IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プロデオン・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-535307前立腺インプラントの送達および配備
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】前立腺インプラントの送達および配備
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/966 20130101AFI20240920BHJP
   A61F 2/04 20130101ALI20240920BHJP
   A61B 1/307 20060101ALI20240920BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61F2/966
A61F2/04
A61B1/307
A61B1/12 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517464
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022044075
(87)【国際公開番号】W WO2023044142
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/246,040
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518220969
【氏名又は名称】プロデオン・メディカル・コーポレイション
【住所又は居所原語表記】116 Hougang Street 7F, Taipei, 11170 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ファン・チュン-チア
(72)【発明者】
【氏名】リ・ゾン-リン
(72)【発明者】
【氏名】チュウ・デ-ユー
(72)【発明者】
【氏名】リン・ユ-チェン
(72)【発明者】
【氏名】スー・チウ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン・ユ-シー
(72)【発明者】
【氏名】チェン・イン-シャオ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA14
4C097BB04
4C161AA15
4C161HH08
4C267AA05
4C267AA32
4C267AA56
4C267BB04
4C267BB19
4C267CC26
4C267GG24
(57)【要約】
尿道を塞ぐ前立腺葉組織を含む、中空の身体管腔を塞ぐ身体組織、例えば、良性前立腺肥大症(BPH)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、良性前立腺閉塞(BPO)および関連する下部尿路症状(LUTS)を含む健康状態、を管理および/または治療するためのデバイスおよび方法が開示される。前立腺インプラント配備および送達システムは、制御放出機構と、ハンドル機構と、灌注システムと、を有することができる。制御放出機構は、プッシャ部材と前立腺インプラントとの間の係合解除可能な接続部を、制御部材と共に含む。ハンドル機構は、プッシャ部材を前進させるためのプランジャと、制御部材を引き出すためのアクチュエータと、を含む。灌注システムは、2つの流体経路を画定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前立腺インプラント送達および配備システムのための制御放出機構であって、
カテーテルと、
前記カテーテルの遠位部分内に配置された前立腺インプラントと、
前記前立腺インプラントの近位で前記カテーテル内に同軸に配置されたプッシャ部材と、
前記プッシャ部材と前記前立腺インプラントとの間の係合解除可能な接続部と、
前記係合解除可能な接続部と前記カテーテルの近位端部との間に延びる制御部材と、
を含む、制御放出機構。
【請求項2】
前記プッシャ部材は、細長い管状部材を含む、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項3】
前記プッシャ部材は、プッシャワイヤおよびプッシャヘッドを含み、
前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントと前記プッシャヘッドとの間にある、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項4】
前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの内腔内に取り外し可能に配置されたワイヤラッチと、前記プッシャ部材から前記ワイヤラッチの周囲にループ状になった縫合糸と、を含む、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項5】
前記プッシャ部材は、プッシャワイヤおよびプッシャヘッドを含む、請求項4に記載の制御放出機構。
【請求項6】
前記縫合糸は、前記プッシャヘッドに固定されている、請求項5に記載の制御放出機構。
【請求項7】
前記プッシャヘッドは、遠位部分と近位部分とを含み、
前記縫合糸は、前記プッシャヘッドの前記近位部分に固定されている、請求項6に記載の制御放出機構。
【請求項8】
前記縫合糸は、前記プッシャワイヤを取り囲む連続ループを含む、請求項5に記載の制御放出機構。
【請求項9】
前記プッシャヘッドは、複数の支持部によって形成されたテーパー領域を有する円錐形である、請求項5に記載の制御放出機構。
【請求項10】
前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および前記制御部材に固定された傾斜ロッカーを含み、
前記制御部材は、予め成形されたワイヤである、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項11】
前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および前記制御部材に固定された面取りロッカーを含む、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項12】
前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および前記制御部材に固定されたチューブアンカーを含む、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項13】
前記係合解除可能な接続部は、前記プッシャ部材から延びるフックを含み、
前記フックは、前記制御部材によって支持されたときに外向きの構成に維持される、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項14】
前記係合解除可能な接続部は、遠位端部に孔を有する前記前立腺インプラントの内径内に延びるロックワイヤを含み、前記制御部材は、前記前立腺インプラントの構造の周囲に、かつ前記孔を通ってルートを定められたループである、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項15】
前記係合解除可能な接続部は、前記制御部材に接続され、前記前立腺インプラントの近位部分に形成された孔を通ってループ状になった縫合糸を含む、請求項1に記載の制御放出機構。
【請求項16】
前立腺インプラント送達および配備システムのためのハンドルであって、
ハンドル本体と、
制御放出機構のプッシャ部材に結合されるように構成されたプランジャと、
前記制御放出機構の制御部材に結合されるように構成されたアクチュエータと、
を含み、
前記プランジャの操作により、前記プッシャ部材は前記制御放出機構から前立腺インプラントを配備し、
前記アクチュエータは、前記前立腺インプラントが前記制御放出機構の遠位端部を越えたときに、前記制御部材を引き出して前記前立腺インプラントを前記制御放出機構から係合解除する、ハンドル。
【請求項17】
前記プランジャが前記前立腺インプラントの配備中に完全に前進するまで前記アクチュエータの動作を防止するロックをさらに含む、請求項16に記載のハンドル。
【請求項18】
前記プランジャは、前立腺インプラント配備の種々の段階中に触覚フィードバックを提供するように構成されている、請求項16に記載のハンドル。
【請求項19】
前記プランジャの前進は、前記プランジャが所定の位置を越えて前進した後、不可逆的になるように構成されている、請求項16に記載のハンドル。
【請求項20】
前記アクチュエータは、前記プランジャが完全に前進されると自動的に動作するように構成されている、請求項17に記載のハンドル。
【請求項21】
前記ハンドルは、プランジャ前進およびアクチュエータ動作の少なくとも一方を加速するための放出セットリンク装置をさらに含む、請求項16に記載のハンドル。
【請求項22】
前記放出セットは、ベイルアウト機能を提供するように構成されている、請求項21に記載のハンドル。
【請求項23】
回転ノブリブによって制御される伸縮式シリンダをさらに含み、前記伸縮式シリンダは、伸長および後退することによってカテーテルの露出長さを変化させるように構成されている、請求項16に記載のハンドル。
【請求項24】
前記伸縮式シリンダおよび前記回転ノブリブは、前記ノブリブの内面に形成されたねじ山に係合する、前記伸縮式シリンダの外面上の突起により結合されている、請求項23に記載のハンドル。
【請求項25】
前立腺インプラント送達および配備システムのための灌注システムであって、
ハンドルと、
少なくとも1つの入口穴を含むカテーテルハブによって前記ハンドルに結合されたカテーテルと、
カテーテルハブシールと、
前記カテーテルの近位部分を包囲する、前記ハンドルに固定されたシリンダと、
灌注流体を受容するために前記シリンダの内部と流体連通している液体入口と、
を含む、灌注システム。
【請求項26】
前記シリンダは、前記シリンダから露出する前記カテーテルの長さを変えるように、前記ハンドルに対して伸縮式である、請求項25に記載の灌注システム。
【請求項27】
前記液体入口に入り、前記シリンダの前記内部を通り、前記カテーテルハブの前記少なくとも1つの入口穴に入り、前記カテーテルの内側チャネルを通る、灌注流体の流れによって画定される第1の灌注経路と、前記カテーテルが膀胱鏡の作業チャネル内に配置されている場合に、前記液体入口に入り、前記シリンダの前記内部を通り、前記カテーテルの外径および前記膀胱鏡の作業チャネルの前記内径によって形成される外側内腔に入る、灌注流体の流れによって画定される第2の灌注経路と、をさらに含む、請求項25に記載の灌注システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、尿道を閉塞する前立腺葉組織のような、中空身体管腔を閉塞する身体組織を管理または治療するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
前立腺は、尿が膀胱から排出されるときに通過する尿道を包み込むクルミ状の腺であり、男性の生殖系において重要な役割を果たす。この腺は最初は小さいが、男性の加齢とともに肥大する傾向がある。過度に肥大した前立腺は、良性前立腺肥大症(BPH)として知られる疾患をもたらす。良性前立腺肥大症(BPH)は、老齢の男性において非常に一般的に観察される前立腺の異常であるが非悪性(非癌性)の成長を指す。BPHは慢性疾患であり、前立腺部尿道における尿流出路閉塞または管腔狭窄の発症と関連している。膀胱下尿道閉塞(BOO)とは、尿道への尿の流れを減少または停止させる、膀胱底部における閉塞を指し、BPHに続発することがある。前立腺の異常な成長が拡大し進行するにつれて悪化する、性機能障害、頻尿、排尿困難、尿閉、尿漏れ、ならびに、尿路感染症および膀胱感染症を含む、下部尿路症状(LUTS)と総称される一連の関連する病気が、生じ得る。
【0003】
外科処置は、前立腺組織のかなりの部分を除去することにより、BPHの軽減をもたらす。いくつかの従来の外科処置が利用可能であるが、いずれも、入院、および何らかの形態の脊髄麻酔、硬膜外麻酔、または全身麻酔を必要とする。経尿道的前立腺切除術(TURP)はBPHの主要な外科的治療であり、他の治療が比較されるゴールドスタンダードであり続けている。従来の外科的技術は、前立腺にアクセスするために外科医が行う切開の場所、および前立腺組織が除去される方法が異なる。例えば、一部の手術では、レーザーエネルギー、熱、または高周波を使用して前立腺から組織を除去する。それらは、レーザー核出術、光選択的前立腺レーザー蒸散術(photoselective vaporization)(PVP)、高周波エネルギーを用いた経尿道的針焼灼術(TUNA)、経尿道的マイクロ波温熱療法(TUMT)、および経尿道的前立腺切開術(TUIP)を含む。しかしながら、BPHの治療に対するこれらの従来の外科的アプローチは、侵襲性であり、非可逆性であり、数ヶ月間の一時的カテーテルの留置、感染のリスク、性機能の喪失、尿失禁、および再狭窄を含む重大な欠点を有し、前立腺における細胞の再発性肥大は、再成長して尿道開口部の狭窄の再発を引き起こし、上述したLUTS症状の再発も引き起こす。
【0004】
前立腺組織を除去すると一部のBPH症状が軽減されるが、従来の外科的アプローチによる組織除去は不可逆的であり、手術のいかなる副作用も患者を生涯苦しめたり、患者の生活の質に影響を与えたりする可能性がある。さらに、外科的アプローチは、手術自体による固有のリスク、除去された前立腺組織の再成長による再発のリスクと関連し、疾患の程度および個々の患者に必要な特定の外科的アプローチに応じて、3~6週間もの長い回復期間を必要とする場合がある。
【0005】
従来の手術の欠点が認識されているため、より侵襲性の低い治療法が開発されており、疾患の程度に応じて、生涯にわたる投薬または手術に代わるものとして患者および医師により選択され得る。これらの、より侵襲性の低い治療法は、全身麻酔下で行われる外科処置を受ける意思がないか、またはそれを受けるのに医学的に適切でない患者に適している可能性がある。さらに、若年患者もまた、性機能を損なうことなく、侵襲性の低い可逆的な治療を希望し、後年、性機能に影響を及ぼす永続的な非可逆性治療を受けるという選択肢を残している。さらに、より侵襲性の低い治療法は、局所麻酔を用いた診察室または診療所での治療を可能にするため、利点には、病院環境での全身麻酔下での治療と比較して、患者の快適さおよび健康管理システムの節約が含まれる。
【0006】
より侵襲性の低い技術は、肥大した前立腺組織を実際に除去する経尿道的方法を含み、これは、従来の手術よりも一般的に外傷性が少ないが、いずれも前立腺組織を破壊し、不可逆的である。前立腺組織の破壊を回避するために、尿道の直径を拡大するように設計されたデバイスを前立腺部尿道内に植え込むことなどにより、前立腺から組織を実際に除去せずに前立腺部尿道の直径を拡大するように設計された他の治療処置が、開発されている。前立腺インプラントは、肥大した前立腺組織で狭窄した前立腺部尿道内に泌尿器科医が小さなデバイスを挿入する処置を伴う。このインプラントは、いったん正しい位置にくると、拡張し、組織葉を押し出すことによって尿道を開いたままにするのに役立つと共に、肥大した前立腺組織を尿道の全体的な衝突および開口(total impingement and opening of the urethra)から保護するように設計されている。理想的には、前立腺インプラントは、前立腺組織を外科的に除去する必要性を排除し、より侵襲性の低い外科的アプローチにも固有かつ伝統的である、感染、性機能障害、および失禁のリスクを低下させることが期待される。この処置はまた、インプラントが除去され得、かつ追加の外科的治療が将来実施され得るので、可逆的であるように設計され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、BPHの程度および前立腺部尿道の閉塞を検査するのに使用される標準的な膀胱鏡および一般的な泌尿器科技術を使用して医師が診察室で処置を実施することができる、インプラント送達および配備システムが必要とされている。インプラントが正しい位置に置かれたことを確認した後、送達システムがインプラントを放出することが望ましい。有益な特徴には、インプラントが誤って配備された場合にインプラントの位置を変える能力も含まれる。同様に、内視鏡または膀胱鏡を使用する撮像と連動して、泌尿器科処置中に結石を回収するために従来の把持器または他の補助デバイスを使用して、デバイスを保持し、デバイスの位置を変える能力が必要とされている。本開示は、これらおよび他の必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、前立腺インプラント送達および配備システムのための制御放出機構に向けられている。制御放出機構は、カテーテルと、カテーテルの遠位部分内に配置された前立腺インプラントと、前立腺インプラントの近位でカテーテル内に同軸に配置されたプッシャ部材と、プッシャ部材と前立腺インプラントとの間の係合解除可能な接続部と、係合解除可能な接続部とカテーテルの近位端部との間に延びる制御部材と、を有し得る。
【0009】
一態様では、プッシャ部材は、細長い管状部材とすることができる。
【0010】
一態様では、プッシャ部材は、プッシャワイヤおよびプッシャヘッドとすることができ、係合解除可能な接続部は、前立腺インプラントとプッシャヘッドとの間にある。
【0011】
一態様では、係合解除可能な接続部は、前立腺インプラントの内腔内に取り外し可能に配置されたワイヤラッチと、プッシャ部材からワイヤラッチの周囲にループ状になった縫合糸とすることができる。プッシャ部材は、プッシャワイヤおよびプッシャヘッドであってよい。縫合糸は、プッシャヘッドに固定され得る。プッシャヘッドは、遠位部分と近位部分とを有し得、縫合糸は、プッシャヘッドの近位部分に固定される。縫合糸は、プッシャワイヤを取り囲む連続ループであってもよい。プッシャヘッドは、複数の支持部によって形成されたテーパー領域を有する円錐形であってもよい。
【0012】
一態様では、係合解除可能な接続部は、前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および、制御部材に固定された傾斜ロッカーとすることができ、制御部材は、予め成形されたワイヤである。
【0013】
一態様では、係合解除可能な接続部は、前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および、制御部材に固定された面取りロッカーとすることができる。
【0014】
一態様では、係合解除可能な接続部は、前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および、制御部材に固定されたチューブアンカーとすることができる。
【0015】
一態様では、係合解除可能な接続部は、プッシャ部材から延びるフックとすることができ、フックは、制御部材によって支持されたときに外向きの構成に維持される。
【0016】
一態様では、係合解除可能な接続部は、遠位端部に孔を有する、前立腺インプラントの内径内に延びるロックワイヤとすることができ、制御部材は、前立腺インプラントの構造の周囲に、かつ孔を通ってルートを定められたループである。
【0017】
一態様では、係合解除可能な接続部は、制御部材に接続され、前立腺インプラントの近位部分に形成された孔を通ってループ状になった縫合糸とすることができる。
【0018】
本開示はまた、前立腺インプラントを配備し係合解除する方法を含む。この方法は、カ遠位部分内に前立腺インプラントが配置されたカテーテルと、前立腺インプラントの近位でカテーテル内に同軸に配置されたプッシャ部材と、プッシャ部材と前立腺インプラントとの間の係合解除可能な接続部と、を提供することを含み得る。プッシャ部材は、前立腺インプラントがカテーテルの遠位端部を越えるまで遠位に前進され得る。係合解除可能な接続部に結合された制御部材が、前立腺インプラントを放出するためにカテーテルの近位端部において作動され得る。
【0019】
一態様では、制御部材を作動させることは、ワイヤラッチを前立腺インプラントの内腔から引き出して、ワイヤラッチの周囲でプッシャ部材からループ状になっている縫合糸を係合解除することを含み得る。
【0020】
一態様では、制御部材を作動させることは、前立腺インプラントの近位端部におけるファスナから、プッシャ部材と関連付けられたロック部材を係合解除することを含み得る。
【0021】
一態様では、プッシャ部材から延びるフックが、前立腺インプラントの近位部分の対応するノッチに係合するように、支持位置にある制御部材によって外向きの構成に維持され、制御部材を作動させることは、制御部材を支持位置から引き出すことを含み得る。
【0022】
一態様では、制御部材を作動させることは、前立腺インプラントの近位ネックを通して拡張可能なロックを圧縮し引き出すことを含み得る。
【0023】
一態様では、縫合糸は、前立腺インプラントの内径内および前立腺インプラントの構造の周囲に延びることによって、ロックワイヤの遠位端部における孔からループ状になり、制御部材を作動させることは、縫合糸を引き出すことを含み得る。
【0024】
一態様では、制御部材を作動させることは、制御部材を引き出して、前立腺インプラントの近位部分に形成された孔を通ってループ状になった縫合糸を係合解除することを含み得る。制御部材を引き出すと、縫合糸が破損し得る。
【0025】
本開示はまた、前立腺インプラント送達および配備システムのためのハンドルを含む。ハンドルは、ハンドル本体と、制御放出機構のプッシャ部材に結合されるように構成されたプランジャと、制御放出機構の制御部材に結合されるように構成されたアクチュエータと、を有することができる。プランジャの操作は、プッシャ部材に制御放出機構から前立腺インプラントを配備させるように構成される。アクチュエータは、前立腺インプラントが制御放出機構の遠位端部を越えたときに、制御部材を引き出して前立腺インプラントを制御放出機構から係合解除するように構成されている。
【0026】
一態様では、プランジャが前立腺インプラントの配備中に完全に前進するまで、ロックがアクチュエータの動作を防止することができる。
【0027】
一態様では、プランジャは、前立腺インプラント配備の種々の段階中に触覚フィードバックを提供するように構成され得る。
【0028】
一態様では、プランジャの前進は、プランジャが所定の位置を越えて前進した後、不可逆的になるように構成され得る。
【0029】
一態様では、アクチュエータは、プランジャが完全に前進されると自動的に動作するように構成され得る。
【0030】
一態様では、ハンドルはまた、プランジャ前進およびアクチュエータ動作の少なくとも一方を加速するための放出セットリンク装置(release set linkage)を有することができる。放出セットは、ベイルアウト機能を提供するように構成され得る。
【0031】
一態様では、ハンドルはまた、回転ノブリブによって制御される伸縮式シリンダを含み、この伸縮式シリンダは、伸長および後退することによってカテーテルの露出長さを変化させるように構成されている。伸縮式シリンダおよび回転ノブリブは、ノブリブの内面に形成されたねじ山に係合する、伸縮式シリンダの外面上の突起により結合され得る。
【0032】
本開示はまた、前立腺インプラントを配備および係合解除する方法を含む。この方法は、制御放出機構およびハンドルを提供することと、制御放出機構のプッシャ部材に結合されたハンドルのプランジャを前進させて、制御放出機構から前立腺インプラントを配備することと、前立腺インプラントが制御放出機構の遠位端部を越えたときに、制御放出機構の制御部材に結合されたハンドルのアクチュエータを動作させて、制御部材を引き出し、制御放出機構から前立腺インプラントを係合解除することと、を含み得る。
【0033】
一態様では、アクチュエータの動作は、プランジャが完全に前進されたときに自動的に行われ得る。
【0034】
一態様では、前立腺インプラントの配備段階に関する触覚フィードバックが、プランジャの前進中に提供され得る。
【0035】
一態様では、カテーテルの露出長さは、ハンドルの伸縮式シリンダを伸長および後退させることにより、調節され得る。カテーテルの露出長さは、膀胱鏡の作業チャネルの寸法に合うように調節され得る。
【0036】
本開示はまた、前立腺インプラント送達および配備システムのための灌注システムを含む。灌注システムは、ハンドルと、少なくとも1つの入口穴を含むカテーテルハブによってハンドルに結合されたカテーテルと、カテーテルハブシールと、カテーテルの近位部分を包囲する、ハンドルに固定されたシリンダと、灌注流体を受容するためにシリンダの内部と流体連通している液体入口と、を有することができる。
【0037】
一態様では、シリンダは、シリンダから露出するカテーテルの長さを変えるように、ハンドルに対して伸縮式とすることができる。
【0038】
一態様では、灌注システムは、液体入口に入り、シリンダの内部を通り、カテーテルハブの少なくとも1つの入口穴に入り、カテーテルの内側チャネルを通る、灌注流体の流れによって画定される第1の灌注経路と、カテーテルが膀胱鏡の作業チャネル内に配置されている場合に、液体入口に入り、シリンダの内部を通り、カテーテルの外径および膀胱鏡の作業チャネルの内径によって形成される外側内腔に入る、灌注流体の流れによって画定される第2の灌注経路と、を有し得る。
【0039】
本開示は、前立腺インプラント送達および配備システムを使用するための方法をさらに含む。この方法は、少なくとも1つの入口穴を含むカテーテルハブによってカテーテルが結合されているハンドルと、カテーテルハブシールと、カテーテルの近位部分を包囲する、ハンドルに固定されたシリンダと、シリンダの内部と流体連通している液体入口と、を提供することと、液体入口を通して灌注流体を供給することと、を含み得る。
【0040】
一態様では、カテーテルは、膀胱鏡の作業チャネルを通って前進して、液体入口に入り、シリンダの内部を通り、カテーテルハブの少なくとも1つの入口穴に入り、カテーテルの内側チャネルを通る灌注流体の流れによって画定される第1の灌注経路と、液体入口に入り、シリンダの内部を通り、カテーテルの外径および膀胱鏡の作業チャネルの内径によって形成される外側内腔に入る灌注流体の流れによって画定される第2の灌注経路と、を提供することができる。
【0041】
さらなる特徴および利点は、添付図面に示されるような、本開示の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。添付図面では、同様の参照符号は、一般に、図全体を通して同じ部品または要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】膀胱の下部と、BPHに罹患している患者に典型的な生理的構成にある前立腺部尿道とを含む男性の解剖学的構造の断面図であり、一実施形態に従って、本開示のデバイスおよびシステムを用いて前立腺部尿道内に配置され、膀胱頸部開口部と精丘との間でその両側の前立腺組織と係合し得るインプラントの配置を示している。
図2】一実施形態による前立腺インプラントを配備および係合解除するためのシステムを概略的に示している。
図3】一実施形態に従って膀胱鏡と共にシステムを使用するところを概略的に示している。
図4】一実施形態によるプッシャ部材を使用する制御放出機構を概略的に示している。
図5】一実施形態によるプッシャ部材を使用する制御放出機構を概略的に示している。
図6】一実施形態によるプッシャ部材を使用する制御放出機構を概略的に示している。
図7】一実施形態によるプッシャヘッドおよびプッシャワイヤを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図8】一実施形態によるワイヤラッチ内腔を有するプッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図9】一実施形態によるワイヤラッチ内腔を有するプッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図10】一実施形態によるワイヤラッチ内腔を有するプッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図11】一実施形態による2部プッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図12】一実施形態による2部プッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図13】一実施形態による結び目付き縫合糸ループを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図14】一実施形態による結び目付き縫合糸ループを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図15】一実施形態による連続縫合糸ループを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図16】一実施形態による連続縫合糸ループを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図17】一実施形態による円錐形プッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図18】一実施形態による円錐形プッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図19】一実施形態による円錐形プッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図20】一実施形態による円錐形プッシャヘッドを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図21】一実施形態による傾斜ロッカーを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図22】一実施形態による傾斜ロッカーを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図23】一実施形態による面取りロッカーを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図24】一実施形態による面取りロッカーを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図25】一実施形態によるチューブアンカーを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図26】一実施形態によるチューブアンカーを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図27】一実施形態によるフック延長部を有するプッシャ部材を使用する制御放出機構を概略的に示している。
図28】一実施形態によるフック延長部を有するプッシャ部材を使用する制御放出機構を概略的に示している。
図29】一実施形態による拡張可能なロッカー部材を使用する制御放出機構を概略的に示している。
図30】一実施形態による拡張可能なロッカー部材を使用する制御放出機構を概略的に示している。
図31】拡張可能なロッカーの代替的な実施形態を概略的に示している。
図32】拡張可能なロッカーの代替的な実施形態を概略的に示している。
図33】一実施形態によるロックワイヤを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図34】一実施形態による縫合糸ロックを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図35】一実施形態による縫合糸ロックを使用する制御放出機構を概略的に示している。
図36】一実施形態による前立腺インプラントを配備および係合解除するためのハンドル機構を概略的に示している。
図37】一実施形態による前立腺インプラントを配備および係合解除するためのハンドル機構を概略的に示している。
図38】一実施形態による前立腺インプラントを配備および係合解除するためのハンドル機構を概略的に示している。
図39】一実施形態による配備のある段階を概略的に示している。
図40】一実施形態による配備の異なる段階を概略的に示している。
図41】一実施形態による配備の異なる段階を概略的に示している。
図42】一実施形態によるハンドル機構を用いた前立腺インプラントの係合解除を概略的に示している。
図43】一実施形態によるハンドル機構を用いた前立腺インプラントの係合解除を概略的に示している。
図44】一実施形態によるハンドル機構のための放出セットを概略的に示している。
図45】一実施形態による図44の放出セットを使用した配備のある段階を概略的に示している。
図46】一実施形態による図44の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図47】一実施形態による図44の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図48】一実施形態による図44の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図49】一実施形態による図44の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図50】一実施形態による図44の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図51】一実施形態による図44の放出セットを使用したベイルアウト手順を概略的に示している。
図52】一実施形態による図44の放出セットを使用したベイルアウト手順を概略的に示している。
図53】一実施形態による図44の放出セットを使用したベイルアウト手順を概略的に示している。
図54】一実施形態による図44の放出セットを使用したベイルアウト手順を概略的に示している。
図55】別の実施形態によるハンドル機構のための放出セットを概略的に示している。
図56】一実施形態による図55の放出セットを使用した配備のある段階を概略的に示している。
図57】一実施形態による図55の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図58】一実施形態による図55の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図59】一実施形態による図55の放出セットを使用した配備の異なる段階を概略的に示している。
図60】一実施形態による図55の放出セットを使用したベイルアウト手順を概略的に示している。
図61】一実施形態による図55の放出セットを使用したベイルアウト手順を概略的に示している。
図62】別の実施形態による伸縮機能を有するハンドル機構を概略的に示している。
図63】一実施形態による伸縮式ハンドル機構の伸長および後退を概略的に示している。
図64】一実施形態による伸縮式ハンドル機構の伸長および後退を概略的に示している。
図65】一実施形態による二重経路灌注システムを有するハンドル機構を概略的に示している。
図66】一実施形態による図65のハンドル機構を用いた灌注流の2つの経路を概略的に示している。
図67】一実施形態による図65のハンドル機構を用いた灌注流の2つの経路を概略的に示している。
図68】一実施形態による図65のハンドル機構を用いた灌注流の2つの経路を概略的に示している。
図69】一実施形態による図65のハンドル機構を用いた灌注流の2つの経路を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
最初に、本開示は、具体的に例示された材料、アーキテクチャ、ルーチン、方法または構造に限定されず、したがって、変化し得ることを理解すべきである。したがって、本明細書に記載したものと類似するかまたは同等である、いくつかのこのようなオプションが、本開示の実施または実施形態において使用され得るが、好ましい材料および方法が本明細書に記載される。
【0044】
また、本明細書で使用される用語は、本開示の特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことを理解すべきである。
【0045】
添付図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態の説明として意図されており、本開示が実施され得る唯一の例示的な実施形態を表すことを意図していない。この説明全体を通して使用される用語「例示的」は、「実施例、実例、または例証として役立つこと」を意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、明細書の例示的な実施形態の完全な理解を提供する目的で、特定の詳細を含む。本明細書の例示的な実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの実例において、周知の構造およびデバイスは、本明細書に提示される例示的な実施形態の新規性を不明瞭にするのを避けるために、ブロック図の形態で示される。
【0046】
便宜上および明確にする目的のためにのみ、上部、底部、左、右、上、下、上方(over)、上方(above)、下方(below)、下方(beneath)、後方、後ろ、および前のような、方向を示す用語が、添付図面に関して使用され得る。これらおよび同様の方向を示す用語は、いかなる方法であっても開示の範囲を制限するものと解釈されてはならない。
【0047】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が関係する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容に明確な異なる規定のない限り、複数の指示対象を含む。
【0048】
定義:用語「治療上有効な変位」または「治療上有効な後退」または「治療上有効な拡張」は、本明細書において交換可能に使用され、尿道管腔を増大させ、かつ下部尿路症状(LUTS)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、良性前立腺閉塞(BPO)を含む、良性前立腺肥大症(BPH)または合併性の疾患もしくは状態の症状を治療、改善、または予防するのに十分な、尿道の限定された領域に近接した前立腺組織の変位量を指し、前立腺組織の変位は、検出可能な治療、予防、または阻害効果を示す。この効果は、例えば、臨床状態の改善、または症状の減少もしくは共存症の欠如によって検出され得る。臨床的尺度の例には、国際前立腺症状スコア(IPSS)の低下、緩和後の膀胱内の残尿(PVR)量の減少、または最大尿流率(Qmax)の増加、または生活の質(QoL)の改善、治療後の性健康(男性用性健康調査票すなわちSHIMスコア、男性の性健康アンケートすなわちMSHQスコア)の改善が含まれる。前立腺組織の変位の正確な距離または量は、被験者の体重、大きさ、および健康状態;肥大または罹患した前立腺状態の性質と程度、および患者内に配置するために選択したインプラントのサイズによって決まる。
【0049】
本明細書中で使用される場合、「BPHの治療を必要とする」患者は、前立腺の非悪性肥大、ならびにLUTS、尿流出路閉塞症状、および前立腺部尿道の管腔狭窄を含む関連障害によって引き起こされる肥大した前立腺組織の存在またはその結果として生じる症状の減少から利益を得る患者である。本明細書中で使用される場合、用語「インプラント」または「エキスパンダ」または「デバイス」は、前立腺部尿道内に植え込まれ、BPHに関連するかまたはBPHによって引き起こされたLUTSを緩和するプロテーゼデバイスを指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、インプラントの構造のアーム、ストラット、または他の延長部に関する用語「組織係合」は、尿道を圧迫する器官の葉の主要部分に沿って前立腺組織に係合し、組織が尿道の開存性にさらに影響を及ぼすのを制限する、インプラントの物理的構造の長さを指す。「組織後退」とは、インプラントの構造が、圧迫されるかまたは狭窄した尿道から組織を離すのに必要な力を及ぼす能力を指す。この必要な力は、インプラントの固有の構造によって、または、特に、インプラントが肥大前立腺組織と係合して必要な組織後退力を及ぼすように設計された所定の拡張構成を有する形状記憶または超弾性材料から製造される場合、圧縮構成から拡張構成へのインプラントの拡張によって、供給され得る。これらの定義内で接触する組織係合または組織後退構造特徴部の長さは、尿道を取り囲む前立腺の長さに沿って延びる小葉内溝から離れており、2つの側葉または側葉および中葉の長さに沿った組織の長さとの接触を必要とする。
【0051】
本明細書に記載される様々な構造の配向および解剖学に関連する表現に関して、用語「近位」および「遠位」は、本明細書に記載されるインプラントを配備するために本開示の送達システムを操作している泌尿器科医などの医療専門家の観点に関連する。したがって、泌尿器科医の手によって保持される送達システムの特徴部は、「近位」端部にあり、最初は圧縮構成にある、組み立てられたシステムおよびインプラントは、送達システムの「遠位」端部に位置する。
【0052】
図1を参照すると、男性の解剖学的構造の断面図は、尿道2を取り囲む前立腺1を示す。尿道2は、正常な状態では、外尿道括約筋の随意的な筋肉制御の下で身体から排出されるべき、膀胱3に貯蔵された尿からの流体連通を提供する。正常または「真の」前立腺組織4は、尿道2を取り囲み、疾患がない場合には、尿道2の開存性に影響を及ぼさない。良性前立腺肥大症(BPH)を患っている患者では、尿道2は、肥大性組織、すなわち尿道2に向かって過剰な成長を示す前立腺組織4によって狭窄する。この過剰な非癌性細胞成長は、下部尿路症状(LUTS)および尿流出路閉塞、および尿失禁を含む、上述のBPHの症状をもたらす。図1では、本開示のデバイスおよびシステムを用いて送達されるインプラント5は、尿道2の開存性を回復するために、かつ膀胱3からの尿流が妨げられないように、インプラント5の長さに沿って前立腺組織4と係合して図示されている。図示のように、膀胱頸部開口部6と精丘7との間の標的部位にインプラント5を選択的に配置することは、インプラント5が周囲組織を穿刺、穿孔、または切開しないようにするための重要な特性である。インプラント5は、前立腺部尿道2内の正しい位置に留まるように設計されている。インプラント5は、インプラント5の構造材料が常に尿に曝されることから外被を形成されるかまたは別様に劣化して、合併症を引き起こし、回収がさらに困難になる可能性がある、膀胱3内には延びず、インプラント5は、外尿道括約筋の随意的な制御を妨げたり、性機能を妨げたりしない。
【0053】
本開示は、図2に示す実施形態によって例示されるように、良性前立腺肥大症(BPH)および関連する下部尿路症状(LUTS)の治療のために、身体の管腔内の所望の場所においてインプラントを送達し配備するためのシステム8を含む。このシステムは、制御放出機構9と、ハンドル機構10と、灌注システム11と、を含む。例示として、また限定するものではないが、図3は、良性前立腺肥大症(BPH)を緩和するために前立腺インプラント5を送達し配備するためのシステム8の使用を、前立腺インプラント5を位置付け配備するのを助けるための可撓性または硬性いずれかの膀胱鏡と共に、関連する灌注システム11が前立腺部尿道2内の適切な場所に入った状態で、概略的に示している。位置付け後、前立腺インプラント5は、前立腺の開存性を回復するために放出および拡張され得る。
【0054】
本開示の実施形態に共通する特徴は、インプラント5のような拡張可能なインプラントをプッシャ部材に機械的に結合することに関し、このプッシャ部材は、次に、ハンドル機構10のプランジャに機械的に結合される。したがって、プランジャが使用者によって動かされると、プッシャ部材および拡張可能なインプラントがそれに応じて動かされる。後述するように、プッシャ部材は、拡張可能なインプラントを押して、前立腺部尿道内の適切な位置に置くことができる。位置付け後、拡張可能なインプラントがプッシャ部材から切り離されるように、ワイヤラッチが引き出され得る。一実施例として、プッシャ部材は、プッシャヘッドと、プッシャワイヤと、を含むことができる。プッシャヘッドは、ニチノールで作られていてよいプッシャワイヤを通してプランジャに機械的に結合されて、灌注流を最大にする。さらに、本開示の別の態様では、(1)拡張可能なインプラントと共にプッシャ部材を動かすかまたは位置付けること、および(2)プッシャ部材と拡張可能なインプラントとの間を切り離すことは、ハンドル機構10内に統合された単一のアクチュエータストロークによって制御され得る。
【0055】
本開示の別の態様では、ハンドル機構10は、ハンドル本体と結合された外側伸縮式シリンダを特徴とすることができ、カテーテルが、ハンドル本体に固定され、伸縮式シリンダを通過する。具体的には、伸縮式シリンダは、伸縮式シリンダから露出するカテーテルの長さが調節可能であるように、ハンドル本体に対して伸長可能かつ後退可能である。このようにカテーテルの長さが調節可能であることにより、本発明は、種々の寸法を必要とし得る種々のタイプの市販の膀胱鏡に好都合に適合する。
【0056】
さらに、本開示の別の態様では、灌注システムは、手術中に膀胱鏡検査下での可視化を容易にするための少なくとも1つの流体経路を備える。生理食塩水などの適切な灌注流体が、カテーテルの内側チャネルを通って、またはカテーテルの外側内腔を通って導かれ得る。
【0057】
本開示は、以下の実施形態を参照して図示および説明されているが、本開示は、開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、本開示の趣旨および範囲内に含まれる様々な変更および同等の配置をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
【0058】
制御放出機構
開示される放出機構は、前立腺インプラントと係合要素との間の構成を含む。例えば、係合要素は、前立腺インプラントの近位端部に結合された縫合材料の放出可能なテザーとすることができる。係合要素はまた、プッシャ部材の遠位端部と前立腺インプラントの近位端部とにインターロック特徴部を含み得る。さらに、係合要素は、前立腺インプラントの組織係合部分に形成された孔を通ってルートを定められ、張力が加えられたときに前立腺インプラントを拘束するワイヤもしくは縫合糸であってもよく、または、前立腺インプラントの組織係合部分の周囲にルートを定められ、張力が加えられたときに前立腺インプラントを拘束するワイヤであってもよい。本開示のこのセクションは、制御放出機構に関するいくつかの実施形態に関する。
【0059】
1.ワイヤラッチ
本開示の実施形態は、図4に示すように前立腺インプラントを保持し、押し、ロックし、ロック解除するためのワイヤラッチを使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、前立腺インプラント5と、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12と、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続する、チューブであり得る、プッシャ部材13と、プッシャ部材13またはハンドル機構10と接続する縫合糸14と、プランジャ上のアクチュエータと接続し、プッシャ部材13内の内腔を通ってルートを定められるワイヤラッチ15のような制御部材と、を含む。凹部16が、前立腺インプラント5の近位端部の側壁に形成され、内部内腔に連絡している。図示のように、前立腺インプラント5およびプッシャ部材13は、前立腺インプラント11の内腔を通過するワイヤラッチ15と、プランジャシャフト13から凹部16内に延びる縫合糸14のループと、によって係合される。
【0060】
この実施形態を使用するための例示的な技術が、図5および図6に概略的に描かれている。配備の前に、前立腺インプラント5は、カテーテル12の遠位端部内に配置され、上述の議論に従って縫合糸14のループおよびワイヤラッチ15でロックされる。これに対応して、前立腺インプラント5は、図5によって表されるように、前立腺インプラント5をカテーテル12の遠位端部から押し出すことを含む配備ステップによって放出され得る。この段階では、ワイヤラッチ15は依然として縫合糸14のループを前立腺インプラント5と係合させている。次に、前立腺インプラント係合解除ステップが、図6によって示されるように形成され得る。特に、ハンドル機構10のプランジャのアクチュエータによりワイヤラッチ15を後退させると、縫合糸14のループが解放されて前立腺インプラント5が係合解除される。
【0061】
この制御放出機構の実施態様は、図7の実施形態に示されるようなプッシャワイヤの使用を含むことができ、図7は、前立腺インプラント5と、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12と、ここではプッシャワイヤ17およびプッシャヘッド171を含むプッシャ部材13と、プッシャ部材13の遠位端部においてプッシャヘッド1711と接続するループ形状の縫合糸14と、ハンドル機構内のアクチュエータと接続されるワイヤラッチ15と、を示す。プッシャワイヤ17は、プッシャヘッド171を通って延び、ハンドル機構内のプランジャと接続する。プッシャ部材13およびワイヤラッチ15は、隣接していてもよく、個々に動作可能である。前立腺インプラント5は、上述のように前立腺インプラント5の内腔から後退可能であるワイヤラッチ15と、凹部16内に延びる縫合糸14のループとの係合を通じて、プッシャヘッド171によって保持される。一実施形態では、ハンドル機構内のプランジャが動かされると、プッシャワイヤ17は、プッシャヘッド171を押したり引いたりするために、後で力を伝達する。プッシャヘッド171および前立腺インプラント5はこの段階で係合しているので、前立腺インプラント5は、プッシャ部材13の操作によって容易に位置付けられるかまたは配備され得る。
【0062】
プッシャ部材13がチューブで実施され得る、図4図6の実施形態と比較すると、プッシャワイヤ17が、代わりに使用されて、プッシャワイヤ17の外径よりも大きい外径を有し得るプッシャヘッド171に結合する。プッシャヘッド171は、プッシャワイヤ17の一部として形成されてもよい。灌注の機能性を向上させるため、および/または臨床操作を容易にするために、プッシャワイヤ17は、ニチノールのような可撓性金属とすることができる。プッシャワイヤ17の断面積はチューブよりも低いプロファイルを示すので、このような実施形態では、カテーテル12とプッシャ部材13との間の空間が大きくなり、膀胱鏡の可視化を助けることができる。
【0063】
制御放出機構9の別の実施形態が、それぞれ立面図、上面図および側面図である、図8図10に示されている。これらの図では、制御放出機構9は、前立腺インプラント5、(例えば図2のハンドル機構と接続する)カテーテル12、プッシャ部材13を実装するプッシャワイヤ17のプッシャヘッド171、プッシャヘッド171に接続する縫合糸14のループ、および(ハンドル機構10のアクチュエータと接続する)ワイヤラッチ15と共に示されている。プッシャヘッド171は、溝131と、前立腺インプラント5の内腔と整列するプッシャヘッド内腔132と、を有する。縫合糸14は、ループ形状で溝131内に配置される。ワイヤラッチ15は、プッシャヘッド内腔132、前立腺インプラント5の内腔、および縫合糸14のループを通って延び、前立腺インプラント5に係合し、それをプッシャヘッド171と共に保持する。
【0064】
制御放出機構9のさらに別の実施形態が、それぞれ立面図および側面図である、図11図12に示されている。これらの図では、制御放出機構9は、前立腺インプラント5、(例えば図2のハンドル機構と接続する)カテーテル12、プッシャ部材13を実装するプッシャワイヤ17のプッシャヘッド171、プッシャヘッド171に接続する縫合糸14のループ、および(ハンドル機構10のアクチュエータと接続する)ワイヤラッチ15と共に示されている。プッシャヘッド171は、第1のプッシャヘッド134と、第2のプッシャヘッド135と、を有する。第2のプッシャヘッド135は、第1のプッシャヘッド134の遠位側に位置し、回転防止ピン136により第1のプッシャヘッド134に接続されて、それらの回転整列を維持する。第1のプッシャヘッド134は、2つの縫合糸アンカー穴137を有し、縫合糸14のそれぞれの端部は、各近位開口部を通過し、縫合糸結び目133によって各近位開口部において固定されて、ワイヤラッチ15によって係合されるループを形成することができる。プッシャ部材13のプッシャワイヤ17は、第1のプッシャヘッド171の近位端部と接続する。一実施例では、縫合糸14は、ニチノールワイヤであってよく、第1のプッシャヘッド134上に固定され得る。第1のプッシャヘッド134および第2のプッシャヘッド135のそれぞれは、前立腺インプラント5の内腔と整列するプッシャヘッド内腔132を有し、ワイヤラッチ15は、プッシャヘッド内腔132、前立腺インプラント5の内腔、および縫合糸14のループを通過して、凹部16内で前立腺インプラント5をプッシャヘッド171と係合させることができる。本開示のその他の実施形態と同様に、前立腺インプラント5は、この係合により、配備中にプッシャヘッド171またはプッシャワイヤ17によって制御され得る。
【0065】
制御放出機構9のさらなる実施形態が、それぞれ立面図および側面図である、図13図14に示されている。これらの図では、制御放出機構9は、前立腺インプラント5、(例えば図2のハンドル機構と接続する)カテーテル12、プッシャ部材13を実装するプッシャワイヤ17のプッシャヘッド171、プッシャヘッド171に接続する縫合糸14のループ、および(ハンドル機構10のアクチュエータと接続する)ワイヤラッチ15と共に示されている。ここで、プッシャ部材3のプッシャヘッド171は、その近位端部に縫合糸アンカースロット部分138を有しており、縫合糸14は、縫合糸14の2つの端部を縫合糸アンカースロット部分138に通して結び目を作ることによって、プッシャヘッド171と接続され得、縫合糸14は、ワイヤラッチ15による係合のためのループ形状を有して形成される。これに対応して、ワイヤラッチ15も、その他の実施形態と同様の方法で、縫合糸アンカースロット部138を通過して前立腺インプラント5の内腔に入ることができる。プッシャ部材3のプッシャワイヤ17は、プッシャヘッド171の近位端部と接続する。前立腺インプラント5とプッシャヘッド171は上述のように係合され、ワイヤラッチ15は前立腺インプラント5の内腔および凹部16内の縫合糸14のループを通って延び、前立腺インプラント5は、プッシャヘッド171またはプッシャワイヤ17の動きによって制御され得る。
【0066】
制御放出機構9のさらに別の実施形態が、それぞれ立面図および側面図である、図15図16に示されている。これらの図では、制御放出機構9は、前立腺インプラント5、(例えば図2のハンドル機構と接続する)カテーテル12、プッシャ部材13を実装するプッシャワイヤ17のプッシャヘッド171、プッシャヘッド171に接続する縫合糸14のループ、および(ハンドル機構10のアクチュエータと接続する)ワイヤラッチ15と共に示されている。この実施形態では、プッシャ部材13のプッシャヘッド171は、縫合糸14およびワイヤラッチ15を収容するための溝139を有する。縫合糸14は、ワイヤラッチ15およびプッシャワイヤ17を取り囲む連続ループまたはリングとすることができる。プッシャワイヤ17は、プッシャヘッド171の近位端部と接続する。前立腺インプラント5とプッシャヘッド171は上述のように係合され、ワイヤラッチ15は前立腺インプラント5の内腔および凹部16内の縫合糸14のループを通って延び、前立腺インプラント5は、プッシャヘッド171またはプッシャワイヤ17の動きによって制御され得る。
【0067】
制御放出機構9のさらなる実施形態が、図17図20に示されている。これらの図では、制御放出機構9は、前立腺インプラント5、(例えば図2のハンドル機構と接続する)カテーテル12、プッシャ部材13を実装するプッシャワイヤ17のプッシャヘッド171、プッシャヘッド171に接続する縫合糸14のループ、および(ハンドル機構10のアクチュエータと接続する)ワイヤラッチ15と共に示されている。プッシャヘッド17の詳細立面図および近位端面図が、図17および図18にそれぞれ描かれている。図示のように、プッシャヘッド171は、円錐形であり、遠位端部分172、フレア領域173、および近位ネック174を備える。遠位端部分172上の隙間175が、縫合糸14を収容し、この縫合糸14は、図19に示すようにプッシャヘッド171から延びるところでループとして構成される。フレア領域173は、ワイヤラッチ15が間を通過できるようなサイズの支持バー176によって形成される。ネック領域174は、縫合糸14とプッシャワイヤ17とを接続し、前立腺インプラント5は、上述したのと同様の方法で図20に示すように係合されたときにプッシャヘッド171またはプッシャ部材3によって制御され得る。
【0068】
2.前立腺インプラントファスナ
本開示の実施形態は、図21および図22に示すように前立腺インプラントを保持し、押し、ロックし、ロック解除するために締結構造体に係合するロック部材を使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、前立腺インプラント5の近位端部におけるファスナ18と、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12と、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続するプッシャ部材13と、ハンドル機構10において作動され得るように、プッシャ部材13を通って延びる予め成形されたワイヤ20などの制御部材に接続された傾斜ロッカー19と、を含む。傾斜ロッカー19およびファスナ18は、傾斜ロッカー19が図21に示すようにカテーテル12内に拘束されているときなど、軸方向に整列されると、係合するように構成されている。図22に示すように前立腺インプラント5が完全に配備されると、傾斜ロッカー19に接続された、予め成形されたワイヤ20の端部は、カテーテル12により拘束されなくなると自動的に撓み、前立腺インプラント5のファスナ18から係合解除する。
【0069】
別の実施形態は、図23および図24に示すような面取りロック部材を使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、前立腺インプラント5の近位端部におけるファスナ18と、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12と、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続するプッシャ部材13と、プッシャ部材13の遠位端部に形成されるか、またはハンドル機構10において作動され得るように、プッシャ部材13を通って延びる制御ワイヤ22のような制御部材に接続される面取りロッカー21と、を含む。面取りロッカー21は、対向する面取りまたはくさび構成を有する接触面により、軸方向に整列されるとファスナ18と係合し、そのため、前立腺インプラント5は、図23に示すように、面取りロッカー21がカテーテル12内に拘束されたときに保持される。前立腺インプラント5が完全に配備されると、面取り表面は、図24に示すように、面取りロッカー21がスライドして前立腺インプラント5のファスナ18を放出することを可能にする。
【0070】
さらなる実施形態は、図25および図26に示すようなアンカーロック部材を使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、前立腺インプラント5の近位端部におけるファスナ18と、例えば図2のハンドル機構10と接続するカテーテル12と、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続するプッシャ部材13と、制御縫合糸24などの制御部材に固定された、この実施形態ではチューブとして構成されるが他の構成が使用されてもよい、アンカー23と、を含む。アンカー23がファスナ18と係合されてカテーテル12内に拘束されると)、前立腺インプラント5は、保持され、アンカー23が拘束されていないときにファスナ18の面取り部に対して滑らかにスライドするので、放出される前は制御縫合糸24およびプッシャ部材13で制御され得る。
【0071】
3.フック
本開示の実施形態は、図27および図28に示すように前立腺インプラントを保持し、押し、ロックし、ロック解除するためのフックを使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12と、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続し、遠位端部から延びるフック25を有するプッシャ部材13と、を特徴とし、フック25は、長手方向に隣接する場合にフック25を支持することによって同軸に延びる制御部材26によって外向きの構成に維持される。前立腺インプラント5は、フック25に対応し、かつフック25によって係合可能である、ノッチ27を有するが、窓、凹部または他の類似の構造体が代わりに使用されてもよい。したがって、制御部材26が図27に示すようにフック25と同一の広がりをもつ支持位置にあるとき、それらはノッチ27と係合した状態に維持される。フック25は、ニチノールまたは他の可撓性材料によって作られるなど、プッシャ部材13に対して撓むように設計され、図28に従って配備を完了させるためノッチ27から係合解除して前立腺インプラント5を放出するために、制御部材26の引き出し時に内側に偏向するように内側に曲がるよう予め成形され得る。
【0072】
4.拡張可能なロック
本開示の他の実施形態は、図29および図30に示すように前立腺インプラントを保持し、押し、ロックし、ロック解除するための拡張可能な部材を使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12と、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続するプッシャ部材13と、プッシャ部材13内に引き出せるサイズの拡張可能なヘッド部分29および支持部分30を有するロック28と、を特徴とする。ヘッド部分29は、拡張したときに前立腺インプラント5のネック31よりも大きな直径を有し、したがって、図29によって示されるように前立腺インプラント5がプッシャ部材13により制御され得るように前立腺インプラント5に係合してこれを保持することができる。制御部材32が支持部分30に固定され、配備が完了するときに、拡張可能なロック28を少なくともネック31の近位で圧縮して引き出し、前立腺インプラント5を放出するために使用され得る。拡張可能なロック28は、可撓性および/または拡張可能な特性を有し、前立腺インプラント5を固定することができる限り、ヘッド部分29の異なる構成を使用することができ、図31および図32は、非限定的な実施例を提供することが認識される。
【0073】
5.ロックワイヤ
本開示のさらに他の実施形態は、図33に示すように前立腺インプラントを保持し、押し、ロックし、ロック解除するために、ロックワイヤおよび縫合糸を使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続するプッシャ部材13、および遠位端部に隣接する孔34を有するロックワイヤ33を特徴とする。ロックワイヤ33は、プッシャ部材13の遠位端部から前立腺インプラント5の内径内に延びている。縫合糸35のような制御部材は、前立腺インプラント5および孔34を通ってループ状になり得、ハンドル機構10において作動され得るようにプッシャ部材13を通って延びる。縫合糸35は、ストラットまたは支持アームなどの前立腺インプラント5の構造の周囲にルートを定められ、縫合糸35に加えられる張力は、前立腺インプラント5がプッシャ部材13により制御され得るように前立腺インプラント5を係合させ保持する。非限定的な一例として、縫合糸35は、0.127mm(0.005インチ)のニチノールワイヤで実施され得る。
【0074】
6.縫合糸ロック
本開示のさらなる実施形態は、図34および図35に示されるように前立腺インプラントを保持し、押し、ロックし、ロック解除するための縫合糸および制御を使用する制御放出機構を含む。制御放出機構は、例えば図2のハンドル機構と接続するカテーテル12、ハンドル機構10内のプランジャ(図示せず)と接続するプッシャ部材13、および縫合糸37の端部が固定される制御部材36を特徴とする。縫合糸37は、前立腺インプラント5の近位端部に形成された少なくとも2つの孔38を通ってループ状になり、前立腺インプラント5に係合してこれを保持し、前立腺インプラントは、図34に示されるように、プッシャ部材13により制御され得る。制御部材36は、ハンドル機構10において作動され得るように、図示のようにプッシャ部材13を通って延びている。カテーテル12の遠位端部から前立腺インプラント5を射出するためにプッシャ部材13を使用した後に前立腺インプラント5の配備が完了する場合、制御部材36の作動は、図35に従って縫合糸37を破断するかまたは引き出すことによって縫合糸37を係合解除するために実行され得る。
【0075】
ハンドル機構
再び図2を参照すると、本開示はまた、良性前立腺肥大症(BPH)を緩和するために前立腺インプラント5を送達し配備するための上述した制御放出機構と共に使用されるハンドル機構10を含む。以下の資料では、拡張可能なインプラントを配備し、かつ/またはその位置を変える、ハンドル機構10およびその特徴について説明する。一態様では、本開示は、前立腺インプラント5を配備および放出し、必要な場合に種々のブランドおよび構成の膀胱鏡に適合するようにカテーテル12の長さを調節するために、図36に示すようなハンドル機構10を提供する。特に、ハンドル機構は、ハンドル本体210と、伸縮式シリンダ220と、ボタンロック230と、解除ボタン240と、いくつかの実施形態ではプッシャワイヤ17およびプッシャヘッド171として実装される、プッシャ部材13(この図には示されていない)と接続するプランジャ250と、ワイヤラッチ15のような制御部材(この図には示されていない)と接続するアクチュエータ260と、制御部材を後退させるように構成されたアクチュエータばね270と、プランジャグリップ280と、を含む。したがって、上述の実施形態に関連して、プランジャ250の動きは、プッシャワイヤ17を介したプッシャ部材13またはプッシャヘッド171の対応する動きを引き起こすために使用され得る。アクチュエータ260は、プランジャ250上で移動可能であり、図37に示すように上部穿孔部281内へのファスナ261の係合を通してロックされ得る。
【0076】
ハンドル機構10は、一連の段階の一部として、上述した制御放出機構を使用して、最初に前立腺インプラント(prostatic implement)を配備し、次に係合解除するために使用され得る。プッシャ部材13またはプッシャヘッド171の遠位端部は、プランジャ250に結合され、前立腺インプラント5は、カテーテル12の遠位端部から押し出され、次いでプッシャ部材13またはプッシャヘッド171から係合解除され得る。プランジャ250の上面にある1つ以上のスロット251、252は、配備の種々の段階に関する触覚信号を提供する。プランジャブッシュ213が、図38に示すように、上面と係合するように構成され、プランジャ250の上面上をスライドする。プランジャブッシュ213とプランジャ250の上面との間の相互作用は、種々の配備段階を示す触覚フィードバックを提供するだけでなく、あるレベルの配備後に不可逆的な機構を提供し、プランジャ250が引き戻されるのを防止する。
【0077】
配備の初期段階中、解除ボタン240は、プランジャの配備中の誤作動(mis-triggering)を防止するために、ロックばね231によって付勢されたボタンロック230によってロックされる。前立腺インプラント5は、図38に示すように、完全につぶされてカテーテル12内に配置される。次に図39を参照すると、使用者は、ハンドル本体210を保持し、カテーテル12の遠位端部が前立腺インプラント5の配備のための目標場所に位置付けられた後でプランジャグリップ280を押すことができる。プランジャブッシュ213の突起がプランジャ250の第1のスロット251内に落ち、使用者に触覚フィードバックが与えられ、2分の1ストロークが行われたことが示される。この段階では、前立腺インプラント5は依然として部分的にカテーテル12内に配置されている。詳細挿入図に示すように、第1のスロット251の遠位面および近位面の両方は、プランジャ250が近位に移動して引き戻されるのを可能にするように面取りされているかまたは傾斜している。前立腺インプラント5は依然としてプッシャ部材13またはプッシャヘッド171と係合しているので、配備は、この段階でも可逆的である。2分の1ストロークからフルストロークへの配備は、図40に概略的に描かれている。図示されているように、プランジャ250を前進させるためにプランジャグリップ280をさらに操作すると、プランジャブッシュ213が第2および後続のスロット252に係合し、各戻り止めは、プランジャブッシュ213上のプラスチックアームが連続的なスロット252に連続的に係合および係合解除することにより、使用者に触覚フィードバックを提供する。特に、スロット252は、遠位面に90度の壁を有することによって、プランジャ250の引き抜きを防止するように構成される。これに対応して、プランジャ250が2分の1ストローク位置を越えて前進すると、前立腺インプラント5のプランジャブッシュ213は引き戻しを防止する。プランジャ250の運動は、本実施形態では2分の1ストローク位置が達成されると不可逆であるが、この運動は、スロット251および252の適切な配置を通じて、プランジャ250の移動範囲に沿った所定の位置で不可逆にされ得る。最後に、図41は、プランジャ250のフルストローク位置におけるハンドル機構10を示す。この段階で、プランジャグリップ280上のフランジ283が、ボタンロック230に当接し、ハンドル本体210のハンドル底部212の遠位端部におけるファスナ211が、プランジャグリップ280の底部における底部ノッチ282に係合し、触覚フィードバックを使用者に提供して、フルストロークが達成されたことを示す。この段階で、プランジャ250はロックされ、前立腺インプラント5はカテーテル12から完全に押し出されており、制御放出機構の実施形態に応じて、プッシャ部材13またはプッシャヘッド171のいずれかから係合解除される準備ができる。
【0078】
配備後、ハンドル機構10は、ワイヤラッチ15または上述した制御部材のうちの別のものを作動させることによって、前立腺インプラント5を係合解除するために使用され得る。最初に図42を参照すると、ファスナ211がノッチ282に係合するのに関連して、プランジャカバー280のフランジ283がボタンロック230を遠位に移動させて、解除ボタン240を自由にする。解除ボタン240がフランジ283によって拘束されなくなると、解除ばね241(図37に示す)が、解除ボタン240をアクチュエータ260のファスナ261に押し込み、図43に示すようにこれを穿孔部261から係合解除する。その結果、アクチュエータ260は、アクチュエータばね270によって近位に自動的に駆動されるようになる。上述したように、アクチュエータ260は、ワイヤラッチ15のような制御放出機構の制御部材に結合され、前立腺インプラント5の放出をトリガする。
【0079】
いくつかの実施形態では、ハンドル機構10は、配備および/または係合解除段階を容易にするために代替のリンク装置を使用することができる。例えば、図44は、加速装置放出セットの使用を概略的に描いている。図示のとおり、この実施形態は、図8図10に関して上述された制御放出機構と共に使用される文脈で示されるが、その他の制御部材と協働するように必要に応じて適合され得る。特に、放出セット400は、支持フレーム410と、プランジャ420と、プッシャワイヤ17と結合されたプッシャワイヤホルダ440と、ワイヤラッチ15と結合されたワイヤラッチホルダ430と、係合解除ロック450と、支持フレーム410によって運ばれる歯車列460と、を有することができる。配備の初期段階では、放出セット400は、図45に示す構成を有し、プランジャ420とプッシャワイヤホルダ440は、歯車列460を通じて結合され、ラッチワイヤホルダ430のトラックは、この位置では結合されていない。図46に示すように、係合解除ロック450は、プランジャ420のスロット421との相互作用により回転することができず、プランジャ420のさらなる移動を妨げる。この構成では、プランジャ420は、カテーテル12の遠位端部から自由になるまで前立腺インプラント5の配備を継続するように押される。図47に示すように、ワイヤラッチ15は、この段階で前立腺インプラント5を保持するために縫合糸14のループに依然として係合している。この段階で、係合解除ロック450は、回転されて、図48に示すように、プランジャ420のさらなる移動を可能にすることができる。したがって、プランジャ420のさらなる移動により、今度は歯車列460がワイヤラッチホルダ430のトラックと係合し、それを図49によって示されるように引き出させる。その結果、ワイヤラッチ15が近位に引き出され、凹部16内に保持されていた縫合糸14のループを解放し、前立腺インプラントが図50に示すように放出される。
【0080】
必要であれば、図51のように歯車列460を解放するために歯車を引き出し、図52のようにプッシャワイヤホルダ440を遠位端部まで前進させ、図53のようにワイヤラッチホルダ430を近位端部まで引き戻し、図54のように元の構成に戻すことによって、ベイルアウト操作が実行され得る。
【0081】
別の実施形態では、図55に示すような放出セット700がハンドル機構10と共に使用され得る。図示のように、放出セット700は、プッシャワイヤ17と結合されたプッシャワイヤホルダ710と、プランジャ720と、ワイヤラッチ15と結合されたワイヤラッチホルダ730と、ワイヤラッチばね740と、歯車列750と、を含む。配備段階では、プランジャ720が押されてカテーテル12の遠位端部からの前立腺インプラント5の配備が開始され、プッシャワイヤホルダ710が、図56に示されるように歯車列750の係合により前進する。図57の側面図では、ワイヤラッチホルダ730およびプッシャワイヤホルダ710は、プッシャワイヤホルダ710上のラッチ711と係合するワイヤラッチホルダ730上のラッチ731により、この段階で一体となって動くことが分かる。完全な配備段階に達したとき、図58は、図58の立面図および図59の側面図に示すように、プランジャ720上の突起721が、ラッチ711に結合された片持ち梁712に係合してこれを持ち上げ、ラッチ731からの係合解除を引き起こすことを示している。ラッチ711、731が開いて、プッシャワイヤホルダ710およびワイヤラッチホルダ730が独立して動くことをもはや妨げなくなると、ワイヤラッチばね740からの力がワイヤラッチホルダ730を近位に駆動して、前立腺インプラント5を係合解除する。必要であれば、片持ち梁733に取り付けられたバー732を押し下げて、ラッチ731の手動によるたわみおよび係合解除を引き起こすことによって、ベイルアウト操作が図60の立面図および図61の側面図に示すように実行され得る。この場合も、ラッチ711、731が開いて、プッシャワイヤホルダ710およびワイヤラッチホルダ730が独立して動くことをもはや妨げなくなると、ワイヤラッチばね740からの力がワイヤラッチホルダ730を近位に駆動し、前立腺インプラント5を係合解除する。
【0082】
上述したように、良性前立腺肥大症(BPH)を緩和するために前立腺インプラント5を送達し配備する際にハンドル機構10を使用することは、カテーテル12の露出長さを調節することも含む。これに対応して、本システムは、種々の物理的寸法を有する膀胱鏡に適合し得る。したがって、本開示の実施形態は、カテーテル12、ハンドル本体510、伸縮式シリンダ520、ノブリブ530、ルアーロックリング540、ルアーコネクタ550、ルアーコネクタハブ560、カテーテル12を受容するカテーテルハブ570、カテーテルハブシール580、およびカテーテルホルダ590を含む、図62に示すようなハンドル機構10を含む。
【0083】
作業チャネルの長さにばらつきを有し得る種々の膀胱鏡との適合性を提供するために、カテーテル12の露出長さは、伸縮式シリンダ520を伸長させるかまたは後退させるためにノブリブ530を回転させることにより、調節され得る。ノブリブ530の内面に形成されたねじ山531は、近位端部における伸縮式シリンダ520の外面上の1つ以上の突起521によって係合される。ノブリブ530を回転させると、それに対応して伸縮式シリンダ520が伸長するかまたは後退し、カテーテル12の所望の長さが露出される。カテーテル12はカテーテルハブ570と接続されており、カテーテルハブシール580は、カテーテルハブ570と伸縮式シリンダ520との間の空間を封止して、伸縮式シリンダ520からハンドル本体510内への液体漏れを防止するために使用される。さらに、カテーテルハブ570とカテーテルホルダ590との間の別のシールリング(図示せず)が、カテーテルハブ570とカテーテルホルダ590との間の空間を封止してもよい。ルアーコネクタシール551は、伸縮式シリンダ520とルアーコネクタ550との間からの液体漏れを妨げる。
【0084】
カテーテルハブ570は、カテーテルホルダ590によってハンドル本体510に固定されて、伸縮式シリンダ520の移動中にハンドル本体510とカテーテル12とが相対的に動くのを防ぐ。カテーテル12は、ルアーコネクタ550を介して伸縮式シリンダ520の内側部分を通過し、伸縮式シリンダ520から露出される。カテーテル12の露出部分は、伸縮式シリンダ520がハンドル本体510内に後退されているときには長くなり、伸縮式シリンダ520がハンドル本体510から伸長しているときにはそれに応じて短くなることが理解されよう。したがって、ノブリブ530を回転させることにより、露出したカテーテルの長さは、長さの異なる作業チャネルを有する可能性のある種々の膀胱鏡との適合性を容易にするように調節可能である。例えば、図63は、1つ以上の突起521がねじ山531内の最遠位位置に達したときの伸縮式シリンダ520の最大伸長状態を示し、カテーテル12は最小露出長さを有し、図64は、1つ以上の突起521がねじ山531内の最近位位置に達したときの伸縮式シリンダ520の最大後退状態を示し、カテーテル12は最大露出長さlを有する。
【0085】
灌注システム
再び図2を参照すると、本開示はまた、良性前立腺肥大症(BPH)を緩和するために前立腺インプラント5を送達し配備するための上述した制御放出機構9およびハンドル機構10と組み合わせて使用され得る灌注システム11を含む。灌注システム11は、手術中に膀胱鏡を通した可視化を改善するための1つ以上の液体経路を備える。生理食塩水のようなクリアランス液体(clearance liquid)が、灌注のために、カテーテルの内側チャネルを通って、および/または、カテーテルの外面と膀胱鏡の作業チャネルの内径とによって形成される外径内腔を通って、流れる。一態様では、灌注システム11は、図62のようなハンドル機構10のサイドアームを通る少なくとも1つの液体経路を提供する。
【0086】
別の実施形態では、図65に示すような灌注システム11は、カテーテル12、伸縮式シリンダ610、カテーテルハブ620、カテーテルハブシール630、ルアーコネクタシール640、ルアーコネクタロック650、ルアーコネクタ660、ルアーロックリング670、およびサイドアーム液体入口680を含むことができる。上記のように、カテーテルハブシール630は、カテーテルハブ620と伸縮式シリンダ610との間の空間を封止して、伸縮式シリンダ610からハンドル本体内への液体漏れを防止するために使用される。さらに、カテーテルハブ620とカテーテルホルダ690との間の別のシールリング(図示せず)が、カテーテルハブ620とカテーテルホルダ690との間の空間を封止し、伸縮式シリンダ610からハンドル本体内への液体漏れを防止する。ルアーコネクタシール(640)は、伸縮式シリンダ610とルアーコネクタ660との間のクリアランスからの液体漏れを防ぐ。この実施形態では、二重の灌注経路が設けられている。生理食塩水が液体入口680から伸縮式シリンダ610の内側キャビティに導入されると、生理食塩水は2つの異なる経路に沿って流れる。第1の経路は、図66の立面図および図67の側面図に一点鎖線で示したように、生理食塩水がカテーテルハブ620上の入口穴621を通ってカテーテル12の内側チャネルに流入し、カテーテル12の遠位端部における開口部から流出することによって画定される。第2の経路は、図68の立面図および図69の側面図に一点鎖線で示すように、伸縮式シリンダ610の内側キャビティからの生理食塩水の流れが、カテーテル12の外径と膀胱鏡作業チャネル690の内径との間に形成された外側内腔に流入し、膀胱鏡作業チャネル690の遠位端部における開口部から流出することによって画定される。
【0087】
上記に開示された例示的な実施形態は、単に、本開示の様々な有用性を例示することを意図しているにすぎない。本開示の機能要素および特徴部の多数の改変、変形、および組み合わせが、上記の教示に照らして可能であり、したがって、添付の特許請求の範囲内で、本開示が、特に開示された以外にも実施することができ、本開示の原理が、適切な改変によって他の適用に容易に拡張され得ることが理解される。
【0088】
すべての特許および刊行物は、個々の各刊行物が、参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に、参考のために本明細書に組み込まれる。本開示は、好ましい実施形態およびオプションの特徴部によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示された概念の改変および変形が、当業者によってなされてもよく、そのような改変および変形は、本開示の範囲内にあると考えられることを理解されたい。
【0089】
〔実施の態様〕
(1) 前立腺インプラント送達および配備システムのための制御放出機構であって、
カテーテルと、
前記カテーテルの遠位部分内に配置された前立腺インプラントと、
前記前立腺インプラントの近位で前記カテーテル内に同軸に配置されたプッシャ部材と、
前記プッシャ部材と前記前立腺インプラントとの間の係合解除可能な接続部と、
前記係合解除可能な接続部と前記カテーテルの近位端部との間に延びる制御部材と、
を含む、制御放出機構。
(2) 前記プッシャ部材は、細長い管状部材を含む、実施態様1に記載の制御放出機構。
(3) 前記プッシャ部材は、プッシャワイヤおよびプッシャヘッドを含み、
前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントと前記プッシャヘッドとの間にある、実施態様1に記載の制御放出機構。
(4) 前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの内腔内に取り外し可能に配置されたワイヤラッチと、前記プッシャ部材から前記ワイヤラッチの周囲にループ状になった縫合糸と、を含む、実施態様1に記載の制御放出機構。
(5) 前記プッシャ部材は、プッシャワイヤおよびプッシャヘッドを含む、実施態様4に記載の制御放出機構。
【0090】
(6) 前記縫合糸は、前記プッシャヘッドに固定されている、実施態様5に記載の制御放出機構。
(7) 前記プッシャヘッドは、遠位部分と近位部分とを含み、
前記縫合糸は、前記プッシャヘッドの前記近位部分に固定されている、実施態様6に記載の制御放出機構。
(8) 前記縫合糸は、前記プッシャワイヤを取り囲む連続ループを含む、実施態様5に記載の制御放出機構。
(9) 前記プッシャヘッドは、複数の支持部によって形成されたテーパー領域を有する円錐形である、実施態様5に記載の制御放出機構。
(10) 前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および前記制御部材に固定された傾斜ロッカーを含み、
前記制御部材は、予め成形されたワイヤである、実施態様1に記載の制御放出機構。
【0091】
(11) 前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および前記制御部材に固定された面取りロッカーを含む、実施態様1に記載の制御放出機構。
(12) 前記係合解除可能な接続部は、前記前立腺インプラントの近位端部におけるファスナ、および前記制御部材に固定されたチューブアンカーを含む、実施態様1に記載の制御放出機構。
(13) 前記係合解除可能な接続部は、前記プッシャ部材から延びるフックを含み、
前記フックは、前記制御部材によって支持されたときに外向きの構成に維持される、実施態様1に記載の制御放出機構。
(14) 前記係合解除可能な接続部は、遠位端部に孔を有する前記前立腺インプラントの内径内に延びるロックワイヤを含み、前記制御部材は、前記前立腺インプラントの構造の周囲に、かつ前記孔を通ってルートを定められたループである、実施態様1に記載の制御放出機構。
(15) 前記係合解除可能な接続部は、前記制御部材に接続され、前記前立腺インプラントの近位部分に形成された孔を通ってループ状になった縫合糸を含む、実施態様1に記載の制御放出機構。
【0092】
(16) 前立腺インプラント送達および配備システムのためのハンドルであって、
ハンドル本体と、
制御放出機構のプッシャ部材に結合されるように構成されたプランジャと、
前記制御放出機構の制御部材に結合されるように構成されたアクチュエータと、
を含み、
前記プランジャの操作により、前記プッシャ部材は前記制御放出機構から前立腺インプラントを配備し、
前記アクチュエータは、前記前立腺インプラントが前記制御放出機構の遠位端部を越えたときに、前記制御部材を引き出して前記前立腺インプラントを前記制御放出機構から係合解除する、ハンドル。
(17) 前記プランジャが前記前立腺インプラントの配備中に完全に前進するまで前記アクチュエータの動作を防止するロックをさらに含む、実施態様16に記載のハンドル。
(18) 前記プランジャは、前立腺インプラント配備の種々の段階中に触覚フィードバックを提供するように構成されている、実施態様16に記載のハンドル。
(19) 前記プランジャの前進は、前記プランジャが所定の位置を越えて前進した後、不可逆的になるように構成されている、実施態様16に記載のハンドル。
(20) 前記アクチュエータは、前記プランジャが完全に前進されると自動的に動作するように構成されている、実施態様17に記載のハンドル。
【0093】
(21) 前記ハンドルは、プランジャ前進およびアクチュエータ動作の少なくとも一方を加速するための放出セットリンク装置をさらに含む、実施態様16に記載のハンドル。
(22) 前記放出セットは、ベイルアウト機能を提供するように構成されている、実施態様21に記載のハンドル。
(23) 回転ノブリブによって制御される伸縮式シリンダをさらに含み、前記伸縮式シリンダは、伸長および後退することによってカテーテルの露出長さを変化させるように構成されている、実施態様16に記載のハンドル。
(24) 前記伸縮式シリンダおよび前記回転ノブリブは、前記ノブリブの内面に形成されたねじ山に係合する、前記伸縮式シリンダの外面上の突起により結合されている、実施態様23に記載のハンドル。
(25) 前立腺インプラント送達および配備システムのための灌注システムであって、
ハンドルと、
少なくとも1つの入口穴を含むカテーテルハブによって前記ハンドルに結合されたカテーテルと、
カテーテルハブシールと、
前記カテーテルの近位部分を包囲する、前記ハンドルに固定されたシリンダと、
灌注流体を受容するために前記シリンダの内部と流体連通している液体入口と、
を含む、灌注システム。
【0094】
(26) 前記シリンダは、前記シリンダから露出する前記カテーテルの長さを変えるように、前記ハンドルに対して伸縮式である、実施態様25に記載の灌注システム。
(27) 前記液体入口に入り、前記シリンダの前記内部を通り、前記カテーテルハブの前記少なくとも1つの入口穴に入り、前記カテーテルの内側チャネルを通る、灌注流体の流れによって画定される第1の灌注経路と、前記カテーテルが膀胱鏡の作業チャネル内に配置されている場合に、前記液体入口に入り、前記シリンダの前記内部を通り、前記カテーテルの外径および前記膀胱鏡の作業チャネルの前記内径によって形成される外側内腔に入る、灌注流体の流れによって画定される第2の灌注経路と、をさらに含む、実施態様25に記載の灌注システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
【国際調査報告】