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特表2024-535257慣性測定ユニットを使用した位置認識
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】慣性測定ユニットを使用した位置認識
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G08G1/01 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516759
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021071497
(87)【国際公開番号】W WO2023043477
(87)【国際公開日】2023-03-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521509620
【氏名又は名称】エイチアイディ グローバル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HID GLOBAL CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、ロバート シェル
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ジン
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
(57)【要約】
環境内のデバイスの位置を特定するための例示的なコンピュータ可読媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、環境内で移動するデバイスについての現在の経路シグネチャを特定することと、現在の経路シグネチャを環境内の対象位置(LOI)に対応する記憶された基準経路シグネチャと比較することと、現在の経路シグネチャが記憶された基準経路シグネチャに対応すると判定された場合、デバイスの位置が環境内のLOIの位置と同じであると判定することと、を行わせるプログラムコードを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行可能プログラムコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
環境内の1つ以上の対象位置(LOI)を識別することと、
前記1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することと、
各基準経路シグネチャについて、前記基準経路シグネチャを、該基準経路シグネチャがどのLOIに対応するかを示すデータとともに記憶することと、を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記環境内の前記1つ以上のLOIを識別することが、
前記1つ以上のLOIの各々について、前記環境内の一意の位置にあるデバイスから命令を受信して、前記一意の位置をLOIとして識別することを含む、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記環境内の前記1つ以上のLOIを識別することが、
デバイスが環境全体にわたって移動する際の複数の位置に基づいて、前記1つ以上のLOIが動的に学習されるトレーニング期間を開始することを含む、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記1つ以上のLOIのうちの所与のLOIについて、前記環境内のユーザの経路に沿って所与のLOIまで移動されている慣性測定ユニット(IMU)から一連の信号を受信することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
所与のLOIについて、前記IMUからの前記一連の信号の少なくとも一部分を前記環境内の定義された基準座標系に正規化して、正規化された一連の信号を定義することを更に含む、請求項4に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
所与のLOIについて、前記正規化された一連の信号を求めて、前記所与のLOIについての前記基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含む、請求項5に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記所与のLOIについて、前記正規化された一連の信号を処理して処理された信号データを求めることと、
前記処理された信号データを求めて前記所与のLOIについての前記基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することと、を更に含む、請求項5または6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記処理された信号データが、前記ユーザの前記経路に対応するステップデータ、前記ユーザの前記経路に対応する歩幅データ、及び前記ユーザの前記経路に対応する進行方向データのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記処理された信号データが、PAA(Piecewise Aggregate Approximation)に基づく前記正規化された一連の信号の近似を含む、請求項7または8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記処理された信号データが、SAX(Symbolic Aggregate approXimation)又はSFA(Symbolic Fourier Approximation)のうちの少なくとも1つに基づく正規化された一連の信号のシンボル近似を含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記IMUが、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項4~10のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記IMUからの前記一連の信号が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの少なくとも1つからの信号を含む、請求項4~11のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記IMUからの前記一連の信号が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの2つ以上からの信号の組み合わせを含む、請求項4~12のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記1つ以上のLOIの各々についての前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記1つ以上のLOIのうちの所与のLOIについて、前記所与のLOIと前記環境内に位置するIoT(Internet-of-Things)デバイスの状態との間の相関を求めることを含む、請求項1または2に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記所与のLOIについて、前記相関を求めて、前記所与のLOIについての前記基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含む、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
実行可能プログラムコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
環境内で移動するデバイスの現在の経路シグネチャを特定することと、
前記現在の経路シグネチャを、前記環境内の対象位置(LOI)に対応する記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することと、
記憶された前記基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、前記デバイスの位置が前記環境内のLOIの位置と同じであると判定することと、を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記デバイスが、慣性測定ユニット(IMU)を含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記IMUが、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記IMUが前記環境内のユーザの経路に沿って移動されている間に、前記IMUから一連の信号を受信することを含む、請求項17または18に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記IMUからの前記一連の信号の少なくとも一部分を前記環境内の定義された基準座標系に正規化して、正規化された一連の信号を定義することを更に含む、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記正規化された一連の信号を求めて、前記現在の経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含む、請求項20に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記正規化された一連の信号を処理して処理された信号データを求めることと、
処理された前記信号データを求めて前記現在の経路シグネチャの少なくとも一部を形成することと、を更に含む、請求項20または21に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記処理された信号データが、
前記ユーザの前記経路に対応するステップデータ、前記ユーザの前記経路に対応する歩幅データ、及び前記ユーザの前記経路に対応する進行方向データのうちの少なくとも1つを含む、請求項22に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記処理された信号データが、
PAA(Piecewise Aggregate Approximation)に基づく前記正規化された一連の信号の近似を含む、請求項22または23に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記処理された信号データが、
SAX(Symbolic Aggregate approXimation)およびSFA(Symbolic Fourier Approximation)のうちの少なくとも1つに基づく正規化された一連の信号のシンボル近似を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、
前記現在の経路シグネチャが、前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と事前定義された許容範囲内で一致するかどうかを判定することを含む、請求項16~25のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、
k最近傍アルゴリズム(k-NN)、マハラノビス距離測定、主成分分析(PCA)、決定木、人工ニューラルネットワーク(ANN)、又は、動的時間伸縮(DTW)の少なくとも1つを使用して、前記現在の経路シグネチャ及び前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分を分析することを含む、請求項16~26のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、
順序付けられていない類似性モデル又は順序付けられた類似性モデルのうちの少なくとも1つを使用して、前記現在の経路シグネチャを前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することを含む、請求項25に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、前記デバイスが前記環境内で移動している期間中に実質的に連続的又は周期的に実行される、請求項16~28のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、トリガーイベントの識別時に実行される、請求項16~28のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項31】
前記現在の経路シグネチャを前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することが、前記デバイスが前記環境内で移動している期間中に実質的に連続的に又は周期的に実行される、請求項16~30のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記現在の経路シグネチャを前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することが、トリガーイベントの識別時に実行される、請求項16~30のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記実行可能プログラムコードが更に、1つ以上のプロセッサに、
前記LOIと前記環境内に位置するIoT(Internet-of-Things)デバイスの状態との間の相関を識別することと、
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、前記相関に対応するIoTデバイスの状態に基づいてIoTデバイスの状態変化を起こさせることと、を実行させる、請求項16~32のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項34】
環境を較正するための方法であって、
前記環境内の1つ以上の対象位置(LOI)を識別することと、
前記1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することと、
各基準経路シグネチャについて、前記基準経路シグネチャを、該基準経路シグネチャがどのLOIに対応するかを示すデータとともに記憶することと、を備える方法。
【請求項35】
環境内のデバイスの位置を特定するための方法であって、
前記環境内で移動するデバイスの現在の経路シグネチャを特定することと、
前記現在の経路シグネチャを、前記環境内の対象位置(LOI)に対応する記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することと、
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、前記デバイスの位置が前記環境内のLOIの位置と同じであると判定することと、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される実施形態は、概して、人によって保持又は携行される慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)からの信号に基づいて、人の位置を認識することに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのデジタルサービス及び機能は、ユーザの位置の正確な推定を必要とする。屋外環境では、位置推定は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)などの全地球航法衛星システム(GNSS:global navigation satellite system)からの信号を使用して実行されることが多い。しかしながら、GNSS信号は、一般に、衛星信号が減衰する建物内及び他の環境では利用可能でないか、又は信頼性が低い。これらの環境では、様々な無線周波数(RF)技術を使用して、リアルタイム位置サービス(RTLS:real-time location service)を提供することができる。例えば、Bluetooth(登録商標)又は超広帯域(UWB:ultra-wideband)周波数及びプロトコルを使用するビーコン及び受信機デバイスは、ビーコンデバイスの位置を推定するためにマルチラテレーションアルゴリズムに(multilateration algorithms)よって使用されることがある。しかし、そのような技術は、一般に、高価なインフラストラクチャ及びセットアップを必要とする。WiFiフィンガープリンティング(fingerprinting)は、屋内環境におけるRTLSに使用されてきた別の技術である。しかしながら、WiFiフィンガープリンティングでは、初期較正を実行し、アクセスポイントが変化するときにシステム精度を維持することが、負担になることがある。
【0003】
RFベースのRTLS技術とは異なり、人の位置は、人が保持するか、身に着けるか、又は身体のある部分に装着される慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)を使用して推定され得る。特に、ほとんどの現代のスマートフォンに利用可能で存在するIMUを使用して、スマートフォン保持者の位置を推定することができる。これらのIMUは、典型的には、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、及び3軸磁力計を含む。これらの異なる測定システムからの信号を組み合わせて、各ステップの進行方向と距離を積分することによって、人の動きを推定する様々な技法がある。しかしながら、IMUセンサにおけるノイズ及びバイアスのため、一般的に、積分によって人の経路及び位置を推定することは、特に最後の既知の位置からの時間が増加するにつれて、著しい誤差を生じやすい。したがって、積分によって人の経路及び位置を推定することは、たとえ短距離であっても大幅に外れる可能性がある。
【0004】
少なくともこれらの理由から、当該技術分野において、IMUを使用して人の位置を特定するためのより信頼性の高い方法及びシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
以下に、このような複数の実施形態の基本理解を提供するために本開示の1つまたは複数の実施形態の簡略化された要約を示す。この要約は、考えられるすべての実施形態の広範な概要ではなく、すべての実施形態の重要なまたは主要な要素を特定することも、一部またはすべての実施形態の範囲を明確にすることも意図していない。
【0006】
本開示は、1つ以上の実施形態において、実行可能プログラムコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、環境内の1つ以上の対象位置(LOI:location of interest)を識別することと、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することと、各基準経路シグネチャについて、基準経路シグネチャを、該基準経路シグネチャがどのLOIに対応するかを示すデータとともに記憶することと、を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【0007】
本開示は、1つ以上の実施形態において、更に、実行可能プログラムコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、環境内で移動するデバイスの現在の経路シグネチャを特定することと、現在の経路シグネチャを、環境内の対象位置(LOI)に対応する記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することと、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、デバイスの位置が環境内のLOIの位置と同じであると判定することと、を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【0008】
本開示は、1つ以上の実施形態において、更に、環境を較正するための方法に関する。この方法は、環境内の1つ以上の対象位置(LOI)を識別することと、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することと、各基準経路シグネチャについて、基準経路シグネチャを、該基準経路シグネチャがどのLOIに対応するかを示すデータとともに記憶することとを含む。
【0009】
本開示は、1つ以上の実施形態において、更に、環境内のデバイスの位置を特定するための方法に関する。この方法は、環境内で移動するデバイスの現在の経路シグネチャを特定することと、現在の経路シグネチャを、環境内の対象位置(LOI)に対応する記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することと、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、デバイスの位置が環境内のLOIの位置と同じであると判定することとを含む。
【0010】
複数の実施形態が開示されているが、本開示のさらなる他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し、説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本開示の様々な実施形態は、全て本開示の範囲から逸脱することなく、様々な明白な態様で修正することができる。従って、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
必ずしも一定の縮尺で描かれていない図面において、類似番号は異なる図における類似要素を示している。異なる文字添え字が付された類似番号は類似要素の異なる例を表す場合がある。いくつかの実施形態は、限定ではなく例として、添付の複数の図面の図に示されている。
図1図1は、複数の別個の対象位置を含む例示的な環境を示す。
図2図2は、例えば、本開示のユーザデバイス又はサーバデバイスとして使用され得る、例示的な機械の様々な例示的な構成要素のブロック概略図を示す。
図3図3は、図1の例示的な環境などの環境を較正するための例示的な方法を全般的に示すフローチャートである。
図4図4は、人によって保持又は携行されるIMUからの信号に基づいて、人の場所を識別又は認識するための例示的な方法を一般的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、概して、人によって保持又は携行される慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)からの信号に基づいて、人の位置を認識することに関する。非常に一般的なレベルでは、人が環境内で第1の既知の位置から第2の既知の位置(又は目的地)に移動するとき、一連のIMU読み取り値(例えば、IMU読み取り値の時間シーケンス)を第2の既知の位置のシグネチャ(signature)として使用することができる。人又は他のユーザは、環境内の各既知の位置に対して較正又は測定を実行して、各既知の位置に対して1つ以上の基準シグネチャ(reference signature)を生成することができ、その後、未知のシグネチャを各基準シグネチャと比較して、環境内の人の現在位置を特定することができる。
【0013】
より具体的には、多くの場合、これらに限定されないが、戸口又は他の入口、部屋又は他の定義された空間などの環境内の場所に至る比較的すぐ近くの経路は、その環境内の他の近くの場所に至る比較的すぐ近くの経路とは異なる。例えば、ある人が管理された入口点(例えば、既知の場所)で建物に入るとき、その人は、その人のオフィスに到着して入る前に、特定のステップ数(certain number of steps)だけ特定の方向に歩くことがあるが、これは、その人が別のオフィス又はその建物内の特定の会議室に入るために取る可能性がある1つまたは複数の方向及び/又はステップ数とは異なる。別の例として、ある人がその人自身の家に入るとき、その人がキッチンに行くために取る経路(例えば、特定の1つまたは複数の方向及び/又はステップ数)は、その人がファミリルームに行くために取る経路と異なる。このようにして、人が目的地位置又は対象位置(LOI:location of interest)に接近する間に取る経路は、LOIの「シグネチャ(signature)」になる。したがって、積分法を使用して人の経路を連続的に推定するために、その人によって保持又は携行されるIMUからの複数の読み取り値を使用しようと試みるのではなく(これは、時間及び距離にわたって蓄積する著しい誤差を生じやすい)、LOIに達する比較的直前に人が完了したステップのシーケンス(例えば、特定の1つまたは複数の方向及び/又はステップ数)を、現在の経路シグネチャとして使用するか、又は現在の経路シグネチャを生成するために使用することができる。そのような現在の経路シグネチャは、同じ環境内の他の対象位置(LOI:location of interest)に対応する経路シグネチャとは異なる。現在の経路シグネチャは、環境内の複数のLOIに対して以前に生成された一組の基準経路シグネチャと比較されてもよく、人の現在の位置は、現在の経路シグネチャに最も類似して一致する、以前に生成された基準経路シグネチャに対応するLOIとして識別又は認識されてもよい。
【0014】
図1を参照すると、複数の別個のLOI102、104、106、108、110を含む例示的な環境100が示されている。複数のLOIは、これらに限定されないが、部屋、オフィス、又は他の定義された空間(例えば、LOI104、106、108)、戸口又は他の入口(例えば、LOI102、110)など、環境100内の任意の位置であってもよい。環境100内の又は環境100に入る人又はユーザ112は、IMUを有するデバイス114を保持又は携行してもよい。IMUは、物体若しくは身体の特定の力若しくは加速度、物体若しくは身体の角速度、物体若しくは身体の向き、及び/又は物体若しくは身体の周りの磁場についての複数の読み取り値を測定及び提供する、1つ以上のセンサを含むことができる。例では、IMUは、加速度計(例えば、3軸加速度計)、ジャイロスコープ(例えば、3軸ジャイロスコープ)、磁力計(例えば、3軸磁力計)、又は物体若しくは身体の特定の力若しくは加速度、物体若しくは身体の角速度、物体若しくは身体の向き、及び/又は物体若しくは身体の周りの磁場を測定又は感知するための任意の他の適切なセンサのうちの、1つ以上を含むことができる。デバイス114は、例えば、これらに限定されないが、パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、タブレットPC、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、携帯電話若しくはスマートフォンなどであり得るか、又はそれらを含み得る。いくつかの例示的な環境100は、デバイス114が1つ以上のサーバデバイス118と通信し得るネットワーク116を更に含み得る。ネットワーク116に適した例示的なネットワークは、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、従来型の電話(POT:Plain Old Telephone)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fiとして知られるIEEE802.11ファミリーの規格、若しくはWiMAXとして知られるIEEE802.16ファミリーの規格)、IEEE802.15.4ファミリーの規格に基づくネットワーク、及び/又はピアツーピア(P2P:peer-to-peer)ネットワークを含むことができる。
【0015】
図2は、デバイス114またはサーバ118として使用され得る例示的な機械200の例示的な複数の構成要素のより具体的な概略ブロック図を示し、その上で、命令のセットまたはシーケンスが実行されて、機械に、本明細書で説明される方法のうちのいずれか1つまたはそれの任意の部分を実行させ得る。本明細書で説明される複数の例は、一般に、機械200内の論理または複数の構成要素、モジュール、もしくは機構を含むことができ、またはそれらによって動作することができる。複数のモジュールは、本明細書で説明される複数の動作を実行するために1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続されたハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアであり得る。概して、例示的な機械200の回路(例えば、処理回路)は、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジック、など)を含む機械の有形のエンティティ内に実装された回路の集合体を含む。回路メンバーシップは、時間に伴って柔軟なものであってよい。回路は、単独又は組合せにおいて動作する際に規定された動作を実行しうるメンバを含む。いくつかの例において、回路のハードウェアは、特定の動作を実行するように不変の方式で設計することができる(例えば、配線接続されうる)。いくつかの例において、回路のハードウェアは、特定の動作の命令(例えば、不変の質量粒子の磁気的に電気的に運動可能な配置、など)をエンコーディングするべく物理的に変更された機械可読媒体を含む変化可能な方式で接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路、など)を含むことができる。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成要素の基礎をなす電気プロパティは、例えば、絶縁体から導電体に変更され、或いは、逆も又真である。命令は、埋め込み型のハードウェア(例えば、実行ユニット又はローディングメカニズム)が動作の際に特定の動作の一部分を実行するべく可変接続を介してハードウェア内の回路のメンバを生成することを可能にしている。従って、いくつかの例において、機械可読媒体要素は、回路の一部分であり、或いは、装置が動作している際に回路のその他の構成要素に通信自在に結合されている。いくつかの例において、物理的構成要素の任意のものは、複数の回路の複数のメンバ内において使用することができる。例えば、動作の際に、実行ユニットは、1つの時点において第1回路構成の第1回路内において使用されることが可能であり、異なる時点においては、第1回路構成内の第2回路により、或いは、第2回路内の第3回路により、再使用されることが可能である。機械200に関する構成要素の追加のおよび/またはより具体的な例を以下に示す。
【0016】
いくつかの実施形態において、機械200は、スタンドアロン装置として稼働することが可能であり、或いは、その他の機械に接続することもできる(例えば、ネットワーク接続されている)。ネットワーク接続された配備において、機械200は、サーバ機械、クライアント機械の能力内において、或いは、サーバ-クライアントの両方のネットワーク環境内において、動作することができる。いくつかの例において、機械200は、ピアツーピア(P2P)(又は、その他の分散型)ネットワーク環境においてピア機械として機能することができる。機械200は、例えば、PC、タブレットPC、PDA、携帯電話機、ウェブアプライアンス、ネットワークルーター、スイッチ又はブリッジ、或いは、その機械によって実行される動作を規定する命令(シーケンシャルな又はその他のもの)を実行することが可能な任意の機械であるかまたは含み得る。更には、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語は、クラウド演算、SaaS(Software as a Service)、その他のコンピュータクラスタ構成などの本明細書において記載されている方法の任意の1つ又は複数を実行するべく、命令の1つ又は複数の組を個々に又は協働的に実行する機械の任意の集合体をも含むものと解釈されたい。一例では、機械200は、デバイス114とサーバ118との組合せを含み得る。
【0017】
機械(例えば、コンピュータシステム)200は、ハードウェアプロセッサ202(例えば、中央処理装置(CPU : Central Processing Unit)、グラフィックス処理ユニット(GPU : Graphics Processing Unit)、ハードウェアプロセッサコア、又はこれらの任意の組合せ)、およびメインメモリ204、スタティックメモリ(例えば、ファームウェア、マイクロコード、基本入出力(BIOS)、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)、など)206、及び/又はマスストレージ208(例えば、ハードドライブ、テープドライブ、フラッシュストレージ、又はその他のブロック装置)を含むことが可能であり、これらのいくつか又はすべては、インターリンク(例えば、バス)234を介して互いに通信することができる。機械200は、表示デバイス210および入力デバイス212および/またはユーザーインタフェース(UI)ナビゲーションデバイス214をさらに含むことができる。例示的な入力デバイスおよびUIナビゲーションデバイスは、1つまたは複数のボタン、キーボード、タッチセンシティブ面、スタイラス、カメラ、マイクロフォンなどを含むが、これらに限定されない。いくつかの例では、表示デバイス210、入力デバイス212、および/またはUIナビゲーションデバイス214のうちの1つまたは複数は、タッチスクリーンディスプレイなどの組み合わされたユニットであり得る。機械200は、信号生成装置218(例えば、スピーカー)、ネットワークインタフェースデバイス220、並びに、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、又はその他のセンサなどの1つ又は複数のセンサ216を更に含みうる。機械200は、1つ又は複数の周辺装置(例えば、プリンタ、カード読取機、など)と通信するべく又はこれらを制御するべく、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB : Universal Serial Bus)、パラレル、又はその他の有線又は無線(例えば、赤外線(IR : InfraRed)、NFC、など)接続などの出力コントローラ228を含みうる。
【0018】
プロセッサ202は、1つまたは複数のコンピュータ処理デバイスまたはリソースに対応することができる。例えば、プロセッサ202は、シリコンとして、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、任意の他のタイプの集積回路(IC)チップ、ICチップの集合などとして提供されることができる。より具体的な例として、プロセッサ202は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、または内部メモリ222および/またはメモリ204,206,208に格納された命令セットを実行するように構成された複数のマイクロプロセッサまたはCPUとして提供され得る。
【0019】
メモリ204,206,208のいずれも、プロセッサ202によるアプリケーションプログラミングまたは命令の実行に関連して、およびプログラム命令または命令セット224および/または他のデータの一時的または長期の記憶のために使用されることができる。メモリ204,206,208のいずれも、機械200によってまたはそれに関連して使用されるデータ、プログラムコード、または命令224を含み、格納し、通信し、または転送し得る任意の媒体であり得るコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、例えばこれらに限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイスであり得る。適切なコンピュータ可読媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、またはポータブルコンピュータディスケット(portable computer diskette)、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはEEPROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、固体ストレージデバイス、一般にコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、または他の光学または磁気ストレージデバイスなどの有形の記憶媒体を含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体は、これと混同されるべきではないが、コンピュータ可読媒体のすべての物理的、非一時的、または類似の実施形態をカバーすることを意図としたコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0020】
ネットワークインタフェースデバイス220は、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、送信制御プロトコル(TCP)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP : user datagram protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のいずれか1つを利用して、ネットワーク160などの通信ネットワークを介して、他のデバイスとの通信を可能にするハードウェアを含む。例示用の通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN : Local Area Network)、ワイドエリアネットワーク(WAN : Wide Area Network)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)と呼称されるIEEE802.11規格ファミリー、WiMax(登録商標)と呼称されるIEEE802.16規格ファミリー)、IEEE802.15.4規格ファミリーに基づくネットワーク、及びピアツーピア(P2P)ネットワークなどを含みうる。いくつかの例では、ネットワークインタフェースデバイス220は、イーサネット(登録商標)ポートまたは他の物理ジャック、Wi-Fiカード、ネットワークインタフェースカード(NIC : Network Interface Card)、セルラーインタフェース(例えば、アンテナ、フィルター、および関連する回路)などを含むことができる。いくつかの例において、ネットワークインタフェースデバイス220は、例えば、単一入力複数出力(SIMO : Single-Input Multiple-Output)、複数入力複数出力(MIMO : Multiple-Input Multiple-Output)、又は複数入力単一出力(MISO : Multiple Input Single Output)技法の少なくとも1つを使用して無線通信するべく、1つまたは複数のアンテナを含みうる。
【0021】
アンテナ230は、1つ以上のアンテナに対応することができ、例えば、これらに限定されないが、デバイス114、サーバ118、及び/又はIoTデバイス(例えば、以下で更に詳細に説明するデバイス142、144、146、148、150、152、154)の間の直接的又は間接的な無線通信など、本明細書で説明するデバイスのいずれかの間のワイヤレス通信を提供するように構成され得る。1つまたは複数のアンテナ230は、IEEE802.15.1、Bluetooth、Bluetooth Low Energy(BLE)、近距離無線通信(NFC:near field communication)、ZigBee(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA、Wi-Fi、RF、UWBなどを含むがこれらに限定されない1つ以上の無線通信プロトコル及び動作周波数を使用して動作するように構成され得る。例として、1つまたは複数のアンテナ230は、RFアンテナとすることができ、したがって、RFトランシーバを有する別のデバイスによって受信/転送されるRF信号を、自由空間を介して送信/受信することができる。
【0022】
電源232は、バッテリ、容量性電源、若しくは同様のタイプの電荷蓄積デバイスなどの任意の適切な内部電源とすることができ、かつ/又は外部電力を機械200の構成要素のための適切な電力に変換する(例えば、外部から供給されたAC電力のDC電力への変換)のに適した1つ以上の電力変換回路を含むことができる。電源232はまた、機械200の構成要素を電力サージから保護するためのサージ保護回路のいくつかの実装を含むことができる。
【0023】
1つまたは複数のセンサ216は、任意の適切なセンサ又は複数のセンサを含むことができる。上記で説明したように、本明細書の例では、1つまたは複数のセンサ216はIMUを含むことができる。IMUは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、又は物体若しくは身体の特定の力若しくは加速度、物体若しくは身体の角速度、物体若しくは身体の向き、及び/又は物体若しくは身体の周りの磁場を測定又は感知するための任意の他の適切なセンサのうちの1つ以上を含むことができる。機械200のための他の適切なセンサ216は、例えば、全地球測位システム(GPS:global positioning system)センサ又はコンパスを含む。
【0024】
上述したように、機械200は、機械の様々なハードウェア構成要素間で通信を送信するように動作可能な、1つ以上のインターリンク又はバス234を含むことができる。システムバス234は、いくつかのタイプの市販のバス構造又はバスアーキテクチャのいずれかとすることができる。
【0025】
例示的な機械200の様々な例示的な構成要素が説明及び図示されているが、すべての構成要素が本明細書で説明される各機械又はデバイスにおいて必要とされるわけではなく、本明細書で説明される機械又はデバイスは、本明細書で説明及び図示される例示的な構成要素のみを含むことに限定されない。例えば、デバイス114又はサーバ118などの本明細書に説明される様々なデバイスのうちのいずれかは、本明細書に説明及び図示される例示的な構成要素の異なるセット及び/又は組み合わせを備えてもよい。
【0026】
図3は、本明細書で更に説明するように、人によって保持又は携行されるIMUからの信号に基づいて人の位置を識別又は認識する方法において、その後で使用するために、図1の例示的な環境100などの環境を較正するための例示的な方法300を全般的に示すフローチャートである。ステップ302において、1つ以上のLOI102、104、106、108、110は、ユーザ112がデバイス114を各LOIの位置に持参し、各位置をLOIとして記録又は記憶するようにデバイスに命令を与えることなどによって、識別又は決定され得る。しかしながら、1つ以上のLOIを識別又は決定する任意の他の方法が使用されてもよい。いくつかの例では、複数のLOIの位置を識別又は決定することは、複数のユーザ112によって、及び/又は複数のデバイス114を使用して、集合的に完了され得る。ステップ304において、LOIへの、又はLOI間の1つ以上の基準経路120、122、124、126、128、又はそれらの一部分に基づいて、各LOIについて1つ以上の基準経路シグネチャが収集される。追加又は代替の例では、別個の基準経路シグネチャが、LOIへのいくつかの別個のアプローチ又はアプローチ経路130について収集されてもよく、アプローチ又はアプローチ経路は、LOIに先行する、場合によってはLOIの直前の、任意の適切な距離の経路を含み得る。例えば、ある部屋が廊下から2つの方向のどちらからでも接近することができる場合、複数の基準経路シグネチャが、これら方向の各々について収集され得る。いくつかの例では、ステップ302及び304は、例えば、複数のLOI102、104、106、108、110が、1つ以上の基準経路シグネチャが収集されるときに動的に識別又は決定され得るという点で、実質的に同時に実行され得る。
【0027】
一例では、所与のLOI(例えば、104)に対する1つ以上の基準経路シグネチャを収集することは、デバイス114が、他のLOI(例えば、102、106、108、110)のうちの1つ以上などの少なくとも1つの他の別個の位置から、及び/又は1つ以上の別個のアプローチ方向から所与のLOIに運ばれ、所与のLOIへの1つ以上の別個の経路(例えば、120、126)又はアプローチ(例えば、130)を作成するステップ306を含み得る。デバイス114が、ユーザ112などによって、既知の開始点から所与のLOI(例えば、104)まで運ばれている間、デバイスは、所与のLOIへの各別個の経路(例えば、120、126)又はアプローチ(例えば、130)に対応する、IMU読み取り値又は信号の時間的系列を記録することができる。そのIMU読み取り値又は信号は、実質的に連続して、周期的に、ランダムに、又は任意の他の反復若しくは非反復パターンやアルゴリズムに従ってなど、任意の適切な間隔で記録されてもよい。上述したように、デバイス114のIMUは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、又は任意の他の適切なセンサのうちの1つ以上を含むことができる。所与のLOI(例えば、104)への各別個の経路(例えば、120、126)又はアプローチ(例えば、130)に対応する一連のIMU読み取り値は、IMUの様々なセンサのうちのいずれか1つ以上からの個々の読み取り値の時間的系列、又は、連結又は数学的組み合わせなどのそれらの1つ以上の組み合わせを含み得、1つ以上の組み合わせは、IMUの様々なセンサのいずれかのうちの複数のセンサによる読み取り値の多次元時間シーケンス(multidimensional temporal sequences)を含む。いくつかの例では、1つ以上のLOIに対して基準経路シグネチャを収集することは、複数のユーザ112によって、及び/又は複数のデバイス114を使用して、集合的に完了され得る。
【0028】
ステップ308において、ユーザ112の身体及び/又は地面、床、若しくは地表面に対するデバイス114の異なる向き及び位置を補償するために、一例では、所与のLOI(例えば、104)への各別個の経路(例えば、120、126)又はアプローチ(例えば、130)に対応する記録された一連のIMU読み取り値における生のIMU読み取り値を、正規化又は標準化することができる。すなわち、一例では、各別個の経路、アプローチ、又はそれらの一部分に対応する記録された一連のIMU読み取り値は、デバイス114のローカル座標系(例えば、電話ローカル座標系(phone-local coordinate system))から、地球を基準とした座標系(すなわち、地球ローカル座標系)又は何らかの他の既知の若しくは固定された基準座標系を基準とした座標系などの正規化座標系に変換することができる。他の例では、IMU読み取り値は、任意の適切な方法若しくは手段に従って、及び/又は任意の適切な基準座標系に基づいて、正規化又は標準化され得る。一例では、IMU読み取り値は、センサフュージョン(sensor fusion)及び/若しくはフィルタリングを適用することによって、並びに/又は重力及び磁北を使用して信号をデバイス114の向きとは独立した標準的な基準座標系に回転させることによって、正規化することができる。
【0029】
ステップ310において、所与のLOI(例えば、104)への各別個の経路(例えば、120、126)又はアプローチ(例えば、130)について、経路、アプローチ、又はそれらの一部分の正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値を、経路又はアプローチの基準経路シグネチャとして記憶することができる。一例では、所与の経路(例えば、120、126)、アプローチ(例えば、130)、又はそれらの一部分の基準経路シグネチャは、単に、経路、アプローチ、又はそれらの一部分の正規化又は標準化されたIMU読み取り値の連結又は他の適切な組み合わせを含み得る。例えば、所与の経路(例えば、120、126)、アプローチ(例えば、130)、又はそれらの一部分の基準経路シグネチャは、単に、経路、アプローチ、又はそれらの一部分に対応するIMUの正規化又は標準化された加速度計及び/又はジャイロスコープ読み取り値の連結又は組み合わせを含み得る。別の例では、IMUの加速度計及び/若しくはジャイロスコープ読み取り値、又はより一般的には、IMUの様々なセンサのいずれかのうちの複数のセンサによる正規化又は標準化された読み取り値は、多次元時間シーケンスに組み合わされてもよく、このシーケンスは、所与の経路(例えば、120、126)、アプローチ(例えば、130)、又はそれらの一部分の基準シグネチャとして使用され得る。もちろん、加速度計若しくはジャイロスコープからの読み取り値に加えて、又はその代わりに、他の読み取り値又は信号を使用して経路シグネチャを作成することもできる。例えば、多くの曲がり角、階段、独特な形の部屋若しくは廊下、独特な間隔の部屋若しくは廊下、又は他の物理的特徴を含む物理的なレイアウトなどのいくつかの環境の複雑性は、環境の様々なLOIへの経路又はアプローチが実質的に独特で異なる環境を作り出すことがある。しかしながら、他の環境では、LOIの多くへの経路又はアプローチは、それほど独特ではないことがある。そのような環境では、例えば、IMUからの磁力計読み取り値又は信号が、追加又は代替として、基準経路シグネチャを形成するために使用され得る(例えば、単独で、又は他の読み取り値と連結若しくは組み合わせられて)。これは、磁場が変化するか、又は例えば、これらに限定されないが、近くの機器又は構造に起因する磁場の異常などの異常を有する位置において、特に有利であり得る。いくつかの例では、環境(例えば、100)は、LOIに対する別個の経路シグネチャ又はアプローチシグネチャを生成するのを助けるために環境内に適切に配置された、様々な強度及び/又は磁場方向の電磁石又は他の適切な磁石などの磁気マーカー132、134、136を意図的に設けることができる。
【0030】
いくつかの例では、基準経路シグネチャを決定又は生成するために、経路(例えば、120、126)、アプローチ(例えば、130)、又はそれらの一部分についての正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値の更なる処理があってもよい。任意の適切な追加処理が使用されてもよい。一例では、所与の経路、アプローチ、又はそれらの一部分のIMU読み取り値を分析して、ステップ、歩幅、及び/又は進行方向情報を定義することができる。ステップ、歩幅、及び/又は進行方向情報は、基準経路シグネチャを決定又は生成するために、単独で、又は連結若しくは他の数学的組み合わせなどを介して組み合わせて使用され得る。ステップ、歩幅、及び/又は進行方向情報は、正規化又は標準化されたIMU読み取り値と組み合わせて使用されてもよい。別の例では、所与の経路、アプローチ、又はそれらの一部分の正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値は、PAA(Piecewise Aggregate Approximation)などの方法によって近似され得るが、これに限定されない。更に別の例では、所与の経路、アプローチ、又はその一部分の正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値は、IMU読み取り値のシンボル表現(symbolic representation)を生成するために、SAX(Symbolic Aggregate approXimation)又はSFA(Symbolic Fourier Approximation)などの方法によって更に処理されてもよく、シンボル表現は、次いで、所与の経路又はアプローチの基準経路シグネチャの少なくとも一部分として記憶されてもよい。
【0031】
各基準経路シグネチャは、識別子と、基準経路シグネチャを所与のLOI(例えば、104)に関連付けるラベルとともに記憶されてもよい。基準経路シグネチャはまた、任意の他の適切な情報とともに記憶されてもよい。
【0032】
別の例では、複数のLOIを識別すること、及び/又は1つ以上のLOIに対して1つ以上の基準経路シグネチャを収集することは、トレーニング又は学習期間中に任意のLOI及び/又は基準経路シグネチャを識別又は決定することを含み得る。例えば、ステップ312において、トレーニング期間が開始され得る。トレーニング期間は、例えば、ユーザ112及び/又はデバイス114が最初に環境100に入るときに開始され得る。しかしながら、トレーニング期間は、例えばこれに限定されないが、ユーザ112からデバイス114に受信されたトレーニング期間開始の命令に従って、任意の適切な時間に開始され得る。例では、トレーニング期間は、これらに限定されないが、日数、週数など、所定の長さの時間であり得る。いくつかの例では、トレーニング期間は、無期限に、又は終了トリガーイベントが発生するまで延長し得る。終了トリガーイベントは、ユーザ112が、例えばデバイス114を介して、トレーニング期間を終了するように命令を与えること、一定数の又は所定数のLOIに達すること、一定数の又は所定数の基準経路シグネチャに達すること、特定のメモリ容量など、デバイス(例えば、114)の制限に達すること、などが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0033】
ステップ314において、トレーニング期間中に、デバイス114がユーザ112などによって環境100全体にわたって運ばれている間に、環境内の1つ以上のLOI(例えば、102、104、106、108、110)への1つ以上の基準経路(例えば、120、122、124、126、128)又はアプローチ(例えば、130)が、1つまたは複数のデバイスの1つまたは複数のIMUからの時間的な(temporal)複数の読み取り値又は信号に基づいて学習又は識別され得る。一例では、環境内のLOIは、トレーニング期間の前又は開始時にユーザ112によって識別され得る。例えば、ユーザ112は、デバイス114を環境100内の特定の位置又は所定の位置に持参し、各位置をLOIとして記録又は記憶するようにデバイスに命令を与えることができる。別の例では、ユーザ112は、トレーニング期間中に1つ以上のLOIを動的に定義することができる。例えば、トレーニング期間中の任意の時点で、ユーザ112は、ユーザがLOIとして追加することを望む環境100内の位置を訪れるか、又はデバイス114を持参することができる。次いで、ユーザ112は、そのような位置をLOIとして記録又は記憶するようにデバイス114に命令を与えることができる。別の例では、デバイス114は、LOIとして含めるために環境100内の複数の位置を自動的に学習又は識別することができる。デバイス114は、位置がLOIとして追加されるべきかどうかを学習又は判定するための任意の適切な方法を使用することができる。例えば、デバイス114は、(デバイス114を有する)ユーザ112が、事前定義された回数など、特定の位置を頻繁に訪れるため、(デバイス114を有する)ユーザ112が、延長された期間又は事前定義された期間にわたって特定の位置に滞在するため、例えば、既存の環境及びLOIデータ若しくは他の適切なデータを含むトレーニングデータセットを用いてトレーニングされた機械学習モデルに基づいて、及び/又は任意の他の適切な情報に基づいて、位置がLOIとして含まれるべきであることを学習又は決定することができる。いくつかの例では、デバイス114は、そのような学習された位置をLOIとして追加する前に、ユーザ112からの確認入力を要求することができる。
【0034】
前に示したように、いくつかの例では、複数のLOIの位置を識別又は決定することは、複数のユーザ112によって、及び/又は複数のデバイス114を使用して、任意の適切な時間に(例えば、トレーニング期間の前又は期間中に)集合的に完了され得る。同様に、いくつかの例では、1つ以上のLOIに対して基準経路シグネチャを収集することは、複数のユーザ112によって、及び/又は複数のデバイス114を使用して、トレーニング期間中に集合的に完了され得る。更に、いくつかの例では、トレーニング期間の開始及び/又は終了は、ユーザ112のグループのうちのいずれか1人によって、及び/又は複数のデバイス114のうちのいずれか1つを使用して完了され得る。実際に、いくつかの例では、複数のユーザからの情報は、大規模オフィス複合施設又は病院などの環境内のLOI、経路、及び/又はアプローチをより完全に学習するために、組み込まれるか、又は組み合わせられてもよい。
【0035】
ステップ316において、ステップ314で決定された各別個の経路又はアプローチに対応する記録された一連のIMU読み取り値における生のIMU読み取り値を、正規化又は標準化することができる。ステップ316における生のIMU読み取り値の正規化又は標準化は、ステップ308に関して前述したものと同様に実行され得る。ステップ318において、ステップ314で決定された各別個の経路又はアプローチについて、経路、アプローチ、又はその一部分の正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値は、経路若しくはアプローチの基準経路シグネチャとして記憶され得るか、又は任意選択で、経路若しくはアプローチの基準経路シグネチャとして記憶する前に更に処理され得る。ステップ318における正規化若しくは標準化された複数のIMU読み取り値の更なる処理及び/又は複数の基準経路シグネチャの記憶は、ステップ310に関して前述したものと同様に実行され得る。
【0036】
複数のLOIを識別すること、及び/又は1つ以上のLOIに対して1つ以上の基準経路シグネチャを収集すること(すなわち、ステップ302、304)の更に別の例は、ここでも、トレーニング又は学習期間中に任意のLOI及び/又は基準経路シグネチャを識別又は決定することを含み得る。そのようなトレーニング又は学習期間と、環境100内のLOIを決定することとについては、ステップ312に関して前述した。しかしながら、一例では、環境100は、1つ以上のネットワーク接続デバイス、スマートデバイス、又はIoT(Internet-of-Things)デバイスが更に含まれることがあり、例えば、スマート電球(例えば、142、144、146)、例えば、照明、家電、テレビ、ステレオシステム、暖炉のような、他の電子デバイスを制御するためのものなどのスマートスイッチ(例えば、148)、スマートサーモスタット(例えば、150)、スマートロック(例えば、152、154)であるが、これらに限定されない。デバイス114は、これらのネットワーク接続デバイス、スマートデバイス、又はIoTデバイス(本明細書では簡略化のために集合的にIoTデバイスと呼ぶことがある)のいずれか又は各々と、これらを監視又は相互作用させるために、(例えば、Bluetooth、BLE、RF、赤外線などを使用して)直接通信するか、又はネットワーク116若しくは他の適切なネットワークなどを介してネットワーク通信することができる。ステップ314と同様のステップにおいて、任意の所与のLOIとIoTデバイスのうちの1つ以上との間の1つ以上の相関は、デバイス114がトレーニング期間中に環境100全体にわたって運ばれている間の1つまたは複数のIoTデバイスの1つまたは複数の状態の変化に基づいて学習又は識別され得る。例えば、スマート電球142がオンになることと、ユーザ112(及びデバイス114)がLOI104にいることとの間の共通の相関が、学習又は識別され得る。同様に、例えば、スマート電球144とスマートスイッチ148(例えば、TVに接続されている)の両方がオンになることと、ユーザ112(及びデバイス114)がLOI106にいることとの間の共通の相関が、学習又は識別され得る。更に別の例として、サーモスタット150が状態変化すること(例えば、温度を下げること)と、スマートロック154が施錠されることと、ユーザ112(及びデバイス114)がLOI110にいることとの間の共通の相関が、学習又は識別され得る。時刻、曜日、影響を受けるIoTデバイスの順序など、任意の他の適切な情報もまた、相関を識別するために使用され得る。例えば、スマート電球144とスマートスイッチ148の両方が夜間(例えば、午後9時頃~真夜中)にオフになることと、ユーザ112(及びデバイス114)が翌朝午前6時頃までLOI104に滞在することとの共通の相関が、学習又は識別され得る。ユーザ位置とIoTデバイスの状態変化との間の上記の相関は、単独で、又は(前述したように)IMU読み取り値と組み合わせて、基準経路シグネチャ若しくはその一部として直接記憶されてもよく、又はIMU読み取り値に基づいてすでに決定されたそれぞれの基準経路シグネチャに関連付けられた追加データとして記憶されてもよい。いくつかの例では、基準経路シグネチャを決定若しくは生成する前、又は追加データとして記憶する前に、相関の更なる処理があってもよい。任意の適切な追加処理が使用されてもよい。
【0037】
複数のLOIを識別し、かつ/又は1つ以上のLOIに対して1つ以上の基準経路シグネチャを収集するための例示的な方法のいずれかを、単独で、又は互いに組み合わせて使用することができる。すなわち、複数のLOIを識別し、かつ/又は1つ以上のLOIに対して1つ以上の基準経路シグネチャを収集するための前述の例示的な方法のいずれかを単独で使用することができるが、これらの方法は互いに排他的ではなく、環境100内の基準経路シグネチャを決定するために任意の組み合わせで使用することができる。更に、図3のフローチャートは、特定の動作順序を有するような連続的なステップ又はプロセスを含むような例示的な方法を示しているが、フローチャートにおけるステップ又は動作のいくつか又は多くは、並行して又は同時に実行することができ、フローチャートは、本開示の様々な例示的な実施形態の文脈で読まれるべきである。図3に示される方法のステップ又はプロセス動作の順序は、いくつかの実施形態のために再配置され得る。同様に、図3に示される方法は、そこに含まれない追加のステップ又は動作、あるいは示されるものより少ないステップ又は動作を有する可能性がある。更に、図3の例示的な方法のステップの多くは、デバイス114によって実行されてもよく、及び/又はデバイス114によって実行されるものとして説明されている。しかしながら、他の例では、図3の例示的な方法のステップの多くは、サーバ116によって、又はデバイス114とサーバ116との組み合わせによって実行され得る。
【0038】
環境100に対して1つ以上の基準経路シグネチャが収集されると、基準経路シグネチャは、人が保持又は携行し、その人が最近取った経路又は現在の経路中に生成されたデバイスの複数のIMU読み取り値又は信号に基づいて、環境内の人の位置、又は場合によっては予測される将来の位置を識別又は認識するために使用することができる。図4は、図1の環境100を参照して、人によって保持又は携行されるIMUからの信号に基づいて人の位置を識別又は認識するための、例示的な方法400を全般的に示すフローチャートである。ステップ402において、IMUを有するデバイス114を保持又は携帯するユーザ112が環境100に入る。ユーザ112及び/又はデバイス114は、図3に関して上記で説明したように、環境100を較正するために使用される同じユーザ(複数可)及び/又はデバイス(複数可)であってもよいが、そうである必要はない。ステップ404において、デバイス114がユーザ112によって環境のあちこちに運ばれている間、デバイスは、IMU読み取り値又は信号の時間的系列を記録することができる。そのIMU読み取り値又は信号は、実質的に連続して、周期的に、ランダムに、又は任意の他の反復若しくは非反復パターン若しくはアルゴリズムに従ってなど、任意の適切な間隔で記録されてもよい。ステップ406において、ユーザ112の身体及び/又は地面、床、若しくは地表面に対するデバイス114の異なる向き及び位置を補償するために、一例では、記録された一連のIMU読み取り値における生のIMU読み取り値を正規化又は標準化することができる。ステップ406における生のIMU読み取り値の正規化又は標準化は、図3のステップ308に関して前述したものと同様に実行され得る。ステップ408において、ユーザの現在位置に対応する任意の時間tにおいて、時間tに先行する正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値の少なくとも一部分を使用して、時間tにおけるユーザの位置(例えば、仮想線のデバイスによって表されるユーザの現在位置140)に先行する現在経路又はアプローチ138の現在経路シグネチャを特定又は生成することができる。一例では、時間tに先行する正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値の任意の部分を使用して、ユーザ112の現在の経路シグネチャを特定又は生成することができる。同様に、ユーザの現在位置140に先行する経路又はアプローチ138の複数の現在経路シグネチャは、時間tに先行する正規化又は標準化された一連のIMU読み取り値の異なる複数の部分又は時間的期間から特定又は生成されてもよい。IMU読み取り値に基づいて(例えば、基準経路シグネチャのための)経路シグネチャを決定又は生成するための方法及び例は、図3のステップ310に関して前述されており、同じ方法又は例が、現在の経路シグネチャを特定又は生成するために使用され得る。
【0039】
ステップ410において、現在の経路シグネチャは、環境100の記憶された1つまたは複数の基準経路シグネチャと比較又は分析されて、現在の経路シグネチャが任意の基準経路シグネチャ又は基準経路シグネチャの任意の一部分と、実質的に一致するか、実質的に整列するか、又は対応するかどうかを判定することができる。一例では、現在の経路シグネチャは、環境100について、記憶された1つまたは複数の基準経路シグネチャ又はその任意の1つまたは複数の部分と比較又は分析されて、現在の経路シグネチャが、事前定義された又は所定の許容範囲内で任意の基準経路シグネチャ又はその一部分と一致するか又は整列するかどうかを判定することができる。現在の経路シグネチャが基準経路シグネチャ又はその一部分に実質的に一致するか、実質的に整列するか、又は対応するかどうかを判定することは、任意の適切な1つまたは複数の方法、1つまたは複数のアルゴリズム、又はそれらの組み合わせを使用して実行され得る。例えば、現在の経路シグネチャが基準経路シグネチャ又はその一部分に実質的に一致するか、実質的に整列するか、又は対応するかどうかを判定することは、k最近傍アルゴリズム(k-NN:k-nearest neighbors algorithm)、直接的な、又は例えば主成分分析(PCA:principle component analysis)による分解後のいずれかのマハラノビス距離測定(Mahalanobis distance measure)、決定木、人工ニューラルネットワーク(ANN:artificial neural network)、動的時間伸縮法(DTW:dynamic time warping)などの1つ以上の方法又はアルゴリズムを使用して実行され得る。上記で説明したように、経路シグネチャ(例えば、基準経路シグネチャ又は現在の経路シグネチャ)は、例えば、SAX又はSFAなどの処理方法を使用してシンボルで表すことができる。現在及び基準経路シグネチャのそのようなシンボル表現は、例えば、これらに限定されないが、バッグオブワーズ(bag-of-words)モデル(例えば、順序付けられていない類似性)、レーベンシュタイン距離(Levenshtein distance)などの順序付けられた類似性モデル、又は他の適切な方法に基づく、種々の分類手法を使用して比較されてもよい。
【0040】
ステップ412において、現在の経路シグネチャと環境100の記憶された基準経路シグネチャとの間の「一致(match)」が判定された場合、(デバイス114を保持する)ユーザ112の現在位置140は、一致する記憶された基準経路シグネチャに関連付けられたLOIに対応するものとして識別又は認識され得る。代替的又は追加的に、ステップ412において、現在の経路シグネチャと、経路のサブ部分に対応する基準経路シグネチャの一部分、例えば、所定のLOI(例えば、106)に向かうか又はLOIにつながるがLOIで終わらない、経路122の部分156などの、記憶された基準経路シグネチャの一部分との間の「一致」が判定された場合、(デバイス114を保持する)ユーザ112の予測される将来の位置は、一致する記憶された基準経路シグネチャに関連付けられたLOI(例えば、106)に対応するものとして識別又は認識され得る。任意の他の適切な情報又はアルゴリズムもまた、そのような予測される将来の位置を特定するのを助けるために使用され得る。例えば、ユーザ112がLOI106及び108へのアクセスのみを有し(例えば、LOI106及び108のアクセス認証情報を有し)、特にLOI110へのアクセスを有さないことが知られている場合がある。したがって、現在の経路シグネチャと、経路122の部分156に対応する記憶された基準経路シグネチャの一部分との間の「一致」が判定された場合、部分156がLOI108(例えば、ユーザ112がアクセスを有する唯一の他の場所)に対応しないこと、特に、ユーザがLOI110(部分156が別の方法で整列し得る)へのアクセスを有しないことを知った上で、LOI106がユーザの予測される将来の位置であると判定され得る。いくつかの環境では、2つ以上のLOIに対する基準経路シグネチャ又はその複数の部分は、十分な精度で容易に区別されない可能性がある。例では、2つ以上のLOIについて、別の方法であれば同様の基準経路シグネチャ又はその複数の部分を有する可能性がある環境に対処するための1つの方法は、前述のように、デバイス114のIMUからの磁力計読み取り値を使用するか、又は基準経路シグネチャ及び現在の経路シグネチャに組み込み、任意選択で、環境内の様々なLOIの経路又はアプローチのシグネチャ間の更なる区別を作成するのを助けるように環境内に適切に配置された、様々な強度及び/又は磁場方向の電磁石又は他の適切な磁石などの磁気マーカー132、134、136を環境(例えば、100)に設けることである。追加又は代替の例では、現在の経路シグネチャと記憶された基準経路シグネチャ又はその一部分との間の「一致」は、(デバイス114を保持する)ユーザ112が訪れたものとして識別された1つ以上の先行するLOI及び/又はそのような1つ以上の先行するLOIに対応する1つまたは複数の基準経路シグネチャに関するデータと組み合わせて、現在の経路シグネチャが基準経路シグネチャ又はその一部分に実質的に一致する、実質的に整列する、又は対応するという判定に依拠し得る。例えば、ユーザの現在の経路シグネチャが、LOI110の記憶された基準経路シグネチャ又はその一部分、並びにLOI102の記憶された基準経路シグネチャ又はその一部と同様であると判定された場合、ユーザ112が訪れたと判定された1つ以上の直前のLOIに関するデータに基づいて、「一致」が更に判定され得る。例えば、ユーザ112がLOI102よりもLOI110に極めて近いLOI106を以前に訪れたと判定された場合、現在の経路シグネチャに対する最も可能性の高い「一致」は、LOI102に対応する基準経路シグネチャ又はその一部分ではなく、LOI110に対応する基準経路シグネチャ又はその一部分として判定される可能性がある。これらに限定されないが、1つまたは複数のLOIの近接性、1つ以上の先行するLOIに関与するユーザ又は他の人々が1つまたは複数の以前に訪れたパターンなど、1つ以上の先行するLOIに関する任意の適切な情報が使用され得る。
【0041】
いくつかの例では、例示的な方法400における様々なステップ又はステップの組み合わせは、概して、デバイス114を保持又は携行するユーザ112が環境100を動き回る間、連続的に又は実質的に連続的に、事前定義された時間に、周期的に、トリガーイベントの受信、検出、若しくは識別時に、及び/又はランダムに実行され得る。例えば、現在の経路シグネチャを1つ以上の基準経路シグネチャ又はその一部分と比較するステップ(すなわち、ステップ410)、及び「一致」があるかどうかを判定するステップ(すなわち、ステップ412)は、概して、連続的又は実質的に連続的に実行され得る。例えば、ステップ410及び412(並びに/又は方法400の任意の他のステップ)は、概して、連続的又は実質的に連続して発生する実用的効果を与えるように、デバイス114のIMUから、例えば1秒間の読み取り値、2秒間の読み取り値などであるが、これらに限定されない、各読み取り値又は比較的短い一連の読み取り値を受信した後に実行され得る。別の例として、ステップ410及び412(並びに/又は方法400の任意の他のステップ)は、これらに限定されないが、事前定義された秒数(例えば、10秒、20秒など)又は分数(例えば、1分、2分など)ごとなど、周期的に実行され得る。更に別の例では、ステップ410及び412(並びに/又は方法400の任意の他のステップ)は、デバイス114の特定の状態の検出、デバイス114の特定の動き若しくはその欠如の検出、デバイス114における特定のユーザ入力の受信、又は任意の他の適切な検出可能若しくは識別可能なトリガーイベントなどの、トリガーイベントの検出時に実行され得る。例えば、デバイス114が任意の水平方向への移動を実質的に停止した(例えば、ユーザ112が歩行を停止する、又はユーザが座る若しくは横たわる)ことが検出された場合、方法400は、これをトリガーイベントとして識別してもよく、ステップ410及び412(並びに/又は方法400の任意の他のステップ)が実行されてもよい。また、例えば、デバイスにおいて受信された1つ以上のタップ又は他のアクションなどのデバイス114におけるユーザ入力が検出された場合、方法400は、これをトリガーイベントとして識別してもよく、ステップ410及び412(並びに/又は方法400の任意の他のステップ)が実行されてもよい。これらに限定されないが、循環バッファなどのバッファの使用は、ユーザ112の現在の経路又はアプローチに関するデータを長期間にわたって利用可能に保つために、例示的な方法400に組み込まれ得る。
【0042】
いくつかの例では、ユーザ112の現在の経路シグネチャを特定するために複数のIMU読み取り値を使用することに加えて、又はユーザの現在の経路シグネチャを特定するために複数のIMU読み取り値を使用することの代替として、ユーザの現在の経路シグネチャは、1つ以上のIoTデバイスとの相互作用若しくはその状態変化として特定され得、又はそれらを含み得る。特定の例では、(デバイス114を保持する)ユーザ112が環境100内で移動すると、そのようなIoTデバイスの相互作用又は状態変化が監視又は記録され得る。例えば、(デバイス114を保持する)ユーザ112が環境100内で移動すると、スマート電球144及び(例えば、TVに接続されている)スマートスイッチ148がオンになっていると判定され得る。1つまたは複数のIoTデバイスのそのような1つまたは複数の相互作用又は1つまたは複数の監視された状態変化は、ユーザ112の現在の経路シグネチャの少なくとも一部を形成してもよく、ユーザの現在の経路シグネチャと基準経路シグネチャとの間に「一致」があるかどうかを判定するか、又は判定を支援するために、図3に関して前述したように、環境100の1つまたは複数の基準経路シグネチャとして記憶された、又はそれに含まれる任意の1つまたは複数の相関に対して比較又は分析されてもよい。
【0043】
追加又は他の例では、図3に関して上記で説明したように、ユーザ112及び/又はデバイス114と1つ以上のIoTデバイスとの間の相関が、ユーザの現在の経路に対応する任意のIoTデバイスに対する任意のアクション又は状態変化を特定するために使用され得、IoTデバイスは、任意のそのような対応するアクションを取るか、又は任意のそのような対応する状態変化を行うように制御され得る。例えば、ステップ402~412に従って、ユーザ112の現在の経路を特定し、環境100の記憶された基準経路シグネチャ又はその一部分と「一致」させることができる。「一致する」基準経路シグネチャ又はその一部分は、「一致する」基準経路シグネチャに一般に関連付けられる1つ以上のIoTデバイスとの1つ以上の相関に対応する追加のデータを含み得る。例えば、「一致する」基準経路シグネチャ又はその一部分は、ユーザ112をLOI106に配置するか、又はユーザの将来の位置がLOI106であると予測し、スマート電球144及び(例えば、TVに接続されている)スマートスイッチ148が両方とも通常オンになっていることを示す相関データに関連付けられる可能性がある。したがって、デバイス114は、直接若しくはネットワークを介して、及び/又は任意選択でサーバ118などの1つ以上の他のコンピューティングデバイスを通じて、相関に関連付けられた任意の1つまたは複数のIoTデバイスと通信し、相関データによって識別されたアクションを取るように対応する1つまたは複数のIoTデバイスを制御又は命令することができる。例えば、ユーザ112をLOI106に配置する前述の例に従って、スマート電球144及びスマートスイッチ148は、対応する相関データに従って、ユーザのために自動的にオンにすることができる。別の例として、企業又は商業環境では、廊下につながる制御された入口に対応する特定のLOIの基準経路シグネチャは、制御された入口がアクセスされたときに廊下の照明がオンになる、又はオンになるべきであることを示す相関データに関連付けられる可能性がある。したがって、ユーザの現在の経路シグネチャがこの基準経路シグネチャ又はその一部分に「一致する」と判定され、任意選択で、例えば、ユーザが入口にアクセスするための適切な又は検証された認証情報を有する場合、廊下照明は、対応する相関日に従って、(オフである場合に)自動的にオンになり得る。
【0044】
図4のフローチャートは、特定の動作順序を有するような連続的なステップ又はプロセスを含むような例示的な方法を示しているが、フローチャートにおけるステップ又は動作のいくつか又は多くは、並行して又は同時に実行することができ、フローチャートは、本開示の様々な例示的な実施形態の文脈において読まれるべきである。図4に示される方法のステップ又はプロセス動作の順序は、いくつかの実施形態のために再配置され得る。同様に、図4に示される方法は、そこに含まれない追加のステップ又は動作、あるいは示されるものより少ないステップ又は動作を有することができる。更に、図4の例示的な方法のステップの多くは、デバイス114によって実行されてもよく、及び/又はデバイス114によって実行されるものとして説明されている。しかしながら、他の例では、図4の例示的な方法のステップの多くは、サーバ116によって、又はデバイス114とサーバ116との組み合わせによって実行され得る。
【0045】
本明細書で説明されるIMUからの信号に基づいて人の位置を認識するための様々な例及び実施形態は、GNSSからの信号を介した追跡又はRFビーコン及び受信機デバイスを使用する環境との相互作用を必要とせずに、例えば、スマートフォン又はタブレットPCなどの典型的なスマートデバイス上で一般に見られるIMU又はセンサのみを使用して、人の位置及び/又は経路の追跡を有利に可能にする。したがって、本明細書で説明されるIMUからの信号に基づいて人の位置を認識するための様々な例及び実施形態は、例えば、屋内環境又はGNSS信号が減衰する環境における人の位置及び/又は経路の追跡を有利に、正確に、かつ効率的に可能にする。
【0046】
追加の実施例
実施例1は、実行可能プログラムコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、環境内の1つ以上の対象位置(LOI:location of interest)を識別することと、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することと、各基準経路シグネチャについて、基準経路シグネチャを、基準経路シグネチャがどのLOIに対応するかを示すデータとともに記憶することと、を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体に関する主題を含む。
【0047】
実施例2において、実施例1の主題は、環境内の1つ以上のLOIを識別することが、1つ以上のLOIの各々について、環境内の一意の位置にあるデバイスから命令を受信して、一意の位置をLOIとして識別することを含むことを、任意選択で含む。
【0048】
実施例3において、実施例1の主題は、環境内の1つ以上のLOIを識別することが、デバイスが環境全体にわたって移動する際の複数の位置に基づいて、1つ以上のLOIが動的に学習されるトレーニング期間を開始することを含むことを、任意選択で含む。
【0049】
実施例4において、実施例1~3のいずれかの主題は、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することが、1つ以上のLOIのうちの所与のLOIについて、環境内のユーザの経路に沿って所与のLOIまで携行されている慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)から一連の信号を受信することを含むことを、任意選択で含む。
【0050】
実施例5において、実施例4の主題は、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することが、所与のLOIについて、IMUからの一連の信号の少なくとも一部分を環境内の定義された基準座標系に正規化して、正規化された一連の信号を定義することを更に含むことを、任意選択で含む。
【0051】
実施例6において、実施例5の主題は、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することが、所与のLOIについて、正規化された一連の信号を求めて、所与のLOIについての基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含むことを、任意選択で含む。
【0052】
実施例7において、実施例5又は6の主題は、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することが、所与のLOIについて、正規化された一連の信号を処理して処理された信号データを求めることと、処理された信号データを求めて所与のLOIについての基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することとを更に含むことを、任意選択で含む。
【0053】
実施例8において、実施例7の主題は、処理された信号データが、ユーザの経路に対応するステップデータ、ユーザの経路に対応する歩幅データ、及び/又はユーザの経路に対応する進行方向データのうちの少なくとも1つを含むことを、任意選択で含む。
【0054】
実施例9において、実施例7又は8の主題は、処理された信号データが、PAA(Piecewise Aggregate Approximation)に基づく正規化された一連の信号の近似を含むことを、任意選択で含む。
【0055】
実施例10において、実施例7~9のいずれかの主題は、処理された信号データが、SAX(Symbolic Aggregate approXimation)又はSFA(Symbolic Fourier Approximation)のうちの少なくとも1つに基づく正規化された一連の信号のシンボル近似を含むことを、任意選択で含む。
【0056】
実施例11において、実施例4~10のいずれかの主題は、IMUが、加速度計、ジャイロスコープ、又は磁力計のうちの少なくとも1つを含むことを、任意選択で含む。
実施例12において、実施例4~11のいずれかの主題は、IMUからの一連の信号が、加速度計、ジャイロスコープ、又は磁力計のうちの少なくとも1つからの信号を含むことを、任意選択で含む。
【0057】
実施例13において、実施例4~12のいずれかの主題は、IMUからの一連の信号が、加速度計、ジャイロスコープ、又は磁力計のうちの2つ以上からの信号の組み合わせを含むことを、任意選択で含む。
【0058】
実施例14において、実施例1又は2の主題は、1つ以上のLOIの各々についての基準経路シグネチャを決定することが、1つ以上のLOIのうちの所与のLOIについて、所与のLOIと環境内に位置するIoT(Internet-of-Things)デバイスの状態との間の相関を求めることを含むことを、任意選択で含む。
【0059】
実施例15において、実施例14の主題は、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することが、所与のLOIについて、相関を求めて、所与のLOIについての基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含むことを、任意選択で含む。
【0060】
実施例16は、実行可能プログラムコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、環境内で移動するデバイスの現在の経路シグネチャを特定することと、現在の経路シグネチャを、環境内の対象位置(LOI:location of interest)に対応する記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することと、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、デバイスの位置が環境内のLOIの位置と同じであると判定することと、を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体に関する主題を含む。
【0061】
実施例17において、実施例16の主題は、デバイスが慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)を含むことを、任意選択で含む。
実施例18において、実施例17の主題は、IMUが、加速度計、ジャイロスコープ、又は磁力計のうちの少なくとも1つを含むことを、任意選択で含む。
【0062】
実施例19において、実施例17又は18の主題は、デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、IMUが環境内のユーザの経路に沿って携行されている間に、IMUから一連の信号を受信することを含むことを、任意選択で含む。
【0063】
実施例20において、実施例19の主題は、デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、IMUからの一連の信号の少なくとも一部分を環境内の定義された基準座標系に正規化して、正規化された一連の信号を定義することを更に含むことを、任意選択で含む。
【0064】
実施例21において、実施例20の主題は、デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、正規化された一連の信号を求めて、現在の経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含むことを、任意選択で含む。
【0065】
実施例22において、実施例20又は21の主題は、デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、正規化された一連の信号を処理して処理された信号データを求めることと、処理された信号データを求めて所与のLOIについての基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することとを更に含むことを、任意選択で含む。
【0066】
実施例23において、実施例22の主題は、処理された信号データが、ユーザの経路に対応するステップデータ、ユーザの経路に対応する歩幅データ、及び/又はユーザの経路に対応する進行方向データのうちの少なくとも1つを含むことを、任意選択で含む。
【0067】
実施例24において、実施例22又は23の主題は、処理された信号データが、PAA(Piecewise Aggregate Approximation)に基づく正規化された一連の信号の近似を含むことを、任意選択で含む。
【0068】
実施例25において、実施例22~24のいずれか1つの主題は、処理された信号データが、SAX(Symbolic Aggregate approXimation)又はSFA(Symbolic Fourier Approximation)のうちの少なくとも1つに基づく正規化された一連の信号のシンボル近似を含むことを、任意選択で含む。
【0069】
実施例26において、実施例16~25のいずれか1つの主題は、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、現在の経路シグネチャが、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と事前定義された許容範囲内で一致するかどうかを判定することを含むことを、任意選択で含む。
【0070】
実施例27において、実施例16~26のいずれか1つの主題は、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、k最近傍アルゴリズム(k-NN:k-nearest neighbors algorithm)、マハラノビス距離測定(Mahalanobis distance measure)、主成分分析(PCA:principle component analysis)、決定木、人工ニューラルネットワーク(ANN:artificial neural network)、又は、動的時間伸縮(DTW:dynamic time warping)の少なくとも1つを使用して、現在の経路シグネチャ及び記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分を分析することを含むことを、任意選択で含む。
【0071】
実施例28において、実施例25の主題は、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、順序付けられていない類似性モデル(unordered similarity model)又は順序付けられた類似性モデル(ordered similarity model)のうちの少なくとも1つを使用して、現在の経路シグネチャを記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することを含むことを、任意選択で含む。
【0072】
実施例29において、実施例16~28のいずれか1つの主題は、デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、デバイスが環境内で移動している期間中に実質的に連続的又は周期的に実行されることを、任意選択で含む。
【0073】
実施例30において、実施例16~28のいずれか1つの主題は、デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、トリガーイベントの識別時に実行されることを、任意選択で含む。
【0074】
実施例31において、実施例16~30のいずれか1つの主題は、現在の経路シグネチャを記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することが、デバイスが環境内で移動している期間中に実質的に連続的に又は周期的に実行されることを、任意選択で含む。
【0075】
実施例32において、実施例16~30のいずれか1つの主題は、現在の経路シグネチャを記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することが、トリガーイベントの識別時に実行されることを、任意選択で含む。
【0076】
実施例33において、実施例16~32のいずれか1つの主題は、実行可能プログラムコードが更に、1つ以上のプロセッサに、LOIと環境内に位置するIoT(Internet-of-Things)デバイスの状態との間の相関を識別させ、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、相関に対応するIoTデバイスの状態に基づいてIoTデバイスの状態変化を起こさせることを、任意選択で含む。
【0077】
実施例34は、環境を較正するための主題(方法など)を含む。この方法は、環境内の1つ以上の対象位置(LOI:locations of interest)を識別することと、1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することと、各基準経路シグネチャについて、基準経路シグネチャを、該基準経路シグネチャがどのLOIに対応するかを示すデータとともに記憶することとを含む。
【0078】
実施例35は、環境内のデバイスの位置を特定するための主題(方法など)を含む。この方法は、環境内で移動するデバイスの現在の経路シグネチャを特定することと、現在の経路シグネチャを、環境内の対象位置(LOI:location of interest)に対応する記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することと、記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、デバイスの位置が環境内のLOIの位置と同じであると判定することとを含む。
【0079】
追加の注記
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照を含む。図面は、実施され得る所定の実施形態を例示として示す。また、これらの実施形態は、本明細書においては「例」と呼称されてもよい。このような実施形態又は例は、図示及び記載されているものに加えて、要素を含みうる。但し、本発明者らは、図示又は記載されている要素のみが提供される例をも想定している。更には、本発明者らは、特定の例(又は、その1つ又は態様)との関係において又は本明細書において図示又は記載されているその他の例(又は、その1つ又は複数の態様)との関係において図示又は記載されている要素の任意の組合せ又は順列を使用する例(又は、その1つ又は複数の態様)をも想定している。すなわち、上述の実施形態若しくは例、又はその1つまたは複数の態様、特徴、若しくは要素は、相互に組み合わせて使用することができる。
【0080】
当業者によって理解されるように、本開示の種々の実施形態は、方法(例えば、コンピュータ実装プロセス、ビジネスプロセス、および/または任意の他のプロセスを含む)、装置(例えば、システム、機械、デバイス、コンピュータプログラム製品、および/または同等物を含む)、または前述のものの組み合わせとして具現化されてもよい。したがって、本開示の実施形態またはその一部は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。さらに、本開示の実施形態は、本明細書で説明されるプロセスまたは方法を定義する、媒体内に具現化されたコンピュータ実行可能プログラムコードを有する、コンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。1つまたは複数のプロセッサは、コンピュータ実行可能プログラムコードによって定義された必要なタスクを実行することができる。本開示の文脈では、コンピュータ可読媒体は、本明細書において開示されるシステムによって、またはそれと関連して使用するためのプログラムを含有、記憶、通信、または移送することができる、任意の媒体であってもよい。上述したように、コンピュータ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体のシステム、装置、又はデバイスとすることができるが、これらに限定されない。適切なコンピュータ可読媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、またはポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはEEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、または他の光学、磁気、またはソリッドステート記憶デバイスなどの有形の記憶媒体を含むが、これらに限定されない。上述したように、コンピュータ可読媒体は、これと混同されるべきではないが、コンピュータ可読媒体のすべての物理的、非一時的、または類似の実施形態をカバーすることを意図したコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0081】
前述の説明では、例示および説明の目的で、本開示の様々な実施形態が提示された。それらは、網羅的であることも、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、明らかな変更または変形が可能である。種々の実施形態は、本開示の原理およびそれらの実用的な応用の最も良好な例示を提供し、当業者が、企図される特定の用途に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態を利用することを可能にするために選択され、記載された。全てのそのような変更および変形は、それらが公正、法的および公平に権利を有する範囲に従って解釈された場合、添付の特許請求の範囲によって特定される本開示の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境を較正するための方法であって、
前記環境内の1つ以上の対象位置(LOI)を識別することと、
前記1つ以上のLOIの各々について基準経路シグネチャを決定することと、
各基準経路シグネチャについて、前記基準経路シグネチャを、該基準経路シグネチャがどのLOIに対応するかを示すデータとともに記憶することと、を備える方法
【請求項2】
前記環境内の前記1つ以上のLOIを識別することが、
前記1つ以上のLOIの各々について、前記環境内の一意の位置にあるデバイスから命令を受信して、前記一意の位置をLOIとして識別することを含む、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記環境内の前記1つ以上のLOIを識別することが、
デバイスが環境全体にわたって移動する際の複数の位置に基づいて、前記1つ以上のLOIが動的に学習されるトレーニング期間を開始することを含む、請求項1に記載の方法
【請求項4】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記1つ以上のLOIのうちの所与のLOIについて、前記環境内のユーザの経路に沿って所与のLOIまで移動されている慣性測定ユニット(IMU)から一連の信号を受信することを含む、請求項1に記載の方法
【請求項5】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
所与のLOIについて、前記IMUからの前記一連の信号の少なくとも一部分を前記環境内の定義された基準座標系に正規化して、正規化された一連の信号を定義することを更に含む、請求項4に記載の方法
【請求項6】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
所与のLOIについて、前記正規化された一連の信号を求めて、前記所与のLOIについての前記基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含む、請求項5に記載の方法
【請求項7】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記所与のLOIについて、前記正規化された一連の信号を処理して処理された信号データを求めることと、
前記処理された信号データを用いて前記所与のLOIについての前記基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することと、を更に含む、請求項5に記載の方法
【請求項8】
前記処理された信号データが、前記ユーザの前記経路に対応するステップデータ、前記ユーザの前記経路に対応する歩幅データ、及び前記ユーザの前記経路に対応する進行方向データのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法
【請求項9】
前記処理された信号データが、PAA(Piecewise Aggregate Approximation)に基づく前記正規化された一連の信号の近似を含む、請求項7に記載の方法
【請求項10】
前記処理された信号データが、SAX(Symbolic Aggregate approXimation)又はSFA(Symbolic Fourier Approximation)のうちの少なくとも1つに基づく正規化された一連の信号のシンボル近似を含む、請求項7に記載の方法
【請求項11】
前記IMUが、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法
【請求項12】
前記IMUからの前記一連の信号が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの少なくとも1つからの信号を含む、請求項4に記載の方法
【請求項13】
前記IMUからの前記一連の信号が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの2つ以上からの信号の組み合わせを含む、請求項4に記載の方法
【請求項14】
前記1つ以上のLOIの各々についての前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記1つ以上のLOIのうちの所与のLOIについて、前記所与のLOIと前記環境内に位置するIoT(Internet-of-Things)デバイスの状態との間の相関を求めることを含む、請求項1に記載の方法
【請求項15】
前記1つ以上のLOIの各々について前記基準経路シグネチャを決定することが、
前記所与のLOIについて、前記相関を求めて、前記所与のLOIについての前記基準経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含む、請求項14に記載の方法
【請求項16】
実行可能プログラムコードを含むコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに請求項1~15のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
環境内のデバイスの位置を特定するための方法であって、
前記環境内で移動する前記デバイスの現在の経路シグネチャを特定することと、
前記現在の経路シグネチャを、前記環境内の対象位置(LOI)に対応する記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することと、
記憶された前記基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、前記デバイスの位置が前記環境内のLOIの位置と同じであると判定することと、を備える方法
【請求項18】
前記デバイスが、慣性測定ユニット(IMU)を含む、請求項17に記載の方法
【請求項19】
前記IMUが、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法
【請求項20】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記IMUが前記環境内のユーザの経路に沿って移動されている間に、前記IMUから一連の信号を受信することを含む、請求項18に記載の方法
【請求項21】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記IMUからの前記一連の信号の少なくとも一部分を前記環境内の定義された基準座標系に正規化して、正規化された一連の信号を定義することを更に含む、請求項20に記載の方法
【請求項22】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記正規化された一連の信号を求めて、前記現在の経路シグネチャの少なくとも一部を形成することを更に含む、請求項21に記載の方法
【請求項23】
前記デバイスの前記現在の経路シグネチャを特定することが、
前記正規化された一連の信号を処理して処理された信号データを求めることと、
処理された前記信号データを用いて前記現在の経路シグネチャの少なくとも一部を形成することと、を更に含む、請求項21に記載の方法
【請求項24】
前記処理された信号データが、
前記ユーザの前記経路に対応するステップデータ、前記ユーザの前記経路に対応する歩幅データ、及び前記ユーザの前記経路に対応する進行方向データのうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法
【請求項25】
前記処理された信号データが、
PAA(Piecewise Aggregate Approximation)に基づく前記正規化された一連の信号の近似を含む、請求項23に記載の方法
【請求項26】
前記処理された信号データが、
SAX(Symbolic Aggregate approXimation)およびSFA(Symbolic Fourier Approximation)のうちの少なくとも1つに基づく正規化された一連の信号のシンボル近似を含む、請求項23に記載の方法
【請求項27】
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、
前記現在の経路シグネチャが、前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と事前定義された許容範囲内で一致するかどうかを判定することを含む、請求項17に記載の方法
【請求項28】
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、
k最近傍アルゴリズム(k-NN)、マハラノビス距離測定、主成分分析(PCA)、決定木、人工ニューラルネットワーク(ANN)、又は、動的時間伸縮(DTW)の少なくとも1つを使用して、前記現在の経路シグネチャ及び前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分を分析することを含む、請求項17に記載の方法
【請求項29】
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応するかどうかを判定することが、
順序付けられていない類似性モデル又は順序付けられた類似性モデルのうちの少なくとも1つを使用して、前記現在の経路シグネチャを前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することを含む、請求項26に記載の方法
【請求項30】
前記デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、前記デバイスが前記環境内で移動している期間中に実質的に連続的又は周期的に実行される、請求項17に記載の方法
【請求項31】
前記デバイスの現在の経路シグネチャを特定することが、トリガーイベントの識別時に実行される、請求項17に記載の方法
【請求項32】
前記現在の経路シグネチャを前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することが、前記デバイスが前記環境内で移動している期間中に実質的に連続的に又は周期的に実行される、請求項17に記載の方法
【請求項33】
前記現在の経路シグネチャを前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分と比較することが、トリガーイベントの識別時に実行される、請求項17に記載の方法
【請求項34】
前記LOIと前記環境内に位置するIoT(Internet-of-Things)デバイスの状態との間の相関を識別することと、
前記記憶された基準経路シグネチャの少なくとも一部分に前記現在の経路シグネチャが対応すると判定された場合、前記相関に対応するIoTデバイスの状態に基づいてIoTデバイスの状態変化を起こさせることと、をさらに備える請求項17に記載の方法
【請求項35】
実行可能プログラムコードを含むコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能プログラムコードは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに請求項17~34のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】