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特表2024-535396太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連動するエネルギー貯蔵システム並びにその運用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連動するエネルギー貯蔵システム並びにその運用方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20240920BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20240920BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240920BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240920BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J7/35 K
H02J7/00 P
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J3/00 180
H02J13/00 301A
H02J13/00 311R
G06Q50/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518715
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2023000314
(87)【国際公開番号】W WO2023249187
(87)【国際公開日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0077229
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】デソ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ボンジュン・ク
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5G503
5L050
【Fターム(参考)】
5G064AC05
5G064AC09
5G064DA03
5G064DA11
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA04
5G066JA07
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503FA06
5G503GB06
5L050CC06
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係るエネルギー貯蔵システムは、一つ以上の電池を含む電池システム、上記電池システムの電力を制御する電力調整装置(PCS)、並びに、グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集し、収集された状態情報に基づいて、上記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する、電力管理制御器(PMS)、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッド(Grid)、太陽光発電(PV、Photovoltaic)システム及び電気自動車(EV、Electric Vehicle)充電システムと連動する、エネルギー貯蔵システムであって、
一つ以上の電池を含む電池システム、
前記電池システムの電力を制御する電力調整装置(PCS)、並びに
前記グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集し、収集された状態情報に基づいて、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する、電力管理制御器(PMS)、を含む、エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記電力管理制御器は、
事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードによって、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記複数の制御モードは、
グリッド電力の購入費用のレベルに基づいて事前定義された時間帯別の負荷レベルとそれぞれ対応して定義される、請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記複数の制御モードは、
最大負荷区間と対応して定義された第1の制御モード、重負荷区間と対応して定義された第2の制御モード及び軽負荷区間と対応して定義された第3の制御モードを含んで構成される、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記電力管理制御器は、
EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報に基づいて、前記EVに対する電力供給主体、前記電池システムに対する電力供給主体、前記電池システムの充放電及び前記PVシステムの出力制限(Curtailment)を制御する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過しなければ、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記電力管理制御器は、
PVシステムが発電状態でありEV充電要求量がない状態であれば、
前記PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
PVシステムが発電状態でなければ、
前記電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEVを充電するように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
PVシステムが発電状態でなければ、
グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、
ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、前記電池システムを待機状態に制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
前記電力管理制御器は、
所定の単位時間毎にグリッド電力の累積使用量をチェックし、グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値を超過してピークが発生したものと判断されれば、電池システムの貯蔵電力を放電させるように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項15】
電池システム、電力調整装置(PCS)及び電力管理制御器(PMS)を含み、グリッド(Grid)、太陽光発電(PV、Photovoltaic)システム及び電気自動車(EV、Electric Vehicle)充電システムと連動する、エネルギー貯蔵システムの制御方法であって、
前記電力管理制御器が、グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集するステップ、並びに
前記電力管理制御器が、収集された状態情報に基づいて、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御するステップ、を含む、エネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項16】
前記電力を制御するステップは、
事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードを決定するステップ、並びに
前記決定された制御モードによって、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御するステップ、を含む、請求項15に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項17】
前記複数の制御モードは、
グリッド電力の購入費用のレベルに基づいて事前定義された時間帯別の負荷レベルとそれぞれ対応して定義され、
最大負荷区間と対応して定義された第1の制御モード、重負荷区間と対応して定義された第2の制御モード及び軽負荷区間と対応して定義された第3の制御モードを含んで構成される、請求項16に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項18】
前記状態情報を収集するステップは、
EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報をモニタリングするステップ、を含み、
前記電力を制御するステップは、
前記収集された状態情報に基づいて、前記EVに対する電力供給主体、前記電池システムに対する電力供給主体、前記電池システムの充放電及び前記PVシステムの出力制限(Curtailment)を制御するステップ、を含む、請求項15に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項19】
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過しなければ、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項20】
前記電力を制御するステップは、
PVシステムが発電状態でありEV充電要求量がない状態であれば、
前記PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項21】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項22】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項23】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項24】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
PVシステムが発電状態でなければ、
前記電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEVを充電するように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項25】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
PVシステムが発電状態でなければ、
グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項26】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、
ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、前記電池システムを待機状態に制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項27】
前記電力を制御するステップは、
所定の単位時間毎にグリッド電力の累積使用量をチェックし、グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値を超過してピークが発生したものと判断されれば、電池システムの貯蔵電力を放電させるように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項28】
電池システム及び電力調整装置(PCS)を含み、グリッド(Grid)、太陽光発電(PV、Photovoltaic)システム及び電気自動車(EV、Electric Vehicle)充電システムと連動するエネルギー貯蔵システム内に位置する電力管理制御装置であって、
少なくとも一つのプロセッサ、
前記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ、を含み、
前記少なくとも一つの命令は、
前記グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集する命令、並びに
収集された状態情報に基づいて、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する命令、を含む、電力管理制御装置。
【請求項29】
前記電力を制御する命令は、
事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードを決定する命令、並びに
前記決定された制御モードによって、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する命令、を含む、請求項28に記載の電力管理制御装置。
【請求項30】
前記状態情報を収集する命令は、
EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報をモニタリングする命令、を含み、
前記電力を制御する命令は、
前記収集された状態情報に基づいて、前記EVに対する電力供給主体、前記電池システムに対する電力供給主体、前記電池システムの充放電及び前記PVシステムの出力制限(Curtailment)を制御する命令、を含む、請求項28に記載の電力管理制御装置。
【請求項31】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御する命令は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する命令を含む、請求項30に記載の電力管理制御装置。
【請求項32】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御する命令は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する命令を含む、請求項30に記載の電力管理制御装置。
【請求項33】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御する命令は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御する命令を含む、請求項30に記載の電力管理制御装置。
【請求項34】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御する命令は、
PVシステムが発電状態でなければ、
前記電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEVを充電するように制御する命令を含む、請求項30に記載の電力管理制御装置。
【請求項35】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御する命令は、
PVシステムが発電状態でなければ、
グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御する命令を含む、請求項30に記載の電力管理制御装置。
【請求項36】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御する命令は、
EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、
ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、前記電池システムを待機状態に制御する命令を含む、請求項30に記載の電力管理制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年6月24日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0077229号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、エネルギー貯蔵システム及びその運用方法に関し、より具体的には、太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連動するエネルギー貯蔵システム、電力管理制御装置並びにエネルギー貯蔵システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System、ESS)は、再生可能エネルギー、電力を貯蔵した電池、そして既存のグリッド電力を連系させるシステムである。スマートグリッド(smart grid)と再生可能エネルギーの普及が広がりつつあり、電力系統の効率化と安定性が強調されることに伴って、電力供給及び需要の調節、及び電力品質の向上のために、エネルギー貯蔵システムに対する需要がますます増加しつつある。
【0004】
近年、再生可能エネルギー政策によって、太陽光発電システムの普及率が大幅に拡大している。しかしながら、これにより、太陽光発電システムによる電力超過供給現象が発生して、太陽光発電システムの発電電力がグリッドに供給されないように統制する出力制限(Curtailment)の頻度数が増加している。
【0005】
出力制限によるエネルギー損失を最小限に抑えるために、太陽光発電システムと電気自動車充電システムとを連系して、太陽光発電電力を用いて電気自動車を充電する技術が提案されている。このとき、充電電力を安定的に供給するためには、エネルギー貯蔵システム(ESS)の連系が必須である。エネルギー貯蔵システムは、適切な時点でグリッド電力及び太陽光発電電力を貯蔵し、電気自動車の充電のための電力供給が必要な場合、貯蔵された電力を放電して、太陽光発電システムの出力変動性を緩和することができる。このようなエネルギー貯蔵システムが太陽光システム及び電気自動車充電システムと連系する場合、ピークの発生、出力制限、電力購入費用など多様な因子を考慮した適切な制御方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、グリッド、太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連動するエネルギー貯蔵システムを提供することにある。
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明の別の目的は、このようなエネルギー貯蔵システムの制御方法を提供することにある。
【0008】
上記のような問題点を解決するための本発明のまた別の目的は、このようなエネルギー貯蔵システムの動作を制御する電力制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るエネルギー貯蔵システムは、一つ以上の電池を含む電池システム、上記電池システムの電力を制御する電力調整装置(PCS)、並びに、グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集し、収集された状態情報に基づいて、上記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する、電力管理制御器(PMS)、を含むことができる。
【0010】
電力管理制御器は、事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードによって、PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御することができる。このとき、複数の制御モードは、グリッド電力の購入費用のレベルに基づいて事前定義された時間帯別の負荷レベルとそれぞれ対応して定義されてよい。
【0011】
複数の制御モードは、最大負荷区間と対応して定義された第1の制御モード、重負荷区間と対応して定義された第2の制御モード及び軽負荷区間と対応して定義された第3の制御モードを含んで構成されてよい。
【0012】
電力管理制御器は、EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報に基づいて、EVに対する電力供給主体、電池システムに対する電力供給主体、電池システムの充放電及びPVシステムの出力制限(Curtailment)を制御することができる。
【0013】
電力管理制御器は、EV充電量がPV発電量を超過しなければ、PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御することができる。このとき、電池が満充電状態であれば、電力管理制御器は、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御することができる。
【0014】
電力管理制御器は、PVシステムが発電状態でありEV充電要求量がない状態であれば、PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御することができる。このとき、電池が満充電状態であれば、電力管理制御器は、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御することができる。
【0015】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、電力管理制御器は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御することができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力管理制御器は、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御することができる。
【0016】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、電力管理制御器は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御することができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力管理制御器は、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御することができる。
【0017】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、電力管理制御器は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システムを待機状態に制御することができる。
【0018】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、電力管理制御器は、PVシステムが発電状態でなければ、電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御することができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEVを充電するように制御することができる。
【0019】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、電力管理制御器は、PVシステムが発電状態でなければ、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システムを待機状態に制御することができる。
【0020】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、電力管理制御器は、EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御することができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、電池システムを待機状態に制御することができる。
【0021】
電力管理制御器は、所定の単位時間毎にグリッド電力の累積使用量をチェックし、グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値を超過してピークが発生したものと判断されれば、電池システムの貯蔵電力を放電させるように制御することができる。
【0022】
上記別の目的を達成するための本発明の一実施形態に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法は、電池システム、電力調整装置(PCS)及び電力管理制御器(PMS)を含み、グリッド、太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連動する、エネルギー貯蔵システムの制御方法であって、電力管理制御器が、グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集するステップ、並びに、電力管理制御器が、収集された状態情報に基づいて、PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御するステップ、を含むことができる。
【0023】
電力を制御するステップは、事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードを決定するステップ、並びに、決定された制御モードによって、PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御するステップ、を含むことができる。このとき、複数の制御モードは、グリッド電力の購入費用のレベルに基づいて事前定義された時間帯別の負荷レベルとそれぞれ対応して定義され、最大負荷区間と対応して定義された第1の制御モード、重負荷区間と対応して定義された第2の制御モード及び軽負荷区間と対応して定義された第3の制御モードを含んで構成されてよい。
【0024】
状態情報を収集するステップは、EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報をモニタリングするステップ、を含むことができる。ここで、電力を制御するステップは、収集された状態情報に基づいて、EVに対する電力供給主体、電池システムに対する電力供給主体、電池システムの充放電及びPVシステムの出力制限(Curtailment)を制御するステップ、を含むことができる。
【0025】
電力を制御するステップは、EV充電量がPV発電量を超過しなければ、PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御するステップを含むことができる。このとき、電池が満充電状態であれば、電力を制御するステップは、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御するステップを含むことができる。
【0026】
電力を制御するステップは、PVシステムが発電状態でありEV充電要求量がない状態であれば、PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御するステップを含むことができる。このとき、電池が満充電状態であれば、電力を制御するステップは、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御するステップを含むことができる。
【0027】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、電力を制御するステップは、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するステップを含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力を制御するステップは、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するステップを含むことができる。
【0028】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、電力を制御するステップは、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するステップを含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力を制御するステップは、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するステップを含むことができる。
【0029】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、電力を制御するステップは、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システムを待機状態に制御するステップを含むことができる。
【0030】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、電力を制御するステップは、PVシステムが発電状態でなければ、電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御するステップを含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力を制御するステップは、グリッド電力でEVを充電するように制御するステップを含むことができる。
【0031】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、電力を制御するステップは、PVシステムが発電状態でなければ、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システムを待機状態に制御するステップを含むことができる。
【0032】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、電力を制御するステップは、EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するステップを含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、電力を制御するステップは、電池システムを待機状態に制御するステップを含むことができる。
【0033】
電力を制御するステップは、所定の単位時間毎にグリッド電力の累積使用量をチェックし、グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値を超過してピークが発生したものと判断されれば、電池システムの貯蔵電力を放電させるように制御するステップを含むことができる。
【0034】
上記また別の目的を達成するための本発明の一実施形態に係る電力管理制御装置は、 電池システム及び電力調整装置(PCS)を含み、グリッド、太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連動するエネルギー貯蔵システム内に位置する電力管理制御装置であって、少なくとも一つのプロセッサ、少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ、を含むことができる。
【0035】
ここで、少なくとも一つの命令は、グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集する命令、並びに、収集された状態情報に基づいて、PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する命令、を含むことができる。
【0036】
電力を制御する命令は、事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードを決定する命令、並びに、決定された制御モードによって、PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する命令、を含むことができる。
【0037】
状態情報を収集する命令は、EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報をモニタリングする命令、を含むことができる。このとき、電力を制御する命令は、 収集された状態情報に基づいて、EVに対する電力供給主体、電池システムに対する電力供給主体、電池システムの充放電及びPVシステムの出力制限(Curtailment)を制御する命令、を含むことができる。
【0038】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、電力を制御する命令は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力を制御する命令は、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する命令を含むことができる。
【0039】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、電力を制御する命令は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力を制御する命令は、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する命令を含むことができる。
【0040】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、電力を制御する命令は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システムを待機状態に制御する命令を含むことができる。
【0041】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、電力を制御する命令は、PVシステムが発電状態でなければ、電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、電力を制御する命令は、グリッド電力でEVを充電するように制御する命令を含むことができる。
【0042】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、電力を制御する命令は、PVシステムが発電状態でなければ、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システムを待機状態に制御する命令を含むことができる。
【0043】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、電力を制御する命令は、EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、電力を制御する命令は、電池システムを待機状態に制御する命令を含むことができる。
【発明の効果】
【0044】
上記のような本発明の実施形態によれば、太陽光発電システムの出力変動性を緩和して、電気自動車の充電電力を安定的に供給することができ、グリッド電力の購入費用及びエネルギー効率の観点で最適な運用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明に係る太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連系されたエネルギー貯蔵システムを説明するためのブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連系されたエネルギー貯蔵システムを説明するためのブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法のフロー図である。
図4】本発明の実施形態に係る最大負荷区間で動作するエネルギー貯蔵システムの制御方法のフロー図である。
図5】本発明の実施形態に係る重負荷区間で動作するエネルギー貯蔵システムの制御方法のフロー図である。
図6】本発明の実施形態に係る軽負荷区間で動作するエネルギー貯蔵システムの制御方法のフロー図である。
図7】本発明の実施形態に係るエネルギー貯蔵システムのピーク対応のための制御方法を説明するための参照表である。
図8】本発明の実施形態に係る電力管理制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施形態を有するが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明で詳しく説明する。これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用している。
【0047】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されてよいが、構成要素は、上記用語によって限定されてはいけない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されてよい。「及び/又は」という用語は、複数の関連して記載された項目の組み合わせ又は複数の関連して記載された項目のうちのある項目を含む。
【0048】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、当該他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもあるが、中間に別の構成要素が存在することもできると理解されたい。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に別の構成要素が存在しないことと理解されたい。
【0049】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことと理解されたい。
【0050】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味としては解釈されない。
【0051】
本明細書において使用される一部の用語を定義すれば、次の通りである。
【0052】
定格容量(Nominal Capacity、Nominal Capa.)は、電池メーカーが開発当初設定した電池の設定容量[Ah]を意味する。
【0053】
SOC(State of Charge、充電率)は、電池の現在充電された状態を割合[%]で表したものであり、SOH(State of Health、電池寿命状態)は、電池の現在の劣化状態を割合[%]で表したものである。
【0054】
電池ラック(Rack)は、電池メーカーで設定したパック単位を直列/並列接続してBMSを通じてモニタリングと制御が可能な最小単一構造のシステムを意味し、複数の電池モジュールと1つのBPU又は保護装置を含んで構成されてよい。
【0055】
電池バンク(Bank)は、複数のラックを並列接続して構成される大きい規模の電池ラックシステムの集合群を意味することができる。電池バンク単位のBMSを通じて、電池ラック単位のラックBMS(RBMS)に対するモニタリングと制御を行うことができる。
【0056】
BSC(Battery System Controller)は、バンク単位の電池システムを含む電池システムに対する最上位の制御を行う装置であって、複数のバンクレベル(Bank Level)構造の電池システムにおいて制御装置として使用されることもできる。
【0057】
出力限界(Power Limit)は、電池メーカーが電池状態に応じてあらかじめ設定した出力限界を示す。ラック出力限界(Rack Power limit)は、ラック単位(Rack Level)で設定された出力限界([kW]単位)を意味し、電池のSOC、温度に基づいて設定されてよい。
【0058】
出力制限(Curtailment)は、太陽光発電システムによって生産された電力をグリッドに供給されないように遮断する動作を意味することができる。ここで、出力制限は、PVモジュールの発電電力を制御するPVインバータをオフさせてPV発電を中断する方式、又はPV発電電力をエネルギー貯蔵システム又はEV充電システムのみに供給し、グリッドへの供給を遮断する方式で行われることができる。
【0059】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0060】
図1は、本発明に係る太陽光発電システム及び電気自動車充電システムと連系されたエネルギー貯蔵システムを説明するためのブロック図である。
【0061】
本発明に係るエネルギー貯蔵システム(ESS)100は、図1に示すように、太陽光発電(PV)システム200、電気自動車(EV)充電システム300及びグリッド400と連動するように構成される。
【0062】
エネルギー貯蔵システム100は、グリッド400から供給される電力及びPVシステム200による発電電力を貯蔵し、EVの充電のために電池に貯蔵された電力を放電してEV充電システム300に供給することができる。
【0063】
PVシステム200の発電電力は、エネルギー貯蔵システム100、EV充電システム300及びグリッド400のうちの少なくとも一つに伝送されてよい。
【0064】
EV充電システム300は、EVの充電要求量に対応する電力をエネルギー貯蔵システム100、PVシステム200及びグリッド400のうちの少なくとも一つから供給されてEVを充電することができる。
【0065】
本発明において、エネルギー貯蔵システム100、PVシステム200及びEV充電システム300の電力の流れを制御する主体は、エネルギー貯蔵システム100 内に構成される電力管理制御装置(PMS:Power Management System)であってもよい。ここで、電力管理制御装置(PMS)は、ESSの電池システム及びPCS、PVシステム200及びEV充電システム300の状態情報を収集し、収集された状態情報に基づいて、電池システム、PVシステム200及びEV充電システム300の電力を制御することができる。
【0066】
電力管理制御装置(PMS)は、電池システム、PVシステム200及びEV充電システム300のそれぞれの制御装置に制御命令を伝達する方式で、電池システム、PVシステム200及びEV充電システム300の電力を制御することができる。
【0067】
図2は、本発明の実施形態に係るPVシステム及びEV充電システムと連系されたエネルギー貯蔵システムを説明するためのブロック図である。
【0068】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係るエネルギー貯蔵システム100は、一つ以上の電池を含む電池システム110、電池システム110の電力を制御する電力調整装置(PCS)120、及びPVシステム200、EV充電システム300及び電池システム110の電力を制御する電力管理制御器(PMS)130を含んで構成されてよい。
【0069】
電池システム110は、通常、多数の電池モジュール(Battery Module)が電池ラック(Rack)を構成し、多数個の電池ラックが電池バンク(Battery Bank)を構成する形態で具現化されてよい。ここで、電池が使用される装置又はシステムによって、電池ラックは電池パック(pack)と呼ばれることもできる。電池システム110は、電池管理部(Battery Management System、BMS)を含むことができる。 BMSは、自分が管掌する各電池ラック(又はパック)の電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいてSOC(Status Of Charge)を算出して充放電を制御する役割を果たすことができる。
【0070】
電池システム110と連動する電力調整装置120(PCS、Power Conditioning System)は、外部から供給される電力と電池システム110が外部へ供給する電力を制御し、DC/ACインバータを含むことができる。
【0071】
PVシステム200は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を出力するPVモジュール210、及びPVモジュール210の発電電力を制御するPVインバータ220を含むことができる。ここで、PVモジュール210は、複数の太陽光パネルを含んで構成されてよく、PVインバータ220は、DC/ACインバータに該当することができる。
【0072】
図2に示すように、電力調整装置120の出力側、PVインバータ220の出力側、EV充電システム300の入力側及びグリッド400の入力側がACラインに接続されてよい。一方、本発明に係るエネルギー貯蔵システム100は、図2に示すようなAC Coupled構造ではない、DC Coupled構造であって、PVシステム200、EV充電システム300及びグリッド400と連動するように構成されることもできる。
【0073】
電力管理制御器130は、電池システム110、PCS120、PVシステム200及びEV充電システム300の状態情報を収集し、収集された状態情報に基づいて、電池システム110、PVシステム200及びEV充電システム300の電力を制御することができる。
【0074】
電力管理制御器130は、電池状態情報(SOC)、電池の充電量及び電池の放電量、PV発電の有無、PV発電量、EV充電の有無、EVの充電量(又は充電負荷)、グリッド電力使用量のうちの少なくとも一つを含む状態情報を、予め定義された単位時間毎に収集してモニタリングすることができる。
【0075】
電力管理制御器130は、収集された状態情報に基づいて、PCS120、PVインバータ220及びEV充電システム300のそれぞれに対する制御命令を生成し、 生成された制御命令を構成それぞれの制御装置に伝達することで、各構成の動作を制御することができる。例えば、電力管理制御器130は、EV充電要求量に対応した電力供給主体(例えば、電池システム)を決定し、決定された電力供給主体の制御装置(例えば、PCS)に電力要求量に対応する電力を供給するようにする制御命令(P_EV放電)を伝達することができる。
【0076】
以下では、電力管理制御器130の動作及びエネルギー貯蔵システムの制御方法について、図3~7を参照して詳細に説明する。
【0077】
図3は、本発明の実施形態に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法のフロー図である。
【0078】
電力管理制御器130は、予め定義された単位時間毎に電池システム110、PCS120、PVシステム200及びEV充電システム300の状態情報を収集する(S310)。例えば、電力管理制御器130は、5分単位毎に状態情報を収集することができる。
【0079】
電力管理制御器130は、事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードによって、電池システム110、PVシステム200及びEV充電システム300の電力を制御することができる。
【0080】
複数の制御モードは、グリッド電力の購入費用のレベルに基づいて事前定義された時間帯別の負荷レベルとそれぞれ対応して定義されてよく、最大負荷区間と対応して定義された第1の制御モード、重負荷区間と対応して定義された第2の制御モード及び軽負荷区間と対応して定義された第3の制御モードを含むことができる。
【0081】
最大負荷(maximum load)区間は、最も高い購入費用レベルの時間帯であり、重負荷(heavy load)区間は、最大負荷区間より低い購入費用レベルの時間帯であり、軽負荷(light load)区間は、重負荷区間より低い購入費用レベルの時間帯に該当することができる。例えば、午前10時~午後5時は、最大負荷区間であり、午前9時~午前10時及び午後5時~午後12時は、重負荷区間であり、午前0時~午前9時は、軽負荷区間と定義されてよい。一方、時間帯別の負荷レベル(最大負荷、重負荷又は軽負荷)は、季節、天気など多様な環境因子に基づいてグリッド電力管理機関によって事前定義されてよく、電力管理制御器130は、一定の時点(例:毎日0時)に時間帯別の負荷レベルを確認することができる。
【0082】
図3を参照すれば、電力管理制御器130は、現在の時間が最大負荷区間(t Max_S~t Max_E)に該当するか否かをチェック(S320)して、最大負荷区間に該当すれば、第1の制御モードで動作(S330)する。もし、最大負荷区間に該当しなければ、電力管理制御器130は、現在の時間が重負荷区間(t Heavy_s~t Heavy_E)に該当するか否かをチェック(S340)して、重負荷区間に該当すれば、第2の制御モードで動作(S350)する。もし、重負荷区間に該当しなければ、電力管理制御器130は、第3の制御モードで動作(S360)する。
【0083】
一方、図3に示す電力管理制御器130の動作(S310~S360)は、所定の単位時間(例:5分)毎に繰り返し行われることができる。
【0084】
以下では、図4~6を参照して、第1~第3の制御モードによるエネルギー貯蔵システムの制御方法について詳細に説明する。一方、図4~6に記載した各パラメータは、以下の通りである。
【0085】
PEV(t):t時間のEV充電量(又はEV充電要求量)
PPV(t):t時間のPV発電量(又は出力量)
PBAT_CH(t):t時間のESS充電電力
PBAT_DCH(t):t時間のESS放電電力
SOCset:しきいSOC(又は目標SOC)
SOCMAX:最大SOC
図4は、本発明の実施形態に係る最大負荷区間で動作するエネルギー貯蔵システムの制御方法(第1の制御モード)のフロー図である。
【0086】
図4を参照すれば、電力管理制御器130は、収集された状態情報に基づいて、EVの充電の有無をチェックする(S410)。
【0087】
まず、EVが充電状態でなければ(S410のNO)、すなわちEV充電要求量がない場合のエネルギー貯蔵システムの制御方法について説明する。
【0088】
電力管理制御器130は、PVシステムの発電状態をチェックして(S411)、PVシステムが発電状態でなければ(S411のNO)、電池システム110を待機状態に制御する(S412)。
【0089】
PVシステムが発電状態であれば(S411のYES)、電力管理制御器130は、 電池の充電状態をチェックする(S413)。ここで、電力管理制御器130は、電池が満充電状態でなければ(S413のNO)、PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御し(S414)、電池が満充電状態であれば(S413のYES)、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないようにPVシステムを制御(出力制限制御)する(S415)。
【0090】
次に、EVが充電状態の場合(S410のYES)、すなわちEV充電要求量がある場合のエネルギー貯蔵システムの制御方法について説明する。
【0091】
電力管理制御器130は、PVシステムの発電の有無をチェックする(S420)。
【0092】
PVシステムが発電状態でなければ(S420のNO)、電力管理制御器130は、電池の充電状態をチェックする(S421)。ここで、電力管理制御器130は、電池のSOCが予め定義されたしきいSOCを超過すれば(S421のNO)、電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御し(S422)、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下(S421のYES)であれば、グリッド電力でEVを充電し、電池システム110を待機状態に制御する(S423)。
【0093】
PVシステムが発電状態であれば(S420のYES)、電力管理制御器130は、EV充電量とPV発電量とを比較する(S430)。
【0094】
EV充電量がPV発電量を超過しない場合(S430のNO)、電力管理制御器130は、電池が満充電状態でなければ(S431のNO)、PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御(S432)する。電池が満充電状態であれば(S431のYES)、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないようにPVシステムを制御(出力制限制御)する(S433)。
【0095】
EV充電量がPV発電量を超過する場合(S430のYES)、電力管理制御器130は、電池の充電状態をチェックする(S440)。ここで、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば(S440のNO)、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する(S441)。電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下(S440のYES)であれば、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システム110を待機状態に制御する(S442)。
【0096】
図4に示す、エネルギー貯蔵システムの制御方法(第1の制御モード)を参照すれば、現在の時間が最大負荷区間の場合、電力管理制御器130は、PV発電電力、電池システムの貯蔵電力及びグリッド電力の順に定義された優先順位によってEVが充電されるように電力を制御することができる。また、電力管理制御器130は、PV発電電力で電池が充電されるように電力を制御することができる。また、電力管理制御器130は、EV充電量がPV発電量を超過しない場合、電池の充電が不可能な状況(例:満充電状態)であれば、PVシステムの出力制限制御を行うことができる。
【0097】
一方、PVシステムの出力制限のためにPVインバータをオフ(OFF)させた場合、PV発電が可能な状態(例:太陽光存在)であり、電池が充電可能な状態(例:満充電ではない状態)であり、EVが充電状態であれば、PVインバータをオン(ON)に制御することができる。
【0098】
図5は、本発明の実施形態に係る重負荷区間で動作するエネルギー貯蔵システムの制御方法(第2の制御モード)のフロー図である。
【0099】
図5を参照すれば、電力管理制御器130は、収集された状態情報に基づいて、EVの充電の有無をチェックする(S510)。
【0100】
まず、EVが充電状態でなければ(S510のNO)、すなわちEV充電要求量がない場合のエネルギー貯蔵システムの制御方法について説明する。
【0101】
電力管理制御器130は、PVシステムの発電状態をチェックして(S511)、PVシステムが発電状態でなければ(S511のNO)、電力管理制御器130は、 電池の充電状態をチェックする(S512)。ここで、電力管理制御器130は、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下(S512のYES)であれば、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御し(S513)、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば(S512のNO)、電池システム110を待機状態に制御する(S514)。
【0102】
ピーク限界は、予め定義された時間の間グリッド電力の累積使用量に関するしきい値を意味することができる。すなわち、PV非発電状態及びEV非充電状態で、電池のSOCが設定SOC以下の場合、あらかじめ設定されたグリッド電力使用量の限界を超過しない範囲内で、グリッド電力で電池が充電されてよい。
【0103】
PVシステムが発電状態であれば(S511のYES)、電力管理制御器130は、 電池の充電状態をチェックする(S515)。ここで、電力管理制御器130は、 電池が満充電状態でなければ(S515のNO)、PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御し(S516)、電池が満充電状態であれば(S515のYES)、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないようにPVシステムを制御(出力制限制御)する(S517)。
【0104】
次に、EVが充電状態の場合(S510のYES)、すなわちEV充電要求量がある場合のエネルギー貯蔵システムの制御方法について説明する。
【0105】
電力管理制御器130は、PVシステムの発電の有無をチェックする(S520)。
【0106】
PVシステムが発電状態でなければ(S520のNO)、電力管理制御器130は、 電池の充電状態をチェックする(S521)。ここで、電力管理制御器130は、電池のSOCが予め定義されたしきいSOCを超過すれば(S521のNO)、電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御し(S522)、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下(S521のYES)であれば、グリッド電力でEVを充電し、電池システム110を待機状態に制御する(S523)。
【0107】
PVシステムが発電状態であれば(S520のYES)、電力管理制御器130は、EV充電量とPV発電量とを比較する(S530)。
【0108】
EV充電量がPV発電量を超過しない場合(S530のNO)、電力管理制御器130は、電池が満充電状態でなければ(S531のNO)、PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御(S532)する。電池が満充電状態であれば(S531のYES)、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないようにPVシステムを制御(出力制限制御)する(S533)。
【0109】
EV充電量がPV発電量を超過する場合(S530のYES)、電力管理制御器130は、電池の充電状態をチェックする(S540)。ここで、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば(S540のNO)、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する(S541)。電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下(S540のYES)であれば、電力管理制御器130は、所定のピーク限界値(Ppeak)とEV充電量とPV発電量との差(PEV(t)‐PPV(t))とを比較する(S542)。
【0110】
ピーク限界値(Ppeak)がEV充電量とPV発電量との差(PEV(t)‐PPV(t))以下であれば、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システムを待機状態に制御する(S544)。
【0111】
ピーク限界値(Ppeak)がEV充電量とPV発電量との差(PEV(t)‐PPV(t))を超過すれば、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する(S543)。例えば、ピーク限界値(Ppeak)が80kWh、EV充電量が50kWh、PV発電量が20kWhの場合、EVは、PV発電電力(20kWh)とグリッド電力(30kWh)で充電される。ここで、電池は、ピーク限界値(80kWh)までの余裕電力量(80-30=50kWh)範囲内でグリッド電力で充電されてよい。
【0112】
図5に示す、エネルギー貯蔵システムの制御方法(第2の制御モード)を参照すれば、現在の時間が重負荷区間の場合、電力管理制御器130は、PV発電電力、電池システムの貯蔵電力及びグリッド電力の順に定義された優先順位によってEVが充電されるように電力を制御することができる。また、電力管理制御器130は、PV発電電力及びグリッド電力の順に定義された優先順位によって電池が充電されるように電力を制御することができる。また、電力管理制御器130は、EV充電量がPV発電量を超過しない場合、電池の充電が不可能な状況(例:満充電状態)であれば、PVシステムの出力制限制御を行うことができる。
【0113】
重負荷区間では、最大負荷区間と違って、特定の条件下でグリッド電力で電池が充電されてよい。具体的に、重負荷区間の電力購入費用が最大負荷区間より安いため、特定の条件を満足する状態(S512のNO、S542のYES)でのみグリッド電力を用いて電池が充電されてよい。
【0114】
図6は、本発明の実施形態に係る軽負荷区間で動作するエネルギー貯蔵システムの制御方法(第3の制御モード)のフロー図である。
【0115】
図6を参照すれば、電力管理制御器130は、収集された状態情報に基づいて、EVの充電の有無をチェックする(S610)。
【0116】
まず、EVが充電状態でない場合(S610のNO)、すなわちEV充電要求量がない場合のエネルギー貯蔵システムの制御方法について説明する。
【0117】
電力管理制御器130は、PVシステムの発電状態をチェックして(S611)、PVシステムが発電状態でなければ(S611のNO)、電池システム110を待機状態に制御する(S612)。
【0118】
PVシステムが発電状態であれば(S611のYES)、電力管理制御器130は、 電池の充電状態をチェックする(S613)。ここで、電力管理制御器130は、電池が満充電状態でなければ(S613のNO)、PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御し(S614)、電池が満充電状態であれば(S613のYES)、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないようにPVシステムを制御(出力制限制御)する(S615)。
【0119】
次に、EVが充電状態の場合(S610のYES)、すなわちEV充電要求量がある場合のエネルギー貯蔵システムの制御方法について説明する。
【0120】
電力管理制御器130は、PVシステムの発電の有無をチェックする(S620)。
【0121】
PVシステムが発電状態でなければ(S620のNO)、電力管理制御器130は、グリッド電力でEVを充電し、電池システム110を待機状態に制御する(S621)。
【0122】
PVシステムが発電状態であれば(S620のYES)、電力管理制御器130は、EV充電量とPV発電量とを比較する(S630)。
【0123】
EV充電量がPV発電量を超過しない場合(S630のNO)、電力管理制御器130は、電池が満充電状態でなければ(S631のNO)、PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御(S632)する。電池が満充電状態であれば(S631のYES)、電力管理制御器130は、PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないようにPVシステムを制御(出力制限制御)する(S633)。
【0124】
EV充電量がPV発電量を超過する場合(S630のYES)、PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、電池システム110を待機状態に制御する(S642)。
【0125】
図6に示す、エネルギー貯蔵システムの制御方法(第3の制御モード)を参照すれば、現在の時間が軽負荷区間の場合、電力管理制御器130は、PV発電電力及びグリッド電力の順に定義された優先順位によってEVが充電されるように電力を制御することができる。また、電力管理制御器130は、PV発電電力で電池が充電されるように電力を制御することができる。また、電力管理制御器130は、EV充電量がPV発電量を超過しない場合、電池の充電が不可能な状況(例:満充電状態)であれば、PVシステムの出力制限制御を行うことができる。
【0126】
軽負荷区間では、最大負荷区間及び重負荷区間と違って、電池の貯蔵電力でEVが充電されず、重負荷区間と違って、グリッド電力で電池が充電されない。最も安い 費用のグリッド電力を用いてEVを充電させ、電池の貯蔵電力を最大限維持させることが費用効率の面で有利であるからである。
【0127】
図7は、本発明の実施形態に係るエネルギー貯蔵システムのピーク対応のための制御方法を説明するための参照表である。以下では、図7を参照して、本発明の実施形態に係るピーク対応のための制御方法について説明する。
【0128】
電力管理制御器130は、所定の単位時間毎にグリッド電力の累積使用量をチェックし、グリッド電力の累積使用量と予め定義されたピーク限界値とを比較してピーク発生の有無を判断することができる。ここで、ピーク限界値は、予め定義された時間の間グリッド電力の累積使用量に関するしきい値を意味することができる。
【0129】
グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値を超過すれば、電力管理制御器130は、ピークが発生したものと決定し、ピーク対応制御モードによって、PVシステム、EV充電システム及び電池システムを制御する。
【0130】
電力管理制御器130は、ピーク発生によってピーク対応制御モードで動作する場合、現在の時間に対応した制御モード(第1~第3の制御モード)で動作せず、電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御する。
【0131】
ピーク対応制御モードによる電池システムの放電によって、ピーク状況が解除(グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値以下)されれば、電力管理制御器130は、現在の時間と対応する制御モード(第1~第3の制御モード)で動作することができる。
【0132】
例えば、図7に示すように、ピーク判断値が400kWと定義される場合、15分間グリッド電力の累積使用量が100kWhを超過しないように統制されなければならない。
【0133】
ピーク判断周期が5分に設定された場合、電力管理制御器130は、継電器(例えば、図2のスマートメーター(smart meter))を通じてグリッド電力の累積使用量(図7の実使用量[kWh])をチェックし、ピーク判断時点(1分、6分、11分)でグリッド電力の累積使用量とピーク限界値とを比較してピーク発生の有無を判断する。図7を参照すれば、三番目の監視周期である11分経過時点でグリッド電力の累積使用量(78.3333kWh)がピーク限界値(73.3333kWh)を超過して、ピークが発生したものと判断される。このとき、電力管理制御器130は、ピーク対応制御モードで動作して電池システムの貯蔵電力を放電させて、15分間グリッド電力の累積使用量が100kWhを超過しないようにすることができる。
【0134】
図8は、本発明の実施形態に係る電力管理制御装置のブロック図である。
【0135】
本発明の実施形態に係る電力管理制御装置800は、グリッド、PVシステム及びEV充電システムと連動するエネルギー貯蔵システム内に位置し、少なくとも一つのプロセッサ810、上記プロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ820及びネットワークと接続されて通信を行う送受信装置830を含むことができる。
【0136】
上記少なくとも一つの命令は、上記グリッド、PVシステム、EV充電システム、 電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集する命令、並びに、収集された状態情報に基づいて、上記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する命令、を含むことができる。
【0137】
上記電力を制御する命令は、事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードを決定する命令、並びに、上記決定された制御モードによって、上記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する命令、を含むことができる。
【0138】
上記状態情報を収集する命令は、EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報をモニタリングする命令、を含むことができる。このとき、上記電力を制御する命令は、上記収集された状態情報に基づいて、上記EVに対する電力供給主体、上記電池システムに対する電力供給主体、上記電池システムの充放電及び上記PVシステムの出力制限(Curtailment)を制御する命令、を含むことができる。
【0139】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、上記電力を制御する命令は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、上記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、上記電力を制御する命令は、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する命令を含むことができる。
【0140】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、上記電力を制御する命令は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、上記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、上記電力を制御する命令は、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する命令を含むことができる。
【0141】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、上記電力を制御する命令は、EV充電量がPV発電量を超過すれば、上記PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、上記電池システムを待機状態に制御する命令を含むことができる。
【0142】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、上記電力を制御する命令は、PVシステムが発電状態でなければ、上記電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、上記電力を制御する命令は、グリッド電力でEVを充電するように制御する命令を含むことができる。
【0143】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、上記電力を制御する命令は、PVシステムが発電状態でなければ、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、上記電池システムを待機状態に制御する命令を含むことができる。
【0144】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、上記電力を制御する命令は、EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する命令を含むことができる。このとき、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、上記電力を制御する命令は、上記電池システムを待機状態に制御する命令を含むことができる。
【0145】
電力管理制御装置800はまた、入力インターフェース装置840、出力インターフェース装置850、記憶装置860などをさらに含むことができる。電力管理制御装置800に含まれたそれぞれの構成要素は、バス(bus)870によって接続されて互いに通信を行うことができる。
【0146】
ここで、プロセッサ810は、中央処理装置(central processing unit, CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(graphics processing unit, GPU)、又は本発明の実施形態に係る方法が行われる専用のプロセッサを意味することができる。メモリ(又は記憶装置)は、揮発性記憶媒体及び非揮発性記憶媒体のうちの少なくとも一つで構成されてよい。例えば、メモリは、読み出し専用メモリ(read only memory, ROM)及びランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)のうちの少なくとも一つで構成されてよい。
【0147】
本発明の実施形態に係る方法の動作は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードとして具現化することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み込まれることができるデータが保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散して、分散方式でコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが保存されて実行されてよい。
【0148】
本発明の一部の側面は、装置の文脈で説明されたが、それは、対応する方法による説明も示すことができ、ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴で示すことができる。方法ステップのいくつか又は全部は、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又は用いて)行われることができる。いくつかの実施形態において、最も重要な方法ステップの一つ以上は、このような装置によって行われることができる。
【0149】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0150】
100 エネルギー貯蔵システム(ESS)
200 太陽光発電(PV)システム
300 電気自動車(EV)充電システム
400 グリッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッド(Grid)、太陽光発電(PV、Photovoltaic)システム及び電気自動車(EV、Electric Vehicle)充電システムと連動する、エネルギー貯蔵システムであって、
一つ以上の電池を含む電池システム、
前記電池システムの電力を制御する電力調整装置(PCS)、並びに
前記グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集し、収集された状態情報に基づいて、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する、電力管理制御器(PMS)、を含む、エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記電力管理制御器は、
事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードによって、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記複数の制御モードは、
グリッド電力の購入費用の階級に基づいて事前定義された時間帯別の負荷階級とそれぞれ対応して定義される、請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記複数の制御モードは、
最大負荷区間と対応して定義された第1の制御モード、重負荷区間と対応して定義された第2の制御モード及び軽負荷区間と対応して定義された第3の制御モードを含んで構成される、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記電力管理制御器は、
EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報に基づいて、前記EVに対する電力供給主体、前記電池システムに対する電力供給主体、前記電池システムの充放電及び前記PVシステムの出力制限(Curtailment)を制御する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過しなければ、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記電力管理制御器は、
PVシステムが発電状態でありEV充電要求量がない状態であれば、
前記PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
PVシステムが発電状態でなければ、
前記電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEVを充電するように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
PVシステムが発電状態でなければ、
グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力管理制御器は、
EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、
ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、前記電池システムを待機状態に制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
前記電力管理制御器は、
所定の単位時間毎にグリッド電力の累積使用量をチェックし、グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値を超過してピークが発生したものと判断されれば、電池システムの貯蔵電力を放電させるように制御する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項15】
電池システム、電力調整装置(PCS)及び電力管理制御器(PMS)を含み、グリッド(Grid)、太陽光発電(PV、Photovoltaic)システム及び電気自動車(EV、Electric Vehicle)充電システムと連動する、エネルギー貯蔵システムの制御方法であって、
前記電力管理制御器が、グリッド、PVシステム、EV充電システム、電池システム及びPCSのうちの一つ以上に関する状態情報を収集するステップ、並びに
前記電力管理制御器が、収集された状態情報に基づいて、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御するステップ、を含む、エネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項16】
前記電力を制御するステップは、
事前定義された複数の制御モードのうち、現在の時間と対応する制御モードを決定するステップ、並びに
前記決定された制御モードによって、前記PVシステム、EV充電システム及び電池システムの電力を制御するステップ、を含む、請求項15に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項17】
前記複数の制御モードは、
グリッド電力の購入費用の階級に基づいて事前定義された時間帯別の負荷階級とそれぞれ対応して定義され、
最大負荷区間と対応して定義された第1の制御モード、重負荷区間と対応して定義された第2の制御モード及び軽負荷区間と対応して定義された第3の制御モードを含んで構成される、請求項16に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項18】
前記状態情報を収集するステップは、
EVの充電量、PV発電量及び電池状態情報をモニタリングするステップ、を含み、
前記電力を制御するステップは、
前記収集された状態情報に基づいて、前記EVに対する電力供給主体、前記電池システムに対する電力供給主体、前記電池システムの充放電及び前記PVシステムの出力制限(Curtailment)を制御するステップ、を含む、請求項15に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項19】
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過しなければ、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、EV充電後に残余電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項20】
前記電力を制御するステップは、
PVシステムが発電状態でありEV充電要求量がない状態であれば、
前記PVシステムの発電電力で電池を充電するように制御するが、前記電池が満充電状態であれば、前記PVシステムの発電電力がグリッドに供給されないように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項21】
現在の時間が最大負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項22】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、電池システムの貯蔵電力でEV充電量の不足分を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項23】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電量がPV発電量を超過すれば、
前記PVシステムの発電電力でEVを充電し、グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項24】
現在の時間が最大負荷区間又は重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
PVシステムが発電状態でなければ、
前記電池システムの貯蔵電力でEVを充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOC以下であれば、グリッド電力でEVを充電するように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項25】
現在の時間が軽負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
PVシステムが発電状態でなければ、
グリッド電力でEV充電量の不足分を充電するように制御し、前記電池システムを待機状態に制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項26】
現在の時間が重負荷区間に該当する場合、
前記電力を制御するステップは、
EV充電要求量がなく、PVシステムが発電状態でなければ、
ピーク限界範囲内でグリッド電力で電池を充電するように制御するが、電池の充電状態が予め定義されたしきいSOCを超過すれば、前記電池システムを待機状態に制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項27】
前記電力を制御するステップは、
所定の単位時間毎にグリッド電力の累積使用量をチェックし、グリッド電力の累積使用量が予め定義されたピーク限界値を超過してピークが発生したものと判断されれば、電池システムの貯蔵電力を放電させるように制御するステップを含む、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法。
【請求項28】
電池システム及び電力調整装置(PCS)を含み、グリッド(Grid)、太陽光発電(PV、Photovoltaic)システム及び電気自動車(EV、Electric Vehicle)充電システムと連動するエネルギー貯蔵システム内に位置する電力管理制御装置であって、
少なくとも一つのプロセッサ、
少なくとも一つの命令を格納するメモリ、を含み、
前記少なくとも一つの命令は、前記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行されると、前記電力管理制御装置に請求項15から27のうちのいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法を実行させる、電力管理制御装置。
【請求項29】
請求項15から27のうちのいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システムの制御方法を前記電力管理制御器に実行させるためのコンピュータプログラム。
【国際調査報告】