュエータと、を含む、注入器を提供する。マガジンチューブは、入口、出口、及び入口から出口まで延在する管腔を有する。マガジンチューブは、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容するように構成され、プッシュロッドは、マガジンチューブの管腔内に摺動自在に受容されるように構成されている。アクチュエータの作動は、マガジンチューブ及びカニューレを通るプッシュロッドの並進を引き起こす。窓は、ハウジングを通るプッシュロッドの並進の視覚的フィードバックを可能にし、視覚的フィードバックは、少なくとも1つのインプラントの送達が完了している表示を提供する。
【0048】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、ハウジング内に配設されたゲートを更に含むことを提供する。ゲートは、マガジンチューブの出口を覆う閉鎖構成と、マガジンチューブの出口を覆わない開放構成と、を有する。カニューレの管腔は、ゲートが開放構成にあるとき、マガジンチューブの管腔と流体連通している。アクチュエータの作動は、ゲートを閉鎖構成から開放構成に移動させる。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレ及びマガジンチューブが、同軸に位置合わせされており、移行ギャップが、マガジンチューブの出口とカニューレの入口との間に延在していることを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ゲートの一部分が、ゲートが閉鎖構成にあるとき、移行ギャップ内に配設され、ゲートの一部分が、ゲートが開放構成にあるとき、移行ギャップ内に配設されないことを提供する。
【0049】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、安全キャップであって、ハウジングに結合されるときに、カニューレの遠位端を覆うために、ハウジングに取り外し可能に結合されるように構成されている、安全キャップを更に含むことを提供する。安全キャップは、アクチュエータの作動を防止するために安全キャップがハウジングに結合されるときに、アクチュエータに形成されたスロット内に延在するタブを含む。
【0050】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ハウジングが、ハウジングの残りの長さの高さよりも大きい高さを含む非対称フィンを有する略管状の構造を有することを提供する。
【0051】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、カニューレの遠位端が、面取りされていることを提供する。
【0052】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、無延伸構成及び延伸構成を含み、無延伸構成に付勢されることを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ばねが、無延伸構成で巻回されることを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、非展開位置にあるアクチュエータが、ばねが延伸構成にあるように、シャトル本体を保持することを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータの非展開位置から展開位置への作動が、シャトル本体を解放し、ばねが無延伸構成を復旧させることを可能にすることを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータが非展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に当接係止し、アクチュエータが展開位置にあるとき、アクチュエータが、シャトル本体に接触せず、シャトル本体から係合解除されることを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、アクチュエータが、シャトル本体に対して回転し、非展開位置と展開位置との間を移行するように構成されていることを提供する。
【0053】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられていることを提供する。ドラッグワイヤが、シャトル本体に取り付けられている。注入器は、ハウジング内に配設されたシャトル減速器を更に含み、シャトル減速器は、その正弦波経路内にドラッグワイヤを受容するように構成されている。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、シャトル減速器の正弦波経路が、複数のボスによって画定されており、ドラッグワイヤと複数のボスとの間の相互作用が、シャトル本体及びそれに取り付けられたプッシュロッドの並進を減速させる摩擦を生じることを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、ドラッグワイヤが、ステンレス鋼から形成されており、複数のボスが、プラスチック材料から形成されていることを提供する。
【0054】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ステンレス鋼から形成されていることを提供する。
【0055】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体の外面が、窓を通して視覚的フィードバックを提供するための少なくとも1つの状態インジケータをその上に含むことを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも1つの状態インジケータが、第1の状態インジケータ及び第2の状態インジケータを含むことを提供する。第1の状態インジケータは、第2の状態インジケータの近位に配設されている。第1の状態インジケータは、アクチュエータの作動前に、窓を通して表示され、第2の状態インジケータは、少なくとも1つのインプラントの送達が完了しているとき、窓を通して表示される。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも1つの状態インジケータは、第1の状態インジケータと第2の状態インジケータとの間に配設された第3の状態インジケータを更に含み、第2の状態インジケータは、シャトル本体がハウジング内で移動している間に、窓を通して配設されることを提供する。第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、第1の状態インジケータは、第1の色であり、第2の状態インジケータは、第2の色であり、第3の状態インジケータは、第3の色であることを提供する。
【0056】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、注入器が、ハウジング内に配設された回転ダンパを更に含み、回転ダンパが、プッシュロッドに結合されており、プッシュロッドがハウジング内で移動する速度を減速させるように構成されていることを提供する。
【0057】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、4~9秒の注入速度を有することを提供する。
【0058】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、2.5~7.5秒の注入速度を有することを提供する。
【0059】
第4の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、プッシュロッドが、ハウジング内に摺動自在に配設されているシャトル本体に取り付けられており、シャトル本体が、ばねに結合されており、ばねが、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパが、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器が、1.5~6.5秒の注入速度を有することを提供する。
【0060】
本明細書の第5の実施形態によれば、本開示は、注入器を使用して、少なくとも1つのインプラントを眼に送達する方法を提供する。注入器の遠位先端は、眼の注入部位に隣接して位置決めされる。注入器は、プッシュロッドと、入口、出口、及び入口から出口まで延在する管腔と、を有する、マガジンチューブであって、マガジンチューブが、その中に少なくとも1つのインプラントを有する、マガジンチューブと、マガジンチューブの出口を覆う閉鎖構成にある、ゲートと、カニューレと、アクチュエータと、状態インジケータと、を含む。注入器の遠位端は、注入部位で眼の組織へ通される。アクチュエータは、少なくとも1つのインプラントを眼の組織に送達するように作動される。アクチュエータの作動は、ゲートを閉鎖構成から、ゲートがマガジンチューブの出口を覆わない開放構成に移動させ、アクチュエータの作動はまた、マガジンチューブ及びカニューレを通るプッシュロッドの並進を引き起こして、少なくとも1つのインプラントを押す。注入器の遠位端の位置は、注入器の状態インジケータがインプラント送達の完了を示すまで、眼の組織内に維持される。注入器の状態インジケータがインプラント送達の完了を示した後に、注入器は眼の組織から取り外される。
【0061】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも1つのインプラントが、ちょうど3つのインプラントを含むことを提供する。
【0062】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも1つのインプラントが、治療を必要とする眼の眼の後部に影響を与える慢性非感染性ぶどう膜炎を治療するために使用されることを提供する。
【0063】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、眼の組織が、眼の硝子体を含むことを提供する。
【0064】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、インプラントが、約0.18mgのフルオシノロンアセトニドを含む硝子体内インプラントであることを提供する。
【0065】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、インプラントはまた、ポリビニルアルコール、シリコーン接着剤、ポリイミドチューブを含み、水を含み得ることを提供する。
【0066】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、少なくとも1つのインプラントが、治療を必要とする眼の網膜疾患を治療するために使用されることを提供する。
【0067】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、網膜疾患が、滲出型AMD、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫及び網膜静脈閉塞から選択されることを提供する。
【0068】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、インプラントが、硝子体内インプラントであり、約400μg~約2800μgのボロラニブを含むことを提供する。
【0069】
第5の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、インプラントはまた、ポリビニルアルコールも含むことを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明の前述並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に例示されるように、本明細書の実施形態の以下の説明から明らかになる。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成し、本発明の原理を説明すること、及び当業者が本発明を製造及び使用することを可能にすることに更に役立つ。図面は、正確な縮尺ではない。
【0071】
図1】本明細書の一実施形態による注入器の分解斜視図であり、注入器は、非展開状態にあり、安全キャップは、注入器に結合されていない。
図2図1の注入器の遠位端部分の拡大斜視図であり、注入器は、非展開状態にあり、安全キャップは、注入器に結合されていない。
図3図1の注入器の側面図であり、注入器は、非展開状態にあり、安全キャップは、注入器に結合されている。
図4図1の注入器の遠位端部分の拡大斜視図であり、注入器は、非展開状態にあり、安全キャップは、注入器に結合されている。
図5図1の注入器の斜視図であり、注入器は、非展開状態にあり、図示のために、注入器のハウジングが取り外されている。
図5A図5のA-A線による図5の断面図である。
図6図1の注入器の斜視図であり、注入器は、展開状態にある。
図7図1の注入器の斜視図であり、注入器は、展開状態にあり、図示のために、注入器のハウジングが取り外されている。
図7A図7のA-A線による図7の断面図である。
図8A図1の注入器の窓シャーシの斜視図であり、窓シャーシは、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図8B図8Aの窓シャーシの側面図である。
図9図1の注入器のマガジンサブアセンブリの斜視図であり、マガジンサブアセンブリは、マガジンチューブ、マガジンチューブマウント、ゲート、カニューレ、及びカニューレマウントを含み、マガジンサブアセンブリは、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図10図9のカニューレ及びカニューレマウントの斜視図である。
図11図9のカニューレ及びカニューレマウントの別の斜視図であり、カニューレマウントは、透視図により示される。
図12図9のマガジンチューブ、マガジンチューブマウント、及びゲートの斜視図である。
図13図12の端面図である。
図14】例示のためにゲートを取り外した状態の、図13の端面図である。
図15図12のマガジンチューブの斜視図であり、マガジンチューブは、透視図により示され、3つのインプラントを保持している状態が示される。
図16A】ゲートが閉鎖構成にあるときの、図9のマガジンサブアセンブリの拡大断面図である。
図16B】ゲートが開放構成にあるときの、図9のマガジンサブアセンブリの拡大断面図である。
図17図9のマガジンサブアセンブリのゲートの斜視図である。
図18図1の注入器のシャトルサブアセンブリの斜視図であり、シャトルサブアセンブリは、シャトル本体、プッシュロッド、ばね、及びドラッグワイヤを含み、シャトルサブアセンブリは、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図18A図18のA-A線による図18の断面図である。
図19図18のシャトルサブアセンブリのばねの斜視図である。
図20】注入器が非展開状態にあるときの、図1の注入器のアクチュエータの拡大斜視図である。
図21】注入器が非展開状態にあるときの、図1の注入器のアクチュエータの拡大側面図である。
図22】注入器が展開状態にあるときの、図1の注入器のアクチュエータの拡大側面図である。
図23】注入器のアクチュエータシャーシに取り付けられた図8Aの窓シャーシの斜視図であり、窓シャーシ及びアクチュエータシャーシは、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図24図23の窓シャーシ及びアクチュエータシャーシに結合された図9のマガジンアセンブリの斜視図であり、マガジンアセンブリ、窓シャーシ及びアクチュエータシャーシは、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図25図23の窓シャーシ及びアクチュエータシャーシに結合されたプッシュロッドの斜視図であり、プッシュロッド、窓シャーシ及びアクチュエータシャーシは、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図26A図23のアクチュエータシャーシ、及び注入器のアクチュエータの斜視図であり、アクチュエータシャーシ及びアクチュエータは、例示のために、注入器から取り外された状態が示され、アクチュエータは、非展開状態にある。
図26B図23のアクチュエータシャーシ、及び注入器のアクチュエータの斜視図であり、アクチュエータシャーシ及びアクチュエータは、例示のために、注入器から取り外された状態が示され、アクチュエータは、展開状態にある。
図27図23のアクチュエータシャーシの斜視図である。
図28図23のアクチュエータシャーシと、注入器が非展開状態にあるときの、アクチュエータシャーシの中に配設されたアクチュエータと、の斜視図である。
図29図23のアクチュエータシャーシと、注入器が展開状態にあるときの、アクチュエータシャーシの中に配設されたアクチュエータと、の斜視図である。
図30A図1の注入器のアクチュエータ及びマガジンサブアセンブリの斜視図であり、注入器が非展開状態にあるときの、アクチュエータ及びゲートの相対位置決めを図示する。
図30B】注入器が非展開状態にあるときの、アクチュエータ及びゲートの相対位置決めを図示するための拡大断面図である。
図31】注入器が展開状態にあるときの、アクチュエータ及びゲートの相対位置決めを図示するための拡大断面図である。
図32】注入器が非展開状態にあるときの、アクチュエータ及びシャトルサブアセンブリの相対位置決めを図示するための拡大断面図である。
図33】注入器が展開状態にあるときの、アクチュエータ及びシャトルサブアセンブリの相対位置決めを図示するための拡大断面図である。
図34図1の注入器であって、ハウジング及び窓シャーシが例示のために注入器から取り外された状態の注入器の拡大斜視図であり、注入器は、展開状態で示され、シャトルサブアセンブリは、透視図により示される。
図35図1の注入器のシャトルサブアセンブリの拡大断面図であり、注入器は、シャトル減速器を更に含む。
図36図35のシャトル減速器の斜視図であり、シャトル減速器は、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図37】シャトル減速器を通して配設されたシャトルサブアセンブリのドラッグワイヤの拡大斜視図である。
図38】本明細書の別の実施形態による注入器の斜視図であり、注入器は、回転ダンパを含む。
図39図38の注入器のシャトルサブアセンブリの斜視図であり、シャトルサブアセンブリは、例示のために、注入器から取り外された状態が示される。
図40】本明細書の一実施形態による、注入器を使用する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明の特定の実施形態は、図を参照しながら説明され、同様の参照番号は、同一又は機能的に類似した要素を示す。以下の「発明を実施するための形態」は、本来、単なる例示的なものであり、本発明、又は本発明の用途及び使用を限定することを意図するものではない。本発明の説明は、主に、インプラントを眼組織に送達するという文脈であるが、本発明はまた、有用であるとみなされる他のインプラントを送達するために使用され得る。「注入器」という用語は、全てのタイプの分注装置を含むように広く意図されており、本開示の注入器は、医学的用途に限定されない。加えて、「注入器」という用語は、本明細書では「アプリケータ」という用語と交換可能に使用されてもよく、「注入する」という用語は、本明細書では「挿入する」という用語と交換可能に使用されてもよい。更に、前述の技術分野、背景技術、発明の概要、又は以下の発明を実施するための形態で提示される任意の明示的又は暗示的な理論によって拘束される意図はない。
【0073】
本開示では、「近位」という用語は、デバイスを使用して注入部位にインプラントを注入する医師に最も近い要素の部分を指すために使用される。「遠位」という用語は、本明細書では、注入器がインプラントを注入するために利用されるとき、医師の手から最も遠く、注入部位に最も近い要素の部分を指すように使用される。加えて、本明細書で使用される場合、「a」又は「an」という用語は、1つ以上を指すために使用される。例えば、「インプラント(an implant)」は、本明細書では、1つ以上のインプラントを指すために使用される。加えて、「インプラント」という用語は、本明細書で「インサート」という用語と交換可能に使用され得る。
【0074】
一実施形態では、本開示の注入器は、眼内薬物送達のために構成されており、1つ以上のインプラント又はペイロードを眼に送達するために使用される。一実施形態では、注入器は、複数のインプラントを、人間の眼の後部に送達するように構成されている。インプラントは、治療上有効な量の1つ以上の薬物を含んでもよく、例えば、薬物又は他の薬剤を放出するための任意の固体組成物であってもよい。そのようなデバイスは、典型的には、組織内の任意の数の場所に植え込むことができ、制御された量の所望の薬物又は治療薬を経時的に放出することができるように設計することができる。特定の実施形態では、インプラントは、治療薬及びポリマーを含む。治療薬は、ステロイド又は生物学的製剤を含んでもよい。例えば、治療薬は、ベバシズマブ又はラニビズマブを含んでもよい。好ましい実施形態では、治療薬は、フルオシノロンアセトニドなどのコルチコステロイドを含む。いくつかの実施形態では、インプラントの長手方向長さは、0.1~0.6センチメートルである。インプラントは、21ゲージ以下のカニューレに対応する注入器のカニューレを通して送達され得るため、0.66mm以下の断面直径を有する。注入器は、インプラントを所望の植え込み部位、例えば、眼の硝子体腔内に位置決めするために使用され得る。そのような実施形態の場合、本明細書でより詳細に説明するように、注入器は、眼の近くに位置決めされてもよく、注入器のカニューレは、インプラントを設置するために、強膜を通って眼の硝子体内に位置決めされてもよい。インプラントが眼に送達されると、カニューレを引き抜くことができる。インプラントを施すことは、患者の眼にインプラントを注入することを含み得、例えば、インプラントを、眼の後部、前眼房若しくは後眼房、又は網膜内、硝子体内、網膜下、脈絡膜内、脈絡膜上、強膜内、強膜上、強膜外、結膜下、角膜間若しくは上角膜空間を含む眼の他の領域に挿入することを含み得る。例えば、インプラントは、房水に、又は好ましくは、眼の硝子体液に(硝子体内に)注入され得る。
【0075】
第1の実施形態の一態様では、本明細書の任意の他の態様と組み合わせて、本開示は、予防又は治療を必要とする眼の眼症状又は疾患を予防又は治療する方法であって、第1の実施形態の注入器を使用して、活性医薬成分(API)を含有するインプラントを施すことを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、インプラントは、前眼症状を治療するために施される。他の実施形態では、後眼症状を治療するために施され得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、前眼症状を予防するために施される。他の実施形態では、後眼症状を予防するために施され得る。
【0076】
「前眼症状」は、眼周囲筋若しくは眼瞼などの前方(すなわち、前部とも呼ばれる、眼の前面)の眼部又は構造、又は水晶体嚢又は毛様体筋の後壁の前方に位置する流体に影響を与える又は関与する、疾患、病気、又は症状である。したがって、前眼症状は、結膜、角膜、前眼房、虹彩、(虹彩と水晶体との間に位置する)後眼房、水晶体又は水晶体嚢、並びに、前眼部又は部位の血管形成又は神経支配を行う血管及び神経に影響を与え得るか、又は関与し得る。
【0077】
前眼症状は、緑内障などの疾患、病気又は症状を含むことができるが、これらに限定されない。
【0078】
「後眼症状」は、(水晶体嚢の後壁を通る平面の後方の位置にある)脈絡膜又は強膜、硝子体、硝子体腔、網膜、視神経又は視神経頭、並びに、後眼部又は部位の血管形成又は神経支配を行う血管及び神経などの後方(すなわち、後部とも呼ばれる、眼の後面)の眼部又は構造に主に影響を与える又は関与する、疾患、病気又は症状である。
【0079】
後眼症状は、急性黄斑神経網膜症、ベーチェット病、地図状萎縮、脈絡膜血管新生、糖尿病性ぶどう膜炎、ヒストプラスマ症、真菌、細菌、又はウイルスによって引き起こされる感染症などの感染症、血管新生黄斑変性症、急性黄斑変性症、非浸出性加齢性黄斑変性症及び浸出性加齢性黄斑変性症などの黄斑変性症、黄斑浮腫、嚢様黄斑浮腫及び糖尿病性黄斑浮腫などの浮腫、多巣性脈絡膜炎、後眼部位又は場所に影響を与える眼外傷、眼の腫瘍、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞症、(増殖性糖尿病網膜症を含む)糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、高血圧性網膜症、網膜中心動脈閉塞(CRAO)及び網膜動脈分枝閉塞(BRAO)などの網膜動脈閉塞性疾患、網膜剥離、ぶどう膜炎網膜疾患などの網膜疾患、交感性眼炎、Vogt-小柳-原田(VKH)症候群、ぶどう膜拡散、眼レーザー治療によって引き起こされるか若しくはその影響を受けた後眼症状又は光線力学的療法、光凝固、放射線網膜療法によって引き起こされるか若しくはその影響を受けた後眼症状、網膜上膜障害、網膜静脈分枝閉塞症、前部虚血性視神経症、非網膜症性糖尿病性網膜機能不全、及び網膜色素変性症などの疾患、病気又は症状を含むが、これらに制限されない。緑内障はまた、治療の目的が、網膜細胞又は(例えば、神経防護作用を介する)視神経細胞の損傷又は損失に起因する失明の発現を防止又は低減することであるため、後眼症状とみなされ得る。
【0080】
特定の実施形態では、インプラントは、予防又は治療を必要とする眼の黄斑変性症、例えば、乾燥型AMD及び滲出型AMDなどの加齢性黄斑変性(「AMD」)を予防又は治療するために施される。インプラントは、網膜色素上皮細胞の死を予防するために施されてもよい。インプラントは、血管新生を阻害するために施されてもよい。いくつかの実施形態では、インプラントは、黄斑変性に関連付けられた視力喪失などの眼の視力喪失を予防又は治療するために施される。加えて、インプラントは、乾燥型AMDから滲出型AMDへの進行を防止又は遅延するために施されてもよい。いくつかの実施形態では、インプラントは、予防又は治療を必要とする眼の網膜静脈閉塞、例えば、網膜中心静脈閉塞症(「CRVO」)又は網膜静脈分枝閉塞症(「BRVO」)を予防又は治療するために施される。他の実施形態では、インプラントは、非虚血性網膜静脈閉塞又は虚血性網膜静脈閉塞を予防又は治療するために施されてもよい。更に他の実施形態では、インプラントは、治療を必要とする眼の糖尿病性網膜症を治療するために施される。
【0081】
特定の眼症状又は疾患に対して施されるインプラント内のAPIは、その眼症状に対するAPIの適合性に基づいて選択される。
【0082】
本発明のインプラントは、様々なクラスのAPIを送達するために使用されてもよい。これらのクラスのAPI及び特定のAPIの例として、以下が挙げられる。
【0083】
いくつかの実施形態では、APIは、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤(抗VEGFと呼ばれることもある)、チロシンキナーゼ(TKI)阻害剤、血管内皮タンパク質チロシンホスファターゼ(VE-PTP)阻害剤、Ang-1阻害剤、Ang-2阻害剤、Tie-2活性剤、Tie-2アゴニスト、又はmTOR阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。これらの活性のうちの1つ以上を有するAPIは、アルチラチニブ、レバスチニブ、アファチニブ、アレクチニブ、アパチニブ、ASP-3026、アキシチニブ、バフェチニブ、バリシチニブ、ビニメチニブ、ボスチニブ、ブリガチニブ、カボザンチニブ、カネルチニブ、セディラニブ、CEP-11981、CEP-37440、セリチニブ、コビメチニブ、コパンリシブ、クレノラニブ、クリゾチニブ、CYT387、ダブラフェニブ、ダムナカンタール、ダサチニブ、ドラマピモド、エヌトレクチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、フィルゴチニブ、フォレチニブ、フォスタマチニブ、ゲフィチニブ、グランディニン、イブルチニブ、イコチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、IPI-145、JSI-124、ラパチニブ、レンバチニブ、レスタウルチニブ、リニファニブ、マシチニブ、モテサニブ、ムブリチニブ、ネラチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、パクリチニブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ペリフォシン、ペクスメチニブ、PF-06463922、ポナチニブ、PX-866、キザルチニブ、ラドチニブ、ラズプロタフィブ(AKB-9778)、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、セルメチニブ、セマキサニブ、シロリムス、ソラフェニブ、ソラフェニブトシル酸塩、スタウロスポリン、スニチニブ、リンゴ酸スニチニブ、SU6656、テムシロリムス、TG101348、チボザニブ、トセラニブ、トファシチニブ、トラメチニブ、TSR-011、バンデタニブ、バタラニブ、ベムラフェニブ、ボロラニブ、及びX-396を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、APIは、ステロイド又はコルチコステロイドなどのステロイド性抗炎症剤であってもよく、その非限定的な例は、フルオシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21-リン酸塩、酢酸プレドニゾロン、フルオロメタロン(fluoromethalone)及びベタメタゾンである。
【0085】
他の実施形態では、APIは、プロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体又はアゴニスト、例えば、ビマトプロスト、ラタノプロスト、ラタノプロステンブノド、タフルプロスト、又はトラボプロストである。
【0086】
更に他の実施形態では、APIは、ブリモニジン、酒石酸ブリモニジン、又はパモ酸ブリモニジンなどのアルファ-2アドレナリン受容体アゴニストである。
【0087】
いくつかの態様では、APIは、チモロールなどのベータ遮断薬である。
【0088】
他の態様では、APIは、アセタゾラミド、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、又はメタゾラミドなどの炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)である。
【0089】
他の態様では、APIは、ネタルスジルなどのrhoキナーゼ(khinase)阻害剤である。
【0090】
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)もまた、企図される。NSAIDには、ジクロフェナク、エトルドラク(etoldolac)、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロモキシカム(lomoxicam)、モラゾン、ナプロキセン、ペリソキサール、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、スキシブゾン、トロペシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、ジレウトン、及びゾメピラックが含まれる。バルデコキシブ、ロフェコキシブ、及びセレコキシブなどのCOX-2阻害剤もまた、企図される。
【0091】
いくつかの実施形態では、APIは、ニモジピンなどの神経保護剤、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリルニキシン(polyrnyxin)、グラミシジン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、若しくはエリスロマイシンなどの抗生物質、又はスルホンアミド、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルフィソオキサゾール、ニトロフラゾン若しくはプロピオン酸ナトリウムなどの抗菌剤である。
【0092】
別の実施形態では、APIは、C3阻害剤、例えば、APL-2(ペグセタコプラン)、又はC5阻害剤などの、コンプリメント(compliment)阻害剤である。
【0093】
リドカイン及び関連化合物などの麻酔薬及び鎮痛剤もまた、企図される。
【0094】
いくつかの実施形態では、インプラントは、2つ以上のAPIを含む。
【0095】
加えて、本発明は、APIの類似体、誘導体、薬学的に許容できる塩、エステル、プロドラッグ、共薬、及びそれらの保護形態の使用を企図する。
【0096】
所与の化合物の「薬学的に許容できる塩」という用語は、所与の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にもその他の点でも望ましくないことがない塩を指す。
【0097】
方法のいくつかの実施形態では、インプラントは、VEGF阻害剤、TKI阻害剤などのキナーゼ阻害剤、VE-PTP阻害剤、Ang-1阻害剤、Ang-2阻害剤、及び/又はTie-2活性剤を含む。いくつかの実施形態では、インプラントは、ボロラニブ、又はその薬学的に許容できる塩を含む。他の実施形態では、インプラントは、アキシチニブ、又はその薬学的に許容できる塩を含む。更に他の実施形態では、インプラントは、ラズプロタフィブ、又はその薬学的に許容される塩若しくは両性イオンを含む。
【0098】
他の実施形態では、インプラントは、Tie-2を活性化するために施される。本方法のいくつかの実施形態では、インプラントは、Tie-2活性剤を含む。更なる実施形態では、Tie-2活性剤は、ラズプロタフィブ、又はその薬学的に許容される塩若しくは両性イオンである。
【0099】
いくつかの実施形態では、インプラントは、ぶどう膜炎を治療するために施される。更なる実施形態では、インプラントは、眼の後部に影響を与える慢性非感染性ぶどう膜炎を治療するために施される。いくつかの実施形態では、インプラントは、眼の術後炎症を治療するために施される。これらの方法のいくつかの実施形態では、インプラントは、ステロイド性抗炎症剤を含む。一実施形態では、インプラントは、コルチコステロイドを含み、眼の後部に影響を与える慢性非感染性ぶどう膜炎の治療に適応される。コルチコステロイドは、フルオシノロンアセトニドなどであるが、これらに制限されない合成コルチコステロイドであり得る。フルオシノロンアセトニドの化学名は、(6α,11β,16α)-6,9-ジフルオロ-11,21-ジヒドロキシ-16,17-[(1-メチルエチリデン)ビス-(オキシ)]-プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオンである。インプラントは、36ヶ月徐放性薬物送達システム中に0.18mgのフルオシノロンアセトニドを含有する、滅菌された非生体内分解性硝子体内インプラントであり得る。一実施形態では、インプラントは、0.18mgの活性成分フルオシノロンアセトニド及び以下の非活性成分:ポリイミドチューブ、ポリビニルアルコール、シリコーン接着剤、及び注入用水を含む。インプラントは、0.25mcg/日の初期速度でフルオシノロンアセトニドを放出するように構成されてもよい。一実施形態では、各インプラントは、約3.5mm(長さ)×0.37mm(幅)であり得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、インプラントは、VEGF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害剤は、ボロラニブ、又はその薬学的に許容できる塩である。
【0101】
一実施形態では、インプラントは、約100μg~約2800μg、約400μg~約2800μg、又は約400μg~約2000μgのボロラニブを含む、硝子体内インプラントである。インプラントには、ポリビニルアルコールなどのポリマーも含まれ得る。一実施形態では、各インプラントは、長さで、約3mm~約10mmの長さを有する。一実施形態では、各インプラントは、長さで、約6mm~約9mmの長さを有する。
【0102】
一実施形態では、インプラントは、眼の硝子体腔を超えた、眼の他の部分に植え込まれるように構成されている。一実施形態では、本開示の注入器は、眼の後部に影響を与える慢性非感染性ぶどう膜炎の治療のために、1つ以上のインプラントを眼に送達するために使用される。いくつかの実施形態では、注入器は、網膜疾患の治療又は予防のために、1つ以上のインプラントを眼に送達するために使用される。いくつかの実施形態では、網膜疾患は、滲出型AMD、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫及び網膜静脈閉塞から選択される。
【0103】
インプラントは、角膜及び結膜のほとんどのウイルス性疾患を含む、活動性又は疑わしい眼又は眼周囲の感染症を有する患者の治療のために構成され得る。
【0104】
ここで図に目を向けると、本開示による注入器100がより詳細に説明される。図1図5は、1つ以上のインプラントが注入器内に含まれる非展開状態の注入器100を示し、図6図7Aは、1つ以上のインプラントが眼に送達された後の展開状態の注入器100を示す。注入器100は、ハウジング102と、ハウジング102に取り外し可能に結合された安全キャップ104と、を含む。図5は、注入器の内部構成要素を示すために、例示のために、ハウジング102が取り外された非展開状態の注入器100の斜視図であり、図5Aは、図5のA-A線による断面図である。同様に、図7は、注入器の内部構成要素を示すために、例示のために、ハウジング102が取り外された展開状態の注入器100の斜視図であり、図7Aは、図7のA-A線による断面図である。
【0105】
注入器100は、マガジンサブアセンブリ130、シャトルサブアセンブリ、及びアクチュエータ170を含む。マガジンサブアセンブリ130は、カニューレ122、マガジンチューブ132、及びゲート140を含み、シャトルサブアセンブリ150は、プッシュロッド160を含む。マガジンチューブ132、ゲート140、及びシャトルサブアセンブリ150は、ハウジング102内に配設されている。カニューレ122は、ハウジング102内に部分的に配設されており、その遠位部分は、ハウジング102の遠位端から末梢に延在する。より具体的には、カニューレ122は、ハウジング102内に配設されておらず、眼に挿入されるように構成されている、遠位端123を有する。カニューレ122の遠位端123は、カニューレ122の出口を画定する。アクチュエータ170はまた、ハウジング102内に部分的に配設されており、図1図5の非展開状態から図6図7Aの展開状態まで注入器100を操作するために、ユーザが容易に利用できる。
【0106】
本明細書でより詳細に説明するように、マガジンサブアセンブリ130のマガジンチューブ132は、その中に少なくとも1つのインプラントを摺動自在に受容するか又は収容するように構成されており、プッシュロッド160は、マガジンチューブ132及びカニューレ122内に摺動自在に受容されるように構成されている。マガジンサブアセンブリ130のゲート140は、マガジンチューブ132の出口を覆うか又は塞ぐ閉鎖構成と、マガジンチューブ132の出口が露出するように、マガジンチューブ132の出口を覆わない開放構成と、を有する。ゲート140が開放構成にあるとき、カニューレ122は、マガジンチューブ132と流体連通している。アクチュエータ170の非展開位置から展開位置への作動は、ゲート140を閉鎖構成から開放構成に移動又は変位させる。アクチュエータ170の作動はまた、マガジンチューブ132内に含まれる少なくとも1つのインプラントをカニューレ122を通して眼に送達するために、マガジンチューブ132及びカニューレ122内への及びそれらを通るプッシュロッド160の移動又は並進をもたらすか又は引き起こす。
【0107】
図1図4を参照して、注入器100のハウジング102及び安全キャップ104を、より詳細に説明する。図1及び図2は、注入器のハウジング102に結合されていない安全キャップ104を示し、図2は、注入器100の遠位端部分の拡大斜視図である。ハウジング102は、近位端101及び遠位端103を含む。ハウジング102は、略管状又は円筒形である。一実施形態では、ハウジング102の外径は、15mm~18mmの範囲である。ハウジング102は、注入器100が典型的な臨床環境で片手だけで操作され得るように、構成及びサイズ設定されている。ハウジング102は、その遠位端103の近くに、円筒形ではない非対称フィン106を含んでもよい。非対称フィン106は、円筒形であるハウジング102の残りの長さの高さ又は深さよりも大きい相対的に拡大された高さ又は深さを有する。例えば、一実施形態では、非対称フィン106の高さ又は深さは、ハウジング102の残りの長さの高さ又は深さの最大2倍である。ハウジング102の幅は、非対称フィン106が存在するかどうかに関わらず、ハウジング102の全長に沿って一貫している。そのため、一実施形態では、非対称フィン106の幅は、円筒形であるハウジング102の残りの長さの幅に等しい。非対称フィン106は、ハウジング102の全長の20~40%で延在し得る。非対称フィン106は、その上に指把持面107を含む。図1及び図2は、注入器100の片面のみを示すが、同様の指把持面が、好ましくは、ハウジング102の反対側の非対称フィン106に含まれる。非対称フィン106の形状及びテクスチャは、ユーザが注入器100を容易に保持及び把持して、操作中に注入器100の安定性を向上させることを可能にするように構成されている。各指把持面107は、エラストマー材料から形成されてもよく、その上に形成された複数のリブを含んでもよい。様々な形状又は構成のうちのいずれかは、注入器の操作中に好適な指の設置を提供するために、指把持面107のために選択され得る。
【0108】
ハウジング102は更に、その上に形成された窓108を含む。本明細書でより詳細に説明するように、窓108は、ハウジング102内のシャトルサブアセンブリ150の移動又は並進に関係する視覚的フィードバックを可能にする。別の言い方をすれば、ユーザは、注入器100の操作中にシャトルサブアセンブリ150の移動を見ることができる。本明細書でより詳細に説明するように、シャトルサブアセンブリ150は、ハウジング102内のシャトルサブアセンブリ150の相対位置決めをユーザに注意喚起するために、その外面上に1つ以上の状態インジケータを含み得る。例えば、状態インジケータは、表記、記号、指示、色などを含み得る。アクチュエータ170の展開又は作動の前に、例えば、第1の色又は状態インジケータが、ハウジング102の窓108を介してユーザに表示されてもよい。シャトルサブアセンブリ150は、注入器100の操作中にハウジング102に対して移動し、したがって、第2の色又は状態インジケータは、展開後に、ハウジング102の窓108を通してユーザに表示され、展開操作が完了していることの視覚的フィードバックをユーザに提供し得る。
【0109】
ハウジング102はまた、その上に形成された開口部109も含む。アクチュエータ170は、ユーザが利用しやすいように、開口部109を通って延在する。非展開位置にあるとき、図1図4に示すように、アクチュエータ170は、ユーザが簡単に使えるように、ハウジング102から外向きに突出している。アクチュエータ170は、その上に指把持面105を含んでもよい。指把持面105は、エラストマー材料から形成されてもよく、その上に形成された複数のリブを含んでもよい。様々な形状又は構成のうちのいずれかは、注入器の操作中に好適な指の設置を提供するために、指把持面105のために選択され得る。
【0110】
図3及び図4は、注入器のハウジング102に結合された安全キャップ104を示し、図4は、注入器100の遠位端部分の拡大斜視図である。安全キャップ104は、ハウジング102に取り外し可能に結合されるように構成されている。安全キャップ104は、注入器100を使用していないとき、カニューレ122の遠位端123を覆い、注入器100の不注意な作動を防止するために、安全キャップ104がハウジング102に結合されるとき、アクチュエータ170を作動させることができないように構成されている。より具体的には、図3及び図4に示すように、ハウジング102に結合されたとき、安全キャップ104は、ハウジング102内に配設されていないカニューレ122の遠位端123を含む、注入器100の遠位端部分を覆い、保護する。安全キャップ104は、ハウジング102の遠位端103に結合するように構成されている近位端110を有する。安全キャップ104は、近位端110から遠位先端112に先細になる、略円錐構成を有する。安全キャップ104は、その上に指把持面115を更に含む。図3及び図4は、安全キャップ104の片面のみを示すが、同様の指把持面は、好ましくは、安全キャップ104の反対側に含まれ、ユーザが、安全キャップ104を取り外し中に、容易に保持及び把持することを可能にする。各指把持面115は、エラストマー材料から形成されてもよく、その上に形成された複数のリブを含んでもよい。様々な形状又は構成のうちのいずれかは、注入器の操作中に好適な指の設置を提供するために、指把持面115のために選択され得る。
【0111】
安全キャップ104の近位端110は、対向する一対のタブ114A、114Bを含む。安全キャップ104がハウジング102に結合されるとき、タブ114Aは、アクチュエータ170の不注意な作動を防止するために、アクチュエータ170を通って形成されたスロット又は開口部116内に延在する。別の言い方をすれば、タブ114Aがスロット116内に配設されているとき、アクチュエータ170は、ユーザによって押下又は作動させることができない。したがって、アクチュエータ170は、安全キャップ104がハウジング102に結合されるとき、注入器100を操作することができないように、安全キャップ104とインターフェースするように構成されている。安全キャップ104がハウジング102に結合されるとき、タブ114Bは、安全キャップ104をハウジング102に更に固定するために、ハウジング102の非対称フィン106を通って形成されたスロット又は開口部118内に延在する。
【0112】
図8A及び図8Bは、それぞれ、注入器100の窓シャーシ119の斜視図及び側面図であり、窓シャーシ119は、例示のために、注入器100から取り外された状態が示される。窓シャーシ119は、ポリカーボネート又はアクリルなどの比較的硬い材料から形成された、透明な構成要素である。窓シャーシ119は、ハウジング102に固定又は保持されており、ハウジング102に対して移動しない。本明細書の別の実施形態(図示せず)では、窓シャーシ119の特徴又は機能は、窓シャーシ119が排除され得るように、ハウジング102に組み込まれるか又は内蔵され得る。窓シャーシ119は、近位端113A及び遠位端113Bを含む。近位端113Aにおいて、窓シャーシ119は、半円部分162を含む。シャーシ119がハウジング102内に保持されたとき、ハウジング102の窓108は、窓シャーシ119の半円部分162の上に配設される。窓シャーシ119は透明な材料から形成されているため、上記で説明したように、注入器100の操作中にシャトルサブアセンブリ150の可視化を可能にする。
【0113】
窓シャーシ119は、その中にマガジンサブアセンブリ130を受容するように構成されている。遠位端113Bにおいて、窓シャーシ119は、環状リング部分169を含む。遠位端113Bの近位に、窓シャーシ119は、マガジンサブアセンブリ150の対応する特徴(本明細書でより詳細に説明されるプロング129A、129B)を受容してマガジンサブアセンブリ150を窓シャーシ119に固定するための、窓シャーシの内面に形成された一対の一体型棚168A、168Bを含む。
【0114】
窓シャーシ119はまた、シャトルサブアセンブリ150をその中に摺動自在に受容するように構成されている。別に言えば、シャトルサブアセンブリ150は、注入器100の操作中に窓シャーシ119に対して摺動又は移動する。窓シャーシ119は、対向する一対のレール167A、167Bを含む。シャトルサブアセンブリ150は、注入器100の操作中に、レール167A、167Bに沿って窓シャーシ119内を摺動又は移動する。更に、遠位端113Bの近くに、窓シャーシ119は、その外面に形成されたフック111を更に含む。シャトルアセンブリ150のばね156は、以下でより詳細に説明するように、フック111に取り付けられる。
【0115】
窓シャーシ119はまた、本明細書でより詳細に説明するように、アクチュエータ170を受容し、アクチュエータ170と相互作用するアクチュエータシャーシ172に固定されるように構成されている。より具体的には、窓シャーシ119は、アクチュエータシャーシ172を窓シャーシ119に固定するために、アクチュエータシャーシ172の対応するタブ141A、141Bをスナップフィット配置で受容するための一対の開口部又はスロット166A、166Bを含む。
【0116】
図9図17を参照して、注入器100のマガジンサブアセンブリ130を、より詳細に説明する。図9は、注入器100のマガジンサブアセンブリ130の斜視図である。カニューレ122、マガジンチューブ132、及びゲート140に加えて、マガジンサブアセンブリ130はまた、カニューレマウント120及びマガジンチューブマウント134も含む。カニューレ122は、カニューレマウント120にしっかりと取り付けられ、カニューレマウント120内に配設されており、マガジンチューブ132は、マガジンチューブマウント134にしっかりと取り付けられ、マガジンチューブマウント134内に配設されている。カニューレマウント120は、図9に示すように、マガジンチューブマウント134にスナップフィット取り付けを介して固定される。図9の構成では、マガジンサブアセンブリ130は、その最終組み立てのために、注入器100のハウジング102に挿入又は摺動される最後の構成要素であり得る。ハウジング102に挿入されるときに、マガジンサブアセンブリ130の(本明細書でより詳細に説明されるプロング129A、129Bを含む)近位端は、窓シャーシ119の一体型棚168A、168Bにスナップ嵌めするように構成されている。窓シャーシ119に保持された後、マガジンサブアセンブリ130は、ハウジング102に対して、及び窓シャーシ119に対して固定され、それらに対して移動しない。
【0117】
図10は、カニューレマウント120及びそれに固定されたカニューレ122の斜視図であり、図11は、例示の目的で、透視図によりカニューレマウントを示す同様の図である。カニューレマウント120は、近位端において、スナップフィット取り付けを介してカニューレマウント120をマガジンチューブマウント134に結合するための対向する一対のプロング124A、124Bを含む。カニューレマウント120はまた、遠位端において、円錐形部分126及び管状部分128を含む。円錐形部分126及び管状部分128は、カニューレ122を受容するための、それらの部分を通る連続管腔125を含む。注入器100に組み立てられたとき、カニューレマウント120の円錐形部分126は、ハウジング102の遠位端103に当接する。カニューレマウント120の管状部分128は、円錐形部分126から末梢に延在し、ハウジング102の外側に延在するカニューレ122の部分を支持する。
【0118】
カニューレ122は、カニューレマウント120に対してカニューレ122が移動しないように、カニューレマウント120の連続管腔125内に固定又は保持される。カニューレ122は、近位端又は入口121から遠位端123まで、その全長を延在する管腔127を有し、これはまた、カニューレ122の出口ともみなされ得る。管腔127は、それを通ってプッシュロッド160を摺動自在に受容するように、サイズ設定又は構成されている。図11に最もよく示されるように、カニューレ122の近位端121は、プッシュロッド160がカニューレ122の中を通過するときに、カニューレマウント120内のカニューレ122の抜け又は末端側へのいかなる移動も更に防止するために、カニューレ122の残りの長さよりも大きい外径を有する、フレア構成を有し得る。注入器100に組み立てられたとき、カニューレ122の近位端121は、ハウジング102内に配設されている。
【0119】
カニューレ122の遠位端123は、面取りされており、眼に挿入されるように構成されている。一実施形態では、遠位端123の先端面取り部が、注入器のアクチュエータ170と位置合わせされるように、遠位端123の先端面取り部は上向きに配向されている。図10に最もよく示されるように、遠位端123は、カニューレマウント120の管状部分128の遠位端を越えて末梢に延在し、その結果、遠位端123は、眼への挿入のために露出されている。
【0120】
カニューレ122は、眼の強膜を貫通するように適合される18ゲージ~30ゲージの配管から形成され得る。カニューレ122は、好ましくは、直線状の縦断プロファイルを有するが、他の好適な縦針形状を使用することができる。遠位端123の先端面取り部は、カニューレ122の長手方向軸に対して約10度~13度、好ましくは、約11.5度の角度で配設することができる。カニューレ122は、金属若しくは金属合金(例えば、ステンレス鋼)などの任意の好適に剛性の材料、又はポリイミド、シリコーン、ポリカーボネート及び/若しくはポリビニルカーボネートなどのポリマー材料から作製されてもよい。カニューレ122は、0.25mm~1.0mmの外径を有し得る。
【0121】
マガジンチューブ132、マガジンチューブマウント134、及びゲート140の斜視図及び端面図を図12図13に示す。更に、図14は、例示のために、ゲート140が取り外されていることを除いて、図13と同じ端面図である。マガジンチューブマウント134は、近位端143及び遠位端145を含む。マガジンチューブマウント134の遠位端145は、対向する2つの半円形のタブ136A、136Bを含む。図9に最もよく示されるように、カニューレマウント120の対向する一対のプロング124A、124Bは、カニューレマウント120をマガジンチューブマウント134に取り付けるために、マガジンチューブマウント134の半円形のタブ136A、136Bにスナップフィット配置で把持又は引っ掛ける。マガジンチューブマウント134は、スナップフィット配置を介してマガジンチューブマウント134を窓シャーシ119に結合するための、対向する一対のプロング129A、129Bを含む。マガジンチューブマウント134は、それを通ってマガジンチューブ132を受容するための連続管腔135を含む。
【0122】
マガジンチューブ132は、マガジンチューブマウント134に対してマガジンチューブ132が移動しないように、マガジンチューブマウント134の管腔135内に固定又は保持される。マガジンチューブ132は、近位端又は入口131から遠位端又は出口133まで、その全長を延在する管腔137を有する。管腔137は、それを通ってプッシュロッド160を摺動自在に受容するように、サイズ設定又は構成されている。加えて、例示の目的で、マガジンチューブマウント134から取り外され、透視図により示されるマガジンチューブ132の斜視図である図15に最もよく示されるように、マガジンチューブ132は、注入器100が非展開状態にあるときに、直列配置で最大3つのインプラント138を保持又は維持するようにサイズ設定され構成されている。別の言い方をすれば、注入器100の操作前に、インプラント138は、マガジンチューブ132の管腔137内に存在する。注入器100は、アクチュエータ170の単一の作動を介して、3つのインプラント138を連続して眼に送達するように構成されている。
【0123】
一実施形態では、インプラント138は、製薬業者によってマガジンサブアセンブリ130に事前充填されてもよい。より具体的には、インプラント138は、注入器の組み立て前に、マガジンサブアセンブリ130のマガジンチューブ132に事前充填されてもよく、製薬業者は、インプラント138が事前充填されたマガジンサブアセンブリ130を保管及び/又は出荷してもよい。出荷後、自身の中に事前充填されたインプラント138を有するマガジンサブアセンブリ130は、使用前に、注入器100の最終組み立てのためにハウジング102に挿入され得る。そのため、マガジンサブアセンブリ130は、注入器100の残りの構成要素とは別に製造及び出荷され得る、使い捨ての滅菌可能なカートリッジとみなされ得る。輸送中、マガジンチューブ132の入口131は、発送のために塞がれていてもよく、マガジンチューブ132の出口133は、本明細書でより詳細に説明するように、ゲート140を介して閉塞又は閉鎖する。
【0124】
注入器100が非展開状態にあり、ゲート140が閉鎖構成にあるときのマガジンサブアセンブリ130の拡大断面図である図16Aを参照すると、カニューレ122及びマガジンチューブ132は、同軸に位置合わせされている。特に、マガジンサブアセンブリ130は、窓シャーシ119内に固定されたとき、窓シャーシ119内に同心円状に位置する。遠位端145において、マガジンマウント134は、窓シャーシ119内のマガジンサブアセンブリ130の移動を限定又は制限するための、複数の半径方向に延びるリブ147を含む。窓シャーシ119に組み立てられたとき、図16Aに示すように、複数の半径方向に延びるリブ147は、窓シャーシ119の遠位端113Bにおいて環状リング部分169内に配設されている。
【0125】
図16Aに示すように、マガジンチューブ132の遠位端又は出口133は、移行ギャップ139によって、カニューレ122の近位端又は入口121から離間されている。図16Aに示すように、ゲート140が移行ギャップ139内に配設されているとき、ゲート140は、マガジンチューブ132の遠位端又は出口133を覆う又は塞ぐ。別の言い方をすれば、ゲート140が移行ギャップ139内に配設されているとき、ゲート140は、マガジンチューブ132の管腔137が、カニューレ122の管腔127と流体連通することを許可しない。
【0126】
図17は、マガジンチューブマウント134から取り外されたゲート140の斜視図である。ゲート140は、近位端142、遠位端144、及び一対の側方翼146A、146Bを含む、板金から形成された略平面の構成要素である。一実施形態では、ゲート140の長さに沿った厚さは、注入器100の操作中に屈曲又は偏向するゲート140の部分が、相対的に薄くなるか又は薄くされて、移動に必要な力を最小限に抑えるように変化してもよい。ゲート140の近位端142は、図12に示すように、マガジンチューブマウント134の近位端143に保持され固定される。ゲート140の残りの長さは、マガジンに固定されておらず、そこから変位され得る。ゲート140は、注入器100の操作中に、ゲート140の残りの長さに対する垂直平面に沿って遠位端144が延在するように、約90度である一体型屈曲部148を含む。注入器100が非展開状態にあるとき、ゲート140の大部分は、図12図13又は図16Aに最もよく示されるように、マガジンチューブ132の遠位端又は出口133の上に延在するゲート140の遠位端144を除いて、マガジンチューブマウント134の下面に当接するか、又はマガジンチューブマウント134の下面に沿って延在する。ゲート140は、その遠位端144がマガジンチューブ132の遠位端又は出口133を覆うか、又はその上に延在するときに、閉鎖構成であるとみなされ得る。ゲート140の遠位端144が、移行ギャップ139内のマガジンチューブ132とカニューレ122との間に配設されているため、ゲート140が閉鎖構成にあるとき、カニューレ122はマガジンチューブ132と流体連通していない。
【0127】
(以下でより詳細に説明する)アクチュエータ170の非展開位置から展開位置への作動は、ゲート140を閉鎖構成から開放構成に移動又は変位させる。図16Bは、ゲート140が開放構成にある、マガジンサブアセンブリ130の拡大断面図である。ゲート140は、マガジンチューブ132の出口133が露出又は開いているように、ゲートの遠位端144がマガジンチューブ132の遠位端又は出口133を覆っていないか、又はその上に延在していないときに、開放構成にあるとみなされ得る。更に、ゲート140が開放構成にあるとき、カニューレ122は、マガジンチューブ132と流体連通している。アクチュエータ170が作動するとき、アクチュエータ170は、ゲート140の側方翼146A、146Bに接触して、ゲート140を、マガジンチューブマウント134の下面から離れる方向に下方に押すか、又は移動させる。ゲート140は、アクチュエータ170が開放構成に移行するのに十分な力を加えるとき、偏向又は屈曲するように構成されている。
【0128】
ここで図18図19に目を向けると、シャトルサブアセンブリ150が、より詳細に説明される。図18は、例示のために、注入器100から取り外されたシャトルサブアセンブリ150の斜視図である。図18Aは、図18のA-A線による断面図である。シャトルサブアセンブリ150は、シャトル本体152、ばね156、プッシュロッド160、及びドラッグワイヤ164を含む。シャトル本体152は、ばね156を収容するためにその中に形成された空洞151を含む。シャトル本体152はまた、その遠位部分において、一対の末梢に延びる指154A、154Bも含む。各末梢に延びる指154A、154Bは、本明細書でより詳細に説明するように、アクチュエータ170と相互作用するための遠位端面155A、155Bを含む。
【0129】
プッシュロッド160の近位端159は、図18Aに示すように、プッシュロッド160がシャトル本体152とともに移動又は並進するように、シャトル本体152に固定又は保持される。プッシュロッド160の近位端159は、接着剤若しくは溶接、又は他の任意の好適な機械的方法を介して、シャトル本体152に固定又は保持され得る。一実施形態では、プッシュロッド160の近位端159は、接着剤及び機械的インターロックの両方を介して、シャトル本体152に保持される。注入器100に組み立てられたとき、プッシュロッド160は、マガジンチューブ132及びカニューレ122の各々と同軸に位置合わせされるか又は同心円状になり、マガジンチューブ132及びカニューレ122の管腔127、137内にそれぞれ摺動自在に受容されるようにサイズ設定されている。シャトル本体152が末梢に、すなわち、カニューレ122に向かう方向に移動するとき、プッシュロッド152は、マガジンチューブ132及びカニューレ122の管腔127、137にそれぞれ入るように構成されており、マガジンチューブ132からカニューレ122内へ及びそれを通してインプラント138を押すか又は末梢に進めて、最終的に、カニューレ122の出口又は遠位端123を通って眼に放出される。プッシュロッド160は、直線状の縦断プロファイルを有し、金属若しくは金属合金(例えば、ステンレス鋼)などの任意の好適に剛性の材料で作製されてもよい。注入器100の非展開状態にあるとき、プッシュロッド160の遠位端161は、マガジンチューブ132の近位端又は入口131の近位に配設されている。一実施形態では、プッシュロッド160の遠位端161は、展開前に、マガジンチューブ132の入口131からわずかに離間されて、注入器100の操作前に、インプラント138に力又は負荷が加えられないように構成されている。展開後、図6及び図7に見られるように、注入器100の展開状態では、プッシュロッド160の遠位端161は、カニューレ122の遠位端123の遠位に配設されている。
【0130】
図19は、単に例示のために、シャトルアセンブリ150から取り外されたばね156を示す。シャトル本体152は、2つの半分から構成されてもよく、それによって、空洞151を形成する。ばね156は、シャトル本体152の空洞151内に収容又は配設されている。ばね156は、コイル状又は無延伸構成に付勢されるか又は形状設定されている定荷重ばねである。非展開状態で注入器100内に組み立てられるとき、ばね156は延伸構成に伸びる。延伸構成では、ばね156の少なくとも一部分は細長く、非コイル状であり、その尾部又は自由端157は、窓シャーシ119のフック111に取り付けられている。本明細書でより詳細に説明するように、注入器100の展開又は操作の前に、アクチュエータ170は、シャトル本体152に結合されており、ばね156が延伸構成に伸びる第1の位置にシャトル本体152を保持又は維持するように構成されている。アクチュエータ170が作動するとき、アクチュエータ170は、シャトル本体152をそれから解放又は切り離し、ばね156は、その付勢又は形状設定の性質により、そのコイル状又は無延伸構成を復旧させることができる。ばね156の尾部又は自由端157が、窓シャーシ119のフック111に取り付けられているため、ばね156のコイリングは、シャトル本体152及びプッシュロッド160を末端方向に移動又は並進させる。
【0131】
シャトル本体152は、ハウジング102内のシャトルサブアセンブリ150の相対位置決めをユーザに注意喚起するために、自身の上に配設又は形成された状態インジケータを含み得る外面153を含む。上記で説明したように、ハウジング102は、ハウジング102内のシャトルサブアセンブリ150の軸方向の移動又は並進をユーザが追跡できるように、ハウジングの中に形成された窓108を含む。したがって、ユーザは、注入器100の操作者中にシャトルサブアセンブリ150の移動を見ることができる。例えば、外面153の遠位部158Aは、第1の状態インジケータを含み得、外面153の中間部158Bは、第2の状態インジケータを含み得、外面153の近位部158Cは、第3の状態インジケータを含み得る。アクチュエータ170の展開又は作動の前に、例えば、ユーザは、展開操作がまだ開始されていないという視覚的フィードバックをユーザに提供するために、ハウジング102の窓108を通して表示された遠位部158Aの第1の状態インジケータを見るであろう。シャトルサブアセンブリ150がハウジング102内のその初期位置から最終位置まで末梢に移動しているとき、ユーザは、シャトルサブアセンブリ150が移動中で展開が進行中であるという視覚的フィードバックをユーザに提供するために、ハウジング102の窓108を通して表示された中間部158Bの第2の状態インジケータを見るであろう。シャトルサブアセンブリ150の移動が完了しており、シャトルアセンブリがハウジング102内のその最終位置にあるとき、ユーザは、展開操作が完了しているという視覚的フィードバックをユーザに提供するために、ハウジング102の窓108を通して表示された近位部158Cの第3の状態インジケータを見るであろう。上記のとおり、状態インジケータは、表記、記号、指示、又は色を含み得る。一実施形態では、第1の状態インジケータは、注入器100が操作の準備ができていることを示すために緑色であり得、第2の状態インジケータは、注入器100の展開が進行中であることを示すために黄色であり得、第3の状態インジケータは、注入器100の展開が完了していることを示すために赤色であり得る。
【0132】
本明細書の一実施形態では、注入器100は、インプラント138の送達速度が事前に設定又は制御され、送達速度が2~12秒であるように構成されている。本明細書の一実施形態では、送達速度は、3~10秒、又は3.5秒の公差として近似的に定義された約6.5秒である。本明細書の一実施形態では、送達速度は、5~7秒、又は1秒の公差として近似的に定義された約6秒である。送達速度を制御することは、いくつかの理由で重要である。注入器100は、最大3つのインプラント138を送達するように構成されているため、各インプラントは、注入器100から順次放出されなければならない。塗布又は標的部位が眼の組織内にあるとき、インプラント138は、眼の後面に向かって、略直線状の軌道で注入器100から出る傾向があり得る。したがって、インプラントが進み得る長さ又は量は、解剖学的制約のために限定又は制限される。インプラント138があまりにも速く又は迅速に放出されると、1つ以上のインプラント138が眼の後面に接触し、損傷する可能性がある。しかしながら、デバイスが操作されている間は患者が移動することができないため、全体的な操作時間を最小限に抑えることもまた望ましい。注入器100、及び全体的な操作時間を含む分注処置は、患者の不快感を最小限に抑え、損傷を回避すべきである。したがって、注入器100は、インプラント138の送達速度を制御するための手段を含む。上記の時間範囲は、アクチュエータ170の完全な作動から、3つのインプラント138全てが注入器100から放出され、したがって、展開が完了するまでに経過する期間を指す。例えば、送達速度が3~10秒である一実施形態では、注入器100は、アクチュエータ170の完全な作動のときから、最後のインプラントの後端がカニューレ122の遠位端123をクリアするときまで、3.0秒以上でインプラント138の総量を分注する。更に、アクチュエータ170の完全な作動から、最後のインプラント138の縁部の後端がカニューレ122の遠位端123をクリアするまでの合計時間は、10.0秒以下である。3秒の分注時間は、患者の眼への損傷を回避し、かつインプラント138に損害を与えることを回避するように、インプラント138が硝子体に放出されることを可能にするのに十分に遅い。逆に、合計10秒の時間は、カニューレ122の安全な挿入、分注、及び眼からの取り外しをサポートするのに十分な速さとみなされる。加えて、インプラント138は、好ましくは、1つのインプラントが飛び出さない一方で、他のインプラントが、合計送達速度要件を満たすのに十分に遅いように、一定の速度で送達される。一実施形態では、注入器100は、最も速いインプラントの時間が、遅いインプラントの時間よりもわずか20%速くなるように、一定の速度又は速さでインプラント138の総量を分注する。
【0133】
より具体的には、一実施形態では、シャトルサブアセンブリ150は、上記で説明したように、インプラント138の送達速度を制御するために互いに相互作用する、ドラッグワイヤ164及びシャトル減速器190を更に含む。ドラッグワイヤ164は、ドラッグワイヤ164がシャトル本体152と一緒に移動又は並進するように、シャトル本体152に固定されている。図18Aに示すように、ドラッグワイヤ164の近位又は第1の端部163は、シャトル本体152の近位部分に取り付けられるか又は固定されており、ドラッグワイヤ164の遠位又は第2の端部165は、シャトル本体152の遠位部分に取り付けられるか又は固定されている。一実施形態では、ドラッグワイヤ164の近位端163及び遠位端165は、接着剤及び機械的インターロックの両方を介して、シャトル本体152に固定されている。ドラッグワイヤ164は、ハウジング102内に配設されており、シャトル本体152の下面に隣接するか又はシャトル本体152の下面に沿って延在する。本明細書でより詳細に説明するように、ドラッグワイヤ164は、シャトル減速器190と相互作用して、シャトル本体152及びプッシュロッド160の展開を減速させる。ドラッグワイヤ164は、金属又は金属合金、例えばステンレス鋼から形成され得る。
【0134】
アクチュエータ170を、図20図29を参照して、より詳細に説明する。図20及び図21は、それぞれ、注入器100が非展開状態にあるときのアクチュエータ170の拡大斜視図及び側面図であり、一方、図22は、注入器100が展開状態にあるときのアクチュエータ170の拡大側面図である。アクチュエータ170は、ハウジング102内の開口部109を通って延在し、図20図21の非展開状態から図22の展開状態まで注入器100を操作するために、ユーザが容易に利用できる。非展開位置にあるとき、アクチュエータ170は、ハウジング102から外向きに突出しており、アクチュエータ170の外面117は、図21に最もよく示されるように、注入器100の長手方向軸に対して10~25度の鋭角を形成する。アクチュエータ170を作動させるために、ユーザは、ハウジング102に向かう方向に、アクチュエータ170を下方に押す。結果として、アクチュエータ170は、約4mm下方に進むか又は変位され、また、本明細書でより詳細に説明するように、ハウジング102内で枢動する。展開位置にあるとき、アクチュエータ170の外面117は、図22に最もよく示されるように、注入器100の長手方向軸と略平行であり、更に、ハウジング102の外面と略面一である。
【0135】
アクチュエータ170は、アクチュエータシャーシ172内に装着されている。図23を参照すると、アクチュエータシャーシ172は、アクチュエータシャーシ172が窓シャーシ119に対して移動しないように、窓シャーシ119内に固定又は保持される。アクチュエータシャーシ172は、アクチュエータ170に結合するために、内向きに延びる支柱175A、175Bをそれぞれ有する一対のプロング174A、174Bを含む近位端171と、遠位端173と、を含む。内向きに延びる支柱175A、175Bは、図24及び図25に最もよく示されている。アクチュエータシャーシ172は、アクチュエータシャーシ172を窓シャーシ119に固定するための一対のタブ141A、141Bを更に含む。タブ141Aは、図23では見えないが、アクチュエータシャーシ172上の対向する場所に配設されている。タブ141A、141Bは、スナップフィット配置で窓シャーシ119のスロット166A、166B内で受容されるように構成されている。アクチュエータシャーシ172は、その中にアクチュエータ170を受容するための略矩形の開口部176を画定する。
【0136】
マガジンサブアセンブリ130のアクチュエータシャーシ172への結合を示す図24を参照すると、アクチュエータシャーシ172は、開口部176を横切って延在する支持ビーム178を含む。支持ビーム178は、マガジンサブアセンブリ130の嵌合スナップフィット機構を受容するように構成されている開口部179を画定する。マガジンサブアセンブリ130が、注入器102の最終組み立てのためにハウジング102に摺動されるとき、そのスナップフィット機構は、開口部179内にスナップ嵌めして、アクチュエータシャーシ172に対してマガジンアセンブリ130を保持又は固定する。注入器170の操作中、窓シャーシ119、アクチュエータシャーシ172、及びマガジンサブアセンブリ130(ゲート140を除く)は、互いに対して移動しない固定構成要素である。
【0137】
マガジンサブアセンブリ170を支持することに加えて、アクチュエータシャーシ172の支持ビーム178はまた、図25に示すように、プッシュロッド160を受容するために、支持ビームを通って形成されたチャネル180も含む。チャネル180は、マガジンチューブ132及びカニューレ122に対してプッシュロッド160を同軸に位置するように機能する。上記で説明したように、プッシュロッド160は、マガジンチューブ132及びカニューレ122の各々と同軸に位置合わせされ、マガジンチューブ132及びカニューレ122の管腔127、137内にそれぞれ摺動自在に受容されるようにサイズ設定されている。
【0138】
図26A及び図26Bは、アクチュエータ170が非展開位置から展開位置に作動されたときの、アクチュエータシャーシ172に対するアクチュエータ170の枢動運動を示す。具体的には、図26Aは、アクチュエータ170が非展開位置にあるときのアクチュエータ170の相対位置決めを示し、図26Bは、アクチュエータ170が展開位置にあるときのアクチュエータ170の相対位置決めを示す。アクチュエータ170は、自身の上に外面117を含む本体部分181を含み、本体部分181は、アクチュエータシャーシ172の開口部176内に受容されるようにサイズ設定され構成されている。アクチュエータ170はまた、本体部分181と一体に形成された基端方向に延びる一対のアーム172A、172Bも含む。基端方向に延びるアーム172A、172Bは、本明細書でより詳細に説明するように、シャトルサブアセンブリ150と相互作用し、着脱自在に結合する近位端面174A、174Bをそれぞれ画定する。基端方向に延びるアーム172A、172Bはまた、アクチュエータシャーシ172のプロング174A、174Bの内向きに延びる支柱175A、175Bをそれぞれ受容するように構成されている開口部又は穴173A、173Bを含む。開口部又は穴173Bは、図26A及び図26Bでは見えないが、アクチュエータ170の基端方向に延びるアーム172B上の対向する場所に配設されている。内向きに延びる支柱175A、175Bと穴173A、173Bとの間の結合は、それぞれ、アクチュエータ170がアクチュエータシャーシ172に対して枢動又は回転することを可能にする。
【0139】
図26Aに示すように、アクチュエータ170が非展開位置にあるとき、アクチュエータ170の基端方向に延びるアーム172A、172Bは、下方に角度をつけられ、すなわち、注入器100の長手方向軸に対して平行に角度をつけられ、近位端面174A、174Bは、シャトルサブアセンブリ150の遠位端面155A、155Bにそれぞれ接触し、当接する。アクチュエータ170が、作動のためにユーザによって下方に押されるとき、アクチュエータ170は、下方に進むか又は変位し、また、アクチュエータシャーシ172の内向きに延びる支柱175A、175Bの周りのアクチュエータシャーシ172内で枢動する。別の言い方をすれば、内向きに延びる支柱175A、175Bは、アクチュエータ170が枢動する支点として機能する。
【0140】
図27Aに示すように、アクチュエータ170が展開位置にあるとき、アクチュエータ170の基端方向に延びるアーム172A、172Bは、注入器100の長手方向軸に略平行に延在する。更に、アクチュエータ170の基端方向に延びるアーム172A、172Bはまた、シャトルサブアセンブリ150の末梢に延びる指154A、154Bに略平行に延在し、末梢に延びる指154A、154Bから離間されており、その結果、アクチュエータ170の近位端面174A、174Bは、もはや、シャトルサブアセンブリ150の遠位端面155A、155Bにそれぞれ接触又は当接しない。アクチュエータ170が展開位置にあるとき、シャトルサブアセンブリ150は、アクチュエータ170から効果的に切り離されるか又は解放され、シャトルサブアセンブリ150は、上記で説明したように、ばね156によって自由に移動又は並進される。
【0141】
作動のためにアクチュエータ170を下方に押す抵抗を増加させるために、アクチュエータシャーシ172は、図27に示すように、アクチュエータ170の遠位端173に配設された一対の歯185A、185Bを含み得る。歯185A、185Bは、下方に、すなわち、ハウジング102の内部に向かう方向に、かつ、アクチュエータシャーシ172の開口部176の中心に向かって半径方向内向きに角度をつけて延在する。アクチュエータ170は、アクチュエータ170の本体部分181から延在する一対の脚188A、188B(図29及び図30Aを参照のこと)上に形成された一対のノブ186A、186Bを含む。図28に示すように、ノブ186A、186Bは、アクチュエータ170が非展開位置にあるとき、それぞれ、締まりばめで歯185A、185Bに接触し圧迫するように構成され位置決めされている。図29に示すように、アクチュエータ170が、その作動中に、展開位置まで下方に押されるとき、作動力は、アクチュエータ170を押し下げるために、一対のノブ186A、186Bを歯185A、185Bとの締まりばめから押し出すのに十分でなければならない。したがって、歯185A、185Bは、アクチュエータ170が、不注意な展開につながる可能性がある作動に過度に敏感でないように、アクチュエータ170を作動させるために必要な最小の作動力を増加させるように機能する。
【0142】
ここで、上記のアクチュエータ170の構造で、アクチュエータ170の操作を、図30A図33に関してより詳細に説明する。アクチュエータ170の非展開位置から展開位置結果への移動は、以下の2段階の作動を有する。(1)アクチュエータ170が、ゲート140を閉鎖構成から開放構成に移動又は変位させ、(2)アクチュエータ170が、シャトルサブアセンブリ150から切り離し、シャトルサブアセンブリ150を解放し、それによって、マガジンチューブ132内に含まれる少なくとも1つのインプラントをカニューレ122を通して眼に送達するために、マガジンチューブ132及びカニューレ122内への及びそれらを通るプッシュロッド160の移動又は並進を引き起こす。アクチュエータ170が、ゲート140を閉鎖構成から開放構成に移動又は変位させる作動の第1の段階が図30図31に示され、一方、アクチュエータ170が、シャトルサブアセンブリ150から切り離して解放する作動の第2の段階が図32図33に示される。アクチュエータ170がユーザによって押し下げられるとき、作動の第1の段階が、作動の第2の段階の前に発生する。ユーザによるアクチュエータ170の初期押し下げが、アクチュエータ170にゲート140を閉鎖構成から開放構成に移動又は変位させ、アクチュエータ170がユーザによって更に又は完全に押し下げられたときに、アクチュエータは続いてシャトルサブアセンブリ150から切り離し、シャトルサブアセンブリ150を解放する。したがって、ゲート140は、(プッシュロッド160を含む)シャトルサブアセンブリ150が解放される前に、開放構成に移動される。
【0143】
作動の第1の段階は、図30A図30B及び図31に示される。より具体的には、図30Aは、アクチュエータ170及びマガジンサブアセンブリ130の斜視図であり、図30Bは、注入器100の拡大断面図である。図30A及び図30Bは、注入器100が非展開状態にあるときのアクチュエータ170及びゲート140の相対位置決めを示し、一方、図31は、アクチュエータ170の作動中のアクチュエータ170及びゲート140の相対位置決めを示す。図30A及び図30Bに示すように、注入器130が非展開状態にあるとき、アクチュエータ170の脚188A、188Bは、ゲート140から離間されている。アクチュエータ170の押し下げ又は下方の変位は、図31に示すように、アクチュエータ170の脚188A、188Bをゲート140に接触圧迫させる。具体的には、アクチュエータ170が作動するとき、アクチュエータ170の脚188A、188Bは、ゲート140の側方翼146A、146Bにそれぞれ接触して、ゲート140をマガジンチューブマウント134から離れる方向に下方に押すか、又は移動させる。したがって、ゲート140は、マガジンチューブ132の遠位端又は出口133をゲート140が覆う又は塞ぐ閉鎖構成から、図16A及び図16Bに関して上記で説明したように、ゲート140がマガジンチューブ132の遠位端又は出口133を覆わない又は塞がない開放構成に移動又は変位される。
【0144】
作動の第2の段階は、図32及び図33に示される。より具体的には、図32は、注入器100が非展開状態にあるときのアクチュエータ170及びシャトルサブアセンブリ150の相対位置決めを示す、注入器100の拡大断面図であるが、図33は、注入器100が展開状態にあるときのアクチュエータ170及びシャトルサブアセンブリ150の相対位置決めを示す。図32に示すように、アクチュエータ170が非展開位置にあるとき、アクチュエータ170は、シャトルサブアセンブリ150のシャトル本体152に当接係止する。別の言い方をすれば、注入器100の展開又は操作の前に、アクチュエータ170は、シャトル本体152に結合されており、ばね156が延伸構成に伸びる第1の位置にシャトル本体152を保持又は維持するように構成されている。アクチュエータ170の基端方向に延びるアーム172A、172Bは、その近位端面174A、174Bが、シャトルサブアセンブリ150の遠位端面155A、155Bにそれぞれ接触し、当接するように、下方に角度をつけられている。
【0145】
図33に示すように、アクチュエータ170が展開位置にあるとき、アクチュエータ170の基端方向に延びるアーム172A、172Bは、注入器100の長手方向軸に略平行に延在する。アクチュエータ170の近位端面174A、174Bは、もはや、シャトルサブアセンブリ150の遠位端面155A、155Bにそれぞれ接触又は当接しない。別の言い方をすれば、アクチュエータ170は、シャトルサブアセンブリ150に接触せず、それから係合解除又は切り離される。アクチュエータ170の完全又は最大限の押し下げは、シャトルサブアセンブリ150を解放し、それによって、ばね156が無延伸又はコイル状構成を復旧させることを可能にする。ばね156のコイリングは、シャトル本体152及びプッシュロッド160を末端方向に移動又は並進させる。別の言い方をすれば、ばね156をコイル状構成に復旧させることを可能にするとき、シャトル本体152及びそれに取り付けられたプッシュロッド160は、マガジンチューブ132に向かって進める。
【0146】
一実施形態では、アクチュエータ170は、注入器100の操作後にロックアウトするように構成されている。別の言い方をすれば、アクチュエータ170は、非展開位置にリセットすることができず、注入器100が使い捨てのデバイスであるように、1回だけ押し下げられ得る。注入器100が展開状態で示され、シャトルサブアセンブリ150が透視図により示された図34に示すように、アクチュエータ170の展開後、アクチュエータ170の基端方向に延びるアーム172A、172Bは、シャトルサブアセンブリ150内に配設されている。したがって、基端方向に延びるアーム172A、172Bは、それに対するシャトルサブアセンブリ150の設置のために、下方に角度をつけられるように移動又はリセットすることができない。別の言い方をすれば、展開後、シャトルサブアセンブリ150は、アクチュエータ170が非展開位置にリセットされることを阻止又は防止する。
【0147】
一実施形態では、注入器100は、シャトルサブアセンブリ150がハウジング102内で移動する速度を制御又は減速させるための1つ以上の構成要素を含み得る。インプラントを眼組織に送達する際、眼の損傷を回避するように、非常に制御された放出が望ましい。インプラントが注入器から無理な力で放出されると、インプラントが眼の後面に当たる可能性、及び/又は眼の網膜を損傷する可能性がある。一実施形態では、注入器100は、インプラントの開始から送達まで、3~10秒以内に送達を完了するように構成されている。
【0148】
シャトルサブアセンブリ150がハウジング102内で移動する速度を制御又は減速させるために、注入器100は、図35図37に示すように、ハウジング102内に配設されたシャトル減速器190を含み得る。図35は、注入器100のシャトルサブアセンブリ150及びシャトル減速器190の拡大断面図であり、一方、図36は、例示のために、注入器100から取り外されたシャトル減速器の斜視図である。図37は、シャトル減速器190を通して配設されたシャトルサブアセンブリ190のドラッグワイヤ164を示す拡大斜視図である。シャトル減速器190は、正弦波又は波状の溝又は経路192を含む。一実施形態では、正弦波経路192は、複数のボス194を介して画定される。各ボス194は、円形又は半円形のプロファイルを有する。複数のボス194は、長手方向に互いに離間されており、正弦波経路192を画定するために、経路192の対向する側壁上に配設されている。図37に最もよく示されるように、ドラッグワイヤ164は、正弦波経路192を通って延在する。ドラッグワイヤ164と複数のボス194との間の相互作用は、ハウジング102内のシャトルサブアセンブリ150の移動速度を減速又は減少させる摩擦を生じる。一実施形態では、複数のボス194は、プラスチック材料から形成されており、ドラッグワイヤ164は、ステンレス鋼から形成されている。シャトル減速器190は、ドラッグワイヤ164が正弦波経路192を通過するように位置決めされている限り、ハウジング102の内面及び/又は窓シャーシ119の表面に固定され得る。シャトル減速器190は、正弦波経路で示されているが、様々な形状又はパターンを利用して、ドラッグワイヤ164との摩擦を生じることができる。
【0149】
ドラッグワイヤ164及びシャトル減速器190は、シャトルサブアセンブリ150がハウジング102内で移動する速度を制御又は減速するように上述されているが、他の構成要素は、シャトル減速器190の代替として又はそれに加えて使用され得る。別の実施形態では、注入器は、シャトルサブアセンブリがハウジング102内で移動する速度を制御又は減速するための回転ダンパを含む。回転ダンパは、移動を抑えるために流体抵抗の原理を利用しており、ACE Controls Inc.、Farmington Hills,Michiganを含む様々な業者を介して市販されている。具体的には、油粘度を利用して、ダンパの制動力を提供する。回転ダンパの減衰トルクは、油の粘度、並びに回転ダンパの内部構成要素の間隔及び表面積によって決定される。本明細書の実施形態では、粘性減衰流体として、シリコーン油又は任意の他の好適な粘性流体が使用され得る。シリコーン油は、回転ダンパの減衰力に影響を与える様々な粘度で市販されている。一実施形態では、本明細書に記載の回転ダンパは、メチフェニル(methyphenyl)シリコーン流体を利用してもよいか、又はジメチルシリコーン流体を利用してもよい。
【0150】
図38及び図39では、注入器内のシャトルサブアセンブリ3850の移動を減速又は抑えるために回転ダンパ3896を利用する注入器3800の実施形態が示される。注入器3800は、シャトルサブアセンブリにおける本明細書に記載の違いを除いて、注入器100と同じである。図39は、例示のために、注入器100から取り外されたシャトルサブアセンブリ3850の斜視図である。シャトルサブアセンブリ3850は、シャトル本体3852、ばね3856、プッシュロッド3860、及び回転ダンパ3896を含む。シャトル本体3852の遠位部分は、注入器100のアクチュエータ170に関して上記で説明したように、注入器3800のアクチュエータ3870と相互作用するように構成されている。
【0151】
プッシュロッド3860は、上記のプッシュロッド160と同じである。プッシュロッド3860の近位端3859は、プッシュロッド3860がシャトル本体3852とともに移動又は並進するように、シャトル本体3852に固定又は保持される。シャトル本体3852が末梢に、すなわち、カニューレ3822に向かう方向に移動するとき、プッシュロッド3852は、マガジンチューブ(図38では見えない)及びカニューレ3822の管腔にそれぞれ入るように構成されており、マガジンチューブからカニューレ3822内へ及びそれを通してインプラントを押すか又は末梢に進めて、最終的に、カニューレ3822の出口又は遠位端を通って眼に放出される。
【0152】
ばね3856は、上記のばね156と同じである。ばね3856は、シャトル本体3852に収容されるか、又は取り付けられる。ばね3856は、コイル状又は無延伸構成に付勢されるか又は形状設定されている定荷重ばねである。注入器3800の展開又は操作の前に、注入器100に関して上述したように、アクチュエータ3870は、シャトル本体3852に結合されており、ばね3856が延伸構成に伸びる第1の位置にシャトル本体3852を保持又は維持するように構成されている。アクチュエータ3870が作動するとき、アクチュエータ3870は、シャトル本体3852をそれから解放又は切り離し、ばね3856は、その付勢又は形状設定の性質により、そのコイル状又は無延伸構成を復旧させることができる。ばね3856のコイリングは、シャトル本体3852及びプッシュロッド3860を末端方向に移動又は並進させる。
【0153】
シャトルサブアセンブリ3850はまた、操作中にシャトルサブアセンブリ3850が移動する速度を制御又は減速するために、それに結合された回転ダンパ3896を含む。回転ダンパ3896は、ACE Controls Inc.、Farmington Hills,Michiganを含む様々な業者を介して市販されている。一実施形態では、注入器3800は、目標又は所望の注入速度を得るように構成されている、ばね及び回転ダンパの組み合わせを含む。より具体的には、回転ダンパは、回転ダンパ内の流体の流体抵抗又は粘度に応じて、特定の減衰トルクを出力するように構成されている。注入器3800の注入速度は、回転ダンパの減衰トルク及びばね3856のばね定数を含む、いくつかの因子によって決定される。一実施形態では、ばね3856は、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、4~9秒、又は公差が2.5秒の約6.5秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、5~8秒、又は公差が1.5秒の約6.5秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.035インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、5.5~7.5秒、又は公差が1秒の約6.5秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、2.5~7.5秒、又は公差が2.5秒の約5秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、3.5~6.5秒、又は公差が1.5秒の約5秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.4ポンドの力(0.4lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、2.5~7.5秒、又は公差が1秒の約5秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、1.5~6.5秒、又は公差が2.5秒の約4秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、2.5~5.5秒、又は公差が1.5秒の約4秒の注入速度を有する。別の実施形態では、ばね3856は、0.5ポンドの力(0.5lbf)の負荷に対するばね定数を有し、回転ダンパは、0.026インチポンドの減衰トルクを有し、注入器3800は、3~5秒、又は公差が1秒の約4秒の注入速度を有する。
【0154】
ここで図40に目を向けると、本明細書の一実施形態による注入器を使用する方法4098を、より詳細に説明する。本方法は、1つ以上のインプラント138を、例えば、眼の強膜を通して、注入器100又は注入器3800で眼組織に注入するために使用され得る。例示のために、本明細書では、方法は、注入器100を使用して説明される。一実施形態では、眼組織への送達後、インプラント138は、ボロラニブを少なくとも6ヶ月間硝子体液に送達するように構成されている。
【0155】
方法4098のステップ4098Aでは、注入処置のために患者の準備を行う。患者は、典型的には、硝子体内注入のための局所麻酔又は局所麻酔下にある。適切な麻酔及び広域スペクトル殺菌剤を、注入前に患者に施してもよい。注入処置は、標準的な滅菌処置によって実行する必要がある。
【0156】
方法4098のステップ4098Bでは、注入部位が選択又は識別され、蓋鏡が患者の眼に位置決めされ得る。一実施形態では、注入部位は、挿入のための最適な安全な場所を確保するために、下部象限における縁の後方3.5mm~4.0mmである。注入部位が選択されると、注入器を引き抜いた後、結膜及び強膜の針の入口部位が整列しないように、鉗子を使用して結膜を徐々に変位させる必要がある。ユーザは、注入器100が注入の準備ができているように、注入器100から安全キャップ104を取り外してもよい。
【0157】
方法4098のステップ4098Cでは、カニューレ122の遠位端123は、組織への所望の侵入点である注入部位に隣接して、又はその近くに位置決めされる。注入器100は、スタンドに装着されてもよいか、又はユーザの手によって支持されてもよい。注入器100は、典型的な臨床環境で片手だけで操作することができる。
【0158】
方法4098のステップ4098Dでは、カニューレ122の遠位端123は、インプラント138の付着のために患者の組織内の所望の場所にカニューレ122を位置決めするために、組織へ通される。一実施形態では、カニューレ122の遠位端123は、カニューレマウント120の管状部分128の遠位端が外眼表面に当接するまで進められる。別の言い方をすれば、カニューレマウント120の管状部分128の遠位端を超えて末梢に延在するカニューレ122の部分は、眼への挿入を意図している。したがって、カニューレマウント120の管状部分128は、カニューレ122の遠位端123の眼組織への挿入深さを制限するための止め具として機能する。
【0159】
一実施形態では、カニューレ122の遠位端123は、斜角(すなわち、垂直又は90度ではない角度)で挿入される。斜めの挿入角度は、注入器100が取り外された後の侵入部位の自己回復を促進し得る。一実施形態では、カニューレ122は、約45度の角度で強膜に近づいてもよい。カニューレ122の先端面取り部が強膜で完全になると、カニューレ122は、中間硝子体に向けられる必要があり、カニューレの角度は、強膜に直接垂直である必要がある。しかしながら、斜めの挿入角度は必要ではなく、したがって、別の実施形態では、カニューレ122の遠位端123は、略垂直な角度(すなわち、約90度の角度)で挿入される。
【0160】
方法のステップ4098Eでは、注入器100のアクチュエータ170は、インプラント138の送達を着手又は開始するように作動される。より具体的には、ユーザは、アクチュエータ170を作動又は押し下げて、マガジンチューブ132内の初期位置から、カニューレ122の遠位端123からインプラント138を出して送達する。カニューレ122の遠位端123は、注入器100の状態インジケータが注入の完了を示すまで、眼組織に挿入されたままであり、それによって、方法4098のステップ4098Fに示すように、インプラント138がカニューレの遠位端123から出て無事に送達されたことを確認する。
【0161】
方法のステップ4098Gでは、注入が、上記で説明したように、状態インジケータを介して完了していることが示された後、注入器100は、組織から引き抜かれるか、又は取り外される。ユーザは、方法4098の終了4098Hに示すように、インプラント138の組織内の設置を確認し得、局所抗生物質を患者に投与し得、及び/又は蓋鏡を患者から取り外し得る。
【0162】
技術分野の当業者によって、注入器100の構成要素の特定の寸法又はサイズが、注入器によって送達されるインプラント138の数及びサイズに応じて変化し得ることが理解されよう。例えば、比較的短いインプラントが送達されている場合、及び/又は単一のインプラントのみが送達されている場合、プッシュロッド160及び/又はシャトルアセンブリ150は、比較的長いインプラントが送達されている場合よりも長くなる必要があり得る。同様に、カニューレ122のサイズ又はゲージは、送達されるインプラントのタイプに応じて変化し得る。このような変更は、注入器100を介した単一の注入による異なる長さ及び数のインプラントの送達に対応するために、本発明の範囲内である。
【0163】
本発明による様々な実施形態が上記で説明されてきたが、それらは、単なる例示及び例、並びに非限定的なものとして提示されていることを理解されたい。形式及び詳細における様々な変更が、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、その中で行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。本明細書で論じられる各実施形態、及び本明細書に引用された各参考文献の各特徴は、任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて使用することができることもまた理解されよう。本明細書で論じられる全ての特許及び刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図7
図7A
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図18A
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30A
図30B
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【国際調査報告】