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特表2024-535325医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法
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  • 特表-医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法 図1
  • 特表-医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法 図2
  • 特表-医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法 図3
  • 特表-医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法 図4
  • 特表-医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法 図5
  • 特表-医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法 図6
  • 特表-医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   C25B 1/044 20210101AFI20240920BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240920BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20240920BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20240920BHJP
   C25B 15/02 20210101ALI20240920BHJP
   C25B 9/73 20210101ALI20240920BHJP
   C25B 9/67 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
C25B1/044
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B15/08 302
C25B15/02
C25B9/73
C25B9/67
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518118
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2021133946
(87)【国際公開番号】W WO2023082363
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111341489.5
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122773182.4
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲ドン▼ 徳会
(72)【発明者】
【氏名】劉 艶廷
(72)【発明者】
【氏名】薄 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】舒 運茂
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC05
4K021BC07
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA12
4K021CA15
4K021DA04
4K021DC01
4K021DC03
4K021EA06
(57)【要約】
【課題】
本発明は、医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法を開示し、装置は、ケース、上蓋、底蓋、電解池、給水タンク、二次給水タンク、ガスガイド板、回路基板及びコントロールパネルを含み、電解池は底蓋に設置され、電解池での電気分解により得られた水素と酸素の混合ガスは、排気管を経由して給水タンク上蓋内のガスガイド板を経て給水タンクに入って一次洗浄され、再びガスガイド板を経て二次給水タンクに入って二次洗浄され、洗浄後のガスはガス流通部から排出される。本発明は、上記装置の使用方法をさらに開示しており、本発明では、主に水を電気分解することで水素と酸素の混合ガスを発生し、発生されたガスは二回洗浄及びろ過されてから、供給して使用される。本発明は、装置の各部を適当に配置することで、構成全体がコンパクト、放熱性能が良好になり、水素と酸素の混合ガスは二回洗浄されることでより清浄になり、使用時に入力電圧が低く、安全性、信頼性、効率性、便利性に優れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置であって、
電解池、給水タンク及び二次給水タンクが取り付けられるケースと、
前記ケースの上部に係合され、ガス流通部と、給水タンクに貯水する供給部と、前記水素と酸素の混合ガス発生装置の作動を制御するコントロールパネルとが設けられている上蓋と、
前記ケースの底部に係合する底蓋と、を含み、
前記給水タンクには給水タンク上蓋が設けられ、前記給水タンク上蓋内に収容空間が設けられ、前記上蓋は前記給水タンク上蓋の外側にかぶせるように設置され、前記ケースと係合した後、その内部の収容空間内にガスガイド板、回路基板、霧化器及び回路基板を固定する固定板が設けられ、
前記電解池は、ケースの底部の底蓋に配置され、管路を介して上方に設けられた前記給水タンクに接続され、前記電解池での電気分解により発生した水素と酸素の混合ガスは、排気管を経由して前記給水タンク上蓋内のガスガイド板を経て前記給水タンクに入って一次洗浄され、再びガスガイド板を経て前記二次給水タンクに入って二次洗浄され、洗浄後のガスはガス流通部から排出される、ことを特徴とする医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項2】
前記電解池は、電解槽と前記電解槽内部に設置された電解スタック及び電解液を含む放熱フィン付き電解池であり、前記電解スタック内の電極は、直並列接続するように配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項3】
前記電解槽には、排気管、圧力センサ、液面レベルセンサの金属制探針挿入口、安全弁、ポンプに接続された注水口が設けられ、前記注水口は管路を介して前記給水タンクに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項4】
前記電解槽の周囲には放熱フィンが設けられ、前記ケースの両側には放熱用の放熱口が設けられ、前記放熱口に対向するケース内部にはファンユニットが設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項5】
前記ガスガイド板にはガスガイド溝が2本設けられ、前記ガスガイド溝の両端には排気・吸気口が設けられ、前記ガスガイド溝にはガスガイド溝密封キャップが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項6】
前記給水タンクの内部と前記二次給水タンクの内部には、細かい気泡を発生させる装置が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項7】
前記二次給水タンクは、二次給水タンク基座により前記ケースの片側に取り付けられ、前記二次給水タンクは、内部のガス洗浄状況を観察する観測窓としても機能する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項8】
前記固定板には、霧化器が固定され、二次洗浄後のガスは、選択的に霧化器を経由してガス流通部から排出される、ことを特徴とする請求項1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項9】
前記ファンユニットは、ファン、ファン固定用ブラケット及びファンの先端に設置された風向ガイド溝を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【請求項10】
水素と酸素の混合ガス発生装置に適量の水を加えた後装置を始動し、電解池が作動して水素と酸素の混合ガスを発生し、発生されたガスを排気管を介してガスガイド板上のガスガイド通路に排出して給水タンクに導入し一次洗浄を行い、再びガスガイド板を介して二次給水タンクに導入して二次洗浄を行い、洗浄後のガスはガス流通部から直接排出または霧化器を経由して排出される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素と酸素の製造の技術分野に関し、具体的には、医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年来、医療、保健、養生の分野で水素の利用が広がっており、水素ガスや水素含有の液体製品に注目が集まっている。水素の生物学的効果、例えば抗酸化作用、抗炎症作用、抗アポトーシス作用、細胞修復作用を利用することにより、体調改善と病気予防の効果が期待できる。水素は体内の悪性フリーラジカルを選択的に除去し、免疫調節、代謝調節などの健康作用があり、脳虚血、アルツハイマー病、肺損傷、腎臓損傷、腫瘍治療、睡眠改善などに補助的な治療効果があることが多くの研究結果から示されている。同時に、水素は美容アンチエイジング、抗紫外線ダメージ、皮膚組織の修復などにも効果がある。
【0003】
現在、市販されている水素製品には、缶入りの水素水、水素を発生させる水素生成器、水素水ボトル、水素酸素発生器などがある。缶入りの水素水には、水素の含有量が低く、輸送中や貯蔵中に水素が逃げやすいため、水素濃度が時間経過に伴い徐々に低下する問題があり、水素水ボトルにより発生された水素水には電極触媒の腐食生成物や膜分解生成物が存在しやすい問題があり、水素生成器や医療機関の水素酸素発生器には、構成が複雑、高出力、高エネルギー消費などの欠点がある。そこで、従来の技術の不足を解消するために、医療保健に適する新型の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の水素発生装置における構成が複雑、高出力、低安全性などの技術的課題に鑑みてなされたものであり、医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置及びその使用方法を提供する。本発明は水を電気分解することで水素と酸素の混合ガスを直接発生させ、電解池で発生した水素と酸素の混合ガスは給水タンクで一次洗浄ろ過され、洗浄後の気体は二次給水タンクで二次洗浄されて直接排出または霧化器を経由して排出され、また、給水タンクから電解池へ定時に供水して、水位が安全値内であることを確保する。これにより、本発明により発生された水素と酸素の混合ガスは、必要時に生成でき、効率が高くて、流量が制御でき、安全性と携帯性に優れ、移動しやすいなどの効果を達成し、病院と家庭に適している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術手段は、以下のとおりである。
【0006】
本発明の一態様は、医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置であって、
電解池、給水タンク及び二次給水タンクが取り付けられるケースと、
前記ケースの上部に係合され、ガス流通部と、給水タンクに貯水する供給部と、前記水素と酸素の混合ガス発生装置の作動を制御するコントロールパネルとが設けられている上蓋と、
前記ケースの底部に係合する底蓋と、を含み、
前記給水タンクには、給水タンク上蓋が設けられ、前記給水タンク上蓋内に収容空間が設けられ、前記上蓋は前記給水タンク上蓋の外側にかぶせるように設置され、前記ケースと係合した後、その内部の収容空間内にガスガイド板、回路基板、霧化器及び回路基板を固定する固定板が設けられ、
前記電解池は、ケースの底部の底蓋に配置され、前記電解池は、管路を介して電解池の上方に設けられた前記給水タンクに接続され、前記電解池での電気分解により発生した水素と酸素の混合ガスは、排気管を経由して前記給水タンク上蓋内のガスガイド板を経て前記給水タンクに入って一次洗浄され、再びガスガイド板を経て前記二次給水タンクに入って二次洗浄され、洗浄後のガスは、ガス流通部から排出される。
【0007】
さらに、前記電解池は、電解槽とその内部に設置された電解スタック及び電解液を含む放熱フィン付き電解池であり、前記電解スタック内の電極は、直並列接続するように設置される。
【0008】
さらに、前記電解槽には、排気管、圧力センサ、液面レベルセンサの金属制探針挿入口、安全弁、ポンプに接続された注水口が設けられ、前記注水口は管路を介して前記給水タンクに接続されている。
【0009】
さらに、前記電解槽の周囲には放熱フィンが設けられ、前記ケースの両側には放熱用の放熱口が設けられ、前記放熱口に対向するケース内部にはファンユニットが設けられている。
【0010】
さらに、前記ガスガイド板にはガスガイド溝が2本設けられ、ガスガイド溝の両端には排気・吸気口が設けられ、前記ガスガイド溝にはガスガイド溝密封キャップが設けられている。
【0011】
さらに、前記給水タンクの内部と前記二次給水タンクの内部には、細かい気泡を発生させる装置が設けられている。
【0012】
さらに、前記二次給水タンクは、二次給水タンク基座により前記ケースの片側に取り付けられ、前記二次給水タンクは、内部のガス洗浄状況を観察する観測窓としても機能する。
【0013】
さらに、前記給水タンクとガスガイド板の間には、冷却板が設けられている。
【0014】
さらに、前記固定板には、霧化器が固定され、二次洗浄後のガスは、選択的に霧化器を経由してガス流通部から排出される。
【0015】
さらに、前記ファンユニットは、ファン、ファン固定用ブラケット及びファンの先端に設置された風向ガイド溝を含む。
【0016】
さらに、前記底蓋の下端には、キャスターが設けられ、前記ケースには引っ張り棒が設けられている。
【0017】
本発明の他の態様は、医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法であって、水素と酸素の混合ガス発生装置に適量の水を加えた後装置を始動し、電解池が作動して水素と酸素の混合ガスを発生し、発生されたガスを、排気管を経由してガスガイド板上のガスガイド通路に排出して給水タンクに導入し、一次洗浄を行い、再びガスガイド板を経て二次給水タンクに導入して二次洗浄を行い、洗浄後のガスはガス流通部から直接排出または霧化器を経由して排出される。
【発明の効果】
【0018】
従来技術と比べると、本発明は、以下のメリットがある。
【0019】
1.本発明により提供される電解池は、放熱フィン付きの電解池であって、電解槽の表面に放熱フィンを設けることで放熱効果を実現し、ファンユニットとともに装置をより一層放熱させることで、電解池の稼働時の温度を大幅に下げることができ、環境にも優しいし、省エネルギーになる。
【0020】
2.本発明により提供される電解スタックは、負極を共用し、電極を直並列接続することにより、より低い電堆入力電圧を有し、安全電圧(<36V)で高いガス発生率を実現し、エネルギー消費が少なく、より安全に使用することができる。
【0021】
3.本発明により提供されるガスガイド板は、その上に設置されたガスガイド溝により、発生されたガスを必要に応じて順番に給水タンクに導入して一次洗浄を行い、二次給水タンクに導入して二次洗浄を行い、最後に選択的に霧化器に導入して霧化した後または直接排出し、二回の洗浄を経て、出口の水素と酸素の混合ガスはより清浄になる。
【0022】
4.本発明により提供される二次給水タンクは、ガスを二次洗浄すると同時に、内部のガスの洗浄状況を観察する観測窓としても機能し、コントロールパネルによりガスの排出量をリアルタイムに制御する。
【0023】
5.本発明により提供される給水タンクは、管路を介して電解池に接続され、水位検知器により電解池の水位が不足していることが検知された場合、給水タンクによりリアルタイムで給水を行い、装置が安定に作動することを保証する。
【0024】
以上により、本発明は、電解池で発生した水素と酸素の混合ガスをリアルタイムで一次洗浄ろ過と二次洗浄ろ過を行い、使用者の需要に応じて、ガス発生量と霧化ガスを調整して供給することができ、構造が適当で、配置がコンパクトで、発生したガスが清浄で、ガス発生量が制御可能で、便利性に優れるという利点がある。
【0025】
上記の理由により、本発明は、水素と酸素の製造分野において広く普及することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施例または従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例または先行技術に関連した図面について簡単に紹介するが、以下の図面は本発明の一部の実施例であり、当業者であれば、創造的労働を行わなずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができることはいうまでもない。
【0027】
図1】本発明の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置の構成を示す分解組立図である。
図2】本発明の放熱フィン付きの電解池の構成を示す分解組立図である。
図3】本発明のファンユニットの構成を示す分解組立図である。
図4】本発明のガスガイド板の構成を示す図である。
図5】本発明の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置の一部を示す断面図である。
図6】本発明の二次給水タンクの構成を示す断面図。
図7】本発明の電堆の直並列接続を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
相互に衝突しない限り、本発明における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせてもよい。以下、図面を参照しながら、実施例に関連した本発明を詳細に説明する。
【0029】
本発明に係る実施例の目的、技術手段及びメリットをより明らかにするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術手段を明らか且つ完全に説明し、説明される実施例が全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎないことはいうまでもない。以下の少なくとも1つの例示的実施例に対する説明は実際に説明するためのものに過ぎず、本発明及びその応用や使用が限定されるものではない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的労動を行うことなく得た他の実施例は、全て本発明が保護する範囲に含まれるものとする。
【0030】
なお、ここで使用されている用語はただ具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明による例示的な実施形態の制限になることを意図しない。コンテキストによりはっきり指摘されていない限り、ここで使用されている単数形は複数形も含むとのことを理解すべきである。なお、本明細書において用語である「含み」又は/及び「備え」を使用すると、それは特徴、ステップ、操作、部品、構成部品及び/又はそれらの組合せがあることを意味するということを理解すべきである。
【0031】
別に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載の部材とステップの相対的配置、数式及び数値は本発明の範囲を限定するものではない。また、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比例関係に基づいて描かれたものではないことを理解すべきである。当業者に知られている技術、方法及びデバイスについての詳細な説明を省略する場合があるが、適切な場合に、前記技術、方法及びデバイスを許可となる明細書の一部と見なすべきである。本明細書に記載して説明する全ての示例において、全ての具体的な値は限定するものではなく、例示的なものと解釈すべきである。従って、例示的実施例以外の例は異なる値を有してもよい。類似する符号と文字は下記の図面において類似項目を示すため、ある項目が1つの図面で定義されると、その以降の図面でそれについて更に説明する必要がないことに注意されたい。
【0032】
本発明の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縱方向、垂直、水平」及び「頂、底」等の方位詞で示す方位又は位置関係は一般に図面に基づいて示す方位又は位置関係であり、その目的はただ本発明を容易に説明、及び説明を簡単化するためであり、反対に説明しない限り、これらの方位詞は示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し又は特定の方位で構成され操作されることを明示、暗示しないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならなく、方位詞の「内、外」は各部材自身の輪郭に対する内外を指すことを理解されたい。
【0033】
説明の便宜上、本明細書では、例えば図に示すデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明するために、例えば、「…の上」、「…の上方」、「…の表面」、「上の」等の空間相対技術用語を用いてもよい。空間相対技術用語は、図に記載の方位以外、デバイスの使用又は操作での異なる方位を含むことを意図することを理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスを反対に配置した場合に、「他のデバイス又は構造の上方」又は「他のデバイス又は構造の上」と記述したデバイスは、「他のデバイス又は構造の下方」又は「他のデバイス又は構造の下」と位置決めされる。従って、例示的技術用語の「…の上方」は「…の上方」及び「…の下方」という2種の方位を含むことが可能である。このデバイスを他の異なる方式で位置決めすることもでき(90度回転させ又は他の方位に位置させる)、そして、ここで使用される空間相対記載を対応的に解釈する。
【0034】
なお、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定する目的は、ただ対応する部品を区別しやすくすることにあり、別途に説明しない限り上記用語は特別な意味がないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならないことを説明すべきである。
【0035】
図1に示すように、本発明は、医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置を提供し、主に外殻20、上蓋1、底蓋33により本体フレームを構成する。外殻20は、前後2枚のケースにより構成し、底蓋33が前記ケース底部に係合することにより形成された空間には電解池、給水タンク23、給水タンク上蓋18及び二次給水タンク26が取り付けられる。上蓋1は、前記ケースの上部に係合し、その上に霧化ガス流通部、給水タンクに貯水する供給部、前記水素と酸素の混合ガス発生装置の動作を制御するコントロールパネル4が設けられる。
【0036】
前記給水タンク23上には、給水タンク上蓋18が設けられ、前記給水タンク上蓋18内には収容空間が設けられ、前記上蓋1は前記給水タンク上蓋18の外側にかぶせるように設置され、前記外殻20と係合した後、その内部の収容空間内にガスガイド板13、コントロールパネル4に接続される回路基板9、霧化器12、及び回路基板9と霧化器12を固定する固定板11が設けられ、霧化ガス流通部は、主に固定板11に設置された霧化室10内の霧化器12と上蓋1を覆う霧化蓋3からなり、霧化後のガスが上蓋1に設置された霧化口2から排出され、霧化の要否は実際の必要に応じて選択してもよい。上蓋1に設けられた電源スイッチ5は、コントロールパネル4の起動を制御するとともに、装置全体の運転を制御し、コントロールパネル4は、装置全体のガス発生量の調節を制御することができ、水位検知器のフィードバックにより給水タンク23から電解池への給水を制御し、圧力センサ29のフィードバックにより電解池の圧力放出を制御し、及び霧化器12の起動等を制御する。
【0037】
また、上蓋1とケースとの間には、両方を固定して密封するための側板シール8が設けられている。
【0038】
ガスガイド板13(図4に示すように)の上には第1ガスガイド溝15と第2ガスガイド溝14が設けられ、ガスガイド溝の両端には、排気・吸気口が設けられ、ガスガイド溝の構成は、排気口の位置によってガスガイド板13に適当に設置してもよい。ガスガイド溝の上方はガスガイド溝密封キャップ16により密封されてガスガイド室が形成され、その内部をガスが流れるようになっている。
【0039】
前記給水タンク上蓋18とガスガイド板13との間には、発生されたガスを冷却するための冷却板17が設けられている。
【0040】
給水タンク上蓋18には、ガスガイド板12上の排気・吸気口に対応する排気・吸気口が複数設けられ、給水タンク23に給水するために、給水タンク上蓋18にはさらに上蓋1上に設けられた注水口6に接続された注水口通路48が設けられ、注水口6には、注水口を密封するための注水口密封キャップ7が設けられる。さらに、給水タンク23内の水を空にするように、給水タンク23の下方には、給水タンク排水口52に接続されている水管が設けられている。給水タンク23の水面レベル監視するために、外部感知式の水タンク水位検知器により検視してもよい。
【0041】
図5図6に示すように、給水タンク23内には、細かい気泡を発生させる装置が設けられ、ガスを十分に洗浄するためにエアレーション装置を使用してもよい。同様に、二次給水タンク26内にも、細かい気泡を発生させる装置が設けられている。二次給水タンク26は、ガスを二次洗浄ろ過し、二次給水タンク基座25を介して前記ケースの片側に取り付けられ、また、内部のガスの洗浄状況を観察するための観測窓としても機能する。
【0042】
図2に示すように、本発明の電解池は、放熱フィン付きの電解池27であり、即ち、電解槽35の周囲には、放熱フィン37が設けられ、具体的には、前記電解池がケース底部の底蓋33に置かれ、前記電解池は、電解槽35、電解槽35の内部に置かれた電解スタック36と電解液を含み、前記電解槽35の電解槽上蓋38には、排気管28、圧力センサ29、液面レベルセンサの金属制探針挿入口30、圧力を放出するための安全弁32、ポンプに接続される電解液注入口39が設けられ、給水タンク23は電解液注入口39を介して電解池に液体を供給し、電解池の下方には、電解液を排出するための電解池排水口51が設けられる。前記電解スタック内の電極は、直列接続と並列接続とが組み合わせ(直並列接続)ているように設置され、低電圧入力の場合、エネルギー消費が少なく、より安全に使用できる。電解池をさらに固定するために、底蓋33上には、電解池の移動を防止するための固定ブラケット31が設けられている。
【0043】
図7に示すように、電解スタックと言えば、電極接続の方式が、直列接続モード又は並列接続モードである場合に比べて、直並列接続モード(負極を共用する)である方が、電堆の入力電圧が低く、安全電圧(<36V)で高いガス発生率を実現でき、エネルギー消費が比較的に少ない。表1は、本発明の直並列接続モードでの入力電圧、入力電流および電力を示している。表1から分かるように、同じガス発生速度で、直並列接続モードの場合、直列接続モードと比べると、入力電圧が低く、入力電流が大きくて、エネルギー消費がより低く、並列接続モードと比べると、エネルギー消費が少ない。
【0044】
【表1】
【0045】
前記ケースの両側には、放熱用の放熱口22が設けられ、前記放熱口に対向するケース内部には、ファンユニット24(図3に示すように)が設けられている。前記ファンユニット24は、ファン41、ファン固定用ブラケット40及びファン41の先端に設置される風向ガイド溝42を含み、風向ガイド溝42は電解池の片側に向かって徐々に広くなるように開口しており、より多くの風量を取り込んで電解池の放熱に貢献する。
【0046】
携帯の便利さを求めるために、前記底蓋33の下端には、キャスター34が設けられ、さらに、前記ケースには、引っ張り棒21が設けられている。
【0047】
本発明の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置は、以下の流れに従って使用される。
【0048】
予備作業:注水口密封キャップ7を開き、水素と酸素の混合ガス発生装置に適量の水を加えた後、電源をオンにし、ケースの電源スイッチ(ケース底部に設置され、装置に電源を入れる)をオンにし、上蓋の電源スイッチ5をオンにして、これにより機器を起動する。
【0049】
電解池が作動して水素と酸素の混合ガスを発生し、発生したガスを、排気管28を介してガスガイド板の第1排気口43に排出し、その後第1ガスガイド溝15を経由してガスを第1吸気口44に導入して第2吸気口49に流入させ、流入したガスは、エアレーション装置の第2排気口50を介して給水タンク23内の水と十分に接触し、これによりガスに対して一次洗浄およびろ過を行い、ろ過されたガスは、第3排気口45を介して導出され、第2ガスガイド溝14を経由して第3吸気口46から二次給水タンク26の第4吸気口53に流入して二次給水タンク26のエアレーション装置に入り、第4排気口54を経由して二次給水タンク内の水と十分に接触して洗浄およびろ過された後、第5排気口55から排出され、次いて第6排気口47を介してフレームアレスタに入ってから霧化器12を経由して霧化口2から排出される。
【0050】
水素と酸素の混合ガス発生装置の作動中、水位検知器金属制探針19により電解池内の電解液のレベルをリアルタイムで監視し、電解液が所定範囲にまで減少した場合、給水タンク23を起動して給水を行い、装置の正常な運転を保証する。
【0051】
本発明では、電解池の電気分解により発生された水素と酸素の混合ガスは、排気管28を介して給水タンク上蓋18内のガスガイド板13上の第1ガスガイド溝15を経由して前記給水タンク23に入って一次洗浄され、その後、ガスガイド板13上の第2ガスガイド溝14を経由して前記二次給水タンク26に入って二次洗浄される。洗浄後のガスは、選択的に霧化器12を介して霧化ガス流通部から排出又は直接排出され、使用者の使用に供される。
【0052】
最後に以下のことを説明すべきである。以上の各実施例は本発明の技術的手段を説明するためのものにすぎなく、それを限定するものではない。上述した各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、上述した各実施例に記載の技術的手段を修正するか、またはその技術的特徴の一部または全部に同等な取り替えを実施することも可能であり、それらの修正や取り替えによって、対応する技術的手段の本質が本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱しないことは当業者に理解されよう。
【0053】
(付記)
(付記1)
医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置であって、
電解池、給水タンク及び二次給水タンクが取り付けられるケースと、
前記ケースの上部に係合され、ガス流通部と、給水タンクに貯水する供給部と、前記水素と酸素の混合ガス発生装置の作動を制御するコントロールパネルとが設けられている上蓋と、
前記ケースの底部に係合する底蓋と、を含み、
前記給水タンクには給水タンク上蓋が設けられ、前記給水タンク上蓋内に収容空間が設けられ、前記上蓋は前記給水タンク上蓋の外側にかぶせるように設置され、前記ケースと係合した後、その内部の収容空間内にガスガイド板、回路基板、霧化器及び回路基板を固定する固定板が設けられ、
前記電解池は、ケースの底部の底蓋に配置され、管路を介して上方に設けられた前記給水タンクに接続され、前記電解池での電気分解により発生した水素と酸素の混合ガスは、排気管を経由して前記給水タンク上蓋内のガスガイド板を経て前記給水タンクに入って一次洗浄され、再びガスガイド板を経て前記二次給水タンクに入って二次洗浄され、洗浄後のガスはガス流通部から排出される、ことを特徴とする医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0054】
(付記2)
前記電解池は、電解槽と前記電解槽内部に設置された電解スタック及び電解液を含む放熱フィン付き電解池であり、前記電解スタック内の電極は、直並列接続するように配置される、ことを特徴とする付記1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0055】
(付記3)
前記電解槽には、排気管、圧力センサ、液面レベルセンサの金属制探針挿入口、安全弁、ポンプに接続された注水口が設けられ、前記注水口は管路を介して前記給水タンクに接続される、ことを特徴とする付記2に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0056】
(付記4)
前記電解槽の周囲には放熱フィンが設けられ、前記ケースの両側には放熱用の放熱口が設けられ、前記放熱口に対向するケース内部にはファンユニットが設けられる、ことを特徴とする付記2に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0057】
(付記5)
前記ガスガイド板にはガスガイド溝が2本設けられ、前記ガスガイド溝の両端には排気・吸気口が設けられ、前記ガスガイド溝にはガスガイド溝密封キャップが設けられる、ことを特徴とする付記1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0058】
(付記6)
前記給水タンクの内部と前記二次給水タンクの内部には、細かい気泡を発生させる装置が設けられる、ことを特徴とする付記1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0059】
(付記7)
前記二次給水タンクは、二次給水タンク基座により前記ケースの片側に取り付けられ、前記二次給水タンクは、内部のガス洗浄状況を観察する観測窓としても機能する、ことを特徴とする付記1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0060】
(付記8)
前記固定板には、霧化器が固定され、二次洗浄後のガスは、選択的に霧化器を経由してガス流通部から排出される、ことを特徴とする付記1に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0061】
(付記9)
前記ファンユニットは、ファン、ファン固定用ブラケット及びファンの先端に設置された風向ガイド溝を含む、ことを特徴とする付記4に記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置。
【0062】
(付記10)
水素と酸素の混合ガス発生装置に適量の水を加えた後装置を始動し、電解池が作動して水素と酸素の混合ガスを発生し、発生されたガスを排気管を介してガスガイド板上のガスガイド通路に排出して給水タンクに導入し一次洗浄を行い、再びガスガイド板を介して二次給水タンクに導入して二次洗浄を行い、洗浄後のガスはガス流通部から直接排出または霧化器を経由して排出される、ことを特徴とする付記1~9のいずれか1つに記載の医療保健用の効率的な水素と酸素の混合ガス発生装置の使用方法。
【符号の説明】
【0063】
1 上蓋
2 霧化口
3 霧化蓋
4 コントロールパネル
5 電源スイッチ
6 注水口
7 注水口密封キャップ
8 側板シール
9 回路基板
10 霧化室
11 固定板
12 霧化器
13 ガスガイド板
14 第2ガスガイド溝
15 第1ガスガイド溝
16 ガスガイド溝密封キャップ
17 冷却板
18 給水タンク上蓋
19 水位検知器金属制探針
20 外殻
21 引っ張り棒
22 放熱口
23 給水タンク
24 ファンユニット
25 二次給水タンク基座
26 二次給水タンク
27 放熱フィン付きの電解池
28 排気管
29 圧力センサ
30 金属制探針挿入口
31 固定ブラケット
32 安全弁
33 底蓋
34 キャスター
35 電解槽
36 電解スタック
37 放熱フィン
38 電解槽上蓋
39 電解液注入口
40 ファン固定用ブラケット
41 ファン
42 風向ガイド溝
43 第1排気口
44 第1吸気口
45 第3排気口
46 第3吸気口
47 第6排気口
48 注水口通路
49 气体第2吸気口
50 第2排気口
51 電解池の排水口
52 給水タンク排水口
53 第4吸気口
54 第4排気口
55 第5排気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】