(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
C25B 1/044 20210101AFI20240920BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20240920BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20240920BHJP
C25B 15/023 20210101ALI20240920BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20240920BHJP
C01B 13/02 20060101ALI20240920BHJP
C01B 3/02 20060101ALI20240920BHJP
A61M 16/12 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C25B1/044
C25B9/00 A
C25B1/04
C25B15/023
C25B15/08 302
C01B13/02 A
C01B3/02 H
A61M16/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518117
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2021133945
(87)【国際公開番号】W WO2023082362
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111343342.X
(32)【優先日】2021-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122774026.X
(32)【優先日】2021-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲ドン▼ 徳会
(72)【発明者】
【氏名】劉 艶廷
(72)【発明者】
【氏名】舒 運茂
(72)【発明者】
【氏名】薄 ▲シン▼
【テーマコード(参考)】
4G042
4K021
【Fターム(参考)】
4G042BA14
4G042BA18
4G042BB02
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC04
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA11
4K021DC01
4K021DC03
4K021EA06
(57)【要約】
【課題】
本発明は、水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法を開示し、水素と酸素の混合ガス発生装置は、空気中の酸素を分離して貯留する酸素発生装置と、水を電気分解することで水素又は水素と酸素の混合ガスを発生する水素発生装置と、酸素の流量を制御調節し、酸素の濃度を検出し、且つ水素と酸素の混合ガスの流量と水素含有量を所定範囲に調節する制御モジュールと、酸素発生装置、水素発生装置、制御モジュール及び上記の各装置に電力を供給する電力供給モジュールを格納するケースと、を含み、酸素発生装置により発生した酸素と、水素発生装置により発生した水素又は水素と酸素の混合ガスとは、管路を介して水素と酸素の混合ガス発生装置の排出口に合流し、加湿されて排出又は直接に排出される。本発明は、上述装置の使用方法も開示する。本発明は、長寿命、水素含有量調節可能、水素と酸素の混合ガスの流量調整可能などの利点を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置であって、
酸素発生装置、水素発生装置、制御モジュール及び電力供給モジュールを格納するケースを含み、前記電力供給モジュールは、前記酸素発生装置、前記水素発生装置、前記制御モジュールに電力を供給し、
前記酸素発生装置は、空気中の酸素を分離して貯留し、
前記水素発生装置は、水を電気分解することで水素又は水素と酸素の混合ガスを発生し、
前記制御モジュールは、酸素の流量を制御調節し、酸素の濃度を検出し、且つ水素と酸素の混合ガスの流量と水素含有量を所定範囲に調節し、
前記酸素発生装置により発生した酸素と、前記水素発生装置により発生した水素又は水素と酸素の混合ガスとは、管路を介して前記水素と酸素の混合ガス発生装置の排出口に流れ込み、加湿されて排出又は直接に排出される、ことを特徴とする水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項2】
前記酸素発生装置は、空気圧縮機と、空気圧縮機に接続される凝縮器と、凝縮器に接続され、空気中の酸素を分離する吸着装置と、吸着装置に接続され、酸素を貯留するガスタンクと、空気中の他の気体の排出管に接続される消音装置と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項3】
前記吸着装置は、少なくとも二つの吸着塔を含む吸着塔群であって、前記凝縮器と前記吸着塔群との間には複合空気弁が設けられていて、複合空気弁により気路を制御し、圧力スイング吸着法で循環的に交替して作動し、空気中の酸素を分離する、ことを特徴とする請求項2に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項4】
前記水素発生装置は、電解槽と触媒電極とを含み、電解槽には水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口が設けられ、水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口には気液分離器が設けられ、発生した水素又は水素と酸素の混合ガスが多段にろ過・乾燥されて酸素排出管と連通する排気管路に流れ込む、ことを特徴とする請求項1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項5】
前記水素と酸素の混合ガスの流量及び水素含有量の所定範囲は、水素と酸素の混合ガスのガス出力が0.03~7L/minで、水素含有率が0%~100%である、ことを特徴とする請求項1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項6】
前記ケースは、メインケースと、メインケースの上下両端に設けられた上蓋と底蓋とを含み、前記上蓋には、水素発生装置に水を注入する注水口が設けられ、前記注水口には、密封キャップが設けられ、さらに前記上蓋内には、加湿瓶が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項7】
前記上蓋には、さらにコントロールパネルのディスプレイと流量計の表示ウィンドウが設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項8】
前記底蓋には、複数列の吸気孔が設けられ、前記底蓋には、移動しやすいキャスターが設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項9】
前記加湿瓶の底部には、さらにライティングパネルが設けられ、前記加湿瓶の側面の上蓋には、加湿瓶の可視ウィンドウが設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項10】
水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法であって、
水素発生装置に水を注入した後、水素と酸素の混合ガス発生装置をオンして酸素発生装置と水素発生装置を作動し、空気がケースの底蓋の吸気孔からメインケースに入り、空気圧縮機に入ってから凝縮器を経由して複合空気弁に入って吸着塔群を選択して入り、吸着塔群により圧力スイング吸着を行い、酸素と空気中の他の気体とを分離した後、酸素はガスタンクに流入し流量調節と濃度検出が行われた後、水素発生装置で水を電気分解することで生成した水素又は水素と酸素の混合ガスと合流して排気管路に流れ込み、加湿瓶で加湿されて排出又は直接に排出され、空気中の他の気体は消音装置を通じてから排出される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素と酸素の製造の技術分野に関し、具体的には、水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素は、人体の代謝に対して重要な役割を果たしているので、酸素が欠乏すると、上気道感染症、不眠、肺水腫及び脳水腫などの病気を引き起こす。近年、医療、保健、養生の分野で水素の利用が広がっており、水素ガスや水素含有の液体製品に注目が集まっている。水素の生物学的効果、例えば抗酸化作用、抗炎症作用、抗アポトーシス作用、細胞修復作用を利用することにより、体調改善と病気予防の効果が期待できる。水素は体内の悪性フリーラジカルを選択的に除去し、免疫調節、代謝調節などの健康作用があり、脳虚血、アルツハイマー病、肺損傷、腎臓損傷、腫瘍治療、睡眠改善などに補助的な治療効果があることが多くの研究結果から示されている。同時に、水素は美容アンチエイジング、抗紫外線ダメージ、皮膚組織の修復などにも効果がある。
【0003】
現在、市販されている水素発生機や医療机関の水素酸素発生器の多くは、構成が複雑で、高純度水素又は酸素と水素の割合(水素/酸素=66.6%:33.3%)が固定の水素と酸素の混合ガスを発生することしかできず、水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置はまだ報告されていない。
【0004】
そこで、従来技術の不足を解消するために、医療保健に適し、使用者により水素含有量を調節できる水素と酸素の混合ガス発生装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術における水素及び水素と酸素の混合ガス発生設備の構成が複雑で、水素と酸素の割合が調整不可能等の技術的課題に鑑みてなされたものであり、水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法を提供する。本発明は主に空気分離酸素発生プロセスを水の電気分解による水素製造技術に結合応用したもので、上記の装置に対して合理的な構造設計、最適化を行うことにより、気体流量、水素含有量を調節制御してマルチモード供給を実現し、コンパクト、長寿命、水素と酸素の混合ガスのガス出力及び水素含有量が調節可能などの利点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術手段は、以下のとおりである。
【0007】
本発明の一態様は、水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置であって、酸素発生装置、水素発生装置、制御モジュール及び電力供給モジュールを格納するケースを含み、前記電力供給モジュールは、酸素発生装置、水素発生装置、制御モジュールに電力を供給し、
前記酸素発生装置は、空気中の酸素を分離して貯留し、
前記水素発生装置は、水を電気分解することで水素又は水素と酸素の混合ガスを発生し、
前記制御モジュールは、酸素の流量を制御調節し、酸素の濃度を検出し、且つ水素と酸素の混合ガスの流量と水素含有量を所定範囲に調節し、
前記酸素発生装置により発生した酸素と、前記水素発生装置により発生した水素又は水素と酸素の混合ガスとは、管路を介して前記水素と酸素の混合ガス発生装置の排出口に流れ込み、加湿されて排出又は直接に排出される。
【0008】
さらに、前記酸素発生装置は、空気圧縮機と、空気圧縮機に接続される凝縮器と、凝縮器に接続され、空気中の酸素を分離する吸着装置と、吸着装置に接続され、酸素を貯留するガスタンクと、空気中の他の気体の排出管に接続される消音装置とを含む。
【0009】
酸素発生装置の動作原理は、圧力スイング吸着原理に基づき、ゼオライト分子篩を吸着剤として用い、ゼオライト分子篩は選択吸着の特性があるため、窒素がゼオライト分子篩に大量に吸着され、酸素が気相で濃縮され、圧力スイング吸着の作用下で窒素と酸素の分離を実現する。2つの吸着塔のプロセスを採用し、その一方は吸着して酸素を発生し、他方は脱着して再生され、制御モジュールにより複合空気弁の開閉を制御して、2つの吸着塔を循環的に交替して連続作動させることで、連続して高品質の酸素を発生する。
【0010】
さらに、前記吸着装置は、少なくとも二つの吸着塔を含む吸着塔群であって、前記凝縮器と前記吸着塔群との間には複合空気弁が設けられていて、複合空気弁により気路を制御し、圧力スイング吸着法で循環的に交替して作動し、空気中の酸素を分離する。前記凝縮器の一側には凝縮器の放熱に用いるラジエータが設けられる。
【0011】
さらに、前記水素発生装置は、電解槽と触媒電極とを含み、電解槽には水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口が設けられ、水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口には気液分離器が設けられて、発生した水素又は水素と酸素の混合ガスが多段にろ過・乾燥されて酸素排出管と連通する排気管路に流れ込む。
【0012】
好ましくは、乾燥された水素と酸素の混合ガスは、フレームアレスタを経て、合流管路に流れ込み、装置の安全性を効果的に保証することができる。
【0013】
さらに、前記水素と酸素の混合ガスの流量及び水素含有量の所定範囲は、水素と酸素の混合ガスのガス出力が0.03~7L/minで、水素含有率が0%~100%である。酸素発生装置が停止した場合、水素発生装置の水素の排出口をオンとして、ほぼ100%濃度の水素供給が可能になり、又は酸素発生装置が停止した場合、水素発生装置の水素と酸素の混合ガスの排出口をオンとし、水素と酸素の割合が66.6%:33.3%の水素と酸素の混合ガス供給が可能になり、又は、酸素発生装置のみを作動して、100%の酸素供給が可能になり、又は、両方を同時に作動して、水素含有量を所要の範囲に調節すればよい。なお、水素含有量が爆発限界を超えると、さらに装置の安全性を保証するため、合流部と排出口との間にフレームアレスタをさらに設置する。
【0014】
さらに、前記ケースは、メインケースと、メインケースの上下両端に設けられた上蓋と底蓋とを含み、前記上蓋には、水素発生装置に水を注入する注水口が設けられ、前記注水口には、密封キャップが設けられ、さらに前記上蓋内には、加湿瓶が設けられている。
【0015】
さらに、前記上蓋には、さらにコントロールパネルのディスプレイと流量計の表示ウィンドウが設けられている。
【0016】
さらに、前記底蓋には、複数列の吸気孔が設けられ、前記底蓋には、移動しやすいキャスターが設けられている。
【0017】
さらに、前記加湿瓶の底部には、さらにライティングパネルが設けられ、前記加湿瓶の側面の上蓋には、加湿瓶の可視ウィンドウが設けられている、
【0018】
本発明の他の態様は、上記の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法であって、水素発生装置に水を注入した後、水素と酸素の混合ガス発生装置をオンし、酸素発生装置と水素発生装置を作動し、空気がケースの底蓋の吸気孔からメインケースに入り、空気圧縮機に入ってから凝縮器を経由して複合空気弁に入り、吸着塔群を選択して入って圧力スイング吸着を行い、酸素と空気中の他の気体を分離した後、酸素はガスタンクに流入し流量調節と濃度検出が行われた後、水素発生装置で水を電気分解することで生成した水素又は水素と酸素の混合ガスと合流して排気管路に流れ込み、加湿瓶で加湿されて排出又は直接に排出され、空気中の他の気体は消音装置を通じてから排出される。
【発明の効果】
【0019】
従来技術と比べると、本発明は、以下のメリットがある。
【0020】
1.本発明の酸素発生装置は、圧力スイング吸着原理に基づき、空気中の酸素を他の気体と分離し、高純度の酸素を得、予備に用いる。
【0021】
2.本発明の水素発生装置は、水の電力分解原理に基づき、水素又は水素と酸素の混合ガスを発生し、多段のろ過及び乾燥を経て清浄な水素又は水素と酸素の混合ガスを得、予備に用いる。
【0022】
3.本発明の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置は、使用者の需要に応じて、発生した水素と酸素の混合ガスの流量及び水素含有量を予め設定された範囲に調節することができ、安全かつ迅速で、マルチモード供給が可能となる。
【0023】
以上により、本発明の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置は、コンパクト、水素と酸素の混合ガスのガス出力と水素含有量が調節可能、長寿命である。
【0024】
上記の理由により、本発明は、水素と酸素の製造分野において広く普及することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例または従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例または先行技術に関連した図面について簡単に紹介するが、以下の図面は本発明の一部の実施例であり、当業者であれば、創造的労働を行わなずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができることはいうまでもない。
【0026】
【
図1】本発明の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置の構成を示す分解組立図である。
【
図2】本発明の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
相互に衝突しない限り、本発明における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせてもよい。以下、図面を参照しながら、実施例に関連した本発明を詳細に説明する。
【0028】
本発明に係る実施例の目的、技術手段及びメリットをより明らかにするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術手段を明らか且つ完全に説明し、説明される実施例が全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎないことはいうまでもない。以下の少なくとも1つの例示的実施例に対する説明は実際に説明するためのものに過ぎず、本発明及びその応用や使用が限定されるものではない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的労動を行うことなく得た他の実施例は、全て本発明が保護する範囲に含まれるものとする。
【0029】
なお、ここで使用されている用語はただ具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明による例示的な実施形態の制限になることを意図しない。コンテキストによりはっきり指摘されていない限り、ここで使用されている単数形は複数形も含むとのことを理解すべきである。なお、本明細書において用語である「含み」又は/及び「備え」を使用すると、それは特徴、ステップ、操作、部品、構成部品及び/又はそれらの組合せがあることを意味するということを理解すべきである。
【0030】
別に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載の部材とステップの相対的配置、数式及び数値は本発明の範囲を限定するものではない。また、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比例関係に基づいて描かれたものではないことを理解すべきである。当業者に知られている技術、方法及びデバイスについての詳細な説明を省略する場合があるが、適切な場合に、前記技術、方法及びデバイスを許可となる明細書の一部と見なすべきである。本明細書に記載して説明する全ての示例において、全ての具体的な値は限定するものではなく、例示的なものと解釈すべきである。従って、例示的実施例以外の例は異なる値を有してもよい。類似する符号と文字は下記の図面において類似項目を示すため、ある項目が1つの図面で定義されると、その以降の図面でそれについて更に説明する必要がないことに注意されたい。
【0031】
本発明の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縱方向、垂直、水平」及び「頂、底」等の方位詞で示す方位又は位置関係は一般に図面に基づいて示す方位又は位置関係であり、その目的はただ本発明を容易に説明、及び説明を簡単化するためであり、反対に説明しない限り、これらの方位詞は示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し又は特定の方位で構成され操作されることを明示、暗示しないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならなく、方位詞の「内、外」は各部材自身の輪郭に対する内外を指すことを理解されたい。
【0032】
説明の便宜上、本明細書では、例えば図に示すデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明するために、例えば、「…の上」、「…の上方」、「…の表面」、「上の」等の空間相対技術用語を用いてもよい。空間相対技術用語は、図に記載の方位以外、デバイスの使用又は操作での異なる方位を含むことを意図することを理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスを反対に配置した場合に、「他のデバイス又は構造の上方」又は「他のデバイス又は構造の上」と記述したデバイスは、「他のデバイス又は構造の下方」又は「他のデバイス又は構造の下」と位置決めされる。従って、例示的技術用語の「…の上方」は「…の上方」及び「…の下方」という2種の方位を含むことが可能である。このデバイスを他の異なる方式で位置決めすることもでき(90度回転させ又は他の方位に位置させる)、そしてここで使用される空間相対記載を対応的に解釈する。
【0033】
なお、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定する目的は、ただ対応する部品を区別しやすくすることにあり、別途に説明しない限り上記用語は特別な意味がないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならないことを説明すべきである。
【0034】
図1に示すように、本発明は、水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置を提供し、酸素発生装置、水素発生装置、制御モジュール14及び上記の各装置に電力を供給する電力供給モジュール19を格納するケースを含み、
前記ケースは、メインケース1と、メインケース1の上下両端に設けられた上蓋2と底蓋3とを含み、前記上蓋2には、水素発生装置に水を注入する注水口26が設けられ、前記注水口26には、密封キャップ27が設けられ、さらに前記上蓋2内には、加湿瓶18が設けられ、加湿瓶18の底部にはライティングパネル25が設けられ、前記加湿瓶18の側面の上蓋2には加湿瓶の可視ウィンドウが設けられ、可視ウィンドウにより加湿瓶内の気体の流出量を観察する。
【0035】
前記上蓋2には、制御モジュール14の作動を表示するコントロールパネルのディスプレイ13と、流量状況を観察するための流量計の表示ウィンドウ12がさらに設けられている。
【0036】
前記底蓋3には、メインケース1への吸気量を大きくするための複数列の吸気孔24が設けられ、前記底蓋3には、移動しやすいキャスター4が設けられている。
【0037】
前記酸素発生装置は、空気中の酸素を他の気体と分離して貯留して予備し、前記酸素発生装置は、空気圧縮機6と、空気圧縮機6に接続される凝縮器7と、凝縮器7に接続され、空気中の酸素を他の気体と分離する吸着装置と、吸着装置に接続され、酸素を貯留するガスタンク10と、他の気体の排出管に接続される消音装置である消音器28とを含む。前記吸着装置は、二つの吸着塔を含む吸着塔群9であって、前記凝縮器7と前記吸着塔群9との間には複合空気弁8が設けられ、複合空気弁8により気路を制御し、圧力スイング吸着法で循環的に交替して作動し、空気中の酸素の分離を実現する。前記凝縮器7の一側には凝縮器7の放熱に用いるラジエータ30が設けられ、ラジエータ30は空冷放熱が可能である。
【0038】
前記水素発生装置は、水を電気分解することで水素又は水素と酸素の混合ガスを発生し、前記水素発生装置は、電解槽20と触媒電極(電解スタック21)とを含み、電解槽20には水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口が設けられ、水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口には気液分離器22が設けられ、発生した水素又は水素と酸素の混合ガスが多段にろ過・乾燥されてフレームアレスタ2を経て酸素排出管と連通するT型パイプ16に流れ込む。
【0039】
前記制御モジュール14は、酸素の流量を制御調節し、酸素の濃度を検出し、且つ水素と酸素の混合ガスの流量と水素含有量を、水素と酸素の混合ガスのガス出力が0.03~7L/min、水素含有率が0%~100%である所定範囲に調節する。前記酸素発生装置により発生した酸素は、逆止弁15を介して前記水素発生装置により発生した水素又は水素と酸素の混合ガスと、T型パイプ16を経由して前記水素と酸素の混合ガス発生装置の排出口17に流れ込み、加湿瓶18により加湿された後、排出又は直接排出される。なお、水素含有量が爆発限界(水素含有量が4%以上)を超える場合、装置の安全性をより一層向上させるために、T型パイプ16と排出口17との間にフレームアレスタを設置すべきである。
【0040】
図2に示すように、本発明は、さらに、上記水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法を提供し、以下の内容を含む。
【0041】
予備作業:密封キャップ27を開いて、注水口26を介して水を電解槽20に注入し、水素と酸素の混合ガス発生装置をオンして酸素発生装置と水素発生装置を作動させる。
【0042】
酸素発生装置のワークフロー:空気が底蓋3の吸気孔24からメインケース1に入り、第1ろ過器5を経由して空気圧縮機6に入って圧縮されて、凝縮器7を経由して複合空気弁8に入り、ラジエータ30で凝縮器7を放熱させることができる。圧縮された気体が複合空気弁8を経由して吸着塔群9を選択して入り、圧力スイング吸着により酸素を他の気体と分離し、酸素(酸素気路)がガスタンク10に入って第2ろ過器11を経てから、制御モジュール14で制御して流量調節弁29により流量を調整し、流量計12により流量を表示し、また濃度検出を行った後、逆止弁15を介してT型パイプ16に入って、水素発生装置で水を電気分解することで発生した水素又は水素と酸素の混合ガスと合流し、他の気体が消音器28を経由して排出される。
【0043】
水素発生装置のワークフロー:電解槽で水を電気分解して水素又は水素と酸素の混合ガスを発生し、気液分離器22を経由してフレームアレスタ23に入り、酸素(酸素気路)とT型パイプ16で合流し、この時、すでに使用者の需要に応じて水素と酸素の混合ガスの流量及び水素含有量を所定の範囲に調節し、選択的に、排出口17を経由して加湿瓶18に入り、加湿された後、排出又は直接排出されて、使用になり、安全で信頼性がある。
【0044】
使用者の需要に応じて、水素発生装置又は酸素発生装置を単独でオンにして、又は2つの装置を同時にオンにすることで、マルチモードの気体供給が可能となる。
【0045】
最後に以下のことを説明すべきである。以上の各実施例は本発明の技術的手段を説明するためのものにすぎなく、それを限定するものではない。上述した各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、上述した各実施例に記載の技術的手段を修正するか、またはその技術的特徴の一部または全部に同等な取り替えを実施することも可能であり、それらの修正や取り替えによって、対応する技術的手段の本質が本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱しないことは当業者に理解されよう。
【0046】
(付記)
(付記1)
水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置であって、
酸素発生装置、水素発生装置、制御モジュール及び電力供給モジュールを格納するケースを含み、前記電力供給モジュールは、前記酸素発生装置、前記水素発生装置、前記制御モジュールに電力を供給し、
前記酸素発生装置は、空気中の酸素を分離して貯留し、
前記水素発生装置は、水を電気分解することで水素又は水素と酸素の混合ガスを発生し、
前記制御モジュールは、酸素の流量を制御調節し、酸素の濃度を検出し、且つ水素と酸素の混合ガスの流量と水素含有量を所定範囲に調節し、
前記酸素発生装置により発生した酸素と、前記水素発生装置により発生した水素又は水素と酸素の混合ガスとは、管路を介して前記水素と酸素の混合ガス発生装置の排出口に流れ込み、加湿されて排出又は直接に排出される、ことを特徴とする水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0047】
(付記2)
前記酸素発生装置は、空気圧縮機と、空気圧縮機に接続される凝縮器と、凝縮器に接続され、空気中の酸素を分離する吸着装置と、吸着装置に接続され、酸素を貯留するガスタンクと、空気中の他の気体の排出管に接続される消音装置と、を含む、ことを特徴とする付記1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0048】
(付記3)
前記吸着装置は、少なくとも二つの吸着塔を含む吸着塔群であって、前記凝縮器と前記吸着塔群との間には複合空気弁が設けられていて、複合空気弁により気路を制御し、圧力スイング吸着法で循環的に交替して作動し、空気中の酸素を分離する、ことを特徴とする付記2に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0049】
(付記4)
前記水素発生装置は、電解槽と触媒電極とを含み、電解槽には水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口が設けられ、水素又は水素と酸素の混合ガスの排出口には気液分離器が設けられ、発生した水素又は水素と酸素の混合ガスが多段にろ過・乾燥されて酸素排出管と連通する排気管路に流れ込む、ことを特徴とする付記1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0050】
(付記5)
前記水素と酸素の混合ガスの流量及び水素含有量の所定範囲は、水素と酸素の混合ガスのガス出力が0.03~7L/minで、水素含有率が0%~100%である、ことを特徴とする付記1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0051】
(付記6)
前記ケースは、メインケースと、メインケースの上下両端に設けられた上蓋と底蓋とを含み、前記上蓋には、水素発生装置に水を注入する注水口が設けられ、前記注水口には、密封キャップが設けられ、さらに前記上蓋内には、加湿瓶が設けられる、ことを特徴とする付記1に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0052】
(付記7)
前記上蓋には、さらにコントロールパネルのディスプレイと流量計の表示ウィンドウが設けられる、ことを特徴とする付記6に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0053】
(付記8)
前記底蓋には、複数列の吸気孔が設けられ、前記底蓋には、移動しやすいキャスターが設けられる、ことを特徴とする付記6に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0054】
(付記9)
前記加湿瓶の底部には、さらにライティングパネルが設けられ、前記加湿瓶の側面の上蓋には、加湿瓶の可視ウィンドウが設けられる、ことを特徴とする付記6に記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0055】
(付記10)
水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法であって、
水素発生装置に水を注入した後、水素と酸素の混合ガス発生装置をオンして酸素発生装置と水素発生装置を作動し、空気がケースの底蓋の吸気孔からメインケースに入り、空気圧縮機に入ってから凝縮器を経由して複合空気弁に入って吸着塔群を選択して入り、吸着塔群により圧力スイング吸着を行い、酸素と空気中の他の気体とを分離した後、酸素はガスタンクに流入し流量調節と濃度検出が行われた後、水素発生装置で水を電気分解することで生成した水素又は水素と酸素の混合ガスと合流して排気管路に流れ込み、加湿瓶で加湿されて排出又は直接に排出され、空気中の他の気体は消音装置を通じてから排出される、ことを特徴とする付記1~9のいずれか1つに記載の水素含有量調節可能な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法。
【符号の説明】
【0056】
1 メインケース
2 上蓋
3 底蓋
4 キャスター
5 第1ろ過器
6 空気圧縮機
7 凝縮器
8 複合空気弁
9 吸着塔群
10 ガスタンク
11 第2ろ過器
12 流量計
13 ディスプレイ
14 制御モジュール
15 逆止弁
16 T型パイプ
17 排出口
18 加湿瓶
19 電力供給モジュール
20 電解槽
21 電解スタック
22 気液分離器
23 フレームアレスタ
24 吸気孔
25 ライティングパネル
26 注水口
27 密封キャップ
28 消音器
29 流量調節弁
30 ラジエータ。
【国際調査報告】