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特表2024-535381試料分析のための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】試料分析のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/686 20180101AFI20240920BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20240920BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C12Q1/686 Z
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518584
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022044540
(87)【国際公開番号】W WO2023049349
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/247,397
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524110528
【氏名又は名称】エヌシックス・テック、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】パテル,プラナフ
(72)【発明者】
【氏名】カブジ,ヤシン
(72)【発明者】
【氏名】サドリ,アミール
(72)【発明者】
【氏名】ジュヴノ,ヤン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA23
4B029BB16
4B029BB20
4B029FA12
4B029GA03
4B063QA01
4B063QQ28
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
装置は、1または複数の試料を収容するように構成された複数の位置と、複数の位置に対応し、かつ隣接して配置された複数の熱素子であって、複数の素子が、複数の位置の個々の位置内の熱条件に影響を及ぼすように構成される、複数の熱素子と、複数の素子の少なくともサブセットに動作可能に結合され、かつ共通である少なくとも1つの追加の熱素子であって、追加の熱素子が、複数の位置の個々の位置内の熱条件に少なくとも部分的に応答して、複数の熱素子の少なくとも1つの動作条件に影響を及ぼすように構成される、少なくとも1つの追加の熱素子と、複数の位置の個々の位置からの信号またはその変化を検出するように構成された少なくとも1つの光学系であって、信号またはその変化が、熱条件の変化によって少なくとも部分的に生成され、1または複数の試料に関連する特性を示す、少なくとも1つの光学系と、を備えてもよい。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物を含む、または含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を行うための方法であって、
(a)前記試料を基板の位置に提供するステップであって、前記位置が、前記試料を保持し、前記試料が前記PCR分析のための条件に供されることを可能にするように構成された容積を有する、ステップと、
(b)前記位置に隣接して配置された第1の素子を使用して前記位置の前記条件に影響を及ぼし、それによって前記試料を使用して前記PCR反応を開始するステップであって、前記PCR反応が、前記分析物に関連する特性を示す信号または信号変化を生成する、ステップと、
(c)前記第1の素子に動作可能に結合された第2の素子を使用して、前記信号または信号変化に少なくとも部分的に応答して前記第1の素子の動作条件を調整し、それによって前記位置の前記条件に影響を及ぼすステップと、
(d)前記信号または信号変化が所定のしきい値に達したときに前記PCR反応の速度を低下させるように前記第1の素子の前記動作条件を調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記装置の第2の位置が第2の試料を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の位置での前記PCR反応が停止した後に、第2のPCR反応が前記第2の位置内で継続する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が事前正規化を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が事前定量化を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の感度で決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の特異性で決定される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の精度で決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記信号または信号変化が光信号またはその変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特性が、前記分析物の存在、非存在、量、または濃度である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
試料の検出および分析のための装置であって、
1または複数の試料を収容するように構成された複数の位置と、
前記複数の位置に対応し、かつ隣接して配置された複数の熱素子であって、前記複数の素子が、前記複数の位置の個々の位置内の熱条件に影響を及ぼすように構成される、複数の熱素子と、
前記複数の素子の少なくともサブセットに動作可能に結合され、かつ共通である少なくとも1つの追加の熱素子であって、前記追加の熱素子が、前記複数の位置の前記個々の位置内の前記熱条件に少なくとも部分的に応答して、前記複数の熱素子の少なくとも1つの動作条件に影響を及ぼすように構成される、少なくとも1つの追加の熱素子と、
前記複数の位置の前記個々の位置からの信号またはその変化を検出するように構成された少なくとも1つの光学系であって、前記信号またはその変化が、前記熱条件の変化によって少なくとも部分的に生成され、前記1または複数の試料に関連する特性を示す、少なくとも1つの光学系と、
を備える、装置。
【請求項12】
前記複数の位置を備える基板をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の位置が、複数のチャンバ、または複数のマイクロ流体チャネルである、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記基板がマルチウェルプレートであり、前記複数の位置が前記マルチウェルプレートに備えられたウェルである、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の位置の前記個々の位置が、空間的に区別可能であり、独立してアドレス指定可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記複数の熱素子の個々の熱素子が、前記複数の位置の前記個々の位置内の熱条件に独立して影響を及ぼすように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の熱素子が、複数の熱電加熱素子または熱電冷却素子を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの追加の熱素子が、少なくとも1つの熱電ヒータまたは少なくとも1つの熱電冷却器を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記複数の位置の各位置が、前記位置の設定温度から約1℃未満の温度に維持される、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記複数の位置が、少なくとも約96の位置を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
前記複数の位置が、少なくとも約384の位置を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置が、前記複数の位置の第2のサブセットを一定温度に維持しながら、前記複数の位置の第1のサブセットに温度サイクルをかけるように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項23】
前記装置が、前記複数の位置にわたって条件プロファイルを生成するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項24】
前記プロファイルが温度プロファイルである、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記複数の位置間の熱クロストークを低減するように構成された1または複数のヒートパイプをさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項26】
前記光学系が、前記複数の位置の前記各位置から前記信号またはその変化を個別に検出するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項27】
前記複数の位置の各位置について、前記複数の位置の前記各々における温度を測定するように構成された異なる温度センサをさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項28】
前記温度センサが、前記位置に隣接して配置された熱素子に動作可能に結合される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
分析物を含む、または含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を行うための方法であって、
(a)前記試料を基板の位置に提供するステップであって、前記位置が、前記試料を保持し、前記試料が前記PCR分析のための条件に供されることを可能にするように構成された容積を有する、ステップと、
(b)前記位置に隣接して配置された第1の素子を使用して前記位置の前記条件に影響を及ぼし、それによって前記試料に対する前記PCR反応を開始するステップであって、前記PCR反応が、前記分析物に関連する特性を示す信号または信号変化を生成する、ステップと、
(c)前記第1の素子に動作可能に結合された第2の素子を使用して、前記信号または信号変化に少なくとも部分的に応答して前記第1の素子の動作条件を調整し、それによって前記位置の前記条件に影響を及ぼすステップと、
を含む、方法。
【請求項30】
前記装置の第2の位置が第2の試料を備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の位置での前記PCR反応が停止または一時停止された後に、第2のPCR反応が前記第2の位置内で継続する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法が事前正規化を含まない、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が事前定量化を含まない、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の感度で決定される、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の特異性で決定される、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の精度で決定される、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記信号または信号変化が光信号またはその変化を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記特性が、前記分析物の存在、非存在、量、または濃度である、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
各々が分析物を含む、または含む疑いがある複数の試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を行うための方法であって、
(a)前記複数の試料を基板の複数の位置に提供するステップと、
(b)前記複数の試料のうちの第1の試料の第1のPCR分析を行うステップであって、前記第1のPCR分析が第1の数の増幅動作を含む、ステップと、
(c)前記複数の試料のうちの第2の試料の第2のPCR分析を行うステップであって、前記第2のPCR分析が第2の数の増幅動作を含み、前記第1の数の増幅動作が前記第2の数の増幅動作から独立している、ステップと、
を含む、方法。
【請求項40】
装置であって、
1または複数の試料を収容するように構成された複数の位置と、
前記複数の位置に対応し、かつ隣接して配置された複数の熱素子であって、前記複数の素子が、前記複数の位置の個々の位置内の熱条件に影響を及ぼすように構成される、複数の熱素子と、
前記複数の素子の少なくともサブセットに動作可能に結合され、かつ共通である少なくとも1つの追加の熱素子であって、前記追加の熱素子が、前記複数の位置の前記個々の位置内の前記熱条件に少なくとも部分的に応答して、前記複数の熱素子の少なくとも1つの動作条件に影響を及ぼすように構成される、少なくとも1つの追加の熱素子と、
を備える、装置。
【請求項41】
前記信号または信号変化が前記所定のしきい値に達すると、前記PR反応が停止する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年9月23日に出願された米国仮出願第63/247,397号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
診断検査方法および装置は、現代の医療の重要な部分となっている。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく診断は、病原体の特定が困難であることによって引き起こされる健康問題に世界的な注目が集まっているため、重要性が増している。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、本開示は、分析物を含む、または含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を行うための方法を提供し、本方法は、(a)試料を基板の位置に提供するステップであって、位置が、試料を保持し、試料がPCR分析のための条件に供されることを可能にするように構成された容積を有する、ステップと、(b)位置に隣接して配置された第1の素子を使用して位置の条件に影響を及ぼし、それによって試料を使用してPCR反応を開始するステップであって、PCR反応が、分析物に関連する特性を示す信号または信号変化を生成する、ステップと、(c)第1の素子に動作可能に結合された第2の素子を使用して、信号または信号変化に少なくとも部分的に応答して第1の素子の動作条件を調整し、それによって位置の条件に影響を及ぼすステップと、(d)信号または信号変化が所定のしきい値に達したときにPCR反応を停止するように第1の素子の動作条件を調整するステップと、を含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、装置の第2の位置は第2の試料を備える。いくつかの実施形態では、第1の位置でのPCR反応が停止した後に、第2のPCR反応は第2の位置内で継続する。いくつかの実施形態では、本方法は、事前正規化を含まない。いくつかの実施形態では、本方法は事前定量化を含まない。いくつかの実施形態では、分析物の存在または非存在は、少なくとも約90%の感度で決定される。いくつかの実施形態では、分析物の存在または非存在は、少なくとも約90%の特異性で決定される。いくつかの実施形態では、分析物の存在または非存在は、少なくとも約90%の精度で決定される。いくつかの実施形態では、信号または信号変化は、光信号またはその変化を含む。いくつかの実施形態では、特性は、分析物の存在、非存在、量、または濃度である。
【0005】
別の態様では、本開示は、試料の検出および分析のための装置を提供し、本装置は、1または複数の試料を収容するように構成された複数の位置と、複数の位置に対応し、かつ隣接して配置された複数の熱素子であって、複数の素子が、複数の位置の個々の位置内の熱条件に影響を及ぼすように構成される、複数の熱素子と、複数の素子の少なくともサブセットに動作可能に結合され、かつ共通である少なくとも1つの追加の熱素子であって、追加の熱素子が、複数の位置の個々の位置内の熱条件に少なくとも部分的に応答して、複数の熱素子の少なくとも1つの動作条件に影響を及ぼすように構成される、少なくとも1つの追加の熱素子と、複数の位置の個々の位置からの信号またはその変化を検出するように構成された少なくとも1つの光学系であって、信号またはその変化が、熱条件の変化によって少なくとも部分的に生成され、1または複数の試料に関連する特性を示す、少なくとも1つの光学系と、を備える。いくつかの実施形態では、複数の素子の各素子は、異なる温度センサに関連付けられてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、装置は複数の位置を含む基板をさらに備える。いくつかの実施形態では、複数の位置は、複数のチャンバ、または複数のマイクロ流体チャネルである。いくつかの実施形態では、基板はマルチウェルプレートであり、複数の位置はマルチウェルプレートに備えられたウェルである。いくつかの実施形態では、複数の位置の個々の位置は、空間的に区別可能であり、独立してアドレス指定可能である。いくつかの実施形態では、複数の熱素子の個々の熱素子は、複数の位置の個々の位置内の熱条件に独立して影響を及ぼすように構成される。いくつかの実施形態では、複数の熱素子は、複数の熱電加熱素子または熱電冷却素子を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の熱素子は、少なくとも1つの熱電ヒータまたは少なくとも1つの熱電冷却器を備える。いくつかの実施形態では、複数の位置の各位置は、その位置の設定温度から約1℃未満の温度に維持される。いくつかの実施形態では、複数の位置は、少なくとも約96の位置を含む。いくつかの実施形態では、複数の位置は、少なくとも約384の位置を含む。いくつかの実施形態では、装置は、複数の位置の第2のサブセットを一定温度に維持しながら、複数の位置の第1のサブセットに温度サイクルをかけるように構成される。いくつかの実施形態では、装置は、複数の位置にわたって条件プロファイルを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、プロファイルは温度プロファイルである。いくつかの実施形態では、装置は、複数の位置間の熱クロストークを低減するように構成された1または複数のヒートパイプをさらに備える。いくつかの実施形態では、光学系は、複数の位置の各位置から信号またはその変化を個別に検出するように構成される。
【0007】
本開示の別の態様は、1または複数のコンピュータプロセッサと、それに結合されたコンピュータメモリと、を備えるシステムを提供する。コンピュータメモリは、1または複数のコンピュータプロセッサによって実行されると、上記または本明細書の他の場所の方法のいずれかを実施する機械実行可能コードを含む。
【0008】
本開示のさらなる態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。詳細な説明では、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明されている。理解されるように、本開示は他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべてが本開示から逸脱することなく、様々な明白な点で変更が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものとみなすべきであり、限定的なものとみなすべきではない。
【0009】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する限り、本明細書は、そのような矛盾する材料に取って代わるおよび/または優先することを意図している。
【0010】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、ならびに添付の図面(本明細書では「図」および「FIG」とも呼ぶ)を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態による、分析物を含むまたは含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を実行するための方法のフローチャートである。
【0012】
図2】一実施形態による、装置の概略図である。
【0013】
図3】一実施形態による、装置の概略図である。
【0014】
図4A】一実施形態による、電流シンク容量のない熱電制御アーキテクチャの概略図である。
【0015】
図4B】一実施形態による、電流シンク容量を有する熱電制御アーキテクチャの概略図である。
【0016】
図5】一実施形態による、アドレス指定可能な制御アレイの概略図である。
【0017】
図6】本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムされた、または構成されたコンピュータシステムを示す図である。
【0018】
図7】一実施形態による、チャンバの制御ロジックのフローチャートである。
【0019】
図8】一実施形態による、蛍光終点に基づく正規化の一例を示す図である。
【0020】
図9】いくつかの実施形態による、コントローラドータボードの複数のビューの一例を示す図である。
【0021】
図10】いくつかの実施形態による、制御回路の一例を示す図である。
【0022】
図11】いくつかの実施形態による、本明細書の他の箇所に記載されているシステムの切断例を示す図である。
【0023】
図12A】いくつかの実施形態による、制御アーキテクチャの例示的な概略図である。
図12B】いくつかの実施形態による、制御アーキテクチャの例示的な概略図である。
【0024】
図13】いくつかの実施形態による、複数の隣接する個別に制御されたウェルの熱性能の一例を示す図である。
【0025】
図14】いくつかの実施形態による、個別に制御されたウェルと個別に制御されていないウェルとの性能比較を示す図である。
【0026】
図15A】いくつかの実施形態による、ピラー設計の例を示す図である。
図15B】いくつかの実施形態による、ピラー設計の例を示す図である。
図15C】いくつかの実施形態による、ピラー設計の例を示す図である。
【0027】
図16A】いくつかの実施形態による、装置の一例の図である。
図16B】いくつかの実施形態による、装置の一例の図である。
【0028】
図17】いくつかの実施形態による、光学アセンブリの一例を示す図である。
【0029】
図18】いくつかの実施形態による、複数の光学アセンブリの構成の一例を示す図である。
【0030】
図19】いくつかの実施形態による、複数のチャンバに隣接して配置された複数の光学アセンブリを備えるユニットの一例を示す図である。
【0031】
図20】いくつかの実施形態による、8つの光学アセンブリを備える例示的なユニットを示す図である。
【0032】
図21】いくつかの実施形態による、単一のユニット内に16個の光学アセンブリを備える例示的なユニットを示す図である。
【0033】
図22】いくつかの実施形態による、アニーリング温度の最適化実験の一例を示す図である。
【0034】
図23】いくつかの実施形態による、65℃の線形勾配を有するプロトコルを実行する24個のウェル内で得られた温度プロファイルのプロットを示す図である。
【0035】
図24A】いくつかの実施形態による、図23で行われた実験のためのソフトウェア設定を示す図である。
図24B】いくつかの実施形態による、図23で行われた実験のためのソフトウェア設定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書では本発明の様々な実施形態を示し説明しているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換を想到することができる。本明細書に記載されている本発明の実施形態に対する様々な代替例を採用することができることを理解されたい。
【0037】
「少なくとも」、「より大きい」、または「以上」という用語が2つ以上の一連の数値の第1の数値に先行するときはいつでも、「少なくとも」、「より大きい」、または「以上」という用語は、その一連の数値の各数値に適用される。例えば、1、2、または3以上は、1以上、2以上、または3以上に等しい。
【0038】
「以下」、「未満」、または「以下」という用語が2つ以上の一連の数値の第1の数値に先行するときはいつでも、「以下」、「未満」、または「以下」という用語は、その一連の数値の各数値に適用される。例えば、3、2、または1以下は、3以下、2以下、または1以下と等価である。
【0039】
本明細書における特定の本発明の実施形態は、数値範囲を企図する。範囲が存在する場合、範囲は範囲の終点を含む。さらに、その範囲内のすべての部分範囲および値は、あたかも明示的に書き出されているかのように存在する。「約」または「およそ」という用語は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味することができ、これは、値がどのように測定または決定されるか、例えば、測定システムの制限に部分的に依存する。例えば、「約」は、当技術分野の慣例に従って、1標準偏差以内または1標準偏差を超えることを意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載されている場合、特に明記しない限り、「約」という用語は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味すると仮定することができる。
【0040】
場合によっては、本明細書の他の箇所に記載されているような装置は、1または複数のチャンバを備えてもよい。1または複数のチャンバは、本明細書の他の箇所に記載されているような位置であってもよい。例えば、装置は、複数のチャンバである複数の位置を備えることができる。
【0041】
別の態様では、本開示は装置を提供する。装置は、1または複数の試料を収容するように構成された複数のチャンバを備えてもよい。装置は、複数のチャンバに隣接して配置された複数の素子を備えてもよい。複数の素子は、複数のチャンバの各チャンバ内の少なくとも1つの条件に影響を及ぼすように構成されてもよい。装置は、前記複数の素子のうちの1または複数の素子に隣接して配置された少なくとも1つの追加素子を備えてもよい。追加の素子は、複数の素子の少なくとも1つの条件に影響を及ぼすように構成されてもよい。装置は、複数のチャンバの各チャンバからの信号の有無を測定するように構成された少なくとも1つの光学系を備えてもよい。
【0042】
装置は、少なくとも約1、2、3、4、5、10、25、50、75、96、100、150、200、250、300、350、384、400、450、500、またはそれ以上のチャンバを備えてもよい。装置は、最大で約500、450、400、384、350、300、250、200、150、100、96、75、50、25、10、5、4、3、2、またはそれより少ないチャンバを備えてもよい。装置は、上記の値のうちの任意の2つによって定義されるいくつかのチャンバを備えてもよい。チャンバは、少なくとも約0.1、0.5、1、5、10、50、100、500、1,000、5,000、10,000マイクロリットル以上の容積を含むように構成されてもよい。チャンバは、最大で約10,000、5,000、1,000、500、100、50、10、5、1、0.5、0.1マイクロリットル以下の容積を含むように構成されてもよい。複数のチャンバの各チャンバは、同じサイズであってもよい。例えば、各々が同じ容積を有する96個のチャンバのアレイを使用することができる。複数のチャンバのチャンバは、異なるサイズであってもよい。例えば、装置は、複数のより小さいチャンバと、複数のより大きいチャンバとを備えることができる。複数のチャンバは、1次元、2次元、または3次元アレイであってもよい。例えば、複数のチャンバは、2次元の96個のウェルプレートと同様に構成されてもよい。場合によっては、複数のチャンバをストリップに編成することができる。例えば、本明細書の他の箇所に記載されているような基板は、ストリップであり得る。複数のチャンバは、一連の個々のチューブとして構成されてもよい。場合によっては、チャンバはフローセルの少なくとも一部である。例えば、フローセルは、本明細書の他の箇所で説明するように、フローセルの一部が素子に隣接するように構成することができる。チャンバは、チップの少なくとも一部であってもよい。例えば、チップは、複数のチャンバを備えることができる。
【0043】
複数のチャンバは、それぞれ少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の試料を含むように構成されてもよい。例えば、チャンバ内に2つの試料を収容するために、単一のチャンバを仕切りで構成することができる。複数のチャンバは、それぞれ最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つの試料を含むように構成されてもよい。複数のチャンバは、少なくとも約1、5、10、25、50、75、100個、またはそれ以上の試料を含むように集合的に構成されてもよい。例えば、96個のチャンバのアレイは、96個の試料を含むように構成することができる。複数のチャンバは、最大で約100、75、50、25、10、5、またはそれ未満の試料を含むように集合的に構成されてもよい。複数のチャンバの各チャンバは、異なる試料を収容するように構成されてもよい。
【0044】
チャンバは、ウェルの形態であってもよい。例えば、チャンバは、1つの開放端および1つの閉鎖端を有するシリンダとすることができる。チャンバは、ポリマー(例えば、プラスチック、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、金属(例えば、純金属、合金など)、酸化物(例えば、ガラス、絶縁性酸化物など)、半導体(例えば、シリコンなど)など、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1または複数を含むことができる。チャンバは、チャンバ内に堆積された材料(例えば、試料、試薬など)と反応しないように構成されてもよい。例えば、鉄チャンバは、水溶媒との反応を低減するためにステンレス鋼で裏打ちすることができる。別の例では、過酷な試薬のためにチャンバを保護するために、ポリエチレンチャンバをポリテトラフルオロエチレンで裏打ちすることができる。
【0045】
装置は、複数のチャンバに隣接して配置された複数の素子を備えてもよい。複数の素子は、複数のチャンバと接触してもよい。複数の素子は、複数のチャンバと熱的に接触していてもよい。例えば、複数の素子は、複数の熱転写パッドを介して複数のチャンバに接続することができる。
【0046】
複数の素子は、複数のチャンバの各チャンバ内の少なくとも1つの条件に影響を及ぼすように構成されてもよい。少なくとも1つの条件は、温度、磁場、光学条件など、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。条件は、個別チャンバの条件であってもよい。例えば、第1のチャンバの温度は、第2のチャンバとは異なる温度に保持することができる。複数のチャンバの各チャンバは、各チャンバの設定温度から少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10℃以上の温度に維持されてもよい。複数のチャンバの各チャンバは、各チャンバの設定温度から最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1℃以下の温度に維持されてもよい。複数のチャンバの各チャンバは、進行値のうちの任意の2つによって定義される温度範囲に維持されてもよい。例えば、各チャンバは、各チャンバの設定点から0.5~1℃の範囲の温度に維持することができる。各設定点は、各チャンバについて同じであってもよい。例えば、すべてのチャンバを50℃に維持することができる。異なるチャンバは異なる設定点を有し得る。例えば、第1のセットのチャンバは95℃に維持することができ、第2のセットのチャンバは-15℃に維持することができる。装置は、複数のチャンバの第2のサブセットを一定の温度に維持しながら、複数のチャンバの第1のサブセットに温度サイクルをかけるように構成されてもよい。例えば、複数のチャンバでPCR反応を行うことができる。この例では、チャンバからの蛍光信号が所定のレベルに達すると、チャンバを低温に維持することによって、そのチャンバ内のPCR反応を停止させることができる。この例では、他のチャンバをサイクルし続けて、それらのチャンバ内で生じるPCR反応を継続することができる。
【0047】
装置は、複数のチャンバにわたって条件勾配を生成するように構成されてもよい。例えば、装置は、複数のチャンバにわたって温度勾配を生成するように構成することができる。この例では、反応の最適温度は、温度勾配にわたる反応の進行を調べることによって決定することができる。別の例では、試薬濃度の勾配を生成することができる。溶融曲線分析は、複数のチャンバにわたって装置によって実行されてもよい。
【0048】
複数の素子は、複数の加熱素子および/または冷却素子を備えてもよい。加熱および/または冷却素子は、別個の素子であってもよい。例えば、加熱素子および冷却素子は、チャンバと接触して互いに隣接することができる。加熱および/または冷却素子は、同じ素子であってもよい。例えば、組み合わされた加熱冷却素子をチャンバに隣接して配置することができる。この例では、加熱素子および冷却素子の両方として熱電素子を使用することができる。加熱素子は、抵抗加熱器、誘導加熱器、熱電加熱器など、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。冷却素子は、蒸発冷却器、圧縮冷却器、熱電冷却器など、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。
【0049】
少なくとも1つの追加素子は、複数の素子のうちの1または複数の素子に隣接して配置されてもよい。少なくとも1つの追加素子は、複数の素子のすべてに隣接して配置されてもよい。例えば、複数の素子はそれぞれ、追加の素子と接触することができる。追加の素子は、1または複数の追加の加熱および/または冷却素子を備えてもよい。1または複数の追加の加熱および/または冷却素子は、本明細書の他の箇所に記載されている通りであってもよい。例えば、追加の素子は、複数の熱電素子と熱的に連通する大きな熱電素子を備えてもよい。複数の素子上の少なくとも1つの条件は、本明細書の他の箇所に記載されているような条件であってもよい。例えば、少なくとも1つの追加素子は、複数の素子の温度に影響を及ぼすように構成することができる。この例では、熱電冷却器を使用して高温側温度を低下させ、それによって複数の熱電素子の効率を高めることができ、それによってチャンバの温度を個別に制御することができる。少なくとも1つの追加素子は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の追加素子を備えてもよい。少なくとも1つの追加素子は、最大で約10、9、8、7、6、5、4、2またはそれ未満の追加素子を備えてもよい。
【0050】
光学系は、1または複数の励起源を備えてもよい。励起源の例には、レーザ(例えば、単一波長レーザ、スーパーコンティニュムレーザなど)、インコヒーレント光源(例えば、発光ダイオード、白熱光源など)など、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。光学系は、1または複数の検出器を備えてもよい。検出器の例には、ゼロ次元(0D)検出器(例えば、フォトダイオード)、ケイ素光電子増倍管(SiPM)、一次元(1D)検出器(例えば、ストリップ検出器)、2次元(2D)検出器(例えば、アレイ検出器)、膜検出器(例えば、フィルム上にハロゲン化銀結晶を使用する検出器)、蛍光体プレート検出器(例えば、蛍光体を下方シフトまたは下方変換するプレート)、半導体検出器(例えば、半導体電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)素子)など、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。光学系は、複数のチャンバの各チャンバからの信号の有無を個別に測定するように構成されてもよい。例えば、光学系は、複数のチャンバを一括して励起し、各チャンバから個別に信号を読み出すことができる。別の例では、光学系は、各チャンバからの信号を個別に励起して読み取ることができる。
【0051】
複数の素子は、複数の熱電加熱、熱電冷却、または熱電加熱冷却素子と熱電冷却素子との組み合わせを備えてもよい。例えば、熱電加熱素子は、熱電素子にわたる電流極性の反転を伴う熱電冷却素子になることができる。少なくとも1つの追加素子は、少なくとも1つの熱電ヒータ、熱電冷却器、または熱電ヒータと熱電冷却器との組み合わせを備えてもよい。装置は、複数のチャンバ間の熱クロストークを低減するように構成された1または複数のヒートパイプを備えてもよい。例えば、ヒートパイプをチャンバ間に配置して、チャンバ間の断熱性を向上させることができる。ヒートパイプは、過剰な熱を放散し、および/または熱を加えて熱不足を除去するように構成された素子と熱的に接触するように構成されてもよい。
【0052】
別の態様では、本開示は、分析物を含むかまたは含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を実行する方法を提供する。この方法は、試料を収容するように構成された1または複数のチャンバを備える装置の第1のチャンバに試料を提供するステップを含んでもよい。1または複数のチャンバは、個別に制御可能な条件を有するように構成されてもよい。試料を用いてPCR反応を開始してもよい。PCR反応は、分析物の存在または非存在を示す信号を生成し得る。PCR反応は、信号を用いてモニターされ得る。PCR反応は、チャンバ内でPCR反応によって所定量の信号が生成された後に停止されてもよい。
【0053】
図1は、本開示の一実施形態による、分析物を含むまたは含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を実行するための方法100のフローチャートである。この方法は、基板の位置に試料を提供するステップ(110)を含んでもよい。位置は、試料を保持し、試料がPCR分析のための条件に供されることを可能にするように構成された容積を有してもよい。装置は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。例えば、1または複数のチャンバは、個別に制御可能な条件を有するように構成されてもよい。別の例では、信号は光信号を含むことができる。
【0054】
試料は、分析物を含み得る材料であってもよい。試料は、分析物を含むと疑われ得る。試料は、固形物(例えば、生体組織)であってもよいし、流体(例えば、生物学的流体)であってもよい。一般に、生物学的流体は、生物に関連する任意の流体を含むことができる。試料の非限定的な例には、被検体の任意の解剖学的位置(例えば、組織、循環系、骨髄)から得られた血液(または血液の成分、例えば白血球、赤血球、血小板)、被検体の任意の解剖学的位置から得られた細胞、皮膚、心臓、肺、腎臓、呼気、骨髄、便、精液、膣液、腫瘍組織に由来する間質液、乳房、膵臓、脳脊髄液、組織、喉スワブ、生検、胎盤液、羊水、肝臓、筋肉、平滑筋、膀胱、胆嚢、結腸、腸、脳、空洞液、痰、膿、ミクロピオタ、メコニウム、母乳、前立腺、食道、甲状腺、血清、唾液、尿、胃および消化液、涙、眼液、汗、粘液、耳垢、油、腺分泌物、脊髄液、毛髪、指爪、皮膚細胞、血漿、鼻スワブまたは鼻咽頭洗浄液、脊髄、血液、空体液、および/または他の排泄物または身体組織を含む。試料は無細胞試料であってもよい。そのような無細胞試料は、DNAおよび/またはRNAを含み得る。分析物は、核酸分子、タンパク質(例えば、抗体)、抗原、化学物質(例えば、毒素)、金属イオン(例えば、重金属イオン)などであってもよい。例えば、分析物は、ウイルスの核酸分子であり得る。
【0055】
方法100は、その位置に隣接して配置された第1の素子を使用してその位置での条件に影響を与え、それによって試料を使用してPCR反応を開始するステップ(120)を含んでもよい。PCR反応は、分析物に関連する特性を示す信号または信号変化を生成し得る。PCR反応は、分析物の存在または非存在を示す信号を生成し得る。PCR反応は、対立遺伝子特異的PCR、アセンブリPCR、ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)、非対称PCR、対流PCR、ダイヤルアウトPCR、デジタルPCR(dPCR)、ヘリカーゼ依存的増幅、ホットスタートPCR、インシリコPCR、配列間特異的PCR、逆PCR、ライゲーション媒介PCR、メチル化特異的PCR、ミニプリマーPCR、マルチプレックスライゲーション依存的プローブ増幅、MLPA、マルチプレックスPCR、ナノ粒子支援PCR(nanoPCR)、ネステッドPCR、オーバーラップ伸長PCR、オーバーラップ伸長によるスプライシング(SOEing)、PAN-AC、定量的PCR、定量的PCR、リアルタイム、逆相補PCR、逆転写PCR(RT-PCR)、cDNA末端の迅速増幅、RNアーゼH依存性PCR、単一特異的プライマーPCR、固体PCR、補助PCR、熱非対称インターレースPCR(TAIL-PCR)、タッチダウンPCR、ステップダウンPCR、またはユニバーサルファーストウォーキングなどを含んでもよい。信号は、光信号、電気信号、物理信号など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。光学信号は、吸収信号(例えば、吸収強度、吸収ピーク波長)、蛍光信号(例えば、蛍光強度、蛍光波長、蛍光寿命)、プラズモン特性など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。電気信号は、抵抗、インピーダンス、キャパシタンスなど、それらの変化、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。物理信号は、試料の物理的状態を含んでもよい。例えば、物理的信号は、試料の融点であり得る。
【0056】
方法100は、第1の素子に動作可能に結合された第2の素子を使用して、信号または信号変化に少なくとも部分的に応答して第1の素子の動作条件を調整し、それによりその位置における条件に影響を及ぼすステップ(130)を含んでもよい。信号は試料中の分析物の量に依存し得るので、装置は、反応がどの程度進行したかの代用として信号の量を使用することができる。したがって、反応の進行を決定するために任意のサイクル数を使用する代わりに、信号を定量的尺度として使用することができる。監視は、リアルタイム監視(例えば、反応が進行するにつれてリアルタイムで信号を読み取る)、固定間隔監視(例えば、所定の時間に信号を読み取る)など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。方法100は、前記信号または信号変化が所定のしきい値に達したときにPCR反応を停止するように第1の素子の動作条件を調整するステップ(140)を含んでもよい。例えば、チャンバ内で所定量の蛍光信号が発生したら、温度を下げることでPCR反応を停止させることができる。動作条件の例には、温度、撹拌(例えば、撹拌、振盪など)、光の有無、化合物(例えば、追加の試薬、ガスなど)の有無など、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例えば、動作条件は反応の温度とすることができ、動作条件の変化は温度の変化とすることができる。別の例では、動作条件は光エネルギーの存在であり得、動作条件の変化は光をオフにすることであり得る。
【0057】
装置の第2のチャンバは、第2の試料を含んでもよい。例えば、第1のチャンバは、第1の被検体からの試料を含むことができ、第2のチャンバは、第2の被検体からの試料を含むことができる。別の例では、第1のチャンバは、被検体由来の第1の試料を含み得、第2のチャンバは、同じ被検体由来の第2の試料を含み得る。第2のチャンバは、第1のチャンバ内でのPCR反応の停止後に、第2のチャンバ内で第2のPCR反応を継続してもよい。第2のチャンバ内の条件は、第1のチャンバ内の条件とは別個に制御されてもよい。したがって、第2のチャンバ内の反応は、第1のチャンバ内の反応とは無関係であり得る。反応は独立して制御および監視することができるため、反応が完了したと判断されると、隣接する反応に影響を与えることなく停止させることができる。例えば、反応が分析物の存在を示す所定量の信号に達すると、反応を停止させ、適切な条件下に維持して、後に反応の生成物を回収することができる。
【0058】
方法100は、事前正規化を含まなくてもよい。本方法は、内部標準を含まない試料に対して実施することができる。この方法は、試料内の非分析物標的を定量することなく、試料に対して実行することができる。例えば、この方法は、ヒト遺伝子対照を増幅することなくウイルス核酸分析物を定量するために実施することができる。方法100は、事前定量化を含まなくてもよい。この方法は、試料内の分析物の量を決定するステップを含まなくてもよい。例えば、この方法は、試料中に存在する核酸分子の量が未知の試料に対して実施することができる。正規化および/または事前定量化されていない試料に対して本方法を実施することにより、試料を処理するのにかかる時間を短縮することができる。さらに、試料の処理に関連する複雑さおよびコストも同様に低減することができる。これは、高い精度を維持するために事前正規化または事前定量化を必要とし得る他の試料分析技術とは逆であってもよい。方法100は、これらの動作なしで高い精度、感度、および/または特異性を維持することができる。分析物の有無は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%またはそれ以上の精度、感度および/または特異性で決定され得る。分析物の有無は、最大で約99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、またはそれ以下の精度、感度、および/または特異性で決定され得る。
【0059】
被検体は、哺乳動物などの動物であってもよい。被検体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物であってもよい。被検体は植物であってもよい。被検体は、疾患に罹患しているか、または疾患に罹患しているもしくは疾患を有すると疑われ得る。被検体は、疾患に罹患しているまたは疾患を有することが疑われない場合がある。被検体は症候性であってもよい。あるいは、被検体は無症候性であってもよい。場合によっては、被検体は、疾患の症状を緩和するために、または疾患の被検体を治癒するために処置され得る。被検体は、医師などの医療提供者による治療を受けている患者であってもよい。被検体は、医療提供者であってもよい。被検体は、生徒、教師、長期介護者(例えば、介護施設の従業員)、監視員、または他の人の近くで働くおよび/または生活する他の人であってもよい。
【0060】
図2は、一実施形態による装置200の概略図である。装置200は、1または複数のチャンバ210を備えてもよい。この例では、チャンバは、チャンバの最上部から流体的にアクセス可能であるように構成されたウェルであり得る。チャンバは、光学的にアクセス可能であるようにさらに構成することができる。例えば、チャンバの最上部に面して配置されたカメラは、チャンバから発する光信号を読み取ることができる。各チャンバは、断熱材220を備えてもよい。断熱材は、複数のチャンバのチャンバ間の熱伝達を減少させるように構成されてもよい。例えば、第1のチャンバが加熱条件下にあり、第2のチャンバが冷却条件下にある場合、断熱材は、加熱されたチャンバから冷却されたチャンバに漏れる熱を低減し、効率および精度を向上させることができる。断熱材220は、低熱伝導率材料のうちの1または複数を備えてもよい。断熱材は、鉱物ウール(例えば、ガラス繊維)、天然繊維(例えば、セルロース)、ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリウレタンなど)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。断熱材は、1または複数のヒートパイプを備えてもよい。1または複数のヒートパイプは、チャンバへのまたはチャンバからの熱の輸送を提供するように構成されてもよい。例えば、ヒートパイプは、チャンバから余分な熱を除去することができる。ヒートパイプは、固体金属パイプ(例えば、銅線)、相変化ヒートパイプ(例えば、相変化冷却器が充填された銅管)など、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。場合によっては、各チャンバは、関連する温度読取装置(例えば、温度計、熱電対など)を有することができる。温度読取装置は、チャンバの温度を読み取り、その温度を中央コントローラに提供するように構成することができる。これにより、複数のチャンバの各チャンバの温度の個別のリアルタイム制御を可能にすることができる。
【0061】
装置は、1または複数の素子230を備えてもよい。装置は、図2に示すように、装置の各チャンバに対して1つの素子を備えてもよい。装置は、各チャンバに対して複数の素子を備えてもよい。素子は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。例えば、素子は熱電素子であってもよい。熱電素子は、装置の各チャンバ内の温度を個別に制御するように構成されてもよい。例えば、チャンバの下方に配置された熱電素子は、そのチャンバを加熱および冷却することができる。熱電素子は、任意選択のヒータ270を備える任意選択の熱電バックプレート240に接続されてもよい。熱電バックプレートは、効率を改善するために素子230の温度を等しくするように構成されてもよい。例えば、チャンバが加熱されている場合、熱電素子の背面が冷える可能性がある。この例では、ヒータ270は、熱電素子の裏側温度を調整するために熱電バックプレートに熱を供給することができる。熱電バックプレートは、任意選択のグラファイトパッド280を介してヒートシンク250と熱的に接触することができる。グラファイトパッドは、熱電バックプレートとヒートシンクとの間の熱伝導を助けるように構成されてもよい。例えば、グラファイトパッドは、熱電バックプレートおよびヒートシンクの欠陥を充填して、より良好な熱伝導を提供することができる。ヒートシンクは、金属ヒートシンク(例えば、銅、アルミニウムなど)、ポリマーヒートシンク、グラファイトヒートシンクなど、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。ヒートシンクは、ファン260によって冷却されてもよい。ファンは、装置からの熱の放散を助けるためにヒートシンクの周りに空気を循環させることができる。
【0062】
場合によっては、ヒートシンクはピラー設計を備えることができる。図15A図15Cは、いくつかの実施形態による、ピラー設計の例である。ピラー設計は、熱電素子とより大きなヒートシンク(例えば、複数のフィン)との間の熱伝達を容易にするように構成されてもよい。ピラー設計は、装置の個々のチャンバ間のクロストークを低減するように構成されてもよい。例えば、ピラーは、ピラーを介して熱を導くように構成することができるが、ピラー間の空間は、ピラー間のクロストークを低減することができる。各チャンバは、異なるピラーと熱的に接触していてもよい。場合によっては、各ピラーは、他のピラー間に直接接続されていなくてもよい。場合によっては、各チャンバ間に直接接続がない場合がある。例えば、チャンバは、断熱材料と物理的に接触していてもよいが、チャンバ間に配置された熱伝導性材料とは接触していなくてもよい。図15Aでは、装置1500は、1または複数の素子1510(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているような熱電素子)および1または複数のピラー(例えば、絶縁ピラー)1520を備えてもよい。ピラーは、本明細書の他の箇所で説明するように熱の移動を可能にしながら、複数のチャンバを熱的に絶縁するように構成することができる。装置は、本明細書の他の箇所に記載されているように、1または複数の温度センサ1530をさらに備えることができる。保持クリップ1540は、複数の素子を保持するように構成することができ、保持プレート1550は、複数のチャンバを保持するように構成することができる。
【0063】
図3は、一実施形態による装置300の概略図である。装置300は、図2の装置200と同様であってもよいが、熱電バックプレート240に隣接して配置された追加の素子310を追加するためのものである。追加の素子は、1または複数の追加の熱電素子であってもよい。1または複数の追加素子は、1または複数の素子の条件(例えば、温度)を制御するように構成することができる。例えば、第2の熱電冷却器は、複数の熱電冷却器の高温側を冷却することができる。1または複数の追加素子を含むことは、1または複数の素子から廃熱を除去することによって1または複数の素子の性能を改善することができる。さらに、そのような追加の素子は、1または複数の素子の条件の動的制御を提供することができる。例えば、第1の熱電素子は、チャンバの加熱と冷却とを切り替えることができる。この例では、追加の熱電素子は、第1の熱電素子の冷却と加熱とを切り替えることができる。
【0064】
図16A図16Bは、いくつかの実施形態による、装置の一例の異なる図を示す。装置は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。場合によっては、マイクロウェルプレートをプレートホルダ内に配置することができる。プレートホルダは、マイクロウェルプレートを装置内に移動させるように構成されてもよい(例えば、熱素子と接触する)。プレートホルダの移動は自動化されてもよい(例えば、装置内のモータによって作動される)。プレートホルダの移動は手動であってもよい(例えば、ユーザは、プレートホルダを装置内にスライドさせることができる)。場合によっては、マイクロウェルは、装置に挿入されると、熱素子を移動させてウェルプレートと係合させることができる間、固定位置に保持することができる。例えば、ヒートポンプを垂直に移動させて、マイクロウェルプレートの底部と係合させることができる。場合によっては、マイクロウェルプレートを装置に挿入した後に移動させて、マイクロウェルプレートを熱素子と係合させることができる。例えば、マイクロウェルプレートを押し下げてヒートポンプと係合させることができる。装置内の移動は、例えば、リニアモータ、回転モータなど、またはそれらの任意の組み合わせによって行われてもよい。
【0065】
図17は、いくつかの実施形態による、光学アセンブリの一例を示す。光学アセンブリは、プレートの1または複数のチャンバ(例えば、ウェル)から光励起を提供し、および/または光放射を受け取るように構成することができる。例えば、光学アセンブリは、第1の光学ポートから光学アセンブリ内に励起ビームを提供するように構成することができる。場合によっては、第1の光ポートはレーザ(例えば、ダイオードレーザ)を備えることができる。このようにして、励起ビームを光学アセンブリ内から生成することができる。場合によっては、光学アセンブリは、第1の光学ポートからチャンバに励起ビームを誘導するように構成されたダイクロイックミラーを備えることができる。励起ビームは、チャンバ内のフルオロフォアを励起することができ、得られた発光は、ダイクロイックミラーを通って光学アセンブリに戻り、第2の光学ポートおよび/または検出器モジュールに向けられることができる。場合によっては、例えば、発光光を光ファイバに結合することによって、発光を光学アセンブリから除去することができる。次いで、除去された発光光を検出器に向けることができる。場合によっては、光学アセンブリは、発光が光学アセンブリから除去されることなく発光を検出するように構成された検出器を備えることができる。図18は、いくつかの実施形態による、複数の光学アセンブリの構成の一例を示す。この例では、8つの光学アセンブリが単一のユニットとして形成されており、8つのチャンバからの光信号を監視するように構成することができる。複数の光学アセンブリは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の光学アセンブリを備えるユニットに構成することができる。複数の光学アセンブリは、最大で約20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2つ、またはそれより少ない光学アセンブリを備えるユニットに構成することができる。例えば、図20は、いくつかの実施形態による、8つの光学アセンブリを備える例示的なユニットを示す。別の例では、図21は、いくつかの実施形態による、単一のユニット内に16個の光学アセンブリを備える例示的なユニットを示す。場合によっては、光学アセンブリは、ユニットの異なる側に構成することができる。場合によっては、光学アセンブリは、ユニット(例えば、積層)の同じ側に構成することができる。追加の光学ユニットの追加は、装置が装置のチャンバから蛍光強度を収集する時間の長さを短縮しながら、ユニットのフットプリントを実質的に増加させない場合がある。図19は、いくつかの実施形態による、複数のチャンバに隣接して配置された複数の光学アセンブリを備えるユニットの一例を示す図である。ユニットは、例えば、ステッパモータおよびタイミングベルトを使用することによって複数のチャンバを横切って移動するように構成することができる。
【0066】
図4Aは、一実施形態による熱電制御アーキテクチャ400の概略図であり、図4Bは、一実施形態による電流シンク容量を有する熱電制御アーキテクチャ410の概略図である。熱電制御アーキテクチャは、本明細書の他の箇所に記載されているように熱電素子を制御するように構成することができる。熱電制御アーキテクチャは、DC/DCコントローラ(例えば、バックコントローラ)に基づくことができる。アーキテクチャは、本明細書の他の箇所に記載されている装置のフットプリント内に収まるように構成されてもよい。例えば、アーキテクチャは、マイクロウェルベースの装置内に収まるように小型化することができる。熱電制御アーキテクチャは、マイクロコントローラによってアドレス指定可能であってもよい。マイクロコントローラは、本明細書の他の箇所に記載されているようなコンピュータシステムであってもよい。熱電制御アーキテクチャは、2つの対向するトランジスタのデジタルスイッチングを使用して、1または複数の熱電素子を加熱モードと冷却モードとの間で切り替えるように構成されてもよい。切り替えは、少なくとも約0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100ミリ秒、またはそれ以上の期間にわたって行われてもよい。切り替えは、最大で約100、75、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1ミリ秒またはそれ未満の期間にわたって行われてもよい。切り替えは、所定の標的の少なくとも約0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75%、またはそれ以上の割合内の電気的な流れを可能にすることができる。切り替えは、所定の標的の最大で約75、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1またはそれ未満のパーセント内の電気的流れを可能にすることができる。熱電制御アーキテクチャは、フィードバックループを使用して各素子(例えば、各ウェル内の制御条件)を制御するように構成されてもよい。熱電制御アーキテクチャは、パルス幅変調(PWM)の使用を含まなくてもよい。PWMを使用しないことは、干渉効果を低減し、制御アーキテクチャの機能を改善することができる。図12A図12Bは、いくつかの実施形態による、制御アーキテクチャの例示的な概略図を示す。制御アーキテクチャは、ドータボード、マスタ制御回路、およびセンサ間の通信を提供することができる。各ドータボードは、マスタマイクロコントローラと、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上のサブコントローラと、を備えてもよい。各サブコントローラは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の反応チャンバの温度を測定および/または制御するように構成されたセンサボードのセットに接続されてもよい。各センサボードは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上の温度センサ(例えば、デジタル温度センサ)を備えることができる。温度センサを較正することができる(例えば、国立科学技術研究所(NIST)のトレーシブルセンサによって較正される)。温度センサは、少なくとも約+/-0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1℃、またはそれ以上の精度で温度を読み取るように構成されてもよい。温度センサは、最大で約+/-1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01℃以下の精度で温度を読み取るように構成されてもよい。温度センサの測定値は、デジタル測定値であってもよい。デジタル測定は、電気的ノイズ(例えば、電磁干渉)の影響を回避するように構成されてもよく、これは温度センサの機能を改善することができ、反応チャンバの個々の制御を可能にすることができる。
【0067】
ドータボードアーキテクチャの使用はモジュール式であってもよい。例えば、ドータボードは交換可能であってもよい。モジュール式アーキテクチャは、損傷した部品の効率的な交換を提供することができる(例えば、損傷したドータボードを別のドータボードに交換することができる)。モジュール式アーキテクチャは、温度センサまたは素子との通信プロトコルまたは温度センサまたは素子の機能に影響を与えない方法でドータボードを交換することを可能にすることができる。通信全体は、マスタコントローラ(例えば、マスタマイクロコントローラ)によって制御することができる。通信プロトコルバスの例には、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)、集積回路間(I2C)、ユニバーサル非同期送受信機(UART)などが含まれるが、これらに限定されない。通信プロトコルバスは、ドータボードのマスタコントローラと接触していてもよい。コマンドおよび/またはデータは、バスを通ってブレイクアウトボードマスタコントローラに流れ、次いでメイン機上処理ユニットに流れることができる。通信およびデータ収集アーキテクチャは、モジュール性を提供することができ、複数(例えば、96)の反応チャンバをアドレス指定するために使用することができる。
【0068】
図5は、一実施形態による、アドレス指定可能な制御アレイ500の概略図である。アドレス可能な制御部は、アレイとして位置する複数の素子を制御するように構成されてもよい。制御アレイは、1または複数の素子を単一のマイクロコントローラに接続することを含んでもよい。素子は、シリアルバス(例えば、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)、I2Cなど)を介して接続されてもよい。アレイは、各々が追加のコントローラに接続された複数のマイクロコントローラを備えてもよい。例えば、一連のマイクロコントローラを別のマイクロコントローラに接続することができる。追加のコントローラおよび/または複数のマイクロコントローラは、マスタコントローラに接続することができる。例えば、第1のマイクロコントローラは、第1の複数の素子を制御することができ、第2のマイクロコントローラは、第2の複数の素子を制御することができる。この例では、2つのマイクロコントローラをマスタコントローラに接続することができる。別の例では、第1および第2のマイクロコントローラを第3のマイクロコントローラに接続し、第4および第5のマイクロコントローラを第6のマイクロコントローラに接続することができる。この例では、第3および第6のマイクロコントローラは、マスタコントローラに接続することができる。マスタコントローラは、本明細書の他の箇所に記載されているようなコンピュータシステムを備えてもよい。例えば、マスタコントローラは、マイクロコントローラを備えることができる。別の例では、マスタコントローラは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備えることができる。少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれ以上の素子を単一のマイクロコントローラに接続することができる。最大で約50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つの素子を単一のマイクロコントローラに接続することができる。少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれ以上のマイクロコントローラを別のマイクロコントローラに接続することができる。最大で約50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つのマイクロコントローラを別のマイクロコントローラに接続することができる。少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれ以上のマイクロコントローラをマスタコントローラに接続することができる。最大で約50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つのマイクロコントローラをマスタコントローラに接続することができる。
【0069】
図9は、いくつかの実施形態による、コントローラドータボード900の複数の図の一例である。コントローラドータボードは、本明細書の他の箇所に記載されている方法を実行するように構成されてもよい。例えば、ドータボードは、マルチウェルプレートの単一ウェル内の少なくとも温度を制御するように構成することができる。コントローラドータボードは、コントローラ回路910を備えることができる。コントローラ回路は、単一のウェルの温度を制御するように構成されてもよい。例えば、ドータボード900は、図示するように8セットのコントローラ回路を備えることができる。コントローラドータボードは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、96、またはそれ以上の制御回路910のセットを備えてもよい。コントローラドータボードは、最大で約96、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ以下の制御回路のセットを備えてもよい。コントローラドータボードは、インターフェース901を備えてもよい。インターフェースは、ドータボードがインターフェースされる装置からドータボードの様々な構成要素のアドレス指定を可能にするように構成されてもよい。例えば、複数の接点は、システムとドータボードとの間の通信を可能にするインターフェース上の位置とすることができる。ドータボードは、1または複数のマイクロプロセッサ902を備えてもよい。1または複数のマイクロプロセッサは、制御回路とシステムとの間の中間体として構成されてもよい。例えば、マイクロプロセッサは、システムからの信号を解釈して出力電気信号を制御回路に提供するように構成することができる。
【0070】
場合によっては、制御回路は、1または複数のスイッチバックレギュレータを備えてもよい。スイッチバックレギュレータは、少なくとも約50、60、70、80、90、95、96、97、98、99パーセント以上の効率を有することができる。スイッチバックレギュレータは、例えば壁プラグによって供給することができる電力バジェットを維持しながら、本明細書の他の箇所で説明するように個々の熱素子の存在を可能にするのに十分な効率を有することができる。本明細書の他の箇所に記載されている装置は、単一の壁プラグを使用して、熱電素子を介して少なくとも約1、2、3、4、5、10、25、50、75、96、100、150、200、250、300、350、384、400、450、500個、またはそれ以上のウェルに個々の熱制御を提供するように構成されてもよい。制御回路は、1または複数のマイクロコントローラによって外部制御される2つ以上のスイッチングバックコンバータを備えてもよい。そのような設計は、Hブリッジを使用しなくてもよい。Hブリッジを使用しないことにより、効率を向上させることができる(例えば、Hブリッジのトランジスタを有さないことによるより低い損失プロファイルのために改善される)。外部マイクロコントローラを使用すると、トランジスタをオフにする前にバックコンバータをオフにすることによって損失を低減することができる。場合によっては、ドータボードは、最大で約10,000、9,500、9,000、8,500、8,154、8,000、7,500、7,000、6,500、6,000、5,500、5,000、4,500、4,000、3,000、2,000、1,000センチメートル平方以下の領域に8セットのコントローラ回路を備えることができる。
【0071】
図10は、いくつかの実施形態による、制御回路910の一例である。TECは、本明細書の他の箇所に記載されているような熱素子(例えば、熱電素子)であってもよい。制御回路は、単一の熱素子の温度を制御するように構成されてもよい。例えば、システムの各熱素子は、対応する制御回路のセットを有してもよい。制御回路は、例えば、1または複数のマイクロプロセッサから入力信号を受け取り、入力信号を熱素子の温度変化に変換するように構成されてもよい。制御回路は、温度制御回路であってもよい。制御回路は、別の特性(例えば、ガス条件、撹拌など)のための制御回路であってもよい。
【0072】
図11は、いくつかの実施形態による、本明細書の他の箇所に記載されているシステム1100の切断例である。例えば、システムは、本明細書の他の箇所に記載されている方法を実行するように構成することができる。システムはウェルプレート1101を備えてもよい。ウェルプレートは、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。例えば、ウェルプレートは、96ウェルプレートであってもよい。ウェルプレート1101の各ウェルは、本明細書の他の箇所に記載されているように、個別に制御された温度を有するように構成されてもよい。温度の個々の制御は、少なくとも部分的に、1または複数のコントローラドータボード900の使用によって達成されてもよい。コントローラドータボードは、ポート1103を介してシステムにインターフェース接続されてもよい。ポートは、システムの熱素子とドータボードの制御回路との間の電気的接触を提供するために、コントローラドータボードに結合するように構成されてもよい。ポートの使用は、(例えば、メンテナンス、様々な機能などのために)コントローラドータボードの切り替えを可能にすることができる。ポートの使用は、経時的なシステム構成の変更を可能にすることができる(例えば、制御チャネルの加算または減算など)。システムは、ウェルプレートの各ウェルが制御回路に結合されるように、いくつかのドータボードを用いて構成されてもよい。例えば、システムは、システムのすべての熱素子に制御回路があるように、制御回路を備えるドータボードを用いて構成することができる。
【0073】
システムは、ヒートシンク1102を備えてもよい。ヒートシンクは、本明細書の他の箇所で説明するように構成されてもよい。例えば、ヒートシンクは、熱電素子の熱平衡(例えば、加熱および/または冷却)を助けるように構成することができる。システムは、1または複数のファン1104を備えてもよい。1または複数のファンは、ドータボード、ヒートシンク、またはそれらの組み合わせに冷却を提供するように構成されてもよい。例えば、ファンは、ドータボードの制御回路ならびにヒートシンクの両方を冷却するように構成することができる。
【0074】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。図6は、本開示の方法および/または装置とのインターフェースを実装するようにプログラムまたは他の方法で構成されたコンピュータシステム601を示す。コンピュータシステム601は、例えば、チャンバ内の条件を調整し、チャンバからの信号を監視するなど、本開示の様々な態様を調整することができる。コンピュータシステム601は、ユーザの電子装置、または電子装置に対して遠隔に配置されたコンピュータシステムとすることができる。電子装置は携帯電子装置であってもよい。
【0075】
コンピュータシステム601は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサとすることができる中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)605を含む。コンピュータシステム601はまた、メモリまたはメモリ位置610(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット615(例えば、ハードディスク)と、1または複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース620(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺装置625とを含む。メモリ610、記憶ユニット615、インターフェース620および周辺装置625は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU605と通信する。記憶ユニット615は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)とすることができる。コンピュータシステム601は、通信インターフェース620の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)630に動作可能に結合することができる。ネットワーク630は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットとすることができる。ネットワーク630は、場合によっては、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク630は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1または複数のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク630は、場合によっては、コンピュータシステム601の助けを借りて、コンピュータシステム601に結合された装置がクライアントまたはサーバとして動作することを可能にすることができるピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0076】
CPU605は、プログラムまたはソフトウェアで具現化することができる一連の機械可読命令を実行することができる。命令は、メモリ610などのメモリ位置に格納することができる。命令は、CPU605を対象とすることができ、その後に、本開示の方法を実施するようにCPU605をプログラムまたは構成することができる。CPU605によって実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0077】
CPU605は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム601の1または複数の他の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0078】
記憶ユニット615は、ドライバ、ライブラリおよび保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶ユニット615は、ユーザデータ、例えば、ユーザプレファレンスおよびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム601は、場合によっては、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム601と通信するリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム601の外部にある1または複数の追加のデータ記憶装置を含むことができる。
【0079】
コンピュータシステム601は、ネットワーク630を介して1または複数のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム601は、ユーザのリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムの例には、パーソナルコンピュータ(例えばポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えばアップル(登録商標)iPad(登録商標)、サムスン(登録商標)ギャラクシータブ)、電話、スマートフォン(例えばアップル(登録商標)iPhone(登録商標)、アンドロイド(登録商標)対応装置、ブラックベリー(登録商標))、または携帯情報端末が含まれる。ユーザは、ネットワーク630を介してコンピュータシステム601にアクセスすることができる。
【0080】
本明細書に記載の方法は、例えばメモリ610または電子記憶ユニット615などのコンピュータシステム601の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コードまたは機械可読コードはソフトウェアの形で提供することができる。使用中、コードはプロセッサ605によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶ユニット615から取得され、プロセッサ605による容易なアクセスのためにメモリ610に記憶され得る。いくつかの状況では、電子記憶ユニット615を除外することができ、機械実行可能命令がメモリ610に記憶される。
【0081】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と共に使用するために予めコンパイルし構成することができ、あるいは実行時にコンパイルすることができる。コードは、コードを事前コンパイル方式またはコンパイル時方式で実行できるように選択することができるプログラミング言語で供給することができる。
【0082】
コンピュータシステム601など、本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングにおいて具現化することができる。本技術の様々な態様は、通常、機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/またはある種の機械可読媒体で運ばれるまたはその中に具現化された関連データの形をとる「製品」または「物品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶ユニットに格納することができる。「記憶」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、または様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールのいずれかまたはすべてを含むことができ、これらはソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶を提供することができる。ソフトウェアのすべてまたは一部は、インターネットまたは他の様々な電気通信ネットワークを介して通信することができる。そのような通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへ、例えば管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にすることができる。したがって、ソフトウェア素子を担持することができる別の種類の媒体は、光、電気および電磁波を含み、これらは、有線および光の地上通信ネットワークを介して、および様々なエアリンクを介して、ローカル装置間の物理的なインターフェースを越えて使用される。そのような波を搬送する物理的素子、例えば有線または無線リンク、光リンクなどもまた、ソフトウェアを担持する媒体とみなすことができる。本明細書では、非一時的で有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械の「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0083】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形の記憶媒体、搬送波媒体、または物理伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示すデータベースなどを実装するために使用することができるものなど、任意のコンピュータなどの任意の記憶装置などの光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形の伝送媒体は同軸ケーブル、銅線および光ファイバを含み、コンピュータシステム内のバスを構成するワイヤを含む。搬送波伝送媒体は、電気または電磁信号、あるいは無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に発生するものなどの音波または光波の形態をとることができる。したがって、一般的な形態のコンピュータ可読媒体には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を搬送する搬送波、このような搬送波を伝送するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取ることができる他の任意の媒体が含まれる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1または複数の命令の1または複数のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与することができる。
【0084】
コンピュータシステム601は、例えば、チャンバからのPCR反応の結果を提供するためのユーザインターフェース(UI)640を備える電子ディスプレイ635を含むか、またはそれと通信することができる。UIの例には、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースが含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
本開示の方法およびシステムは、1または複数のアルゴリズムによって実施することができる。アルゴリズムは、中央処理装置605による実行時にソフトウェアによって実施することができる。アルゴリズムは、例えば、PCR反応が完了したと判定し、単一のチャンバ内で反応を停止させることができる。
【0086】
以下の実施例は、本明細書に記載の特定のシステムおよび方法を例示するものであり、限定することを意図するものではない。
【0087】
[実施例1]
蛍光終点を使用した試料の正規化
図7は、一実施形態による、チャンバ用の制御ロジック700のフローチャートである。論理は、温度サイクルプロファイル{ti-,Ti-をロードすることから開始することができる。温度サイクルプロファイルは、p対の時間点および温度点{ti-,Ti-}を含んでもよい。温度サイクルプロファイルは、本明細書の他の箇所に記載されているPCR反応の実行を可能にするように構成されてもよい。例えば、温度サイクルプロファイルは、実行されると、PCRのサイクルが実行されることになり得る。次に、ロードされたプロファイルを用いて新しいサイクルを実行することができる。サイクルの完了時または完了前に、蛍光信号を取得することができる。例えば、定量化動作{t,T}において信号を取得することができる。蛍光信号は、本明細書の他の箇所に記載されているように取得することができる。蛍光信号を受信すると、本明細書の他の箇所に記載されている1または複数のコンピュータプロセッサは、しきい値条件(例えば、所定の正規化しきい値、所定のレベルの蛍光強度など)かどうかを判定することができる。蛍光信号がしきい値条件に反応しなかった場合、サイクル数をインクリメントし、プロセスを繰り返すことができる。蛍光信号がしきい値条件を満たす場合、ロジックは、温度を<20℃に設定することによってチャンバ内のPCR反応を停止させることができる。本明細書の他の箇所に記載されているように、異なるチャンバを独立して制御することができるので、1つの反応の完了は、他の反応が上記のように継続しないことを意味しない。例えば、第1のチャンバはしきい値条件を満たすことができるが、第2のチャンバは満たさない。この例では、温度を低下させることによって第1のチャンバ内の反応を停止させることができ、一方、第2のチャンバ内の反応は影響を受けないことができる。
【0088】
図8は、一実施形態による、蛍光終点に基づく正規化の一例である。プロット800は、x軸上で行われたPCRサイクルの数に対するy軸上の相対蛍光強度のプロットであってもよい。終点に到達するサイクル数は、チャンバ(例えば、チャンバCh、Ch、およびCh)によって異なり得る。この例では、Chは9サイクル後に所定の蛍光信号しきい値に達することができ、一方、Chは10を要し、Chは11を要する。各チャンバについて、チャンバが所定の正規化しきい値に達すると、チャンバは、各チャンバの個別の温度制御を使用して停止することができる。例えば、チャンバからの信号が正規化しきい値を超えた後に、各チャンバを冷却してPCR反応を停止させることができる。
【0089】
[実施例2]
隣接するウェルの熱性能
図13は、いくつかの実施形態による、複数の隣接する個別に制御されたウェルの熱性能の一例である。初期時点(例えば、グラフ上の早い時点)では、3つのウェルは同じ温度サイクルプロトコル(例えば、95℃と60℃との間のサイクル)を実行している可能性がある。異なるウェルは、同様の温度曲線によって証明されるように、同じプロトコルの下で同様の性能を示し得る。2サイクル後に、第3のウェルはもはや同じ温度プロトコル下になくてもよい。例えば、他の2つのウェルがサイクルを継続している間、第3のウェルは60℃で滞留するように設定することができる。図13のデータは、プレートのウェルが個別にアドレス指定可能であり、各ウェルが他のウェルとは独立して所定の温度に置くことができることを示し得る。これは、それぞれ7サイクルおよび17サイクルにわたってサイクルされるウェル2および1の性能によってさらに証明され得る。
【0090】
図13の下のプロットは、3つのウェルの膨張した温度および時間範囲を示し得る。60℃に保持した後に、ウェル3を17℃(例えば、周囲温度未満)に冷却することができ、他の2つのウェルは高温サイクルを継続する。高温ウェルに隣接(例えば、10ミリメートル未満の距離)しているにもかかわらず、ウェル3は、ウェルの熱分離のためにより低い温度に維持することができる。そのような能力は、所与のウェルの反応条件を個別に制御する能力を提供することができ、これにより、所与のウェルへの反応のカスタマイズを可能にすることができる。しばらくすると、ウェル3の温度制御をオフにすることができ、ウェル3の観察された温度ドリフトをもたらすことができる。ウェル1および2は、ウェル2が冷却され、続いてドリフトするまで、同様の温度(例えば、約0.2℃の差)に維持することができる。
【0091】
図14は、いくつかの実施形態による、個別に制御されたウェルと個別に制御されていないウェルとの性能比較を示す。場合によっては、正規化されていないPCR反応は、例えば、反応条件、試薬負荷、標的核酸の初期負荷などのいくつかの要因に応じて異なる量の信号を生成し得る。そのような不一致は、図14の上側プロットに存在するような曲線を生成し得る。これらのプロットでは、様々なウェルで生じる反応は、異なるサイクル数の後に異なる量の信号を提供することができる。場合によっては、ウェルの個々の制御は、図14の下側のプロットに示すように、ウェルの正規化を可能にして、異なるウェルから同様の量の信号を提供することができる。下のプロットでは、ウェルを正規化して(例えば、ウェルの個々の条件を制御することによって)、所与のサイクル数に対して同様の量の信号を提供することができる。
【0092】
[実施例3]
アニーリング温度の最適化
図22は、いくつかの実施形態による、アニーリング温度の最適化実験の一例を示す図である。場合によっては、最適なアニーリング温度で増幅を行うことにより、増幅反応から収集される信号を改善することができ、ならびに反応が行われる速度を改善することができる。最適なアニーリング温度は、反応ごとに決定することができ、試験反応を実行することができ、その後の反応は、試験反応によって決定された最適な温度を利用することができる。このように、アニーリング温度の最適化は、複数の反応に対して1回行えばよい。
【0093】
アニーリング温度の最適化は、反応が実行されているウェルのリアルタイム監視、ならびにウェル内の反応条件の制御を使用することによって可能にすることができる。本明細書の他の箇所に記載されているシステムは、複数の最適化反応を同時に実行するように構成されてもよい。例えば、ウェルプレートの各ウェルは、異なる最適化反応を含むことができる。
【0094】
場合によっては、最適化反応は、第1の温度(例えば、図22の60℃)で増幅反応を開始することを含むことができる。増幅反応は、増幅反応から信号が検出されるまで、複数のサイクルを繰り返すことができる(例えば、図22のサイクル10)。信号が増幅反応から検出されると、反応の温度をその後のサイクルごとに上昇させることができる。温度が上昇するにつれて、信号の増加率(例えば、蛍光信号)は増加し得る。ある時点(例えば、図22のサイクル18)で、信号の増加は停止し得る。これは、反応の温度が高く設定されすぎているためであり得、したがって最適温度が決定され得る(例えば、信号を停止させた温度よりも1サイクル低い温度)。次いで、後続のサイクルおよび後続の反応の処理に最適な温度を適用することができる。
【0095】
[実施例3]
マルチウェル温度勾配
図23は、いくつかの実施形態による、65℃の線形勾配を有するプロトコルを実行する24ウェル内で得られた温度プロファイルのプロットを示す。この実施例では、24個のウェルを図24A図24Bによる温度に設定した。例えば、図24Bは、3列にわたる24ウェルにわたって温度勾配を示すことができる。いずれの場合も、ウェルを最初にすべて95℃に設定し、最後にすべて72℃に設定した。ウェルを、図24Bに従って、95℃と72℃との間の、30℃から80℃にわたる勾配に設定した。図23に観察されるように、ウェル間のクロストークは見られず、各ウェルの熱特性の個々の制御を実証している。
【0096】
本明細書では本発明の好適な実施形態を示し説明しているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。本発明が本明細書内に提供される特定の実施例によって限定されることを意図していない。本発明を前述の明細書を参照して説明したが、本明細書の実施形態の説明および例示は限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換を想到するであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載の特定の描写、構成、または相対比率に限定されないことを理解されたい。本明細書中に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替例を、本発明を実施する際に使用することができることを理解されたい。したがって、本発明はそのような代替例、修正例、変形例または均等例も網羅すると考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲の方法および構造ならびにそれらの均等例がそれによって包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年9月23日に出願された米国仮出願第63/247,397号の
利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
診断検査方法および装置は、現代の医療の重要な部分となっている。ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)に基づく診断は、病原体の特定が困難であることによって引き起こされる
健康問題に世界的な注目が集まっているため、重要性が増している。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、本開示は、分析物を含む、または含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)分析を行うための方法を提供し、本方法は、(a)試料を基板の位置に提
供するステップであって、位置が、試料を保持し、試料がPCR分析のための条件に供さ
れることを可能にするように構成された容積を有する、ステップと、(b)位置に隣接し
て配置された第1の素子を使用して位置の条件に影響を及ぼし、それによって試料を使用
してPCR反応を開始するステップであって、PCR反応が、分析物に関連する特性を示
す信号または信号変化を生成する、ステップと、(c)第1の素子に動作可能に結合され
た第2の素子を使用して、信号または信号変化に少なくとも部分的に応答して第1の素子
の動作条件を調整し、それによって位置の条件に影響を及ぼすステップと、(d)信号ま
たは信号変化が所定のしきい値に達したときにPCR反応を停止するように第1の素子の
動作条件を調整するステップと、を含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、装置の第2の位置は第2の試料を備える。いくつかの実施形
態では、第1の位置でのPCR反応が停止した後に、第2のPCR反応は第2の位置内で
継続する。いくつかの実施形態では、本方法は、事前正規化を含まない。いくつかの実施
形態では、本方法は事前定量化を含まない。いくつかの実施形態では、分析物の存在また
は非存在は、少なくとも約90%の感度で決定される。いくつかの実施形態では、分析物
の存在または非存在は、少なくとも約90%の特異性で決定される。いくつかの実施形態
では、分析物の存在または非存在は、少なくとも約90%の精度で決定される。いくつか
の実施形態では、信号または信号変化は、光信号またはその変化を含む。いくつかの実施
形態では、特性は、分析物の存在、非存在、量、または濃度である。
【0005】
別の態様では、本開示は、試料の検出および分析のための装置を提供し、本装置は、1
または複数の試料を収容するように構成された複数の位置と、複数の位置に対応し、かつ
隣接して配置された複数の熱素子であって、複数の素子が、複数の位置の個々の位置内の
熱条件に影響を及ぼすように構成される、複数の熱素子と、複数の素子の少なくともサブ
セットに動作可能に結合され、かつ共通である少なくとも1つの追加の熱素子であって、
追加の熱素子が、複数の位置の個々の位置内の熱条件に少なくとも部分的に応答して、複
数の熱素子の少なくとも1つの動作条件に影響を及ぼすように構成される、少なくとも1
つの追加の熱素子と、複数の位置の個々の位置からの信号またはその変化を検出するよう
に構成された少なくとも1つの光学系であって、信号またはその変化が、熱条件の変化に
よって少なくとも部分的に生成され、1または複数の試料に関連する特性を示す、少なく
とも1つの光学系と、を備える。いくつかの実施形態では、複数の素子の各素子は、異な
る温度センサに関連付けられてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、装置は複数の位置を含む基板をさらに備える。いくつかの実
施形態では、複数の位置は、複数のチャンバ、または複数のマイクロ流体チャネルである
。いくつかの実施形態では、基板はマルチウェルプレートであり、複数の位置はマルチウ
ェルプレートに備えられたウェルである。いくつかの実施形態では、複数の位置の個々の
位置は、空間的に区別可能であり、独立してアドレス指定可能である。いくつかの実施形
態では、複数の熱素子の個々の熱素子は、複数の位置の個々の位置内の熱条件に独立して
影響を及ぼすように構成される。いくつかの実施形態では、複数の熱素子は、複数の熱電
加熱素子または熱電冷却素子を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加
の熱素子は、少なくとも1つの熱電ヒータまたは少なくとも1つの熱電冷却器を備える。
いくつかの実施形態では、複数の位置の各位置は、その位置の設定温度から約1℃未満の
温度に維持される。いくつかの実施形態では、複数の位置は、少なくとも約96の位置を
含む。いくつかの実施形態では、複数の位置は、少なくとも約384の位置を含む。いく
つかの実施形態では、装置は、複数の位置の第2のサブセットを一定温度に維持しながら
、複数の位置の第1のサブセットに温度サイクルをかけるように構成される。いくつかの
実施形態では、装置は、複数の位置にわたって条件プロファイルを生成するように構成さ
れる。いくつかの実施形態では、プロファイルは温度プロファイルである。いくつかの実
施形態では、装置は、複数の位置間の熱クロストークを低減するように構成された1また
は複数のヒートパイプをさらに備える。いくつかの実施形態では、光学系は、複数の位置
の各位置から信号またはその変化を個別に検出するように構成される。
【0007】
本開示の別の態様は、1または複数のコンピュータプロセッサと、それに結合されたコ
ンピュータメモリと、を備えるシステムを提供する。コンピュータメモリは、1または複
数のコンピュータプロセッサによって実行されると、上記または本明細書の他の場所の方
法のいずれかを実施する機械実行可能コードを含む。
【0008】
本開示のさらなる態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかに
なるであろう。詳細な説明では、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明されている
。理解されるように、本開示は他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの
詳細は、すべてが本開示から逸脱することなく、様々な明白な点で変更が可能である。し
たがって、図面および説明は、本質的に例示的なものとみなすべきであり、限定的なもの
とみなすべきではない。
【0009】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊
行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されて
いるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物
および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する限り、本明細書は、その
ような矛盾する材料に取って代わるおよび/または優先することを意図している。
【0010】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴
および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以
下の詳細な説明、ならびに添付の図面(本明細書では「図」および「FIG」とも呼ぶ)
を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態による、分析物を含むまたは含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を実行するための方法のフローチャートである。
【0012】
図2】一実施形態による、装置の概略図である。
【0013】
図3】一実施形態による、装置の概略図である。
【0014】
図4A】一実施形態による、電流シンク容量のない熱電制御アーキテクチャの概略図である。
【0015】
図4B】一実施形態による、電流シンク容量を有する熱電制御アーキテクチャの概略図である。
【0016】
図5】一実施形態による、アドレス指定可能な制御アレイの概略図である。
【0017】
図6】本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムされた、または構成されたコンピュータシステムを示す図である。
【0018】
図7】一実施形態による、チャンバの制御ロジックのフローチャートである。
【0019】
図8】一実施形態による、蛍光終点に基づく正規化の一例を示す図である。
【0020】
図9】いくつかの実施形態による、コントローラドータボードの複数のビューの一例を示す図である。
【0021】
図10】いくつかの実施形態による、制御回路の一例を示す図である。
【0022】
図11】いくつかの実施形態による、本明細書の他の箇所に記載されているシステムの切断例を示す図である。
【0023】
図12A】いくつかの実施形態による、制御アーキテクチャの例示的な概略図である。
図12B】いくつかの実施形態による、制御アーキテクチャの例示的な概略図である。
【0024】
図13】いくつかの実施形態による、複数の隣接する個別に制御されたウェルの熱性能の一例を示す図である。
【0025】
図14】いくつかの実施形態による、個別に制御されたウェルと個別に制御されていないウェルとの性能比較を示す図である。
【0026】
図15A】いくつかの実施形態による、ピラー設計の例を示す図である。
図15B】いくつかの実施形態による、ピラー設計の例を示す図である。
図15C】いくつかの実施形態による、ピラー設計の例を示す図である。
【0027】
図16A】いくつかの実施形態による、装置の一例の図である。
図16B】いくつかの実施形態による、装置の一例の図である。
【0028】
図17】いくつかの実施形態による、光学アセンブリの一例を示す図である。
【0029】
図18】いくつかの実施形態による、複数の光学アセンブリの構成の一例を示す図である。
【0030】
図19】いくつかの実施形態による、複数のチャンバに隣接して配置された複数の光学アセンブリを備えるユニットの一例を示す図である。
【0031】
図20】いくつかの実施形態による、8つの光学アセンブリを備える例示的なユニットを示す図である。
【0032】
図21】いくつかの実施形態による、単一のユニット内に16個の光学アセンブリを備える例示的なユニットを示す図である。
【0033】
図22】いくつかの実施形態による、アニーリング温度の最適化実験の一例を示す図である。
【0034】
図23】いくつかの実施形態による、65℃の線形勾配を有するプロトコルを実行する24個のウェル内で得られた温度プロファイルのプロットを示す図である。
【0035】
図24A】いくつかの実施形態による、図23で行われた実験のためのソフトウェア設定を示す図である。
図24B】いくつかの実施形態による、図23で行われた実験のためのソフトウェア設定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書では本発明の様々な実施形態を示し説明しているが、そのような実施形態が例
としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明か
ら逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換を想到することができる。本明細書
に記載されている本発明の実施形態に対する様々な代替例を採用することができることを
理解されたい。
【0037】
「少なくとも」、「より大きい」、または「以上」という用語が2つ以上の一連の数値
の第1の数値に先行するときはいつでも、「少なくとも」、「より大きい」、または「以
上」という用語は、その一連の数値の各数値に適用される。例えば、1、2、または3以
上は、1以上、2以上、または3以上に等しい。
【0038】
「以下」、「未満」、または「以下」という用語が2つ以上の一連の数値の第1の数値
に先行するときはいつでも、「以下」、「未満」、または「以下」という用語は、その一
連の数値の各数値に適用される。例えば、3、2、または1以下は、3以下、2以下、ま
たは1以下と等価である。
【0039】
本明細書における特定の本発明の実施形態は、数値範囲を企図する。範囲が存在する場
合、範囲は範囲の終点を含む。さらに、その範囲内のすべての部分範囲および値は、あた
かも明示的に書き出されているかのように存在する。「約」または「およそ」という用語
は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味することができ、これは、値がどのように測
定または決定されるか、例えば、測定システムの制限に部分的に依存する。例えば、「約
」は、当技術分野の慣例に従って、1標準偏差以内または1標準偏差を超えることを意味
し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最
大1%の範囲を意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載されている場
合、特に明記しない限り、「約」という用語は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味
すると仮定することができる。
【0040】
場合によっては、本明細書の他の箇所に記載されているような装置は、1または複数の
チャンバを備えてもよい。1または複数のチャンバは、本明細書の他の箇所に記載されて
いるような位置であってもよい。例えば、装置は、複数のチャンバである複数の位置を備
えることができる。
【0041】
別の態様では、本開示は装置を提供する。装置は、1または複数の試料を収容するよう
に構成された複数のチャンバを備えてもよい。装置は、複数のチャンバに隣接して配置さ
れた複数の素子を備えてもよい。複数の素子は、複数のチャンバの各チャンバ内の少なく
とも1つの条件に影響を及ぼすように構成されてもよい。装置は、前記複数の素子のうち
の1または複数の素子に隣接して配置された少なくとも1つの追加素子を備えてもよい。
追加の素子は、複数の素子の少なくとも1つの条件に影響を及ぼすように構成されてもよ
い。装置は、複数のチャンバの各チャンバからの信号の有無を測定するように構成された
少なくとも1つの光学系を備えてもよい。
【0042】
装置は、少なくとも約1、2、3、4、5、10、25、50、75、96、100、
150、200、250、300、350、384、400、450、500、またはそ
れ以上のチャンバを備えてもよい。装置は、最大で約500、450、400、384、
350、300、250、200、150、100、96、75、50、25、10、5
、4、3、2、またはそれより少ないチャンバを備えてもよい。装置は、上記の値のうち
の任意の2つによって定義されるいくつかのチャンバを備えてもよい。チャンバは、少な
くとも約0.1、0.5、1、5、10、50、100、500、1,000、5,00
0、10,000マイクロリットル以上の容積を含むように構成されてもよい。チャンバ
は、最大で約10,000、5,000、1,000、500、100、50、10、5
、1、0.5、0.1マイクロリットル以下の容積を含むように構成されてもよい。複数
のチャンバの各チャンバは、同じサイズであってもよい。例えば、各々が同じ容積を有す
る96個のチャンバのアレイを使用することができる。複数のチャンバのチャンバは、異
なるサイズであってもよい。例えば、装置は、複数のより小さいチャンバと、複数のより
大きいチャンバとを備えることができる。複数のチャンバは、1次元、2次元、または3
次元アレイであってもよい。例えば、複数のチャンバは、2次元の96個のウェルプレー
トと同様に構成されてもよい。場合によっては、複数のチャンバをストリップに編成する
ことができる。例えば、本明細書の他の箇所に記載されているような基板は、ストリップ
であり得る。複数のチャンバは、一連の個々のチューブとして構成されてもよい。場合に
よっては、チャンバはフローセルの少なくとも一部である。例えば、フローセルは、本明
細書の他の箇所で説明するように、フローセルの一部が素子に隣接するように構成するこ
とができる。チャンバは、チップの少なくとも一部であってもよい。例えば、チップは、
複数のチャンバを備えることができる。
【0043】
複数のチャンバは、それぞれ少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
個、またはそれ以上の試料を含むように構成されてもよい。例えば、チャンバ内に2つの
試料を収容するために、単一のチャンバを仕切りで構成することができる。複数のチャン
バは、それぞれ最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つの試料を含
むように構成されてもよい。複数のチャンバは、少なくとも約1、5、10、25、50
、75、100個、またはそれ以上の試料を含むように集合的に構成されてもよい。例え
ば、96個のチャンバのアレイは、96個の試料を含むように構成することができる。複
数のチャンバは、最大で約100、75、50、25、10、5、またはそれ未満の試料
を含むように集合的に構成されてもよい。複数のチャンバの各チャンバは、異なる試料を
収容するように構成されてもよい。
【0044】
チャンバは、ウェルの形態であってもよい。例えば、チャンバは、1つの開放端および
1つの閉鎖端を有するシリンダとすることができる。チャンバは、ポリマー(例えば、プ
ラスチック、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、金属(例えば、純金属
、合金など)、酸化物(例えば、ガラス、絶縁性酸化物など)、半導体(例えば、シリコ
ンなど)など、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1または複数を含むことができ
る。チャンバは、チャンバ内に堆積された材料(例えば、試料、試薬など)と反応しない
ように構成されてもよい。例えば、鉄チャンバは、水溶媒との反応を低減するためにステ
ンレス鋼で裏打ちすることができる。別の例では、過酷な試薬のためにチャンバを保護す
るために、ポリエチレンチャンバをポリテトラフルオロエチレンで裏打ちすることができ
る。
【0045】
装置は、複数のチャンバに隣接して配置された複数の素子を備えてもよい。複数の素子
は、複数のチャンバと接触してもよい。複数の素子は、複数のチャンバと熱的に接触して
いてもよい。例えば、複数の素子は、複数の熱転写パッドを介して複数のチャンバに接続
することができる。
【0046】
複数の素子は、複数のチャンバの各チャンバ内の少なくとも1つの条件に影響を及ぼす
ように構成されてもよい。少なくとも1つの条件は、温度、磁場、光学条件など、または
それらの任意の組み合わせであってもよい。条件は、個別チャンバの条件であってもよい
。例えば、第1のチャンバの温度は、第2のチャンバとは異なる温度に保持することがで
きる。複数のチャンバの各チャンバは、各チャンバの設定温度から少なくとも約0.1、
0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10℃以上の温度に維持されてもよい。複数のチャンバの各チャン
バは、各チャンバの設定温度から最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、
0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1℃以下の温
度に維持されてもよい。複数のチャンバの各チャンバは、上記の値のうちの任意の2つに
よって定義される温度範囲に維持されてもよい。例えば、各チャンバは、各チャンバの設
定点から0.5~1℃の範囲の温度に維持することができる。各設定点は、各チャンバに
ついて同じであってもよい。例えば、すべてのチャンバを50℃に維持することができる
。異なるチャンバは異なる設定点を有し得る。例えば、第1のセットのチャンバは95℃
に維持することができ、第2のセットのチャンバは-15℃に維持することができる。装
置は、複数のチャンバの第2のサブセットを一定の温度に維持しながら、複数のチャンバ
の第1のサブセットに温度サイクルをかけるように構成されてもよい。例えば、複数のチ
ャンバでPCR反応を行うことができる。この例では、チャンバからの蛍光信号が所定の
レベルに達すると、チャンバを低温に維持することによって、そのチャンバ内のPCR反
応を停止させることができる。この例では、他のチャンバをサイクルし続けて、それらの
チャンバ内で生じるPCR反応を継続することができる。
【0047】
装置は、複数のチャンバにわたって条件勾配を生成するように構成されてもよい。例え
ば、装置は、複数のチャンバにわたって温度勾配を生成するように構成することができる
。この例では、反応の最適温度は、温度勾配にわたる反応の進行を調べることによって決
定することができる。別の例では、試薬濃度の勾配を生成することができる。溶融曲線分
析は、複数のチャンバにわたって装置によって実行されてもよい。
【0048】
複数の素子は、複数の加熱素子および/または冷却素子を備えてもよい。加熱および/
または冷却素子は、別個の素子であってもよい。例えば、加熱素子および冷却素子は、チ
ャンバと接触して互いに隣接することができる。加熱および/または冷却素子は、同じ素
子であってもよい。例えば、組み合わされた加熱冷却素子をチャンバに隣接して配置する
ことができる。この例では、加熱素子および冷却素子の両方として熱電素子を使用するこ
とができる。加熱素子は、抵抗加熱器、誘導加熱器、熱電加熱器など、またはそれらの任
意の組み合わせを備えてもよい。冷却素子は、蒸発冷却器、圧縮冷却器、熱電冷却器など
、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。
【0049】
少なくとも1つの追加素子は、複数の素子のうちの1または複数の素子に隣接して配置
されてもよい。少なくとも1つの追加素子は、複数の素子のすべてに隣接して配置されて
もよい。例えば、複数の素子はそれぞれ、追加の素子と接触することができる。追加の素
子は、1または複数の追加の加熱および/または冷却素子を備えてもよい。1または複数
の追加の加熱および/または冷却素子は、本明細書の他の箇所に記載されている通りであ
ってもよい。例えば、追加の素子は、複数の熱電素子と熱的に連通する大きな熱電素子を
備えてもよい。複数の素子上の少なくとも1つの条件は、本明細書の他の箇所に記載され
ているような条件であってもよい。例えば、少なくとも1つの追加素子は、複数の素子の
温度に影響を及ぼすように構成することができる。この例では、熱電冷却器を使用して高
温側温度を低下させ、それによって複数の熱電素子の効率を高めることができ、それによ
ってチャンバの温度を個別に制御することができる。少なくとも1つの追加素子は、少な
くとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の追加素子を備
えてもよい。少なくとも1つの追加素子は、最大で約10、9、8、7、6、5、4、2
またはそれ未満の追加素子を備えてもよい。
【0050】
光学系は、1または複数の励起源を備えてもよい。励起源の例には、レーザ(例えば、
単一波長レーザ、スーパーコンティニュムレーザなど)、インコヒーレント光源(例えば
、発光ダイオード、白熱光源など)など、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが
、これらに限定されない。光学系は、1または複数の検出器を備えてもよい。検出器の例
には、ゼロ次元(0D)検出器(例えば、フォトダイオード)、ケイ素光電子増倍管(S
iPM)、一次元(1D)検出器(例えば、ストリップ検出器)、2次元(2D)検出器
(例えば、アレイ検出器)、膜検出器(例えば、フィルム上にハロゲン化銀結晶を使用す
る検出器)、蛍光体プレート検出器(例えば、蛍光体を下方シフトまたは下方変換するプ
レート)、半導体検出器(例えば、半導体電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半
導体(CMOS)素子)など、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに
限定されない。光学系は、複数のチャンバの各チャンバからの信号の有無を個別に測定す
るように構成されてもよい。例えば、光学系は、複数のチャンバを一括して励起し、各チ
ャンバから個別に信号を読み出すことができる。別の例では、光学系は、各チャンバから
の信号を個別に励起して読み取ることができる。
【0051】
複数の素子は、複数の熱電加熱、熱電冷却、または熱電加熱冷却素子と熱電冷却素子と
の組み合わせを備えてもよい。例えば、熱電加熱素子は、熱電素子にわたる電流極性の反
転を伴う熱電冷却素子になることができる。少なくとも1つの追加素子は、少なくとも1
つの熱電ヒータ、熱電冷却器、または熱電ヒータと熱電冷却器との組み合わせを備えても
よい。装置は、複数のチャンバ間の熱クロストークを低減するように構成された1または
複数のヒートパイプを備えてもよい。例えば、ヒートパイプをチャンバ間に配置して、チ
ャンバ間の断熱性を向上させることができる。ヒートパイプは、過剰な熱を放散し、およ
び/または熱を加えて熱不足を除去するように構成された素子と熱的に接触するように構
成されてもよい。
【0052】
別の態様では、本開示は、分析物を含むかまたは含む疑いがある試料のポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)分析を実行する方法を提供する。この方法は、試料を収容するように構
成された1または複数のチャンバを備える装置の第1のチャンバに試料を提供するステッ
プを含んでもよい。1または複数のチャンバは、個別に制御可能な条件を有するように構
成されてもよい。試料を用いてPCR反応を開始してもよい。PCR反応は、分析物の存
在または非存在を示す信号を生成し得る。PCR反応は、信号を用いてモニターされ得る
。PCR反応は、チャンバ内でPCR反応によって所定量の信号が生成された後に停止さ
れてもよい。
【0053】
図1は、本開示の一実施形態による、分析物を含むまたは含む疑いがある試料のポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)分析を実行するための方法100のフローチャートである。こ
の方法は、基板の位置に試料を提供するステップ(110)を含んでもよい。位置は、試
料を保持し、試料がPCR分析のための条件に供されることを可能にするように構成され
た容積を有してもよい。装置は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであっ
てもよい。例えば、1または複数のチャンバは、個別に制御可能な条件を有するように構
成されてもよい。別の例では、信号は光信号を含むことができる。
【0054】
試料は、分析物を含み得る材料であってもよい。試料は、分析物を含むと疑われ得る。
試料は、固形物(例えば、生体組織)であってもよいし、流体(例えば、生物学的流体)
であってもよい。一般に、生物学的流体は、生物に関連する任意の流体を含むことができ
る。試料の非限定的な例には、被検体の任意の解剖学的位置(例えば、組織、循環系、骨
髄)から得られた血液(または血液の成分、例えば白血球、赤血球、血小板)、被検体の
任意の解剖学的位置から得られた細胞、皮膚、心臓、肺、腎臓、呼気、骨髄、便、精液、
膣液、腫瘍組織に由来する間質液、乳房、膵臓、脳脊髄液、組織、喉スワブ、生検、胎盤
液、羊水、肝臓、筋肉、平滑筋、膀胱、胆嚢、結腸、腸、脳、空洞液、痰、膿、ミクロピ
オタ、メコニウム、母乳、前立腺、食道、甲状腺、血清、唾液、尿、胃および消化液、涙
、眼液、汗、粘液、耳垢、油、腺分泌物、脊髄液、毛髪、指爪、皮膚細胞、血漿、鼻スワ
ブまたは鼻咽頭洗浄液、脊髄、血液、空体液、および/または他の排泄物または身体組織
を含む。試料は無細胞試料であってもよい。そのような無細胞試料は、DNAおよび/ま
たはRNAを含み得る。分析物は、核酸分子、タンパク質(例えば、抗体)、抗原、化学
物質(例えば、毒素)、金属イオン(例えば、重金属イオン)などであってもよい。例え
ば、分析物は、ウイルスの核酸分子であり得る。
【0055】
方法100は、その位置に隣接して配置された第1の素子を使用してその位置での条件に影響を与え、それによって試料を使用してPCR反応を開始するステップ(120)を含んでもよい。PCR反応は、分析物に関連する特性を示す信号または信号変化を生成し得る。PCR反応は、分析物の存在または非存在を示す信号を生成し得る。PCR反応は、対立遺伝子特異的PCR、アセンブリPCR、ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)、非対称PCR、対流PCR、ダイヤルアウトPCR、デジタルPCR(dPCR)、ヘリカーゼ依存的増幅、ホットスタートPCR、インシリコPCR、配列間特異的PCR、逆PCR、ライゲーション媒介PCR、メチル化特異的PCR、ミニプリマーPCR、マルチプレックスライゲーション依存的プローブ増幅、MLPA、マルチプレックスPCR、ナノ粒子支援PCR(nanoPCR)、ネステッドPCR、オーバーラップ伸長PCR、オーバーラップ伸長によるスプライシング(SOEing)、PAN-AC、定量的PCR、リアルタイム定量的PCR、逆相補PCR、逆転写PCR(RT-PCR)、cDNA末端の迅速増幅、RNアーゼH依存性PCR、単一特異的プライマーPCR、固体PCR、補助PCR、熱非対称インターレースPCR(TAIL-PCR)、タッチダウンPCR、ステップダウンPCR、またはユニバーサルファーストウォーキングなどを含んでもよい。信号は、光信号、電気信号、物理信号など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。光学信号は、吸収信号(例えば、吸収強度、吸収ピーク波長)、蛍光信号(例えば、蛍光強度、蛍光波長、蛍光寿命)、プラズモン特性など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。電気信号は、抵抗、インピーダンス、キャパシタンスなど、それらの変化、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。物理信号は、試料の物理的状態を含んでもよい。例えば、物理的信号は、試料の融点であり得る。
【0056】
方法100は、第1の素子に動作可能に結合された第2の素子を使用して、信号または
信号変化に少なくとも部分的に応答して第1の素子の動作条件を調整し、それによりその
位置における条件に影響を及ぼすステップ(130)を含んでもよい。信号は試料中の分
析物の量に依存し得るので、装置は、反応がどの程度進行したかの代用として信号の量を
使用することができる。したがって、反応の進行を決定するために任意のサイクル数を使
用する代わりに、信号を定量的尺度として使用することができる。監視は、リアルタイム
監視(例えば、反応が進行するにつれてリアルタイムで信号を読み取る)、固定間隔監視
(例えば、所定の時間に信号を読み取る)など、またはそれらの任意の組み合わせを含ん
でもよい。方法100は、前記信号または信号変化が所定のしきい値に達したときにPC
R反応を停止するように第1の素子の動作条件を調整するステップ(140)を含んでも
よい。例えば、チャンバ内で所定量の蛍光信号が発生したら、温度を下げることでPCR
反応を停止させることができる。動作条件の例には、温度、撹拌(例えば、撹拌、振盪な
ど)、光の有無、化合物(例えば、追加の試薬、ガスなど)の有無など、またはそれらの
任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例えば、動作条件は反応の温度
とすることができ、動作条件の変化は温度の変化とすることができる。別の例では、動作
条件は光エネルギーの存在であり得、動作条件の変化は光をオフにすることであり得る。
【0057】
装置の第2のチャンバは、第2の試料を含んでもよい。例えば、第1のチャンバは、第
1の被検体からの試料を含むことができ、第2のチャンバは、第2の被検体からの試料を
含むことができる。別の例では、第1のチャンバは、被検体由来の第1の試料を含み得、
第2のチャンバは、同じ被検体由来の第2の試料を含み得る。第2のチャンバは、第1の
チャンバ内でのPCR反応の停止後に、第2のチャンバ内で第2のPCR反応を継続して
もよい。第2のチャンバ内の条件は、第1のチャンバ内の条件とは別個に制御されてもよ
い。したがって、第2のチャンバ内の反応は、第1のチャンバ内の反応とは無関係であり
得る。反応は独立して制御および監視することができるため、反応が完了したと判断され
ると、隣接する反応に影響を与えることなく停止させることができる。例えば、反応が分
析物の存在を示す所定量の信号に達すると、反応を停止させ、適切な条件下に維持して、
後に反応の生成物を回収することができる。
【0058】
方法100は、事前正規化を含まなくてもよい。本方法は、内部標準を含まない試料に
対して実施することができる。この方法は、試料内の非分析物標的を定量することなく、
試料に対して実行することができる。例えば、この方法は、ヒト遺伝子対照を増幅するこ
となくウイルス核酸分析物を定量するために実施することができる。方法100は、事前
定量化を含まなくてもよい。この方法は、試料内の分析物の量を決定するステップを含ま
なくてもよい。例えば、この方法は、試料中に存在する核酸分子の量が未知の試料に対し
て実施することができる。正規化および/または事前定量化されていない試料に対して本
方法を実施することにより、試料を処理するのにかかる時間を短縮することができる。さ
らに、試料の処理に関連する複雑さおよびコストも同様に低減することができる。これは
、高い精度を維持するために事前正規化または事前定量化を必要とし得る他の試料分析技
術とは逆であってもよい。方法100は、これらの動作なしで高い精度、感度、および/
または特異性を維持することができる。分析物の有無は、少なくとも約10%、20%、
30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、
93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%ま
たはそれ以上の精度、感度および/または特異性で決定され得る。分析物の有無は、最大
で約99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93
%、92%、91%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20
%、10%、またはそれ以下の精度、感度、および/または特異性で決定され得る。
【0059】
被検体は、哺乳動物などの動物であってもよい。被検体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物
であってもよい。被検体は植物であってもよい。被検体は、疾患に罹患しているか、また
は疾患に罹患しているもしくは疾患を有すると疑われ得る。被検体は、疾患に罹患してい
るまたは疾患を有することが疑われない場合がある。被検体は症候性であってもよい。あ
るいは、被検体は無症候性であってもよい。場合によっては、被検体は、疾患の症状を緩
和するために、または疾患の被検体を治癒するために処置され得る。被検体は、医師など
の医療提供者による治療を受けている患者であってもよい。被検体は、医療提供者であっ
てもよい。被検体は、生徒、教師、長期介護者(例えば、介護施設の従業員)、監視員、
または他の人の近くで働くおよび/または生活する他の人であってもよい。
【0060】
図2は、一実施形態による装置200の概略図である。装置200は、1または複数の
チャンバ210を備えてもよい。この例では、チャンバは、チャンバの最上部から流体的
にアクセス可能であるように構成されたウェルであり得る。チャンバは、光学的にアクセ
ス可能であるようにさらに構成することができる。例えば、チャンバの最上部に面して配
置されたカメラは、チャンバから発する光信号を読み取ることができる。各チャンバは、
断熱材220を備えてもよい。断熱材は、複数のチャンバのチャンバ間の熱伝達を減少さ
せるように構成されてもよい。例えば、第1のチャンバが加熱条件下にあり、第2のチャ
ンバが冷却条件下にある場合、断熱材は、加熱されたチャンバから冷却されたチャンバに
漏れる熱を低減し、効率および精度を向上させることができる。断熱材220は、低熱伝
導率材料のうちの1または複数を備えてもよい。断熱材は、鉱物ウール(例えば、ガラス
繊維)、天然繊維(例えば、セルロース)、ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリウレ
タンなど)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。断熱材は、1または複数
のヒートパイプを備えてもよい。1または複数のヒートパイプは、チャンバへのまたはチ
ャンバからの熱の輸送を提供するように構成されてもよい。例えば、ヒートパイプは、チ
ャンバから余分な熱を除去することができる。ヒートパイプは、固体金属パイプ(例えば
、銅線)、相変化ヒートパイプ(例えば、相変化冷却器が充填された銅管)など、または
それらの任意の組み合わせを備えてもよい。場合によっては、各チャンバは、関連する温
度読取装置(例えば、温度計、熱電対など)を有することができる。温度読取装置は、チ
ャンバの温度を読み取り、その温度を中央コントローラに提供するように構成することが
できる。これにより、複数のチャンバの各チャンバの温度の個別のリアルタイム制御を可
能にすることができる。
【0061】
装置は、1または複数の素子230を備えてもよい。装置は、図2に示すように、装置
の各チャンバに対して1つの素子を備えてもよい。装置は、各チャンバに対して複数の素
子を備えてもよい。素子は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであっても
よい。例えば、素子は熱電素子であってもよい。熱電素子は、装置の各チャンバ内の温度
を個別に制御するように構成されてもよい。例えば、チャンバの下方に配置された熱電素
子は、そのチャンバを加熱および冷却することができる。熱電素子は、任意選択のヒータ
270を備える任意選択の熱電バックプレート240に接続されてもよい。熱電バックプ
レートは、効率を改善するために素子230の温度を等しくするように構成されてもよい
。例えば、チャンバが加熱されている場合、熱電素子の背面が冷える可能性がある。この
例では、ヒータ270は、熱電素子の裏側温度を調整するために熱電バックプレートに熱
を供給することができる。熱電バックプレートは、任意選択のグラファイトパッド280
を介してヒートシンク250と熱的に接触することができる。グラファイトパッドは、熱
電バックプレートとヒートシンクとの間の熱伝導を助けるように構成されてもよい。例え
ば、グラファイトパッドは、熱電バックプレートおよびヒートシンクの欠陥を充填して、
より良好な熱伝導を提供することができる。ヒートシンクは、金属ヒートシンク(例えば
、銅、アルミニウムなど)、ポリマーヒートシンク、グラファイトヒートシンクなど、ま
たはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。ヒートシンクは、ファン260によって
冷却されてもよい。ファンは、装置からの熱の放散を助けるためにヒートシンクの周りに
空気を循環させることができる。
【0062】
場合によっては、ヒートシンクはピラー設計を備えることができる。図15A図15
Cは、いくつかの実施形態による、ピラー設計の例である。ピラー設計は、熱電素子とよ
り大きなヒートシンク(例えば、複数のフィン)との間の熱伝達を容易にするように構成
されてもよい。ピラー設計は、装置の個々のチャンバ間のクロストークを低減するように
構成されてもよい。例えば、ピラーは、ピラーを介して熱を導くように構成することがで
きるが、ピラー間の空間は、ピラー間のクロストークを低減することができる。各チャン
バは、異なるピラーと熱的に接触していてもよい。場合によっては、各ピラーは、他のピ
ラー間に直接接続されていなくてもよい。場合によっては、各チャンバ間に直接接続がな
い場合がある。例えば、チャンバは、断熱材料と物理的に接触していてもよいが、チャン
バ間に配置された熱伝導性材料とは接触していなくてもよい。図15Aでは、装置150
0は、1または複数の素子1510(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているよう
な熱電素子)および1または複数のピラー(例えば、絶縁ピラー)1520を備えてもよ
い。ピラーは、本明細書の他の箇所で説明するように熱の移動を可能にしながら、複数の
チャンバを熱的に絶縁するように構成することができる。装置は、本明細書の他の箇所に
記載されているように、1または複数の温度センサ1530をさらに備えることができる
。保持クリップ1540は、複数の素子を保持するように構成することができ、保持プレ
ート1550は、複数のチャンバを保持するように構成することができる。
【0063】
図3は、一実施形態による装置300の概略図である。装置300は、図2の装置20
0と同様であってもよいが、熱電バックプレート240に隣接して配置された追加の素子
310を追加するためのものである。追加の素子は、1または複数の追加の熱電素子であ
ってもよい。1または複数の追加素子は、1または複数の素子の条件(例えば、温度)を
制御するように構成することができる。例えば、第2の熱電冷却器は、複数の熱電冷却器
の高温側を冷却することができる。1または複数の追加素子を含むことは、1または複数
の素子から廃熱を除去することによって1または複数の素子の性能を改善することができ
る。さらに、そのような追加の素子は、1または複数の素子の条件の動的制御を提供する
ことができる。例えば、第1の熱電素子は、チャンバの加熱と冷却とを切り替えることが
できる。この例では、追加の熱電素子は、第1の熱電素子の冷却と加熱とを切り替えるこ
とができる。
【0064】
図16A図16Bは、いくつかの実施形態による、装置の一例の異なる図を示す。装
置は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。場合によっては
、マイクロウェルプレートをプレートホルダ内に配置することができる。プレートホルダ
は、マイクロウェルプレートを装置内に移動させるように構成されてもよい(例えば、熱
素子と接触する)。プレートホルダの移動は自動化されてもよい(例えば、装置内のモー
タによって作動される)。プレートホルダの移動は手動であってもよい(例えば、ユーザ
は、プレートホルダを装置内にスライドさせることができる)。場合によっては、マイク
ロウェルは、装置に挿入されると、熱素子を移動させてウェルプレートと係合させること
ができる間、固定位置に保持することができる。例えば、ヒートポンプを垂直に移動させ
て、マイクロウェルプレートの底部と係合させることができる。場合によっては、マイク
ロウェルプレートを装置に挿入した後に移動させて、マイクロウェルプレートを熱素子と
係合させることができる。例えば、マイクロウェルプレートを押し下げてヒートポンプと
係合させることができる。装置内の移動は、例えば、リニアモータ、回転モータなど、ま
たはそれらの任意の組み合わせによって行われてもよい。
【0065】
図17は、いくつかの実施形態による、光学アセンブリの一例を示す。光学アセンブリ
は、プレートの1または複数のチャンバ(例えば、ウェル)から光励起を提供し、および
/または光放射を受け取るように構成することができる。例えば、光学アセンブリは、第
1の光学ポートから光学アセンブリ内に励起ビームを提供するように構成することができ
る。場合によっては、第1の光ポートはレーザ(例えば、ダイオードレーザ)を備えるこ
とができる。このようにして、励起ビームを光学アセンブリ内から生成することができる
。場合によっては、光学アセンブリは、第1の光学ポートからチャンバに励起ビームを誘
導するように構成されたダイクロイックミラーを備えることができる。励起ビームは、チ
ャンバ内のフルオロフォアを励起することができ、得られた発光は、ダイクロイックミラ
ーを通って光学アセンブリに戻り、第2の光学ポートおよび/または検出器モジュールに
向けられることができる。場合によっては、例えば、発光光を光ファイバに結合すること
によって、発光を光学アセンブリから除去することができる。次いで、除去された発光光
を検出器に向けることができる。場合によっては、光学アセンブリは、発光が光学アセン
ブリから除去されることなく発光を検出するように構成された検出器を備えることができ
る。図18は、いくつかの実施形態による、複数の光学アセンブリの構成の一例を示す。
この例では、8つの光学アセンブリが単一のユニットとして形成されており、8つのチャ
ンバからの光信号を監視するように構成することができる。複数の光学アセンブリは、少
なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
、16、17、18、19、20またはそれ以上の光学アセンブリを備えるユニットに構
成することができる。複数の光学アセンブリは、最大で約20、19、18、17、16
、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2つ、またはそ
れより少ない光学アセンブリを備えるユニットに構成することができる。例えば、図20
は、いくつかの実施形態による、8つの光学アセンブリを備える例示的なユニットを示す
。別の例では、図21は、いくつかの実施形態による、単一のユニット内に16個の光学
アセンブリを備える例示的なユニットを示す。場合によっては、光学アセンブリは、ユニ
ットの異なる側に構成することができる。場合によっては、光学アセンブリは、ユニット
(例えば、積層)の同じ側に構成することができる。追加の光学ユニットの追加は、装置
が装置のチャンバから蛍光強度を収集する時間の長さを短縮しながら、ユニットのフット
プリントを実質的に増加させない場合がある。図19は、いくつかの実施形態による、複
数のチャンバに隣接して配置された複数の光学アセンブリを備えるユニットの一例を示す
図である。ユニットは、例えば、ステッパモータおよびタイミングベルトを使用すること
によって複数のチャンバを横切って移動するように構成することができる。
【0066】
図4Aは、一実施形態による熱電制御アーキテクチャ400の概略図であり、図4B
、一実施形態による電流シンク容量を有する熱電制御アーキテクチャ410の概略図であ
る。熱電制御アーキテクチャは、本明細書の他の箇所に記載されているように熱電素子を
制御するように構成することができる。熱電制御アーキテクチャは、DC/DCコントロ
ーラ(例えば、バックコントローラ)に基づくことができる。アーキテクチャは、本明細
書の他の箇所に記載されている装置のフットプリント内に収まるように構成されてもよい
。例えば、アーキテクチャは、マイクロウェルベースの装置内に収まるように小型化する
ことができる。熱電制御アーキテクチャは、マイクロコントローラによってアドレス指定
可能であってもよい。マイクロコントローラは、本明細書の他の箇所に記載されているよ
うなコンピュータシステムであってもよい。熱電制御アーキテクチャは、2つの対向する
トランジスタのデジタルスイッチングを使用して、1または複数の熱電素子を加熱モード
と冷却モードとの間で切り替えるように構成されてもよい。切り替えは、少なくとも約0
.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、
35、40、45、50、75、100ミリ秒、またはそれ以上の期間にわたって行われ
てもよい。切り替えは、最大で約100、75、50、45、40、35、30、25、
20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1ミリ秒または
それ未満の期間にわたって行われてもよい。切り替えは、所定の標的の少なくとも約0.
1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、3
5、40、45、50、75%、またはそれ以上の割合内の電気的な流れを可能にするこ
とができる。切り替えは、所定の標的の最大で約75、50、45、40、35、30、
25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1または
それ未満のパーセント内の電気的流れを可能にすることができる。熱電制御アーキテクチ
ャは、フィードバックループを使用して各素子(例えば、各ウェル内の制御条件)を制御
するように構成されてもよい。熱電制御アーキテクチャは、パルス幅変調(PWM)の使
用を含まなくてもよい。PWMを使用しないことは、干渉効果を低減し、制御アーキテク
チャの機能を改善することができる。図12A図12Bは、いくつかの実施形態による
、制御アーキテクチャの例示的な概略図を示す。制御アーキテクチャは、ドータボード、
マスタ制御回路、およびセンサ間の通信を提供することができる。各ドータボードは、マ
スタマイクロコントローラと、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
個、またはそれ以上のサブコントローラと、を備えてもよい。各サブコントローラは、少
なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の反応チャンバ
の温度を測定および/または制御するように構成されたセンサボードのセットに接続され
てもよい。各センサボードは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
、11、12、13、14、15、またはそれ以上の温度センサ(例えば、デジタル温度
センサ)を備えることができる。温度センサを較正することができる(例えば、国立科学
技術研究所(NIST)のトレーシブルセンサによって較正される)。温度センサは、少
なくとも約+/-0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.
6、0.7、0.8、0.9、1℃、またはそれ以上の精度で温度を読み取るように構成
されてもよい。温度センサは、最大で約+/-1、0.9、0.8、0.7、0.6、0
.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01℃以下の精度で温度を読み
取るように構成されてもよい。温度センサの測定値は、デジタル測定値であってもよい。
デジタル測定は、電気的ノイズ(例えば、電磁干渉)の影響を回避するように構成されて
もよく、これは温度センサの機能を改善することができ、反応チャンバの個々の制御を可
能にすることができる。
【0067】
ドータボードアーキテクチャの使用はモジュール式であってもよい。例えば、ドータボ
ードは交換可能であってもよい。モジュール式アーキテクチャは、損傷した部品の効率的
な交換を提供することができる(例えば、損傷したドータボードを別のドータボードに交
換することができる)。モジュール式アーキテクチャは、温度センサまたは素子との通信
プロトコルまたは温度センサまたは素子の機能に影響を与えない方法でドータボードを交
換することを可能にすることができる。通信全体は、マスタコントローラ(例えば、マス
タマイクロコントローラ)によって制御することができる。通信プロトコルバスの例には
、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)、集積回路間(I2C)、ユニバー
サル非同期送受信機(UART)などが含まれるが、これらに限定されない。通信プロト
コルバスは、ドータボードのマスタコントローラと接触していてもよい。コマンドおよび
/またはデータは、バスを通ってブレイクアウトボードマスタコントローラに流れ、次い
でメイン機上処理ユニットに流れることができる。通信およびデータ収集アーキテクチャ
は、モジュール性を提供することができ、複数(例えば、96)の反応チャンバをアドレ
ス指定するために使用することができる。
【0068】
図5は、一実施形態による、アドレス指定可能な制御アレイ500の概略図である。ア
ドレス可能な制御部は、アレイとして位置する複数の素子を制御するように構成されても
よい。制御アレイは、1または複数の素子を単一のマイクロコントローラに接続すること
を含んでもよい。素子は、シリアルバス(例えば、シリアルペリフェラルインターフェー
ス(SPI)、I2Cなど)を介して接続されてもよい。アレイは、各々が追加のコント
ローラに接続された複数のマイクロコントローラを備えてもよい。例えば、一連のマイク
ロコントローラを別のマイクロコントローラに接続することができる。追加のコントロー
ラおよび/または複数のマイクロコントローラは、マスタコントローラに接続することが
できる。例えば、第1のマイクロコントローラは、第1の複数の素子を制御することがで
き、第2のマイクロコントローラは、第2の複数の素子を制御することができる。この例
では、2つのマイクロコントローラをマスタコントローラに接続することができる。別の
例では、第1および第2のマイクロコントローラを第3のマイクロコントローラに接続し
、第4および第5のマイクロコントローラを第6のマイクロコントローラに接続すること
ができる。この例では、第3および第6のマイクロコントローラは、マスタコントローラ
に接続することができる。マスタコントローラは、本明細書の他の箇所に記載されている
ようなコンピュータシステムを備えてもよい。例えば、マスタコントローラは、マイクロ
コントローラを備えることができる。別の例では、マスタコントローラは、フィールドプ
ログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備えることができる。少なくとも約1、2、3
、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50個
、またはそれ以上の素子を単一のマイクロコントローラに接続することができる。最大で
約50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、
3、2、または1つの素子を単一のマイクロコントローラに接続することができる。少な
くとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、
40、45、50個、またはそれ以上のマイクロコントローラを別のマイクロコントロー
ラに接続することができる。最大で約50、45、40、35、30、25、20、15
、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つのマイクロコントローラを別のマ
イクロコントローラに接続することができる。少なくとも約1、2、3、4、5、6、7
、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれ以上
のマイクロコントローラをマスタコントローラに接続することができる。最大で約50、
45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、
または1つのマイクロコントローラをマスタコントローラに接続することができる。
【0069】
図9は、いくつかの実施形態による、コントローラドータボード900の複数の図の一
例である。コントローラドータボードは、本明細書の他の箇所に記載されている方法を実
行するように構成されてもよい。例えば、ドータボードは、マルチウェルプレートの単一
ウェル内の少なくとも温度を制御するように構成することができる。コントローラドータ
ボードは、コントローラ回路910を備えることができる。コントローラ回路は、単一の
ウェルの温度を制御するように構成されてもよい。例えば、ドータボード900は、図示
するように8セットのコントローラ回路を備えることができる。コントローラドータボー
ドは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、4
0、50、60、70、80、90、96、またはそれ以上の制御回路910のセットを
備えてもよい。コントローラドータボードは、最大で約96、90、80、70、60、
50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはそれ以下の制
御回路のセットを備えてもよい。コントローラドータボードは、インターフェース901
を備えてもよい。インターフェースは、ドータボードがインターフェースされる装置から
ドータボードの様々な構成要素のアドレス指定を可能にするように構成されてもよい。例
えば、複数の接点は、システムとドータボードとの間の通信を可能にするインターフェー
ス上の位置とすることができる。ドータボードは、1または複数のマイクロプロセッサ9
02を備えてもよい。1または複数のマイクロプロセッサは、制御回路とシステムとの間
の中間体として構成されてもよい。例えば、マイクロプロセッサは、システムからの信号
を解釈して出力電気信号を制御回路に提供するように構成することができる。
【0070】
場合によっては、制御回路は、1または複数のスイッチバックレギュレータを備えても
よい。スイッチバックレギュレータは、少なくとも約50、60、70、80、90、9
5、96、97、98、99パーセント以上の効率を有することができる。スイッチバッ
クレギュレータは、例えば壁プラグによって供給することができる電力バジェットを維持
しながら、本明細書の他の箇所で説明するように個々の熱素子の存在を可能にするのに十
分な効率を有することができる。本明細書の他の箇所に記載されている装置は、単一の壁
プラグを使用して、熱電素子を介して少なくとも約1、2、3、4、5、10、25、5
0、75、96、100、150、200、250、300、350、384、400、
450、500個、またはそれ以上のウェルに個々の熱制御を提供するように構成されて
もよい。制御回路は、1または複数のマイクロコントローラによって外部制御される2つ
以上のスイッチングバックコンバータを備えてもよい。そのような設計は、Hブリッジを
使用しなくてもよい。Hブリッジを使用しないことにより、効率を向上させることができ
る(例えば、Hブリッジのトランジスタを有さないことによるより低い損失プロファイル
のために改善される)。外部マイクロコントローラを使用すると、トランジスタをオフに
する前にバックコンバータをオフにすることによって損失を低減することができる。場合
によっては、ドータボードは、最大で約10,000、9,500、9,000、8,5
00、8,154、8,000、7,500、7,000、6,500、6,000、5
,500、5,000、4,500、4,000、3,000、2,000、1,000
センチメートル平方以下の領域に8セットのコントローラ回路を備えることができる。
【0071】
図10は、いくつかの実施形態による、制御回路910の一例である。TECは、本明
細書の他の箇所に記載されているような熱素子(例えば、熱電素子)であってもよい。制
御回路は、単一の熱素子の温度を制御するように構成されてもよい。例えば、システムの
各熱素子は、対応する制御回路のセットを有してもよい。制御回路は、例えば、1または
複数のマイクロプロセッサから入力信号を受け取り、入力信号を熱素子の温度変化に変換
するように構成されてもよい。制御回路は、温度制御回路であってもよい。制御回路は、
別の特性(例えば、ガス条件、撹拌など)のための制御回路であってもよい。
【0072】
図11は、いくつかの実施形態による、本明細書の他の箇所に記載されているシステム
1100の切断例である。例えば、システムは、本明細書の他の箇所に記載されている方
法を実行するように構成することができる。システムはウェルプレート1101を備えて
もよい。ウェルプレートは、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであっても
よい。例えば、ウェルプレートは、96ウェルプレートであってもよい。ウェルプレート
1101の各ウェルは、本明細書の他の箇所に記載されているように、個別に制御された
温度を有するように構成されてもよい。温度の個々の制御は、少なくとも部分的に、1ま
たは複数のコントローラドータボード900の使用によって達成されてもよい。コントロ
ーラドータボードは、ポート1103を介してシステムにインターフェース接続されても
よい。ポートは、システムの熱素子とドータボードの制御回路との間の電気的接触を提供
するために、コントローラドータボードに結合するように構成されてもよい。ポートの使
用は、(例えば、メンテナンス、様々な機能などのために)コントローラドータボードの
切り替えを可能にすることができる。ポートの使用は、経時的なシステム構成の変更を可
能にすることができる(例えば、制御チャネルの加算または減算など)。システムは、ウ
ェルプレートの各ウェルが制御回路に結合されるように、いくつかのドータボードを用い
て構成されてもよい。例えば、システムは、システムのすべての熱素子に制御回路がある
ように、制御回路を備えるドータボードを用いて構成することができる。
【0073】
システムは、ヒートシンク1102を備えてもよい。ヒートシンクは、本明細書の他の
箇所で説明するように構成されてもよい。例えば、ヒートシンクは、熱電素子の熱平衡(
例えば、加熱および/または冷却)を助けるように構成することができる。システムは、
1または複数のファン1104を備えてもよい。1または複数のファンは、ドータボード
、ヒートシンク、またはそれらの組み合わせに冷却を提供するように構成されてもよい。
例えば、ファンは、ドータボードの制御回路ならびにヒートシンクの両方を冷却するよう
に構成することができる。
【0074】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステムを提
供する。図6は、本開示の方法および/または装置とのインターフェースを実装するよう
にプログラムまたは他の方法で構成されたコンピュータシステム601を示す。コンピュ
ータシステム601は、例えば、チャンバ内の条件を調整し、チャンバからの信号を監視
するなど、本開示の様々な態様を調整することができる。コンピュータシステム601は
、ユーザの電子装置、または電子装置に対して遠隔に配置されたコンピュータシステムと
することができる。電子装置は携帯電子装置であってもよい。
【0075】
コンピュータシステム601は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または
並列処理のための複数のプロセッサとすることができる中央処理装置(CPU、本明細書
では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)605を含む。コンピュータシ
ステム601はまた、メモリまたはメモリ位置610(例えば、ランダムアクセスメモリ
、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット615(例えば、ハー
ドディスク)と、1または複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース6
20(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ
、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺装置625とを含む。メモリ61
0、記憶ユニット615、インターフェース620および周辺装置625は、マザーボー
ドなどの通信バス(実線)を介してCPU605と通信する。記憶ユニット615は、デ
ータを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)とすることができ
る。コンピュータシステム601は、通信インターフェース620の助けを借りてコンピ
ュータネットワーク(「ネットワーク」)630に動作可能に結合することができる。ネ
ットワーク630は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネッ
ト、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネット
とすることができる。ネットワーク630は、場合によっては、電気通信および/または
データネットワークである。ネットワーク630は、クラウドコンピューティングなどの
分散コンピューティングを可能にすることができる1または複数のコンピュータサーバを
含むことができる。ネットワーク630は、場合によっては、コンピュータシステム60
1の助けを借りて、コンピュータシステム601に結合された装置がクライアントまたは
サーバとして動作することを可能にすることができるピアツーピアネットワークを実装す
ることができる。
【0076】
CPU605は、プログラムまたはソフトウェアで具現化することができる一連の機械
可読命令を実行することができる。命令は、メモリ610などのメモリ位置に格納するこ
とができる。命令は、CPU605を対象とすることができ、その後に、本開示の方法を
実施するようにCPU605をプログラムまたは構成することができる。CPU605に
よって実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むこ
とができる。
【0077】
CPU605は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム601の1
または複数の他の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用
途向け集積回路(ASIC)である。
【0078】
記憶ユニット615は、ドライバ、ライブラリおよび保存されたプログラムなどのファ
イルを記憶することができる。記憶ユニット615は、ユーザデータ、例えば、ユーザプ
レファレンスおよびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム6
01は、場合によっては、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシ
ステム601と通信するリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム601
の外部にある1または複数の追加のデータ記憶装置を含むことができる。
【0079】
コンピュータシステム601は、ネットワーク630を介して1または複数のリモート
コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム601は
、ユーザのリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュー
タシステムの例には、パーソナルコンピュータ(例えばポータブルPC)、スレートまた
はタブレットPC(例えばアップル(登録商標)iPad(登録商標)、サムスン(登録
商標)ギャラクシータブ)、電話、スマートフォン(例えばアップル(登録商標)iPh
one(登録商標)、アンドロイド(登録商標)対応装置、ブラックベリー(登録商標)
)、または携帯情報端末が含まれる。ユーザは、ネットワーク630を介してコンピュー
タシステム601にアクセスすることができる。
【0080】
本明細書に記載の方法は、例えばメモリ610または電子記憶ユニット615などのコ
ンピュータシステム601の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロ
セッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コードまたは機械
可読コードはソフトウェアの形で提供することができる。使用中、コードはプロセッサ6
05によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶ユニット615か
ら取得され、プロセッサ605による容易なアクセスのためにメモリ610に記憶され得
る。いくつかの状況では、電子記憶ユニット615を除外することができ、機械実行可能
命令がメモリ610に記憶される。
【0081】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と共に使用する
ために予めコンパイルし構成することができ、あるいは実行時にコンパイルすることがで
きる。コードは、コードを事前コンパイル方式またはコンパイル時方式で実行できるよう
に選択することができるプログラミング言語で供給することができる。
【0082】
コンピュータシステム601など、本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は
、プログラミングにおいて具現化することができる。本技術の様々な態様は、通常、機械
(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/またはある種の機械可読媒体で運ばれるま
たはその中に具現化された関連データの形をとる「製品」または「物品」と考えることが
できる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセ
スメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶ユニットに格納する
ことができる。「記憶」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、
または様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールの
いずれかまたはすべてを含むことができ、これらはソフトウェアプログラミングのために
いつでも非一時的記憶を提供することができる。ソフトウェアのすべてまたは一部は、イ
ンターネットまたは他の様々な電気通信ネットワークを介して通信することができる。そ
のような通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまた
はプロセッサへ、例えば管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサー
バのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にすることができる
。したがって、ソフトウェア素子を担持することができる別の種類の媒体は、光、電気お
よび電磁波を含み、これらは、有線および光の地上通信ネットワークを介して、および様
々なエアリンクを介して、ローカル装置間の物理的なインターフェースを越えて使用され
る。そのような波を搬送する物理的素子、例えば有線または無線リンク、光リンクなども
また、ソフトウェアを担持する媒体とみなすことができる。本明細書では、非一時的で有
形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械の「可読媒体」などの用
語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0083】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形の記憶媒体、搬
送波媒体、または物理伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることがで
きる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示すデータベースなどを実装するために使用
することができるものなど、任意のコンピュータなどの任意の記憶装置などの光ディスク
または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォー
ムのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形の伝送媒体は同軸ケーブル、銅
線および光ファイバを含み、コンピュータシステム内のバスを構成するワイヤを含む。搬
送波伝送媒体は、電気または電磁信号、あるいは無線周波数(RF)および赤外線(IR
)データ通信中に発生するものなどの音波または光波の形態をとることができる。したが
って、一般的な形態のコンピュータ可読媒体には、例えば、フロッピーディスク、フレキ
シブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、D
VDもしくはDVD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパター
ンを有する他の任意の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FL
ASH-EPROM、他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命
令を搬送する搬送波、このような搬送波を伝送するケーブルもしくはリンク、またはコン
ピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取ることができる他の任
意の媒体が含まれる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1ま
たは複数の命令の1または複数のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与すること
ができる。
【0084】
コンピュータシステム601は、例えば、チャンバからのPCR反応の結果を提供する
ためのユーザインターフェース(UI)640を備える電子ディスプレイ635を含むか
、またはそれと通信することができる。UIの例には、グラフィカルユーザインターフェ
ース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースが含まれるが、これらに限
定されない。
【0085】
本開示の方法およびシステムは、1または複数のアルゴリズムによって実施することが
できる。アルゴリズムは、中央処理装置605による実行時にソフトウェアによって実施
することができる。アルゴリズムは、例えば、PCR反応が完了したと判定し、単一のチ
ャンバ内で反応を停止させることができる。
【0086】
以下の実施例は、本明細書に記載の特定のシステムおよび方法を例示するものであり、
限定することを意図するものではない。
【0087】
[実施例1]
蛍光終点を使用した試料の正規化
図7は、一実施形態による、チャンバ用の制御ロジック700のフローチャートである
。論理は、温度サイクルプロファイル{ti-,Ti-}pをロードすることから開始す
ることができる。温度サイクルプロファイルは、p対の時間点および温度点{ti-,T
i-}を含んでもよい。温度サイクルプロファイルは、本明細書の他の箇所に記載されて
いるPCR反応の実行を可能にするように構成されてもよい。例えば、温度サイクルプロ
ファイルは、実行されると、PCRのサイクルが実行されることになり得る。次に、ロー
ドされたプロファイルを用いて新しいサイクルを実行することができる。サイクルの完了
時または完了前に、蛍光信号を取得することができる。例えば、定量化動作{tq,Tq
}において信号を取得することができる。蛍光信号は、本明細書の他の箇所に記載されて
いるように取得することができる。蛍光信号を受信すると、本明細書の他の箇所に記載さ
れている1または複数のコンピュータプロセッサは、しきい値条件(例えば、所定の正規
化しきい値、所定のレベルの蛍光強度など)かどうかを判定することができる。蛍光信号
がしきい値条件に反応しなかった場合、サイクル数をインクリメントし、プロセスを繰り
返すことができる。蛍光信号がしきい値条件を満たす場合、ロジックは、温度を<20℃
に設定することによってチャンバ内のPCR反応を停止させることができる。本明細書の
他の箇所に記載されているように、異なるチャンバを独立して制御することができるので
、1つの反応の完了は、他の反応が上記のように継続しないことを意味しない。例えば、
第1のチャンバはしきい値条件を満たすことができるが、第2のチャンバは満たさない。
この例では、温度を低下させることによって第1のチャンバ内の反応を停止させることが
でき、一方、第2のチャンバ内の反応は影響を受けないことができる。
【0088】
図8は、一実施形態による、蛍光終点に基づく正規化の一例である。プロット800は
、x軸上で行われたPCRサイクルの数に対するy軸上の相対蛍光強度のプロットであっ
てもよい。終点に到達するサイクル数は、チャンバ(例えば、チャンバChx、Chy、
およびChz)によって異なり得る。この例では、Chxは9サイクル後に所定の蛍光信
号しきい値に達することができ、一方、Chyは10を要し、Chzは11を要する。各
チャンバについて、チャンバが所定の正規化しきい値に達すると、チャンバは、各チャン
バの個別の温度制御を使用して停止することができる。例えば、チャンバからの信号が正
規化しきい値を超えた後に、各チャンバを冷却してPCR反応を停止させることができる
【0089】
[実施例2]
隣接するウェルの熱性能
図13は、いくつかの実施形態による、複数の隣接する個別に制御されたウェルの熱性
能の一例である。初期時点(例えば、グラフ上の早い時点)では、3つのウェルは同じ温
度サイクルプロトコル(例えば、95℃と60℃との間のサイクル)を実行している可能
性がある。異なるウェルは、同様の温度曲線によって証明されるように、同じプロトコル
の下で同様の性能を示し得る。2サイクル後に、第3のウェルはもはや同じ温度プロトコ
ル下になくてもよい。例えば、他の2つのウェルがサイクルを継続している間、第3のウ
ェルは60℃で滞留するように設定することができる。図13のデータは、プレートのウ
ェルが個別にアドレス指定可能であり、各ウェルが他のウェルとは独立して所定の温度に
置くことができることを示し得る。これは、それぞれ7サイクルおよび17サイクルにわ
たってサイクルされるウェル2および1の性能によってさらに証明され得る。
【0090】
図13の下のプロットは、3つのウェルの膨張した温度および時間範囲を示し得る。6
0℃に保持した後に、ウェル3を17℃(例えば、周囲温度未満)に冷却することができ
、他の2つのウェルは高温サイクルを継続する。高温ウェルに隣接(例えば、10ミリメ
ートル未満の距離)しているにもかかわらず、ウェル3は、ウェルの熱分離のためにより
低い温度に維持することができる。そのような能力は、所与のウェルの反応条件を個別に
制御する能力を提供することができ、これにより、所与のウェルへの反応のカスタマイズ
を可能にすることができる。しばらくすると、ウェル3の温度制御をオフにすることがで
き、ウェル3の観察された温度ドリフトをもたらすことができる。ウェル1および2は、
ウェル2が冷却され、続いてドリフトするまで、同様の温度(例えば、約0.2℃の差)
に維持することができる。
【0091】
図14は、いくつかの実施形態による、個別に制御されたウェルと個別に制御されてい
ないウェルとの性能比較を示す。場合によっては、正規化されていないPCR反応は、例
えば、反応条件、試薬負荷、標的核酸の初期負荷などのいくつかの要因に応じて異なる量
の信号を生成し得る。そのような不一致は、図14の上側プロットに存在するような曲線
を生成し得る。これらのプロットでは、様々なウェルで生じる反応は、異なるサイクル数
の後に異なる量の信号を提供することができる。場合によっては、ウェルの個々の制御は
図14の下側のプロットに示すように、ウェルの正規化を可能にして、異なるウェルか
ら同様の量の信号を提供することができる。下のプロットでは、ウェルを正規化して(例
えば、ウェルの個々の条件を制御することによって)、所与のサイクル数に対して同様の
量の信号を提供することができる。
【0092】
[実施例3]
アニーリング温度の最適化
図22は、いくつかの実施形態による、アニーリング温度の最適化実験の一例を示す図
である。場合によっては、最適なアニーリング温度で増幅を行うことにより、増幅反応か
ら収集される信号を改善することができ、ならびに反応が行われる速度を改善することが
できる。最適なアニーリング温度は、反応ごとに決定することができ、試験反応を実行す
ることができ、その後の反応は、試験反応によって決定された最適な温度を利用すること
ができる。このように、アニーリング温度の最適化は、複数の反応に対して1回行えばよ
い。
【0093】
アニーリング温度の最適化は、反応が実行されているウェルのリアルタイム監視、なら
びにウェル内の反応条件の制御を使用することによって可能にすることができる。本明細
書の他の箇所に記載されているシステムは、複数の最適化反応を同時に実行するように構
成されてもよい。例えば、ウェルプレートの各ウェルは、異なる最適化反応を含むことが
できる。
【0094】
場合によっては、最適化反応は、第1の温度(例えば、図22の60℃)で増幅反応を
開始することを含むことができる。増幅反応は、増幅反応から信号が検出されるまで、複
数のサイクルを繰り返すことができる(例えば、図22のサイクル10)。信号が増幅反
応から検出されると、反応の温度をその後のサイクルごとに上昇させることができる。温
度が上昇するにつれて、信号の増加率(例えば、蛍光信号)は増加し得る。ある時点(例
えば、図22のサイクル18)で、信号の増加は停止し得る。これは、反応の温度が高く
設定されすぎているためであり得、したがって最適温度が決定され得る(例えば、信号を
停止させた温度よりも1サイクル低い温度)。次いで、後続のサイクルおよび後続の反応
の処理に最適な温度を適用することができる。
【0095】
[実施例3]
マルチウェル温度勾配
図23は、いくつかの実施形態による、65℃の線形勾配を有するプロトコルを実行す
る24ウェル内で得られた温度プロファイルのプロットを示す。この実施例では、24個
のウェルを図24A図24Bによる温度に設定した。例えば、図24Bは、3列にわた
る24ウェルにわたって温度勾配を示すことができる。いずれの場合も、ウェルを最初に
すべて95℃に設定し、最後にすべて72℃に設定した。ウェルを、図24Bに従って、
95℃と72℃との間の、30℃から80℃にわたる勾配に設定した。図23に観察され
るように、ウェル間のクロストークは見られず、各ウェルの熱特性の個々の制御を実証し
ている。
【0096】
本明細書では本発明の好適な実施形態を示し説明しているが、そのような実施形態が例
としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。本発明が本明細書内に提供
される特定の実施例によって限定されることを意図していない。本発明を前述の明細書を
参照して説明したが、本明細書の実施形態の説明および例示は限定的な意味で解釈される
ことを意味するものではない。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変
形、変更、および置換を想到するであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条
件および変数に依存する、本明細書に記載の特定の描写、構成、または相対比率に限定さ
れないことを理解されたい。本明細書中に記載された本発明の実施形態に対する様々な代
替例を、本発明を実施する際に使用することができることを理解されたい。したがって、
本発明はそのような代替例、修正例、変形例または均等例も網羅すると考えられる。以下
の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲の方法および構造な
らびにそれらの均等例がそれによって包含されることが意図される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物を含む、または含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を行
うための方法であって、
(a)前記試料を基板の位置に提供するステップであって、前記位置が、前記試料を保
持し、前記試料が前記PCR分析のための条件に供されることを可能にするように構成さ
れた容積を有する、ステップと、
(b)前記位置に隣接して配置された第1の素子を使用して前記位置の前記条件に影響
を及ぼし、それによって前記試料を使用して前記PCR反応を開始するステップであって
、前記PCR反応が、前記分析物に関連する特性を示す信号または信号変化を生成する、
ステップと、
(c)前記第1の素子に動作可能に結合された第2の素子を使用して、前記信号または
信号変化に少なくとも部分的に応答して前記第1の素子の動作条件を調整し、それによっ
て前記位置の前記条件に影響を及ぼすステップと、
(d)前記信号または信号変化が所定のしきい値に達したときに前記PCR反応の速度
を低下させるように前記第1の素子の前記動作条件を調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記装置の第2の位置が第2の試料を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の位置での前記PCR反応が停止した後に、第2のPCR反応が前記第2の位
置内で継続する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が事前正規化を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が事前定量化を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の感度で決定される、請求
項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の特異性で決定される、請
求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の精度で決定される、請求
項1に記載の方法。
【請求項9】
前記信号または信号変化が光信号またはその変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特性が、前記分析物の存在、非存在、量、または濃度である、請求項1に記載の方
法。
【請求項11】
試料の検出および分析のための装置であって、
1または複数の試料を収容するように構成された複数の位置と、
前記複数の位置に対応し、かつ隣接して配置された複数の熱素子であって、前記複数の
素子が、前記複数の位置の個々の位置内の熱条件に影響を及ぼすように構成される、複数
の熱素子と、
前記複数の素子の少なくともサブセットに動作可能に結合され、かつ共通である少なく
とも1つの追加の熱素子であって、前記追加の熱素子が、前記複数の位置の前記個々の位
置内の前記熱条件に少なくとも部分的に応答して、前記複数の熱素子の少なくとも1つの
動作条件に影響を及ぼすように構成される、少なくとも1つの追加の熱素子と、
前記複数の位置の前記個々の位置からの信号またはその変化を検出するように構成され
た少なくとも1つの光学系であって、前記信号またはその変化が、前記熱条件の変化によ
って少なくとも部分的に生成され、前記1または複数の試料に関連する特性を示す、少な
くとも1つの光学系と、
を備える、装置。
【請求項12】
前記複数の位置を備える基板をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の位置が、複数のチャンバ、または複数のマイクロ流体チャネルである、請求
項10に記載の装置。
【請求項14】
前記基板がマルチウェルプレートであり、前記複数の位置が前記マルチウェルプレート
に備えられたウェルである、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の位置の前記個々の位置が、空間的に区別可能であり、独立してアドレス指定
可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記複数の熱素子の個々の熱素子が、前記複数の位置の前記個々の位置内の熱条件に独
立して影響を及ぼすように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の熱素子が、複数の熱電加熱素子または熱電冷却素子を備える、請求項11に
記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの追加の熱素子が、少なくとも1つの熱電ヒータまたは少なくとも
1つの熱電冷却器を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記複数の位置の各位置が、前記位置の設定温度から約1℃未満の温度に維持される、
請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記複数の位置が、少なくとも約96の位置を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
前記複数の位置が、少なくとも約384の位置を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置が、前記複数の位置の第2のサブセットを一定温度に維持しながら、前記複数
の位置の第1のサブセットに温度サイクルをかけるように構成される、請求項11に記載
の装置。
【請求項23】
前記装置が、前記複数の位置にわたって条件プロファイルを生成するように構成される
、請求項11に記載の装置。
【請求項24】
前記プロファイルが温度プロファイルである、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記複数の位置間の熱クロストークを低減するように構成された1または複数のヒート
パイプをさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項26】
前記光学系が、前記複数の位置の前記各位置から前記信号またはその変化を個別に検出
するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項27】
前記複数の位置の各位置について、前記複数の位置の前記各々における温度を測定する
ように構成された異なる温度センサをさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項28】
前記温度センサが、前記位置に隣接して配置された熱素子に動作可能に結合される、請
求項27に記載の装置。
【請求項29】
分析物を含む、または含む疑いがある試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析を行
うための方法であって、
(a)前記試料を基板の位置に提供するステップであって、前記位置が、前記試料を保
持し、前記試料が前記PCR分析のための条件に供されることを可能にするように構成さ
れた容積を有する、ステップと、
(b)前記位置に隣接して配置された第1の素子を使用して前記位置の前記条件に影響
を及ぼし、それによって前記試料に対する前記PCR反応を開始するステップであって、
前記PCR反応が、前記分析物に関連する特性を示す信号または信号変化を生成する、ス
テップと、
(c)前記第1の素子に動作可能に結合された第2の素子を使用して、前記信号または
信号変化に少なくとも部分的に応答して前記第1の素子の動作条件を調整し、それによっ
て前記位置の前記条件に影響を及ぼすステップと、
を含む、方法。
【請求項30】
前記装置の第2の位置が第2の試料を備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の位置での前記PCR反応が停止または一時停止された後に、第2のPCR反
応が前記第2の位置内で継続する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法が事前正規化を含まない、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が事前定量化を含まない、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の感度で決定される、請求
項29に記載の方法。
【請求項35】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の特異性で決定される、請
求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記分析物の存在または前記非存在が、少なくとも約90%の精度で決定される、請求
項29に記載の方法。
【請求項37】
前記信号または信号変化が光信号またはその変化を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記特性が、前記分析物の存在、非存在、量、または濃度である、請求項29に記載の
方法。
【請求項39】
各々が分析物を含む、または含む疑いがある複数の試料のポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)分析を行うための方法であって、
(a)前記複数の試料を基板の複数の位置に提供するステップと、
(b)前記複数の試料のうちの第1の試料の第1のPCR分析を行うステップであって
、前記第1のPCR分析が第1の数の増幅動作を含む、ステップと、
(c)前記複数の試料のうちの第2の試料の第2のPCR分析を行うステップであって
、前記第2のPCR分析が第2の数の増幅動作を含み、前記第1の数の増幅動作が前記第
2の数の増幅動作から独立している、ステップと、
を含む、方法。
【請求項40】
装置であって、
1または複数の試料を収容するように構成された複数の位置と、
前記複数の位置に対応し、かつ隣接して配置された複数の熱素子であって、前記複数の
素子が、前記複数の位置の個々の位置内の熱条件に影響を及ぼすように構成される、複数
の熱素子と、
前記複数の素子の少なくともサブセットに動作可能に結合され、かつ共通である少なく
とも1つの追加の熱素子であって、前記追加の熱素子が、前記複数の位置の前記個々の位
置内の前記熱条件に少なくとも部分的に応答して、前記複数の熱素子の少なくとも1つの
動作条件に影響を及ぼすように構成される、少なくとも1つの追加の熱素子と、
を備える、装置。
【請求項41】
前記信号または信号変化が前記所定のしきい値に達すると、前記PR反応が停止する
、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】