(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】多孔質炭素材料及びその調製方法と使用
(51)【国際特許分類】
C01B 32/05 20170101AFI20240920BHJP
H01G 11/32 20130101ALI20240920BHJP
【FI】
C01B32/05
H01G11/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517165
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 CN2022138928
(87)【国際公開番号】W WO2024040803
(87)【国際公開日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】202211007821.9
(32)【優先日】2022-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512172224
【氏名又は名称】ペトロチャイナ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PETROCHINA COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.9 Dongzhimen North Street, Dongcheng District, Beijing 100007, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー ションピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ルーハイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ハイポン
(72)【発明者】
【氏名】リウ イントン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ユイティン
(72)【発明者】
【氏名】ワン リータオ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ チエン
【テーマコード(参考)】
4G146
5E078
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AD23
4G146BA24
4G146BB08
4G146BC03
4G146BC23
4G146BC33A
4G146BC33B
4G146BD10
4G146BD18
4G146CA01
5E078BA12
(57)【要約】
多孔質炭素材料及びその調製方法と使用を提供する。当該調製方法は、エチレンタールの250℃~550℃における留分を取得し、留分の水素化処理を行い、水素化精製されたエチレンタールを得る工程と、水素化精製されたエチレンタールの一部に対して予備炭化処理を行い、コークスを得る工程と、水素化精製されたエチレンタールの残部と前記コークスを混合して混合物を形成し、混合物の活性化処理を行い、多孔質炭素材料を得る工程と、を含む。高純度の多孔質炭素の調製を実現でき、調製工程が簡単で、コストが低い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンタールの250℃~550℃における留分を取得し、前記留分の水素化処理を行い、水素化精製されたエチレンタールを得る工程と、
前記水素化精製されたエチレンタールの一部に対して予備炭化処理を行い、コークスを得る工程と、
前記水素化精製されたエチレンタールの残部と前記コークスを混合して混合物を形成し、前記混合物の活性化処理を行い、多孔質炭素材料を得る工程と、
を含む、多孔質炭素材料の調製方法。
【請求項2】
前記予備炭化処理は、不活性雰囲気で行われ、前記予備炭化処理の温度を300℃~800℃とする、請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
前記コークスと前記水素化精製されたエチレンタールの残部との質量比は、1:(0.01~0.8)である、請求項1又は2に記載の調製方法。
【請求項4】
前記混合物に対して活性化剤を使用して前記活性化処理を行い、前記活性化剤は、アルカリ性化合物、水蒸気、二酸化炭素のうちの少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項5】
前記活性化処理の条件は、温度が600℃~900℃、時間が0.5時間~3時間とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項6】
エチレンタールの350℃~450℃範囲における留分を取得する、請求項1~5のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項7】
前記混合物の活性化処理を行って一次多孔質炭素を得、前記一次多孔質炭素に対して脱酸素精製処理を行い、前記多孔質炭素材料を得る工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項8】
前記脱酸素精製処理は真空還元雰囲気で行われ、前記脱酸素精製処理の条件は、真空度が-0.1MPa~-0.01MPa、温度が300℃~900℃、時間が0.5時間~3時間とする、請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の調製方法を使用して調製された、多孔質炭素材料。
【請求項10】
電極が請求項9に記載の多孔質炭素材料を含有する、電気二重層キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、炭素材料技術の分野に関し、特に、多孔質炭素材料及びその調製方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor, EDLC)は、高い出力密度及び優れたサイクル安定性を持つ新しいタイプのエネルギー貯蔵装置であり、多孔質炭素は、電気二重層キャパシタの電極材料として広く使用されている。
【0003】
電気二重層キャパシタは、多孔質炭素電極と電解質からなる電気二重層構造を使用して非常に大きい電気容量を取得する。電気二重層キャパシタでは、多孔質炭素材料を採用して電極を製作する。スーパーキャパシタは、多孔質炭素に電解質溶液中のイオンを吸着させることによって電気エネルギーの貯蔵を行い、多孔質炭素から電解質溶液中にイオンを脱着させることによって電気エネルギーの放出を行う。吸着と脱着は純粋な物理的プロセスであり、論理的にはほぼ無限な充放電寿命を持つが、多孔質炭素材料は、純度が高くなく、硫黄、窒素、酸素などの非金属元素、及び鉄、ニッケル、マグネシウムなどの金属元素などの不純物を大量含有することが多く、これらの不純物は電解質溶液中の溶媒や溶質と化学反応するため、デバイスの安定性が悪くなり、デバイスの容量及び耐用年数が低下することになる。
【0004】
多孔質炭素の調製原料、添加剤、及び調製工程条件は、多孔質炭素の純度に大きく影響している。多孔質炭素の調製原料は主にバイオマスや、石炭、石油加工誘導体である。そのうち、バイオマス及び石炭の中に、灰分、重金属のような除去しにくい不純物が多く含まれている。石油加工誘導体のうち、エチレンタールは、灰分、金属や非金属の不純物の含有量が低いといった利点があるが、エチレンタールには、不飽和オレフィンが多く含まれており、熱安定性が悪く、多孔質炭素の調製中に酸化されやすく、新たな不純物が混入される。従来の技術において、通常、エチレンタールは軽成分を除去してから多孔質炭素の調製に使用される。例えば、特許文献CN106672966Aには、エチレンタールに対して前処理を行い、その中の軽成分をn-ヘプタン還流で除去した後、予備酸化を行って多孔質炭素材料の前駆体を取得し、最後にテンプレート法を用いて炭化・酸洗浄を行い多孔質炭素材料を得る、エチレンタールを使用した多孔質炭素の調製方法が開示されているが、テンプレート法を利用した当該特許に係る発明は、調製コストが高くつく。
【0005】
したがって、どのように高純度の多孔質炭素材料を調製しながらコストの削減をはかるかは、当業者の研究のホットスポットとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、上記の欠陥を鑑みて、高純度の多孔質炭素の調製が実現でき、かつ調製工程が簡単で、コストが低いといった利点がある、多孔質炭素材料の調製方法を提供する。
【0007】
本願は、多孔質炭素材料をさらに提供し、当該多孔質炭素材料は、上記の調製方法を用いて製造され、純度が高く、安定性に優れるといった利点がある。
【0008】
本願は、電気二重層キャパシタをさらに提供し、当該電気二重層キャパシタは、上記の多孔質炭素材料を電極として採用し、エネルギー効率が高く、サイクル安定性に優れるといった利点がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様では、本願は、多孔質炭素材料の調製方法を提供し、当該調製方法は、エチレンタールの250℃~550℃における留分を取得し、留分の水素化処理を行い、水素化精製されたエチレンタールを得る工程と、水素化精製されたエチレンタールの一部に対して予備炭化処理を行い、コークスを得る工程と、水素化精製されたエチレンタールの残部とコークスを混合して混合物を形成し、混合物の活性化処理を行い、多孔質炭素材料を得る工程とを含む。
【0010】
本願の一実施形態によれば、予備炭化処理は、不活性雰囲気で行われ、予備炭化処理の温度は300℃~800℃とする。
【0011】
本願の一実施形態によれば、コークスと水素化精製されたエチレンタールの残部との質量比は、1:(0.01~0.8)である。
【0012】
本願の一実施形態によれば、混合物に対して活性化剤を使用して活性化処理を行い、活性化剤は、アルカリ性化合物、水蒸気、二酸化炭素のうちの少なくとも1種を含む。
【0013】
本願の一実施形態によれば、活性化処理の条件は、温度が600℃~900℃、時間が0.5時間~3時間とする。
【0014】
本願の一実施形態によれば、エチレンタールの350℃~450℃範囲における留分を取得する。
【0015】
本願の一実施形態によれば、混合物の活性化処理を行い、一次多孔質炭素を得る工程は、一次多孔質炭素に対して脱酸素精製処理を行い、多孔質炭素材料を得る工程をさらに含む。
【0016】
本願の一実施形態によれば、脱酸素精製処理は、真空還元雰囲気で行われ、前記脱酸素精製処理の条件は、真空度が-0.1MPa~-0.01MPa、温度が300℃~900℃、時間が0.5時間~3時間とする。
【0017】
第2の態様では、本願は、上述の調製方法によって調製された多孔質炭素材料を提供する。
【0018】
第3の態様では、本願は、電極が前述した多孔質炭素材料を含有する電気二重層キャパシタを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本願の実装は、次の有益な効果を少なくとも有している。
【0020】
本願により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、エチレンタールの250℃~550℃における留分を取得し、軽成分や灰分などの不純物が取り除かれた留分を取得し、上記の留分に対して水素化処理を行った後、その中の硫黄や窒素などの不飽和構造がさらに除去され、不純物の含有量が極めて低く、安定性に優れる水素化精製されたエチレンタールが得られるため、この後の処理プロセスで酸化変質しにくいものとなっている。本願は、予備炭化処理をして得たコークスを主な炭素源として採用し、水素化精製されたエチレンタールの残部を改質剤とする。当該改質剤は、混合物の成形を可能にするだけでなく、コークス粒子間の隙間を埋めることで、製品の密度を高めることもできる。また、水素化精製されたエチレンタールは、コークスと類似する構造を有しているため、この後の焼成においてこの2つのものを均一に融合させることができ、生成物の安定性は高められ、かつ新たな不純物が混入することはない。本願により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、調製方法が簡単で、エチレンタール原料の利用率が高いといった利点もあり、大量生産が可能であり、工業生産に適している。
【0021】
本願により提供される多孔質炭素材料は、上記の方法を用いて調製されたものであり、純度が高く、安定性に優れるといった利点があり、スーパーキャパシタ、生物医学、触媒などの技術分野、特に、電極材料として電気二重層キャパシタに適用することができる。これによって、電気二重層キャパシタは、エネルギー効率が高く、サイクル安定性に優れるといった利点を有するものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本願の一実施形態における多孔質炭素材料の調製方法のフローチャートである。
【
図2】実施例1に係る二重層キャパシタの充放電曲線である。
【
図3】実施例3における二重層キャパシタのサイクル性能曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に列挙する具体的な実施形態は、本願の原理及び特徴を説明するためのものであり、本願の範囲を限定するものではない。当業者は、本願の実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、取得されるその他のすべての実施形態は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0024】
図1に示すように、本願は、多孔質炭素材料の調製方法を提供し、当該方法は、エチレンタールの250℃~550℃における留分を取得し、留分の水素化処理を行い、水素化精製されたエチレンタールを得る工程と、水素化精製されたエチレンタールの一部に対して予備炭化処理を行い、コークスを得る工程と、水素化精製されたエチレンタールの残部とコークスを混合して混合物を形成し、混合物の活性化処理を行い、多孔質炭素材料を得る工程と、を含む。
【0025】
本願により提供される方法によれば、不純物の含有量が低く、炭素含有量が高い水素化精製されたエチレンタールは、留分の分取及び水素化処理によって取得することができる。水素化精製されたエチレンタールの一部に対して予備炭化処理を行って得られたタールを炭素源とし、水素化精製されたエチレンタールの残部を改質剤として、多孔質炭素材料を調製する。本願に係る方法を採用すれば、エチレンタールの高度加工利用を実行するだけでなく、多孔質炭素材料の純度を高めることもできる。また、本願に係る方法は、さらに、コストが低く、操作が簡単であるといった利点があり、大量生産が可能であり、工業生産に適している。
【0026】
本願は、供給源が広く、安価なエチレンタールを原料としている。本願に係るエチレンタールは、クラッキングの方法を採用してエチレンを調製するプロセスで高温縮合された生成物である。エチレンタールの供給源は、石油精製工場のエチレン製造装置、クラッキングによるエチレン製造のための小型実験装置、クラッキングによるエチレン製造のための中型実験装置によって製造されたエチレンタールを含むが、これらに限定されない。
【0027】
本願のいくつかの例では、選定されたエチレンタールは、1種又は複数種の混合物とすることができ、エチレンタールの中の炭素の質量含有量は90%以上、硫黄の質量含有量は0.5%未満、窒素の質量含有量は0.5%未満、金属(鉄、アルミニウム、ニッケル、銅など)の合計質量含有量は500mg/kg未満であり、好ましくは、エチレンタールの中の炭素の質量含有量は92%以上、硫黄の質量含有量は0.2%未満、窒素の質量含有量は0.2%未満、金属(鉄、アルミニウム、ニッケル、銅など)の合計質量含有量は100mg/kg未満である。
【0028】
エチレンタールの留分を取る方法として、従来の分留方法を採用することができ、分留によってエチレンタールの中の軽成分、灰分などの不純物を取り除くことができる。分留は、常圧蒸留、減圧蒸留を含むが、これらにのみ限定されない。当該分留プロセスは、分取が温度に応じて行われ、エチレンタールから250℃~550℃における留分を分取して、分取点は、300℃~500℃とすることが好ましく、350℃~450℃とすることがさらに好ましい。
【0029】
本願は、エチレンタールの留分に対して水素化処理を行い、その中の硫黄、窒素などの不飽和構造をさらに除去することで、炭素含有量が高く、安定性に優れる、水素化精製されたエチレンタールを取得し、この後の処理でのエチレンタールの酸化変質を回避している。
【0030】
上記の水素化処理は、固定床水素化、スラリー床水素化を含むが、これらに限定されず、すなわち、固定床反応器で行われてもよいし、スラリー床反応器で行われてもよい。
【0031】
上記の水素化処理は、当分野の通常の水素化条件を採用することができ、例えば、温度が300℃~450℃、圧力が10MPa~16MPa、空間速度が1h-1、水素油比が800:1という条件とすることができる。
【0032】
本願におけるの予備炭化処理は、不活性雰囲気で行われることができ、不活性雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素のうちの少なくとも1種とすることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、予備炭化処理の温度は300℃~800℃とするが、温度は400℃~550℃とすることが好適である。
【0034】
上記の予備炭化処理は、従来の焼成装置で行われることができ、使用され得る装置は、管状炉、箱型炉などの焼結炉又はコークス化装置を含むが、これらに限定されない。
【0035】
この後の反応原料の混合を容易にするために、通常、予備炭化処理の後に粉砕処理をさらに含む。粉砕処理により、コークスの粒度が0.1マイクロメートル~10ミリメートルになり、粒度は、好ましくは1マイクロメートル~1000マイクロメートルで、さらに好ましくは20マイクロメートル~200マイクロメートルである。
【0036】
上記の粉砕処理プロセスは、従来の粉砕装置で行われることができ、機械式粉砕機、気流式粉砕機のうちの少なくとも1種を含むが、これらにのみ限定されない。好ましくは、金属汚染防止コーティングを有する機械式粉砕機で行い、金属汚染防止コーティングは、セラミック又はタングステンカーバイドを含む。
【0037】
本願における、水素化精製されたエチレンタールの残部とコークスを混合して混合物を形成するプロセスは、不活性雰囲気で行うことができる。いくつかの実施例では、コークスと水素化精製されたエチレンタールの残部との質量比は、1:(0.01~0.8)であり、好ましくは1:(0.05~0.2)である。
【0038】
上記の混合プロセスは、手動混合、機械による混合などを含むが、これらに限定されない。好ましくは、密閉混合容器内に不活性ガスを通気させるか、または、不活性雰囲気のグローブボックス内で操作が行われる。
【0039】
混合物を形成するプロセスでは、残りの水素化精製されたエチレンタールを改質剤とすることができる。そうすることで、粘着剤として粘着作用を発揮してコークスを成形し、普通の粘着剤では構造が安定しておらず、新たな不純物が混入するという問題を解決することができる。さらには、充填剤としての充填作用を果たして、コークス粒子間の隙間を埋め、製品の密度を高めることもできる。一方、水素化精製されたエチレンタールの残部は、コークスの前駆体であり、両者は相溶性がよく、この後の焼成処理で両者を均一に融合させることができる。よって、従来の方法を用いて多孔質炭素材料を調製する時に存在する混合不均一の問題が解決され、新たな不純物の混入が回避でき、純度が高く、構造が均一で安定した生成物の形成に有利である。
【0040】
活性化処理としては、従来の物理的活性化方法もしくは化学的活性化方法、またはこの2つの方法の組み合わせを採用することができる。いくつかの実施形態では、一般的には、混合物に対して活性化剤を使用して活性化処理を行っており、これに応じて、活性化剤は、アルカリ性化合物、水蒸気、二酸化炭素のうちの少なくとも1種を含む。本願の具体的な実施プロセスでは、活性化剤として水酸化カリウムなどのアルカリ性物質を使用することができる。水素化精製されたエチレンタールの残部、コークス、アルカリ性物質を混合して混合物を形成し、化学的活性化を行うことは、多孔質炭素材料の比表面積の増加に有利である。また、活性化剤として水蒸気又は二酸化炭素を使用し、物理的活性化を行うこともでき、物理的活性化は、混合中にアルカリ性物質を添加する必要がなく、単に炉内の雰囲気を制御するだけで実現できる。例えば、水素化精製されたエチレンタールの残部とコークスを混合して混合物を形成し、混合物を水蒸気又は二酸化炭素を含有する雰囲気で活性化することができ、物理的活性化方法を採用して調製される多孔質炭素材料は、比表面積が比較的小さいため、物理的活性化と化学的活性化とを組み合わせることが好ましい。
【0041】
本願の具体的な実施プロセスでは、水素化精製されたエチレンタールの残部、コークス、アルカリ性化合物を混合して混合物を形成する。アルカリ性化合物は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化亜鉛、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウムのうちの少なくとも1種を含む。コークスとアルカリ性化合物との質量比は、1:(0~6)で、好ましくは1:(1~3)である。アルカリ性化合物は、固体粉末であってもよく、例えば、粒度は、0.1マイクロメートル~5ミリメートルであってもよく、好ましくは20マイクロメートル~500マイクロメートルである。
【0042】
上記の具体的な実施プロセスでは、アルカリ性化合物を活性化剤として選定して活性化処理を行う。水素化精製されたエチレンタールは、さらに、被覆剤としての作用を発揮て、活性化剤の表面を均一に被覆し、材料転移中に活性化剤が空気中の水、二酸化炭素と接触して不活性化を引き起こすことを防止し、活性化処理の昇温中にアルカリ金属原子が散逸することを回避し、活性化効率の向上、及び多孔質炭素の比表面積の増加に有利である。また、水素化精製されたエチレンタールの被覆剤としての作用により、空気中の酸素が混合物に入り込み酸素含有量が高くなることを防止することができる。
【0043】
本願に係る多孔質炭素前駆体は、柱状又はブロック状である。良好に成形された製品を得るために、通常、活性化処理の前に、成形処理をさらに含む。成形プロセスは、例えば押出機、錠剤プレスなど、従来の装置を利用して行うことができる。混合物は、押出機又は錠剤プレスを利用して一定の圧力が加えられると、柱状又はブロック状に成形される。
【0044】
本願では、活性化処理の温度は600℃以上であり、活性化処理の条件は、温度が600℃~900℃、圧力が0.01MPa~0.3MPa、時間が0.5時間~3時間とすることが好ましい。
【0045】
上記の活性化処理は、不活性雰囲気で行うことができ、活性化雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素、水蒸気のうちの少なくとも1種を含む。
【0046】
上記の活性化処理は、従来の焼成装置で行うことができる。上記の雰囲気で環境が満たされており、かつ温度が600℃以上に達する雰囲気炉が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
上記の活性化処理の圧力は、0.1MPa~0.3MPaの間にあることが好ましく、例えば常圧で行うことができる。
【0048】
本願の具体的な実施プロセスでは、余分な活性化剤及び他の不純物を除去するために、通常、活性化処理後に、活性化生成物を洗浄、ろ過、乾燥、粉砕する。好ましくは、最初に酸溶液で洗浄し、そして、純水で中性になるまで洗浄する。乾燥の目的は余分な水分を除去することであり、乾燥の温度は100℃~200℃であることが好ましい。粉砕プロセスは、機械式粉砕機で行うことができ、粉砕後の粒径は、2μm~50μmであることが好ましい。
【0049】
図1に示すように、本願では、その中の酸素元素と揮発性成分をさらに取り除くするために、混合物の活性化処理を行う。一次多孔質炭素を得る工程は、一次多孔質炭素に対して脱酸素精製処理を行い、多孔質炭素材料を得る工程をさらに含む。
【0050】
上記の脱酸素精製処理中の脱酸素精製処理の条件は、真空度を-0.1MPa~-0.01MPaとするが、真空度を-0. MPaとすることが好ましく、温度を300℃~900℃、時間を0.5時間~3時間とする。
【0051】
上記の脱酸素精製処理は、真空還元雰囲気で行われ、真空操作雰囲気炉又は真空操作反応器で行われることができる。例えば、一次多孔質炭素を炉内に入れた後、炉を密閉し、最初に炉内の空気を真空になるように抜き取り、この後、真空系と炉との接続を切断するとともに、炉内に還元ガスをゆっくりと通気させ、昇温させて還元反応を行う。還元ガスの供給を反応終了まで維持して常温まで冷却し、冷却後、炉内から生成物を取り出して密封包装し、多孔質炭素材料を得る。炉内を真空に引く時間は、120秒~480秒とすることができる。
【0052】
上記の脱酸素精製処理において、還元ガスは、水素ガス、メタン、エチレン、プロピレンのうちの少なくとも1種とすることができる。還元ガスの流量は、1mL/分~2000mL/分であることが好ましい。還元ガスは、体積分率が1%~50%の不活性ガスを含有する還元ガスであることが好ましく、不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガスなどとすることができる。
【0053】
本願は、さらに、脱酸素精製処理などの純化処理を行い、最初に真空に引き、そして還元ガスで充填する方法を採用して水素化脱酸素を行う。こうすると脱酸素効率が高くなり、通常の常圧置換法における脱酸素の不均一や不完全の問題を解決する。
【0054】
本願は、多孔質炭素材料をさらに提供し、当該多孔質炭素材料は、上記の調製方法を用いて調製されたものであり、純度が高く、構造が均一で安定しているといった利点がある。特に、スーパーキャパシタ、生物医学、触媒などの技術的分野に適用され得る。
【0055】
上記の多孔質炭素材料は、比表面積は500m2/g~3500m2/gに達することができ、全細孔容積は0.1cm3/g~5cm3/gに達することができ、酸素含有量は1wt%未満、灰分含有量は0.1wt%以下で、金属含有量(鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、ナトリウム、カリウム)はそれぞれ20mg/kg未満、合計金属含有量は50mg/kg未満である。
【0056】
本願は、電気二重層キャパシタをさらに提供し、当該電気二重層キャパシタは、上記の多孔質炭素材料を電極として採用し、エネルギー効率が高く、サイクル安定性に優れるといった利点がある。具体的には、当該電気二重層キャパシタの有機電解液体系における初回の放電比容量は20F/g以上、または当該電気二重層キャパシタの無機電解液系における初回の放電比容量は40F/g以上である。
【0057】
上記の電気二重層キャパシタにおいて、電極材料は、多孔質炭素材料、粘着剤、導電性カーボンブラックなどを一定の割合で混合してスラリーを形成し、そしてスラリーを基板に塗布して電極を形成するという方法を用いて調製され得る。
【0058】
以下、本願の好ましい実施形態について、実施例を参照しながら詳細に説明する。以下の実施例は、単に説明のために与えられるものであり、本願の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。当業者は、本願の趣旨及び精神から逸脱することなく、本願に様々な修正や置換を加えることができる。
【0059】
本願の実施例及び比較例で使用される実験方法は、特に明記されていない限り、従来の方法であり、実施例で使用される材料、試薬などは、特に明記されていない限り、商業的手段で入手可能である。
【0060】
実施例1
本実施例により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、以下の工程を含む。
(1)大慶石化社製のエチレン装置から得られるエチレンタールを選択し、真沸点蒸留装置を利用してエチレンタールから留分を分取する。350℃~450℃範囲内における留分物を分取し、固定床水素化装置を利用して留分物の水素化処理を行う。水素化処理の条件は、反応温度を300℃、反応圧力を10MPa、空間速度を1h-1、水素油比を800:1とし、水素化精製されたエチレンタールを得る工程。
【0061】
(2)水素化精製されたエチレンタールの一部を槽型コークス化反応器に入れて予備炭化処理を行い、反応器の雰囲気を高純度の窒素ガスとし、昇温速度を2℃/分とし、500℃まで昇温し、定温で480分間処理する。
反応器の底から生成物を取り出し、ボールミルポットとボールがタングステンカーバイド材質であるボールミルを使用して粉砕し、粉砕後の粒径D50の範囲が20~50μmであるコークスを得る工程。
【0062】
(3)保護ガスとして窒素ガスを通気し、コークスと水素化精製されたエチレンタールの残部を混合して混合物を取得する。活性化剤として水酸化カリウムを採用し、コークスと、水酸化カリウムと、水素化精製されたエチレンタールの残部とを、質量比を1:2.5:0.2とし、水酸化カリウムとして粉砕処理された粉末を使用し、D50粒径範囲は20~50μmとし、混合装置としてテトラフルオロエチレン材質でライニングされた回転機械式撹拌機を使用する。
上記の三成分の混合物を、粉末錠剤プレスを用いて圧力5MPa下で直径2cm、高さ1cmの柱形状の素地にプレスする工程。
【0063】
(4)素地を蓋付きのコランダムるつぼに入れて、るつぼを管状炉内に入れて、活性化処理を行う。活性化処理の条件は、高純度の窒素ガス雰囲気、昇温速度が5℃/分、温度が800℃、時間が120分、圧力が0.01MPaとした。
焼成物を取り出し、質量分率5%の塩酸溶液に入れて5時間撹拌し、ろ過後に純水で3回繰り返して洗浄し、最後に固体生成物をろ過して収集し、100℃で24時間乾燥し、乾燥生成物を得る工程。
【0064】
(5)乾燥生成物を石英るつぼ内に入れて、るつぼを石英管真空管状炉内に入れて脱酸素精製処理を行う工程。具体的には、炉内の空気を-0.1 MPaまで引いて真空度を30分間維持する。この後、炉内に還元ガス(水素ガスとエチレンとアルゴンガスとの体積比は1:1:8、流量は10mL/minとする)をゆっくりと通気し、このとき、加熱を開始し、昇温速度を5℃/分、温度を700℃、定温時間を120分とし、反応終了後に自然放冷し、多孔質炭素材料を得る工程。
【0065】
本実施例により提供される二重層キャパシタは、実施例1により提供される多孔質炭素材料を電極材料とし、当該二重層キャパシタの組み立ては、以下の工程を含む。
1)多孔質炭素材料、ポリテトラフルオロエチレン粘着剤、及び導電性カーボンブラック(JPD600、商用購入)を質量比9:0.5:0.5に従って混合し、純水を分散剤として使用し、均一に撹拌してスラリーを得る工程。
2)直径13mmの発泡ニッケル極板に上記のスラリーを均一に塗布し、そして120℃の真空オーブンに置いて6時間乾燥し、電極を得る工程。
3)同じ質量の電極を2枚取って、電解液として水酸化カリウム溶液6mol/Lを使用し、セパレータとしてグラスファイバー濾紙を使用し、容器としてCR2032ボタン電池ケースを使用し、ボタン電池シール機を使用して組み立て、二重層キャパシタを得る工程。
【0066】
上記の二重層キャパシタの電気化学的性能について、電気化学ワークステーションを利用して試験を行った。試験結果は、
図2及び
図3に示す。
【0067】
実施例2
本実施例により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、実施例1と比べて下記の置き換えを行い、それ以外は実施例1と同じ工程を含む。工程(3)における、「活性化剤として水酸化カリウムを採用」する工程を、「活性化剤として水蒸気を採用」する工程に置き換える。さらに工程(3)における成形処理を、「混合物を押出機で直径2~5mm、長さ2~5mmの粒子に押し出し、多孔質炭素前駆体を得る」工程に置き換える。工程(4)における活性化処理の条件を、「圧力0.01MPa」を「圧力0.02MPa」に置き換えること以外、実施例1と同じ工程を含む。
【0068】
実施例3
本実施例により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、実施例1と比べて下記の置き換えを行い、それ以外は実施例1と同じ工程を含む。工程(1)を「撫順石化社製のエチレン装置からのエチレンタールを選択し、減圧蒸留装置を利用してエチレンタールに対して留分の分取を行い、300℃~350℃の範囲内における留分を分取し、スラリー床水素化装置を利用して留分物の水素化処理を行う。水素化処理の条件として、温度を450℃、圧力を16MPa、空間速度を1h-1、水素油比を800:1とし、水素化精製されたエチレンタールを得る」に置き換える。
本実施例により提供される二重層キャパシタは、実施例1の多孔質炭素材料を実施例3で調製された多孔質炭素材料に置き換える以外、実施例1と同じ条件で組みたてる。
【0069】
実施例4
本実施例により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、実施例1の工程(5)を削除する以外は、実施例1と同じ工程を含む。
【0070】
比較例1
本実施例により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、実施例1の工程(1)を削除し、工程(2)でエチレンタールを直接使用し、工程(3)で水素化精製されたエチレンタールの残部を加えず、工程(5)を削除する以外は、実施例1と同じ工程を含む。
【0071】
比較例2
本実施例により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、実施例1の工程(3)で水素化精製されたエチレンタールの残部を加えず、かつ工程(5)を削除する以外は、実施例1と同じ工程を含む。
【0072】
比較例3
本実施例により提供される多孔質炭素材料の調製方法は、実施例2の工程(3)で水素化精製されたエチレンタールの残部を加える代わりに、当業界で現在一般的に使用されているアスファルト(市販品、粉末状、軟化点250℃)を同じ質量比で添加剤として使用し、かつ工程(5)を削除する(すなわち脱酸素精製処理を行わない)以外は、実施例2と同じ工程を含む。
【0073】
【0074】
表1からわかるように、比較例1は実施例よりも多孔質炭素材料の灰分含有量、金属含有量、及び非金属含有量がはるかに多い。つまり、エチレンタールに対して分取処理、水素化処理を行うことで、製品の不純物の含有量を大幅に低下させることができる。また、実施例1及び実施例4からわかるように、脱酸素精製を行うことで、材料中の酸素含有量をさらに低下させることができる。実施例1と比べて、比較例2では活性化剤の被覆処理のための水素化精製されたエチレンタールが添加されていない。そのため、活性化剤から高温下でアルカリ金属原子が散逸する可能性があり、炭素源に対する活性化剤の比率が同じである場合には、活性化剤の活性化効率が低下し、材料の比表面積が減少する結果となる。加えて、活性化剤の被覆処理のための水素化精製されたエチレンタールが添加されていないため、反応中に混合物に酸素が入り込んで酸素含有量の上昇を引き起こし、脱酸素処理を行わなければ、改めて酸素を除去しようとしても不可能である。比較例3では、粘着剤としてアスファルトが加えられているため、その中に含まれる不純物が調製中に生成物に混入され、同時に、酸素含有量が高い値であることから、アスファルトによる被覆効果は、水素化精製されたエチレンタールの場合に比べて劣っている。
【0075】
図2は、実施例1の二重層キャパシタの充放電曲線であり、充放電電流が1A/gのとき、当該キャパシタの容量は238F/gであり、キャパシタの充放電曲線は、まがることなく良好な対称曲線を維持することができる。つまり、電極材料は充放電時に純粋な物理的プロセスである純粋な電気二重層吸着プロセスを示している。また、電解液は電極材料と化学反応しないことから、本願に係る多孔質炭素材料は非炭素元素などの不純物の含有量が極めて少ないことが証明され得る。
【0076】
図3は、実施例3における二重層キャパシタのサイクル性能曲線である。当該二重層キャパシタを充放電電流5A/gで2万サイクル循環したところ、キャパシタの容量維持率は99%である。電極材料の表面に発生する吸着・脱着行為は高度に可逆的なものであることから、本願に係る多孔質炭素材料は、不純物の含有量が低く、性質が非常に安定しており、リサイクル性能に優れている。
【0077】
本願により提供される多孔質炭素材料の調製方法により、不純物の含有量が低く、純度が高い多孔質炭素材料を調製することができ、かつエチレンタールを十分に利用することができるため、調製工程のコストは削減される。
【0078】
以上、本願の好ましい具体的な実施例及び試験検証を詳細に説明した。当業者は、創造的な労力を必要とせずに、本願の構想に基づいて多くの修正及び変更を行うことができることを理解されたい。したがって、当業者が本願の構想に従い従来の技術に基づいて論理的分析、推論、または限定的な実験によって得ることができるすべての技術的解決策はいずれも、特許請求の範囲によって決定される保護範囲内に含まれるものとすべきである。
【0079】
本願は、2022年08月22日に中国特許局に提出された、出願番号が202211007821.9で、出願の名称が「多孔質炭素材料及びその調製方法と使用」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組みこまれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンタールの250℃~550℃における留分を取得し、前記留分の水素化処理を行い、水素化精製されたエチレンタールを得る工程と、
前記水素化精製されたエチレンタールの一部に対して予備炭化処理を行い、コークスを得る工程と、
前記水素化精製されたエチレンタールの残部と前記コークスを混合して混合物を形成し、前記混合物の活性化処理を行い、多孔質炭素材料を得る工程と、
を含む、多孔質炭素材料の調製方法。
【請求項2】
前記予備炭化処理は、不活性雰囲気で行われ、前記予備炭化処理の温度を300℃~800℃とする、請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
前記コークスと前記水素化精製されたエチレンタールの残部との質量比は、1:(0.01~0.8)である、
請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
前記混合物に対して活性化剤を使用して前記活性化処理を行い、前記活性化剤は、アルカリ性化合物、水蒸気、二酸化炭素のうちの少なくとも1種を含む、
請求項1に記載の調製方法。
【請求項5】
前記活性化処理の条件は、温度が600℃~900℃、時間が0.5時間~3時間とする、
請求項1に記載の調製方法。
【請求項6】
エチレンタールの350℃~450℃範囲における留分を取得する、
請求項1に記載の調製方法。
【請求項7】
前記混合物の活性化処理を行って一次多孔質炭素を得、前記一次多孔質炭素に対して脱酸素精製処理を行い、前記多孔質炭素材料を得る工程をさらに含む、
請求項1に記載の調製方法。
【請求項8】
前記脱酸素精製処理は真空還元雰囲気で行われ、前記脱酸素精製処理の条件は、真空度が-0.1MPa~-0.01MPa、温度が300℃~900℃、時間が0.5時間~3時間とする、請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の調製方法を使用して調製された、多孔質炭素材料。
【請求項10】
電極が請求項9に記載の多孔質炭素材料を含有する、電気二重層キャパシタ。
【国際調査報告】