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特表2024-535333飲料分注装置のための出口ノズル配列
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】飲料分注装置のための出口ノズル配列
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/07 20060101AFI20240920BHJP
   B67D 1/04 20060101ALI20240920BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20240920BHJP
   A47J 31/60 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B67D1/07
B67D1/04 D
A47J31/46
A47J31/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518187
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022076220
(87)【国際公開番号】W WO2023046749
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】2113470.5
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516386029
【氏名又は名称】コーニンクレイケ ダウ エグバーツ ビー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタンダール,クーン
(72)【発明者】
【氏名】ディーズ,ヘンドリック ヨハン
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082EE01
3E082FF01
4B104AA30
4B104BA35
4B104BA40
4B104BA70
4B104EA17
(57)【要約】
本開示は、飲料分注装置であって、複数のノズルを備えるノズル配列であって、複数のノズルのうちの少なくとも1つは、飲用可能な流体を分注するための出口ノズルであり、複数のノズルのうちの少なくとも1つは、洗浄戻りノズルである、ノズル配列と、ノズル配列を洗浄するために、格納位置と展開位置との間で繰り返し移動可能な洗浄チャンバハウジングであって、展開位置にあるときに複数のノズルが封止可能に受容される内部空洞を備える、洗浄チャンバハウジングと、を備える、飲料分注装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料分注装置であって、
複数のノズルを備えるノズル配列であって、前記複数のノズルのうちの少なくとも1つは、飲用可能な流体を分注するための出口ノズルであり、前記複数のノズルのうちの少なくとも1つは、洗浄戻りノズルである、ノズル配列と、
前記ノズル配列を洗浄するために格納位置と展開位置との間で繰り返し移動可能な洗浄チャンバハウジングであって、前記洗浄チャンバハウジングは、前記複数のノズルが前記展開位置にあるときに封止可能に受容される内部空洞を備える、
洗浄チャンバハウジングと、を備える、装置。
【請求項2】
前記洗浄チャンバハウジングは、基部と、前記基部から上方に延在する少なくとも1つの側壁部とを備え、前記側壁部は、前記内部空洞を画定する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のノズルは、前記洗浄チャンバハウジングが前記展開位置にあるときに前記内部空洞の中に延びるように構成されており、
前記洗浄戻りノズルは、前記少なくとも1つの出口ノズルに対して内部空洞の最下点に提供されている、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記洗浄チャンバハウジングは、前記内部空洞内で前記複数のノズルを集合的に封止するように前記ノズル配列に対して封止する周辺封止部を備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のノズルは、前記ノズル配列の本体に取り付けられた近位端部から遠位端部まで延在し、前記近位端部と前記遠位端部との間の距離が各ノズルの長さを画定し、前記洗浄戻りノズルは、前記複数のノズルのうちで最大の長さを有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の出口ノズルは、コーヒー出口ノズルと、チョコレート出口ノズルと、ミルク出口ノズルと、水出口ノズルと、を含む群のうちの少なくとも1つ以上を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の出口ノズルは、洗浄プロセス中に洗浄流体を提供するように構成されている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記洗浄チャンバハウジングは、前記出口ノズルの各々のためのウェルを備え、各ウェルは、前記それぞれの出口ノズルの終端部を受容する洗浄空洞を画定するウェル側壁部を備え、前記ウェル側壁部は、前記それぞれの出口ノズルから吐出される洗浄流体を前記それぞれの出口ノズルの外部表面に沿って方向転換するように構成されている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
各ウェルは、ウェル基部を備え、前記ウェル基部は、前記洗浄チャンバハウジングの基部に対して高くなっている、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
各ウェル側壁部は、洗浄流体が前記ウェルから前記洗浄チャンバハウジング内に流入することができるウェルドレインを備える、
請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記ウェルドレインは、各ウェルの前記側壁部に開口部を備える、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ウェルドレインは、洗浄流体の流出を前記洗浄戻りノズルに向かって方向付けるように前記洗浄戻りノズルに面している、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記格納位置と前記展開位置との間で前記洗浄チャンバハウジングを移動させるように動作可能な駆動機構を更に備える、
請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記駆動機構は、シャトルトラックを備え、前記シャトルトラックに沿って、前記洗浄チャンバハウジングが前記格納位置と前記展開位置との間で移動するように駆動される、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記シャトルトラックは、湾曲している、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記駆動機構は、前記洗浄チャンバハウジングを前記シャトルトラックに沿って摺動させるように回転可能である駆動アームを備える、
請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記シャトルトラックは、前記洗浄チャンバハウジングのシャトル係合部材を受容し、前記シャトル係合部材は、前記駆動アームの影響下で前記シャトルトラックの中で回転し、かつ前記シャトルトラックに沿って摺動するように構成されている、
請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記シャトル係合部材は、前記洗浄チャンバハウジングの封止表面の上に位置している、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記シャトル係合部材は、前記洗浄チャンバハウジングの第1の端部に提供され、前記駆動アームは、前記洗浄チャンバハウジングの第2の端部に駆動可能に接続されている、
請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記洗浄チャンバハウジングは、前記ノズル配列に対して回転可能に付勢される、
請求項1~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
1つ以上の飲料調製モジュールを更に備え、前記洗浄チャンバハウジングは、洗浄流体が前記1つ以上の飲料調製モジュール及び前記洗浄チャンバハウジングを通って循環される洗浄回路の一部を形成している、
請求項1~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記洗浄回路の周りを循環するための水の供給を加熱するように構成された温水モジュールを更に備える、
請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記洗浄回路は、外部ドレインで終端する閉回路及び/又は開回路である、
請求項21又は22に記載の装置。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1項に記載の飲料分注装置を洗浄する方法であって、
前記方法は、
前記複数のノズルの周りに洗浄チャンバを提供するために、前記ノズル配列と前記洗浄チャンバハウジングとを封止可能に係合することと、
前記洗浄チャンバを通して洗浄流体を循環させることと、を含む、
方法。
【請求項25】
前記飲料分注装置は、飲料調製モジュールを備え、前記洗浄流体は、外部ドレインに送られる前に前記飲料調製モジュールを通して循環される、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
空気流を使用して前記洗浄チャンバから残留流体を一掃することを更に含む、
請求項24又は25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄流体によって洗浄されるように構成されている飲料分注装置の出口ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
飲み物を調製して分注する飲料分注装置は、当該技術分野においてよく知られている。典型的には、これらのマシンは、飲み物が容器内に分注される1つ以上の出口ノズルを含む。出口ノズルは、飲み物の品質を維持するために定期的な洗浄を必要とする。
【0003】
国際公開第2018/208156号では、飲み物を飲み物包装容器に吐出するための少なくとも1つの飲料出口ノズルと、飲み物出口ノズルの外部表面を洗浄するための洗浄構造体とを含む、飲み物を調製するための装置が記載されている。洗浄構造体は、カムホイールと、洗浄構造体を前方に枢動させるように配設された一対の支持部材とを使用することによって、休止位置から洗浄位置に移動可能である。使用時に、洗浄構造体は、各ノズルの外部の洗浄を可能にするために各ノズルに対して封止された空洞と、使用済み洗浄流体が重力下で排出することができる共通ドレインとを提供する。
【0004】
スイス国特許第707837号では、飲料マシンの中で調製される飲料を下の入れ物内に分注するための下方の出口を備える飲料マシンが開示されている。タブは、出口の領域に配設され、調製された飲料が分注される第1の位置と、タブが出口の下にあり、かつ洗浄のための流体で充填可能である第2の位置との間で移動する。洗浄が完了すると、タブは第1の位置に戻され、流体がタブからドレインに流される。
【0005】
本発明は、飲料分注装置のための出口ノズル配列の改良を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、添付の特許請求の範囲による飲料分注装置を提供する。
【0007】
本開示は、飲料分注装置を提供する。本飲料分注装置は、複数のノズルを備えるノズル配列であって、複数のノズルのうちの少なくとも1つは、飲用可能な流体を分注するための出口ノズルであり、複数のノズルのうちの少なくとも1つは、洗浄戻りノズルである、ノズル配列を備え得る。本飲料分注装置は、格納位置と展開された洗浄位置との間で繰り返し移動可能な洗浄チャンバハウジングを備え得る。洗浄チャンバハウジングは、複数のノズルが展開位置にあるときに受容される内部空洞を備え得る。内部空洞は、封止され得る。
【0008】
洗浄戻りノズルは、洗浄チャンバハウジングから洗浄流体を除去するように構成され得る。洗浄戻りノズルは、吸引によって洗浄流体を抽出し得る。洗浄戻りノズルは、ポンプと流体連通し得る。
【0009】
洗浄チャンバハウジングは、基部及び少なくとも1つの側壁部を備え得る。側壁部は、基部から上方に延在し得る。基部及び側壁部は、内部空洞を画定し得る。
【0010】
複数のノズルは、洗浄チャンバハウジングが展開位置にあるときに内部空洞の中に延びるように構成され得る。洗浄戻りノズルは、少なくとも1つの出口ノズルに対して内部空洞の最下点に提供され得る。洗浄戻りノズルは、洗浄チャンバハウジングの液溜め領域内に位置し得る。液溜めは、洗浄流体が出口ノズルから流入することができる洗浄チャンバハウジングの最下部であり得る。洗浄戻りノズルは、洗浄チャンバハウジング基部に近接し得る。
【0011】
内部空洞は、内部空洞内で複数のノズルを集合的に封止するようにノズル配列に対して封止する周辺封止部を備え得る。周辺封止部は、洗浄チャンバハウジング側壁部の上部縁部に提供され得る。周辺封止部は、洗浄チャンバハウジングが展開位置にあるときに複数のノズルを取り囲み得る。封止部は、Oリング又はガスケットなどの封止要素を備え得る。封止要素は、ノズル配列の対応する封止表面に対して付勢し得る。
【0012】
複数のノズルは、ノズル配列の本体に取り付けられた近位端部から遠位端部まで延在し得、近位端部と遠位端部との間の距離が各ノズルの長さを画定する。洗浄リターンノズルは、複数のノズルのうちで最大の長さを有し得る。
【0013】
複数の出口ノズルは、コーヒー出口ノズルと、ミルク出口ノズルと、ミルク出口ノズルと、水出口ノズルと、を含む群のうちの少なくとも1つ以上を備え得る。いくつかの実施形態では、水出口ノズルは、洗浄戻りノズルを提供するように構成され得る。複数の出口ノズル又は複数の出口ノズルの各々は、洗浄プロセス中に洗浄流体を提供するように構成され得る。
【0014】
洗浄チャンバハウジングは、出口ノズルの各々のためのウェルを備え得る。各ウェルは、それぞれの出口ノズルの終端部を受容する洗浄空洞を画定するウェル側壁部を備え得る。ウェル側壁部は、それぞれのノズル出口から吐出される洗浄流体をそれぞれの出口ノズルの外部表面に沿って方向転換するように構成され得る。
【0015】
各ウェルは、ウェル基部を備え得る。ウェル基部は、洗浄チャンバハウジングの基部に対して高くなっている。ウェルは、洗浄チャンバハウジングの基部から延在する台座又は直立部を備えるか、又はその一部として形成され得る。台座は、円柱状の柱とし得る。ウェルは、台座の終端部に凹部を備え得る。
【0016】
各ウェル側壁部は、残留洗浄流体がウェルから洗浄チャンバハウジング内に流入することができるウェルドレインを備え得る。ウェルドレインは、各ウェルの側壁部に開口部を備える。開口部は、側壁部の上部縁部から基部まで延在する切込み部とし得る。ドレインは、残留洗浄流体の流出を洗浄戻りノズルに向かって方向付けるように、洗浄戻りノズルに面し得る。
【0017】
本装置は、格納位置と展開位置との間で洗浄チャンバハウジングを移動させるように動作可能な駆動機構を更に備え得る。駆動機構は、洗浄チャンバハウジングが格納位置と展開位置との間で繰り返し移動可能であり、その逆も同様であるような往復駆動部とし得る。
【0018】
駆動機構は、シャトルトラックを備え得、シャトルトラックに沿って、洗浄チャンバハウジングが格納位置と展開位置との間で移動するように駆動される。シャトルトラックは、湾曲していてもよい。駆動機構は、洗浄チャンバハウジングをシャトルトラックに沿って摺動させるように回転可能な駆動アームを更に備え得る。駆動アームは、駆動連接部を介して洗浄チャンバハウジングに結合され得る。
【0019】
駆動連接部は、そのそれぞれの端部で駆動アーム及び洗浄チャンバハウジングに枢動可能に接続され得る。駆動連接部は、駆動アームの作動中に駆動アーム及び洗浄チャンバハウジングに対して関節運動するように構成され得る。駆動アームは、電気モータによって回転され得る。電気モータは、ウォーム駆動部を介して駆動アームに接続され得る。ウォーム駆動部は、ウォームねじ及びウォームギアを備え得る。
【0020】
洗浄チャンバハウジングの両側に1つずつ、複数の駆動アームがあってもよく、複数の駆動アームの各々は、洗浄チャンバハウジングの両側のそれぞれの対応するシャトルトラックに沿って洗浄チャンバハウジングを駆動するように構成される。駆動アームの各々は、共通のアクチュエータによって回転され得る。
【0021】
シャトルトラックは、洗浄チャンバハウジングのシャトル係合部材を受容し得る。シャトル係合部材は、駆動アームの影響下でシャトルトラックの中で回転し、かつシャトルトラックに沿って摺動するように構成され得る。したがって、洗浄チャンバハウジングが駆動アームによってシャトルトラックに沿って付勢されると、洗浄チャンバハウジングは、シャトルトラックに沿って縦走する際にシャトルトラックに対して回転する。
【0022】
シャトル係合部材は、洗浄チャンバハウジングの封止表面の上に位置し得る。洗浄チャンバハウジングの封止表面の上にシャトル係合部材を提供することにより、洗浄チャンバハウジングをノズル配列の下に懸架することが可能になるとともに、シャトルトラックをノズル配列の上に設けて装置のハウジング内に隠すことが可能になる。シャトル係合部材は、洗浄チャンバハウジング又はその上部表面から上方に延在するアームの遠位端部に提供され得る。
【0023】
シャトル係合部材は、洗浄チャンバハウジングの第1の端部に提供され得、駆動アームは、洗浄チャンバハウジングの第2の端部に駆動可能に接続され得る。第1の端部は、展開位置にあるときにノズル配列の前方にあり、格納位置にあるときにノズル配列の後方にあり得る。第2の端部は、格納位置及び展開位置においてノズル配列の後部にあり得る。
【0024】
洗浄チャンバハウジングは、ノズル配列に対して回転可能に付勢され得る。駆動可能な接続部は、洗浄チャンバハウジングをシャトル係合部材の周りで枢動させるために、駆動アームによって持ち上げられ得る。
【0025】
本装置は、1つ以上の飲料調製モジュールを更に備え得る。飲料調製モジュールは、コーヒーを調製する(例えば、抽出する)ように構成されたコーヒーモジュールと、混合流体(例えば、ミルク、水など)及び乾燥食用粉末(例えば、チョコレート、スープ、甘味料など)から混合流体を調製するように構成された混合モジュールとを備え得る。洗浄チャンバハウジングは、洗浄流体が1つ以上の飲料調製モジュール及び洗浄チャンバハウジングを通って循環される洗浄回路の一部を形成し得る。本装置は、洗浄回路の周りを循環するための水の供給を加熱するように構成された温水モジュールを更に備え得る。
【0026】
洗浄回路は、外部ドレインで終端する閉回路及び/又は開回路とし得る。外部ドレインは、洗浄チャンバに接続され得る。
【0027】
洗浄回路は、複数の飲料調製モジュールを備え得る。洗浄回路は、洗浄流体を調製することができるように、温水器モジュールと洗浄モジュールとを閉回路で接続するように構成され得る。洗浄回路は、洗浄モジュールと、飲料調製モジュールのうちの1つ以上とを備えるように構成され得る。洗浄回路は、洗浄チャンバを備え得る。洗浄チャンバは、出口ノズルのうちの少なくとも1つを介して飲料調製モジュールの各々に接続され得る。洗浄チャンバは、洗浄戻りノズルを介して洗浄モジュールに接続され得る。
【0028】
本開示によれば、飲料分注装置を洗浄する方法が提供される。飲料分注装置は、本明細書に開示される任意の飲料分注装置であり得る。
【0029】
本方法は、複数のノズルの周りに洗浄チャンバを提供するために、ノズル配列と洗浄チャンバハウジングとを封止可能に係合することと、洗浄チャンバを通して洗浄流体を循環させることと、を含み得る。洗浄チャンバを通して洗浄流体を循環させることは、複数のノズルのうちの1つ以上から洗浄流体の流入を提供することと、洗浄戻りノズルを使用して洗浄流体を抽出することと、を含み得る。洗浄戻りノズルは、洗浄チャンバから洗浄流体を吸引するように構成され得る。洗浄戻りノズルは、ポンプと流体接続され得る。ポンプは、洗浄モジュールによって提供され得る。
【0030】
飲料分注装置が飲料調製モジュールを備える場合、本方法は、洗浄流体を、飲料調製モジュールを通して外部ドレイン又は洗浄モジュールに循環させることを更に含み得る。本方法は、温水又は冷水が洗浄チャンバを介して飲料調製モジュールのうちの1つ以上を通って外部ドレインに循環される残留フラッシュ段階と、洗浄チャンバを介して外部ドレインに接続される前に、洗浄流体が洗浄チャンバを含む閉ループにおいて1つ以上の飲料調製モジュール及び洗浄モジュールを通って循環される消毒段階と、水が洗浄チャンバを介して飲料調製モジュールのうちの1つ以上を通って外部ドレインに洗い流される洗浄流体フラッシュ段階と、のうちの1つ以上を実行することを更に含み得る。
【0031】
本方法は、空気流又は流体流を使用して洗浄チャンバから残留流体を一掃することを更に含み得る。
【0032】
本装置は、洗浄流体を少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃、好ましくは少なくとも70℃、最も好ましくは約75℃の温度に加熱し得る。
【0033】
本装置は、選択された時間期間、例えば、少なくとも2分間、好ましくは少なくとも3分間、好ましくは少なくとも4分間、より好ましくは少なくとも5分間、高温で全てのサブシステムを通して洗浄流体を循環させ得る。
【0034】
次いで、洗浄流体は、分注可能な流体回路から排出され得る。好ましくは、次いで、全てのサブシステムは、任意の残留洗浄流体を除去するために洗い流され得る。次いで、装置を分注モードに戻すように、出口ドックが開放され得る。
【0035】
本装置は、中間すすぎモードで使用され得、中間すすぎモードでは、本装置が中間すすぎモードに入ることができるように、分注可能な流体源を隔離するために出口ドックが閉鎖され得る。好ましくは、次いで、全てのサブシステムは、分注可能な流体回路から任意の分注可能な流体残留物を除去するために洗い流され得る。この後、次いで、本装置を分注モードに戻すために、出口ドックが開放され得る。
【0036】
当業者には、相互に排他的である場合を除いて、本明細書に記載される態様、実施形態又は実施例のうちのいずれか1つに関連して記載される特徴が、任意の他の態様、実施形態又は実施例に必要な変更を加えて適用され得ることが理解されよう。更に、相互に排他的である場合を除いて、本明細書に記載される任意の特徴は、任意の態様に適用され、及び/又は本明細書に記載される任意の他の特徴と組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明がより明確に理解され得るように、本発明の1つ以上の実施形態について、添付の図面を参照して、例としてのみここで説明する。
図1】本発明によるノズル配列及び洗浄チャンバハウジングを示す。
図2図1に示されるノズル配列の下側を示し、ここから飲用流体が分注される。
図3a】格納位置(図3a)と展開位置(図3b)との間で洗浄チャンバハウジングを移動させるために利用され得る駆動機構の側面図である。
図3b】格納位置(図3a)と展開位置(図3b)との間で洗浄チャンバハウジングを移動させるために利用され得る駆動機構の側面図である。
図4a】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図4b】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図4c】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図4d】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図4e】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図4f】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図4g】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図4h】様々な段階における図3a及び図3bの駆動機構を示す。
図5】本開示のノズル配列及び洗浄チャンバハウジングを組み込んだ飲料分注装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明を通して、前部(fore)、前方(forwards)、及び前面(front)への言及は、ユーザに面し、飲料容器を受容する飲料分注装置の前面を参照して行われ得る。後部(aft)、後方(rearward)及び背面(rear)への言及は、飲料分注装置のユーザに関してノズル配列の背後にあると解釈することができる。軸方向への言及は、ノズル配列の前面と背面との間に延在する軸に関し得る。上部及び下部/下への言及は、使用時の向きに関して解釈されるべきである。
【0039】
図1及び図2は、複数のノズル12a~12eを備えるノズル配列10を示している。ノズル12aのうちの少なくとも1つは、飲料出力ノズルとし得る。ノズルのうちの少なくとも1つは、洗浄戻りノズル12eとし得る。展開された洗浄位置と格納位置との間で繰り返し移動可能な洗浄チャンバハウジング14も図1に示されている。
【0040】
図1は、格納位置にあるノズル配列10の背後の洗浄チャンバハウジング14を示しており、明確にするために、飲料分注装置及び駆動機構の周囲構造体は示されていない。ハウジング及び駆動機構は、図3a及び図3b並びに図4a~図4hに関連して記載される。洗浄チャンバハウジング14及びノズル配列10を組み込み得る飲料分注装置の実施例が図5に示されており、以下で更に記載される。
【0041】
洗浄チャンバハウジング14は、洗浄チャンバハウジング14が展開位置にあるときに複数のノズル12a~12eが封止可能に受容される内部空洞16を備え得る。このように、洗浄チャンバハウジング14及びノズル配列10は、ノズル12a~12eが内部空洞16内に封止可能に受容されるときに洗浄チャンバを協働して形成する。
【0042】
洗浄チャンバは、ノズル12a~12dが内部空洞16及び少なくとも1つの洗浄戻りノズル12eと流体連通するように、同じ封止容積内に複数のノズル12a~12eの全てを含むようなものである。出口ノズル12a~12eを同じ洗浄チャンバ内に提供することにより、洗浄流体を共通ゾーン内に収集し、かつ洗浄戻りノズル12eを使用してそこから除去することが可能になる。
【0043】
洗浄戻りノズル12eは、洗浄チャンバから洗浄流体を送り出すために使用され得る。ポンプを使用することにより、出口ノズル12a~12dの内部表面及び外部表面に沿った洗浄流体の流れを増加させることが可能になり得、出口ノズル12a~12dの洗浄が洗浄流体回路の一部を形成することが可能になり得る。
【0044】
洗浄流体は、出口ノズル12a~12dを介して、集合的に又は個別に洗浄チャンバ内に送り込まれ、洗浄戻りノズル12eを使用して送り出され得る。洗浄流体回路は、飲料分注装置内に複数の構成要素を備え、洗浄流体が、外部ドレインに吐出される前に複数の構成要素を通って循環することを可能にし得る。
【0045】
単一の洗浄チャンバを提供することの更なる利点は、ノズル12a~12eが延在するノズル配列10の周囲領域を洗浄することを可能にすることである。この領域は、ノズル12a~12eに向かって跳ね返った分注流体で汚染される場合がある。
【0046】
洗浄戻りノズルを提供することは、洗浄流体チャンバから洗浄流体を除去する便利で空間効率の良い方法を提供する。このように、洗浄チャンバハウジングの一部として排出チャネル又は排出パイプを提供する必要はない。
【0047】
図2は、ノズル配列10の下側を示しており、複数のノズル12a~12eがそこから延在するノズル配列の外向きに面する外部側を明らかにしている。外部側は、飲用流体を下の容器に分注することができるように、容器の上に位置するように配設されている。外部側はまた、洗浄チャンバハウジング14が洗浄チャンバを画定するように付勢される封止表面18を提供し得る。封止表面18は、複数のノズルを同じ封止されたチャンバ内に収容することができるように、複数のノズルを取り囲んでいる。
【0048】
図1から分かるように、ノズル12~12eの裏側は、使用時に流体送達パイプが接続される様々な接続特徴部13を備え得る。したがって、ノズル12a~12dから分注される流体は、図1に示されるノズル配列10の裏側に入り、図2に示される側からノズル配列を出る。
【0049】
ノズル配列10は、複数のノズル12a~12eがそこから延在するノズル配列本体20を備え得る。図1及び図2に示すように、複数の出口ノズル12a~12d及び単一の洗浄戻りノズル12eが存在してもよいが、他の構成も可能であり、いくつかの実施形態では、単一の出口ノズル12a及び単一又は複数の洗浄戻りノズル12eが存在してもよい。図1及び図2に示されるノズル12a~12eは、例えば、水出口ノズル12d、コーヒー出口ノズル12c、チョコレート出口ノズル12d、ミルクノズル12a、及び洗浄戻りノズル12eを含んでもよい。
【0050】
他の実施形態では、ノズルは、任意の消費可能な流体を含んでもよく、とりわけ、コーヒー出口ノズル、チョコレート出口ノズル、スープ出口ノズル、茶出口ノズル、ソフトドリンク出口ノズル、又は水出口ノズルのうちの任意の1つ以上を備えてもよい。ノズル12a~12eは、ノズル配列10の外部表面の平面外に延在し得る。外部表面は平面とし得る。ノズル配列本体20は、ノズル配列を飲料分注装置に取り付けるための1つ以上の取付特徴部15を備え得る。
【0051】
洗浄戻りノズル12eは、洗浄チャンバハウジング14の内部空洞16内に延在するように構成され得、それにより、内部空洞16に導入された洗浄流体は、洗浄戻りノズル12eで引き上げて除去することができる。このように、洗浄戻りノズル12eは、内部空洞16内に延在し得、内部空洞16の最下点で終端するか、又は洗浄チャンバハウジング14の基部22に近接してもよい。
【0052】
図示の実施形態では、洗浄戻りノズル12eが延在する洗浄チャンバハウジング14の領域は、平坦な基部22を備えるが、洗浄チャンバハウジング14は、洗浄流体が集まることができ、使用時に洗浄戻りノズル12eを受容することができる液溜めを提供するように、1つ以上のくぼみ又は他の形態の中空部を備え得ることが理解されよう。
【0053】
いくつかの実施形態では、洗浄チャンバハウジング14の基部22は、展開位置にあるときに水平になるように配設されてもよく、又は洗浄流体の抽出を改善するために洗浄流体が洗浄戻りノズル12eに向かって降下するように、洗浄戻りノズル12eの位置に向かって傾斜されてもよい。基部22の傾斜は、展開位置にあるときの洗浄チャンバハウジング14の全体的な向きによって、又は基部22がノズル配列封止表面18に当接する上部表面に対して傾斜することによって提供され得る。
【0054】
基部22の傾斜は、単一平面の中にあってもよく、又は各出力ノズル間の流線が洗浄戻りノズル12eに向かって傾斜するように単一点に向かってもよい。洗浄戻りノズル12eに対向する洗浄チャンバハウジング14の領域12e’は、液溜め領域と称され得る。洗浄戻りノズル12eを液溜め領域に提供することにより、洗浄流体を内部空洞16から飲料出口ノズル12a~12dの終端部よりも低いレベルまで除去することが可能になる。
【0055】
上述したように、ノズル配列10は、ノズル12a~12eがそこから延在するノズル配列本体20を備え得る。図示の実施形態では、ノズル配列本体20は、ノズル12a~12eがその実質的に平坦な外部下側から延在するプレート状構造体を含むが、これは限定ではなく、本開示の範囲内で他の形態が可能である。例えば、ノズル配列10は、洗浄チャンバハウジング14を付勢することができる封止表面18を改善するために、封止要素又は他の特徴部を備え得る。
【0056】
ノズル12a~12eは、ノズル配列本体20の表面から垂直に延びる中心軸を有する略円筒形である。ノズル12a~12eの直径は、用途及びノズルのタイプに応じて異なり得る。
【0057】
洗浄構成にあるとき、ノズル12a~12eは、洗浄チャンバハウジング基部22に向かって延び、その基部22からの分離を決定する長さを有し得る。上述したように、洗浄戻りノズル12eは、基部22の最も近くに配置され得、複数のノズル12a~12eのうちの最も長いノズルとし得る。ノズル12a~12eの長さは、外部表面ノズル配列本体20から推測され得る。
【0058】
洗浄チャンバハウジング14は、複数のノズル12a~12eが受容される内部空洞16を画定する、その一方の側に中空部を有するプレート状構造体を備える。内部空洞16は、基部22と、少なくとも1つの周囲側壁部24と、を備える。ノズル12a~12eに面してノズル12a~12eを受容する内部空洞16の上部端部は、概して覆いがない。これにより、使用時には、基部22は、洗浄流体を受容して洗浄戻りノズル12eに向けるためのトレイを提供するために、ノズル配列10の下側に提供される。基部の外部表面(図では隠れている)は、展開位置にあるとき、及び洗浄手順中に、ノズル配列10の外部表面を提供する。
【0059】
内部空洞16の周囲側壁部24は、出口ノズル12a~12eを受容する丸い空洞を画定するように略円形であるが、いくつかの実施形態では他の形状が使用され得る。
【0060】
側壁部24の遠位端部は、展開位置においてノズル配列10に面する洗浄ハウジングチャンバ14の上部表面26で終端する。上部表面26は、洗浄チャンバを画定して封止するために、ノズル配列封止表面18に対して付勢される封止表面を画定し得る。封止表面26は、封止を補助するために、ガスケット又はOリングなどの封止要素28を含み得る。
【0061】
封止要素28は、洗浄チャンバハウジング上部表面26及び/又はノズル配列10上に提供され得る。洗浄チャンバハウジング14上に封止要素28を提供することは、ノズル配列10の対向表面を平坦かつ滑らかであることを可能にするので、いくつかの実施形態では優遇され得る。ノズル配列10上のノズル12a~12eを囲む平坦かつ滑らかな壁部を有することは、衛生及び美的観点から好ましいと考えられ得る。
【0062】
封止要素28の位置は、封止されたチャンバの広がりを内部空洞16に限定するように、側壁部24の終端縁部とし得る。しかしながら、封止部は、他の実施形態では他の位置に配置され得る。
【0063】
洗浄チャンバの内部空洞16は、概して滑らかな壁部であり、かつ平坦な基部22及び均一に円周方向に湾曲した側壁部を有し得る。このように、内部空洞16は、共通の容積を有するノズルを収容し得る。しかしながら、図1に示される実施形態から分かるように、洗浄チャンバハウジング14は、複数のノズル、出口ノズル12a~12dの洗浄を補助するための1つ以上の特徴部を備え得る。
【0064】
図1は、ノズル12a~12dを個々に受容することができる複数の内部ウェル30を示している。破線の円12e’によって示される、ウェルが存在しない領域は、洗浄戻りノズル12eの位置を反映する。ウェル30は、ウェル空洞(洗浄空洞と称され得る)を画定するボウルの形態をとり得、ウェル空洞は、その中にそれぞれの出口ノズルを緩く受容するように寸法決めされる。ウェル30は各々、基部30aと、ウェル30のノズル受容凹部/ボウルを画定するようにウェル基部30aから上方に延在する側壁部30bとを備える。ノズル12a~12dは、ノズルの終端部の外部表面の周りで基部30aと側壁部30bとの間に間隔が存在するように、それぞれのウェル30内に受容される。
【0065】
ノズル12a~12dと、基部30a又は側壁部30bによって提供されるウェル30の対向する表面との間の間隔は、ノズル12a~12dの外部の周りの洗浄流体の流れのための流体経路を提供するように好適にサイズ決めされ得る。ノズル12a~12dとウェルの側壁部30bとの間の間隔は、ノズル12a~12dの全周にわたって均一であり得、それによって、使用中に洗浄流体の実質的に均一な流れを提供するのに役立つ。
【0066】
洗浄流体が出口ノズル12a~12dからウェル30内に導入されると、洗浄流体は、ノズル12a~12dの内部表面に沿って通過した後、ウェルの基部30aによって方向転換され、側壁部30bによってノズルハンドの外側表面に沿って外向きに方向付けられる。図示のように、ウェル30は、流体がウェル30の側壁部の上縁部を越えて内部空洞16の容積内、及び共通洗浄戻りノズル12eによる抽出のための液溜め12e’内に自由に流れることができるように、開放端とし得る。
【0067】
各ウェル30は、洗浄チャンバハウジング基部22から持ち上がり、かつ基部22から延在する直立部/台座の上に、又はその一部として形成され得る。各基部30aは、洗浄チャンバハウジング基部22に対して同じ高さ又は高い位置にあり得、各基部30aは、他の基部及び側壁部30bとは異なる高さであり得る。上記から、ノズル12a~12dはウェル30の上に同心円状に配設され得ることが理解されよう。
【0068】
ウェル30が洗浄流体を閉じ込めるのを防止するために、各ウェル30は、水が洗浄チャンバの内部空洞16に流入し得、そこからの液溜めとして洗浄戻りノズル12eを作用させるように、排出開口部30cを備え得る。排出開口部30cは、ウェル30の側壁部30b又は基部30a内の任意の好適なオリフィスとし得、洗浄動作中に過剰量の洗浄流体がウェルから排出されることを防止し、それによってノズル12a~12dの外部表面の周囲の好適な流れを確実にするように、好適にサイズ決めされ得る。
【0069】
図1に示される実施形態では、側壁部30bは、側壁部30bの遠位端部から基部30cまで延在する切込み部を備えている。切込み部は、側壁部30b又は基部30aの周りの任意の円周方向位置に提供されてもよいが、図から分かるように、洗浄流体の残留物が洗浄戻りノズルの方向に全体的な軌道で排出されて流体の適時の抽出を補助するように、洗浄戻りノズル12eの近位に提供されてもよい。
【0070】
洗浄チャンバハウジング14の移動は、図1に示される矢印32によって概略的に示される。これにより、洗浄チャンバハウジング14は、ノズル配列10の背後からノズル配列10の下へと前方に移動され、その後、封止された洗浄チャンバを提供するために、ノズル配列の下側に対して封止するように上方に付勢される。
【0071】
洗浄チャンバハウジング14の向きは、格納位置と展開位置との間で移動する間に変化してもよいが、好ましい実施形態では、概して上方に、かつ/又はノズル配列10に向かって面したままであってもよい。
【0072】
洗浄チャンバハウジング14を格納位置から展開位置へ移動させ、及び戻るように移動させるために、飲料分注装置は、駆動機構を備え得る。駆動機構300の実施例が図3a及び図3bに示されており、図3a及び図3bでは、洗浄チャンバハウジング14がそれぞれ格納位置及び展開位置にある。
【0073】
駆動機構300は、シャトルトラック334を有するリニアドライブを含み得、シャトルトラック334に沿って、洗浄チャンバハウジング14が付勢され、いくつかの実施形態では枢動される。シャトルトラック334は、洗浄チャンバハウジング14をそれに沿って誘導することができる任意の好適なトラックによって提供され得る。
【0074】
シャトルトラック334は、レール、スロット、チャネル、溝、又は任意の他の好適なタイプの突起、凹み、若しくは開口であってもよい。図3a及び図3bに示されるシャトルトラック334は、ノズル配列10の側部の側面に位置する壁部335又は他の好適な構造体に細長いスロットを含む。壁部335は、ノズル配列10が提供されるノズル配列ハウジング340の壁部とし得る。
【0075】
ノズル配列ハウジング340は、ノズル配列10、洗浄チャンバハウジング14、及び/又は駆動機構300が提供される飲料分注装置のハウジング又は部分を備え得る。ノズル配列ハウジング340は、ノズル配列10、駆動機構300、及び洗浄チャンバハウジング14を取り付けるための1つ以上の壁部及び好適な特徴部を備え得る。
【0076】
シャトルトラック334は、洗浄チャンバハウジング14に取り付けられる1つ以上のシャトル係合部材342を摺動可能に受容するように構成され得る。シャトル係合部材342の形態がシャトルトラック334の形態に依存することになることが理解されよう。
【0077】
図3a及び図3bに示すように、シャトルトラック334がスロットである実施形態では、シャトル係合部材342は、スロット内に受容される突起、例えば、ピンとし得る。係合部材342は、シャトルトラック334の長さに沿って摺動可能であり、かつ回転可能であるように構成され得る。このように、シャトル係合部材342は、洗浄チャンバ14ハウジングがその周りを回転/枢動することができる回転軸を画定し得る。
【0078】
トラック334内に摺動可能かつ回転可能に係合されるシャトル係合部材342を使用する利点は、洗浄チャンバハウジング14の軸方向遷移及びノズル配列10に対する枢動動作を可能にすることができることである。
【0079】
したがって、洗浄チャンバハウジング14がシャトルトラック334の長さを横断するにつれて、洗浄チャンバハウジング14は角度向きを変化させ得る。これにより、洗浄チャンバハウジング14をノズル配列10の下に移動させることを可能にし、また、枢動動作によって洗浄チャンバハウジング14とノズル配列10とを一緒に付勢することを可能にするように、洗浄チャンバハウジング14をノズル配列10から離れるように枢動させることを可能にする。
【0080】
加えて、摺動枢動配列は、洗浄チャンバハウジング16を、本明細書に記載されるものなどの単純なアクチュエータ配列を使用して移動させることができることを意味し、これは、洗浄チャンバハウジング16を展開するために使用される駆動部の複雑性を低減させることができる。
【0081】
この配列の更なる利点は、シャトルトラックを正確に成形することによって、洗浄チャンバハウジングを格納位置から展開位置に移動させるのに必要な隙間を最小化することができることである。したがって、格納位置と展開位置との間で移動するときに、洗浄チャンバハウジングが出口ノズルの下に残された飲料容器とぶつかるリスクが低減される。
【0082】
図面には示されていないが、洗浄チャンバハウジング14がいずれかの側で支持され得るように、ノズル配列10のいずれかの側に1つずつ、複数のシャトルトラック334及び駆動機構があり得る。ノズル配列10のいずれかの側に支持を提供することは、格納位置と展開位置との間の洗浄チャンバハウジング14のより滑らかな遷移を可能にし得、洗浄チャンバハウジング14とノズル配列10との間の改善された、より均一な封止を可能にし得る。
【0083】
シャトル係合部材342は、洗浄チャンバハウジング14上の任意の好適な場所に提供され得る。図示される実施形態では、シャトル係合部材342は、洗浄チャンバハウジング14の前面に向かって提供される。シャトル係合部材342を洗浄チャンバハウジング14の前面に向けて提供し、かつ洗浄チャンバハウジング14を移動させるように作動される駆動連接部346を背面に向けて、又は背面に提供することは、洗浄チャンバハウジング14の利用可能な長さを利用して、洗浄チャンバハウジング14を所定の位置にてこで動かし、それによって封止を形成するのに必要な駆動力を低減する。
【0084】
シャトル係合部材342は、洗浄チャンバハウジング基部22の平面の上に提供され得る。これを達成するために、シャトル係合部材342は、洗浄チャンバハウジング14の上部表面から上方に延在するアーム344の遠位端部に提供され得る。アーム344の使用は、対応するシャトルトラック334がノズル配列10の下部表面の上に位置することを可能にし、それによって、それを飲料分注装置のノズル配列ハウジング340内に隠す。シャトル係合部材342は、洗浄チャンバハウジング14の回転軸に沿ってアーム344から外向きに延在し得る。アーム344は、図4c及び図4dにおいてより明確に見ることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、駆動連接部346が洗浄チャンバハウジング14の前面に取り付けられ、シャトル係合部材342が後面に提供されるように、シャトル係合部材342及び駆動連接部346の位置が逆にされ得ることが理解されよう。
【0086】
シャトル係合部材342と洗浄チャンバハウジング14の封止表面26との間隔は、シャトルトラック334の第2の端部338とノズル配列10の封止表面18との間の垂直距離に対応し得る。したがって、シャトル係合部材342がシャトルトラック334の第2の端部338にあるとき、洗浄チャネルハウジング14は、ノズル配列10の封止表面に対して付勢され得る。
【0087】
図示のように、シャトルトラック334は、洗浄チャンバハウジング14の軸方向移動が後方の格納位置から前方の展開位置へと行われるように、ノズル配列10の後部からノズル配列10の前部へと延在し得る。シャトルトラック334は、始点を表す第1の端部336と終点を表す第2の端部338との間の遠回りの経路を辿り得る。始点は、格納位置に関連し、終点は展開位置であり得る。
【0088】
迂回経路は、洗浄チャンバハウジング14がシャトルトラック334の長さに沿って移動するときに、シャトル係合部材342の高さ及びノズル配列10に対する洗浄チャンバハウジング14の向きを変更することができるように、湾曲した経路とし得る。シャトルトラック334の第1の端部336は、それにより、洗浄チャンバハウジング14は、ノズル配列10、封止表面18及び/又はノズル12a~12eの上方及び背後に位置し、格納位置にあるときに完全に隠されるように、第2の端部338及びノズル配列10の上にあり得る。
【0089】
図3a及び図3bに示される実施形態では、シャトルトラック334は、第2の端部に向かって上方に曲がる前に、トラック334の長さのほぼ中間点に概して位置する最小値に向かって第1の端部336から前方かつ下方に延在している。シャトルトラック334は、第1の端部336から第2の端部338まで連続的に湾曲しように示されており、湾曲の方向は、シャトル係合部材342が展開位置に留置される短い水平部分で終端するように第2の端部338に対して局所的な屈曲で変化している。
【0090】
トラック334は連続的に湾曲して示されているが、1つ以上の直線部分があってもよく、水平終端部は任意選択であることが理解されよう。シャトルトラック334は、概して、浅いU字形状として記載され得る。シャトルトラック334の形状の正確な形態は、他の実施形態では異なり得ることが理解されよう。
【0091】
例えば、第1の端部336及び第2の端部338の相対的な高さは、同様であってもよく、又は第2の端部338がより高くてもよい。更に、湾曲部の中点は、第1の端部336又は第2の端部338に向かってシフトされ得る。更にまた、トラック334は、連続的に湾曲しなくてもよく、1つ以上の直線部分を含んでもよい。
【0092】
第1の端部336から最下部に向かって延在するシャトルトラック334の第1の部分は、概して下向きの軌道を含み、洗浄チャンバハウジング14を、ノズル配列10の下で最下点まで前方に移動させることができる位置まで下方に移動させる。
【0093】
ここから、洗浄チャンバハウジング14が更に前方に移動すると、前端部がノズル配列10に対して上昇し、洗浄チャンバハウジング14の背面がトラック334の端部に向かって上昇する。ここから、以下で更に記載するように、シャトル係合部材342の枢軸を中心として洗浄チャンバハウジング14を回転させることは、洗浄チャンバハウジング14の背面を持ち上げるように更に作用し、それにより、洗浄チャンバハウジング14とノズル配列10との間に封止接触が行われる。
【0094】
駆動機構は、アクチュエータ348を備え得、このアクチュエータ348は、洗浄チャンバハウジング14を格納位置から展開位置まで往復移動させるように構成されている。アクチュエータ348は、当技術分野でよく知られているように、線形駆動部又は回転駆動部とし得る。駆動機構は、電気的に動作され得、1つ以上の電気モータ348、例えば、ステッパモータを含み得る。
【0095】
駆動機構300は、ロータの回転が駆動連接部346(プッシュロッドと称され得る)を介して洗浄チャンバハウジング14の直線運動を引き起こすクランクを更に備え得る。駆動連接部346は、ロータの駆動アーム350と洗浄チャンバハウジング14との間に延在し得、ロータ及び洗浄チャンバハウジング14に対する相対回転を可能にするように、いずれかの端部で回転可能/枢動可能に接続され得る。
【0096】
図示の実施形態では、電気モータ348は、ロータ駆動アーム350と係合してこれを回転させる。ロータ駆動アーム350は、電気モータ348のシャフトに直接接続されてもよく、又は1つ以上のギアを介して接続されてもよい。図示の実施形態では、電気モータ348は、ウォーム駆動部352を介して駆動アーム350を駆動する。ウォーム駆動部352は、ウォームねじ352aとウォームギア352bとを備え得、洗浄チャンバハウジング14の両側の駆動アーム350を回転させるように構成され得る。このように、駆動機構300は、洗浄チャンバハウジング14の両側を同時に駆動する単一のモータを備え得る。
【0097】
駆動アーム350は、シャフト354の回転が駆動アーム350の回転を引き起こすように、好適な取付部、例えばスプラインを介してウォームギア352bのシャフト354に結合される。駆動アーム350の遠位部分は、駆動連接部346及び駆動アーム350が互いに対して回転することができるように、枢軸を介して駆動連接部346に取り付けられる。
【0098】
駆動連接部346の遠位端部は、駆動連接部346及び洗浄ハウジングチャンバ14が互いに対して回転できるように、更なる枢軸を介して洗浄チャンバハウジング14に取り付けられる。洗浄チャンバハウジング14の反対側の端部は、シャトルトラック334内に延在するシャトル係合部材342を備える。シャトルトラック334とシャトル係合部材342との間の係合は、洗浄チャンバハウジング14の前後の摺動と、シャトルトラック334に対する洗浄チャンバハウジング14の枢動とを可能にする。
【0099】
また、この配列には、駆動アーム350及び駆動連接部346を互いから離れるように付勢し、それによって、展開位置にあるときに洗浄チャンバハウジング14を前方に付勢し、かつ/又は格納位置にあるときに洗浄チャンバハウジング14を持ち上げる、ばねの形態の張力部材356が含まれる。
【0100】
駆動シャフト354、駆動アーム350、駆動連接部346、洗浄チャンバハウジング14上の接続点の長さ及び位置、並びに駆動アームが進行する角度は、特定の実施形態及び洗浄チャンバハウジング14の所望の進行経路に従って変化され得る。いくつかの実施形態では、洗浄チャンバハウジング14は、前方に付勢されるときに洗浄チャンバハウジング14がトラック334に沿ってより容易に移動され得るように、シャトルトラック334の初期降下と概して位置合わせされた位置に格納され得る。洗浄チャンバハウジング14の平面と水平面との間の角度は、0度~90度、任意選択的に40度~50度、任意選択的に45度とし得る。展開位置にあるとき、駆動連接部346は、洗浄チャンバハウジング14がノズル配列10上により容易に付勢され得るように、実質的に垂直な向きにあり得る。
【0101】
駆動アーム350が進行する角度範囲は、180度~90度とし得る。
【0102】
図4a~図4hは、展開の様々な段階における洗浄チャンバハウジング14及び駆動機構300の漸進的な動きを示している。参照番号はこれらの図面には含まれていないが、特徴部は図3a及び図3bの特徴部と一致することが理解されよう。
【0103】
より具体的には、図4aは、格納位置にあり、かつ図3aと同じである洗浄チャンバハウジング14を示しており、図4bは、駆動アームの回転がノズル配列10のハウジングからの洗浄チャンバハウジング14の落下をもたらす移動の初期落下段階を示しており、図4c~図4eは、駆動アームの継続した回転及びシャトルトラックに沿ったシャトル係合部材の遷移を示しており、図4fは、シャトルトラックの終端部に到達するシャトル係合部材を示しており、図4gは、洗浄チャンバハウジングの後端部の持ち上げをもたらす駆動アームの継続した回転を示しており、図4hは、洗浄プロセスが実行され得るように洗浄チャンバハウジング14及びノズル配列10がともに封止可能に付勢される駆動アームの回転段階の終了を示している。
【0104】
図4a~図4hの駆動機構300は、図3a及び図3bに示されるものに対応するので、図面を不明瞭にすることを避けるために、参照番号は繰り返さない。
【0105】
洗浄プロセスが実行されると、図4a~図4hに示されるステップは、洗浄チャンバハウジング14を展開位置から格納位置に移動させるように逆にされてもよい。
【0106】
洗浄プロセス後に洗浄チャンバハウジング14の中に残った任意の流体は、蒸発するままにされ得ることが理解されよう。
【0107】
図5は、コーヒーマシンの形態の飲料分注装置500を示している。参照番号5XXは、先に使用された参照番号XX及び3XXに対応する。コーヒーマシン500は、本開示による出口ノズル配列510及び洗浄チャンバハウジング514を備える。図示しないが、ノズル配列510は、使用時に飲料容器の上に位置することになる。飲料容器は、ドリップトレイ上に提供され得る。
【0108】
図示するように、飲料分注装置500は、乾燥コーヒー粉末を受容し、出口ノズル12a~12dのうちの1つから分注するためのコーヒーを抽出するように構成されたコーヒーモジュール558、出口ノズル12a~12dのうちの1つから分注するための加熱及び/又は泡立てられたミルクを提供するように構成され得るミルクモジュール560、出口ノズル12a~12dのうちの別のものに分注するための乾燥粉末を流体と、例えばチョコレート粉末と水とを混合するための混合モジュール562、様々なモジュールを洗浄するための洗浄剤を提供するように構成された洗浄モジュール564、及び水を加熱するように構成された温水器モジュール566などの、1つ以上の飲料調製モジュールを備え得る。
【0109】
本明細書に記載される様々なモジュール558~566は例示的なものであり、様々な実施形態は、より少ない又はより多いモジュールを備えてもよく、モジュールは、記載のものとは異なってもよいことが理解されよう。例えば、飲料分注装置は、スープ若しくは他の食用製品を製造するための設備であってもよく、又はそれを含んでもよく、あるいは茶製造マシンであってもよい。他の実施例は、当業者に公知であり得る。更に、モジュール558~566自体は、多くの点で従来のものであると考えられ得、したがって、内部動作については詳細に記載しない。
【0110】
飲料分注マシン500のモジュール558~566は各々、上で開示されたような複数の出口ノズル512a~512dを備える出口ノズル配列510に接続され得る。これにより、コーヒー抽出器558は、第1の出口ノズル512aに接続され、ミルクモジュール560は、第2の出口ノズル512bに接続され、混合モジュール562は、第3の出口ノズル512cに接続され、水供給部570は、第4の出口ノズル512dに、直接又は温水器モジュール566を介して接続される。
【0111】
温水器モジュール566、ミルクモジュール560、コーヒーモジュール558、及び混合モジュール562の各々は全て、給水源から直接又は間接的に、及び洗浄モジュール564から水を受容するように構成される。洗浄モジュール564は更に、外部ドレイン582及び洗浄戻りノズル512eに接続される。洗浄戻りノズル512eは、外部ドレイン582に接続される。外部ドレイン580は、装置500が位置する構内の本管ドレインに接続されてもよく、又は廃棄物の一時的な貯蔵のための好適な容器に接続されてもよいことが理解されよう。
【0112】
様々なモジュール558~566と外部ドレイン582の相互接続は、所望の構成に従って様々なモジュール558~566及びノズル12a~12eを接続するために、コントローラ568の制御下で選択的に動作可能である好適な配管及び弁部574~580を用いて達成される。弁部は、当該技術分野において公知の任意の好適な弁部とし得、一方向弁572、573、隔離弁575~579、三方弁574、580などを含み得る。弁部574~580は、飲料の調製及び洗浄に必要な所定の動作スケジュールに従って、コントローラ568を介して制御され得る。
【0113】
水入口570は、当技術分野で知られているように、飲料分注装置500に加圧水を提供する。図示していないが、飲料分注装置500又はそのモジュールは、モジュールと出口ノズル512a~512eとの間で様々な流体を圧送するための1つ以上のポンプを備え得ることが理解されよう。
【0114】
洗浄チャンバハウジング514の存在は、モジュール558~566の各々とドレイン582との間、及び飲料調製モジュール558~562の各々と洗浄モジュール564との間の流体回路の生成を可能にする。したがって、洗浄チャンバハウジング514の存在は、洗浄流体(例えば、冷水若しくは温水、蒸気、又は洗浄剤を含有する洗浄流体)を、飲料調製モジュール558~562の全て、並びにモジュール558~562の各々を自動化されたかつ便利な方法で洗浄するために、それぞれの配管及び出口ノズル512a~512dを通過させる便利な方法を提供する。
【0115】
洗浄チャンバ584が封止されているので、洗浄流体は、外部ドレイン582に排出される前に、所定の持続時間にわたって循環させることができる。異なる飲料調製モジュール558~562は、個別に洗浄され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、洗浄流体は、ドレイン582に吐出される前に、直列又は並列の複数の飲料調製モジュール558~562を通して循環され得る。モジュール558~562を通る連続的な流れを達成するために、図5に示される導管よりも更なる導管が必要とされ得ることが理解されよう。
【0116】
洗浄プロセスは、温水及び/又は冷水が、洗浄チャンバ584を介して外部ドレイン582を介して排水される前に、飲料調製モジュール558~562の各々及び関連する配管を順に通って洗い流される、残留フラッシュ段階を含み得る。洗浄プロセスは、追加的に又は代替的に、洗浄剤を含む洗浄流体が様々な飲料調製モジュール558~562を通って循環される消毒段階を含み得る。いくつかの実施形態では、洗浄流体は、洗浄モジュール564内で生成され得る。
【0117】
洗浄モジュール564内で洗浄流体を生成するために、洗浄チャンバ584及び関連する配管を介して洗浄モジュール564及び温水モジュール566を通して温水を循環させ得る。洗浄モジュール564は、適切な洗浄剤を含む高温洗浄流体を調製するために、洗浄剤を温水に添加するように構成され得る。
【0118】
温水は、好適に混合されかつ加熱された洗浄流体を提供するために、洗浄モジュール-温水器モジュールループの周りを連続的に循環され得る。調製されると、消毒段階は、調製された洗浄流体を、閉ループ内の洗浄チャンバ584を介して個別に又は直列に、飲料調製モジュール558~562の各々を通して循環させることによって継続し得る。消毒段階に続いて、洗浄プロセスは、飲料調製モジュール558~563のうちの1つ以上を、洗浄チャンバ584を介してドレイン582に洗い流すために冷水及び/又は温水が使用される、洗浄流体フラッシュ段階を含み得る。
【0119】
洗浄段階は、付加的に又は代替的に、任意の残留洗浄流体及び/又は水を排除するために、様々なモジュール、導管、ノズル512a~e、及び洗浄チャンバのうちの1つ以上を通して空気が流れることを可能にされる、エアパージを含み得る。このように、飲料分注装置500は、洗浄チャンバ584を通して空気を導入し、かつ任意選択的に押し込むための1つ以上の空気源及び通気口を備え得る。
【0120】
実施例として、コーヒーモジュール558を洗浄するために、冷水が、隔離弁575及び逆止弁573を介して温水器モジュールに提供され得る。加熱されると、弁部574及び577は、コーヒーモジュール577及びコーヒーモジュール558をノズル512aに接続するパイプを通して温水を送るように開放され得る。次いで、温水は洗浄チャンバ584に入り、そこで洗浄チャンバハウジング514、ノズル配列512及び封止部528によって収容された後、洗浄戻りノズル512eを介して抽出され、弁部580を介して外部ドレイン582に至る。
【0121】
消毒段階では、温水器モジュール566は、弁部574、577、及び584を介して、洗浄チャンバ584を介して、洗浄モジュール564に接続される。温水は、洗浄モジュール564内で洗浄剤を溶解するために使用され、逆止弁572を介して温水器モジュール566に戻される。水は、好適な洗浄流体を提供するために好適な温度及び/又は量の洗浄剤が温水に溶解されるまで、このように、温水モジュール566及び洗浄モジュール564を通して連続的に循環され得る。
【0122】
これに続いて、温水器モジュール566をバイパスするように、弁部574の左側流路を開放することができ、洗浄流体がコーヒーモジュール558を通って洗浄チャンバ584内に流れることを可能にするように、弁部577を開放することができる。ドレイン580に延在する弁部の出口は、この時点で閉鎖され得る。
【0123】
十分な水の流れがコーヒーモジュール558を通過すると、使用済み洗浄流体が外部ドレインから分注されるように、弁部580のドレイン出口を開放することができる。洗浄モジュール564に接続する弁部580の出口は、この時点で閉鎖することができる。
【0124】
洗浄流体フラッシュ段階は、残留物フラッシュ段階と同様であるが、水が温水器モジュール566を通過する代わりに、水が温水モジュール566を迂回し、コーヒーモジュール558及び外部ドレイン582に直接流れることができるように、弁部574の冷水入口弁が開放される。
【0125】
他の飲料分注モジュール560及び562は、弁部576及び579の制御を介して同様の方法で洗浄され得、洗浄段階の各々ごと順次洗浄され得ることが理解されよう。洗浄プロセスが、上述したものと異なり得ることも理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、洗浄流体は、飲料分注マシン500の外部で調製されてもよく、又は調合済み溶液として提供されてもよい。その場合、洗浄流体を調製することに関連付けられたステップは省略され得る。他の実施形態では、残留フラッシュは、必要とされなくてもよく、又は閉洗浄回路を使用して達成されてもよい。更に、洗浄チャンバ584は、空気を使用して水又は洗浄流体が一掃され得る。
【0126】
上述のように、飲料分注装置500は、コントローラ568を備え得、コントローラ568は、飲料が調製され分注されることを可能にし、ユーザからの命令に応じて任意の必要な洗浄プロセスを行うように、飲料分注装置500の様々な部分を制御するように構成される。
【0127】
これにより、図示していないが、コントローラ568は、飲料の調製又は洗浄プロセス中に必要とされる作動及び感知を可能にするために、飲料分注マシン500の弁部及びモジュールの各々に接続されている。コントローラ568、様々な部分に提供されるアクチュエータ及びセンサ、並びにセンサとの間でコマンド又はデータを送受信するための通信線は、従来のものであり、当技術分野でよく知られており、本明細書では詳細に記載しない。
【0128】
本開示全体から、コントローラ568は、洗浄チャンバハウジング514が洗浄プロセス中に必要に応じて格納位置と展開位置との間で移動され得るように、駆動機構300を動作させるように構成され得ることが理解されよう。これにより、本装置500に関連して本明細書で記載される洗浄プロセスは、洗浄チャンバハウジング514がノズル配列512に封止可能に結合されて洗浄チャンバ584を形成するように、洗浄チャンバハウジング514を展開位置に移動させることから開始し得る。
【0129】
コントローラ568は、ユーザインターフェースを備え得る。ユーザインターフェースは、ユーザから命令を受信するように、及び/又はユーザに情報を提供するためのディスプレイを提供するように構成され得る。ユーザインターフェースは、例えば、ユーザがオプションを選択するか、又はマシンを動作させることを可能にするために、出力ディスプレイ588と、タッチスクリーン入力デバイス又は1つ以上のボタンなどの入力デバイス586とを備え得る。
【0130】
コントローラ568は、ユーザが、例えば、分注する飲み物タイプを選択するか、又は洗浄動作を選択することを可能にするように構成されてもよく、かつ/又は、例えば、マシン500の中のストックのレベル又は動作状態を提供するように構成されてもよい。
【0131】
コントローラ568は、指定された時間に及び/又は所定のスケジュールに従って洗浄動作が実行されることを可能にするタイマ及び/又はスケジューラを備え得る。これにより、コントローラ568は、自動的にかつユーザインタラクションなしに洗浄動作を実行するように構成され得る。洗浄チャンバハウジング514及びノズル配列512の構成により、ユーザは、飲料分注装置500の洗浄動作に関していかなる特定の動作を実行する必要がなく、したがって、時間外及び/又は所定の動作時間の後など、日又は週の好ましい時間に合わせて洗浄をスケジュールすることができる。
【0132】
本開示のノズル配列及び洗浄チャンバハウジングは、洗浄回路が飲料分注装置内に形成されることを可能にするので、有利であることが理解されよう。これは、便利であるだけでなく、装置の洗浄を大幅に自動化することも可能にする。
【0133】
洗浄チャンバハウジング及びノズル配列の更なる利点は、飲用可能な流体の各々のための流体経路の各々が、ノズルの外部を含めて、飲料調製モジュールからノズルまで洗浄することができることである。
【0134】
更に、いくつかの実施形態では、ノズル配列及び洗浄チャンバハウジングによって形成される洗浄チャンバが封止されているので、洗浄回路を使用して、飲料分注装置の様々な飲料調製モジュールの周りに冷たい流体、熱い流体及び洗浄流体のうちの1つ以上を通すことができる。洗浄回路は、循環流体が外部ドレインに分注される、閉回路及び/又は開回路とし得る。更に、洗浄流体は、好適なレベルの清浄度が達成されることを可能にするために、連続的に循環されるか、又は浸されたままにされ得る。
【0135】
本装置は、洗浄流体を少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃、好ましくは少なくとも70℃、最も好ましくは約75℃の温度に加熱し得る。
【0136】
本装置は、選択された時間期間、例えば、少なくとも2分間、好ましくは少なくとも3分間、好ましくは少なくとも4分間、より好ましくは少なくとも5分間、高温で全てのサブシステムを通して洗浄流体を循環させ得る。
【0137】
次いで、洗浄流体は、分注可能な流体回路から排出され得る。好ましくは、次いで、全てのサブシステムは、任意の残留洗浄流体を除去するために洗い流され得る。次いで、装置を分注モードに戻すように、出口ドックが開放され得る。
【0138】
本装置は、中間すすぎモードで使用され得、中間すすぎモードでは、本装置が中間すすぎモードに入ることができるように、分注可能な流体源を隔離するために出口ドックが閉鎖され得る。好ましくは、次いで、全てのサブシステムは、分注可能な流体回路から任意の分注可能な流体残留物を除去するために洗い流され得る。この後、次いで、本装置を分注モードに戻すために、出口ドックが開放され得る。
【0139】
1つ以上の実施形態が、上記において例としてのみ説明されている。多くの変形形態が、添付の特許請求の範囲によって与えられた保護の範囲から逸脱することなく可能である。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図5
【国際調査報告】