(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】アンテナを備えるファンアウトパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240920BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20240920BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20240920BHJP
H01Q 1/40 20060101ALI20240920BHJP
H01Q 23/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L23/12 501B
H01L23/12 501P
H01L25/00 B
H01Q13/08
H01Q1/40
H01Q23/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518627
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022044185
(87)【国際公開番号】W WO2023049142
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】イキ タン
(72)【発明者】
【氏名】ラジェン マニコン ムルガン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021AB06
5J045DA10
5J045HA05
5J045KA05
5J046AA13
5J046AB13
5J046QA02
(57)【要約】
電子デバイス(100)が、ダイ(108)と、パッケージ構造(120)と、マルチレベル再配線構造(110)とを含み、マルチレベル再配線構造(110)は、第1のビア(111)、第1のレベル、第2のビア(113)、第2のレベル、及びパッシベーション材料(119)を有する。第1のレベル(111)は、導電性アンテナ(130)を有し、第1のビア(111)は、導電性アンテナ(130)とダイ(108)の導電性端子(109)との間に延在し、パッシベーション材料(119)は、第1のレベルと第2のレベルとの間に延在する。第2のビア(113)は、第1のレベルと第2のレベルとの間でパッシベーション材料(119)を介して延在する。第2のレベルは、導電性リフレクタ(138)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
側部と導電性端子とを有するダイであって、前記側部が第1の方向及び直交する第2の方向の第1の平面において延在し、前記導電性端子が前記側部に沿って延在する、前記ダイと、
前記ダイの一部を囲むパッケージ構造と、
第1のビアと、第1のレベルと、第2のビアと、第2のレベルと、パッシベーション材料とを有するマルチレベル再配線構造と、
を含み、
前記第1のレベルが、前記第1の方向及び前記第2の方向の第2の平面において導電性アンテナを含む第1の導電性特徴を有し、前記第1のビアが、前記第1及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って前記導電性アンテナと前記導電性端子との間に延在し、前記パッシベーション材料が、前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間に延在し、前記第2のビアが、前記第3の方向に沿って前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間で前記パッシベーション材料を介して延在し、前記第2のレベルが、前記第1及び第2の方向の第3の平面において導電性リフレクタを含む第2の導電性特徴を有し、前記第3の平面が、前記第3の方向に沿って前記第2の平面から離間されている、
電子デバイス。
【請求項2】
請求項1の電子デバイスであって、
前記電子デバイスが、はんだボールを更に含み、
前記第2の導電性特徴が、前記第2のビアと前記はんだボールとの間で前記パッシベーション材料を介して延在する導電性アンダーバンプメタライゼーション(UBM)構造を含む、
電子デバイス。
【請求項3】
請求項2の電子デバイスであって、
前記導電性アンテナが、前記導電性リフレクタの上に延在し、
前記導電性リフレクタが、前記第1の方向において前記導電性アンテナよりも長く、
前記導電性リフレクタが、前記第2の方向において前記導電性アンテナよりも幅広い、
電子デバイス。
【請求項4】
請求項3の電子デバイスであって、
前記導電性アンテナが、第1の部分と第2の部分とを有し、
前記第2の部分が、前記第1の方向に沿って前記第1のビアから前記第1の部分まで延在し、
前記第1の部分が、前記第2の方向に沿って前記第2の部分よりも幅広い、
電子デバイス。
【請求項5】
請求項2の電子デバイスであって、前記UBM構造が前記ダイの横方向外方にある、電子デバイス。
【請求項6】
請求項1の電子デバイスであって、
前記導電性アンテナが、前記導電性リフレクタの上に延在し、
前記導電性リフレクタが、前記第1の方向において前記導電性アンテナよりも長く、
前記導電性リフレクタが、前記第2の方向において前記導電性アンテナよりも幅広い、
電子デバイス。
【請求項7】
請求項6の電子デバイスであって、
前記導電性アンテナが、第1の部分と第2の部分とを有し、
前記第2の部分が、前記第1の方向に沿って前記第1のビアから前記第1の部分まで延在し、
前記第1の部分が、前記第2の方向に沿って前記第2の部分よりも幅広い、
電子デバイス。
【請求項8】
請求項1の電子デバイスであって、
前記導電性アンテナが、第1の部分と第2の部分とを有し、
前記第2の部分が、前記第1の方向に沿って前記第1のビアから前記第1の部分まで延在し、
前記第1の部分が、前記第2の方向に沿って前記第2の部分よりも幅広い、
電子デバイス。
【請求項9】
請求項8の電子デバイスであって、前記第1の部分が、前記第3の平面において矩形形状を有する、電子デバイス。
【請求項10】
請求項8の電子デバイスであって、前記第1の導電性特徴が、前記第2の平面において前記第2の部分に平行に延在する導電性シールドを含む、電子デバイス。
【請求項11】
マルチレベル再配線構造であって、
第1の方向及び直交する第2の方向の平面において導電性アンテナを含む第1の導電性特徴を有する第1のレベルと、
前記導電性アンテナに結合される第1のビアと、
前記第1の方向及び前記第2の方向の別の平面において導電性リフレクタを含む第2の導電性特徴を有する第2のレベルと、
前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間に延在するパッシベーション材料と、
前記第1及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って、前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間で前記パッシベーション材料を介して延在する第2のビアと、
を含む、マルチレベル再配線構造。
【請求項12】
請求項11のマルチレベル再配線構造であって、はんだボールを更に含み、前記第2の導電性特徴が、前記第2のビアと前記はんだボールとの間で前記パッシベーション材料を介して延在する導電性アンダーバンプメタライゼーション(UBM)構造を含む、マルチレベル再配線構造。
【請求項13】
請求項11のマルチレベル再配線構造であって、
前記導電性アンテナが、前記導電性リフレクタの上に延在し、
前記導電性リフレクタが、前記第1の方向において前記導電性アンテナよりも長く、
前記導電性リフレクタが、前記第2の方向において前記導電性アンテナよりも幅広い、
マルチレベル再配線構造。
【請求項14】
請求項11のマルチレベル再配線構造であって、
前記導電性アンテナが、第1の部分と第2の部分とを有し、
前記第2の部分が、前記第1の方向に沿って前記第1のビアから前記第1の部分まで延在し、
前記第1の部分が、前記第2の方向に沿って前記第2の部分よりも幅広い、
マルチレベル再配線構造。
【請求項15】
請求項14のマルチレベル再配線構造であって、前記第1の部分が、前記別の平面において矩形形状を有する、マルチレベル再配線構造。
【請求項16】
請求項14のマルチレベル再配線構造であって、前記第1の導電性特徴が、前記平面において前記アンテナの前記第2の部分に平行に延在する導電性シールドを含む、マルチレベル再配線構造。
【請求項17】
電子デバイスを製造する方法であって、前記方法が、
ダイの一部を囲むパッケージ構造であって、直交する第1及び第2の方向の第1の平面において前記ダイの側部に沿って導電性端子を露出させる前記パッケージ構造を形成することと、
第1のビアと第1のレベルと第2のビアと第2のレベルとパッシベーション材料とを有するマルチレベル再配線構造を前記ダイの側部上に形成することと、
を含み、
前記第1のレベルが、前記第1の方向及び前記第2の方向の第2の平面において導電性アンテナを含む第1の導電性特徴を有し、前記第1のビアが、前記第1及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って前記導電性アンテナと前記導電性端子との間に延在し、前記パッシベーション材料が、前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間に延在し、前記第2のビアが、前記第3の方向に沿って前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間で前記パッシベーション材料を介して延在し、前記第2のレベルが、前記第1の方向及び前記第2の方向の第3の平面において導電性リフレクタを含む第2の導電性特徴を有し、前記第2の導電性特徴が、前記第2のビアに結合される導電性アンダーバンプメタライゼーション(UBM)構造を含み、前記第3の平面が、前記第3の方向に沿って前記第2の平面から離間されている、
方法。
【請求項18】
請求項17の方法であって、前記UBM構造体にはんだボールを取り付けることを更に含む、方法。
【請求項19】
請求項18の方法であって、前記マルチレベル再配線構造を形成することが、
前記ダイの前記側部上に第1のパッシベーション材料層を形成及びパターン化することと、
前記第1のパッシベーション材料層上に前記第1のビア及び前記第1の導電性特徴を含む第1の再配線層金属構造を形成及びパターン化することと、
前記第1の再配線層金属構造上に第2のパッシベーション材料層を形成及びパターン化することと、
前記第2のパッシベーション材料層上に前記第2のビア及び前記第2の導電性特徴を含む第2の再配線層金属構造を形成及びパターン化することと、
前記第2の再配線層金属構造上に第3のパッシベーション材料層を形成及びパターン化することと、
を含む、方法。
【請求項20】
請求項17の方法であって、前記マルチレベル再配線構造を形成することが、
前記ダイの前記側部上に第1のパッシベーション材料層を形成及びパターン化することと、
前記第1のパッシベーション材料層上に前記第1のビア及び前記第1の導電性特徴を含む第1の再配線層金属構造を形成及びパターン化することと、
前記第1の再配線層金属構造上に第2のパッシベーション材料層を形成及びパターン化することと、
前記第2のパッシベーション材料層上に前記第2のビア及び前記第2の導電性特徴を含む第2の再配線層金属構造を形成及びパターン化することと、
前記第2の再配線層金属構造上に第3のパッシベーション材料層を形成及びパターン化することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
現代の電子デバイスは、以前より増して高周波通信機能をサポートするようになっている。ミリ波アンテナなどのアンテナは、広帯域セルラーネットワーク(5G)及びモノのインターネット(IoT)技術のための第5世代技術標準がますます広まってくるのに伴い、より小さいフォームファクタ、緊密な統合、及びより高い周波数を絶えず必要としてきている。しかしながら、適切なアンテナを縮小し続ける電子デバイスパッケージ内に組み込むことがいまだ課題となっている。
【発明の概要】
【0002】
一態様において、電子デバイスが、ダイと、パッケージ構造と、マルチレベル再配線構造とを含む。ダイは、直交する第1の方向及び第2の方向の第1の平面において延在する側部と、その側部に沿って延在する導電性端子とを有する。パッケージ構造はダイの一部を囲む。マルチレベル再配線構造は、第1のビアと、第1のレベルと、第2のビアと、第2のレベルと、パッシベーション材料とを有する。第1のレベルは、第1及び第2の方向の第2の平面において導電性アンテナを含む第1の導電性特徴を有する。第1のビアは、第1及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って導電性アンテナと導電性端子との間に延在する。パッシベーション材料は、第1のレベルと第2のレベルとの間に延在し、第2のビアは、第3の方向に沿って第1のレベルと第2のレベルとの間でパッシベーション材料を介して延在する。第2のレベルは、第1及び第2の方向の第3の平面において導電性リフレクタを含む第2の導電性特徴を有し、第3の平面は、第3の方向に沿って第2の平面から離間されている。
【0003】
別の態様において、マルチレベル再配線構造が、第1の方向及び直交する第2の方向の平面において導電性アンテナを含む第1の導電性特徴を有する第1のレベルを含む。マルチレベル再配線構造はまた、導電性アンテナに結合される第1のビアと、第1の方向及び第2の方向の別の平面において導電性リフレクタを含む第2の導電性特徴を有する第2のレベルと、第1及び第2のレベル間のパッシベーション材料と、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って第1及び第2のレベル間のパッシベーション材料を介して延在する第2のビアとを含む。
【0004】
更なる態様において、或る方法が、ダイの一部を囲みダイの側部に沿って導電性端子を露出させるパッケージ構造を形成することと、ダイの側部上にマルチレベル再配線構造を形成することとを含み、マルチレベル再配線構造は、第1のビアと、第1のレベルと、第2のビアと、第2のレベルと、パッシベーション材料とを有する。第1のレベルは、第1及び第2の方向の第2の平面において導電性アンテナを含む第1の導電性特徴を有し、第1のビアは、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向に沿って導電性アンテナと導電性端子との間に延在し、パッシベーション材料は、第1及び第2のレベルの間で延在し、第2のビアは、第3の方向に沿って第1のレベルと第2のレベルとの間でパッシベーション材料を介して延在し、第2のレベルは、第1及び第2の方向の第3の平面において導電性リフレクタを含む第2の導電性特徴を有し、第2の導電性特徴は、第2のビアに結合される導電性アンダーバンプメタライゼーション(UBM)構造を含み、第3の平面は、第3の方向に沿って第2の平面から離間されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】統合されたアンテナ及び導電性リフレクタを備えるファンアウトウェハチップスケールパッケージ再配線構造を含むパッケージ化された電子デバイスの頂部斜視図である。
【0006】
【
図1A】
図1のパッケージ化された電子デバイスの側面図である。
【0007】
【
図1B】
図1のパッケージされた電子デバイスの部分側面図である。
【0008】
【
図1C】
図1のパッケージ化された電子デバイスの部分底部斜視図である。
【0009】
【
図1D】
図1のパッケージされた電子デバイスの上面図である。
【0010】
【
図1E】
図1のパッケージ化された電子デバイスの底部斜視図である。
【0011】
【
図1F】
図1のパッケージ化された電子デバイスにおけるアンテナ及び導電性リフレクタのモデルの部分上面図である。
【0012】
【
図1G】
図1のパッケージ化された電子デバイスにおけるアンテナ及び導電性リフレクタのモデルの頂部斜視図である。
【0013】
【
図1H】
図1のパッケージ化された電子デバイスにおけるアンテナ及び導電性リフレクタのモデルに対するシミュレートされたアンテナ応答曲線のグラフである。
【0014】
【
図2】電子デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【0015】
【
図3】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図4】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図5】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図6】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図7】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図8】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図9】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図10】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図11】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図12】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【
図13】
図2の方法に従った製造工程を経た
図1のパッケージされた電子デバイスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面において、同様の参照番号は全体を通して同様の要素を指し、種々の特徴は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。また、用語「結合する」は、間接的又は直接的な、電気的接続、又は機械的接続、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、第1のデバイスが第2のデバイスに結合するか又は第2のデバイスと結合される場合、その接続は、直接電気的接続を介するものであってもよく、又は、一つ又は複数の介在デバイス及び接続を介した間接的電気的接続を介するものであってもよい。種々の回路、システム、及び/又は構成要素の1つ又は複数の動作特性が、いくつかの場合において、回路要素が給電され動作するときに様々な構造の構成及び/又は相互接続から生じる機能の文脈において以下に説明される。
【0017】
図1~
図1Gは、導電性アンテナ130と導電性リフレクタ138とを含む2つのレベルを備えるファンアウトウェハチップスケール(FOWCSP)マルチレベル再配線構造110を含むパッケージ化された電子デバイス100を示す。パッケージ化された電子デバイス100は、例えば、FOWCSP又は他のパッケージタイプにおいて、ウェハチップスケールパッケージングの利点を備えて、デバイスフォームファクタの低減を容易にし、より高い周波数の通信機能をサポートするための、統合されたアンテナソリューションを提供する。パッケージ化された電子デバイス100は、第1又は底部側101と、第2又は頂部側102と、対向する第3及び第4(例えば、左及び右)側103及び104と、第5及び第6(例えば、前及び後ろ)側105及び106とを有する矩形形状を有する。電子デバイス100はまた、
図1A及び
図1Bに示す導電性端子109(例えば、銅ピラー又はバンプとして形成されたダイボンドパッド)を有する半導体ダイ108を含む。マルチレベル再配線構造110は、半導体ダイ108の側部107上に形成される。側部107は、第1の方向X及び直交する第2の方向Yの第1の平面において延在する。半導体ダイ108は、半導体ダイ108の側部107に沿って延在する導電性端子109を有する。
【0018】
マルチレベル再配線構造110は複数のレベルを有する。図示の例では、マルチレベル再配線構造110は、第1のレベル及び第2のレベルを有する。他の実装において、マルチレベル再配線構造110は、任意の整数N個のレベルを有し、Nは1より大きい。この例におけるダイ108の導電性端子109は、マルチレベル再配線構造110のそれぞれの導電性の第1のビア111(例えば、パターン化された銅又はアルミニウム導電性構造)に結合される。マルチレベル再配線構造110の第1のレベルは、導電性アンテナ130を含む第1の導電性特徴112を有する。導電性アンテナ130は、第1及び第2の方向の第2のX-Y平面において延在する。第2のX-Y平面は、第1及び第2の方向X及びYに直交する第3の方向Zに沿って第1の平面から離間されており、第2の平面は、
図1~
図1Gに示される向きで第1の平面の下にある。マルチレベル再配線構造110は、第2のレベルのそれぞれの第2の導電性特徴114に結合される第2のビア113(例えば、
図1A~
図1C)を有する。第2の導電性特徴114は導電性リフレクタ138を含む。導電性リフレクタ138は、第1及び第2の方向X及びYの第3の平面において延在し、第3の平面は、第3の方向Zに沿って、第2の平面から離間されており、第2の平面の下にある。
【0019】
マルチレベル再配線構造110はまた、第1のレベルと第2のレベルとの間で、マルチレベル再配線構造110の導電性特徴間に横方向に延在する、パッシベーション材料119を含む。第1のビア111は、第3の方向Zに沿って導電性アンテナ130と導電性端子109のうちの1つとの間に延在し、第2のビア113のうちの1つが、第3の方向Zに沿って第1のレベルと第2のレベルとの間でパッシベーション材料119を介して延在する。1つの例においてパッシベーション材料119は、ポリイミドであるか又はポリイミドを含む。この例又は他の例において、パッシベーション材料119は、第1のレベル及び第2のレベルのパターン化された導電性特徴内及びそれらの間にある誘電性の電気的絶縁材料であるか又はそれを含む。電子デバイス100はまた、半導体ダイ108の一部を囲みマルチレベル再配線構造110の頂部上に延在するプラスチック成形材料などのパッケージ構造120を含む。
【0020】
第2の導電性特徴114は、第2のビア113のうちのそれぞれの第2のビアとそれぞれのはんだボール122との間でパッシベーション材料119を介して延在する導電性アンダーバンプメタライゼーション(UBM)構造121を含む。図示の例は、ファンアウトマルチレベル再配線構造110であり、UBM構造121のうちの1つ又は複数が、半導体ダイ108の横方向外方に配置されて、ファンアウトウェハチップスケール再配線構造(FOWCSP)を提供する。また、この例において、UBM構造121のうちの1つ又は複数が、例えば、
図1C及び
図1Eの底面図に示されるように、半導体ダイ108の下にある。別の実装(図示せず)において、UBM構造121又ははんだボール122を外方に配置する(例えば、ファンアウトする)ことなく、半導体ダイ108の下にUBM構造121及び関連するはんだボール122を有するファンインオンリー再配線構造が提供される。実際には、はんだボール122は、印刷回路基板(PCB)上のパッケージ化電子デバイス100を構造的に支持するために、並びに、パッケージ化電子デバイス100の種々の回路接続とPCBの回路要素との間の導電接続を形成するために、ホストPCB(図示せず)の関連する導電性パッドにはんだ付けされるように構成される。
【0021】
導電性アンテナ130は、導電性リフレクタ138の上方に延在する。導電性アンテナ130は、第1の部分131と第2の部分132(例えば、フィード線)とを有する。導電性アンテナ130の第2の部分132は、それぞれの第1のビア111から第1の方向Xに沿って第1の部分131まで延在し、第1の部分131は、第2の方向Yに沿って第2の部分132よりも幅広い。導電性リフレクタ138は導電性アンテナ130の下にある。導電性リフレクタ138は、第1の方向Xにおいて導電性アンテナ130よりも長く、導電性リフレクタ138は、第2の方向Yにおいて導電性アンテナ130よりも幅広である。導電性アンテナ130の第1の部分131は、第3の平面において矩形形状を有し、
図1、
図1E、及び
図1Fに示されるように、スロット133及び134を含む。
図1、
図1D、及び
図1Eに示すように、第1のレベルの第1の導電性特徴112は、第2のX-Y平面において導電性アンテナ130の第2の部分132に平行に延在する導電性シールド135及び136を含む。
【0022】
図1F~
図1Hも参照すると、例示のパッケージ化された電子デバイス100は、半導体ダイ108の側部に沿って形成された再配線層(RDL)タイプのマルチレベル再配線構造110内に、統合された平面アンテナ及びリフレクタ構造を備える二層FOWCSPパッケージングプラットフォームを含む。マルチレベル再配線110において導電性リフレクタ138を統合することにより、導電性リフレクタ138を導電性アンテナ130に対して並列に配置することが容易になり、電子デバイスが搭載される印刷回路基板(図示せず)の導電性リフレクタを用いる配置と比較して、この点で有利である。また、図示の例は、例えば、
図1、
図1A、
図1D、及び
図1Eに見られるように、導電性リフレクタ138及び導電性アンテナ130の下に、UBM構造121及び関連するはんだボール122を配置することを可能にすることによって、回路密度の増大を容易にする。PCB基板を基準として用いる単一レベルFOWCSPと比較して、二層FOWCSPパッケージ化電子デバイス100は、第2のレベルの導電性リフレクタ138を基準面として直接用いて、外部環境への耐性を向上させる。
【0023】
図1Fは、パッケージ化された電子デバイス100内の導電性アンテナ130及び導電性リフレクタ138のモデルの部分上面図を示し、
図1Gは、そのモデルの頂部斜視図を示す。
図1Hは、
図1のパッケージ化された電子デバイス内のアンテナ及び導電性リフレクタのモデルについて、GHzで示す周波数を関数として、3次元電磁気シミュレートされたSパラメータアンテナ反射損失応答性能曲線151、152、及び153をdBで示す、グラフ150を示す。曲線151は、モデル化された導電性アンテナ130及び関連する導電性リフレクタ138のモデル化された接地共面導波路(GCPW)性能を示し、曲線152は、シミュレートされた背面導体付き共面導波路(CBCPW)性能を表す。曲線153は、いかなる駆動伝送線(CBCPW又はGCPW)もないアンテナ自体のeパッチアンテナ反射損失性能を示す。シミュレートされた性能は、一例としてeパッチアンテナ構造に対応するが、他の実装が、マルチレベル再配線構造内に形成された異なるアンテナタイプを含むことも可能である。
【0024】
ここで
図2~
図13を参照すると、
図2は、電子デバイスを製造する方法200を示し、
図3~
図13は、方法200に従った製造プロセスを経る
図1のパッケージ化された電子デバイス100を示す。方法200は、開始半導体ウェハ(例えば、シリコンウェハ、SOI(silicon-on-insulator)ウェハ等)上又はその中の、202におけるトランジスタの形成を有する半導体ウェハ処理と、ウェハの頂部側に沿って露出された導電性端子109(例えば、ピラー又はバンプとして形成される銅又はアルミニウムダイボンドパッド)を備える単一又はマルチレベルのメタライゼーション構造を形成するための、204におけるメタライゼーション処理とを含む。206において、保護オーバーコート層(PO)が、導電性端子109を露出させる開口を備えるウェハの頂部側に形成される。208において、個々の半導体ダイ108が、例えば、鋸切断及び/又はレーザー切断によって、個片化されるか、又はその他の方式で開始ウェハから分離される。
【0025】
方法200は、
図2の210における、半導体ダイ108のアレイをキャリア構造に取り付けることで継続する。
図3は、導電性端子109がキャリア構造302に面する状態で、半導体ダイ108の頂部側を接着性キャリア構造302に取り付ける、ダイ配置プロセス300が実施される一例を示す。212においてパッケージ構造120が形成される。
図4は、パッケージ120を形成するモールディングプロセス400が実施される一例を示す。成形されたパッケージ構造120は、半導体ダイ108の一部を囲む。次いで、214において、キャリア構造302が除去される。
図5は、キャリア構造302を除去して半導体ダイ108の側部107を露出させ、半導体ダイ108の導電性端子109及び保護オーバーコート層の一部を露出させるために、除去プロセス500が実施される一例を示す。
【0026】
マルチレベル再配線構造110は、216~224において、ダイ108の側部107上に形成される。一例において、第1のパッシベーションポリイミド材料層119が、半導体ダイ108の側部107上に形成され、216においてパターン化される。
図6は、半導体ダイ108の側部107上に第1のパッシベーションポリイミド材料層119を形成し、第1のビアとなる孔を含むようにポリイミド材料119をパターン化するプロセス600が実施される一例を示す。218において、第1のビア111と、導電性アンテナ部分131及び132、並びに、任意の含まれる導電性シールド135及び136を含む第1のトレース層構造とを含む、パターン化された第1の再配線層金属構造が形成される。
図7は、第1のポリイミド層119上に銅、アルミニウム、又は他の適切な導電性金属材料を堆積させるプロセス700が実施され、堆積された金属は、パターン化されて、第1のビア111と、第1のパッシベーション材料層119上の導電性アンテナ130を含む他の第1の導電性特徴112とを形成する一例を示す。
【0027】
図2の220において、第2のパッシベーションポリイミド層119が、マルチレベル再配線構造110の第1のレベル上に形成される。
図8は、前のポリイミド材料層119上及び第1のレベルの第1の導電性特徴112上に第2のパッシベーションポリイミド材料層119を形成するプロセス800が実施される一例を示す。プロセス800はまた、一例において、第2のパッシベーションポリイミド層119の一部をパターン化して、第2のビアとなる孔を形成する。222において、パターン化された第2の再配線層金属構造が形成及びパターン化される。
図9は、第2のポリイミド層119上に銅、アルミニウム、又は他の任意の適切な導電性金属材料を堆積させるプロセス900が実施される一例を示す。プロセス900はまた、堆積された金属をパターン化して、第2のレベルの第2のビア113、UBM構造121、及び導電性リフレクタ138を含む第2の導電性特徴114を形成する。224において、第3のパッシベーションポリイミド材料層が形成及びパターン化される。
図10は、前のポリイミド材料層119上、並びに、第2のビア113、UBM構造121、及び導電性リフレクタ138の上に、第3のパッシベーションポリイミド層119を形成するプロセス1000が実施される一例を示す。プロセス1000はまた、第3のポリイミド材料層119をパターン化して、導電性リフレクタ138を覆う一方で、第2のビア113及びUBM構造121の一部を露出させる。
【0028】
方法200は、
図2の226におけるはんだボール取り付けで継続する。
図11は、はんだボール取り付けプロセス1100が実施される一例を示し、はんだボール取り付けプロセス1100は、はんだボール又は他のはんだ構造122(例えば、概して丸いはんだボール)を導電性UBM構造121上に、例えば、それぞれの取り付けられるはんだボール122を関連するUBM構造121の中心と整合させるステンシル(図示せず)を用いて、取り付ける。方法200は更に、228における熱はんだリフロー処理を含む。
図12は、はんだボールをリフローして、関連するUBM構造121上にはんだボール122を広げる熱リフロー(例えば、加熱)プロセス1200が実施される一例を示す。一例において、方法200はまた、230において、個々のパッケージ化された電子デバイス100を、複数のパッケージ化された電子デバイス及び関連するマルチレベル再配線構造110を同時に形成するために用いられるパネル構造から分離するための、ダイ分離又は個片化を含む。
図13は、処理されたパネルが、(例えば、鋸及び/又はレーザー(図示せず)を用いて)プロセス1300によって切断されて、完成したパッケージ化された電子デバイス100を形成する一例を示す。
【0029】
上記の例は、本開示の様々な態様のいくつかの可能な実装の単なる例示であり、本明細書及び添付の図面を読んで理解すると、同等の変形及び/又は改変が他の当業者に想起され得る。本願の特許請求の範囲内で、説明した例に改変が成され得、他の実装も可能である。
【国際調査報告】