(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】パイプ内で使用するためのドローン
(51)【国際特許分類】
B61B 13/08 20060101AFI20240920BHJP
B61B 13/10 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B61B13/08 Z
B61B13/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024516867
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 GB2022052417
(87)【国際公開番号】W WO2023047128
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521437758
【氏名又は名称】ハイパートンネル アイピー リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】ミークス,アラン
(57)【要約】
損傷の調査を実行し、場合によって修理を行うために、ロボットをパイプ内に配備することが知られている。そのようなロボットは自走式であり得るが、いくつかの用途では、それらは接続ラインを介して制御され、ケーブルに沿って電気信号もしくは光信号を伝達する、及び/またはホースを介して空気圧もしくは油圧を伝達する。しかしながら、これらのシステムでは、いくつかの欠点が存在する。本発明はパイプ(71)内で使用するためのドローンを提供し、ドローンは、パイプに沿ってドローンの運動を可能にするように構成された複数のホイール(5)と、ペイロード(15)を内部に保持するように構成されたペイロードベイと、ドローンとの通信を可能にするように構成された無線通信デバイスと、を備える。このように、ドローンは、扱いにくい通信ケーブルを必要とせず、パイプ(71)を下りながら、ユーザーによってリモートで操作され得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ内で使用するためのドローンであって、
パイプに沿って前記ドローンの運動を可能にするように構成された複数のホイールと、
ペイロードを内部に保持するように構成されたペイロードベイと、
前記ドローンとの通信を可能にするように構成された無線通信デバイスと、
を備える、ドローン。
【請求項2】
前記無線通信デバイスは、そのような別の自動ドローンとの通信を可能にするように構成される、請求項1に記載のドローン。
【請求項3】
そのような別のドローンに接続するカップリングをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のドローン。
【請求項4】
前記カップリングは、前記ドローンの間で消耗品の伝送を提供するように構成される、請求項3に記載のドローン。
【請求項5】
前記ペイロードベイは、ペイロードを内部で取り外し可能に受けるように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のドローン。
【請求項6】
さらに、前記ドローンが横側ホイールを備えることにより、前記ドローンは、前記パイプの軸を中心に回転して、前記パイプ内で他のドローンを通過できるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のドローン。
【請求項7】
前記ドローンはさらに前記ドローンの一端にガイドを備え、前記ガイドは、そのような別のドローンを前記ドローンの周りに向かわせるように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のドローン。
【請求項8】
前記ガイドは、前記ドローンを、前記パイプの前記軸の周りで横方向に移動させるように構成されたらせん状斜面を含み、その結果、前記ドローンは、前記パイプ内で前記他のドローンを通過できる、請求項7に記載のドローン。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の複数のドローンを備えるシステム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の前記ドローン(複数可)を動作させる方法であって、パイプ内で前記ドローンと無線で通信するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、パイプ内で使用するためのドローン、そのような複数のドローンを備えるシステム、及び該ドローンを操作する方法に関し、排他的ではないが、トンネル掘削作業における特定の利用を見つける。
【背景技術】
【0002】
損傷の調査を実行し、場合によって修理(損傷したパイプをフライス加工、研削、ならびに/もしくは充填すること、及び/または成形ならびに/もしくは射出により、そのようなパイプを修理することを含む)を行うために、ロボットをパイプ、特に下水管の中に配備することが知られている。そのようなロボットは、多くの場合、接続ケーブルを介して、リモートオペレーターに映像を中継するための検査カメラが設けられている。そのようなロボットは自走式であり得るが、いくつかの用途では、それらは接続ラインを介して制御され、ケーブルに沿って電気信号もしくは光信号を伝達する、及び/またはホースを介して空気圧もしくは油圧を伝達する。しかしながら、これらのシステムでは、いくつかの欠点が存在する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によると、パイプ内で使用するためのドローンを提供し、ドローンは、パイプに沿ってドローンの運動を可能にするように構成された複数のホイールと、ペイロードを内部に保持するように構成されたペイロードベイと、ドローンとの通信を可能にするように構成された無線通信デバイスと、を備える。
【0004】
このように、ドローンは、扱いにくい通信ケーブルを必要とせず、パイプを下りながら、ユーザーによってリモートで操作され得る。
【0005】
無線通信は、無線周波数(RF)、Wi-Fi、光通信、及び/またはソニック通信を含む、任意の既知の技術を用いて行われ得る。そのような通信は実質的にパイプに沿って行われ得る、及び/または、パイプが設置される基板を経由する通信を含み得る。
【0006】
無線通信デバイスは、そのような別の自動ドローンとの通信を可能にするように構成され得る。
【0007】
このように、周囲の地質に阻止され得るパイプに沿った通信は、メッセージを中継するために追加ドローンを使用することによって、例えば、メッシュネットワークをドローンの間に形成することによって、長距離にわたって実現できる。
【0008】
また、これは、サーフェスオペレーターとドローンとの間で、及び/もしくはパイプに沿って分離されたドローンの間で、または異なるパイプに存在するドローンの間で、通信を可能にし得、例えば、その結果、動作は同期できる。サーフェスオペレーターは、人間を含み得るが、同様に、オペレーションプロセッサ及び/または制御システムを備え得る。
【0009】
ドローンは、さらに、そのような別のドローンに接続するカップリングを備え得る。
【0010】
このように、ドローンは列を形成し得、それにより、ドローンは、第2のドローン及び/または追加ドローンを押し得る及び/または引き得る。ドローンの列は、2つ以上のドローン、例えば、2つだけのドローン、あるいは、3つだけ、4つだけ、5つだけ、もしくは6つだけのドローン、または少なくとも3つの、4つの、5つの、もしくは6つのドローンを含み得る。
【0011】
カップリングは、ドローンの間で消耗品の伝送を提供するように構成され得る。
【0012】
しかしながら、いくつかの配置では、消耗品及び/または機器の伝送は、異なる機構を介して行われ得る。例えば、互いに隣接するとき、ドローンは、それらの各々のペイロードベイの間で直接、ペイロードを伝送し得る。具体的には、パイプ内で互いを通過するとき、2つのドローンは、例えば、その上面が背中合わせに配置されるとき、それらのドローンの上面の開口部を通って、それらの各々のペイロードベイの間で直接ペイロードを伝送し得る。
【0013】
このように、電源、材料、及び/または機器等の消耗品は、ドローンの間で共有され得る。例えば、ドローンには、ドローンの列における別のドローンに位置するツールに給電するための電源が設けられ得る。より一般的には、ドローンは単独で動作し得る、またはドローンは、列に配置された1つ以上の追加ドローンと一緒に動作し得る。その結果、一方のドローンは電力を提供し、別のドローンは列を移動させるための駆動ユニットを提供し、そして、また別のドローンは、パイプを下るアクティビティを実施するための機器を提供する。
【0014】
ペイロードベイは、ペイロードを内部で取り外し可能に受けるように構成され得る。
【0015】
このように、ペイロードは交換可能であり得る。しかしながら、代替案として、ペイロード(複数可)は、ペイロード内に永久的に配置され得る。
【0016】
ペイロードベイは、1つだけのペイロード、または複数のペイロードを内部に保持するように構成され得る。
【0017】
ペイロードは、ドローンに搭載して使用するために、またはパイプの内側もしくは外側に配備するために、電源(例えば、バッテリーまたは複数のバッテリー)、ホイールを駆動するための駆動ユニット(例えば、電気モーター)、ツール(例えば、ドリル、ドリルビット、流体噴射システム、ノズル、及び/または3Dプリンタ)、消耗品(例えば、流体、ガス、水、グラウト、及び/またはセメント)、機器(例えば、カメラ、センサー、地中探知レーダー、地震監視機器、及び/または断層撮影機器)のうちの1つ以上を含み得る。
【0018】
このように、機器及び/または材料をパイプの内側かつ外側に配備し、パイプのセクションを修理し、残骸を取り除くために、及び/または動けなくなった機器(そのような他のドローンを含む)を救出/救助するために、ドローンを使用し得る。
【0019】
ドローンには、外部シェル及び/またはハウジングが設けられ得る。
【0020】
ドローンは、リモート及び/または手動で操作され得る。任意のリモート動作は、自動制御システムを用いて、または他の手段によって行われ得る。代替的または追加的に、ドローンは十分に及び/または部分的に自律的であり得る(例えば、ドローンは、人工知能によって、事前にプログラムされ得る、または制御され得る)。
【0021】
ドローンには、カメラ及び/または他のセンサーが設けられ得、それらは、映像及び/もしくは他のフィードバックを、リモートオペレーターに提供する、または画像認識及び/もしくは機械学習のために、リモートプロセッサもしくはローカルプロセッサに提供する。
【0022】
ホイールは自由に回転し得る、または、ホイールは駆動ユニットによって駆動され得る。軌道は少なくとも2つのホイールの間で拡張し、キャタピラー軌道を形成し得る。しかしながら、好ましい配置では、軌道が存在しない。
【0023】
ドローンは、ドローンの位置をパイプに固定するロックを含み得る。ロックは、単に、ホイールの回転を防止するための手段を備え得る。しかしながら、代替/追加の配置では、ロックは、ドローンから外に拡張するために、くさび及び/または歯を含み得る、それらにより、パイプの一部を把持して、パイプの中での運動を防止する。
【0024】
ホイールは全方向性ホイールを備え得る。代替的または追加的に、ホイールは、パイプに沿って運動するために縦運動のための縦ホイール(例えば、ドローンの長さと整列する)を含み得る。随意に、ホイールは、パイプの軸を中心に運動するための、例えば、縦ホイールの運動に対して垂直に運動するための横側ホイールを備え得る。横側ホイールは、パイプの軸の周りでペイロードの方向付けを可能にし得る。
【0025】
具体的には、ドローンは、さらに、ドローンがパイプの軸を中心に横方向に移動できるように構成され得る。
【0026】
このように、または代替手段を使用して、ペイロードは、水平及び垂直を含む、実質的にパイプから外に向かう任意の方向に方向付けされ得る。さらに、ドローンは、直線、湾曲、水平、及び垂直を含む、任意の形状及び構成のパイプ内で動作し得る。
【0027】
このように、ドローンは、パイプ内で相互を通過することが可能であるにように、横方向に移動することが可能であり得る。具体的には、横側運動はパイプの軸を中心に回転することを含み得、これにより、各々のドローンは、互いに邪魔にならないように移動し得る。
【0028】
ドローンは、さらに、その一端または両端(複数可)にガイドを備え得、ガイドは、そのような別のドローンをドローンの周りに向かわせるように構成される。
【0029】
ガイドは斜面を含み得る。斜面は、螺旋のセクション、例えば、1/4または半回転のセクションを形成し得る。このように、斜面により、ドローンまたはそのような別のドローンが、パイプの軸の周りで横方向に移動し得ることにより、各ドローンは他のドローンを通過できる。ガイドは、ドローンを、パイプの軸の周りで横方向に移動させるように構成されたらせん状斜面を含み得、その結果、ドローンは、パイプ内で他のドローンを通過できる。
【0030】
ドローンは、実質的に半円であるプロファイルを有し得る。このように、そのような2つのドローンは、実質的に同じ直径の単一の円形パイプで相互を通過し得る。
【0031】
しかしながら、いくつかの配置では、一方のドローンは、円の半分未満、例えば、円の1/3のプロファイルを有し得る。他の配置では、一方のドローンは、円の半分より大きい、例えば、円の2/3のプロファイルを有し得る。このように、1/3のプロファイルのドローンは、2つの半円断面のドローンと同様の方式で2/3のプロファイルのドローンを通過し得る。
【0032】
ドローンは、例えば、動作を中止する、邪魔にならないように移動する、またはドローン自体を適所に固定することによって、各ドローンがより高いランクのドローンに譲るように、ランクがプログラムされ得る。その結果、より高いランクのドローンが通過し得る。
【0033】
いくつかの配置では、ドローンは、パイプの機器のピースによって後で使用するために、パイプを通してホースまたはケーブルを引っ張り得る。例えば、一方のドローンは、グラウト/セメントを、パイプを下って供給する際に、後で使用するために、ドローンの後方にホースを引っ張り得る。
【0034】
本発明の第2の態様によると、先行請求項のいずれかに記載の複数のドローンを備えるシステムが提供される。
【0035】
本発明の第3の態様によると、先行請求項のいずれかに記載のドローン(複数可)を動作させる方法が提供され、パイプ内でドローンと無線で通信するステップを含む。
【0036】
本発明の上記の及び他の特性、特徴、及び利点は、例として、本発明の原理を示す添付図と併せて理解される以下の詳細な説明から明らかになる。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、単なる例のために与えられる。下記に引用される参照図は、添付図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図5】単一のトンネル掘削作業で使用されている複数のドローンの図である。
【
図6】第2のドローンのらせん状斜面の動作を示す。
【
図10】互いを通過する2つの非対称ドローンの端面図である。
【
図11】
図10の非対称ドローンのうちの第1のドローンの斜視図である。
【
図12】
図10の非対称ドローンのうちの第2のドローンの斜視図である。
【
図13】
図10の非対称ドローンのうちの第2のドローンの拡張ホイールの斜視図である。
【
図14】
図10の非対称ドローンのうちの第1のドローンのホイールの斜視図である。
【
図15】
図10の非対称ドローンのうちの第1のドローンの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は特定の図面に関して説明されるが、本発明は、その図面に限定されないが、「特許請求の範囲」だけによって限定される。説明される図面は単に概略的であり、非限定的である。各図面は、本発明の特徴の全てを含まない場合があり、ひいては、必ずしも、本発明の実施形態であると考えるべきではない。図面では、要素の一部のサイズを強調し、例示の目的のために縮尺どおりに描かれていない場合がある。寸法及び相対寸法は、本発明の実施に合わせて実際の縮図に対応していない。
【0039】
さらに、明細書及び「特許請求の範囲」における「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも、時間的に、空間的に、順位付け方式、または任意の他の方式のいずれかで、順序を説明するために使用されない。そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であることと、動作は本明細書に説明されるまたは示される以外の順序で可能であることとを理解されたい。同様に、特定の順序で説明または特許請求される方法のステップは、異なる順序で動作することが理解され得る。
【0040】
さらに、明細書及び「特許請求の範囲」における「上面」、「底面」、「~の上に」、「~の下に」等の用語は、説明の目的のために使用され、必ずしも、相対位置を説明するために使用されない。そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であることと、動作は本明細書に説明されるまたは示される以外の配向で可能であることと、を理解されたい。
【0041】
「特許請求の範囲」に使用される「備える、含む(comprising)」という用語は、以下に列挙される手段に制限されるように解釈するべきではなく、それは、他の要素またはステップを除外しないことに留意されたい。したがって、言及されるような記述された特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップもしくは構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を除外しないものとして解釈するべきである。したがって、「手段A及び手段Bを備えるデバイス」という語句の範囲は、構成要素A及び構成要素Bだけから成るデバイスに限定するべきではない。本発明に関して、デバイスの関連構成要素だけがA及びBであることを意味する。
【0042】
同様に、明細書に使用される「接続される」という用語は、直接接続だけに制限されるものとして解釈するべきではないことに留意されたい。したがって、「デバイスBに接続されたデバイスA」という語句の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続されるデバイスまたはシステムに限定するべきではない。他のデバイスまたは手段を含む経路であり得る、Aの出力とBの入力との間の経路が存在することを意味する。「接続される」は、2つ以上の要素が直接的物理的接触もしくは電気接触のいずれかであること、または2つ以上の要素が、相互に直接接触しないが、それでも相互に協働するまたは相互作用することを意味し得る。例えば、無線接続が想到される。
【0043】
本明細書全体にわたる「実施形態」または「態様」への言及は、実施形態または態様に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「一実施形態では」、「ある実施形態では」、または「ある態様では」という語句の出現は、必ずしも、全て、同じ実施形態または態様を指すわけではないが、異なる実施形態または態様を指し得る。さらに、本発明の任意の1つの実施形態または態様の特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態または態様では、本開示から当業者に明らかであろうように、本発明の別の実施形態または態様の任意の他の特定の特徴、構造、または特性と任意の適切な様式で組み合わされ得る。
【0044】
同様に、説明では、本発明の様々な特徴は、時々、本開示を簡略化し、様々な発明に関する態様の1つ以上の理解を助ける目的のために、単一の実施形態、図、またはそれらの説明において一緒にグループ化されることを認識するべきである。しかしながら、本開示の方法は、請求項に係る発明は、各請求項で明示的に列挙されるものよりも多い特徴を要求する意図を反映するものとして解釈するべきではない。さらに、任意の個々の図面または態様の説明は、必ずしも、本発明の実施形態と考えるべきではない。むしろ、以下の「特許請求の範囲」が反映されるとき、発明に関する態様は、単一の前述の開示した実施形態の全ての特徴よりも少なく存在する。したがって、「発明を実施するための形態」に続く「特許請求の範囲」は、本明細書によって、この「発明を実施するための形態」に明示的に組み込まれ、各請求項は、本発明の独立した実施形態として、その請求項自体を主張する。
【0045】
さらに、本明細書に説明されるいくつかの実施形態は他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあることを意味し、当業者によって理解されるように、またさらなる実施形態を形成する。例えば、以下の請求項では、請求される実施形態のいずれかを任意の組み合わせで使用できる。
【0046】
本明細書に提供される説明では、多くの特定の詳細が説明される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細がなくても実践され得ることが理解される。他の場合、周知の方法、構造、及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないために、詳細に示されていない。
【0047】
本発明の説明では、反対の主旨が記述されない限り、該値の1つが他のものよりもかなり好ましい指標と合わせられたパラメーターの許容範囲の上限または下限に関する代替値の開示は、該代替のより好ましい値と、好ましくない値との間に存在する該パラメーターの中間値のそれぞれ自体が、該好ましくない値に対する好ましい、また、該好ましくない値と該中間値との間に存在する値のそれぞれに対する好ましい、として読み取れる情報として解釈されたい。
【0048】
「少なくとも1つ」という用語の使用は、特定の状況において1つだけを意味し得る。「いずれかの、任意の」という用語の使用は、特定の状況において「全て」及び/または「それぞれ」を意味し得る。
【0049】
本発明の原理は、ここで、例示的な特徴に関して、少なくとも1つの図面の詳細な説明によって説明される。他の配置は、基本的概念または技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成できることは明らかであり、本発明は添付の「特許請求の範囲」の用語だけによって限定される。
【0050】
図1は、一連の4つのアクセスパネル3が配置された平坦上面1を有する第1のドローンの斜視図である。ドローンは、その長さの大部分に沿って実質的に半円断面を有し、複数のホイール5が搭載される均一湾曲面によって形成される。ホイール5は、実質的にディスク形であり、ほとんど、ドローンの表面内に組み込まれる。
【0051】
ドローンの各端に、2つの目的を果たす端面がある。端部の第1の部分7は実質的に1/4円断面を有し、3つのコネクタ9(列を形成するために一緒に複数のドローンを結合するに適切である)が設けられている。コネクタ9は、物理的、機械的、電気的、または流体的なコネクタであり得る。
【0052】
端部の第2の部分11は1/4回転したらせん状斜面を含み、その動作は、
図6を参照して、後でより詳細に説明される。
【0053】
図2は第2のドローンの斜視図であり、第2のドローンは、第1のドローンと同様であるが、機器を保管し得る内部領域へのアクセスを提供するちょうど2つのドア13が第2のドローンの上面に設けられている点で異なる。図では、ドリル15の形態の機器のピースが内部領域から動作位置に配備されることが示される。また、ドリル15を作動させるための駆動機器は内部領域内に存在し得るが、これは示されていない。
【0054】
さらに、第2のドローンは第1のドローンと異なり、具体的には、少数の球状ボールホイール17の装備が第2のドローンの湾曲面に配置されていることと、コネクタが見えないことが異なる。しかしながら、電磁気的コネクタが端部の第1の部分7の内部に位置し得ることを認識されたい。
【0055】
図3は第3のドローンの斜視図であり、第3のドローンは第1のドローンと同様であるが、長さが短く、ひいては、第3のドローンの長さに沿って、少数のホイールが設けられている。第2のドローンと同様に、第3のドローンは、機器を保管し得る内部領域へのアクセスを提供するその上面に、ちょうど2つのドア19を有する。しかしながら、この配置では、ドア19は2つに折り畳まれている。機器21の異なるピースは、ドリル15と同様の方式で、内部領域から配備された状態で示される。
【0056】
図4は、第3のドローンと同様の第4のドローンの斜視図であるが、内部領域へのアクセスを提供するドアの代わりに、2つのポップアウトデバイス23は、第4のドローンの上面から外に上昇するように構成されている。これらのデバイスは、監視用途を行うためのライト、カメラ、または他のセンサーであり得る。
【0057】
図5は、単一のトンネル掘削作業で使用されている複数のドローンの図である。12個の個々のパイプ25は、意図されたトンネル開口部26を、U字型プロファイルの基盤(示されない)から拡張している状態で示される。図の底部の左から時計回りに移動するように示される。第1のパイプでは、4つのドローンの列27はトンネルの中に移動している状態で示される。第2のパイプでは、第1のドローン29はパイプを通ってドリルが回るように示され、第2のドローン31は第1のドローン29に向かって後退する。第3のパイプでは、単一のドローン33はパイプを通ってドリルが回るように示される。第4のパイプは空の状態で示される。第5のパイプでは、単一のドローン35はパイプを通ってドリルが回るように示される。第6のパイプでは、第1のドローン37は上下逆に示され、第2のドローン39はパイプを下って移動している状態で示される。第7のパイプでは、3つのドローン41の列、及び単一のドローン43は静止状態で示される。第8のパイプでは、単一のドローン44はパイプを通ってドリルが回るように示される。第9のパイプでは、ドローン45,47は相互に向かって移動している状態で示される。第10のパイプでは、第1のドローン49はパイプを通ってドリルが回るように示される一方、第2のドローン51はそこから離れてパイプを下って移動している状態が示されている。第11のパイプでは、2つのドローン53は相互を通過している状態で示される。そして、第12のパイプでは、2つのドローン55,57は、各々、上向きに及び外向きにドリルが回っているように示される。
【0058】
図6は、第2のドローンのらせん状斜面の動作を示す。図の上部では、そのような2つのドローンは、互いに向かって移動している状態で示され、それらの各々のらせん状斜面部11は整列している。2つのドローンが相互に向かって移動すると、それらの各々のらせん状斜面部11は噛み合って、その共通軸を中心にドローンの相対的回転が生じるように力をかける。本発明の図では、分かりやすくするために、複数のドローンのうちの1つが静止されたままの状態で示され、その状態は、ドローンをパイプ壁に対してロックすることによって実現され得る。しかしながら、それらの両方が通過するために、1/4だけ回転して移動し得ることを認識されたい。
【0059】
図7は、
図6に示される通過動作で係合している2つの第5のドローンの斜視図である。これらのドローンのそれぞれについて、それらには接続部に4つのコネクタ59と、それらの各々の端に隣接して位置するボールホイール61とが設けられている点で異なる。
【0060】
らせん部11のそれぞれに隣接して、上面から突出可能に構成される拡張ホイール63がある。したがって、拡張ホイール63は、その近位端が、別のドローンの遠位端を伴うらせん部11に係合するとき、ドローンの遠位端を支持することが可能である。
【0061】
図8は、旋回可能リングセクション65の形態の
図7の拡張ホイールの代替である第6のドローンの斜視図であり、旋回可能リングセクション65に、均一湾曲面のホイール5と同様に、複数のリングホイール67が提供される。
【0062】
この第6のドローンは、実際に、一緒に接合された2つのセクション69として形成され、それらのセクションの間に、らせん部がない。むしろ、らせん部は、単に、どちらかの端に配置される。
【0063】
図9は、ドローンの列の概略図である。らせん部は、分かりやすくするために、どちらかの端にも示されなく、代替の配置が示される。
【0064】
列の前方において、駆動ユニットは、列の位置を駆動及び監視するために、牽引ホイール90及びエンコーダーが設けられる。駆動ユニットは、駆動ユニットを給電及び制御するためのバッテリー及びプロセッサ91を収容する。ボールホイール92は、駆動ユニットの周縁の周りに提供され、駆動ユニットが横方向に位置することを可能にする。最後に、鋳造ホイール93は、パイプに沿って運動を補助するために提供される。
【0065】
駆動ユニットに続いて、コネクタ94によって駆動ユニットに連結された3つの部分から成るキャリッジがあり、そのキャリッジは、同一の2つの回転ユニットの間に位置する中央ペイロードベイを含む。回転ユニットは、それぞれ、それに関連するペイロードベイを回転させるためのモーター95を備える。エンコーダー96は、回転ユニットに対するペイロードの回転位置を判定するために、ペイロードベイに提供される。
【0066】
モーター95がペイロードベイを回転させるとき、回転ユニットの予想外の運動を防止するために、突出/後退可能ロッキングピン97は、列が動作中であるパイプの内側表面と係合するために提供される。ロッキングピン97は、介在カップリング99を介して、アクチュエーター98で作動する。
【0067】
図10はパイプ71の端面図であり、パイプ71の内側では、互いを通過する2つの非対称のドローンが配置されている。1/4のドローン73がパイプの下部に配置され、ボールホイール17がパイプ71の下部内側表面に係合し、拡張ホイール72は1/4のドローン73の上を通過する3/4のドローン75に係合する。3/4のドローン75は、全方向性ホイール77がパイプ71の側面及び上部内側表面に係合している状態で示される。
【0068】
図11は
図10の3/4のドローン75の斜視図であり、追加の詳細は、その近位端でコネクタ81の形態で示される。さらに、アクセス穴83は、ドリルビット85がすぐに配備できる状態で提供される。
【0069】
図12は、
図10の1/4のドローン73の斜視図であり、各端に拡張ホイール72を示す。上面87はアクセスのためのハッチを含有し得るが、これらは、分かりやすくするために、示されていない。
【0070】
図13は、拡張位置に示される拡張ホイール72の斜視図である。
【0071】
図14は、3/4のドローン75の全方向性ホイール77の斜視図である。全方向性ホイールは、アクスル(示されない)の周りにあるその対称軸を中心に回転するように構成されたディスク形ホイール5を備え、ディスク形ホイール5自体は、アクスルに垂直な軸を中心に(矢印方向に)回転するように構成される回転カラー80に組み込まれる。
【0072】
図15は、ドローンが設置されるパイプの中でドリルを回すために、配備位置にドリルツール91を伴う3/4のドローン75の端面図である。
【0073】
図16は、ドローンの第1の端に第1の回転部分101と、ドローンの対向端に第2の回転部分102とを有する、ドローンの部分の斜視図であり、分かりやすくするために、その部分だけが示される。第1の回転部分101と第2の回転部分102との間に、縦方向に対称なペイロード部分103がある。
【0074】
回転部分101,102のそれぞれには、ペイロード部分103を、その縦軸を中心に回転させるための回転モーター(示されない)が設けられている。図では、ペイロード部分は、回転部分101,102に対して約30度の角度で傾いた状態で示される。
【0075】
ペイロード部分103をその回転中に安定させるために、折り畳みリングセクション104はその拡張位置で示される。その拡張及び/または引き込みは、ヒンジ106を中心にリングセクション104を押す及び/または引っ張るために、アーム105により可能になる。リングセクション104の外部周縁上に、パイプの縦軸を中心に自由回転を可能にするボールホイールが提供される。
【0076】
リングセクション104の内面に、3つの歯状ピニオン109と噛合するための歯形環状ギア108が提供され、3つの歯状ピニオン109のそれぞれは、各々の回転部分101,102の回転モーターによって駆動される。このように、リングセクション104が拡張すると、回転部分101,102は、単に歯状ピニオン109をアクティブにすることによって、ペイロード部分103をパイプの縦軸を中心に回転させ得る。
【0077】
パイプグリップ手段(示されない)を提供することによって、または単に、どちらかの端(また示されない)においてより多くのドローンに回転部分を接続することによって、回転部分の意図しない逆回転を防止し得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ内で使用するためのドローンであって、
パイプに沿って前記ドローンの運動を可能にするように構成された複数のホイールと、
ペイロードを内部に保持するように構成されたペイロードベイと、
前記ドローンとの通信を可能にするように構成された無線通信デバイスと、
そのような別のドローンを前記ドローンの周りに向かわせるように構成された、前記ドローンの一端にあるガイドと、を備え、
前記ドローンは、さらに、前記パイプの軸を中心に回転して、前記ドローンが、前記パイプ内でそのような別のドローンを通過することを可能にするように構成される、ドローン。
【請求項2】
前記無線通信デバイスは、そのような別の自動ドローンとの通信を可能にするように構成される、請求項1に記載のドローン。
【請求項3】
そのような別のドローンに接続するカップリングをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のドローン。
【請求項4】
前記カップリングは、前記ドローンの間で消耗品の伝送を提供するように構成される、請求項3に記載のドローン。
【請求項5】
前記ペイロードベイは、ペイロードを内部で取り外し可能に受けるように構成される、請求項
1~4のいずれか
1項に記載のドローン。
【請求項6】
さらに、前記ドローンが横側ホイールを備える
ように構成され、前記横側ホイールにより、前記ドローンは、前記パイプの軸を中心に回転して、前記パイプ内で他のドローンを通過
するように構成される、請求項
1~5のいずれか
1項に記載のドローン。
【請求項7】
前記ガイドは、前記ドローンを、前記パイプの前記軸の周りで横方向に移動させるように構成されたらせん状斜面を含み、その結果、前記ドローンは、前記パイプ内で前記他のドローンを通過できる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のドローン。
【請求項8】
請求項
1~7のいずれか
1項に記載の複数のドローンを備えるシステム。
【請求項9】
請求項
1~8のいずれか
1項に記載の前記ドローン(複数可)を動作させる方法であって、パイプ内で前記ドローンと無線で通信するステップを含む、方法。
【国際調査報告】