(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】液浸冷却プラットフォームおよびその構成要素
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20240920BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 A
H05K7/20 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516922
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022043473
(87)【国際公開番号】W WO2023043802
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524100024
【氏名又は名称】モディーン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【氏名又は名称】中村 佳正
(72)【発明者】
【氏名】シャー,ジミル
(72)【発明者】
【氏名】マーテル,ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA09
5E322DA01
5E322DA02
5E322DA03
5E322DA04
5E322DB01
5E322DB04
5E322DB12
5E322EA03
5E322FA01
(57)【要約】
本開示は、浸漬冷却システムおよびプロセスに言及する。代表的な実施形態は、例示的なパススループレートを用いて容器内部と外部を相互連結するためのインターフェースを含む。追加の実施形態は、容器の開口部領域に炭素テープを含む。1つの例示的な実施形態において、容器の頂部ドア上で凝縮される任意の流体を戻すためのレッジが設けられ得る。代表的な特徴は、ローラカバーまたは覆い、構成要素を清浄化するために噴霧を送達するためのパイプ、および/または、早期故障を防ぐためにポンプを冷却することをさらに含み得る。他の実施形態は、ポンプの寿命を向上させる機構、必要な流体を減少させる隙間充填材、および改善された蒸気管理技術を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性の凝縮可能な誘電性流体を保持するように構成された容器と、
前記容器の内部圧力を低減または増加させるための圧力コントローラと、
前記誘電性流体中に少なくとも部分的に浸漬されるように構成されたコンピュータ構成要素と、
前記誘電性流体を前記容器のサンプ領域から引き込み、前記誘電性流体をフィルタに通し、前記誘電性流体を前記容器のバス領域に送達するように構成された流体循環システムと
を備える、システム。
【請求項2】
前記圧力コントローラが、ベローズ、空気-蒸気分離器、および前記容器に流体的に結合されたベントを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
圧力弁、真空弁、またはそれらの両方が、前記空気-蒸気分離器と前記ベントとの間に設けられる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記容器内の圧力センサと、管理システムとをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記管理システムが、前記容器内の圧力を検出し、前記圧力が第1の閾値を上回る、または第2の閾値を下回る場合、前記圧力弁を開けるように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記空気-蒸気分離器に結合された乾燥剤と、蒸気検出センサとをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記乾燥剤に結合された入口-出口をさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
ドアと、フレームとをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
(1)前記フレームに取り付けられた炭素トラップ、または(2)蒸気-空気分離器をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ドアに取り付けられたレッジをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
ローラカバーまたは覆いをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ローラカバーまたは前記覆いが、前記容器の一側部から前記容器の他の側部まで延びるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ローラカバーまたは前記覆いが、前記コンピュータ構成要素の上に延びるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
パススループレートをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記パススループレートが、信号または流体を伝送するためのモジュールを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記パススループレートおよび前記モジュールが、気密封止される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記モジュールが、エポキシ樹脂によって封止された導体を有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
ポンプが、前記コンピュータ構成要素を保持するシャーシに流体的に結合されたパイプへ前記誘電性流体を移動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
ポンプが、前記コンピュータ構成要素に前記誘電性流体の流れを送達するように構成されたパイプへ前記誘電性流体を移動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記パイプが、ノズルを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
ポンプを早期故障から守るために前記ポンプを冷却することに誘電性流体を用いるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
凝縮器からポンプ領域の方に向けて凝縮された誘電性流体を向けるように構成される、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照により本明細書に組み入れられる、TMGGore,LLCによって所有される、2019年11月11日出願の名称「Liquid Immersion Cooling Platform」のPCT国際公開第2020/102090号に関連する。
【0002】
本開示は、例えばカスタマイズ可能なパススループレート(pass through plate)ならびに他の有用な特徴を含む液浸冷却システムである、任意のハードウェア入力および出力仕様に適合された液浸冷却システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のコンピューティングおよび/またはサーバシステムは、種々の構成要素を冷却するのに空気を利用している。従来の液体または水冷コンピュータは、コンピュータ構成要素から熱を奪うのに流液を利用するが、コンピュータ構成要素と液体自体との間の直接の接触を回避するものである。非導電性および/または誘電性の流体の開発により、構成要素から直接液体へと熱を奪うためにコンピュータ構成要素および他の電子部品が誘電性または非導電性の液体に浸漬され得る浸漬冷却の使用が可能となる。浸漬冷却は、コンピュータ構成要素を冷却するのに必要な総エネルギーを低減するのに用いることができ、充分な冷却に必要な空間および機器の量を減少させることもできる。
【0004】
液浸冷却システムは、様々なコンピューティングニーズについて実施されている。しかし、これらのシステムのそれぞれの実施は、異なるハードウェア仕様を必要とし得る。例えば、各システムについての電力、信号、データ、ならびに流体入力および出力のハードウェア設計は、カスタマの特定のニーズ、システムが実施される国または州、および実施の正確な性質(例えば、グラフィック集約的使用または処理集約的使用)に応じて変わり得る。それと同時に、液浸冷却システムは、通常、揮発性物質、および場合によって簡単に蒸発することがある非常に高価な誘電性流体を利用し、したがって特に蒸気の保管は液浸冷却システムの重要な態様であり得る。したがって、電力、信号、データ、ならびに流体入力および出力ハードウェア仕様ごとに簡単に適合可能な浸漬冷却システムを述べることが有益である。
【発明の概要】
【0005】
有利には、本出願は、例示的なパススループレートを用いて容器内部と外部を相互連結する新しいインターフェースに関係する。本出願はさらに、容器の開口部領域に炭素テープを配置することによって達成され得る蒸気保管技術について述べる。本開示はさらに、容器の頂部ドア上で凝縮される任意の流体を戻すためのレッジについて述べる。本開示はさらに、残留物および堆積物が容器のコンピュータ構成要素上に形成されないことを確実にする噴霧技術について述べる。加えて、本開示はさらに、より長く持ちこたえるおよび/または故障を防ぐように、流体循環および/または他のポンプ作用を助けることができる方法およびシステムに関する。
【0006】
本開示の例示的な実施形態の上記その他の目的、特徴および利点は、添付の特許請求の範囲と併せて、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【0007】
本開示の様々な実施形態は、さらなる目的および利点と併せて、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の例示的な一実施形態による液浸冷却システムの図である。
【
図2】例示的な一実施形態による例示的なパススループレートの図である。
【
図3】例示的な一実施形態による他の例示的なパススループレートの図である。
【
図4】例示的な容器における複数のパススループレートの上面図である。
【
図5】例示的な一実施形態によるさらに他の例示的なパススループレートの図である。
【
図6】例示的な一実施形態によるさらに他の例示的なパススループレートの図である。
【
図7】本開示の他の例示的な実施形態による液浸冷却システムおよび蒸気管理システムの図である。
【
図8】例示的な一実施形態による浸漬冷却システムの例示的なドアの図である。
【
図9】例示的な一実施形態による浸漬冷却システムの例示的なドアの図である。
【
図10】例示的な一実施形態による、蒸気流出を防ぐことに使用され得る例示的なカバーの図である。
【
図11】本開示の例示的な一実施形態による、汚染を防ぐおよび/または性能を向上させる噴霧構成要素を含む液浸冷却システムの図である。
【
図12】例示的な一実施形態として、ポンプを故障から守るためにポンプの方に冷却流体を向けるための凝縮器ディフレクタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の以下の説明は、本発明の様々な態様の特徴および教示を具体的に述べるように数字を参照して非限定的な代表例を提供する。記載される実施形態は、実施形態の説明から、他の実施形態と別々に、または組み合わせて実施することができるとして理解すべきである。実施形態の説明を検討する当業者は、本発明の異なる記載された態様を学習し理解することができるはずである。実施形態の説明は、特に包含されないが本実施形態の説明を読んだ当業者の知識範囲内にある他の実装形態が本発明の適用例と一致するものと理解される程度まで、本発明を理解しやすくするはずである。
【0010】
パススループレート
1つの例示的な実施形態において、浸漬冷却システムまたは容器は、バス領域、サンプ領域、コンピューティングデバイス、ロボット、圧力制御システム、および管理システムを含み得る。容器は、熱交換器を用いて冷却され得る、大気圧(またはその範囲内)に維持される圧力制御されるタンクであり得る。コンピューティングデバイスは、容器のバス領域内の誘電性流体に浸され得る。コンピューティングデバイスは、ネットワークに接続され得、誘電性流体に浸されている間、様々な処理および計算タスクを実施することができる。容器は、バス領域、コンピューティングデバイス、およびサンプ領域にアクセスするための蓋を含み得る。容器は、圧力制御システムに流体的に結合され得る。ロボットは、蓋が開放されているとき、コンピューティングデバイスを容器のバス領域から上昇させることができる。ロボットは、上昇させたコンピューティングデバイスを、コンピューティングデバイスの保管のために設けられるマガジン内、または車両上に置くことができる。ロボットは、コンピューティングデバイスをマガジン(または車両)から上昇させ、それを、バス領域から上昇されたコンピューティングデバイスの位置に置くこともできる。ロボットは、容器、車両、または他の場所に取り付けることができる。
【0011】
1つの例示的な実施形態において、容器は、容器の外に配置された様々な入力および/または出力ケーブルに接続され得る。これらのケーブルは、電力、データ、および/または信号を容器にもたらすことができる。これらのケーブルは、容器内に配置された1つまたは複数のケーブルまたはデバイスに電気的に結合され得るパススループレートに電気的に結合され得る。1つの例示的な実施形態において、容器は、容器の外に配置された様々な流入および/または流出パイプに連結され得る。これらのパイプは、誘電性流体、蒸気、および/または冷却流体を容器にもたらすことができるパススループレートに流体的に結合され得る。これらのパイプは、容器内に配置された1つまたは複数のパイプに流体的に結合され得る。1つの例示的な実施形態において、容器は、容器の外に配置された様々な入力および/または出力光ファイバケーブルに接続され得る。これらの光ファイバケーブルは、データおよび/または信号を容器に提供することができる。これらの光ファイバケーブルは、容器内に配置された1つまたは複数の光ファイバケーブルまたはデバイスに結合され得るパススループレートに結合され得る。これらの例は、パススループレートの様々な実施形態を例示している。当業者には、パススループレートが、他の信号、情報、データ、物体、物などを容器に伝えるまたは移すことができることを理解されよう。
【0012】
図1は、本開示の例示的な一実施形態による液浸冷却システム100を示す。この例示的な実施形態において、液浸冷却システム100は、容器110および車両130を含み得る。容器110は、バス領域111、サンプ領域112、流体113、コンピュータ構成要素114、ポンプ115、フィルタ118、ドア116、管理システム117、熱交換器119およびパススループレート120を含み得る。コンピュータ構成要素114は、流体113中に浸漬され得る。車両130は、ロボット131を含み得る。ロボット131は、ドア116が開放されているとき、コンピュータ構成要素114を上昇させ、そのコンピュータ構成要素114を車両130上に置くことができる。
【0013】
この例示的な実施形態において、パススループレート120は、容器110の頂部に配置され得る。しかし、当業者なら、パススループレート120が容器110の側部、底部、またはさらにはドア116に配置されてもよいことが理解されよう。パススループレート120は、例えば1つまたは複数のねじを用いて容器に取り付けられる平らな金属シートであってもよい。パススループレート120と容器110との間には、容器110からの蒸気のあらゆる漏出を防ぐためにガスケットがあり得る。
【0014】
図2は、例示的な一実施形態による例示的なパススループレート120を示す。この例示的な実施形態において、パススループレート120は、容器110の頂部に配置され得る。パススループレート120は、複数のサブプレート220、230、240、および250を含み得る。パススループレート120は、例えばモジュール210である、1つまたは複数のモジュールを含み得る。サブプレート220、230、240、および250のうちの1つまたは複数は、例えばモジュール221、231、241、251、および252である、1つまたは複数のモジュールを含み得る。1つの例示的な実施形態において、モジュールは、通電または電子信号を伝えるための気密封止された媒体であり得る。1つの例示的な実施形態において、モジュールは、例えば液体または蒸気である流体を移動させる気密封止された導管であり得る。1つの例示的な実施形態において、モジュールおよび/またはサブプレートは、容器の本体に直接取り付けられ得る。1つの例示的な実施形態において、パススループレートは複数のモジュールを含み得る。
【0015】
図2の例示的な実施形態において、モジュール210、251、および252は、流体を通すことに利用され得る。例えば、モジュール210は、誘電性流体源に連結され得る。モジュール210は、容器110のバス領域111に誘電性流体を充填することに使用され得る。他の例としては、モジュール251および252は、容器110に対する冷却液の流入および流出に使用され得る。この例において、容器110は、モジュール251から冷却液を受けることができる熱交換器を含み得る。熱は、容器110から液体へ伝達され得る。熱が液体に伝達された後、温かい液体がモジュール252を用いて容器110の外に送られ得る。
【0016】
図2の例示的な実施形態において、モジュール220、231、および241は、電気および/もしくは信号を容器110に送る、ならびに/または電気および/もしくは信号を容器110から受けることに使用され得る。例えば、モジュール221は、受電して容器110をその演算動作のために起動することに使用され得る。他の例として、モジュール231は、コマンドを容器110に送るおよび/またはコマンドを容器110から受けることに使用され得る。これらのコマンドは、容器110の動作を促進することができる。さらに他の例として、モジュール241は、データ信号を送るおよび/受けることに使用され得る。
【0017】
図3は、例示的な一実施形態による他の例示的なパススループレート300を示す。この例示的な実施形態において、パススループレート120は、容器110の側部に配置され得る。パススループレート300は、サブプレート310および320、ならびにモジュール311、321、および331を含み得る。この例示的な実施形態において、モジュールは、高電流電力および/または信号を伝送することができる。他の例として、モジュールは、フィルタ、光ファイバコネクタ、および/またはイーサネットコネクタとして動作することができる。
【0018】
図4は、例示的な容器400における複数のパススループレートの上面図を示す。この例示的な実施形態においては、複数のパススループレート410、420、430、および450が設けられ得る。各パススループレートは、例えばモジュール411、421、および431である、1つまたは複数のモジュールを含み得る。容器400はさらに、誘電性流体を容器400内に移すためのモジュール440を含み得る。パススループレート450は、圧力解放弁を含み得る。圧力解放弁は、圧力が所定量を上回ったとき、または別の所定量を下回ったとき、容器400内の圧力を維持することができる。1つの例において、パススループレート450はさらに、容器内に乾燥剤およびファンを含み得る。乾燥剤は、水分を容器400から除去することができ、ファンは、タンク内で空気および/または蒸気を循環させることができる。1つの例において、ファンは、乾燥剤の作用を促進することができる。
【0019】
図5は、例示的な一実施形態による例示的なパススループレート500を示す。この例示的な実施形態において、パススループレート500は、導体511およびシール512を含み得る、モジュール510を含み得る。導体511は、電力を容器に伝送するためのバー、ロッド、またはワイヤ(例えば銅から作られる)であってもよい。導体511は、例えば電力ケーブルが容器内の導体511に結合され得るように、パススループレート500を通ることができる。シール512は、パススループレート500が気密封止される、例えばパススループレート500を通って蒸気が容器から逃げることができないように、パススループレート500と導体511との間の空間を埋めることができる。
【0020】
図6は、例示的な一実施形態による例示的なパススループレート600を示す。この例示的な実施形態において、パススループレート600は、イーサネットプラグ620、シール630および外層640を備える、モジュール610を含み得る。この例示的な実施形態において、イーサネットケーブルの外被は除去され、ケーブ内のワイヤの各個別の撚線は、シール630を用いて封止される。これは、イーサネットプラグを通した蒸気の漏出を防ぐことができる。
【0021】
1つの例示的な実施形態において、パススループレートまたはサブプレートは平坦であってもよい。1つの例示的な実施形態において、シーラントのコートは、パススループレートまたはサブプレートに施され得る。例えば、エポキシ樹脂またはプラスタのコートが施され得る。1つの例において、パススループレートまたはサブプレートは、容器の本体に圧力により適用され得る。例えば、ねじなどの取付機構は、パススループレートまたはサブプレートを容器の本体に圧力により取り付けることができる。1つの例示的な実施形態において、パススループレートまたはサブプレートは、容器を気密封止するように、パススループレートまたはサブプレートの下にガスケットまたは他の封止機構を含み得る。例えば、O-リングまたは他の封止機構は、容器からの蒸気漏出を防ぐように、パススループレートまたはサブプレートの下に設けられ得る。1つの例示的な実施形態において、パススループレートおよびサブプレートは、同じ構成要素、類似の構造を含み得る、および/または同じ機能を果たすことができる。1つの例示的な実施形態において、容器は、パススループレートだけを含み、サブプレートを含まない。1つの例示的な実施形態において、容器は、サブプレートだけを含み、パススループレートを含まない。
【0022】
1つの例示的な実施形態において、モジュールは、一方が外部、もう一方が内部の2つのインターフェースを有することができる。外部インターフェースは、容器外部からの引込ケーブルに結合され得る。モジュールの内部インターフェースは、容器内部の他のプラグまたはケーブルに結合され得る。容器内部のプラグまたはケーブルは、コンピューティングデバイスまたは他のデバイスもしくはシステム(例えば、管理システム)に電気的に結合され得る。1つの例示的な実施形態において、モジュールは、パススループレート、サブプレートまたは容器の外側本体にボルト締めされ得る。モジュールは、モジュールとパススループレートまたは容器との間の連結部を気密封止するようにその下にO-リングなどのガスケットを含み得る。1つの例示的な実施形態において、モジュールは、例えばエポキシ樹脂またはプラスタなどの封止材料を用いてモジュールの外層に固定される中央の導体を含み得る。エポキシ樹脂またはプラスタは、導体とモジュールの外層との間の連結部を気密封止することができる。1つの例示的な実施形態において、シールは、誘電性流体に曝されることに適合性がある。1つの例示的な実施形態において、シールは金属で接着することができる。1つの例示的な実施形態において、モジュールはイーサネットプラグを含み得る。1つの例示的な実施形態において、モジュールは、DB-15信号コネクタまたはPCBケーブルを含み得る。1つの例示的な実施形態において、モジュールは、銅棒などの金属棒を含み得る。
【0023】
蒸気管理システム
図7は、本開示の例示的な一実施形態による液浸冷却システム700を示す。この例示的な実施形態において、液浸冷却システム700は、タンク710を含み得る容器705を含み得る。タンク710は、バス領域711、サンプ領域712、流体713、コンピュータ構成要素714、ポンプ715、フィルタ718、ドア716、管理システム717、熱交換器719、およびパススループレート720を含み得る。1つまたは複数のコンピュータ構成要素714は、流体713中に浸漬され得る。
【0024】
タンク710は、ベント740と結合され得る。ベント740は、ベローズ730に結合され得、また、圧力制御弁750を介して蒸気-空気分離器760に結合され得る。圧力制御弁750は、タンク圧力の平衡を保つように必要に応じて空気を取り入れるまたは解放することができ、いくつかの実施形態において、弁750は、一方が空気を取り入れ、もう一方が空気を解放する、2つの別個の弁を含むこともある。この例示的な実施形態において、蒸気-空気分離器760は、乾燥剤780に結合され得る蒸気凝縮器770に結合され得る。乾燥剤780は、空気入口-出口790に結合され得る。例示的なタンク710は上述の構成要素のうちの1つまたは複数を含み得るので、それらのそれぞれは、任意選択的に存在する。いくつかの実施形態において、
図7のタンクの外部の上述した構成要素のうちの1つまたは複数は、含まれなくてもよく、または他の構成要素と組み合わされてもよい。すなわち、第2の熱交換器741および蒸気凝縮器770はともに任意選択であり、動作状態および他の構成要素に応じて必須でなくてもよい。他の実施形態において、第2の熱交換器741および/または蒸気凝縮器770によってもたらされる冗長構成は、例えば蒸気が過剰な誘電性流体を含むとき、有用となることがある。他の実施形態において、第2の熱交換器741によってもたらされる冗長構成は、ベローズに行く前の空気-蒸気混合物からの蒸気量を減少させ、凝縮された蒸気をタンクに戻す。他の実施形態において、ベント740および第2の熱交換器741は、
図7に示されるように別個ではなく組み合わされてもよい。他の実施形態において、凝縮器770によってもたらされる冗長構成は、空気-蒸気分離器によって分離される蒸気を凝縮し、再使用するようにそれを液体状態で収集する。他の実施形態において、ヒータによってもたらされる冗長構成は、吸着剤から蒸気を脱着させ、それをタンク(710)に戻すように、高温掃引ガスを蒸気-空気分離器(例えば、炭素および/または活性炭)の方に向けて供給する。誘電性流体損失を検出する1つまたは複数の任意選択のセンサが用いられてもよい。例えば、蒸気-空気分離器(760)からの蒸気の漏出を検出するように、蒸気-空気分離器(760)および/または蒸気凝縮器(760)および/またはヒータに連結された蒸気センサがあってもよい。いくつかの実施形態において、誘電性流体センサが、可能性のある誘電性流体漏出を検出するように、ベントに、またはベント近くに配置されてもよい。
【0025】
1つの例示的な実施形態において、タンク710内の蒸気の圧力が所望圧力を上回って増加するとき、蒸気はベント740に流入することができる。第1の動作モードにおいて、圧力制御弁750は閉じられ得る。したがって、蒸気は、ベローズ730内に蓄積され得、こうしてタンク710の圧力は所望レベルに維持され得る。1つの例示的な実施形態において、ベント740は、タンクからベローズ730への蒸気の強制移動のためのファンを含み得る。1つの例示的な実施形態において、ベント740は、蒸気をベローズ730に送る前に蒸気を凝縮することができる第2の熱交換器741を含み得る。この例において、凝縮された蒸気は、タンク710に戻され得るが、任意の残りの蒸気は、ベローズ730に移動され得る。1つの例示的な実施形態において、ベント740およびタンク710に対してベローズ730を連結および/または連結解除するために、ベント740とベローズ730との間に弁があってもよい。ベローズ730は、例えばタンク内の圧力が閾圧力を上回って増加した場合、またはベローズが破れた場合、管理システム717によって連結解除され得る。
【0026】
1つの例示的な実施形態において、タンク710は、圧力センサを含み得る。タンクの圧力が所定の閾圧力を上回って増加したとき、圧力制御弁750は、例えば管理システム717からの信号を用いて、開けられ得る。この例示的な実施形態において、蒸気は、蒸気-空気分離器760に入ることができる。蒸気-空気分離器760は、空気と混合された任意の蒸気を捕らえることができる炭素床であってもよい。結果的に、蒸気分子は、蒸気-空気分離器760に留まることができ、空気は、凝縮器770へと進むことができる。凝縮器770はさらに、空気中に残る任意の蒸気分子を捕らえることができる。空気は、蒸気凝縮器770の後、乾燥剤780へと進むことができ、容器705から出て大気に入ることができる。
【0027】
1つの例示的な実施形態において、タンク710の圧力が所望圧力より低下したとき、タンク710は、ベント740から蒸気を引き込むことができる。第1の動作モードにおいて、圧力制御弁750は、閉じられ得る。したがって、蒸気は、ベローズ730から引き込まれ、こうしてタンク710の圧力は所望レベルで維持され得る。1つの例示的な実施形態において、ベント740は、例えばファンを用いて、蒸気をベローズ730からタンク710内へ移動させることができる。
【0028】
1つの例示的な実施形態において、タンク710は、圧力センサを含み得る。タンクの圧力が所定の閾圧力より低下したとき、圧力制御弁750は、例えば管理システム717からの信号を用いて、開けられ得る。この例示的な実施形態において、空気は、タンク710内の圧力を維持するために、大気から引き込まれ、タンク710内へと移動され得る。例えば、大気空気は、空気入口-出口790から引き込まれ、乾燥剤780内に通され得る。乾燥剤780は、入来空気からあらゆる水分を除去することができる。次いで、入来空気は、任意選択で、ヒータ(または蒸気凝縮器770)を通り、蒸気-空気分離器760に達することができる。入来空気は、蒸気分子を蒸気-空気分離器760からピックアップすることができ、蒸気を、ベント740を通してタンク710へ送達することができる。
【0029】
1つの例示的な実施形態において、蒸気凝縮器770は、容器705の任意選択の構成要素であってもよい。1つの例示的な実施形態において、蒸気凝縮器770は、炭素床からの蒸気分子の脱離を促進するようにヒータに取って代わられてもよい。
【0030】
炭素トラップ(carbon trap)および流体戻し機構
図8は、例示的な一実施形態による浸漬冷却システムの例示的なドアを示す。この例示的な実施形態において、容器800は、コンピュータ構成要素をタンク805から取り出すために開けられ得るドア810を含み得る。
図8(A)は、ドアが閉じられているときのドア810を示し、
図8(B)は、ドアが開けられているときのドア810を示す。1つの例示的な実施形態において、コンピュータ構成要素をタンク805から取り出すことは、結果的に蒸気の損失になり得る。したがって、この例示的な実施形態において、1つまたは複数の炭素トラップが、蒸気がタンク805から逃げる前に蒸気を吸収または吸着するように、ドア810付近の周りまたは内部に設けられ得る。用いられる特定のタイプの炭素トラップは、構成要素、動作状態、および容器構成に応じて変わり得る。適当な炭素トラップは、これらに限定されないが、流体損失が起こる可能性のある場所またはその近くに配置される、炭素テープ、炭素糊、吸収または吸着するための炭素を含むタンク上の溝、およびそれらの組合せを含む。
図8(B)に示されるように、テープ820は、蒸気がタンク805から逃げる前に蒸気を吸収および/または吸着するように、ドア810付近の周りまたは内部に設けられ得る。例えば、炭素テープ820は、ドア810上に設けられ得る。他の例として、炭素テープ820は、タンク805のフレーム812上に設けられ得る。炭素テープ820は、例えばタンク805の開口部811の1、2、3、またはさらに5インチである、開口部811の閾距離内にあり得る。1つの例において、炭素テープ820は、タンク805の天井に取り付けられ得る。
【0031】
図9は、例示的な一実施形態による浸漬冷却システムの例示的なドアを示す。この例示的な実施形態において、容器800は、コンピュータ構成要素をタンク805から取り出すために開けられ得るドア810を含み得る。1つの例示的な実施形態において、容器800が動作中のとき、容器800の内部温度は、容器800の外および/または周りの環境の温度よりも高くなり得る。したがって、タンク805からの蒸気は、ドア810において凝縮することがある。ドア810が開けられると、ドア810上の凝縮された流体がタンク805の外に滴ることがある。したがって、ドア810は、例えばドアが開いている間、またはドアが閉められるとき、流体を収集しその流体をタンク805内へと案内するための(内部または外部に)レッジ910を含み得る。1つの例において、流体をドア810から収集する他の機構が設けられてもよい。例えば、ドア810は、ドアの底部が常に開口部811の上にあるように開けられてもよく、例えばドア810の底部が、ドアが開けられるとき、開口部811の方に向けて押されてもよい。このように、任意の流体が滴る場合、それはタンク805内へと滴る。1つの例示的な実施形態において、流体忌避コートが、ドア810上における流体の凝縮を防止するためにドア810に施されてもよい。他の例示的な実施形態において、開口部811の周りの金属エンクロージャのような障害物が、流体損失を予防するために用いられてもよい。そのような障害物は、誘電性流体蒸気の上を流れタンクの上の領域の外にそれを動かす乱流空気または風から誘電性流体蒸気を保護することができる。炭素トラップはさらに、フレームに取り付けられてもよく、または蒸気-空気分離器が用いられてもよく、そこにおいて空気は脱着機構のように掃引ガスとして用いられる。
【0032】
内部タンクカバーまたは蓋の下の覆い(overlayment)
図10は、例示的な一実施形態による例示的なタンクカバーを示す。この例示的な実施形態において、容器800は、ドア810を含み得る。ドア810は、コンピュータ構成要素をタンク805から取り出すために開けられ得る、またはメンテナンスもしくは他の目的のために開けられ得る。タンク805は、開口部811の一部またはすべてに延び覆うことができる、1つまたは複数の引込式カバーまたはローラカバー1010をさらに含み得る。カバーは、典型的には、蓋が何らかの理由で開けられている間の蒸気損失を防ぐように、蓋の下かつ液体流体の上に配置される。1つの例示的な実施形態において、コンピュータ構成要素を取り換える間の流体蒸発を防ぐために、ローラカバー1010は、ロボットまたは手動または巻き上げ装置またはクレーンによって取り替えられないコンピュータ構成要素の頂部を覆うように延ばされ得る。1つの例において、容器800は、関連のレール1020をそれぞれ含む2つ以上のローラカバー1010を含み得る。あるいは、2つ以上のローラカバー1010が、1つのレール1020を共用してもよい。1つまたは複数のローラカバー1010の向きは、コンピュータ構成要素の向きに対して平行であってもよい。このように、コンピュータ構成要素が取り替えられるとき、各ローラカバーは、対象のコンピュータ構成要素の隣のすべてのコンピュータ構成要素を覆うように延ばされ得る。例えば、サーバ12が取り替えられる場合、1つのローラカバーまたは進行ベースのカバー(progression based covering)が、サーバ1~11を覆うことができ、その一方で第2のローラカバーがサーバ13を覆う。サーバ12が修理または取り替えられた後、蓋は閉じられ、ローラは、その元の位置まで巻き上げられる。1つの例において、タンク810は、ローラカバー1010の各側にレール1020を含み得る。ローラカバー1010は、ローラカバー1010をレール1020に結合しタンク810内におけるローラカバー1010の動きを促進するフック1030を含み得る。ローラカバー1010および/またはフック1030は、機械的な運動のためのアクチュエータに連結され得る。
【0033】
ローラカバーは、1つまたは複数の材料が誘電性流体の浸透を可能にしない限り、またはそうではなくて例えば相当な汚染物の導入によってシステムの動作を妨害することがない限り、あらゆる材料または材料の組合せからなってもよい。適当な材料としては、例えば、プラスチック、金属、またはそれらの組合せ、好ましくは望ましくないレベルの汚染物をシステムに導入しないプラスチックが挙げられ得る。1つの実施形態において、ローラカバーは、ガレージ扉と同様のやり方で巻かれるように一連のヒンジを含む、金属または金属の組合せを含む。
【0034】
ローラカバーは、例えば、手動、電気的、空気圧的など任意の好都合なやり方で作動され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のローラカバーは、例えばセンサ、圧力および温度制御、電力など、構成要素の全システムのすべてまたは一部分の管理のためのコントローラに動作可能に接続されている。このように、コントローラは、蓋が、例えばメンテナンス、サーバ故障、サーバ交換など任意の理由で開けられる前に、適切なやり方で1つまたは複数のローラカバーを自動的に作動させることができる。
【0035】
隙間充填材ブロックまたはサーバエクステンダ(server extender)
1つの例示的な実施形態において、タンクのバス領域を充填するのに必要な流体量を最小限に抑えるために、例えばサーバエクステンダを含む隙間充填材ブロックが必要に応じてシステムに追加され得る。1つの例示的な実施形態において、配置および除去が比較的簡単な隙間充填材ブロックまたはサーバエクステンダが用いられ得る。この例示的な実施形態において、1つまたは複数の隙間充填材ブロックまたはサーバエクステンダは、例えばシャーシに液体を充填するのに必要な空間を最小限に抑えるように、シャーシ近くまたはシャーシ内に加えられ得る。1つの例において、隙間充填材は、誘電性流体と適合性のある、および/またはシステムの機能性を実質的に妨げない任意の材料または材料の組合せから作られ得る。そのような材料としては、これらに限定されないが、ポリカーボネート、鋼、HDPE、TEPP、延伸ポリプロピレン、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。1つの例において、隙間充填材ブロックは、容器の動作の間にブロックが動かないことを確実にするように、シャーシに螺着され得る。1つの例において、隙間充填材には空気が充填され得る。いくつかの実施形態において、隙間充填材またはサーバエクステンダは、誘電性流体から熱を除去するヒートシンクとして機能してもよく、または、冷却されるべき構成要素の方に流体を向けるダクトとして働くこともできる。
【0036】
いくつかの実施形態において、隙間充填材は、1つまたは複数のサーバエクステンダであってもよい。これは、特に、サーバには様々なサイズがあるので、有用であり得る。エクステンダは、所与のサーバの長さ、幅、および/または高さを増大するように変えるのに有用となり得る。このように、システムにおけるすべてのサーバまでの2つ以上のサーバがシステム内において実質的に同一の寸法であってもよい。これは、必要な流体を減少させるように隙間を埋めるために有用であり、および/または、同じサイズの構成要素を配置するように様々なロボットを構成することができるので自動化の促進に有用であり得る。
【0037】
バス領域に流体を再導入するための噴霧機構
1つの例示的な実施形態において、浸漬冷却システムまたは容器は、バス領域、サンプ領域、コンピューティングデバイス、圧力制御システム、および管理システムを含み得る。容器は、熱交換器を用いて冷却され得る、大気圧(またはその範囲内)または大気圧近くに維持される圧力制御されたタンクであってもよい。コンピューティングデバイスは、容器のバス領域内の誘電性流体中に浸され得る。1つの例示的な実施形態において、容器は、バス領域またはサンプ領域から流体を引き込むためのポンプを含み得る。ポンプは、フィルタを通して流体を流し、その流体をサンプ領域またはバス領域に戻すことができる。
【0038】
1つの例示的な実施形態において、コンピューティングデバイスは、シャーシ内に配置され得る。ロボットは、コンピュータ構成要素がタンクから取り出される必要があるとき(例えば、管理システムによって命令されたとき)、シャーシを上昇させることができ、または、コンピュータ構成要素がタンク内に配置される必要がある場合(例えば、管理システムによって命令されたとき)、タンク内にシャーシを配置することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、誘電性流体は、加熱されたコンピュータ構成要素もしくはサーバをより良好に冷却するように、および/または、汚染物が構成要素もしくはサーバ上に生じないように乱流をもたらすように、加熱されたコンピュータ構成要素またはサーバに向けられ得る。1つの例示的な実施形態において、タンクは、導管(パイプなど)、およびシャーシにおいて流体を噴霧するためのノズルを含み得る。例えば、パイプはタンクの底部に延び、パイプは、各ノズルがシャーシを指すようにノズルを有し得る。ノズルは、各シャーシ内のコンピュータ構成要素に流体流を向けることができる。流体流をコンピュータ構成要素に向けることによって、流体の流れがコンピュータ構成要素を洗浄し、それによって任意の残留物がコンピュータ構成要素に付着することを防ぐことができる。1つの例示的な実施形態において、パイプは、タンクの側部または頂部に延びることができ、ノズルは、シャーシの側部または頂部からシャーシを指すことができる。1つの例示的な実施形態において、シャーシは孔を含んでもよく、ノズルがそこに流体を向ける。
【0040】
図11は、本開示の例示的な一実施形態による液浸冷却システム100を示す。この例示的な実施形態において、液浸冷却システム100は、容器110を含み得る。容器110は、バス領域111、サンプ領域112、流体113、コンピュータ構成要素1014、ポンプ115、フィルタ118、ドア116、管理システム117、熱交換器119、およびパススループレート120を含み得る。コンピュータ構成要素1014は、流体113中に浸漬され得る。
【0041】
液浸冷却システム100は、ポンプ115に連結されたパイプ1010を含み得る。パイプ1010は、シャーシ1030内に配置されてあってもよいコンピュータ構成要素1014に流体を向けるための1つまたは複数のノズル1020を含み得る。この例示的な実施形態において、ポンプ115は、流体をサンプ領域から引き込み、それをフィルタ118に通すことができる。ポンプ115はさらに、汚染物を流し出すことに使用され得、またはこれは、必要に応じて別個のポンプにより行われることもある。その後、流体は、パイプ1010へと移動され得、パイプ1010は、ノズル1020を通してコンピュータ構成要素1014に流体を噴霧することができる。コンピュータ構成要素1014は、シャーシ1030内に配置され得る。ノズル1020は、必要に応じてシャーシ1030に取り付けられ得る。
【0042】
1つの例示的な実施形態において、ポンプは、流体をバス領域からパイプ1010を通して引き込むことができる。この例示的な実施形態において、ノズルは、流体を引き込みやすくする他の構成要素に取って代わられてもよい。
【0043】
ポンプの保護
図11と同様のいくつかのシステムにおいて、ポンプ115は、加熱流体環境(誘電性流体の沸点近く)、またはポンプブレードにおける蒸気の発生、誘電性流体の粘性および/もしくは稠密な性質、ならびに/または、システムからのモータおよびインペラに対する一般需要などの因子により、キャビテーションのように故障する傾向があり得る。そのような場合において、ポンプを故障から守る、および/またはポンプの寿命を延ばすために、ポンプを取り巻く環境を冷却することが有用となり得る。そのような冷却は、任意の好都合なやり方で行われ、冷却量は、システムおよびポンプのニーズに応じて変わり得る。1つの実施形態において、過冷却流体の最大全部までのその少なくとも一部分を、熱交換器または凝縮器から、サンプ領域内またはシステムに応じた他の場所であってもよいポンプの場所に直接向けることが有用であり得る。過冷却流体の向きは、任意の好都合なやり方で実施され得る。いくつかの実施形態において、過冷却流体は、ポンプ領域にパイプで直接送られ得る。他の実施形態において、ディフレクタまたは溝タイプのシステムが、所望の場所への過冷却流体の移動に用いられ得る。他の追加のまたは代替の実施形態において、ポンプを囲繞する流体は、冷蔵装置または他の冷却装置によって冷却され得る。
図12は、過冷却流体を、サンプ領域内にあってもよいポンプ近くの場所に移動させることに用いられるディフレクタまたは凝縮液コレクタ1200を示す。そのようなディフレクタは、ポンプを保護するために過冷却流体をポンプ近くに移動させることに使用されてもよいパイプによって取って代わられてもよく、またはパイプに追加されてもよい。加えて、または別法として、凝縮器は、ポンプがあるサンプ領域の直接上にあってもよく、いくらかの流体がサンプにいくらか向かう形でメインタンクの方に向けられ得るか、実施形態によってはすべての流体がサンプ領域に行くことができ次いで好都合なやり方でメインタンクへと循環され得るかのどちらかである。
【0044】
前述の明細書において、様々な実施形態が添付の図面を参照して述べられてきた。しかし、様々な修正および変更がそれに加えられてもよく、また、追加の実施形態が、以下の特許請求の範囲内に示される本発明のより広範な範囲から逸脱することなく実施され得ることが明白になる。したがって、本明細書および図面は、限定的なものとしてではなく例示として解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0045】
1~11 サーバ
12 サーバ
13 サーバ
100 液浸冷却システム
110 容器
111 バス領域
112 サンプ領域
113 流体
114 コンピュータ構成要素
115 ポンプ
116 ドア
117 管理システム
118 フィルタ
119 熱交換器
120 パススループレート
130 車両
131 ロボット
210 モジュール
220 サブプレート
221 モジュール
230 サブプレート
231 モジュール
240 サブプレート
241 モジュール
250 サブプレート
251 モジュール
252 モジュール
300 パススループレート
310 サブプレート
311 モジュール
320 サブプレート
321 モジュール
331 モジュール
400 容器
410 パススループレート
411 モジュール
420 パススループレート
421 モジュール
430 パススループレート
431 モジュール
440 モジュール
450 パススループレート
500 パススループレート
510 モジュール
511 導体
512 シール
600 パススループレート
610 モジュール
620 イーサネットプラグ
630 シール
640 外層
700 液浸冷却システム
705 容器
710 タンク
711 バス領域
712 サンプ領域
713 流体
714 コンピュータ構成要素
715 ポンプ
716 ドア
717 管理システム
718 フィルタ
719 熱交換器
720 パススループレート
730 ベローズ
740 ベント
741 熱交換器、第2の熱交換器
750 圧力制御弁
760 蒸気-空気分離器
770 蒸気凝縮器
780 乾燥剤
790 空気入口-出口
800 容器
805 タンク
810 ドア
811 開口部
812 フレーム
820 炭素テープ
910 レッジ
1010 ローラカバー、パイプ
1014 コンピュータ構成要素
1020 レール、ノズル
1030 フック、シャーシ
1200 ディフレクタ、凝縮液コレクタ
【国際調査報告】