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特表2024-535276蒸発ガス再液化システム及びそれを含む船舶
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  • 特表-蒸発ガス再液化システム及びそれを含む船舶 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】蒸発ガス再液化システム及びそれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20240920BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B63B25/16 G
B63B25/16 D
F17C13/00 302A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516961
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2022010464
(87)【国際公開番号】W WO2023043030
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0125083
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513235337
【氏名又は名称】エイチディー コリア シップビルディング アンド オフショア エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノ イル ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョン ワン
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB01
3E172AB03
3E172AB05
3E172AB20
3E172BA06
3E172BB13
3E172BB17
3E172BD01
3E172EB03
3E172EB08
3E172EB10
3E172HA04
3E172HA14
3E172JA08
3E172KA03
3E172KA22
3E172KA23
(57)【要約】
本発明は蒸発ガス再液化システム及びそれを含む船舶に関するものであり、重炭化水素である液化ガスを処理するシステムであって、液化ガス貯蔵タンクで発生する蒸発ガスを多段で圧縮する圧縮機と、上記圧縮機で圧縮された蒸発ガスを凝縮させる凝縮器と、上記凝縮器で凝縮された液相蒸発ガスの一部と残りを相互熱交換させ、熱交換によって発生した気相蒸発ガスを上記圧縮機に伝達し、液相蒸発ガスは上記液化ガス貯蔵タンクに伝達するインタークーラーと、上記液化ガス貯蔵タンクの液化ガスを加圧する液化ガスポンプと、を含み、上記液化ガスポンプは、液化ガスを上記インタークーラーに伝達して上記インタークーラー内の気相蒸発ガスを液化させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重炭化水素である液化ガスを処理するシステムであって、
液化ガス貯蔵タンクで発生する蒸発ガスを多段で圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された蒸発ガスを凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮器で凝縮された液相蒸発ガスの一部と残りを相互熱交換させ、熱交換によって発生した気相蒸発ガスを前記圧縮機に伝達し、液相蒸発ガスは前記液化ガス貯蔵タンクに伝達するインタークーラーと、
前記液化ガス貯蔵タンクの液化ガスを加圧する液化ガスポンプと、を含み、
前記液化ガスポンプは、
液化ガスを前記インタークーラーに伝達して前記インタークーラー内の気相蒸発ガスを液化させる、蒸発ガス再液化システム。
【請求項2】
前記インタークーラーは、
前記凝縮器で凝縮された液相蒸発ガスの一部を減圧弁で減圧してから内部に貯蔵し、残りを内部に通過させて蒸発ガスを相互熱交換させ、
前記液化ガスポンプは、
前記インタークーラーの内部に液化ガスを注入して液化ガスが前記インタークーラーの内部に貯蔵された一部の蒸発ガスの温度を下げ、前記インタークーラーの内部を通過する残りの蒸発ガスを冷却させるようにする、請求項1に記載の蒸発ガス再液化システム。
【請求項3】
液化ガスは、沸点の異なる第1物質と第2物質の混合物であり、
前記インタークーラーは、蒸発ガス間の熱交換時に沸点が相対的に低い第1物質を気相蒸発ガスとして前記圧縮機に伝達する、請求項1に記載の蒸発ガス再液化システム。
【請求項4】
前記液化ガスポンプは、
液化ガスを前記インタークーラーに伝達して前記インタークーラー内で第1物質の蒸発量を既定値以内に制限する、請求項3に記載の蒸発ガス再液化システム。
【請求項5】
システムの稼働時間の経過に伴って、第1物質が前記圧縮機、前記凝縮器、前記インタークーラーを持続循環しながら前記凝縮器を流動する蒸発ガスの第1物質の比率が増加し、
前記液化ガスポンプは、
前記凝縮器を流動する蒸発ガス内の第1物質の比率が既定値以内になるように、液化ガスを前記インタークーラーに伝達して前記インタークーラーから前記圧縮機に伝達される第1物質の流量を減らす、請求項3に記載の蒸発ガス再液化システム。
【請求項6】
前記液化ガスポンプは、
前記凝縮器を流動する蒸発ガス内の第1物質の比率が既定値以上になった場合、液化ガスを前記インタークーラーに伝達する、請求項3に記載の蒸発ガス再液化システム。
【請求項7】
請求項1に記載の前記蒸発ガス再液化システムを有する、船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸発ガス再液化システム及びそれを含む船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の貨物を積載した状態で海を航海する船舶のうち、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)や液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)などの液化ガスを運ぶ液化ガス運搬船は、沸点が常温より低いガスを強制的に液化させて液体状態で貯蔵する貯蔵タンクを備えている。
【0003】
液化天然ガスはガス田から採取した天然ガスを精製して得たメタン(CH4)を冷却して液化させたものであり、無色・透明な液体で公害物質がほとんどなく、熱量が高くて非常に優れた燃料である。一方、液化石油ガスは油田から石油とともに出るプロパン(C3H8)とブタン(C4H10)を主成分としたガスを液体にしたものであり、家庭用、業務用、工業用、自動車用などの燃料として広く使用されている。液化天然ガスは液化により1/600の体積に減り、液化石油ガスは液化によりプロパンは1/260、ブタンは1/230の体積に減るため、貯蔵効率が高いという利点がある。
【0004】
ところが、このような液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクには断熱機能が具現されているが、液化ガスの気化を完全に遮断することはできない。このため、貯蔵タンク内では液化ガスが蒸発した気体状態の蒸発ガスが生じ、蒸発ガスは貯蔵タンクの内圧を上昇させるため、安全のために貯蔵タンクから排出されなければならない。
【0005】
貯蔵タンクの内圧を下げるために貯蔵タンクから排出された蒸発ガスはガス燃焼装置(Gas Combustion Unit)を通じて燃焼して捨てられる。しかし、蒸発ガスも船舶が運ぶ貨物の一部に該当するものであるため、蒸発ガスの排出は貨物運搬の信頼性を低下させるものであり、問題となる。
【0006】
したがって、最近では、貯蔵タンクで生じる蒸発ガスを捨てずに効果的に処理できるようにする方法について継続的な研究及び開発が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は、液化ガスを活用して液化ガスの再液化時に凝縮されない不凝縮ガスの発生自体を抑制するか、不凝縮ガスを別に分離して処理することで再液化効率を向上させられる蒸発ガス再液化システム及びそれを含む船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面による蒸発ガス再液化システムは、重炭化水素である液化ガスを処理するシステムであって、液化ガス貯蔵タンクで発生する蒸発ガスを多段で圧縮する圧縮機と、上記圧縮機で圧縮された蒸発ガスを凝縮させる凝縮器と、上記凝縮器で凝縮された液相蒸発ガスの一部と残りを相互熱交換させ、熱交換によって発生した気相蒸発ガスを上記圧縮機に伝達し、液相蒸発ガスは上記液化ガス貯蔵タンクに伝達するインタークーラーと、上記液化ガス貯蔵タンクの液化ガスを加圧する液化ガスポンプと、を含み、上記液化ガスポンプは、液化ガスを上記インタークーラーに伝達して上記インタークーラー内の気相蒸発ガスを液化させる。
【0009】
具体的に、上記インタークーラーは、上記凝縮器で凝縮された液相蒸発ガスの一部を減圧弁で減圧してから内部に貯蔵し、残りを内部に通過させて蒸発ガスを相互熱交換させ、上記液化ガスポンプは、上記インタークーラーの内部に液化ガスを注入して液化ガスが上記インタークーラーの内部に貯蔵された一部の蒸発ガスの温度を下げ、上記インタークーラーの内部を通過する残りの蒸発ガスを冷却させるようにすることができる。
【0010】
具体的に、液化ガスは、沸点の異なる第1物質と第2物質の混合物であり、上記インタークーラーは、蒸発ガス間の熱交換時に沸点が相対的に低い第1物質を気相蒸発ガスとして上記圧縮機に伝達することができる。
【0011】
具体的に、上記液化ガスポンプは、液化ガスを上記インタークーラーに伝達して上記インタークーラー内で第1物質の蒸発量を既定値以内に制限することができる。
【0012】
具体的に、システムの稼働時間の経過に伴って、第1物質が上記圧縮機、上記凝縮器、上記インタークーラーを持続循環しながら上記凝縮器を流動する蒸発ガスの第1物質の比率が増加し、上記液化ガスポンプは、上記凝縮器を流動する蒸発ガス内の第1物質の比率が既定値以内になるように、液化ガスを上記インタークーラーに伝達して上記インタークーラーから上記圧縮機に伝達される第1物質の流量を減らすことができる。
【0013】
具体的に、上記液化ガスポンプは、上記凝縮器を流動する蒸発ガス内の第1物質の比率が既定値以上になった場合、液化ガスを上記インタークーラーに伝達することができる。
【0014】
本発明の一側面による船舶は、上記蒸発ガス再液化システムを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明による蒸発ガス再液化システム及びそれを含む船舶は、低温の液化ガスを活用して液化石油ガスの再液化過程で不凝縮ガスが発生しないようにするか、不凝縮ガスを分離し冷却して液化させることにより、再液化性能を革新的に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施例による蒸発ガス再液化システムの概念図である。
図2】本発明の第2実施例による蒸発ガス再液化システムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は添付の図面と関わる以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ異なる図面上に表示されても、できる限り同じ番号を付したことに留意されたい。なお、本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0018】
本明細書において、液化ガスは重炭化水素であって、LPG(プロパン、ブタンなど)であってもよいが、これに限定されるものではなく、沸点が常温より低くて貯蔵のために強制的に液化され、発熱量を有する全ての物質(プロピレン、アンモニア、水素など)を包括することができる。
【0019】
また、本明細書において、液化ガス/蒸発ガスはタンク内部での状態を基準に区分されるものであり、名称によって液相または気相に必ずしも限定されるものではない。
【0020】
本発明は以下に説明する蒸発ガス再液化システムを備えた船舶を含む。このとき、船舶はガス運搬船、ガスではない貨物や人を運ぶ商船、FSRU、FPSO、Bunkering vessel、海洋プラントなどをすべて含む概念であり、例えば、液化石油ガス運搬船であることができる。
【0021】
本発明の図面には示されていないが、圧力センサ(PT)、温度センサ(TT)などが制限なく適切な位置に設けられてもよいことは言うまでもなく、各センサによる測定値は以下に説明する構成の運営に制限なく多様に使用されることができる。
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の第1実施例による蒸発ガス再液化システムの概念図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明の一実施例による蒸発ガス再液化システム1は、液化ガス貯蔵タンク10、バッファ20、圧縮機30、凝縮器40、レシーバー50、インタークーラー60、圧力調整弁70、液化ガスポンプ90、燃料供給部100を含む。
【0025】
液化ガス貯蔵タンク10は、液化石油ガスまたはアンモニアなどの液化ガスを貯蔵する。液化ガス貯蔵タンク10は船舶の船内または船外に1つ以上設けられてもよく、沸点が常温より低いガスを液化させて極低温状態で貯蔵することができる。
【0026】
液化ガス貯蔵タンク10はメンブレン型、独立型、圧力容器型などのタイプからなることができるが、特に限定されない。ただし、タイプに関わらず液化ガス貯蔵タンク10の内部では液化ガスの一部が自然気化して蒸発ガスが発生するが、蒸発ガスは液化ガス貯蔵タンク10の内圧上昇を引き起こすため、問題となり得る。したがって、本実施例は、蒸発ガスを液化ガス貯蔵タンク10の外部に排出させ、排出された蒸発ガスは再液化されて液化ガス貯蔵タンク10に戻ることができる。
【0027】
または、本発明は蒸発ガスを需要先(符号不図示)の燃料として使用することもできるが、このとき、需要先は船舶に設けられるエンジン、タービン、ボイラー、燃料電池、バーナーなどであってもよく、船舶を推進させる推進機関であるか、船舶内部の電力負荷をカバーするための発電機関などであってもよい。
【0028】
液化ガス貯蔵タンク10には蒸発ガスを排出するための蒸発ガス排出ラインL10が設けられてもよく、蒸発ガス排出ラインL10は液化ガス貯蔵タンク10から延びて蒸発ガス再液化システム1に連結されることができる。
【0029】
バッファ20は蒸発ガス排出ラインL10が連結され、液化ガス貯蔵タンク10から排出された蒸発ガスを一時的に貯蔵する。バッファ20は気相と液相を分離するセパレーターであって、液化ガス貯蔵タンク10から排出された蒸発ガスを気液分離して気体状態の蒸発ガスのみを圧縮機30に供給することにより、圧縮機30のdamageを防ぐことができる。
【0030】
バッファ20で分離された気相の蒸発ガスは、蒸発ガス液化ラインL20を介して圧縮機30に伝達されることができる。蒸発ガス液化ラインL20はバッファ20から延びて凝縮器40を経由して液化ガス貯蔵タンク10に蒸発ガスを伝達する構成であり、蒸発ガス液化ラインL20には圧縮機30、凝縮器40、レシーバー50、圧力調整弁70などが設けられてもよい。また、蒸発ガス液化ラインL20はインタークーラー60を経由するように設けられてもよい。
【0031】
圧縮機30は、液化ガス貯蔵タンク10で発生した蒸発ガスを圧縮する。圧縮機30は遠心型または往復動型などであってもよく、複数の圧縮段を含む多段で設けられてもよい。また、圧縮機30はバックアップまたは負荷分担のために並列に設けられてもよい。
【0032】
圧縮機30は1bar前後で流入される蒸発ガスを10~100barに圧縮することができ、圧縮機30によって蒸発ガスが圧縮されると、蒸発ガスの沸点が上昇するようになる。したがって、圧縮された蒸発ガスは大気圧での沸点(例えば、LPGの場合は-55度)まで冷却しなくても液化が可能な状態となることができる。
【0033】
圧縮機30は3段で構成されてもよく、1段30aで4bar前後、2段30bで10bar前後、3段30cで20~30bar前後に蒸発ガスを圧縮することができる。もちろん、圧縮機30及び圧縮段が圧縮する蒸発ガスの圧力は特に限定されない。
【0034】
バッファ20から凝縮器40に連結される蒸発ガス液化ラインL20には複数の圧縮段が直列に設けられて多段圧縮機30を構成することができるが、蒸発ガス液化ラインL20上において圧縮段の間である中間段にはインタークーラー60として第1インタークーラー60aと第2インタークーラー60bが連結されてもよい。
【0035】
圧縮機の1段30aを出た低圧の蒸発ガスは第2インタークーラー60bを経てから圧縮機の2段30bに伝達され、圧縮機の2段30bを出た中圧の蒸発ガスは第1インタークーラー60aを経てから圧縮機の3段30cに伝達され、圧縮機の3段30cから高圧の蒸発ガスで出て凝縮器40に伝達される。
【0036】
このとき、インタークーラー60は後述するが、別途の冷媒なしに減圧された蒸発ガスを冷媒として用いる冷却設備であって、圧縮機30から流入された低圧の蒸発ガスまたは中圧の蒸発ガスを冷却させることができる。したがって、インタークーラー60は圧縮機30の中間段で冷却を具現することができる。
【0037】
圧縮機30は1段30aから2段30bの間、及び2段30bから3段30cの間に蒸発ガスがインタークーラー60を迂回して伝達されるようにすることもでき、インタークーラー60の迂回はインタークーラー60の内圧、蒸発ガスの温度などの変数に応じて多様に制御されてもよい。
【0038】
液化ガス貯蔵タンク10から蒸発ガスは-50度前後に排出されるが、排出された蒸発ガスはバッファ20を経た後、1bar前後、-20度前後に圧縮機の1段30aに流入されることができる。
【0039】
その後、蒸発ガスは圧縮機の1段30aで4bar前後、40度前後の状態で排出されて第2インタークーラー60bに流入され、第2インタークーラー60b内で30度前後に冷却された後、圧縮機の2段30bに伝達される。
【0040】
それから、蒸発ガスは圧縮機の2段30bで10bar前後、70度前後の状態で排出されて第1インタークーラー60aに流入され、第1インタークーラー60aで60度前後に冷却された後、圧縮機の3段30cに伝達される。最後に、圧縮機の3段30cで20~30bar前後、100度前後の状態で排出され、その後、凝縮器40で40度前後に冷却されることができる。
【0041】
ただし、各圧縮機30から吐出される蒸発ガスの温度が比較的高くない場合であるか、高い温度の蒸発ガスの吐出が必要な場合などの状況では、蒸発ガスがインタークーラー60を迂回することができるように蒸発ガス液化ラインL20には迂回ライン(符号不図示)が設けられてもよい。
【0042】
迂回ラインは圧縮された蒸発ガスがインタークーラー60を迂回するように蒸発ガス液化ラインL20に設けられ、一例として、迂回ラインは2段30b圧縮された蒸発ガスが第1インタークーラー60aを迂回して圧縮機の3段30cに流入されるように設けられることができる。
【0043】
迂回ラインには弁(符号不図示)が設けられてもよく、弁は圧縮機の2段30bなどの負荷や蒸発ガスの温度条件などに応じて開度が調整されることができる。ただし、圧縮機30で圧縮された蒸発ガスが迂回ラインに沿ってインタークーラー60を迂回する場合でも、インタークーラー60内で発生した気相蒸発ガスが圧縮機30に向かって伝達され得ることは言うまでもない。
【0044】
本実施例は圧縮機30を3段30cに限定するものではなく、2段であるか、または4段以上の多段構造であることができる。ただし、本実施例は蒸発ガスが圧縮される過程でインタークーラー60を経由するようにすることができる。
【0045】
凝縮器40は圧縮された蒸発ガスを冷却して少なくとも一部を再液化させる。このとき、凝縮器40は蒸発ガスを再液化させることができるが、実際の稼動時に様々な要因によって蒸発ガスの再液化が全く行われないか、蒸発ガスの一部だけが再液化される状況を排除するものではない。
【0046】
これは蒸発ガス内に沸点の異なる物質が混合されているためである。例えば、プロパンとブタンを主成分とするが、エタンなどを含むLPGの場合、エタンの沸点がプロパン/ブタンより低くてエタンなどの一部成分が再液化されない場合がある。
【0047】
凝縮器40は多段に設けられる圧縮機30の下流に設けられ、制限されない様々な冷媒(例えば、海水、清水、グリコールウォーター、窒素、LNG、LPG、プロパン、R134a、CO2など)を用いて蒸発ガスを冷却させることができる。
【0048】
凝縮器40は圧縮機30で圧縮された蒸発ガスの温度を下げながらも、大気圧での蒸発ガスの沸点までは下げないことができる。これは圧縮機30によって蒸発ガスが圧縮されながら沸点が上昇するためである。
【0049】
ただし、凝縮器40は最終段(例えば、3段30c)の圧縮機30から吐出される蒸発ガスの圧力を考慮して蒸発ガスの冷却温度を調整することができる。
【0050】
レシーバー50は、凝縮器40で液化された蒸発ガスを一時的に貯蔵する。凝縮器40から液化ガス貯蔵タンク10の間には冷却された蒸発ガスを液化ガス貯蔵タンク10に伝達するために蒸発ガス液化ラインL20が設けられるが、レシーバー50は蒸発ガス液化ラインL20上の凝縮器40の下流及びインタークーラー60の上流に配置されることができる。
【0051】
レシーバー50はバッファ20と類似するように気液分離機能を有することができ、冷却された蒸発ガスのうち液化された蒸発ガスをインタークーラー60に伝達することができる。ただし、レシーバー50は冷却された蒸発ガスのうち、液化されていない蒸発ガスを外部に排出せずに貯蔵することができ、この場合、レシーバー50の内圧が上昇することにより、後述する減圧弁61による減圧時に蒸発ガスの冷却効果が向上することができる。
【0052】
無論、本実施例はレシーバー50が液化されていない蒸発ガス(不凝縮ガス)をベントラインL23を介してvent headerや液化ガス貯蔵タンク10に伝達することができ、または、圧縮機の3段30cと凝縮器40の間などに伝達するなどの様々な変形が可能である。
【0053】
ただし、レシーバー50は省略されてもよく、この場合、凝縮器40で冷却された蒸発ガスは別途の気液分離なしにインタークーラー60に伝達されることができる。
【0054】
インタークーラー60は、凝縮器40で液化された蒸発ガスの一部と残りを相互熱交換させる。インタークーラー60は、インタークーラー60の上流で蒸発ガス液化ラインL20から分岐され、減圧弁61が設けられる第1蒸発ガス分岐ラインL21aが連結され、また、凝縮器40で冷却された蒸発ガスが通過されるようにする冷却流路62が設けられる。
【0055】
インタークーラー60は減圧弁61によって減圧された蒸発ガスを収容する空間を有し、第1蒸発ガス分岐ラインL21aはインタークーラー60内で開放された形態を有してインタークーラー60の内部に蒸発ガスを満たすように設けられ、冷却流路62は蒸発ガスがインタークーラー60の内部を経由するように設けられる。
【0056】
第1蒸発ガス分岐ラインL21aに設けられる減圧弁61は、凝縮器40により冷却されてからインタークーラー60の上流で分岐された蒸発ガスを減圧する。減圧弁61はジュール-トムソン弁または膨張機などであって、蒸発ガスを減圧させて冷却するため(ジュール-トムソン効果)、凝縮器40によって冷却される蒸発ガスに対して減圧弁61はさらに高い比率で蒸発ガスを液化させることができる(または過冷却)。
【0057】
したがって、インタークーラー60は減圧により液化された蒸発ガスの内部に蒸発ガス液化ラインL20の冷却流路62を経由させることにより、別途の冷媒なしに蒸発ガス間の非接触式熱交換で安定的な液化が可能であることができる。このような側面において、インタークーラー60は熱交換器ということができ、例えば、bath type熱交換器とみることができる。このとき、冷却流路62は液化効率の向上のために液化された蒸発ガスの内部にコイル状に設けられてもよい。
【0058】
インタークーラー60が2台以上設けられる場合、減圧弁61は蒸発ガス液化ラインL20の各インタークーラー60の上流から分岐してインタークーラー60に連結される第1蒸発ガス分岐ラインL21aごとに設けられてもよい。
【0059】
また、インタークーラー60は、凝縮器40の上流で圧縮機30の中間段の冷却器の役割を具現することができる。インタークーラー60は蒸発ガス液化ラインL20において圧縮機30の中間段に連結されて減圧された蒸発ガスを用いて圧縮機30の複数の圧縮段の一部によって圧縮された蒸発ガスを冷却させることができ、熱交換によって発生した蒸発ガスを圧縮機30に伝達することができる。
【0060】
インタークーラー60には凝縮器40の上流の蒸発ガス液化ラインL20が連結されて圧縮機30の少なくとも1段30aによって圧縮された蒸発ガスを内部に流入させる圧縮ガス流入口(符号不図示)が設けられてもよい。圧縮ガス流入口はインタークーラー60の内部に貯蔵された液相蒸発ガスのレベルより高い位置に設けられることができるが、これは液化された蒸発ガスが不要に気化するのを抑制するためである。
【0061】
また、インタークーラー60には第1蒸発ガス分岐ラインL21aと連結されて液化された蒸発ガスを内部に流入させる減圧ガス流入口(符号不図示)が設けられるが、減圧ガス流入口はインタークーラー60内の液相蒸発ガスのレベルより高い位置に設けられてもよい。
【0062】
したがって、圧縮ガス流入口により流入された蒸発ガスは減圧によって液化された蒸発ガスと接触しながら冷却/液化されることができる。このような接触式熱交換を通じて圧縮機30の中間段での冷却がインタークーラー60によって具現されることができる。
【0063】
インタークーラー60の内部には圧縮ガス流入口と対向する隔壁(符号不図示)が設けられてもよく、隔壁は圧縮された蒸発ガスがインタークーラー60内で冷却されずに直ちに次の圧縮機30に出ることを防ぐことができる。
【0064】
本実施例において、インタークーラー60は計2台が設けられてもよいが、第1インタークーラー60aは凝縮器40の下流の蒸発ガスの流れを基準として2台のインタークーラー60のうち上流に設けられ、圧縮機の2段30bと圧縮機の3段30cの間の蒸発ガスが流入されるように設けられることができる。
【0065】
また、第2インタークーラー60bは凝縮器40の下流の蒸発ガスの流れを基準として2台のインタークーラー60のうち下流に設けられ、圧縮機の1段30aと圧縮機の2段30bの間の蒸発ガスが流入されるように設けられることができる。
【0066】
したがって、蒸発ガスは蒸発ガス液化ラインL20に沿って圧縮機の1段30a-第2インタークーラー60b-圧縮機の2段30b-第1インタークーラー60a-圧縮機の3段30c-凝縮器40に流入されることができ(またはインタークーラー60を迂回する)、凝縮器40で冷却された蒸発ガスは蒸発ガス液化ラインL20に沿って第1インタークーラー60a-第2インタークーラー60b-圧力調整弁70を経て液化ガス貯蔵タンク10に戻ることができる。
【0067】
この場合、凝縮器40で冷却された20~30bar、40度前後の蒸発ガスは、第1インタークーラー60aを経ながら圧力はほとんど変わらず、温度は30度以下に下がることができ、第2インタークーラー60bをさらに経ながら圧力はほとんど変わらず、温度は零下に下がることができる。
【0068】
その後、圧力調整弁70によって圧力が液化ガス貯蔵タンク10の内圧と類似する水準に下がると、蒸発ガスは大気圧での沸点より低い温度前後に冷却されることができるため、最終的に再液化されて液化ガス貯蔵タンク10に戻ることができる。
【0069】
本実施例は第1蒸発ガス分岐ラインL21aに代えるか、または第1蒸発ガス分岐ラインL21aと共に、第2蒸発ガス分岐ラインL21bを使用することができる。第2蒸発ガス分岐ラインL21bは第1蒸発ガス分岐ラインL21aと比較して蒸発ガス液化ラインL20での分岐地点において差がある。
【0070】
即ち、第2蒸発ガス分岐ラインL21bの場合、第2インタークーラー60bの下流の一地点で分岐されて、第1インタークーラー60a及び第2インタークーラー60bに向かってそれぞれ分岐連結されるように設けられることができる。
【0071】
ただし、第2蒸発ガス分岐ラインL21bの場合でも、第1蒸発ガス分岐ラインL21aと同様に減圧弁61が設けられることで、2つのインタークーラー60を経由しながら冷却された蒸発ガスを減圧により追加冷却した後、各インタークーラー60に伝達することができる。
【0072】
本実施例は2つの蒸発ガス分岐ラインL21を全て含んでもよく、少なくとも何れか1つの蒸発ガス分岐ラインL21を含んでもよい。2つの蒸発ガス分岐ラインL21を全て含む場合、蒸発ガスの温度や流量などの様々な変数に応じて各蒸発ガス分岐ラインL21における流れを制御することができる。
【0073】
圧力調整弁70は、蒸発ガス液化ラインL20の第2インタークーラー60bの下流及び液化ガス貯蔵タンク10の上流に設けられ、液化ガス貯蔵タンク10の内圧に応じて蒸発ガスの圧力を調整し、例えば、蒸発ガスを減圧させる。
【0074】
圧力調整弁70は20~30barの蒸発ガスを液化ガス貯蔵タンク10の内圧に対応するように1bar前後に減圧させることができ、減圧弁61と同一/類似するようにジュール-トムソン弁などであってもよい。
【0075】
圧力調整弁70が蒸発ガスを減圧すると、減圧によって蒸発ガスの温度が低くなる。例えば、蒸発ガス液化ラインL20に沿ってインタークーラー60を2回経由した蒸発ガスは零下(例えば、-4度前後)の温度を有するが、圧力調整弁70を経ながら蒸発ガスの温度は-40度前後に下がることができる。
【0076】
圧力調整弁70は単独で設けられるか、または複数個が直列に設けられてもよく、これは多段圧縮機30の最終圧縮圧力に応じて様々に変わってもよい。
【0077】
液化ガスポンプ90は、液化ガス貯蔵タンク10の液化ガスを加圧する。液化ガス貯蔵タンク10には液化ガスを需要先(エンジンなど)に供給するための液化ガス供給ラインL31が設けられてもよく、液化ガスポンプ90は液化ガス供給ラインL31に液化ガスを伝達する。
【0078】
液化ガスポンプ90は液化ガスを需要先に供給するほか、インタークーラー60にも液化ガスを供給することができる。これは不凝縮ガスの発生防止のためのものであるが、まず不凝縮ガスの発生及びそれによる問題点について以下に説明する。
【0079】
上述のように、蒸発ガスはLPGであってもよいが、この場合、蒸発ガスは沸点の異なる第1物質と第2物質などの混合物であり得る。例えば、蒸発ガスは沸点の低い順にエタン、プロパン、ブタンなどが混合された物質であってもよい。
【0080】
蒸発ガスは圧縮機30で圧縮され、凝縮器40で凝縮された後、レシーバー50を経てインタークーラー60に分割流入されるが、インタークーラー60内で発生する気相蒸発ガスは再び圧縮機30に循環する。即ち、インタークーラー60で液化されない物質(特に沸点が相対的に低い第1物質で、エタンなど)は持続的に循環するようになる。
【0081】
システムの稼働時間の経過に伴って、第1物質が圧縮機30-凝縮器40-レシーバー50-インタークーラー60を繰り返して循環すると、凝縮器40などに流動する蒸発ガスに対して第1物質の比率が高くなることができ、これにより凝縮器40における液化効率が大きく低下することができる。
【0082】
これに備えるためには、蒸発ガス内の第1物質の比率に応じて一定時点でレシーバー50の排出を遮断し、圧縮機30の吐出圧力を強制的に引き上げて、凝縮器40で第1物質が十分に液化されるようにしてから蒸発ガスの流れを許容することによって、インタークーラー60から圧縮機30に伝達される気相蒸発ガス内の第1物質の比率が再び低くなるようにする必要がある。このような動作を不凝縮ガス処理モードということができる。
【0083】
不凝縮ガス処理モードは再液化効率を急激に低下させる要因となり得るため、本実施例は液化ガスをインタークーラー60内に伝達してインタークーラー60内で第1物質の気化を防止することで、不凝縮ガス処理モードの稼働を省略させることができる。
【0084】
具体的には、液化ガスポンプ90は、液化ガス供給ラインL31から分岐してインタークーラー60に連結される液化ガス伝達ラインL30を介して液化ガスを供給することができ、液化ガスをインタークーラー60に伝達してインタークーラー60内の気相蒸発ガスを液化させる。
【0085】
凝縮器40で凝縮された液相蒸発ガスの一部が減圧弁61により減圧された後にインタークーラー60の内部に貯蔵されるが、インタークーラー60は凝縮された液相蒸発ガスの残りを内部に通過させて蒸発ガスを相互熱交換させることができる。このとき、液化ガスポンプ90がインタークーラー60の内部に液化ガスを注入することにより、インタークーラー60の内部に貯蔵された一部の蒸発ガスの温度を下げることができる。
【0086】
また、インタークーラー60内に液化ガスが注入されることにより、インタークーラー60の内部を通過する残りの蒸発ガスが、インタークーラー60内に貯蔵され、液化ガスの混合によってさらに冷却された一部の蒸発ガスによって冷却されるため、インタークーラー60によって行われる蒸発ガス間の熱交換時の冷却効果が増大することができる。
【0087】
即ち、インタークーラー60は液化ガスポンプ90によって伝達された液化ガスをインタークーラー60の内部に注入される一部の蒸発ガスの冷却(気化防止)に活用することができ、また、冷却流路62で流動する蒸発ガスの冷媒としても活用することができる。
【0088】
特に、本実施例は、液化ガスポンプ90が液化ガスをインタークーラー60に伝達することにより、インタークーラー60内で第1物質の蒸発量を既定値以内に制限するという点で、第1物質の持続循環を抑制する効果を有する。
【0089】
具体的には、液化ガスポンプ90は凝縮器40を流動する蒸発ガス内の第1物質の比率が既定値以内となるように、液化ガスをインタークーラー60に伝達してインタークーラー60から圧縮機30に伝達される第1物質の流量を減らすことができる。
【0090】
液化ガスポンプ90は液化ガス供給ラインL31を介して需要先に液化ガスを供給するために持続的に作動することができるため、液化ガスがインタークーラー60に伝達されるのは液化ガス伝達ラインL30に設けられる弁(符号不図示)の開閉により制御されることができる。
【0091】
または、液化ガスポンプ90は、凝縮器40を流動する蒸発ガス内の第1物質の比率が既定値以上になる場合、液化ガスをインタークーラー60に伝達するように制御されてもよい。このような制御は、液化ガスの燃料供給が行われない場合(停泊時など)に活用されることができる。
【0092】
燃料供給部100は、液化ガスポンプ90から需要先に供給される液化ガスを需要先の要求条件に合わせて処理する。燃料供給部100は高圧ポンプ(不図示)、熱交換器(不図示)などを含んでもよく、その他にも液化ガスの温度や圧力、流量などを需要先の要求条件に合わせるための様々な構成が備えられてもよい。
【0093】
燃料供給部100は液化ガス供給ラインL31を介して液化ガスを需要先に伝達することができ、または、再液化された蒸発ガスを需要先に伝達することもできる。このために、蒸発ガス液化ラインL20が適切な地点で分岐されて液化ガス供給ラインL31に連結されることができ、蒸発ガスは液化ガスとともにまたは蒸発ガス単独で需要先に供給されることができる。
【0094】
また、需要先は供給された液化ガスのうち消費していない余剰液化ガスを排出することができ、需要先から排出される余剰液化ガスは燃料供給部100(特に高圧ポンプの上流)に回収されることができる。このため、需要先から液化ガス供給ラインL31には液化ガス回収ライン(不図示)が設けられてもよい。
【0095】
このように本実施例は、蒸発ガス再液化時にエタンなどのように沸点の低い第1物質がインタークーラー60と圧縮機30及び凝縮器40の間を持続的に循環することにより液化効率を低下させる問題を防止すべく、インタークーラー60に液化ガスを注入して第1物質の蒸発を効果的に抑制することにより、再液化効率を十分に確保することができる。
【0096】
図2は本発明の第2実施例による蒸発ガス再液化システムの概念図である。
【0097】
以下では、本実施例が上述の実施例と比べて異なる点を中心に説明し、説明を省略した部分は上述の内容に代える。
【0098】
図2を参照すると、本発明の第2実施例による蒸発ガス再液化システム1は上述の実施例とは異なって、不凝縮ガスを分離して別途で処理する構成を有する。
【0099】
即ち、本実施例は、第1物質がインタークーラー60と圧縮機30及び凝縮器40の間を持続的に循環しながら液化効率の低下問題を引き起こすことを改善するために、レシーバー50で分離される不凝縮ガスを別途処理することによってインタークーラー60から圧縮機30に伝達される第1物質の比率を下げ、不凝縮ガスによる再液化効率の低下を防止することができる。
【0100】
具体的には、本実施例は、レシーバー50で分離されて排出される不凝縮ガスが追加のインタークーラー60c(熱交換器ということもできる)で冷却されるようにすることができる。追加のインタークーラー60cについては以下で具体的に説明し、レシーバー50から追加のインタークーラー60cには不凝縮ガスが流動する不凝縮ガス処理ラインL22が設けられてもよい。
【0101】
追加のインタークーラー60cはレシーバー50から伝達される液相蒸発ガスのうち少なくとも一部を利用してレシーバー50から分離された不凝縮ガスを冷却する。上述のインタークーラー60の場合、凝縮器40で凝縮された蒸発ガスの一部を減圧して残りの蒸発ガスを冷却する方式であったのであれば、追加のインタークーラー60cは凝縮された蒸発ガスの少なくとも一部を通じてレシーバー50で分離された不凝縮ガスを冷却する方法であることができる。
【0102】
このとき、追加のインタークーラー60cは第1インタークーラー60aを置き換えるように設けられてもよく、または第1、2インタークーラー60と共に追加のインタークーラー60cが設けられてもよい。ただし、以下では前者の場合を想定して説明する。
【0103】
追加のインタークーラー60cは、レシーバー50から伝達される液相蒸発ガスを減圧弁61で減圧してから内部に貯蔵することができ、不凝縮ガスが内部の冷却流路62を通過しながら液相蒸発ガスと熱交換されるように設けられる。このとき、追加のインタークーラー60cの内部を通過する不凝縮ガスは、液相蒸発ガスにより冷却された後、液化ガス貯蔵タンク10に伝達されてもよい。
【0104】
また、追加のインタークーラー60cは、上述の第1インタークーラー60aと類似するように熱交換時に内部で発生する気相蒸発ガスを圧縮機30に伝達することができる。したがって、追加のインタークーラー60cは圧縮機30の中間冷却を具現する用途として使用されることができる。
【0105】
及び/または追加のインタークーラー60cは、熱交換によって発生する気相蒸発ガスをインタークーラー60から液化ガス貯蔵タンク10に流動する液相蒸発ガスに伝達することができる。即ち、追加のインタークーラー60cは気相蒸発ガスが蒸発ガス液化ラインL20に注入されるようにすることができ、この場合、追加のインタークーラー60cから蒸発ガス液化ラインL20に伝達される気相蒸発ガスは、後述する気液分離器80から蒸発ガス液化ラインL20に液相が流入される地点の付近で合流することができる。
【0106】
レシーバー50で分離された不凝縮ガスが追加のインタークーラー60cの内部を通過しながら蒸発ガスによって冷却されても完全に再液化できない場合があり、これに備えるために気液分離器80が設けられてもよく、不凝縮ガス処理ラインL22はレシーバー50から延びて追加のインタークーラー60cを経由してから気液分離器80に連結されてもよい。気液分離器80については後述する。
【0107】
気液分離器80は、冷却された不凝縮ガスの伝達を受けて気液分離する。気液分離器80は不凝縮ガス処理ラインL22上に設けられ、不凝縮ガスの流れを基準として追加のインタークーラー60cと液化ガス貯蔵タンク10との間に設けられてもよい。
【0108】
上述のように、レシーバー50で分離された不凝縮ガスは追加のインタークーラー60c内の蒸発ガスによって少なくとも一部が液化されるが、一部の気相が存在する可能性があり、気相を液化ガス貯蔵タンク10に注入する場合、凝縮器40における第1物質の比率の低減効果が低くなり得る。
【0109】
したがって、気液分離器80は冷却された不凝縮ガスのうち液相のみを液化ガス貯蔵タンク10に伝達することができ、気相はベントラインL23を介して外部(vent headerなど)に排出するか、別の需要先に供給することができる。
【0110】
このように本実施例は液化ガスを再液化する過程で第1物質の持続循環が発生することによって凝縮器40の液化効率が低下する問題を、レシーバー50で分離できる不凝縮ガスを蒸発ガスで冷却処理することで解決することができる。したがって、本実施例は、不凝縮ガス処理モードを別途で稼働する必要性を省略するか、または下げることができ、安定的な液化性能を維持することができる。
【0111】
本発明は上述の実施例に加えて、上記実施例の組み合わせと上記実施例の少なくとも何れか1つと公知技術の組み合わせによって発生する実施例をすべて包含する。
【0112】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によりその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0113】
本発明の単純な変形ないし変更はすべて本発明の範囲に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになるであろう。
図1
図2
【国際調査報告】