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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】エッチング装置
(51)【国際特許分類】
   C23F 1/08 20060101AFI20240920BHJP
   H01M 4/64 20060101ALI20240920BHJP
   C23F 1/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C23F1/08 102
H01M4/64 A
C23F1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517468
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 CN2023070647
(87)【国際公開番号】W WO2023134532
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210035323.9
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】李克▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲シァォ▼松
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼志▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼毅
【テーマコード(参考)】
4K057
5H017
【Fターム(参考)】
4K057WA19
4K057WB05
4K057WK01
4K057WK10
4K057WM01
4K057WM03
4K057WM11
4K057WM18
4K057WN02
4K057WN10
5H017AA03
5H017BB16
5H017BB19
5H017CC05
(57)【要約】
本願の実施例は、コストが低く簡略化されたプロセスにより開孔構造を効果的に実現することができるエッチング装置を提供する。該エッチング装置は、両端が開口した中空構造であり、且つ前記中空構造内にエッチング液が収容され、複数の開孔(211)が設けられる多孔ロール(210)と、前記多孔ロール(210)に近接して取り付けられ、且つ前記エッチング液の液面の上方に設置されて、エッチング対象の金属層(230)を前記多孔ロール(210)の表面に押し付けるために用いられる押圧ロール(220)と、を含み、前記多孔ロール(210)が回転する過程で、前記エッチング液は前記複数の開孔(211)の少なくとも一部の開孔(211)を介して、前記少なくとも一部の開孔(211)と接触している前記金属層(230)を連続的に浸漬し、それにより前記少なくとも一部の開孔(211)と接触している前記金属層(230)を連続的にエッチングする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口した中空構造であり、且つ前記中空構造内にエッチング液が収容され、複数の開孔(211)が設けられる多孔ロール(210)と、
前記多孔ロール(210)に近接して取り付けられ、且つ前記エッチング液の液面の上方に設置されて、エッチング対象の金属層(230)を前記多孔ロール(210)の表面に押し付けるために用いられる押圧ロール(220)と、を含み、
前記多孔ロール(210)が回転する過程で、前記エッチング液は前記複数の開孔(211)の少なくとも一部の開孔(211)を介して、前記少なくとも一部の開孔と接触している前記金属層(230)を連続的に浸漬し、それにより前記少なくとも一部の開孔(211)と接触している前記金属層(230)を連続的にエッチングするエッチング装置。
【請求項2】
前記押圧ロール(220)は前記多孔ロール(210)の軸線の上方に設置される、請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項3】
前記押圧ロール(220)の数は2つであり、2つの前記押圧ロール(220)は前記多孔ロール(210)の前記金属層(230)の搬送方向の上流及び下流にそれぞれ設置され、
前記搬送方向の上流に設置された前記押圧ロール(220)の位置から始まって、前記搬送方向の下流に設置された前記押圧ロール(220)の位置まで、前記エッチング液は前記少なくとも一部の開孔(211)に接触している前記金属層(230)を連続的にエッチングする、請求項1又は2に記載のエッチング装置。
【請求項4】
液収集装置(240)をさらに含み、前記多孔ロール(210)の少なくとも一部は前記液収集装置(240)の中に設けられ、前記液収集装置(240)は前記多孔ロール(210)から漏出した前記エッチング液を収集することに用いられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエッチング装置。
【請求項5】
前記多孔ロール(210)の前記金属層(230)の搬送方向の下流に設置され、前記エッチング液が前記金属層(230)を連続的にエッチングした後に前記金属層(230)に残留した前記エッチング液を洗浄することに用いられる洗浄装置(250)をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエッチング装置。
【請求項6】
前記洗浄装置(250)の前記金属層(230)の搬送方向の下流に設置され、前記洗浄装置(250)が前記金属層(230)に残留した前記エッチング液を洗浄した後に、前記金属層(230)を乾燥処理することに用いられる乾燥装置(260)をさらに含む、請求項5に記載のエッチング装置。
【請求項7】
前記多孔ロール(210)の両端開口のうちの少なくとも1つの開口を介して、前記中空構造内に前記エッチング液を導入することに用いられる液導入装置をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエッチング装置。
【請求項8】
前記金属層(230)の搬送方向に沿って、前記金属層(230)を前記多孔ロール(210)及び前記押圧ロール(220)まで搬送し、さらに前記エッチング液が前記金属層(230)を連続的にエッチングした後に、前記金属層(230)を前記多孔ロール(210)及び前記押圧ロール(220)から搬送することに用いられる搬送ロールをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエッチング装置。
【請求項9】
前記エッチング液が前記金属層(230)を連続的にエッチングすることにより、前記金属層(230)の表面に複数の開孔が形成され、前記金属層(230)の表面に形成される開孔の割合は30%~50%である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング装置。
【請求項10】
前記エッチング装置は集電体の開孔を製造することに用いられ、前記金属層(230)は前記集電体上の金属層であり、且つ前記集電体に含まれるベースフィルムの表面に設けられ、前記多孔ロール(210)上の前記複数の開孔(211)のうちの各開孔(211)の大きさ及び形状は、前記集電体上の開孔の大きさ及び形状と同じである、請求項1~9のいずれか一項に記載のエッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は2022年1月13日に出願された出願番号202210035323.9、名称「エッチング装置」の中国特許出願の優先権を主張し、該出願内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願はエッチング技術分野に関し、特にエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネルギーと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展におけるキーポイントである。このような状況において、電動車両は省エネルギーで環境に優しいというその利点から、自動車産業の持続可能な発展における重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術はその発展に関わる重要な要素である。
【0004】
電池の性能を向上させるために、一般的には集電体に対して孔開けを行う手段が用いられる。現在、集電体の孔開けプロセスは一般的にコーティング、露光、現像、エッチング等のステップから構成されている。しかしながら、該孔開けプロセスは複雑であるだけでなくコストが高く、例えば、コーティングステップにおいて集電体の表面にコーティングされる感光性材料は一般的に高価である。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、コストが低く簡略化されたプロセスにより開孔構造を効果的に実現することができるエッチング装置を提供する。
【0006】
第1態様によれば、両端が開口した中空構造であり、且つ前記中空構造内にエッチング液が収容され、複数の開孔が設けられる多孔ロールと、前記多孔ロールに近接して取り付けられ、且つ前記エッチング液の液面の上方に設置されて、エッチング対象の金属層を前記多孔ロールの表面に押し付けるために用いられる押圧ロールと、を含み、前記多孔ロールが回転する過程で、前記エッチング液は前記複数の開孔の少なくとも一部の開孔を介して、前記少なくとも一部の開孔と接触している前記金属層を連続的に浸漬し、それにより前記少なくとも一部の開孔と接触している前記金属層を連続的にエッチングするエッチング装置を提供する。
【0007】
本願の実施例は、多孔ロールが設置されることにより、且つ多孔ロールに複数の開孔が設けられ且つ内部にエッチング液が収容される。これにより、多孔ロールが回転する過程で、エッチング液は多孔ロールの開孔を介して、開孔と接触している金属層を連続的にエッチングすることができ、金属層に対して開孔を行う目的を実現するだけでなく、エッチング液が金属層を連続的にエッチングすることで、エッチング液と金属層との接触時間が長くなり、これにより金属層を十分にエッチングすることができ、エッチング厚さの要件を満たす。
【0008】
さらに、多孔ロールに近接する押圧ロールが設けられることにより、多孔ロールが回転する過程で、金属層と多孔ロールとの間の接触圧力を保証することができ、金属層が多孔ロールに密着して回転し、それによりエッチング液は金属層をより十分にエッチングすることができる。また、押圧ロールはエッチング液の液面の上方に設置され、一方では、エッチング液が金属層をエッチングする時間を増加させ、他方では、金属層がエッチング液と連続的に接触する前に、金属層は多孔ロールと接触しており、液漏れの問題をできるだけ回避するだけでなく、液漏れによりエッチング液が金属層の非開孔領域をエッチングしてしまう問題を回避することもできる。
【0009】
いくつかの可能な実現形態において、前記押圧ロールは前記多孔ロールの軸線の上方に設置される。
【0010】
上記技術的解決手段は、押圧ロールを多孔ロールの軸線の上方に設置し、多孔ロールの抱き角を増加させることができ、それによりエッチング液の金属層に対するエッチング時間を延長し、金属層をより十分にエッチングすることができ、エッチング厚さの要件をさらに満たす。
【0011】
いくつかの可能な実現形態において、前記押圧ロールの数は2つであり、2つの前記押圧ロールは前記多孔ロールの前記金属層の搬送方向の上流及び下流にそれぞれ設置され、前記搬送方向の上流に設置された前記押圧ロールの位置から始まって、前記搬送方向の下流に設置された前記押圧ロールの位置まで、前記エッチング液は前記少なくとも一部の開孔に接触している前記金属層を連続的にエッチングする。
【0012】
上記技術的解決手段において、押圧ロールの数は2つに設定され、且つ搬送方向に沿って、2つの押圧ロールが多孔ロールの上流及び下流にそれぞれ設置されることにより、多孔ロールの上流及び下流の位置において、押圧ロールはいずれも金属層と多孔ロールとの間の接触圧力を増加させることができ、金属層を多孔ロールにさらに密着させて回転させることができる。さらに、多孔ロールの上流及び下流の位置での液漏れの問題を回避し、エッチング装置の性能をさらに向上させる。
【0013】
いくつかの可能な実現形態において、液収集装置をさらに含み、前記多孔ロールの少なくとも一部は前記液収集装置の中に設けられ、前記液収集装置は前記多孔ロールから漏出した前記エッチング液を収集することに用いられる。
【0014】
上記技術的解決手段において、エッチング装置は液収集装置を含み、これにより、多孔ロールからエッチング液が漏出しても、液収集装置は漏出したエッチング液を収集することができ、エッチング液が飛散して、他の装置を汚染する問題を効果的に回避する。
【0015】
いくつかの可能な実現形態において、前記多孔ロールの前記金属層の搬送方向の下流に設置され、前記エッチング液が前記金属層を連続的にエッチングした後に前記金属層に残留した前記エッチング液を洗浄することに用いられる洗浄装置をさらに含む。
【0016】
上記技術的解決手段において、エッチング装置内に洗浄装置が設置され、エッチング液が金属層をエッチングした後に、金属層を迅速に洗浄することができ、金属層に残留したエッチング液や他の汚染物を除去し、エッチング装置が、そのまま使用できる金属層を送り出すことに寄与する。
【0017】
いくつかの可能な実現形態において、前記洗浄装置の前記金属層の搬送方向の下流に設置され、前記洗浄装置が前記金属層に残留した前記エッチング液を洗浄した後に、前記金属層を乾燥処理することに用いられる乾燥装置をさらに含む。
【0018】
上記技術的解決手段は、エッチング装置内に乾燥装置が設置されることにより、洗浄装置が金属層に残留したエッチング液を洗浄した後に、乾燥装置は金属層を迅速に乾燥させることができ、金属層が自然に乾燥することを待つためにエッチング装置を一定時間停止させる必要がなく、装置全体の処理速度を向上させる。
【0019】
いくつかの可能な実現形態において、前記多孔ロールの両端開口のうちの少なくとも1つの開口を介して、前記中空構造内に前記エッチング液を導入することに用いられる液導入装置をさらに含む。
【0020】
いくつかの可能な実現形態において、前記金属層の搬送方向に沿って、前記金属層を前記多孔ロール及び前記押圧ロールまで搬送し、さらに前記エッチング液が前記金属層を連続的にエッチングした後に、前記金属層を前記多孔ロール及び前記押圧ロールから搬送することに用いられる搬送ロールをさらに含む。
【0021】
いくつかの可能な実現形態において、前記エッチング液が前記金属層を連続的にエッチングすることにより、前記金属層の表面に複数の開孔が形成され、前記金属層の表面に形成される開孔の割合は30%~50%である。
【0022】
上記技術的解決手段において、金属層の多孔度は30%~50%に設定され、大部分の集電体の要件を満たすことができ、エッチング装置及び集電体の適用性を効果的に向上させる。
【0023】
いくつかの可能な実現形態において、前記エッチング装置は集電体の開孔を製造することに用いられ、前記金属層は前記集電体上の金属層であり、且つ前記集電体に含まれるベースフィルムの表面に設けられ、前記多孔ロール上の前記複数の開孔における各開孔の大きさ及び形状は、前記集電体上の開孔の大きさ及び形状と同じである。
【0024】
上記技術的解決手段において、エッチング装置で得られる集電体の開孔と必要とされる開孔が同じであることにより、プロセス全体の精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下に示された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【0026】
図1】本願の一実施例に係る車両の概略構造図である。
図2】本願の実施例に係るエッチング装置の概略構造図である。
図3】本願の実施例に係る多孔ロールの概略図である。
図4】本願の実施例に係る別のエッチング装置の概略構造図である。
【0027】
図面において、図面は実際の比率に従って描かれたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではなく、本願は記載された実施例に限定されない。
【0029】
本願の記載において説明すべきことは、別途説明されない限り、「複数」は、2つ以上という意味であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、本願の説明を容易にして、説明を簡略化するものであるに過ぎず、対象の装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを示す又は暗示するものではなく、従って本願を限定するものと理解すべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、説明する目的で用いられるに過ぎず、相対的な重要性を示す又は暗示するものと理解すべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。
【0030】
以下の説明に出現する方位表現はいずれも図に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の記載においてさらに説明すべきことは、別途明確に規定及び限定されない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0031】
本願における「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連、関係を説明しているに過ぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例として、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を示すことができる。なお、本願において記号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0032】
別途定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの類語は、排他的ではないものを意図している。本願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序又は主従関係を説明するために用いられるものではない。
【0033】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所に該「実施例」という語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。当業者は、本明細書に記載の実施例は他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解する。
【0034】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、種々の改良を行い、その構成要素を等価物に置換することができる。特に、各実施例で言及した各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、いずれも任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
【0035】
近年、電池は主要な動力装置として、電気自動車、軍事装備、航空宇宙等の複数の分野に広く応用されている。
【0036】
例えば、図1は本願の実施例に係る車両1の構造概略図を示し、車両1はガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及び電池10を設置することができ、コントローラ30は電池10を制御してモータ40に給電するために用いられる。例えば、車両1の底部又は前側又は後側に電池10を設置することができる。電池10は車両1への給電に用いられ、例えば、電池10は車両1の動作電源として、車両1の回路システムに用いることができ、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力の必要を賄う。本願の別の実施例において、電池10は車両1の動作電源としてだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することができる。
【0037】
本願の実施例において、電池は電気エネルギーを提供するために1つ又は複数の電池セルを含む物理的モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。電池は、一般的に1つ又は複数の電池セルをパッケージ化するための筐体を含む。筐体は液体又は他の異物が電池セルの充放電に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0038】
選択的に、電池セルはリチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含むことができ、本願の実施例はこれに限定されない。いくつかの実施形態において、電池セルはセルとも呼ばれる。
【0039】
電池セルは電極アセンブリ及び電解液を含み、電極アセンブリは正極シート、負極シート及びセパレータで構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間を移動することによって動作する。正極シートは正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極活物質層が塗布された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体を正極タブとする。リチウムイオン電池を例とすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極活物質層が塗布された負極集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない負極集電体を負極タブとする。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。大電流によって溶断が発生しないことを保証するために、正極タブの数は複数であり且つ一体に積層され、負極タブの数は複数であり且つ一体に積層される。セパレータの材質は、ポリプロピレン(polypropylene、PP)又はポリエチレン(polyethylene、PE)等であってもよい。
【0040】
電池の性能を向上させるために、一般的には集電体に対して孔開けを行う手段が用いられる。第1に、多孔構造は集電体の表面に活物質を収容する領域を増加させ、より多くの活物質が細孔内に充填できるようになり、電池のエネルギー密度を向上させることに有利である。第2に、多孔構造は集電体と活物質との間の接着力を向上させることができる。第3に、多孔構造自体は電解液の浸潤に有利であり、電池の加工過程において液注入プロセスの速度を向上させることができ、電池に加工された後、電解液の十分な浸潤はリチウムイオンの通過率を加速させることができ、リチウム電池のレート特性をさらに向上させる。第4に、孔開け後に、リチウムイオンの移動拡散は従来の二次元方向から全方位貫通に変化し、且つ細孔部材に入る活物質と集電体(例えば正極活物質と正極集電体)との接触面が増加し、リチウムイオンの移動半径が縮小して、リチウムイオン電池のレート特性を効果的に向上させる。
【0041】
現在、集電体の孔開けプロセスは一般的にコーティング、露光、現像、エッチング等のステップから構成されている。具体的には、まず、集電体の表面にインクなどの感光性材料がコーティングされる。インクは主に感光性アクリレート、鉱物顔料粒子及びレベリング助剤の3つから構成され、アクリレートは紫外線(ultra-violet ray、UV)ランプで硬化させ且つ酸で腐食しない。次いで、感光性材料がコーティングされた集電体をUV等の露光源により領域ごとに硬化させる。その後、集電体を現像槽に入れて、集電体の表面の未硬化領域中の感光性材料を反応させて、該感光性材料を除去する。同時に、硬化領域中の感光性材料は除去されない。その後、集電体の表面にエッチング液を噴出することで、集電体の表面の未硬化領域をエッチングし、硬化領域には表面に感光性材料があるため、エッチングされない。これにより、集電体の表面に開孔が形成される。
【0042】
上記過程から分かるように、少なくとも4つのステップを経なければ集電体の表面に開孔を形成することができず、プロセス全体が複雑になる。また、上記孔開け手段はコストも高い。例えば、インクは1平方メートルあたり3.5人民元である。
【0043】
これに鑑みて、本願の実施例は、コストが低く簡略化されたプロセスにより開孔構造を効果的に実現することができるエッチング装置を提供する。
【0044】
なお、本願の実施例は集電体の開孔を製造することに用いられるエッチング装置を例として説明するが、本願の実施例はこれに限定されない。例示的に、本願の実施例のエッチング装置はさらに、包装袋及び製品袋に模様、図案等をエッチングすることに用いられてもよい。
【0045】
図2は本願の実施例に係るエッチング装置200の構造概略図である。図2に示すように、該エッチング装置200は多孔ロール210及び押圧ロール220が含まれてもよい。図3に示すように、多孔ロール210は両端が開口した中空構造であり、且つ中空構造内にエッチング液が収容され、多孔ロール210に複数の開孔211が設けられる。押圧ロール220は多孔ロール210に近接して取り付けられ、且つエッチング液の液面の上方に設置され、エッチング対象の金属層230を多孔ロール210の表面に押し付けるために用いられる。
【0046】
多孔ロール210が回転する過程で、エッチング液は複数の開孔211の少なくとも一部の開孔211を介して、少なくとも一部の開孔211と接触している金属層230を連続的に浸漬し、それにより少なくとも一部の開孔211と接触している金属層230を連続的にエッチングする。
【0047】
本願の実施例は、多孔ロール210が設置されることにより、且つ多孔ロール210に複数の開孔211が設けられ且つ内部にエッチング液が収容される。これにより、多孔ロール210が回転する過程で、エッチング液は多孔ロール210の開孔211を介して、開孔211と接触している金属層230を連続的にエッチングすることができ、金属層230に対して開孔を行う目的を実現するだけでなく、エッチング液が金属層230を連続的にエッチングすることで、エッチング液と金属層230との接触時間が長くなり、これにより金属層230を十分にエッチングすることができ、エッチング厚さの要件を満たす。
【0048】
さらに、多孔ロール210に近接する押圧ロール220が設けられることにより、多孔ロール210が回転する過程で、金属層230と多孔ロール210との間の接触圧力を保証することができ、金属層230が多孔ロール210に密着して回転し、それによりエッチング液は金属層230をより十分にエッチングすることができる。また、押圧ロール220はエッチング液の液面の上方に設置され、一方では、エッチング液が金属層230をエッチングする時間を増加させ、他方では、金属層230がエッチング液と連続的に接触する前に、金属層230は多孔ロール210と接触しており、液漏れの問題をできるだけ回避するだけでなく、液漏れによりエッチング液が金属層230の非開孔領域をエッチングしてしまう問題を回避することもできる。
【0049】
図2から分かるように、本願の実施例のエッチング装置200はロールツーロールエッチング装置である。一例として、エッチング装置200のエッチング時間は30sであってもよく、送り速度は毎分1m~毎分5m(1m/min~5m/min)であってもよく、エッチング深さは50um~100umであってもよく、エッチング精度は5um以下であってもよい。
【0050】
なお、本明細書における具体的な例は当業者が本願の実施例をよりよく理解することを助けるためのものに過ぎず、本願の実施例の範囲を限定するものではない。例えば、エッチング装置200のエッチング時間、送り速度、エッチング深さ等は実際の応用に応じて具体的に設定することができる。
【0051】
選択的に、エッチング液は酸性腐食性溶液、アルカリ性腐食性溶液等が含まれてもよいがこれらに限定されない。例えば、エッチング液は酸性の塩化銅、又は過硫酸アンモニウムであってもよい。
【0052】
選択的に、多孔ロール210内に収容されるエッチング液は多孔ロール210に満たされていてもよく、又は、多孔ロール210内のエッチング液の量は多孔ロール210の容積より少なくてもよい。
【0053】
なお、本願の実施例は、多孔ロール210の大きさ及び多孔ロール210の複数の開孔211のうちの各開孔211の大きさ及び形状について具体的に限定しない。例えば、多孔ロール210の複数の開孔211の形状は円形、楕円形、四辺形又は不規則な形状等であってもよい。
【0054】
いくつかの実施例において、多孔ロール210の複数の開孔211のうちの各開孔211の大きさ及び形状は、製造される集電体の開孔の大きさ及び形状と同じであってもよい。このように、エッチング装置200で得られる集電体の開孔と必要とされる開孔が同じであることにより、プロセス全体の精度を向上させる。
【0055】
又は、エッチング液が多孔ロール210の少なくとも一部の開孔211を介して金属層230を連続して浸漬した後、エッチング液が拡散する可能性を考慮すると、多孔ロール210の複数の開孔211のうちの各開孔211の大きさは集電体の開孔の大きさよりわずかに小さくてもよい。
【0056】
エッチング液が金属層230を連続的にエッチングすることにより、金属層230の表面に複数の開孔が形成される。本願の実施例は、金属層230の表面に形成される開孔の割合を具体的に限定せず、実際の応用に応じて具体的に設定することができる。例えば、金属層230の表面に形成される開孔の割合は30%~50%に設定されてもよく、すなわち金属層230は30%~50%の多孔度を有してもよい。金属層230の多孔度が30%~50%に設定されると、大部分の集電体の要件を満たすことができ、エッチング装置200及び集電体の適用性を効果的に向上させる。
【0057】
選択的に、金属層230は従来の集電体上の金属層であってもよい。例えば、従来の集電体が正極集電体である場合、金属層230はアルミニウム箔であってもよい。従来の集電体が負極集電体である場合、金属層230は銅箔であってもよい。
【0058】
電池の高エネルギー密度と軽量化及びフレキシブル性が目標として益々求められていることを考慮すると、銅の密度は8.9g/cm3であり、アルミニウムの密度は2.79g/cm3であり、正負極集電体の総質量は電池の総質量の14%~18%程度を占めているため、電池の高エネルギー密度及び軽量化を追求する要件を満たすことができない。
【0059】
これに基づいて、本願の実施例の金属層230は複合集電体上の金属層であってもよい。複合集電体の中間層はプラスチックフィルムであってもよく、プラスチックフィルムの上表面及び下表面にそれぞれ金属層230がメッキされ、それにより電池を軽量化しエネルギー密度を向上させることができる。プラスチックフィルムはオリエンテッドポリプロピレン(oriented polypropylene、OPP)プラスチック、ポリイミド(polyimide、PI)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene glycol terephthalate、PET)プラスチック、キャストポリプロピレン(cast polypropylene、CPP)プラスチック又はポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVC)プラスチック、及びそれらの誘導体、架橋物及び共重合体のうちの1つ又は複数であってもよい。
【0060】
なお、PETは他のプラスチックフィルムと比較して、高い熱安定性を有する。
【0061】
いくつかの実施例において、図4に示すように、押圧ロール220の数は2つであってもよく、2つの押圧ロール220は多孔ロール210の金属層230の搬送方向の上流及び下流にそれぞれ設置される。この時に、搬送方向の上流に設置された押圧ロール220の位置から始まって、搬送方向の下流に設置された押圧ロール220の位置まで、エッチング液は少なくとも一部の開孔211に接触している金属層230を連続的にエッチングする。
【0062】
選択的に、2つの押圧ロール220は多孔ロール210の両側に対称に設置されてもよい。例えば、2つの押圧ロール220はいずれもエッチング液の液面の上方に設置される。
【0063】
選択的に、2つの押圧ロール220は多孔ロール210の両側に非対称に設置されてもよい。例えば、2つの押圧ロール220のうち一方の押圧ロールはエッチング液の液面の上方に設置され、他方の押圧ロールはエッチング液の液面の下方に設置される。
【0064】
なお、本願の実施例における「上方」は重力方向と反対の方向を指し、「下方」は重力方向を指す。
【0065】
この実施例において、多孔ロール210の軸線に垂直な断面において、2つの押圧ロール220の軸線と多孔ロール210の軸線とを結ぶ線の間の挟角αは最小で10度であってもよい。すなわち2つの押圧ロール220は互いに隣接している。
【0066】
上記技術的解決手段において、押圧ロール220の数は2つに設定され、且つ搬送方向に沿って、2つの押圧ロール220が多孔ロール210の上流及び下流にそれぞれ設置されることにより、多孔ロール210の上流及び下流の位置において、押圧ロール220はいずれも金属層230と多孔ロール210との間の接触圧力を増加させることができ、金属層230を多孔ロール210にさらに密着させて回転させることができる。さらに、多孔ロール210の上流及び下流の位置での液漏れの問題を回避し、エッチング装置200の性能をさらに向上させる。
【0067】
いくつかの実施例において、押圧ロール220は多孔ロール210の軸線の上方に設置されてもよい。
【0068】
例えば、押圧ロール220の数が2つである場合、再び図4を参照すると、2つの押圧ロール220はいずれも多孔ロール210の軸線の上方に設置されてもよい。又は、2つの押圧ロール220のうち一方の押圧ロールは多孔ロール210の軸線の上方に設置され、他方の押圧ロールは多孔ロール210の軸線の下方に設置されてもよい。
【0069】
該技術的解決手段は、押圧ロール220を多孔ロール210の軸線の上方に設置し、多孔ロール210の抱き角を増加させることができ、それによりエッチング液の金属層230に対するエッチング時間を延長し、金属層230をより十分にエッチングすることができ、エッチング厚さの要件をさらに満たす。
【0070】
抱き角とは、ベルトとプーリの接触弧が対向する中心角を指す。抱き角の大きさは、ベルトとプーリ外周表面との間の接触弧の長さを反映する。
【0071】
図2及び図4に示すように、エッチング装置200は上記説明された装置を含む以外に、さらに巻き出しロール270及び巻き取りロール280が含まれてもよい。
【0072】
巻き出しロール270は搬送方向の最上流に設置され、搬送方向に沿って金属層230を搬送することに用いられる。巻き取りロール280は搬送方向の最下流に設置され、エッチングされた金属層230を収集することに用いられる。
【0073】
さらに、エッチング装置200は少なくとも1つの搬送ロールがさらに含まれてもよく、該搬送ロールは搬送方向に沿って、金属層230を多孔ロール210及び押圧ロール220まで搬送し、さらにエッチング液が金属層230を連続的にエッチングした後に、金属層230を多孔ロール210及び押圧ロール220から搬送することに用いられる
【0074】
エッチング装置200が複数の搬送ロールを含む場合、該複数の搬送ロールの大きさは同じであっても異なっていてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0075】
エッチング装置200は液漏れの問題を可能な限り回避することができるが、場合によっては、液漏れが発生する状況を回避することができない。従って、図2及び図4に示すように、本願の実施例のエッチング装置200は液収集装置240がさらに含まれてもよい。
【0076】
ここで、多孔ロール210の少なくとも一部は液収集装置240の中に設けられ、液収集装置240は多孔ロール210から漏出したエッチング液を収集することに用いられる。
【0077】
選択的に、液収集装置240のサイズは多孔ロール210のサイズより大きくてもよく、それにより、一方では、多孔ロール210を液収集装置240の中に設置することができ、他方では、液収集装置240は多孔ロール210から漏出したエッチング液をできるだけ多く収集することができる。
【0078】
選択的に、液収集装置240は液収集槽であってもよい。
【0079】
上記技術的解決手段において、エッチング装置200は液収集装置240を含み、これにより、多孔ロール210からエッチング液が漏出しても、液収集装置240は漏出したエッチング液を収集することができ、エッチング液が飛散して、他の装置を汚染する問題を効果的に回避する。
【0080】
金属層230はエッチング液で連続的にエッチングされた後、表面にエッチング液等の汚染物が付着する可能性がある。これに基づいて、再び図2及び図4を参照すると、エッチング装置200は、多孔ロール210の金属層230の搬送方向の下流に設置され、エッチング液が金属層230を連続的にエッチングした後に金属層230に残留したエッチング液を洗浄することに用いられる洗浄装置250がさらに含まれてもよい。
【0081】
例として、図2及び図4に示すように、洗浄装置250は水洗槽が含まれてもよく、水洗槽内に駆動ローラ及び洗浄液が設けられる。該駆動ローラが金属層230を駆動すると、水洗槽内の洗浄液は金属層230上のエッチング液を洗浄することができる。
【0082】
洗浄液の液面は駆動ローラより高く、即ち駆動ローラは洗浄液に水没していてもよい。これにより、洗浄液は金属層230上のエッチング液を十分に洗浄することができる。当然ながら、駆動ローラの構造の一部だけが洗浄液中に水没していてもよい。
【0083】
選択的に、洗浄液は清浄な水であってもよく、エッチング液を溶解することができる他の液体であってもよい。
【0084】
別の例として、洗浄装置250はシャワーパイプが含まれてもよい。シャワーパイプ内に洗浄液が収容され、シャワーパイプはエッチングされた後の金属層230に洗浄液を噴出するために用いられる。
【0085】
シャワーパイプの数は1つであっても複数であってもよい。シャワーパイプの数が複数である場合、該複数のシャワーパイプは金属層230の両側にそれぞれ設置されてもよい。例えば、洗浄装置250が4つのシャワーパイプを含む場合、該4つのシャワーパイプは金属層230の両側に2つずつ対向して設置されてもよい。
【0086】
選択的に、エッチング装置200は制御システムがさらに含まれてもよく、該制御システムはシャワーパイプの開閉を制御するために用いられる。具体的には、エッチングされた金属層230が洗浄装置250に搬送されるか、又は洗浄装置250の位置に間もなく搬送される時、制御システムはシャワーパイプを開放するように制御し、シャワーパイプは金属層230に洗浄液を噴出することができる。他の時間は、制御システムはシャワーパイプを閉鎖するように制御する。
【0087】
別の例として、洗浄装置250は水洗槽が含まれてもよく、シャワーパイプが含まれてもよい。これにより、洗浄装置250は金属層230に残留したエッチング液を短時間でより十分に洗浄することができ、洗浄効率を効果的に向上させる。
【0088】
上記技術的解決手段において、エッチング装置200内に洗浄装置250が設置され、エッチング液が金属層230をエッチングした後に、金属層230を迅速に洗浄することができ、金属層230に残留したエッチング液や他の汚染物を除去し、エッチング装置200が、そのまま使用できる金属層230を送り出すことに寄与する。
【0089】
洗浄装置250が金属層230に残留したエッチング液を洗浄した後、本願の実施例はさらに洗浄された金属層230を乾燥させてもよい。
【0090】
従って、エッチング装置200は乾燥装置260がさらに含まれてもよく、該乾燥装置260は洗浄装置250の下流に設置され、洗浄装置250が金属層230に残留したエッチング液を洗浄した後に、金属層230を乾燥処理することに用いられる。
【0091】
選択的に、図2及び図4に示すように、乾燥装置260はエアーナイフが含まれてもよく、エアーナイフは洗浄装置250で洗浄された金属層230を風乾することに用いられる。本願の実施例はエアーナイフの数について具体的に限定しない。例えば、エアーナイフの数は1つであってもよい。さらに、例えば、再び図2及び図4を参照すると、エアーナイフ数は2つなどの複数であってもよく、該複数のエアーナイフは搬送方向に沿って金属層230の両側に間隔をあけて設置されてもよい。
【0092】
乾燥装置260はエアーナイフを含む以外に、パイプヒータ(図示せず)が含まれていてもよい。エアーナイフと同様に、パイプヒータも搬送方向に沿って金属層230の両側に間隔をあけて設置される。具体的には、パイプヒータとエアーナイフとの間は互いに間隔をあけて設置され、2つのパイプヒータの間に1つのエアーナイフが設置されてもよく、2つのエアーナイフの間に1つのパイプヒータが設置されてもよい。
【0093】
なお、本願の実施例のパイプヒータ及びエアーナイフの数、及び配置形態は、実際の応用において金属層230に必要な乾燥速度、送り速度等の様々な要因に基づいて設定することができる。例えば、2つの隣接するエアーナイフの間に2つのパイプヒータが設置される。
【0094】
選択的に、乾燥装置260はUVランプが含まれてもよく、該UVランプは、洗浄装置250で洗浄された金属層230に対して特定の波長域の光を照射することができ、それにより清洗された金属層230を乾燥処理する。
【0095】
上記技術的解決手段は、エッチング装置200内に乾燥装置260が設置されることにより、洗浄装置250が金属層230に残留したエッチング液を洗浄した後に、乾燥装置260は金属層230を迅速に乾燥させることができ、金属層230が自然に乾燥することを待つためにエッチング装置200を一定時間停止させる必要がなく、装置全体の処理速度を向上させる。
【0096】
さらに、エッチング装置200は液導入装置(図示せず)がさらに含まれてもよく、該液導入装置は多孔ロール210の両端開口のうちの少なくとも1つの開口を介して、多孔ロール210の中空構造内にエッチング液を導入することに用いられる。
【0097】
選択的に、液導入装置は、エッチング装置200を作動させる前に、多孔ロール210内にエッチング液を導入することができる。
【0098】
金属層230をエッチングする過程で、液漏れ等でエッチング液が消費される可能性があるため、液導入装置はさらにエッチング装置200の作動中に、多孔ロール210内にエッチング液を導入することができる。
【0099】
エッチング液を節約し、さらに集電体の開孔の製造コストを低下させるという目的を実現する。本願の実施例において、液導入装置は液収集装置240に接続されてもよく、それにより液収集装置240が収集したエッチング液を液導入装置に送ることができ、液導入装置はさらに、液収集装置240から得られたエッチング液を多孔ロール210の中空構造内に導入する。
【0100】
これにより、エッチング液の再利用を実現することができ、集電体の開孔の製造コストを低下させる。
【0101】
選択的に、液導入装置はポンプであってもよいが、これに限定されない。
【0102】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、種々の改良を行い、その構成要素を等価物に置換することができる。特に、各実施例で言及した各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、いずれも任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】