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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】感染性疾患に対するRNAワクチン
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/88 20060101AFI20240920BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/002 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/145 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/245 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/215 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/205 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/25 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/21 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/04 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/09 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/104 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/112 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/085 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/095 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/08 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/118 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 39/015 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20240920BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240920BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20240920BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20240920BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20240920BHJP
   C12N 15/33 20060101ALI20240920BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20240920BHJP
   C12N 15/30 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C12N15/88 Z
A61K31/7088
A61P37/04
A61P31/12
A61P31/22
A61P31/16
A61P31/14
A61P31/18
A61P31/04
A61P31/10
A61P33/00
A61K39/12
A61K39/02
A61K39/00 K
A61K39/002
A61K39/145
A61K39/245
A61K39/215
A61K39/205
A61K39/25
A61K39/21
A61K39/04
A61K39/09
A61K39/104
A61K39/112
A61K39/085
A61K39/095
A61K39/08
A61K39/118
A61K39/015
A61K47/22
A61K47/44
A61K47/14
A61K47/24
A61K47/02
A61K9/107
A61K9/51
A61K31/7105
A61P31/20
C12N15/33 ZNA
C12N15/31
C12N15/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518363
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022013516
(87)【国際公開番号】W WO2023048760
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/247,175
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/297,498
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522375693
【氏名又は名称】エイチディーティー バイオ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リード, スティーブン グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】カーター, ダリック アルバート
(72)【発明者】
【氏名】カンダール, アミット プラフル
(72)【発明者】
【氏名】ダシー, マルコルム エス.
(72)【発明者】
【氏名】バーグランド, ラース ピーター アクセル
(72)【発明者】
【氏名】エラスムス, ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ベルべ, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】アーチャー, ジェイコブ フリーマン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076AA65
4C076AA95
4C076BB15
4C076BB25
4C076CC07
4C076CC32
4C076CC34
4C076CC35
4C076DD29
4C076DD30
4C076DD34
4C076DD46
4C076DD46F
4C076DD59
4C076DD63
4C076EE53
4C076EE54
4C076FF70
4C085BA06
4C085BA09
4C085BA12
4C085BA13
4C085BA14
4C085BA16
4C085BA19
4C085BA24
4C085BA45
4C085BA49
4C085BA51
4C085BA55
4C085BA61
4C085BA64
4C085BA69
4C085BA71
4C085BA78
4C085BA79
4C085EE01
4C085GG03
4C085GG10
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA22
4C086MA38
4C086MA59
4C086MA66
4C086NA13
4C086ZB09
4C086ZB32
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZB37
4C086ZC55
(57)【要約】
本開示は、核酸を対象に送達するための、組成物、処置の方法、ならびに組成物を作製するおよび使用する方法を提供する。本明細書に記載される組成物は、核酸と混合することができる、必要に応じて無機粒子を含む脂質キャリアを含む。これらの組成物を感染性疾患の処置のためのワクチンとして使用する方法も提供される。ワクチン接種は、限定されるものではないが、ウイルス性、細菌性および/または寄生虫性疾患を含む感染性疾患に対する予防的防御をもたらすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
脂質キャリアであって、
前記脂質キャリアが、
液状油、および
界面活性剤
を含み、前記界面活性剤が、
カチオン性脂質、
親水性界面活性剤、および
疎水性界面活性剤
を含む、脂質キャリア、ならびに
抗原配列をコードする少なくとも1つの核酸であって、
前記抗原配列が、ウイルス抗原配列、細菌抗原配列、真菌抗原配列もしくは寄生虫抗原配列または前述のもののいずれかについての機能的バリアントをコードする配列を含み、前記ウイルス抗原配列が、SARS-CoV-2抗原配列でもその機能的バリアントでもない、少なくとも1つの核酸
を含む組成物。
【請求項2】
前記ウイルス抗原配列が、インフルエンザウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス1(SARS-CoV-1)、ヒトガンマヘルペスウイルス4、ヒトパピローマウイルス(HPV)、狂犬病ウイルス、ヒトアルファヘルペスウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)もしくはヒトアルファヘルペスウイルス2、または前述のもののいずれかについての機能的バリアント由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記インフルエンザウイルスが、インフルエンザA型またはインフルエンザB型である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記細菌抗原配列が、Mycobacterium菌、Streptococcus菌、Pseudomonas菌、Salmonella菌、Staphylococcus菌、Neisseria菌、Clostridium菌、もしくはChlamydia菌、または前述のもののいずれかについての機能的バリアント由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記真菌抗原配列が、Aspergillus真菌、Saccharomyces真菌、Cryptococcus真菌、Coccidioides真菌、Neurospora真菌、Histoplasma真菌、もしくはBlastomyces真菌、または前述のもののいずれかについての機能的バリアント由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記寄生虫抗原配列が、Plasmodium寄生虫またはその機能的バリアント由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの核酸が、配列番号1~6と少なくとも85%同一の配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの核酸が、配列番号7~33のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする配列を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記核酸が、前記脂質キャリアを有する複合体中にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記RNAポリメラーゼをコードする前記核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記脂質キャリアが、疎水性コアを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記脂質キャリアが、無機粒子を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記無機粒子が、前記疎水性コア内にある、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記無機粒子が、金属を含む、請求項16または請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
組成物であって、
脂質キャリアであって、
前記脂質キャリアが、
液状油、および
界面活性剤
を含み、前記界面活性剤が、
カチオン性脂質、
親水性界面活性剤、および
疎水性界面活性剤
を含む、脂質キャリア、ならびに
少なくとも1つの核酸であって、
前記核酸が、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質ステム領域またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸
を含む組成物。
【請求項24】
前記核酸が、配列番号3と少なくとも85%同一の配列またはその機能的断片を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記核酸が、配列番号10~12のいずれか1つと少なくとも85%同一のアミノ酸配列をコードする、請求項23または請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記核酸が、前記脂質キャリアを有する複合体中にある、請求項23から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、請求項23から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記RNAポリメラーゼをコードする前記核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、請求項23から29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記脂質キャリアが、疎水性コアを含む、請求項23から31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記脂質キャリアが、無機粒子をさらに含む、請求項23から32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
前記無機粒子が、前記疎水性コア内にある、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記無機粒子が、金属を含む、請求項33または請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、請求項23から37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、請求項23から38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
組成物であって、
脂質キャリアであって、
前記脂質キャリアが、
液状油、および
界面活性剤
を含み、前記界面活性剤が、
カチオン性脂質、
親水性界面活性剤、および
疎水性界面活性剤
を含む、脂質キャリア、ならびに
少なくとも1つの核酸であって、
前記核酸が、VZVタンパク質またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸
を含む組成物。
【請求項41】
前記VZVタンパク質またはその機能的バリアントが、糖タンパク質E(gE)、gI、gB、gH、gL、gNまたはその機能的断片である、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
VZVタンパク質をコードする前記抗原配列が、配列番号4、5、38~43のいずれか1つと少なくとも85%同一である、請求項40または請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記核酸が、前記脂質キャリアを有する複合体中にある、請求項40から42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、請求項40から43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記RNAポリメラーゼをコードする前記核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
前記液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、請求項40から46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記脂質キャリアが、疎水性コアを含む、請求項40から48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
前記脂質キャリアが、無機粒子をさらに含む、請求項40から49のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記無機粒子が、前記疎水性コア内にある、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記無機粒子が、金属を含む、請求項50または請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、請求項40から54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
前記親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、請求項40から55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
組成物であって、
脂質キャリアであって、
前記脂質キャリアが、
約30mg/mLのDOTAPクロリド
約37.5mg/mLのスクアレン、
約37mg/mlのソルビタンモノステアレート、
約37mg/mlのポリソルベート80、
約10mMのクエン酸ナトリウム、および
約0.2mg Fe/mlのオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子
を含む、ナノエマルジョンであり、前記オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、約5ナノメートル(nm)から最大で25nmの範囲のサイズのものであり、必要に応じて、前記オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、サイズ12nmである、脂質キャリア、ならびに
少なくとも1つの核酸であって、
前記少なくとも1つの核酸が、配列番号1~6、38~47と少なくとも85%同一の配列を含む、少なくとも1つの核酸
を含む組成物。
【請求項58】
スクロースをさらに含み、必要に応じて、前記スクロースが、約50mgで存在する、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記核酸が、前記脂質キャリアを有する複合体中にある、請求項57または請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
前記核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、請求項57から59のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
前記RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
前記RNAポリメラーゼをコードする前記核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、請求項60に記載の組成物。
【請求項63】
前記脂質キャリアが、疎水性コアを含む、請求項57から62のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
前記オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、前記疎水性コア内にある、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
組成物であって、
脂質キャリアであって、
前記脂質キャリアが、
約0.75mgの量で存在するDOTAPクロリド、
約0.94mgの量で存在するスクアレン、
約0.93mgの量で存在するソルビタンモノステアレート、
約0.93mgの量で存在するポリソルベート80、
約1.05mgの量で存在するクエン酸一水和物、および
約0.005mgの量で存在するオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子
を含む、ナノエマルジョンである、脂質キャリア、ならびに
少なくとも1つの核酸であって、
前記少なくとも1つの核酸が、配列少なくとも配列番号1~6、38~47を含む、少なくとも1つの核酸
を含む組成物。
【請求項66】
前記少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
前記少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、請求項65に記載の組成物。
【請求項68】
スクロースをさらに含み、必要に応じて、前記スクロースが、約50ミリグラム(mg)で存在する、請求項65に記載の組成物。
【請求項69】
前記核酸が、前記脂質キャリアを有する複合体中にある、請求項65から68のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
前記核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、請求項65から69のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項71】
前記RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記RNAポリメラーゼをコードする前記核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
前記脂質キャリアが、疎水性コアを含む、請求項65から72のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項74】
前記オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、前記疎水性コア内にある、請求項73に記載の組成物。
【請求項75】
組成物であって、
脂質キャリアであって、
前記脂質キャリアが、
液状油、および
界面活性剤
を含み、前記界面活性剤が、
カチオン性脂質、
親水性界面活性剤、および
疎水性界面活性剤
を含む、脂質キャリア、ならびに
少なくとも1つの核酸であって、
前記核酸が、呼吸器合胞体ウイルス抗原またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸
を含む組成物。
【請求項76】
前記呼吸器合胞体ウイルス抗原が、RSV-F抗原である、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記呼吸器合胞体ウイルス抗原が、RSV-G抗原である、請求項75に記載の組成物。
【請求項78】
呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする前記抗原配列が、配列番号1、2、45または46のいずれか1つと少なくとも85%同一である、請求項75から77のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項79】
前記核酸が、前記脂質キャリアを有する複合体中にある、請求項75から78のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項80】
前記核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、請求項75から79のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項81】
前記RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、請求項80に記載の組成物。
【請求項82】
前記RNAポリメラーゼをコードする前記核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項83】
前記液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、請求項75から82のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項84】
前記トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
前記脂質キャリアが、疎水性コアを含む、請求項75から84のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項86】
前記脂質キャリアが、無機粒子をさらに含む、請求項75から85のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項87】
前記無機粒子が、前記疎水性コア内にある、請求項86に記載の組成物。
【請求項88】
前記無機粒子が、金属を含む、請求項86または請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
前記金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、請求項89に記載の組成物。
【請求項91】
前記疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、請求項75から90のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項92】
前記親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、請求項75から91のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項93】
前記少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、請求項1から92のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項94】
前記少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、請求項93に記載の組成物。
【請求項95】
凍結乾燥されている、請求項1から94のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項96】
請求項1から94のいずれか一項に記載の組成物を含む懸濁液。
【請求項97】
請求項1から95のいずれか一項に記載の組成物と薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項98】
対象における免疫応答を生じさせる方法であって、請求項1から95のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与し、それによって、抗原に対する免疫応答を生じさせるステップを含む、方法。
【請求項99】
前記組成物が、2回の投薬によって前記対象に投与される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
2回目の投薬が、1回目の投薬の約28日後に投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記組成物の3回目の投薬を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項99に記載の方法。
【請求項102】
5μgの前記組成物が、前記対象に投与される、請求項98から101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
10μgの前記組成物が、前記対象に投与される、請求項98から101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
25μgの前記組成物が、前記対象に投与される、請求項98から101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記組成物が、筋肉内または鼻腔内投与される、請求項98から104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記対象がヒトである、請求項98から105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記対象が、ウイルス感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、請求項98から106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記ウイルス感染症が、インフルエンザ感染症、VZV感染症、RSV感染症、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染症、ヒトガンマヘルペスウイルス4感染症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、狂犬病ウイルス感染症、ヒトアルファヘルペスウイルス1感染症、またはヒトアルファヘルペスウイルス2感染症である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記対象が、細菌感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、請求項98から106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記細菌感染症が、Mycobacterium感染症、Streptococcus感染症、Pseudomonas感染症、Salmonella感染症、Staphylococcus感染症、Neisseria感染症、Clostridium感染症、またはChlamydia感染症である、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記対象が、寄生虫感染症、真菌感染症もしくは酵母感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、請求項98から106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記免疫応答が、前記組成物の投与を受けていない対象と比較して前記抗原に対する中和抗体の力価を上昇させることを含む、請求項98から111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記免疫応答が、前記組成物の投与を受けていない対象と比較してCD4+および/またはCD8+陽性T細胞の量を増加させることを含む、請求項98から112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記対象が、免疫無防備状態または免疫抑制状態である、請求項98から113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
対象における免疫応答を増強させる方法であって、請求項1から95のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与し、それによって、抗原に対する免疫応答を増強させるステップを含む、方法。
【請求項116】
インフルエンザ感染症を処置する方法であって、請求項23から39のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与し、それによって、前記インフルエンザ感染症を処置するステップを含む、方法。
【請求項117】
対象におけるVZV感染症を処置する方法であって、請求項40から56のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与し、それによって、前記VZV感染症を処置するステップを含む、方法。
【請求項118】
対象におけるRSV感染症を処置する方法であって、請求項75から92のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与し、それによって、前記RSV感染症を処置するステップを含む、方法。
【請求項119】
前記対象がヒトである、請求項115から118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記対象が、免疫無防備状態または免疫抑制状態である、請求項115から119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記組成物が、筋肉内または鼻腔内投与される、請求項115から120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
請求項1から95のいずれか一項に記載の組成物と、パッケージと、そのための材料とを含むキット。
【請求項123】
RNA依存性RNAポリメラーゼをコードする配列を含む第1の核酸と;
感染性疾患抗原をコードする配列を含む第2の核酸と
を含む組成物。
【請求項124】
前記感染性疾患抗原が、インフルエンザ、VZV、RSV、ヒトガンマヘルペスウイルス4、ヒトパピローマウイルス(HPV)、狂犬病ウイルス、ヒトアルファヘルペスウイルス1、またはヒトアルファヘルペスウイルス2であるウイルス由来である、請求項123に記載の組成物。
【請求項125】
前記感染性疾患抗原が、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質ステム領域またはその機能的バリアントである、請求項123に記載の組成物。
【請求項126】
前記感染性疾患抗原が、Mycobacterium、Streptococcus、Pseudomonas、Salmonella、Staphylococcus、Neisseria、Clostridium、またはChlamydia由来である、請求項123に記載の組成物。
【請求項127】
前記第1の核酸および前記第2の核酸が、共通の核酸上に存在する、請求項123に記載の組成物。
【請求項128】
前記第1の核酸および前記第2の核酸が、別々の核酸上に存在する、請求項123に記載の組成物。
【請求項129】
前記RNA依存性RNAポリメラーゼが、VEEV RNAポリメラーゼを含む、請求項123に記載の組成物。
【請求項130】
ナノ粒子キャリアシステムをさらに含む、請求項123から129のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項131】
前記ナノ粒子キャリアシステムが、カチオン性脂質および疎水性コアを含む、請求項130に記載の組成物。
【請求項132】
前記疎水性コアが、無機ナノ粒子を含む、請求項131に記載の組成物。
【請求項133】
前記第1の核酸および/または前記第2の核酸が、RNAを含む、請求項123から132のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年9月22日に出願された米国特許仮出願第63/247,175号および2022年1月7日に出願された米国特許仮出願第63/297,498号に対する優先権の利益を主張し、それらのそれぞれの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
ワクチン接種は、限定されるものではないが、ウイルス性、細菌性および/または寄生虫性疾患を含む感染性疾患に対する予防的防御をもたらすことができる。例えば、インフルエンザ感染症は、米国における7番目に多い死因であり、米国では1年に200,000件の入院および40,000件の死亡が見受けられ、世界中で1年に約3~5百万件の入院および約300,000~500,000件の死亡を引き起こす。何百万もの人々が、毎年、季節性インフルエンザからの防御のためにインフルエンザワクチンを受ける。ワクチン接種は、新興型インフルエンザ大流行の拡大を迅速に予防することもできる。ワクチンに対する耐性を発生させる感染性疾患因子の能力を考えると、ワクチン生産の効率向上、および感染性疾患因子によって進化を介して回避される変化が低減されたワクチンの開発が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡潔な概要
下に記載され、説明される、以下の態様およびその実施形態は、例示的かつ説明的であることを意図したものであり、範囲の限定となることを意図したものではない。
【0004】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤、および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;ならびに抗原配列をコードする少なくとも1つの核酸であって、抗原配列が、ウイルス抗原配列、細菌抗原配列、真菌抗原配列もしくは寄生虫抗原配列または前述のもののいずれかについての機能的バリアントをコードする配列を含み、ウイルス抗原配列が、SARS-CoV-2抗原配列でもその機能的バリアントでもない、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書に提供される。
【0005】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;ならびに少なくとも1つの核酸であって、核酸が、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質ステム領域またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書にさらに提供される。
【0006】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤、および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;ならびに少なくとも1つの核酸であって、核酸が、VZVタンパク質またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書にさらに提供される。
【0007】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤、および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;ならびに少なくとも1つの核酸であって、核酸が、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書にさらに提供される。
【0008】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、約30mg/mLのDOTAPクロリド 約37.5mg/mLのスクアレン、約37mg/mlのソルビタンモノステアレート、約37mg/mlのポリソルベート80、約10mMのクエン酸ナトリウム、および約0.2mg Fe/mlのオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子を含む、ナノエマルジョンであり、オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、約5ナノメートル(nm)から最大で25nmの範囲のサイズのものであり、必要に応じて、オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、サイズ12nmである、脂質キャリア;ならびに配列番号1~6、38~47と少なくとも85%同一の配列を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書にさらに提供される。
【0009】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、約0.75mgの量で存在するDOTAPクロリド、約0.94mgの量で存在するスクアレン、約0.93mgの量で存在するソルビタンモノステアレート、約0.93mgの量で存在するポリソルベート80、約1.05mgの量で存在するクエン酸一水和物、および約0.005mgの量で存在するオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子を含む、ナノエマルジョンである、脂質キャリア;ならびに配列少なくとも配列番号1~6、38~47を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書にさらに提供される。
【0010】
(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の油または脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性病原体タンパク質である、少なくとも1つの核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。
【0011】
疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性疾患タンパク質である、少なくとも1つの核酸配列;および少なくとも1つの凍結保護物質を含む、乾燥組成物が本明細書にさらに提供される。
【0012】
本明細書に提供される組成物を含むワクチンが本明細書にさらに提供される。(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性疾患タンパク質である、少なくとも1つの核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。
【0013】
RNA依存性RNAポリメラーゼをコードする配列を含む第1の核酸と;感染性疾患抗原をコードする配列を含む第2の核酸とを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。
【0014】
本明細書に提供される組成物またはワクチン組成物と;薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物が本明細書にさらに提供される。
【0015】
対象における免疫応答を生じさせる方法であって、本明細書に提供される組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が本明細書にさらに提供される。対象における免疫応答を生じさせる方法であって、本明細書に提供される組成物を前記対象に投与し、それによって、抗原に対する免疫応答を生じさせるステップを含む、方法が本明細書にさらに提供される。
【0016】
対象を免疫保護するための方法であって、対象に本明細書に提供される組成物を投与するステップを含む方法が本明細書にさらに提供される。
【0017】
感染症の重症度を低下させる方法であって、疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリアと;抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性因子に由来する、少なくとも1つの核酸配列とを含む組成物を、感染前に対象に投与するステップを含む方法が本明細書にさらに提供される。
【0018】
対象における免疫応答を増強させる方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって抗原に対する免疫応答を増強させるステップを含む、方法が本明細書に提供される。
【0019】
インフルエンザ感染症を処置する方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって、インフルエンザ感染症を処置するステップを含む、方法が本明細書に提供される。対象におけるVZV感染症を処置する方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって、VZV感染症を処置するステップを含む、方法が本明細書に提供される。対象におけるRSV感染症を処置する方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって、RSV感染症を処置するステップを含む、方法が本明細書にさらに提供される。
【0020】
本明細書に提供される組成物と、パッケージと、そのための材料とを含むキットが本明細書にさらに提供される。(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性因子に由来する、少なくとも1つの核酸配列を含む、キットが本明細書にさらに提供される。
【0021】
本発明の新規特徴は、添付の特許請求の範囲において具体的に示される。本発明の原理が用いられる説明に役立つ実施形態を示す後続の詳細な説明、および下記の添付の図面を参照することにより、本発明の特徴および利点のよりよい理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1-1】図1A~1Cは、例示的なナノ粒子(NP)キャリアの概要図を示す。図1Aは、水中油型エマルジョンを示す。図1Bは、ナノ構造脂質キャリア(NLC)を示す。図1Cは、液状油中の無機ナノ粒子を有するナノ粒子を示す。
図1-2】同上。
【0023】
図2図2は、脂質キャリアを用いて製剤化した2.5μgのRSV repRNAをIM注射したC57Bl/6およびBALB/cマウスにおけるRSV-F IgGレベルを示す。血液を免疫化の28日後に採取し、血清を調製し、ELISAにより評価した。レプリコン数がカッコの中に示されている(645がRSV-Gをコードし、646がRSV-Fをコードする)。それぞれの点は、個々の動物からのデータを表し、ひげは、最小値から最大値を表し、箱は、四分位範囲を表し、水平バーは、中央値を描示する。X軸:repRNA RSV抗原。Y軸:免疫グロブリンG(IgG)濃度(マイクログラム/ミリリットル)。
【0024】
図3図3A~3Bは、脂質キャリアを用いて製剤化した2.5μgのRSV repRNAをIM注射したC57Bl/6およびBALB/cマウスにおける抗G IgGレベルを示す。血液を免疫化の28日後に採取し、血清を調製し、ELISAにより評価した。レプリコン数が、カッコの中に示されている。それぞれの点は、個々の動物からのデータを表し、ひげは、最小値から最大値を表し、箱は、四分位範囲を表し、水平バーは、中央値を描示する。X軸:repRNA RSV抗原。Y軸:免疫グロブリンG(IgG)濃度(マイクログラム/ミリリットル)。
【0025】
図4A図4A~4Bは、Miglyol脂質キャリア製剤、NP-3により誘導されたタンパク質産生の増加を示す。図4Aは、第1のアッセイを示す。図4Bは、第2のアッセイを示す。
図4B】同上。
【0026】
図5A図5A~5Bは、Miglyol脂質キャリア製剤、NP-3により誘導された免疫応答の減少を示す。図5Aは、第1のアッセイを示す。図5Bは、第2のアッセイを示す。
図5B】同上。
【0027】
図6図6A~6Bは、第1および第2のアッセイの結果としてNP-3で観察されたタンパク質産生向上と低いTNF(例えば、TNF α)刺激との相関関係を示す。図6Aは、第1のアッセイを示す。図6Bは、第2のアッセイを示す。
【0028】
図7A図7A~7Cは、抗体力価および発現に対するVZV repRNAの効果を示す。図7Aは、VZV repRNAワクチン構築物 - gEの膜貫通配列を含有する全長糖タンパク質E(VZV-FL-gE;黒色);FL-gI;N末端切断型であるgE;下流のgEの共発現を考慮に入れて調整するためにThosea asignaウイルス2A(T2A)リボソームスキッピングペプチドまたは内部リボソーム進入部位(IRES)のどちらかが後に続く全長gI;および膜貫通配列がない分泌型gEをコードするrepRNAの概略図を示す。図7Bは、ウェスタンブロットを示し、抗VZV-gE抗体を用いて探索した。図7Cは、ワクチン接種の14日後にELISAによって測定した可溶性VZV gEに対する血清抗体力価を示す。
図7B】同上。
図7C】同上。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここに、さまざまな態様を、本明細書の以下でより完全に記載する。そのような態様は、しかしながら、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に示される実施形態に限定されるとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的および完全なものであり、その範囲を当業者に完全に伝えるように、提供される。
【0030】
詳細な説明
感染性微生物に対する免疫応答を誘導するための組成物、そのキット、方法および使用が本明細書に提供される。手短に述べると、(1)ナノ粒子キャリアシステム;(2)微生物抗原とRNAポリメラーゼとをコードする核酸;(3)組合せ組成物;(4)熱的に安定な、乾燥および凍結乾燥ワクチン;(5)医薬組成物;(6)投薬;(7)投与;(8)治療的適用;ならびに(9)キットが本明細書にさらに記載される。
定義
【0031】
すべての定義は、本明細書で定義および使用される場合、辞書による定義、参照により組み込まれた文献における定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御するものと理解されるべきである。
【0032】
本明細書に開示されるすべての参考文献、特許および特許出願は、それぞれが引用される主題に関して参照によって組み込まれ、一部の事例では、文献の全体を包含することがある。特許文献および非特許文献を含む本明細書に開示されるすべての参考文献は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、それらの全体が、これにより参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、明白な定義を含有する特許、特許出願、または刊行物が参照により組み込まれる場合、これらの明白な定義は、それらが見出される組み込まれた特許、特許出願、または刊行物に適用され、本出願の本文、特に、本出願の特許請求の範囲に必ずしも適用されず、その場合には、本明細書に提供される定義が優先されることを意味するものとすると理解されるべきである。
【0033】
不定冠詞の「a」および「an」は、明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、対照的に明確に指示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0034】
「および/または」という語句は、明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、そのように結合された要素、すなわち、一部の事例において結合的に存在し、他の事例において分離的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」を用いて列挙された複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合された要素の「1つまたは複数」と解釈されるべきである。他の要素は、具体的に特定された要素に関連するまたは関連しないかどうかにかかわらず、「および/または」節によって具体的に特定される要素以外に、必要に応じて存在していてもよい。そのため、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む(comprising)」などのオープンエンドの語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(必要に応じて、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(必要に応じて、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(必要に応じて、他の要素を含む)などを指すことができる。
【0035】
明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の項目を分ける場合、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち、要素の数またはリストの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、必要に応じて、追加の列挙されていない項目を含むとして解釈されるべきである。「の1つのみ」もしくは「の正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合に「からなる」などの、明確に逆のことが示されている用語のみが、要素の数またはリストの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、「または」という用語は、本明細書で使用される場合、「いずれか」、「の1つ」、「のただ1つ」、または「の正確に1つ」などの排他的な用語が先行する場合に、排他的代替(すなわち、「どちらか一方であるが、両方ではない」)を示すとして単に解釈されるものとする。「から本質的になる」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0036】
本明細書で使用される場合、「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記載される状況が生じてもよく、または生じなくてもよいことを意味し、その結果、その記載は、状況が生じる例および状況が生じない例を含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「約」または「およそ」は、所与の値の±20%までの範囲を意味する。あるいは、特に生体システムまたは生物学的プロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、好ましくは2倍以内を意味し得る。特定の値が本願および特許請求の範囲に記載される場合、別段の記述がない限り、用語「約」は、暗黙的であり、これに関連して、特定の値の許容される誤差範囲内を意味する。
【0038】
用語「有効量」または「治療有効量」は、所望の効果を達成するのにまたは少なくとも部分的に達成するのに十分である量を指す。
ナノ粒子キャリアシステム
【0039】
ナノ粒子または多数のナノ粒子を含むさまざまな組成物が本明細書に提供される。ナノ粒子は、本明細書ではキャリアとも呼ばれ、またはNPと略記される。本明細書に提供されるナノ粒子は、直径約1マイクロメートル(μm)未満である、有機材料、無機材料、または無機材料と有機材料の組合せであり得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、本明細書に提供される生物活性剤のための送達システムとして使用される。
【0040】
さまざまなナノ粒子およびナノ粒子の製剤(すなわち、ナノエマルジョン)が用いられる。例示的なナノ粒子は、図1A~1Cに示されている。本明細書に提供されるナノ粒子としては、限定されるものではないが、水中油型エマルジョン、ナノ構造脂質キャリア(NLC)、カチオン性ナノエマルジョン(CNE)、小胞リン脂質ゲル(VPG)、ポリマーナノ粒子、カチオン性脂質ナノ粒子、リポソーム、金ナノ粒子、固体脂質ナノ粒子(LNPまたはSLN)、混合相コアNLC、イオン化可能な脂質キャリア、磁気キャリア、ポリエチレングリコール(PEG)官能化キャリア、コレステロール官能化キャリア、ポリ乳酸(PLA)官能化キャリア、およびポリ乳酸-co-グリコール酸(PLGA)官能化脂質キャリアを挙げることができる。
【0041】
図1A(正確な縮尺でない)に示されているような水中油型エマルジョンは、水または水性相に分散された油滴を含有する、安定な混和性の流体である。図1B(正確な縮尺でない)は、固体有機脂質(例えば、トリミリスチン)と液状油(例えば、スクアレン)のブレンドを含み得る、ナノ構造脂質キャリア(NLC)を示す。NLCでは、固体脂質は、液状油に分散されている。ナノ液滴全体は、水性(水)相に分散されている。一部の実施形態では、ナノ粒子は、無機ナノ粒子を、図1C(正確な縮尺でない)に示されているように、液状油に分散された固体無機ナノ粒子(例えば、酸化鉄ナノ粒子)として含む。その場合、ナノ液滴全体は、水性(水)相にコロイドとして分散されている。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、水溶液に分散されている。水溶液の非限定的な例としては、水(例えば、滅菌、蒸留、脱イオン化、超純粋、RNAseを含まないなど)、生理食塩水(例えば、クレブス、Ascaris、デンツ、テト食塩水)、または1%(w/v)の水中のジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。
【0042】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、親水性表面を含む。一部の実施形態では、親水性表面は、カチオン性脂質を含む。一部の実施形態では、親水性表面は、イオン化脂質を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、膜を含む。一部の実施形態では、膜は、カチオン性脂質を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、カチオン性脂質を含む。親水性表面への包含のための例示的なカチオン性脂質としては、限定されないが、1,2-ジオレオイルオキシ-3(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP)、3β-[Ν-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DCコレステロール)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA);1,2-ジミリストイル3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジパルミトイル(C16:0)トリメチルアンモニウムプロパン(DPTAP)、ジステアロイルトリメチルアンモニウムプロパン(DSTAP)、N-[l-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]N,N,Nトリメチルアンモニウム、クロリド(DOTMA)、N,N-ジオレオイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOEPC)、1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DODAP)、および1,2-ジリノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,1’-((2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチル)アザンジイル)ビス(ドデカン-2-オール)(C12-200)、306Oi10、テトラキス(8-メチルノニル)3,3’,3’’,3’’’-((メチルアザンジイル)ビス(プロパン-3,1-ジイル))ビス(アザントリイル))テトラプロピオネート、9A1P9、デシル(2-(ジオクチルアンモニオ)エチル)ホスフェート;A2-Iso5-2DC18、エチル5,5-ジ((Z)-ヘプタデカ-8-エン-1-イル)-1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-2,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-カルボキシレート;ALC-0315、((4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート);ALC-0159、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド;β-シトステロール、(3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-17-((2R,5R)-5-エチル-6-メチルヘプタン-2-イル)-10,13-ジメチル-2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール;BAME-O16B、ビス(2-(ドデシルジスルファニル)エチル)3,3’-((3-メチル-9-オキソ-10-オキサ-13,14-ジチア-3,6-ジアザヘキサコシル)アザンジイル)ジプロピオネート;BHEM-コレステロール、2-(((((3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-10,13-ジメチル-17-((R)-6-メチルヘプタン-2-イル)-2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルエタン-1-アミニウムブロミド;cKK-E12、3,6-ビス(4-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)ブチル)ピペラジン-2,5-ジオン;DC-コレステロール、3β-[N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール;DLin-MC3-DMA、(6Z,9Z,28Z,31Z)-ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル4-(ジメチルアミノ)ブタノエート;DOPE、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン;DOSPA、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2-(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート;DSPC、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;ePC、エチルホスファチジルコリン;FTT5、ヘキサ(オクタン-3-イル)9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’-((((ベンゼン-1,3,5-トリカルボニル)イリス(アザンジイル))トリス(プロパン-3,1-ジイル))トリス(アザントリイル))ヘキサノナノエート;Lipid H(SM-102)、ヘプタデカン-9-イル8-((2-ヒドロキシエチル)(6-オキソ-6-(ウンデシルオキシ)ヘキシル)アミノ)オクタノエート;OF-Deg-Lin、(((3,6-ジオキソピペラジン-2,5-ジイル)ビス(ブタン-4,1-ジイル))ビス(アザントリイル))テトラキス(エタン-2,1-ジイル)(9Z,9’Z,9’’Z,9’’’Z,12Z,12’Z,12’’Z,12’’’Z)-テトラキス(オクタデカ-9,12-ジエノエート);PEG2000-DMG、(R)-2,3-ビス(ミリストイルオキシ)プロピル-1-(メトキシポリ(エチレングリコール)2000)カルバメート;TT3、またはN1,N3,N5-トリス(3-(ジドデシルアミノ)プロピル)ベンゼン-1,3,5-トリカルボキサミドが挙げられる。脂質の好適なクラスの他の例としては、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルグリセロール(PG)、およびPEG化脂質が挙げられるがこれらに限定されず、PEG化脂質には、上記脂質のいずれかのPEG化バージョン(例えば、DSPE-PEG)が含まれる。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、DOTAPを含む。
【0043】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、油を含む。一部の実施形態では、油は、液相中にある。使用することができる油の非限定的な例としては、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、ソラネソール、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEが挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、トリグリセリドを含む。例示的なトリグリセリドとしては、限定されるものではないが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、およびミリスチン酸トリグリセリンが挙げられる。一部の実施形態では、油は、固相中にある。一部の実施形態では、油は、ソラネソールを含む。
【0044】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、液体有機材料および固体無機材料を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、無機粒子を含む。一部の実施形態では、無機粒子は、固体無機粒子である。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、疎水性コア内の無機粒子を含む。
【0045】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、金属を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、疎水性コア内に金属を含む。金属は、限定されないが、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩であり得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、酸化アルミニウム(Al)、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄(Fe、Fe、FeO、もしくはこれらの組合せ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素(SiO)、ヒドロキシリン酸アルミニウム(Al(OH)(PO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)、カルシウムヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、グルコン酸鉄、または硫酸鉄を含む。無機粒子は、1つまたは複数の同じまたは異なる金属(遷移金属を含む任意の金属)から形成され得る。一部の実施形態では、無機粒子は、遷移金属酸化物である。一部の実施形態では、遷移金属は、マグネタイト(Fe)、マグヘマイト(y-Fe)、ウスタイト(FeO)、またはヘマタイト(アルファ(α)-Fe)である。一部の実施形態では、金属は、水酸化アルミニウムまたはオキシ水酸化アルミニウムであり、ホスフェート末端脂質、または界面活性剤、例えば、オレイン酸、オレイルアミン、SDS、TOPOもしくはDSPAは、液状油と混合されて、疎水性コアが形成される前に、無機固体ナノ粒子をコーティングするために使用される。
【0046】
一部の実施形態では、金属は、常磁性、超常磁性、フェリ磁性または強磁性化合物を含み得る。一部の実施形態では、金属は、超常磁性酸化鉄(Fe)である。
【0047】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、カチオン性脂質、油、および無機粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、DOTAP;スクアレンおよび/またはトリミリスチン酸グリセリル-dynasan;ならびに酸化鉄を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、界面活性剤をさらに含む。したがって、一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、カチオン性脂質、油、無機粒子、および界面活性剤を含む。
【0048】
界面活性剤は、本明細書に提供されるナノ粒子の、2つの液体間、または液体および固体構成要素間の表面張力を低下させる化合物である。界面活性剤は、疎水性、親水性、または両親媒性であり得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、疎水性界面活性剤を含む。用いられ得る例示的な疎水性界面活性剤としては、限定されるものではないが、ソルビタンモノラウレート(SPAN(登録商標)20)、ソルビタンモノパルミテート(SPAN(登録商標)40)、ソルビタンモノステアレート(SPAN(登録商標)60)、ソルビタントリステアレート(SPAN(登録商標)65)、ソルビタンモノオレエート(SPAN(登録商標)80)、およびソルビタントリオレエート(SPAN(登録商標)85)が挙げられる。好適な疎水性界面活性剤としては、10もしくはそれ未満、例えば、5もしくはそれ未満、1~5、または4~5の親水性-疎水性バランス(HLB)値を有するものが挙げられる。例えば、疎水性界面活性剤は、1~5または4~5のHLB値を有するソルビタンエステルであり得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、乳化剤とも呼ばれる親水性界面活性剤を含む。
【0049】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、ポリソルベートを含む。ポリソルベートは、脂肪酸でエステル化されたエトキシ化ソルビタン(ソルビトールの誘導体)に由来する油性液体である。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子または脂質キャリアは、親水性界面活性剤を含む。用いることができる例示的な親水性界面活性剤としては、限定されるものではないが、ポリソルベート、例えば、TWEEN(登録商標)、Kolliphor、Scattics、Alkest、もしくはCanarcel;ポリオキシエチレンソルビタンエステル(ポリソルベート);ポリソルベート80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、またはTWEEN(登録商標)80);ポリソルベート60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、またはTWEEN(登録商標)60);ポリソルベート40(モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、またはTWEEN(登録商標)40):およびポリソルベート20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、またはTWEEN(登録商標)20)が挙げられる。一実施形態では、親水性界面活性剤は、ポリソルベート80である。
【0050】
本明細書に提供されるナノ粒子は、脂質膜(例えば、カチオン性脂質、例えばDOTAP)により包囲された疎水性コアを含む。一部の実施形態では、疎水性コアは、1つまたは複数の無機粒子;ホスフェート末端脂質;および界面活性剤を含む。
【0051】
本明細書に記載される無機固体ナノ粒子は、液状油と混合する前に表面改変され得る。例えば、無機固体ナノ粒子の表面が親水性である場合、無機固体ナノ粒子は、ナノエマルジョン粒子の「油」相中の液状油との無機固体ナノ粒子の混和性を促進するために疎水性分子(または界面活性剤)でコーティングされ得る。一部の実施形態では、無機粒子は、キャッピングリガンド、ホスフェート末端脂質、および/または界面活性剤でコーティングされる。一部の実施形態では、疎水性コアは、ホスフェート末端脂質を含む。用いることができる例示的なホスフェート末端脂質としては、限定されるものではないが、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)またはジステアリルホスファチジン酸(DSPA)が挙げられる。一部の実施形態では、疎水性コアは、リン末端界面活性剤、カルボキシレート末端界面活性剤、サルフェート末端界面活性剤、またはアミン末端界面活性剤である界面活性剤を含む。典型的なカルボキシレート末端界面活性剤としては、オレイン酸が挙げられる。典型的なアミン末端界面活性剤としては、オレイルアミンが挙げられる。一部の実施形態では、界面活性剤は、ジステアリルホスファチジン酸(DSPA)、オレイン酸、オレイルアミンまたはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。一部の実施形態では、無機固体ナノ粒子は、金属酸化物、例えば酸化鉄であり、液状油と混合して、疎水性コアが形成される前に、界面活性剤、例えばオレイン酸、オレイルアミン、SDS、DSPA、またはTOPOを使用して、無機固体ナノ粒子がコーティングされる。
【0052】
一部の実施形態では、疎水性コアは、必要に応じてホスフェート末端脂質、リン末端界面活性剤、カルボキシレート末端界面活性剤、サルフェート末端界面活性剤、またはアミン末端界面活性剤でコーティングされた、少なくとも1つの金属水酸化物またはオキシ水酸化物粒子を含有する1つまたは複数の無機粒子;ならびに天然に存在するまたは合成のスクアレンを含有する液状油;DOTAPを含むカチオン性脂質;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、およびソルビタントリオレエートからなる群から選択されるソルビタンエステルを含む疎水性界面活性剤;ならびにポリソルベートを含む親水性界面活性剤を含む。
【0053】
一部の実施形態では、疎水性コアは、必要に応じてTOPOでコーティングされた、水酸化アルミニウムまたはオキシ水酸化アルミニウムナノ粒子を含有する1つまたは複数の無機ナノ粒子、ならびに天然に存在するまたは合成のスクアレンを含有する液状油;カチオン性脂質DOTAP;ソルビタンモノステアレートを含む疎水性界面活性剤;およびポリソルベート80を含む親水性界面活性剤を含む。
【0054】
一部の実施形態では、疎水性コアは、必要に応じてホスフェート末端脂質、リン末端界面活性剤、カルボキシレート末端界面活性剤、サルフェート末端界面活性剤、またはアミン末端界面活性剤でコーティングされた、少なくとも1つの金属水酸化物またはオキシ水酸化物粒子を含有する1つまたは複数の無機粒子;ならびに天然に存在するまたは合成のスクアレンを含有する液状油;DOTAPを含むカチオン性脂質;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、およびソルビタントリオレエートからなる群から選択されるソルビタンエステルを含む疎水性界面活性剤;ならびにポリソルベートを含む親水性界面活性剤からなる。一部の実施形態では、疎水性コアは、必要に応じてTOPOでコーティングされた、水酸化アルミニウムまたはオキシ水酸化アルミニウムナノ粒子を含有する1つまたは複数の無機ナノ粒子、ならびに天然に存在するまたは合成のスクアレンを含有する液状油;カチオン性脂質DOTAP;ソルビタンモノステアレートを含む疎水性界面活性剤;およびポリソルベート80を含む親水性界面活性剤からなる。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約0.2%~約40%w/vのスクアレン、約0.001%~約10%w/vの酸化鉄ナノ粒子、約0.2%~約10%w/vのDOTAP、約0.25%~約5%w/vのソルビタンモノステアレート、および約0.5%~約10%w/vのポリソルベート80を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約2%~約6%w/vのスクアレン、約0.01%~約1%w/vの酸化鉄ナノ粒子、約0.2%~約1%w/vのDOTAP、約0.25%~約1%w/vのソルビタンモノステアレート、および約0.5%~約5%w/vのポリソルベート80を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約0.2%~約40%w/vのスクアレン、約0.001%~約10%w/vの水酸化アルミニウムまたはオキシ水酸化アルミニウムナノ粒子、約0.2%~約10%w/vのDOTAP、約0.25%~約5%w/vのソルビタンモノステアレート、および約0.5%~約10%w/vのポリソルベート80を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約2%~約6%w/vのスクアレン、約0.01%~約1%w/vの水酸化アルミニウムまたはオキシ水酸化アルミニウムナノ粒子、約0.2%~約1%w/vのDOTAP、約0.25%~約1%w/vのソルビタンモノステアレート、および約0.5%~約5%w/vのポリソルベート80を含み得る。
【0055】
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、表1に記載される少なくとも1つのナノ粒子製剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、NP-1~NP-30のいずれか1つを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、NP-1~NP-31のいずれか1つを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、本明細書に提供される核酸と混合される。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、ホモジナイゼーションおよび超音波処理技法によって作製される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【0056】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、ソルビタンモノステアレート(例えば、SPAN(登録商標)60)、ポリソルベート80(例えば、TWEEN(登録商標)80)、DOTAP、スクアレンを含み、固体粒子を含まない。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、ソルビタンモノステアレート(例えば、SPAN(登録商標)60)、ポリソルベート80(例えば、TWEEN(登録商標)80)、DOTAP、スクアレン、および酸化鉄粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、免疫刺激物質を含む。一部の実施形態では、免疫刺激物質は、スクアレンである。一部の実施形態では、免疫刺激物質は、中鎖トリグリセリドである。一部の実施形態では、免疫刺激物質は、Miglyol 810またはMiglyol 812である。Miglyol 810は、飽和カプリルおよびカプリン脂肪酸とグリセロールのトリグリセリドエステルである。Miglyol 812は、飽和ココナツ/パーム核油由来カプリルおよびカプリン脂肪酸と植物由来グリセロールのトリグリセリドエステルである。一部の実施形態では、免疫刺激物質は、産生されるタンパク質の総量を減少させることができるが本明細書に提供される組成物に対する免疫応答を(例えば、ワクチンとして送達されたとき)増大させることができる。一部の実施形態では、免疫刺激物質は、産生されるタンパク質の総量を増加させることができるが本明細書に提供される組成物に対する免疫応答を減少させることができる。
【0057】
本明細書に提供されるナノ粒子は、サイズの点ではさまざまな平均直径のものであり得る。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約20ナノメートル(nm)~約200nmの範囲の平均直径(動的光散乱により測定される、z平均流体力学直径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子のz平均直径は、約20nm~約150nm、約20nm~約100nm、約20nm~約80nm、約20nm~約60nmの範囲である。一部の実施形態では、ナノ粒子のz平均直径)は、約40nm~約200nm、約40nm~約150nm、約40nm~約100nm、約40nm~約90nm、約40nm~約80nm、または約40nm~約60nmの範囲である。一実施形態では、ナノ粒子のz平均直径は、約40nm~約80nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子のz平均直径は、約40nm~約60nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子は、最大で100nmの直径である。一部の実施形態では、ナノ粒子は、50~70nmの直径である。一部の実施形態では、ナノ粒子は、40~80nmの直径である。一部の実施形態では、ナノ粒子の疎水性コア内の無機粒子(例えば、酸化鉄)は、約3nm~約50nmの範囲の平均直径(数加重平均直径)であり得る。例えば、無機粒子は、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、または約50nmの平均直径を有し得る。
【0058】
本明細書に提供されるナノ粒子は、多分散指数(PDI)によって特徴付けられ得、これは、サイズ分布に関するそれらの品質の指標である。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子の平均多分散指数(PDI)は、約0.1~約0.5の範囲である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均PDIは、約0.2~約0.5、約0.1~約0.4、約0.2~約0.4、約0.2~約0.3、または約0.1~約0.3の範囲であり得る。
【0059】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約0.1:1~約20:1、約0.5:1~約12:1、約0.5:1~約9:1、約0.5:1~約5:1、約0.5:1~約3:1、または約0.5:1~約1:1の範囲の油の界面活性剤に対するモル比を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約0.1:1~約2:1、約0.2:1~約1.5:1、約0.3:1~約1:1、約0.5:1~約1:1、または約0.6:1~約1:1の範囲の親水性界面活性剤の脂質に対する比を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約0.1:1~約5:1、約0.2:1~約3:1、約0.3:1~約2:1、約0.5:1~約2:1、または約1:1~約2:1の範囲の疎水性界面活性剤の脂質に対する比を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、約0.2%~約40%w/vの液状油、約0.001%~約10%w/vの無機固体ナノ粒子、約0.2%~約10%w/vの脂質、約0.25%~約5%w/vの疎水性界面活性剤、および約0.5%~約10%w/vの親水性界面活性剤を含む。一部の実施形態では、脂質はカチオン性脂質を含み、油はスクアレンを含み、および/または疎水性界面活性剤は、ソルビタンエステルを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供されるナノ粒子は、8~11の間の親水性-親油性バランスを生じさせる、エステルの比を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、本明細書に提供される脂質キャリアに組み込まれるか、それと会合するか、またはそれと複合体化して、脂質キャリア-核酸複合体を形成する。一部の実施形態では、脂質キャリア-核酸複合体は、非共有結合性相互作用を介して、または可逆的な共有結合性相互作用を介して形成される。
感染性疾患抗原発現のための核酸
【0060】
ナノ粒子と核酸とを含む組成物が本明細書に提供される。一部の実施形態では、核酸は、ナノ粒子を有する複合体中にある。一部の実施形態では、核酸は、ナノ粒子の膜を有する複合体中にある。一部の実施形態では、核酸は、ナノ粒子の親水性表面を有する複合体中にある。一部の実施形態では、核酸は、ナノ粒子内にある。一部の実施形態では、核酸は、疎水性コア内にある。
【0061】
一部の実施形態では、核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)である。核酸は、線状であることがあり、または二次構造(例えば、ヘアピン)を含むことがある。一部の実施形態では、核酸は、改変ヌクレオチドもしくは塩基および/またはそれらのアナログを含む、ポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびそれらのアナログなどの、改変ヌクレオチドを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への改変は、本明細書に提供される組成物のアセンブリーの前または後に付与され得る。改変ヌクレオシドおよびヌクレオチドに組み込まれ得るならびにRNA分子中に存在し得る改変核酸塩基としては、m5C(5-メチルシチジン)、m5U(5-メチルウリジン)、m6A(N6-メチルアデノシン)、s2U(2-チオウリジン)、Um(2’-O-メチルウリジン)、m1A(1-メチルアデノシン);m2A(2-メチルアデノシン);Am(2-1-O-メチルアデノシン);ms2m6A(2-メチルチオ-N6-メチルアデノシン);i6A(N6-イソペンテニルアデノシン);ms2i6A(2-メチルチオ-N6イソペンテニルアデノシン);io6A(N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン);ms2io6A(2-メチルチオ-N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン);g6A(N6-グリシニルカルバモイルアデノシン);t6A(N6-トレオニルカルバモイルアデノシン);ms2t6A(2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン);m6t6A(N6-メチル-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン);hn6A(N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン);ms2hn6A(2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン);Ar(p)(2’-O-リボシルアデノシン(リン酸エステル));I(イノシン);m1I(1-メチルイノシン);m’Im(1,2’-O-ジメチルイノシン);m3C(3-メチルシチジン);Cm(2T-O-メチルシチジン);s2C(2-チオシチジン);ac4C(N4-アセチルシチジン);f5C(5-ホルミルシチジン(fonnylcytidine));m5Cm(5,2-O-ジメチルシチジン);ac4Cm(N4アセチル2TOメチルシチジン);k2C(リシジン);m1G(1-メチルグアノシン);m2G(N2-メチルグアノシン);m7G(7-メチルグアノシン);Gm(2’-O-メチルグアノシン);m22G(N2,N2-ジメチルグアノシン);m2Gm(N2,2’-O-ジメチルグアノシン);m22Gm(N2,N2,2’-O-トリメチルグアノシン);Gr(p)(2’-O-リボシルグアノシン(リン酸エステル));yW(ワイブトシン);o2yW(ペルオキシワイブトシン);OHyW(ヒドロキシワイブトシン);OHyW(未改変ヒドロキシワイブトシン);imG(ワイオシン);mimG(メチルグアノシン);Q(キューオシン);oQ(エポキシキューオシン);galQ(ガラクトシル-キューオシン);manQ(マンノシル-キューオシン);preQo(7-シアノ-7-デアザグアノシン);preQi(7-アミノメチル-7-デアザグアノシン);G(アーケオシン);D(ジヒドロウリジン);m5Um(5,2’-O-ジメチルウリジン);s4U(4-チオウリジン);m5s2U(5-メチル-2-チオウリジン);s2Um(2-チオ-2’-O-メチルウリジン);acp3U(3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン);hoSU(5-ヒドロキシウリジン);moSU(5-メトキシウリジン);cmo5U(ウリジン5-オキシ酢酸);mcmo5U(ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル);chm5U(5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン));mchm5U(5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル);mcm5U(5-メトキシカルボニルメチルウリジン);mcm5Um(S-メトキシカルボニルメチル-2-O-メチルウリジン);mcm5s2U(5-メトキシカルボニルメチル-2-チオウリジン);nm5s2U(5-アミノメチル-2-チオウリジン);mnm5U(5-メチルアミノメチルウリジン);mnm5s2U(5-メチルアミノメチル-2-チオウリジン);mnm5se2U(5-メチルアミノメチル-2-セレノウリジン);ncm5U(5-カルバモイルメチルウリジン);ncm5Um(5-カルバモイルメチル-2’-O-メチルウリジン);cmnm5U(5-カルボキシメチルアミノメチルウリジン);cnmm5Um(5-カルボキシメチルアミノメチル-2-L-Oメチルウリジン);cmnm5s2U(5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン);m62A(N6,N6-ジメチルアデノシン);Tm(2’-O-メチルイノシン);m4C(N4-メチルシチジン);m4Cm(N4,2-O-ジメチルシチジン);hm5C(5-ヒドロキシメチルシチジン);m3U(3-メチルウリジン);cm5U(5-カルボキシメチルウリジン);m6Am(N6,T-O-ジメチルアデノシン);rn62Am(N6,N6,O-2-トリメチルアデノシン);m2’7G(N2,7-ジメチルグアノシン);m2’2’7G(N2,N2,7-トリメチルグアノシン);m3Um(3,2T-O-ジメチルウリジン);m5D(5-メチルジヒドロウリジン);f5Cm(5-ホルミル-2’-O-メチルシチジン);m1Gm(1,2’-O-ジメチルグアノシン);m’Am(1,2-O-ジメチルアデノシン)イリノメチルウリジン);tm5s2U(S-タウリノメチル-2-チオウリジン));imG-14(4-デメチルグアノシン);imG2(イソグアノシン);ac6A(N6-アセチルアデノシン)、ヒポキサンチン、イノシン、8-オキソ-アデニン、その7-置換誘導体、ジヒドロウラシル、シュードウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-アミノウラシル、5-(C~C)-アルキルウラシル、5-メチルウラシル、5-(C~C)-アルケニルウラシル、5-(C~C)-アルキニルウラシル、5-(ヒドロキシメチル)ウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-ヒドロキシシトシン、5-(C~C)-アルキルシトシン、5-メチルシトシン、5-(C~C)-アルケニルシトシン、5-(C~C)-アルキニルシトシン、5-クロロシトシン、5-フルオロシトシン、5-ブロモシトシン、N-ジメチルグアニン、7-デアザグアニン、8-アザグアニン、7-デアザ-7-置換グアニン、7-デアザ-7-(C2~C6)アルキニルグアニン、7-デアザ-8-置換グアニン、8-ヒドロキシグアニン、6-チオグアニン、8-オキソグアニン、2-アミノプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、2,4-ジアミノプリン、2,6-ジアミノプリン、8-アザプリン、置換7-デアザプリン、7-デアザ-7-置換プリン、7-デアザ-8-置換プリン、水素(脱塩基残基)、m5C、m5U、m6A、s2U、W、または2’-O-メチル-Uが挙げられる。これらの改変核酸塩基のいずれか1つまたは任意の組合せを、本発明の自己複製RNAに含めることができる。これらの改変核酸塩基およびそれらの対応するリボヌクレオシドの多くは、商業供給業者から入手可能である。必要に応じて、核酸は、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、および/またはメチルホスホネート連結を含有することができる。RNA配列を、そのコドン使用頻度に関して、例えば、RNAの翻訳有効性および半減期を増加させるように、改変することができる。ポリAテール(例えば、約30またはそれよりも多くのアデノシン残基のもの)は、その半減期を増加させるために、RNAの3’末端に付着されてもよい。RNA合成中に組み込むことができるまたはRNA転写後に酵素的に操作することができる、構造m7G(5’)ppp(5’)N(キャップ0構造)を有する改変リボヌクレオチドまたはその誘導体で(例えば、N7-モノメチル化キャップ0構造の構築を触媒する、mRNAトリホスファターゼ、グアニリル-トランスフェラーゼおよびグアニン-7-メチルトランスフェラーゼからなるワクシニアウイルスキャッピング酵素(VCE)を使用することにより)RNAの5’末端をキャップすることができる。キャップ構造は、安定性および翻訳有効性をRNA分子に与えることができる。RNA分子の5’キャップを2’-O-メチルトランスフェラーゼによりさらに改変することができ、その結果、キャップ1構造(m7Gppp[m2’-O]N)が生成されることになり、これは、翻訳有効性をさらに増加させることができる。キャップ1構造は、in vivo効力を増大させることもできる。
【0062】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、1つまたは複数の核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、2つまたはそれより多くの核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、少なくとも1つのDNAを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、少なくとも1つのRNAを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、少なくとも1つのDNAおよび少なくとも1つのRNAを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、5ng超~約1mgの量で存在する。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、最大で約25、50、75、100、150、175ngの量で存在する。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、最大で約1mgの量で存在する。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、約0.05μg、0.1μg、0.2μg、0.5μg、1μg、5μg、10μg、12.5μg、15μg、25μg、40μg、50μg、100μg、200μg、300μg、400μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mgの量で存在する。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、0.05μg、0.1μg、0.2μg、0.5μg、1μg、5μg、10μg、12.5μg、15μg、25μg、40μg、50μg、100μg、200μg、300μg、400μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mgの量で存在する。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、約5μg、約10μg、約25μg、約50μg、または約100μgの量で存在する。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、最大で約5μg、約10μg、約25μg、約50μgまたは100μgの量で存在する。一部の実施形態では、核酸は、長さ少なくとも約200、250、500、750、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000ヌクレオチドである。一部の実施形態では、核酸は、最大で約7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000または20,000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、核酸は、長さ約7500、10,000、15,000、または20,000ヌクレオチドである。
感染性疾患抗原
【0063】
宿主による認識のための感染性疾患抗原が本明細書に提供される。一部の実施形態では、感染性疾患抗原は、抗原タンパク質配列をコードする核酸である。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、微生物に由来する抗原をコードする配列を含む少なくとも1つの核酸配列を含む。一部の実施形態では、微生物は、感染性微生物である。感染性微生物および感染性因子の非限定的な例としては、限定されるものではないが、ウイルス、例えば、アデノウイルス、単純ヘルペス1型ウイルス、単純ヘルペス2型ウイルス、脳炎ウイルス、パピローマウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)、チクングニアウイルス、ヒトヘルペスウイルス8型、ヒトパピローマウイルス(HPV)、BKウイルス、JCウイルス、天然痘、ポリオウイルス(polio virus)、B型肝炎ウイルス、ヒトボカウイルス、パルボウイルスB19、ヒトアストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス(poliovirus)、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス、黄熱病ウイルス、デングウイルス、ウエストナイルウイルス、風疹ウイルス、E型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス(インフルエンザA型またはインフルエンザB型)、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病ウイルス、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、バンナウイルス、ジカウイルス、ハンタウイルス、ウエストナイルウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス、日本脳炎ウイルス、および東部ウマ脳炎;細菌、例えば、Acetobacter、Acinetobacter、Actinomyces、Agrobacterium、Anaplasma、Azorhizobia、Bacillus、Bacteroides、Bartonella、Bordetella、Borrelia、Brucella、Burkkolderia、Calymmatobacterium、Campylobacter、Chlamydia、Chlamydophila、Clostridium、Corynebacterium、Coxiella、Ehrlichia、Enterobacter、Enterococcus、Escherichia、Francisella、Fusobacterium、Gardnerella、Haemophilus、Helicobacter、Klebsiella、Lactobacillus、Legionella、Listeria、Methanobacterium、Microbacterium、Micrococcus、Moraxella、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pasteurella、Peptostreptococcus、Porphyromonas、Prevotella、Pseudomonas、Rhizobium、Rickettsia、Rochalimaea、Rothia、Salmonella、Shigella、Staphylococcus、Stenotrophomonas、Streptococcus、Streptococcus pneumoniae、Treponema、Vibrio、Walbachia、およびYersinia;真菌、例えば、Aspergillus、Saccharomyces、Cryptococcus、Coccidioides、Neurospora、Histoplasma、Blastomyces;寄生虫、例えば、Babesia sp.、Cryptosporidium sp.、Plasmodium sp.、Toxoplasma sp. Plasmodium sp.、Plasmodium falciparum、Plasmodium vivax、Cryptosporidium parvum、Cryptosporidium hominis、Eimeria sp.、Eimeria tenella、Theileria sp.、Theileria parva、Toxoplasma sp. Toxoplasma gondii、Trypanosoma brucei subspecies、Trypanosoma cruzi、Leishmania sp.、およびLeishmania major;ならびに酵母、例えば、Candidaが挙げられる。
【0064】
一部の実施形態では、抗原は、哺乳動物集団において重症呼吸器疾患を引き起こす微生物(microorganism)に由来する。一部の実施形態では、抗原は、微生物(microbial organism)の表面に発現される、表面タンパク質または膜貫通タンパク質である。
【0065】
一部の実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルス抗原である。一部の実施形態では、インフルエンザウイルス抗原は、ヘマグルチニン抗原である。ヘマグルチニン(HAと略記される)は、インフルエンザウイルスの表面に存在するタンパク質である。ウイルス表面に、ヘマグルチニンタンパク質は、ホモトリマーの状態で存在し、ホモポリマーのそれぞれのモノマーは、ジスルフィド結合により連結された2つのサブユニット、HA1およびHA2、で構成されている。構造的には、ヘマグルチニンタンパク質は、いくつかのドメイン:球状ヘッドドメイン、ストークドメイン(ステムまたはステムタンパク質とも呼ばれる)、膜貫通ドメイン、および細胞質ドメインで構成されている。一般に、インフルエンザウイルスによる宿主細胞(例えば、真核細胞、例えばヒト細胞)の感染中に、ヘマグルチニンタンパク質は、宿主細胞の表面の受容体のシアル酸を認識し、それに結合し、こうして宿主細胞へのウイルスの付着を促進する。ウイルスのエンドサイトーシス、およびエンドソームの酸性化の後、ヘマグルチニンタンパク質は、pH依存性立体構造変化を来たし、この変化によって、ヘマグルチニンタンパク質が、ウイルスエンベロープと宿主細胞のエンドソーム膜との融合およびウイルス核酸の宿主細胞への進入を助長することが可能になる。一般に、インフルエンザウイルスは、ウイルスヘマグルチニンタンパク質のアミノ酸配列および/またはウイルスノイラミニダーゼ(NA)のアミノ酸配列に基づいて分類される。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質をコードする抗原配列を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質ステム領域またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む。一部の実施形態では、ヘマグルチニン抗原は、サブタイプH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H17、またはH18のものである。異なるサブタイプのヘマグルチニンタンパク質間のアミノ酸配列の差は、主として、タンパク質のヘッドドメインの配列内に見られる。ステム領域のアミノ酸配列は、ヘッドドメインの配列と比較して、ヘマグルチニンサブタイプ間で高度に保存されると考えられる。一部の実施形態では、ヘマグルチニン抗原は、ヘッドドメイン(HA1)を含まない。一部の実施形態では、ヘマグルチニン抗原は、ヘッドドメイン(HA1)の一部分を含む。一部の実施形態では、ヘマグルチニン抗原は、細胞質ドメインを含まない。一部の実施形態では、ヘマグルチニン抗原は、細胞質ドメインの一部分を含む。一部の実施形態では、切断型ヘマグルチニン抗原。一部の実施形態では、切断型ヘマグルチニンタンパク質は、膜貫通ドメインの一部分を含む。一部の実施形態では、切断型ヘマグルチニンタンパク質は、ステム領域またはその機能的断片を含む。
【0066】
一部の実施形態では、ウイルス抗原は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原である。一部の実施形態では、VZV抗原は、糖タンパク質E(gE)抗原、糖タンパク質B(gB)抗原、糖タンパク質H(gH)抗原、糖タンパク質L(gL)抗原、糖タンパク質N(gN)抗原、糖タンパク質I(gI)抗原である。一部の実施形態では、ウイルス抗原は、コロナウイルス抗原である。一部の実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV-1コロナウイルスまたは中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス抗原である。一部の実施形態では、コロナウイルス抗原は、スパイク(S)タンパク質抗原である。一部の実施形態では、ウイルス抗原は、エプスタイン-バーウイルス(EBV)抗原である。一部の実施形態では、ウイルス抗原は、単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原である。一部の実施形態では、単純ヘルペスウイルス抗原は、HSV1またはHSV2抗原である。一部の実施形態では、HSV抗原は、糖タンパク質B、糖タンパク質E、糖タンパク質L、糖タンパク質M、または糖タンパク質Iである。一部の実施形態では、ウイルス抗原は、狂犬病ウイルス抗原である。一部の実施形態では、狂犬病ウイルス抗原は、核タンパク質(N)、リンタンパク質(P)、基質スタンパク質(M)、糖タンパク質(G)またはポリメラーゼ(L)抗原である。一部の実施形態では、ウイルス抗原は、サイトメガロウイルス(CMV、ヒトベータヘルペスウイルス5)抗原である。一部の実施形態では、CMV抗原は、糖タンパク質Bである。包含のためのウイルス抗原の非限定的な例としては、ジカウイルスエンベロープタンパク質(ZIKV E)、ジカウイルス前駆体膜およびエンベロープタンパク質(prM-ENV)、SARS-CoV2スパイク(S)タンパク質およびエンベロープ(E)タンパク質、HIV p24抗原およびNefタンパク質、インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)抗原(H2、H3、H5、H6、H7、H8およびH9)、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、風疹E1およびE2抗原、ロタウイルスVP7sc抗原、RSV M2タンパク質、サイトメガロウイルスエンベロープ糖タンパク質B、B型肝炎ウイルスのS、MおよびLタンパク質、狂犬病糖タンパク質、狂犬病核タンパク質、クリミア-コンゴ出血熱糖タンパク質GcおよびもしくはGn、ニパヘニパウイルス糖タンパク質、ヘンドラウイルス糖タンパク質、ヒトパピローマウイルスE6タンパク質、ヒトパピローマウイルスE7タンパク質、ヒトパピローマウイルスL1タンパク質、またはヒトパピローマウイルスL2タンパク質が挙げられる。
【0067】
一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原である。一部の実施形態では、抗原は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原である。一部の実施形態では、抗原は、RSV糖タンパク質(G)、RSV-Gである。一部の実施形態では、抗原は、RSV融合(F)糖タンパク質RSV-Fである。一部の実施形態では、抗原は、ジカウイルス抗原である。一部の実施形態では、ジカウイルス抗原は、エンベロープ(E)タンパク質である。
【0068】
一部の実施形態では、抗原は、細菌抗原である。一部の実施形態では、細菌抗原は、Mycobacterium tuberculosis抗原である。一部の実施形態では、Mycobacterium tuberculosis抗原は、H37Rv、リンゴ酸シンターゼ、またはMPT51である。一部の実施形態では、細菌抗原は、Chlamydia trachomatis抗原である。一部の実施形態では、Chlamydia trachomatis抗原は、主要外膜タンパク質抗原である。一部の実施形態では、細菌抗原は、Staphylococcus aureus抗原である。
【0069】
一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、表2にリストされる抗原またはその断片をコードする。一部の実施形態では、核酸は、表2にリストされる抗原に特異的に結合する配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、表2にリストされるRNA配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列類似性を含む。参照配列と比べた所与の配列についての配列同一性パーセント(%)は、最大配列同一性パーセントを達成するように、2つの配列を整列させ、必要によりギャップを導入した後に、特定された同一の残基のパーセンテージとして定義される。同一性パーセントは、当技術分野において公知のアライメント方法、例えば、BLAST、Align、ClustalW2などの公に利用可能なソフトウェアを使用して実施され得る配列のアライメントを使用して計算することができる。当業者は、アライメントのための適切なパラメーターを決定することができるが、BLASTについてのデフォルトパラメーターが具体的に企図される。例示的なウイルスおよび細菌抗原をコードする例示的な核酸配列は、表2にリストされる。
【表2-1】
【表2-2】
【0070】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、配列番号1~6のいずれか1つを含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、配列番号7~33のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、配列番号1~6のいずれか1つに相補的なDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号7の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号8の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号9の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号10の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号11の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号12の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号13~18の抗原のいずれか1つをコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号20~21の抗原のいずれか1つをコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号22~27の抗原のいずれか1つをコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号28の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号29の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号30または31の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号32の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。一部の実施形態では、核酸配列は、配列番号33の抗原をコードするRNAまたはDNA配列を含む。切断型N末端ドメインを有するVZV gEタンパク質をコードする核酸配列を含む組成物が本明細書にさらに提供される。VZV gEタンパク質切断型配列をコードする核酸配列が配列番号40と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。
【0071】
一部の実施形態では、抗原は、寄生虫抗原である。一部の実施形態では、寄生虫抗原は、Giardia lamblia抗原、Leishmaniasis抗原、Plasmodium falciparum抗原、Toxoplasma gondii抗原、Trichomonas vaginalis抗原、Trypanosoma brucei抗原、Trypanosoma cruzi抗原、Schistosoma抗原、Toxocara抗原、Trichinella抗原、またはBabesia抗原である。
【0072】
一部の実施形態では、抗原は、真菌抗原である。一部の実施形態では、真菌抗原は、Cryptococcus抗原、Aspergillus抗原、Coccidioides immitis抗原、Coccidioides posadasii抗原、Histoplasma capsulatum抗原、Blastomyces dermatitidis抗原、Pneumocystis jirovecii抗原、Trichophyton抗原、Microsporum抗原、またはEpidermophyton抗原である。一部の実施形態では、抗原は、酵母抗原である。一部の実施形態では、酵母抗原は、Candida抗原である。
自己複製核酸
【0073】
自己複製核酸を含む組成物が本明細書に提供される。本明細書に提供される抗原またはその断片は、自己複製核酸構築物の一部としてコードされることがある。一部の実施形態では、自己複製核酸分子は、ウイルスレプリカーゼ、ウイルスプロテアーゼ、ウイルスヘリカーゼおよび他の非構造ウイルスタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つまたは複数の遺伝子を含み、5’末端および3’末端cis活性複製配列、ならびに抗原タンパク質をコードする抗原配列も含む。異種配列の発現を指令するサブゲノムプロモーターを自己複製ヌクレオチド配列に含めることができる。必要に応じて、異種配列は、インフレームで自己複製RNA内の他のコード領域と融合していてもよく、および/または内部リボソーム進入部位(IRES)の制御下にあってもよい。
【0074】
一部の実施形態では、自己複製ヌクレオチド配列は、自己複製RNA分子である。自己複製RNA分子は、自己複製RNA分子が感染性ウイルス粒子の生成を誘導することができないように設計される。これは、例えば、自己複製RNA中のウイルス粒子の生成のために必要である構造タンパク質をコードする1つまたは複数のウイルス遺伝子を除くことによって達成することができる。例えば、自己複製RNA分子がアルファウイルス、例えば、シンドビスウイルス(SIN)、セムリキ森林ウイルスおよびベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEE)に基づいている場合、ウイルス構造タンパク質、例えば、カプシドおよび/またはエンベロープ糖タンパク質をコードする1つまたは複数の遺伝子を除くことができる。所望により、本発明の自己複製RNA分子は、弱毒化されているもしくは毒性がある感染性ウイルス粒子の生成を誘導するように、またはその後の感染の単一ラウンドが可能であるウイルス粒子を生成するように、設計することができる。
【0075】
自己複製RNA分子は、脊椎動物細胞に送達されたとき、いずれのタンパク質も伴わなかったとしても、それ自体からの(またはそれ自体のアンチセンスコピーからの)転写により複数の娘RNAの産生をもたらすことができる。自己複製RNAは、細胞への送達後に直接翻訳され得、この翻訳によってRNA依存性RNAポリメラーゼが得られ、すると、それによって、送達されたRNAから転写物が産生される。このように、送達されたRNAが複数の娘RNAの産生をもたらす。これらの転写物は、送達されたRNAに対してアンチセンスであり、それら自体が、翻訳されて、コードされた抗原のin situ発現をもたらし得るか、または転写されて、コードされた抗原のin situ発現をもたらすように翻訳される送達されたRNAと同じセンスであるさらなる転写物をもたらし得る。
【0076】
本明細書に提供される自己複製RNA分子は、1つまたは複数の改変ヌクレオチドを含有することができ、それ故、改善された安定性を有し、in vivoでの分解およびクリアランスに対して抵抗性であり、ならびに他の利点を有し得る。一部の実施形態では、改変ヌクレオチドを含有する自己複製RNA分子は、自己複製RNAが細胞に送達される場合、エンドソームおよび細胞質免疫受容体の刺激を回避かまたは低減する。これは、タンパク質の自己複製、増幅および発現が生じるのを可能にする。これはまた、改変ヌクレオチドを含有する自己複製性RNAが、自然免疫系の活性化およびその後の望ましくない結果(例えば、注射部位の炎症、注射部位の刺激、痛みなど)を低減するので、改変ヌクレオチドを含有しない自己複製性RNAと比べて安全性の懸念も低減する。自己複製の結果として生成したRNA分子は、細胞質免疫受容体によって外来核酸として認識される。そのため、改変ヌクレオチドを含有する自己複製RNA分子は、宿主細胞におけるRNAの効率的増幅、および本明細書に提供される抗原の発現、ならびにアジュバント効果を提供する。
【0077】
一部の実施形態では、本明細書に提供される自己複製RNA分子は、少なくとも1つの改変ヌクレオチドを含有する。5’キャップの一部でない改変ヌクレオチドを(例えば、5’’キャップの一部である改変に加えて)使用することができる。したがって、自己複製RNA分子は、単一の位置に改変ヌクレオチドを含有することができ、2つもしくはそれより多くの位置に特定の改変ヌクレオチド(例えば、シュードウリジン、N6-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、5-メチルウリジン)を含有することができ、または2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれより多くの改変ヌクレオチドを(例えば、それぞれ、1つもしくは複数の位置に)含有することができる。好ましくは、自己複製RNA分子は、窒素含有塩基上または内に改変を含有するが改変された糖部分もリン酸部分も含有しない、改変ヌクレオチドを含む。一部の例では、自己複製RNA分子中のヌクレオチドの0.001%~99%または100%の間は、改変ヌクレオチドである。例えば、自己複製RNA分子中のヌクレオチドの0.001%~25%、0.01%~25%、0.1%~25%、または1%~25%は、改変ヌクレオチドである。他の例では、自己複製RNA分子中の特定の未改変ヌクレオチドの0.001%~99%または100%の間は、改変ヌクレオチドで置き換えられている。例えば、ウリジンを含有する自己複製RNA分子中のヌクレオチドの約1%は、例えばウリジンのシュードウリジンによる置き換えによって、改変されていることがある。他の例では、自己複製RNA分子中の2つ、3つまたは4つの特定のヌクレオチド(ウリジン、シチジン、グアノシンまたはアデニンを含有するヌクレオチド)の所望の量(パーセンテージ)が、改変ヌクレオチドである。例えば、自己複製RNA分子中の特定のヌクレオチドの0.001%~25%、0.01%~25%、0.1%~25%、または1%~25%は、改変ヌクレオチドである。他の例では、自己複製RNA分子中の特定のヌクレオチドの0.001%~20%、0.001%~15%、0.001%~10%、0.01%~20%、0.01%~15%、0.1%~25、0.01%~10%、1%~20%、1%~15%、1%~10%、または約5%、約10%、約15%、約20%は、改変ヌクレオチドである。自己複製RNA分子中のヌクレオチドの100%未満が改変ヌクレオチドであることが、好ましい。自己複製RNA分子中の特定のヌクレオチドの100%未満が改変ヌクレオチドであることも、好ましい。したがって、好ましい自己複製RNA分子は、少なくとも多少の未改変ヌクレオチドを含む。
【0078】
少なくとも1つの改変ヌクレオチドを含む自己複製RNA分子を、任意の好適な方法を使用して調製することができる。改変ヌクレオチドを含有するRNA分子を生成するために、いくつかの好適な方法が、当技術分野において公知である。例えば、改変ヌクレオチドを含有する自己複製RNA分子を、好適なDNA依存性RNAポリメラーゼ、例えば、T7ファージRNAポリメラーゼ、SP6ファージRNAポリメラーゼ、T3ファージRNAポリメラーゼなど、または改変ヌクレオチドのRNA分子への効率的な組み込みを可能にするこれらのポリメラーゼの突然変異体を使用して、自己複製RNA分子をコードするDNAを転写すること(例えば、in vitro転写)によって調製することができる。転写反応は、ヌクレオチドおよび改変ヌクレオチド、ならびに選択されたポリメラーゼの活性をサポートする他の構成要素、例えば、好適な緩衝液および好適な塩を含有する。ヌクレオチドアナログの自己複製RNAへの組み込みは、例えば、そのようなRNA分子の安定性を変更する、RNaseに対する耐性を増加させる、適切な宿主細胞への導入後に複製を確立する(RNAの「感染力」)、ならびに/または自然免疫応答および適応免疫応答を誘導もしくは低減するように、操作され得る。好適な合成法を、単独で、または1つもしくは複数の他の方法(例えば、組換えDNAまたはRNA技術)と組み合わせて使用して、1つもしくは複数の改変ヌクレオチドを含有する自己複製RNA分子を生成することができる。
【0079】
核酸合成は、ポリヌクレオチドおよびそのようなポリヌクレオチドによってコードされる遺伝子産物のクローニング、プロセシングおよび/または発現を含む、当技術分野において周知のおよび従来の好適な組換え法を使用して行うこともできる。ランダムな断片化、ならびに遺伝子断片および合成ポリヌクレオチドのPCR再アセンブリーによるDNAシャッフリングは、ポリヌクレオチド配列を設計および操作するために使用することができる公知の技法の例である。部位特異的突然変異誘発を使用して、核酸およびコードされるタンパク質を変更して、例えば、新たな制限部位を挿入し、グリコシル化パターンを変更し、コドン選好を変化させ、スプライスバリアントを生成し、突然変異を導入することなどができる。
【0080】
一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、RNAポリメラーゼをコードする。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、ウイルスRNAポリメラーゼをコードする。一部の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、(1)ウイルスRNAポリメラーゼ;および(2)タンパク質またはその機能的断片をコードする。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、ウイルスRNAポリメラーゼをコードする第1の核酸;およびタンパク質またはその機能的断片をコードする第2の核酸を含む。
【0081】
自己複製RNAを含む組成物が本明細書に提供される。自己複製RNA(レプリコンとも呼ばれる)は、任意の遺伝子エレメント、例えば、主としてそれ自体の制御下で複製することができるプラスミド、コスミド、バクミド、ファージまたはウイルスを含む。自己複製は、哺乳動物細胞における本明細書に提供される核酸の自己複製のためのシステムを提供する。一部の実施形態では、自己複製RNAは、一本鎖である。一部の実施形態では、自己複製RNAは、二本鎖である。
【0082】
本明細書に提供されるRNAポリメラーゼとしては、限定されるものではないが、アルファウイルスRNAポリメラーゼ、東部ウマ脳炎ウイルス(EEEV)RNAポリメラーゼ、西部ウマ脳炎ウイルス(WEEV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)、また、チクングニアウイルス(CHIKV)、セムリキ森林ウイルス(SFV)またはシンドビスウイルス(SINV)を挙げることができる。一部の実施形態では、RNAポリメラーゼは、VEEV RNAポリメラーゼである。一部の実施形態では、RNAポリメラーゼをコードする核酸は、配列番号34の核酸配列に対して少なくとも85%の同一性を含む。一部の実施形態では、RNAポリメラーゼをコードする核酸は、配列番号34の核酸配列に対して少なくとも90%の同一性を含む。一部の実施形態では、RNAポリメラーゼをコードする核酸は、配列番号34の核酸配列に対して少なくとも95%の同一性を含む。一部の実施形態では、RNAポリメラーゼをコードする核酸は、配列番号34の核酸配列に対して少なくとも99%の同一性を含む。一部の実施形態では、RNAポリメラーゼをコードする核酸は、配列番号34である。
【0083】
一部の実施形態では、VEEV RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、RELPVLDSAAFNVECFKKYACNNEYWETFKENPIRLTEENVVNYITKLKGP(配列番号35)、TQMRELPVLDSAAFNVECFKKYACNNEYWETFKENPIRLTE(配列番号36)、または配列番号37に対して少なくとも85%の同一性を含む。一部の実施形態では、VEEV RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、配列番号35、配列番号36または配列番号37に対して少なくとも90%の同一性を含む。一部の実施形態では、VEEV RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、配列番号35、配列番号36または配列番号37に対して少なくとも95%の同一性を含む。一部の実施形態では、VEEV RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、配列番号35、配列番号36または配列番号37に対して少なくとも99%の同一性を含む。一部の実施形態では、VEEV RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、配列番号35、配列番号36または配列番号37を含む。
【0084】
エンベロープを有さないウイルスからの1つまたは複数の構造タンパク質をコードするレプリコンRNA(repRNA)を含む組成物および方法が本明細書に提供される。一部の実施形態では、repRNAは、プロテアーゼをコードする。一部の実施形態では、repRNAは、3CDプロテアーゼをコードする。一部の実施形態では、構造タンパク質およびプロテアーゼは、共発現される。さらなる実施形態では、repRNAは、1つまたは複数のオープンリーディングフレームを含む。一部の実施形態では、オープンリーディングフレームは、内部リボソーム進入部位(IRES)により隔てられている。一部の実施形態では、オープンリーディングフレームは、リボソームスキッピングペプチド配列により隔てられている。一部の実施形態では、リボソームスキッピングペプチド配列は、Thosea asignaウイルス(T2A)由来である。
組合せ組成物
【0085】
本明細書に記載されるナノ粒子とコロナウイルス抗原をコードする核酸とを含む組成物が本明細書に提供される。本明細書に提供される多数のナノ粒子を含むナノエマルジョンが本明細書にさらに提供される。一部の実施形態では、核酸は、自己複製RNAポリメラーゼをさらにコードする。一部の実施形態では、核酸は、自己複製RNA依存性RNAポリメラーゼをさらにコードする。一部の実施形態では、自己複製RNAポリメラーゼをコードする核酸は、タンパク質をコードする核酸配列と同じ核酸鎖上にある(例えば、cisである)。一部の実施形態では、自己複製RNAポリメラーゼをコードする核酸は、タンパク質をコードする核酸配列と異なる核酸鎖上にある(例えば、transである)。一部の実施形態では、自己複製RNAポリメラーゼをコードする核酸は、DNA分子である。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗原をコードする核酸配列は、DNAまたはRNA分子である。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗原は、DNAによりコードされる。包含のためのナノ粒子としては、限定されないが、NP-1~NP-30のいずれか1つ、またはNP-1~NP-31のいずれか1つが挙げられる。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-1を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-2を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-3を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-4を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-5を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-6を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-7を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-8を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-9を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-10を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-11を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-12を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-13を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-14を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-15を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-16を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-17を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-18を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-18を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-19を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-20を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-21を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-22を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-23を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-24を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-25を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-26を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-27を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-28を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-28を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-29を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-30を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-31を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、NP-1~NP-31のいずれかと凍結保護物質とを含む。一部の実施形態では、凍結保護物質は、本明細書に記載される糖である。一部の実施形態では、包含のための核酸としては、限定されないが、配列番号1~6、38~54のいずれか1つまたは多数を含む領域を含むもの、または配列番号7~33のいずれか1つのアミノ酸配列をコードするものが挙げられる。一部の実施形態では、包含のための核酸は、限定されないが、配列番号1~6、38~54のいずれか1つに相補的な領域を含むもの、または配列番号7~33のいずれか1つのアミノ酸配列をコードするものが挙げられる。一部の実例では、核酸は、RNAポリメラーゼをコードする領域、例えば、配列番号34の配列を含む領域をさらに含む。
【0086】
一部の実施形態では、核酸は、配列番号1と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号2と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号3と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号4と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号5と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号6と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号38と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号39と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号40と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号41と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号42と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号43と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号44と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号45と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号46と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号47と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号48と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号49と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号50と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号51と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号52と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号53と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、核酸は、配列番号54と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される核酸は、ここに記載される感染性疾患抗原をコードした、およびRNA依存性RNAポリメラーゼをコードした、配列を含む。一部の実施形態では、RNA依存性RNAポリメラーゼは、VEEV RNAポリメラーゼである。一部の実施形態では、2つの核酸コードエレメントが別々の核酸内に存在する。一部の実施形態では、2つの核酸コードエレメントが同じ核酸上に存在する。
【0087】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号1と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号2と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号3と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号4と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号5と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号6と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号38と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号39と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号40と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号41と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号42と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号43と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号44と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号45と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号46と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号47と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号48と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号49と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号50と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号51と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号52と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-1、および配列番号53と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。
【0088】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号1と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号2と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号3と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号4と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号5と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号6と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号38と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号39と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号40と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号41と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号42と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号43と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号44と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号45と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号46と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号47と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号48と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号49と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号50と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号51と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号52と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-2、および配列番号53と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。
【0089】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号1と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号2と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号3と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号4と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号5と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号6と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号38と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号39と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号40と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号41と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号42と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号43と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号44と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号45と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号46と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号47と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号48と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号49と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号50と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号51と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号52と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、NP-30、および配列番号53と少なくとも85%同一である配列またはその機能的断片を含む核酸を含む。
【0090】
本明細書に提供される組成物は、窒素:ホスフェート(N:P)のモル比によって特徴付けられ得る。N:P比は、窒素を含有するナノ粒子中のカチオン性脂質の量、および負に荷電したホスフェートを含有する組成物中で使用される核酸の量によって決定される。脂質キャリアの核酸に対するモル比は、核酸の送達効率を増加させる、核酸保持ナノエマルジョン組成物が抗原に対する免疫応答を誘発する能力を増加させる、核酸保持ナノエマルジョン組成物が対象において抗原に対する抗体価の生成を誘発する能力を増加させるように選択することができる。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、窒素のホスフェートに対するモル比によって特徴付けられ得る脂質キャリアの核酸に対するモル比を有し、これは、約0.01:1~約1000:1、例えば、約0.2:1~約500:1、約0.5:1~約150:1、約1:1~約150:1、約1:1~約125:1、約1:1~約100:1、約1:1~約50:1、約1:1~約50:1、約5:1~約50:1、約5:1~約25:1、または約10:1~約20:1の範囲であり得る。一部の実施形態では、窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの核酸に対するモル比は、約1:1~約150:1、約5:1~約25:1、または約10:1~約20:1の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物のN:Pのモル比は、約15:1である。一部の実施形態では、ナノ粒子は、膜に共有結合的に付着した本明細書に提供される核酸を含む。
【0091】
本明細書に提供される組成物は、油の界面活性剤に対するモル比によって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、油の界面活性剤に対する比は、スクアレン:カチオン性脂質、疎水性界面活性剤、および親水性界面活性剤のモル比である。一部の実施形態では、油の界面活性剤に対する比は、スクアレン:DOTAP、疎水性界面活性剤、および親水性界面活性剤のモル比である。一部の実施形態では、油の界面活性剤に対する比は、スクアレン:DOTAP、ソルビタンモノステアレート、およびポリソルベート80のモル比である。一部の実施形態では、油の界面活性剤に対するモル比は、約0.1:1~約20:1、約0.5:1~約12:1、約0.5:1~約9:1、約0.5:1~約5:1、約0.5:1~約3:1、または約0.5:1~約1:1の範囲である。一部の実施形態では、油の界面活性剤に対するモル比は、少なくとも約0.1:1、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1である。一部の実施形態では、油の界面活性剤に対するモル比は、少なくとも約0.4:1から最高で1:1である。
【0092】
本明細書に提供される組成物は、親水性界面活性剤のカチオン性脂質に対する比によって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、親水性界面活性剤のカチオン性脂質に対する比は、約0.1:1~約2:1、約0.2:1~約1.5:1、約0.3:1~約1:1、約0.5:1~約1:1、または約0.6:1~約1:1の範囲である。本明細書に提供される組成物は、疎水性界面活性剤の脂質(例えば、カチオン性脂質)に対する比によって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、疎水性界面活性剤の脂質に対する比は、約0.1:1~約5:1、約0.2:1~約3:1、約0.3:1~約2:1、約0.5:1~約2:1、または約1:1~約2:1の範囲である。一部の実施形態では、カチオン性脂質は、DOTAPである。
【0093】
ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタンエステル、カチオン性脂質、免疫刺激物質、およびRNAを含む、乾燥組成物が本明細書にさらに提供される。ソルビタンモノステアレート(例えば、SPAN(登録商標)60)、ポリソルベート80(例えば、TWEEN(登録商標)80)、DOTAP、免疫刺激物質、およびRNAを含む、乾燥組成物が本明細書にさらに提供される。
熱的に安定な乾燥および凍結乾燥された感染性疾患ワクチン
【0094】
乾燥または凍結乾燥組成物およびワクチンが本明細書に提供される。好適な希釈剤および薬学的に許容される担体中で再構成される、本明細書に提供される乾燥または凍結乾燥組成物を含む医薬組成物が本明細書にさらに提供される。一部の実施形態では、希釈剤は、水性である。一部の実施形態では、希釈剤は、水である。
【0095】
一部の実施形態では、凍結乾燥組成物は、組成物を凍結すること、それに続いて、圧力を低下させること、および昇華による氷の除去を含む低温脱水プロセスによって作製される。ある特定の事例では、凍結乾燥は、脱着プロセスによる結合水分子の除去も含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、噴霧乾燥される。噴霧乾燥は、溶液をアトマイザーを通して供給して、スプレーを作出し、その後、これを、加熱ガス流に曝露して、迅速な蒸発を促進することによるプロセスである。十分な液体質量が蒸発したら、液滴中の残った固体材料は、粒子を形成し、次いで、これは、ガス流から分離される(例えば、フィルターまたはサイクロンを使用して)。乾燥は、本明細書に提供される組成物およびワクチンを、既存のmRNAワクチンの貯蔵のために必要な零下温度と比較してより高い温度(例えば4℃超)で貯蔵することに役立つ。一部の実施形態では、本明細書に提供される乾燥組成物および凍結乾燥組成物は、(a)(i)疎水性コアと、(ii)1つまたは複数の無機ナノ粒子と、(iii)1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)1つまたは複数の核酸;および(c)少なくとも1つの凍結保護物質を含む。一部の実施形態では、凍結保護物質は、スクロース、マルトース、トレハロース、マンニトール、グルコース、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。凍結保護物質の追加の例としては、限定されるものではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、3-O-メチル-D-グルコピラノース(3-OMG)、ポリエチレングリコール(PEG)、1,2-プロパンジオール、アセトアミド、トレハロース、ホルムアミド、糖、タンパク質、および炭水化物が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物および方法は、少なくとも1つの凍結保護物質を含む。包含のための例示的な凍結保護物質は、限定されるものではないが、スクロース、マルトース、トレハロース、マンニトール、またはグルコース、およびそれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、包含のための追加のまたは代替の凍結保護物質は、ソルビトール、リビトール、エリスリトール(erthritol)、トレイトール、エチレングリコール、またはフルクトースである。一部の実施形態では、包含のための追加のまたは代替の凍結保護物質は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、3-O-メチル-D-グルコピラノース(3-OMG)、ポリエチレングリコール(PEG)、1,2-プロパンジオール、アセトアミド、トレハロース、ホルムアミド、糖、タンパク質、および炭水化物である。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約1% w/v~約20% w/v、好ましくは、約10% w/v~約20% w/v、より好ましくは、約10% w/vで存在する。本開示のある特定の態様では、凍結保護物質は、スクロースである。本開示の一部の態様では、凍結保護物質は、マルトースである。本開示の一部の態様では、凍結保護物質は、トレハロースである。本開示の一部の態様では、凍結保護物質は、マンニトールである。本開示の一部の態様では、凍結保護物質は、グルコースである。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、325、350、375、400、450、500mgまたはそれよりも多くの量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約50~約500mgの量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約200~約300mgの量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約250mgの量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、凍結乾燥組成物の少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、95またはそれを超える重量パーセントの量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、凍結乾燥組成物の約95重量%の量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、凍結乾燥組成物の80~98重量%、85~98重量%、90~98重量%、または94~96重量%の量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、糖である。一部の実施形態では、糖は、スクロース、マルトース、トレハロース、マンニトール、またはグルコースである。一部の実施形態では、糖は、スクロースである。一部の実施形態では、スクロースは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、325、350、375、400、450、500mgまたはそれよりも多くの量で存在する。一部の実施形態では、スクロースは、約50~約500mgの量で存在する。一部の実施形態では、スクロースは、約200~約300mgの量で存在する。一部の実施形態では、スクロースは、約250mgの量で存在する。一部の実施形態では、スクロースは、凍結乾燥組成物の少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、95またはそれを超える重量パーセントの量で存在する。一部の実施形態では、スクロースは、凍結乾燥組成物の約95重量%の量で存在する。一部の実施形態では、スクロースは、凍結乾燥組成物の80~98重量%、85~98重量%、90~98重量%、または94~96重量%の量で存在する。
【0096】
一部の実施形態では、凍結保護物質は、スクロースである。一部の実施形態では、凍結保護物質は、少なくとも約0.1%w/vの濃度である。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約1%w/v~約20%w/vの濃度である。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約10%w/v~約20%w/vの濃度である。一部の実施形態では、凍結保護物質は、約10%w/vの濃度である。
【0097】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、熱的に安定である。組成物は、組成物が、熱または低温の作用に抵抗し、および所与の温度で分解から核酸分子を保護する能力など、その性質を維持する場合、熱的に安定であると考えられる。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、約25℃または標準的な室温で熱的に安定である。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、約45℃で熱的に安定である。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、約-20℃で熱的に安定である。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、約2℃~約8℃で熱的に安定である。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、少なくとも約-80℃、少なくとも約-20℃、少なくとも約0℃、少なくとも約2℃、少なくとも約4℃、少なくとも約6℃、少なくとも約8℃、少なくとも約10℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約37℃、最高で45℃の温度で熱的に安定である。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、少なくとも約5日間、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1カ月、最大で3カ月間、熱的に安定である。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、少なくとも約4℃から最高で37℃の温度で、少なくとも約5日間、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1カ月、最大で3カ月間、貯蔵される。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物およびワクチンは、少なくとも約20℃から最高で25℃の温度で、少なくとも約5日間、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1カ月、最大で3カ月間、貯蔵される。
【0098】
凍結乾燥組成物を調製するための方法であって、脂質キャリアを得るステップであって、脂質キャリアが、疎水性コア、1つまたは複数の無機ナノ粒子、および1つまたは複数の脂質を含むナノエマルジョンである、ステップ;1つまたは複数の核酸を脂質キャリアに組み込んで、脂質キャリア-核酸複合体を形成するステップ;少なくとも1つの凍結保護物質を脂質キャリア-核酸複合体に添加して、製剤を形成するステップ;ならびに製剤を凍結乾燥して、凍結乾燥組成物を形成するステップを含む方法も本明細書に提供される。
【0099】
噴霧乾燥組成物を調製するための方法であって、脂質キャリアを得るステップであって、脂質キャリアが、疎水性コア、1つまたは複数の無機ナノ粒子、および1つまたは複数の脂質を含むナノエマルジョンである、ステップ;1つまたは複数の核酸を脂質キャリアに組み込んで、脂質キャリア-核酸複合体を形成するステップ;少なくとも1つの凍結保護物質を脂質キャリア-核酸複合体に添加して、製剤を形成するステップ;ならびに製剤を噴霧乾燥して、噴霧乾燥組成物を形成するステップを含む方法が本明細書にさらに提供される。
【0100】
凍結乾燥組成物を再構成するための方法であって、脂質キャリアを得るステップであって、脂質キャリアが、疎水性コア、1つまたは複数の無機ナノ粒子、および1つまたは複数の脂質を含むナノエマルジョンである、ステップ;1つまたは複数の核酸を前記脂質キャリアに組み込んで、脂質キャリア-核酸複合体を形成するステップ;少なくとも1つの凍結保護物質を脂質キャリア-核酸複合体に添加して、製剤を形成するステップ;製剤を凍結乾燥して、凍結乾燥組成物を形成するステップ;ならびに好適な希釈剤中で凍結乾燥組成物を再構成するステップを含む方法が本明細書にさらに提供される。
【0101】
噴霧乾燥組成物を再構成するための方法であって、脂質キャリアを得るステップであって、脂質キャリアが、疎水性コア、1つまたは複数の無機ナノ粒子、および1つまたは複数の脂質を含むナノエマルジョンである、ステップ;1つまたは複数の核酸を前記脂質キャリアに組み込んで、脂質キャリア-核酸複合体を形成するステップ;少なくとも1つの凍結保護物質を脂質キャリア-核酸複合体に添加して、製剤を形成するステップ;製剤を噴霧乾燥して、噴霧乾燥組成物を形成するステップ;ならびに好適な希釈剤中で噴霧乾燥組成物を再構成するステップを含む方法が本明細書にさらに提供される。
医薬組成物
【0102】
本明細書に提供される組成物を含む医薬組成物が本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物を、薬学的に許容される塩、賦形剤、および/または担体と組み合わせて、医薬組成物を形成する。薬学的に許容される塩、賦形剤、および担体は、投与経路、標的組織の場所、および薬物の送達の時間経過に基づいて選択され得る。薬学的に許容される担体または賦形剤としては、医薬品投与に適合する、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが挙げられ得る。
【0103】
一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に提供される組成物を含む懸濁液である。一部の実施形態では、本明細書に提供される懸濁液は、本明細書に提供される多数のナノ粒子または組成物を含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、懸濁液、必要に応じて、均質な懸濁液中にある。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、エマルジョン形態である。
【0104】
一部の実施形態では、医薬組成物は、固体、半固体、液体または気体(エアロゾル)の形態である。注射用調製物、例えば、無菌注射用水性または油性懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用して、公知技術に従って製剤化され得る。無菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射用溶液、懸濁液、またはエマルジョンであってもよい。中でも、用いられ得る許容される媒体および溶媒は、水、リンゲル液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、無菌の固定油が、溶媒または分散媒として用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意のブランドの固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において使用される。注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用の前に、滅菌水または他の滅菌注射媒体に溶解または分散され得る無菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
【0105】
経口投与のための固形剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。そのような固形剤形において、封入または非封入コンジュゲートは、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、ならびに/または(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などのフィラーもしくは増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、(c)グリセロールなどの保水剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶解抑制剤、(f)第四級アンモニウム化合物などの吸収加速剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の事例では、剤形はまた、緩衝剤を含んでいてもよい。
投薬
【0106】
本明細書に提供される組成物は、投与の容易さおよび投薬量の均一性のため投薬単位形で製剤化されてもよい。投薬単位形は、処置される対象に適切な本明細書に提供される組成物の物理的に別個の単位である。しかしながら、本明細書に提供される組成物の総使用量が、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。本明細書に提供される任意の組成物について、治療有効量は、細胞培養アッセイ、またはマウス、ウサギ、イヌ、ブタ、もしくは非ヒト霊長類などの動物モデルにおいて最初に推定され得る。動物モデルは、投与の望ましい濃度範囲および経路を達成するためにも使用される。次いで、そのような情報は、ヒトにおける投与のための有用な用量および経路を決定するために使用することができる。本明細書に提供される組成物の治療有効性および毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順、例えば、ED50(集団の50%で治療的に有効な用量)およびLD50(集団の50%で致死的な用量)によって決定することができる。毒性効果の治療効果に対する用量比は、治療指数であり、これは、LD50/ED50の比として表すことができる。大きい治療指数を示す医薬組成物は、一部の実施形態では有用であり得る。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒト使用のための投薬量範囲を処方するのに使用され得る。本明細書に記載される組成物への組み込みのための例示的な総核酸量としては、約1、2、2.5、5、7.5、10、12.5、15、20、25、30、35、40、45、50マイクログラム(μg)またはそれより多い量が挙げられる。
投与
【0107】
それを必要とする対象に投与するための組成物および医薬組成物が本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される組成物を対象に投与することを可能にする形態である。
【0108】
一部の実施形態では、投与は、局所投与または全身投与である。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、皮下、皮内、筋肉内、吸入、静脈内、腹腔内、頭蓋内、舌下、経口またはくも膜下腔内経路を介した投与のため/それを介した投与における使用のために製剤化される。一部の実施形態では、投与は、1、2、4、6、8、12、24、36または48時間ごとである。一部の実施形態では、投与は、毎日、毎週、または毎月である。一部の実施形態では、投与は、少なくとも約28日または56日ごとに繰り返される。
【0109】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物の単回の投薬が、対象に投与される。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物または医薬組成物は、2回の投薬によって対象に投与される。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物または医薬組成物の2回目の投薬は、1回目の投薬の約28日後または56日後に投与される。一部の実施形態では、1回目の投薬が投与され、2回目の投薬は、約14日後、または約21日後、または約28日後、または約35日後、または約42日後、または約49日後、または約56日後、または約63日後、または約70日後、または約77日後、または約84日後に投与される。一部の実施形態では、2回目の投薬は、1回目の投薬の投与の約10~90日後、または1回目の投薬の投与の約15~85日後、または1回目の投薬の投与の約20~80日後、または1回目の投薬の投与の約25~75日後、または1回目の投薬の投与の約30~70日後、または1回目の投薬の投与の約35~65日後、または1回目の投薬の投与の約40~60日後に投与される。
【0110】
一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物または医薬組成物の3回目の投薬が対象に投与される。一部の実施形態では、3回目の投薬は、2回目の投薬の投与の約1カ月後、2回目の投薬の投与の約2カ月後、2回目の投薬の投与の約3カ月後、2回目の投薬の投与の約4カ月後、2回目の投薬の投与の約5カ月後、2回目の投薬の投与の約6カ月後、2回目の投薬の投与の約7カ月後、2回目の投薬の投与の約8カ月後、2回目の投薬の投与の約9カ月後、2回目の投薬の投与の約10カ月後、2回目の投薬の投与の約11カ月後、2回目の投薬の投与の約12カ月後、2回目の投薬の投与の約13カ月後、2回目の投薬の投与の約14カ月後、2回目の投薬の投与の約15カ月後、2回目の投薬の投与の約16カ月後、2回目の投薬の投与の約17カ月後、または2回目の投薬の投与の約18カ月後に投与される。
治療的適用
【0111】
対象における疾患または障害を処置する方法が本明細書に提供される。感染性微生物に対する対象における免疫応答を生じさせる方法が本明細書に提供される。一部の実施形態では、疾患または障害は、感染症である。一部の実施形態では、感染症は、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、真菌感染症、または酵母感染症である。
【0112】
一部の実施形態では、対象は、ウイルス感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある。一部の実施形態では、ウイルス感染症は、RSV感染症、CMV感染症、SARS、狂犬病、HPV感染症、水痘、帯状疱疹、単純ヘルペス1感染症、単純ヘルペス2感染症、またはインフルエンザである。一部の実施形態では、対象は、細菌感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある。一部の実施形態では、細菌感染症は、結核、クラミジア、淋病、連鎖球菌性咽頭炎、またはStaphylococcus aureus感染症である。一部の実施形態では、対象は、真菌感染症を有する、またはそれを有する疑いがある。一部の実施形態では、対象は、寄生虫感染症を有する、またはそれを有する疑いがある。一部の実施形態では、寄生虫感染症は、マラリアである。一部の実施形態では、対象は、感染性疾患または障害を発症するリスクがある。一部の実施形態では、対象は、別の感染した対象との接触によって感染性疾患に罹患した。一部の実施形態では、対象は、汚染された飲用水から感染性疾患に罹患した。一部の実施形態では、対象は、微生物を保有する異なる種から感染性疾患に罹患した。一部の実施形態では、対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
キット
【0113】
本明細書に提供される組成物、本明細書に提供される医薬組成物、および必要に応じて、対象への投与のための送達システムを含む、キットが本明細書に提供される。一部の実施形態では、キットは、1つまたは複数の界面活性剤をさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物の製剤は、投与のために単一の容器中で調製される。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物の製剤は、投与のために2つの容器中で調製され、ナノ粒子キャリアから核酸を分離する。本明細書で使用される場合、「容器(container)」としては、容器(vessel)、バイアル、アンプル、管、カップ、ボックス、ボトル、フラスコ、ジャー、ディッシュ、単一ウェルもしくは複数ウェルの器具のウェル、リザーバー、タンクなど、または本明細書に開示される組成物が、入れられ、貯蔵され、および/もしくは輸送され得る、ならびに内容物を取り出すためにアクセスされ得る他のデバイスが挙げられる。そのような容器の例としては、針および注射器を使用する内容物の抜き取りに適合するゴム栓または他のシール手段を有するものを含む、ガラスおよび/またはプラスチックのシールされたまたは再シール可能な管およびアンプルが挙げられる。一部の実行では、容器は、RNaseを含まない。一部の実施形態では、キットは、液状油および界面活性剤を含む脂質キャリアであって、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリアと;核酸が、ウイルス抗原配列、細菌抗原配列、真菌抗原配列もしくは寄生虫抗原配列またはその機能的バリアントをコードする配列を含み、ウイルス抗原配列が、SARS-CoV-2に由来しない、少なくとも1つの核酸とを含む。
例示的な実施形態
【0114】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤、および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;抗原配列をコードする少なくとも1つの核酸であって、抗原配列が、ウイルス抗原配列、細菌抗原配列、真菌抗原配列もしくは寄生虫抗原配列または前述のもののいずれかについての機能的バリアントをコードする配列を含み、ウイルス抗原配列が、SARS-CoV-2抗原配列でもその機能的バリアントでもない、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書に提供される。ウイルス抗原配列が、インフルエンザウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)、RSV、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス1(SARS-CoV-1)、ヒトガンマヘルペスウイルス4、ヒトパピローマウイルス(HPV)、狂犬病ウイルス、ヒトアルファヘルペスウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはヒトアルファヘルペスウイルス2に由来する、組成物が本明細書にさらに提供される。細菌抗原配列が、Mycobacterium菌、Streptococcus菌、Pseudomonas菌、Salmonella菌、Staphylococcus菌、Neisseria菌、Clostridium菌、またはChlamydia菌に由来する、組成物が本明細書にさらに提供される。真菌抗原配列が、Aspergillus真菌、Saccharomyces真菌、Cryptococcus真菌、Coccidioides真菌、Neurospora真菌、Histoplasma真菌、またはBlastomyces真菌に由来する、組成物が本明細書にさらに提供される。寄生虫抗原配列がPlasmodium寄生虫に由来する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号1~6、43~47と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号1~6、43~47と少なくとも90%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号1~6、43~47と少なくとも95%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号1~6、43~47のいずれか1つから選択される配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号1と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号2と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号3と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号4と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号5と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号6と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号43と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号44と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号45と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号46と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号47と少なくとも85%同一の配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号1を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号2を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号3を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号4を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号5を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号6を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号43を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号44を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号45を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号46を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が配列番号47を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号7~33のいずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列をコードする配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号7~33のいずれか1つと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列をコードする配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸が、配列番号7~33のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、脂質キャリアを有する複合体中にある、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼをコードする核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油(palmkernal oil)、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、ソラネソール、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、組成物が本明細書にさらに提供される。トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、疎水性コアを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、無機粒子を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、疎水性コア内にある、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、金属を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、組成物が本明細書にさらに提供される。親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態である組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が本明細書にさらに提供される。
【0115】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤、および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;ならびに少なくとも1つの核酸であって、核酸が、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質ステム領域またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書に提供される。核酸が、配列番号3と少なくとも85%同一の配列またはその機能的断片を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、配列番号3と少なくとも90%同一の配列またはその機能的断片を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、配列番号3と少なくとも95%同一の配列またはその機能的断片を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が配列番号3を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、配列番号10~12のいずれか1つと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列をコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、配列番号10~12のいずれか1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列をコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、配列番号10~12のいずれか1つと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列をコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、配列番号10~12のいずれか1つを含むアミノ酸配列をコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、脂質キャリアを有する複合体中にある、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼをコードする核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、ソラネソール、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、組成物が本明細書にさらに提供される。トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、疎水性コアを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、無機粒子を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、疎水性コア内にある、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、金属を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、組成物が本明細書にさらに提供される。親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態である組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が本明細書にさらに提供される。
【0116】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤、および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;ならびに少なくとも1つの核酸であって、核酸が、VZVタンパク質またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書に提供される。VZVタンパク質またはその機能的バリアントが、糖タンパク質E(gE)、gI、gB、gH、gL、gNまたはその機能的断片である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4、5、38~43のいずれか1つと少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4、5、38~43のいずれか1つと少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4、5、38~43のいずれか1つと少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4、5、38~43のいずれか1つを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4と少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4と少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4と少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号4を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号5と少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号5と少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号5と少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号5を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号40と少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号40と少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質をコードする抗原配列が、配列番号40と少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。VZVタンパク質抗原をコードする核酸配列が、配列番号40を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。切断型N末端ドメインを有するVZV gEタンパク質をコードする核酸配列を含む組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、脂質キャリアを有する複合体中にある、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼをコードする核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、ソラネソール、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、組成物が本明細書にさらに提供される。トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、疎水性コアを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、無機粒子を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、疎水性コア内にある、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、金属を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、組成物が本明細書にさらに提供される。親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態である組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が本明細書にさらに提供される。
【0117】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、液状油、および界面活性剤を含み、界面活性剤が、カチオン性脂質、親水性界面活性剤、および疎水性界面活性剤を含む、脂質キャリア;ならびに少なくとも1つの核酸であって、核酸が、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原またはその機能的バリアントをコードする抗原配列を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書に提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原が、RSV-F抗原である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原が、RSV-G抗原である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1、2、45または46のいずれか1つと少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1、2、45または46のいずれか1つと少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1、2、45または46のいずれか1つと少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1、2、45または46のいずれか1つを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1と少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1と少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1と少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号1を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号2と少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号2と少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号2と少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号2を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号45と少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号45と少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号45と少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号45を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号46と少なくとも85%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号46と少なくとも90%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号46と少なくとも95%同一である、組成物が本明細書にさらに提供される。呼吸器合胞体ウイルス抗原をコードする抗原配列が、配列番号46を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、脂質キャリアを有する複合体中にある、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼをコードする核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。液状油が、α-トコフェロール、ココナツ油、ブドウ種子油、ラウロイルポリオキシルグリセリド、鉱物油、モノアシルグリセロール、パーム核油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、プロポリス、スクアレン、スクアラン、ソラネソール、大豆レシチン、大豆油、ヒマワリ油、トリグリセリド、またはビタミンEである、組成物が本明細書にさらに提供される。トリグリセリドが、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド、トリグリセリドエステル、またはミリスチン酸トリグリセリンである、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、疎水性コアを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、無機粒子を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、疎水性コア内にある、組成物が本明細書にさらに提供される。無機粒子が、金属を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属リン酸塩を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。金属酸化物が、酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタン、または二酸化ケイ素を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、またはソルビタントリオレエートである、組成物が本明細書にさらに提供される。親水性界面活性剤が、ポリソルベートである、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態である組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が本明細書にさらに提供される。
【0118】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、約30mg/mLのDOTAPクロリド 約37.5mg/mLのスクアレン、約37mg/mlのソルビタンモノステアレート、約37mg/mlのポリソルベート80、約10mMのクエン酸ナトリウム、および約0.2mg Fe/mlのオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子を含む、ナノエマルジョンであり、オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、約5ナノメートルから最大で25nmの範囲のサイズのものである、脂質キャリア;ならびに、配列番号1~6、38~47と少なくとも85%同一の配列を含む少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書に提供される。オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、約5~約25ナノメートルのサイズの範囲のサイズのものである、組成物が本明細書にさらに提供される。オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、サイズ12ナノメートルである、組成物が本明細書にさらに提供される。スクロースを含む組成物が本明細書にさらに提供される。スクロースが、約50mgで存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、脂質キャリアを有する複合体中にある、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼをコードする核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、疎水性コアを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、疎水性コア内にある、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態である組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が本明細書にさらに提供される。
【0119】
脂質キャリアであって、脂質キャリアが、約0.75mgの量で存在するDOTAPクロリド、約0.94mgの量で存在するスクアレン、約0.93mgの量で存在するソルビタンモノステアレート、約0.93mgの量で存在するポリソルベート80、約1.05mgの量で存在するクエン酸一水和物、および約0.005mgの量で存在するオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子を含む、ナノエマルジョンである、脂質キャリア;ならびに配列少なくとも配列番号1~6、38~47を含む、少なくとも1つの核酸を含む組成物が本明細書に提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。スクロースを含む組成物が本明細書にさらに提供される。スクロースが、約50ミリグラム(mg)で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、脂質キャリアを有する複合体中にある、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAポリメラーゼをさらにコードする、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼが、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNAポリメラーゼである、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼをコードする核酸が、配列番号34の核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、疎水性コアを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。オレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子が、疎水性コア内にある、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態である組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が本明細書にさらに提供される。
【0120】
(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の油または脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性病原体タンパク質である、少なくとも1つの核酸配列を含む、組成物が本明細書に提供される。核酸ポリメラーゼを含むか、または核酸ポリメラーゼを発現することができる配列をコードする核酸を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸配列が、RNA核酸配列である、組成物が本明細書にさらに提供される。組成物が本明細書にさらに提供され、ここで、RNAポリメラーゼ、またはRNAポリメラーゼを発現することができる核酸配列。配列番号1~6、34~54のいずれか1つを含む核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。宿主細胞が、核酸配列から抗原を発現することができ、抗原が、感染性因子に由来する、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)である、組成物が本明細書にさらに提供される。抗原が、RSV付着(G)糖タンパク質(RSV-G)を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。抗原が、RSV融合(F)糖タンパク質(RSV-F)を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、SARS-COV-2ではない、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、ジカウイルスである、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、エンテロウイルスである、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、インフルエンザウイルスである、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性コアが、油を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。油が、α-トコフェロール、ラウロイルポリオキシルグリセリド、モノアシルグリセロール、プロポリス、スクアレン、スクアレン、miglyol、デヒドロイソスクアレン(DHIS)、鉱物油、ブドウ種子油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、大豆油、ヒマワリ油、大豆レシチン、トリグリセリド、ビタミンE、および中鎖トリグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の無機ナノ粒子が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属リン酸塩、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質、アニオン性脂質、中性脂質、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質である、組成物が本明細書にさらに提供される。カチオン性脂質が、1,2-ジオレオイルオキシ-3-(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);3β-[Ν-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DCコレステロール);ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA);1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジパルミトイル(C16:0)トリメチルアンモニウムプロパン(DPTAP);ジステアロイルトリメチルアンモニウムプロパン(DSTAP);N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);N,N-ジオレオイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC);1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOEPC);1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DODAP);および1,2-ジリノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA);1,1’-((2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチル)アザンジイル)ビス(ドデカン-2-オール)(C12-200)、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、必要に応じて、1つまたは複数の界面活性剤を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の界面活性剤が、疎水性界面活性剤、親水性界面活性剤、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエートおよびソルビタントリオレエートからなる群から選択されるソルビタンエステルを含み、親水性界面活性剤が、ポリソルベートを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~約0.4の範囲の平均多分散指数で、約40mm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を有する、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の核酸が、脂質キャリアに組み込まれるか、またはそれと複合体化して、脂質キャリア-核酸複合体を形成する、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリア-RNA複合体が、非共有結合性相互作用を介して、または可逆的な共有結合性相互作用を介して形成される、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。摂氏2~8度で安定である組成物が、本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態である組成物が、本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が本明細書にさらに提供される。本明細書に提供される組成物を含むワクチンが本明細書にさらに提供される。
【0121】
(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性疾患タンパク質である、少なくとも1つの核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAである、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。ポリメラーゼ、またはポリメラーゼを発現することができる配列をコードする核酸をさらに含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼ、またはRNAポリメラーゼを発現することができる核酸配列をさらに含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。配列番号1~6または34~54のいずれか1つに示される配列を含む核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。配列番号1を含む核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。配列番号2を含む核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。配列番号3を含む核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。配列番号4を含む核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。配列番号5を含む核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。配列番号6を含む核酸配列を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。抗原を発現することができる核酸配列を含むワクチン組成物であって、抗原が感染性因子に由来する、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)である、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。抗原が、RSV付着(G)糖タンパク質(RSV-G)を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。抗原が、RSV融合(F)糖タンパク質(RSV-F)を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、ジカウイルスである、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、エンテロウイルスである、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、インフルエンザウイルスである、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、SARS-CoV-2ではない、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性コアが、油を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。油が、α-トコフェロール、ラウロイルポリオキシルグリセリド、モノアシルグリセロール、プロポリス、スクアレン、鉱物油、ブドウ種子油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、大豆油、ヒマワリ油、大豆レシチン、トリグリセリド、およびビタミンE、ならびに中鎖トリグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の無機ナノ粒子が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属リン酸塩、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質、アニオン性脂質、中性脂質、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質である、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。カチオン性脂質が、1,2-ジオレオイルオキシ-3-(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);3β-[Ν-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DCコレステロール);ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA);1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジパルミトイル(C16:0)トリメチルアンモニウムプロパン(DPTAP);ジステアロイルトリメチルアンモニウムプロパン(DSTAP);N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);N,N-ジオレオイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC);1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOEPC);1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DODAP);および1,2-ジリノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA);1,1’-((2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチル)アザンジイル)ビス(ドデカン-2-オール)(C12-200)、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、必要に応じて、1つまたは複数の界面活性剤を含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の界面活性剤が、疎水性界面活性剤、親水性界面活性剤、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエートおよびソルビタントリオレエートからなる群から選択されるソルビタンエステルを含み、親水性界面活性剤が、ポリソルベートを含む、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~約0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を有する、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の核酸が、脂質キャリアに組み込まれるか、またはそれと複合体化して、脂質キャリア-核酸複合体を形成する、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリア-RNA複合体が、非共有結合性相互作用を介して、または可逆的な共有結合性相互作用を介して形成される、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。組成物が摂氏2~8度で安定である、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約5、約10、約25、約50または約100マイクログラム(μg)の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの核酸配列が、最大で約25μgの量で存在する、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。懸濁液の形態であるワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されているワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。
【0122】
対象を免疫保護するための組成物および方法であって、対象に本明細書に提供される組成物を投与するステップを含む方法が本明細書に提供される。対象を免疫保護するための組成物であって、(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性因子に由来する、少なくとも1つの核酸配列を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。核酸が、RNAである、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。ポリメラーゼ、またはポリメラーゼを発現することができる配列をコードする核酸をさらに含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。RNAポリメラーゼ、またはRNAポリメラーゼを発現することができる核酸配列をさらに含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。配列番号1~6または34~54のいずれか1つに示される配列を含む核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。配列番号1を含む核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。配列番号2を含む核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。配列番号3を含む核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。配列番号4を含む核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。配列番号5を含む核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。配列番号6を含む核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物が、本明細書にさらに提供される。抗原を発現することができる核酸配列を含む、対象を免疫保護するための組成物であって、抗原が感染性因子に由来する、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)である、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。抗原が、RSV付着(G)糖タンパク質(RSV-G)を含む、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。抗原が、RSV融合(F)糖タンパク質(RSV-F)を含む、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、ジカウイルスである、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、エンテロウイルスである、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、インフルエンザウイルスである、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。感染性因子が、SARS-CoV-2ではない、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性コアが、油を含む、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。油が、α-トコフェロール、ラウロイルポリオキシルグリセリド、モノアシルグリセロール、プロポリス、スクアレン、鉱物油、ブドウ種子油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、大豆油、ヒマワリ油、大豆レシチン、トリグリセリド、およびビタミンE、ならびに中鎖トリグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の無機ナノ粒子が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属リン酸塩、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質、アニオン性脂質、中性脂質、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質である、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。カチオン性脂質が、1,2-ジオレオイルオキシ-3-(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);3β-[Ν-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DCコレステロール);ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA);1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジパルミトイル(C16:0)トリメチルアンモニウムプロパン(DPTAP);ジステアロイルトリメチルアンモニウムプロパン(DSTAP);N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);N,N-ジオレオイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC);1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOEPC);1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DODAP);および1,2-ジリノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA);1,1’-((2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチル)アザンジイル)ビス(ドデカン-2-オール)(C12-200)、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、ワクチン組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、必要に応じて、1つまたは複数の界面活性剤を含む、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の界面活性剤が、疎水性界面活性剤、親水性界面活性剤、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエートおよびソルビタントリオレエートからなる群から選択されるソルビタンエステルを含み、親水性界面活性剤が、ポリソルベートを含む、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~約0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を有する、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の核酸が、脂質キャリアに組み込まれるか、またはそれと複合体化して、脂質キャリア-核酸複合体を形成する、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリア-RNA複合体が、非共有結合性相互作用を介して、または可逆的な共有結合性相互作用を介して形成される、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。組成物が摂氏2~8度で安定である、対象を免疫保護するための組成物が本明細書にさらに提供される。
【0123】
(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性疾患タンパク質である、少なくとも1つの核酸配列;および少なくとも1つの凍結保護物質を含む、乾燥組成物が本明細書に提供される。疎水性コアと1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;1つまたは複数の核酸;および少なくとも1つの糖を含む、乾燥組成物であって、少なくとも1つの糖が、(i)乾燥組成物の少なくとも約50重量%の量で存在する、または(ii)少なくとも50mgの量で存在する、乾燥組成物が本明細書にさらに提供される。凍結乾燥されている組成物が、本明細書にさらに提供される。摂氏約25度で熱的に安定である、組成物が本明細書にさらに提供される。摂氏約45度で熱的に安定である、組成物が本明細書にさらに提供される。摂氏約-20度で熱的に安定である、組成物が本明細書にさらに提供される。摂氏約2度~摂氏約8度で熱的に安定である、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1週間、少なくとも2週間、および/または少なくとも1カ月間、熱的に安定である、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性コアが、油を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。油が、α-トコフェロール、ラウロイルポリオキシルグリセリド、モノアシルグリセロール、プロポリス、スクアレン、鉱物油、ブドウ種子油、オリーブ油、パラフィン油、ピーナッツ油、大豆油、ヒマワリ油、大豆レシチン、トリグリセリド、ビタミンE、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、飽和ココナツ/パーム核油由来カプリルおよびカプリン脂肪酸と植物由来グリセロールのトリグリセリドエステル、ジヒドロイソスクアレン(DHIS)、ファルネセンならびにスクアレンのうちの少なくとも1つを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質、アニオン性脂質、中性脂質、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の脂質が、カチオン性脂質を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。カチオン性脂質が、1,2-ジオレオイルオキシ-3-(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);3β-[Ν-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DCコレステロール);ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA);1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジパルミトイル(C16:0)トリメチルアンモニウムプロパン(DPTAP);ジステアロイルトリメチルアンモニウムプロパン(DSTAP);N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);N,N-ジオレオイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC);1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOEPC);1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DODAP);および1,2-ジリノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-DMA);1,1’-((2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチル)アザンジイル)ビス(ドデカン-2-オール)(C12-200)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE);N-デシル-N,N-ジメチルデカン-1-アミニウムブロミド(DDAB);2,3-ジオレイルオキシ-N-[2-(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA);エチルホスファチジルコリン(ePC);およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、少なくとも1つの界面活性剤を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの界面活性剤が、疎水性界面活性剤、親水性界面活性剤、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、およびソルビタントリオレエートからなる群から選択されるソルビタンエステルを含み、親水性界面活性剤が、ポリソルベートを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリアが、約0.1~約0.4の範囲の平均多分散指数で、約40nm~約150nmの範囲のz平均流体力学直径を有する、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の核酸が、DNAである、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の核酸が、RNAである、組成物が本明細書にさらに提供される。RNAが、自己複製RNAである、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性コアが、1つまたは複数の無機ナノ粒子を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の無機ナノ粒子が、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属リン酸塩、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の核酸が、脂質キャリアに組み込まれるか、またはそれと複合体化して、脂質キャリア-核酸複合体を形成する、組成物が本明細書にさらに提供される。脂質キャリア-核酸複合体が、非共有結合性相互作用を介して、または可逆的な共有結合性相互作用を介して形成される、組成物が本明細書にさらに提供される。窒素のホスフェートに対する(N:P)モル比によって特徴付けられる脂質キャリアの1つまたは複数の核酸に対するモル比が、約1:1~約150:1の範囲である、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの糖が、スクロース、マルトース、トレハロース、マンニトール、グルコース、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの糖が、少なくとも約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300mgまたはそれよりも多くの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの糖が、50mg~250mgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの糖が、少なくとも約250mgの量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。糖が、組成物の少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、95重量%のまたはそれを超える量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。糖が、組成物の80~98重量%、必要に応じて94~96重量%の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。糖が、組成物の約95重量%の量で存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。少なくとも1つの糖が、スクロースを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。
【0124】
本明細書に提供される組成物またはワクチン組成物と;薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物が本明細書に提供される。好適な希釈剤で再構成される本明細書に開示される乾燥組成物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物が本明細書にさらに提供される。希釈剤が水性である、医薬組成物が本明細書にさらに提供される。希釈剤が水である、医薬組成物が本明細書にさらに提供される。
【0125】
対象における免疫応答を生じさせる方法であって、本明細書に提供される組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が本明細書に提供される。対象における免疫応答を生じさせる方法であって、本明細書に提供される組成物を前記対象に投与し、それによって、抗原に対する免疫応答を生じさせるステップを含む、方法が本明細書にさらに提供される。組成物が、2回の投薬によって対象に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約14日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約28日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約42日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約56日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約70日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。前記組成物の3回目の投薬を前記対象に投与するステップをさらに含む方法が本明細書にさらに提供される。5マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。10マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。25マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。30マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。35マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。40マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。45マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。50マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。55マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。60マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。65マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。70マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。75マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。80マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。85マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。90マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。95マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。100マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、哺乳動物である、方法が本明細書にさらに提供される。哺乳動物が、ヒトである、方法が本明細書にさらに提供される。組成物が筋肉内投与される方法が本明細書にさらに提供される。組成物が鼻腔内投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、ウイルス感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。ウイルス感染症が、インフルエンザ感染症、VZV感染症、RSV感染症、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染症、ヒトガンマヘルペスウイルス4感染症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、狂犬病ウイルス感染症、ヒトアルファヘルペスウイルス1感染症、またはヒトアルファヘルペスウイルス2感染症である、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、細菌感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。細菌感染症が、Mycobacterium感染症、Streptococcus感染症、Pseudomonas感染症、Salmonella感染症、Staphylococcus感染症、Neisseria感染症、Clostridium感染症、またはChlamydia感染症である、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、寄生虫感染症、真菌感染症もしくは酵母感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較して抗原に対する中和抗体の力価を上昇させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較してCD4+および/またはCD8+陽性T細胞の量を増加させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、免疫無防備状態または免疫抑制状態である、方法が本明細書にさらに提供される。
【0126】
対象における免疫応答を増強させる方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって、抗原に対する免疫応答を増強させるステップを含む、方法が本明細書に提供される。組成物が、2回の投薬によって対象に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約14日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約28日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約42日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約56日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約70日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。前記対象に前記組成物の3回目の投薬を投与するステップをさらに含む方法が本明細書にさらに提供される。5マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。10マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。25マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。30マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。35マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。40マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。45マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。50マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。55マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。60マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。65マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。70マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。75マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。80マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。85マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。90マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。95マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。100マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、哺乳動物である、方法が本明細書にさらに提供される。哺乳動物が、ヒトである、方法が本明細書にさらに提供される。組成物が筋肉内投与される方法が本明細書にさらに提供される。組成物が鼻腔内投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、ウイルス感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。ウイルス感染症が、インフルエンザ感染症、VZV感染症、RSV感染症、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染症、ヒトガンマヘルペスウイルス4感染症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、狂犬病ウイルス感染症、ヒトアルファヘルペスウイルス1感染症、またはヒトアルファヘルペスウイルス2感染症である、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、細菌感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。細菌感染症が、Mycobacterium感染症、Streptococcus感染症、Pseudomonas感染症、Salmonella感染症、Staphylococcus感染症、Neisseria感染症、Clostridium感染症、またはChlamydia感染症である、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、寄生虫感染症、真菌感染症もしくは酵母感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較して抗原に対する中和抗体の力価を上昇させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較してCD4+および/またはCD8+陽性T細胞の量を増加させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、免疫無防備状態または免疫抑制状態である、方法が本明細書にさらに提供される。
【0127】
インフルエンザ感染症を処置する方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって、インフルエンザ感染症を処置するステップを含む、方法が本明細書に提供される。組成物が、2回の投薬によって対象に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約14日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約28日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約42日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約56日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約70日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。前記対象に前記組成物の3回目の投薬を投与するステップをさらに含む方法が本明細書にさらに提供される。5マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。10マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。25マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。30マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。35マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。40マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。45マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。50マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。55マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。60マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。65マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。70マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。75マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。80マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。85マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。90マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。95マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。100マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、哺乳動物である、方法が本明細書にさらに提供される。哺乳動物が、ヒトである、方法が本明細書にさらに提供される。組成物が筋肉内投与される方法が本明細書にさらに提供される。組成物が鼻腔内投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、インフルエンザ感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、抗原に対する免疫応答を生じさせる、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較して抗原に対する中和抗体の力価を上昇させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較してCD4+および/またはCD8+陽性T細胞の量を増加させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、免疫無防備状態または免疫抑制状態である、方法が本明細書にさらに提供される。
【0128】
対象におけるVZV感染症を処置する方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって、VZV感染症を処置するステップを含む、方法が本明細書に提供される。組成物が、2回の投薬によって対象に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約14日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約28日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約42日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約56日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約70日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。前記対象に前記組成物の3回目の投薬を投与するステップをさらに含む方法が本明細書にさらに提供される。5マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。10マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。25マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。30マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。35マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。40マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。45マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。50マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。55マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。60マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。65マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。70マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。75マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。80マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。85マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。90マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。95マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。100マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、哺乳動物である、方法が本明細書にさらに提供される。哺乳動物が、ヒトである、方法が本明細書にさらに提供される。組成物が筋肉内投与される方法が本明細書にさらに提供される。組成物が鼻腔内投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、VZV感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、抗原に対する免疫応答を生じさせる、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較して抗原に対する中和抗体の力価を上昇させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較してCD4+および/またはCD8+陽性T細胞の量を増加させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、免疫無防備状態または免疫抑制状態である、方法が本明細書にさらに提供される。
【0129】
対象におけるRSV感染症を処置する方法であって、本明細書に提供される組成物を対象に投与し、それによって、RSV感染症を処置するステップを含む、方法が本明細書に提供される。組成物が、2回の投薬によって対象に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約14日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約28日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約42日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約56日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。2回目の投薬が、1回目の投薬の約70日後に投与される、方法が本明細書にさらに提供される。前記対象に前記組成物の3回目の投薬を投与するステップをさらに含む方法が本明細書にさらに提供される。5マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。10マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。25マイクログラムの前記組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。30マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。35マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。40マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。45マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。50マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。55マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。60マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。65マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。70マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。75マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。80マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。85マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。90マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。95マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。100マイクログラムの組成物が前記対象に投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、哺乳動物である、方法が本明細書にさらに提供される。哺乳動物が、ヒトである、方法が本明細書にさらに提供される。組成物が筋肉内投与される方法が本明細書にさらに提供される。組成物が鼻腔内投与される方法が本明細書にさらに提供される。対象が、RSV感染症を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症するリスクがある、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、抗原に対する免疫応答を生じさせる、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較して抗原に対する中和抗体の力価を上昇させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。免疫応答が、組成物の投与を受けていない対象と比較してCD4+および/またはCD8+陽性T細胞の量を増加させることを含む、方法が本明細書にさらに提供される。対象が、免疫無防備状態または免疫抑制状態である、方法が本明細書にさらに提供される。
【0130】
本明細書に提供される組成物と、パッケージと、そのための材料とを含むキットが本明細書にさらに提供される。(a)疎水性コアと1つまたは複数の無機ナノ粒子と1つまたは複数の脂質とを含むナノエマルジョンである脂質キャリア;(b)抗原を発現することができる配列をコードし、抗原が感染性因子に由来する、少なくとも1つの核酸配列を含む、キットが本明細書にさらに提供される。1つまたは複数の界面活性剤を含むキットが本明細書にさらに提供される。
【0131】
RNA依存性RNAポリメラーゼをコードする配列を含む第1の核酸と;感染性疾患抗原をコードする配列を含む第2の核酸とを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性疾患抗原が、インフルエンザ、VZV、RSV、ヒトガンマヘルペスウイルス4、ヒトパピローマウイルス(HPV)、狂犬病ウイルス、ヒトアルファヘルペスウイルス1、またはヒトアルファヘルペスウイルス2であるウイルス由来である、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性疾患抗原が、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質ステム領域またはその機能的バリアントである、組成物が本明細書にさらに提供される。感染性疾患抗原が、Mycobacterium、Streptococcus、Pseudomonas、Salmonella、Staphylococcus、Neisseria、Clostridium、またはChlamydia由来である、組成物が本明細書にさらに提供される。第1の核酸および第2の核酸が、共通の核酸上に存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。第1の核酸および第2の核酸が、別々の核酸上に存在する、組成物が本明細書にさらに提供される。RNA依存性RNAポリメラーゼが、VEEV RNAポリメラーゼを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。ナノ粒子キャリアシステムをさらに含む組成物が、本明細書にさらに提供される。ナノ粒子キャリアシステムが、カチオン性脂質および疎水性コアを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。疎水性コアが、無機ナノ粒子を含む、組成物が本明細書にさらに提供される。第1の核酸および/または第2の核酸が、RNAを含む、組成物が本明細書にさらに提供される。
【0132】
以下の実施例は、本明細書に開示される実施形態の原理およびプラクティスを当業者により明確に説明するために示され、任意の特許請求の範囲に記載の実施形態の範囲を制限するものと解釈されるべきでない。他に述べられない限り、全ての部およびパーセンテージは、重量基準である。
【実施例
【0133】
(実施例1)
RSVレプリコンの免疫原性
RSV repRNAと複合体化した脂質キャリアの生物活性を決定するために、および抗RSV IgGのin vivo生成を測定するために、アッセイを、先ず、6~8週齢C57BL/6およびBALB/c雌マウスをRSV repRNAで免疫し、次いで、血清中の抗RSV標的IgGレベルを分析するように、設計した。
【0134】
製剤を、RSV-FおよびRSV-Gタンパク質をコードするrepRNA(およそ10ng/μL、摂氏-80度)と脂質キャリア製剤(30mg DOTAP/mL、摂氏4度)を併せることにより、調製した。次いで、144マイクロリットル(μL)の製剤を180μLの40%スクロースおよび36μLの100mMクエン酸塩と混合し、2mL管に分割した。管を10回反転させて、入念に混合した。
【0135】
50マイクロリットルの溶液を0日目にそれぞれのマウス系統に筋肉内注射して2.5μgのRNA用量を生じさせ、注射後14日目、28日目および75日目に後眼窩からの眼球採血により血液を採取した。採取後、血液を放置して凝固させ、血清を採取し、評価まで摂氏-80度で貯蔵した。
【0136】
血液採取物を、RSV組換えタンパク質に応じてIgG濃度についてELISAにより評価した。次の3つの組換えタンパク質を使用した(1μg/mL):RSV-Fタンパク質;RSVからの組換え体である、呼吸器合胞体ウイルスB1からのC末端Hisタグを有するRSV-Gタンパク質;およびHEp-2細胞(A2)から精製されたRSVからのRSV-Gタンパク質。データは、RSV-Fタンパク質特異的応答がC57BL/6マウスとBALB/cマウスの両方で誘導された(図2)一方で、RSV-G A2株タンパク質特異的応答がBALB/cマウスのみで誘導された(図3A)ことを示した。RSV-G B1株タンパク質特異的応答は、観察されなかった(図3B)。RSV-G A2タンパク質応答が同じELISAプレートで検出されたので、B1株に対する応答の欠如は、ELISA試薬の不具合によるものではなかった。
(実施例2)
マクロファージにおける脂質キャリア自然免疫応答
【0137】
さまざまなrepRNA/脂質キャリア製剤を調製し、分析して、マクロファージにおける脂質キャリアの自然免疫応答を評価した。アッセイしたrepRNA/脂質キャリア製剤は、Fe-脂質キャリア、高Fe-脂質キャリア、Fe-脂質キャリアmiglyol、高Fe-脂質キャリアmiglyol、ミョウバン-脂質キャリア、Fe-脂質キャリアソラネソール(SLN)、NLCおよびCNEを含む。
【0138】
THP-1マクロファージによる腫瘍壊死因子-アルファ(TNFα)産生のタンパク質発現および刺激をアッセイした。ヒトTNF-アルファ(α)DUOSET(商標)ELISA(R&D Systems、Minneapolis、MN)を使用して、製造業者のプロトコールに従って、ELISAアッセイを行って、培地におけるTNF-アルファ(α)タンパク質レベルを評価した。96ウェルマイクロプレートを抗TNFα捕捉抗体でコーティングした。プレートをブロッキングし、培地試料を希釈せずに直接マイクロプレートに添加した。ビオチン化検出抗体、ストレプトアビジン-ホースラディッシュペルオキシダーゼ(SA-HRP)、および基質の添加後、SPECTRAMAX(登録商標)i3(Molecular Devices,LLC、San Jose CA、USA)プレートリーダーにおいて450nmで吸光度を読み取った。
【0139】
最初に、THP-1単球を、ホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)を使用して、マクロファージに分化させた。次いで、レプリコンRNAまたは病原体関連分子パターン(PAMP)をコードするナノルシフェラーゼ(NanoLuc)を有するさまざまな製剤を細胞にトランスフェクトした。次いで、細胞培養培地を、ルシフェラーゼアッセイによってNanoLuc発現について、およびELISAによってTNFα発現について、評価した。アッセイに使用した製剤を表3に記載する。
【表3】
【0140】
11の処置群を調製した。これらの群のうちの8つは、NanoLuc repRNA群であり、ウェル当たり600ngのrepRNA用量を、Fe-脂質キャリア、高Fe-脂質キャリア、Fe-脂質キャリアmiglyol、高Fe-脂質キャリアmiglyol、ミョウバン-脂質キャリア、Fe-脂質キャリアソラネソール(SLN)、NLC、およびCNE製剤を使用して調製した。これらの群のうちの2つは、PAMP群であり、ウェル当たり200ナノグラム(ng)用量を、Fe-脂質キャリアおよびFe-脂質キャリアmiglyol製剤を使用して調製した。未処置群は、NanoLuc repRNAもPAMPも有さなかった。
【0141】
NanoLuc repRNAを、RNAseを含まない水2.2mL中、8ng/μLに希釈し、PAMP RNAを、水600μL中、2.67ng/μLに希釈することにより、さまざまな製剤を調製した。脂質キャリアおよびRNAマスターミックスを、250μLのそれぞれの希釈された製剤と250μLの希釈されたRNAを添加することによって複合体化し、上下にピペッティングすることによって混合した。
【0142】
細胞トランスフェクションを、24ウェルプレートにおいて、ウェルあたり7×10個のTHP-1sを播種することによって行った。80マイクロモル濃度(μM)のPMAをそれぞれのウェルに添加し、摂氏37度でインキュベートした。翌日、トランスフェクションの1時間前に、PMA含有培地を除去し、完全RPMI(cRPMI)培地で置き換えた。次いで、試料を、Opti-MEM(商標)(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA USA)に連続希釈して、0.45ng/μLで開始する10点の1.5倍の希釈系列を作製した。次いで、培養培地を、ピペッティングによってプレートから除去した。450μLのOpti-MEM(商標)および150μLの複合体化製剤を、二反復で、プレートに添加した。空のウェルには、450μLのOpti-MEM(商標)のみを入れた。4時間後、試料を、ピペッティングによってプレートから除去し、500μLの増殖培地で置き換えた。次いで、プレートを、摂氏37度で終夜インキュベートした。増殖培地を翌日回収し、摂氏-80度で貯蔵した。下流のアッセイを実施し、下記に記載した。
【0143】
第1のアッセイ(図4A)および第2のアッセイ(図4B)からのタンパク質発現レベルを、Nano-Glo(登録商標)ルシフェラーゼアッセイ試薬を緩衝剤で先ず1:50希釈することによりルシフェラーゼアッセイを使用して果たした。25μLの上清を除去し、96ウェルプレートにおいて、25μLのNano-Glo(登録商標)試薬と混合し、室温で3分間インキュベートした。発光を、発光光度計を使用して読み取った。
【0144】
本明細書に記載する研究は、図4Aの第1のアッセイにおいておよび図4Bの第2のアッセイにおいて示されるように、miglyol脂質キャリア製剤が、レプリコンからのより高いタンパク質産生を誘導したことを実証する。図5A~5Bに示されているようにTNF-α分泌により測定して、自然免疫応答の低減が検出された。
【0145】
次に、ヒトTNF-α DUOSET(商標)ELISA(R&D Systems)を使用して、製造業者のプロトコールに従って、ELISAアッセイを行って、細胞培養培地におけるTNF-アルファ(α)タンパク質レベルを評価した。96ウェルマイクロプレートを、抗TNFα捕捉抗体でコーティングした。プレートをブロッキングし、次いで、培地試料を、希釈なしで直接添加した。ビオチン化検出抗体SA-HRPおよび基質の添加後、吸光度を、SPECTRAMAX(登録商標)i3(Molecular Devices)プレートリーダーにおいて、450nmで読み取った。
【0146】
図5Aの第1のアッセイおよび図5Bの第2のアッセイからの培地におけるTNF-αタンパク質レベルは、ヒトTNF-α DUOSET(商標)ELISA(R&D Systems)を使用して、製造業者のプロトコールに従って決定した。96ウェルマイクロプレートを抗TNF捕捉抗体でコーティングした。プレートをブロッキングし、次いで、培地試料を希釈せずに直接添加した。ビオチン化検出抗体、SA-HRP、および基質の添加後、吸光度を、SPECTRAMAX(登録商標)i3(Molecular Devices)プレートリーダーにおいて450nmで読み取った。図6Aの第1のアッセイにおいておよび図6Bの第2のアッセイにおいて示されるように、タンパク質産生の増強と低TNF-α刺激との間の相関が、miglyol脂質キャリア製剤で観察された。ソラネソール脂質キャリア製剤は、わずかに低いタンパク質産生を誘導したが、より多いTNFα産生を誘導した(図6A~6B)。図6Aに示されている第1のアッセイからの相関データは、図4Aおよび図5Aに表示されているデータから導出されたものである。第2のアッセイからの相関データが図6Bに示されており、これは、図4Bおよび図5Bに表示されているデータから導出されたものである。
(実施例3)
NP-1の製造および安定性
【0147】
NP-1の製造。NP-1粒子は、37.5mg/mlのスクアレン(SEPPIC)、37mg/mlのSPAN(登録商標)60(Millipore Sigma)、37mg/mlのTWEEN(登録商標)80(Fisher Chemical)、30mg/mlのDOTAPクロリド(LIPOID)、0.2mg Fe/mlの12nmのオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子(Imagion Biosystems、San Jose、CA、USA)および10mMのクエン酸ナトリウム二水和物(Fisher Chemical)を含む。クロロホルム中の1mlの20mg Fe/mlの12nm直径のオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子(Imagion Biosystems、ロット番号95-127)を、4:1のアセトン:クロロホルム(v/v)溶媒混合物中で磁気的に分離することにより3回洗浄した。3回目の洗浄後、揮発性溶媒(アセトンおよびクロロホルム)をドラフト内に放置して完全に蒸発させ、その結果、乾燥オレイン酸酸化鉄ナノ粒子のコーティングが残った。この酸化鉄コーティングに、3.75グラムのスクアレン、3.7グラムのSPAN(登録商標)60、および3グラムのDOTAPを添加して、油相を生成した。油相を45分間、65℃の水浴中で超音波処理した。別途、ヌクレアーゼを含まない水中で調製した500mlの10mMのクエン酸ナトリウム緩衝剤に19.5グラムのTWEEN(登録商標)80を溶解することにより水性相を調製した。92mlの水性相を別のガラスボトルに移し、30分間、65℃に加熱した。温かい油相を温かい水性相に添加することにより、油相を92mlの水性相と混合した。混合物を、VWR 200ホモジナイザー(VWR International)を使用して乳化し、得られた粗エマルジョンを、動的光散乱(Malvern Zetasizer Nano S)によって測定されるz平均流体力学直径が、0.1~0.25の多分散指数(PDI)で、40~80nmに達するまで、30,000psiで、F12Y 75μmのダイヤモンド相互作用チャンバーおよび補助的なH30Z-200μmのセラミック相互作用チャンバーを備えたM110Pマイクロフルイダイザー(Microfluidics)を通過させることによって処理した。マイクロフルイダイズされたNP-1を、最後に、200nmの細孔サイズのポリエーテルスルホン(PES)フィルターで濾過し、摂氏2~8度で貯蔵した。鉄濃度を、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-OES)によって決定した。DOTAPおよびスクアレン濃度を、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって測定した。
【0148】
NP-3の製造。NP-3粒子は、37.5mg/mlのMiglyol 812 N(IOI Oleo GmbH)、37mg/mlのSPAN(登録商標)60(Millipore Sigma)、37mg/mlのTWEEN(登録商標)80(Fisher Chemical)、30mg/mlのDOTAPクロリド(LIPOID)、0.2mg Fe/mlの15nmのオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子(Imagion Biosystems)および10mMのクエン酸ナトリウム二水和物(Fisher Chemical)を含む。クロロホルム中の1mlの20mg Fe/mlの15nm直径のオレイン酸コーティング酸化鉄ナノ粒子(Imagion Biosystems、ロット番号95-127)を、4:1のアセトン:クロロホルム(v/v)溶媒混合物中で磁気的に分離することにより3回洗浄した。3回目の洗浄後、揮発性溶媒(アセトンおよびクロロホルム)をドラフト内で放置して完全に蒸発させ、その結果、乾燥オレイン酸酸化鉄ナノ粒子のコーティングが残った。この酸化鉄コーティングに、3.75グラムのスクアレン、3.7グラムのSPAN(登録商標)60、および3グラムのDOTAPを添加して、油相を生成した。油相を、摂氏65度の水浴中で45分間超音波処理した。別途、ヌクレアーゼを含まない水中で調製した500mlの10mMのクエン酸ナトリウム緩衝剤に19.5グラムのTWEEN(登録商標)80を溶解することにより水性相を調製した。92mlの水性相を別のガラスボトルに移し、30分間、65℃に加熱した。温かい油相を温かい水性相に添加することにより、油相を92mlの水性相と混合した。混合物を、VWR 200ホモジナイザー(VWR International)を使用して乳化し、得られた粗エマルジョンを、動的光散乱(Malvern Zetasizer Nano S)によって測定されるz平均流体力学直径が、0.1~0.3の多分散指数(PDI)で、40~80nmに達するまで、30,000psiで、F12Y 75μmのダイヤモンド相互作用チャンバーおよび補助的なH30Z-200μmのセラミック相互作用チャンバーを備えたM110Pマイクロフルイダイザー(Microfluidics)を通過させることによって処理した。マイクロフルイダイズされたNP-1を、最後に、200nmの細孔サイズのポリエーテルスルホン(PES)フィルターで濾過し、2~8℃で貯蔵した。鉄濃度を、ICP-OESによって決定した。DOTAP濃度を、RP-HPLCによって測定した。
【0149】
NP-30の製造。コア内に無機コア粒子を備えていない脂質キャリアであって、37.5mg/mlのスクアレン(SEPPIC)、37mg/mlのSPAN(登録商標)60(Millipore Sigma)、37mg/mlのTWEEN(登録商標)80(Fisher Chemical)、30mg/mlのDOTAPクロリド(LIPOID)および10mMのクエン酸ナトリウムを有する、脂質キャリアを生成した。200mlビーカーに、3.75グラムのスクアレン、3.7グラムのSPAN(登録商標)60、および3.0グラムのDOTAPを添加して、油相を生成した。油相を45分間、摂氏65度の水浴中で超音波処理した。別途、ヌクレアーゼフリー水中で調製した500mlの10mMのクエン酸ナトリウム緩衝剤に19.5グラムのTWEEN(登録商標)80を溶解することにより水性相を調製した。96mlの水性相を別のガラスボトルに移し、30分間、摂氏65度に加熱した。温かい油相を温かい水性相に添加することにより、油相を96mlの水性相と混合した。混合物を、VWR 200ホモジナイザー(VWR International)を使用して乳化し、得られた粗エマルジョンを、動的光散乱(Malvern Zetasizer Nano S)によって測定されるz平均流体力学直径が、0.1~0.3の多分散指数(PDI)で、40~80nmに達するまで、30,000psiで、F12Y 75μmのダイヤモンド相互作用チャンバーおよび補助的なH30Z-200μmのセラミック相互作用チャンバーを備えたM110Pマイクロフルイダイザー(Microfluidics)を通過させることによって処理した。無機コア製剤を有さない、マイクロフルイダイズされたNP-30を、最後に、200nm細孔サイズのポリエーテルスルホン(PES)フィルターで濾過し、摂氏2~8度で貯蔵した。DOTAPおよびスクアレン濃度を、RP-HPLCにより測定した。
【0150】
安定性。NP-1によるナノ粒子を指示温度の安定性チャンバーに入れた。動的光散乱を使用する粒径測定により安定性を決定した。結果は、NP-1製剤が、摂氏4、25および42度で貯蔵されたときに安定したコロイドを形成したことを示す。時間測定を4週間にわたって行った。ナノ粒子サイズの範囲は、直径約50~100nmであり、摂氏4および25度条件については時間が経つにつれて直径40~60nmに、より近くなった。
(実施例4)
追加のナノ粒子製剤
追加のナノ粒子製剤を、以下の表(表4および表5)に従って生成する。mRNAは、インフルエンザウイルス抗原またはVZVウイルス抗原をコードする配列(配列番号3~5、および38~43、47)を含む。
【表4】
【表5】
(実施例5)
自己複製mRNA構築物
T7プロモーターと、それに続くベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)株TC-83の5’および3’UTRならびに非構造遺伝子をコードするプラスミドを、標準的なDNA合成およびクローニング法を使用して生成した。VEEVレプリコンmRNA骨格を、配列番号34に示す。
(実施例6)
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)RNAワクチン組成物
【0151】
糖タンパク質E(gE)と糖タンパク質I(gI)のさまざまな組合せをコードする水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に対する自己複製(repRNA)ワクチンのために6つの構築物を設計した。下流gEの共発現を調整するためにThosea asignaウイルス2A(T2A)リボソームスキッピングペプチドまたは内部リボソーム進入部位(IRES)のどちらかを含むように、VZV gIを設計した。それぞれの自己複製RNA構築物を表6に要約し、図7Aに示す。
【表6】
【0152】
送達媒体としてリポフェクタミン2000を使用して、4マイクログラム(μg)のそれぞれの対応するRNAをベビーハムスター腎臓上皮細胞(BHK)にトランスフェクトした。細胞溶解物および細胞上清をウェスタンブロットによって試験し、1:2000希釈の抗VZV-gE抗体を用いて探索した(図7B)。分泌型gE、VZV-FL-gE、およびVZV-N末端trunc gEをトランスフェクトしたBHKからの上清は、抗VZV-gE抗体を発現した。
【0153】
6週齢雌C57BL/6マウス(群当たりn=5匹のマウス)を、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原をコードする10μgのrepRNAを後肢に筋肉内投与することにより免疫した(表6、図7A)。ワクチン接種の14日後に血清を採取した。加えて、膜貫通配列を有さないgEをコードする、したがって可溶性gEのみということになる、repRNAを含有する陽性対照で、マウスを免疫化した。ワクチン接種後に可溶性VZV gEに対する血清抗体力価をELISAによって測定した(図7C)。N末端短縮型であるgE(VZV-N末端trunc gE)をコードするRNAで処置したマウスは、対照マウスまたは全長gEで免疫したものと比較して抗体力価の上昇を生じさせた。
配列
【0154】
以下の配列(配列番号38~43)は、次のようにベクター骨格および抗原オープンリーディングフレームを示すように書式設定されている:小文字は、ベクター骨格配列を示し、大文字は、VZV抗原オープンリーディングフレームを示す。
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【化1-5】
【化1-6】
【化1-7】
【化1-8】
【化1-9】
【化1-10】
【化1-11】
【化1-12】
【化1-13】
【化1-14】
【化1-15】
【化1-16】
【化1-17】
【化1-18】
【化1-19】
【0155】
以下の配列(配列番号44~47)は、次のようにベクター骨格および抗原オープンリーディングフレームを示すように書式設定されている:小文字は、VEEVレプリコン骨格配列を示し、大文字は、抗原オープンリーディングフレームを示す。
【化2-1】
【化2-2】
【化2-3】
【化2-4】
【化2-5】
【化2-6】
【化2-7】
【化2-8】
【化2-9】
【化2-10】
【化2-11】
【化2-12】
【0156】
本開示の好ましい実施形態を本明細書で示し、説明したが、このような実施形態を単なる例として提供することは当業者には明らかであろう。本開示から逸脱することなく、非常に多くの変形形態、変更形態および置換形態が、今や当業者の心に浮かぶことであろう。本明細書に記載する本開示の実施形態のさまざまな代替形態を、本開示の実施の際に利用することができることは、理解されるはずである。下記の請求項により本開示の範囲が定義されること、およびこれらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物がそれによってカバーされることを意図している。
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
【配列表】
2024535353000001.app
【国際調査報告】