(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】グリッドフレームワーク構造
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240920BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/00 511Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518400
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2022076075
(87)【国際公開番号】W WO2023046669
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクラーニー、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】メウス、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ダーラム、リチャード
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM55
(57)【要約】
1つまたは複数のコンテナを移動させるように動作可能な積荷取扱デバイス(30)を支持するためのグリッドフレームワーク構造(14)であって、前記グリッドフレームワーク構造(14)が、複数の直立部材(16)を備え、複数の直立部材は、1つまたは複数のコンテナ(10)が垂直方向に直立部材によって案内されるための複数の垂直場所を形成するように配置され、ここにおいて、複数の直立部材が、その上端部にノードを画定するように、グリッドパターンに配置された複数のグリッド部材(18、20)によって相互接続され、グリッド部材は、第1の方向に延びるグリッド部材(18)の第1のセットと第2の方向に延びるグリッド部材(20)の第2のセットとを備え、グリッド部材の第2のセットは、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造(14b)を形成するために、実質的に水平の平面内でグリッド部材の第1のセットに対して横断方向に通っており、グリッド構造(14b)は、複数のグリッド部材上に位置決めされた軌道システムを備え、軌道システムは、グリッドパターンに配置された複数の軌道(22a、22b)を備え、グリッド構造(14b)は、第1の領域(80)と第2の領域(82)とを備え、ここにおいて、グリッドフレームワーク構造(14)が、グリッド構造の第1の領域とグリッド構造の第2の領域との間の1つまたは複数の接続部として配置されたブリッジングジョイントアセンブリ(88)をさらに備え、前記ブリッジングジョイントアセンブリ(88)は、所定の負荷以上の印加された負荷の下で壊れるように配置された少なくとも1つの機械的ヒューズ(90)を備え、前記所定の負荷は、印加された負荷が所定の負荷を超えたときに、グリッド構造の第1の領域がグリッド構造の第2の領域から分離することを可能にするように複数の直立部材とグリッド構造の複数のグリッド部材との間の相互接続を壊すための負荷より低い、グリッドフレームワーク構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のコンテナを移動させるように動作可能な積荷取扱デバイスを支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造が、
複数の直立部材を備え、前記複数の直立部材は、1つまたは複数のコンテナが垂直方向に前記直立部材によって案内されるための複数の垂直場所を形成するように配置され、
ここにおいて、前記複数の直立部材が、その上端部にノードを画定するように、グリッドパターンに配置された複数のグリッド部材によって相互接続され、前記グリッド部材は、第1の方向に延びるグリッド部材の第1のセットと第2の方向に延びるグリッド部材の第2のセットとを備え、グリッド部材の前記第2のセットは、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するために、実質的に水平の平面内でグリッド部材の前記第1のセットに対して横断方向に通っており、
前記グリッド構造は、前記複数のグリッド部材上に位置決めされた軌道システムを備え、前記軌道システムは、前記グリッドパターンに配置された複数の軌道を備え、
前記グリッド構造は、第1の領域と第2の領域とを備え、
ここにおいて、前記グリッドフレームワーク構造が、前記グリッド構造の前記第1の領域と前記グリッド構造の前記第2の領域との間の1つまたは複数の接続部として配置されたブリッジングジョイントアセンブリをさらに備え、前記ブリッジングジョイントアセンブリは、所定の負荷以上の印加された負荷の下で壊れるように配置された少なくとも1つの機械的ヒューズを備え、前記所定の負荷は、前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに、前記グリッド構造の前記第1の領域が前記グリッド構造の前記第2の領域から分離することを可能にするように前記複数の直立部材と前記グリッド構造の前記複数のグリッド部材との間の前記相互接続を壊すための負荷より低い、グリッドフレームワーク構造。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機械的ヒューズが、前記第1の方向または前記第2の方向に平行な方向の前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに壊れるように構成された少なくとも1つのせん断ピンを備える、請求項1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項3】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記グリッド構造内の隣接するグリッド部材の端部を接続するように構成される、請求項1または2に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項4】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、複数の締結具によって隣接するグリッド部材の前記端部を接続するように配置された少なくとも1つのブラケットを備え、前記複数の締結具の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの機械的ヒューズ上の前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに、前記ブラケットが前記隣接するグリッド部材の少なくとも1つの端部から分離するように配置されるような前記少なくとも1つの機械的ヒューズを備える、請求項3に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項5】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記少なくとも1つのブラケットおよび前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部が互いに対して摺動することを可能にするために、前記少なくとも1つのブラケットが前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部に重複するように配置された接合エリア内で前記ブラケット内および/または前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部内のスロットと共働するように配置された少なくとも1つの摺動軸受を備える、請求項4に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項6】
前記少なくとも1つのブラケットが、前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部の対向する側に配置された第1および第2のブラケットを備える、請求項4または5に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項7】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記複数の直立部材の少なくとも1つを前記複数のグリッド部材の少なくとも1つに接続するように配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項8】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、キャッププレートを備え、前記キャッププレートは、前記グリッド構造内の別個のグリッド部材に接続するための4つの接続部分を有して十字形状にされており、前記4つの接続部分の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの機械的ヒューズによってグリッド部材に接続される、請求項7に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項9】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、第1の軌道要素と第2の軌道要素とを備える伸縮ジョイントをさらに備え、ブリッジング部材は、前記第1および第2の軌道要素の端部にわたって前記第1または第2の方向に長手方向に延びる連続的な軌道表面を提供するように、前記第1および第2の軌道要素の前記端部にわたって延びる、請求項1から8のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項10】
前記ブリッジング部材が、前記第1の軌道要素に取り付けられた第1の端部と、前記第2の軌道要素に対して移動可能な第2の端部とを有する、請求項9に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項11】
前記ブリッジング部材の前記第2の端部が、前記第2の軌道要素内の対応する形状の凹部内に受け入れられるように構成される、請求項10に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項12】
前記ブリッジング部材の前記第2の端部が、前記第2の軌道要素に重複するように配置される、請求項10または11に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項13】
前記ブリッジング部材が、前記第2の軌道要素内の溝に沿って摺動するように制限されたガイド部材をさらに備える、請求項9から12のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項14】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記第1および第2の軌道要素の前記端部間の接合エリア内で前記ブリッジング部材を支持するように配置された支持体をさらに備える、請求項9から13のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項15】
前記グリッド構造の前記第1の領域が、中2階レベル上に配置される、請求項1から14のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項16】
前記グリッド構造の前記第1の領域が、前記グリッドフレームワーク構造からおよび/または前記グリッドフレームワーク構造内に保管コンテナが通り抜けて移送され得る1つまたは複数のポートを備える、請求項1から15のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項17】
前記複数の直立部材の少なくとも一部が、1つまたは複数の保管コンテナが前記複数の直立部材の前記少なくとも一部分間に積み重ねられるための複数の垂直保管カラムを形成するように配置される、請求項1から16のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項18】
前記グリッド構造の前記第2の領域が、前記複数の垂直保管カラムを形成する前記複数の直立部材の前記少なくとも一部の上方に配置される、請求項17に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項19】
前記複数の直立部材が、直立部材の第1および第2のセットを備え、前記複数の直立部材の前記少なくとも一部は、前記グリッド構造の前記第1の領域が直立部材の前記第1のセットの上方に配置されるように、直立部材の前記第2のセットを画定する、請求項17または18に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項20】
直立部材の前記第1のセットの長さが、直立部材の前記第2のセットとは異なる、請求項19に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項21】
前記複数のグリッド部材が、前記グリッド構造の前記第1の領域を画定するように前記グリッドパターンで配置された複数の第1のタイプのグリッド部材と、前記グリッド構造の前記第2の領域を画定するように前記グリッドパターンで配置された複数の第2のタイプのグリッド部材とを備え、前記第1のタイプのグリッド部材は、前記第2のタイプのグリッド部材とは異なる、請求項1から20のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項22】
前記複数の第2のタイプのグリッド部材の各グリッド部材が、前記複数の第1のタイプのグリッド部材の各グリッド部材より大きい曲げ強さを有する、請求項21に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項23】
保管および取り出しシステムであって、
i)請求項1から22のいずれかに記載のグリッドフレームワーク構造と、
ii)グリッドの下方に位置付けられた保管カラム内に配置されたコンテナの複数のスタックと、ここにおいて、各保管カラムが、グリッドセルの下方に垂直方向に位置付けられる、
iii)前記スタック内に積み重ねられたコンテナを持ち上げ、移動させるための複数の積荷取扱デバイスと、前記複数の積荷取扱デバイスが、前記グリッドセルを通って前記コンテナにアクセスするために前記保管カラムの上方の前記グリッド上で横方向に移動するように遠隔で操作され、前記複数の積荷取扱デバイスの各々が、
a)前記グリッド上で前記積荷取扱デバイスを案内するための車輪アセンブリと、
b)前記グリッドの上方に位置付けられたコンテナ受け入れスペースと、
c)スタックからの単一のコンテナを前記コンテナ受け入れスペース内に持ち上げるように配置された持ち上げデバイスとを備える、
を備える、保管および取り出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッドフレームワーク構造内に積み重ねられる保管コンテナまたはビンを取り扱うための、グリッドフレームワーク構造上に位置付けられた軌道上にある遠隔で操作される積荷取扱デバイスの分野に関し、より詳細には、遠隔で操作される積荷取扱デバイスを支持するためのグリッドフレームワーク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
保管コンテナ/ビンがその内部で互いの上に積み重ねられる3次元保管グリッドフレームワーク構造を備える保管および取り出しシステム1が、よく知られている。PCT公報の国際公開第2015/185628A号(Ocado)は、ビンまたはコンテナのスタックがグリッドフレームワーク構造内に配置される、知られている保管およびフルフィルメントシステムについて説明している。ビンまたはコンテナは、グリッドフレームワーク構造の上部に位置付けられた軌道上で遠隔で動作可能な積荷取扱デバイスによってアクセスされる。このタイプのシステムは、添付の図の
図1~
図3に概略的に示される。
【0003】
図1および
図2に示されるように、ビンまたはコンテナ10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように互いの上部に積み重ねられる。スタック12は、倉庫業務環境または製造環境においてグリッドフレームワーク構造14内に配置される。グリッドフレームワークは、複数の保管カラムまたはグリッドカラムから構成される。グリッドフレームワーク構造内の各グリッドは、コンテナのスタックの保管のための少なくとも1つのグリッドカラムを有する。
図1はグリッドフレームワーク構造14の概略斜視図であり、
図2は、フレームワーク構造14内に配置されたビン10のスタック12を示す上から見た図である。各ビン10は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、ビン10内の製品アイテムは、用途に応じて、同一であってもよくまたは異なる製品タイプのものであってもよい。
【0004】
グリッドフレームワーク構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材または直立カラム16を備える。複数の直立部材の各々は、中空中心セクションと4つのコーナセクションとを備える断面プロファイルを有し、4つのコーナセクションの各々は、保管コンテナが直立部材に沿って案内されるときに保管コンテナのコーナと共働する、直立部材の長手方向長さに沿って延びる2つの垂直案内プレートを備える。中空中心セクションは、好ましくは箱セクションである。
【0005】
複数の直立部材は、その上端部において、第1の方向に延びる平行なグリッド部材18の第1のセットおよび第2の方向に延びるグリッド部材20の第2のセットによって相互接続される。平行な水平グリッド部材18の第1のセットは、複数のグリッドセル15を備える、直立部材16によって支持される水平平面内に位置するグリッド構造またはグリッド14bを形成するために、平行な水平グリッド部材20の第2のセットに垂直に配置される。本発明の説明の目的のために、グリッド部材がグリッド構造内で交わるか、または交差する交差部は、グリッド構造のノードを構成する。典型的には、接続プレートが、交差部においてグリッド部材を直立部材にリンクまたは接合するために使用され得る。たとえば、接続プレートは、グリッド構造内で隣接するグリッド部材の端部に接続するための4つの接続部分を有して十字形状にされる。しかし、キャッププレートを使用する以外にも、グリッド構造内で複数の直立部材に複数のグリッド部材を相互接続するための他の手段が存在する。国際公開第2018146304号(Autostore Tech AS)は、平行なレールの第1のセットと平行なレールの第2のセットとを備える、保管システム内の車輪付き車両のためのレール配置を教示している。平行なレールの第1および第2のセットは、グリッドを形成し、ここでは第2のセットは、第1のセットに垂直に配置され、第1のセットと交差し、したがって平行なレールのグリッドを形成する。レールは、二重軌道を画定する、外側リッジおよび中央リッジを有する複数の細長い要素を備え、細長い要素は、中間のリッジ無しセクションをさらに備えており、XおよびY方向の交差要素が、そのそれぞれのリッジ無しセクションにおいて重複するように配置され、したがってリッジ無しの交差路を画定している。
【0006】
直立部材16およびグリッド部材18、20は、典型的には金属から製造され、典型的には互いに溶接もしくはボルト留めされるか、またはその両方の組み合わせである。ビン10は、グリッドフレームワーク構造14がビン10のスタック12の水平移動を防ぎ、ビン10の垂直移動を案内するように、グリッドフレームワーク構造14の部材16、18、20間に積み重ねられる。
【0007】
グリッドフレームワーク構造14の上部レベルは、スタック12の上部にわたってグリッドパターンで配置されたレールまたは軌道22を備える軌道システムを備える。レールまたは軌道は、グリッド部材内に一体化されることが可能であり、または代替的には、軌道システムは、複数のグリッド部材に対する別個の部分として形成されることが可能であり、この場合、グリッド部材は、軌道システムを支持するように機能する。追加的に
図3を参照すれば、レール22は、保管および取り出しシステム1を形成するために、複数の積荷取扱デバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aは、グリッドフレームワーク構造14の上部にわたって第1の方向(たとえばX方向)のロボット式積荷取扱デバイス30の移動を案内し、第1のセット22aに垂直に配置された平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に垂直である第2の方向(たとえば、Y方向)の積荷取扱デバイス30の移動を案内する。このようにして、レール22は、積荷取扱デバイス30がスタック12の任意のものの上方の適所に移動され得るように、水平X-Y平面における二次元の横方向のロボット式積荷取扱デバイス30の移動を可能にする。
【0008】
レールまたは軌道は、典型的には、グリッド構造上で積荷取扱デバイスを案内するように輪郭付けされた細長い要素を備え、典型的には、単一の積荷取扱デバイスが軌道上で進行することを可能にするように単一の軌道表面を、または2つの積荷取扱デバイスが同じ軌道上で互いに通過することを可能にするように二重軌道表面を提供するように輪郭付けされる。細長い要素が単一の軌道を提供するように輪郭付けされる場合では、軌道は、軌道上で各車輪を案内する、またはその横方向移動を制限するために、軌道の長さに沿って対向するリップ(1つのリップは軌道の一方側にあり、別のリップは軌道の他方側にある)を備える。細長い要素の輪郭が二重軌道の場合では、軌道は、隣接する積荷取扱デバイスの車輪が同じ軌道上で両方向に互いに通過することを可能にするために、軌道の長さに沿ってリップの2つの対を備える。リップの2つの対を提供するために、軌道は、典型的には、中央のリッジまたはリップと、中央リッジの両側のリップとを備える。すべての場合において、積荷取扱デバイスの車輪は、グリッド構造上を横断するとき、積荷取扱デバイスの車輪の両側または両面において拘束される。積荷取扱デバイスの車輪が脱輪することを防止するために、グリッド構造内の隣接する軌道要素間の公差は非常に小さい。温度差が軌道を伸長および収縮させ、その結果レール内に座屈または緊張を生じさせ得ることによる軌道の移動に対応するために、1つまたは複数の熱伸縮ジョイントが、軌道の領域の移動の結果による何らかの緩和を提供するように軌道システムの領域を接続するために、軌道システム内に組み込まれる。
【0009】
国際公開第20200774257号(Autostore Technology AS)は、レールベースのグリッド保管システムの領域を接続するための伸縮ジョイントに関し、伸縮ジョイントは、第1のレール要素と第2のレール要素とを備え、レール要素は、細長く、これらが重複する接合エリア内で長手方向に互いに対して摺動するように構成され、伸縮ジョイントは、コンテナ取扱車両を支持するための1つまたは複数の軌道を画定する輪郭付けされた上側表面を有し、軌道は、第1のレール要素から接合エリアを通って第2のレール要素まで延び、接合エリア内では、各レール要素は、輪郭付けられた上側表面のその軌道または各軌道の一部を提供し、それにより、その軌道または各軌道の第1のレール要素から第2のレール要素まで伸縮ジョイントに沿って延びる移行部が、存在するようになる。
【0010】
図4および
図5に示される、知られている積荷取扱デバイス30は、参照によって本明細書に組み込まれる、PCT特許公報の国際公開第2015/019055(Ocado)号に記載されている車両本体32を備え、ここでは、各積荷取扱デバイス30は、グリッドフレームワーク構造14の1つのグリッドスペースのみをカバーする。ここで、積荷取扱デバイス30は、第1の方向におけるデバイスの移動を案内するためにレールまたは軌道の第1のセットと係合するための車両本体32の前面の車輪の対および車両本体32の後面の車輪の対34からなる車輪の第1のセット34と、第2の方向におけるデバイスの移動を案内するためにレールまたは軌道の第2のセットと係合するための車両32の各側の車輪36の対からなる車輪の第2のセット36とを備える車輪アセンブリを備える。車輪のセットの各々は、レールに沿ったそれぞれX方向およびY方向の車両の移動を可能にするように駆動される。車輪の一方または両方のセットは、それぞれのレールから離れて車輪の各セットを持ち上げるために垂直に移動可能であり、それによって、車両が所望の方向に移動することを可能にする。
【0011】
積荷取扱デバイス30は、上方から保管コンテナを持ち上げるために持ち上げデバイスまたはクレーン機構を装備する。クレーン機構は、スプールまたはリール(図示せず)に巻き付けられたウィンチテザーまたはケーブル38と、把持器デバイス39とを備える。持ち上げデバイスは、保管コンテナ10との解放可能な接続のための把持器デバイス(把持器デバイスの4つのコーナの各々の近くの1つのテザー)として別の形で知られている、垂直方向に延び、持ち上げフレーム39の4つのコーナの近くでまたはそこで接続される、持ち上げテザー38のセットを備える。把持器デバイス39は、
図1および
図2に示されるタイプの保管システム内のコンテナのスタックから保管コンテナを持ち上げるために、保管コンテナ10の上部を解放可能に把持するように構成される。
【0012】
車輪34、36は、下側部分内の、コンテナ受け入れスペース40として知られている、空洞または凹部の周囲のまわりに配置される。凹部は、
図5(aおよびb)に示されるように、コンテナ10がクレーン機構によって持ち上げられるとき、このコンテナを収容するようにサイズ設定される。凹部内にあるとき、コンテナは、車両が異なる場所に横方向に移動することができるように、下にあるレールから離れて持ち上げられる。目的場所、たとえば別のスタック、保管システム内のアクセスポイント、またはコンベヤベルトに到達すると、ビンまたはコンテナは、コンテナ受け入れ部分から下降され、把持器デバイスから解放されることが可能である。コンテナ受け入れスペースは、車両本体32内に位置付けられたコンテナ受け入れスペース40に限定されない。コンテナ受け入れスペースは、カンチレバーの下方に設置されることが可能であり、この場合、積荷取扱デバイスの車両本体は、国際公開第2019/238702(Autostore Technology AS)に説明されているカンチレバー構造を有する。本発明の目的のために、用語「車両本体」は、把持器デバイスがカンチレバーの下方に位置付けられるように、カンチレバーを任意選択により覆うと解釈される。
【0013】
保管コンテナの内容物にアクセスするために、グリッドカラムの大部分は、保管カラム、すなわち、保管コンテナがスタック内に保管されるグリッドカラムである。しかし、グリッド構造は、通常、保管コンテナを保管するために使用されない少なくとも1つのグリッドカラムを有するが、このグリッドカラムは、保管コンテナがグリッドの外側からアクセスされ得るか、またはグリッド内外に移送され得る第2の場所(従来技術の図では図示せず)まで保管コンテナが輸送され得るように、積荷取扱デバイスが保管コンテナをドロップオフおよび/またはピックアップすることができる場所またはグリッドセル15を備える。当技術分野では、そのような場所またはグリッドセルは、通常、「ポート」と称され、ポートが位置付けられるグリッドカラムは、「配送カラム」と称されてもよい。保管グリッドは、2つの配送カラムを備える。第1の配送カラムは、たとえば、専用のドロップオフポートを備えてもよく、ここでは、コンテナ取扱車両は、配送カラムを通ってさらにアクセスステーションまたは移送ステーションまで輸送される保管コンテナをドロップオフすることができ、第2の配送カラムは、専用のピックアップポートを備えてもよく、ここでは、コンテナ取扱デバイスは、アクセスまたは移送ステーションから配送カラムを通って輸送された保管コンテナをピックアップすることができる。保管コンテナは、アクセスステーション内に送られ、第1の配送カラムおよび第2の配送カラムそれぞれを介してアクセスステーションを退出する。
【0014】
顧客の注文を受注すると、軌道上で移動するように動作可能な積荷取扱デバイスは、グリッドフレームワーク構造内のスタックから、その注文のアイテムを含む保管ビンをピックアップし、その保管ビンを配送カラムを介してピックステーションまで輸送するように命令され、その後アイテムは、保管ビンから取り出され得る。典型的には、積荷取扱デバイスは、グリッドフレームワーク構造内に一体化されたビン持ち上げデバイスまで保管ビンまたはコンテナを輸送する。ビン持ち上げデバイスの機構は、保管ビンまたはコンテナをピックステーションまで下降させる。ピックステーションでは、アイテムは、保管ビンから取り出される。ピッキングは、手動で、または英国特許第2524383号(Ocado Innovation Limited)に教示されるようにロボットによって行われ得る。保管ビンからの取り出し後、保管ビンは第2のビン持ち上げデバイスまで輸送され、その後、保管ビンは、積荷取扱デバイスによって取り出されるためにピックアップポートに至るグリッドレベルまで持ち上げられ、グリッドフレームワーク構造内のその場所まで輸送されて戻される。
【0015】
積荷取扱デバイスが保管コンテナをピックアップステーションにドロップオフする、またはピックステーションからピックアップするために、別個のエリアが、アクセスステーションを収容するために保管カラムに隣接して設けられる。典型的には、別個のエリアは、隣接するグリッドフレームワーク構造の中でも垂直ビームによって支持される中2階を組み込むことによって設けられる。中2階は、1つまたは複数のピックステーションを収容するための別個のエリアを提供する。典型的には、別個のエリアは、グリッドフレームワーク構造がその両側にあるトンネルである。隣接するグリッドフレームワーク構造からのグリッド構造は、グリッド構造が実質的に水平の平面内に位置付けられるように、中2階の両側でグリッド構造に接続するために中2階の上部にわたって延びる。1つまたは複数の配送および/またはピックアップポートは、グリッド構造上で動作可能な積荷取扱デバイスが保管コンテナをドロップオフし、下方のピックステーションからピックアップすることができるように、中2階にわたって延びるグリッド構造の1つまたは複数のグリッドセルに割り当てられる。グリッド構造が中2階にわたって延びた結果、中2階の上部のグリッド構造は、中2階の両側のグリッドフレームワーク構造より浅くなる傾向があり、すなわち、スタック内にコンテナの1つまたは2つの層しか収容できない。中2階は、別個の垂直ビームによって支持される。中2階を支持する垂直ビームは、中2階の両側でグリッドフレームワーク構造と当接する。1つまたは複数のピックステーションに加えて、中2階によって作りだされた別個のエリアは、それだけに限定されないが、グリッド上の積荷取扱デバイスに給電する再充電可能なバッテリに充電するための充電ステーション、積荷取扱デバイスの日常的なメンテナンスを実施するためのサービスステーションを含む、さまざまな他のステーションを収容することができる。そのようなステーションは手動による労力を必要とするため、1人または複数人の作業者が中2階の下方にいる傾向がある。これらの作業者は、それだけに限定されないが、ピックステーションにおけるピッキング作業者、作業ステーションにおけるサービス作業者などを含む。
【0016】
グリッドフレームワーク構造は、さまざまな外部および内部の力を受ける。これらは、それだけに限定されないが、地盤または土壌タイプの組成に起因し得る地盤移動、100kgを超える重さになり得るグリッドフレームワーク構造上の積荷取扱デバイスの移動によって発生する力、近くの構造物もしくは列車などの移動する車両の結果による移動によって発生する力、または地震もしくは嵐の間に発生する力も含む。グリッドフレームワーク構造の安定性を確実にするために、従来技術の保管および取り出しシステムは、グリッド内にまたはグリッドの周囲に少なくとも部分的に沿って配置されたさまざまな支持体および筋交いに大きく依存している。しかし、内力および外力からグリッドフレームワーク構造を安定化させるためにさまざまな支持体および筋交い(移動防止ブレース)を使用することは、いくつかの理由により不利である。このグリッドフレームワーク構造は、コンテナの保管のために利用可能なスペースまたはエリアの最適な使用を妨げるという点において、コンテナを保管するためにグリッドによって利用され得るスペースまたはエリアを占有する。いずれの補助グリッド支持構造もしばしば、建物の内壁などの周囲構造への接続を必要とし、コスト効率が悪い支持構造の要件を必要とするため、支持構造の必要性は、グリッドフレームワーク構造の位置決めのための利用可能な選択肢を限定し得る。
【0017】
国際公開第2019/101367号(Autostore Technology AS)は、配置された自動保管システムの保管グリッド構造内への一体化のためのグリッド支持構造を教示している。グリッド支持構造は、複数の垂直方向に傾斜した支持支柱によって相互接続された4つの保管カラムで構成される。保管カラム輪郭は、中空中心セクションと4つのコーナセクションとを備える断面を有し、各コーナセクションは、保管ビンのコーナを収容するための2つの垂直なビン案内プレートを備える。支持支柱は、コンテナまたは保管ビンのスタックを収容するための保管カラムの能力を損なわないように、支持支柱が2つの平行な案内プレート間に収まることを可能にする幅を有する。
【0018】
熱伸縮の結果、軌道システムに緩和を提供するために、グリッドフレームワーク構造内の何らかの移動が許容可能であると考えられているが、グリッドフレームワーク構造の過剰な移動は、グリッドフレームワーク構造を一緒に保持する構造的締結具を損なうことがあるため、許容可能であると考えられていない。
【0019】
世界の人口の多くは、地震断層線に沿って、またはハリケーンおよび竜巻などの強力な嵐の通り道に住んでいる。そのようなエリア内にグリッドフレーム構造を位置付けることは、現在のグリッドフレームワーク構造がグリッド構造を一緒に保持しないことがあるため、地震および嵐の事象からの構造的損傷の危険を招く。強力な地震および嵐の事象の結果、たとえば、構造的締結具がグリッドを直立部材にしっかりと取り付けられた状態に保つことができない結果、グリッドフレームワーク構造の構造的完全性に不具合が生じることがある。地震は、地震の激しさに応じてタイプA、B、C、またはDとしてラベル付けされた4つのカテゴリにラベル付け可能であり、タイプAは、最も強力でない地震と考えられ、タイプDは、最も強力な地震と考えられる。タイプA~Dは、そのスペクトル加速度によって等級付け可能であり、このスペクトル加速度は、地表面より上方の物体が地震の間に受ける、gで測定された最大加速度である。タイプDは、最も強力な地震事象を表すと考えられ、典型的には、0.5g~1.83gの範囲内の測定されたスペクトル加速度を有し(短期間スペクトル応答加速度SDS、https://www.fegstructural.com/seismic-design-category-101/を参照)、建物のほとんどの不具合の原因である。強力な地震事象が構造体に作用すると、3次元の動的な力が、グリッドフレームワーク構造を一緒に保持している構造的締結具を損ない、それによって構造的締結具が埋め込まれている部材から構造的締結具が緩まるもしくは外れるか、または構造的締結具が所定場所に残っている場合には、締結具は、構造的構成要素を突き抜けることがある。
【0020】
地震事象の結果による地盤移動中、グリッドフレームワーク構造は、振動する傾向がある。グリッドフレームワーク構造の振動は、横断方向波および長手方向波によって説明され得る。長手方向波は、グリッドフレームワーク構造の変位が地盤移動と同じ方向にある波であり、横断方向波振動は、地盤移動に垂直である。いずれの場合も、グリッドフレームワーク構造の振動の振幅は、地盤移動の程度に非常に大きく依存しており、地盤移動は、さらに、地震のカテゴリに依存している。カテゴリDタイプの地震の場合、振動の振幅は、カテゴリAタイプの地震よりもかなり大きい。グリッドフレームワーク構造の直立部材はその上側端部において、第1および第2の方向に延びる複数のグリッド部材によって相互接続されているため、グリッドフレームワーク構造の移動が、グリッド部材が垂直直立部材において交わるか、または交差するジョイントにおいて集中した結果、曲げモーメントが発生し得る。熱伸縮のジョイントは、積荷取扱デバイスの脱輪を回避するために軌道システムの移動の何らかの緩和を提供するが、これは、軌道システムの移動が、相互接合部における構造的締結具を緩めるか、最悪の場合のシナリオでは分断するほど過剰な場合、すなわち地震事象中は、そうとは言えない。グリッド部材を一緒に相互接続する構造的締結具が、地盤移動の結果曲げモーメントを受けるだけでなく、グリッド部材を一緒に接続する他の構造的締結具および/または直立部材を支持する筋交い部材もまた、過剰な力を受ける。相互接続部において受ける力は、グリッドフレームワーク構造の振動の振幅の結果、グリッドフレームワーク構造が高くなるほど激化する。
【0021】
個々のコンテナは、垂直層内で積み重ねられてもよく、グリッドフレームワーク構造または「ミツバチの巣箱」内のそれらの場所は、積荷取扱デバイスまたはコンテナの位置およびコンテナの深さを表すために三次元の座標系を使用して表示されてもよい(たとえば、(X、Y、Z)、深さWにあるコンテナ)。同様に、グリッドフレームワーク構造内の場所は、積荷取扱デバイスまたはコンテナの位置およびコンテナの深さを表すために二次元で表示されてもよい(たとえば、(X、Y)、深さWにあるコンテナ)。たとえば、Z=1は、グリッドの最上部層、すなわちレールシステムのすぐ下方の層を特定し、Z=2は、レールシステムから2番目に下方の層であり、グリッドの最下部の底部層まで同じように続く。深さZは、21レベルと同じ高さであることができ、典型的な保管コンテナの高さが30~40cm高さになり得ると考えると、グリッドフレームワーク構造の振動の振幅は、地震事象中、極めて激しくなり得る。
【0022】
地盤に固定されたグリッドフレームワーク構造の振動が振り子の振動に等しいとする大まかな例を考えると、地盤移動中の垂直方向からのグリッドフレームワーク構造の変位、sは、次の式によって与えられ得る。
【0023】
【0024】
式中、Lは、グリッドフレームワーク構造の有効高さであり、θはグリッドフレームワーク構造が垂直方向に対して作る角度である。θがラジアンで表されるとき、sは、グリッドフレームワーク構造の振動の振幅であると考えられる。したがって、式(1)によれば、グリッドフレームワーク構造の高さが高いほど、地盤移動中のグリッドフレームワーク構造の振動の振幅は大きい。地震事象によるグリッドフレームワーク構造の過剰な振動の結果、グリッド部材および/または直立部材を一緒に保持する構造的締結具は脆弱になることがあり、最悪の場合のシナリオでは、グリッドフレームワーク構造を倒壊させることがある。グリッド構造の下方、特に上記で論じられたように中2階レベルの下方で人々が働いていることを考えると、グリッドフレームワーク構造の倒壊は、中2階レベルの下方の人々の命を危険にさらすことになる。グリッドフレームワーク構造のエリアの分断に加えて、グリッドフレームワーク構造の振動はまた、直立部材間に積み重ねられた保管コンテナおよび/または保管コンテナの内容物が投げ出されやすくする。万が一グリッドフレームワークが分断するか、または最悪の場合のシナリオにおいて倒壊する場合に人々に対する負傷の危険性を軽減するために、グリッドフレームワーク構造の、特に人々がいるエリアを離すグリッドフレームワーク構造が、必要とされている。
【発明の概要】
【0025】
本出願人は、グリッド構造内のグリッド部材の相互接続部を壊すのに必要とされる負荷より小さい印加された負荷の下で壊れるように配置された少なくとも1つの機械的ヒューズを備えるブリッジングジョイントアセンブリによってグリッド構造の少なくとも一部を離すことにより、上記の問題を軽減した。好ましくは、少なくとも1つの機械的ヒューズは、グリッド構造の少なくとも一部分をグリッド構造の残りの部分から離すために、所定の負荷以上の印加された負荷の下で壊れるように配置される。所定の負荷は、グリッド構造内のグリッド部材の相互接続部を壊すのに必要とされる負荷より小さい負荷である。たとえば、直立部材とグリッド部材との間の接続部が、グリッド構造内のグリッド部材の相互接続部の例とすることができる。グリッド構造内のグリッド部材の相互接続部を壊す負荷より小さい印加された負荷の下で壊れる機械的ヒューズを備える、グリッド構造内のグリッド部材の接続部の1つまたは複数を有することにより、グリッド構造の選択された部分が印加された負荷の下で壊れることが可能になる。したがって、明確にするために、印加された負荷は、機械的ヒューズを壊すが、グリッド構造内のグリッド部材の相互接続部は壊さない負荷である。これは、グリッド構造の少なくとも一部が、人々がその下方で働いている中2階レベルの上方にある場合に特に有利である。グリッド構造の少なくとも一部分を離すことは、グリッド構造の残りの部分がグリッド構造のその少なくとも一部分上に致命的な衝撃を与えることを防止するのを助ける。換言すれば、グリッド構造の少なくとも一部分をグリッド構造の残りの部分から離すことは、グリッド構造の残りの部分内に生成された曲げモーメントが、グリッド構造のその少なくとも一部分を倒すことを防止し、それによってグリッド構造の少なくとも一部分、たとえば中2階レベルの下で働く人々の負傷を軽減するのを助ける。
【0026】
より詳細には、本発明は、1つまたは複数のコンテナを移動させるように動作可能な積荷取扱デバイスを支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワークが、
複数の直立部材を備え、この直立部材は、1つまたは複数のコンテナが垂直方向に直立部材によって案内されるための複数の垂直場所を形成するように配置され、
ここにおいて、複数の直立部材が、その上端部において、第1の方向に延びるグリッド部材の第1のセットと第2の方向に延びるグリッド部材の第2のセットとを備えるグリッドパターンに配置された複数のグリッド部材によって相互接続され、グリッド部材の第2のセットは、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するために、実質的に水平の平面内でグリッド部材の第1のセットに対して横断方向に通っており、
グリッド構造は、複数のグリッド部材上に位置決めされた軌道システムを備え、軌道システムは、グリッドパターンに配置された複数の軌道を備え、
グリッド構造は、第1の領域と第2の領域とを備え、
ここにおいて、グリッドフレームワーク構造が、グリッド構造の第1の領域とグリッド構造の第2の領域との間の1つまたは複数の接続部として配置されたブリッジングジョイントアセンブリをさらに備え、前記ブリッジングジョイントアセンブリは、所定の負荷以上の印加された負荷の下で壊れるように配置された少なくとも1つの機械的ヒューズを備え、前記所定の負荷は、印加された負荷が所定の負荷を超えたときに、グリッド構造の第1の領域がグリッド構造の第2の領域から分離することを可能にするように複数の直立部材とグリッド構造の複数の軌道部材との間の相互接続部を壊すための負荷より低い、グリッドフレームワーク構造を提供する。
【0027】
グリッド構造の少なくとも一部分は、グリッド構造の第1の領域を表すことができ、グリッド構造の残りの部分は、グリッド構造の第2の領域を表すことができる。グリッド構造の第1の領域は、グリッド構造が中2階レベルにわたって延びるように、中2階レベル上に配置され得る。任意選択により、グリッド構造の第1の領域は、グリッド構造のグリッドセルを介してグリッドフレームワーク構造からおよび/またはグリッドフレームワーク構造内に保管コンテナが通り抜けて移送され得る1つまたは複数のポートを備える。たとえば、配送ポートが中2階レベル上のグリッド構造の第1の領域内に配置されてもよく、それにより、グリッド構造上で動作可能なロボット式積荷取扱デバイスは、第2の領域からグリッド構造の第1の領域内に進行し、配送ポートを介して、グリッド構造の第1の領域を支持する中2階レベル下方のピックステーションまで保管コンテナを配送するようになり得る。1つまたは複数の保管コンテナをピックアップポートを介して中2階レベルの下方のピックステーションから取り出す場合は、この逆が当てはまる。
【0028】
任意選択により、少なくとも1つの機械的ヒューズは、第1および/または第2の方向に平行な方向の印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその所定の負荷に等しくなったときに壊れるように構成された少なくとも1つのせん断ピンを備える。たとえば、機械的ヒューズは、せん断負荷の下で壊れるように構成された少なくとも1つの破壊ゾーンを有するボルトを備えることができる。破壊ゾーンは、所定の負荷の下で壊れるボルトの低減された断面領域であり得る。せん断ピンの他の名称は、それだけに限定されないが、ブレイクアウェイボルトまたはヒューズボルトを含む。典型的には、地震事象の結果による地盤移動中、グリッドフレームワークの移動は、第1および/または第2の方向に沿った方向に沿うものである。地盤移動の結果としてグリッド構造内に生成された曲げモーメントは、第1および第2の方向に沿って延びるグリッド部材に沿って移送される。曲げモーメントが、機械的ヒューズを壊すように所定の閾値を超えるか、またはその閾値に等しくなったとき、グリッド構造の第1の領域は、グリッド構造の第2の領域から離されるようになる。上記で論じられたように、ロボット式積荷取扱デバイスの車輪アセンブリは、車両本体の前後の車輪の対と、車輪本体の各側の車輪の対とを備える。ロボット式積荷取扱デバイスがグリッド構造上で移動することを可能にするために、好ましくは、ブリッジングジョイントアセンブリは、グリッド構造の第1の領域とグリッド構造の第2の領域との間の2つまたはそれ以上の接続部として配置される。
【0029】
任意選択により、ブリッジングジョイントアセンブリは、グリッド構造内の隣接するグリッド部材の端部を接続するように構成される。隣接するグリッド部材の端部を一緒に接続する際にブリッジングジョイントアセンブリ内に機械的ヒューズを組み込む1つの例は、少なくとも1つのブラケットを複数の締結具によって隣接するグリッド部材の端部に接続することによるものであり、複数の締結具の少なくとも1つは、少なくとも1つの機械的ヒューズ上の印加された負荷が所定の負荷を超えるか、または所定の負荷に等しくなったときに、ブラケットが、隣接するグリッド部材の少なくとも1つの端部から分離するように配置されるような少なくとも1つの機械的ヒューズを備える。たとえば、ブラケットは、隣接するグリッド部材の端部にわたって重複する形で延びる、複数の締結具によって隣接するグリッド部材の端部に締結されたプレートであることができ、複数の締結具の1つまたは複数は、機械的ヒューズである。機械的ヒューズ上の印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったとき、機械的ヒューズは壊れ、ブラケットをグリッド部材の少なくとも1つの端部から分離させる。しかし、本発明のブリッジジョントアセンブリに機械的ヒューズを組み込むための他の手段が存在する。たとえば、1つまたは複数の締結具を機械的ヒューズとして制作する代わりに、少なくとも1つのグリッド部材自体が、隣接するグリッド部材の端部間を延びる機械的ヒューズとして制作されることが可能であり、この機械的ヒューズは、印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときに壊れるように構成される。
【0030】
地震事象の結果による地盤移動は、グリッドフレームワーク構造を移動させる横方向力を生成するが、グリッドフレームワーク構造を移動させる他の力も存在し、任意の形態の緩和無しでは、グリッド構造をゆがませるか、または座屈させる。たとえば、周囲温度またはグリッドフレームワーク構造が配置される建物もしくはエリア内の温度差もまた、グリッド構造および/または軌道システムの熱伸縮の結果、グリッド構造を、最終的には軌道システムをゆがませる可能性がある。温度差による軌道の伸長および収縮の結果、軌道内に座屈または過度の緊張が生じることがあり、場合によってはグリッド構造の構成要素のいずれかの移動を引き起こし、最悪の場合のシナリオでは、ロボット式積荷取扱デバイスを軌道システムから脱輪させる。グリッド構造および/または軌道システムの伸長および収縮は、温度の変動によるよくある出来事であり得、軌道システム上で動作可能な1つまたは複数のロボット式積荷取扱デバイスを脱輪させないようにグリッド部材の熱伸縮の結果によるグリッド構造の移動を軽減するために、何らかの種類の緩和がグリッド構造内に必要である。
【0031】
熱伸縮の結果によるグリッド構造の移動を可能にするために、好ましくはブリッジングジョイントアセンブリは、少なくとも1つのブラケットおよび/または隣接するグリッド部材の少なくとも1つの端部が互いに対して摺動することを可能にするために、少なくとも1つのブラケットが隣接するグリッド部材の少なくとも1つの端部に重複する接合エリア内でブラケットおよび/または隣接するグリッド部材の少なくとも1つの端部内のスロットと共働するように配置された少なくとも1つの摺動軸受を備える。熱伸縮の結果による移動と比較して、地震事象の結果による移動はより一層広範囲なものであり得る。摺動軸受は、熱伸縮の結果による移動に対応するためにグリッド構造に緩和を提供するが、万が一グリッド構造の移動がグリッドフレームワーク構造の崩壊を別の形で引き起こすほど過剰である場合、隣接するグリッド部材の端部を一緒に締結する機械的ヒューズは、グリッド構造の第1の領域を分離するために壊れることができる。
【0032】
隣接するグリッド部材の端部を接続するブラケットの代替として、またはこれに加えて、ブリッジングジョイントアセンブリは、複数のグリッド部材がグリッド構造内で交差するところで、すなわちグリッド構造のノードにおいて、複数の直立部材の少なくとも1つを複数のグリッド部材の少なくとも1つに接続するように配置され得る。たとえば、ブリッジングジョイントアセンブリは、キャッププレートを備えてもよく、前記キャッププレートは、グリッド構造内の別個のグリッド部材に接続するための4つの接続部分を有して十字形状にされており、4つの接続部分の少なくとも1つは、少なくとも1つの機械的ヒューズによってグリッド部材に接続される。印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったとき、機械的ヒューズが、キャッププレートに接続されたグリッド部材をキャッププレートから分離させた結果、グリッド部材が交差するグリッド構造のノードにある接続部の1つは壊れる。
【0033】
熱伸縮の結果による軌道の移動によるロボット式積荷取扱デバイスの脱輪を防止するために、好ましくは、ブリッジングジョイントアセンブリは、第1の軌道要素と第2の軌道要素とを備える熱伸縮ジョイントをさらに備え、ブリッジング部材は、第1および第2の軌道要素の端部にわたって第1または第2の方向に長手方向に延びる連続的な軌道表面を提供するように、第1および第2の軌道要素の端部にわたって延びる。熱伸縮ジョイントのブリッジング部材は、ロボット式積荷取扱デバイスの車輪がその重量を、熱伸縮ジョイントにわたって通過するときに軌道内で段差を受けることなく、または最少限の段差だけを受けて第1の軌道要素から第2の軌道要素まで移送するように、第1および第2の軌道要素にわたって配置される。好ましくは、ブリッジング部材は、第1の軌道要素に取り付けられた第1の端部と、第2の軌道要素に対して移動可能な第2の端部とを有する。
【0034】
第1および第2の軌道要素は、細長く、ブリッジング部材が第1および第2の軌道要素にわたって延びる接合領域内で長手方向に互いに対して移動するように構成される。
【0035】
任意選択により、ブリッジング部材の第2の端部は、連続的な軌道表面を提供するために、第2の軌道要素内の対応する形状の凹部内に受け入れられるように構成される。たとえば、ブリッジング部材は、軌道表面の上側輪郭の一部分を備え、対応する形状の受け入れ凹部は、軌道表面の上側輪郭の残りの部分を備え、それにより、ブリッジング部材の第2の端部が第2の軌道要素の対応する形状の受け入れ凹部内に受け入れられたときに、軌道表面の上側輪郭は、熱伸縮ジョイントにわたってロボット式積荷取扱デバイスが移動することを可能にするように完成される。軌道表面の上側輪郭は、上記で論じられたような単一軌道または二重軌道とすることができる。
【0036】
任意選択により、ブリッジング部材の第2の端部は、第2の軌道要素に重複するように配置される。任意選択により、ブリッジング部材は、第2の軌道要素内の溝に沿って枢動するように配置されたガイド部材をさらに備え、それにより、ブリッジング部材は、溝に沿って移動するように制限される。ガイド部材は、第1および第2の軌道要素が互いに対して移動するときに連続的な軌道表面を提供するために、ランナに沿って摺動するように配置された摺動軸受として機能することができる。当技術分野で知られている、第1の軌道要素から第2の軌道要素まで延びる連続的な軌道表面を提供するために第2の軌道要素に対して第1の軌道要素を移動させるための他の手段が、本発明において適用可能である。
【0037】
熱伸縮ジョイントは、軌道表面が、グリッド部材の伸長および/または収縮中に維持されることを確実にする。熱伸縮ジョイントはまた、地盤移動の結果によるグリッド構造の小さいゆがみに対応することができる。しかし、地盤移動が地震事象に特徴的な形で過剰になるとき、隣接するグリッド部材の端部または直立部材を接続する機械的ヒューズは壊れ、それによってグリッド構造の異なる領域を分離する。
【0038】
ブリッジング部材が第1および第2の軌道要素の端部にわたって延びるとき、ブリッジングジョイントアセンブリは、第1および第2の軌道要素の端部間に配置された支持体をさらに備え、前記支持体は、第1および第2の軌道要素の端部間の接合エリア内でブリッジング部材を支持するように配置される。支持体が無い場合、第1および第2の軌道要素の端部が分離する接合エリア内でブリッジングジョイントアセンブリにわたって進行するロボット式積荷取扱デバイスの重量下で、ブリッジング部材の少なくとも一部が撓む危険がある。換言すれば、第1および第2の軌道要素の端部が分離することにより、ギャップが作りだされ、このギャップは、連続的な軌道表面を提供するために、ギャップ上を延びるブリッジング部材によって渡される。
【0039】
好ましくは、複数の直立部材の少なくとも一部は、1つまたは複数の保管コンテナが複数の直立部材の少なくとも一部間に積み重ねられるための複数の垂直保管カラムを形成するように配置される。グリッドフレームワーク構造は、保管コンテナをグリッドフレームワーク構造内外に移動させるための第1の領域と、1つまたは複数の保管コンテナが直立部材間に積み重ねられ、直立部材によって案内される複数の垂直保管カラム内での保管コンテナの保管のための第2の領域とに分割され得る。グリッドフレームワーク構造の第1の領域は、その大部分が、フレームワーク構造からおよび/またはフレームワーク構造内に保管コンテナがそこを通って移送され得る1つまたは複数のポートを備える。好ましくは、グリッド構造の第2の領域は、複数の垂直保管カラムを形成する複数の直立部材の少なくとも一部の上方に配置される。
【0040】
好ましくは、複数の直立部材は、直立部材の第1および第2のセットを備え、複数の直立部材の少なくとも一部は、グリッド構造の第1の領域が直立部材の第1のセットの上方に配置されるように直立部材の第2のセットを画定する。任意選択により、直立部材の第1のセットの長さは、直立部材の第2のセットとは異なる。直立部材の第2のセットが、垂直保管カラム内に保管コンテナの1つまたは複数のスタックを保管するために配置されるとき、直立部材の第1のセットは、グリッドフレームワーク構造内におよび/またはグリッドフレームワーク構造から保管コンテナを案内するために主に使用されるため、直立部材の第2のセットよりかなり短くなり得る。
【0041】
直立部材の第2のセットは、複数の垂直保管カラムを形成するように配置されているため、グリッドフレームワーク構造内におよび/またはグリッドフレームワーク構造から保管コンテナを案内するために主に使用される直立部材の第1のセットよりかなり長い。したがって、直立部材の第2のセットによって提供される垂直保管カラムは、21個の保管コンテナ高さと同じであり得る保管コンテナのスタックを保管するために使用され得る。直立部材の第1のセットは、通常、中2階レベル上に配置される。顧客注文を履行するとき、顧客注文を履行するためのアイテムを含む保管コンテナの1つまたは複数は、その垂直保管カラムから取り出され、ロボット式積荷取扱デバイスによってグリッド構造の第1の領域まで輸送され、ここで、保管コンテナは、配送ポートを介して、中2階レベルの下方のピックステーション内に下降される。同じ原理は、グリッド構造の第1の領域上で動作可能な積荷取扱デバイスによってピックアップポートを介してピックステーションから保管コンテナを取り出すときにも当てはまり、この場合、保管コンテナは、その後、グリッド構造の第2の領域の下方のその適切な垂直保管カラムまで輸送される。
【0042】
地震事象の結果による地盤移動は、長い方の、直立部材の第2のセットを備えるグリッドフレームワーク構造の部分を、短い方の、直立部材の第1のセットよりも大きい振幅で振動させることは不可避である。長い方の、直立部材の第2のセットの振動の振幅が大きくなると、短い方の、直立部材の第1のセットによって支持されているグリッド構造の第1の領域をリンクまたは接続するグリッド部材上にひずみがかけられる。最悪の場合のシナリオでは、このひずみは、直立部材におけるグリッド部材の相互接続を緩め、最終的には失わせる。このひずみは、複数の直立部材間に積み重ねられた保管コンテナの移動によって悪化する。
【0043】
長い方の、直立部材の第2のセットを備えるグリッドフレームワーク構造の部分が、グリッド構造の第1の領域内のグリッド部材の相互接続部にひずみをかけることを防止するために、グリッド構造の第1の領域をグリッド構造の第2の領域に接続するように構成された本発明のブリッジングジョイントアセンブリは、所定の負荷以上の印加された負荷の下で壊れるように配置された少なくとも1つの機械的ヒューズを備える。所定の負荷は、印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときにグリッド構造の第1の領域がグリッド構造の第2の領域から分離することを可能にするように、複数の直立部材とグリッド構造の複数のグリッド部材との間の相互接続部を壊すための負荷より低くなるように設定される。
【0044】
任意選択により、複数のグリッド部材は、グリッド構造の第1の領域を画定するためにグリッドパターンで配置された複数の第1のタイプのグリッド部材と、グリッド構造の第2の領域を画定するためにグリッドパターンで配置された複数の第2のタイプのグリッド部材とを備え、複数の第1のタイプのグリッド部材は、複数の第2のタイプのグリッド部材とは異なる。保管コンテナの保管のために使用されるグリッドフレームワーク構造の部分を強化するために、複数の第2のタイプのグリッド部材の各グリッド部材は、複数の第1のタイプのグリッド部材の各グリッド部材より大きい曲げ強さを有する。これは、地震事象中、直立部材の振動の結果による曲げモーメントが、複数のグリッド部材が交差する相互接続部において大きく移送されるためである。グリッド部材の交差部における曲げモーメントを抵抗するために、グリッド部材は、従来のグリッド部材より大きい断面壁厚を有して構築される。従来のグリッド部材は、通常、一緒にボルト留めされる背中合わせのCセクションを備える比較的薄い金属ストリップから構築される。しかし、そのようなグリッド部材は、タイプDの地震事象の結果による過剰な地盤移動に耐えることはできず、この事象では、グリッド部材の曲げモーメントは、グリッド部材を直立部材の上端部に相互接続する締結具を最終的に緩め、分断することがある。この影響を軽減するために、グリッド部材は、過剰な曲げモーメントに抵抗するように構築される。たとえば、地震グリッドフレームワーク構造のグリッド構造は、管状ビームを備えてもよい。一緒にボルト留めされる背中合わせのCセクションとは対照的に、管状ビームは、向上した剛性および強度を提供する。グリッド部材の管状断面輪郭は、複数の方向の曲げモーメントに対する抵抗を提供する。1つまたは複数のボルトが、グリッド部材が直立部材の上端部において交わるところでグリッド部材を相互接続するために使用される代わりに、管状ビームは、ほとんどまたは全くあそびを有さない剛性のジョイントを形成するために、交差部においてグリッド部材が交わるジョイントにおいて一緒に溶接される。ジョイントにおける溶接は、より緩みやすいボルトと比較して優れた剛性を提供する。グリッド構造の第2の領域は、任意選択により、地震グリッドフレームワーク構造の一部を形成することができる。
【0045】
中2階レベル上を延びるグリッド構造の第1の領域を支持する直立部材と、グリッド構造の第2の領域を支持する直立部材との間の高さの相違により、第1の領域内のグリッド部材の曲げモーメントは、グリッド構造の第2の領域内よりかなり小さくなる。その結果、グリッド構造の第1の領域のグリッド部材は、任意選択により、これが地震事象中にグリッド構造の第2の領域のグリッド部材と同じ曲げモーメントを受けないため、コストダウンを保つためにより脆弱なグリッド部材、たとえば背中合わせのCセクションから構築され得る。典型的には、グリッド構造の第1の領域を支持する中2階レベルは、中2階レベル上を延びるグリッド部材が垂直保管カラム上を延びるグリッド構造の第2の領域と同じレベルであることを確実にするために、地盤から上方に延びる構造的に剛性な直立支持ポストから構築される。直立支持ポストの高さは、中2階レベルの高さを規定し、中2階レベルの高さは、次いで、中2階レベルによって支持されるグリッド構造のレベルを規定し、グリッド構造が実質的に水平の平面内に位置することを確実にする。通常、直立支持ポストは、垂直保管カラムを形成する直立部材と比較して曲げモーメントに抵抗するIビームである。直立支持ポストの剛性により、より小さい曲げモーメントがグリッド部材によって受けられ、したがって、グリッド構造の第2の領域より脆弱なグリッド部材からグリッド構造の第1の領域を構築する利点となる。グリッド構造の第2の領域のグリッド部材が地震事象からの横方向力の結果による曲げモーメントに抵抗することができるにもかかわらず、グリッド構造の第1の領域に接続されたとき、グリッド構造の第2の領域からの横方向力は、グリッド構造の第1の領域のグリッド部材に移送される。これは、グリッド構造の第1の領域内で直立部材の上部にグリッド部材を相互接続する締結具を脆弱化させるという望ましくない影響を与え得る。少なくとも1つの機械的ヒューズを備えるブリッジングジョイントアセンブリは、グリッド構造の第2の領域によって受けられる横方向力による、グリッド構造内の第1の領域内のグリッド部材の破損を軽減することを助ける。横方向力が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなると、機械的ヒューズは、せん断し、グリッド構造の第1の領域をグリッド構造の第2の領域から分離し、それによって第1の領域内のグリッド部材が無傷のままであることを確実にする。しかし、本発明は、グリッド構造の第1の領域を形成するグリッド部材が、グリッド構造の第2の領域を形成するグリッド部材とは異なることに限定されず、同じタイプのグリッド部材が、グリッド構造全体にわたって延びることができる。
【0046】
本発明は、保管および取り出しシステムであって、
i)請求項1から22のいずれかに記載のグリッドフレームワーク構造と、
ii)グリッドの下方に位置付けられた保管カラム内に配置されたコンテナの複数のスタックと、ここにおいて、各保管カラムが、グリッドセルの下方に垂直方向に位置付けられる、
iii)スタック内に積み重ねられたコンテナを持ち上げ、移動させるための複数の積荷取扱デバイスと、複数の積荷取扱デバイスが、グリッドセルを通ってコンテナにアクセスするために保管カラムの上方のグリッド上で横方向に移動するように遠隔で操作され、前記複数の積荷取扱デバイスの各々が、
a)グリッド上で積荷取扱デバイスを案内するための車輪アセンブリと、
b)グリッドの上方に位置付けられたコンテナ受け入れスペースと、
c)スタックからの単一のコンテナをコンテナ受け入れスペース内に持ち上げるように配置された持ち上げデバイスとを備える、
を備える、保管および取り出しシステムを提供する。
【0047】
本発明のさらなる特徴は、詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【発明を実施するための形態】
【0049】
グリッドフレームワーク構造
図1から
図5を参照して上記で説明されたグリッドフレームワーク構造および積荷取扱デバイスなどの保管システムの知られている特徴に対して、本発明は考案された。
図6は、4つの隣接したグリッドセル42を備える従来のグリッド構造50のセクションまたは一部の上面図を示し、
図7は、スタック内の1つまたは複数のコンテナ10の保管のための単一の垂直保管カラム44を形成するために、4つの垂直直立体16によって支持される単一のグリッドセル42の側面斜視図を示す。
図8(aおよびb)は、コンテナ10が垂直保管カラム44内に保管されるための垂直保管カラム44を形成するように配置された直立部材の斜視図を示す。
図8bは、直立部材16間のコンテナ10の垂直の積み上げの図を示す。
【0050】
垂直直立部材16の各々は、全体的に管状である。
図2に示される保管カラム44の水平平面内の横断方向断面では、垂直直立体16の各々は、中空中心セクション46(典型的には箱セクション)を備え、1つまたは複数のガイド48が、垂直保管カラム44に沿ってコンテナの移動を案内するために垂直直立体16の長手方向長さに沿って延びる中空中心セクション46のコーナに装着されるか、または形成されている。1つまたは複数のガイド48は、2つの垂直なコンテナ案内平面を備える。2つの垂直なコンテナ案内平面は、コンテナのコーナ、またはコンテナのスタックのコーナを収容するように配置される。換言すれば、中空中心セクション46のコーナの各々は、コンテナまたは保管ビンのコーナを収容し得る実質的に三角形のエリアの2つの側部を画定する。コーナは、複数の垂直直立体16が複数の隣接する保管カラムを提供し得るように、中空中心セクション46の周りに等しく配置され、各垂直直立体16は、最大4つの別個の保管カラムに共通するか、または共有されてもよい。また、垂直直立体16の各々が、垂直直立体の足部において、不均一な床部を補償するために延ばされるか、または後退され得るベースおよびねじ付きシャフトを備える調整可能なグリッドレベル調整機構19上に装着されることも
図7に示される。
【0051】
図2の保管カラム44の水平平面内の横断方向断面は、個々の保管カラム44がコンテナまたは保管ビン10のコーナに配置された4つの垂直直立体16から構成されることを示す。保管カラム44は、単一のグリッドセルに対応する。垂直直立体16の断面は、垂直直立体の全長にわたって一定である。
図2の水平平面内の複数のコンテナまたは保管ビンの周囲は、4つのコーナを有するコンテナまたは保管ビンと、垂直保管カラム44内のコンテナまたは保管ビンのコーナにおける4つの垂直直立体16の配置とを示す。4つの垂直直立体の各々のコーナセクション、すなわち4つの垂直直立体の各々からの1つは、保管カラム44内に保管されるコンテナまたは保管ビンが、保管カラム内に保管される任意のコンテナもしくは保管ビン、または周囲の保管カラム内のコンテナもしくは保管ビンのスタックに対して正しい位置に案内されることを確実にする。グリッド構造50上で動作可能なロボット式積荷取扱デバイス(図示されず)は、コンテナまたは保管ビンがグリッドセル42を通って垂直直立部材16に沿って案内されるときにこれを持ち上げることができる。したがって、垂直直立部材16は、二重の目的:(a)グリッド構造50を構造的に支持すること、および(b)コンテナまたは保管ビン10をそれぞれのグリッドセル42を通して正しい位置に案内することを有する。
【0052】
図6に示されるグリッド構造50のセクションの上部平面図は、グリッドセル42を構成する複数の矩形フレームを形成するように配置された一連の水平交差ビームまたはグリッド部材18、20を示し、より詳細には、グリッド部材18の第1のセットは、第1の方向Xに延び、グリッド部材20の第2のセットは、第2の方向Yに延び、グリッド部材20の第2のセットは、実質的に水平な平面内でグリッド部材18の第1のセットに対して横断方向に通り、すなわち、グリッド構造は、XおよびY方向のデカルト座標によって表される。用語「垂直直立体」、「直立部材」および「直立カラム」は、同じことまたは特徴を意味するために本説明では交換可能に使用される。本発明の説明の目的で、
図6の正方形によって示される、グリッド部材が交差または交わる点または接合部は、ノードまたは交差部52として規定され得る。グリッド構造50の各交差部またはノード52が、垂直直立体16によって支持されること、すなわちこれらの両方が同一場所にあることが、
図6に示される隣接する4つのグリッドセル42を構成する、知られているグリッド構造50の少なくとも一部またはセクションのレイアウトから明確に明らかである。
図6に示されるグリッド構造50のセクションまたは少なくとも一部から、4つの隣接するグリッドセルは、9つの垂直直立体16によって支持され、すなわち、垂直直立体16の3つのセットは、3列のグリッド構造を支持し、この場合各列は、3つのノード52を備える。
【0053】
本発明のグリッド部材の各々は、軌道支持体18、20および/または軌道もしくはレール22a、22b(
図9を参照)を備えることができ、それによって、軌道またはレール22a、22bは、軌道支持体18、20に装着される。積荷取扱デバイスは、本発明の軌道またはレール22a、22bに沿って移動するように動作可能である。代替的には、軌道22a、22bは、たとえば押出し成形によって、単一の本体として軌道支持体18、20内に一体化され得る。本発明の特定の実施形態では、グリッド部材は、軌道支持体18、20を備え、軌道またはレール22a、22bは、軌道支持体18、20に装着される。セット内の少なくとも1つのグリッド部材、たとえば単一のグリッド部材は、第1の方向または第2の方向に延びるグリッド部材18、20を形成するために一緒に接合またはリンクされ得る別々のグリッド要素に細分され、またはセクション化され得る(
図9および
図14を参照)。グリッド部材が軌道支持体を備える場合、軌道支持体もまた、軌道支持体を形成するために一緒にリンクされる別々の軌道支持要素に細分され得る(
図10および
図13を参照)。第1の軸方向および第2の軸方向に延びる軌道支持体を構成する別々の軌道支持要素は、
図9に示される。軌道支持体18、20を構成するために使用される個々の軌道支持要素56は、
図10に示される。横断方向断面における軌道支持体18、20は、C字形状もしくはU字形状もしくはI字形状の断面、またはさらに二重C字形状もしくは二重U字形状の支持体の中実支持体とすることができる。本発明の特定の実施形態では、軌道支持要素56は、一緒にボルト留めされる二重の背中合わせのCセクションを備える。
【0054】
図9および
図11に示されるような接続プレートまたはキャッププレート58は、複数の軌道支持要素がグリッド構造50内のノード52において交わる接合部において第1の方向と第2の方向の両方の個々の軌道支持要素56を一緒にリンクまたは接合するために使用されることが可能であり、すなわち、キャッププレート58は、軌道支持要素56を垂直直立体16に一緒に接続するために使用される。その結果、垂直直立体16は、その上側端部において、複数の軌道支持要素がグリッド構造50内で交わる接合部にキャッププレート58によって相互接続され、すなわち、キャッププレートは、グリッド構造50のノード52に位置付けられる。
図11に示されるように、キャッププレート58は、軌道支持要素の交差部52において、軌道支持要素56の端部またはその長さに沿った任意の場所に接続するための4つの接続部分60を有して十字形状にされる。キャッププレート58によってノードにおいて軌道支持要素を垂直直立体に相互接続することは、
図13に示されるノード52の断面輪郭図において実証される。キャッププレート58は、
図11および
図12に示されるように、複数の垂直直立体16を軌道支持体に相互接続するために、垂直直立体16の中空中央セクション46内にきっちりと着座するようにサイズ設定された栓または突起部62を備える。栓62は、垂直直立体の長手方向軸に沿った垂直軸の周りで垂直直立体16に対してキャッププレートが回転することを防止するために、スナップフィット配置で垂直直立体または直立部材16内の対応する形状の開口部内に受け入れられる。栓62は、垂直直立体の中空中央開口部セクション46によって画定された開口部にスナップフィットするように共働する、下方向に延びる弾性部材を備える。また、第1の方向(X方向)および第2の方向(y方向)に対応する両垂直方向に延びる軌道支持要素56a、56bが、
図13に示される。接続部分60は、第1の方向および第2の方向に延びる軌道支持要素56a、56bに接続するために互いに垂直である。キャッププレート58は、軌道支持要素56a、56bの端部に、または軌道支持要素の長さに沿ってボルト留めされるように構成される。軌道支持要素56a、56bの各々は、本発明によるグリッド構造50を形成するために、ノードにおいて互いにインターロックするように配置される。これを達成するために、軌道支持要素56a、56bの軌道の各々の遠位または対向する端部は、隣接する軌道支持要素の対応するロッキング特徴64に相互接続するためのロッキング特徴64を備える。本発明の特定の実施形態では、1つまたは複数の軌道支持要素の対向する、または遠位端部は、グリッド構造50内で軌道支持要素が交わる接合部において、隣接する軌道支持要素56の途中にある開口部またはスロット66内に受け入れ可能である、少なくとも1つのフックまたは舌部64を備える。
図13と組み合わせて
図10に戻って参照すれば、軌道支持要素56の端部のフック64は、軌道支持要素56が交わる接合部において垂直直立体16にわたって延びる隣接する軌道支持要素の開口部66内に受け入れられて示されている。ここではフック64は、軌道支持要素56bの両側で開口部66まで提供されている。本発明の特定の実施形態では、開口部66は、一緒に組み立てられたときに、第1の方向および第2の方向の隣接する平行な軌道支持要素56が、少なくとも1つのグリッドセルだけずらされるように、軌道支持要素56の長さに沿って半分のところにある。これは、
図9に実証される。
【0055】
第1の方向に延びる軌道支持体18と第2の方向に延びる軌道支持体20とを備えるグリッドパターンを形成するように軌道支持体56が互いにインターロックされた後にグリッド構造50を完成させるために、軌道22a、22bが軌道支持要素56に装着される。軌道22a、22bは、軌道支持体18、20上に、スナップフィットされ、および/またはスライドフィット配置で嵌合される(
図9を参照)。本発明による軌道支持体のように、軌道は、第1の方向に延びる軌道22aの第1のセットと、第2の方向に延びる軌道22bの第2のセットとを備え、第1の方向は第2の方向に垂直である。軌道22aの第1のセットは、第1の方向に平行な隣接する軌道要素が一緒に組み立てられたときに少なくとも1つのグリッドセルだけずらされるように、第1の方向に複数の軌道要素または細長い軌道要素68に細分される。同様に、軌道22bの第2のセットは、第2の方向の隣接する軌道要素が組み立てられたときに少なくとも1つのグリッドセルだけずらされるように、第2の方向に複数の軌道要素68に細分される。これは、
図9に実証される。単一の軌道要素または細長い軌道要素68の一例が
図14に示され、この要素は、積荷取扱デバイスをグリッド構造上で案内するように輪郭付けされ、典型的には、単一の積荷取扱デバイスが軌道上を進行することを可能にするように単一の軌道表面、または2つの積荷取扱デバイスが同じ軌道上で互いに通過することを可能にするように二重軌道を提供するように輪郭付けられた細長い要素を備える。軌道表面は、積荷取扱デバイスの車輪が転がる表面として規定される。細長い要素が単一の軌道を提供するように輪郭付けされる場合、軌道は、軌道上で各車輪を案内する、またはその横方向移動を制限するために、軌道の各長手方向縁部に沿って通る対向するリップまたはリッジ(軌道の一方側の1つのリップおよび軌道の他方の側の他方のリップにある別のリップ)を備える。本発明の目的のために、軌道の各長手方向縁部に沿って通るリップまたはリッジは、軌道上に積荷取扱デバイスの車輪を拘束するためのガイド表面として規定される。細長い要素の輪郭が
図14に示される軌道要素に示されるような二重軌道である場合、軌道は、軌道の長手方向縁部に沿って通る2つのリップ69a、69bと、軌道の縁部に沿ってリップに平行に通る中央リップまたはリッジ69cとを備え、すなわち、軌道は、3つの平行なリッジを備える。2つのリップまたはリッジ69a、69bが軌道要素の縁部に沿って長手方向に延びるとき、軌道要素の縁部にある2つのリップ69a、69bは、第1の縁部ガイド表面および第2の縁部ガイド表面としてそれぞれ規定される。中央リップまたはリッジ69cは、中央リップと軌道の縁部にあるリップとの間のエリアが、隣接する積荷取扱デバイスの車輪が同じ軌道上で両方向に互いに通過することを可能にするために2つの軌道表面を提供するように、軌道縁部にあるリップまたはリッジの各々から同じ距離にある。
図14に示される特定の実施形態では、中央リッジ69cの両側に軌道表面を提供するために軌道の縁部にあるリップ69a、69bと共働する、軌道の中央部分に沿って長手方向に延びる2つのリップまたはリッジ69cが、示される。すべての場合において、グリッド構造上を横断するとき、積荷取扱デバイスの車輪は、積荷取扱デバイスの車輪の両側または両面において拘束される。軌道支持要素と同様に、第1の方向および第2の方向の複数の細長い軌道要素は、両方向に軌道を形成するために、互いに並置される。軌道支持体18、20に対する軌道要素68の嵌合部は、軌道支持体18、20の上部を載せる、またはこれに重複するように成形された逆U字形断面輪郭を備える。U字形輪郭の各ブランチから延びる1つまたは複数のラグが、軌道支持体18、20の端部とスナップフィット配置で係合する。軌道要素68は、上記で論じられた直立カラムにおいて軌道支持要素56を収容するための切欠部または凹部70を備える。軌道要素68はグリッド構造内の単一の直立体にわたって延びる、または広がるようにサイズ設定されるため、切欠部70は、中心にあるか、または軌道要素68の各々の中間に形成される。軌道22a、22bが別個の構成要素ではなく、軌道支持体18、20に一体化され得ることも同様に、本発明において可能と思われる。
【0056】
グリッドフレームワーク構造14は、交差する水平グリッド部材18、20から形成されたグリッド構造50を支持する直立カラム16の直線的な組立体、すなわち4つの壁形状のフレームワークとして考えられ得る。顧客注文を受注すると、軌道上で移動するように動作可能な積荷取扱デバイスは、注文のアイテムを含む保管ビンをグリッドフレームワーク構造内のスタックからピックアップし、その保管ビンをピックステーションに輸送するように命令され、その後、アイテムは保管ビンから取り出され、1つまたは複数の配送コンテナに移送されることが可能である。典型的には、ピックステーションは、コンテナの内容物にアクセスされ得るアクセスステーションまで1つまたは複数のコンテナを輸送するためのコンテナ輸送アセンブリを備える。コンテナ輸送アセンブリは、典型的には、複数の隣接するコンベヤユニットを備えるコンベヤシステムである。
【0057】
図15に示される、知られているフルフィルメントセンタでは、顧客の注文を履行するために必要とされるアイテムおよびストックは、コンテナまたは保管ビン10内に位置付けられ、コンテナまたは保管ビンは、通路に沿って配置され得る。通路の、コンテナまたは保管ビンとは反対の側には、コンベヤシステムが位置付けられ、コンベヤシステムは、顧客配送ビンまたはコンテナを運搬する。コンベヤシステムは、ステーションコンテナを介してピックステーションを通ってバックラインコンベヤ上を移動する配送ビンまたはコンテナのある割合を通過するように配置され、顧客によって注文されたアイテムは、保管ビンまたはコンテナから顧客配送ビンまたはコンテナに作業者によって移送される。顧客配送コンテナがコンベヤシステム上のピッキングステーション74に位置付けられると、顧客配送コンテナは、停止され、作業者は、保管ビンまたはコンテナから必要なアイテムを選択し、これを顧客配送ビンまたはコンテナ内に置く。知られているロボット式ピッキングステーションでは、保管ビンまたはコンテナは、積荷取扱デバイス30によって、顧客注文を履行するために必要とされる在庫アイテムを含むスタックから持ち上げられる。積荷取扱デバイス30によって持ち上げられると、保管ビンまたはコンテナは、ピックステーション74の上方またはこれに隣接する出力ポート42bまで積荷取扱器によって配送される。ピックステーション74では、必要とされる在庫アイテムまたは複数の在庫アイテムが、保管ビンまたはコンテナから手動でまたはロボットによって取り出され、配送コンテナ内に置かれてもよく、配送コンテナは、顧客注文の一部を形成し、適切な時間に発送するために充填されている。
【0058】
知られているフィルフィメントセンターはまた、それだけに限定されないが、グリッド上の積荷取扱デバイスに給電する再充電可能な電源を充電するための充電ステーション、および積荷取扱デバイスの日常的メンテナンスを実施するためのサービスステーションを含む、さまざまな他のステーションを含む。ステーションのいずれか1つまたはその組み合わせを収容するために、別個のエリア72が、グリッドフレームワーク構造14に隣接して設けられる。典型的には、別個のエリア72は、隣接するグリッドフレームワーク構造14の中でも垂直ビーム78によって支持される中2階76を組み込むことによって提供され、全体的に独立型の構造である。中2階76は、たとえば、1つまたは複数のピックステーション、および/または上記で説明されたステーションのいずれか1つを収容するためのトンネルを提供する。中2階レベル下方のエリアは、通常、1つまたは複数のサービスステーションにおいて働く人々によって作業が行われる。隣接するグリッドフレームワーク構造14からのグリッド構造は、中2階レベル76の両側のグリッドに接続するために中2階76の上部にわたって延びる。
【0059】
保管コンテナを中2階レベルの下方の1つまたは複数のピックステーションに配送し、および/またはそのステーションからピックアップするために、中2階レベルにわたって延びるグリッド構造は、1つまたは複数のポート42bを備える。本特許明細書の導入部分で教示されたように、ポートは、保管コンテナがグリッドの外側からアクセスされるか、またはグリッドフレームワーク構造内外に移送されることが可能にされるように、積荷取扱デバイスが中2階レベルの下方のピックステーションから保管コンテナをドロップオフおよび/またはピックアップすることができる場所またはグリッドセルを表す。ポートが位置付けられるグリッドカラムは、「配送カラム」と称されてもよい。保管グリッドは、2つの配送カラムを備える。第1の配送カラムは、たとえば、配送カラムを通してさらにアクセスステーションまたは移送ステーションまで輸送される保管コンテナをコンテナ取扱車両がドロップオフすることができる専用のドロップオフポートを備えてもよく、第2の配送カラムは、アクセスステーションまたは移送ステーションから配送カラムを通って輸送された保管コンテナをコンテナ取扱車両がピックアップすることができる専用のピックアップポートを備えてもよい。保管コンテナは、アクセスステーションに送られ、第1の配送カラムおよび第2の配送カラムそれぞれを介してピックステーションを退出する。
【0060】
図15から明らかであるように、中2階76の上部にあるグリッドフレームワーク構造14の部分は、中2階76の両側のグリッドフレームワーク構造より浅く、すなわち、スタック内に1つまたは2つの層のコンテナしか収容することができない。中2階にわたって延びるグリッド構造14bは、中2階に装着された垂直直立部材16によって支持され、中2階の両側の垂直カラムより長さが短い。短い方の垂直直立部材16は、グリッド構造が中2階にわたって延びるときに実質的に水平平面内に位置すること、すなわちグリッドレベルが中2階レベルにわたって維持されることを確実にするために、スタック内に少数の、たとえば1つまたは複数のコンテナ分の深さしか収容しないようにサイズ設定される。中2階レベル76は、別個の垂直ビーム78によって支持される。中2階76を支持する垂直ビーム78は、中2階76の両側でグリッドフレームワーク構造14に当接する。保管コンテナの複数のスタックが、中2階の両側の垂直保管カラム内に保管される。グリッド構造上で動作可能なロボット式積荷取扱デバイスは、垂直保管カラムの1つまたは複数から保管コンテナを取り出し、この保管コンテナを中2階レベルの上方まで輸送することができ、ここで積荷取扱デバイスは、保管コンテナを中2階レベルの下方のピックステーションに配送することができる。その結果、グリッド構造は、異なる領域に分割され得る。中2階レベル上を延びるグリッド構造と、複数の保管カラム上を延びるグリッド構造との間を差別化するために、中2階レベル上を延びるグリッド構造は、グリッド構造の第1の領域と称され、中2階レベルの両側の複数の垂直保管カラム上を延びるグリッド構造は、グリッド構造の第2の領域と称されることが可能である。同様に、中2階レベルの上方のグリッド構造の第1の領域を支持する複数の直立部材と、グリッド構造の第2の領域を支持する複数の直立部材との間を差別化するために、グリッド構造の第1の領域を支持する複数の直立部材は、直立部材の第1のセットと称され、グリッド構造の第2の領域を支持する複数の直立部材は、直立部材の第2のセットと称される。保管コンテナは第2の領域内のグリッド構造の下方の複数のスタック内に保管されるため、垂直保管カラムを構成する直立部材の第2のセットは、中2階レベル上でグリッド構造の第1の領域を支持する直立部材の第1のセットより長い。
【0061】
中2階レベルと垂直保管カラムとの間の接合エリア84内のグリッドフレームワーク構造のセクションの分解図が、
図16に示され、グリッド構造の第1および第2の領域を強調するグリッド構造の上部平面図が、
図17に示される。接合エリア84は、グリッド構造14の第1の領域80および第2の領域82を支持する直立部材16、16bの長さにおける相違を示す。直立部材の第1のセットと呼ばれる直立部材の短い方16bは、中2階レベル(図示されず)上を延びるように配置され、直立部材の第2のセットは、スタック内の保管コンテナの保管のための複数の垂直方向保管カラム44を形成するように配置される。中2階レベル上を延びる直立部材16bの長さと比較した、垂直保管カラム44を構成する直立部材16の長さにより、直立部材16の長い方の第2のセットは、直立部材の短い方の第1のセットより移動しやすい。地盤移動中、特に地震事象中、直立部材16bの長い方の第2のセットは、直立部材16aの短い第1のセットより大きい振幅で振動する。垂直保管カラム44を備えるグリッドフレームワーク構造の振動は、垂直保管カラム内に保管される保管コンテナのスタックによって激化する。直立部材16bの長い方の第2のセットの振動の結果としてグリッド構造の第2の領域82内に生成された曲げモーメントは、中2階エリア上を延びるグリッド構造の第1の領域80に移送される。直立部材の第2のセットの振動の振幅が大きいほど、グリッド構造14bの第1の領域80内のノードにおいてグリッド部材が交わるグリッド部材の相互接続部が損なわれる危険は大きくなる。直立部材は、上記で論じられたように、1つまたは複数の締結具によって、グリッド構造のノードにおいて接続プレートまたはキャッププレートによってグリッド部材に相互接続されるため、ノードにおけるグリッド部材間の接続が緩まり、最悪の場合のシナリオでは失われ、その結果、特に中2階エリア上方の第1の領域80内のグリッド構造の構成要素は外れ、サービスエリア内に落下する危険がある。サービスエリア内では人々が働いているため、第1の領域内でグリッド部材を直立部材(直立部材の第1のセット)に相互接続する接続が失われると、下方のサービスエリア内で働く人々が負傷する危険を招く。
機械的ヒューズ
本発明は、グリッド構造の異なる領域を分離するために優先的に壊れる脆弱点をグリッド構造内に作り出し、それによってグリッド構造の1つの領域からの曲げモーメントがグリッド構造の別の領域に移送されることを防止することによって、上記の問題を軽減した。
図16および
図17の上面図に示される特定の実施形態では、脆弱点86は、優先的には、グリッド構造の異なる領域が合流する接合エリア84内、すなわち第1の領域80と第2の領域82との間のグリッド構造内に位置付けられる。脆弱点86は、所定の方向に脆弱点上に作用する引張力が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときに優先的に壊れるが、グリッド構造内のグリッド部材の他の接続、すなわち、たとえばキャッププレート58を介した直立部材とグリッド部材との相互接続部52を必ずしも壊さないように構成される。換言すれば、脆弱点は、印加された負荷の下で壊れるが、直立部材とグリッド部材との相互接続部を必ずしも壊さないように構成される。所定の方向は、
図17の矢印によって示される、グリッド構造14bの第1の領域80と第2の領域82との間の接合エリア84内のグリッド部材18、20の長手方向に平行である。これは、グリッド構造内のグリッド部材の向きに応じてX方向に沿っても、またはY方向に沿ってもよい。グリッド構造内に脆弱点を優先的に作りだすために、脆弱点を壊すための所定の負荷は、グリッド構造内のグリッド部材の他の接続部より小さいことが必要である。他の接続部は、より具体的には、上記で論じられたような、すなわちキャッププレート158を介した直立部材とグリッド部材との相互接続部52にある。
【0062】
図18に示される本発明の特定の実施形態では、グリッド構造内の脆弱点は、印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときに壊れるように構成された機械的ヒューズ90を備えるブリッジングジョイントアセンブリ88によって提供される。ブリッジングジョイントアセンブリ88は、グリッド構造の第1の領域とグリッド構造の第2の領域との間の1つまたは複数の接続部として配置される(
図19を参照)。ロボット式積荷取扱デバイスの車輪アセンブリは、車両本体の前後にある車輪の対と、車輪本体の両側の車輪の対とを備えるため(
図4を参照)、ブリッジングジョイントアセンブリ88は、グリッド構造の第1の領域と第2の領域との間、すなわちグリッド部材の第1のセットとグリッド部材の第2のセットとの間の接続部の1つまたは複数の対として配置される。本発明によるブリッジングジョイントアセンブリ88の一例が、
図18に示される。
図18に示される例のブリッジングジョイントアセンブリ88は、隣接するグリッド部材18、20の自由端部を接続するように構成されたブラケット92を備える。隣接するグリッド部材の各々の他方の端部は、グリッド構造内の隣の直立部材に相互接続するために、
図18に示されるような1つまたは複数のボルトによってそれぞれのキャッププレート158に接続される。ブリッジングジョイントアセンブリ88によって一緒に接続された隣接するグリッド部材は、グリッド構造内の隣の直立部材間を延びる単一の細長いグリッド要素として機能する。
【0063】
隣接するグリッド部材の端部が本発明のブリッジングジョイントアセンブリによって一緒に接続されたときに、連続的な軌道表面が隣接するグリッド部材の端部にわたって延びるように、軌道22a、22bが、隣接するグリッド部材の各々に位置決めされる(
図19を参照)。これは、ロボット式積荷取扱デバイスの車輪アセンブリが本発明のブリッジングジョイントアセンブリにわたって進行することを可能にするためである。
図18に示される本発明の特定の実施形態では、グリッド部材は、軌道支持体として機能し、別個の軌道要素が、たとえばスナップフィット配置で軌道支持体に装着される。
【0064】
隣接するグリッド部材の端部を接合するブラケット92は、隣接するグリッド部材の端部に重複するプレートの形態である。
図20に示されるブリッジングジョイントアセンブリの断面図に示される特定の例では、2つのブラケットが、隣接するグリッド部材の端部を一緒にクランプするためにグリッド部材の端部の両側に示されている。ブラケットの対向する、または自由端部は、これらが隣接するグリッド部材の端部に重複する接合領域内で、グリッド部材の端部内の開口部内に受け入れられる1つまたは複数の締結具、たとえばボルトまたはねじまたはピンによって、隣接するグリッド部材の端部に接続される。1つまたは複数の締結具は、印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときに壊れ、隣接するグリッド部材の端部を分離させ、それによってグリッド構造の異なる領域を優先的に分離するように配置される(
図21を参照)。
図20に示される特定の例では、機械的ヒューズ90は、破壊ゾーン96を有するせん断ピン94を備え、破壊ゾーンは、破壊ゾーン上の印加された負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときにせん断するように配置されたピンの低減された断面積またはネック部分を備える。
図20に示される特定の例では、機械的ヒューズは、リンケージ98によって一緒にリンクされた2つのせん断ピン94を備え、それにより、ピンが壊れたとき、リンケージは、せん断ピンを一緒に保つ。
【0065】
直立部材とグリッド部材との間の相互接続部などのグリッド構造の他の接続が所定の負荷の下で壊れて緩むことを防止するために、機械的ヒューズを壊すための所定の負荷は、グリッドフレームワーク構造内の複数の直立部材とグリッド部材との間の相互接続部の負荷未満であるように設定される。地盤移動の結果によるグリッドフレーム構造の振動は、グリッド構造の異なる領域を一緒にリンクするブリッジングジョイントアセンブリ上に引張力を生成する。引張力が、せん断ピンを壊す所定の負荷を超えるか、これに等しい負荷をブリッジングジョイントアセンブリ上に及ぼしたとき、ブラケット92の少なくとも1つの端部は、グリッド部材のその接続端部から分離し、すなわち、この引張力は、直立部材との相互接続部においてグリッド構造内のグリッド部材を一緒に保持する負荷未満である。これは、グリッド部材18、20の端部の分離を示す
図21に示される概略図で実証される。機械的ヒューズ90は、ブラケット92をグリッド部材の端部に接続するための1つまたは複数のせん断ピンを備えることができる。
図18に示される特定の実施形態では、ブラケットの各端部における少なくとも2つの締結具が、ブラケットをグリッド部材の端部に接続するために使用される。したがって、グリッド部材の端部を分離するために、締結具の少なくとも2つは、ブラケットをグリッド部材の少なくとも1つの端部から分離するために、所定の負荷の下でせん断する。
【0066】
1つまたは複数のせん断ピンを備える機械的ヒューズ90がブラケットを隣接するグリッド部材の端部に接続するように配置されているが、グリッド構造内に機械的ヒューズを備える優先的な脆弱点を提供するための他の手段が、本発明において同様に適用可能である。たとえば、接続プレートまたはキャッププレートを介して直立部材をグリッド部材に相互接続するために使用される1つまたは複数の締結具が、機械的ヒューズとして機能することができる。たとえば、グリッド部材をキャッププレート158の接続部分60に接続する1つまたは複数のボルトは、グリッド部材を接続部分、したがってキャッププレート(
図9を参照)から外すために、所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しい印加された負荷の下でせん断するように配置された破壊ゾーンを有して製作され得る。
図18に示される本発明の特定の例では、少なくとも2つの締結具100が、グリッド部材の端部をキャッププレートに接続するために使用される。そのような2つの締結具は、負荷が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときにせん断するように配置された機械的ヒューズとして製作され得る。機械的ヒューズを備えるグリッド構造内の脆弱点を組み込む他の手段は、引張力が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときに、グリッド部材の一部が壊れるように、破壊ゾーン、たとえば低減された断面積を有するグリッド部材を製作することを含むことができる。同様に、自体が隣接するグリッド部材の端部を接続するブラケットは、それ自体が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しい印加された負荷の下で壊れるように構成された破壊ゾーンを備えることができる。異なる例のすべてにおいて、機械的ヒューズを備える脆弱点は、地盤移動中、たとえば地震事象中にグリッド構造の異なる領域を優先的に分離するように構成される。
【0067】
機械的ヒューズはグリッド構造の異なる領域を優先的に分離するように構成されているが、フルフィルメントセンタにおけるグリッドフレーム構造の一連の動作中、グリッド構造の移動は不可避である。たとえば、グリッドフレーム構造が位置付けられる環境における温度変化は、熱伸縮の結果、グリッドフレーム構造の異なる部分を伸長および収縮させることがある。熱伸縮を考慮するための対策が無い場合、1つまたは複数のグリッド部材の長さが伸長または収縮するときに、グリッド構造の領域がゆがみ、または座屈して、グリッド構造上で動作可能な1つまたは複数のロボット式積荷取扱デバイスが脱輪する可能性を増大させ得る危険がある。
【0068】
図22(aからc)に示される特定の例では、ブリッジングジョイントアセンブリ88のブラケット92の対向する端部は、隣接するグリッド部材18、20の端部に摺動接続で接続される。ブラケット92とグリッド部材の端部との間の摺動接続は、グリッド部材の端部間の分離が長手方向に、すなわちXまたはY方向に変化することを可能にするために、隣接するグリッド部材の端部内に形成されたスロット102に沿って摺動するように配置されたボルトまたはピンを備える1つまたは複数の摺動部材を備える。摺動ボルトとスロット102との共働は、
図21に明確に示される。グリッド部材の端部の進行の長さは、スロット102の長さによって決定され、スロット102の各々の対向する端部は、グリッド部材の端部のさらなる分離を防止するための停止部として機能する。スロットを通って延びる1つまたは複数のボルトが、スロットの長さによって決定された進行のそれらの端部に到達すると、グリッド部材の端部は、さらなる移動が防止される。スロットを通って延びる1つまたは複数のボルトは、スロットに沿ったボルトの摺動を支援するために、摺動軸受104(
図21を参照)、または代替的にはローラ軸受をそれぞれが備えることができる。
図22(aからc)に示される特定の実施形態における摺動接続は、グリッド部材の端部内に形成されたスロットを示しているが、グリッド部材の端部を一緒に接合するブラケット内にスロットが形成され、ブラケットをグリッド部材の端部に締結するボルトがブラケット内のスロットに沿って摺動するように配置される逆の場合も当てはまる。
【0069】
グリッド部材18、20の端部の分離の異なる段階が、
図22(aからc)に示される。
図22aは、閉構成にあるグリッド部材の端部を示し、
図22bから
図22cは、隣接するグリッド部材がスロット102の長さによって決定された最大限度まで長手方向に移動するときの、グリッド部材の端部の分離における異なる段階を示す。スロット102を通って延びる1つまたは複数のボルトは、グリッド構造の異なる領域を分離させるために、ブリッジングジョイントアセンブリ上に作用する引張力が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときに壊れるように構成された機械的ヒューズ94として機能することができる。スロットの長さ、したがって隣接するグリッド部材の端部の分離は、グリッド部材の伸長および収縮の結果によるグリッド部材の移動のレベルに基づいて算出される。典型的には、正常動作において、スロットの長さは、熱伸縮の結果として、XまたはYのいずれかの方向のグリッド部材の約10mmから約180mmの範囲の移動における移動を可能にする。グリッド構造の移動が、グリッド部材を所定の長さを超えて移動させるための引張力を生成する場合、スロットの端部は、グリッド部材のこうしたさらなる移動を防止する。しかし、ブリッジングジョイントアセンブリ上の引張力が所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったとき、ボルトは、そのそれぞれのスロット102の端部に到達するときに壊れるように構成され、それによってグリッド部材の端部を分断してグリッド構造の種々の領域を分離することが可能になる。
図21および
図22に示される本発明の特定の実施形態では、ブラケット92によって接続されるグリッド部材は、Iビームである。スロット102は、ブラケット92をグリッド部材の端部に締結する機械的ヒューズ94と共働するIビーム内の端部に形成される。
【0070】
グリッド部材の端部が分離するときにグリッド部材18、20上に連続的な軌道表面を提供するために、ブリッジングジョイントアセンブリ88は、第1の軌道要素106および第2の軌道要素108を備える伸縮ジョイントと、第1および第2の軌道要素106、108の端部にわたって延びるブリッジング部材110とをさらに備える。第1の軌道要素106は、隣接するグリッド部材の一方の端部に配置され、第2の軌道要素108は、隣接するグリッド部材の他方の端部に重複するように配置される。ブリッジング部材110は、第1および第2の軌道要素106、108の端部にわたって延びる。第1および第2の軌道要素の各々ならびにブリッジング部材110は、単一の細長い軌道要素の少なくとも一部を表す。したがって、第1および第2の軌道要素ならびにブリッジング部材は、連続的な軌道表面を提供する単一の細長い軌道要素を形成するために対合するように輪郭付けされるそれぞれのインターフェース部分を有する。
【0071】
ブリッジング部材110の上側表面は、第1の軌道要素から第2の軌道要素までの伸縮ジョイントに沿った移行が存在するように輪郭付けされる。
図23(aおよびb)に示される特定の例では、第1および第2の軌道要素の輪郭は、中央リッジと中央リッジの両側の軌道とを備える二重軌道を提供する。ブリッジング部材110の上側輪郭は、グリッド部材の遠位端部にわたって長手方向に延びる2つの軌道または転がり表面110a、110bとして示される。ブリッジング部材110の軌道表面は、ロボット式積荷取扱デバイスの車輪の転がり表面を提供するように配置される。軌道表面の転がり表面は、ロボット式積荷取扱デバイスの車輪の幅にわたって延びる。ブリッジング部材110は、第1の軌道要素106に固定された第1の端部112と、第2の軌道要素108内に形成された溝116に沿って載ることができる第2の端部114とを有する。たとえば、ブリッジング部材110の第2の端部114は、
図24に示されるように第2の軌道要素内に形成された溝を備えるガイド116に沿って移動するように制限された摺動アンカー118を備える。また、第2の軌道要素を支持する端部グリッド部材18、20内の溝を通って延びる摺動アンカー118も
図24に示される。隣接するグリッド部材の端部が分離するとき、ブリッジング部材110は、隣接するグリッド部材の端部間に作りだされたギャップを渡す。
図23bに示される特定の例では、ブリッジング部材110の第2の端部114は、第2の軌道要素108に重複するように配置される。
【0072】
しかし、連続的軌道表面を提供するために、隣接するグリッド部材の端部が分離するときに第1および第2の軌道要素にわたるギャップを渡すための他の手段が、本発明において適用可能である。
図25に示され、
図26にグリッド構造内に組み込まれて示される例では、ブリッジング部材110は、第2の軌道要素108内の対応する形状の凹部108b内に受け入れられる第1の軌道要素の突起雄型部分110cとして形成され得る。ブリッジング部材110は、突起雄型部分として第1の軌道要素106と一体的に形成されて
図25に示されており、第2の軌道要素は、受け入れ雌型部分108bを備える。ブリッジング部材110の軌道表面110a、bが車輪の幅にわたって延びる
図23(aおよびb)に示されるブリッジング部材110と比較して、
図25に示される例では、突起雄型部分110cとして形成されたブリッジング部材の軌道表面は、車輪がブリッジング部材110にわたって横断するときに車輪の幅の少なくとも半分としか接触しない。車輪の他の半分の幅は、突起雄型部分110cの軌道表面と接触しない。ロボット式積荷取扱デバイスは、車輪の対が車両本体のいずれかの側で拘束されることによって脱輪から防止される。これは、
図27に示される概略図によって実証可能であり、この図は、2つのロボット式積荷取扱デバイス30a、30bが本発明の平行なブリッジング部材110のセットによって提供された軌道上で隣り合わせにあり、各ブリッジング部材110が各車輪34の一方の側のみを拘束するための中央リップまたはリッジ110dを有することを示している。各ロボット式積荷取扱デバイスは、車両本体の前後に車輪34の対を備えるため、車輪の少なくとも一方の側のみの抑制は、軌道上のロボット式積荷取扱デバイスの横方向移動を防止し、それによってロボット式積荷取扱デバイスの脱輪を防止する。
図27に示される特定の例では、積荷取扱デバイスの車輪の外側縁部は、隣接するグリッド部材の端部が分離するときにブリッジング部材110の中央リッジ110dと当接することによって拘束される。
【0073】
典型的には、ブリッジング部材110は、第1および第2の軌道要素の端部にわたって連続的な軌道表面を提供するために、隣接するグリッド部材の端部が分離するときに第1および第2の軌道要素106、108の端部を渡すように構成された金属の比較的薄いストリップである。軌道上で動作可能なロボット式積荷取扱デバイスの重量が100kgを超える重さになり得ることを考えると、ブリッジング部材110にわたって進行するロボット式積荷取扱デバイスの重量の下で、ブリッジング部材110が曲がる危険がある。軌道上で動作可能なロボット式積荷取扱デバイスの重量の下でブリッジング部材が曲がることを防止するために、ブリッジングジョイントアセンブリは、第1および第2の軌道要素106、108の端部の中間に支持体120をさらに備える(
図25および
図26を参照)。支持体120の上側端部は、隣接するグリッド部材の端部が分離するときにブリッジング部材110を載せるように輪郭付けられる(
図25および
図26を参照)。
図25に示される特定の実施形態では、支持体120は、隣接するグリッド部材の端部を一緒に接合する1つまたは複数のボルトによって、ブラケット92に固定される。支持体120は、第1および第2の軌道要素106、108の端部間の中間にブラケット92に固定されて示されており、それにより、グリッド部材の端部が
図22aに示されるように一緒にされたとき、隣接するグリッド部材の端部は、支持体が隣接するグリッド部材の端部間のスペーサとして機能するように、支持体120に当接する。
【0074】
図16および
図17に示される特定の例では、同じタイプのグリッド部材が、グリッド構造を構成し、その結果、直立部材とグリッド部材との間の相互接続部は、同じタイプのキャッププレートによって主に提供される。換言すれば、グリッド構造の異なる領域を接続するために使用される本発明のブリッジングジョイントアセンブリは、同じタイプのグリッド部材を備える。
図16に示されるこの特定の例では、グリッド部材は、実質的にI形状の断面輪郭を有する背中合わせのCセクションを備える。そのようなグリッド部材タイプを使用して、垂直保管カラムを構成する直立部材を相互接続することにより、グリッドフレームワーク構造がタイプAまたはBの地震事象に特徴的な地盤移動における小さい変化に対処できることが確実にされるが、タイプDの地震事象に特徴的な地盤移動における大きな変化に対しては、同じことは言えない。タイプDの地震事象に特徴的なグリッドフレームワーク構造における大きな偏向に応じるために、グリッド構造を構成するグリッド部材は、曲げ剛性に関してより頑丈である必要がある。
【0075】
図28に示される本発明の特定の例では、グリッド構造の領域を構成するグリッド部材18、20は、その大部分が中空中心セクションを備える断面を有する管状ビーム122を備える。他の形状のビームと比較してグリッド部材を構築するための管状ビーム122の使用は、管状ビーム122の壁が全方向の曲がりに抵抗することができるため、曲げに対するより大きな抵抗を提供する。グリッド部材の管状断面輪郭は、複数の方向の曲げモーメントに対する抵抗を提供する。曲げに対するグリッド部材の構造的剛性をさらに向上させるために、管状ビームとして構築されたグリッド部材の壁厚さは、上記で論じられたタイプAまたはBのグリッド構造内のグリッド部材のものよりはるかに大きい。さらに、強力な地震事象において緩みやすい、グリッド部材が交わる交差部におけるグリッド部材のボルト留めと比較して、好ましくはグリッド部材は、交差部52において溶接される。交差部52における溶接ジョイントは、グリッド部材が交わる交差部においてより頑丈で剛性のジョイントを提供する。曲げモーメントが交差部に移送されるとき、交差部52におけるグリッド部材の溶接は、そのジョイントがその交差部において負荷により抵抗できることを意味する。
【0076】
グリッド構造は、
図29および
図30に示されるような複数のサブフレームに細分され、それによってサブフレーム124の1つまたは複数は、少なくとも1つのグリッドセル42を備える。複数のサブフレーム124は、グリッド構造を現場で建築するときに一緒に組み立てられる。建築法規に準拠するために、理想的には、個々のサブフレームは、これが現場で組み立てられるときに一緒にボルト留めされる。サブフレームを構成するグリッド要素の端部は、隣接するサブフレームの対応する接続部分と対合するように配置された接続部分125を備える。接続部分125は、ボルトを受け入れるための1つまたは複数の穴を備える。
【0077】
積荷取扱デバイスがグリッド上を進行するための軌道またはレールを提供するために、別個の軌道支持要素126a、126bが、グリッド要素122に直接装着される(
図31を参照)。軌道支持要素126a、bは、軌道またはレール128a、bをグリッド要素122に嵌合することを可能にする。複数の軌道支持要素126a、bは、軌道を受け入れるように成形された輪郭を有するサブフレーム124のグリッド要素122上に分配される。したがって、軌道支持要素がグリッドのグリッド要素内に組み込まれる上記で論じられたグリッドフレームワーク構造のグリッド要素(スナップフィット配置によって軌道を受け入れるための輪郭を有する背中合わせのC字形セクション)と比較して、地震グリッドフレームワーク構造の軌道支持要素126a、bは、グリッド要素122とは別個のものである。
図29は、管状グリッド要素122に直接装着されたXおよびY方向に延びる軌道支持要素126a、bを示す、本発明の実施形態によるサブフレーム124の上面図を示し、
図31は、本発明の実施形態による軌道支持要素126a、bによる軌道128a、bとグリッド部材18、20との係合を示す、サブフレームの断面図を示す。上記で論じられたグリッドフレームワーク構造のグリッド要素に装着された軌道のように、軌道128a、bは、スナップフィットおよび/または摺動フィット配置によって、軌道支持要素126a、bを介して地震グリッドフレームワーク構造内のグリッド要素122に嵌合される。
【0078】
グリッド要素が交差部において一緒に溶接されるために、グリッド要素を一緒に接合するためのキャッププレートを本発明の地震グリッドフレームワーク構造が有さないとき、垂直直立部材を本発明の地震グリッドフレームワーク構造のグリッドに相互接続するために、直立カラム16を接続するための栓162が、グリッド部材が交わる接合部においてサブフレーム124の下面に直接装着される(
図30を参照)。本発明の特定の実施形態では、栓162は、グリッド部材18、20が交わる接合部、すなわちグリッド構造のノードにおいてサブフレームの下面に溶接される。
図30に示されるように、4つの栓162が、グリッド部材18、20が交わる交差部においてサブフレーム124の下面に直接装着されているのが分かる。しかし、グリッド構造の構造的剛性を増大させるために、他の構造的曲げ抵抗のビームが使用され得る。これらは、それだけに限定されないが、Iビームを含む。
【0079】
タイプDのグリッド構造は、グリッド構造のグリッド部材が地盤移動によって増大した曲げモーメントおよび応力を受ける場合により適している。垂直保管カラムの上方のグリッド部材は、垂直スタック内の複数の保管コンテナの保管のための垂直直立部材の高さまたは長さにより、増大した曲げモーメントを受けやすいため、垂直保管カラムの上方のグリッド構造を構成するグリッド部材は、より曲げ抵抗のあるビーム、たとえば上記で論じられたような管状ビームから構築される傾向がある。しかし、グリッド構造の他の領域、すなわち中2階レベルの上方の領域は、垂直保管カラムの上方のグリッド構造と同じレベルの構造的剛性を有する必要は必ずしもなく、より小さい曲げ抵抗のビーム、たとえば上記で論じられたような背中合わせのCセクションに基づくことができる。これは、グリッド構造の異なる領域80、82が異なるタイプのグリッド部材18、20から構成される
図32に示されるグリッドフレームワーク構造のセクションにおいて例示される。しかし、グリッド構造の異なる領域80、82が異なるレベルの構造的剛性を有するグリッド構造を有することに関する問題は、構造的に剛性のグリッド構造が、タイプDの地震事象に特徴的な強い地震事象中、これより脆弱なグリッドを倒す、または少なくともそのより脆弱なグリッド構造に相当な損傷を引き起こす可能性を有するということである。本発明のブリッジングジョイントアセンブリは、グリッド構造の各領域が異なるタイプのグリッド部材を備える場合でも、グリッド構造の異なる領域をリンクすることができる。
図32に示される特定の例では、本発明のブリッジングジョイントアセンブリは、管状ビーム122を備えるグリッド構造の領域82と、背中合わせのCセクションを備えるグリッド構造の領域80とをリンクさせるために使用される。しかし、本発明のブリッジングジョイントアセンブリ88は、
図32に示されるグリッド部材タイプに限定されず、グリッド構造の異なる領域からの任意のタイプのグリッド部材を一緒にリンクするために使用され得る。
【0080】
説明を容易にするために、より脆弱なグリッド部材を備えるグリッド構造は、グリッド構造14bの第1の領域80と呼ばれ、より構造的に頑強なグリッド部材を備えるグリッド構造は、グリッド構造14bの第2の領域82と呼ばれることが可能である。グリッド構造の第1の領域80を構成するグリッド部材は、第1のタイプのグリッド部材と呼ばれることが可能であり、
図10に示されるグリッド部材に対応することができる。同様に、グリッド構造の第2の領域82を構成するグリッド部材は、第2のタイプのグリッド部材と呼ばれることが可能であり、
図28に示されるグリッド部材に対応することができる。グリッド構造14bの第1および第2の領域80、82を構成するグリッド部材は、形状および寸法に関して異なっているため、本発明のブリッジングジョイントアセンブリ88を組み込んでグリッド構造14bの第1および第2の領域80、82を一緒に接続するために、異なるブラケット158、130が必要とされる。グリッド構造14bの異なる領域80、82を一緒に接続する異なるブラケット158、130は、グリッドレベルがグリッド構造の異なる領域にわたって水平のままであることを確実にするために必要である。ブリッジングジョイントアセンブリ88は、
図33に示されるようにグリッド構造の第1と第2の領域間を延びる隣接するグリッド部材の端部を接続するように配置される。隣接するグリッド部材の他方のそれぞれの端部は、グリッド構造の第1および第2の領域80、82を構成するグリッド部材の高さの相違を補償するための第1のタイプのブラケット158および第2のタイプのブラケット130によって、その直立部材に接続される。説明を容易にするために、細長いグリッド要素を形成するために本発明のブリッジングジョイントアセンブリによって一緒に接続された隣接するグリッド部材は、グリッド構造の第1および第2の領域をリンクするグリッド部材の第1および第2の部分と称され得る。したがって、グリッド部材の第1の領域は、第1のタイプのブラケット158によって直立部材に接続され、グリッド部材の第2の部分は、第2のタイプのブラケット130によって隣の直立部材に接続される。
図33に示される特定の例では、第1のタイプのブラケットは、グリッド構造の第1の領域内のグリッド部材が全体的に背中合わせのCセクションである、すなわち第1のタイプのグリッド部材であるため、キャッププレート158である。しかし、グリッド構造の第2の領域内のグリッド部材は、地盤の移動に構造的により弾性的にする必要があるために異なるため、第2のタイプのブラケット130は、グリッド構造の第1の領域内のグリッド部材の高さ相違に対応するために、そして軌道がグリッド構造内で水平なままであることを確実にするために、グリッド部材の第2の部分の端部に接続された最上端部134と、直立部材に接続された最下端部136とを有する柱またはスペーサ132を備える。柱またはスペーサ132は、第1の領域内のグリッド構造と第2の領域内のグリッド構造との間の高さの相違を補償する。グリッド構造の第2の領域内のグリッド部材は、
図28に示されるような中空の断面輪郭を有する全体的に管状のもの、すなわち第2のタイプのグリッド部材である。すべての場合において、ブリッジングジョイントアセンブリ88は、上記で論じられたのと同様に挙動し、この場合、機械的ヒューズ90は、機械的ヒューズ上に作用する引張力がグリッド構造の第1の領域をグリッド構造の第2の領域から分離するために必要な所定の負荷を超えるか、またはその負荷に等しくなったときに、優先的に壊れるように構成される。
【0081】
2方向伸縮ジョイント
第1の軌道要素106および第2の軌道要素108ならびに第1および第2の軌道要素の端部にわたって延びるブリッジング部材110を備える伸縮ジョイントは、(
図34の矢印によって示される)長手方向のグリッド部材の移動のみを補償することができ、したがって、X方向またはY方向のいずれかのみの移動をカバーすることができる。X方向とY方向の両方のグリッド部材の移動を補償するために、別個の伸縮ジョイントが、両方の長手方向の移動をカバーするようにX方向およびY方向に延びる隣接するグリッド部材の端部をリンクするために必要である。本発明におけるX方向とY方向の両方のグリッド部材の移動を補償するために、直立部材の少なくとも1つは、枢動可能なジョイントを備える接続部によってグリッド部材に相互接続され、それにより、グリッド部材は、枢動可能なジョイントを通って延びる垂直方向軸の周りの水平平面内で回転可能となる。グリッド部材が、ブラケット、この場合はキャッププレート158によって直立部材に接続されているとき、
図34に実証されるように、キャッププレートとグリッド部材の端部との間に枢動可能な接続が存在する。上記で論じられたように、キャッププレート158は、キャッププレートから下方向に延びる、垂直直立体または直立部材16の対応する形状の中空中央セクション46内に受け入れられた栓62によって回転運動を制限される。枢動可能な接続は、
図38に示されるように、キャッププレート158の接続部分内の開口部238を通って延びるボルトまたは軸受部材によって提供される。
【0082】
グリッド部材の伸長および/または収縮の結果としてグリッド部材が移動すると、枢動可能な接続は、X方向またはY方向のいずれかのグリッド部材の移動を吸収することができる。長手方向の移動は、上記で論じられた軌道要素106、108の摺動関係によって吸収される。X方向とY方向の両方の移動を組み込むために、本発明のブリッジングジョイントアセンブリによって一緒に接続または接合されたグリッド構造内のグリッド部材の少なくとも1つの端部は、そのそれぞれの直立部材に枢動可能に接続される。
【0083】
X方向とY方向の両方の移動をカバーするために軌道要素の摺動関係と一緒にして枢動可能なジョイントの概念をより良好に説明するために、グリッド部材の枢動可能な接続とグリッド部材上に位置決めされた軌道要素の摺動接続との間の関係が、
図34および
図35に示されるように両方の直立部材間を延びるグリッド部材によって相互接続された第1の直立部材16aおよび第2の直立部材16b(
図32を参照)を参照して最も良好に説明される。
図34に示される特定の例では、第1の直立部材と第2の直立部材との間を延びる隣接するグリッド部材の端部は、長手方向のグリッド部材の移動を可能にするために、本発明のブリッジングジョイントアセンブリ88によって一緒に接続される。第1の直立部材は、その上端部において、枢動可能なジョイントを備える接続部によってグリッド部材に相互接続され、それにより、第1または第2の直立部材の一方の、第1または第2の直立部材の他方に対する移動時に、グリッド部材は、枢動可能なジョイントを通って延びる垂直軸の周りの水平平面内で回転可能となる。
図34に示される特定の例では、第1の直立部材と第2の直立部材との間を延びる隣接するグリッド部材18、20の端部は、第1または第2の直立部材の一方の、第1または第2の直立部材の他方に対する移動を可能にするために、そのそれぞれの直立部材に枢動可能に接続される。グリッド部材の回転は、
図36および
図37に示されるグリッド構造の一部の概略図に実証されるように、グリッド部材上に位置決めされた軌道要素106、108の対応する回転運動を引き起こす。これにより、軌道22a、bが、X方向またはY方向に力を受けたときに横方向に移動することが可能になる。
図36に示される特定の例では、軌道は、X方向に水平平面内で横方向に移動することが可能にされる。
【0084】
長手方向の移動に対応するために、第1および第2の軌道要素106、108を備える隣接するグリッド部材の端部と、第1および第2の軌道要素にわたって延びるブリッジング部材110との間のジョイントは、ブリッジング部材の一方の端部が長手方向(
図36を参照)、この場合はY方向に摺動することを可能にする。したがって、枢動可能なジョイントによる接続されたグリッド部材の回転移動は、グリッド構造の一部のX方向の移動を可能にし、グリッド部材の端部を一緒に接続するブリッジングジョイントアセンブリは、Y方向の長手方向移動を可能にし、すなわち、X方向とY方向の両方が、隣接する垂直または直立部材間を延びる単一の熱伸縮部によってカバーされ得る。
【0085】
グリッド部材を直立部材に接続する枢動可能なジョイントの結果による、第1または第2の直立部材の一方の、第1または第2の直立部材の他方に対する移動は、軌道要素がグリッド構造のノード52において交差する領域内で、軌道要素を隣接する軌道要素に対して変位させる。この変位は、
図37に実証されるように、特にノードにおいて上側軌道輪郭の位置ずれを引き起こす。グリッド部材の回転、したがって対応する軌道の回転が、軌道要素がグリッド構造内のノードにおいて合流する接合エリア内で連続的な軌道表面を中断させるほど過剰になりすぎる場合、ロボット式積荷取扱デバイスの車輪は、軌道要素の交差部と交わるときに脱輪する危険がある。グリッド部材が直立部材とのその枢動接続の周りで回転した結果軌道要素が過剰に位置ずれすることを防止するために、枢動ジョイントは、その中央または公称位置から所定の角度を回転するように限定され、この場合、所定の角度は、ロボット式積荷取扱デバイスの車輪が位置ずれした軌道要素にわたって横断することを可能にするほどの小ささである。枢動可能なジョイントは、枢動可能なジョイントを中心とする曲率半径を有する弓状スロット内で回転するように配置された停止部材を設けることによって、所定の角度を回転するように限定される。
図38に示されるように、グリッド部材の端部とキャッププレートとの間に枢動可能なジョイントを収容するためのキャッププレート158の接続部分内の開口部238に加えて、キャッププレート158の接続部分は、停止部材142(
図35を参照)が通って延びる少なくとも1つの弓状スロット140をさらに備え、それにより、枢動可能なジョイントによってキャッププレート158に接続されたグリッド部材は、弓状スロット140の円弧によって規定された所定の角度で回転可能となる。
図42(aおよびb)に示される特定の実施形態では、停止部材142は、破壊ゾーン96を有するせん断ピン146を備える。所定の角度は、1°から20°の範囲、好ましくは5°から20°の範囲内であることができる。動作において、弓状スロット140内に受け入れられた停止部材142は、弓状スロット140の端部によって決定された限界まで弓状スロット140によって案内されるように配置される。グリッド部材は、停止部材142が弓状スロット140の対向する端部に当接したとき、さらなる回転が防止される。
図38に示される特定の実施形態では、2つの弓状スロット140が、枢動可能なジョイントの両側に横方向に配設されたキャッププレート/ブラケットの接続部分内にあるように示され、すなわち対向する弓状スロット140として示される。弓状スロット140の各々は、枢動可能なジョイントを中心とする曲率半径を有する、停止部材142が内部に受け入れられる円弧を画定する。
【0086】
グリッド部材と直立部材との間の枢動可能な接続は、
図38に示されるようなキャッププレート158を備える第1のタイプのブラケットに限定されず、第2のタイプのブラケット130と、上記で論じられたタイプDグリッド部材、すなわち第2のタイプのグリッド部材との接続(
図33および
図39)間に設けられることも可能である。ここでは、第2のタイプのブラケット130の最上部接続部134は、枢動可能なジョイントを収容するための開口部338と、枢動可能なジョイントを中心とする曲率半径を有する弓状スロット240とを備える。第2のタイプのブラケット130の最下部接続部136は、直立部材に固定される。
図34および35を参照して論じられた用語を使用すると、第2のタイプのブラケット130の最下部接続部136は、第2の直立部材16bに固定される。
図32に示される本発明の特定の例では、第1の直立部材16aは、第2の直立部材16bより短い。その結果、たとえば地震事象中の地盤移動は、長い方の第2の直立部材16bを、短い方の第1の直立部材16aより大きい振幅で振動させる傾向を有する。上記で論じられたように、第1の直立部材16aおよび第2の直立部材16bの振動の振幅の相違を補償するために、グリッド構造の第2の領域内で第2の直立部材16bを相互接続するタイプDのグリッド部材または第2のタイプのグリッド部材は、第1のタイプのグリッド部材より優れた構造的完全性または剛性を地盤移動中に提供するように構成される。その結果、第2のタイプのグリッド部材の断面輪郭は、第1のタイプのグリッド部材の断面輪郭とは異なって、たとえばこれより大きくサイズ設定される。第2のタイプのブラケット130は、第1のタイプのグリッド部材を備えるグリッド構造の第1の領域が第2のタイプのグリッド部材を備えるグリッド構造の第2の領域にリンクまたは接続されるときに、グリッド構造が実質的に水平のままであるように、第1のタイプのグリッド部材と第2のタイプのグリッド部材との間のサイズの相違を補償する。
【0087】
グリッドフレーム構造内で直立部材をグリッド部材に相互接続するために使用されるブラケットのタイプを調整することにより、第1の直立部材は、グリッド部材を直立部材に接続するために使用されるブラケットのタイプにかかわらず、グリッド部材とそのそれぞれの直立部材との間の枢動可能な接続によって第2の直立部材に対して横方向に変位され得る(
図40および
図41を参照)。したがって、長手方向のグリッド部材の伸長および収縮が、第2の軌道要素108に対する第1の軌道要素106の移動によってもたらされる。ブラケット92は、第1および第2の軌道要素106、108を支持するグリッド部材の端部間の接続を維持する。長手方向に垂直な移動が、第2のタイプのブラケット130を介して、グリッド部材18、20の、これが接続する直立部材に対する回転によってもたらされる。
【0088】
万が一グリッド部材を回転させるための力が地震事象に特徴的な所定の負荷を超えた場合、停止部材142は、第1または第2の方向の印加された負荷が機械的ヒューズの破壊点を超える回転力を生成するときに壊れるように配置された機械的ヒューズとして機能することができる。破壊ゾーン96を備える停止部材142の一例が、
図42(aおよびb)に示され、ここでは、
図42aは、無傷の状態の停止部材142を示し、
図42bは、壊れた状態にあるため、弓状スロットによって画定された円弧を超えてグリッド部材が回転することを可能にしている停止部材142を示す。また、せん断ピン146がそのそれぞれの弓状スロット240(
図39を参照)内で一緒に移動することを可能にするための、枢動ジョイントの両側の停止部材の任意選択のリンケージ144が
図42(aおよびb)に示される。枢動ジョイントの両側のそのそれぞれの弓状スロット240内に受け入れられた停止部材142を組み込んでいる、直立部材とグリッド部材との間の枢動可能な接続の
図40の線X-Xに沿った断面が、
図43および
図44に示される。グリッド部材の長手方向に実質的に垂直な力が印加された結果、グリッド部材の回転角度が、弓状スロット240の円弧によって決定された所定の角度を超えたとき、停止部材142の機械的ヒューズ94は壊れて、グリッド部材の移動を補償するためにグリッド部材がさらに回転することを可能にする。これは、
図44に示されるグリッド部材18、20と直立部材との間の枢動可能な接続の断面において実証される。グリッド構造をゆがませ、グリッド部材および軌道に損傷を引き起こす外力の影響を補償するために、グリッド部材を直立部材に接続する機械的ヒューズ94は、優先的に壊れて、グリッド部材が回転することを可能にする。換言すれば、機械的ヒューズ94は、グリッド構造の大きなゆがみを防止または軽減するために優先的に壊れる、グリッド構造内の犠牲要素を提供する。グリッド部材との直立部材の1つまたは複数の相互接続部が枢動可能なジョイントを備える場合、機械的ヒューズは、グリッド構造の第1の領域が1つまたは複数の枢動可能な接続部の周りでグリッド構造の第2の領域に対して移動することを可能にする。機械的ヒューズが壊れた結果、グリッド構造の第1の領域と第2の領域との間の隣接するグリッド部材が回転する影響は、
図45に示される概略図に実証される。ここでは、ブリッジングジョイントアセンブリ88の軌道要素106、108は、所定の角度を超えて回転させられ、その結果、グリッド構造のノードにおいて隣接する軌道に対する軌道要素の上側輪郭の大きな位置ずれが生じる。
図45に示される例では、枢動可能なジョイントによる軌道要素の回転移動の結果、グリッド構造のノードにおいて軌道22a、22bに対する軌道要素106、108の位置ずれが生じる。地震事象に特徴的な地盤移動の結果による機械的ヒューズの破壊は、グリッド構造の異なる領域をさらなる損傷から保護し、さらに、グリッド構造の領域が、グリッド構造の破片がグリッド構造の下方に、特に中2階レベルの下方の人々に落下することから負傷を引き起こすことを防止する。
【0089】
伸縮ジョイントの軌道要素は、上記で論じられた単一の細長い軌道要素を形成するために軌道要素が互いに接続することを可能にするインターフェースまたは対合部分をそれぞれが有するが、伸縮ジョイントは、第1の軌道要素および第2の軌道要素を一緒に対合させるための異なる形状の構成要素を有することに依存する。換言すれば、伸縮ジョイントのそれぞれの軌道要素のインターフェース部分は、異なる形状の対合輪郭を有し、それにより、異なる形状の対合輪郭がそのそれぞれのインターフェース部分において対合するときに、単一の軌道要素が形成されるようになる。たとえば、ブリッジング部材110が、第2の軌道要素108内の対応する形状の凹部108内に受け入れられる第1の軌道要素の突起雄型部分110bとして形成される、
図25に示される熱伸縮ジョイントの実施形態の場合、第1および第2の軌道要素は、単一の細長い軌道要素を形成するために一緒に接続するように異なって成形されることが必要である。
【0090】
図46に示される本発明の別の実施形態では、第1および第2の軌道要素206、208のインターフェース部分210a、bは、第2の軌道要素208のインターフェース部分210bが第1の軌道要素206のインターフェース部分210aの垂直軸の周りで180°回転したものであるように成形される。換言すれば、第1の軌道要素206のインターフェース部分210aは、第2の軌道要素210の複製であるが、
図47(aからc)に示されるような二重軌道表面110a、110bを完成させるために、すなわち、第1の方向または第2の方向に延びる単一の細長い軌道要素を完成させるために、第1および第2の軌道要素のインターフェース部分210a、bが互いに嵌合することを可能にするように垂直軸の周りでちょうど180°回転されている。これは、単一の形状の軌道要素だけが第1の軌道要素と第2の軌道要素の両方に必要とされ、これはさらに、熱伸縮ジョイントの製作における設備コストを低減するという利点を有する。第1の軌道要素206および第2の軌道要素208は、単一の細長い軌道要素の少なくとも一部に対応するため、第1の軌道要素が第1の軌道要素部分として画定され、第2の軌道要素が第2の軌道要素部分として画定されることが可能である。したがって、
図46は、単一の細長い軌道要素を形成するためにそれぞれのインターフェース部分において互いに接続する第1の軌道要素部分206および第2の軌道要素部分208を示す。
図46に示される本発明の特定の実施形態では、第1および第2の軌道要素部分は、実質的に同一であるが、垂直軸の周りでちょうど180°回転されている。
図47(aからc)は、第1の軌道要素部分206および第2の軌道要素部分208が、第1の方向または第2の方向のいずれかに延びる単一の細長い軌道要素を形成するために一緒にされている段階を示す。
【0091】
本発明の目的のために、180°回転は、実質的に180°をカバーするように解釈され、第1の方向または第2の方向のいずれかに延びる単一の細長い軌道要素を形成するように第1および第2の軌道要素が互いに接続することを可能にするための公差を有する、第1および第2の軌道要素のインターフェース部分の輪郭によって完全に依存する。軌道表面は、積荷取扱デバイスの車輪が転がる表面として規定される。二重軌道は、積荷取扱デバイスの車輪をそれぞれの軌道表面上に拘束するためにガイド表面69a、69b、69cを備える。本発明の特定の実施形態では、二重軌道のガイド表面は、軌道上で各車輪を案内する、またはその横方向移動を制限するために軌道の各長手方向縁部に沿って通る、対向するリップまたはリッジ69a、69b(1つのリップは軌道の一方側にあり、別のリップは軌道の他方側にある)と、軌道の縁部に沿ってリップと平行に通る中央リップまたはリッジ69cとを備える。中央リップまたはリッジ69cは、軌道の縁部にあるリップまたはリッジ69a、69bの各々から同じ距離にあり、それにより、中央リップ69cと軌道の縁部にあるリップ69a、69bとの間のエリアは、隣接する積荷取扱デバイスの車輪が同じ軌道上で両方向に互いに通過することを可能にするための2つの軌道表面110a、110bを提供する。
【0092】
本発明の特定の実施形態では、第1および第2の軌道要素206、208の各々のインターフェース部分210a、210bは、3つの段差212a、212b、212cを備え、これらの段差は、第1および第2の軌道要素206、208が一緒にされたときに一緒に接続し、それにより、それぞれの軌道要素の外側縁部上のガイド表面69a、69bおよび中央ガイド表面69cは、
図47(a)に示されるように第1および第2の軌道要素206、208に沿って連続的に通るように当接する。積荷取扱デバイスの前後にある車輪の対を備える、積荷取扱デバイスの車輪アセンブリは、第1および第2の軌道要素206、208にわたって軌道表面上を転がることができる。第1の軌道要素と第2の軌道要素との間の摺動接続によってもたらされる、熱伸縮の結果による軌道要素の移動が、
図47(bおよびc)に示される。第1および第2の軌道要素が分離するとき、ギャップ214a、214b、216が、第1の軌道要素206と第2の軌道要素208との間の軌道表面内に生成される。第1および第2の軌道要素のインターフェース部分の形状は、2つのギャップ214a、214b、すなわち第1の軌道表面110a内の第1のギャップ214aおよび第2の軌道表面110b内の第2のギャップ214bが、軌道の少なくとも一部の長手方向に互いにずらされるようなものであり、第1のギャップ214aは、軌道の長手方向に第2のギャップ214bからずらされる。第1および第2の軌道表面110a、110b内の第1および第2のギャップ214a、214bに加えて、中央リッジ69cもまた、中央ギャップまたは第3のギャップ216を生成するように分離する。第1のギャップ214a、第2のギャップ214b、および第3のギャップ216のサイズは、
図47(b)および
図47(c)に実証されるように第1および第2の軌道要素206、208が分離するにつれて変化する。第1および第2の軌道要素206、208のインターフェース部分210a、210bは、第1および第2の軌道要素が引き離されたときに軌道にわたって横方向に延びる連続的なギャップが存在しないようなものである。これは、第1および第2の軌道要素が分離するときに積荷取扱デバイスの車輪がギャップ内に降下または落下することを防止するためである。
【0093】
第1および第2のギャップ214a、214bの互いにずらされた配置は、第1および第2の軌道要素が分離したときに積荷取扱デバイスの車輪が伸縮ジョイントにわたって進行するための連続的な軌道表面が依然として存在するようなものである。換言すれば、第1および第2の軌道要素206、208のインターフェース部分210a、21bは、第1および第2の軌道要素が分離するときにこれらの長手方向に垂直な方向に依然として重複する。これは、第1および第2の軌道要素が分離するときに積荷取扱デバイスの車輪がそのそれぞれの軌道表面を依然として進行できるという利点を有する。これは、
図48および
図49に実証され、これらの図は、単一の細長い軌道要素の形態の軌道の平行なセットを示しており、平行な軌道のセットの各軌道は、積荷取扱デバイスの前後にある車輪の対が軌道上を進行することを可能にするために本発明の伸縮ジョイントを備える。第1および第2の軌道要素が分離するときのギャップの互いにずらされた配置の結果、ガイド表面によって軌道表面に車輪を拘束することが、
図49に実証される。車輪36が第1の軌道要素206の軌道表面上で移動するとき、車輪36は、第1の軌道要素206の縁部においてガイド表面69aによって拘束される。加えて、第1および第2の軌道要素が分離するとき、これらが界接する接合エリア内の軌道表面の幅は低減し、すなわち、車輪の幅の半分だけが軌道表面の低減された部分上で支持されるように半分だけ低減される。車輪が第1の軌道要素206の軌道表面の端部に到達し、軌道表面内のギャップ214aに近づくと、軌道表面上の車輪の拘束は、軌道要素の縁部におけるガイド表面69aによる拘束から、
図49に示されるような中央ガイド表面69cによる拘束に変化する。同様に、中央ガイド表面69cによって拘束される車輪は、第1および第2の軌道要素が分離するときに外側ガイド表面69a、bの1つによって拘束されるように移行される。
【0094】
このようにして、車輪は、第1および第2の軌道要素が分離しても、第1および第2の軌道要素206、208にわたって進行するときに軌道表面上に常に拘束される。重ねて、軌道表面の幅は、積荷取扱デバイスの車輪が第2の軌道要素の軌道表面上を移動するとき、これら車輪がギャップ214aにわたって進行するときに車輪の半分の幅だけが軌道表面によって支持されるように低減する。積荷取扱デバイスの車輪は、第1の軌道要素と第2の軌道要素との間の接合領域内のギャップを渡った後、軌道表面の全幅によって支持される。
【0095】
第1および第2の軌道要素が分離したときに積荷取扱デバイスの車輪をそのそれぞれの軌道表面に拘束する同様の配置は、
図24から
図27にも実証されており、ここでは、第1の軌道要素は、第2の軌道要素の受け入れ雌型部分内に受け入れ可能である突起雄型部分を備える。2つの軌道表面110a、110bを提供する別個のブリッジング要素をブリッジング部材が備える、
図23に示される軌道要素の実施形態に関しては、これは言えない。第1および第2の軌道要素が分離するとき、ブリッジング部材110は、それぞれの軌道表面上の車輪に対してほとんど拘束を提供せず、第1および第2の軌道要素が分離するときに車輪が軌道表面から脱輪し得る危険が高まる。
【0096】
しかし、
図24から
図27に示される実施形態における第1および第2の軌道要素の配置とは対照的に、軌道表面内のギャップ214a、214bは、長手方向に互いにずらされ、それにより、第1および第2の伸縮ジョイントが平行に配置されたとき、第1の伸縮ジョイント218a内のギャップは、常に第2の伸縮ジョイント218b内の完全な軌道表面の正反対にあり、第2の伸縮ジョイント218bは、第1の伸縮ジョイント218aに平行である。平行な第1および第2の伸縮ジョイント218a、218bにわたって進行する積荷取扱デバイスの車輪は、
図23および
図26に示される実施形態のように複数のギャップを複数回ではなく、1つだけのギャップを任意の1回だけ受ける。これは、車輪がギャップに引っかかる、または衝突する量を低減し、さらに、軌道上の積荷取扱デバイスのクロンク音現象の大きさを低減する。前輪が同時に第1および第2の伸縮ジョイント内の2つのギャップを受け、後輪が同時に2つのギャップを受け、その結果、積荷取扱デバイスの車輪の引っかかりまたは衝突のレベルの増大が生じ、さらに軌道上の積荷取扱デバイスのクロンク音現象を増大させる、
図23および26に示される伸縮ジョイントの構成とこの構成を対比させる。
図48(aおよびb)に示される実施形態における、前輪および後輪が同時に複数のギャップを受ける唯一の機会は、第1および第2の軌道要素のそれぞれの中央ガイド表面69cが分離するときにそれらの要素の軌道表面の中心内に生成されるギャップ216である。
図46に示される実施形態の最も重要な利点は、第1および第2の軌道要素に単一のタイプの軌道要素を使用し、それによってグリッド構造を組み立てるのに必要な異なる部分の数を低減できることである。
【0097】
第1の軌道要素が第2の軌道要素に対して枢動することを可能にするために、両方の軌道要素は、摺動接続上で支持される。本発明による摺動接続の例が数多く存在する。
図50に示される第1の例では、摺動接続220は、
図10を参照して上記で論じられた軌道支持要素56と同様であるが、軌道要素が重複する接合エリア内で互いに対して摺動するように配置される背中合わせのCセクション222、224を備える。軌道要素が重複する接合エリア内の摺動接続は、スロット226および摺動軸受228の配置によって提供され、この配置では、Cセクションの一方の端部が、Cセクションを一緒に接続する摺動軸受と共働するスロットを備える。
図51に示される別の例では、第1および第2の軌道要素206、208を支持する摺動セクションは、プレートまたはバー230を備える。第1と第2の両方の軌道要素206、208は、プレート230の端部を摺動接続で受け入れるための開口部または凹部232を有する。
図51に示される特定の実施形態では、第1および第2の軌道206、208は、プレート230の端部を受け入れるための箱セクションである。プレートの一方の端部は、適切な締結具234、たとえばボルト、ねじ、ピンを使用して、
図51に示されるように第2の軌道要素に固定され、プレートの第2の端部は、第1の軌道要素206の凹部または開口部232内に受け入れ可能である。プレートの表面は、第1および第2の軌道要素内のそのそれぞれの凹部内に受け入れられたとき、第1および第2の軌道要素の上側軌道輪郭を、軌道要素上を進行する積荷取扱デバイスの重量下での座屈から支持する。
【0098】
上記で論じられた他の実施形態と同様に、
図46~
図51を参照して論じられた実施形態における伸縮ジョイントは、上記で論じられたようなグリッド構造の異なる領域を接続するためのブリッジングジョイントアセンブリの一部を形成することができる。第1および第2の軌道要素を支持する軌道支持要素によって隣接する直立部材を相互接続するためのキャッププレート158が、
図50に示される。ここでは、軌道支持要素の端部は、直立部材に固定するために使用されるそのそれぞれのキャッププレートに接続される。加えて、キャッププレートを介して軌道支持体を直立部材に接続するために、機械的ヒューズが使用され得る。軌道支持要素が
図50に示される背中合わせのCセクションである場合、機械的ヒューズは、背中合わせのCセクションが重複する接合エリア内で摺動軸受に組み込まれ得る。代替的には、機械的ヒューズは、軌道支持要素の1つをそのそれぞれのキャッププレートに接続するために使用される締結具に組み込まれ得る。
【0099】
特許請求の範囲内に規定される本発明の範囲内で当業者に明らかである例示的な実施形態のさまざまな改変形態は、本発明の範囲内に含まれるとみなされる。たとえば、機械的ヒューズの組み合わせは、ブリッジングジョイントアセンブリを介して隣接するグリッド部材の端部を接続するために使用される機械的ヒューズと一緒に、キャッププレートを介して複数の直立部材の少なくとも1つをグリッド部材に相互接続するために使用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のコンテナを移動させるように動作可能な積荷取扱デバイスを支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造が、
複数の直立部材を備え、前記複数の直立部材は、1つまたは複数のコンテナが垂直方向に前記直立部材によって案内されるための複数の垂直場所を形成するように配置され、
ここにおいて、前記複数の直立部材が、その上端部にノードを画定するように、グリッドパターンに配置された複数のグリッド部材によって相互接続され、前記グリッド部材は、第1の方向に延びるグリッド部材の第1のセットと第2の方向に延びるグリッド部材の第2のセットとを備え、グリッド部材の前記第2のセットは、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するために、実質的に水平の平面内でグリッド部材の前記第1のセットに対して横断方向に通っており、
前記グリッド構造は、前記複数のグリッド部材上に位置決めされた軌道システムを備え、前記軌道システムは、前記グリッドパターンに配置された複数の軌道を備え、
前記グリッド構造は、第1の領域と第2の領域とを備え、
ここにおいて、前記グリッドフレームワーク構造が、前記グリッド構造の前記第1の領域と前記グリッド構造の前記第2の領域との間の1つまたは複数の接続部として配置されたブリッジングジョイントアセンブリをさらに備え、前記ブリッジングジョイントアセンブリは、所定の負荷以上の印加された負荷の下で壊れるように配置された少なくとも1つの機械的ヒューズを備え、前記所定の負荷は、前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに、前記グリッド構造の前記第1の領域が前記グリッド構造の前記第2の領域から分離することを可能にするように前記複数の直立部材と前記グリッド構造の前記複数のグリッド部材との間の前記相互接続を壊すための負荷より低い、グリッドフレームワーク構造。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機械的ヒューズが、前記第1の方向または前記第2の方向に平行な方向の前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに壊れるように構成された少なくとも1つのせん断ピンを備える、請求項1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項3】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記グリッド構造内の隣接するグリッド部材の端部を接続するように構成される、請求項
1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項4】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、複数の締結具によって隣接するグリッド部材の前記端部を接続するように配置された少なくとも1つのブラケットを備え、前記複数の締結具の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの機械的ヒューズ上の前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに、前記ブラケットが前記隣接するグリッド部材の少なくとも1つの端部から分離するように配置されるような前記少なくとも1つの機械的ヒューズを備える、請求項3に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項5】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記少なくとも1つのブラケットおよび前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部が互いに対して摺動することを可能にするために、前記少なくとも1つのブラケットが前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部に重複するように配置された接合エリア内で前記ブラケット内および/または前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部内のスロットと共働するように配置された少なくとも1つの摺動軸受を備える、請求項4に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項6】
前記少なくとも1つのブラケットが、前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部の対向する側に配置された第1および第2のブラケットを備える、請求項
4に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項7】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記複数の直立部材の少なくとも1つを前記複数のグリッド部材の少なくとも1つに接続するように配置される、請求項
1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項8】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、第1の軌道要素と第2の軌道要素とを備える伸縮ジョイントをさらに備え、ブリッジング部材は、前記第1および第2の軌道要素の端部にわたって前記第1または第2の方向に長手方向に延びる連続的な軌道表面を提供するように、前記第1および第2の軌道要素の前記端部にわたって延びる、請求項
1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項9】
前記ブリッジング部材が、前記第1の軌道要素に取り付けられた第1の端部と、前記第2の軌道要素に対して移動可能な第2の端部とを有する、請求項
8に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項10】
前記ブリッジング部材の前記第2の端部が、前記第2の軌道要素内の対応する形状の凹部内に受け入れられるように構成される、請求項
9に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項11】
前記ブリッジング部材が、前記第2の軌道要素内の溝に沿って摺動するように制限されたガイド部材をさらに備える、請求項
8に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項12】
前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記第1および第2の軌道要素の前記端部間の接合エリア内で前記ブリッジング部材を支持するように配置された支持体をさらに備える、請求項
8に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項13】
前記グリッド構造の前記第1の領域が、中2階レベル上に配置される、請求項
1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項14】
前記複数の直立部材の少なくとも一部が、1つまたは複数の保管コンテナが前記複数の直立部材の前記少なくとも一部分間に積み重ねられるための複数の垂直保管カラムを形成するように配置される、請求項
1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項15】
前記グリッド構造の前記第2の領域が、前記複数の垂直保管カラムを形成する前記複数の直立部材の前記少なくとも一部の上方に配置される、請求項
14に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項16】
前記複数の直立部材が、直立部材の第1および第2のセットを備え、前記複数の直立部材の前記少なくとも一部は、前記グリッド構造の前記第1の領域が直立部材の前記第1のセットの上方に配置されるように、直立部材の前記第2のセットを画定する、請求項
14に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項17】
直立部材の前記第1のセットの長さが、直立部材の前記第2のセットとは異なる、請求項
16に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項18】
前記複数のグリッド部材が、前記グリッド構造の前記第1の領域を画定するように前記グリッドパターンで配置された複数の第1のタイプのグリッド部材と、前記グリッド構造の前記第2の領域を画定するように前記グリッドパターンで配置された複数の第2のタイプのグリッド部材とを備え、前記第1のタイプのグリッド部材は、前記第2のタイプのグリッド部材とは異なる、請求項
1に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項19】
前記複数の第2のタイプのグリッド部材の各グリッド部材が、前記複数の第1のタイプのグリッド部材の各グリッド部材より大きい曲げ強さを有する、請求項
18に記載のグリッドフレームワーク構造。
【請求項20】
保管および取り出しシステムであって、
i)請求項1から
19のいずれかに記載のグリッドフレームワーク構造と、
ii)グリッドの下方に位置付けられた保管カラム内に配置されたコンテナの複数のスタックと、ここにおいて、各保管カラムが、グリッドセルの下方に垂直方向に位置付けられる、
iii)前記スタック内に積み重ねられたコンテナを持ち上げ、移動させるための複数の積荷取扱デバイスと、前記複数の積荷取扱デバイスが、前記グリッドセルを通って前記コンテナにアクセスするために前記保管カラムの上方の前記グリッド上で横方向に移動するように遠隔で操作され、前記複数の積荷取扱デバイスの各々が、
a)前記グリッド上で前記積荷取扱デバイスを案内するための車輪アセンブリと、
b)前記グリッドの上方に位置付けられたコンテナ受け入れスペースと、
c)スタックからの単一のコンテナを前記コンテナ受け入れスペース内に持ち上げるように配置された持ち上げデバイスとを備える、
を備える、保管および取り出しシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
特許請求の範囲内に規定される本発明の範囲内で当業者に明らかである例示的な実施形態のさまざまな改変形態は、本発明の範囲内に含まれるとみなされる。たとえば、機械的ヒューズの組み合わせは、ブリッジングジョイントアセンブリを介して隣接するグリッド部材の端部を接続するために使用される機械的ヒューズと一緒に、キャッププレートを介して複数の直立部材の少なくとも1つをグリッド部材に相互接続するために使用され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 1つまたは複数のコンテナを移動させるように動作可能な積荷取扱デバイスを支持するためのグリッドフレームワーク構造であって、前記グリッドフレームワーク構造が、
複数の直立部材を備え、前記複数の直立部材は、1つまたは複数のコンテナが垂直方向に前記直立部材によって案内されるための複数の垂直場所を形成するように配置され、
ここにおいて、前記複数の直立部材が、その上端部にノードを画定するように、グリッドパターンに配置された複数のグリッド部材によって相互接続され、前記グリッド部材は、第1の方向に延びるグリッド部材の第1のセットと第2の方向に延びるグリッド部材の第2のセットとを備え、グリッド部材の前記第2のセットは、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するために、実質的に水平の平面内でグリッド部材の前記第1のセットに対して横断方向に通っており、
前記グリッド構造は、前記複数のグリッド部材上に位置決めされた軌道システムを備え、前記軌道システムは、前記グリッドパターンに配置された複数の軌道を備え、
前記グリッド構造は、第1の領域と第2の領域とを備え、
ここにおいて、前記グリッドフレームワーク構造が、前記グリッド構造の前記第1の領域と前記グリッド構造の前記第2の領域との間の1つまたは複数の接続部として配置されたブリッジングジョイントアセンブリをさらに備え、前記ブリッジングジョイントアセンブリは、所定の負荷以上の印加された負荷の下で壊れるように配置された少なくとも1つの機械的ヒューズを備え、前記所定の負荷は、前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに、前記グリッド構造の前記第1の領域が前記グリッド構造の前記第2の領域から分離することを可能にするように前記複数の直立部材と前記グリッド構造の前記複数のグリッド部材との間の前記相互接続を壊すための負荷より低い、グリッドフレームワーク構造。
[2] 前記少なくとも1つの機械的ヒューズが、前記第1の方向または前記第2の方向に平行な方向の前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに壊れるように構成された少なくとも1つのせん断ピンを備える、[1]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[3] 前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記グリッド構造内の隣接するグリッド部材の端部を接続するように構成される、[1]または[2]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[4] 前記ブリッジングジョイントアセンブリが、複数の締結具によって隣接するグリッド部材の前記端部を接続するように配置された少なくとも1つのブラケットを備え、前記複数の締結具の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの機械的ヒューズ上の前記印加された負荷が前記所定の負荷を超えたときに、前記ブラケットが前記隣接するグリッド部材の少なくとも1つの端部から分離するように配置されるような前記少なくとも1つの機械的ヒューズを備える、[3]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[5] 前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記少なくとも1つのブラケットおよび前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部が互いに対して摺動することを可能にするために、前記少なくとも1つのブラケットが前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部に重複するように配置された接合エリア内で前記ブラケット内および/または前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部内のスロットと共働するように配置された少なくとも1つの摺動軸受を備える、[4]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[6] 前記少なくとも1つのブラケットが、前記隣接するグリッド部材の前記少なくとも1つの端部の対向する側に配置された第1および第2のブラケットを備える、[4]または[5]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[7] 前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記複数の直立部材の少なくとも1つを前記複数のグリッド部材の少なくとも1つに接続するように配置される、[1]から[6]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[8] 前記ブリッジングジョイントアセンブリが、キャッププレートを備え、前記キャッププレートは、前記グリッド構造内の別個のグリッド部材に接続するための4つの接続部分を有して十字形状にされており、前記4つの接続部分の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの機械的ヒューズによってグリッド部材に接続される、[7]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[9] 前記ブリッジングジョイントアセンブリが、第1の軌道要素と第2の軌道要素とを備える伸縮ジョイントをさらに備え、ブリッジング部材は、前記第1および第2の軌道要素の端部にわたって前記第1または第2の方向に長手方向に延びる連続的な軌道表面を提供するように、前記第1および第2の軌道要素の前記端部にわたって延びる、[1]から[8]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[10] 前記ブリッジング部材が、前記第1の軌道要素に取り付けられた第1の端部と、前記第2の軌道要素に対して移動可能な第2の端部とを有する、[9]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[11] 前記ブリッジング部材の前記第2の端部が、前記第2の軌道要素内の対応する形状の凹部内に受け入れられるように構成される、[10]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[12] 前記ブリッジング部材の前記第2の端部が、前記第2の軌道要素に重複するように配置される、[10]または[11]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[13] 前記ブリッジング部材が、前記第2の軌道要素内の溝に沿って摺動するように制限されたガイド部材をさらに備える、[9]から[12]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[14] 前記ブリッジングジョイントアセンブリが、前記第1および第2の軌道要素の前記端部間の接合エリア内で前記ブリッジング部材を支持するように配置された支持体をさらに備える、[9]から[13]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[15] 前記グリッド構造の前記第1の領域が、中2階レベル上に配置される、[1]から[14]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[16] 前記グリッド構造の前記第1の領域が、前記グリッドフレームワーク構造からおよび/または前記グリッドフレームワーク構造内に保管コンテナが通り抜けて移送され得る1つまたは複数のポートを備える、[1]から[15]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[17] 前記複数の直立部材の少なくとも一部が、1つまたは複数の保管コンテナが前記複数の直立部材の前記少なくとも一部分間に積み重ねられるための複数の垂直保管カラムを形成するように配置される、[1]から[16]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[18] 前記グリッド構造の前記第2の領域が、前記複数の垂直保管カラムを形成する前記複数の直立部材の前記少なくとも一部の上方に配置される、[17]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[19] 前記複数の直立部材が、直立部材の第1および第2のセットを備え、前記複数の直立部材の前記少なくとも一部は、前記グリッド構造の前記第1の領域が直立部材の前記第1のセットの上方に配置されるように、直立部材の前記第2のセットを画定する、[17]または[18]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[20] 直立部材の前記第1のセットの長さが、直立部材の前記第2のセットとは異なる、[19]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[21] 前記複数のグリッド部材が、前記グリッド構造の前記第1の領域を画定するように前記グリッドパターンで配置された複数の第1のタイプのグリッド部材と、前記グリッド構造の前記第2の領域を画定するように前記グリッドパターンで配置された複数の第2のタイプのグリッド部材とを備え、前記第1のタイプのグリッド部材は、前記第2のタイプのグリッド部材とは異なる、[1]から[20]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造。
[22] 前記複数の第2のタイプのグリッド部材の各グリッド部材が、前記複数の第1のタイプのグリッド部材の各グリッド部材より大きい曲げ強さを有する、[21]に記載のグリッドフレームワーク構造。
[23] 保管および取り出しシステムであって、
i)[1]から[22]のいずれかに記載のグリッドフレームワーク構造と、
ii)グリッドの下方に位置付けられた保管カラム内に配置されたコンテナの複数のスタックと、ここにおいて、各保管カラムが、グリッドセルの下方に垂直方向に位置付けられる、
iii)前記スタック内に積み重ねられたコンテナを持ち上げ、移動させるための複数の積荷取扱デバイスと、前記複数の積荷取扱デバイスが、前記グリッドセルを通って前記コンテナにアクセスするために前記保管カラムの上方の前記グリッド上で横方向に移動するように遠隔で操作され、前記複数の積荷取扱デバイスの各々が、
a)前記グリッド上で前記積荷取扱デバイスを案内するための車輪アセンブリと、
b)前記グリッドの上方に位置付けられたコンテナ受け入れスペースと、
c)スタックからの単一のコンテナを前記コンテナ受け入れスペース内に持ち上げるように配置された持ち上げデバイスとを備える、
を備える、保管および取り出しシステム。
【国際調査報告】