(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】車両用サスペンションアクチュエータシステム
(51)【国際特許分類】
B60G 17/015 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B60G17/015
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517387
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022044438
(87)【国際公開番号】W WO2023049291
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドアラグ,ブライアン リー
(72)【発明者】
【氏名】カガン,アブラハム
(72)【発明者】
【氏名】シル,ジャスティン
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA01
3D301DA08
3D301DA29
3D301DA32
3D301DA35
3D301EB05
3D301EC01
3D301EC05
3D301EC06
(57)【要約】
実施形態は、並列ばねと共に互いに直列に搭載される能動制御要素、受動制御要素、及び適応ダンパを含む車両用サスペンションアクチュエータシステムに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路状況に応じて車両車輪を移動させるためにサスペンション制御システムと通信する能動制御要素と、
該能動制御要素と直列に搭載された第1のばね及び/又はダンパを備える直列受動制御要素と、
前記能動制御要素と並列に搭載された第2のばね又はダンパを備える並列受動制御要素と、を備える、車両用サスペンションアクチュエータシステム。
【請求項2】
前記能動制御要素と直列の適応ダンパを更に備え、該適応ダンパが制御可能である、請求項1に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項3】
前記並列受動制御要素が空気ばねを含む、請求項1又は2に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項4】
前記並列受動制御要素が3N/mm以下の定数を有するばねを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項5】
前記能動制御要素が、前記能動制御要素の動作を制御する前記サスペンション制御システムと電子通信する、請求項1~4のいずれか一項に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項6】
前記サスペンション制御システムが、前記車両に取り付けられた1つ以上のセンサと通信する、請求項5に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項7】
前記アクチュエータシステムが、車輪に接続するためのマウントを備え、前記能動制御要素が、前記車輪の位置を移動させるように構成されたモータを備える、請求項1に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項8】
前記モータが、ボールナットアセンブリを回すように機械的に接続される、請求項7に記載のサスペンションシステム。
【請求項9】
前記ボールナットアセンブリが、前記ボールナットアセンブリによる運動に応答して移動するねじ付きねじに接続される、請求項8に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項10】
前記ねじ付きねじの動きが、前記車輪の位置の運動をもたらす、請求項9に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項11】
前記ねじ付きねじがピストンに接続され、前記ピストンの運動が前記車輪の位置の運動をもたらす、請求項8に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項12】
第1のばね又はダンパを備える直列受動制御要素と、
第2のばね又はダンパを備える並列受動制御要素と、
道路状況に応答して車両車輪を移動させるためにサスペンション制御システムと通信するとともに、プロセッサを備える能動制御要素であって、前記プロセッサが、
道路上の前記車両の運動を検出することと、
前記車両が前記サスペンションの能動制御をいつ必要とするかを決定することと、
前記車両の乗車を円滑にするために前記車両の車輪を移動させるように前記能動制御要素を作動させることであって、
前記直列受動制御要素が、前記能動制御要素と直列に搭載され、前記並列受動制御要素が、前記能動制御要素と並列に搭載される、作動させることと、を行う方法を実行するように構成された、能動制御要素と、を備える、車両用サスペンションアクチュエータシステム。
【請求項13】
前記システムが、前記プロセッサによって電子的に制御可能な適応ダンパを更に備える、請求項12に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項14】
前記サスペンション制御システムが、前記車両に取り付けられた1つ以上のセンサと電子通信する、請求項12に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項15】
前記サスペンションアクチュエータシステムが、車輪に接続するためのマウントを備え、前記能動制御要素が、前記車輪の位置を移動させるように構成されたモータを備え、前記プロセッサが前記モータの運動を制御するようにプログラムされる、請求項12に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【請求項16】
前記モータが、ボールナットアセンブリを回すように機械的に接続される、請求項15に記載のサスペンションシステム。
【請求項17】
前記ボールナットアセンブリが、前記ボールナットアセンブリによる運動に応答して移動するねじ付きねじに接続される、請求項16に記載のサスペンションアクチュエータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年9月23日に出願された米国仮出願第63/247,697号の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、自動車用アクティブサスペンションシステムに関する。より具体的には、本出願は、自動車用電子サスペンションシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車は、車両の性能を改善するために様々なアクティブサスペンションシステムを使用する。いくつかのサスペンションシステムは、受動ばね及びダンパを使用するが、他のサスペンションシステムは、路面の変化を検出する電子システムを使用する。アクティブサスペンションシステムは、車載センサを使用して道路上の車両の運動を測定及び/又は予測し、次いで各タイヤに接続されたサスペンションシステムの動作を制御することによって不均一な道路からのあらゆる不快な運動を打ち消すことができる。
【0004】
アクティブサスペンションシステムは、様々な道路状況の変更を検出し、サスペンションの位置に同等の変更を加え、乗客の快適さのために車両の動力学及び乗車を改善する。これらのシステムは、典型的には、所望のレベルのサスペンション性能を達成するために、空気圧、油圧、又は電気駆動システムを使用してエネルギーを活動させる。油圧システムは、道路の変化の検出に応答して、所定の油圧及び流量を使用してエネルギーを送出するように作動させることができる。他のシステムは、所望の道路処理及びサスペンション性能を達成するエネルギーを車輪に送達するために電気モータを使用することができる。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態は、車両用サスペンションアクチュエータシステムである。サスペンションアクチュエータシステムは、道路状況に応じて車両車輪を移動させるためにサスペンション制御システムと通信する能動制御要素と、能動制御要素と直列に搭載されたばね及び/又はダンパを備える直列受動制御要素と、能動制御要素と並列に搭載されたばねを備える並列受動制御要素とを含むことができる。
【0006】
1つの実施形態は、車両用サスペンションアクチュエータシステムである。この実施形態は、道路状況に応じて車両車輪を移動させるためにサスペンション制御システムと通信する能動制御要素と、能動制御要素と直列に搭載された第1のばね又はダンパを備える直列受動制御要素と、能動制御要素と並列に搭載された第2のばね又はダンパを備える並列受動制御要素とを含む。
【0007】
別の実施形態は、車両用サスペンションアクチュエータシステムである。この実施形態は、第1のばね又はダンパを備える直列受動制御要素と、第2のばね又はダンパを備える並列受動制御要素と、道路状況に応答して車両車輪を移動させるためにサスペンション制御システムと通信する能動制御要素であって、道路上の車両の運動を検出することと、車両がサスペンションの能動制御をいつ必要とするかを決定することと、車両の乗車を円滑にするために車両の車輪を移動させるように能動制御要素を作動させることであって、直列受動制御要素が、能動制御要素と直列に搭載され、並列受動制御要素が、能動制御要素と並列に搭載される、作動させることとを行う方法を実行するように構成されたプロセッサを備える能動制御要素とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の実施例の特徴は、以下の詳細な説明及び図面を参照することによって明らかになり、同様の参照番号は、おそらく同一ではないが、同様の構成要素に対応する。簡潔にするために、前述の機能を有する参照番号又は特徴は、それらが現れる他の図面に関連して記載されてもされなくてもよい。
【0009】
【
図1】1つの実施形態による車両用サスペンションアクチュエータの概略図である。
【0010】
【
図2】1つの実施形態による受動構成要素及び能動構成要素を有するサスペンションアクチュエータの断面概略図である。
【0011】
【
図3】
図2のサスペンションアクチュエータの断面概略図であり、受動構成要素はロックされており、能動構成要素は、取り付けられた車両車輪を上方に引っ張るように短縮されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で言及される、これらの参考文献に開示されている全ての配列を含む全ての特許、特許出願、及び他の刊行物は、あたかも各個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。引用された全ての文献は、関連部分において、その引用の文脈によって示される目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、任意の文献の引用は、それが本開示に関して先行技術であることの承認として解釈されるべきではない。
【0013】
実施形態は、車両運動学を制御し、車両の乗車の質を制御するように構成されたサスペンションアクチュエータに関する。サスペンションアクチュエータは、受動制御要素と直列の能動制御要素を備えることができる。サスペンションアクチュエータはまた、受動制御要素と並列であってもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションアクチュエータは、受動制御要素と直列及び並列である。いくつかの実施形態では、能動制御要素は、空気ばね等のいくつかの受動要素と並列であり、他の受動要素と直列である。
【0014】
能動制御要素は、モータ又は他の電気的に制御可能な構成要素であってもよい。サスペンション制御システムは、能動制御要素と通信して、車両及び車輪の速度、乗車及び位置を監視し、車両の乗車性能を改善するための措置をとることができる。本明細書で使用する場合、「乗車」という用語は、一般に、道路によって引き起こされる車体の刺激、並びに車体の任意のロール、ピッチ、及びバウンス移動に関する。車両内の位置、速度、及び振動を検出するために、車両乗車センサのセットを車両及び/又は車輪全体に分散させることができる。これらのセンサは、振動センサ、加速度計、又は車両が道路を走行しているときに車両又は車輪の位置を測定するように構成された他のセンサタイプを含むことができる。能動制御要素を制御し、乗車の質を改善するために、センサからのデータをサスペンション制御システムに供給することができる。
【0015】
1つの実施形態では、受動要素は、能動要素と並列に配置されたばね又は他のダンパであってもよい。ばね又は他のダンパは、重量を支え、車両に対する重力の影響を相殺するのに役立つことができる空気ばね等の比較的低い定数のばねであってもよい。更に、空気ばね等の受動要素を能動制御要素と並列に設置することは、能動要素が作動してタイヤを移動させるときに、さもなければ克服する必要がある重力を緩和するのを助けることによって、能動構成要素に必要な電力要件を低減することができる。
【0016】
並列受動要素に加えて、システムはまた、1つ以上の能動要素と直列の受動要素を含んでもよい。例えば、直列ばねをシステム内に配置して、1つ以上の能動要素の電力及び/又は帯域幅要件を制限することができる。直列ばね又はダンパは、1つ以上の能動構成要素に伝達される前に、道路からの高周波、高速又は高出力入力を緩和又は低減するようなサイズ及び構成であってもよい。
【0017】
他の実施形態では、サスペンションアクチュエータシステムはまた、能動制御要素及び受動制御要素と直列であってもよく、車両の乗車の質を制御するのを助けるように構成された適応ダンパを含む。本発明の実施形態では、電子的に制御及び使用することができるいくつかのタイプの適応ダンパがある。例えば、1つの実施形態では、鉄粒子を含有する合成油で充填された磁気粘性ダンパを使用することができる。そのようなダンパは、1つ以上の磁気コイルからの磁場を使用して、適応ダンパの移動に対する抵抗を制御する。別の実施形態は、ピストンを通る流体の流量を制御して適応ダンパの剛性を変更することができるバルブ作動適応ダンパを使用することができる。
【0018】
図1は、車体に搭載するためのマウンティングボルト112を有する車体マウント110を有する近位端を含むサスペンションアクチュエータシステム100の1つの実施形態を示す。本体マウント110は、ハウジング115に接続する。ハウジング115の近位端は、本体マウント110に搭載され、ハウジング115の遠位端は、回転ボールナットアセンブリ118に搭載される。ボールナットアセンブリ118は、ねじ付きねじシステム120及びベルト125に接続する。ベルト125は、モータ130によって駆動される。モータ130が作動して回ると、ベルト135が回転し、これによりボールナットアセンブリ118が回転する。ボールナットアセンブリ118の回転運動は、ねじ付きねじ120の横運動に変換される。横方向に配置されたねじ付きねじ120が移動すると、適応ダンパ145の一部であるピストンヘッド142にピストンシャフト140に接続する。適応ダンパ145は、関連する車輪(図示せず)を移動させる車両ナックル又はサスペンションアームに搭載されるコネクタ155に嵌合する。
【0019】
サスペンション制御システム135は、センサ又は他のデバイスが車体の位置及び車輪の移動を検出すると、モータ130に接続してモータを作動させる。例えば、加速度計又は車輪位置センサを使用して、経時的な車両及び車輪の空間位置及び運動を検出することができる。制御システム135は、車両の位置を感知し、道路振動及び他の望ましくない車輪の運動を減衰させるためにモータを作動させる際に、モータ130の回転、電流、及び電圧を監視することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、コントローラ135は、車両ステアリングシステム、車両センサシステム、及びサスペンションアクチュエータシステム100を含む様々な車両サブシステム間で通信する。コントローラ135は、車両全体にわたってコンピュータ可読記憶デバイス等の他のシステム及び記憶装置と通信する少なくとも一つのマイクロプロセッサを含んでもよい。コントローラ135は、車両の位置及び運動を感知する複数のセンサと、直接、又は他の構成要素を介して通信することができる。
【0021】
コントローラ135は、車両の或る特定の状態の検出に応答して、第1のサスペンションアクチュエータ74及び第2のサスペンションアクチュエータ80の少なくとも一方を作動させるようにプログラムされてもよい。例えば、衝突する道路の窪みを検出すると、コントローラ135はモータ130を作動させて車輪を後退させ、車両の運動に対する窪みの影響を減衰させることができる。
【0022】
図1に示すように、ねじ付きねじ120は、ピストンシャフト140及びピストンヘッド142を通って適応ダンパ145に接続する。適応ダンパ145は、車輪と車体との間のショックアブソーバとして機能してもよい。適応ダンパは、電子制御されない油圧ショックアブソーバ等の受動構成要素であってもよい。或いは、適応ダンパは、サスペンション制御システム135によって制御されるより能動的な構成要素であってもよい。
【0023】
ピストンシャフト140及びピストンヘッド142はラック120に搭載され、これらは全て一緒に移動する。直列ばね150は、ラック120と能動ダンパ145との間で作用する。これにより、ばね150の作用は、能動制御要素と直列になる。適応ダンパ145は、適応サスペンションシステム100の遠位端のマウント155を介して車両サスペンション又はナックル(図示せず)に搭載される。次いで、車両サスペンション又はナックルは、車輪に接続する。
【0024】
空気ばね165は、モータ130、ベルト125、及びねじ付きねじ120を備える能動制御要素と並列に搭載される。空気ばねは、圧縮されて空気ばねの所望の弾性を提供することができる力媒体としての加圧ガス容積を提供するために空気ばねをシールする空気ばねスリーブ170を含む。1つの例では、空気ばねのばね定数は、3N/mm、2N/mm以下であってもよい。空気のばね定数は、0.1N/mm~1N/mm、1N/mm~3N/mm、1N/mm~2N/mm、又はこれらの値を含む他の範囲であってもよい。空気ばね内の空気の圧力を変化させることは、車両の乗車高さを設定する構成要素であってもよい。空気ばね165は、比較的低いばね定数を有し、車両から車輪への重力の重量を相殺するのを助けるように構成されてもよい。ばね定数は、それが及ぼす力の変化をばねの撓みの変化で割ったものである。重い荷物を運ぶ車両は、そうでなければ車両をその進行(ストローク)の底部に折り畳む追加の重量を補償するために、より重いばねを有することが多い。より重いばねは、経験される負荷条件がより重要である性能用途にも使用される。
【0025】
サスペンションアクチュエータシステム100を検討することによって理解され得るように、直列ばね150は、適応ダンパ145及びラック120に並列に延びるほぼ垂直な平面内に置かれる。例えば、直列ばねは、約50N/mmのばね定数を有することができる。他の実施形態では、直列ばねは、25N/mm~75N/mm、25N/mm~50N/mm、又は50N/mm~75N/mm、又はこれらの値内の任意の範囲のばね定数を有することができる。直列ばね150が圧縮又は伸張されると、それが車体と車輪との間に及ぼす力は、その長さの変化に比例する。
【0026】
モータ130によって制御される能動システムと直列の適応ダンパの構成は、車両が道路を走行する際に車両に影響を及ぼす様々なタイプの入力を有利に管理することができる。例えば、上述した直列ばね-ダンパシステムは、一般に、道路振動等の高周波(1秒当たりの振動又はサイクル)入力の車両への影響を最小限に抑えるのに非常に役立つ。アクティブシステムは、一般に、路面の比較的微妙な変化に起因して車両が波立つ又は揺れるとき等、低周波入力の影響を最小限に抑えるのに非常に役立つ。
【0027】
図2は、サスペンションアクチュエータシステム100の更なる詳細を伴う断面図を示す。図示のように、モータ130は、ベルト125を回転させるモータシャフト210を備える。ベルト125が回ると、回転ボールナットアセンブリ118がスピンし、ねじ付きねじ120が横方向に移動する。ねじ付きねじ120は、ボール及びソケットコネクタ215に接続して、ねじ付きねじ120とピストンシャフト140との間の可動接続を提供する。ピストンシャフト140は、ピストンヘッド142をピストンチャンバ220内で移動させる。
【0028】
したがって、サスペンション制御システム135への電子入力を使用して、ピストンヘッド142の運動を制御することができる。例えば、サスペンション制御システム135へのセンサ入力は、マウント155を介して車両に接続された車輪が、乗車を円滑にするために上方に引っ張られる必要があり得ることを示すことができる。次に、サスペンション制御システム135は、モータ130を作動させてベルト125を回す。ベルト125を回すと、回転ボールナットアセンブリ118がスピンし、ねじ付きねじ120がマウンティングボルト112に向かって後方に移動する。これは、
図3に関してより完全に示されている。
【0029】
図3は、車輪を引き上げるように制御されているときのサスペンションアクチュエータ100の断面図を示す。適応ダンパ内のピストンは、張力又は圧縮が加えられたときに移動しない剛性バーを提供するようにロックされてもよい。次いで、モータ130は、ねじ付きねじ120を移動させてサスペンションアクチュエータ100の全長を短縮し、その結果、車輪が車体に対して引き上げられる。並列ばね165は、車両の重量を相殺するのに役立ち、これにより、車両重量の一部が並列ばね165にオフロードされているため、モータが車輪を引き上げるために使用する力を少なくすることができる。
したがって、いくつかの実施形態では、システムは、車両の乗車を円滑にするために車両車輪を移動させるようにサスペンション制御システムと通信する能動制御要素を含む。例えば、車輪が窪みに入っていることを検出し、その後、能動制御要素を作動させて車輪を引き上げて、車輪が穴に急激に落ちるのを防止する。システムは、道路状況に応答して、その内部(又は外部)プロセッサを使用して、道路上の車両の運動を検出することと、車両がサスペンションの能動制御をいつ必要とするかを決定することと、車両の乗車を円滑にするために車両の車輪を移動させるように能動制御要素を作動させることとを行う方法を実行するようにプログラムすることができる。システムは、能動制御要素と直列に搭載された直列受動制御要素及び能動制御要素と並列に搭載された並列受動制御要素も有しながら、このように能動制御要素を使用することができる。
付記
【0030】
本明細書に記載の実施形態は例示である。これらの実施形態に対して変更、再構成、代替プロセス等を行うことができ、依然として本明細書に記載の教示に包含される。本明細書に記載のステップ、プロセス、又は方法の1つ以上は、適切にプログラムされた1つ以上の処理及び/又はデジタルデバイスによって実行することができる。
【0031】
本明細書に開示された実施形態に関連して記載された様々な例示的な撮像又はデータ処理技術は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、及びステップが、全体的にそれらの機能に関して上述されている。そのような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途及びシステム全体に課される設計制約に依存する。記載された機能は、特定の用途ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0032】
本明細書に開示された実施形態に関連して記載された様々な例示的な検出システムは、特定の命令で構成されたプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に記載された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせ等の機械によって実装又は実行することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替例では、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシン、それらの組み合わせ等とすることができる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実装することもできる。例えば、本明細書に記載のシステムは、個別メモリチップ、マイクロプロセッサ内のメモリの一部、フラッシュ、EPROM、又は他のタイプのメモリを使用して実装されてもよい。
【0033】
本明細書に開示された実施形態に関連して記載された方法、プロセス、又はアルゴリズムの要素は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又はこれら2つの組み合わせで直接具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当技術分野で知られている任意の他の形態のコンピュータ可読記憶媒体に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合することができる。或いは、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ソフトウェアモジュールは、ハードウェアプロセッサにコンピュータ実行可能命令を実行させるコンピュータ実行可能命令を含むことができる。
【0034】
とりわけ、「可能である(can)」、「場合がある(might,may)」、「例えば(e.g)」等の本明細書に使用される条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、或る特定の実施形態が或る特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又は状態が1つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、作者入力又はプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、及び/又は状態が任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実行されるべきかを決定するための論理を必然的に含むことを意味するよう意図していない。「含む(comprising,including)」、「有する(having)」、「伴う(involving)」等の用語は同義語であり、包括的に、オープンエンド方式で使用され、追加の要素、特徴、作用、動作等を排除しない。また、「又は(or)」という用語は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用され、例えば、要素のリストを接続するために使用される場合、「又は」という用語は、リスト内の要素の1つ、いくつか、又は全てを意味する。
【0035】
句「X、Y又はZの少なくとも1つ、」等の選言的な言語は、特に明記しない限り、項目、用語等がX、Y若しくはZのいずれか、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y及び/又はZ)であり得ることを提示するために一般に使用される文脈で理解される。したがって、そのような選言的な言語は、一般に、或る特定の実施形態がそれぞれ存在するためにXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、又はZの少なくとも1つを必要とすることを意味するよう意図されるものではなく、意味するべきではない。
【0036】
「約(about)」又は「およそ(approximate)」等の用語は同義語であり、用語によって修飾された値がそれに関連する理解される範囲を有することを示すために使用され、範囲は±20%、±15%、±10%、±5%、又は±1%であり得る。用語「実質的に(substantially)」は、結果(例えば、測定値)が目標値に近いことを示すために使用され、近いとは、例えば、結果が値の80%以内、値の90%以内、値の95%以内、又は値の99%以内であることを意味し得る。
【0037】
特に明記しない限り、「a」又は「an」等の冠詞は、一般に、1つ以上の記載された項目を含むと解釈されるべきである。したがって、「~するように構成されたデバイス(a device configured to)」又は「~するデバイス(a device to)」等の句は、列挙された1つ以上のデバイスを含むことを意図している。そのような1つ以上の列挙されたデバイスはまた、述べられた列挙を実行するように集合的に構成することができる。例えば、「列挙A、B、及びCを実行するプロセッサ」は、列挙B及びCを実行するように構成された第2のプロセッサと併せて動作する、列挙Aを実行するように構成された第1のプロセッサを含むことができる。
【0038】
上記の詳細な説明は、例示的な実施形態に適用されるような新規な特徴を示し、記載し、指摘してきたが、例示されたデバイス又はアルゴリズムの形態及び詳細における様々な省略、置換、及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行うことができることが理解されよう。理解されるように、本明細書に記載の或る特定の実施形態は、いくつかの特徴を他の特徴とは別個に使用又は実施することができるため、本明細書に記載の特徴及び利点の全てを提供しない形態内で具現化することができる。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内にある全ての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【0039】
前述の概念の全ての組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しない限り)は、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。
【国際調査報告】