IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスベ アーベーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】バルブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/07 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
F16K11/07 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518595
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022076540
(87)【国際公開番号】W WO2023052265
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21199286.2
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524110698
【氏名又は名称】エスベ アーベー
【氏名又は名称原語表記】ESBE AB
【住所又は居所原語表記】Bruksgatan 22, 333 75 Reftele Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】ダン, ベングトソン
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA16
3H067CC01
3H067CC11
3H067DD05
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA01
3H067EB01
3H067EC01
3H067FF01
3H067FF09
3H067FF17
3H067GG13
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】
バルブアセンブリ(1000)が提供される。バルブアセンブリ(1000)は、第1の液体口(20)と、第2の液体口(40)と、第3の液体口(60)と、軸方向(A1)に延伸する円筒形状を有し、第1の合流点(82)で第1の液体口(20)と合流し、第2の合流点(84)で第2の液体口(40)と合流し、第3の合流点(86)で第3の液体口(60)と合流するバルブボア(80)と、を備えるバルブハウジング(100)を備える。バルブアセンブリ(1000)は、バルブボア(80)内に配置され、第1のプランジャー位置と第2のプランジャー位置との間をバルブボア(80)の軸方向(A1)に沿って動く、円筒形状を有するプランジャー(200)をさらに備え、プランジャー(200)が第1のプランジャー位置にある時、第1の合流点(82)は、バルブボア(80)と第1の液体口(20)との間に液体が流れるように閉じられ、プランジャー(200)が第2のプランジャー位置にある時、第2の合流点(84)は、バルブボア(80)と第2の液体口(40)との間に液体が流れるように閉じられる。バルブボアの内側バルブボア壁部(10a、10b)は、第1の合流点(82)及び第2の合流点(84)の特定の合流点と半径方向に対向する側に、プランジャー(200)の外側表面形状を補完する表面形状を有し、バルブボア(80)内にプランジャー(200)を半径方向に固定する。バルブボア(80)は、バルブボア(80)から第1の液体口(20)へと半径方向に延伸し、第1の合流点(82)に合流する、第1の凹部(81)と、バルブボア(80)から第2の液体口(40)へと半径方向に延伸し、第2の合流点(84)に合流する、第2の凹部(83)との少なくとも1つを備える。
【選択図】図1A



【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の液体口(20)と、第2の液体口(40)と、第3の液体口(60)と、軸方向(A1)に延伸する円筒形状を有し、第1の合流点(82)で前記第1の液体口(20)と合流し、第2の合流点(84)で前記第2の液体口(40)と合流し、第3の合流点(86)で前記第3の液体口(60)と合流するバルブボア(80)と、を備えるバルブハウジング(100)と、
前記バルブボア(80)内に配置され、第1のプランジャー位置と第2のプランジャー位置との間を前記バルブボア(80)の前記軸方向(A1)に沿って動く、円筒形状を有するプランジャー(200)と、
を備え、
前記プランジャー(200)が前記第1のプランジャー位置にある時、前記第1の合流点(82)は、前記バルブボア(80)と前記第1の液体口(20)との間に液体が流れるように閉じられ、
前記プランジャー(200)が前記第2のプランジャー位置にある時、前記第2の合流点(84)は、前記バルブボア(80)と前記第2の液体口(40)との間に液体が流れるように閉じられ、
前記バルブボアの内側バルブボア壁部(10a、10b)は、前記第1の合流点(82)及び前記第2の合流点(84)の特定の合流点と半径方向に対向する側に、前記プランジャー(200)の外側表面形状を補完する表面形状を有し、前記バルブボア(80)内に前記プランジャー(200)を半径方向に固定し、
前記バルブボア(80)は、
前記バルブボア(80)から前記第1の液体口(20)へと半径方向に延伸し、前記第1の合流点(82)に合流する、第1の凹部(81)と、
前記バルブボア(80)から前記第2の液体口(40)へと半径方向に延伸し、前記第2の合流点(84)に合流する、第2の凹部(83)と、
の少なくとも1つを備える、
バルブアセンブリ(1000)。
【請求項2】
前記第1の合流点(82)及び前記第2の合流点(84)の対応する特定の合流点(82,84)に関する前記第1の凹部(81)及び前記第2の凹部(83)の特定の凹部(81、83)の溝部(814)は、前記バルブボア(80)の軸方向(A1)に延伸する軸延伸部と、前記特定の合流点(82、84)に向かってずれた半径中心と、を有する円筒形状を有する、請求項1のバルブアセンブリ(1000)。
【請求項3】
前記プランジャー(200)の軸方向の長さは、前記第1の合流点(82)及び前記第2の合流点(84)の各合流点と半径方向に対向する側の前記内側バルブボア壁部(10a、10b)の軸方向の長さと同様である、請求項1又は2のバルブアセンブリ(1000)。
【請求項4】
前記プランジャー(200)の上軸端部(210)は、第1のOリング(212)を備え、
前記プランジャー(200)の下軸端部(220)は、第2のOリング(222)を備え、
前記第1のOリング(212)は、前記プランジャー(200)が前記第1のプランジャー位置にある時、前記バルブボア(80)の上部バルブボア表面(88)に接触するように配置され、
前記上部バルブボア表面(88)は、前記バルブボア(80)の前記軸方向(A1)に沿った面法線を有し、
前記第2のOリング(222)は、前記プランジャー(200)が前記第2のプランジャー位置にある時、前記バルブボア(80)の下部バルブボア表面(89)に接触するように配置され、
前記下部バルブボア表面(89)は、前記バルブボア(80)の前記軸方向(A1)に沿った面法線を有する、
請求項1乃至3のいずれかのバルブアセンブリ(1000)。
【請求項5】
前記バルブハウジング(100)は、前記上部バルブボア表面(88)と前記下部バルブボア表面(89)との間に配置される中間Oリング(110)を備え、
前記中間Oリング(110)により拡がる幾何学平面は、前記第1の合流点(82)及び前記第2の合流点(84)を分離する、
請求項1乃至4のいずれかのバルブアセンブリ(1000)。
【請求項6】
前記プランジャー(200)は、軸方向に対向する開口を有する円筒状のマントル(250)を備え、
液体が軸方向に対向する前記開口を介して前記プランジャー(200)内を排他的に流れる、
請求項1乃至5のいずれかのバルブアセンブリ(1000)。
【請求項7】
電子制御されるリニアアクチュエータ(300)と、
前記電子制御されるリニアアクチュエータ(300)及び前記プランジャー(200)に動作可能に接続されるトランスレータ(310)と、
をさらに備え、
前記トランスレータ(310)の前記軸方向(A1)の動きが前記プランジャー(200)の軸方向の動きを生み出す、
請求項1乃至6のいずれかのバルブアセンブリ(1000)。
【請求項8】
前記第1の液体口(20)は、第1の液体流出口を構成し、
前記第2の液体口(40)は、第2の液体流出口を構成し、
前記第3の液体口(60)は、液体流入口を構成し、
前記バルブアセンブリ(1000)は、液体流入口を通ってバルブ内に流入し、第1の液体流出口及び/又は第2の液体流出口を通ってバルブボアから外に流出する液体を分流させるための分流バルブとして機能する。
請求項1乃至7のいずれかのバルブアセンブリ(1000)。
【請求項9】
前記第1の液体口(20)は、第1の液体流入口を構成し、
前記第2の液体口(40)は、第2の液体流入口を構成し、
前記第3の液体口(60)は、液体流出口を構成し、
前記バルブアセンブリ(1000)は、前記第1の液体流入口(20)及び前記第2の液体流入口(40)を通って前記バルブ内に流入し、前記液体流出口(60)を通って前記バルブから外に流出する液体を混合させるための混合バルブとして機能する、
請求項1乃至7のいずれかのバルブアセンブリ(1000)。
【請求項10】
前記第1の液体口(20)及び前記第2の液体口(40)は、前記バルブハウジング(100)の半径方向に対向する側面に配置される、請求項1乃至8のバルブアセンブリ(1000)。
【請求項11】
前記バルブハウジング(100)は、鋼、真鍮、鉄、複合材、又はそれらの化合物のいずれか1つである耐久性のある材料により製造される、請求項1乃至10のいずれかのハルブアセンブリ(1000)。
【請求項12】
加熱又は冷却システムにおいて液体を分流又は混合するための請求項1乃至11のいずれかのバルブアセンブリ(1000)の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱又は冷却システム中の液体を混合又は分流するためのバルブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱又は冷却システムに設置されるバルブアセンブリは、液体を分流又は混合させるために使用され得る。そのようなバルブアセンブリは、加熱又は冷却システムの種類、バルブアセンブリの構造的特徴等に依拠し得る液体の流れ特性の対象である。混合バルブに関する一般的な問題は、流出する体積速度が数の液体入口を通ってバルブアセンブリに流入する液体の相対的な割合に依存するという点で、流出する液体の流れが不均一であることである。別の問題として、混合バルブを通る液体の流れを決定する可動プランジャーを有する混合バルブの使用における一般的な別の問題は、プランジャーとプランジャーが動く孔との間の振動/騒音である。
【0003】
上記を鑑みて、所望の液体流れ特性を維持し、同時に振動/騒音等を最小化できる改善されたバルブアセンブリの需要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は、本発明は、1つ以上の上記の技術上の欠陥及び欠点を単独又は任意の組み合わせで軽減、緩和、又は解消し、上記の問題を少なくとも部分的に解決することである。従って、本開示の目的は、使用中に所望の流れ特性を維持するバルブアセンブリを提供することである。本開示の別の目的は、バルブアセンブリの使用中の振動/騒音を最小化することである。
【0005】
第1の様態によれば、
第1の液体口と、第2の液体口と、第3の液体口と、軸方向に延伸する円筒形状を有し、第1の合流点で第1の液体口と合流し、第2の合流点で第2の液体口と合流し、第3の合流点で第3の液体口と合流するバルブボアと、を備えるバルブハウジングと、
バルブボア内に配置され、第1のプランジャー位置と第2のプランジャー位置との間をバルブボアの軸方向に沿って動く、円筒形状を有するプランジャーと、
を備え、
プランジャーが第1のプランジャー位置にある時、第1の合流点は、バルブボアと第1の液体口との間に液体が流れるように閉じられ、
プランジャーが第2のプランジャー位置にある時、第2の合流点は、バルブボアと前記第2の液体口との間に液体が流れるように閉じられ、
バルブボアの内側バルブボア壁部は、第1の合流点及び第2の合流点の特定の合流点と半径方向に対向する側に、プランジャーの外側表面形状を補完する表面形状を有し、バルブボア内にプランジャーを半径方向に固定し、
バルブボアは、
バルブボアから第1の液体口へと半径方向に延伸し、第1の合流点に合流する、第1の凹部と、
バルブボアから第2の液体口へと半径方向に延伸し、第2の合流点に合流する、第2の凹部と、
の少なくとも1つを備える、
ことを特徴とする、バルブアセンブリが提供される。
【0006】
プランジャーの単語は、バルブピストン、コーン、軸方向に動くバルブ部材、その他を等価的に指す。従って、プランジャーは、バルブアセンブリの2つ以上の液体口の間の液体の流れを制御するための、バルブボアの可動部として機能することが理解される。
【0007】
本明細書における合流又は合流するの単語は、2つの別の領域間に1つの領域を形成することと理解される。すなわち、例えば、第1の液体口がバルブボアに合流するとは、第1の液体口及びバルブボアが、液体が第1の液体口とバルブボアとの間を流れるように流動的に接続していることを示す。
【0008】
本明細書における第1の表面形状が第2の表面形状を補完するとは、第1の表面形状及び第2の表面形状が実質的に同等な形状を有することを示す。請求の範囲に関して、内側バルブボア壁部及びプランジャーの外側表面形状の同等性は、バルブアセンブリの使用中、すなわち、バルブアセンブリ内を液体が流れる際に、バルブボア内のプランジャーを半径方向に良好に安定させる。従って、円筒状のバルブボアの半径は、プランジャーの半径と実質的に同じである。プランジャーは、使用中のバルブボア内で半径方向に安定する。すなわち、バルブボア内のプランジャーのあらゆる半径方向の動きが最小化され、雑音及び振動を低減させる。さらに、これはバルブアセンブリを長寿命化させ、停止時間やメンテナンス等を防ぐことができる。さらに、バルブアセンブリ内を流れる液体の流れ特性も向上する。
【0009】
凹部(すなわち、第1の凹部、第2の凹部、又は第1及び第2の凹部の両方)は、制御可能な特定の液体流れ特性を容易にする。凹部は、特定の液体流れ特性を提供するための任意の好適な方法により形成されてよい。さらに、上記の凹部及びバルブボア壁部の組み合わせは、凹部の幾何学形状により決定される液体流れ特性の範囲に対して、特定の半径方向に安定したプランジャーを容易にし得る。以下に凹部の特定の形状が説明される。さらに、バルブアセンブリは、半径方向に安定したプランジャーと、バルブアセンブリ内を流れる液体の任意の適切な体積速度に対して所望の液体流れ特性を提供してよい。これにより、バルブアセンブリの制御可能な特定の液体流れ特性が容易となる。
【0010】
バルブアセンブリの構造は、バルブアセンブリが混合バルブ又は分流バルブとして機能することを可能にする。バルブアセンブリの用途が熱い液体と冷たい液体等の流入する液体の混合である場合、第1の液体口及び第2の液体口は液体流入口として機能し、第3の液体口は液体流出口として機能する。この機能の種類は、本明細書において度々「混合モード」と称される。一方、バルブアセンブリが分流バルブアセンブリとして設置されて機能する場合、第3の液体口は液体流入口として機能し、残りの液体口は液体流出口として機能する。この機能の種類は、本明細書において度々「分流モード」と称される。構造的特徴に関して、プランジャーはバルブボアの軸方向に動くように構成され、プランジャーの外側表面は、内側バルブボア壁部に直接又は間接的に接触する。従って、プランジャーがその内部で動き得るバルブボア内に配置された中空の長い挿入プラグ等の追加のプランジャー誘導手段は不要であり、機能を変えずに小型のバルブボアが実現できる。さらに、これにより、バルブアセンブリの部品はより少なくなり、バルブアセンブリは、安価で、製造、組立及び維持が容易となる。
【0011】
本開示を通して、平行の用語は、許容誤差を含めて解釈されるもの、すなわち、必ずしも厳密な数学的意味に従って解釈されるものではない。例えば、2つの直線(例えば、軸)は、直線の間の角度が5度未満であれば平行であってよい。従って、許容誤差は、5度であってよく、より好ましくは10度未満である。これは、その方向に沿う、延伸する等の代替的な用語についても同様である。
【0012】
好ましくは、第1の凹部及び第2の凹部の両方がバルブボア内に存在するが、必須ではない。さらに、これは、バルブアセンブリ内を流れる液体の流れ特性が向上する等の上記の利点を強調し得る。
【0013】
対応する第1の合流点及び第2の合流点の特定の合流点に関する第1の凹部及び第2の凹部の特定の凹部の溝部は、バルブボアの軸方向に延伸する軸延伸部と、特定の合流点に向かってずれた半径中心とを有する円筒形状を有する。
【0014】
さらに、制御可能な特定の液体流れ特性が容易となる。さらに、バルブアセンブリが混合バルブとして設置された場合に、流入する液体の乱流を促進して、流入する液体の混合を向上させることができる。従って、第1の液体口及び第2の液体口の各液体口に関連する特定の温度及び/又は圧力が与えられた時、特定のプランジャー位置は、温度が予測される温度に近い等、対応する予測される特性に近い、送出される液体の信頼できる特性を提供できる。さらに、この溝部の形状は、バルブアセンブリの製造を容易にする。
【0015】
プランジャーの軸方向の長さは、第1の合流点及び第2の合流点の各合流点と半径方向に対向する側の内側バルブボア壁部の軸方向の長さと同様であってよい。
【0016】
これにより、プランジャーの外側表面と内側バルブボア壁部との接触を延長し、バルブボア内にプランジャーを固定し、従って半径方向の遊び及び/又は振動が起こる可能性が防止される。
【0017】
プランジャーの上軸端部は第1のOリングを備えてよく、プランジャーの下軸端部は第2のOリングを備えてよく、第1のOリングは、プランジャーが第1のプランジャー位置にある時に、バルブボアの上部バルブボア表面に接触するように配置されてよく、上部バルブボア表面は、バルブボアの軸方向に沿った面法線を有し、第2のOリングは、プランジャーが第2のプランジャー位置にある時に、バルブボアの下部バルブボア表面に接触するように配置されてよく、下部バルブボア表面は、バルブボアの軸方向に沿った面法線を有する。
【0018】
これにより、液体の封止が改善され、液体の流れがより良好に画定され、バルブアセンブリの内部の不必要な液漏れが減少する。
【0019】
バルブハウジングは、上部バルブボア表面と下部バルブボア表面との間に配置される中間Oリングを備えてよく、中間Oリングにより拡がる幾何学平面は、第1の合流点及び第2の合流点を分離する。
【0020】
これにより、プランジャーとバルブボアとの簡易かつ効率的な封止が容易になり、液体がプランジャーの外側表面及びバルブボアの内側壁部を通ることが防止される。これにより、振動及び/又は雑音がさらに防止される。
【0021】
プランジャーは、軸方向に対向する開口を有する円筒状のマントルを備え、液体が軸方向に対向する開口を介してプランジャー内を排他的に流れる。
【0022】
これにより、制御可能な特定の液体流れ特性が容易となる、さらに、この幾何学的特徴は、相対的に小型のバルブハウジングを提供できる。
【0023】
バルブアセンブリは、電子制御されるリニアアクチュエータと、電子制御されるリニアアクチュエータ及びプランジャーに動作可能に接続されるトランスレータとをさらに備え、トランスレータの軸方向の動きがプランジャーの軸方向の動きを生み出す。
【0024】
これにより、バルブアセンブリが加熱又は冷却システムに設置された際の流出する液体の温度及び/又は流れの自動制御等が容易になる。
【0025】
第1の液体口は第1の液体流出口を構成し、第2の液体口は第2の液体流出口を構成し、第3の液体口は液体流入口を構成してよく、それにより、バルブアセンブリは、液体流入口を通ってバルブ内に流入し、第1の液体流出口及び/又は第2の液体流出口を通ってバルブボアから外に流出する液体を分流させるための分流バルブとして機能する。代替的に、第1の液体口は第1の液体流入口を構成し、第2の液体口は第2の液体流入口を構成し、第3の液体口は液体流出口を構成してよく、それにより、バルブアセンブリは、第1の液体流入口及び第2の液体流入口を通ってバルブ内に流入し、液体流出口を通ってバルブから外に流出する液体を混合させるための混合バルブとして機能する。
【0026】
これにより、バルブアセンブリの柔軟性が向上し、製造コスト等を低減できる。
【0027】
第1の液体口及び第2の液体口は、バルブハウジングの半径方向に対向する側面に配置されてよい。
【0028】
バルブハウジングは、鋼、真鍮、鉄、複合材、又はそれらの化合物のいずれか1つである耐久性のある材料により製造されてよい。
【0029】
耐久性のある材料は、バルブアセンブリの寿命を伸ばすことができる。材料が元素の化合物である場合、それらの割合は所望の機械的特徴を達成するために変更されてよい。
【0030】
第2の様態によれば、本開示は、第1の様態に係る、加熱又は冷却システムにおいて液体を分流又は混合するためのバルブアセンブリの使用を示す。
【0031】
第1の様態に関する上記の特徴は。可能な場合、第2の様態にも適用される。従って、不要な繰り返しを回避するために上記が参照される。
【0032】
本開示の概念の適用性のさらなる範囲は、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、詳細な説明及び特定の実施例は、本開示の概念の好ましい実施形態を示す一方で、例示のためのみであり、当業者が詳細な説明から本開示の概念の範囲内の様々な変更及び変形を行うことができる点が理解される。
【0033】
従って、本開示の概念は、説明される装置の特定の部品又は説明される方法の手順に限定されず、装置及び方法は変更され得ることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明するのみであり、限定を意図しないことが理解される。なお、明細書及び付される請求の範囲において、「1つ」、「前記」、「当該」等は、文脈で明示されない限り、1つ以上の要素が存在することを意味する。従って、例えば、「ユニット」及び「前記ユニット」は、複数の装置を示す。さらに、「備える」、「含む」、「含有する」、及びその他の同義語は、他の要素及び工程を排除しない。
【0034】
本開示の概念の上記及び他の様態は、付される図面を参照してより詳細に説明される。図面は、限定的ではなく、説明及び理解のために用いられる。図面を通して、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A図1Aは、バルブアセンブリの断面プロファイルである。
図1B図1Bは、バルブアセンブリの側面図である。
図2図2A乃至Dは、バルブアセンブリの様々な断面プロファイルにより、バルブアセンブリの液体口に接続される凹部を示す。
図3図3A乃至Cは、図においてバルブアセンブリから分離されたプランジャーを示す。
図4図4は、バルブアセンブリの外部構造及びバルブアセンブリに設置される電気制御可能なリニアアクチュエータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の概念は、付される図面を参照して本明細書おいてより完全に説明され、本開示の概念の現在の好ましい実施形態が示される。しかしながら、この本開示の概念は、複数の異なる形態で実施可能であり、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底的及び完全とするため、かつ本開示の概念の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
【0037】
図1は、バルブアセンブリ1000の断面プロファイルを示す。バルブアセンブリ1000は、バルブハウジング100を備える。バルブハウジング100は、第1の液体口20と、第2の液体口40と、第3の液体口60とを備える。従って、本実施形態に係るバルブアセンブリ1000は、いわゆる3方向バルブと呼ばれるものである。しかしながら、請求の範囲において、4つ、さらには5つの液体口があってよい。バルブハウジング100は、バルブボア80をさらに備える。バルブボア80は、軸方向A1に延伸する円筒形状を有する。好ましくは、バルブボアは、円形円筒形状を有する。バルブボア80は、第1の合流点82において第1の液体口20と合流する。従って、第1の合流点82は、バルブボア80と第1の液体口20との間の開口であり、液体がバルブボア80及び第1の液体口20に流れるようにする。さらに、バルブボア80は、第2の合流点84において第2の液体口40と合流する。従って、第1の合流点84は、バルブボア80と第1の液体口40との間の開口であり、液体がバルブボア80及び第2の液体口40に流れるようにする。さらに、バルブボア80は、第3の合流点86において第3の液体口60と合流する。従って、第3の合流点86は、バルブボア80と第3の液体口60との間の開口であり、液体がバルブボア80及び第3の液体口60に流れるようにする。
【0038】
バルブアセンブリ1000は、プランジャー200をさらに備える。プランジャー200は、円筒形状を有する。好ましくは、プランジャー200は、円形円筒形状を有し、
バルブアセンブリ1000の製造を容易にする。プランジャー200は、バルブボア80内に配置される。プランジャー200は、バルブボア80の軸方向A1に沿って動く。プランジャー200は、第1のプランジャー位置と第2のプランジャー位置との間を動く。プランジャー位置が第1のプランジャー位置である時、第1の合流点82は、液体がバルブボア80と第1の液体口20との間を流れるように閉じられる。バルブアセンブリ1000が図1のように配置された場合、第1のプランジャー位置は、プランジャー200の上端部位置である。従って、図1に示されるプランジャー位置は第1のプランジャー位置である。バルブアセンブリ1000は、加熱又は冷却システムに設置される際には異なる配置であってよいことが理解される。従って、上部、下部等の任意の配置は、図1に示されるバルブアセンブリの配置を非限定的に示す。一方で、プランジャー位置が第2のプランジャー位置である時、第2の合流点84は、液体がバルブボア80と第2の液体口40との間を流れるように閉じられる。第2のプランジャー位置は、第1のプランジャー位置に対して軸方向に反対側にある。以下、第2のプランジャー位置は、下端部位置と呼称され得る。従って、プランジャー200は、バルブボア80の軸方向A1に沿って動き、バルブボア80の半径方向等の軸方向A1を横断する幾何学的平面上を実質的に動かないように拘束される。プランジャー200は、第1のプランジャー位置と第2のプランジャー位置との間の任意の位置に配置されてよい。従って、バルブアセンブリ1000が混合バルブとして設置された場合、プランジャー200の特定の位置は、第1の液体口20及び第2の液体口40からバルブボア80に流入する液体の特定の混合/混成をもたらす。液体口20、40、60は、円形円筒形状を有してよい。第1の液体口20は、第1の液体口20の軸方向A20(図2Bを参照)に垂直な幾何学的平面における断面積を低減する第1のレッジ22を備えてよい。第1のレッジ22は、第1の液体口からバルブボア80に流入する液体を滑らかに流入させるように角丸である。第1のレッジ22は、バルブアセンブリが第1の液体口20に向かう軸方向A20から見える図1Bに示される。図1A及び1Bに示されるように、第1のレッジ22は、第1の液体口20の下部に配置されてよい。第2の液体口40は、第1のレッジ22と実質的に同様な第2のレッジ42を備えてよい。第2のレッジ42は、第2の液体口40の上部に配置されてよい。第1のレッジ22及び第2のレッジ42の位置は、バルブボア80の軸方向A1おける第1の液体口20と第2の液体口40との間の距離を短くし得る。
【0039】
バルブボアの内側バルブボア壁部10a、10bは、第1の合流点82及び第2の合流点84の特定の合流点と半径方向に対向する側に、プランジャー200の外側表面形状を補完する表面形状を有する。図2Bは、1つの内側バルブボア壁部10bを示す。それによれば、内側バルブボア壁部10a、10bには3つの選択肢がある。第1の選択肢として、内側バルブボア壁部10aが、第1の合流点82と半径方向に対向する側に、プランジャー200の外側表面形状を補完する表面形状を有する。第2の選択肢として、内側バルブボア壁部10bが、第2の合流点84と半径方向に対向する側に、プランジャー200の外側表面形状を補完する表面形状を有する。第3の選択肢として、第1の合流点82及び第2の合流点の両方が、第1の合流点82及び第2の合流点84と半径方向に対向する側のバルブボアの表面形状に、プランジャー200の外側表面形状を補完する表面形状を有する。補完する形状とは、プランジャー200の当該部分の内側バルブボア壁部に相対するプランジャー200の部分の補完する形状を指すことが当業者に理解される。しかしながら、これは、プランジャー200及びバルブボア80が円形円筒形状を有する場合、プランジャー200の全ての表面部分について常である。
【0040】
バルブボア80は、バルブボアから第1の液体口20へと半径方向に延伸し、第1の合流点82に合流する第1の凹部81をさらに備える。代替的又は追加的に、バルブボア80は、バルブボアから第2の液体口40へと半径方向に延伸し、第2の合流点84に合流する第2の凹部83をさらに備える。これは、図2に明白に示される。第1の凹部81は、任意の適切な形状を有してよい。しかしながら、凹部の特定の形状が特定の液体流れ特性をもたらし得る。これは、少なくとも、バルブアセンブリ1000が混合バルブとして設置及び使用される場合にそうである。これについては以下にさらに説明される、従って、第1の凹部81は、第1の液体口20とバルブボア80との間の境界面を延伸し、これにより、円筒形状のバルブボア80により画定される表面の境界面は、第1の凹部81が無い場合と比較して大きくなる。第1の凹部81に関する説明は、第1の凹部についても同様である。
【0041】
上記のように、バルブボア80は、第1の合流点82に合流する第1の凹部81及び第2の合流点84に合流する第2の凹部83を備えてよい。従って、バルブボア80は、第1の凹部81及び第2凹部83の両方に関する凹部81、83を備えてよい。これにより、少なくともバルブアセンブリ1000が混合バルブとして使用される場合に、液体流れ特性を向上させ、従って、第3の液体口60を通ってバルブボアから出る液体の流れの制御を容易にする。
【0042】
対応する特定の合流点82、84に関する特定の凹部81、83の溝部814は、バルブボア80の軸方向A1に沿って延伸する軸方向を有する円形円筒形状、及び特定の合流点82、84に向かってずれている半径中心を有する。これは、第1の合流点82及び第2の合流点84の1つに適用されてよい。代替的に、これは、第1の合流点82及び第2の合流点84の両方に適用されてよい。この実施例の溝部の形状が図2Bに示される。図2Bにおいて、第1の凹部81及びそこに接続される溝部814が示される。溝部814は、凹部81の第1の面取り部812及び第2の面取り部816に合流してよい。凹部は、バルブハウジング100の削り取られた凹部であってよい。第1の面取り部812の縁部は、バルブボア80の軸方向A1に対して10~80度の範囲の角度V1を形成してよい。典型的には、角度V1は、15~25度であるが、この数値は、特定の液体流れ特性等のバルブアセンブリ1000の適用分野に依存してよい。この幾何学的特徴は、図2Bにおいて破線の楕円の挿入図としてさらに表される。本明細書において、軸方向A20は、第1の液体口20の軸方向を指す。さらに、角度A1は、凹部81の円周方向においてさらに変化してよく、円周方向は、軸方向A1に対するバルブボア80の角度方向を指す。凹部81の表面は、軸方向A1に対して直線で描かれる(楕円の挿入図を参照)。しかしながら、これらの直線の1つ以上が直線でなくてもよい。例えば、第1の面取り部812の縁部は、ベジェ曲線、パラボラ等により曲がっていてよい。これは第2の面取り部816についても同様である。これらの複数の変更例は請求の範囲内であることが当業者にとって理解される。溝部814の半径方向の溝部延長部RRは、円筒形状のバルブボア80の半径RBの1~20%であってよい。好ましくは、半径方向の溝部延長部RRは、円筒形状のバルブボア80の半径RBの5~15%の範囲である。溝部814の半径REは、円筒形状のバルブボア80の半径RBと同様であってよい。従って、溝部814は、バルブボア80の軸方向A1に垂直な幾何学的平面において、同じ幾何学的平面におけるバルブボア80の断面に対して偏心した円とみなすことができる。この状況において、半径方向の溝部延長部RRは、偏心した円及びバルブボア80の断面の半径方向のずれと同様である。上記に第1の凹部81が説明された。しかしながら、上記のように、第2の凹部83についても同様の説明が当てはまる。第1の凹部81及び第2の凹部83は、半径方向の距離、面取りの縁部/角度等について、上記に基づいて多くの組み合わせで異なっていてよいことが当業者にとって理解される。
【0043】
プランジャー200の軸方向の長さは、第1の合流点82及び第2の合流点84の各合流点と半径方向に対向する側の内側バルブボア壁部10a、10bの軸方向の長さと同様である。従って、プランジャー200が第1のプランジャー位置にある時、プランジャー200は第2の合流点84を完全に開放し、液体が第2の液体口40とバルブボア80との間を流れる。一方で、プランジャー200が第2のプランジャー位置にある時、プランジャー200は第1の合流点82を完全に開放し、液体が第1の液体口20とバルブボア80との間を流れる。
【0044】
図1A又は2Cを参照すると、プランジャー200の上軸端部210は、第1のOリング212を備えてよい。第1のOリング212は、プランジャー200の上軸端部210上の円周方向に削られたチャンネルに配置されてよい。従って、第1のOリング212はプランジャー200から軸方向に延伸し、それにより、プランジャー200が第1のプランジャー位置にある時、プランジャー200及び上部バルブボア表面88が第1のOリング212を介して接触する。上部バルブボア表面88は、軸方向A1に延伸する面法線を有してよい。プランジャー200の下軸端部220は、第2のOリング222を備えてよい。第2のOリング222は、プランジャー200の下軸端部220上の円周方向に削られたチャンネルに配置されてよい。従って、第2のOリング222はプランジャー200から軸方向に延伸し、それにより、プランジャー200が第1のプランジャー位置にある時、プランジャー200及び下部バルブボア表面89が第2のOリング222を介して接触する。下部バルブボア表面88は、軸方向A1に延伸する面法線を有してよい。
【0045】
Oリング212、222は、ゴム等の任意の適切な弾性材料により製造されてよい。好ましくは、ゴムは、ニトリルブタジエンゴム(NBR)としても知られるニトリルゴム、であってよい。代替的に、ゴムは、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)であってよいが、天然ゴム(NR)、スチレンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム(Q)、又は天然ゴム及びスチレンゴムの混合物(NR/SBR)等のそれらの混合物であってもよい。これは、本明細書において他に開示されるOリングについても適用されてよい。さらに、本明細書に開示される任意のOリングは任意の適切な柔らかい封止要素により置換されてもよいことが当業者にとって理解される。
【0046】
バルブハウジング100は、上部バルブボア表面88と下部バルブボア表面89との間位に配置される中間Oリング110を備えてよい。中間Oリング110により拡がる幾何学的平面は、第1の合流点20及び第2の合流点40を分離してよい。従って、プランジャー200の外側スリーブは、常に中間Oリングに接触し、バルブボア80の内壁とプランジャー200の外側スリーブとの間の望ましくない液体漏れを防ぐことができる。
【0047】
図3に関して、プランジャー200が個別に、すなわち、バルブアセンブリ1000から分離された状態で示される。図3Aはプランジャー200の下面斜視図であり、図3Bはプランジャー200の側面図であり、図3Cはプランジャー200の上面斜視図である。プランジャー200は、軸方向に対向する開口を有する円筒マントル250を備えてよい。円筒マントル250は、単に接続された表面、すなわち、開口を有していなくてもよい。軸方向に対向する開口は、液体が軸方向に対向する開口を介してプランジャー200内を排他的に流れることを可能にする。下軸端部220は、複数のスポーク224を備えてよい。複数のスポーク224の各スポーク224は、円筒マントル250に取り付けられる。複数のスポーク224は、プランジャーハブ260において接続される。プランジャーハブ260は、プランジャー200をバルブボア80の軸方向A1に沿って動かすように構成されるトランスレータ310を取り付けるための取付手段を備えてよい。トランスレータは図1に示され、以下にさらに説明される。複数のスポーク224は、円筒マントル250に対して半径方向に延伸する。さらに、複数のスポーク224は、円筒マントル250に対して軸方向に延伸してよい。従って、プランジャーハブ260は、円筒マントル250の下軸端部220の軸方向下方に配置されてよい。複数のスポーク224の各スポークは、任意の適切な断面プロファイルを有してよい。好ましくは、複数のスポーク224の各スポークは、互いに同様である。図2C及び3Aの例に示されるように、好ましくは、複数のスポーク224は、少なくとも3つのスポークを備える。しかしながら、任意の適切な数のスポークを備えてよい。従って、プランジャー200を流れる液体は、液体が下から流れる場合、複数のスポーク224の間を流れる。図3Cに示されるように、プランジャー200の上軸端部210は開いており、液体が流れる。しかしながら、代替的な実施形態において、上軸端部210もスポークを備えてよい。
【0048】
バルブアセンブリ1000は、電子制御されるリニアアクチュエータ300をさらに備えてよい。電子制御されるリニアアクチュエータ300を含むバルブアセンブリ1000の外部構造の例は、図4に示される。電子制御されるリニアアクチュエータ300は、プランジャー200を軸方向に動かしてバルブハウジングを流れる液体を調節又は制御するために、電流を機械的動作へと変換する。そのため、バルブアセンブリ100は、細長い形状を有するトランスレータ310をさらに備える。トランスレータは、図1に示される。トランスレータ310は、バルブボア80の軸方向A1に沿って配置される。トランスレータ310は、電子制御されるリニアアクチュエータ300及びプランジャー200に動作可能に接続される。従って、トランスレータ310の軸方向A1に沿った動きは、プランジャー200の軸方向A1に沿った動きを生み出す。トランスレータ310は、電子制御されるリニアアクチュエータ300及び/又はプランジャー200に直接又は間接的に接続されてよい。
【0049】
バルブアセンブリは、加熱又は冷却システムに設置されて分流バルブとして機能してよい。従って、第1の液体口20は第1の液体流出口を構成し、第2の液体口40は第2の液体流出口を構成してよい。第3の液体口60は、液体流入口を構成してよい。従って、バルブアセンブリ1000は、液体流入口を通ってバルブ内に流入し、第1の液体流出口及び第2の液体流出口を通ってバルブから外に流出する液体を分流する分流バルブとして機能する。従って、プランジャー200が第1のプランジャー位置にある時(図1に示される)、液体は、液体流入口60から流入し、第2の液体流出口40から流出してよい。これは、プランジャー200が第2のプランジャー位置に向かって特定の距離D1だけ動いた場合でもそうである。特定の距離D1は、図1の挿入図において強調される。特定の距離D1は、第1のプランジャー位置と第2のプランジャー位置との間のプランジャー200の軸方向の最大可動距離の0~10%の範囲であってよく、より好ましくは1~4%であってよい。第1の液体流入口20に関しても、実質的に同様の特定の距離が適用可能である(不図示)。従って、液体の分流は、プランジャー200がバルブボア80内のあらゆる端部位置に完全に位置していなかったとしても可能である。しかしながら、本明細書を通じて、プランジャー200が特定の距離D1内にある時、プランジャー200は第2のプランジャー位置にあるとされてよく、第1のプランジャー位置の時はその逆である。
【0050】
代替的な使用例において、バルブアセンブリ1000は、加熱又は冷却システムに設置されて混合バルブとして機能してよい。従って、第1の液体口20は第1の液体流入口を構成し、第2の液体口40は第2の液体流入口を構成してよい。第3の液体口60は、液体流出口を構成してよい。従って、バルブアセンブリは、第1の液体流入口20及び第2の液体流入口40を通ってバルブ内に流入し、液体流出口60を通ってバルブから外に流出する液体を混合させるための混合バルブとして機能してよい。バルブアセンブリ1000が上記のように分流として設置された際には凹部81、93は特段重要ではないが、混合バルブとして設置された際には、凹部81、83は、液体流出口60を通ってバルブボアから去る液体の流れの制御をより容易にしてよい。プランジャー200が第1のプランジャー位置と第2のプランジャー位置との間にある時、流入する液体の混合が可能となる。流入する液体は、第1のバルブ流入口からバルブボア80へと流れる熱水及び第2のバルブ流入口からバルブボア80へと流れる冷水であってよい。従って、混合された液体は、第1の特定温度を有する熱水及び第2の特定温度を有する冷水であり、液体流出口60を通ってバルブボア80から流出する混合された液体の温度は、プランジャー200の軸方向の位置に依存する。
【0051】
第1の液体口20及び第2の液体口40は、バルブハウジングの半径方向に反対側の側部に配置されてよい。従って、第1の液体口20の軸方向A20は、第2の液体口40の軸方向A40に沿って延伸してよい。しかしながら、上記のように、軸方向A20、A40が各液体口20、40において半径方向に中心にある場合、軸方向A20、A40は、バルブボア80の軸方向A1に沿って軸方向にずれていて。第3の液体口60の軸方向A60は、バルブボアの軸方向A1に沿って延伸してよい。
【0052】
代替的に、液体口20、40、60の相互位置は、請求の範囲から逸脱せずに、上記の開示とは異なっていてよい。例えば、第1の液体口20及び第2の液体口40は、残りの機能が実質的に同じ状態で、バルブハウジングの同じ側に配置されてよく、液体口が実質的に同じ方向を向いていても、互いに対して90度の角度を有していてもよい。さらに、第3のバルブ開口60は、上記の開示とは異なるように配置されてよい。例えば、第3のバルブ開口60は、バルブボア100に対して角度を有してよい。すなわち、第3のバルブ開口60の軸方向A60は、バルブボア100の軸方向A1とは実質的に異なっていてよく、軸方向A60、A1の間の角度は、10~90度の範囲にあってよい。
【0053】
バルブハウジング100は、鋼、真鍮、鉄、複合材、又はそれらの化合物のいずれか1つである耐久性のある材料により製造されてよい。好ましくは、バルブハウジング100は、金属材料から形成され、より好ましくは、この金属材料は、金属化合物の心中である。プランジャー200等のバルブアセンブリ1000の他の部品についても同様であってよい。しかしながら、バルブハウジング100及びプランジャー200は、異なる材料から製造されてよい。請求の範囲内において様々な材料が使用されてよいことが当業者にとって理解される。
【0054】
従って、要約すると、動作中において振動が比較的少なく、同時に所望の液体流れ特性を提供できるバルブアセンブリ1000が、上記において非限定的に例示される。これは、プランジャー200が第1のプランジャー位置又は第2のプランジャー位置にある又はその近傍にある時、バルブボア80と第1の液体口20及び第2の液体口40との間の合流点82、84に関する凹部81、83の組み合わせにより、プランジャー200とバルブボア80とがぴったりはまっているからである。
【0055】
本開示の概念は上記の好ましい実施形態に限定されないことが当業者にとって理解される。逆に、付される請求の範囲内において多くの変形例及び変更例が可能である。
【0056】
さらに、開示された実施形態の変更例は、請求される開示の概念を実施する当業者により、図面、本開示、及び付される請求の範囲の研究から理解され、効果を奏することができる。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4
【国際調査報告】