(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】バットシールを有する圧縮リングおよび方法
(51)【国際特許分類】
F16J 9/16 20060101AFI20240920BHJP
B23P 15/06 20060101ALI20240920BHJP
B23K 26/354 20140101ALI20240920BHJP
B24B 19/11 20060101ALI20240920BHJP
F16J 9/26 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F16J9/16
B23P15/06
B23K26/354
B24B19/11
F16J9/26 A
F16J9/26 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024516870
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2022061020
(87)【国際公開番号】W WO2023041205
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】102021124071.9
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509340078
【氏名又は名称】フェデラル-モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL-MOGUL BURSCHEID GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ペーター シュミット
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ヴェンツェルバーガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン デュエルドス
【テーマコード(参考)】
3C049
3J044
4E168
【Fターム(参考)】
3C049CA01
3C049CB01
3J044AA02
3J044BA01
3J044BB19
3J044BB21
3J044BC09
3J044CB25
3J044DA09
3J044DA16
4E168AB02
4E168AC01
(57)【要約】
圧縮リングが開示される。圧縮リングは、第1バット端部領域上のリング走行面(2)と、第2バット端部領域上のリング走行面(2’)と、リング内面(4)と、上部リングフランク面(6)と、下部リングフランク面(8)と、を備える。リングは、重なり合うバット端部領域を有する。第1バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凸部(10)を有する。第2バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凹部(12)を有する。少なくとも1つの凸部(10)は、少なくとも1つの軸方向および/または半径方向に重なり合う面を形成する。少なくとも1つの凹部(12)は、少なくとも1つの平行面を形成する。この平行面は、バットの遊びの変化に反応して互いに平行に移動するために、軸方向および/または半径方向に重なり合う面に少なくとも部分的に対向する。互いに平行に移動できる面の少なくとも1つの面には、軸方向の摩耗要素(14)および/または半径方向の摩耗要素(14’)が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮リングであって、
第1バット端部領域上のリング走行面(2)と、
第2バット端部領域上のリング走行面(2’)と、
リング内面(4)と、
上部リングフランク面(6)と、
下部リングフランク面(8)と、を備え、
前記リングは、重なり合うバット端部領域を有し、
前記第1バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凸部(10)を有し、前記第2バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凹部(12)を有し、
前記少なくとも1つの凸部(10)は、少なくとも1つの軸方向および/または半径方向に重なり合う面を形成し、前記少なくとも1つの凹部(12)は、少なくとも1つの平行面を形成し、前記平行面は、バットの遊びの変化に反応して互いに平行に移動するために、前記軸方向および/または半径方向に重なり合う面に少なくとも部分的に対向し、
互いに平行に移動できる面の少なくとも1つの面には、軸方向の摩耗要素(14)および/または半径方向の摩耗要素(14’)が設けられる、圧縮リング。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮リングであって、前記リングは、公称直径において重なり合う前記バット端部領域を有する、圧縮リング。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧縮リングであって、互いに平行に移動できる面は、公称直径において少なくとも部分的に互いに対向する、圧縮リング。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)の最小厚さは0.005mmである、圧縮リング。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)は、異なる材料を含んで上下に配置された異なる摩耗層を有する、圧縮リング。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)の材料は、前記リングのベース材料よりも低い耐摩耗性を有する、圧縮リング。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)は、前記摩耗要素(14、14’)が配置される面の10~100%に重なる、または10~100%を覆う、圧縮リング。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)は、前記摩耗要素(14、14’)が配置される面の端部から間隔を置いて、軸方向および/または半径方向に配置される、圧縮リング。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記バット端部領域は1つのステップで形成される、圧縮リング。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記バット端部領域は2つのステップで形成される、圧縮リング。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記バット端部領域は階段状に形成される、圧縮リング。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の圧縮リングであって、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内にあって、前記第2バット端部領域に配置されている少なくとも1つの面は、第1構造を有し、前記第1構造は、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内にあって、前記第1バット端部領域に配置されている少なくとも1つの面と係合する、圧縮リング。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)の強度は、前記圧縮リングの強度よりも1~80%、好適には1~40%、特に好適には1~20%低い、圧縮リング。
【請求項14】
請求項1~13に記載の圧縮リングを研削する方法であって、
ワイヤを溝に転がすこと、レーザ再溶融、レーザ金属蒸着、蒸着溶接、溶射および/またはガルバニックもしくは化学的蒸着、または焼結によって、摩耗要素(14、14’)を適用するステップと、
前記摩耗要素(14、14’)の摩耗を生じさせるために、前記圧縮リングの軸方向および/または半径方向の公称寸法に達するまで、前記バット端部領域を互いに移動させるステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮リングに、特に大型ディーゼルエンジンピストン駆動装置用の圧縮リングに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の2ストローククロスヘッドエンジンには、通常、圧縮リングが装備されている。この圧縮リングは、いわゆる気密のバット(Stoss)を有する。燃焼ガスは、バットの軸方向および半径方向の隙間(Spalte)を介して第1および第2圧縮リングの間の空間に到達するため、バットという用語が誤解を招く。高温の燃焼ガスは、燃焼からの粒子を運ぶ。軸方向および半径方向のクリアランスが0より大きい場合、これは、2つのバット端部のシール面の著しい摩耗につながる。これが、下流では走行面層の剥離につながる可能性があり、そしてシステムの故障に至る。したがって、軸方向および半径方向の隙間を、可及的に小さく設計することが重要である。
【0003】
このタイプの圧縮リングを機械的に製造することは、複雑である。なぜなら、研削プロセスの間にリングが歪み、そのため、軸方向および半径方向のクリアランスの不合格率が高いからである。特に、動作中のリングおよびシリンダの熱膨張を更に考慮する必要があるため、たとえば、バットのない圧縮リングを使用することは不可能である。
【0004】
バットの突出部および切り欠きを部分的に重ねることによって、どのようにしてほぼ気密な圧縮リングのバットを達成できるかについては、多様なアプローチがすでに既知である。しかしながら、これらの実施形態の場合、問題は、各ステップを非常に正確に実施し、また各接触面を非常に正確に製造する必要があることである。また、始動中および負荷が変化する間に発生する熱膨張によって、摩耗が増加してはならず、さらに既存のシール構造が破壊されたりしてはならない。このタイプのシール構造は、たとえば、特許文献1または特許文献2から既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】オーストリア国特許発明第85885号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3096044号明細書
【発明の概要】
【0006】
第1態様によれば、本発明は、第1バット端部領域上のリング走行面と、第2バット端部領域上のリング走行面と、リング内面と、上部リングフランク面と、下部リングフランク面と、を備える圧縮リングに関する。リングは、重なり合うバット端部領域を有する。第1バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凸部を有する。第2バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凹部を有する。少なくとも1つの凸部は、少なくとも1つの軸方向および/または半径方向に重なり合う面を形成する。少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの平行面を形成する。この平行面は、バットの遊びの変化に反応して互いに平行に移動するために、軸方向および/または半径方向に重なり合う面に少なくとも部分的に対向する。互いに平行に移動できる面の少なくとも1つの面には、軸方向の摩耗要素および/または半径方向の摩耗要素が設けられる。
【0007】
このアイデアは、バットの領域の圧縮リングの軸方向および/または半径方向の隙間に摩耗要素を導入することである。その際、凸部の軸方向および/または半径方向に重なり合う面は、少なくとも部分的に、軸方向および/または半径方向に重なり合う面の凸部に対向する。そのため、これらがバットの遊びの変化に反応して互いに平行に移動する。軸方向および/または半径方向のリングの隙間をシールするための、少なくとも1つの摩耗要素は、互いに平行に移動可能なこれらの面の少なくとも1つの面に適用される。互いに平行に移動可能な表面は、バットの遊びの変化に反応して、実質的に互いに平行に移動するように構成されている。これによって、摩耗が最小限に抑えられる。
【0008】
好適には、リングは、公称直径において重なり合うバット端部領域を有する。
【0009】
好適には、互いに平行に移動できる面は、公称直径において少なくとも部分的に互いに対向する。
【0010】
公称直径または公称寸法は、それぞれ、リングの取り付けのために与えられる理論的な寸法である。
【0011】
好適には、摩耗要素の最小厚さは0.005mmである。
【0012】
好適には、摩耗要素は、異なる材料を含んで上下に配置された異なる摩耗層を有する。
【0013】
好適には、摩耗要素の材料は、リングのベース材料よりも低い耐摩耗性を有する。
【0014】
摩耗要素は、銅、錫、青銅、または合金などの、耐摩耗性の低い耐熱性の材料で作られている。この材料の軟化温度は、エンジンが動作している間に到達する可能性のある最高温度に耐える必要がある。
【0015】
好適には、摩耗要素は、摩耗要素が配置される面の10~100%に重なる、または10~100%を覆う。
【0016】
好適には、摩耗要素は、摩耗要素が配置される面の端部から間隔を置いて、軸方向および/または半径方向に配置される。
【0017】
好適には、バット端部領域は1つのステップで形成される。
【0018】
好適には、バット端部領域は2つのステップで形成される。
【0019】
好適には、バット端部領域は階段状に形成される。
【0020】
好適には、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内にあって、第2バット端部領域に配置されている少なくとも1つの面は、第1構造を有する。第1構造は、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内にあって、第1バット端部領域に配置されている少なくとも1つの面と係合する。
【0021】
これによって、軸方向のリングの隙間の追加のシールが作り出される。構造は、直線、弓型、または平坦にオフセットするなど、整列する、互いに交差する、および/または不規則であり得る。および/または、構造は、0.2~12.5μm、好適には0.4~10μm、特に好適には0.8~6.3の粗度Raを有することができる。
【0022】
好適には、摩耗要素の強度は、圧縮リングの強度よりも1~80%、好適には1~40%、特に好適には1~20%低い。
【0023】
更なる態様によれば、本発明は、圧縮リングを研削する方法に関する。この方法は、ワイヤを溝に転がすこと、レーザ再溶融、レーザ金属蒸着、蒸着溶接、溶射および/またはガルバニックもしくは化学的蒸着、または焼結によって、摩耗要素を適用するステップと、摩耗要素の摩耗を生じさせるために、圧縮リングの軸方向および/または半径方向の公称寸法に達するまで、バット端部領域を互いに移動させるステップと、を含む。
【0024】
エンジンの動作中、リングのバットは、温度による直径の変化と、温度に依存するストロークを超える直径の変化とによって、周方向に周期的に開閉運動を行い、したがって、クリアランス内に突出する材料を研削する。摩耗要素の摩耗は、計画的とする必要がある。すなわち、軸方向および半径方向でリングの公称寸法に達するまで、研削が行われる。
【0025】
導入される材料は、実際の製造プロセスの最後に導入され、そして摩耗材料なしで測定された軸方向のクリアランスを、少なくとも0.05mm超える必要がある。
【0026】
本発明の例示的な実施形態は、図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による圧縮リングの、軸方向のバットシールを有するバット端部領域を示す図である。
【
図2】本発明による圧縮リングの、軸方向および半径方向のバットシールを有するバット端部領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明による圧縮リングの、軸方向のバットシールを有するバット端部領域を示す。圧縮リングは、第1バット端部領域上のリング走行面2と、第2バット端部領域上のリング走行面2’と、リング内面4と、上部リングフランク面6と、下部リングフランク面8と、を備える。第1バット端部領域は、周方向に直方体状の凸部10を有する。第2バット端部領域は、同様に、周方向に対応する直方体状の凹部12を有する。凸部10および凹部12は、2つのそれぞれの対向面の重なり領域を形成する。2つの対向面は、軸方向および半径方向に同じ配向を有する。少なくとも公称直径または公称寸法において、すなわちリングを取り付けるために与えられた理論上の寸法において、互いに対向する面は、少なくとも部分的に互いに対向する。凹部12内の、軸方向に垂直な面上には、摩耗要素14が配置されている。摩耗要素14は、それが適用される面を完全には覆わず、半径方向の中央に配置され、周方向のリングの隙間の方向にオフセットして配置されている。摩耗要素14は、さらに、それが適用される面の端部から間隔を置いて配置されている。
【0029】
さらに、
図1では、両方のバット端部領域が、2段階で設計されていることが分かる。凸部10の半径方向寸法は、圧縮リングの半径方向の公称寸法の約2/3に相当する。また、凸部10の軸方向寸法は、圧縮リングの軸方向の公称寸法の約3/4に相当する。第1バット端部領域は、第1バット端部を有する。第1バット端部は、凸部10の最高点に対応し、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内に位置する。第2バット端部領域は、面を有する。この面は、同様にリングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内に位置するが、凹部12の最下点に対応する。第1バット端部とこの面との両方が、互いに対向する。
【0030】
図1において、以下の面が面接触することができる。すなわち、軸方向に垂直な凸部10上の面が、軸方向に垂直な凹部12上の面と、ならびに、半径方向に垂直な凸部10上の面が、半径方向に垂直な凹部12上の面と、また、周方向に垂直な凸部10上の面であって凸部10の最高点に対応する面が、周方向に垂直な凹部12上の面であって凹部12の最下点に対応する面と、面接触することができる。凹部12の最高点は、第2バット端部を形成し、第1バット端部領域における対向する面とは面接触することができない。なぜなら、この面が湾曲を有するためである。
【0031】
図2は、本発明による圧縮リングの、軸方向および半径方向のバットシールを備えるバット端部領域を示す。圧縮リングは、第1バット端部領域上のリング走行面2と、第2バット端部領域上のリング走行面2’と、リング内面4と、上部リングフランク面6と、下部リングフランク面8と、を備える。第1バット端部領域は、周方向に直方体状の凸部10を有する。第2バット端部領域は、同様に、周方向に対応する直方体状の凹部12を有する。凸部10および凹部12は、2つのそれぞれの対向面の重なり領域を形成する。対向面は、軸方向および半径方向に同じ配向を有する。少なくとも公称直径または公称寸法において、すなわちリングを取り付けるために与えられた理論上の寸法において、互いに対向する面は、少なくとも部分的に互いに対向する。凹部12内の、軸方向に垂直な面上には、軸方向の摩耗要素14が配置されている。凹部12内の、半径方向に垂直な面上には、半径方向の摩耗要素14’が配置されている。両方の摩耗要素14、14’は、それらが適用される面を完全には覆わず、それぞれの適用面上で半径方向または軸方向に、また周方向ではこの面の中心に、配置されている。摩耗要素14、14’は、さらに、それらが適用される面の端部から間隔を置いて配置されている。
【0032】
さらに、
図2では、両方のバット端部端領域が2段階で設計されていることが分かる。凸部10の半径方向寸法は、圧縮リングの半径方向の公称寸法の約2/3に相当する。凸部10の軸方向寸法は、圧縮リングの軸方向の公称寸法の約3/4に相当する。第1バット端部領域は、第1バット端部を有する。第1バット端部は、凸部10の最高点に対応し、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内に位置する。第2バット端部領域は、面を有する。この面は、同様にリングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内に位置するが、凹部12の最下点に対応する。第1バット端部とこの面との両方が、互いに対向する。
【0033】
図2において、以下の面が面接触することができる。すなわち、軸方向に垂直な凸部10上の面が、軸方向に垂直な凹部12上の面と、半径方向に垂直な凸部10上の面が、半径方向に垂直な凹部12上の面と、また、周方向に垂直な凸部10上の面であって凸部10の最高点に対応する面が、周方向に垂直な凹部12上の面であって凹部12の最下点に対応する面と、面接触することができる。凹部12の最高点は、第2バット端部を形成し、第1バット端部領域における対向する面とは面接触することができない。なぜなら、この面が湾曲を有するためである。
【符号の説明】
【0034】
2 第1バット端部領域上のリング走行面
2’ 第2バット端部領域上のリング走行面
4 リング内面
6 上部リングフランク面
8 下部リングフランク面
10 凸部
12 凹部
14 軸方向の摩耗要素
14’ 半径方向の摩耗要素
【手続補正書】
【提出日】2023-01-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮リングであって、
第1バット端部領域上のリング走行面(2)と、
第2バット端部領域上のリング走行面(2’)と、
リング内面(4)と、
上部リングフランク面(6)と、
下部リングフランク面(8)と、を備え、
前記リングは、重なり合うバット端部領域を有し、
前記第1バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凸部(10)を有し、前記第2バット端部領域は、周方向に少なくとも1つの凹部(12)を有し、
前記少なくとも1つの凸部(10)は、少なくとも1つの軸方向および/または半径方向に重なり合う面を形成し、前記少なくとも1つの凹部(12)は、少なくとも1つの平行面を形成し、前記平行面は、バットの遊びの変化に反応して互いに平行に移動するために、前記軸方向および/または半径方向に重なり合う面に少なくとも部分的に対向し、
互いに平行に移動できる面の少なくとも1つの面には、軸方向の摩耗要素(14)および/または半径方向の摩耗要素(14’)が設けられ
、
前記摩耗要素(14、14’)は、耐熱性の金属材料で作られており、
前記摩耗要素(14、14’)の前記材料は、前記圧縮リングのベース材料よりも低い耐摩耗性を有する、圧縮リング。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮リングであって、前記リングは、公称直径において重なり合う前記バット端部領域を有する、圧縮リング。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧縮リングであって、互いに平行に移動できる面は、公称直径において少なくとも部分的に互いに対向する、圧縮リング。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)の最小厚さは0.005mmである、圧縮リング。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)は、異なる材料を含んで上下に配置された異なる摩耗層を有する、圧縮リング。
【請求項6】
請求項1~
5の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)は、前記摩耗要素(14、14’)が配置される面の10~100%に重なる、または10~100%を覆う、圧縮リング。
【請求項7】
請求項1~
6の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)は、前記摩耗要素(14、14’)が配置される面の端部から間隔を置いて、軸方向および/または半径方向に配置される、圧縮リング。
【請求項8】
請求項1~
7の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記バット端部領域は1つのステップで形成される、圧縮リング。
【請求項9】
請求項1~
8の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記バット端部領域は2つのステップで形成される、圧縮リング。
【請求項10】
請求項1~
9の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記バット端部領域は階段状に形成される、圧縮リング。
【請求項1112】
請求項1~
10の何れか一項に記載の圧縮リングであって、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内にあって、前記第2バット端部領域に配置されている少なくとも1つの面は、第1構造を有し、前記第1構造は、リングの軸方向とリングの半径方向とにまたがる平面内にあって、前記第1バット端部領域に配置されている少なくとも1つの面と係合する、圧縮リング。
【請求項12】
請求項1~
11の何れか一項に記載の圧縮リングであって、前記摩耗要素(14、14’)の強度は、前記圧縮リングの強度よりも1~80%、好適には1~40%、特に好適には1~20%低い、圧縮リング。
【請求項13】
請求項1~
12に記載の圧縮リングを研削する方法であって、
ワイヤを溝に転がすこと、レーザ再溶融、レーザ金属蒸着、蒸着溶接、溶射および/またはガルバニックもしくは化学的蒸着、または焼結によって、摩耗要素(14、14’)を適用するステップと、
前記摩耗要素(14、14’)の摩耗を生じさせるために、前記圧縮リングの軸方向および/または半径方向の公称寸法に達するまで、前記バット端部領域を互いに移動させるステップと、を含む、方法。
【国際調査報告】