(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】スポーツボールに物質を適用するためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
B24B 31/067 20060101AFI20240920BHJP
B24B 31/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B24B31/067
B24B31/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516691
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022076538
(87)【国際公開番号】W WO2023044415
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2022/073334
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523275558
【氏名又は名称】チョークレス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ポープ デイビッド ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ピッドハーニー ジェイムス エム.
【テーマコード(参考)】
3C158
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AB04
3C158AC04
3C158CA01
3C158DA02
(57)【要約】
本発明は、グリップ性及び疎水性を増大させる目的のために、スポーツボールにシリル化シリカといった物質を適用することに関する。ユーザが、物質を用いて処理して、適用された当該物質との関連で或る特定の結果の達成を所望する、スポーツボール又は他の物体の処理のための、方法、システム、及び、装置に関する発明を開示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のための方法であって、
処理チャンバを複数のスポーツボールで装填することと、
前記チャンバを予め定められた量のシリル化シリカで装填することと、
前記チャンバを揺動させることと、
前記スポーツボールを前記チャンバから取り出すことと、
前記スポーツボールを第2の時間期間にわたり放置することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記シリル化シリカの少なくとも一部分を前記チャンバから除去することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項3】
第1の時間期間にわたり、前記チャンバを揺動させることの前に、前記チャンバをタンブリング媒体で装填することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項4】
前記チャンバを帯電防止剤で装填することをさらに含む、請求項3の方法。
【請求項5】
前記帯電防止剤が、ポリエチレングリコールを含み、前記タンブリング媒体が、HDPEを含む、請求項4の方法。
【請求項6】
前記チャンバを揺動させることは、前記チャンバを第1の軸を中心に回転させることを含む、請求項1の方法。
【請求項7】
前記チャンバを回転させることは、約10~15rpmの速度で発生する、請求項6の方法。
【請求項8】
前記シリル化シリカの少なくとも一部分を前記チャンバから前記除去することの間にわたり、前記チャンバを揺動させることをさらに含む、請求項2の方法。
【請求項9】
前記シリル化シリカの少なくとも一部分を前記チャンバから前記除去することは、真空に引いて前記チャンバから空気流を誘発することを含む、請求項2の方法。
【請求項10】
空気を前記チャンバ内へ流すことをさらに含み、空気ストリームが、前記シリル化シリカの少なくとも一部分を空中浮遊するようにさせる、請求項9の方法。
【請求項11】
前記空気ストリームは、前記チャンバの回転軸に対して或る角度で方向付けられている、請求項10の方法。
【請求項12】
前記第2の時間期間は、約12~36時間、約1~4日、又は、約5~10日である、請求項1の方法。
【請求項13】
前記第2の時間期間後に、前記複数のスポーツボールのうちの少なくとも1つの外側表面をブラッシングして、シリル化シリカの少なくとも一部分を除去すること、をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項14】
前記第2の時間期間後に、前記複数のスポーツボールのうちの少なくとも一部分をチャンバ内へ装填することと、
前記チャンバを揺動させて、シリル化シリカの少なくとも一部分を、前記スポーツボールの処理された表面から除去することと、
前記スポーツボールを前記チャンバから取り出すことと、
をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項15】
前記チャンバ内の前記シリル化シリカの少なくとも一部分が、約1~100ナノメートル、約100~2500ナノメートル、又は、約1~1000マイクロメートル、の最大直径を有する、請求項1の方法。
【請求項16】
前記スポーツボールを前記チャンバから取り出すことの前に、シリル化シリカの少なくとも一部分を、前記チャンバから真空圧によって抽出することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項17】
前記複数のスポーツボールのうちの少なくとも1つの処理された表面をテストして、前記少なくとも1つのスポーツボールの前記処理の結果を特定すること、をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項18】
前記テストすることが、疎水性、表面粗さ、粘着性、色、表面光沢、又は、表面反射率、のうちの少なくとも1つを評価する、請求項17の方法。
【請求項19】
スポーツボールをシリル化シリカを用いて処理するための方法であって、
チャンバを複数のスポーツボールで装填することと、
前記チャンバをシリル化シリカで装填することと、
前記チャンバを第1の時間期間にわたり揺動させて、前記スポーツボールの外側表面にシリル化シリカを適用することと、
前記チャンバに真空を適用しながら、前記チャンバを第2の時間期間にわたり揺動させて、シリル化シリカの少なくとも一部分を前記チャンバから除去することと、
前記スポーツボールを前記チャンバから取り出すことと、
を含む、方法。
【請求項20】
スポーツボールをシリル化シリカを用いて処理するための方法であって、
第1のチャンバを複数のスポーツボールで装填することと、
前記第1のチャンバをシリル化シリカで装填することと、
前記第1のチャンバを揺動させて、前記スポーツボールの外側表面にシリル化シリカを適用することと、
前記スポーツボールを前記第1のチャンバから取り出すことと、
前記スポーツボールを約1~10日にわたり放置することと、
第2のチャンバを前記スポーツボールで装填することと、
前記第2のチャンバを揺動させて、シリル化シリカの少なくとも一部分を前記スポーツボールの前記外側表面から除去することと、
前記スポーツボールを前記第2のチャンバから取り出すことと、
前記スポーツボールのうちの少なくとも1つの前記外側表面をテストして、前記複数のスポーツボールの前記処理の結果を特定することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年9月17日に出願されて「ボールの表面といった固体表面に粒状材料を適用するためのシステム及び方法、並びに、関連する物品」と題された、米国仮特許出願63/245,742号と、2021年10月5日に出願されて「スポーツボールにエアロゲルを均一に適用するためのデバイス及び方法」と題された、米国仮特許出願第63/262,117号と、2021年10月18日に出願されて「スポーツボールにエアロゲルを均一に適用するためのデバイス及び方法」と題された、米国仮特許出願第63/262,654号と、2021年11月3日に出願されて「スポーツボールに物質を均一に適用するためのデバイス及び方法」と題された、米国仮特許出願第63/263,484号と、2021年11月30日に出願されて「スポーツボールにエアロゲルを均一に適用するためのデバイス及び方法」と題された、米国仮特許出願第63/264,674号と、の利益を主張する。さらに、この出願は、2021年7月1日に出願されて「グリップ性向上のための粒状エアロゲル材料」と題された米国仮出願第63/217,686号の利益を主張する、2022年7月1日に出願されて「グリップ性向上のための粒状エアロゲル材料」と題された米国特許出願第17/810,356号の一部継続出願である。またさらに、この出願は、2021年7月1日に出願されて「グリップ性向上のための粒状エアロゲル材料」と題された米国仮出願第63/217,686号の利益を主張する、2022年7月1日に出願されたPCT出願第PCT/US22/73334号の一部継続出願である。先述の出願の全内容は、その全体が、本明細書においてあらゆる目的のために引用により組み込まれている。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、スポーツボールにシリル化シリカといった物質を適用するための、システム、デバイス、及び、方法を対象としており、その物質の適用が、グリップ性及び疎水性の増大を含む、スポーツボールの特質の強化を意図している。
【0003】
[発明の背景]
シリル化シリカ、即ち、シロキサンポリマは、絶縁特性をもたらす特質を求めて、或る特定の形で使用されてきた。他の用途において、シリル化シリカは、皮膚軟化剤、結合剤、増粘剤を含む特性を求めて、化粧品に含まれており、発泡の防止を助けることもできる。シリル化シリカは、典型的には、増粘剤として一般に使用されている、疎水性及び揺変性の合成化合物であるものとして特徴付けられる。米国特許出願第17/810,356号において認識されるように、スポーツボールの外側表面の特質は、シリル化シリカの適用により、強化又は向上され得る。
【0004】
シリル化シリカといった化合物をスポーツボールの外側表面に適用する能力は、独自の課題をもたらす。ボールへのコーティングの適用は、特にプロチームによる使用時に、再現性及び一貫性を必要とする。例えば、メジャーリーグベースボールにおいて、概算で、1年につき90万個-1チームにつき3万個-の野球用ボールが使用される。メジャーリーグベースボールにおいて、1年につき使用される90万個の野球用ボールのうちの20万個が、試合用に、1試合につき80~120個のペースで使用されている。メジャーリーグの選手及び他の利害関係者は、パフォーマンスの一貫性を維持するために、スポーツボールの一貫性を必要とする。或るスポーツの選手は、メジャーリーグベースボールといったプロレベルのスポーツが製品について期待するのと同一の一貫性を必要とはしないものの、当該スポーツを、自身のスポーツの最高レベルによってプレーされるのと同一の品質の製品を用いてプレーすることを好み得る。よって、スポーツボールの外側表面に対し、シリル化シリカ又は他のシロキサンポリマを、一貫性を有して且つ再現可能に適用するためのデバイス及び方法に対し、現時点で必要性が存在する。
【0005】
[発明の概要]
スポーツボールの外側表面に対するシリル化シリカの適用は、所望される一貫性及び再現性のレベルに依存して、複数個のステップを伴う。本発明は、スポーツボールの外部に対するシリル化シリカの適用にまつわるものの、代替的なシロキサンポリマ又は他の疎水性若しくは親油性の粒子を使用すること、或いは、このような化合物を、同様の利益を求めて、本明細書において論じられていない代替的な表面に適用すること、が、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0006】
本発明の或る特定の実施形態の一態様は、スポーツボールの、シリル化シリカを用いた表面処理のための、方法、デバイス、及び、システムを提供することであり、当該表面処理は、個々のスポーツボールの表面の全体にくまなく、実質的に均質な表面特質を結果的に生じる。さらに、本明細書において提示されている、或る特定の実施形態の一態様は、複数のスポーツボールの表面特質が、表面処理の後において実質的に均質な表面特質を含むことであり、各ボールの当該表面処理は、物理的特性テスティングプロトコルに基づいた所定の誤差範囲内において、本質的に同一であって且つ再現可能である。
【0007】
本発明の或る特定の実施形態の一態様は、単数のスポーツボール又は複数のスポーツボールがバッチ数量で処理されている表面処理プロセスをモニタして、各スポーツボールが、消費可能な又は再使用可能な媒体との関連で、同じ表面処理を受けることを確保する、ことである。このような媒体は、シリル化シリカ、(プラスチックビーズ又はセラミックロッドといった)研削媒体、及び、シリル化シリカを分散さえもさせるために使用される分散媒体、を指すが、これらに限定されない。
【0008】
本発明の一態様は、大量製造と個々のユーザへの送達とが意図される個々のスポーツボールのための、シリル化シリカ表面処理を提供するための方法を提供することである。大量製造と日常消費者への送達とに良く適した、或る特定の実施形態は、ユーザが適用する方法を伴っており、ユーザに対しては、スポーツボールの表面にシリル化シリカを適用する要領についての指示と共に、予め定められた量の顆粒状又は粉末状のシリル化シリカが提供される。或る特定の実施形態は、シリル化シリカの適用及び/又は除去に適した固有の特質を有する手袋又は布切れといったアプリケータを提供し、一方で、他の実施形態は、ボールの外側表面へのシリル化シリカの、より均質であって且つ一貫性を有する適用を確保するために、ボールを揺動させる方法を提供する。日常消費者による使用にも良く適した、或る特定の実施形態は、封止される前に、スポーツボールが予め定められた量のシリル化シリカと共に配置される容器の使用を伴い、ユーザは、当該容器を、スポーツボールが中に入った状態で揺動させて、スポーツボールの外側表面にシリル化シリカを適用する。揺動のために封止された容器を備えるこのような実施形態は、シリル化シリカの表面処理の利益が漸減した或る時間期間又は使用期間の後に、シリル化シリカを再適用するために再使用可能である。
【0009】
本発明のさらなる実施形態の一態様は、いくつものスポーツボールの表面を、シリル化シリカを用いて一度に処理するための、表面処理の方法、システム、及び、デバイス、を提供することである。本発明の或る特定の実施形態は、シリル化シリカ及び揺動作用を提供する設備内へ、スポーツボールが個々に又はバッチで配置される半自動化プロセスのために構成された、方法、システム、及び、デバイス、を含む。揺動は、設備の、振動性の態様又はタンブリング作用の使用を通じて提供することができる。或る特定の実施形態では、揺動を、シリル化シリカのみを用いて成し遂げることができるものの、代替的な実施形態は、表面処理を増大させるために、混合媒体を含む。このような混合媒体は、処理プロセスの間にわたり、研削及び機械的堆積を通じてコーティングさえも促進する。或る特定の実施形態の研削は、表面調整のために、さらにはシリル化シリカのコーティングのため、並びに、野球用ボール及びフットボール用ボールといった縫製スポーツボールにおいてなど、スポーツボールの一部分におけるシリル化シリカの集積を排除するために使用される。混合媒体は、フットボール用ボールの紐の繊維内、又は、野球用ボールの縫い目内など、スポーツボールの表面における隙間内へ、シリル化シリカ粒子を入り込ませるためにも使用され得、紐/縫い目が、より堅固に且つより際立つようにさせる。このような混合媒体は、所定の表面処理レベルを達成するのに必要とされるサイクルタイムを減少させるためにも使用され得る。
【0010】
よって、或る特定の実施形態の一態様は、異なった環境で使用されるスポーツボールの処理を、処理の場所における周囲環境に実質的にとらわれずに、一貫性を有する表面処理の結果をもたらす様態で、可能にすることである。本発明の或る特定の実施形態は、外側表面がシリル化シリカで処理された後のスポーツボールの、前処理及び後処理保管のための方法、システム、及び、デバイス、を含む。或る特定の実施形態は、前処理又は後処理における保管時に、環境に対する制御をもたらす。シリル化シリカを用いた処理の後に、高湿度又は高温の環境に放置されたスポーツボールは、低温又は低湿度の環境において保管されたときとは異なる、処理後の表面特質を示し得る。スポーツボールがプロセスを受ける所定の雰囲気を提供することにより、結果的に得られる表面特質は、地理的場所又は周囲環境の差異を理由として影響を受けること又は異なることがない。
【0011】
或る特定の実施形態において、シリル化シリカは、封止された器内においてスポーツボールの表面を処理するために使用され、当該封止された器は、圧力の調節及び変動を可能にする。或る特定の実施形態では、スポーツボールの外側表面の、シリル化シリカを用いた処理のために、封止された器内において陰圧を用いることが好まれ、一方で、代替的実施形態では、スポーツボールの外側表面の、シリル化シリカを用いた処理のために、封止された器内において陽圧を用いることが好まれる。
【0012】
或る特定の実施形態の一態様は、スポーツボールの外側表面に対する潜在的損傷を低減しながら、スポーツボールの外側表面を、シリル化シリカを用いて処理することである。或る特定の実施形態において、シリル化シリカは、スポーツボールが通過する処理チャンバ内において、シリル化シリカ粉末をエアロゾル化するか又は噴霧する噴霧プロセスを通じて適用される。或る特定の実施形態において、スポーツボールは、チャンバを通過する前に化合物を用いて前処理されて、処理チャンバを通過するときに、スポーツボールへの当該シリル化粉末の接着を最大化する。
【0013】
ナノ粒子の形、マイクロ粒子の形、及び/又は、微細粒子の形、のシリル化シリカの使用が、本発明の思想及び範囲内に入る。ナノ粒子は、直径が約1~100ナノメートルの間の物質体の粒子を指し、微細粒子は、直径が約100~2500ナノメートルの間の物質体の粒子を指し、マイクロ粒子は、直径が約1~1000マイクロメートルの間の物質体の粒子を指す。代替的実施形態においては、他の形のエアロゲル又は他の疎水性若しくは親油性の粒子を、シリル化シリカと共に又はシリル化シリカの代わりに使用してよい。本明細書におけるシリル化シリカへの言及は、このような他の形のエアロゲル又は他の疎水性若しくは親油性の粒子も指し得る。
【0014】
本発明の一態様は、スポーツボールの外側表面処理を積極的に追跡することである。スポーツボールの処理の積極的追跡は、増大したレベルの品質保証をもたらす。スポーツボールの表面処理の積極的追跡は、ステップが省略されていないこと、及び、ステップが各スポーツボールについて重複していないこと、を確保する。したがって、各スポーツボールは、より高いレベルの品質保証及び品質基準をもたらす、同一の表面処理プロセスを受け、当該品質保証及び当該品質基準は、一貫性を有する最終製品を確保する。
【0015】
本発明の或る特定の実施形態の一態様は、スポーツボールの表面処理のために使用されるシステムの、人間の相互作用及び人間の制御を限定することを通じて、一貫性を有し且つ再現可能な製品を提供することである。或る特定の実施形態において、スポーツボールの表面処理のためのシステムは、人間の制御を限定し、セキュリティプロトコルが、システムの使用と、システム内へのスポーツボールの挿入と、を制限する。或る特定の実施形態において、セキュリティプロトコルは、認可された人員にしか、後処理-処理におけるスポーツボールへのアクセスを許容せず、プレーでの使用前におけるスポーツボールへの不正変更を低減する、ように、システムからのスポーツボールの取り出しを制限する。
【0016】
シリル化シリカの粉塵-特に、より微細な粉末の形状-は、機械的システムの信頼性を下げる。本発明の或る特定の実施形態の一態様は、スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理にまつわる、適正な粉塵収集及び粉塵低減をもたらすことである。
【0017】
本発明の或る特定の実施形態の一態様は、シリル化シリカを用いた表面強化のために処理されているスポーツボール又は他の物体に対するシリル化シリカの付着を妨げる恐れのある静電荷レベルを低減することである。或る特定の実施形態においては、改善された接地、イオン化空気の導入、増大させた水分、増大させた局所湿度、及び、ポリエチレングリコールの導入、を含む方法を用いることが所望され得る。ポリエチレングリコールは、長鎖脂肪族アミン系の帯電防止剤である。脂肪族アミド、及び、第四アンモニウム塩といったアミド、リン酸のエステル、並びに、ポリオール、系の代替的な帯電防止剤が、本発明の思想及び範囲内に入る。さらに、長鎖アルキルフェノール、エトキシル化アミン、及び、グリセロールエステル、といった代替的な帯電防止剤が、本発明の思想及び範囲内に入り、又は、帯電防止特性を有する他の薬剤が、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0018】
本発明の一態様は、触知感覚のため、所望されるレベルの疎水性及び粘着性をもたらす様態で、スポーツボールを処理するための方法を提供することである。疎水性、表面粗さ、粘着性、といった変数及び他の変数にまつわるプロセス全体にわたるスポーツボールのテストが、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0019】
本発明の或る特定の実施形態の一態様は、封止された容器内において、そこにシリル化シリカが追加された状態で、スポーツボールの揺動を通じてスポーツボールを処理することである。スポーツボールの揺動は、スポーツボールに損傷を生じることなく、目的に叶う混合をもたらすだけ充分に速く、且つ、向心力による混合の欠如を抑制するのに充分に遅い速度において発生する。
【0020】
スポーツボールの処理のための方法にまつわる、本明細書に記載された実施形態は、中枢的場所において実施されることが可能であり、或いは、現場において手で、又は、単一のプロセスにおける複数のスポーツボールの処理のために適合された特化された設備を用いて、実施されることが可能である。さらに、スポーツボールの部分的処理と、最終処理のための第2の場所への送達と、が、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0021】
これらの及び他の利点は、本明細書に包含されるこの発明の開示から明らかであろう。上記の実施形態、目的、及び、構成は、全面的なものでも網羅的なものでもない。この発明の他の実施形態は、上で明記されたか又は以下に詳細に説明される特徴のうちの1つ以上を、単独で又は組み合わせて、使用することによって可能である。さらに、この概要は、本発明の全域及び全範囲を代表しているものとして意図されておらず、そのように解釈されるべきでもない。本発明は、この概要において、並びに、添付の図面及び以下の詳細な説明において、様々なレベルの詳細で明記されており、この概要における、要素、構成要素、等を含むか又は含まないかのいずれかに対し、本発明の範囲に関する限定は、何ら意図されていない。本発明の追加的な態様は、特に、図面、及び、本明細書に提供された請求項、と共に読まれると、詳細な説明から、よりたやすく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の斜視図である。
【
図2】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の斜視図である。
【
図3】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の斜視図である。
【
図4A】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のための方法の、或る特定の実施形態の線図である。
【
図4B】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のための方法の、或る特定の実施形態の線図である。
【
図5】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の線図である。
【
図6】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の線図である。
【
図7】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムを較正するための方法の、或る特定の実施形態の線図である。
【
図8】シリル化シリカを用いて処理されたスポーツボールの表面状況を検査するための検査ステーションを備えたシステムの、或る特定の実施形態の斜視図である。
【
図9】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の線図である。
【
図10】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の線図である。
【
図11】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の線図である。
【
図12A】スポーツボールの透視図を含む、スポーツボールのための置場を備えた或る特定の実施形態の斜視図である。
【
図12B】スポーツボールのための置場を備えた或る特定の実施形態の上面図である。
【
図12C】スポーツボールのための置場を含んだ或る特定の実施形態の側面図である。
【
図13】スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のためのシステムの、或る特定の実施形態の線図である。
【
図14A】処理チャンバを備えた或る特定の実施形態の斜視分解図である。
【
図14B】処理チャンバを備えた或る特定の実施形態の斜視分解図である。
【
図14C】処理チャンバを備えた或る特定の実施形態の側面分解図である。
【
図14E】処理チャンバを備えた或る特定の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[様々な実施形態の詳細な説明]
例えば
図1に示されるような、本発明の或る特定の実施形態は、スポーツボールの、特に、スポーツボール1000の外側表面1010の、シリル化シリカ1100を用いた処理のためのシステムを備えている。本明細書に開示された実施形態は、スポーツボール1000に対するシリル化シリカ1100の適用に関する、方法、システム、及びデバイスに関する。
【0024】
例えば
図2に示されるような、本発明の或る特定の実施形態は、スポーツボール1000にシリル化シリカ1100を適用するためのシステムであって、スポーツボール1000を受容するように構成された封止可能な容器1300を備えたシステムに関する。当該システムには、予め定められた量のシリル化シリカ1100を包含する包装体1200が提供されており、ユーザは、シリル化シリカ1100を、包装体1200から、封止可能な容器の開放面1310内へ、スポーツボール1000と共に据え置き、封止可能な容器1300を再封止する。或る特定の実施形態において、封止可能な容器1300は、蓋1310を備えており、蓋1310は、ユーザにより開放面1310上に配置されて、動揺、振動、又は、他の方法の機械的揺動、を通じてシステムを揺動させる前に、封止可能な容器1300を封止する。本明細書に開示されるようなシステムのいくつかの実施形態は、スポーツボール1000を備えており、一方で、システムの代替的な実施形態は、スポーツボール1000を備えておらず、提案されたシステムの外側でユーザにより得られたスポーツボール1000のための処理方法として意図されている。剛性の壁、半剛性の壁、又は、可撓性の壁、を有する、封止された容器が、本発明の思想及び範囲内に入る。或る特定の実施形態において、封止された容器の内部は、スポーツボール1000を内部表面から予め定められた距離をとって維持するために、隆線又は他の突出部を備えている。ジッパー封止された袋といった、或る特定の封止可能な容器もまた、本発明の思想及び範囲内に入る。或る特定の実施形態において、封止可能な容器1300は、ロールトップ式又はジップロック式の封止を備えた閉鎖体を有する、皮革袋又はパウチを備えている。これらの閉鎖体を組み合わせて、表面処理の間にわたり、シリル化シリカ粉塵を包含し得る。袋又はパウチは、皮革の平滑な側面又は粗い側面が当該袋又は当該パウチの内側に向けて配向された状態で、組み付けられ得る。或る特定の実施形態において、容器の内部は、粗い表面を備えている。他の実施形態において、容器の内部は、平滑な表面を備えている。例えば、皮革袋又はパウチは、平滑な皮革内部又は粗い皮革内部を備えて構築され得る。
【0025】
或る特定の実施形態において、
図2を再度参照すると、スポーツボール1000は、包み1020内に事前に梱包されている。包み1020は、スポーツボールのために、蒸気及び化学物質の不浸透性バリアをもたらす。包み1020の使用により、スポーツボール製造業者は、シリル化シリカ1100の適用に好ましくなるように予め定められた、予め定められた環境条件に合わせて、スポーツボール1000の前処理又はプレコンディショニングを行うことが可能になる。スポーツボールの前処理又はプレコンディショニングは、温度、湿度平衡又は内部水分平衡、化学物質処理、局所用軟膏を用いた表面コンディショニング、表面研削、表面研磨、及び、他の方法の前処理又はプレコンディショニング、を確立することを含むがこれらに限定されない。或る特定の実施形態では、封止前にシリル化シリカ1100を包み内へ導入し、それにより、一旦封止されると、出荷又は搬送の間にわたる梱包又は容器の動きが、シリル化シリカ1100をボール表面に適用する。梱包又は容器のさらなる動き又は操作についての指示は、当該梱包又は当該容器上に記入することによって明示され得る。或る特定の実施形態では、封止前に包み内へ、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、オガネソン、又は、他の不活性ガス若しくは疎水性ガス、といったガスが導入される。
【0026】
図3に示されるものといった、本発明の或る特定の実施形態は、スポーツボール1000にシリル化シリカ1100を適用するためのシステムを備えており、当該システムは、予め定められた量のシリル化シリカ1100を包含する包装体1200と、アプリケータ1400と、を備えている。或る特定の実施形態において、アプリケータ1400は、1つ又は複数のアプリケータ手袋1410を備えており、一方で、代替的な実施形態は、アプリケータ布1420を備えている。アプリケータ1400の材料は、スポーツボール1000へのシリル化シリカの適用のために、調合及び構成されている。
【0027】
或る特定の実施形態において、
図3を再度参照すると、アプリケータ1400にはシリル化シリカが事前に含浸させてあり、ユーザは、少なくとも予め定められた時間期間にわたり、当該アプリケータをスポーツボール1000の外側表面1010上に単に擦り付ける。本発明の実施形態は、スポーツボールに対する、乾燥粉末又は粒状の形のシリル化シリカの適用に関するものの、キャリア媒体又はキャリア流体を用いたシリル化シリカの適用もまた、本発明の思想及び範囲内に入る。例えば、或る特定の実施形態において、キャリア媒体又はキャリア流体は、包装体1200内に含まれている。
【0028】
図4A~
図5に示されるものなど、或る特定の実施形態は、スポーツボールの処理のための方法を含み、少なくとも1つのステップは、機械類により実施されるか又は自動化される。第1のステップは、シリル化シリカを用いた表面処理に備えて、少なくとも第1のスポーツボールの、プロセスへの投入2000を含む。或る特定の実施形態では、少なくとも第1のスポーツボールが、スポーツボール投入3000内へ配置される。或る特定の実施形態のスポーツボール投入3000は、少なくとも1つ又は複数のスポーツボールを受容するように構成されたホッパーを備えている。或る特定の実施形態において、投入は、約5~10、10~15、15~30、30~60、又は、60~120個のスポーツボールのバッチを受容するように構成されており、一方で、代替的な実施形態は、中にスポーツボールを連続的に据え置くために構成されている。或る特定の実施形態において、ホッパーは、Earl Ensingerに付与された米国特許第2,779,508号-本明細書においてあらゆる目的のために引用により組み込まれている-に見出されるものなどのコンベヤベルトと組み合わせて使用され、スポーツボールを、ホッパーから、スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のプロセスにおける次に続くステップに移送する。或る特定の実施形態において、スポーツボールをシリル化シリカを用いて処理する方法におけるステップ間の移行は、コンベヤベルトを用いて物理的に成し遂げられる。或る特定の実施形態において、スポーツボールは、ステップ間を、重力を使用して移送され、スポーツボールは、当該方法のステップ間において、落下又は転動する。或る特定の実施形態においては、コンベヤベルト、導管、走路、又は、気送管(pneumatically charged tube)を使用して、システムの或るステーションから別のステーションに(例えば、前処理3100から処理3200へ)スポーツボールを運搬する。
【0029】
図4A~
図5に示されるものなど、或る特定の実施形態は、スポーツボールの処理のための方法を含み、前処理-処理2100は、前処理3100チャンバ内で実施され、少なくとも第1のスポーツボールが、シリル化シリカを用いた表面処理のために調整される。或る特定の実施形態において、前処理-処理は、スポーツボールを、環境制御された前処理3100チャンバ内に保管することを含み、環境が、予め定められたセットの変数に制御される。或る特定の実施形態内において制御される環境変数には、湿度、圧力、及び、温度が含まれるが、これらに限定されない。或る特定の実施形態において、前処理-処理2100は、スポーツの表面に、化学物質、流体、又は、粉末を、予め定められた量又は持続時間において適用して、スポーツボールの表面を、後のプロセスにおけるシリル化シリカの適正な接着及び被覆のために調整する。或る特定の実施形態において、前処理-処理は、スポーツボールの表面調整を含み、このスポーツボール表面は、研削媒体又は研磨媒体で改質される。
【0030】
図4Bに示されるような、或る特定の実施形態において、スポーツボールの表面には、当該スポーツボールのシステム内への投入前に、前処理2100が行われる。前処理プロセス2100は、スポーツボールの製造前における、スポーツボールの材料の処理を含む。或る特定の実施形態においては、スポーツボールの外方表面が皮革で製造されており、皮革は、スポーツボールの製造前に、前処理溶液で前処理されているか又は前処理溶液に含浸させている。それにより、システム内への投入2000前におけるスポーツボールの前処理が、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0031】
或る特定の実施形態において、スポーツボールの表面には、Gary McNeilに付与された米国特許第4,630,401号(「McNeil」)、John Rampeに付与された米国特許第4,520,598号(「Rampe」)、William E.Riseに付与された米国特許第3,633,321号(「Rise」)、Denis Fahey他に付与された米国特許第3,724,146号(「Fahey」)、Achille Ferraraに付与された米国特許第3,802,129号(「Ferrara」)、Hisamine Kobayashiに付与された米国特許第3,948,002号(「Kobayashi」)、Gordon Andersonに付与された米国特許第3,871,135号(「Anderson」)、Raymond Leliaertに付与された米国特許第4,018,009号(「Leliaert」)、Gunther Balzに付与された米国特許第4,329,817号(「Balz」)、及び、George Jonesに付与された米国特許第4,231,196号(「Jones」)-それらの各々は、あらゆる目的のためにそれらの全体が引用により組み込まれている-に見出されるような揺動用チャンバ内で、前処理2100が行われる。少なくとも1つのスポーツボールが、媒体と共にチャンバ内に配置され、当該媒体は、スポーツボールの表面を変えて、前処理-表面処理ステップの間にわたり、シリル化シリカの接着を、促すか、限定するか、又は、強化する様態で、スポーツボールの表面を、研削、研磨、又はさもなければ物理的に強化する、ように意図されている。
【0032】
図4A~
図5に示されるものなど、或る特定の実施形態は、スポーツボールの処理のための方法200及びシステム300を含み、表面処理ステップ2200が実施され、スポーツボールの表面が、シリル化シリカを用いて処理される。表面処理ステップは、処理チャンバ3200内で発生し、少なくとも1つのスポーツボールがシリル化シリカを用いて処理される。シリル化シリカは、処理チャンバ3200内で処理される各スポーツボールについて、表面特質において一貫性を有し且つ均質な結果を生じる様態で、スポーツボールの表面に適用される。或る特定の実施形態の処理チャンバは、McNeil及びRampeにより開示されたような振動チャンバを備えている。或る特定の実施形態の振動チャンバは、シリル化シリカで充填されており、一方で、代替的な実施形態は、シリル化シリカと、スポーツボールへのシリル化シリカの分散及び適用をさらに補助するように構成された媒体と、の組み合わせを備えている。或る特定の実施形態の、シリル化シリカと組み合わされた媒体は、ブラスト媒体において見出され得るような、鋼球、ポリマ球、及び、ガラスビーズ;セラミック球又はセラミック円柱;磁器ビーズ;プラスチックビーズ;疎水性フュームドシリカ;並びに、疎水性沈降シリカ、を含むがこれらに限定されないリストから選択される。振動揺動とは代替的に揺動方法を使用する処理チャンバが、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0033】
本発明の或る特定の実施形態は、処理チャンバ内における表面処理ステップ2200を含み、処理チャンバは、少なくとも1つのスポーツボールを一度に受容するように構成されている。処理チャンバは、チャンバを備えており、スポーツボールが処理チャンバ3200に入り、当該処理チャンバには、予め定められた量のシリル化シリカが、シリル化シリカ投入3050を通じて追加され、それにより、スポーツボールの処理に用いられるシリル化シリカの的確な量を制御する。手動で、機械的に、及び、自動的に、投入3050を通じてシリル化シリカを追加することを含む実施形態が、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0034】
本発明の或る特定の実施形態は、処理チャンバ内における表面処理ステップ2200を含み、処理チャンバは、少なくとも1つのスポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理を、シリル化シリカの噴霧を通じて行うように構成されている。シリル化シリカの噴霧は、乾燥シリル化シリカのエアロゾル化噴霧を含む。代替的な実施形態は、噴霧乾燥機を通じてシリル化シリカ懸濁液又はシリル化シリカ溶液を噴霧することを含み、乾燥させたシリル化シリカが、スポーツボール上に堆積される。或る特定の実施形態では、スポーツボールを、予め定められた速度において少なくとも1つの軸上で回転させて、各スポーツボールの、均質であって且つ一貫性を有した被覆を確保する。流体化させたシリル化シリカを噴霧して、懸濁液をスポーツボールの表面上において乾燥させることが、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0035】
図6に示されるような、本発明の或る特定の実施形態は、表面処理の方法及びシステムを含み、スポーツボールの、表面処理プロセス2200への受容2210が行われる。チャンバへのスポーツボールの追加が行われ、同じチャンバへのシリル化シリカの追加2220が行われ、チャンバの揺動2230が行われる。シリル化シリカの追加2220は、シリル化シリカの投入3050から行われる。揺動は、振動、揺動機、タンブリング、混合、又は、それらの組み合わせ、を通じて成し遂げることができる。或る特定の実施形態の、スポーツボールの、シリル化シリカとの揺動2230は、追加された媒体を伴って発生し、一方で、代替的な実施形態の揺動2230は、専ら、スポーツボール及びシリル化シリカを用いて発生する。或る特定の実施形態において、揺動2230は、予め定められた時間期間にわたり発生する。揺動ステップ2230が一旦完了すると、スポーツボールの、チャンバからの分離2240が行われる。スポーツボールをチャンバから分離させた後、スポーツボールからの余分な材料の分離2250が行われる。分離ステップ2250は、スポーツボールを、揺動2230ステップにおいて使用された、余分なシリル化シリカ及び余分な媒体から分離することを伴う。余分な材料がスポーツボールからの除去2250の後に廃棄される代替的な実施形態が、本発明の思想及び範囲内に入る。或る特定の実施形態において、分離ステップ2250は、2回以上、その間に或る時間期間を挟んで実施される。或る特定の実施形態において、当該時間期間は、約1~60秒、1~60分、1~3時間、3~6時間、6~12時間、1~2日、2~4日、4~7日、であるか、又は、1週間を上回る。好ましい一実施形態において、当該時間期間は、約1週間である。或る特定の実施形態では、少なくとも1つの分離ステップ2250が、スポーツボールをチャンバから取り出す前に、チャンバ内において実施される。或る特定の実施形態では、1つの分離ステップ2250がチャンバ内において実施され、その後、スポーツボールがチャンバから取り出されて、或る時間期間にわたり放置される。その後、当該スポーツボールをチャンバ内へ装填して、第2の分離ステップ2250を実施する。
【0036】
図6に示されるような、本発明の或る特定の実施形態は、McNeil、Rampe、Rise、Fahey、Ferrara、Kobayashi、Anderson、Leliaert、Balz、Jones、又は、それらの組み合わせ、により開示されたものといった網付き分離機といった、スポーツボールからの余分な材料の分離2250のためのデバイスを備えている。スポーツボールを中で揺動させたチャンバから、当該スポーツボールを一旦分離させると、スポーツボールは、網付き表面上に移送され、当該網付き表面上において、スポーツボールは、自身からの、且つ、当該網付き表面を経由した、余分な材料の離脱を生じさせる振動にさらされる。余分な材料は、シリル化シリカ投入3050に返還される。代替的に、余分な材料は、網付き表面を経由して揺動用チャンバ内へ再度落下するか、又は、シリル化シリカ投入に返還される。或る特定の実施形態において、余分な材料がスポーツボールから一旦分離されると、追加的なスポーツボールの処理のための、さらなる使用のために、当該余分な材料の、シリル化シリカ投入3050への返還2260が行われる。網付き分離機を備えた分離機構の或る特定の実施形態は、シリル化シリカを用いて処理された後のスポーツボールからの余分な材料の分離を補助する振動態様を備えている。
【0037】
本発明の或る特定の実施形態では、余分な材料を除去するプロセスが成し遂げられ、スポーツボールは、ブラスト又はストリーム空気に、予め定められた圧力及び/又はスピードで暴露されて、表面処理2200プロセスの後に、スポーツボールからの余分な材料の除去2250が行われる。本発明の或る特定の実施形態において、余分な材料を除去するプロセス2250は、スポーツボールの、シリル化シリカを伴った揺動2230の後に、スポーツボールに適用される吸引又は真空の使用を通じて成し遂げられる。
【0038】
或る特定の実施形態において、余分な材料を除去するプロセス2250は、スポーツボールを中でシリル化シリカと共に揺動させるチャンバとは別個の振動チャンバ又はタンブリングチャンバ内における、研削媒体、艶出し媒体、又は、ブラッシング媒体の使用を通じて実施される。他の実施形態において、余分な材料を除去するプロセス2250は、処理チャンバ内における、研削媒体、艶出し媒体、又は、ブラッシング媒体の使用を通じて、振動又はタンブリングにより実施される。余分な材料の除去2250のために使用される媒体は、鋼球、ポリマ球、ガラスビーズ、セラミック球又はセラミック円柱、磁器ビーズ、プラスチックビーズ、或いは、テリー織物の断片といった織地断片、を含み得るが、これらに限定されない。
【0039】
或る特定の実施形態において、余分な材料を除去するプロセス2250は、追加的なタンブリング作用を導入するために、平滑な内方表面を備えているか又は追加されたバッフルを有するタンブリングチャンバを使用して、実施される。チャンバは、追加的なタンブリング作用を導入するために、円筒形であり得、或いは、立方形又は六角形の形状といった他の形状を有し得る。チャンバの内方表面はさらに、チャンバからの、真空圧によるシリル化シリカ粉塵の均一な撤収を可能にするように適合された複数の開口部を備えている。或る特定の実施形態において、タンブリングチャンバは、真空圧が適用される筐体内に、回転する態様で搭載されている。筐体は、タンブリングチャンバへのアクセスを可能にする扉を備えている。シリル化シリカを用いて処理される、予め定められた数のスポーツボールが、当該扉を通じてタンブリングチャンバに導入される。予め定められた数、サイズ、及び、形状の、(テリー織物若しくは別の材料で製作される)タオルといったブラッシング媒体、又は、ビーズ(プラスチック、金属、セラミック、磁器等)、米粒、鋼ピン、粉砕トウモロコシ穂軸、粉砕クルミ殻、ココナツ殻、を含む他の媒体、もまた、チャンバに追加される。その後、扉が閉鎖され、真空が、チャンバからの粉塵除去を開始するように稼働される。その後、チャンバのタンブリングを、予め定められた時間期間にわたり稼働させて、処理されたスポーツボールから余分な材料を除去する。或る特定の実施形態では、余分な材料が十分に除去されてタンブリング期間を終了し得る時を特定するために、真空空気流が、空中浮遊粒子カウンタ又は他のデバイスによってモニタされる。タンブリング期間の後、処理されたボール及び媒体は、扉を通じてチャンバから取り出される。或る特定の実施形態では、媒体が、追加的なスポーツボールの後続の処理のために、チャンバ内に残される。
【0040】
或る特定の実施形態においては、処理ステップ間に小休止3700が所望され、スポーツボールが、ステップ間において配送されないままであることが許容される。或る特定の実施形態において、小休止3700は、最大24時間の時間長を有する。或る特定の実施形態において、小休止3700は、24時間~7日の間の時間長を有する。またさらに、小休止が7日を超える時間長を有する或る特定の実施形態が、本発明の思想及び範囲内に入る。或る特定の実施形態においては、揺動2230ステップと分離2240ステップとの間に、小休止3700が所望され得る。或る特定の実施形態においては、分離2240と、余分な材料を除去するステップ2250との間に、小休止3700が所望され得る。またさらに、或る特定の実施形態においては、余分な材料を除去するステップ2250と、スポーツボールが表面処理から退出するステップ2270との間に、小休止3700が所望され得る。或る特定の実施形態においては、小休止3700ステップのために、あらゆる処理装置からスポーツボールを取り出し、その後、余分な材料のさらなる除去2250のために、当該スポーツボールを、当該装置又は別のデバイスに返還すること、が望ましいことがあり得る。
【0041】
図12A~
図12Cに示されるような、或る特定の実施形態において、余分なシリル化シリカ材料の除去又はブラッシングを行うプロセスは、置場を使用して実施される。或る特定の実施形態において、置場7000は、円錐形又は半球形に形作られたカップ部分7050を備えているが、角錐形又は六角形に形作られたカップといった他の形状を有してもよい。好ましい一実施形態において、カップ部分7050は、置場7000の内方表面が、全内方表面においてくまなくスポーツボールとの接触を可能にするように適合されるように、スポーツボールの外径と同心の形状を有する。他の実施形態において、カップ部分7050は、円形又はV字に形作られたプロファイルを有する樋形状を有し得る。他の実施形態において、カップ部分7050は、ディナープレート又はフライパンのように、平坦な中央と隆起した縁とを有し得る。他の実施形態において、カップ部分7050は、実質的に平坦な表面であり得る。カップ部分7050は、真空開口部7100及び内方表面7150を備えている。真空開口部7100は、カップ部分7050に流体的に相互接続されており、ホース又はポートによって真空と相互接続するように適合されている。好ましい一実施形態において、真空開口部7100は、カップ部分内で処理されるスポーツボールの直径よりも小さな直径を有する。別の実施形態において、真空開口部7100は、スポーツボールが真空開口部7100内へ吸引されることを防止するために、ガード、即ち、網、格子、穿孔表面、又は、突出部、を備えている。内方表面7150は、ウール又は合成の絨毯、ウール又は合成のフェルト、皮革、合成皮革又はビニル、テリー織物、或いは、発泡体、を含むがこれらに限定されないリストから選択される材料を含む。或る特定の実施形態において、内方表面7150は、カップ部分7050の実質的に平坦な表面の上方に敷かれる、実質的に平面の又は平坦な材料シートである。或る特定の実施形態において、内方表面7150はさらに、カップ部分7050からの、真空圧によるシリル化シリカ粉塵の均一な撤収を可能にするように適合された複数の開口部7200を備えている。開口部7200は、材料を経由する穴、又は、或る特定の実施形態においては、材料内に形成された導管、であり得る。或る特定の実施形態において、内方表面7150は、真空開口部7100に流体的に相互接続された開口部を備えている。或る特定の実施形態において、内方表面の材料は、シリル化シリカ粉塵が通過して真空開口部7100に至ることを可能にするように、十分に多孔性である。或る特定の実施形態において、置場7000は、先出の段落において参照された筐体上のポートに相互接続されており、真空開口部7100は、筐体真空と流体的に相互接続されている。この構成において、置場7000は、タンブリングチャンバの使用と併せて、又は、少数のスポーツボールのみを処理する必要があるときには、タンブリングチャンバを使用する代わりに、使用され得る。使用時に、置場7000は、真空開口部7100により真空に相互接続される。真空は、カップ部分7050に真空圧を導入するように稼働される。シリル化シリカを用いて処理されたスポーツボールは、カップ部分7050内へ配置されて、表面から余分なシリル化シリカを除去するために、ボール表面を内方表面7150で研削するように手動で操作される。シリル化シリカ粉塵は、カップ部分7050内において真空圧により排出される。余分なシリル化シリカがスポーツボールから十分に除去されたと判定されると、ボールがカップ部分7050から取り出される。
【0042】
或る特定の実施形態において、余分な材料の除去2250は、ブラッシング、拭き取り、又は、静電気的なもの、を含むがこれらに限定されない代替的プロセスを通じて実施される。
【0043】
本発明の或る特定の実施形態は、スポーツボールをシリル化シリカを用いて処理するためのシステムの、特定の態様に関する粉塵軽減システムを備えている。例えば、
図5に示されるように、粉塵軽減システム3600は、スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理3200を行うために使用されるシステムの構成要素に関する。スポーツボールの処理3200を行うように構成された一部分に適用される粉塵軽減システムは、システム要素の組み合わせ、個々の構成要素、又は、それらの組み合わせ、に適用することができる。粉塵軽減システムの或る特定の実施形態は、スポーツボールの処理3200を行うための構成要素を取り巻く周囲空気から、シリル化シリカ粉塵を分離するためのフィルタを使用する。網、半透膜、発泡体フィルタ、繊維フィルタ、紙フィルタ、及び、それらの組み合わせ、を用いる実施形態が、本発明の思想及び範囲内に入る。或る特定の実施形態では、スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理3200を行うために使用されるシステムを取り巻く空気から、粒状シリル化シリカを除去するために、静電濾過方法が用いられる。他の実施形態において、粉塵軽減システム3600は、スポーツボール投入3000、処理チャンバ3200、シリル化シリカ投入3050、検査システム3300、後プロセス3400、及び/又は、スポーツボール産出3500、におけるあらゆる開口部を含む、スポーツボールを処理するためのシステムにおける開口部、に適用される。
【0044】
本発明の或る特定の実施形態において、処理されたスポーツボールの検査2300は、検査システム3300内で実施されて、シリル化シリカの、一貫性を有し且つ均質な適用が、少なくとも1つのスポーツボールに適用されたことが確認される。検査3300システムは、シリル化シリカを用いた処理2200の後に、スポーツボールの合格2310又は不合格2320の判定を提供する。或る特定の実施形態において、不合格2320の判定は、スポーツボールを表面処理2200のために再度自動的に返還するプロセスを開始する。或る特定の実施形態において、不合格の判定2320は、ユーザに対し、処理の後にスポーツボールを検査するように、及び/又は、表面処理のためのシステムへのスポーツボールの投入2000を再度行うように、との通知を結果的に生じる。或る特定の実施形態において、(n)は、単一のスポーツボールが不合格の判定2320を受ける回数である。不合格の判定2320に達すると、システムは、(n)と、予め定められた不合格閾値(x)との比較2325を行う。nがx以上である場合、システムは、ユーザへの通知2330を行う。或る特定の実施形態において、(n)は、複数のスポーツボールの所与のバッチにおいて不合格の判定2320に達する総回数である。不合格の判定2320に達すると、システムは、(n)と、予め定められた不合格閾値(x)との比較2325を行う。(n)が(x)以上である場合、システムは、ユーザへの通知2330を行う。或る特定の実施形態において、ユーザへの通知2330は、システムが、待機モードに入ること、ユーザからの入力を待つこと、を結果的に生じる。或る特定の実施形態において、ユーザへの通知2330は、ユーザに対する、システムの検査、及び、必要な場合には再較正、の指示を含む。或る特定の実施形態において、(n)が(x)以上である場合、システムは、スポーツボールを棄却容器又は他のデバイスに棄却する。或る特定の実施形態において、処理されたスポーツボールの検査は、分離ステップ2250が少なくとも2回以上実施された後に実施される。検査3300システムが合格2310を提供する場合、スポーツボールは、本明細書に記載されるような後処理-処理2400に進む。後処理-処理2400の後、スポーツボールは産出2500に進む。
【0045】
或る特定の実施形態において、システムは、使用のために初期化されるとき、又は、スポーツボールをシリル化シリカを用いて処理するためのシステムを再較正するようにとのユーザへの通知2325が行われるとき、に較正を必要とする。
図7に示されるような、或る特定の実施形態のシステム較正方法400は、システム較正の開始4000を行う初期化ステップを含む。ユーザは、較正スポーツボールの挿入4050を行うように指示される。較正スポーツボールは、シリル化シリカを用いて処理されたスポーツボールの、最適な表面特質を表す較正ツールである。較正スポーツボールの検査読み取り値に基づき、システムは、較正スポーツボールの結果4100の検査読み取り値に、予め定められた許容可能公差を加えたもの、と整合する検査目標値の確立4150を行う。未処理のスポーツボールの装填4200が行われ、システムは、標準的な、プログラミングされたプロセスを伴う処理4250に進む。スポーツボールの処理の後、システムは、処理されたスポーツボールの検査4300を行う。システムは、処理されたスポーツボールの検査4300を、新たに確立された検査システム目標値と比較する。検査結果が、確立された検査システム目標値の、予め定められた公差内にある場合、システムは、公差内にあるという確認4410を行い、システム較正の完了4500を行う。しかしながら、検査結果が、確立された検査システム目標値の、予め定められた公差内にない場合、システムは、否定的なテスト結果の確認4420を行う。その後、システム変数が、否定的なテスト結果に従って調節されて、処理されたスポーツボールのシステム出力の、確立されたシステム目標値4150のシステム出力との整合が試みられる。調節することが可能な変数には、システムの処理部分におけるシリル化シリカの量、システム処理の温度、システム処理の圧力、前処理の湿度、システム処理プロセスの湿度、振動周波数、振動振幅、が含まれるが、これらに限定されない。システム変数の調節4350が自動的に調節される実施形態、及び、システム変数の調節4350をユーザが手動で行う実施形態、の各々が、本発明の思想及び範囲内に入る。システム変数の調節の後、未処理のスポーツボールの装填4200がもう一度行われ、検査4300、及び、確立された検査システム目標値4150との比較4400、のために、未処理のスポーツボールの、システムによるシリル化シリカを用いた処理4250が行われる。ステップ4200~4400のプロセスは、肯定的なテスト結果4410に達するまで、よって、システム較正の完了4500を行う。
【0046】
或る特定の実施形態の、
図5に示されるような検査システム3300は、処理されたスポーツボールの表面状況をテストする少なくとも1つの方法を含む。
図8に示されるような、或る特定の実施形態は、処理されたスポーツボールの表面状況を特定するために、レーザ分光法を使用する。レーザ分光法の使用は、レーザ5000を使用して、スポーツボールの外側表面1010上の少なくとも第1の点5020にレーザビーム5010を照射すること、を伴う。シリル化シリカの、均質であって且つ一貫性を有した処理を確認するために、複数の点が使用される。或る特定の実施形態において、スポーツボールには、レーザ分光法を用いた検査の間にわたり、少なくとも1つの軸(5110、5120、5130)上における、予め定められた速度での回転5100が行われる。スポーツボール1000の回転5100は、スポーツボールの表面処理の結果の全平均を査定するために、外側表面1010上の多数の点を迅速に査定することを可能にする。
【0047】
或る特定の実施形態において、示されるような、或る特定の実施形態の検査システム3300は、シリル化シリカを用いた処理の後に、スポーツボールの光学式査定に依拠する。スポーツボールの光学式査定は、色、表面光沢、表面反射率、又は、それらの組み合わせ、を含むがそれらに限定されない変数の定性化及び定量化を用いて実施することが可能である。
【0048】
図4A~
図4Bに示されるような、スポーツボールをシリル化シリカを用いて処理するための方法200に関する或る特定の実施形態において、表面テスト2300ステップは、顕微鏡を用いて光学式に実施される。自動化マシンプロセスにおける、又は、人間のユーザによる、プロセスの後に、スポーツボールを顕微鏡で見ることにより、スポーツボールの表面構造及び状況を査定して、シリル化シリカを用いた表面処理の品質を検査することができる。或る特定の実施形態において、検査システム3300は、処理プロセスの前に、又は、処理プロセスの間にわたり、スポーツボール表面に対する標識の適用を含む。標識は、処理プロセスの間にわたり、予め定められた速度においてボール表面から研削されるとともに、処理プロセスの少なくとも一部分が完了したという視覚的確認の光学式をもたらす、ように適合されている。例えば、標識は、塗料、グリース、グラファイト、接着ラベル、のマーク、又は、スポーツボール表面に接着するものの、研削を通じて除去され得る他のマーキング材料、を含み得る。
【0049】
スポーツボールの外側表面へのシリル化シリカの適用は、スポーツボールの外側表面上における材料特性の変化を結果的に生じる。或る特定の実施形態において、検査システム3300は、表面伝導率測定デバイスを備えており、スポーツボールの表面伝導率が、シリル化シリカを用いた処理の後に測定される。或る特定の実施形態において、スポーツボールの外側表面には、表面処理プロセス2200の前後における外側表面の電気伝導率を求めて、テスト2300(
図4A~
図4B)が行われ、処理の前後における表面テストの結果が比較される。
【0050】
図4A~
図5に示されるものといった、或る特定の実施形態は、スポーツボールの処理のための方法200及びシステム300を含み、表面処理ステップ2200が実施されて、スポーツボールの表面が、シリル化シリカを用いて処理される。或る特定の実施形態において、システムステーションに相関している方法の各ステップは、アセット追跡を用いて追跡されて、プロセスの各ステップが所定の通りに実施されることを確保する。
図9に示されるような、或る特定の実施形態において、シリル化シリカを用いて野球用ボールを処理するためのシステムの各ステーションは、データマトリックス又はQRコードといったディスクリート型バーコード5500でマークされており、各スポーツボール1000は、データマトリックス又はQRコードといったディスクリート型バーコード5500で個々にマークされている。システムの各ステーション(例えば、3000~3500)の前に、スポーツボールの各バーコード5500がスキャナ5600でスキャンされ、各ステーションの各バーコード5500がスキャナでスキャンされる。その後、システムの各ステーションを経由した各スポーツボール1000の完成の後に、各スポーツボールのバーコード5500がスキャンされる。スキャナは、コンピュータシステム5700と通信しており、コンピュータシステム5700は、いくつかの実施形態において、クラウドベースの計算システム5800と通信しており、各スポーツボールに関連付けられたデータが記録される。よって、各スポーツボール1000の処理は、追跡されることが可能であり、スポーツボールの処理のための各システムのパフォーマンスが、他のシステムとの関連で、記録、追跡、及び、査定されることが可能である。アセット追跡システムの実施形態が、バーコードの使用に関する態様で開示されてきたが、アセット及びプロセスを追跡する代替的な方法が、本発明の思想及び範囲内に入る。
図10に示されるような、或る特定の実施形態において、各スポーツボール1000は、その中に埋設されたRFIDタグ6000を備え、各ステーション(例えば、3100~3500)は、システムステーションへのスポーツボールの投入を記録するように意図された第1のRFIDセンサ6110と、システムステーションからのスポーツボールの産出を記録するように意図された第2のRFIDセンサと、を備えている。RFIDセンサ6110及び6120は、コンピュータシステム5700と通信しており、コンピュータシステム5700は、クラウドベースの計算システム5800と通信しており、各スポーツボールに関連付けられたデータが記録される。よって、各スポーツボール1000の処理は、追跡されることが可能であり、スポーツボールの処理のための各システムのパフォーマンスが、他のシステムとの関連で、記録、追跡、及び、査定されることが可能である。
【0051】
本発明の或る特定の実施形態は、
図9に示されるようなシステムを備えているとともに、スポーツボール1000をシリル化シリカを用いて処理するためのシステム300を備えており、キーシステム変数が、アセット追跡、システムパフォーマンス、及び、システムステータス、の目的のために追跡される。或る特定の実施形態において追跡されるキー変数には、プロセスの時間、プロセスの温度、プロセスの湿度、プロセスの持続期間、振動周波数、振動振幅、シリル化シリカ投入の重量モニタリング、処理ステーションの重量モニタリング、スポーツボール投入の重量モニタリング、又は、それらの組み合わせ、が含まれる。このようなキー変数の測定は、1つの特定のシステムステーションに限定されず、例えば、或る特定の実施形態においては、スポーツボール投入3000、シリル化シリカ投入3050、前処理3100、処理3200、検査3300、後プロセス3400、及び、スポーツボール産出3500、を含む全てのシステムステップにおける、プロセス湿度のモニタリングが所望される。或る特定の実施形態では、スポーツボールを処理するプロセスのうちのほとんど又は全てが、相対湿度が約80%未満であって且つ華氏約85度未満の周囲環境で行われる。
【0052】
さらに、少なくとも1つのスポーツボールを或るシステムステーションから別のシステムステーションに移送するための、コンベヤ、又は、他のモータ駆動様態の運搬を含む、或る特定の実施形態においては、モータからの消費電力を査定するために、モータ負荷センサが使用され、モータの消費電力は、モータ駆動様態の運搬におけるスポーツボールの数に相関している。スポーツボールの数の増大は、負荷の増大に相関しており、負荷の増大は、予め定められたモータ回転速度を維持するために、電力の増大を必要とする。よって、モータからの消費電力のモニタリングを使用して、プロセスにおけるスポーツボールの数;処理チャンバが正しい数のボール、及び/又は、正しい量の処理材料他の媒体を有しているかどうか;並びに/或いは、設備故障又は軸受及びモータの摩耗の予測標識;を示すことができ、それにより、強制停止の前に、交換設備を配備することができる。
【0053】
スポーツボールの、シリル化シリカを用いた処理のための、
図11に示されるようなシステム300の或る特定の実施形態において、第1のアクセス制御点6510は、認可されていない人員がスポーツボール投入3000にアクセスすることを防止して、システム300の、認可されていない使用を防止する。第2のアクセス制御点6520は、認可されていない人員がスポーツボール産出3500にアクセスすることを防止して、シリル化シリカを用いた処理を受けたスポーツボールへの、認可されていないアクセスを防止する。或る特定の実施形態において、アクセス制御点は、システムステーション(例えば、3000~3500)へのアクセスを防止して、認可されていない人員が、システム300に対して、アクセス、検査、不正変更、又は、使用、を行うことを防止する。或る特定の実施形態において、システム300は、機械的であるか、又は、グラフィカルユーザインターフェースにおいて表されているか、のいずれかであることが可能な、単一の開始ボタン又はスイッチによってのみ、ユーザにより制御され得る。
【0054】
例えば、
図13に示されるような、本発明の或る特定の実施形態は、スポーツボールの処理のためのプロセス8000を含み、スポーツボールがシリル化シリカを用いて処理される。当該プロセスは、スポーツボールを受容する8010、スポーツボールを処理するステップ8100、スポーツボールを研磨するステップ8200、及び、スポーツボールを梱包するステップ8300、を含む。スポーツボールの受容8010時に、スポーツボールは、個々のユニットとして受容されること、又は、バルク梱包されていること、が可能である。あらゆる既存の梱包からのスポーツボールの取り出し8015時に、梱包は、再使用のために取っておくことができる。個々のボールは、第1の色を有する第1の容器内への配置8020が行われ、第1の色は、中に包含されているスポーツボールが処理されていないことを示す。スポーツボールは、処理の後に、第2の容器内への配置8030が行われ、第2の容器は、第2の色を有し、第2の色は、中に包含されているスポーツボールが処理されたことを示す。或る特定の実施形態では、中に包含されているスポーツボールが小休止ステップ3700にあることを示すために、或る色を有する容器を使用する。
【0055】
受容8010ステップの後、スポーツボール1000は、装填ステップ8050の間にわたり、処理チャンバ3200に追加され、スポーツボールは、処理8100ステップのために、シリル化シリカ1100に暴露される。或る特定の実施形態において、処理チャンバ3200は、55ガロンドラム缶といった円筒形形状を有するが、処理チャンバは、これに限定されない。或る特定の実施形態では、処理チャンバ3200のサイズ及び形状との関連で、スポーツボール1000のサイズ及び形状に基づいて、処理チャンバ3200内には、様々な数のスポーツボールが追加され得る。或る特定のシナリオにおいては、処理チャンバ3200に、(12ダース又は24ダースといった)数百個のスポーツボールを追加することが所望され得、一方で、代替的なスポーツボールを使用する代替的なシナリオにおいては、処理チャンバに12個以下のスポーツボールを追加することが所望され得る。
【0056】
さらに、装填ステップ8050の間にわたり、シリル化シリカ1100が、処理されているスポーツボールの数に相関する量において、処理チャンバ3200(
図14A~
図14F)に追加される。シリル化シリカの量は、スポーツボールの形状、サイズ、及び、表面積、に従って変動することが可能である。或る特定の実施形態では、処理されるスポーツボール1個につき、0~12オンスの間のシリル化シリカを追加することが所望され得る。或る特定の実施形態では、処理チャンバ3200に追加されたスポーツボールの各ダースについて、8オンスのシリル化シリカ1100を追加することが所望され得る。或る特定の実施形態においては、スポーツボール1個につき、12オンスよりも多くのシリル化シリカ1100が処理チャンバに追加される。
【0057】
或る特定の実施形態では、処理チャンバ3200内における、スポーツボール1000の装填ステップ8050の間にわたり、タンブリング媒体1110を追加することが所望され得る。或る特定の実施形態において、タンブリング媒体1110は、ポリマビーズ(例えば、HDPE)を含み、一方で、代替的な実施形態は、セラミック系タンブリング媒体(例えば、酸化アルミニウム)、磁器タンブリング媒体、ガラスタンブリング媒体、有機タンブリング媒体(例えば、クルミ殻)、又は、金属タンブリング媒体、を含む。或る特定の実施形態において、タンブリング媒体1110は、0.25インチに満たない顆粒サイズを有する。代替的に、最大直径又は最大寸法が0.15インチ~0.17インチの間の顆粒サイズを有するタンブリング媒体を使用することが所望され得る。しかしながら、他のサイズ又は形状のタンブリング媒体1110の使用が、本発明の思想及び範囲内に入り、タンブリング媒体は、様々な物体、材料、形状、及び、意図される使途、の処理のために適合されることが可能である。
【0058】
或る特定の実施形態においては、ポリエチレングリコールといった帯電防止剤1120を、装填ステップ8050の間にわたり、処理チャンバ3200に追加することが所望され得る。ポリエチレングリコール(例えば、PEG200、PEG400、又は、PEG800であるが、これらに限定されない)といった帯電防止剤1120の追加は、周囲湿度といった環境条件に依存して追加することができる。帯電防止剤1120の追加は、スポーツボールとのシリル化シリカの付着を妨害する恐れがあるか、又は、スポーツボールからの余分なシリル化シリカ1100の除去を妨害する恐れのある、静電荷を、スポーツボールが集積することを防止する。
【0059】
例えば、
図14A~
図14Fに示されるような、或る特定の実施形態において、処理チャンバ3200は、開放端3210と、通気口付き端3220と、を備えている。或る特定の実施形態において、端3220は、空気が通過することの可能なメッシュ表面3225を備えている。メッシュ表面3225は、カバー3228で封止することができ、開放端3210は、カバー3218で封止することができる。或る特定の実施形態において、カバー3218は、貫通するポート3240を有する円錐形を有する。ポート3240は、ポート3240を経由して真空に引くように構成された粉塵軽減システム3600(
図5)の相互接続のために適合されている。或る特定の実施形態では、処理チャンバ3200の開放端3210とカバー3218との間にメッシュ層3215を相互接続して、真空1140を用いた余分なシリル化シリカの抽出8250(
図13)を行うプロセスの間にわたり、タンブリング媒体1110がシリル化シリカ1100と共に漏出することを防止する、ことが所望され得る。ポート3240は、カバー3218と相互接続された第1の端3241と、第1の端3241と同軸に相互接続された第2の端3242と、を備えている。第2の端3242は、頂部カバー3218から離れて延在する。ポートの第1の端3241及び第2の端3242は、同軸に相互接続されるように構成されているが、ポートの第1の端3241及び第2の端3242は、互いに対して独立した回転を可能にするように構成されている。よって、処理チャンバ3200を回転させると、ポートの第2の端3242が粉塵軽減デバイス3800の相互接続にとって静止したままでありながら、相互接続された頂部カバー3218が、処理チャンバ3200と共に回転する。或る特定の実施形態において、ポートカバー3244及びカバー3228は、封止ステップ8150の間にわたり、処理チャンバ3200を封止するために使用され、ポートカバー3244及びカバー3228は、抽出ステップ8250のために、後で除去される。
【0060】
例えば、
図14A~
図14Fに示される、或る特定の実施形態において、処理チャンバ3200は、処理チャンバ3200内に揺動特徴3250を備えており、チャンバ内に配置されるスポーツボール及び他の材料の揺動をもたらし、揺動特徴3250は、処理チャンバ3200内の内容物の混合を誘発するように適合されている。或る特定の実施形態において、処理チャンバ3200は、処理チャンバ3200内に長手方向に延在し、チャンバの頂部3210と底部3220との間に位置付けられ、チャンバの側壁3205から半径方向内方に延在する、揺動特徴3250を備えている。或る特定の実施形態において、揺動特徴3250は、アーチ状のプロファイルを有し、当該アーチの第1の端及び当該アーチの第2の端が、チャンバの側壁と相互接続されており、アーチ状のプロファイルが、側壁から半径方向内方に延在し、揺動デバイス3250は、スポーツボールを処理チャンバの側壁3205から離して変位させて、スポーツボールの処理のプロセスの間にわたり混合を促す、ように構成されている。或る特定の実施形態において、処理チャンバ3200は、複数の揺動特徴3250を備えている。
【0061】
例えば、
図14A~
図14Fに示される、或る特定の実施形態において、処理チャンバ3200は、スポーツボールの通過を防止しながら、シリル化シリカ及びタンブリング媒体の通過を可能にするように適合された少なくとも1つの開口部3265を有する揺動特徴3260を備えている。したがって、スポーツボールは、シリル化シリカ及びタンブリング媒体が第2の揺動特徴3260の開口部3265を通過する間に、側壁3205から分離されている。或る特定の実施形態において、揺動特徴3260は、処理チャンバ3200内に長手方向に延在し、チャンバの頂部3210と底部3220との間に位置付けられ、チャンバの側壁3205から半径方向内方に延在する。或る特定の実施形態において、揺動特徴の第1の端3261は、揺動特徴の第2の端3262から角度オフセット3263を有している。それゆえに、例えば、処理チャンバ3200が水平配向に配向されると、揺動特徴3260は、ねじとして作用し、処理チャンバを第1の方向3271に回転させたときには、スポーツボールが処理チャンバの頂部3210に向けて方向付けられ、処理チャンバを第2の方向3272に回転させたときには、スポーツボールがチャンバの頂部3210に向けて方向付けられる。
【0062】
もう一度
図13を参照すると、スポーツボール及び他の所望される材料が装填ステップ8100の間にわたり、チャンバ内へ追加された後、チャンバの端が、封止ステップ8150において封止され、チャンバを、揺動ステップ8170のために、予め定められた時間期間にわたり揺動させる。或る特定の実施形態において、揺動は、予め定められた時間期間にわたり、或る軸を中心にチャンバを回転させることを含む。或る特定の実施形態において、チャンバの回転は、0~60rpmの間の速度で発生し、一方で、或る特定の実施形態において、チャンバは、10~15rpmの間で回転させる。しかしながら、代替的な実施形態において、チャンバは、10rpmよりも遅いか又は60rpmよりも速いスピードで回転させる。
【0063】
或る特定の実施形態において、例えば
図13~
図14Fを参照すると、チャンバは、或る角度で配設されており、回転軸3209は、揺動ステップ8170のために、水平から0度~90度の間にある。しかしながら、或る特定の実施形態では、チャンバが0~10度の角度で配設されることが所望され得る。或る特定の実施形態において、チャンバは、10分~1時間の間の時間期間にわたり、回転させる。或る特定の実施形態では、チャンバを45分にわたり回転させることが所望され得るが、代替的な実施形態では、チャンバを10分未満又は1時間よりも長く、回転させる。或る特定の実施形態において、処理の時間は、疎水性及び表面粗さを含む、測定及び知覚される表面状況の、所望されるレベルに基づいている。
【0064】
揺動ステップ8170の後、研磨8200ステップを始める前における小休止3700が所望され得る。小休止3700は、典型的には24時間~7日の間の時間スパンを有するが、或る特定の実施形態において、小休止は、24時間未満であるか又は7日よりも長い。或る特定の実施形態において、第1の研磨8200ステップが実施され、その後、スポーツボールが、小休止3700のために取り出される。それから、少なくとも1つの追加的な研磨8200ステップのために、スポーツボールをチャンバ内へ再装填する。
【0065】
例えば、
図13~
図14Fに示される、或る特定の実施形態において、研磨ステップ8200は、未使用であって余分なシリル化シリカの、チャンバからの抽出8250を行いながら、チャンバの揺動8170を行うことを含む。未使用のシリル化シリカの抽出8250は、典型的には、チャンバの底部におけるメッシュ表面3225を経由して、及び、頂部カバーのポート3240を経由して、真空1140に引かれた状態で実施される。或る特定の実施形態において、ポート3240は、粉塵軽減3600又は真空といった真空システムの相互接続を可能にするように構成されている。本明細書において記載され示されている粉塵の抽出物は、チャンバの底部3220からチャンバの頂部3210に向けて流れるものの、代替的な流路が、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0066】
真空1140に引いてシリル化シリカ粉塵を抽出しながら、処理チャンバの揺動8170を継続すること、及び、余分なシリル化シリカ材料を除去しながら、スポーツボールの表面を研磨する研磨ステップ8200の間にわたり揺動8170を継続すること、が所望され得る。或る特定の実施形態において、シリル化シリカの抽出8250は、チャンバの底部に配設された高圧ノズル8270の使用を含み、高圧ノズル8270は、残存し且つ余分なシリル化シリカを、真空システムを用いてより容易に抽出するために空中浮遊させる目的で、高圧空気1130をもたらすために使用される。
【0067】
図14E~
図14Fに示される、或る特定の実施形態において、高圧ノズル8270は、回転軸3209から離れる角度8275を有して、スポーツボールの表面から余分なシリル化シリカを除去するための高圧空気の使用を容易にする。或る特定の実施形態では、高圧空気が短い噴出でもたらされることが所望され得、一方で、代替的には、高圧空気が連続的な様態でもたらされることが所望され得る。
【0068】
例えば、
図13~
図14Fに示される、或る特定の実施形態において、チャンバの底部におけるメッシュ表面3225は封止可能であり、処理ステップ8100の間にわたり、通気口は閉鎖位置にあり、抽出ステップ8250の間にわたり、空気は、そこを通って流れることが許容されるとともに、通気口は、未使用のシリル化シリカの抽出のために開放されている。或る特定の実施形態において、メッシュ底部3225は、装填ステップ8100から揺動ステップ8170の間には設置され、且つ、抽出ステップ8250の間には除去される、底部カバーを用いて閉鎖されている。本明細書に開示された実施形態は、そこを通る空気の流れのためのメッシュ表面8225に関するものであるが、再封止可能な通気口の使用が、本発明の思想及び範囲内に入る。
【0069】
例えば、
図13に示される、或る特定の実施形態において、抽出ステップ8250は、研磨ステップ8200の前に実施されるが、抽出ステップ8250が、研磨ステップ8200の一部分の間にわたり、又は、研磨ステップ8200の持続期間の全体にわたり、実施されることが所望され得る。或る特定の実施形態において、シリル化シリカの抽出8250はさらに、予め定められた回転数又は予め定められた時間量にわたる、真空1140と、高圧ノズル1130を経由した高圧空気流と、の使用を含む。
【0070】
或る特定の実施形態はさらに、放置ステップを含み、スポーツボールが使用前に放置される。放置ステップは、シリル化シリカがスポーツボールに完全に付着して、スポーツボールの早すぎる使用を防止すること、を可能にする。放置ステップは、オプションとしての再梱包ステップ8360の前又は後に発生することが可能であり、スポーツボールは、使用のために送達される前に再梱包される。再梱包ステップ8360は、スポーツボールが開梱された元の梱包材料を再使用することができ、代替的には、新たな梱包材料を使用することができる。或る特定の実施形態の放置ステップは、0~24時間の間を有し、一方で、代替的な実施形態は、24時間~7日の、又は、7日を超える、時間スパンを有する。好ましい一実施形態において、放置ステップ環境は、45~65%の相対湿度及び華氏65~75度である。他の実施形態において、放置ステップ環境は、40~70%の相対湿度及び華氏60~80度、又は、35~75%の相対湿度及び華氏50~90度である。
【0071】
或る特定の実施形態の放置ステップの後、スポーツボールに接着しなかった、あらゆる余分なシリル化シリカを除去するために、ブラッシングステップ8350が実施される。ブラッシングステップ8350は、スポーツボールをブラッシングするように専用に適合された機械類を用いて、等により、一括で実施されることが可能であり、又は、個々に、例えば手で、行われることが可能である。或る特定の実施形態において、スポーツボールは、ブラッシング媒体と共にチャンバ内へ装填され、あらゆる余分なシリル化シリカを除去するために、当該チャンバを、或る時間期間にわたり揺動させる。当該時間期間の後、本明細書に記載されたプロセスを使用して、余分なシリル化シリカがチャンバから除去され、その後、スポーツボールがチャンバから取り出される。或る特定の実施形態では、ブラッシングステップ8350を、再梱包ステップ8360の前又は後に実施することが可能である。
【0072】
本発明の様々な実施形態を詳細に説明してきたが、当業者がこれらの実施形態の改変及び変更に思い至ることは明らかである。しかしながら、このような改変及び変更が本発明の範囲及び思想内に入ることが、明白に理解されるべきである。さらに、本明細書に記載された発明は、他の実施形態が可能であるとともに、様々な方式で実行又は施行されることが可能である。加えて、本明細書において使用される語法及び専門用語が、説明の目的のためであり、限定とみなされるべきではないことを理解されるべきである。本明細書における、「含む」、「備える」、又は、「追加する」、及び、それらの変化形の使用は、追加的な項目だけではなく、それ以降に列挙された項目、及び、それらの均等物、をも内包することを意味する。
【国際調査報告】