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2024-535315密閉環境内における製品の保存のための向上した調湿用品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】密閉環境内における製品の保存のための向上した調湿用品
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20240920BHJP
   A23L 3/00 20060101ALI20240920BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B01D53/26 300
B01D53/26 210
A23L3/00 101A
A23L3/36 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517539
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022043985
(87)【国際公開番号】W WO2023044106
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,316
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524104686
【氏名又は名称】ボベダ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オシェイ、ティナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】リリー、ジャスティン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】グエン、ジョン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】エッセ、ロバート エル.
(72)【発明者】
【氏名】デブリーズ、ジョナサン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ライス、ブライアン
【テーマコード(参考)】
4B021
4B022
4D052
【Fターム(参考)】
4B021LA12
4B021LW03
4B021LW04
4B021LW05
4B021LW10
4B021MQ05
4B022LA01
4B022LA06
4B022LB02
4B022LJ06
4B022LP02
4B022LT10
4D052AA09
4D052CA03
4D052CA06
4D052FA03
4D052GA04
4D052GB00
4D052HA11
4D052HA12
4D052HA15
4D052HA27
4D052HA33
4D052HA34
4D052HA35
4D052HA49
4D052HB01
(57)【要約】
調湿するための用品及び方法が、添加剤と組み合わせた、塩及び/又は糖の飽和水溶液であって、飽和水溶液のすべての成分が食品グレードである、飽和水溶液を含む。用品は、飽和水溶液及び/又は吸収パッドを入れる、可撓性パウチなどの容器を含んでも又は含まなくてもよい。パウチ又は他の容器は、例えば透湿性且つ液体不透過性である材料から作製され得、飽和水溶液は、増粘剤をさらに含む。いくつかの実施例では、飽和塩水溶液の成分は、用品容器の種々の区画に別個に収容され、使用者が用品を活性化させて成分をともに混合することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調湿用品であって、
添加剤と組み合わせた、塩及び/又は糖の飽和水溶液を含み、
前記飽和水溶液のすべての成分が食品グレードである、調湿用品。
【請求項2】
前記飽和水溶液を入れる可撓性パウチであって、透湿性且つ液体不透過性である材料を含む、可撓性パウチをさらに含む、請求項1に記載の調湿用品。
【請求項3】
前記飽和水溶液は、増粘剤をさらに含む、請求項2に記載の調湿用品。
【請求項4】
前記パウチ内に吸収パッドをさらに含む、請求項2に記載の調湿用品。
【請求項5】
前記飽和水溶液は、増粘剤を含まない、請求項4に記載の調湿用品。
【請求項6】
前記吸収パッドは、吸い取り紙を含む、請求項4に記載の調湿用品。
【請求項7】
前記吸収パッドは、レーヨン材料を含む、請求項4に記載の調湿用品。
【請求項8】
前記調湿用品は、吸収パッドをさらに含み、前記飽和水溶液は、包装パッケージなしに前記吸収パッドの孔によって収容される、請求項1に記載の調湿用品。
【請求項9】
前記調湿用品は、第1の区画及び別個の第2の区画を含むパッケージであって、前記第1の区画及び前記第2の区画が互いに連通していない、パッケージをさらに含み、
使用者による活性化前、前記飽和塩水溶液の1つ又は複数の第1の成分を含む、前記飽和塩水溶液の第1の部分が、前記第1の区画内に収容され、
前記飽和塩水溶液の1つ又は複数の第2の成分を含む、前記飽和塩水溶液の第2の部分が、前記第2の区画内に収容され、
前記第1の部分及び前記第2の部分は、使用者による活性化によって組み合わされて前記飽和水溶液を形成する、請求項1に記載の調湿用品。
【請求項10】
前記第1の区画は、水を収容し、前記第2の区画は、水を収容しない、請求項9に記載の調湿用品。
【請求項11】
前記第2の区画は、前記塩及び/又は前記糖を収容する、請求項10に記載の調湿用品。
【請求項12】
前記飽和水溶液は、ゼラチン、ペクチン又はガムをさらに含む、請求項1に記載の調湿用品。
【請求項13】
前記飽和水溶液を封入する容器がない、請求項12の調湿用品。
【請求項14】
前記調湿用品は、前記飽和水溶液中の水の低減に応じて固化し、前記飽和水溶液は、ソルビトールをさらに含む、請求項1に記載の調湿用品。
【請求項15】
密閉容器又はパッケージ内において調湿する方法であって、前記方法は、
調湿用品を前記容器又は前記パッケージ内に配置することであって、前記調湿用品は、添加剤と組み合わせた、塩及び/又は糖の飽和水溶液を含む、調湿用品を配置することと、
前記調湿用品を有する前記容器及び前記パッケージを密閉することと、
を含み、
前記飽和水溶液のすべての成分が食品グレードであり、
密閉された前記容器は、消耗製品も有する、方法。
【請求項16】
前記消耗製品は、食品又は医薬品を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
封入された前記調湿用品と一緒に、前記容器又は前記パッケージを冷蔵庫又は冷凍庫内に保管することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
調湿する方法であって、
調湿用品を活性化させることであって、前記調湿用品は、
第1の区画及び第2の区画を含む容器であって、
前記第1の区画は、水を含む内容物を収容し、
前記第1の区画から分離された、前記第2の区画は、塩及び/又は糖を含む内容物を収容する、第1の区画及び第2の区画を含む、容器を含み、
前記調湿用品を活性化させることは、相対湿度を調整するように構成された飽和溶液を形成するために前記第1の区画の前記内容物及び前記第2の区画の前記内容物を一緒にせしめるように前記容器を手動で変更することを含む、調湿用品を活性化させることと、
活性化した前記調湿用品を調湿が望まれる場所に配置することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記容器を手動で変更することは、前記第1の区画及び/又は前記第2の区画を破断することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記容器は、前記第1の区画と前記第2の区画との間に閉鎖通路をさらに含み、前記容器を手動で変更することは、前記第1の区画と前記第2の区画との間の前記通路を開放することを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調湿用品及び調湿方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において提供される背景説明は、本開示の文脈を一般的に提示するためのものである。ここに名を記載されている発明者らの業績は、この背景技術の項において説明される範囲において、出願時に別のかたちで従来技術と見なされ得ない説明の態様とともに、本開示に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められるものではない。
【0003】
多くの製品及び物品が湿度調整環境から恩恵を受ける。特に、多くの製品及び物品は、特定の範囲内又は特定のレベルにある相対湿度などの湿度含有量を有する環境から恩恵を受ける。製品及び物品によっては、湿度が多すぎる又は少なすぎる環境に晒されると、だめになり、損なわれ、使えなくなり、又は鮮度を失う可能性がある。例えば、シガー又はばらタバコなどのタバコ製品が湿度調整環境から恩恵を受けることができる。同様に、ばら大麻(loose cannabis)、予め巻かれた大麻製品又は他の製品などの大麻製品が、湿度調整環境から恩恵を受けることができる。薬剤製品又は医薬製品が湿度調整環境から恩恵を受けることができる。食品もまた、そのようか環境から恩恵を受け得る。弦楽器などの楽器もまた、そのような環境から恩恵を受けることができる。多くの他の製品及び物品も同様に湿度調整から恩恵を受け得る。
【0004】
さらに、製品によっては、消費者に変わらず安全であるようにするために特定の湿度レベル又は範囲を必要とし得る。例えば、製品によっては、消費者に安全であることを保証するために特定の湿度レベル以下に保たれる必要があり得る。いくつかの場合において、特定の規則、規定、又は製品規格若しくは仕様が、製品についての安全な又は所要の湿度レベル又は湿度範囲を指定することがある。製品についての所望又は所要の湿度レベル又は範囲を維持するのを助けるために、そのような製品又は物品が保管される製品パッケージ又は容器内における湿度レベルを調整することが望ましいであろう。従来、製品には、製品パッケージ環境を除湿するために乾燥剤又は吸湿材が提供されている場合が多い。しかしながら、乾燥剤だけでは湿度を所望の範囲内又は所望の量に調整しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仮出願第63/245,316号
【特許文献2】米国特許第9,750,811号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な実施例が、調湿するための用品及び方法を含む。いくつかの実施例では、調湿用品が、添加剤と組み合わせた、塩及び/又は糖の飽和水溶液であって、飽和水溶液のすべての成分が食品グレードである、飽和水溶液を含む。用品は、飽和水溶液を入れる、可撓性パウチなどの容器を含んでも又は含まなくてもよい。そのようなパウチは、例えば透湿性且つ液体不透過性である材料から作製され得る。いくつかの実施例では、飽和水溶液は、増粘剤をさらに含む。
【0007】
いくつかの実施例では、調湿用品は、パウチ内に吸収パッドも含み得る。いくつかのそのような実施例では、飽和水溶液は、増粘剤を含まない。吸収パッドは、例えば、吸い取り紙又はレーヨン材料であり得る。他の実施例では、調湿用品は、吸収パッドを含んでもよく、飽和水溶液は、包装パッケージなしに吸収パッドの孔によって収容され得る。
【0008】
他の実施例では、調湿用品は、互いに連通していない2つの別個の区画を有するパッケージを含んでもよい。使用者による活性化前、飽和水溶液の成分が2つの区画間に分離され得る。飽和塩水溶液の1つ又は複数の第1の成分を含む、飽和塩水溶液の第1の部分が、第1の区画内に収容され、飽和塩水溶液の1つ又は複数の第2の成分を含む、飽和塩水溶液の第2の部分が、第2の区画内に収容される。使用者による活性化によって第1の部分及び第2の部分が併せられると、飽和水溶液が形成される。例えば、第1の区画は、水を収容し得、第2の区画は、水を収容しない。いくつかのそのような実施例では、第2の区画は、塩及び/又は糖を収容し得る。
【0009】
いくつかの実施例では、飽和水溶液は、ゼラチン、ペクチン又はガムも含む。いくつかのそのような実施例では、飽和水溶液を封入する容器はない。
【0010】
いくつかの実施例では、飽和水溶液は、ソルビトールも含み、調湿用品は、飽和水溶液中の水の低減に応じて固化する。
【0011】
他の実施例は、密閉容器又はパッケージ内などにおいて調湿する方法を含む。いくつかの実施例では、方法は、上述した調湿用品のいずれかを容器又はパッケージ内に配置することと、その容器を密閉することとを含む。調湿用品の成分のすべてが食品グレードであり得、パッケージ又は容器は、食品又は医薬品などの消耗製品も含み得る。方法は、封入された調湿用品と一緒に、密閉された容器又はパッケージを冷蔵庫又は冷凍庫内に保管することをさらに含み得る。
【0012】
他の方法は、互いから分離されている第1の区画及び第2の区画を含む調湿用品を活性化させることを含む。第1の区画は、水を収容し得、第2の区画は、塩及び/又は糖を収容し得る。使用者は、飽和水溶液を形成するために第1の区画の内容物及び第2の区画の内容物を一緒にせしめるように容器を手動で変更することによって調湿用品を活性化させることができる。使用者は次いで、活性化した調湿用品を調湿が望まれる場所に配置することができる。例えば、使用者は、第1の区画及び/又は第2の区画を破断することによって容器を手動で変更することができる。他の実施例では、容器は、第1の区画と第2の区画との間に閉鎖通路をさらに含み得、使用者は、第1の区画と第2の区画との間の通路を開放することによって容器を手動で変更することができる。
【0013】
本明細書は、本開示の様々な実施例を形成するものとみなされる主題を特に指摘するとともに明確に特許請求する特許請求の範囲で完結するが、本発明は添付の図面と併せて以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】様々な実施例による調湿用品の断面図である。
図2】様々な実施例による調湿用品の透視側面図である。
図3】様々な実施例による調湿用品の透視上面図である。
図4図3の調湿用品の相互関係の(transactial)側面図である。
図5】実験1からの香り強度対水分活性のグラフである。
図6】実験1からの香りの心地よさの結果を示す棒グラフである。
図7】実験2からの試料中のテルペンの量を示す棒グラフである。
図8】実験2からの試料中のモノテルペンの量を示す棒グラフである。
図9】実験2からの試料中のリモネンの量を示す棒グラフである。
図10】実験2からの試料中のミルセンの量を示す棒グラフである。
図11】実験2からの試料中のセスキテルペンの量を示す棒グラフである。
図12】Boveda調湿用品を用いた-17.8℃(0度F)での経時的な調湿のグラフである。
図13】Boveda調湿用品を用いた0℃(32度F)での経時的な調湿のグラフである。
図14】Boveda調湿用品を用いた22.2℃(72度F)での経時的な調湿のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願は、「Enhanced Moisture Control Devices for the Preservation of Products in Closed Environments」と題する仮出願第63/245,316号に対する優先権を主張し、この仮出願の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施例が、改善された及び向上した調湿用品を含む。調湿用品は、飽和塩水若しくは飽和砂糖水などの溶液のような、又は、液体不透過性でもあり得る透湿性などの容器内に封入されたゲルのような調湿成分を含む。容器は、例えば、サシェ若しくはパケットなどの可撓性容器、又は、カプセル若しくはチューブなどのより剛性の容器であってもよい。調湿用品は、望まれない乾燥又は望まれない加湿を防ぐために製品を所望のレベル又は湿度に維持するのに使用され得る。
【0016】
タバコ及び大麻並びに他の消耗品などの消耗物品の環境における、また、楽器のような木製物品、芸術作品、銃保管庫などの保管庫、銃、及び、野球カードのようなスポーツ・メモラビリア・カードなどの紙ベースの製品を含む収集価値のある製品などの、劣化を受けやすい非消耗物品の環境における湿度を調整するために様々な実施例が用いられ得る。様々な実施例がともに用いられ得る食品物品には、コーヒー、紅茶、果物、野菜、及び、グミ・キャンディのようなキャンディがある。様々な実施例はまた、ナッツなどの食品の鮮度及び歯ごたえのある特性、並びに、野菜などの食品の歯ざわりのよい鮮度を維持する、又は、製品の他の品質を高めるのに用いることができる。様々な実施例は、大麻、麻、並びに大麻製品及び麻製品とともに用いられ得る。
【0017】
様々な実施例は、食品及び他の製品についての環境における相対湿度を調整する用品を提供する。いくつかの実施例では、調湿溶液のすべての成分が食品グレードであり得、本質的に無臭であり得る。調湿溶液の成分のすべて及び/又は用品の成分のすべては、無臭であるように選択され得る。いくつかの実施例では、無臭の調湿溶液は、グリセリンを含み得、及び/又は乳酸塩を除外し得る。
【0018】
本発明のいくつかの実施例は、食用塩若しくは糖などの溶質の飽和水溶液、又は、調湿用品付近のスペースにおいて所望の相対湿度及び/又は特定の相対湿度、或いは特定の範囲の相対湿度をつくり出すのに役立ち得る別の可溶性化合物を用いてもよい。溶液は、飽和塩溶液のような流体形態で実質的な量の水を含み得る。溶液は、アルギン酸塩又はキサンタンなどのゲル形成材料をさらに含み得る。植物性ガムと、水と、塩との組み合わせが、高粘性流体を提供する。粘性溶液がいくつかの実施例ではポリマーパウチに収容され得る。ポリマーパウチは、ポリスチレン薄膜(高密度又は低密度)、延伸ポリスチレンなどであり得る。パウチは、紙に積層されたフィルム、不織ポリエステル、又は任意の適切な基体から作製され得る。パウチは、ナイロン・フィルムであっても又はスチレン-ブチレンコポリマーであってもよい。溶液は、可溶性ガム(アルギン酸、キサンタン、ペクチン)、タンパク質ゲル(卵白、ゼラチン)及び/又は無機ポリマー(ケイ酸塩)を含む親水コロイドであり得る。パウチは、溶液中に分散された又は溶液から分離された酸素除去物質をさらに収容し得る。
【0019】
様々な実施例は、例えば、水蒸気の形態でフィルムを通る水分の移動を可能にするのに十分に透過性があるが液体水の漏出を防ぐのに十分に厚い壁を有する、折り返された又は封止された外縁を有する可撓性フィルム容器の形態であるようなポリマーパウチ又はパケットと、有機溶質又は無機溶質(例えば塩又は糖)及び水並びに植物性ガムなどの他の任意選択的な成分を含む溶液とを含む、調湿用品を含む。調湿用品はいくつかの実施例では、溶質と水とを組み合わせたものの中に分散された酸素除去物質を含んでもよく、任意選択的に、例えば植物性ガムを含んでもよい。調湿用品は任意選択的に、複数の開口を有するケースを含んでもよい。
【0020】
様々な実施例において用いられ得る調湿用品の一実例を図1に示す。この例では、調湿用品100はパケットであり、接着剤又はヒート・シールによるなど、周囲を互いに対して接続される底部層110及び上部層130であって、これら2つの層間に調湿剤120を封入する、底部層110及び上部層130を含む。底部層110及び上部層130は、同じ材料を有しても又は異なる材料を有してもよい。両方の層のうちの底部層110又は上部層のどちらかは、本明細書において説明されるように透湿性且つ液体不透過性であり得る。
【0021】
飽和溶液は過剰な溶質(例えば、塩結晶又は糖結晶)を含み得、いくつかの実施例では、増粘剤により、より粘性にされ得る。いくつかの実施例では、溶液は、タバコ製品、大麻製品又は麻製品などの製品に水蒸気を放出する際、そのマトリックス内に大きな結晶を形成しない。例えば、結晶を形成しないそのようないくつかの製品は、結晶形成を低減又は防止し得るグリセリンを含み得、無臭であり得る。いくつかの選択状況では、脱酸素剤又はエチレン吸収剤などの殺菌剤又は阻害剤、及び/又は少量の緩衝塩混合物が望ましいことがある。
【0022】
様々な実施例において使用される溶液は、少なくとも水中において20%の溶質(溶液重量における溶質の重量パーセント)で飽和溶液を有する任意の適切な溶質と、多くとも水中において75%の溶質(溶液重量における溶質の重量パーセント)で飽和溶液をもたらす任意の溶質とを、例えば25~80%の可溶性の範囲で含み得る。例えば、飽和溶液は、重量で、60%の溶質及び40%の水~30%の溶質及び70%の水、又は、5%ほどの低い溶質及び90%ほどの高い溶質の範囲の飽和溶液まで含み得る。適切な溶液の1つの実例として、硝酸アンモニウム及び塩化カリウムの50/50の組み合わせが挙げられ得る。この溶液は、70%よりも僅かに少ない相対湿度をもたらし得る。いくらかの酸(例えば、2%のクエン酸)を添加してpHを例えばpH5以下に下げて、任意の遊離アンモニアをアンモニア・イオンに変換してもよい。
【0023】
いくらかの糖が調湿剤としての使用に適切であり得る。スクロース、グルコース及びフルクトースが環境的に持続可能であり、例えば使い捨てパウチによく機能する。塩化ナトリウムが、その湿度(CA75%)、良好な可溶性(25%)、非毒性、及びコストにより、大範囲の用途に使用される好ましい塩のうちの1つである。異なる湿度が望ましい場合、他の塩又は溶質が単独で又は組み合わせて使用されてもよい。
【0024】
様々な実施例の塩溶液及び糖溶液は、植物性ガム又は他の親水コロイドなどの増粘剤により粘り気を濃く(thicken)され得る。増粘剤は、プロセス配合前に予め水和させられても又は製造プロセスの一環として水和されてもよい。増粘剤は、濃厚塩溶液中での使用のためのその適合のために選択され得る。有用なシックナーは、プロピレングリコールアルギネート及びブライン耐性キサンタン(brine tolerant xantahan)を含む。他の使用できる植物性ガムとしてとりわけ、ペクチン、グアー、アラビアガム(arabic)、トラガカント、スターチ、タンパク質ゲル、卵白、変性セルロース、又はアルミナが挙げられるが、これらに限定されない。使用できるいくつかの微生物ガムとして、ジェラン及びキサンタンが挙げられるがこれらに限定されない。使用され得るいくつかの海藻ガムとして、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カルシウムなどのアルギン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。使用できるいくつかの合成ガムは、カルボキシメチルセルロース、プロピレングリコールセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC:hydroxypropyl methylcellulose)である。これらのガムの多くは飽和塩溶液に対して不安定シックナーであり得、結果として生じる、飽和塩溶液の離漿が、パウチ・シールの略100%の完全性を必要とし得る。全溶液の0.5~2%の濃度が、実際のゲルに許容可能である2500mPa・S(2500cps(センチポアズ))を超える粘度範囲を与え得る。そのような粘度は、パウチを溶液で充填する間、過剰な溶質の均一な懸濁を維持するのに十分である。製造目的のため、揺変性又は剪断薄化ゲルが使用されてもよい。1500mPa・S~7500mPa・s(1500cps~7500cps)の間又は1500mPa・S~15000mPa・s(1500cps~15000cps)の間の粘度が機能するが、2500mPa・s(2500cps)未満の粘度がシームにおける適切なシールとともに用いられ得る。使用される材料及び包装の種類に応じて粘度の最適な範囲は様々であってもよい。例えば、飽和パッドのような飽和材料を含む調湿用品について、粘度は約0~400mPa・s(約0~約400cps)であり得る。可撓性外側包装を有する調湿用品について、粘度は約400~約1800mPa・s(約400~約1800csp)であり得る。剛性外側包装を有する調湿用品について、粘度は約1800~約5000mPa・s(約1800~約5000csp)であり得る。非流動ゲルを形成する親水コロイド系も使用できる。いくつかの実施例では、飽和塩又はポリヒドロキシ有機化合物スラリーが、1mPa・s~10,000mPa・s(1cps~10,000cps)の粘度を有し得、0.1%~2%の増粘剤を使用することによって調整され得る。
【0025】
塩溶液を準備するのに様々な塩が使用されてもよい。例えば、溶質は、塩化ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどの単塩、又は50/50若しくは他の割合の塩化カリウム及び硝酸アンモニウムなどの塩の混合物、又はスクロースなどの糖のような非イオン性化合物であり得る。別の実例として、重量でおよそ50/50の塩化カリウムと硝酸アンモニウムとの組み合わせ又は炭酸アンモニウムと塩化カルシウムとの組み合わせが適切である。
【0026】
用品の水分活性調整製剤(formula)が、所望の相対湿度/水分活性調整を達成するために、いくつかの異なるアニオン及びカチオンのいずれかから構成される飽和塩スラリーを水中で単独で又は添加剤とともにほとんどすべての組み合わせで含み得る。略すべての組み合わせでのいくつかの異なるアニオン及びカチオンを組み合わせて、所望の塩溶液を生成することができる。例えば、酢酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、臭化物、塩化物、リン酸二水素、フッ化物、ギ酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩及び硫酸塩などの一塩基性アニオンが使用され得る。使用され得るアニオンとして、炭酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、リン酸一水素、リン酸、コハク酸、及び硫酸などの多塩基酸の塩も挙げられる。使用され得る他のアニオンとしてとりわけ、リン酸二水素、重炭酸塩、炭酸塩、硫酸塩、及び重硫酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。使用され得るカチオンとしてとりわけ、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、ストロンチウム、及びバリウムが挙げられる。使用することができる多塩基酸のいくつかは、例えば、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、及びコハク酸である。使用され得る多塩基酸の塩として、クエン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、及び酒石酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
水分活性調整製剤は、グリセリン、糖、又は糖アルコールなどのポリヒドロキシ有機化合物を含み得る。糖、糖アルコール、多塩基酸、及び多塩基酸の塩もまた、所望の溶液を生成するのに使用されてもよい。使用され得る糖のいくつかは、スクロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マルトース、ラクトースなどである。使用され得る糖アルコールのいくつかは例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、及びエリスリトールである。使用され得る他のポリヒドロキシ有機化合物として、グリセリン及びプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
いくつかの異なる化合物が、溶液を生成するのに使用できる。以下の列挙、すなわち、塩素酸鉛、過塩素酸鉛、塩化マンガン、硝酸第二水銀、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、塩化アンモニウム、無水リン酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、臭化バリウム、硫酸コバルト、硫酸銅、亜硝酸銅、硫酸第一鉄、及び臭化第二鉄がもっぱら、使用できる化合物の部分的な列挙である。アニオンのいくつかの組み合わせは、pHがpH7.0の塩基側又は酸側のどちらかに維持されていない限り、反応性である可能性があり、したがって、望ましくない反応を防ぐのに適切な緩衝系が必要とされる。
【0029】
いくつかの実施例では約74%の相対湿度を提供するのに塩化ナトリウムの溶液が使用され得る。本明細書において説明される相対湿度測定値は、21.1℃(70°F)で計算される。湿度が74%未満に下がり始めると、塩溶液は、空気が74%の相対湿度に達するまで空気に水分を提供するために水を手放す。水蒸気がポリマーパウチの壁を通って移動する(及び、保護パウチ・ケースが存在する場合はその保護パウチ・ケースにおける様々な開口を通って出る)。他方で、本用品を囲む空気中の水分が74%相対湿度を超えて上昇すると、塩溶液は、空気から水分を取り込み、相対湿度をおよそ74%に下げる。約74%の相対湿度を提供するために、塩化ナトリウムの過剰な固体結晶を有する塩化ナトリウム溶液が使用されてもよい。
【0030】
単一の溶質及び溶質の混合物の場合で考えられ得る湿度レベルのいくつかの実例を、以下に列挙する。90%以上の範囲の湿度レベルを生成/維持するいくつかの溶質は、硫酸カリウムで97%、硝酸カリウムで92%、ヨウ化セシウムで91%、及び塩化バリウムで90%である。80%~89%の湿度レベルを生成/維持するいくつかの溶質は、塩化カリウムで84%、スクロースで84%、硫酸アンモニウムで81%、及び臭化カリウムで81%である。70%~79%の間の湿度レベルを生成/維持するいくつかの溶質は、硝酸ナトリウムで74%、塩化ナトリウムで74%、及び塩化ストロンチウムで71%である。60%~69%の間の湿度レベルを生成/維持するいくつかの溶質は、ヨウ化カリウムで69%及び亜硝酸ナトリウムで66%である。50%~59%の間の湿度レベルを生成/維持するいくつかの溶質は、臭化ナトリウムで58%、重クロム酸ナトリウムで55%、及び硝酸マグネシウムで53%である。40%~49%の間の湿度レベルを生成/維持する溶質は、炭酸カリウムで44%である。30%~39%の間の湿度レベルを生成/維持するいくつかの溶質は、ヨウ化ナトリウムで38%及び塩化マグネシウムで33%である。20%~29%の間の湿度レベルを生成/維持する溶質は、塩化カルシウムで29%である。6%~18%の間の湿度レベルを生成/維持するいくつかの溶質は、ヨウ化リチウムで18%、塩化リチウムで11%、水酸化カリウムで9%、臭化亜鉛で8%及び臭化リチウムで6%である。
【0031】
任意の相対湿度を実質的に得るために他の塩又は塩の組み合わせを使用することができる。例えば、等モル部分の塩化ナトリウム、亜硝酸カリウム及び亜硝酸ナトリウムの溶液が、31%の相対湿度を有する。別の実例として、塩化アンモニウム及び硝酸カリウムの溶液が、72%の相対湿度を有する。別の適切な溶質は、重量で2部の塩化ナトリウム及び1部の亜硝酸ナトリウムを含み、その結果として71%の相対湿度が得られる。他の実施例は、32%未満の相対湿度を提供し得る。さらに他の実施例は、84%超の相対湿度を提供し得る。
【0032】
飽和溶液の成分は、所望の相対湿度又は相対湿度範囲を達成するように選択され得る。例えば、溶液は、封止容器内で用品を囲む空気中の相対湿度、したがって、大麻製品又は麻製品などの製品の水分活性を、約10%の相対湿度から約90%の相対湿度まで、又は約55%の相対湿度から約65%の相対湿度まで調整するように選択され得る。いくつかの実施例では、特定の溶液が、60%の相対湿度などの、特定の所望の相対湿度を達成するように選択され得る。
【0033】
相対湿度の正確な調整は、例えば、タバコ製品、大麻製品及び麻製品の様々な品質を高め得るだけでなく、保存も改善し得る。例えば、用品の水分活性製剤が、周囲の相対湿度、したがって、タバコ、大麻及び麻並びにそれらの製品を加工及び保管するのに通常用いられる温度に、タバコ製品、大麻製品及び麻製品の水分活性を調整し得る。いくつかの実施例では、用品の水分活性製剤は、大麻、麻又は大麻製品若しくは麻製品などの、保護又は保存されるべき製品を囲む封止容器の雰囲気中における相対湿度の迅速な平衡をもたらすように配合された他の添加剤とともに水中で飽和塩のスラリーを含み得る。
【0034】
いくつかの実施例では、1つ又は複数の成分が硬化剤として溶液に添加され得る。
【0035】
いくつかの実施例では、用品は任意選択的に、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、調湿溶液と組み合わせられても又は別個であってもよい。使用され得る界面活性剤の実例として、アニオン界面活性剤、中性界面活性剤、及びカチオン界面活性剤が挙げられる。使用され得るアニオン界面活性剤は、とりわけ、アンモニウムカチオン、ナトリウムカチオン、又はカリウムカチオンなどのカチオンと対になった脂肪酸アニオンを含む。使用され得る中性界面活性剤は、ポリマーエチレンオキシド系(polymeric etylene oxide-based)界面活性剤を含む。使用され得るカチオン界面活性剤は、アニオンの中でもとりわけ、塩化物アニオンと対になった第四級アンモニウム系界面活性剤を含む。いくつかの実施例では、界面活性剤は、相変化を含むとともに水の放出を増し得る、例えば、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレート(PSML:polyethoxylated sorbitan monolaurate)及び/又はポリエトキシル化ソルビタンステアレートであり得る。いくつかの実施例では、界面活性剤は、水分活性調整製剤を囲む相対湿度、したがって、大麻、麻又は大麻製品若しくは麻製品などの製品の水分活性の平衡を促進させるために、0.005%~1%の濃度で水分活性調整製剤中に存在し得る。
【0036】
他の実施例では、用品は任意選択的に、消泡剤又は非界面活性剤(anti-surfactant)を含んでもよい。消泡剤又は非界面活性剤は、調湿溶液と組み合わせても又は別個であってもよい。使用され得る消泡剤又は非界面活性剤の実例は、シリコーン系消泡剤を含む。消泡剤は、界面活性剤を含む溶液中で起こり得るような泡立ち又は発泡を抑えるなどのために、用品の製造時に加工助剤として働き得る。いくつかの実施例では、非界面活性剤は、約0.01%~0.1%、例えば約0.05%の濃度で水分活性調整製剤中に存在し得る。
【0037】
成分の特定の配合及び組み合わせにより用品が提供する調湿は、タバコ、大麻及び麻並びにそれらの製品などの製品の品質及び保存を改善し得る。いくつかの実施例では、用品は、大麻中に見られるテルペン及び他の有機植物材料などのテルペンの保存を改善し得る。用品は、香りの維持の改善及び/又は香りの向上も提供し得る。用品は、タバコ、大麻又は麻が保管される環境において適切なレベルの相対湿度を提供することによってこれをなし得る。例えば、テルペン及びその香りがタバコなどの製品においてよりよく維持され得るとともにより心地のよいものとなり得、例えば、65%、69%、72%又は75%の相対湿度を製品が維持するのを助け得る。同様に、テルペン及びその香りが例えば大麻においてよりよく維持され得るとともにより心地のよいものとなり得、製品安全のために微生物の抑制を依然として維持しつつ、およそ62%の相対湿度を大麻が維持するのを助け得る。いくつかの実施例では、調湿用品は、調湿なしで保管されるタバコ、大麻又は麻に比べて20倍、タバコ、大麻又は麻を保管するとともに香りの維持を改善するのに使用され得る。
【0038】
いくつかの実施例では、調整された相対湿度でタバコ、大麻又は麻を保管することは、製品において、より心地よい香りの知覚を増大させ得る。本明細書において開示される調湿用品と一緒に保管された後で材料が粉砕されると、大麻及び麻において、例えば、木の匂い、ハーブの匂い及び果物の匂いなどの香りがより顕著になり得る。
【0039】
加えて、又は代替的に、用品は、テルペン含有量の質又は量を維持しても又は製品のテルペンを高める成分を含んでもよい。例えば、用品は、添加テルペンを含み得る。添加テルペンは、調湿溶液中に存在しても又は用品における調湿溶液とは分離されていてもよい。代替的に、又は追加的に、用品は、調湿溶液中にテルペン前駆体を含んでも、及び/又は調湿溶液とは別個であってもよい。いくつかの実施例では、用品は、製品が保管される環境の相対湿度を調整することによって製品の大麻含有量の質及び量を維持し得る。いくつかの実施例では、用品は、製品が保管される相対湿度を調整することによって製品のフラボノイド含有量の質及び量を維持し得る。いくつかの実施例では、用品は、製品の色を維持し得る。
【0040】
いくつかの実施例では、用品は、相補的な化合物である成分を含み得る。例えば、用品は、テルペンに相補的である化合物を含み得る。いくつかの実施例では、用品は、鮮度の知覚を増加させるために相補的な化合物を含み得る。
【0041】
いくつかの実施例では、1つ又は複数の成分が溶液に添加されて、食品物品などの製品の鮮度及び保存を高め得る。例えば、1つ又は複数のカビ抑制剤が溶液中に含まれ得る。例えば、調湿溶液中におけるソルビン酸カリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどの防カビ剤の存在が、カビ増殖を抑制し得る。加えて、カビ増殖をさらに低減させるために、グラフィックスが湿度調整器に適用される場合、湿度調整器の外側にソルビン酸カリウム又は他の抑制物質の濃縮溶液がプリントされ得る。例えば、ソルビン酸カリウム又は他の抑制物質は、湿度調整器の外側におけるプリント用途において約.005%~約.03%の濃度で存在し得る。
【0042】
他の実施例では、調湿用品がもたらす鮮度及び保存は、ガスの放出を抑制する機作により高められてもよい。調湿用品は、硬化剤を含み得る。他の実例では、調湿用品は、熟成抑制剤を含んでもよい。いくつかの実施例では、硬化剤は、熟成抑制剤であり得る。様々な実施例において使用され得る熟成抑制剤の実例は、マンガン酸塩及び他のエチレン吸収成分(ethlene absorbing components)を含む。熟成抑制剤の使用は、包装食品、特に、果物及び野菜などの新鮮な食品が、傷むまでにより長く保管されることを可能にし得る。いくつかの実例では、調湿剤はCOを放出し得る。
【0043】
労力を減らすために硬化時にタバコ、大麻及び/又は麻と一緒に含まれ得る調湿用品にエチレン吸収剤が使用され得る。硬化は典型的に、気密容器でのタバコ、大麻又は麻の保管を或る時間必要とし、その間、エチレンなどのガスが植物材料から容器に放出され、それらガスを逃がす(burp)ために容器を開けてから再び閉じることによってガスが周期的に放出されねばならない。容器からガスを逃がす必要性を減らす又はなくすために、エチレン吸収剤などのガス吸収剤を有する調湿用品が、タバコ、大麻又は麻と一緒に容器内に配置され得る。
【0044】
他の実施例では、不活性ガスの使用により、放出されるガスの影響が最小限にされてもよい。製品のヘッドスペースが、酸素及び/又はエチレンを置き換えるために、また、製品パッケージ内、例えば製品パッケージのヘッドスペース内に提供され得るエチレン吸収剤を任意選択的に含み得る調湿用品を置き換えるために、窒素などの不活性ガスでフラッシュされるとともにその不活性ガスにとって代られてもよい。
【0045】
タバコ、大麻及び麻並びにそれらの製品などの喫煙可能な製品とともに使用される調湿用品の様々な実施例は、製品の天然糖及び/又は天然油などの材料の天然成分をよりよく維持するとともに適した熟成を促すことなどにより、製品の喫煙性を高めるのに使用され得る。いくつかの実施例では、燃焼後の灰の色が、天然の喫煙可能な製品の保存の品質の指標を提供し得る。例えば、すべて白い灰は、品質向上、並びに、窒素及びリン酸ナトリウムなどの不純物のレベルが低いこと又はそれら不純物がないことを示し得る。製造時に不純物が回避又は不純物を洗い流すことなどにより除去されない場合、不純物は、製品の使用時にえぐ味又は渋味(burn)を引き起こす可能性がある。
【0046】
いくつかの実施例では、本明細書において説明されるパウチは、水蒸気の移動及び液体水の保持に必要な多孔性を提供する、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレン、ポリカーボネート、セロハン、微多孔性ポリエチレン、微細繊維状ポリエチレン、ナイロンなどのような任意のポリマー材料から構成され得る。適切な材料は、ポリ塩化ビニリデン-シュリンク・ラップ、ポリ塩化ビニル、微多孔性ポリエチレン及び微細繊維状ポリエチレンを含む。他の適切な材料として、K-樹脂(Phillips Petroleum社製)、0.0076mm(0.3ミル)厚未満の場合の低密度ポリエチレン、セロハン、及び0.5mu以下のポリスチレン・フィルム、薄いポリカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。パウチが構成されるフィルムは、例えば0.019mm(0.75ミル)~0.038mm(1.5ミル)の厚さを有し得る。いくつかの実施例では、フィルムは、0.0038mm(0.15ミル)以下の薄さを有し得る。パウチが形成されるポリマーに応じて、フィルムは、0.0254mm(1ミル)以上の厚さを有し得、十分な湿気移動がフィルムを通って行われることが可能となる。一般的に、フィルムの強度が通常の使用時に破裂を回避するのに十分であるという条件で、より薄いフィルムが好適であり得る。
【0047】
フィルムは、水蒸気透過率を特徴とし得、いくつかの実施例のフィルムの水蒸気透過の好ましい率は、温度の変化がほとんど又は全くなく、水蒸気透過がごく僅かで容器が実質的に封止される状況において、24時間あたり645cm(100平方インチ)につき0.3グラムほどの低さであり得る。様々な実施例では、率は、24時間あたり645cm(100平方インチ)のフィルムにつき約5~約90グラム、又は24時間あたり645cm(100平方インチ)のフィルムにつき約10~約90グラムの範囲にあり得る。いくつかの実施例では、好ましい範囲は、24時間あたり645cm(100平方インチ)のフィルムにつき約60~約90グラム、又は、24時間あたり645cm(100平方インチ)のフィルムにつき約75~約80グラム又は約76~約77グラムである。コスト及び製造の考慮により、多くの用途に使用できる範囲は、24時間あたり5~15グラムである。壁を通る水蒸気の透過があるとしても非常に小さい透過をチャンバが有する場合、又は、非常に大きい表面積を有するパウチが確立されている場合など、24時間あたり645cm(100平方インチ)につき0.3グラムほどの低い率が用いられ得る。
【0048】
タバコ、大麻及び麻、並びにタバコ製品、大麻製品及び麻製品などの製品とともに使用するための調湿用品は、パウチ、パッド、チューブ及び他の構成などの多くの形態を有してもよい。例えば、パウチは、水蒸気透過性且つ水及び液体不透過性の膜又はフィルムから形成され得る。パウチに使用されるポリマーとして、高密度ポリエチレン、微細繊維状ポリエチレン、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、変性ポリエステル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリウレタン、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリビニルフルオライド、ポリエチレン酢酸ビニル、K樹脂、ポリビニルアルコール、又はそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。加えて、非常に薄い形態の低密度ポリエチレン又はポリプロピレンなども機能的であり、単独で又は他の可能性のある材料のいずれかと組み合わせて使用され得、強度に欠ける可能性があるが、遮蔽物によって又はTYVEKフィルム(微細繊維状ポリエチレン)のようなより低いグレードの材料によって保護することができる。しかしながら、これらの薄いフィルムは、漏れのない継ぎ目を有するパウチになるように作製することがより困難である。様々なコポリマー及び積層も使用されてもよい。適切な特性を有するゴムからもフィルムを作製することができる。
【0049】
パウチに使用されるポリマーは、パウチが10%未満の相対湿度に晒されると24時間で初期のパウチ内容物の約1重量%~約50重量%を移動させるとともに85%超の相対湿度を有する雰囲気に晒されると初期のパウチ内容物の約1重量%~約50重量%を吸収するような水蒸気透過率を有し得る。
【0050】
いくつかの実施例では、溶液はパウチによって収容され得るのに対し、他の実施例では、周囲のパウチの有無を問わず、溶液を保持するための代替的な媒体を含んでもよい。例えば、用品は、溶液を保持するために吸収性担体であり得る担体などの代替的なマトリックスを含んでもよい。そのような担体の実例として、竹、大麻、麻、藁、干し草、サイザルアサ、コットン、不織ポリエステル、及び不織ポリアミドが挙げられるが、これらに限定されない様々な繊維から製造され得る繊維パッド又はブロックを含む。代替的なマトリックスは、任意の好都合な寸法の長さ、幅、厚さ及び形状を有してもよい。マトリックスは、飽和塩又はポリヒドロキシ有機化合物スラリーの全重量の99%まで含んでもよい。
【0051】
例えば、用品は、飽和溶液を保持するために吸着性/吸収性担体として働くための代替的なマトリックスを含み得る。吸着性/吸収性マトリックスは、高い表面積対体積比及び高い表面積対重量比を有し得る。例えば、吸着性/吸収性担体は、6.45cm(1平方インチ)あたりの製剤の少なくとも約0.75グラム、例えば、担体の6.45cm(1平方インチ)あたり約0.75グラム~約1.0グラムの吸収性を有し得る。これは、水蒸気を放出及び吸収するために十分な表面積が利用可能であることを確実にし得る。しかしながら、この率は、充填及び包装の製造制約に応じて決まり得る。マトリックスは、一定の相対湿度を維持するように水分子を周囲雰囲気から受け入れる又は周囲雰囲気に放出するために、飽和溶液の容量に干渉することなく飽和溶液と結合し得る材料から製造され得る。材料は、水蒸気を移動させつつ吸着/吸収された飽和溶液を支持するのに十分な内部多孔性及び外部多孔性を有する、任意の好都合な寸法の長さ、幅、厚さ及び形状を有してもよい。マトリックスの構成材料として、竹、大麻、麻、コットン若しくは穀物系などの繊維、又は、不織ポリエステルのような繊維合成材料、ナイロンのような不織ポリアミド若しくはレーヨンのような変性セルロースが挙げられ得るが、これらに限定されない。マトリックス対して吸着/吸収される飽和溶液の量は、吸着/吸収することができる最大限まで及ぶ。
【0052】
いくつかの実施例では、代替的なマトリックスは、高密度ポリエチレン、微細繊維状ポリエチレン、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、変性ポリエステル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリアミド若しくはそれらの組み合わせなどの、水蒸気透過性且つ水及び液体不透過性の膜のような材料若しくはオーバーラップで、及び/又は、例えばパウチなどの膜若しくはフィルム包囲体(enclosure)に関して本明細書において他で論じた材料のうちのいずれかで包まれても又は包囲されてもよい。オーバーラップは、パウチが10%未満の相対湿度に晒されると24時間で初期のパウチ内容物の約1重量%~約50重量%を移動させるとともに85%超の相対湿度を有する雰囲気に晒されると初期のパウチ内容物の約1重量%~約50重量%を吸収するような水蒸気透過率を有し得る。
【0053】
いくつかの実施例では、用品は、高吸水剤などの高吸水性である薄いパッドを含む。例えば、薄いパッドは、吸水性(bibulous)紙、海綿状の性質及びサイジングされていない状態に起因する高吸収性のコットン系の紙など、親水性材料から作製され得る。材料の実例として、セルロース、レーヨン、コットン若しくは他のポリマー材料又はそれらの材料の組み合わせなどの、織材料又は不織材料が挙げられ、それらは、それらが水溶液をより容易に吸収することができるようにするために、製造の後で任意選択的に処理されても未処理のままにされてもよい。例えば、材料は、親水性繊維の使用、特定の直径の繊維を選択すること、及び/又は繊維を組み合わせる若しくは延伸させることなどにより、吸収を高めるように選択及び/又は処理されてもよい。パッドが、水蒸気を透過するが液体溶液を透過しない透過性バリア・フィルムの層間に積層されてもよい。そのようなパッドは、約0.25mm(約0.01インチ)~約2.54mm(約0.1インチ)の厚さ、例えば、約0.25mm(約0.01インチ)~約1.27mm(約0.05インチ)の厚さ、又は約0.51mm(約0.02インチ)~約1.02mm(約0.04インチ)の厚さ、又は約0.51mm(約0.02インチ)~約0.76mm(約0.03インチ)の厚さであり得る。用品は、パッドによって吸収され得るとともに水蒸気透過性且つ液体不透過性の膜によって囲まれ得る液体又は水性の調湿溶液を含んでもよい。用品の製造時、調湿溶液を保持するパッドが水蒸気透過性且つ液体不透過性の膜に含められてもよく、また、パッド内に調湿溶液を保ちつつ、空気のすべて又は空気の略すべてなど、空気を用品から除去するように圧縮されてもよく、次いで、膜が封止されて用品を気密にしてもよい。いくつかのそのような実施例では、調湿溶液は、使用時に塩結晶形成が少ない又は塩結晶形成が全くないものとすることができる。調湿溶液は、本明細書において説明されるような任意の調湿溶液であり得る。調湿溶液は、グリセリン及び植物性ガム又は本明細書において説明される任意の他の添加剤などの任意選択的な成分を含んでも又は含まなくてもよい。
【0054】
パウチ又はパッドを有する又は有しない実施例を含め、大麻、麻並びに大麻製品及び麻製品とともに使用するための実施例を含むいくつかの実施例では、水分活性製剤は、剛性とすることができるチューブ、カプセル又は他の容器などの容器内に収容されてもよい。例えば、上記で説明された、また他で説明されるパウチ及び/又はパッドは、剛性チューブ内に収容されてもよい。いくつかの実施例では、剛性チューブは、所望のレベルで調湿用品として機能するとともに本明細書において説明される保存及び調湿のレベルを得るのに十分な程度に水蒸気透過性があり得る。いくつかの実施例では、剛性チューブは、一方又は両方の端部に、必要に応じて同様に水蒸気透過性であり得るエンドキャップを含んでもよく、その一方、他の実施例では、剛性チューブはエンドキャップを含まなくてもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、本発明における使用に適切なケーシングが例えば1.5875cm(5/8インチ)~8.255cm(3.25インチ)以下のチューブである。パウチは、シリンダ内に配置され、エンドキャップはチューブの両端に配置され得る。水蒸気がチューブ壁を通って移動することを可能にするようにチューブ壁には開口が画定されているものとすることができる。塩ゲルを収容するパウチもまた、水蒸気が比較的自由に通過することを可能にするがより脆弱な塩パウチを機械的損傷から保護するエンベロープ、パウチ、網製品、又は穿孔プレートにより保護され得る。代替的に、塩パウチ用のケーシングは、水蒸気が自由に通過することができる窓を除き、不透過性であってもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、調湿用品は、製品の容器内に配置される、チューブと同じサイズ及び形状の製品とともに使用するようにサイズ決め及び形状決めされる、上記で説明したチューブを有する用品などの用品を含む。例えば、用品のチューブは、シガレット又はヘムペット(hempette)と同じサイズ及び形状を有してもよく、容器内にきちんとフィットするように同じサイズのシガレット又はヘムペットと並んでシガレットのパック又はボックス又は他の容器に挿入され得る。シガレット又はヘムペットとともに使用される場合、そのような用品は、例えば、およそ70~およそ120mmの長さ、又はおよそ85~100mmの長さ、例えばおよそ70mm、84mm、100mm、又は120mmの長さ、及び直径がおよそ5~8mm、又はおよそ5~6mm又はおよそ7.5~8mmであり得る。容器は、20本のシガレット又はヘムペット用に作製されたパックなどの規格サイズであってもよく、製品の1つ又は複数の代わりに調湿用品を用いてもよい。例えば、20本のシガレットを収容するようにサイズ決めされた、シガレット又はヘムペットのパックが、代わりに、19本のシガレット又はヘムペット、及び、チューブを含むとともにシガレット又はヘムペットと同じサイズ及び形状を有する1本の調湿用品(或いは18本のシガレット又はヘムペット及び2本の調湿用品など)を含んでもよい。いくつかの実施例では、調湿用品は、容器の各隅に位置付けられてもよい。例えば、シガレット又はヘムペットのパックは、16本のシガレット又はヘムペット、及び、パックの各隅に1本ずつ4本のチューブ状調湿用品を含んでもよい。他の実施例では、容器は、標準容器と同じサイズであってもよく、そのような容器に通常含まれるのと同じ量の製品を含んでもよいが、なおも1つ又は複数の調湿用品を含んでもよい。さらに他の実施例では、容器は、製品及び1つ又は複数の調湿用品を収容するようにサイズが増やされてもよい。例えば、パックは、シガレット又はヘムペットのパッケージとともに使用される場合、規格量の20本のシガレット及びヘムペット並びにシガレット又はヘムペットと並んで包装された1つ又は複数のチューブ状調湿用品を収容するようにサイズが増やされてもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、調湿用品は、小さな標準サイズ容器内にフィットするようにサイズ決めされた、層状の用品などの、薄く平らな剛性シートであってもよい。例えば、調湿剤は、数列のシガレット又はヘムペット間に挿入及び配置され得る、シガレット・パック又はヘムペット・パックのような容器の内側に使用されてもよい。用品は、その薄さにより、標準パック容器内で数列のシガレット又はヘムペット間にフィットし得る。例えば、用品は、約0.25mm(約0.01インチ)~約1.52mm(約0.06インチ)の厚さ、又は約0.51mm(約0.02インチ)~約1.02mm(約0.04インチ)の厚さ、又は約0.51mm(約0.02インチ)~約0.76mm(約0.03インチ)の厚さなど、非常に薄いものであり得る。実施例に応じて、用品は、約0.5~約10gの調湿剤、又は約1~約7グラムの調湿剤、又は約1~約5グラムの調湿剤、又は約1~約3グラムの調湿剤、又は約1~約2グラムの調湿剤を含み得る。いくつかの実施例では、用品は、容器の内側の長さ及び/又は幅の大部分にわたって延びる、或いは容器の内側の長さ及び/又は幅に略等しい、或いは容器の内側長さ及び/又は幅の略半分又はその全体の間でサイズ決めされた長さ及び/又は幅を有する、長さ及び幅を有しつつ、容器内にフィットするようにサイズ決めされるシートのような、大表面積を有する薄いシートであってもよい。例えば、用品は、セルロース、レーヨン、コットン、又は、用品が水溶液を容易に吸収することを可能にするようなやり方で生成される他のポリマー材料などの、織材料又は不織材料のような薄い吸収パッドを含んでもよい。飽和溶液処理パッドが、水蒸気を透過するが液体溶液を透過しない透過性バリア・フィルムの層間に積層されてもよい。
【0058】
いくつかの実施例では、上記で説明したもののような薄く平らな調湿用品は、容器が製品を充填される前、充填されている間、又は充填された後で容器に挿入されてもよく、製品と同じスペースに含まれてもよい。他の実施例では、薄く平らな調湿用品は、製品スペースの外側の容器の層に挿入及び/又はその層間に配置されてもよい。例えば、薄く平らな調湿用品は、シガレット又はヘムペットを保持するフォイル・ライナなどの内側ライナ、及び/又は、シガレット・パック又はヘムペット・パックを囲むセロハン・ラップなどの外側ラップを有する、ボックスを含む、シガレット・パック又はヘムペット・パックとともに使用されてもよい。そのような実施例では、薄く平らな調湿用品は、シガレット又はヘムペットの層間、内側ライナとボックスとの間、及び/又はボックスと外側ライナとの間に配置されてもよい。そのようなスペースは限られているが、そのような用品は、非常に薄いものであるとともに大表面積を有していることによって、所望の調湿を提供しつつ小さなスペース内に依然としてフィットし得る。
【0059】
他の実施例では、調湿溶液は、溶液を固化させる成分を含んでもよく、そのため、パウチ又は担体を含んでも若しくは必要としてもよく又は含まなくても若しくは必要としなくてもよい。例えば、いくつかの実施例では、用品は、グミ・キャンディ又はパテのようなテクスチャになるように粘り気を濃くされ得る。調湿溶液は、ゼラチン、ペクチン、及び/又は、例えばキサンタンガムのようなガムの使用により粘り気を濃くされ得る。
【0060】
いくつかの実施例では、用品は、湿度に応じて固化する成分を含み得る。例えば、溶液は、湿度の低減に応じて固化するソルビトールなどの成分を含み得る。そのような実施例では、使用者は、抵抗を知覚するために用品を手で突く又は押圧する又は曲げることなどによって、交換が必要かどうかを判定するために用品に触れることによって、使い果たしについて用品を検査することができる。使用者は、用品が変化し、あるべきよりも固くなっている又は堅くなっていることを検知すると、用品を新しい用品と交換することができる。
【0061】
いくつかの実施例では、用品は、使用者によって活性化され得る。破断-活性化(break-to-activate)設計が、水分活性調整製剤を運ぶとともに生成時間と消費者による使用時間との間の使用されていない状態において保管するのに用いられ得る。用品は使用者によって必要とされるまで不活性のままであるため、その有用な寿命が延長され得る。例えば、使用者は、用品を活性化させるために用品を撓ませる又は曲げることができる。用品を撓ませる又は曲げるプロセスは、破断可能な区画を開く又は破断するように用品を撓ませる又は曲げることによって放出されるまでその区画内に収容され得る特定の成分を放出することができる。例えば、調湿用品は、互いと連通していない少なくとも2つの区画を含み得る。しかしながら、使用者による操作時、一方の区画が破断又は破裂し得るか、又は、2つの区画間の連通/接続の遮断された場所が破裂し得る又は他のやり方で開いた状態になり得ることで、第1の区画内の成分と第2の区画内の成分との間で接触及び混合が可能となる。例えば、一方の区画は、水などの液体成分、エチレン、及び/又は他の流体を、単独で又は溶存成分を含む他の成分との組み合わせでのどちらかで含み得る。別の別個の成分は、液体成分と組み合わせられると飽和溶液を形成する塩又は糖などの乾燥成分を含み得る。使用者によって活性化されると、2つの区画の成分が一緒になる。使用者は、それら区画が活性化によってつながった後、用品を揺動させることもできる。
【0062】
使用者によって活性化されるように構成される調湿用品の一実施例の一実例が、図2に示されている。用品200が、第1の区画202であって、区画に装填するのを助けるエンドキャップ204を含み得る第1の区画202を含む。第1の区画202は、調湿溶液の第1の部分を収容するスペース206を包囲している。第2の区画210もまた、第1の区画においてスペース206に包囲されており、それ自体、調湿溶液の第2の部分を収容する第2のスペース212を包囲している。第1の区画の材料は可撓性であり、その一方、第2の区画210の材料は剛性であり、撓まされると砕けるか又は破断する。したがって、使用者が用品200を曲げる又は圧搾すると、第2の区画の材料は、第1の区画及び第2の区画の内容物がもはや分離されるのではなくともに混合して完全な調湿溶液を形成することができるように破断する。使用者は、成分を混合するのを助けるために、区画を破断した後で用品200を揺動させてもよい。
【0063】
使用者によって活性化されるように構成される調湿用品の別の例を、図3及び図4に示す。用品300は、調湿溶液の第1の部分を収容する第1のスペース304を包囲する第1の区画302と、調湿溶液の第2の部分を収容する第2のスペース312を包囲する第2の区画310とを含む、層状パケット型の用品である。チャネルが第1のスペース304を第2のスペース312に接続しているが、2つのスペース間の通路は、障壁320によって塞がれている。図4における側面図に見てとることができるように、用品300は、接続チャネルにおける以外、第1のスペース314及び第2のスペース312を包囲するように縁の周りを封止された上部層330及び底部層332から形成された層状構造である。障壁320は、薄く破断可能な材料とすることができ、そのため、使用者による用品300の操作が障壁320を破断するとともに各区画からの成分がともに混合して完全な調湿溶液を形成することを可能にするのに十分である。例えば、使用者は、水を収容する区画を圧搾することによって用品300を活性化し得ることで、その区画内で圧力の増加を引き起こし、障壁320が破断するまで障壁320に水を押し当てる。使用者は次いで、成分を混合するのを助けるために、用品300の一方側又は両側を繰り返し圧搾及び解放することができる。
【0064】
いくつかの実施例は、調湿だけでなく、調湿の代替として又は調湿に加えて、他の環境調整を提供する。例えば、用品は、封入環境において酸素を吸収することができる酸素抑制剤を含んでもよい。酸素を除去するように働く酸素スカベンジャー物質が、飽和塩溶液の本システムと適合性があるものとすることができる。1つのそのようなスカベンジャー物質は、粉末状の還元鉄である。酸素抑制剤は、残留酸素又は製品包装の中に拡散する酸素を低減させて、カビが増殖することができないレベルである、1%未満に十分に酸素レベルを維持し得る。例えば、いくつかの実施例では、用品は、酸素スカベンジャーなどの脱酸素剤を含んでもよい。酸素スカベンジャー物質は、所望の割合で酸素を捕捉するとともに酸素レベルを適切な範囲に維持するように働く任意の材料とすることができる。粉末状の還元鉄が使用される場合、充填する際の還元鉄の量は、望まれる酸素除去の量(ミリメートルで測定される)と特定の湿度調節器パウチにおける充填の量とに応じて決まり得る。例えば、8グラム・パウチが100mlの酸素を除去しなければならない場合、充填物は、1キログラムの充填物あたりおよそ41gの鉄粉末、又はパウチあたり約0.33gの鉄を含み得る。酸素スカベンジャー物質は、水素ガスを生成する、鉄粉末の反応を防ぐように、少なくとも7.75のpHを維持するために、硫酸第一鉄、硫酸第一マンガン及び炭酸ナトリウム又はpH緩衝系をさらに含み得る。酸素抑制のために使用され得る物質の様々な例が、「Devices and methods for controlling headspace humidity and oxygen levels」と題する、米国特許第9,750,811号に開示されており、その関連部分が参照により本明細書に組み込まれる。他の酸素吸収物質が代替的に使用されてもよい。
【0065】
例えば、4つ、6つ又は8つの食品を保持する食品保湿箱(humidor)の例におけるなど、24時間あたり少なくとも0.75グラムの水蒸気を通すことが可能なパウチを提供することが望ましいことがある。これは、保湿箱が30%未満の相対湿度の環境において5回まで開けられる場合、保湿箱内で適切な湿度の維持を可能にする。本発明のほとんどの使用状況において、好ましい水蒸気透過率は、従来の木製ポケット保湿箱につき一日あたり1~3グラムの範囲内とすることができる。好ましい水分活性は、65~95とすることができ、より好ましい水分活性は、75~85とすることができる。これは、チャンバ内の平衡の適度に迅速な回復、例えば、約2時間を可能にし得る。
【0066】
水蒸気透過率(WVTR:water vapor transmission rate)は、使用されるフィルムのタイプ及びフィルムの厚さによって決定され、本明細書において説明される様々なフィルムのいずれか及び他のフィルムが、様々な実施例において使用され得る。全透過は、溶液と同様にチャンバに晒される面積によっても影響を及ぼされる。例えば、0.5muポリ塩化ビニル・フィルムは、24時間で645cm(100平方インチ)あたり約8グラム透過し、その一方、同じ材料の0.0254mm(1.0ミル)フィルムは、同じ時間で約3~4グラム透過する。後者は、多くの使用について実用的な範囲の下限であり得る。
【0067】
いくつかの実施例では、率は、24時間あたり645cm(100平方インチ)につきおよそ10グラムの水分であってもよい。多くの用途について使用できる(実用的な)範囲は、24時間あたり645cm(100平方インチ)につき5~15グラムである。いくつかの実施例は、あるとしても非常に僅かな、壁を通る水蒸気の透過を有する、湿度レベルを、チャンバ内に維持する必要性がある場合、又は、パウチが大表面積を有する場合など、24時間あたり645cm(100平方インチ)につき0.1グラムほどの少ない率を用い得る。
【0068】
いくつかの実施例では、非常に大きな率、すなわち、一日あたり15+グラムを有することが有用であり得る。しかしながら、いくつかの実施例では、透過率が一日あたり645cm(100平方インチ)につき25グラムを超える場合、望ましくない滲出が起こる可能性がある。パウチの内側に良好なしっかりしたゲルを使用することがこの滲出問題を著しく軽減し得る。適切な基体に押し出されたフィルム樹脂が、15~25のWVTRを示し、1.5~0.75muのフィルム厚さを有した。他のフィルムが、同様の又はより高いWVTRとともに用いられてもよく、これらの用途に適切とすることができる。
【0069】
多くの実施例では、可能な限り迅速にチャンバ内に平衡を回復することが好ましいため、重要な機能は、蒸気の可能な限り且つ実用的な多くの透過を得ることである。そのような場合、透過率が高いほど、チャンバ内に保護されている材料の適切な水分レベルを保持する際の性能がよくなる。水蒸気透過の好ましい範囲は、例えば、食品が保管される5.08cm(2インチ)×10.16cm(4インチ)×25.4cm(10インチ)チャンバ内における湿度の回復及び維持のために一日あたり1~3グラム程度とすることができる。
【0070】
645cm(100平方インチ)以上の表面を有する調湿器を作製することができるが、これらは使用がかなり面倒で厄介である。フィルムが24時間で645cm(100平方インチ)につき5~10グラムの水蒸気を通す場合、例えば、性能要件を満たすのにおよそ64.5cm(10平方インチ)~129.03cm(20平方インチ)のパウチを作製すればよいであろう。
【0071】
様々な実施例において有用であり得る典型的なフィルムは、3グラム以上のWVTRを有する材料のような、ポリ塩化ビニル、微細繊維状ポリエチレン、微多孔性ポリエチレン、高密度ポリエチレン、延伸ポリスチレン、セロハン、ポリカーボネートなどの食品ラップ・フィルムを含む。
【0072】
本明細書において説明される用品のさらなる利点として、温度の増減がある環境において又はそのような製品の場合に湿度を調節することができることが挙げられる。様々な用品が、加熱又は冷却用品の一部として相変化材料と組み合わせて使用されてもよい。相変化材料すなわちPCM(PCM:phase change materials)が、加熱及び冷却時に温度変化を調整するのに有用であり、典型的にはパケットで提供され、この相変化材料は、食品及び飲料などの消耗製品の温度を調節するために、また、寒冷療法又は温熱療法、医療デバイス及び医療供給輸送などの医療目的、並びに他の使用のために使用されて、ともに使用される製品又は材料の温度を維持又は変更し得る。PCMは、温度上昇時に固体から液体に移行する際に融解することによって熱を吸収し、温度低下時に液体から固体に移行する際に凍結することによって熱を放出する。様々な実施例において使用されるPCMは、連続した材料の形態であってもよく、又は、PCMは、様々なサイズのマイクロカプセル化PCM若しくはマクロカプセル化PCMであってもよい。様々な実施例で使用され得るPCMの実例として、ギ酸ナトリウム及びラウリン酸ソルビタンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0073】
そのようなPCMは、カプセル化されているかどうかにかかわらず、材料の1つ又は複数の層内に入れられてパックを形成し得る。1つ又は複数の外側層が、特に、医学療法のために身体に対する加熱又は冷却パックとして使用される場合、可撓性とすることができる。代替的に、1つ又は複数の層が剛性であってもよく、又は、パックが可撓性外側層と剛性外側層との組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、PCMは、用品のパウチ材料に入れられてもよい。
【0074】
様々な実施例では、本明細書において説明される用品は、調湿PCM加熱又は冷却パックとしてPCM加熱又は冷却パックと組み合わせて使用されてもよい。いくつかの実施例では、調湿加熱又は冷却パックは、調湿用品である第1の構成要素と、加熱又は冷却パックである第2の構成要素とを含み得る。これらの2つの構成要素は、隣り合わせにされて単一の調湿加熱パック又は調湿冷却パックを形成し得る。例えば、調湿用品のパウチの外側が、接着剤の使用などにより、加熱パック又は冷却パックの外側層の外側に接着されてもよい。
【0075】
他の実施例では、調湿溶液は、加熱パック又は冷却パックの1つ又は複数の外側層なしに、加熱又は冷却パックに組み込まれてもよい。例えば、調湿溶液は、相変化材料に組み込まれてもよい。そのような実施例では、加熱又は冷却パックの1つ又は複数の外側層は、調湿用品パウチにおける使用のために本明細書において説明されるような液体不透過性且つ蒸気透過性の材料であり得る。代替的に、相変化材料及び調湿溶液は、1つ又は複数の外側層内で互いとは別個であってもよい。例えば、PCM及び調湿溶液は、用品内の別個の区画にあってもよく、又は、それらの間の不透過性材料層によって分離されてもよい。そのような実施例では、調湿溶液の上にある、用品の外側層の少なくとも一部が、本明細書において説明される水蒸気透過性且つ液体不透過性の材料であってもよい。PCMを覆う外側層の部分もまた、調湿溶液を覆う同じ材料などの水蒸気透過性且つ液体不透過性の材料であってもよく、水蒸気及び液体不透過性の材料などの異なる材料であってもよい。
【0076】
他の実施例では、本明細書において説明される調湿用品は、着霜及び冷凍焼けを防ぐために、冷凍室などの低温環境において使用されてもよい。例えば、調湿用品は、アイスクリーム及び他の冷凍乳製品及び非乳製品デザート、冷凍肉、冷凍魚及びシーフードなどの冷凍食品、並びに、冷凍ディナー及び冷凍アメリカン・ドックなどの冷凍調理食品において、氷晶の形成を防ぐために使用されてもよい。
【0077】
いくつかの実施例では、調湿用品は、外側の食品パッケージなどの製品パッケージに組み込まれてもよい。例えば、調湿用品は、食品パッケージの内壁に接着されてもよい。食品物品がパッケージ内でばらになっている食品包装において、食品パッケージの内壁に接着された調湿用品は、食品と同じ封入スペース環境を占めてもよい。しかしながら、外側パッケージと、食品を収容する1つ又は複数の内側パッケージとを含む食品包装では、調湿用品は、食品と同じ封入スペース内における1つ又は複数の内側パッケージの内壁に接着されてもよい。代替的に、いくつかの実施例では、調湿用品は、食品と同じ封入スペース内におけるパッケージ内でばらになっていてもよい。
【0078】
いくつかの実施例では、調湿用品は、製造業者によってパッケージに挿入又は接着されてもよい。そのような実施例では、調湿用品は、消費者がパッケージを購入した時点でパッケージ内に存在していてもよい。他の実施例では、調湿用品は、消費者によって別個に購入され、パッケージを閉じるとともにパッケージを冷凍室に戻す前に、パッケージが開けられる最初の時間の後など、調湿用品を食品スペースに挿入することによってパッケージに付け加えられ得る。調湿用品は、食品の未使用部分が冷凍室に戻される場合、使用者によってパッケージの食品保管スペースに残されてもよい。代替的に、消費者は、消費者による調理済み食品物品及び生鮮食品物品を含め、保存のために冷凍される新鮮な食品とともに、再封可能なビニル袋、例えば、ZIPLOCK式の袋のようなプレス・シール袋、又はTUPPERWARE式の容器のようなスナップ閉鎖蓋付き食品容器などの他の食品容器などの、家庭用パッケージに、調湿用品を付け加えてもよい。
【0079】
防霜で冷凍品とともに使用される調湿用品は、パウチが環境に晒されている活性状態で消費者に提供されてもよく、又は、消費者によって封止パッケージから取り出されると使用のためにいつでも活性化される状態の封止パッケージで提供されてもよい。例えば、調湿用品が製造業者によって食品製品パッケージ内に提供される場合、調湿用品は、輸送中及び食料品店にある間など、消費者による購買前であっても、封入食品スペースの湿度を能動的に調整することになり得る。代替的に、調湿用品は、食品製品パッケージの内側など、食品製品パッケージとともに提供されてもよいが、ガス不透過性封止パッケージ内に封入されてもよい。その場合、消費者は、製品パッケージを購入及び開封した後、ガス不透過性封止パッケージを開封して、調湿用品を取り出し、それを製品パッケージの食品スペースに配置することができる。このように、製品が購入及び開封された後で調湿するために調湿用品の寿命が延長されてもよい。消費者によって別個に購入される調湿用品は、購入時点でガス不透過性封止パッケージ内に同様に封止されていてもよく、その後、冷凍食品パッケージ内での使用のために必要に応じて開封されてもよい。
【0080】
いくつかの冷凍食品は、蓋付きプラスチック又は厚紙容器(tub)で消費者に提供され、冷凍食品が食品の上部と蓋との間のヘッドスペース以外の容器スペース全体を占めている。そのような食品製品の実例として、アイスクリーム及び冷凍乳製品及び非乳製品トッピングが挙げられる。保管時、食品の上面に氷晶が形成される可能性があり、これが食品をあまり快くないものにする。本明細書において説明される様々な実施例は、調湿用品を蓋の内側に接着することなどにより、パッケージ・ヘッドペース内での調湿用品の使用により、例えば氷晶形成を低減又は防止する。
【0081】
調湿用品は任意選択的に、任意の適切なサイズ及び形状を有し得る外側ケースを含んでもよい。もっぱら3つ又は4つの食品を収容する小さいパッケージとともに使用する場合、用品は、例えば長さが5.08cm(2インチ)~12.7cm(5インチ)であるとともにおそらくは直径が1.27cm(1/2インチ)~2.54cm(1インチ)である、幾分小さいものとすることができる。
【0082】
代替的に、調湿のためにより大きい水分リザーバが必要である場合、パウチは、かなり大きい寸法の十分な機械的特性を有する枕状であってもよい。例えば、6.35cm(2.5インチ)×13.97cm(5.5インチ)のパウチは、約70.875g(約2.5オンス)の溶液を収容し得、8.89cm(3.5インチ)×17.78cm(7インチ)のパウチは、約113.4g(約4オンス)の溶液を収容し得る。ジャーキーのバルク貯蔵のためなどの大きいリザーバのためのニーズに適応させるために、はるかに大きいパウチを設計することができる。5×5よりも大きい寸法を有するパウチは、製品とともに保管する間、充填物がパウチの最も下側の部分に集まることを防ぐために、パウチの一方又は両方の寸法にわたってヒート・シールを組み込むことによってセグメント化されてもよい。
【0083】
チャンバ内で空気を循環させる規定がなされていない限り、より大きいチャンバ(1638.71cm(100立方インチ))内で複数のパウチが使用されてもよい。特定の用途について、ケースは、適切な水蒸気透過特性を有するフィルムの窓のある不透過性材料を有してもよい。他方で、ケースは、多数の食品とともに使用するために、はるかに大きいもの、おそらくは長さが20.32cm(8インチ)~25.4cm(10インチ)及び直径が3.81cm(1と1/2インチ)~5.08cm(2インチ)であってもよい。
【0084】
ケースは、任意の適切な材料、例えば、ポリマー、金属、ガラス、セラミック、木などを有してもよい。ケースの材料は、多くの用途について、可撓性ポリエチレン若しくは同様の材料、又は剛性ポリスチレン若しくは同様の材料であってもよい。ケースはまた、紙、布、ファー・フェルト、プラスチック繊維などのような網製品又はフェルト状材料から作製されてもよい。しかしながら、他の材料も適切であることがある。例えば、審美性が重要である高価なユニットでは木が使用されてもよい。
【0085】
ケースは、パウチ及び塩溶液の受容のための機能可能な端部分を有し得る。内側容器ゾーンは例えば、断面が円形、矩形又は三角形であり得る。用品は、形状が球形でさえあってもよい。一般に、単位体積あたり最大表面積を有することが有利である。ケースの壁には1つ又は複数の小さい開口が画定されているものとすることができる。1つの好ましい実施例では、開口は形状が、開いた領域がおよそ0.15875cm(1/16インチ)×0.3175cm(1/8インチ)である楕円であった。開口は、パウチに対する損傷を防ぐことが望まれる強度及び保護を提供するように、互いに隣り合って設けられても又は十分に隣り合った壁構造を有する任意のパターンで設けられてもよい。いくつかの実施例では、ケースにおける開口は、ケースの20%であってもよい。強度要件は、用途と、ケースが被る可能性がある乱用とに応じて決まる。
【0086】
いくつかの実施例では、調湿用品は、調湿用品の状態について使用者に情報を提供するために視覚的インジケータを含み得る。例えば、視覚的インジケータは、用品が最大量の水蒸気を吸収したこと又は最大量の水蒸気を放出したこと及び交換される必要性を示すことができる。視覚的インジケータは、記号、色又は他の視覚的方法の使用により、この情報を提供することができる。そのような実施例では、例えば、示された相対湿度を超える場合に有意な知覚可能な変化を引き起こすために感湿性化学物質が使用され得る。いくつかの実施例では、感湿性化学物質は、塩化コバルトであってもよく、又はコバルトフリーであってもよい。いくつかの実施例では、情報は、用品の状態に応じて色を出現又は変化させ得る、カラー印刷などの色及び/又は点などの形状の使用により、提供されてもよい。例えば、緑色は、用品が良好な状態にあることを示し得、黄色インジケータは、用品が最低限の状態にあるとともにその有効性の終わりに近づいていることを示し得、赤色インジケータは、用品がその有効性の終わりに達しており、交換されるべきであることを示し得る。いくつかの実施例では、視覚的インジケータは、通常のパッケージ印刷などにより、用品パウチに組み込まれてもよい。
【0087】
いくつかの実施例では、視覚的インジケータは、用品のパウチ又はケースにおける透明窓であってもよい。例えば、調湿溶液の上部における流体ラインが透明窓を通して見えてもよい。マーキングされたレベルなどの示されたレベル未満に流体ラインが下がる場合、これは、調湿用品を観察している使用者に、調湿用品が経時的に或る量の水分を放出しており、そのため、調湿用品がもはや十分に機能していない可能性があるとともに交換されるべきであることを示し得る。
【0088】
所望であれば、本調湿用品は、食品パッケージ内など、適所に用品を固定する機構を含んでもよい。いくつかの実施例では、取り付け具(mounting)は例えば、パッケージ内にあるフック・アンド・ループ機構であってもよい。代替的に、取り付け具は、接着剤を含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、用品は、紅茶又は緑茶などの普通の茶及びハーブ・ティーなどの特別な茶を含め、ルース・ティー又はティー・バッグ茶などの乾燥茶葉の湿度を、約32%の相対湿度などの所望の相対湿度に調整するのに使用されてもよい。用品は、茶を最適な状態に保ち得るだけでなく、茶の香りも保ち得る。加えて、保管時に茶中の水和のレベルを維持することは、茶を淹れるのに用いられると迅速な再水和及び芳醇な醸造を可能にし得る。
【0090】
様々な実施例は、焙煎豆又は生豆又は挽き豆であってもよい全コーヒー豆などのコーヒーを約32%の相対湿度などの所望の相対湿度で保存することにも用いられ得る。調湿用品の使用は、コーヒーの香味及び香りを保持するとともに酸化を最小限にするのに役立ち得る。例えば、コーヒーとともに使用される用品は、調湿成分及び酸素吸収成分を含み得る。
【0091】
さらに他の実施例では、調湿用品は、新鮮な食品の歯ざわりのよい感じを維持するのに役立ち得る。そのような用品は、調湿成分及び酸素吸収成分を含み得、ピスタチオ、クルミ、落花生、及びペカンなどのナッツ、及び枝豆のような特別な物品などの他の歯ざわりのよい食品とともに使用され得る。調湿用品は、ニンジン、レタス及びセロリのような萎える傾向がある野菜などの食品の歯ざわりのよさ及び鮮度を維持するのにも役立ち得る。例えば、ナッツとともに使用するための用品は、相対湿度を約70%に維持し得る。新鮮な果物及び野菜とともに使用するための用品は、相対湿度を約90%に維持し得、その一方、レーズンなどの乾燥果実とともに使用するための用品は、相対湿度を約70%に維持し得る。調湿用品は、シリアル及びコーヒー豆などのより乾燥した食品とともに使用される場合、湿度をおよそ30%に維持し得る。
【0092】
調湿用品の様々な実施例は、キットを使用して消費者によって検査され得る。キットは、タバコ、大麻又は麻などの製品を保管する少なくとも2つの気密容器を含み得る。キットは、グラインダーをさらに含み得る。キットは、少なくとも1つの調湿用品をさらに含み得る。使用者は、或る量の製品を第1の気密容器に加えるとともに略同じ量の製品を第2の気密容器に加えることによってキットを使用することができる。1つの実例では、容器内に保管される製品は、大麻の花である。使用者は、1つ又は複数の調湿用品を第1の容器に加えるが、第2の容器を調湿用品のないままにしてもよい。次いで、容器の両方が封止され、或る時間とっておくことができる。時間が経過した後、使用者は、2つの容器を開け、製品の外観、感じ及び香りなどの特性について、各容器内の製品を比較することができる。使用者は次いで、第1の容器から製品の一部分又は全部を粉砕し、第2の容器からの製品の同様の部分又は全部を別個に粉砕することができる。次いで、粉砕製品を再び互いに対して比較することができる。使用者が、調湿用品と一緒に保管された製品において、より高い香りに気づけば、これは、調湿用品による保存の向上を示し得る。製品を粉砕することによって、香りのこの違いはいっそうよりはっきりし得る。
【0093】
本発明の動作
本発明は、食品パッケージ又は他のパッケージなどの製品容器内のような、用品が調湿する及び/又は他の環境調整を提供する場所に、用品を配置する、製造業者又は消費者などの使用者によって、使用され得る。用品は例えば、容器内に単にばらの状態にあっても又は容器の壁に接着されてもよい。用品をパッケージの内側に配置した後、パッケージを環境内の湿度及び/又は酸素に対して封止することができる。
【0094】
湿度が塩溶液の特定の湿度特性を上回る場合、湿度が所定点に戻るまで水蒸気が空気から除去されるとともに塩溶液内に保持される。他方で、用品を囲む空気が特有の湿度点未満に下がる場合、空気がその点に戻るように塩溶液によって水蒸気が発せられる。
【0095】
実例1
麻における香りの維持に対する相対湿度の影響を判定するために実験を行った。
【0096】
試験は、ネバダ州ラスベガス所在のCBD Hemp District社の麻株Charlotte’s Sauceを使用して行った。麻の初期aは0.64~0.65の間であった。麻の初期aは、実験の開始前の1~2週間、雰囲気条件に保持され、その時点で、麻のaは、0.62~0.63に平衡した。
【0097】
平衡した麻から、60グラムの4つのランダムな試料がそれぞれ選択された。各試料は、重さを量られ、別個の気密の封止ステンレス鋼容器に配置された。容器1は、麻が追加処置なく封止された対照とした。容器2において、麻は、Boveda RH 50サシェと一緒に封止された。このサシェは、39.65%の水、41.5%のギ酸ナトリウム、18.5%のグリセリン、及び0.35%のキサンタンガムを含むものとした。容器3において、麻は、31.5%の水、0.35%のガム、57.1%のクエン酸カリウム、及び11%の酢酸カリウムを含む、Boveda RH 55サシェと一緒に封止された。容器4において、麻は、Boveda RH 62サシェと一緒に封止され、このサシェは、34.30%の水、64.35%のクエン酸カリウム、0.99%のグリセリン、及び0.35%のキサンタンガムを含むものとした。これら容器を、標準的な実験室条件(22℃(72度F)、35~40%RH)で保管し、露光量を最低限に保った。次いで、各容器における麻を2つの異なる処置アームに分離した。さらに以下で説明するように、処置アーム1における試料はまるごと残し、処置アーム2における試料は保管後に粉砕した。このように、処置アームにおける試料を、粉砕前及び粉砕後の測定値を提供するものとして、様々な条件下で保管された麻について比較することができた。
【0098】
処置アーム1において、保管状態で1週間後、およそ30グラムの麻を各容器から取り出し、それぞれ2方向弁が装備された別個の0.05mm厚TEDLAR香りバリア・バッグに迅速に移動させた(残りの30グラムの麻は、以下で後に説明するように処置アーム2における後続の使用のために各容器内に残した)。対照である容器1からの麻を、単独でバリア・バッグ内に封止し、試料1とした。容器2、3及び4からの麻を、それぞれBoveda RH 50、55及び62サシェとともにバッグに加え、以下の表1に示すように試料3、5及び7とした。これらバッグを、GRIPSTIC封止ロッドを使用して封止し、次いで、バッグが無臭空気で満たされた知覚試験設備へと2方向弁を用いて送達した。
【0099】
24時間平衡期間の後、各バッグのヘッドスペースを、別の空の無臭封止TEDLARバッグへと2方向弁を用いて移動させた。次いで、移動したヘッドスペースの試料を嗅覚試験に用いた。
【0100】
処置アーム2において、容器内に残された麻をさらに1週間保管した。各容器からの残りのおよそ30グラムの麻を、NINJAを用いて粉砕した。次いで、粉砕された各試料を、2方向弁が装備された0.05mm厚TEDLAR香りバリア・バッグに迅速に移動させた。バッグを、GRIPSTIC封止ロッドを使用して封止し、次いで、バッグが無臭空気で満たされた知覚試験設備へと2方向弁を用いて送達した。容器1(対照)からの麻は試料2である。容器2、3及び4からの粉砕麻は、それぞれ試料番号4、6及び8である。
【0101】
適用された処置及び作成された試料を以下の表1に要約する。
【0102】
【表1】
【0103】
試料のそれぞれについて、24時間平衡期間の後、各バッグのヘッドスペースを、別の空の無臭封止TEDLARバッグへと2方向弁を用いて移動させた。次いで、移動したヘッドスペースの試料を嗅覚試験に用いた。ASTM E679及びEN13725によって検出閾値(DT)を決定した。検出閾値は、評価者の半分が希釈空気を空虚又は無臭空気とは異なるものとして検出する無次元比率である。嗅覚試験の結果を以下で表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】
これらの結果は、試料保管状態の相対湿度が(aによって反映されるように)減少するにつれ、未粉砕試料のヘッドスペースにおける香りが明らかにするように麻の表面から放出される香料化合物が増加することを明示し、これは、より高いレベルの芳香族化合物放出を示す。すなわち、ASTM D8197により、大麻について55~65%などの、安全な最大の保管相対湿度値へ向けて相対湿度を増加させることは、テルペンの蒸発を抑える。同じ傾向が、嗅覚分析の直前に粉砕された調湿された試料4、6及び8に見られ、水分活性が増加するにつれ、より高いレベルのテルペンが麻の内部質量に保持されることを示す。
【0106】
加えて、調整された湿度で保管されなかった対照試料2が、嗅覚分析前に試料を粉砕する結果として幾分低い最終的な香りを生じることにより示されるように、麻の質量中に存在する、試料8と比べてより低いレベルの芳香化合物を有する。これは、麻の質量中の芳香化合物を閉じ込めるRH保護試料に存在する、より高いレベルの水蒸気によるものと考えられる。試料2の場合、麻内からの水分が封止容器中に蒸発することによって0.64の水分活性に達する。対照試料における麻の質量及び表面からの水分とともに芳香化合物が同時蒸発する結果、粉砕試料及び未粉砕試料において両方ともより低いレベルの芳香族化合物が生じる。これは、対照試料における植物バイオマスの水分により、粉砕される際の放出に利用可能な最終的な芳香族化合物が少なくなるため、保管時の水分及びテルペンの同時蒸発によるものであり得る。
【0107】
結果は、香りの維持に対する、より高い相対湿度レベルの影響をさらに明示している。0.60超のaを有する試料は、粉砕された後で香りが20倍の増加を示し、このことは、PHが高いほど、RH保護により、より多くの程度まで芳香化合物の損失を減らしたことを示す。すなわち、嗅覚検出に利用可能な質量(又は芳香族化合物)は、特に、本明細書において説明するような外部源から相対湿度が提供された場合、60超のRHでの保管後にかなり高くなった。
【0108】
50%の相対湿度で保管された試料3及び4について、63~64%の相対湿度にある対照試料1及び2と比べると、粉砕された後で香り強度におよそ60%の減少があった(50%の相対湿度で保管された試料について9,900、それに対し、照試料について25,000)。これは、50%の相対湿度レベルにおいて、麻の毛状突起に水の単分子層の形成がないことによりテルペンが揮発していることを示唆する。データはまた、55%の相対湿度において、香り強度が対照よりも1.3倍高かった(32,000対25,000)のに対し、62%の相対湿度では、香り強度が対照よりも1.6倍高かった(40,000対25,000)ことを示す。これは、およそ55%の相対湿度で麻の毛状突起に単分子層が形成し始め、62%で完全形成となったことを示唆する。データは、香り強度が、粉砕試料において、未粉砕試料におけるよりも、50%の相対湿度で4倍(2,300~9,000)、55%の相対湿度で10倍(3,100~32,000)、及び62%の相対湿度で20倍(1,900~40,000)高かったことをさらに示す。図9に提示されたグラフに香り強度の増加が示されており、このグラフでは、未粉砕試料及び粉砕試料について水分活性に対して香り強度がプロットされている。
【0109】
粉砕試料及び未粉砕試料の香りの心地よさも、嗅覚試験の一環として評価した。試料を、1(最も弱い)~10(最も強い)の段階で様々な香り記述子について、また、-10(最も不快)~10(最も心地よい)の段階での心地よさについて、40人の評価者によって評価した。未粉砕試料の平均結果を表3に、粉砕試料の平均結果を表4に、どちらも以下で示す。
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
香りの心地よさの評価の平均結果を図10に棒グラフ形態で示す。香りの心地よさは、未粉砕試料について55~62%の相対湿度間で頂点に達しており、これは、表2及び図9に提示された香り強度データと関連する。不快が最も少ない香りを有すると評価された未粉砕試料は試料1であり、残りの試料は互いに同様の程度の不快評価を得た。試験群のうち最も不快な香りを有すると評価された未粉砕試料は、62%の相対湿度で保管された試料7であった。香りの不快さは蒸発しているテルペンが少ないことに起因し、香りの主成分は植物バイオマスからもたらされている、と考えられる。つまり、62%の相対湿度では、この試料において、水の単分子層が完全に形成され、テルペンの著しい蒸発を妨げた。
【0113】
粉砕後、香り強度が増加したのと同じように香りの心地よさが著しく増加し、最も高い香りの心地よさは、62%での相対湿度保護で保管された試料8におけるものであった。試料のすべてについて、香りの相対的な心地よさは、図10に示すように増加したが、対照と、62%の相対湿度での相対湿度保護で保管された試料8とだけが、全体的に心地よいものとして分類された。
【0114】
表3及び表4は、香りプロファイルが粉砕後に大幅に変ったことを示す。未粉砕試料において、香り記述子は、焦げ臭い匂い又は非常に硫黄臭い匂いなどの不快な匂いへスキューした。粉砕後、硫黄臭い匂いは残ったままであったが、調湿のなかった、高いaにもかかわらず硫黄臭い匂いを有した対照試料2を除き、調湿により水分活性が増加するにつれて減少した。ハーブ及び果物のような他の主要な香り記述子が、より心地よく望ましい香料とみなされ得、粉砕後に存在した。これは、試料が未粉砕である場合、検出された主要な香りは、ヘッドスペースに存在した毛状突起テルペンではなく植物バイオマスに関係したことを示唆する。粉砕されると、テルペンが放出され、植物に関係した香りを圧倒した。
【0115】
これらの結果は、未粉砕の麻の花について、香り強度及び相対的な心地よさの両方が55~62%の相対湿度間で最大に達したことを示す。これは、テルペン損失を防ぐのを助ける、水の単分子層の形成が、およそ55%の相対湿度で開始し、およそ62%の相対湿度によって完全形成となったことを示唆する。粉砕後、ピークの香り強度及び心地よさは62%の相対湿度へとシフトする。
【0116】
実例2
この実験は、調湿あり及び調湿なしで保管された場合の、大麻の花における経時的な安定性を評価するために行われた。
【0117】
この実験において使用された大麻は、カリフォルニア州サンフランシスコ所在のSherbinskis社から入手したBacio Gelato株であった。大麻を新たに栽培し、ASTM D8197による0.55~0.65の最適なaw範囲内にある0.56の初期aで保存した(cured)。
【0118】
保存したての大麻の一部を慎重に乾燥させてaを0.50に下げた。これは、蒸発を加速させるとともに大麻試料を促すために行った。次いで、初期の水分含有量及びテルペン・プロファイルを測定して(n=5)、t=t0のベースライン時間を確立した。
【0119】
大麻を、それぞれ30gの花を有する6つのサブ試料にランダムに分割した。これらを、それぞれ6gの花を含む5回の反復回分にさらに分割した。次いで、これらの反復回分の重量を量り、個別の気密ガラスMasonジャーに入れた。最後に、関連RHのBovedaパウチの重量を量ってからMasonジャーに入れた。試料条件を以下で表2に要約する。
【0120】
【表5】
【0121】
7日間試料及びベースライン試料以外、各ジャーを週に一度、30秒間開いた。これは、通常の使用時にエンドユーザが容器を開閉することにより、ジャーの内部の環境を清新にすることができる様子をシミュレートするために行った。
【0122】
各時点及び反復回分について、以下のステップを実行した。すなわち、ジャーを開いて30秒間そのままにし、大麻の重量を量り、調湿パウチの重量を量り、大麻を粉砕し、a及び水分含有量を測定し、テルペン・プロファイルを測定した。
【0123】
結果を、図7図11として提示した棒グラフで示す。図7は、Boveda調湿パケットと一緒に保管された試料と比較した、調湿なしで保管された試料について、7日、62日及び120日で、t0で存在するテルペンの量のパーセンテージとして、各試料中のテルペンの総量を示す。同じ結果を、ただし以下の特定のテルペン、すなわち、モノテルペン(図8)、リモネン(図9)、ミルセン(図10)及びセスキテルペン(図11)について、他の図に示す。これらの結果もまた、以下で表6に数字で示す。
【0124】
【表6】
【0125】
図及び表6に示すように、60%しかテルペンを維持しなかった、調湿なしで保管された大麻の花に比して、Boveda調湿パケットと一緒に保管された大麻の花は、7日後に78%のテルペンを維持した。7日後、Boveda調湿パケットと一緒に保管された大麻の花は、78%のモノテルペンを維持したのに対し、調湿なしで保管された大麻の花は、59%しかモノテルペンを維持しなかった。調湿なしで保管された試料中での60%だけのリモネンの維持に比して、Boveda調湿パケットと一緒に保管された大麻の花は、7日後に80%のリモネンを維持した。ミルセンは、Boveda調湿パケットと一緒に7日間保管された試料中で66%維持されたが、調湿なしで保管された試料中では45%しか維持されなかった。最終的に、120日後、Boveda調湿パケットと一緒に保管された試料は、セスキテルペンを59%維持したが、調湿なしで保管された試料は51%維持した。
【0126】
これらの結果は、調湿なしで保管された大麻の花に比して、Boveda調湿パケットが、7日後に18%多くの総テルペン及び19%多くのモノテルペンを維持したことを明示している。加えて、調湿なしで保管された大麻の花は、およそ60日でそのテルペンすべての半分近くを失った。これに比べ、Boveda調湿パケットと一緒に保管された花は、その半分近くの程度に達するまでに長さが2倍の120日かかった。Boveda調湿パケットがなければ、保存したての花は、7日後に40%のテルペン、4ヶ月後に60%のテルペンを失った。テルペンは、調湿なしで保管された花に対し、Boveda調湿パケットと一緒に保管された花では8.5倍までより長く維持された。120日後、調湿パケットと一緒に保管された大麻の花は、調湿なしで保管された大麻よりも73%多くのミルセンを維持した。
【0127】
実例3
吸収パッドを有する及び有しない、また、調湿溶液中にガムの包含を有する及び有しない、62%調湿パウチによってもたらされる調湿の比較。
【0128】
パッドを、0.33の厚さを有する2-plyナイロン・パッド材料から以下のサイズに、すなわち、4gBoveda調湿パウチにフィットする3.81cm(1.5インチ)×3.81(1.5インチ)、及び8gBoveda調湿パウチにフィットする5.715cm(2.25インチ)×5.08cm(2インチ)にカットした。
【0129】
ガムを有する及び有しない2つの62%調湿製剤を用意した。ガムを有する62%調湿製剤は、34.30%の水、65.35%のクエン酸カルシウム、0.99%のグリセリン、及び0.35%のガムを含むものとした。ガムを有しない調湿製剤は、34.41%の水、65.58%のクエン酸カルシウム、0.99%の水を含むものとした。
【0130】
各タイプのパウチの2つを、それらパウチが繰り返して試験されるように用意した。パッドを、Bovedaパウチ(該当する場合)に挿入し、62%調湿製剤のうちの一方又は他方で手充填した。次いで、パウチをヒートシール密閉した。
【0131】
リークダウン試験をパウチで以下のように行った。溶液の重量損失を計算するためにすべての重量を記録した。初期の重量を記録し、パウチを低湿度(<10%RH)に置き、重量がもはや変化しなくなるまで24時間ごとに試験した。結果を、以下で表7~表10に示す。
【0132】
吸収パッドの包含あり及びなしでの、4gパウチにガムを有する62%調節溶液の比較を、以下で表7に示す。調湿パウチは、パッドなし及びパッドありの両方で十分に機能し、7日目に溶液の重量において同様のパーセント減少があった。
【0133】
【表7】
【0134】
吸収パッドの包含あり及びなしでの、4gパウチにガムを有しない62%調湿溶液の比較を、以下で表8に示す。調湿パウチはこの場合もまた、パッドなし及びパッドありの両方で十分に機能し、7日目に溶液の重量において同様のパーセント減少があった。
【0135】
【表8】
【0136】
吸収パッドの包含あり及びなしでの、8gパウチにガムを有する62%調湿溶液の比較を、以下で表9に示す。調湿パウチはこの場合もまた、パッドなし及びパッドありの両方で十分に機能し、8日目に溶液の重量において同様のパーセント減少があった。
【0137】
【表9】
【0138】
吸収パッドの包含あり及びなしでの、8gパウチにガムを有しない62%調湿溶液の比較を、以下で表9に示す。調湿パウチはこの場合もまた、パッドなし及びパッドありの両方で十分に機能し、9日目に溶液の重量において同様のパーセント減少があった。
【0139】
【表10】
【0140】
実例4
この実例では、58.3%RH Bovedaパウチの有効性を、経時的に3つの温度で試験した。3つの60gBovedaパウチをそれぞれ、51.50%の水、47.65%のギ酸ナトリウム、0.50%のグリセリン、及び0.35%のキサンタンガムの溶液60gで充填し、次いで、それらパウチをヒートシールした。パウチを次いで、湿度計とともに、3つの異なる226.8g(8oz)缶詰瓶に入れ、缶詰瓶の蓋を封止した。
【0141】
Bovedaパウチと湿度計とを収容するそれらの缶詰瓶を、3つの異なる温度環境のうちの1つに48時間置いた。1つの瓶を、典型的な家庭用冷凍庫温度であるか又はそれに近い、-17.8℃(ゼロ度F)環境に置いた。1つの瓶を、典型的な家庭用冷蔵庫温度であるか又はそれに近い、0℃(32度F)環境に置いた。残りの瓶を、室温と略同じである、22.2℃(72度F)環境に置いた。48時間の終わりに、これらの瓶を開け、湿度計値をダウンロードした。
【0142】
湿度計からのデータと温度とを、図12図14に示すように各状態について時間に対してプロットした。図12は、-17.8℃(0度F)での調湿を示し、図13は、0℃(32度F)での調湿を示し、図14は、22.2℃(72度F)での結果を示す。これらの図に示すように、それらの温度すべてにおいて、調湿用品は、迅速に相対湿度をおよそ所望のレベルにせしめ、試験全体を通じてそのレベルを維持し、調湿用品の有効性が室温環境に限定されずに冷蔵庫温度及び冷凍庫温度にも同様に及ぶことを示した。
【0143】
本発明において使用される場合、「実質的に、略」又は「概ね」という用語は、作用、特徴、特性、状態、構造、アイテム、又は結果の完全又は略完全な範囲又は程度を指す。例えば、「実質的に」又は「概ね」封入される物体は、その物体が完全に封入されるか又は略完全に封入されるかのどちらかを意味する。絶対的な完全性からの逸脱の正確な許容可能な程度は場合によって、特定の文脈に応じて決まることがある。しかしながら、概して、完全性への近さは、絶対的且つ全体の完全性が得られたかのような概ね同じ全体的な結果を得るようなものであろう。作用、特徴、特性、状態、構造、アイテム、又は結果の完全な又は略完全な欠如を指すために否定的な意味合いで使用される場合にも同様に「実質的に」又は「概ね」の使用が適用可能である。例えば、或る要素を「実質的に含まない」又は「概ね含まない」要素、組み合わせ、実施例、又は組成物は、概してその有意な効果がない限りにおいて、そのような要素をそれでも実際に含み得る。
【0144】
上記の説明において、本開示の様々な実施例を例示及び説明のために提示してきた。それらは、網羅的であること又は開示される正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示に鑑み、明らかな変更又は変形形態が可能である。本開示の原理及びそれらの実用的な用途の最良の例示を提供するために、また、意図される特定の使用に適しするような様々な変更を伴う様々な実施例を当業者が用いることをできるようにするために様々な実施例を選択及び説明した。そのような変更及び変形形態はすべて、公平に、法的に、及び公正に権利が与えられる範囲に従って解釈される場合、添付の特許請求の範囲によって決定されるような本開示の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】