(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ベント及びベントを含む容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/26 20060101AFI20240920BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240920BHJP
H01M 50/317 20210101ALI20240920BHJP
G01M 3/26 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
B65D81/26 A
H01M50/105
H01M50/317 101
G01M3/26 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516892
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2022075864
(87)【国際公開番号】W WO2023041751
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391018178
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ケグルマイアー
(72)【発明者】
【氏名】アントン キラー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス グルーバー
【テーマコード(参考)】
2G067
3E067
5H011
5H012
【Fターム(参考)】
2G067AA47
2G067BB04
2G067CC04
2G067DD02
3E067AA03
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA12A
3E067BB12A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067CA03
3E067CA07
3E067CA24
3E067EA06
3E067EE56
3E067FB07
3E067FC01
3E067GB01
5H011AA13
5H011BB03
5H011CC10
5H011DD13
5H012AA03
5H012BB01
5H012CC01
(57)【要約】
本明細書では、少なくとも1つの容器壁、前記少なくとも1つの容器壁の2つの縁部を接続するシーム及びベントを含み、前記シームの少なくとも一部は前記ベントの周囲に形成されている密閉容器が提示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの容器壁、前記少なくとも1つの容器壁の2つの縁部を接続するシーム及びベントを含む、密閉容器であって、前記シームの少なくとも一部は前記ベントの周囲に形成されている、密閉容器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの容器壁は可撓性容器壁である、請求項1記載の密閉容器。
【請求項3】
前記密閉容器はパウチである、請求項2記載の密閉容器。
【請求項4】
前記密閉容器は電池パウチである、請求項3記載の密閉容器。
【請求項5】
前記ベントは、ベント材料、少なくとも1つの開口部、及び、前記シーム内で前記ベントを接続する少なくとも1つの接続面を含み、前記開口部及び前記ベント材料はガス導管を形成し、その結果、使用中に、ガスは、前記密閉容器の内部から前記ガス導管を通って前記密閉容器の外部に通過する、請求項1~4のいずれか1項記載の密閉容器。
【請求項6】
前記ベント材料は緻密ポリマー材料を含む、請求項5記載の密閉容器。
【請求項7】
前記ベント材料はポケットを形成し、前記少なくとも1つの開口部のうちのある開口部は前記ポケットの開口部であり、その結果、前記ガス導管は、前記開口部から前記ポケットを介して前記ベント材料を通って延在する、請求項5又は6記載の密閉容器。
【請求項8】
前記ポケットは前記シームから前記密閉容器内に延在している、請求項7記載の密閉容器。
【請求項9】
前記ベント材料は少なくとも2つの接続面を含み、前記少なくとも2つの接続面は、前記ベント材料の第一の側に第一の接続面と、前記ベント材料の第二の側に第二の接続面とを含み、前記第一の側は前記ベント材料の第二の側とは反対側である、請求項5記載の密閉容器。
【請求項10】
前記第一の接続面は、前記ベント材料と前記シームの第一の表面との間に非対称接続を含み、前記第二の接続面は、前記ベント材料と前記シームの第二の表面との間に非対称接続を含む、請求項9記載の密閉容器。
【請求項11】
前記ベント材料と前記シームの第二の表面との非対称接続は、前記ベント材料と前記シームの第一の表面との非対称接続と部分的にオーバーラップしている、請求項10記載の密閉容器。
【請求項12】
第一のチャンネルは前記ベント材料と前記シームの第一の表面との間に形成され、前記第一の接続面によって画定され、第二のチャンネルは前記ベント材料と前記密閉容器の第二の表面との間に形成され、前記第二の接続面によって画定される、請求項11記載の密閉容器。
【請求項13】
前記第一の接続面は、前記ベント材料の第一の側の上にU字形状を形成し、前記第二の接続面は、前記ベント材料の第二の側の上にU字形状を形成し、前記第一の側にあるU字形の向きは、前記第二の側にあるU字形の向きと反対である、請求項11又は請求項12記載の密閉容器。
【請求項14】
前記ベントはベント本体を含み、前記ベント本体は少なくとも1つの開口部を含む、請求項5記載の密閉容器。
【請求項15】
前記ベント本体はベントアパチャを含み、前記ベント材料は前記ベントアパチャを横切って延在しているベント膜である、請求項14記載の密閉容器。
【請求項16】
前記シームは主平面を含み、前記ベントアパチャは前記シームの主平面内に配置されるか、又は前記シームは主平面を含み、前記ベントアパチャは前記ベント本体の主平面に実質的に垂直に配置される、請求項14又は請求項15記載の密閉容器。
【請求項17】
ベント材料、少なくとも1つの開口部及び少なくとも1つの接続面を含む、ベントであって、前記ベントは、内部及び外部を有する密閉容器のシーム内に取り付けられるように構成されており、その結果、前記少なくとも1つの開口部は前記密閉容器の外部に隣接され、前記少なくとも1つの接続面は前記ベントを前記シーム内に接続するように構成され、前記少なくとも1つの開口部及び前記ベント材料は、ガス導管を形成し、その結果、使用中に、前記ベントが前記密閉容器のシーム内に設置されるときに、ガスは、前記密閉容器の内部から前記ガス導管を通って前記密閉容器の外部へ通過する、
ベント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、ベント及びベントを含む容器、特にベント及びベントを含む可撓性容器に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ベント及びベントアセンブリは、密閉容器内の圧力変動を軽減し、湿度を制御するために使用されうる。このようなベント及びベントデバイスは、また、汚れ及びその他の汚染物質の侵入を防止し、水の浸入も防止しなければならない。
【0003】
液体を保持するために使用される密閉容器は、密閉容器内に保持された液体の漏れを防止すると同時に、密閉容器内で発生したガスがベントを通して確実に逃げて密閉容器内の圧力の上昇を防ぐためのベント又はベントアセンブリを必要とする。
【0004】
液体を保持するために使用される例示の密閉容器は、電池の電解質を保持する電池パウチを含む。典型的な電池パウチは可撓性材料から作られており、電池パウチの壁に1つ以上のベントを含む。したがって、使用中に電池電解質から発生するガスは、電池パウチが破裂したり又はさもなければ漏れたり、あるいは、圧力上昇によって容量が失われないことを確保するように、電池パウチ内の圧力が十分に上昇しないように電池パウチから逃げることができる。
【0005】
しかしながら、密閉容器壁にベントを使用するには、密閉容器壁内にアパチャを設ける必要があり、密閉容器に応力が加わった場合に弱点となる可能性がある。この潜在的な問題は、密閉容器の壁が可撓性である場合にさらに強調され、ここで、アパチャを設けると密閉容器の壁の材料が引き裂かれ又は破れる可能性がある。
【0006】
したがって、電子機器ハウジングとともに使用するための改良されたベントアセンブリの必要性が依然として存在する。
【0007】
したがって、少なくとも幾つかの実施形態は、これらの問題の少なくとも1つを解決する改良されたベントアセンブリの提供を対象とする。
【発明の概要】
【0008】
要旨
第一の態様によれば、少なくとも1つの容器壁、前記少なくとも1つの容器壁の2つの縁部を接続するシーム及びベントを含み、前記シームの少なくとも一部は前記ベントの周囲に形成されている密閉容器が提供される。
【0009】
ベントの周囲にシームが形成されている密閉容器では、少なくとも1つの容器壁内にアパチャを設ける必要なく、密閉容器の内部と密閉容器の外部との間の圧力が実質的に平衡化されるように、密閉容器の内部を密閉容器の外部にベントすることができる。
【0010】
少なくとも1つの容器壁内にアパチャを設けることにより、その少なくとも1つの容器壁内に弱点が提供される可能性がある。したがって、第一の態様による密閉容器は、少なくとも1つの容器壁にアパチャを形成する必要がなく、それゆえ、密閉容器の構造的完全性が維持される。少なくとも1つの容器壁内にアパチャを形成する必要のないベント付き密閉容器を提供することは、密閉容器が漏れないことを確かにするように液体を保持するために密閉容器が使用される実施形態において特に重要である。
【0011】
密閉容器は、単一の連続した容器壁を含むことができる。単一の連続容器壁は、単一の連続容器壁の第一の縁部を含む第一の部分と、単一の連続容器壁の第二の縁部を含む第二の部分とを含むことができる。シームは、単一の連続容器壁の第一の部分及び第二の部分を含み、それによって密閉容器をシールすることができる。
【0012】
密閉容器は複数の容器壁を含むことができる。複数の容器壁は、第一の容器壁及び第二の容器壁を含むことができ、シームは、第一の容器壁の縁部及び第二の容器壁の縁部を含み、それによって密閉容器をシールすることができる。
【0013】
密閉容器は単一のシームを含むことができる。密閉容器は、複数のシームを含むことができる。例えば、密閉容器は、2つの壁、3つの壁、4つ以上の壁を含むことができる。
【0014】
複数の容器壁を含む実施形態において、複数の容器壁は、少なくとも1つの縁部に沿ってシームなく接続する少なくとも2つの容器壁を含むことができ、単一のシームは、少なくとも2つの容器壁の間の残りの縁部の周囲に延在する。
【0015】
複数の容器壁は、少なくとも1つの縁部に沿って互いに接着されてシームを形成することができる。複数の容器壁は、少なくとも1つの縁部に沿って一緒に溶接されてシームを形成することができる。複数の容器壁は、一緒に熱溶接され、又は一緒にインパルス溶接され、あるいは別の溶接方法を使用して一緒に溶接されることができる。少なくとも1つの縁部に沿って複数の容器壁を接着又は溶接する方法は、複数の容器壁を形成する材料の種類に依存しうる。
【0016】
シームは実質的に気密性であることができる。したがって、ガスが密閉容器の内部から密閉容器の外部へ通過する実質的に唯一の経路はベントを経由することである。
【0017】
本明細書で使用されるときに、「気密性」という用語は、密閉容器の壁又はシームをガスが通過できない、又は、密閉容器の壁又はシームをガスが実質的に通過できない密閉容器又はシームを指す。例えば、実質的に気密性である気密性密閉容器は、密閉容器の内部から密閉容器の外部へ逃げるのに、0.1バール/時間未満、0.07バール/時間未満、0.05バール/時間未満、0.02バール/時間未満、又は0.01バール/時間未満を許容しうる。密閉容器は、0.1バール/時間~0.005バール/時間を許容しうる。 密閉容器は、0.1バール/時間~0.01バール/時間を許容しうる。
【0018】
密閉容器は実質的に耐破裂性であることができる。例えば、密閉容器は、0.1MPaより大きい、0.2MPaより大きい、0.3MPaより大きい、0.4MPaより大きい、0.5MPaより大きい、0.6MPaより大きい、0.7MPaより大きい、0.8MPa、0.9MPaより大きい、又は1.0MPaより大きい耐破裂性を有することができる。密閉容器は、約0.1MPa~約1.5MPaの耐破裂性を有することができる。密閉容器は、約0.1MPa~約1.0MPaの耐破裂性を有することができる。
【0019】
複数の容器壁内の少なくとも1つの容器壁は可撓性容器壁であることができる。可撓性容器壁はポリマー材料を含むことができる。可撓性容器壁は、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、又はポリエチレンテレフタレート(PET)を含むことができる。複数の容器壁のうちの少なくとも1つの容器壁は金属材料を含むことができる。少なくとも1つの容器壁はアルミニウムを含むことができる。少なくとも1つの容器壁は、例えば、アルミニウム箔を含むことができる。
【0020】
少なくとも1つの容器壁は、ラミネート材料を含むことができる。ラミネート材料は、少なくとも1つのポリマー層を含むことができる。ラミネート材料は、少なくとも1つの金属層を含むことができる。ラミネート材料は、少なくとも1つのポリマー層及び少なくとも1つの金属層を含むことができる。ラミネート材料は、第一のポリマー層、金属層、及び第二のポリマー層を含むことができる。金属層は、第一のポリマー層と第二のポリマー層との間に位置することができる。
【0021】
密閉容器はパウチであることができる。
【0022】
密閉容器は電池パウチであることができる。密閉容器は、電池流体を介して第一の電極から第二の電極へのイオンの移動を可能にする電池流体を保持するように構成されうる。したがって、密閉容器は、少なくとも2つの電極と、少なくとも2つの電極を外部電気回路に接続するように構成された少なくとも2つの電気接点とを保持することができる。少なくとも1つの容器壁は、密閉容器内に保持されている流体に対して実質的に不透過性であるように構成されうる。例えば、電池パウチはリチウム(Li)イオンパウチセルであることができる。
【0023】
複数の容器壁のうちの少なくとも1つの容器壁は剛性容器壁であることができる。剛性容器壁は剛性ポリマー材料を含むことができる。剛性容器壁は熱可塑性材料を含むことができる。剛性容器壁は強化熱可塑性材料を含むことができる。例えば、剛性容器壁は、ガラス繊維などの繊維又は類似物などで強化されたポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性材料を含むことができる。剛性容器は、剛性金属材料を含むことができる。剛性容器壁は、例えば、アルミニウム、スチール、ステンレス鋼、銅、黄銅、青銅、錫又は鉛を含むことができる。
【0024】
ベントは、ベント材料、少なくとも1つの開口部、及び、シーム内にベントを固定する少なくとも1つの接続面を含むことができ、少なくとも1つの開口部及びベント材料は、使用中にガスが密閉容器の内部から密閉容器の外部へガス導管を通って通過するようにガス導管を形成する。
【0025】
ベント材料はポリマー材料を含むことができる。ポリマー材料は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)などのフルオロポリマーからなる群より選択されうる。
【0026】
ベント材料は、膨張(エキスパンデッド、膨張、延伸または発泡)ポリマー材料を含むことができる。膨張ポリマー材料は、膨張PE(ePE)、膨張PET(ePET)、又は延伸PTFE(ePTFE)もしくは膨張FEP(eFEP)などの膨張フルオロポリマーからなる群より選択することができる。
【0027】
ベント材料は、緻密ポリマー材料を含むことができる。緻密ポリマー材料は、緻密PE、緻密PET、又は、緻密PTFEもしくは緻密FEPなどの緻密フルオロポリマーからなる群より選択されうる。
【0028】
ベント材料は、緻密化膨張ポリマー材料を含むことができる。緻密化膨張ポリマー材料は、緻密化ePE、緻密化ePET、又は緻密化ePTFEもしくは緻密化eFEPなどの緻密化膨張フルオロポリマーからなる群より選ばれることができる。
【0029】
本明細書で使用されるときに、「緻密化膨張ポリマー材料」という用語は、材料が膨張された後に緻密化された膨張ポリマー材料を指す。
【0030】
緻密材料又は緻密化材料は、典型的には、緻密化されていない材料又は緻密でない材料と比較したときに、低減されたた多孔率を有する材料である。
【0031】
ベント材料は多孔質材料であることができる。ベント材料は、ベント材料を通るガスの流れを可能にし、密閉容器内で生成されたガスがベントのベント材料を通って密閉容器の外に排出できるように十分に多孔質であることができる。したがって、ベント材料は、ベント材料を横切るガス流又は空気流を可能にすることができる。
【0032】
ベント材料は、ベント材料を通したガスの拡散を可能にするように構成されうる。ベント材料は、ガスがベント材料を通って拡散することを可能にする細孔を含むことができる。細孔は、ガスがベント材料を通って拡散することを可能にするが、ベント材料を通ってガスが流れるのを防ぐために十分に小さいようなサイズにすることができる。ベント材料は、ガスがベント材料を通る間接的な経路をとらなければならないように構造化されていることができる。
【0033】
ベントは、第一の接続面を含むことができる。第一の接続面は、ベントをシームに接続することができる。ベントは第二の接続面を含むことができる。第二の接続面は、ベントをシームに接続することができる。第二の接続面は、ベントの第一の接続面とは反対側にあることができる。
【0034】
ベントは液体に対して不透過性であることができる。したがって、ベントは、ガス導管を通るガスの通過を許容するが、液体の通過を許容しないことができる。
【0035】
ベント材料はポケットを形成することができる。少なくとも1つの開口部のうちのある開口部は、ポケットの開口部であることができる。ポケットはベント材料内に形成されうる。ガス導管は、開口部からポケットを介してベント材料を通って延在することができる。
【0036】
本明細書で使用されるときに、「ポケット」という用語は、ベント材料の表面間のギャップ又は開口部を指す。ギャップ又は開口部は、典型的に、少なくとも1つの開口部からシームの幅を通って密閉容器の内部にまで延在する。
【0037】
ポケットはシームから密閉容器内に延在することができる。
【0038】
ベント材料は膜(メンブレン)を含むことができる。ベント材料はフィルムを含むことができる。ベント材料はそれ自体の上に折り畳まれてポケットを形成することができる。したがって、ベント材料は、ポケットの第一の側、ポケットの第二の側及びポケットの第三の側を形成することができる。ポケットの第一の側は、ポケットの第二の側とは反対側にあることができる。ポケットの第三の側は、ベント材がそれ自体の上に折り畳まれる折り目を形成するベント材料の部分に対応することができる。ポケットの第一の側とポケットの第二の側は、それらの間に延在するポケットとともに互いに接続されうる。ポケットの第一の側とポケットの第二の側は互いに接着されうる。ポケットの第一の側とポケットの第二の側は一緒に溶接されうる。
【0039】
ベント材料は、可撓性基材上で支持されうる。可撓性基材はベント材料をシームに接続することができる。ベント材料が緻密ポリマー又は緻密化膨張ポリマーを含む実施形態において、可撓性基材によりベント材料をより容易にかつより確実にシームに接続することができる。
【0040】
可撓性基材は、ベント材料よりも開いた構造を含むことができる。可撓性基材は、密閉容器の内部から密閉容器の外部へのガスの通過が妨げられないことを確保するように構成されうる。
【0041】
ベントはラミネートを含むことができる。ラミネートは複数の層を含むことができる。複数の層のうちの少なくとも1つの層は、ベント材料の層であることができる。複数の層のうちの少なくとも1つの層は、可撓性基材の層であることができる。複数の層のうちの少なくとも1つの層は中間層であることができる。中間層は、ベント材料の層と可撓性基材の層との間にあることができる。中間層により、ベント材料の層が可撓性基材の層により容易に接続されることができる。例えば、中間層は、ベント材料を可撓性基材の層に接着させることができる。
【0042】
ラミネートは少なくとも3つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも4つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも5つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも6つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも7つの層を含むことができる。ラミネートは2層~7層を含むことができる。ラミネートは3層~5層を含むことができる。例えば、ラミネートは、3層、4層又は5層を含むことができる。
【0043】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、ベント材料の層、可撓性基材の第一の層、及び可撓性基材の第二の層を含むことができる。ベント材料の層は、可撓性基材の第一の層と可撓性基材の第二の層との間に設けることができる。
【0044】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、ベント材料の層、可撓性基材の第一の層、可撓性基材の第二の層、第一の中間層及び第二の中間層を含むことができる。ベント材料の層は、第一の中間層と第二の中間層との間に設けることができる。可撓性基材の第一の層は、ベント層に接続される側とは反対側の第一の中間層上に設けることができる。可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層に接続される側とは反対側の第二の中間層上に設けることができる。
【0045】
可撓性基材の第一の層及び/又は可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層よりも多孔質の材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、可撓性基材の第一の層及び/又は可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層の、より多孔質の形態のベント材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、可撓性基材の第一の層及び/又は可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層とは異なる材料を含むことができる。
【0046】
中間層又は各中間層はフルオロポリマーを含むことができる。ベント材料の層がフルオロポリマーを含む実施形態において、中間層又は各中間層は、ベント材料の層のフルオロポリマーとは異なるフルオロポリマーを含むことができる。これらの中間層又は各中間層は、FEP、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンのターポリマー(THV)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)を含むことができる。例えば、その中間層又は各中間層はFEPを含むことができる。
【0047】
ベント材料がポケットを形成する実施形態において、ポケットは、ラミネートをそれ自体に折り重ねてポケットを形成することによって形成されうる。したがって、可撓性基材の第一の層と可撓性基材の第二の層を含む実施形態において、可撓性基材の第一の層はポケットの外側を形成することができ、可撓性基材の第二の層はポケットの内側を形成することができる。可撓性基材の第一の層は、ポケットによって形成されたベントをシームに接続することができる。したがって、可撓性基材の第一の層は、ベントとシームとの間に確実かつシールされた接続を形成するように構成されうる。
【0048】
中間層を含む実施形態において、中間層は、ベント材料の層が可撓性基材の層により確実に接続されることを可能にするように構成されうる。
【0049】
可撓性基材の層は、ベント材料の層を超えて延在することができる。
【0050】
ポケットの開口部は密閉容器の外部に開口していることができる。ポケットの開口部は密閉容器の内部に開口していることができる。
【0051】
使用中、密閉容器内で発生したガスは、ベント材料を通ってポケットに入り、その後、ポケットの開口部を通って密閉容器の外部に流出することができる。
【0052】
ポケットの長さは、密閉容器の内部から密閉容器の外部へのベントを通る拡散速度又はガス流速を制御するように構成されうる。密閉容器の内部に延在するポケットの長さは、ベントを通る密閉容器の内部から密閉容器の外部への拡散速度又はガス流速を制御するように構成されうる。したがって、ベントを通るより高い拡散速度又はより高いガス流速は、より長いポケットによって提供され、それによって密閉容器の内部にさらされるベント材料のより大きな表面積を提供することができる。ベントを通るより低い拡散速度又はより低いガス流速は、より短いポケットによって提供され、それにより密閉容器の内部にさらされるベント材料のより低い表面積を提供することができる。
【0053】
ポケットの幅は、密閉容器の内部から密閉容器の外部へベントを通る拡散速度又はガス流速を制御するように構成されうる。密閉容器のシームに沿って延在するポケットの幅は、密閉容器の内部から密閉容器の外部へベントを通る拡散速度又はガス流速を制御するように構成されうる。したがって、ベントを通るより高い拡散速度又はより高いガス流速は、より広いポケットによって提供され、それによって密閉容器の内部にさらされるベント材料のより大きな表面積を提供することができる。ベントを通るより低い拡散速度又はより低いガス流速は、より狭いポケットによって提供され、それによって密閉容器の内部にさらされるベント材料のより低い表面積を提供することができる。
【0054】
ベント材料は、少なくとも2つの接続面を含むことができ、少なくとも2つの接続面は、ベント材料の第一の側にある第一の接続面と、ベント材料の第二の側にある第二の接続面とを含むことができ、第一の側は、ベント材料の第二の側の反対側である。少なくとも2つの接続面は、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に接続するように構成されうる。したがって、少なくとも2つの接続面はベントをシームに固定することができる。少なくとも2つの接続面はシーム内でベントをシールし、密閉容器の内部から密閉容器の外部へガスが通過する唯一の経路がベントを通したものであることを確保することができる。
【0055】
第一の接続面は、ベント材料とシームの第一の表面との間の非対称接続を含むことができる。
【0056】
第二の接続面は、ベント材料とシームの第二の表面との間の非対称接続を含むことができる。
【0057】
本明細書で使用されるときに、「非対称接続」という用語は、接続が少なくとも1つの平面において非対称であるように、接続面に少なくとも1つの不連続性を有する表面上に提供される接続を指す。例えば、接続は、ベント材料の前部(すなわち、密閉容器の外部に隣接するベント材料の部分)とベント材料の後部(すなわち、密閉容器の内部に隣接するベント材料の部分)とを分割する平面において非対称であることができる。
【0058】
ベント材料とシームの第二の表面との間の非対称接続は、ベント材料とシームの第一の表面との間の非対称接続と部分的にオーバーラップすることができる。
【0059】
ベント材料の第一の側は、非接続部分を含むことができる。したがって、少なくとも1つの容器壁に接続されていないベント材料の第一の側の部分が存在することができる。第一のチャンネルは、ベント材料の第一の側と少なくとも1つの容器壁との間に形成されうる。第一のチャンネルは、ベント材料の第一の側の非接続部分に対応することができる。第一のチャンネルは、少なくとも一方の側で第一の接続面によって境界を画することができる。第一のチャンネルは、少なくとも2つの側において第一の接続面によって境界を画することができる。第一のチャンネルは、少なくとも3つの側において第一の接続面によって境界を画することができる。
【0060】
ベント材料の第二の側は、非接続部分を含むことができる。したがって、少なくとも1つの容器壁に接続されていないベント材料の第二の側の部分が存在することができる。第二のチャンネルは、ベント材料の第二の側と少なくとも1つの容器壁との間に形成されうる。第二のチャンネルは、ベント材料の第二の側の非接続部分に対応することができる。第二のチャンネルは、少なくとも一方の側で第二の接続面によって境界を画することができる。第二のチャンネルは、少なくとも2つの側において第二の接続面によって境界を画することができる。第二のチャンネルは、少なくとも3つの側において第二の接続面によって境界を画することができる。
【0061】
第一のチャンネルがベント材料の第一の側と少なくとも1つの容器壁との間に形成され、第二のチャンネルがベント材料の第二の側と少なくとも1つの容器壁との間に形成される実施形態において、第一のチャンネルは密閉容器の外部に隣接する開口部から密閉容器の内部に向かって延在することができる。第二のチャンネルは、密閉容器の内部に隣接する開口部から密閉容器の外部に向かって延在することができる。
【0062】
第一の接続面は、密閉容器の内部に隣接して設けられることができる。ベント材料の第一の側の非接続部分は、密閉容器の外部に隣接して設けられることができる。
【0063】
第一の接続面は、密閉容器の外部に隣接して設けられることができる。ベント材料の第一の側の非接続面は、密閉容器の内部に隣接して設けられることができる。
【0064】
第二の接続面は、密閉容器の内部に隣接して設けられることができる。ベント材料の第二の側の非接続部分は、密閉容器の外部に隣接して設けられることができる。
【0065】
第二の接続面は、密閉容器の外部に隣接して設けられることができる。ベント材料の第二の側の非接続面は、密閉容器の内部に隣接して設けられることができる。
【0066】
第一の接続面は、対向する縁部に沿って延び、密閉容器の外部に隣接するベント材料の第一の側の縁部(「第一の外縁部」)から、密閉容器の内部に隣接するベント材料の縁部(「第一の内縁部」)まで実質的に延在している2つの側部を含むことができる。第一の接続面は、2つの側部の間に延在している交差部分を含むことができる。交差部分は、密閉容器の内部を密閉容器の外部からシールして分離することができる。交差部分は、第一の内縁部に隣接して配置されうる。交差部分は、第一の外縁部に隣接して配置されうる。したがって、第一の接続面は、例えば「U字形状」を形成しうる。交差部分は、第一の外縁部と第一の内縁部との間の途中に位置することができる。交差部分は、第一の外縁部よりも第一の内縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第一の内縁部よりも第一の外縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第一の外縁部から第一の内縁部までの90%、80%、70%又は60%、又はそれらの間の値に位置することができる。交差部分は、第一の外縁部から第一の内縁部までの60%~100%に位置することができ、第一の外縁部から100%のところは、第一の内縁部に位置することに対応する。
【0067】
第二の接続面は、対向する縁部に沿って延在し、密閉容器の外部に隣接するベント材料の第二の側の縁部(「第二の外縁部」)から密閉容器の内部に隣接するベント材料の第二の側の縁部(「第二の内縁部」)まで実質的に延在している2つの側部を含むことができる。第二の接続面は、2つの側部の間に延在する交差部分を含むことができる。交差部分は、密閉容器の内部を密閉容器の外部からシールして分離することができる。交差部分は、第二の内縁部に隣接して配置されうる。交差部分は、第二の外縁部に隣接して配置されうる。したがって、第二の接続面は、例えば「U字形状」を形成することができる。交差部分は、第二の外縁部と第二の内縁部との間の途中に位置することができる。交差部分は、第二の外縁部よりも第二の内縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第二の内縁部よりも第二の外縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第二の内縁部から第二の外縁部までの90%、80%、70%、又は60%、又はそれらの間の値に位置することができる。交差部分は、第二の内縁部から第二の外縁部までの60%~100%に位置することができ、第二の内縁部から100%のところは、第二の外縁部に位置することに対応する。
【0068】
幾つかの実施形態において、第一の接続面の交差部分は、第二の接続面の交差部分とは反対の方向に向けられることができる。例えば、第一の接続面の交差部分は、第一の外縁部に隣接して、又は第一の外縁部に設けられることができ、第二の接続面の交差部分は、第二の内縁部に隣接して、又は第二の内縁部に設けられることができる。第一の接続面及び第二の接続面によって形成される第一のチャンネル及び第二のチャンネルを設けることにより、ベント材料と少なくとも1つの容器壁との間のシームのシールを維持しながら、ガスがベント材料内に拡散又は流入するのに利用できるベント材料のより大きな表面積が提供される。
【0069】
密閉容器のシーム内のベント内でのガス拡散に利用できるベント材料の表面積を大きくすると、ベントの効率が向上し、所定の必要な最小ガス拡散速度に対してベントのサイズを最小限に抑えることができることが判明した。
【0070】
さらに、ベント材料の第一の側及びベント材料の第二の側にあるベント材料の利用可能な表面積を設けることにより、ガスが密閉容器の内部から密閉容器の外部へ通過するために取ることができるベント材料を通した利用可能な経路が増加することが判明した。
【0071】
第一の接続面は接着剤を含むことができ、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に接着することができる。第一の接続面は、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に溶接した溶接面を含むことができる。第一の接続面は、第一の接続面の特性を変えるために変性されたベント材料の第一の側の表面の変性部分であることができる。第一の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも大きな表面粗さを有することができる。第一の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも多孔質であることができる。第一の接続面は、少なくとも1つの容器壁により容易に接着、溶接、又はその他の方法で接続されるように構成されうる。
【0072】
第二の接続面は接着剤を含むことができ、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に接着することができる。第二の接続面は、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に溶接した溶接面を含むことができる。第二の接続面は、第二の接続面の特性を変えるために変性されたベント材料の第二の側の表面の変性部分であることができる。第二の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも大きな表面粗さを有することができる。第二の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも多孔質であることができる。第二の接続面は、少なくとも1つの容器壁により容易に接着、溶接、又はその他の方法で接続されるように構成されうる。
【0073】
第一の接続面は、第二の接続面の鏡像とすることができる。
【0074】
幾つかの実施形態において、ベントはベント本体を含むことができる。ベント本体は、少なくとも1つの開口部を含むことができる。ベント本体は、ベントの少なくとも1つの開口部を含むことができる。ベント本体は、シームにおいてベントを少なくとも1つの容器壁に接続するための少なくとも1つの接続面を含むことができる。ベント本体はベント材料を収容することができる。したがって、ガス導管はベント本体を通って延在することができる。
【0075】
ベント本体は、ベントに追加の機械的強度を提供することができる。ベント本体はガス導管を画定することができる。ベント本体は、密閉容器の内部に隣接する少なくとも1つの内部開口部と、密閉容器の外部に隣接する少なくとも1つの外部開口部とを含むことができる。したがって、ガスは、少なくとも1つの内部開口部を通り、ベント材料を通り、そして少なくとも1つの外部開口部を通って通過することが要求されうる。
【0076】
ベント本体はベントアパチャを含むことができる。ベントアパチャは、ベント本体の少なくとも1つの開口部のうちの1つに対応することができる。ベントアパチャはシームを超えて延在することができる。ベントアパチャを含むベント本体の部分はシームを超えて延在することができる。ベントアパチャを含むベント本体の部分は、シームを超えて密閉容器の内部に延在することができる。ベントアパチャを含むベント本体の部分は、シームを超えて密閉容器の外部まで延在することができる。ベントアパチャは主平面を有することができる。ベントアパチャは、形状が矩形、長方形又は正方形であることができる。ベントアパチャは湾曲していることができる。ベントアパチャは円形でも又は楕円形でもよい。ベントアパチャの形状は、ベントアパチャの主平面を画定することができる。ベント材料はベントアパチャを横切って延在していることができる。ベント材料はベントアパチャにまたがっていることができる。例えば、ベント材料は、ベントアパチャを横切って延在するベント膜であることができる。 ベント材料は、上述したようなラミネート材料を含むことができる。
【0077】
ベント本体は主平面を含むことができる。ベント本体の一部は主平面を含むことができる。ベント本体の主平面又はベント本体の一部は、シームの主平面と一致するか、又は平行であることができる。ベントアパチャの主平面は、ベント本体の主平面内、又はベント本体の主平面に平行な平面内に配置されうる。ベントアパチャの主平面は、ベント本体の主平面に対して実質的に垂直に配置されうる。ベントアパチャの主平面は、ベント本体の主平面との間にある角度で配置されることができ、そしてベント本体の主平面に対して垂直に配置されることができる。
【0078】
ベント本体は、ベントアパチャを、主平面を含むベント本体の部分に接続する接続部分を含むことができる。ガス導管は、少なくとも1つの開口部から、主平面及び接続部分を含むベント本体の部分を介してベントアパチャまで延在することができる。
【0079】
少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部からオフセットされていることができる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの次元において少なくとも1つの外部開口部からオフセットされていることができる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも2次元において少なくとも1つの外部開口部からオフセットされていることができる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部から垂直方向にオフセットされていることができる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部から水平方向にオフセットされていることができる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部から垂直方向及び水平方向にオフセットされていることができる。本明細書で使用されるときに、「垂直方向に」という用語は、ベント本体の主平面に対して垂直な方向を指す。「水平方向に」という用語は、ベント本体の主平面内、又はベント本体の主平面に平行な平面内の方向を指す。したがって、ベントを通過するガスは、少なくとも1つの内部開口部から少なくとも1つの外部開口部へと流れの方向を少なくとも1回変える必要があることがある。少なくとも1つの内部開口部から少なくとも1つの外部開口部までのガス導管は、流れの方向を少なくとも1回変更する必要があるようにできる。したがって、ベントは、ベント材料を通るガスの直線的な流れを妨げ、それによってガスがより高体積のベント材料を通過する必要があるようにできる。
【0080】
ベント本体は、中央部分、第一のテーパ部分及び第二のテーパ部分を含むことができる。中央部分は、第一のテーパ部分と第二のテーパ部分との間に位置することができる。第一のテーパ部分は、中央部分から離れるにつれてベント本体の厚さを徐々に減少させるように構成されうる。第二のテーパ部分は、中央部分から離れるにつれてベント本体の厚さを徐々に減少させるように構成されうる。したがって、ベント本体は、ベント本体と少なくとも1つの壁の2つの部分との間のシーム内に確実なシールをより容易に形成できるように構成されうる。ベント本体は、密閉容器のシーム内により確実に保持されることができ、シーム内の少なくとも1つの容器壁とベントとの間、及びシーム内のベントの両側の少なくとも1つの容器壁の両方の部分の間のより緊密なシールを促進することができる。
【0081】
第一のテーパ部分及び/又は第二のテーパ部分は、一方の側でテーパ状になっていることができる。第一のテーパ部分及び/又は第二のテーパ部分は、2つの側でテーパ状になっていることができる。第一のテーパ部分及び/又は第二のテーパ部分は、2つの対向する側でテーパ状になっていることができる。
【0082】
ベント材料は、少なくとも1つの内部開口部と少なくとも1つの外部開口部との間に配置されうる。ベント本体は中央キャビティを含むことができる。中央キャビティは、少なくとも1つの内部開口部と少なくとも1つの外部開口部との間に配置されうる。中央キャビティは、少なくとも1つの内部開口部を少なくとも1つの外部開口部に接続することができる。ベント材料は中央キャビティにまたがっていることができる。したがって、少なくとも1つの内部開口部から少なくとも1つの外部開口部へ流れる又は拡散するガスは、中央キャビティ内のベント材料を強制的に通過することができる。
【0083】
ベントはシームを超えて密閉容器の内部まで延在していなくてよい。ベントはシームを超えて密閉容器の外部まで延在していなくてよい。幾つかの実施形態において、ベントは、密閉容器の内部に延在せず、密閉容器の外部にも延在しないように、完全にシーム内に保持されていることができる。
【0084】
第二の態様において、ベント材料、少なくとも1つの開口部及び少なくとも1つの接続面を含むベントが提供され、ここで、ベントは、内部及び外部を有する密閉容器のシーム内に取り付けられるように構成されており、その結果、少なくとも1つの開口部は密閉容器の外部に隣接しており、少なくとも1つの接続面はベントをシーム内に接続するように構成されており、少なくとも1つの開口部及びベント材料はガス導管を形成し、その結果、ベントが密閉容器のシーム内に設置されると、使用中に、ガスは、ガス導管を通って密閉容器の内部から密閉容器の外部へ通過する。
【0085】
ベント材料はポリマー材料を含むことができる。ポリマー材料は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)などのフルオロポリマーからなる群より選択されうる。
【0086】
ベント材料は、膨張ポリマー材料を含むことができる。膨張ポリマー材料は、膨張PE(ePE)、膨張PET(ePET)、又は延伸PTFE(ePTFE)もしくは膨張FEP(eFEP)などの膨張フルオロポリマーからなる群より選択されうる。
【0087】
ベント材料は、緻密ポリマー材料を含むことができる。緻密ポリマー材料は、緻密PE、緻密PET、又は緻密PTFEもしくは緻密FEPなどの緻密フルオロポリマーからなる群より選択されうる。
【0088】
ベント材料は、緻密化膨張ポリマー材料を含むことができる。緻密化膨張ポリマー材料は、緻密化ePE、緻密化ePET、又は緻密化ePTFEもしくは緻密化eFEPなどの緻密化膨張フルオロポリマーからなる群より選択されうる。
【0089】
ベント材料は多孔質材料であることができる。ベント材料は、ガスがベントのベント材料を通過できるように、ベント材料を通るガスの流れを可能にするのに十分な多孔質であることができる。したがって、ベント材料は、ベント材料を横切るガス流又は空気流を可能にすることができる。
【0090】
ベント材料は、ベント材料を通したガスの拡散を可能にするように構成されうる。ベント材料は、ガスがベント材料を通って拡散することを可能にする細孔を含むことができる。細孔は、ガスがベント材料を通って拡散することを可能にするが、ベント材料を通ってガスが流れるのを防止するのに十分に小さいようなサイズにすることができる。ベント材料は、ガスがベント材料を通る間接的な経路をとらなければならないように構造化されうる。
【0091】
ベントは、第一の接続面を含むことができる。第一の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントをシームに接続することができる。ベントは、第二の接続面を含むことができる。第二の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントをシームに接続することができる。第二の接続面は、ベントの第一の接続面とは反対側にあることができる。
【0092】
ベントは液体に対して不透過性であることができる。したがって、ベントは、ガス導管を通るガスの通過を許可し、液体の通過は許可しないことができる。
【0093】
ベント材料はポケットが形成することができる。少なくとも1つの開口部のうちのある開口部は、ポケットの開口部であることができる。ポケットはベント材料内に形成されうる。ガス導管は、開口部からポケットを介してベント材料を通って延在することができる。
【0094】
本明細書で使用されるときに、「ポケット」という用語は、ベント材料の表面間のギャップ又は開口部を指す。ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ギャップ又は開口部は、典型的に、少なくとも1つの開口部からシームの幅を通って密閉容器の内部まで延在する。
【0095】
ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ポケットはシームから密閉容器内に延在することができる。
【0096】
ベント材料は膜(メンブレン)を含むことができる。ベント材料はフィルムを含むことができる。ベント材料はそれ自体の上に折り畳まれてポケットを形成することができる。したがって、ベント材料は、ポケットの第一の側、ポケットの第二の側及びポケットの第三の側を形成することができる。ポケットの第一の側は、ポケットの第二の側とは反対側にあることができる。ポケットの第三の側は、ベント材料がそれ自体の上に折り畳まれている折り目を形成するベント材料の部分に対応することができる。ポケットの第一の側及びポケットの第二の側は、それらの間に延在するポケットとともに互いに接続されうる。ポケットの第一の側及びポケットの第二の側は互いに接着されうる。ポケットの第一の側及びポケットの第二の側は溶接されうる。
【0097】
ベント材料は、可撓性基材上に支持されうる。可撓性基材は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料をシームに接続することができる。ベント材料が緻密ポリマー又は緻密化膨張ポリマーを含む実施形態において、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、可撓性基材により、ベント材料をシームにより容易かつ確実に接続することができる。
【0098】
可撓性基材は、ベント材料よりも開いた構造を含むことができる。可撓性基材は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器の内部から密閉容器の外部へのガスの通過が妨げられないことを確保するように構成されうる。
【0099】
ベントはラミネートを含むことができる。ラミネートは複数の層を含むことができる。複数の層のうちの少なくとも1つの層は、ベント材料の層であることができる。複数の層のうちの少なくとも1つの層は、可撓性基材の層であることができる。複数の層のうちの少なくとも1つの層は中間層であることができる。中間層は、ベント材料の層と可撓性基材との層との間にあることができる。中間層により、ベント材料の層が可撓性基材の層により容易に接続されることが可能になる。例えば、中間層は、ベント材料を可撓性基材の層に接着させることができる。
【0100】
ラミネートは少なくとも3つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも4つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも5つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも6つの層を含むことができる。ラミネートは少なくとも7つの層を含むことができる。ラミネートは2層~7層を含むことができる。ラミネートは3層~5層を含むことができる。例えば、ラミネートは、3層、4層又は5層を含むことができる。
【0101】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、ベント材料の層、可撓性基材の第一の層及び可撓性基材の第二の層を含むことができる。ベント材料の層は、可撓性基材の第一の層と可撓性基材の第二の層との間に設けることができる。
【0102】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、ベント材料の層、可撓性基材の第一の層、可撓性基材の第二の層、第一の中間層及び第二の中間層を含むことができる。ベント材料の層は、第一の中間層と第二の中間層との間に設けることができる。可撓性基材の第一の層は、ベント層に接続される側とは反対側の第一の中間層上に設けることができる。可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層に接続される側とは反対側の第二の中間層上に設けることができる。
【0103】
可撓性基材の第一の層及び/又は可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層よりも多孔質の材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、可撓性基材の第一の層及び/又は可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層のより多孔質の形態のベント材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、可撓性基材の第一の層及び/又は可撓性基材の第二の層は、ベント材料の層とは異なる材料を含むことができる。
【0104】
中間層又は各中間層はフルオロポリマーを含むことができる。ベント材料の層がフルオロポリマーを含む実施形態において、中間層又は各中間層は、ベント材料の層のフルオロポリマーとは異なるフルオロポリマーを含むことができる。これらの中間層又は各中間層は、FEP、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとのターポリマー(THV)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)を含むことができる。例えば、その中間層又は各中間層はFEPを含むことができる。
【0105】
ベント材料がポケットを形成する実施形態において、ポケットは、ラミネートをそれ自体に折り重ねてポケットを形成することによって形成されうる。したがって、可撓性基材の第一の層及び可撓性基材の第二の層を含む実施形態において、可撓性基材の第一の層はポケットの外部を形成することができ、可撓性基材の第二の層はポケットの内部を形成することができる。可撓性基材の第一の層は、ポケットによって形成されたベントをシームに接続することができる。したがって、可撓性基材の第一の層は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントとシームとの間に確実かつシールされた接続を形成するように構成されうる。
【0106】
中間層を含む実施形態において、中間層は、ベント材料の層が可撓性基材の層により確実に接続されることを可能にするように構成されうる。
【0107】
可撓性基材の層は、ベント材料の層を超えて延在することができる。
【0108】
ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ポケットの開口部は密閉容器の外部に開口しうる。ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ポケットの開口部は密閉容器の内部に開口しうる。
【0109】
使用の間に、ベントが密閉容器のシーム内に設置されているときに、密閉容器内で発生されるガスはベント材料を通ってポケットに入り、次いで、ポケットの開口部を通って密閉容器の外部に通過することができる。
【0110】
ポケットの長さは、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントを通る密閉容器の内部から密閉容器の外部への拡散又はガス流の速度を制御するように構成されうる。密閉容器の内部に延在するポケットの長さは、ベントを通る密閉容器の内部から密閉容器の外部への拡散又はガス流の速度を制御するように構成されうる。したがって、ベントを通るより高い拡散速度又はより高いガス流速度は、より長いポケットによって提供され、それによって密閉容器の内部に暴露されるベント材料のより大きな表面積を提供することができる。ベントを通るより低い拡散速度又はより低いガス流速度は、より短いポケットによって提供され、それにより密閉容器の内部に暴露されるベント材料のより低い表面積を提供することができる。
【0111】
ポケットの幅は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントを通る密閉容器の内部から密閉容器の外部への拡散又はガス流の速度を制御するように構成されうる。密閉容器のシームに沿って延在するポケットの幅は、ベントを通る密閉容器の内部から密閉容器の外部への拡散又はガス流の速度を制御するように構成されうる。したがって、ベントを通るより高い拡散速度又はより高いガス流の速度は、より広いポケットによって提供され、それによって密閉容器の内部に暴露されるベント材料のより大きな表面積を提供することができる。ベントを通るより低い拡散速度又はより低いガス流の速度は、より狭いポケットによって提供され、それによって密閉容器の内部に暴露されるベント材料のより低い表面積を提供することができる。
【0112】
ベント材料は少なくとも2つの接続面を含むことができ、少なくとも2つの接続面は、ベント材料の第一の側にある第一の接続面と、ベント材料の第二の側にある第二の接続面とを含むことができ、ここで、第一の側は、ベント材料の第二の側の反対側にある。少なくとも2つの接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に接続するように構成されうる。したがって、少なくとも2つの接続面はベントをシームに固定することができる。少なくとも2つの接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントを通して密閉容器の内部から密閉容器の外部へガスが通過する唯一の経路を確保するために、ベントをシーム内にシールすることができる。
【0113】
第一の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料とシームの第一の表面との間の非対称接続を含むことができる。
【0114】
第二の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料とシームの第二の表面との間の非対称接続を含むことができる。
【0115】
本明細書で使用されるときに、「非対称接続」という用語は、接続が少なくとも1つの平面において非対称であるように、接続面に少なくとも1つの不連続性を有する表面上に提供される接続を指す。例えば、接続は、ベント材料の前部(すなわち、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器の外部に隣接するベント材料の部分)をベント材料の後部(すなわち、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器の内部に隣接するベント材料の部分)から分割する平面において非対称であることができる。
【0116】
ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときのベント材料とシームの第二の表面との間の非対称接続は、ベント材料とシームの第一の表面との間の非対称接続と部分的にオーバーラップすることができる。
【0117】
ベント材料の第一の側は、非接続部分を含むことができる。したがって、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料の第一の側の一部は少なくとも1つの容器壁に接続されない可能性がある。第一のチャンネルは、ベント材料の第一の側と少なくとも1つの容器壁との間に形成されうる。第一のチャンネルは、ベント材料の第一の側の非接続部分に対応することができる。第一のチャンネルは、少なくとも一方の側で第一の接続面によって境界を画することができる。第一のチャンネルは、少なくとも2つの側で第一の接続面によって境界を画することができる。第一のチャンネルは、少なくとも3つの側で第一の接続面によって境界を画することができる。
【0118】
ベント材料の第二の側は、非接続部分を含むことができる。したがって、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料の第二の側の一部は少なくとも1つの容器壁に接続されない可能性がある。第二のチャンネルは、ベント材料の第二の側と少なくとも1つの容器壁との間に形成されうる。第二のチャンネルは、ベント材料の第二の側の非接続部分に対応することができる。第二のチャンネルは、少なくとも一方の側で第二の接続面によって境界を画することができる。第二のチャンネルは、少なくとも2つの側で第二の接続面によって境界を画することができる。第二のチャンネルは、少なくとも3つの側で第二の接続面によって境界を画することができる。
【0119】
ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料の第一の側と少なくとも1つの容器壁との間に第一のチャンネルが形成され、ベント材料の第二の側と少なくとも1つの容器壁との間に第二のチャンネルが形成される実施形態において、第一のチャンネルは、密閉容器の外部に隣接する開口部から密閉容器の内部に向かって延在することができる。第二のチャンネルは、密閉容器の内部に隣接する開口部から密閉容器の外部に向かって延在することができる。
【0120】
第一の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器の内部に隣接して設けることができる。ベント材料の第一の側の非接続部分は、密閉容器の外部に隣接して設けることができる。
【0121】
第一の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器の外部に隣接して設けることができる。ベント材料の第一の側の非接続面は、密閉容器の内部に隣接して設けることができる。
【0122】
第二の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器の内部に隣接して設けることができる。ベント材料の第二の側の非接続部分は、密閉容器の外部に隣接して設けることができる。
【0123】
第二の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器の外部に隣接して設けることができる。ベント材料の第二の側の非接続面は、密閉容器の内部に隣接して設けることができる。
【0124】
第一の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、対向する縁部に沿って延在し、密閉容器の外部に隣接するベント材料の第一の側の縁部(第一の外縁部)から密閉容器の内部に隣接するベント材料の縁部(「第一の内縁部」)まで実質的に延びる2つの縁部を含むことができる。第一の接続面は、2つの側部の間に延在する交差部分を含むことができる。交差部分は、密閉容器の内部を密閉容器の外部からシールして分離することができる。交差部分は、第一の内縁部に隣接して配置されうる。交差部分は、第一の外縁部に隣接して配置されうる。したがって、第一の接続面は、例えば「U字形状」を形成することができる。交差部分は、第一の外縁部と第一の内縁部との間の途中に位置することができる。交差部分は、第一の外縁部よりも第一の内縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第一の内縁部よりも第一の外縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第一の外縁部から第一の内縁部までの90%、80%、70%又は60%、又はそれらの間の値に位置することができる。交差部分は、第一の外縁部から第一の内縁部までの60%~100%に位置することができ、第一の外縁部から100%のところは、第一の内縁部に位置することに対応する。
【0125】
第二の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、対向する縁部に沿って延在し、密閉容器の外部に隣接するベント材料の第二の側の縁部(「第二の外縁部」)から密閉容器の内部に隣接するベント材料の第二の側の縁部(「第二の内縁部」)まで実質的に延在する2つの側部を含むことができる。第二の接続面は、2つの側部の間に延在する交差部分を含むことができる。交差部分は、密閉容器の内部を密閉容器の外部からシールして分離することができる。交差部分は、第二の内縁部に隣接して配置されうる。交差部分は、第二の外縁部に隣接して配置されうる。したがって、第二の接続面は、例えば「U字形状」を形成することができる。交差部分は、第二の外縁部と第二の内縁部との間の途中に位置することができる。交差部分は、第二の外縁部よりも第二の内縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第二の内縁部よりも第二の外縁部の近くに位置することができる。交差部分は、第二の内縁部から第二の外縁部までの90%、80%、70%又は60%、又はそれらの間の値に位置することができる。交差部分は、第二の内縁部から第二の外縁部までの60%~100%に位置することができ、第二の内縁部から100%のところは、第二の外縁部に位置することに対応する。
【0126】
幾つかの実施形態において、第一の接続面の交差部分は、第二の接続面の交差部分とは反対の方向に向けられることができる。例えば、第一の接続面の交差部分は、第一の外縁部に隣接して設けられ、又は第一の外縁部に設けられ、第二の接続面の交差部分は、第二の内縁部に隣接して設けられ、又は第二の内縁部に設けられることができる。
【0127】
第一の接続面と第二の接続面によって形成される第一のチャンネルと第二のチャンネルを設けることにより、ベント材料と少なくとも1つの容器壁との間のシーム内にシールを維持しながら、ガスがベント材料に拡散又は流入するのに利用できるベント材料のより大きな表面積が提供される。
【0128】
密閉容器のシーム内のベント内でのガス拡散に利用できるベント材料の表面積を大きくすると、ベントの効率が向上し、所定の必要な最小ガス拡散速度に対してベントのサイズを最小限に抑えることができることが判明した。
【0129】
さらに、ベント材料の第一の側及びベント材料の第二の側にあるベント材料の利用可能な表面積を設けることにより、ガスが密閉容器の内部から密閉容器の外部へ通過するために取ることができる、ベント材料を通る利用可能な経路が増加することが判明した。
【0130】
第一の接続面は接着剤を含むことができ、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に接着することができる。第一の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料が少なくとも1つの容器壁に溶接された溶接面を含むことができる。第一の接続面は、第一の接続面の特性を変えるように変性されたベント材料の第一の側の表面の変性部分であることができる。第一の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも大きな表面粗さを有することができる。第一の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも多孔質であることができる。第一の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、少なくとも1つの容器壁により容易に接着され、溶接され、又はその他の方法で接続されるように構成されうる。
【0131】
第二の接続面は接着剤を含むことができ、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料を少なくとも1つの容器壁に接着することができる。第二の接続面は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント材料が少なくとも1つの容器壁に溶接された溶接面を含むことができる。第二の接続面は、第二の接続面の特性を変えるように変性されたベント材料の第二の側の表面の変性部分であることができる。第二の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも大きな表面粗さを有することができる。第二の接続面は、ベント材料の非変性表面よりも多孔質であることができる。第二の接続面は、少なくとも1つの容器壁により容易に接着され、溶接され、又はその他の方法で接続されるように構成されうる。
【0132】
第一の接続面は、第二の接続面の鏡像であることができる。
【0133】
幾つかの実施形態において、ベントはベント本体を含むことができる。ベント本体は、ベントの少なくとも1つの開口部を含むことができる。ベント本体は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントをシーム内で少なくとも1つの容器壁に接続するための少なくとも1つの接続面を含むことができる。ベント本体はベント材料を収容することができる。したがって、ガス導管はベント本体を通って延在することができる。
【0134】
ベント本体は、ベントに追加の機械的強度を提供することができる。ベント本体はガス導管を画定することができる。ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベント本体は、密閉容器の内部に隣接する少なくとも1つの内部開口部と、密閉容器の外部に隣接する少なくとも1つの外部開口部とを含むことができる。したがって、ガスは、少なくとも1つの内部開口部、ベント材料及び少なくとも1つの外部開口部を通過することが要求されうる。
【0135】
ベント本体はベントアパチャを含むことができる。ベントアパチャは、ベント本体の少なくとも1つの開口部のうちの1つに対応することができる。ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントアパチャはシームを超えて延在することができる。ベントアパチャを含むベント本体の一部は、シームを超えて延在することができる。ベントアパチャを含むベント本体の一部は、シームを超えて密閉容器の内部に延在することができる。ベントアパチャを含むベント本体の一部は、シームを超えて密閉容器の外部まで延在することができる。ベントアパチャは主平面を有することができる。ベントアパチャは形状が矩形、長方形又は正方形であることができる。ベントアパチャは湾曲していることができる。ベントアパチャは円形又は楕円形であることができる。ベントアパチャの形状は、ベントアパチャの主平面を画定することができる。ベント材料はベントアパチャを横切って延在することができる。ベント材料はベントアパチャをまたがることができる。例えば、ベント材料は、ベントアパチャを横切って延在するベント膜であることができる。ベント材料は、上述したようなラミネート材料を含むことができる。
【0136】
ベント本体は主平面を含むことができる。ベント本体の一部は主平面を含むことができる。ベント本体の主平面又はベント本体の一部は、シームの主平面と一致するか、又は平行であることができる。ベントアパチャの主平面は、ベント本体の主平面内、又はベント本体の主平面に平行な平面内に配置されうる。ベントの主平面は、ベント本体の主平面に対して実質的に垂直に配置されうる。ベントアパチャの主平面は、ベント本体の主平面との間にある角度で配置され、ベント本体の主平面に対して垂直に配置されうる。
【0137】
ベント本体は、主平面を含むベント本体の一部にベントアパチャを接続する接続部分を含むことができる。ガス導管は、少なくとも1つの開口部から、主平面を含むベント本体の一部及び接続部分を介してベントアパチャまで延在することができる。
【0138】
少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部からオフセットされうる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの次元において少なくとも1つの外部開口部からオフセットされうる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも2つの次元において少なくとも1つの外部開口部からオフセットされうる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部から垂直方向にオフセットされうる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部から水平方向にオフセットされうる。少なくとも1つの内部開口部は、少なくとも1つの外部開口部から垂直方向及び水平方向にオフセットされうる。本明細書で使用されるときに、「垂直方向」という用語は、ベント本体の主平面に対して垂直な方向を指す。「水平方向」という用語は、ベント本体の主平面内、又はベント本体の主平面に平行な平面内の方向を指す。したがって、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントを通過するガスは、少なくとも1つの内部開口部から少なくとも1つの外部開口部へと流れの方向を少なくとも1回変更する必要がある可能性がある。少なくとも1つの内部開口部から少なくとも1つの外部開口部までのガス導管は、流れの方向を少なくとも1回変更する必要がある可能性がある。したがって、ベントは、ベント材料を通るガスの直線的な流れを妨げ、それによってガスがより多くの体積のベント材料を通過する必要がある可能性がある。
【0139】
ベント本体は、中央部分、第一のテーパ部分及び第二のテーパ部分を含むことができる。中央部分は、第一のテーパ部分と第二のテーパ部分との間に位置することができる。第一のテーパ部分は、中央部分から離れるにつれてベント本体の厚さを徐々に減少させるように構成されうる。第二のテーパ部分は、中央部分から離れるにつれてベント本体の厚さを徐々に減少させるように構成されうる。したがって、ベント本体は、ベント本体と少なくとも1つの壁の2つの部分との間のシーム内に確実なシールをより容易に形成できるように構成されうる。ベント本体は、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、密閉容器のシーム内により確実に保持されることができ、少なくとも1つの容器壁とシール内のベントとの間、及び、シーム内のベントの両側の少なくとも1つの容器壁の両方の部分の間のより緊密なシールを促進することができる。
【0140】
第一のテーパ部分及び/又は第二のテーパ部分は、一方の側でテーパ状になっていることができる。第一のテーパ部分及び/又は第二のテーパ部分は、2つの側でテーパ状になっていることができる。第一のテーパ部分及び/又は第二のテーパ部分は、2つの対向する側でテーパ状になっていることができる。
【0141】
ベント材料は、少なくとも1つの内部開口部と少なくとも1つの外部開口部との間に配置されうる。ベント本体は中央キャビティを含むことができる。中央キャビティは、少なくとも1つの内部開口部と少なくとも1つの外部開口部との間に配置されうる。中央キャビティは、少なくとも1つの内部開口部を少なくとも1つの外部開口部に接続することができる。ベント材料は中央キャビティをまたがることができる。したがって、少なくとも1つの内部開口部から少なくとも1つの外部開口部へ流れる又は拡散するガスは、中央キャビティ内のベント材料を強制的に通過することができる。
【0142】
幾つかの実施形態において、ベントは、ベントが密閉容器のシーム内に設置されるときに、ベントが密閉容器の内部に延在せず、また密閉容器の外部にも延在しないように、完全にシーム内に保持されうる。
【0143】
第一の態様におけるベントに関連して説明された特徴は、第二の態様におけるベントの特徴である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
図面の簡単な説明
次に、本発明の実施形態を、非限定的な例として、添付の図面を参照して説明する。
【0145】
【
図1】
図1は、一般的な実施形態による、ベントを含む密閉容器の斜視図である。
【0146】
【
図2】
図2は、1つの実施形態による、ベントを含む密閉容器のA)斜視断面図、及びB)断面図である。
【0147】
【
図3】
図3は、1つの実施形態による、ベントを形成するために使用される5層ラミネートの断面図である。
【0148】
【
図4】
図4は、1つの実施形態による、ベントを形成するために使用されるラミネートの上面図である。
【0149】
【
図5】
図5は、1つの実施形態による、ベントを含む密閉容器の斜視図である。
【0150】
【
図6】
図6は、実施形態による、例示的なベントの圧力対時間のプロットである。
【0151】
【
図7】
図7は、実施形態による、ベントの二酸化炭素透過性のチャートである。
【0152】
【
図8】
図8は、1つの実施形態による、ベントを含む密閉容器の一部の上面図である。
【0153】
【
図9】
図9は、1つの実施形態によるベント材料の斜視図である。
【0154】
【
図10】
図10は、1つの実施形態による、ベントを含む密閉容器の一部の断面図である。
【0155】
【
図11】
図11は、1つの実施形態によるベントの斜視図である。
【0156】
【
図12】
図12は、1つの実施形態によるベントの斜視図である。
【0157】
【
図13】
図13は、1つの実施形態によるベントの斜視図である。
【0158】
【
図14】
図14は、1つの実施形態によるベントの正面図である。
【0159】
【
図15】
図15は、1つの実施形態による、ベントを含む密閉容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0160】
詳細な説明
本発明の様々な実施形態の製造及び使用については以下で詳細に説明するが、本発明は、多種多様な特定の状況で具体化できる多くの適用可能な発明概念を提供することを理解されたい。本明細書で説明する特定の実施形態は、本発明を製造及び使用するための特定の方法を単に例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0161】
本発明の理解を容易にするために、幾つかの用語を以下に定義する。本明細書で定義される用語は、本発明に関連する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。「a」、「an」及び「the」などの用語は、単一の物のみを指すことを意図したものではなく、説明のために特定の例が使用される一般的なクラスを含む。本明細書における用語は、本発明の特定の実施形態を説明するために使用されるが、特許請求の範囲に概説される場合を除き、その使用は本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0162】
例1
図1によれば、一般的な例において、可撓性壁2と、流体が密閉容器1の内部から密閉容器1の外部へ通過できないように密閉容器1をシールするシーム4とを含む密閉容器1が提供される。ベント6がシーム4内に設けられている。ベント6はベントアパチャ8を含み、その中でベント材料10はベントアパチャ8にまたがっている。ガスがベントアパチャを通して密閉容器の内部から密閉容器の外部に通過できるように、ガス導管はベントアパチャを通して形成されている。
【0163】
ベント6は、シーム4内で密閉容器1の壁とのシール接続を形成し、密閉容器1の内部及び密閉容器1の外部からの唯一の経路がベント6を通るものであることを確保する。
【0164】
例2
図2A及び2Bを参照すると、パウチ20(密閉容器として機能する)は、可撓性壁22と、流体がパウチ20の内部26からパウチ20の外部28へ通過することができないようにパウチ20をシールするシーム24とを含む。ベント30はシーム24内に設けられている。ベント30は開口部32を含み、そしてラミネート材料34から形成され、前記ラミネート材料はそれ自体に折り重ねられてポケット36を形成する(例えば、
図2Bを参照されたい)。開口部32はパウチ20の外部28に面しており、ベント30の折り畳まれた端部38はパウチ20の内部26内に延在している。ベント30はシーム24を超えてパウチ20の外部28まで延在せず、シーム24からパウチ20の外部28まで延在しない。
【0165】
使用中に、ガスはパウチ20の内部26からラミネート材料34を通ってベント30のポケットに入り、開口部32からパウチ20の外部28に流出することができる。
【0166】
ベント30は、ePTFE膜(「40Fプリズム」膜)の外層40と、中央の緻密PTFE膜(「DM18C」)の緻密フィルム42とを含み、緻密フィルム42と各外層40との間にフッ素化エチレンプロピレン(FEP)中間層44を含む、5層ラミネート材料34(
図3を参照されたい)を調製することによって形成される。ポリプロピレン(PP)フィルム46は、ラミネート材料34の両側に延在してベント複合材を形成する(
図4を参照されたい)。次いで、ベント複合材は、ラミネート材料34がそれ自体の上に折り重なり、PPフィルム46がそれ自体の上に折り重なるように、それ自体の上に折り畳まれる。次に、一片のポリ (4,4'-オキシジフェニレン-ピロメリットイミド)フィルム(Kapton (R))(保護要素として機能する)を、折り畳まれたラミネート材料の間の折り畳まれた複合材内に、ラミネート材料の端部から離間するように配置する。次に、ベント複合材を250℃の温度及び100Nの力で熱溶接し、その結果、Kapton (R) によって保護されていない領域でラミネート材料の側部がそれ自体に溶接される。したがって、ポケット36は、溶接側部48及び折り目によって境界が画されたラミネート材料34によって形成される。次いで、Kapton (R) の片を除去する。
【0167】
このように形成されたベント30は、シーム24を形成するためにシールされるパウチ20の壁の間に配置され、次に、シーム24はベント30の周囲に形成される。折り畳まれたラミネート材料34の両側のPPフィルムはパウチ20の壁間にしっかりした接続を提供する。
【0168】
ベント30を通るガスの拡散速度は、ベント30のポケット36の幅及び/又は長さを調整することによって構成されうることが理解される。
【0169】
シーム52内にベント30を含む密閉容器50のさらなる例は
図5に示されている。
【0170】
圧力試験:
例2によるシーム内にベントを含む密閉容器が実質的に気密な密閉容器となる能力を以下に記載するように試験した。
【0171】
約1バールの圧力(Heガス)を密閉容器に課した。60℃での開始圧力を測定し、温度及び圧力を維持しながら2時間にわたる圧力を測定した。例2による3つのサンプルを試験し、ベントされていないパウチと比較した。各サンプルのパウチ内の経時的な圧力を
図6に示す。一定期間にわたる圧力降下が0.05バール未満であれば合格と判定した。1つのサンプルで破損が観察され、これはベント自体の破損ではなく、シームのシールが不十分であることが原因であると判明した。
【0172】
CO
2透過性試験:
例2のベントのCO
2透過性を測定して、ベントを通して拡散できるCO
2の量を決定した。2つのサンプルの結果を
図7に示す。したがって、両方のサンプルは良好なCO2透過性を有すると判断された。
【0173】
例3
図8~
図10を参照すると、密閉容器100は、ベント102、可撓性壁104及びシーム106を含む。ベント102は、シーム106内でシールされる。ベント102は、緻密化延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材108(ベント材料として機能する)を含み、第一の側112に第一のU字形接続面110(第一の接続面として機能する)を有し、第一の側112とは反対側の第二の側116に第二のU字形接続面114(第二の接続面として機能する)を有する。
図8において、説明の目的で、第一のU字形接続面及び第二のU字形接続面110、114は互いにオフセットして示されている。第一のU字形接続面は、ePTFE基材108を可撓性壁104の第一の部分120に接続し、第二のU字形接続面は、ePTFE基材108を可撓性壁104の第二の部分122に接続する。第一のU字形接続面110は、第一の開口部118が可撓性壁104の第一の部分120とePTFE基材108との間に形成されるように配向されている。第一の開口部118は、第一のU字形接続面110によって3つの側が画定され、密閉容器100の外部に開口している。第二のU字形接続面114は、第二の開口部124が可撓性壁104の第二の部分122とePTFE基材108との間に形成されるように配向されている。第二の開口部124は、第二のU字状接続面114によって3つの側が画定され、密閉容器100の内部に開口している。
【0174】
第一のU字形接続面110は、第一の側112に接着剤を供給することによって形成され、その結果、可撓性壁104の第一の部分120は第一のU字形接続面110とよりしっかりと接続され、接着剤を有しない第一の側112の残りの部分にはあまりしっかりと接続されない。
【0175】
第二のU字形接続面114は、第二の側116に接着剤を供給することによって形成され、その結果、可撓性壁104の第二の部分122は第二のU字形接続面114とよりしっかりと接続され、接着剤を有しない第二の側116の残りの部分にはあまりしっかりと接続されない。
【0176】
使用中に、ガスは、ePTFE基材108の2つの面、すなわち密閉容器の内部に隣接するePTFE基材108の面、及び、第一のU字形接続面110の部分でない第一の側112の部分でePTFE基材108に入ることができる。次に、ガスは、ePTFE基材108を通過し、ePTFE基材108のさらなる2つの面、すなわち、密閉容器100の外部に隣接するePTFE基材108の面、及び、第二のU字形接続面114の部分でない第二の側116の部分を介して、ePTFE基材108から密閉容器の外部へ出ることができる。したがって、第一のU字形接続面110及び第二のU字形接続面114の使用は、ePTFE基材108の第一の側及び第二の側が密閉容器100の可撓性壁104に完全に接続されている代替例よりも、ガスがePTFE基材108を通って移動する可能性のある経路をより多く提供する。それゆえ、ePTFE基材108を通る拡散の速度は、代替例と比較して本例では増加しており、その結果、本例のベントは代替例より小さくても、同等の性能を達成することができる。
【0177】
例4
図11を参照すると、ベント200は、ベント本体202及びベントアパチャカバー204を含む。ベント本体202は、3つの開口部206(少なくとも1つの開口部として機能する)及びベントアパチャ208を含む。ベントアパチャ208は、ベント膜210(ベント材料として機能する)を含み、ベント本体202の平面内に延在し、その結果、ベントアパチャ208に出入りするガスは、3つの開口部206に出入りするガスに対してほぼ90度で移動する(例えば、
図11の矢印の方向を参照されたい)。ベントアパチャカバー204は、2つのカバーアパチャ212を含み、ヒンジ214によってベント本体に接続され、閉じた構成でベントアパチャをカバーし、開いた構成にヒンジ214を中心に回転することによって開くように構成され(
図11に示す)、ここで、ベント膜210は完全に暴露されており、必要に応じてベント膜210を交換することができる。ガス導管は、カバーアパチャ212からベント膜210を通り、ベント本体202を通って3つの開口部206までベント200を通して延在している。
【0178】
ベント本体202は、ベント202が、例えば電池パウチ(図示せず)などの密閉容器のシーム内でより容易にシールされることを可能にする角度付き面216、218を含む。
【0179】
ベント200は、ベントアパチャが電池パウチのシームから電池パウチの外部まで延在しているように、電池パウチ(図示せず)のシーム内に設置される。したがって、使用中に発生する可能性のある電池パウチ内のガスは、開口部206を通過し、ベント膜210を通過し、カバーアパチャ212から電池パウチの外部へ出ることができる。
【0180】
例5
図12を参照すると、ベント300は、ベント本体302を含む。ベント本体302は、ベントアパチャ304及び開口部306を含む。ベント本体302は、ベント本体302を密閉容器(図示せず)のシームの表面に接触させるように構成されたシール面308、310をさらに含む。シール面308、310は、密閉容器のシーム内でベントをより容易にシールできるようにする角度付き部分312を含む。ベントアパチャ304は、シール面308、310の平面に対してほぼ垂直に延在している。ePTFE膜314(ベント材料として機能する)はベントアパチャ304を閉塞している。ベント300を通る直線経路は、ベントアパチャ304と開口部306によって形成され、その結果、ベントが密閉容器のシーム内でシールされるときに、密閉容器内で生成されたガスは、開口部306及びベントアパチャ304を介してePTFE膜314を通ってベントを直接通過することができる。
【0181】
ベント300は、ベントアパチャ304が密閉容器のシームから密閉容器の外部に延在するように、密閉容器(図示せず)内に設置される。したがって、使用中に発生する可能性のある密閉容器内のガスは、開口部306を通過し、ePTFE膜314を通過して、開口部306から密閉容器の外部へ出ることができる。
【0182】
例6
図13~14を参照すると、ベント350はベント本体352を含む。ベント本体352は、ベントアパチャ354及び6つの開口部356を含む。ベント本体352は、密閉容器(図示せず)のシームの表面にベント本体352を接触させるように構成されたシール面358、360をさらに含む。シール面358、360は、密閉容器のシーム内でベントをより容易にシールできるようにする2つの角度付き面364a、364bを含む角度付き部分362を含む。ベントアパチャ354は、シール面358、360の平面に対してほぼ垂直に延在する。ePTFE膜366(ベント材料として機能する)はベントアパチャ354を閉塞している。ベント350を通る直線経路はベントアパチャ354及び開口部356によって形成され、その結果、ベントが密閉容器のシーム内にシールされるときに、密閉容器内で生成されたガスは、開口部356及びベントアパチャ354を介してePTFE膜366を介してベントを直接通過することができる。
【0183】
ベント350は、ベントアパチャ354が密閉容器のシームから密閉容器の外部に延在するように、密閉容器(図示せず)内に設置される。したがって、使用中に発生する可能性のある密閉容器内のガスは、開口部356を通過し、ePTFE膜364を通過して、開口部356から密閉容器の外部へ出ることができる。
【0184】
例7
図15を参照すると、電池パウチ400は、可撓性壁402及びシーム404を含む。ベント406は、シーム404内でシールされ、本体406を含み、前記本体406は、電池パウチ400の外部410に隣接する2つの外部開口部408、及び、電池パウチ400の内部414に隣接する2つの内部開口部412を含む。本体406は、開口部408、412と流体連通する内部キャビティ416を含み、その結果、電池パウチ400の内部414に隣接する2つの内部開口部412を介して内部キャビティ416に、そして電池パウチ400の外部410に隣接する2つの外部開口部408まで、電池ポーチ400の内部414から電池パウチ400の外部410へガス導管が延在する。内部キャビティ416は、本体406を通過するガスがラミネート材料418を通過するように、内部キャビティ416にまたがるラミネート材料418を含む。ラミネート材料418は、緻密ePTFEの層(ベント材料の層として機能する)、FEPの層(中間層として機能する)及びとePTFEの層(第一の中間層として機能する)を含む。
【0185】
本体406は、本体406の2つの対向する側にシーム接触面420を含む。シーム接触面420は、ベント406がシーム404内にシールされるように、一緒にシールされてシーム404を形成する可撓性壁422の部分と接触する。シーム接触面420は、本体406の第一の端部426にある第一のテーパ部分424と、本体406の第二の端部430にある第二のテーパ部分428とを含み、第二の端部430は、本体406の第一の端部426とは反対側の端部にある。
【0186】
2つの外部開口部408は、ラミネート材料418が2つの外部開口部408と2つの内部開口部412との間に位置するように、2つの内部開口部412からオフセットされている。
【0187】
本体406は、ベント406がシーム404内に完全に保持され、電池パウチ400の内部414内に延在せず、電池パウチ400の外部410内に延在しないような寸法である。
【0188】
上記の例の特徴は、本発明の概念を単に例示するものであり、上記のベントは、電池パウチなどの可撓性壁を含む密閉容器であろうと、あるいは、ベントがシーム内の剛性壁に埋め込まれている剛性壁を含む密閉容器であろうと、いかなる密閉容器においても使用されうる。
【0189】
さらに、上記の例で説明したとおりのベントの開口の特定の数は、所与の用途の要求に応じてベントを通るガスの拡散速度を最適化するために変更できることが理解されるであろう。
【0190】
以上、本発明の承認された実施形態について説明したが、本発明から逸脱することなく、他の実施形態に対して、部品の形状、設計、構造及び配置における多くの様々な変更及び改変を行うことができることは容易に明らかである。このようなすべての変更及び改変は、添付の特許請求の範囲で規定されるとおりの本発明の一部としての実施形態として考えられることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0190
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0190】
以上、本発明の承認された実施形態について説明したが、本発明から逸脱することなく、他の実施形態に対して、部品の形状、設計、構造及び配置における多くの様々な変更及び改変を行うことができることは容易に明らかである。このようなすべての変更及び改変は、添付の特許請求の範囲で規定されるとおりの本発明の一部としての実施形態として考えられることが理解される。
(態様)
(態様1)
少なくとも1つの容器壁、前記少なくとも1つの容器壁の2つの縁部を接続するシーム及びベントを含む、密閉容器であって、前記シームの少なくとも一部は前記ベントの周囲に形成されている、密閉容器。
(態様2)
前記少なくとも1つの容器壁は可撓性容器壁である、態様1記載の密閉容器。
(態様3)
前記密閉容器はパウチである、態様2記載の密閉容器。
(態様4)
前記密閉容器は電池パウチである、態様3記載の密閉容器。
(態様5)
前記ベントは、ベント材料、少なくとも1つの開口部、及び、前記シーム内で前記ベントを接続する少なくとも1つの接続面を含み、前記開口部及び前記ベント材料はガス導管を形成し、その結果、使用中に、ガスは、前記密閉容器の内部から前記ガス導管を通って前記密閉容器の外部に通過する、態様1~4のいずれか1項記載の密閉容器。
(態様6)
前記ベント材料は緻密ポリマー材料を含む、態様5記載の密閉容器。
(態様7)
前記ベント材料はポケットを形成し、前記少なくとも1つの開口部のうちのある開口部は前記ポケットの開口部であり、その結果、前記ガス導管は、前記開口部から前記ポケットを介して前記ベント材料を通って延在する、態様5又は6記載の密閉容器。
(態様8)
前記ポケットは前記シームから前記密閉容器内に延在している、態様7記載の密閉容器。
(態様9)
前記ベント材料は少なくとも2つの接続面を含み、前記少なくとも2つの接続面は、前記ベント材料の第一の側に第一の接続面と、前記ベント材料の第二の側に第二の接続面とを含み、前記第一の側は前記ベント材料の第二の側とは反対側である、態様5記載の密閉容器。
(態様10)
前記第一の接続面は、前記ベント材料と前記シームの第一の表面との間に非対称接続を含み、前記第二の接続面は、前記ベント材料と前記シームの第二の表面との間に非対称接続を含む、態様9記載の密閉容器。
(態様11)
前記ベント材料と前記シームの第二の表面との非対称接続は、前記ベント材料と前記シームの第一の表面との非対称接続と部分的にオーバーラップしている、態様10記載の密閉容器。
(態様12)
第一のチャンネルは前記ベント材料と前記シームの第一の表面との間に形成され、前記第一の接続面によって画定され、第二のチャンネルは前記ベント材料と前記密閉容器の第二の表面との間に形成され、前記第二の接続面によって画定される、態様11記載の密閉容器。
(態様13)
前記第一の接続面は、前記ベント材料の第一の側の上にU字形状を形成し、前記第二の接続面は、前記ベント材料の第二の側の上にU字形状を形成し、前記第一の側にあるU字形の向きは、前記第二の側にあるU字形の向きと反対である、態様11又は態様12記載の密閉容器。
(態様14)
前記ベントはベント本体を含み、前記ベント本体は少なくとも1つの開口部を含む、態様5記載の密閉容器。
(態様15)
前記ベント本体はベントアパチャを含み、前記ベント材料は前記ベントアパチャを横切って延在しているベント膜である、態様14記載の密閉容器。
(態様16)
前記シームは主平面を含み、前記ベントアパチャは前記シームの主平面内に配置されるか、又は前記シームは主平面を含み、前記ベントアパチャは前記ベント本体の主平面に実質的に垂直に配置される、態様14又は態様15記載の密閉容器。
(態様17)
ベント材料、少なくとも1つの開口部及び少なくとも1つの接続面を含む、ベントであって、前記ベントは、内部及び外部を有する密閉容器のシーム内に取り付けられるように構成されており、その結果、前記少なくとも1つの開口部は前記密閉容器の外部に隣接され、前記少なくとも1つの接続面は前記ベントを前記シーム内に接続するように構成され、前記少なくとも1つの開口部及び前記ベント材料は、ガス導管を形成し、その結果、使用中に、前記ベントが前記密閉容器のシーム内に設置されるときに、ガスは、前記密閉容器の内部から前記ガス導管を通って前記密閉容器の外部へ通過する、
ベント。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの容器壁、前記少なくとも1つの容器壁の2つの縁部を接続するシーム及びベントを含む、密閉容器であって、前記シームの少なくとも一部は前記ベントの周囲に形成されている、密閉容器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの容器壁は可撓性容器壁である、請求項1記載の密閉容器。
【請求項3】
前記密閉容器はパウチである、請求項2記載の密閉容器。
【請求項4】
前記密閉容器は電池パウチである、請求項3記載の密閉容器。
【請求項5】
前記ベントは、ベント材料、少なくとも1つの開口部、及び、前記シーム内で前記ベントを接続する少なくとも1つの接続面を含み、前記開口部及び前記ベント材料はガス導管を形成し、その結果、使用中に、ガスは、前記密閉容器の内部から前記ガス導管を通って前記密閉容器の外部に通過する、請求項
1記載の密閉容器。
【請求項6】
前記ベント材料は緻密ポリマー材料を含む、請求項5記載の密閉容器。
【請求項7】
前記ベント材料はポケットを形成し、前記少なくとも1つの開口部のうちのある開口部は前記ポケットの開口部であり、その結果、前記ガス導管は、前記開口部から前記ポケットを介して前記ベント材料を通って延在する、請求項5又は6記載の密閉容器。
【請求項8】
前記ポケットは前記シームから前記密閉容器内に延在している、請求項7記載の密閉容器。
【請求項9】
前記ベント材料は少なくとも2つの接続面を含み、前記少なくとも2つの接続面は、前記ベント材料の第一の側に第一の接続面と、前記ベント材料の第二の側に第二の接続面とを含み、前記第一の側は前記ベント材料の第二の側とは反対側である、請求項5記載の密閉容器。
【請求項10】
前記第一の接続面は、前記ベント材料と前記シームの第一の表面との間に非対称接続を含み、前記第二の接続面は、前記ベント材料と前記シームの第二の表面との間に非対称接続を含む、請求項9記載の密閉容器。
【請求項11】
前記ベント材料と前記シームの第二の表面との非対称接続は、前記ベント材料と前記シームの第一の表面との非対称接続と部分的にオーバーラップしている、請求項10記載の密閉容器。
【請求項12】
第一のチャンネルは前記ベント材料と前記シームの第一の表面との間に形成され、前記第一の接続面によって画定され、第二のチャンネルは前記ベント材料と前記密閉容器の第二の表面との間に形成され、前記第二の接続面によって画定される、請求項11記載の密閉容器。
【請求項13】
前記第一の接続面は、前記ベント材料の第一の側の上にU字形状を形成し、前記第二の接続面は、前記ベント材料の第二の側の上にU字形状を形成し、前記第一の側にあるU字形の向きは、前記第二の側にあるU字形の向きと反対である、請求項11又は請求項12記載の密閉容器。
【請求項14】
前記ベントはベント本体を含み、前記ベント本体は少なくとも1つの開口部を含む、請求項5記載の密閉容器。
【請求項15】
前記ベント本体はベントアパチャを含み、前記ベント材料は前記ベントアパチャを横切って延在しているベント膜である、請求項14記載の密閉容器。
【請求項16】
前記シームは主平面を含み、前記ベントアパチャは前記シームの主平面内に配置されるか、又は前記シームは主平面を含み、前記ベントアパチャは前記ベント本体の主平面に実質的に垂直に配置される
、請求項15記載の密閉容器。
【請求項17】
ベント材料、少なくとも1つの開口部及び少なくとも1つの接続面を含む、ベントであって、前記ベントは、内部及び外部を有する密閉容器のシーム内に取り付けられるように構成されており、その結果、前記少なくとも1つの開口部は前記密閉容器の外部に隣接され、前記少なくとも1つの接続面は前記ベントを前記シーム内に接続するように構成され、前記少なくとも1つの開口部及び前記ベント材料は、ガス導管を形成し、その結果、使用中に、前記ベントが前記密閉容器のシーム内に設置されるときに、ガスは、前記密閉容器の内部から前記ガス導管を通って前記密閉容器の外部へ通過する、
ベント。
【国際調査報告】