(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】心臓補助システムを製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61M 60/174 20210101AFI20240920BHJP
A61M 60/237 20210101ALI20240920BHJP
A61M 60/411 20210101ALI20240920BHJP
A61M 60/816 20210101ALI20240920BHJP
A61M 60/861 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
A61M60/174
A61M60/237
A61M60/411
A61M60/816
A61M60/861
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518297
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022076885
(87)【国際公開番号】W WO2023049813
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】シュルブッシュ,トマス アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼンマイ,ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】カッセル,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】ストッツ,インゴ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077CC03
4C077DD10
4C077EE01
4C077HH03
4C077HH13
4C077HH14
4C077HH15
(57)【要約】
心臓補助システムの製造および組み立てに関するシステムおよび方法。方法は、センサー装置および入口管を提供するステップを含み得る。入口管は、患者の体液を吸引するように適合されてもよく、心臓補助システムを動作させるための駆動ユニットを含んでもよい。方法は、センサー装置を入口管の第一の端に接続し、駆動ユニットを入口管の第二の端に接続するステップをさらに含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓補助システム(100)を製造するための方法(300)であって、
センサー装置(105)と、第一の端(115)および前記第一の端(115)の反対側の第二の端(120)を有する入口管(110)であって、患者の体液を吸引するように構成される、入口管(110)と、前記心臓補助システム(100)を動作させるための駆動ユニット(125)と、を提供するステップ(305)と、
前記センサー装置(105)を前記入口管(110)の前記第一の端(115)と接続し、前記駆動ユニット(125)を前記入口管(110)の前記第二の端(120)と接続するステップ(310)と、を含む、方法(300)。
【請求項2】
前記センサー装置(105)を前記入口管(110)の前記第一の端(115)と接続すること(310)が、接続装置を形成する、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項3】
前記接続装置と前記駆動ユニット(125)とを接続すること(310)が、前記心臓補助システム(100)の少なくとも一部分を形成する、請求項2に記載の方法(300)。
【請求項4】
前記提供するステップ(305)が、ハウジング要素(145)を提供することをさらに含み、前記接続するステップ(310)では、前記駆動ユニット(125)が、前記ハウジング要素(145)に接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項5】
前記センサー装置(105)、前記入口管(110)、および前記駆動ユニット(125)を事前位置決めおよび固定すること(315)をさらに含み、前記センサー装置(105)、前記入口管(110)、および前記駆動ユニット(125)が互いに接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項6】
センサーを提供すること(1105)と、
少なくとも一つの導電性要素を提供すること(1110)と、
前記センサーおよび前記少なくとも一つの導電性要素を電気的に接触させること(1115)と、をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項7】
キャリア要素を提供すること(1120)、
ステップ1115から、前記キャリア要素を前記電気的に接触したセンサーおよび少なくとも一つの導電性要素に接合すること(1125)、
超音波変換器を提供すること(1130)、および
前記超音波変換器を前記接合ステップ1125からの結果構成要素に導電性接合すること(1135)、によって前記センサー装置(105)を製造することをさらに含む、請求項6に記載の方法(300)。
【請求項8】
前記入口管(110)を提供すること(1205)、および
前記入口管(110)を前記製造されたセンサー装置(105)に接続すること(1210)、によって前記接続装置を製造することをさらに含む、請求項7に記載の方法(300)。
【請求項9】
対応するセンサーケーブルを組み立てること、および/または前記センサーケーブルを前記接続装置に接合することと、
組み立てられた構成要素を、シリコーン化すること(1220)と、をさらに含む、請求項8に記載の方法(300)。
【請求項10】
前記駆動ユニット(125)を提供すること(1305)、
前記駆動ユニット(125)を前記接続装置に接合すること(1310)、および
ステップ1310からの前記接合された構成要素を横たえて固定すること(1315)、によって前記駆動ユニット(125)を組み立てることをさらに含む、請求項8または9のいずれか一項に記載の方法(300)。
【請求項11】
前記心臓補助システム(100)のセンサーケーブルを、接続インターフェイス(155)内の接続点と電気的に接触させること(1405)と、
生体適合性カバーによって前記接続インターフェイス(155)上またはその近くに位置付けられるセンサーを保護すること(1410)と、をさらに含む、請求項10に記載の方法(300)。
【請求項12】
ハイブリッドケーブルを得るために、前記センサーケーブル上にスリーブを組み立てること(1415)と、
前記ハイブリッドケーブルを前記接続インターフェイス(155)に電気的に接続すること(1420)と、
前記ハウジング要素(145)を提供すること(1425)と、
前記ハウジング要素(145)をステップ1420からの結果構成要素に取り付けること(1430)と、をさらに含む、請求項11に記載の方法(300)。
【請求項13】
対応するユニット(405、415、425)において、請求項5に記載の方法(300)の前記ステップ(305、310、315)を実行および/または制御するように構成される装置(400)。
【請求項14】
請求項5に記載の方法(300)の前記ステップ(305、310、315)を実行および/または制御するように構成されるコンピュータープログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータープログラムが格納される、機械可読記憶媒体。
【請求項16】
センサー装置(105)と、
前記センサー装置(105)に連結された第一の端(115)および前記第一の端(115)と反対側の第二の端(120)を有する入口管(110)であって、患者の体液を吸引するように構成される、入口管(110)と、
前記心臓補助システム(100)を動作させるための駆動ユニット(125)であって、前記入口管(110)の前記第二の端(120)に接続される、駆動ユニット(125)と、を含む、心臓補助システム(100)。
【請求項17】
前記入口管(110)が、前記第一の端(115)に少なくとも一つの入口開口部(130)を含み、前記少なくとも一つの入口開口部(130)が、
前記体液が前記入口管(110)内に流れることを可能にし、
前記センサー装置(105)と前記入口管(110)との間のインターフェイスとして、構成される、請求項16に記載の心臓補助システム(100)。
【請求項18】
前記入口管(110)が、前記第二の端(120)に少なくとも一つの出口開口部(135)をさらに含み、前記少なくとも一つの出口開口部(135)が、
前記体液を前記入口管(110)から排出することを可能にするように構成される、請求項16に記載の心臓補助システム(100)。
【請求項19】
前記駆動ユニット(125)が、配備可能なアンカー構造(140)と、ハウジング要素(145)と、ポンプ要素(150)と、接続インターフェイス(155)とを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の心臓補助システム(100)。
【請求項20】
前記センサー装置(105)が、複数のセンサー構成要素を含み、前記複数のセンサー構成要素が、少なくとも一つのセンサー、層基材、キャリア要素、および/または超音波変換器を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の心臓補助システム(100)。
【請求項21】
前記複数のセンサー構成要素のうちの少なくとも二つが、互いに電気的に接続される、請求項20に記載の心臓補助システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年9月23日に出願された、「METHOD AND APPARATUS FOR MANUFACTURING A CARDIAC ASSIST SYSTEM」と題する米国仮特許出願第63/261,552号の利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に援用され、全ての目的のために本明細書の一部を成す。
【背景技術】
【0002】
心臓補助システムを製造するための方法および装置、ならびに対応するコンピュータープログラムが本明細書に開示される。心臓補助システムは、例えば、患者の心臓の衰弱を軽減するために、医療で使用される。これらのシステムは、心臓ポンプまたは機械的循環補助装置であってもよく、患者の心臓機能を補助または改善するように構成され得る。これらのシステムは、冠動脈を介して心臓機能を補助し得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に提示されるアプローチは、心臓補助システムを製造するための改善された方法、改善された心臓補助システム、この方法を使用する装置、および対応するコンピュータープログラムに関する。
【0004】
本明細書に提示されるアプローチは、有利なことに、心臓補助システムの個々の構成要素の製造および/または組立てシーケンスを提供することによって、心臓補助システムの必要な生産空間の低減を可能にし、同時に心臓補助システムの機能を確保する。
【0005】
心臓補助システムを製造するための方法が提供され、方法は、提供するステップおよび/または接続するステップを含み得る。提供するステップは、センサー装置と、第一の端および第一の端の反対側の第二の端を有する入口管であって、患者の体液を吸引するように構成される入口管と、心臓補助システムを動作させるための駆動ユニットと、を提供することおよび/または製造することを含み得る。接続するステップでは、センサー装置は、入口管の第一の端に接続され、駆動ユニットは、入口管の第二の端に接続され、心臓補助システムの少なくとも一部分を作り出し得る。
【0006】
本明細書に記載のアプローチは、例えば、センサーケーブルを心臓補助システムに統合するために、生体適合性および長期安定性オプションを作り出すために有利に使用され得る。センサー装置は、有利には、体液(例えば、血液)の流速および/または体積流、ならびに/または圧力、粘度、および/または温度などの体液の特性を測定するように構成され得る。
【0007】
一実施例によれば、センサー装置および入口管は、接続装置を作り出すために接続するステップで接続され得る。有利なことに、センサー装置は、接続装置の遠位先端に位置して、心臓補助システムのポンピング作用を中断することなく、動作状態にあるデータを取得し得る。この構成では、有利なことに、誤った読取値を低減することができる。接続装置は、接続するステップで駆動ユニットに接続されて、心臓補助システムの少なくとも一部分を作り出し得る。それ故に、心臓補助システムは有利なことに、モジュール式で製造され得る。
【0008】
一実施例によれば、心臓補助システム用のハウジング要素は、提供するステップで提供され得る。接続するステップでは、駆動ユニットは、ハウジング要素に接続され得る。ハウジング要素は、例えば、心臓補助システムの電気構成要素を外部の影響から保護するように形作られてもよい。さらに、ハウジング要素は、例えば、心臓補助システムのポンプ要素から、心臓補助システムが中に挿入される血管を保護するように形作られてもよい。
【0009】
一実施例によれば、製造方法は、センサー装置、入口管、および/または駆動ユニットを事前位置決めおよび固定するステップを含み得る。センサー装置、入口管、および/または駆動ユニットは、固定ステップにおいて、一緒に接合されてもよく、シリコーン化されてもよく、および/または導電性接合され得る。事前位置決めおよび固定ステップの少なくとも一部は、所望に応じて繰り返され得る。モジュール式シーケンスでサブコンポーネントを接続して、例えば、材料接合および/または電気的接続によって結果構成要素を形成することが有利であり得る。言い換えれば、二つのサブ構成要素は、モジュール式で組み合わせられて結果構成要素を形成してもよく、これは次に、少なくとも一つのさらなるサブ構成要素と組み合わせて、さらなる結果構成要素を形成し得る。この有利な手順は、ソフトウェア、ハードウェア、および/または自動制御ユニットなどの混合形態のソフトウェアおよびハードウェアに実装され得る。提示されるアプローチは、適切な施設で本明細書に提示されるプロセスの代替的なステップを実施、制御、または実装するように構成され得る装置の製造を可能にする。この目的のために、装置は、信号またはデータを処理するための少なくとも一つのコンピューティングユニット、信号またはデータを格納するための少なくとも一つのメモリーユニット、センサーからセンサー信号を読み取る、またはデータまたは制御信号をアクチュエーターに出力するためのセンサーまたはアクチュエーターへの少なくとも一つのインターフェイス、および/またはデータを読み取りまたは出力するための少なくとも一つの通信インターフェイスを有することができるが、これらは通信プロトコルに埋め込まれ得る。少なくとも一つのコンピューティングユニットは、例えば、信号プロセッサー、マイクロコントローラーなどであってもよく、それによってメモリーユニットは、フラッシュメモリー、EEPROM、または磁気メモリーユニットであり得る。少なくとも一つの通信インターフェイスは、無線および/または有線でデータを読み取るように構成されてもよく、それにより、有線データを読み込むまたは出力できる少なくとも一つの通信インターフェイスは、例えば、対応するデータ送信路からこのデータを電気的または光学的に読み取ってもよい。または、それを対応するデータ送信路に出力し得る。この場合、装置は、センサー信号を処理し、これらに応じて制御信号および/またはデータ信号を出力する電気装置であると理解され得る。装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア機能を有し得る、少なくとも一つのインターフェイスを有し得る。ハードウェアの場合、少なくとも一つのインターフェイスは、装置のさまざまな機能を含み得る、いわゆるシステムASICの一部であり得る。少なくとも一つのインターフェイスは、集積回路を含んでもよく、または少なくとも部分的に個別の構成要素を含んでもよい。ソフトウェアベースの訓練の場合、少なくとも一つのインターフェイスは、マイクロコントローラー上に利用可能であり得る他のソフトウェアモジュールとともにインストールされ得るソフトウェアモジュールであり得る。
【0010】
半導体メモリー、ハードディスクストレージ、または光メモリーなどの機械可読媒体または記憶媒体上に記憶され、上述の手順のステップの実行、変換、および/または制御に使用され得るプログラムコードを有するコンピュータープログラム製品またはコンピュータープログラムは、特にプログラム製品またはプログラムがコンピューターまたは装置上で実行される場合に使用され得る。
【0011】
また、センサー装置と、センサー装置に接続される、第一の端および第一の端の反対側の第二の端を含む入口管であって、患者の体液を吸引するように構成される入口管と、心臓補助システムを動作させるための駆動ユニットであって、入口管の第二の端に接続される、駆動ユニットと、を含む、心臓補助システムが提示される。
【0012】
センサー装置は、例えば、可能な限り正確で変更されていない測定値を取得するように構成され得る。入口管は有利なことに、体液、例えば血液を伝導するように構成され得る。入口管の第一の端は、センサー装置に接続され得る。
【0013】
一実施例によれば、入口管は、第一の端またはその近くに少なくとも一つの入口開口部を有してもよく、これは、少なくとも一つの体液が入口管内に流れることを可能にするように構成され得る。少なくとも一つの入口開口部は、センサー装置と入口管との間のインターフェイスとして構成され得る。有利なことに、インターフェイスは、少なくとも一つの入口開口部を形成し得る入口グリルとして構成され得る。有利なことに、少なくとも一つの入口開口部は、少なくとも二つの入口開口部(例えば、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ)を含み得る。
【0014】
一実施例によれば、入口管は、第二の端に少なくとも一つの出口開口部を有してもよく、これは、少なくとも一つの体液が入口管から排出されることを可能にするように構成され得る。有利なことに、少なくとも一つの体液は、調節された様式で血管内に伝導されてもよく、それによって、例えば、心臓機能を支持する。
【0015】
一実施例によれば、心臓補助システムは、配備可能なアンカー構造、ドライバー(例えば、モーター)、ポンプ要素、および/または接続インターフェイスを有し得る。配備可能なアンカー構造は、例えば、心臓補助システムを適所に有利に固定するように構成され得る。一つの実装形態では、配備可能なアンカー構造は、有利には患者の組織に接続され得る(例えば、組織内成長を促進する)グリッド様構造を有し得る。ドライバーは、例えば、ポンプ要素を駆動するように構成され得る。ポンプ要素は、例えば、インペラまたはポンプホイールとして実装され得る。接続インターフェイスは、例えば、導電体を接続するように構成され得る。
【0016】
センサー装置は、少なくとも一つのセンサー、層基材、キャリア要素、および/または超音波変換器を含む、複数のセンサー構成要素を有し得る。有利なことに、複数のセンサー構成要素は、モジュール式で互いに接続され得る。
【0017】
一実施例によると、複数のセンサー構成要素のうちの少なくとも二つは、互いに電気的に接続され得る。有利なことに、例えば、信号または電圧は、対応するセンサー構成要素への接続を介して送信され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の前述および他の特徴は、添付の図面と併せて捉えた、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるだろう。これらの図面は、本開示に従って一部の実施形態のみを示し、その範囲を限定するものとみなされるべきではないと理解して、添付の図面の使用を通して、本開示をさらに具体的かつ詳細に説明するものとする。以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は、典型的には類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的実施形態は、限定することを意図するものではない。他の実施形態を利用してもよく、他の変更が、本明細書に示した主題の趣旨または範囲から逸脱することなく行われてもよい。本開示の態様は、一般に本明細書に記載されており、図面に図示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、および設計することができ、それら全ては明示的に企図され、本開示の一部をなすことが容易に理解されよう。ここで提示されるアプローチの実行例は、図面に示されており、以下の説明でより詳細に説明される。これは以下を示す。
【
図1】
図1は、一実施例による心臓補助システムの概略図である。
【
図2】
図2は、移植状態の一実施例による心臓補助システムの概略図である。
【
図3】
図3は、一実施例による心臓補助システムを製造するための製造プロセスのフローチャートである。
【
図4】
図4は、一実施例による装置のブロック図である。
【
図5】
図5は、一実施例による、複数のセンサー構成要素を有するセンサー装置を製造するための生産シーケンスである。
【
図6】
図6は、一実施例による接続装置を製造するための組立てシーケンスである。
【
図7】
図7は、一実施例による、接続装置を駆動ユニットに接続するためのさらなる組立てシーケンスである。
【
図8】
図8は、一実施例による心臓補助システムを配線するためのケーブル配線シーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明において、本発明の実施例では、異なる図に表され同様の効果を有する要素には同一または類似の参照符号を使用し、これらの要素については繰り返し説明しない。
【0020】
図1は、一実施例による心臓補助システム100の概略図を示す。心臓補助システム100は、例えば、心臓ポンプとして実装されてもよく、患者の心臓機能を支持するように構成され得る。心臓補助システム100は、例えば、体液の流速および/または体積流、ならびに/または圧力、粘度、および/または温度などの体液の特性を測定するように構成され得る、センサー装置105を含み得る。
【0021】
心臓補助システム100は、センサー装置105に接続される、第一の端115および第一の端115の反対側の第二の端120を有する入口管110を含み得る。入口管110は、例えば、血液などの患者の体液を吸引するように構成され得る。一実施例によると、第一の端115は、センサー装置105に接続され得る。さらに、心臓補助システム100は、心臓補助システム100を動作させるための駆動ユニット125を含み得る。駆動ユニット125は、入口管110の第二の端120に接続され得る。一実施例によると、構成要素165(図示せず)は、入口管の第二の端120と駆動ユニット125との間に位置付けられてもよい。構成要素165(図示せず)は、入口管110と駆動ユニット125との間のインターフェイスとして構成され得る。一実施例では、構成要素165は、インペラハウジングとして実装され得る。一実施例では、構成要素165(図示せず)は、少なくとも一つの出口開口部を含み得る。入口管110は、例えば、第一の端115により近い領域において、第一の端115と第二の端120との間で曲げられてもよく、または少なくとも湾曲し得る。曲げまたは湾曲は、丸みのある角であり得る。
【0022】
一実施例によれば、センサー装置105は、複数のセンサー構成要素を有し得る。複数のセンサー構成要素は、互いに電気的に接続され得る、少なくとも一つのセンサー、層基材、キャリア要素、および/または超音波変換器で形成され得る。一実施例によると、入口管110は、第一の端115に少なくとも一つの入口開口部130を有し得る。少なくとも一つの入口開口部130は、例えば、少なくとも一つの体液が入口管110内に流れることを可能にするように構成され得る。少なくとも一つの入口開口部130は、例えば、入口グリルとして構成されてもよく、センサー装置105と入口管110との間のインターフェイスとして構成され得る。入口管110の実施例によると、少なくとも一つの入口開口部130は、楕円形、長方形、正方形、円形、または菱形の形状であり得る、複数の入口開口部(例えば、少なくとも三つの類似形状の開口部)を含んでもよい。第二の端120において、入口管110は、少なくとも一つの出口開口部135を含んでもよい。一実施例によると、少なくとも一つの出口開口部135は、入口管110からの少なくとも一つの体液の排出を可能にするように構成され得る。少なくとも一つの入口開口部130と同様に、少なくとも一つの出口開口部135は、楕円形、長方形、正方形、円形、または菱形の形状であり得る。入口管110は、少なくとも一つの入口開口部130と同様に、例えば、出口グリルとして構成され得る、少なくとも三つの出口開口部を含む、少なくとも一つの出口開口部135を有する実施例に従って構成され得る。
【0023】
一実施例によれば、心臓補助システム100は、配備可能なアンカー構造140、駆動ユニット125、ポンプ要素150、および/または接続インターフェイス155を含み得る。配備可能なアンカー構造140は、例えば、心臓補助システム100を血管内にアンカーするように構成され得る。駆動ユニット125は、例えば、モーターとして、または例えば、センサー装置105および/もしくはポンプ要素150に給電するように構成され得るモーター要素として実装され得る。ポンプ要素150は、例えば、インペラとして、またはポンプホイールとして実装され得る。一実施例によれば、配備可能なアンカー構造140は、ウェブ160によって駆動ユニット125に接続され得る。これにより、心臓補助システム100は、ケーブルの最大の可能な保護を可能にし、心臓補助システム100の表面に沿った電気的接続を回避し、伝達された構成要素、例えば、入口管の機能的な完全性を改善し、ポンプが製造および組み立てられ得ることを確保し得る。
【0024】
心臓補助システム100は、記載されるように、いくつかの個々の構成要素を含み得る。製造中、例えば、センサー構成要素としても知られる個々の構成要素の適切な製造および組立てシーケンスが決定され得る。製造および組立てシーケンスは、例えば、表面処理ステップの必要な時間シーケンスに有利に従い、同時に製造パートナー間のインターフェイスを定義し得る。さらに、記載されるアプローチは、ポンプアセンブリーの接続インターフェイスとして使用され得る、センサーケーブルの生体適合性および長期の安定した統合を確保する。接続インターフェイスは、ポンプ直径を低減することなく最小限の設置空間を占有し得、従って、ポンプ要素150の効率を損なわない。
【0025】
心臓補助システム100は、センサー装置105として本明細書で説明されるセンサーヘッドと、少なくとも一つの入口開口部130を有する入口グリルと、入口管110と、出口グリルと、ポンプ要素150と、少なくとも一つの出口開口部135と、例えば、駆動ユニット125に結合されるバーを含み得る配備可能なアンカー構造140と、電気的接続線および供給ケーブルを融合するように構成され得る接続インターフェイス155と、を含み得る。
【0026】
図2は、移植状態の実施例による心臓補助システム100の概略図を示す。心臓補助システム100は、
図1に記載の心臓補助システム100に対応するか、または少なくともそれに類似し、一実施例によると、心臓200内に、より正確には心臓200の大動脈弁205を横切って位置付けられてもよく、その結果、左心室210からの体液は、少なくとも一つの入口開口部を通して吸引され、少なくとも一つの出口開口部を通して大動脈215内に排出され得る。これにより、矢印220によって記号付けされた毎分の患者の心臓出力が増加し、従って、心臓200の生理学的機能を補助または置換し得る。
【0027】
図3は、実施例による心臓補助システムを製造するための製造プロセス300のフローチャートを示す。製造プロセス300は、例えば、
図1および/または
図2に記載されるような心臓補助システム100の例示的な製造プロセスを説明する。製造プロセス300は、準備ステップ305、接合ステップ310、および随意に事前位置決めおよび固定ステップ315を含み得る。準備ステップ305は、センサー装置、第一の端と第一の端の反対側の第二の端とを有する入口管、および心臓補助システムを動作させるための駆動ユニットを提供および/または製造することを含み得る。入口管は、患者の体液を吸引するように構成され得る。接合ステップ310では、センサー装置は、入口管の第一の端に接続されて、駆動ユニットは、入口管の第二の端に接続されて、心臓補助システムの一部分であり得る、結果構成要素を生成し得る。一実施例によれば、入口管の第二の端は、駆動ユニットに接続され得る構成要素に接続され得る。一実施例によれば、構成要素は、少なくとも一つの出口開口部を含み得る。任意の事前位置決めおよび固定ステップ315では、センサー装置、入口管、および/または駆動ユニットは、事前位置決めされ、互いに接続され得る。特に、センサー装置、入口管、および/または駆動ユニットは、一緒に接合、シリコーン化、および/または導電性接合され得る。
【0028】
一実施例によれば、製造プロセス300の準備ステップ305では、ハウジング要素は、接合ステップ310で駆動ユニットに接続され得る心臓補助システムの選択肢として提供され得る。
【0029】
さらに、一実施例によると、接合ステップ310は、センサー装置および入口管を接続して、接続装置を形成し得る。随意に、接続装置は、駆動ユニットに接続されて、心臓補助システムの一部分であり得る結果構成要素を作り出し得る。
【0030】
図4は、一実施例による装置400のブロック図を示す。装置400は、例えば、
図3に記載されるように、心臓補助システムを製造するための製造プロセスを実施するか、または少なくとも制御するように構成され得る。装置400は、例えば、センサー装置を供給するために供給信号410によって構成され得る供給ユニット405と、第一の端と第一の端の反対側の第二の端とを有する入口管であって、患者の体液を吸引するように構成される入口管と、心臓補助システムを操作するように構成される駆動ユニットと、を含み得る。装置400は、例えば、接続信号420によって構成されて、センサー装置を入口管の第一の端に接続させ、駆動ユニットを入口管の第二の端に接続させ得る、接続ユニット415を含み得る。任意選択的に、装置400は、例えば、固定信号430によって構成され得る固定ユニット425を備えて、センサー装置、入口管、および/または駆動ユニットの事前位置決めおよび固定をもたらしてもよく、センサー装置、入口管、および/または駆動ユニットは、固定ステップで互いに接合、シリコーン化、および/または導電性接合され得る。
【0031】
図5は、一実施例による、複数のセンサー構成要素を有するセンサー装置を製造するための生産シーケンス1100を示す。生産シーケンス1100は、
図3に記載されるように、製造プロセス300の少なくとも部分的なシーケンスを表す。生産シーケンス1100は、センサーを製造および/または提供するサブステップ1105と、薄膜基材などの少なくとも一つの導電性要素を製造および/または提供するサブステップ1110と、を含み得る。接触サブステップ1115では、センサーおよび少なくとも一つの導電性要素は、互いに電気的に接触し得る。提供サブステップ1120では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのキャリア要素が提供されてもよく、次いで、センサー-導電性要素の組み合わせに結合および/または接合されてもよく、または例えば、接合サブステップ1125でシリコーン化され得る。一実施例によれば、超音波変換器は、サブステップ1130で追加的に提供されてもよく、これは、例えば、
図1および/または
図2に説明されるように、センサー装置を得るために、例えば、導電性接合サブステップ1135で、接合サブステップ1125からの結果構成要素に接続され得る。
【0032】
従って、サブステップ1105、1110、1115、1120、1125、1130、および1135は、センサー装置の製造を説明する。サブステップ1105では、少なくとも一つのセンサーは、例えば、基材またはサブマウント上に、電気的に接触可能な形態で製造および/または提供され得る。サブステップ1110では、少なくとも一つの導電性要素は、例えば、ケーブルまたは電気薄膜基材の形態で製造および/または提供されて、少なくとも一つのセンサーを遠位先端の電気的接続インターフェイスに電気的に接続し得る。接触サブステップ1115は、少なくとも一つのセンサーを少なくとも一つの導電性要素に電気的に接触させることを含み得る。提供サブステップ1120を提供する際に、キャリア要素、例えば、PEEKは、フライス成形または射出成形によって製造および/または提供され得る。接合サブステップ1125では、少なくとも一つの電気的に接続されるセンサーを有する少なくとも一つの導電性要素は、医療グレードのシリコーンを有するキャリア要素内のセンサーキャビティのその後の封入によって、キャリア要素に接合され得る。少なくとも一つの導電性要素は、例えば、その後、心臓補助システムに沿ってさらに接続されるように、センサーヘッドから突出し得る。サブステップ1130で、圧電ディスクなどの超音波変換器、または裏当て層および整合層を含む変換器層状の構造は、製造および/または提供されてもよく、医療用シリコーンなどの生体適合性材料で封入され得る。導電性接合サブステップ1135では、超音波変換器は、少なくとも一つの導電性要素上のセンサーパッケージに導電性接合されてもよく、超音波レンズは、例えば、射出成形されて、センサー装置を形成し得る。
【0033】
図6は、一実施例による接続装置を製造するための組立てシーケンス1200を示す。組立てシーケンス1200は、
図3に記載した製造プロセス300の少なくとも部分的なシーケンスを表す。サブステップ1205では、入口管が提供されてもよく、および/または製造されてもよく、これは、例えば、
図5で作製されるように、サブステップ1210でセンサー装置に接続され得る。対応するセンサーケーブルは、サブステップ1215の実施例に従って組み立てられてもよく、センサーケーブルは、接続装置に作製および/または接合され得る。
【0034】
一実施例によれば、シリコーン化サブステップ1220では、組み立てられた構成要素は、例えば、コーターによってシリコーン化されて、
図1に記載される接続装置を取得し得る。サブステップ1205、1210、1215、および1220を使用して、接続装置組立てシーケンスを実施例に従って説明する。サブステップ1205では、例えば、入口管は、ニチノール管からのレーザー切断によって、またはニチノールワイヤを編組することによって製造され得る。サブステップ1210では、例えば、以前に製造されたセンサー装置は、接着された接合部によって支持されるプレス嵌めによって、入口管(入口ケージとしても知られる)の入口グリルに結合され得る。サブステップ1215では、少なくとも一つの導電性要素が入口管に沿って位置付けられてもよい。一部の実施例では、少なくとも一つの導電性要素は、入口管の螺旋構造および/または生体適合性接着剤による螺旋構造に沿ったキャリア要素の固定内に、またはそれらと整列して位置付けられてもよい。一部の実施例では、入口管の穿孔は、入口管が液密でないことをもたらし得るが、サブステップ1220で封止され得る。
【0035】
サブステップ1220は、生体適合性ポリマー、例えば、シリコーンコーティングによる穿孔の閉鎖を含み得る。このステップでは、あらかじめ固定された少なくとも一つの導電性要素は、入口管とシリコーン被覆との間に封入されてもよく、従って機械的に保護され得る。
【0036】
図7は、一実施例による、接続装置を駆動ユニットに接続するためのさらなる組立てシーケンス1300を示す。組立てシーケンス1300は、
図3に記載される接合ステップ310の少なくとも部分的なシーケンスを表し、例えば、サブステップ1220に続いて、例えば、
図6に記載される組立てシーケンス1200上に構築される。準備サブステップ1305では、駆動ユニットが準備(例えば、提供および/または製造)され得、次いで、接合サブステップ1310で接続装置と組み立てられ得る。横たわって固定するサブステップ1315では、接合された構成要素は、例えば、心臓補助システムの結果構成要素を作製するために一緒に接着され得る。
【0037】
言い換えれば、一実施例によると、サブステップ1305、1310、および1315は、駆動ユニットを含み得るモーターアセンブリーを記述する。サブステップ1305では、駆動ユニットは、生産シーケンス1100および/または組立てシーケンス1200に並列に製造および/または提供され得る。サブステップ1310では、サブステップ1305からの駆動ユニットと、サブステップ1220からの少なくとも一つの導電性要素を有する接続装置とは、例えば、支持される接合(例えば、接着、レーザー溶着、および/または仕上げ)でプレス嵌めすることによって、一緒に接合され得る。サブステップ1315では、入口管から突出する少なくとも一つの導電性要素の残りの過剰な長さは、駆動ユニットに沿って接続インターフェイスに誘導され、生体適合性接着剤で心臓補助システムの表面に固定され得る。次に、ケーブルの表面保護コーティングは、例えば、生体適合性エポキシ樹脂を使用して実施され得る。
【0038】
図8は、一実施例による心臓補助システムを配線するためのケーブル配線シーケンス1400を示す。この実施例によれば、ケーブル配線シーケンス1400は、例えば、ステップ1315に続いて、
図7に記載されるさらなる組立てシーケンス1300に従う。接触サブステップ1405では、心臓補助システムのセンサーケーブルは、接続インターフェイスの接続点と電気的に接続され得る。その後、サブステップ1410を保護する際に、接続インターフェイス上またはその近くに位置付けられるセンサーは、シリコーンなどの生体適合性保護カバーによって保護され得る。ケーブル配線シーケンス1400は、スリーブが、ハイブリッドケーブルを得るためにセンサーケーブルの上に組み立てられてもよい、スリーブアセンブリーサブステップ1415を含んでもよい。ハイブリッドケーブルは、接続サブステップ1420で接続インターフェイスに電気的に接続され得る。サブステップ1425では、ハウジング要素が提供され、および/または製造されてもよく、これは、取り付けサブステップ1430では、サブステップ1420からの構成要素に取り付けられてもよい。
【0039】
言い換えれば、構成要素は、サブステップ1405、1410、1415、1420、1425、および1430によって接続インターフェイスで一緒に組み立てられてもよい。サブステップ1405では、少なくとも一つの導電性要素は、例えば、導電性接合またははんだ付けによって、接続インターフェイスの金属ピンに電気的に接続され得る。サブステップ1410では、接続インターフェイスまたは駆動ユニットの領域内のセンサーは、例えば、シリコーンで封入された保護カバーで覆われ得る。サブステップ1415では、センサーケーブルが組み立てられてもよく、ケーブルストランドを接続インターフェイスのピンに接触させるためのスリーブが、ケーブルに接続され得る。サブステップ1420では、センサーケーブルは、例えば、溶接、はんだ付け、および/または導電性接合によって、接続インターフェイス、例えば、接続インターフェイスのピンに電気的に接続され得る。保護ハウジングおよび/または歪み緩和部は、サブステップ1425で、例えば、チタンシートから提供および/または製造され得る。サブステップ1430では、接続インターフェイス内の電気的接続点は、例えば、生体適合性エポキシ樹脂またはシリコーンで接続および被覆され得る。コーティング後、サブステップ1425からの保護ハウジングは、接続インターフェイスを覆うように組み立てられ得る。最後に、保護コーティングは、例えばパリレンCでシステム全体に塗布され得る。
【0040】
実行例に第一の機能と第二の機能の間に「および/または」リンクが含まれている場合、これは、実行例に、一つの実行形態によれば、第一の特徴および第二の特徴の両方が含まれ、および、別の実行形態によれば、第一の特徴のみまたは第二の特徴のみのどちらかが含まれるように解釈される必要がある。
【0041】
本開示に記載される実装形態に対するさまざまな修正は、当業者に容易に明らかであり、本明細書に定義される一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用することができる。従って、本開示は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示する特許請求の範囲、原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。用語「実施例」は、本明細書では、「実施例、実例、または例示として役立つ」ことを意味するためにのみ使用される。本明細書に「実施例」として記載された任意の実装形態は、別段の記載がない限り、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0042】
別個の実装形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実装形態で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で記載されたさまざまな特徴は、複数の実装形態で別々に、または任意の好適なサブコンビネーションで実装することができる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、当初はそのように特許請求された場合もあるが、特許請求された組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、場合により、その組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象とすることができる。
【0043】
同様に、動作は特定の順序で図面に図示されるが、これは、望ましい結果を達成するために、このような動作が、示される特定の順序で、もしくは連続した順序で実行されること、または図示された全ての動作が実行されることを必要とするとは理解されるべきでない。さらに、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。一部の事例では、特許請求の範囲に列挙された行為は、異なる順序で実行されてもよく、それでも望ましい結果を達成することができる。
【0044】
一般に、本明細書で使用される用語は一般に、「オープン(open)」な用語として意図されることを、当業者は理解するであろう(例えば、用語「含む(including)」は、「含む(including)が限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」は、「少なくとも有する(having)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」は、「含む(includes)が限定されない」などと解釈されるべきである)。導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記述され、そのような記述がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記述を導入するための導入語句「少なくとも一つ」および「一つまたは複数」の使用を含み得る。しかしながら、こうした語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による特許請求の範囲の記述の導入が、同じ特許請求の範囲が、導入語句「一つまたは複数」または「少なくとも一つ」、および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、そのような導入された特許請求の範囲の記述を含む任意の特定の特許請求の範囲を、そのような記述を一つのみ含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲の記述を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに、導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が明示的に記述されるとしても、当業者は、このような記述は、典型的には、少なくとも記述された数字を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語なしで「二つの記述」の単なる記述は、典型的には、少なくとも二つの記述、または二つ以上の記述を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、並びに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、並びに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、または図面において、二つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の離接語および/または語句は、用語のうちの一つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図していると理解されるべきであると、当技術分野の者によってさらに理解されるであろう。例えば、語句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」、または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【国際調査報告】