(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】パッケージ用開口装置、パッケージ用開口装置を成形するための金型、及び開口装置を有するパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 5/74 20060101AFI20240920BHJP
B65D 25/42 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65D5/74 020
B65D25/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516677
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2022076026
(87)【国際公開番号】W WO2023052185
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ザノン、パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエトリ、アンナ ローサ
(72)【発明者】
【氏名】デ パオラ、ロコ
(72)【発明者】
【氏名】マルティーニ、ピエトロ
【テーマコード(参考)】
3E060
3E062
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB03
3E060BA02
3E060BC04
3E060CF06
3E060DA25
3E060EA03
3E060EA13
3E062AA01
3E062AB02
3E062AC09
3E062BB06
3E062KA04
3E062KB03
3E062KB14
3E062KB16
(57)【要約】
所定の注ぎ口を有するパッケージ(1)用の開口装置(3)が記載されている。開口装置(3)は、ベースフレーム(8)と、流路(10)を画定するカラー(9)と、前記所定の注ぎ口を閉鎖し、及び/又は覆うように構成される閉鎖要素(11)とを備える。前記閉鎖要素(11)は、前記カラー(9)の初期接触部(21)に取り外し可能に固定される結合膜(20)を備える。前記カラー(9)は、流路(10)への注ぎ込み可能な製品の注入を可能にするように構成された注入口(13)と、前記流路(10)からの注ぎ込み可能な製品の流出を可能にするように構成された注出口(12)を備える。前記初期接触部(21)は、前記ベースフレーム(8)と前記注出口(12)との間に介在する。前記カラー(9)は、注出口(12)を備え、前記初期接触部(21)から前記注出口(12)まで延在する主要部(23)と、注入口(13)を備え、前記初期接触部(21)から前記注入口(13)まで延在する偏向可能なシールリング(24)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の注ぎ口を有し、注ぎ込み可能な製品が充填されているパッケージ(1)用の開口装置(3)であって、
前記所定の注ぎ口の周囲に開口装置(3)を結合するように構成されたベースフレーム(8)と、
前記ベースフレーム(8)から延在し、前記注ぎ込み可能な製品のための流路(10)を画定するカラー(9)と、
前記流路(10)内に配置され、及び/又は配置可能であり、前記所定の注ぎ口を閉鎖し、及び/又は覆うように構成される閉鎖要素(11)と、
を備え、
前記閉鎖要素(11)は、前記カラー(9)の初期接触部(21)に取り外し可能に固定される結合膜(20)を備え、
前記カラー(9)は、流路(10)への注ぎ込み可能な製品の注入を可能にするように構成された注入口(13)と、前記流路(10)からの注ぎ込み可能な製品の流出を可能にするように構成された注出口(12)を備え、
前記初期接触部(21)は、前記ベースフレーム(8)と前記注出口(12)との間に介在し、
前記カラー(9)は、
注出口(12)を備え、前記初期接触部(21)から前記注出口(12)まで延在する主要部(23)と、
注入口(13)を備え、前記初期接触部(21)から前記注入口(13)まで延在するシールリング(24)と、
を備え、
前記シールリング(24)は、前記主要部(23)及び前記ベースフレーム(8)に対して偏向可能である、
開口装置(3)。
【請求項2】
前記シールリング(24)は、内面(33)及び前記内面(33)から半径方向に変位してその反対側に位置する外面(32)を有する本体(27)と、前記内面(33)及び前記外面(32)とを接続する湾曲した先端面(35)と、を備える、
請求項1に記載の開口装置。
【請求項3】
前記内面(33)と前記主要部(23)の第1の表面部分(25)が、前記初期接触部(21)を相互に挟み、
前記内面(33)は、前記第1の表面部分(25)に対して傾斜している、
請求項2に記載の開口装置。
【請求項4】
前記カラー(9)の中心軸(E)を含む断面平面(H)に対する前記シールリング(24)の断面プロファイルは、第1の直線(36)と、前記第1の直線(36)から径方向にずれて前記第1の直線(36)より径方向の外側に配置された第2直線(37)とを備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の開口装置。
【請求項5】
前記断面プロファイルは、前記第1の直線(36)と前記第2の直線(37)を互いに接続する曲線(38)を含む、
請求項4に記載の開口装置。
【請求項6】
前記第2の直線(37)は、前記第1の直線(36)の延長部の少なくとも50%に相当する延長部を有する、
請求項4又は5に記載の開口装置。
【請求項7】
前記シールリング(24)は、前記初期接触部(21)に接続される、及び/又は部分的に境界を画定する環状結合部分(28)を備え、
前記環状結合部(28)及び前記結合膜(20)は、85°~95°の間の範囲の角度、特に実質的に90°を画定する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の開口装置。
【請求項8】
前記シールリング(24)は、前記シールリング(24)を前記ベースフレーム(8)に接続する環状結合セクション(29)を備え、
前記環状結合セクション(29)は、環状平坦面(41)を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の開口装置。
【請求項9】
前記ベースフレーム(8)が、前記パッケージ(1)の内部空間内に配置され、前記注ぎ込み可能な製品のためのベースフレーム(8)の入口開口部(44)を画定するように構成された第1のフランジ(42)を備え、
前記シールリング(24)は、前記注ぎ込み可能な製品が流路(10 )に流入するための注入口(13)を画定し、
前記注入口(13)は前記入口開口部(44)から軸方向にずれている、
請求項1~8のいずれか一項に記載の開口装置。
【請求項10】
前記注入口が、前記閉鎖要素(11)及び/又は前記初期接触部(21)と前記入口開口部(44)との間に介在される、
請求項9に記載の開口装置。
【請求項11】
前記シールリング(24)が、前記パッケージ(1)の内部空間に向かって、及び/又はパッケージ(1)の内部空間内に突出するように構成される、
請求項1~10のいずれか一項に記載の開口装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の開口装置(3)を、注ぎ込み可能な製品用パッケージ(1)の本体(2)上及び/又は注ぎ込み可能な製品用パッケージ(1)の前駆体上に成形するように構成された金型。
【請求項13】
注ぎ込み可能な製品で充填され及び/又は充填可能であり、請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの開口装置(3)を含むパッケージ(1)。
【請求項14】
前記パッケージ(1)が、所定の注ぎ口を有し、多層複合包装材料から形成された本体(2)を備え、前記開口装置(3)が、前記本体(2)上で、所定の注ぎ口の周囲に結合される、
請求項14に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記開口装置(3)が、前記パッケージ(1)の本体(2)及び/又はパッケージ(1)の前駆体上に成形される、請求項13又は14に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ、特に、注ぎ込み可能な製品、さらに特に、注ぎ込み可能な食品が充填された本体を有するパッケージ用の開口装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、パッケージ、特に、注ぎ込み可能な製品、さらに特に、注ぎ込み可能な食品が充填された本体を有するパッケージ用の開口装置を成形するための型に関する。
【0003】
有利には、本発明はまた、パッケージ、特に、注ぎ込み可能な製品、さらに特に、注ぎ込み可能な食品が充填された本体を有し、開口装置を備えるパッケージに関する。
【背景技術】
【0004】
周知のように、フルーツジュース、牛乳、乳製飲料、飲むヨーグルト、ワイン、トマトソース、塩、砂糖等、多くの液体又は注ぎ込み可能な食品は、滅菌された包装材料から作られたパッケージ、特に密閉されたパッケージで販売されている。
【0005】
典型的な例として、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として知られる注ぎ込み可能な食品用の平行六面体パッケージが挙げられ、ラミネートされたストリップ状の包装材料をシールして折り畳むことによって作られている。この包装材料は、カートン及び/又は紙のベース層を含む多層構造を有し、両側をヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンの層で覆われている。長期保存可能な製品用の無菌パッケージの場合、包装材料は、酸素バリア材料、例えばアルミニウム箔の層を含み、この層はヒートシールプラスチック材料の層と重なり、さらに別のヒートシールプラスチック材料の層で覆われて、最終的に食品に接触するパッケージの内面を形成する。
【0006】
したがって、このようなタイプのパッケージは、多層包装材料から形成された本体と、パッケージから注ぎ込み可能な製品の注出を可能にする所定の注ぎ口とを有する。さらに、パッケージは、所定の注ぎ口の周囲に配置された開口装置を備える。開口装置は、開口装置の最初の開封に先立ってパッケージを密封し、制御された注出を可能にするように設計される。
【0007】
典型的な開口装置は、所定の注ぎ口の周りに開口装置を連結するベースフレームと、ベースフレームから延びて流路を画定するカラーと、流路内に配置され、所定の注ぎ口を閉じるように構成された閉鎖要素とを備える。
【0008】
パッケージが最終顧客に引き渡しされるとき、閉鎖要素はカラーの内壁に破断可能に接続され、所定の注ぎ口を閉鎖して密封する。その後、所定の注ぎ口を新たに閉鎖し、注ぎ込み可能な製品の望ましくない流出を回避するために、閉鎖要素を流路内に再配置することが可能である。
【0009】
このような閉鎖要素は典型的には良好に機能するが、出願人は、結合膜が破れると閉鎖要素が設計された注ぎ口を正しく覆わず、注ぎ込み可能な製品が流路に漏れる可能性があることを発見した。
【0010】
したがって、当該分野では、流路内に新たに配置された閉鎖要素が所定の注ぎ口を正確に覆うことを保証するために、既知の開口装置を改良する必要性が感じられている。
【0011】
さらに、本体は多層包装材料の包装ブランクから得られてもよく、所定の注ぎ口を有する包装ブランクは、酸素バリア材料の封止膜によって覆われていることが知られている。
【0012】
開口装置を備えた最終パッケージを提供するための1つの技術的解決策は、開口装置を包装ブランク上に成形し、開口装置の成形後に包装ブランクを形成して最終パッケージを得ることに基づいている。
【0013】
したがって、この分野では、包装ブランクに容易に成形することができ、特にそれぞれの金型からの開口装置の取り出しを容易にする開口装置を提供するというさらなる要望が感じられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、パッケージ、特に、多層包装材料から形成された本体を有し、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品が充填されたパッケージのための改良された開口装置を、簡単かつ低コストで提供することである。
【0015】
特に、本発明の目的は、パッケージ、特に、多層包装材料から形成された本体を有し、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品が充填されたパッケージのための改良された開口装置を、簡単かつ低コストで提供することであり、この開口装置は、再閉鎖を可能にし、及び/又は、パッケージ及び/又はパッケージの前駆体に容易に成形することができる。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、開口装置を成形するための金型を簡単かつ低コストで提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、パッケージ、特に、多層包装材料から形成された本体を有し、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品が充填されたパッケージであって、開口装置、特に再閉鎖を可能にする開口装置、及び/又はパッケージ及び/又はパッケージの前駆体に容易に成形することができる開口装置を有するパッケージを、簡便かつ低コストで提供することである。
【0018】
本発明によれば、独立請求項による開口装置が提供される。
【0019】
開口装置の更なる有利な実施形態は、請求項1に直接又は間接的に従属する請求項に規定される。
【0020】
本発明によれば、請求項12に記載の金型が提供される。
【0021】
本発明によれば、請求項13、請求項14又は請求項15に記載のパッケージが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による開口装置を有するパッケージの一部を示す概略斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図2】
図1のパッケージの斜視図であり、
図1の開口装置の詳細に焦点を当てた図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図3】
図2の開口装置の詳細を示す断面図であり、第1の構成にある部分を示しており、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図4】
図2の開口装置の詳細を示す断面図であり、第2の構成にある部分を示しており、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図5a】
図3の詳細を示す拡大断面図であり、第1の構成にある部分を示しており、明確化のために部品が取り除かれている。
【
図5b】
図3の詳細の一部の断面輪郭を強調した
図5aの拡大断面図であり、明確化のために部品が取り除かれている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
番号1は、パッケージ全体を示し(本発明の理解に必要な範囲で一部のみ図示)、当該パッケージは、
-本体2、特に多層包装材料から形成された本体2であって、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品で充填され、及び/又は充填可能であり、特に本体2から注ぎ込み可能な製品の流出を可能にするように構成された所定の注ぎ口(図示せず、公知である)を有する、本体2と、
-特にポリマー材料から形成され、所定の注ぎ口の周囲で本体2に結合され、所定の注ぎ口を密閉するように構成され、所定の注ぎ口を開いて注ぎ込み可能な製品の注出を可能にするように制御可能に構成された開口装置3と、
を備える。
【0025】
注ぎ込み可能な製品は、牛乳、トマトソース、ミルクベースの飲料、飲むヨーグルト、水、砂糖、塩、ジュース、乳液などである。
【0026】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、包装材料は、例えば、紙又はボール紙層等の繊維質材料の少なくとも1つの層と、繊維質材料の層を互いの間に介在させる、例えば、ポリエチレン層等のヒートシールプラスチック材料の少なくとも2つの層とを備えてもよい。これら2層のヒートシールプラスチック材料のうちの1層は、注ぎ込み可能な製品に接触する本体2の内側面を画定してもよい。
【0027】
好ましくは、包装材料は、特にヒートシールプラスチック材料の層の1つと繊維質材料の層との間に配置される、ガスバリア性及び光バリア性材料の層、例えばアルミニウム箔又はエチレンビニルアルコール(EVOH)フィルムを含んでもよい。必須ではないが、好ましくは、包装材料は、ガスバリア性・光バリア性材料の層と繊維質材料の層との間に介在する、さらなるヒートシールプラスチック材料の層を含んでもよい。
【0028】
好ましくは、各パッケージ1、特に各本体2は、多層包装材料の各ブランクから得られてもよい。特に、ブランクは、それぞれのパッケージ1、特にそれぞれの本体2の前駆体を画定してもよい。
【0029】
より詳細には、それぞれのブランクは、特に分離膜によって覆われていてもよい、それぞれの指定された注液口を含んでいてもよい。分離膜は、ガスバリア性材料から形成されてもよく、特に分離膜は、ガスバリア性材料及び光バリア性材料の層の一部によって画定されてもよい。
【0030】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、多層包装材料はウェブの形態で提供されてもよく、それによって包装ブランクは互いに対して連続的に配置されてもよい。パッケージ1の形成中、ウェブはチューブに形成され、縦方向にシールされ、注ぎ込み可能な製品で充填され、横方向にシールされ、包装ブランクの延長に対応して切断される。
【0031】
好ましい非限定的な実施形態によれば、各開口装置3は、特に成形されて、それぞれの本体2又はそれぞれの包装ブランクに適用され得る。好ましくは、各開口装置3は、それぞれの包装ブランク上で、所定の注ぎ口について成形され得る。特に、以下にさらに説明するように、開口装置3の第1の部分をそれぞれの包装ブランク上に成形し、第1の部分の成形後に第2の部分を第1の部分上に適用してもよい。
【0032】
特に、開口装置3は、対応する金型を用いて成形してもよい。
【0033】
特に
図1及び
図2を参照すると、本体2は、長手方向軸A、長手方向軸Aに垂直な第1の横方向軸B、及び第1の横方向軸B及び長手方向軸Aに垂直な第2の横方向軸Cに沿って延在してもよい。特に、長手方向軸Aを沿ったパッケージ2の延長部は、第1の横方向軸B及び第2の横方向軸Cに沿ったパッケージの延長部より大きくてもよい。
【0034】
好ましくは、本体2は平行六面体形状である。
【0035】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、本体2は、特に長手方向軸Aに対して横方向、さらに特に垂直方向である第1の壁(図示せず、公知である)を含んでもよく、そこから本体2は長手方向軸Aに沿って延びてもよい。好ましくは、第1の壁は、パッケージ1、特に本体2の支持面を画定してもよく、この支持面は、使用時、例えば販売所内で露出されるとき、又は保管されるときに、例えば棚のような支持体と接触するように設計されてもよい。特に、支持体上に配置される場合、第1の壁は底壁を確定してもよい。
【0036】
好ましくは、本体2はまた、第1の壁に(固定的に)接続され、第1の壁から長手方向軸Aに沿って、特に実質的に平行に延びる側壁4を含んでもよい。
【0037】
好ましくは、本体2はまた、第1の壁の反対側にあり、側壁4に(固定的に)接続された第2の壁5を含んでもよい。特に、側壁4は、第1の壁と第2の壁5との間に介在させてもよい。
【0038】
特に、パッケージ1が支持体上に配置される場合、第2の壁5が天壁を画定してもよい。
【0039】
図示した非限定的な実施形態によれば、第1の壁と第2の壁5は互いに平行であってもよい。
【0040】
図示しない非限定的な代替実施形態によれば、第1の壁及び第2の壁5は、互いに対して傾斜してもよい。特に、第2の壁5は、傾斜した頂部を画定してもよく、ゲーブルトップの一部を画定してもよい。
【0041】
いくつかの非限定的な実施形態によれば、第2の壁5は、所定の注ぎ口を担持し、及び/又は備えてもよい。
【0042】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、パッケージ1、特に本体2は、注ぎ込み可能な製品を収容及び/又は含有するように構成された内部空間を含んでもよい。特に、第1の壁、側壁4及び第2の壁5は、内部空間を画定してもよい。
【0043】
特に
図2~
図5bを参照すると、開口装置3は、
-開口装置3を本体2、特に第2の壁5、及び所定の注ぎ口の周囲に結合及び/又は連結するように構成されたベースフレーム8と、
-ベースフレーム8から延在し、流路10の境界を画定するカラー9と、
-流路内に配置され、及び/又は配置可能であり、閉鎖し、及び/又は覆うように構成された閉鎖要素11と、特に、少なくともカラー9及び/又は流路10から離れる閉鎖要素11の最初の移動の前に、所定の注ぎ口を密閉するように構成される閉鎖要素11と、
を備える。
【0044】
好ましくは、ベースフレーム8、カラー9、及び閉鎖要素11は、一体的に、特に単一部品として形成されてもよい。
【0045】
より具体的には、流路10は、注ぎ込み可能な製品の流出を可能にするように構成された(カラー9の)注出口12と、注ぎ込み可能な製品を流路10に、特にパッケージ1の内部空間、特に本体2から流路10内に、導入を可能にするように構成された(カラー9の)注入口13との間に延在してもよい。
【0046】
より詳細には、カラー9は、ベースフレーム8に一体的に接続されてもよい。
【0047】
より詳細には、カラー9は、中心軸Eに沿って延在してもよく、注出口12及び注入口13は、カラー9のそれぞれの軸方向端部に配置されてもよい。
【0048】
さらに詳細には、カラー9は、注出口12の境界を定める第1の境界リム14と、注入口13の境界を定める第2の境界リム14とを備えてもよく、それぞれがカラー9のそれぞれの軸方向端部に配置される。
【0049】
好ましくは、閉鎖要素11は、カラー9に対して同軸上に配置されてもよい。換言すれば、閉鎖要素11の中心軸Fは、中心軸Eと同軸であってもよい。
【0050】
さらに、開口装置3はまた、カラー9に結合され、及び/又は結合可能であり、特に注ぎ込み可能な製品の注出をそれぞれ許可及び阻止するために、注出口12を選択的に開閉するように構成されたクロージャ16を備えてもよい。
【0051】
好ましくは、閉鎖要素11及びクロージャ16は、クロージャ16の任意の移動が閉鎖要素11の同時移動をもたらすように、互いに接続、特に固定されてもよい。特に、閉鎖要素11及びクロージャ16は、溶融及び/又は溶接及び/又は接着及び/又は成形によって互いに接続されてもよい。
【0052】
特に
図3~
図5bを参照すると、閉鎖要素11は、(カラー9の内壁22の)(環状の)初期接触部21に沿ってカラー9に取り外し可能及び/又は破断可能に固定される結合膜20を備えてもよい。
【0053】
さらに、閉鎖要素11は、注ぎ込み可能な製品の流出を可能にするために所定の注ぎ口を解放及び/又は開くように、初期接触部21から(破断可能に)分離するように構成されてもよい。
【0054】
好ましくは、初期接触部21から閉鎖要素11を初めて取り外す前に、閉鎖要素11は、所定の注ぎ口及び内部空間を密閉するように構成されてもよい。その後、閉鎖要素11が所定の注ぎ口を閉鎖できるが、所定の注ぎ口及び内部空間をそれ以上密閉しないように、閉鎖要素11を配置することが可能である。
【0055】
さらに、使用中に、閉鎖要素11が初期接触部21から初めて取り外されるとき、結合膜20は初期接触部21から不可逆的に破断する。
【0056】
より詳細には、閉鎖要素11は、閉鎖要素11が所定の注ぎ口を覆う及び/又は閉じるように構成されるアクティブ位置と、閉鎖要素11が所定の注ぎ口を解放する及び/又は開く非アクティブ位置との間で制御可能であってもよい。
【0057】
換言すれば、閉鎖要素11は、アクティブ位置にあるときは注出口12と注入口13との間の流体接続を遮断し、及び/又は少なくとも妨害し、非アクティブ位置にあるときは注出口12と注入口13との間の流体接続を可能にするように構成されてもよい。
【0058】
好ましくは、閉鎖要素11は、流路10内に配置されてもよく、及び/又はアクティブ位置にあるときに、注出口12とベースフレーム8との間に介在されてもよい。
【0059】
さらに(
図3を参照すると)、初期の閉鎖要素11はアクティブ位置に制御され、アクティブ位置から非アクティブ位置への最初の移動に先立って、閉鎖要素11は初期接触部21に破断可能に接続されて所定の注ぎ口をシールする。
【0060】
さらに、閉鎖要素11がアクティブ位置から非アクティブ位置に初めて移動した後、閉鎖要素11を新たにアクティブ位置に配置することができる。次に、閉鎖要素11は、カラー9、特に内壁22に新たに接触して、指定された注入開口部を閉じる及び/又は覆う、及び/又は注入出口12と注入口13との間の流体接続を遮断及び/又は妨害することができる。
【0061】
特に
図3から
図5bを参照すると、初期接触部21は、ベースフレーム8と注出口12との間に介在させてもよい。
【0062】
さらに、特に、閉鎖要素11がアクティブ位置から非アクティブ位置へ初めて移動した後、閉鎖要素11がカラー9、特に内壁22と相互作用できることを保証するために、カラー9は、
-注出口12を備え、初期接触部21から注出口12まで延在する主要部23と、
-注入口13を備え、初期接触部21から注入口13まで延在するシールリング24と、
を備えてもよい。
【0063】
特に、シールリング24は、アクティブ位置にあるとき、及びアクティブ位置から非アクティブ位置への閉鎖要素11の初回の移動の後に、閉鎖要素11が所定の注ぎ口を閉じること、及び/又は注入口13と注出口12の間の流体接続を中断すること、及び/又は少なくとも妨げること、を確実にするように設計される。特に、閉鎖要素11の少なくとも一部の正確な位置が初期接触部21の下にある場合でも、閉鎖要素11がカラー9の内壁22に確実に接触することが保証される。
【0064】
有利なことに、シールリング24は、主要部23及びベースフレーム8に対して偏向可能であってもよい。
【0065】
このようにして、閉鎖要素11と内壁22との間の相互作用及び所定の注ぎ口の閉鎖をさらに確実にすることが可能となり得る。さらに、金型からのシールリング24の取り出しが容易になる。
【0066】
特に、シールリング24は、主要部23及びベースフレーム8に偏向可能に接続されてもよい。
【0067】
より詳細には、主要部23は内壁22の第1の表面部分25を備えてもよく、シールリング24は内壁22の第2の表面部分を備えてもよい。
【0068】
好ましくは、シールリング24は、注入口13の境界を定める、及び/又は第2の境界を定めるリムを画定する(湾曲した)先端部分26を備えてもよい。
【0069】
また、注入口13は、初期接触部21に配置されているシールリング24の軸方向端部とは反対側のシールリング24の軸方向端部に配置されてもよい。
【0070】
より詳細には、シールリング24は、パッケージ1の内部空間に向かって、及び/又はパッケージ1の内部空間内に延びるように、主要部23に接続されてもよく、そこから突出してもよい。言い換えれば、シールリング24は、内部空間に向かって、及び/又は内部空間内に突出するように設計されてもよい。
【0071】
シールリング24は、円錐台形状を有する補助空間を画定してもよい。特に、補助空間は、初期接触部21から注入口13に向かって先細りになってもよい。
【0072】
好ましくは、シールリング24は、中心軸Eに対して回転対称性を有してもよい。
【0073】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、シールリング24は、特に先端部分26を有する本体27を備えてもよい。
【0074】
さらに、シールリング24は、
-初期接触部21に接続され、及び/又は初期接触部21の境界を部分的に画定し、特に本体27にも接続される環状結合部分28、及び/又は、
-シールリング24をベースフレーム8に接続する環状結合セクション29、
を備えてもよく、環状結合セクション29は、本体27に接続されてもよい。
【0075】
特に、環状結合部分28は第1の側から本体27に接続し、環状結合セクション29は第2の側、特に第1の側の反対側から本体27に接続することができる。
【0076】
好ましくは、環状結合部分28は、初期接触部21から注入口13に向かって延在してもよい。
【0077】
特に
図5aを参照すると、シールリング24、特に本体27は、内面33と、特に中心軸F及び/又は中心軸Eに対して内面33から半径方向に変位し、内面33とは反対側の外面32と、内面33と外面32とを接続する湾曲した先端面35とを備えてもよい。
【0078】
好ましくは、先端部分26は先端表面35を含んでもよい。
【0079】
好ましくは、内面33は、内壁22の第2の表面部分を少なくとも部分的に画定してもよい。
【0080】
特に、内面33及び第1の表面部分25は、相互の間に初期接触部21を挟んでもよい。
【0081】
好ましくは、内面33は、第1の表面部分25に対して傾斜してもよい。
【0082】
より詳細には、外面32は、ベースフレーム8の表面34に面してもよい。特に、表面34は湾曲してもよい。
【0083】
さらに詳細に、
図5bを参照すると、カラー9の中心軸Eを含む断面Hに対するシールリング24の断面プロファイルは、第1の直線36と、第1の直線36から半径方向にずれており、第1の直線36に対して、特に中心軸Eに対して半径方向の外側に配置された第2の直線37とを備えてもよい。特に、第1の直線36及び第2の直線37は、それぞれ内面33と外面32を有する断面平面Hの断面から生じてもよい。
【0084】
より詳細には、第2の直線37は、第1の直線36の延長部の少なくとも50%に対応する延長部を有してもよい。好ましくは、第1の直線36の延長部は、第2の直線37の延長部よりも大きい。
【0085】
さらに、断面プロファイルは、第1の直線36と第2の直線37とを接続する曲線38を含んでもよい。
【0086】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、断面プロファイルは、第1の直線36及び初期接触部21に接続された第3の直線39を含んでもよい。特に、第3の直線39は、環状結合部分28を含む断面平面Hの断面から生じてもよい。
【0087】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、断面プロファイルは、第2の直線37に接続され、ベースフレーム8に接続され、及び/又はベースフレーム8に向かって延びる第4の直線40を備えてもよい。特に、第4の直線40は、環状結合セクション29を有する断面平面Hの部分から生じてもよい。
【0088】
特に、第4の直線40は、第2の直線37から横方向に延在してもよい。
【0089】
図5aを参照すると、環状結合部分28、特に環状結合部分28のそれぞれの外面、及び結合膜20は、特に初期接触部21から破断する前に、85°から95°の範囲の角度、特に実質的に90°を画定してもよい。
【0090】
好ましくは、環状結合部分28及び結合膜20は、互いに実質的に垂直であってもよい。
【0091】
このような特徴は、シールリング24の可撓性の性質に寄与し、及び/又はそれぞれの金型からのシールリング24の取り外しを容易にする。
【0092】
好ましくは、環状結合部分28の外面は平坦な形状を有してもよい。
【0093】
特に、第3の直線39と結合膜20は、特に初期接触部21から破断する前に、85°~95°の範囲、特に実質的に90°の角度を画定してもよい。好ましくは、第3の直線39は、特に初期接触部21から結合膜20が破断する前に、結合膜20に対して実質的に垂直であってもよい。
【0094】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、環状結合セクション29は、環状平坦面41を備えてもよい。特に、環状平坦面41は、外面32からベースフレーム8まで延在してもよく、及び/又は環状平坦面41は、外面32に対して横方向であってもよい。
【0095】
図3から
図5bを参照すると、ベースフレーム8は、パッケージ1、特に本体2の内部空間内に配置されるように設計された第1のフランジ42を備えてもよい。さらに、ベースフレーム8は、第1のフランジ42に軸方向に変位して平行に配置された第2のフランジ43を備えてもよい。
【0096】
好ましくは、第1のフランジ42及び第2のフランジ43は、本体2の一部、特に包装材料の一部を互いに挟むように構成されてもよい。
【0097】
さらに、第1のフランジ42は、注ぎ込み可能な製品のためのベースフレーム8の入口開口部44を画定してもよい。
【0098】
好ましくは、入口13は、入口開口44から軸方向に変位されてもよい。特に、入口13は、閉鎖要素11及び/又は初期接続部分21と入口開口44との間に介在されてもよい。
【0099】
さらに詳細には、
図2から
図5bを参照すると、閉鎖要素11は、
-結合膜20の周囲に接続された中央主壁50、特に、円形の中央主壁50と、
-中央主壁50から延在し、閉鎖要素11をクロージャ16に接続され、及び/又は接続するように構成された結合構造51と、
を備えてもよい。
【0100】
より具体的には、結合構造51は、クロージャ16、特にクロージャ16の内面に、特に溶接及び/又は接着及び/又は融着されて、接続されてもよい。
【0101】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、クロージャ16は、以下の間で移動してもよい:
-特に、注出口12からの注ぎ込み可能な製品の流出を妨げるため、クロージャ16が注出口12を覆う閉鎖構成、
-特に、注出口12からの注ぎ込み可能な製品の流出を可能にするため、クロージャ16を注出口12から取り外すことができる開放構成。
【0102】
好ましくは、クロージャ16は、閉鎖構成と開放構成との間で可逆的に移動させてもよい。
【0103】
いくつかの非限定的な実施形態によれば、閉鎖要素11は、閉鎖構成と開放構成との間のクロージャ16の移動が、それぞれアクティブ位置と非アクティブ位置との間の閉鎖要素11の移動をもたらすように、特に結合構造51によって、クロージャ16に接続、特に溶融及び/又は溶接及び/又は接着されてもよい。
【0104】
パッケージ1は、その形成直後に、クロージャ16及び閉鎖要素11がそれぞれ閉鎖構成及びアクティブ位置にある初期構成に配置されてもよいことに留意されたい。パッケージ1は、初期構成にある状態で、使用者に配布及び/又は販売されてもよい。
【0105】
いくつかの非限定的な実施形態によれば、ベースフレーム8、カラー9、及び閉鎖要素11は、特に単一部品として一体的に形成されてもよい。特に、ベースフレーム8、カラー9及び閉鎖要素11は、成形プロセス中、特にそれぞれの包装ブランク上への開口装置3の成形中に形成されてもよい。
【0106】
ベースフレーム8、カラー9及び閉鎖要素11の形成後に、クロージャ16をカラー9に結合してもよい。
【0107】
換言すれば、ベースフレーム8、カラー9及び閉鎖要素11は、開口装置3の第1の部分を画定し、クロージャ16は、開口装置3の第2の部分を画定してもよい。したがって、クロージャ16は、ベースフレーム8、カラー9及び閉鎖要素11の成形後に、特に所定の注ぎ口の周囲に、カラー9に適用される。
【0108】
使用時、使用者は、注出口12と指定された注出口をそれぞれ覆うように、クロージャ16と閉鎖要素11がそれぞれ閉鎖構成とアクティブ位置にあるパッケージ1を受け取る。
【0109】
クロージャ16の閉鎖構成から開放構成へ最初の制御、及び閉鎖要素11のアクティブ位置から非アクティブ位置への最初の制御に先立って、閉鎖要素11は、特に環状結合膜20を介して、初期接触部21に固定される。
【0110】
使用者は、注ぎ込み可能な製品にアクセスするために、閉鎖要素11をアクティブ位置から非アクティブ位置に移動させ、及び閉鎖要素11の破断をもたらす閉鎖構成から開放構成へクロージャ16を制御する必要がある。これにより、注ぎ込み可能な製品が内部空間から流路10を通って流れ、注出口12を通って流路10から流出することが可能になる。
【0111】
閉鎖要素11が再びアクティブ位置に配置されるたびに(閉鎖構成でクロージャ16を移動させることによって)、閉鎖構成は所定の注ぎ口を覆う。これにより、シールリング24の存在により、閉鎖要素11が内壁22と確実に係合して、所定の注ぎ口を閉鎖し、及び/又は注入口13と注出口12との間の流体接続を中断又は妨げることができる。
【0112】
本発明による開口装置3及び/又はパッケージ1の利点は、以上の説明から明らかであろう。
【0113】
特に、撓み可能なシールリング24を設けることによって、閉鎖要素11を新たにアクティブ位置に配置した後の閉鎖効果を改善することが可能である。代替的又は追加的に、シールリング24の撓み可能な性質により、開口装置3の(第1の部分)、特に開口装置3を成形するのに必要な金型からシールリング24を取り外すことができる。
【0114】
しかしながら、添付の特許請求の範囲に定義される保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される開口装置3及び/又はパッケージ1に変更を加えてもよい。
【国際調査報告】