(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】集積回路用の接点支持体
(51)【国際特許分類】
H01R 12/58 20110101AFI20240920BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01R12/58
H01R31/06 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518235
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2022071128
(87)【国際公開番号】W WO2023046337
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート、シュテファニ
(72)【発明者】
【氏名】ハラルド、カピッツァ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ、ルクウィド
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AB41
5E223AB45
5E223AC12
5E223AC21
5E223AC23
5E223AC35
5E223AC50
5E223BA23
5E223BA27
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB26
5E223CB46
5E223CD01
5E223CD15
5E223DB01
5E223DB08
5E223DB13
(57)【要約】
本発明は、共通基板(200)を備える集積回路(2)であって、前記共通基板(200)は当該共通基板(200)を通って延びる孔(9a、9b、9c)を有する集積回路(2)用の接点保持装置(10、20、30)に関する。前記接点保持装置(10、20、30)は、前記共通基板(200)に固定されるのに適した支持部(11、21、31)であって、前記孔(9a、9b、9c)と整列するのに適したオリフィス(11o、21o、31o)を備える支持部(11、21、31)と、‐前記支持ピース(11、21、31)に固定される保持ピース(12、22、32)であって、前記オリフィス(11o、21o、31o)によりセンタリングされる保持ピース(12、22、32)と、を備える。前記保持部(12、22、32)は、導電体(71)の前記オリフィス(11o、21o、31o)への挿入をガイドするのに適した上部(12a、22a、32a)と、挿入された前記導電体(71)と前記保持部(12、22、32)との弾性接触を形成するのに適した下部(12c、22c、32c)と、前記上部(12a、22a、32a)と前記下部(12c、22c、32c)との間に配置された中間部(12b、22b、32b)と、を備える。前記中間部(12b、22b、32b)および前記下部(12c、22c、32c)は、前記孔(9a、9b、9c)に挿入されるのに適する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通基板(200)を備える集積回路(2)であって、前記共通基板(200)は当該共通基板(200)を貫通する孔(9a、9b、9c)を有する集積回路(2)用の接点保持装置(10、20、30)であって、前記接点保持装置(10、20、30)は、
‐前記共通基板(200)に固定されるように適合された支持部(11、21、31)であって、前記孔(9a、9b、9c)と整列するように適合されたオリフィス(11o、21o、31o)を備える支持部(11、21、31)と、
‐前記支持部(11、21、31)に固定される保持部(12、22、32)であって、前記オリフィス(11o、21o、31o)によりセンタリングされる保持部(12、22、32)と、
を備え、
前記保持部(12、22、32)は、導電体(71)の前記オリフィス(11o、21o、31o)への挿入をガイドするように適合された上部(12a、22a、32a)と、挿入された前記導電体(71)と前記保持部(12、22、32)との弾性接触を形成するように適合された下部(12c、22c、32c)と、前記上部(12a、22a、32a)と前記下部(12c、22c、32c)との間に配置された中間部(12b、22b、32b)と、を備え、
前記中間部(12b、22b、32b)および前記下部(12c、22c、32c)は、前記孔(9a、9b、9c)に挿入されるように適合されている、
接点保持装置(10、20、30)。
【請求項2】
前記上部(12a、22a、32a)は、前記オリフィス(11o、21o、31o)の中心から離れるように折り曲げられた少なくとも2つの円錐形状金属クリップを備える、
請求項1に記載の接点保持装置(10、20、30)。
【請求項3】
前記下部(12c、22c、32c)は、前記オリフィス(11o、21o、31o)の中心に向けて折り曲げられた複数の金属クリップを備える、
請求項1または2に記載の接点保持装置(10、20、30)。
【請求項4】
前記支持部(11)は、前記オリフィス(11o)によりセンタリングされる平坦面(11s)であって、前記共通基板(200)の上面(2a)にはんだ付けされるように適合された平坦面(11s)と、前記オリフィス(11o)によりセンタリングされる円筒部分(11a)であって、前記孔(9a)に挿入されるように適合された円筒部分(11a)と、を備え、
前記中間部(12b)は、前記円筒部分(11a)に締まり嵌めにより固定される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の接点保持装置(10)。
【請求項5】
前記上部(12a)は、前記オリフィス(11o)の前記中心から離れるように折り曲げられた6つの円錐形状金属クリップを備える、
請求項4に記載の接点保持装置(10)。
【請求項6】
前記支持部(21、31)と前記保持部(22、32)とは、単一の金属部品として形成されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の接点保持装置(20、30)。
【請求項7】
前記支持部(21)は、複数の開口を備える円筒体(21a)と、前記円筒体(21a)の一端部に配置された円錐形端部(21b)と、を備え、
前記円錐形端部(21b)は、前記孔(9b)に挿入されてこれを通過するように適合され、
前記円筒体(21a)は、前記孔(9b)に挿入されるように適合されるとともに、前記共通基板(200)に締まり嵌めにより固定されるように適合され、
前記上部(22a)は、前記円筒体(21a)の他端部に配置され、
前記中間部(22b)は、前記円筒体(21a)の前記他端部に近接する前記円筒体(21a)の一部により形成され、
前記下部(22c)は、前記オリフィス(21o)の前記中心に向けて折り曲げられた複数の金属クリップを備え、
各金属クリップは、前記円筒体(21a)の対応する開口に形成される、
請求項6に記載の接点保持装置(20)。
【請求項8】
前記支持部(31)は、前記孔(9)に挿入されるように適合された円筒体(31a)と、前記円筒体(31a)の一端部に配置された複数の平坦金属クリップ(31b)と、を備え、
各平坦金属クリップ(31b)は、前記共通基板(200)の上面(2a)にはんだ付けされるように適合され、
前記上部(32a)は、前記円筒体(31a)の前記端部に形成され、
前記中間部(22b)は、前記円筒体(31a)により形成され、
前記下部(22c)は、前記円筒体(31a)の他端部に形成される、
請求項6に記載の接点保持装置。
【請求項9】
共通基板(200)であって当該共通基板(200)を貫通する孔(9a、9b、9c)を有する共通基板(200)と、
請求項1~8のいずれか一項に記載の接点保持装置(10、20、30)と、
を備える集積回路(2)であって、
前記支持部(11、21、31)は、前記共通基板(200)に固定され、
前記保持部(12、22、32)の前記中間部(12b、22b、32b)および前記下部(12c、22c、32c)は、前記孔(9a、9b、9c)に挿入される、集積回路(2)。
【請求項10】
請求項9に記載の集積回路(2)を備える自動車フロントガラスワイパー用のDCモータ構成体(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路用の電子部品の分野に関し、より具体的には、集積回路用の接点ホルダ、このような接点ホルダを備える集積回路、およびこのような集積回路を備える自動車フロントガラスワイパー用のDCモータの構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子集積回路の集積レベルは年々高くなっている。この厳しい要件を満たすため、電子部品の物理的寸法が小さくなっていることが周知である。同じ理由で、集積回路内の電子部品間の物理的距離も、大幅に短くしなければならない。
【0003】
一般に、集積回路用の接点保持体は、電線等の導電体と集積回路の電気ピンとの確実な電気的接触を提供するように設計されている。
【0004】
しかしながら、良好な電気的接触を確保するため、この導電体を接点ホルダにはんだ付けする必要があることが多いが、これにより、追加の製造ステップが必要となるため、迅速な手作業による設置を必要とする一部の電気機械ではあまり現実的ではない。
【0005】
接点ホルダには、導電体を手動で挿入できるものも存在する。しかしながら、導電体を手動で挿入するように適切な角度を決定することは必ずしも容易ではない。
【0006】
また、適切な角度としても、手動挿入後にこの適切な角度を維持したり保証したりすることは依然として困難である。
【0007】
この結果、接点ホルダは、導電体の手動による挿入中または挿入後に最適に配置されないことがあるため、接点ホルダの性能は最適化され得ない。
【0008】
したがって、導電体を接点ホルダに手動で挿入する際にエラーを発生させにくいと同時に、導電体を手動で挿入した後に、挿入した導電体と接点ホルダとがより確実かつより最適に電気的に接触することを保証する単純でより確実な技術的解決策を提供することが求められている。
【発明の概要】
【0009】
別途定義しない限り、本文書で使用するすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、技術分野における使用という観点から解釈すべきである。また、一般的に使用されている用語も、本文書で明示的に定義されていない限り、理想化されたな意味や過度に形式的な意味ではなく、関連技術分野における通常の態様で解釈すべきである。
【0010】
本文を通じて、用語「備える(comprises)」およびその派生語(例えば「備えている(comprising)」)は、排他的な意味で理解すべきでない。すなわち、これらの用語は、記載され定義されたものが他の要素、ステップ等を含む可能性を排除するものとして理解すべきでない。
【0011】
一態様によれば、共通基板を備える集積回路であって、前記共通基板は当該共通基板を貫通する孔を有する集積回路用の接点保持装置が提案される。
【0012】
前記接点保持装置は、前記共通基板に固定されるように適合された支持部であって、前記孔と整列するように(前記孔と並ぶように)適合されたオリフィスを備える支持部と、前記支持部に固定される保持部であって、前記オリフィスによりセンタリングされる(前記オリフィスにより中心合わせされる)保持部と、を備える。前記保持部は、導電体の前記オリフィスへの挿入をガイドするように適合された上部と、挿入された前記導電体と前記保持部との弾性接触を形成するように適合された下部と、前記上部と前記下部との間に配置された中間部(中央部)と、を備える。前記中間部および前記下部は、前記孔に挿入されるように適合される。
【0013】
集積回路用のこのような接点ホルダにより、有利には、保持部の上部によって導電体の手動挿入がガイドされ得る。このようにして、導電体の適切な挿入角度が保証され、導電体を挿入する際に接点ホルダが損傷するリスクが低減される。
【0014】
さらに、保持部の下部は、挿入された導電体と保持部との弾性接触を形成するように適合されている。
【0015】
したがって、上部および下部により、挿入された導電体と接点ホルダとの間の適切な角度が、手動挿入後においても維持され得る。
【0016】
一実施形態によれば、前記上部は、前記オリフィスの中心から離れるように折り曲げられた少なくとも2つの円錐形状金属クリップを備える。
【0017】
このような折り曲げられた金属クリップは、オリフィスに挿入される電線等の導電体を安全にガイドすることができる。
【0018】
例えば、下部は、オリフィスの中心に向けて折り曲げられた複数の金属クリップを備え得る。下部は、下部および中間部が孔に挿入される際、孔の内部に留まるように適合されている。
【0019】
下部の折り曲げられた金属クリップは、有利には、導電体が接点ホルダに挿入された後、これをしっかりと保持することができる。さらに、下部および上部は、導電体を手動挿入するための適切な角度を保証し得る。下部は孔の内部に留まるように適合されているので、下部は有利には孔で保護されるため、接点ホルダの性能がより良好に保証される。
【0020】
別の実施形態によれば、前記支持部は、前記オリフィスによりセンタリングされる(中心合わせ)平坦部分であって、前記共通基板の上面にはんだ付けされるように適合された平坦部分と、前記オリフィスによりセンタリングされる円筒部分であって、前記孔に挿入されるように適合された円筒部分と、を備え、前記中間部は、前記円筒部分に締まり嵌め(干渉嵌合)により固定される。
【0021】
前記上部は、前記オリフィスの前記中心から離れるように折り曲げられた、例えば6つの円錐形状金属クリップを備え得る。
【0022】
非限定的な例として、前記支持部と前記保持部とは、単一の金属部品として形成される。これにより、有利には、接点保持体の複雑性や製造コストが低減され得る。
【0023】
別の実施形態によれば、前記支持部は、複数の開口を備える円筒体と、前記円筒体の一端部に配置された円錐形端部と、を備え、前記円錐形端部は、前記孔に挿入されてこれを通過(貫通)するように適合され、前記円筒体は、前記孔に挿入されるように適合されるとともに、前記共通基板に締まり嵌め(干渉嵌合)により固定されるように適合され、前記上部は、前記円筒体の他端部に配置され、前記中間部は、前記円筒体(21a)の前記他端部に近接する前記円筒体の一部により形成され、前記下部は、前記オリフィスの前記中心に向けて折り曲げられた複数の金属クリップを備え、各金属クリップは、前記円筒体の対応する開口に形成される。
【0024】
本実施形態において、下部は、有利には、支持部の円筒体であって、孔に挿入されるように適合されるとともに共通基板に締まり嵌め(干渉嵌合)により固定されるように適合された円筒体の開口に一体化される。したがって、はんだ付けのステップが不要であり、支持部と保持部とは単一部品として形成される。
【0025】
別の実施形態によれば、前記支持部は、前記孔に挿入されるように適合された円筒体と、前記円筒体の一端部に配置された複数の平坦金属クリップと、を備え、各平坦金属クリップは、前記共通基板の上面にはんだ付けされるように適合され、前記上部は、前記円筒体の前記端部に形成され、前記中間部は、前記円筒体により形成され、前記下部は、前記円筒体の他端部に形成される。
【0026】
別の態様によれば、集積回路が提案される。
【0027】
集積回路は、共通基板であって当該共通基板を貫通する孔を有する共通基板と、上述の接点保持装置と、を備える。前記支持部は、前記共通基板に固定され、前記保持部の前記中間部および前記下部は、前記孔に挿入される。
【0028】
さらに別の態様によれば、自動車フロントガラスワイパー用のDCモータ構成体が提案される。DCモータ構成体は、上述の集積回路を備える。
【0029】
説明を完全なものとし、かつ本発明をより良く理解するために図面のセットが提供される。これらの図面は、本明細書の不可欠な一部を形成し、本発明の実施形態を示すが、これらを本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならず、本発明の一実施形態としてのみ解釈しなくてはならない。図面は、以下の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明による第1接点保持装置および第2接点保持装置を備えるフィルタユニットの分解図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による第1接点保持装置の全体図を示す。
【
図3】
図3は、印刷回路基板に設置された第1接点保持装置の正面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明による第2接点保持装置の全体図を示す。
【
図6】
図6は、印刷回路基板に設置された第2接点保持装置の正面図を示す。
【
図8】
図8は、本発明による第3接点保持装置の全体図を示す。
【
図9】
図9は、印刷回路基板に設置された第3接点保持装置の正面図を示す。
【
図11】
図11は、本発明によるフィルタユニットを備える自動車フロントガラスワイパー用のDCモータ構成体の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実施形態について、当業者が本明細書に記載されたシステムおよび方法を作製および実施できるように十分に詳細に説明する。実施形態は、多くの他の形態で提供され得るものであり、ここで提示した例に限定されると解釈すべきでないことを理解することが重要である。
【0032】
したがって、実施形態は様々に変更可能であるため種々の代替実施形態が想定できるが、その特定の実施形態を図面に示し、例示として以下に詳細に説明するものとする。開示された特定の実施形態に限定する意図はない。むしろ、添付の特許請求の範囲に該当するすべての変更、すべての同等物、およびすべての代替物が含まれなければならない。実施形態の要素は、必要に応じて、図面および詳細な説明を通して同一の参照数字を用いて体系的に表示する。
【0033】
図1は、電子器具、例えばDCモータ装置で使用されるフィルタユニット1を示す。
【0034】
フィルタユニット1は、共通基板200を備える印刷回路基板2の形態にある集積回路2を備えている。基板200は、本例において前面層2aである第1層と、本例において裏面層2bである少なくとも1つの第2層と、を有している。
【0035】
フィルタユニット1は、
例えば4つのコンデンサを備える第1フィルタ手段3と、
同じく4つのコンデンサを備える第2フィルタ手段4と、
第1接点保持装置(第1接触保持装置)10および第2接点保持装置(第2接触保持装置)20と、
を備え、
第1接点保持装置10および第2接点保持装置20は、第1フィルタ手段3および第2フィルタ手段4のコンデンサをそれぞれ通電させるため、前面層2aに配置されるように構成されている。
【0036】
第1接点保持装置10および第2接点保持装置20は、同一の態様で作製してもよいし、
図1に示すように異なる態様で作製してもよい。第1接点保持装置10および第2接点保持装置20について、以下で説明する。
【0037】
例えば、第1フィルタ手段3および第2フィルタ手段4に含まれるすべてのコンデンサは、良好なパッケージサイズおよび低寄生インダクタンスを提供し得る表面実装デバイス(SMD)として設計された多層セラミックコンデンサ(MLCC)である。
【0038】
フィルタユニット1は、集積回路2の裏面層2bに電気的に接続する金属プレート5をさらに備えている。第1フィルタ手段3および第2フィルタ手段4は、金属プレート5の第1部分5aおよび第2部分5bにそれぞれ接続している。
【0039】
金属プレート5は、集積回路2の裏面層2bにはんだ付けされることが意図されている。集積回路2は、金属プレート5の対応する凸部8を受容することが意図された少なくとも1つのノッチ7を備えている。凸部8とノッチ7とがこのように相互接続することは、金属プレート5を集積回路2の裏面層2bにはんだ付けするプロセスの際に有用である。はんだ付けするプロセスでは、集積回路2に対する金属プレート5の望ましくない移動を避けるために、取り付けることが必要である。
【0040】
集積回路2は、共通基板200を貫通する第1孔9aおよび第2孔9bをさらに備えている。第1孔9aおよび第2孔9bは、第1接点保持装置10および第2接点保持装置20を受容するようにそれぞれ適合されている。
【0041】
各接点保持装置10、20は、オリフィス11o、21oを備えている。オリフィス11o、21oは、対応する導電体、本例においてDCモータ電源ラインを受容することが意図されるとともに、対応するDCモータ電源ラインをシール可能に保持するように配置されている。これにより、各DCモータ電源ラインは、対応する第1フィルタ手段3および第2フィルタ手段4に接続する。
【0042】
第1接点支持体10および第2接点支持体20を備えるこのようなフィルタユニット1は、スペースが限られた用途に特に適している。
【0043】
次に、
図2~
図4を参照して、第1接点保持装置10について詳細に説明する。
【0044】
第1接点保持装置10は、共通基板200に固定されるように適合された支持部11を備えている。支持部11は、第1孔9aと整列するように適合された第1オリフィス11oと、複数の溝を有する支持面11sと、円筒形状を有するとともに第1オリフィス11oによりセンタリングされる(中心合わせされる)円筒体11aと、を備えている。円筒体11aは第1孔9aに挿入されるように適合されており、支持面11は前面層2aにはんだ付けされるように適合されている。
【0045】
図3は、共通基板200に設置された2つの第1接点保持装置10の正面図である。支持面11sの溝の形状および位置は、第1フィルタ手段3のコンデンサを受容するように適合されている。
【0046】
図4は、
図3のK‐K断面図を示す。支持部11は、第1孔9aに挿入されている。支持面11sは、前面層にはんだ付けされて支持部11と前面層2aとの確実な固着および確実な電気的接触が確保されているため、
図4に示すように、円筒体11aと第1孔9aとの間にある程度の組付クリアランスが得られる。
【0047】
第1接点保持装置10は、保持部12をさらに備えている。保持部12は、本例において、支持部11とは別個の部品である。
【0048】
図1に示すように、保持部12は、支持部11に締まり嵌め(干渉嵌合)により予め組み付けられるように配置されるとともに、上部12aと中間部12bと下部12cとを備えている。
【0049】
上部12aは、少なくとも2つの金属クリップ、本例において例えば6つの金属クリップを備えている。これらの金属クリップは、円錐形状を有し、第1オリフィス11oの中心に対してわずかに湾曲している。したがって、これらの金属クリップは、導電体の第1オリフィス11oへの挿入をガイドするように適合されている。
【0050】
中間部12bは、金属円筒部分を備えている。中間部12bが支持部11に締まり嵌め(干渉嵌合)により予め組付けられ得るとともに、第1オリフィス11oによりセンタリングされ得るように、この円筒部分の直径は、支持部11と協働するように適合されている。中間部12bと支持部11との締まり嵌め(干渉嵌合)による組付により、保持部12と支持部11との確実な電気的接触が提供され得る。
【0051】
下部12cは、第1オリフィス11oの中心に向けて折り曲げられた複数の金属クリップを備えている。これらの金属クリップは、例えば、円周上の弾性接触クリップである。導電体が保持部12に挿入されて下部12cを貫通するとき、第1接点保持装置10は、導電体の手動による挿入を正しくガイドすることだけでなく、手動挿入後も正しい挿入角度を維持することを可能とする。
【0052】
図4に示すように、下部12cおよび中間部12bが、前面層2aにはんだ付けされた支持部11に組み付けられると、第1接点保持装置10に挿入された導電体の適切な手動挿入角度を維持するように、下部12cは、裏面層2bから部分的に突出する。
【0053】
次に、
図5~
図7を参照して、第2接点保持装置20について詳細に説明する。
【0054】
第2接点保持装置20は、支持部21および保持部22を備えている。支持部21および保持部22は、第2孔9bによりセンタリングされるとともに単一の金属部品として形成されている。
【0055】
支持部21は、本例において例えば4つの開口である複数の開口を備える円筒体21aと、円筒体21aの一端部に配置された円錐形端部21bと、を備えている。円錐形端部21bは、第2接点保持装置20の対応する孔への、例えば
図1および
図6における第2孔9bへの挿入を容易とするように構成されている。
【0056】
第2接点保持装置20を共通基板200にはんだ付けする必要はないことに留意すべきである。良好な電気的接触を確保するため、
図6に示すように印刷回路の導電性ビア23が、第2孔9bに一般に使用される。
【0057】
印刷回路基板のビア23の内寸は、支持部21の円筒体21aの外寸よりもわずかに小さいため、
図7に示すように、支持部21は、ビア23に締まり嵌め(干渉嵌合)により組み付けられる。
【0058】
保持部22は、円筒体21aの他端部に配置された上部分22aであって、第2オリフィス21oの中心に向けて折り曲げられた複数の円錐形状の金属クリップを備える上部分22aと、円筒体21aの一部により円筒体21aの他端部の付近に形成された中間部22bと、第2孔9bの中心に向けて周方向に折り曲げられた複数の弾性金属クリップ、本例において例えば4つの金属クリップを備える下部22cと、を備えている。各金属クリップは、円筒体21aの対応する開口に形成されている。
【0059】
上部22aの金属クリップは、導電体の第2オリフィス21oへの挿入をガイドするように適合されている。また、下部22cのこれらの弾性金属クリップは、有利には、導電体の手動挿入の適切な角度を維持するように配置されている。
【0060】
図7に示すように、第2接点保持装置20が第2孔9bに組み付けられると、第2接点保持装置20の下部22cは、第2孔9bの内部に留まる。これにより、第2接点保持装置20の剛性が向上する。
【0061】
図8~
図10は、本例において第3接点保持装置30と称される接点保持装置の別の実施形態の提示に関する。
【0062】
第3接点保持装置30は、支持部31および保持部32を備えている。支持部31および保持部32は、第3オリフィス9cによりセンタリングされるとともに単一の金属部品として形成されている。
【0063】
第3接点保持装置30の支持部31は、円筒体31aと、円筒体31aの一端部に配置された複数の平坦金属クリップ31b、本例において例えば2つの平坦金属クリップと、を備えている。各平坦金属クリップは、第3オリフィス31oによりセンタリングされるとともに、共通基板200の上面に、本例において例えば共通基板200の前面層2aにはんだ付けされるように適合されている。円筒体31aは、共通基板200を貫通する孔、本例において例えば共通基板200の第3孔9cに挿入されるように適合されている。
【0064】
支持部31は、平坦金属クリップ31bのはんだ付けにより前面層2aに固定されているため、支持部31は、第3孔9cに確実に固定され得るとともに、共通基板200の前面層2aに対する確実な電気的接触を有し得る。また、
図10に示すように、組付クリアランス33が、円筒体31aと第3孔9cとの間に設けられ得る。
【0065】
第3接点保持装置30の保持部32は、上部分32aを備えている。上部分32aは、円筒体31aの前記端部に、例えば、第3オリフィス31oの中心から折り曲げられた2つの弾性金属クリップの形態において形成されている。
【0066】
平坦金属クリップ31bに加えて、上部32aのこれらの弾性金属クリップも周縁に配置され、導電体の第3オリフィス31oへの挿入をガイドするように適合されている。
【0067】
第3接点保持装置30の保持部32は、円筒体31aにより形成された中間部32bと、円筒体31aの他端部に形成された下部32cと、をさらに備えている。
【0068】
第1接点保持装置10または第2接点保持装置20と同様に、第3接点保持装置30の下部32cは、挿入された導電体と保持部32との弾性接触を形成するように適合されている。例えば、下部は、第3オリフィス31oの中心に向けて折り曲げられた6つの弾性金属クリップを備えている。第3接点保持装置30の下部32cの機能および利点は、第1接点保持装置10および第2接点保持装置20のものと同一である。
【0069】
次に、
図11を参照して、
図1に示すようなフィルタユニット1を備える自動車フロントガラスワイパー用のDCモータ構成体100を説明する。
【0070】
DCモータ構成体100は、
本例において例えばギヤカバーであるケーシングの第1部分41、および本例において例えばギヤハウジングであるケーシングの第2部分42と、
モータケーシング51で覆われることが意図されたDCモータ50であって、ケーシングの第1部分41の内部に配置されるDCモータ50と、
DCモータ50に関連付けられるフィルタユニット1であって、当該DCモータ50により生じる電磁ノイズを低減することを目的とするフィルタユニット1と、
を備えている。
【0071】
DCモータ構成体100は、ブラシ基板60と、第1インダクタ61と、第2インダクタ62と、DCモータ50の第1電源ラインと、DCモータ50の第2電源ラインと、をさらに備えている。
【0072】
ブラシ基板60は、フィルタユニット1を収容するスロット61を備えている。スロット61を備えるこのブラシ基板60の一部は、ギアケーシング42の開口43に挿入されることが意図されている。フィルタユニット1の金属プレート5は、ケーシングの第2部分42に接触することにより、この開口43を部分的に閉鎖するように適合されている。
【0073】
したがって、金属プレート5とケーシングの第2部分42とケーシングの第1部分41とは、DCモータ50のための一般にファラデーシールドまたはファラデーケージと称される電磁シールドを形成する。これにより、DCモータ構成体100の電磁両立性EMC性能が向上する。
【0074】
図12は、DCモータ構成体100が組み付けられたときのDCモータ装置100のC-C断面図を示す。
【0075】
フィルタユニット1は、実際には、ブラシ基板60のスロット61に設置される。本例において例えばブラシ基板60の第2インダクタ62の電線71である導電体71が、例えば、共通基板200の第1孔9aに第1接点保持装置10を介して挿入されている。
【0076】
図12に明確に示すように、第1接点保持装置10の保持部12は、電線の手動挿入を容易にガイドできるだけでなく、電線の適切な挿入角度を維持することもできる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通基板(200)を備える集積回路(2)であって、前記共通基板(200)は当該共通基板(200)を貫通する孔(9a、9b、9c)を有する集積回路(2)用の接点保持装置(10、20、30)であって、前記接点保持装置(10、20、30)は、
‐前記共通基板(200)に固定されるように適合された支持部(11、21、31)であって、前記孔(9a、9b、9c)と整列するように適合されたオリフィス(11o、21o、31o)を備える支持部(11、21、31)と、
‐前記支持部(11、21、31)に固定される保持部(12、22、32)であって、前記オリフィス(11o、21o、31o)によりセンタリングされる保持部(12、22、32)と、
を備え、
前記保持部(12、22、32)は、導電体(71)の前記オリフィス(11o、21o、31o)への挿入をガイドするように適合された上部(12a、22a、32a)と、挿入された前記導電体(71)と前記保持部(12、22、32)との弾性接触を形成するように適合された下部(12c、22c、32c)と、前記上部(12a、22a、32a)と前記下部(12c、22c、32c)との間に配置された中間部(12b、22b、32b)と、を備え、
前記中間部(12b、22b、32b)および前記下部(12c、22c、32c)は、前記孔(9a、9b、9c)に挿入されるように適合されている、
接点保持装置(10、20、30)。
【請求項2】
前記上部(12a、22a、32a)は、前記オリフィス(11o、21o、31o)の中心から離れるように折り曲げられた少なくとも2つの円錐形状金属クリップを備える、
請求項1に記載の接点保持装置(10、20、30)。
【請求項3】
前記下部(12c、22c、32c)は、前記オリフィス(11o、21o、31o)の中心に向けて折り曲げられた複数の金属クリップを備える、
請求項
1に記載の接点保持装置(10、20、30)。
【請求項4】
前記支持部(11)は、前記オリフィス(11o)によりセンタリングされる平坦面(11s)であって、前記共通基板(200)の上面(2a)にはんだ付けされるように適合された平坦面(11s)と、前記オリフィス(11o)によりセンタリングされる円筒部分(11a)であって、前記孔(9a)に挿入されるように適合された円筒部分(11a)と、を備え、
前記中間部(12b)は、前記円筒部分(11a)に締まり嵌めにより固定される、
請求項
1に記載の接点保持装置(10)。
【請求項5】
前記上部(12a)は、前記オリフィス(11o)の前記中心から離れるように折り曲げられた6つの円錐形状金属クリップを備える、
請求項4に記載の接点保持装置(10)。
【請求項6】
前記支持部(21、31)と前記保持部(22、32)とは、単一の金属部品として形成されている、
請求項
1に記載の接点保持装置(20、30)。
【請求項7】
前記支持部(21)は、複数の開口を備える円筒体(21a)と、前記円筒体(21a)の一端部に配置された円錐形端部(21b)と、を備え、
前記円錐形端部(21b)は、前記孔(9b)に挿入されてこれを通過するように適合され、
前記円筒体(21a)は、前記孔(9b)に挿入されるように適合されるとともに、前記共通基板(200)に締まり嵌めにより固定されるように適合され、
前記上部(22a)は、前記円筒体(21a)の他端部に配置され、
前記中間部(22b)は、前記円筒体(21a)の前記他端部に近接する前記円筒体(21a)の一部により形成され、
前記下部(22c)は、前記オリフィス(21o)の前記中心に向けて折り曲げられた複数の金属クリップを備え、
各金属クリップは、前記円筒体(21a)の対応する開口に形成される、
請求項6に記載の接点保持装置(20)。
【請求項8】
前記支持部(31)は、前記孔(9)に挿入されるように適合された円筒体(31a)と、前記円筒体(31a)の一端部に配置された複数の平坦金属クリップ(31b)と、を備え、
各平坦金属クリップ(31b)は、前記共通基板(200)の上面(2a)にはんだ付けされるように適合され、
前記上部(32a)は、前記円筒体(31a)の前記端部に形成され、
前記中間部(22b)は、前記円筒体(31a)により形成され、
前記下部(22c)は、前記円筒体(31a)の他端部に形成される、
請求項6に記載の接点保持装置。
【請求項9】
共通基板(200)であって当該共通基板(200)を貫通する孔(9a、9b、9c)を有する共通基板(200)と、
請求項1~8のいずれか一項に記載の接点保持装置(10、20、30)と、
を備える集積回路(2)であって、
前記支持部(11、21、31)は、前記共通基板(200)に固定され、
前記保持部(12、22、32)の前記中間部(12b、22b、32b)および前記下部(12c、22c、32c)は、前記孔(9a、9b、9c)に挿入される、集積回路(2)。
【請求項10】
請求項9に記載の集積回路(2)を備える自動車フロントガラスワイパー用のDCモータ構成体(100)。
【国際調査報告】