(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】二酸化炭素の生成物へのガス発酵変換
(51)【国際特許分類】
C12P 5/02 20060101AFI20240920BHJP
C12P 7/40 20060101ALN20240920BHJP
C12P 7/04 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
C12P5/02
C12P7/40
C12P7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518878
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 US2022076908
(87)【国際公開番号】W WO2023056218
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518403425
【氏名又は名称】ランザテク,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153693
【氏名又は名称】岩田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】ロジン,リチャード ルッセル
(72)【発明者】
【氏名】ユ,イェン-ル
(72)【発明者】
【氏名】ローラグ,ショーン アレックス
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,テイラー クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】コンラド,ロバート ジョン
【テーマコード(参考)】
4B064
【Fターム(参考)】
4B064AB04
4B064AC02
4B064AC03
4B064AC04
4B064AC05
4B064AC33
4B064AD04
4B064AD06
4B064CA02
4B064CC01
4B064CC21
4B064CD01
4B064DA16
(57)【要約】
少なくとも1つのガス発酵生成物を生成するために、CO
2源及び水素源から、ガス発酵供給流を調製するために、低変換rWGSを使用するための統合プロセス及びシステム。低変換rWGS反応器は、(1)高温動作を必要とするrWGS反応器よりも幅広い無機触媒の選択を使用してもよく、(2)燃焼加熱器の代わりに電気加熱器を使用して、低変換rWGS反応器への供給流を予熱してもよく、(3)rWGS反応で生成される水の量を低減することによって、rWGS触媒寿命を延長してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス発酵によって生成物を生成するための方法であって、
a.CO
2及び水素を含む組合せ供給流を予熱器に通すステップであって、前記組合せ供給流が、CO
2を含む第一の供給流及び水素を含む第二の供給流を含むステップと、
b.前記組合せ供給流を逆水性ガスシフト反応器流出流と熱交換して、前記組合せ供給流を部分的に加熱し、前記逆水性ガスシフト反応器流出流を部分的に冷却するステップと、
c.前記部分的に加熱された組合せ供給流を電気加熱器に通して、前記組合せ供給流を、低変換逆水性ガスシフト反応器の所定の入口温度に完全に加熱するステップと、
d.前記完全に加熱された組合せ供給流を前記低変換逆水性ガスシフト反応器に通して、CO、CO
2、水素、及び水を含む、前記逆水性ガスシフト反応器流出流を生成するステップであって、前記低変換逆水性ガスシフト反応器でのCO
2のCOへの変換が、約20~約60質量パーセントであるステップと、
e.前記部分的に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を冷却器に通して、完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を生成するステップと、
f.前記完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流から水を除去し、少なくとも1つのバイオ触媒阻害剤を除去して、シンガス供給流を生成するステップと、
g.前記シンガス供給流をガス発酵プロセスに通して、CO、CO
2、及び水素から選択される未反応反応物質を含む、ガス発酵生成物流及びガス発酵オフガス流を発生させるステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記ガス発酵オフガス流を、前記ガス発酵プロセスにリサイクルすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、約600℃未満、約500℃未満、約400℃未満、約350℃未満、約310℃未満、又は約300℃未満の温度で動作される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、銅又は酸化銅を含む触媒を使用する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記CO
2を含む第一の供給流、前記水素を含む第二の供給流、並びに/又は前記CO
2及び水素を含む組合せ供給流を、圧縮することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記CO2を含む第一の供給流、前記水素を含む第二の供給流、並びに/又は前記CO
2及び水素を含む組合せ供給流から、1つ以上の汚染物質を除去することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記シンガス供給流が、約5~約8bargの範囲の圧力である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記シンガス供給流が、約3~約4bargの範囲の圧力である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記シンガス供給流が、約5:1:1のH
2:CO:CO
2のモル比を含む、請求項1、7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記組合せ供給流が、約3:1からのH
2:CO
2のモル比を含む、請求項1、7、又は8に記載の方法。
【請求項11】
前記シンガス供給流が、約5:1:1のH
2:CO:CO
2のモル比を含み、前記組合せ供給流が、約3:1からのH
2:CO
2のモル比を含む、請求項1、7又は8に記載の方法。
【請求項12】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、固定床断熱反応器である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記固定床断熱材が、単一の触媒床を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、ステージ間加熱を用いずに、ワンスルー動作モードで動作される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記ガス発酵生成物流が、下流処理システムを通して、別の生成物を生成する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記下流処理システムが、オレフィンプラント、ポリオレフィンプラント、ポリプロピレンプラント、ポリエチレンプラント、ポリマープラント、高密度ポリエチレンプラント、オリゴマープラント、ニトリルプラント、酸化物プラント、トッピング精製所、ハイドロスキミング精製装置、転換精製装置、深層転換精製装置、コーキングユニット、ストリームクラッカー、又はスチレンプラントから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ガス発酵プロセスが、栄養液中のC1-固定微生物を使用する、微生物発酵プロセスである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項18】
前記C1固定微生物が、好気性又は嫌気性である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記C1-固定微生物が、クロストリジウム、モレラ、カルボキシドサーマス、ルミノコッカス、アセトバクテリウム、ユーバクテリウム、ブチリバクテリウム、オキサバクター、メタノサルシナ、メタノサルシナ、デスルフォトマクラム、及びカプリアビダスの属から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ガス発酵生成物流が、エチレン、エタノール、プロパン、アセテート、1-ブタノール、酪酸塩、2,3-ブタンジオール、乳酸塩、ブテン、ブタジエン、メチルエチルケトン(2-ブタノン)、アセトン、イソプロパノール、脂質、3-ヒドロキシプロピオネート(3-HP)、テルペン、イソプレン、脂肪酸、2-ブタノール、1,2-プロパンジオール、1プロパノール、1ヘキサノール、1オクタノール、コリスメート由来産物、3ヒドロキシ酪酸塩、1,3ブタンジオール、2-ヒドロキシイソ酪酸塩又は2-ヒドロキシイソブチル酸、イソブチレン、アジピン酸、1,3ヘキサンジオール、3-メチル-2-ブタノール、2-ブテン-1-オール、イソ吉草酸、イソアミルアルコール、及びモノエチレングリコール、並びにそれらの任意の組合せから選択される、少なくとも1つの生成物を含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月3日に出願された、米国仮特許出願第63/251,681号の利益を主張し、この全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、ガス発酵を使用してCO2を生成物に変換する、統合プロセスに関し、ガス発酵バイオリアクターを通過する前に、CO2の20%~60%をCOに変換するために、低変換逆水性ガスシフトが使用される。
【背景技術】
【0003】
差し迫った気候変動の緩和は、石炭及び石油のような化石燃料の燃焼を通じて生産されるものなど、温室効果ガス(GHG)の排出の劇的な減少を必要とする。燃料及び化学物質の持続可能な供給源は、現在、化石炭素への依存を著しく置き換えるには不十分である。ガス発酵は、CO、CO2、及び/又はH2などのガスを、持続可能な燃料及び化学物質に、生物学的に固定するための代替的なプラットフォームとして、そのギャップを埋めることが浮上している。特に、ガス発酵技術は、都市の固体廃棄物若しくは農業廃棄物などのガス化された炭素含有物質、又は製鋼業、石油精製、及び石油化学プロセスからのオフガスなどの産業廃棄物ガスを含む、幅広い供給原料を利用して、エタノール、航空燃料、化学物質、及び様々な他の製品を生産することができる。ガス発酵単独で、原油使用の30%を置き換え、全世界のCO2排出量を10%減少させることができる。任意の破壊的技術と同様に、この可能性を完全に達成する前に、多くの技術的課題を克服する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
CO2源及び水素源から、少なくとも1つのガス発酵生成物を生成するための、プロセスが提供される。プロセスは、CO2及び水素を含む組合せ供給流を、予熱器に通過させることを含み、組合せ供給流は、CO2を含む第一の供給流、及び水素を含む第二の供給流を含む。組合せ供給流を逆水性ガスシフト反応器流出流と熱交換して、組合せ供給流を部分的に加熱し、逆水性ガスシフト反応器流出流を部分的に冷却する。部分的に加熱された組合せ供給流を、電気加熱器に通して、組合せ供給流を、低変換逆水性ガスシフト反応器の所定の入口温度に、完全に加熱する。完全に加熱された組合せ供給流を、低変換逆水性ガスシフト反応器に通して、CO、CO2、水素、及び水を含む、逆水性ガスシフト反応器流出流を生成し、低変換逆水性ガスシフト反応器における、CO2のCOへの変換は、約20~約60質量パーセントである。部分的に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を、冷却器に通して、完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を生成する。水は、完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流から除去され、少なくとも1つのバイオ触媒阻害剤も除去されて、シンガス供給流を生成する。シンガス供給流をガス発酵プロセスに通して、ガス発酵生成物流、及びCO、CO2、及び水素から選択される未反応反応物質を含む、ガス発酵オフガス流を生成する。ガス発酵オフガス流は、ガス発酵プロセスにリサイクルされてもよい。低変換逆水性ガスシフト反応器は、約600℃未満、約500℃未満、約400℃未満、約350℃未満、約310℃未満、又は約300℃未満の温度で動作されてもよい。低変換逆水性ガスシフト反応器は、銅又は酸化銅を含む、無機触媒を使用してもよい。プロセスは、CO2を含む第一の供給流、水素を含む第二の供給流、並びに/又はCO2及び水素を含む組合せ供給流を、圧縮することを更に含んでもよい。プロセスは、CO2を含む第一の供給流、水素を含む第二の供給流、並びに/又はCO2及び水素を含む組合せ供給流から、1つ以上の汚染物質を除去することを更に含んでもよい。シンガス供給流は、約5~約8bargの範囲の圧力であってもよい。シンガス供給流は、約3~約4bargの範囲の圧力であってもよい。シンガス供給流は、約5:1:1のH2:CO:CO2のモル比を有してもよい。組合せ供給流は、約3:1のH2:CO2のモル比を含んでもよい。シンガス供給流は、約5:1:1のH2:CO:CO2のモル比を含んでもよく、組合せ供給流は、約3:1のH2:CO2のモル比を含んでもよい。低変換逆水性ガスシフト反応器は、固定床断熱反応器であってもよい。固定床断熱材は、単一の触媒床を備えてもよい。低変換逆水性ガスシフト反応器は、ステージ間加熱を用いずに、動作モードを通して1回で動作されてもよい。ガス発酵生成物流は、別の生成物を生成するために、下流処理システムへと通されてもよい。下流処理システムは、オレフィンプラント、ポリオレフィンプラント、ポリプロピレンプラント、ポリエチレンプラント、ポリマープラント、高密度ポリエチレンプラント、オリゴマープラント、ニトリルプラント、酸化物プラント、トッピング精製装置、ハイドロスキミング精製装置、転換精製装置、深層転換精製装置、コーキングユニット、ストリームクラッカー、又はスチレンプラントから選択される。ガス発酵プロセスは、栄養液中のC1-固定微生物を使用する、微生物発酵プロセスであってもよい。C1を固定する微生物は、好気性又は嫌気性であってもよい。C1-固定微生物は、クロストリジウム属、ムーレラ属、カルボキシドテルムス属、ルミノコッカス属、アセトバクテリウム属、ユーバクテリウム属、ブチリバクテリウム属、オキソバクター属、メタノサルシナ属、デスルホトマキュラム属、及びカプリアビダス属から選択されてもよい。ガス発酵生成物流は、エチレン、エタノール、プロパン、アセテート、1-ブタノール、ヒドロキシプロピオン酸塩酪酸塩、2,3-ブタンジオール、乳酸塩、ブテン、ブタジエン、メチルエチルケトン(2-ブタノン)、アセトン、イソプロパノール、脂質、3-ヒドロキシプロピオネート(3-HP)、テルペン、イソプレン、脂肪酸、2-ブタノール、1,2-プロパンジオール、1プロパノール、1ヘキサノール、1オクタノール、コリスメート由来産物、3ヒドロキシ酪酸塩、1,3ブタンジオール、2-ヒドロキシイソ酪酸塩又は2-ヒドロキシイソブチル酸、イソブチレン、アジピン酸、1,3ヘキサンジオール、3-メチル-2-ブタノール、2-ブテン-1-オール、イソ吉草酸、イソアミルアルコール、及びモノエチレングリコール、並びにそれらの任意の組合せから選択される、少なくとも1つの生成物を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示のプロセスは、フィッシャートロプシュプロセス又はメタノール合成プロセスを用いた、より従来的な方法の使用と比較して、ガス発酵プロセスの方法に使用される場合、逆水性ガスシフトプロセス(rWGS)によって生成されるガス流の異なる要件に起因して、技術的及び経済的の、両方の複数の利点を提供する。一般的に、rWGSプロセスは、CO2をCOに変換する目的で使用される。水性ガスシフト反応は平衡反応であると言えるが、業界では、「正」反応又は「逆」反応というものはなく、今日使用されるような反応のより一般的な要望として、CO2及び水素を形成するための、CO及び水の反応を指すために、「水性ガスシフト」という用語が通常使用されている。したがって、「「逆」水性ガスシフト」という用語は、CO2及び水素を反応させて、CO及び水を形成するという要望を指すことが理解される。CO2は豊富で安価であり、(1)CO2を大気中に放出する代わりにCO2を利用し、(2)大気中のCO2の既存量がすでに減少する、必要性がある。rWGSプロセスは、CO及びH2Oを生成するために、CO2の可逆的水素化である水性ガスシフト反応を実施する、触媒プロセスであるため、rWGSプロセスは、COを必要とするプロセスのための、上流オプションである。rWGSを使用することにより、必要とされるCOを、安価で、豊富で、及び多くの場合に廃棄物である、CO2から生成することが可能になる。
【0007】
今日では、rWGSは、CO及び水素を様々な分子量の炭化水素に変換する、フィッシャートロプシュプロセスの方法、並びにCO及び水素をメタノールに変換する、メタノール合成プロセスの方法に一般的に使用される。これらの方法では、rWGSプロセスにおけるCO2のCOへの必要な変換は、典型的には、75%超であり、場合によっては、90%超である。したがって、合成ガス又は「シンガス」は、未反応COのより小さな部分を有する、COの大部分である。rWGS反応は、中程度に吸熱性であるため、より高い動作温度で熱力学的に好ましい。典型的には、約700℃~850℃の範囲の温度は、フィッシャートロプシュ及びメタノール合成用途のための、有意な量のCOを生成するのに好ましい。選択された触媒のみがこれらの温度で動作する可能性があり、また、流れ及び系をこれらの温度に加熱するために、高価な設備及びユーティリティが必要とされる。
【0008】
ガス発酵の分野における開発は、ガス発酵用途で使用するための、rWGSプロセスによって提供される必要がある、ガスの比率の変化をもたらした。最も注目すべきは、フィッシャートロプシュ要件である、CO2からCOへの90%超の変換から、CO2からCOへの約20~約60%変換への、有意に異なる範囲への移行である。本明細書で使用される場合、CO2からCOへの変換を記載するために使用される「低」という用語は、約20%~約60%の変換を含むことを意味する。低変換rWGSによって生成されるシンガスは、上述の組成物とは遥かに異なる組成を有する。低変換rWGSでは、結果として生じるシンガスは、COが比較的少ないCOでは、大部分がCOではなく、代わりに、一部、等しい部分、又はわずかにより多く生成されるCOでは、大部分が未反応のCO2であってもよい。複数のエンジニアリング、動作、及びコストの利点は、rWGSプロセスの新しい流出要件から生じる。特に注目すべきは、変換要件が低い時の、rWGSユニットの動作温度の変化である。動作温度は同様に低下し、rWGSユニットは、約300℃、325℃、350℃、400℃、425℃、450℃、475℃、500℃、525℃、550℃、又は600℃の温度で動作してもよい。好適な温度範囲は、300℃~600℃、400℃~550℃、425℃~525℃、及び450℃~500℃、310℃~450℃、310℃~425℃、300℃~450℃を含む。より低い温度では、rWGSプロセスは、フィッシャートロプシュ用途のためのrWGSプロセスを動作させるために必要な燃焼加熱器の代わりに、電気加熱器を使用して加熱されてもよい。電気加熱器は、燃焼加熱器よりも遥かに安価であり、より重要なことに、動作のためにより少ないエネルギーを消費する。更に、より低い動作温度では、rWGSプロセスは、ステージ間加熱を有する複数の反応器ステージを有する必要はなく、代わりに、低温で単一のステージとして設計して、ステージ間加熱を排除してもよい。同様に、高温用途で多くの場合使用される、管状反応器の必要性が排除される。1つの簡素な断熱固定床反応器で十分であり得る。熱力学は、600℃の反応器入口温度を有する、簡素な断熱固定床反応器を使用したrWGSプロセスが、約475℃の反応器出口温度で、35%のCO2変換を提供し得ることを示す。簡素な断熱固定床反応器は、単一の触媒床を有してもよい。断熱固定床反応器は、ステージ間加熱を用いずに、ワンスルー動作モードで動作されてもよい。これは、低温反応器を使用する傾向があるが、高温反応器との組合せである、従来のrWGSプロセスよりも著しく改善される。本開示は、高温rWGS反応器の排除を可能にする。
【0009】
更に、より低い動作温度に起因して、触媒のより幅広い選択が使用されてもよい。熱安定性及び高い酸素移動度により、鉄
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は、多くの場合、高温のための最も成功したクラスの触媒の1つとみなされる。こうした触媒には、Fe/Al2O3、Fe-Cu/Al2O3、Fe-Cs/Al2O3、Fe-Cu-Cs/Al2O3が含まれる。より低い温度範囲動作については、銅又は酸化銅は、これらのより低い温度での触媒支持体による反応中間体の吸着の強化により、成功するとみなされることが多い。最も一般的な支持体は、アルミナ、又は酸化亜鉛を有するアルミナである。白金などの貴金属も、使用される。試料触媒組成物は、32~335 CuO、34~53%のZnO、及び15~33%のAl2O3を含む。
【0010】
もちろん、代替的な実施形態では、高温rWGSユニットが、現在の典型的な産業用途と比較して、より低い変換要件を満たすためにのみ、変更された動作で依然として使用されてもよい。例えば、rWGSユニットは、サイズが小さくてもよく、より高い空間速度で動作されてもよく、又はガス発酵ユニットへの最終的な供給流の一部分のみで動作されてもよい。
【0011】
rWGSの低変換に移動することによって認識される別の技術的効果は、副産物として生成される水の量が、同様に減少することである。水は、多くの触媒を不活性化することが知られており、生成される水の量を減少させると、触媒寿命が延長し得る。更に、生成された水は、ガス発酵プロセスにも使用され得るが、系統的に、水は、生成されたシンガスと同じ子細な流れスキーム経路には従わない。したがって、水は、シンガスから分離されなければならない。低変換rWGSプロセスでは、より少ない水が生成されるため、水分離装置は、水の生成に合わせてスケールダウンされてもよく、それによって、資本投資が低減され、運用コストが低減される。分離される水が少ないと、恐らく、より広範囲の気液分離技術が使用に好適であり得ることが想定される。理論上のプレートがより少ない蒸留、及びノックアウトポット、沈降機、ベーンセパレータ、ミスト分離器、遠心分離機、サイクロン分離器、コアレッサなどの重力分離装置が、利用可能であってもよい。
【0012】
ガス発酵のための方法において低変換rWGSプロセスを使用するフロースキームにおける、更に別の技術的利点は、熱統合の機会である。rWGSプロセスからの流出流内の残留熱は、例えば、rWGSプロセスへの供給流と熱交換され、それによって、全体的なエネルギー及び動作コストが低減されてもよい。
【0013】
ここで
図1を参照すると、本開示は、一実施形態に関連して記載されているが、範囲を限定することを意図するものではない。統合された低変換rWGS及びガス発酵プロセス100は、CO
2源105、及び水素源110で開始する。CO
2供給流101を提供するCO
2源105は、工業的プロセスの副産物として、又は他の供給源、例えば、燃焼機関排気ガス、バイオガス、埋め立てガス、直接空気回収、若しくは電気分解から得られる、廃ガスであってもよい。特定の実施形態において、工業的プロセスは、鋼材製造などの鉄金属製品製造、非鉄製品製造、石油精製、電力生産、カーボンブラック生産、紙・パルプ製造、アンモニア生産、メタノール生産、コークス製造、石油化学生産、炭水化物発酵、セメント製造、好気性消化、嫌気性消化、触媒プロセス、天然ガス抽出、セルロース発酵、油抽出、地質学的貯留層の工業的プロセス、天然ガス、石炭及び石油などの化石資源処理、又はそれらの任意の組合せから選択される。工業的プロセス内の特定の処理工程の例には、触媒再生、流動触媒クラッキング、及び触媒再生が含まれる。空気分離及び直接空気回収は、他の適切な工業プロセスである。鋼材及び合金鉄製造での具体的な例には、高炉ガス、塩基性精錬炉ガス、コークス炉ガス、鉄炉頂ガスの直接還元、及び製錬鉄からの残留ガスが含まれる。他の一般的な例には、天然ガス、石油、又は石炭の燃焼ボイラー又は加熱器などの、燃焼ボイラー及び燃焼加熱器からの燃焼排ガス、及びガスタービンの排気が含まれる。これらの実施形態では、CO
2は、任意の既知の方法を使用して、それが大気中に放出される前に、工業的プロセスから捕捉されてもよい。いくつかの事例では、CO
2源は、改質、部分酸化、又はガス化プロセスから得ることができる、CO
2リッチシンガスとして、CO
2供給流101を生成してもよい。ガス化プロセスの例には、石炭のガス化、精製所残渣のガス化、石油コークスのガス化、バイオマスのガス化、リグノセルロース物質のガス化、廃木材のガス化、黒液のガス化、都市固形廃棄物のガス化、都市液体廃棄物のガス化、工業固形廃棄物のガス化、工業液体廃棄物のガス化、廃棄物由来燃料のガス化、下水のガス化、下水汚泥のガス化、廃水処理からの汚泥のガス化、バイオガスのガス化、例えば、バイオガスが添加されて別の材料のガス化を増強する場合などが含まれる。改質プロセスの例には、水蒸気メタン改質、水蒸気ナフサ改質、天然ガスの改質、バイオガスの改質、埋立地ガスの改質、ナフサ改質、及び乾式メタン改質が含まれる。部分酸化プロセスの例には、熱及び触媒部分酸化プロセス、天然ガスの触媒部分酸化、炭化水素の部分酸化が含まれる。都市固形廃棄物の例には、タイヤ、プラスチック、並びに靴、服、及び織物などに含まれる繊維が含まれる。都市固形廃棄物は、単に埋立地タイプの廃棄物であってもよく、分類されてもよく、又は分類されなくてもよい。バイオマスの例には、リグノセルロース物質、及び微生物バイオマスが含まれてもよい。リグノセルロース物質は、農業廃棄物、及び森林廃棄物を含んでもよい。
【0014】
水素源105は、水素供給流102を提供する。水素源105は、水の電気分解又は光電気分解など、電気分解によって生成される水素であってもよい。水素源105は、熱化学的、電気分解、直接太陽水分割、及び/又は生物学的などの、多くの源の1つ以上であってもよい。一般的な供給源には、副産物として水素を生成する、他の容易に利用可能なプロセスユニットが含まれる。改質の例には、蒸気、部分酸化、自己熱、プラズマ、及び水相が含まれる。非化石源は、持続可能性の観点から特に有利である。
【0015】
CO
2供給流101及び水素供給流102は、CO
2及び水素組合せ供給流103に、組合わされてもよい。しかしながら、こうした組合せは必要とされず、各供給流101及び102は、以下に記載する予熱器125まで、独立したままであってもよい。各供給流101及び102を独立に保つ選択肢(
図1では図示されず)は、供給流の1つのみが圧縮及び/又は汚染物質除去を必要とする時に、重要である。このようにして、圧縮又は汚染物質除去を必要とする供給流のみを処理する必要があり、それによって、資本及び運用コストが節約される。説明を容易にするために、
図1は、CO
2供給流101及び水素供給流102が、CO
2及び水素組合せ供給流103に組合わされる、実施形態を図示する。
【0016】
CO2及び水素組合せ供給流103を、コンプレッサ115に通して、所望の圧力にする。もちろん、CO2源105及び/又は水素源110によって、CO2及び水素組合せ供給流103が既に好適な圧力にある場合、コンプレッサ115は必要ではない場合がある。コンプレッサ115は、単一のコンプレッサであってもよく、又は2つ以上のコンプレッサのセットであってもよい。コンプレッサ115は、供給流103をrWGS反応器135の所望の圧力に圧縮するのに十分な仕様で選択される。コンプレッサ115によって提供される圧縮された供給流116は、任意選択的な、第一の汚染物質除去ユニット120に通される。第一の汚染物質除去ユニット120は任意選択的であり、rWGS触媒又は恐らくガス発酵バイオ触媒を害し得る、汚染物質が存在する状況でのみ使用される。CO2供給流101のみ又は水素供給流102のみが、任意選択的な第一の除去ユニット120で除去される必要のある汚染物質を含有する場合、供給流101及び102を、組合せ流れ103に組合せない選択肢が有利であり、それによって、任意選択的な第一の除去ユニット120のサイズ又はコストが低減され得ることが理解される。任意選択的な第一の除去ユニット120は、懸念される汚染物質を除去するのに好適な、任意のタイプのユニットであってもよい。例えば、任意選択的な第一の除去ユニット120は、下流の無機触媒又は恐らく生物学的触媒の不活性化を恐れることなく処理され得る、非有害な生成物を形成するために、汚染物質を反応させる吸着ユニット又は触媒ユニットであってもよい。吸着技術を使用する場合などの、汚染物質の物理的除去は、任意選択的な第一の汚染物質流123をもたらす場合がある。圧縮された清浄な供給流121は、任意選択的な第一の除去ユニット120からの、流出物として生成される。
【0017】
圧縮された清浄な供給流121は、予熱器125に通される。予熱器125は、間接熱交換器などの熱交換器であってもよい。圧縮された清浄な供給流121は、予熱器125内でrWGS反応器流出物136と熱交換されて、rWGS反応器流出物136に残留する熱を捕捉及び使用する。熱統合はエネルギー損失を最小化し、必要な場所で、排出された熱を移転し、エネルギーコストの全体的な削減をもたらす。部分的に加熱された圧縮された清浄な供給流126を、電気加熱器130に通して、流れの温度を、CO2のCOへの所望の所定のパーセント変換のための、rWGS反応器135の動作温度の調整を含む、rWGS反応に必要な温度にする。電気加熱器130を使用することは、燃焼加熱器の必要性が排除されているため、以前の流れスキームよりも著しく進歩している。電気加熱器130は、強化された程度の持続可能性を提供する、燃焼排出物の排除を含む、燃焼加熱器よりも経済的及び環境的な利益を提供する。
【0018】
電気加熱器130からの完全に加熱された圧縮された清浄な供給流131は、rWGS反応器135に通される。上述のように、rWGS反応器135は、有利なことに、フィッシャートロプシュプロセス又はメタノール合成プロセスの動作に使用されるものと比較して、低温で動作する。rWGS反応器135は、上述の低変換rWGS反応器である。rWGS反応器135に好適な触媒及び動作条件、並びに反応器のタイプ及び動作モードを上記で考察する。rWGS反応器流出物136は、所望のCO濃度で発生したシンガスを含有する。rWGS反応器流出物136は、予熱器125内で熱交換されて、上述のように残留熱を回収し、部分的に冷却されたrWGS反応器流出物137をもたらす。例示的な清浄な供給流131は、約3:1のH2:CO2モル比を含有してもよい。例示的なrWGS流出物136は、約5:1:1のH2:CO:CO2モル比を含有してもよい。例示的なrWGS流出物136は、約5~約8bargの範囲の圧力であってもよい。別の例示的なrWGS流出物136は、約3~約4bargの範囲の圧力であってもよい。例示的なrWGS流出物136は、周囲温度又はその付近(±約5℃)であってもよい。別の例示的なrWGS流出物136は、水で飽和されてもよい。
【0019】
水はrWGS反応によって生成され、部分的に冷却されたrWGS反応器流出物137に存在する水の少なくとも一部分は、除去されるべきである。したがって、部分的に冷却されたrWGS反応器流出物137を、空気冷却器140に通して、部分的に冷却されたrWGS反応器流出物137の温度を更に低下させ、完全に冷却されたrWGS反応器流出物141を生成する。温度の低下は、2つの目的を果たす。第一に、シンガスからの水の分離は、より低い温度でより容易に達成され、第二に、ガス発酵プロセス155は、低変換rWGSに必要な温度よりもはるかに低い温度で動作する。完全に冷却されたrWGS反応器流出物を、水ノックアウト145に通して、水流147をシンガス流146から分離する。水流147は、ガス発酵プロセス155に経路指定され、ガス発酵プロセス155内で使用されることによって、全体的なプロセスに更に統合されてもよい(
図1に示されない統合)。
【0020】
商業的に重要なガス発酵プロセスは、多くの場合、嫌気性バイオ触媒を使用する。したがって、シンガス流146を、酸素を除去するために、任意選択的な第二の汚染物質除去ゾーン150に通してもよい。rWGS動作の結果として、他の汚染物質も存在してもよく、これは、第二の汚染物質除去ゾーン150で除去される必要があり得る。ガス発酵プロセス155が嫌気性バイオ触媒を使用する実施形態では、酸素流152は、第二の汚染物質除去ゾーン150から除去される。更なる統合は、プロセス全体の他の場所で、酸素流152を使用することによって可能であってもよい。例えば、酸素流152は、CO2源105の一部であるガス化器に、使用されてもよい。任意の第二の汚染物質除去ゾーン150で除去される他の汚染物質には、シンガス流146に見出され得る、微生物阻害剤及び/又はバイオ触媒阻害剤が含まれる。特定の実施形態では、汚染物質物には、限定されないが、硫黄化合物、芳香族化合物、アルキン、アルケン、アルカン、オレフィン、窒素化合物、リン含有化合物、粒子状物質、固体、酸素、ハロゲン化化合物、ケイ素含有化合物、カルボニル、金属、アルコール、エステル、ケトン、過酸化物、アルデヒド、エーテル、及びタールが含まれる。
【0021】
清浄なシンガス流151は、清浄なシンガス流151の、CO及びCO2成分に化学的変化を生成する代謝プロセスである、ガス発酵プロセス155に通される。ガス発酵プロセス155は、1つ以上のC1-固定微生物を、バイオ触媒として使用する。ガス発酵プロセス155は、1つ以上のバイオリアクターを含んでもよく、バッチモード又は連続モードで動作されてもよい。バッチ発酵では、バイオリアクターは、微生物バイオ触媒(複数可)と共に原材料炭素源で充填され、生成物は、発酵が完了するまでバイオリアクター内に留まり、そこで生成物が抽出され、バイオリアクターは、次の「バッチ」を開始する前に洗浄される。連続発酵では、発酵プロセスがより長期間にわたって延長され、発酵中に生成物及び/又は代謝産物が抽出される。一実施形態では、発酵プロセスは、連続モードで動作される。ガス発酵プロセス155で使用するための好適なバイオ触媒は既知であり、本明細書で詳細に論じられる。更なる詳細は、以下の参考文献に見出されうる。ガス発酵プロセス155のバイオ触媒として使用される微生物は、エタノール(国際公開第2007/117157号)、酢酸塩(国際公開第2007/117157号)、1-ブタノール(国際公開第2008/115080号、国際公開第2012/053905号、及び国際公開第2017/066498号)、酪酸塩(国際公開第2008/115080号)、2,3-ブタンジオール(国際公開第2009/151342号、及び国際公開第2016/094334号)、乳酸塩(国際公開第2011/112103号)、ブテン(国際公開第2012/024522号)、ブタジエン(国際公開第2012/024522号)、メチルエチルケトン(2-ブタノン)(国際公開第2012/024522号、及び国際公開第2013/185123号)、エチレン(国際公開第2012/026833号)、アセトン(国際公開第2012/115527号)、イソプロパノール(国際公開第2012/115527号)、脂質(国際公開第2013/036147号)、3-ヒドロキシプロピオネート(3-HP)(国際公開第2013/180581号)、イソプレンを含むテルペン(国際公開第2013/180584号)、脂肪酸(国際公開第2013/191567号)、2-ブタノール(国際公開第2013/185123号)、1,2-プロパンジオール(国際公開第2014/036152号)、1-プロパノール(国際公開第2017/066498号)、1-ヘキサノール(国際公開第2017/066498号)、1-オクタノール(国際公開第2017/066498号)、コリスメート由来産物(国際公開第2016/191625号)、3-ヒドロキシ酪酸塩(国際公開第2017/066498号)、1,3-ブタンジオール(国際公開第2017/066498号)、2-ヒドロキシイソ酪酸塩又は2-ヒドロキシイソブチル酸(国際公開第2017/066498号)、イソブチレン(国際公開第2017/066498号)、アジピン酸(国際公開第2017/066498号)、1,3-ヘキサンジオール(国際公開第2017/066498号)、3-メチル-2-ブタノール(国際公開第2017/066498号)、2-ブテン-1-オール(国際公開第2017/066498号)、イソバレレート(国際公開第2017/066498号)、イソアミルアルコール(国際公開第2017/066498号)、及びモノエチレングリコール(国際公開第2019/126400号)を生産することがきるか、又はこれらを生産するように操作することができる。特定の実施形態では、バイオ触媒は、C1炭素源から1つ以上の生成物を生成する能力を有する、C1-固定微生物である。例えば、好適な微生物は、アセトバクテリウム属、アルカリバキュラム属、ブラウチア属、ブチリバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属、ムーレラ属、オキソバクター属、スポロムーサ属、及びサーモアナエロバクター属からなる群から選択される属の種であってもよい。特に、微生物は、Acetobacterium woodii、Alkalibaculum bacchii、Blautia producta、Butyribacterium methylotrophicum、Clostridium aceticum、Clostridium autoethanogenum、Clostridium carboxidivorans、Clostridium coskatii、Clostridium drakei、Clostridium formicoaceticum、Clostridium ljungdahlii、Clostridium magnum、Clostridium ragsdalei、Clostridium scatologenes、Eubacterium limosum、Moorella thermautotrophica、Moorella thermoacetica、Oxobacter pfennigii、Sporomusa ovata、Sporomusa silvacetica、Sporomusa sphaeroides、及びThermoanaerobacter kivuiからなる群から選択される親細菌に由来してもよい。特定の実施形態では、微生物は、Clostridium autoethanogenum、Clostridium ljungdahlii、及びClostridium ragsdalei種を含む、クロストリジウム菌のクラスターに由来する。
【0022】
清浄なシンガス流151は、所望の標的量のCO、例えば、約1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、又は90mol%のCOを含む。清浄なシンガス流151は、約20~80、30~70、又は40~60mol%のCOなど、ある範囲のCOを含んでもよい。いくつかの実施形態では、清浄なシンガス流151は、約1~10、又は1~20mol%のCOなど、比較的低い量のCOを含んでもよい。微生物バイオ触媒は、典型的には、基質中のCOの少なくとも一部分を生成物に変換する。いくつかの実施形態では、清浄なシンガス流151は、COを含まないか、又は実質的に含まない(<1mol%)。清浄なシンガス流151は、いくらかの量の水素を更に含む。例えば、清浄なシンガス流151は、約1、2、5、10、15、20、又は30mol%の水素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、清浄なシンガス流151は、約60、70、80、又は90mol%の水素など、比較的高い量の水素を含んでもよい。更なる実施形態では、清浄なシンガス流151は、水素を含まないか、又は実質的に含まない(<1mol%)。清浄なシンガス流151は、いくらかの量のCO2を更に含む。例えば、清浄なシンガス流151は、約1~80、20~80、20~60、40~60、又は1~30mol%のCO2を含んでもよい。
【0023】
ガス発酵プロセス155は、連続撹拌槽反応器(CSTR)、固定化細胞反応器(ICR)、トリクルベッド反応器(TBR)、気泡塔、ガスリフト発酵槽、静的ミキサ、又はガス-液体接触に好適な他の容器若しくは他装置などの、1つ以上の容器、塔、又は配管配置からなる培養/発酵装置を含む、1つ以上のバイオリアクターを使用する。いくつかの実施形態では、バイオリアクターは、第一の増殖反応器、及び第二の培養/発酵反応器を備えてもよい。基質は、これらの反応器の1つ又は両方に提供されてもよい。本明細書で使用される場合、「培養」及び「発酵」という用語は、同じ意味で使用される。これらの用語は、培養/発酵プロセスの、増殖期及び生成物生合成期の両方を包含する。
【0024】
培養物は、概して、微生物の増殖を可能にするのに十分な栄養素、ビタミン、及び/又は無機物を含む、水性培地中で維持される。好ましくは、水性培地は、最小嫌気性微生物増殖培地などの、嫌気性微生物培地である。好適な培地は、当該技術分野において既知である。
【0025】
培養/発酵は、望ましくは、標的生成物の生成に適切な条件下で実施されるべきである。典型的には、培養/発酵は、嫌気性条件下で実施される。考慮すべき反応条件は、圧力(又は分圧)、温度、ガス流速、液体流速、培地pH、培地酸化還元電位、撹拌速度(連続撹拌槽反応器を使用する場合)、接種レベル、液相中のガスが制限的にならないことを確実にするための最大ガス基質濃度、及び生成物阻害を回避するための最大生成物濃度を含む。具体的には、基質の導入速度は、生成物がガス制限条件下での培養によって消費され得るため、液相中のガスの濃度が制限的にならないことを確実にするように制御されてもよい。
【0026】
上昇した圧力でバイオリアクターを操作することは、気相から液相へのガス物質移動の増加した速度を可能にする。したがって、概して、大気圧よりも高い圧力で培養/発酵を実施することが好ましい。また、所与のガス変換速度が部分的に基質保持時間の関数であり、かつ保持時間がバイオリアクターの必要な容積を示すため、加圧システムの使用は、必要なバイオリアクターの容積、及びその結果として培養/発酵装置の資本コストを大幅に低減することを可能にする。これは、バイオリアクター中の液体体積を投入ガス流量で除算したものとして定義される保持時間が、バイオリアクターが大気圧よりも上昇した圧力に維持されるときに低減され得ることを意味する。最適反応条件は、使用される特定の微生物に部分的に依存する。しかしながら、概して、大気圧より高い圧力で発酵を行うことが好ましい。また、所与のガス変換速度が部分的に基質保持時間の関数であり、かつ所望の保持時間を達成することがバイオリアクターの必要な体積を更に示すため、加圧システムの使用は、必要なバイオリアクターの体積、及びその結果として発酵装置の資本コストを大幅に低減することを可能にする。
【0027】
ある特定の実施形態では、発酵は、光の不在下で、又は光合成微生物のエネルギー要求を満たすには不十分な量の光の存在下で行われる。特定の実施形態では、本発明の微生物は、非光合成微生物である。
【0028】
本明細書で使用される場合、「発酵ブロス」又は「ブロス」という用語は、細胞及び栄養培地を含む、バイオリアクター内の成分の混合物を指す。本明細書で使用される場合、「分離剤」は、バイオリアクターから発酵ブロスを受け取り、そのブロスをフィルターに通して「保持液」及び「透過液」を得るように適合されたモジュールである。フィルターは、膜、例えば、クロスフロー膜又は中空繊維膜であってもよい。「透過液」という用語は、分離器を通過するブロスの実質的に可溶性の成分を指すために使用される。透過液は、典型的には、可溶性発酵生成物、副生成物、及び栄養素を含む。保持液は、典型的には、細胞を含む。本明細書で使用される場合、「ブロスブリード」という用語は、バイオリアクターから除去され、かつ分離器に通されない発酵ブロスの一部分を指すために使用される。
【0029】
標的生成物は、例えば、分留蒸留、蒸発、パーベーパレイション、ガスストリッピング、相分離、及び、例えば、液-液抽出を含む抽出発酵を含む、任意の方法又は当該技術分野において既知の方法の組合せを使用して、発酵ブロスから分離又は精製されてもよい。ある特定の実施形態では、標的生成物は、ブロスの一部分をバイオリアクターから連続的に取り出し、微生物細胞をブロスから(濾過により簡便に)分離し、1つ以上の標的生成物をブロスから回収することによって、発酵ブロスから回収される。アルコール及び/又はアセトンは、例えば、蒸留によって回収されてもよい。酸は、例えば、活性炭上での吸着によって回収されてもよい。分離された微生物細胞は、好ましくは、バイオリアクターに戻される。標的生成物が取り出された後に残存している無細胞透過液も、好ましくは、バイオリアクターに戻される。追加の栄養素は、バイオリアクターに戻される前に、無細胞透過液に添加されて、培地を補充してもよい。所望の生成物は、ガス発酵プロセス155から除去され、ガス発酵生成物流158内に存在する。
【0030】
ガス発酵プロセス155のバイオリアクターはまた、未反応のC1ガス及び不活性ガスを含有する、バイオリアクターオフガス流156を生成する。ガス発酵プロセス155が接種反応器も使用する場合、ガス発酵プロセス155はまた、同様に未反応のC1ガス及び不活性ガスを含有する、接種装置オフガス流157を生成してもよい。バイオリアクターオフガス流156、及び任意選択的な接種装置オフガス流157は、リサイクルコンプレッサー160に通過し、圧縮されたリサイクル流161がガス発酵プロセス155に戻される。
【0031】
ガス発酵プロセスからの所望の生成物を、下流処理システムに通して、更に別の生成物を生成してもよい。下流処理システムは、オレフィンプラント、ポリオレフィンプラント、ポリプロピレンプラント、ポリエチレンプラント、ポリマープラント、高密度ポリエチレンプラント、オリゴマープラント、ニトリルプラント、酸化物プラント、トッピング精製装置、ハイドロスキミング精製装置、転換精製装置、深層転換精製装置、コーキングユニット、ストリームクラッカー、又はスチレンプラントから選択されてもよい。
【0032】
本明細書に列挙される公表文献、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が、あたかも参照により組込まれることが個々にかつ具体的に示され、その全体が本明細書中に記載された場合と同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書における任意の先行技術への言及は、その先行技術が任意の国の努力傾注分野において共通の一般知識の一部を形成するという認識ではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0033】
本開示において、「a」及び「an」及び「the」という用語、並びに同様の指示語の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに相反することがない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるものとする。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」という用語は、別段の断りのない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むがこれらに限定されない」ことを意味する)と解釈されるものとする。選択肢の使用(例えば、「又は」という用語)は、選択肢の1つ、両方、又はこれらの任意の組合せのいずれかを意味すると理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、別段の指示がない限り、示される範囲、値、又は構造の±20%を意味する。
【0034】
本明細書の値の範囲の記述は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に入る各個々の値を個々に言及する省略法としての役割を果たすことを単に意図し、各個々の値は、あたかも本明細書に個々に列挙されたかのように、本明細書中に組み込まれる。例えば、任意の濃度範囲、パーセント範囲、比率範囲、整数範囲、サイズ範囲、又は厚さ範囲は、別段の指示がない限り、列挙された範囲内の任意の整数の値、及び好適な場合、その分数(整数の10分の1、及び100分の1など)を含むと理解されるべきである。
【0035】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と別段明らかに相反することがない限り、任意の好適な順序で実施されてもよい。本明細書に提供されるありとあらゆる例又は例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、本発明をより良く解明することを単に意図し、別段、特許請求されない限り、本発明の範囲を制限しない。本明細書におけるいかなる言葉も、非請求要素が本発明の実施に不可欠であることを示すように、解釈されるべきではない。
【0036】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に記載される。それらの好ましい実施形態の変化形は、上記の説明を読むことによって当業者に明らかとなり得る。本発明者等は、当業者が必要に応じてそのような変化形を使用することを予想し、本発明者等は、本発明が本明細書に具体的に記載されるものとは別の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許可された通り、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の、全ての修正物及び均等物を含む。更に、好ましい実施形態の全ての考えられる変化形における上記の要素の任意の組合せは、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに相反することがない限り、本発明によって包含される。
【0037】
実施例1は、ガス発酵によって生成物を生成するための方法であって、
a.CO2及び水素を含む組合せ供給流を予熱器に通すステップであって、前記組合せ供給流が、CO2を含む第一の供給流及び水素を含む第二の供給流を含むステップと、
b.前記組合せ供給流を逆水性ガスシフト反応器流出流と熱交換して、前記組合せ供給流を部分的に加熱し、前記逆水性ガスシフト反応器流出流を部分的に冷却するステップと、
c.前記部分的に加熱された組合せ供給流を電気加熱器に通して、前記組合せ供給流を、低変換逆水性ガスシフト反応器の所定の入口温度に完全に加熱するステップと、
d.前記完全に加熱された組合せ供給流を前記低変換逆水性ガスシフト反応器に通して、CO、CO2、水素、及び水を含む、前記逆水性ガスシフト反応器流出流を生成するステップであって、前記低変換逆水性ガスシフト反応器でのCO2のCOへの変換が、約20~約60質量パーセントであるステップと、
e.前記部分的に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を冷却器に通して、完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を生成するステップと、
f.前記完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流から水を除去し、少なくとも1つのバイオ触媒阻害剤を除去して、シンガス供給流を生成するステップと、
g.前記シンガス供給流をガス発酵プロセスに通して、CO、CO2、及び水素から選択される未反応反応物質を含む、ガス発酵生成物流及びガス発酵オフガス流を発生させるステップとを含む、方法である。
【0038】
前記ガス発酵オフガス流を、前記ガス発酵プロセスにリサイクルすることを更に含む、先行する実施例1に記載の方法。
【0039】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、約600℃未満、約500℃未満、約400℃未満、約350℃未満、約310℃未満、又は約300℃未満の温度で動作される、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0040】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、銅又は酸化銅を含む触媒を使用する、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0041】
前記CO2を含む第一の供給流、前記水素を含む第二の供給流、並びに/又は前記CO2及び水素を含む組合せ供給流を、圧縮することを更に含む、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0042】
前記CO2を含む第一の供給流、前記水素を含む第二の供給流、並びに/又は前記CO2及び水素を含む組合せ供給流から、1つ以上の汚染物質を除去することを更に含む、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0043】
前記シンガス供給流が、約5~約8bargの範囲の圧力である、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0044】
前記シンガス供給流が、約3~約4bargの範囲の圧力である、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0045】
前記シンガス供給流が、約5:1:1のH2:CO:CO2のモル比を含む、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0046】
前記組合せ供給流が、約3:1からのH2:CO2のモル比を含む、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0047】
前記シンガス供給流が、約5:1:1のH2:CO:CO2のモル比を含み、前記組合せ供給流が、約3:1からのH2:CO2のモル比を含む、先行する実施例のいずれかに記載のプロセス。
【0048】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、固定床断熱反応器である、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0049】
前記固定床断熱材が、単一の触媒床を備える、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0050】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、ステージ間加熱を用いずに、ワンスルー動作モードで動作される、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0051】
前記ガス発酵生成物流が、下流処理システムを通して、別の生成物を生成する、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0052】
前記下流処理システムが、オレフィンプラント、ポリオレフィンプラント、ポリプロピレンプラント、ポリエチレンプラント、ポリマープラント、高密度ポリエチレンプラント、オリゴマープラント、ニトリルプラント、酸化物プラント、トッピング精製装置、ハイドロスキミング精製装置、転換精製装置、深層転換精製装置、コーキングユニット、ストリームクラッカー、又はスチレンプラントから選択される、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0053】
前記ガス発酵プロセスが、栄養液中のC1-固定微生物を使用する、微生物発酵プロセスである、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0054】
前記C1固定微生物が、好気性又は嫌気性である、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0055】
前記C1-固定微生物が、クロストリジウム属、ムーレラ属、カルボキシドテルムス属、ルミノコッカス属、アセトバクテリウム属、ユーバクテリウム属、ブチリバクテリウム属、オキソバクター属、メタノサルシナ属、メタノサルシナ属、デスルホトマキュラム属、及びカプリアビダス属から選択される、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【0056】
前記ガス発酵生成物流が、エチレン、エタノール、プロパン、アセテート、1-ブタノール、酪酸塩、2,3-ブタンジオール、乳酸塩、ブテン、ブタジエン、メチルエチルケトン(2-ブタノン)、アセトン、イソプロパノール、脂質、3-ヒドロキシプロピオン酸塩(3-HP)、テルペン、イソプレン、脂肪酸、2-ブタノール、1,2-プロパンジオール、1プロパノール、1ヘキサノール、1オクタノール、コリスメート由来産物、3ヒドロキシ酪酸塩、1,3ブタンジオール、2-ヒドロキシイソ酪酸塩又は2-ヒドロキシイソブチル酸、イソブチレン、アジピン酸、1,3ヘキサンジオール、3-メチル-2-ブタノール、2-ブテン-1-オール、イソ吉草酸、イソアミルアルコール、及びモノエチレングリコール、並びにそれらの任意の組合せから選択される、少なくとも1つの生成物を含む、先行する実施例のいずれかに記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス発酵によって生成物を生成するための方法であって、
a.CO
2及び水素を含む組合せ供給流を予熱器に通すステップであって、前記組合せ供給流が、CO
2を含む第一の供給流及び水素を含む第二の供給流を含むステップと、
b.前記組合せ供給流を逆水性ガスシフト反応器流出流と熱交換して、前記組合せ供給流を部分的に加熱し、前記逆水性ガスシフト反応器流出流を部分的に冷却するステップと、
c.前記部分的に加熱された組合せ供給流を電気加熱器に通して、前記組合せ供給流を、低変換逆水性ガスシフト反応器の所定の入口温度に完全に加熱するステップと、
d.前記完全に加熱された組合せ供給流を前記低変換逆水性ガスシフト反応器に通して、CO、CO
2、水素、及び水を含む、前記逆水性ガスシフト反応器流出流を生成するステップであって、前記低変換逆水性ガスシフト反応器でのCO
2のCOへの変換が、約20~約60質量パーセントであるステップと、
e.前記部分的に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を冷却器に通して、完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流を生成するステップと、
f.前記完全に冷却された逆水性ガスシフト反応器流出流から水を除去し、少なくとも1つのバイオ触媒阻害剤を除去して、シンガス供給流を生成するステップと、
g.前記シンガス供給流をガス発酵プロセスに通して、CO、CO
2、及び水素から選択される未反応反応物質を含む、ガス発酵生成物流及びガス発酵オフガス流を発生させるステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記ガス発酵オフガス流を、前記ガス発酵プロセスにリサイクルすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、約600℃未満、約500℃未満、約400℃未満、約350℃未満、約310℃未満、又は約300℃未満の温度で動作される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、銅又は酸化銅を含む触媒を使用する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記CO
2を含む第一の供給流、前記水素を含む第二の供給流、並びに/又は前記CO
2及び水素を含む組合せ供給流を、圧縮することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記CO2を含む第一の供給流、前記水素を含む第二の供給流、並びに/又は前記CO
2及び水素を含む組合せ供給流から、1つ以上の汚染物質を除去することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記シンガス供給流が、約5~約8bargの範囲の圧力である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記シンガス供給流が、約3~約4bargの範囲の圧力である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記シンガス供給流が、約5:1:1のH
2:CO:CO
2のモル比を含む、請求項1
又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記組合せ供給流が、約3:1からのH
2:CO
2のモル比を含む、請求項1
又は7に記載の方法。
【請求項11】
前記シンガス供給流が、約5:1:1のH
2:CO:CO
2のモル比を含み、前記組合せ供給流が、約3:1からのH
2:CO
2のモル比を含む、請求項1
又は7に記載の方法。
【請求項12】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、固定床断熱反応器である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記固定床断熱材が、単一の触媒床を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記低変換逆水性ガスシフト反応器が、ステージ間加熱を用いずに、ワンスルー動作モードで動作される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記ガス発酵生成物流が、下流処理システムを通して、別の生成物を生成する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記下流処理システムが、オレフィンプラント、ポリオレフィンプラント、ポリプロピレンプラント、ポリエチレンプラント、ポリマープラント、高密度ポリエチレンプラント、オリゴマープラント、ニトリルプラント、酸化物プラント、トッピング精製所、ハイドロスキミング精製装置、転換精製装置、深層転換精製装置、コーキングユニット、ストリームクラッカー、又はスチレンプラントから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ガス発酵プロセスが、栄養液中のC1-固定微生物を使用する、微生物発酵プロセスである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項18】
前記C1固定微生物が、好気性又は嫌気性である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記C1-固定微生物が、クロストリジウム、モレラ、カルボキシドサーマス、ルミノコッカス、アセトバクテリウム、ユーバクテリウム、ブチリバクテリウム、オキサバクター、メタノサルシナ、メタノサルシナ、デスルフォトマクラム、及びカプリアビダスの属から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ガス発酵生成物流が、エチレン、エタノール、プロパン、アセテート、1-ブタノール、酪酸塩、2,3-ブタンジオール、乳酸塩、ブテン、ブタジエン、メチルエチルケトン(2-ブタノン)、アセトン、イソプロパノール、脂質、3-ヒドロキシプロピオネート(3-HP)、テルペン、イソプレン、脂肪酸、2-ブタノール、1,2-プロパンジオール、1プロパノール、1ヘキサノール、1オクタノール、コリスメート由来産物、3ヒドロキシ酪酸塩、1,3ブタンジオール、2-ヒドロキシイソ酪酸塩又は2-ヒドロキシイソブチル酸、イソブチレン、アジピン酸、1,3ヘキサンジオール、3-メチル-2-ブタノール、2-ブテン-1-オール、イソ吉草酸、イソアミルアルコール、及びモノエチレングリコール、並びにそれらの任意の組合せから選択される、少なくとも1つの生成物を含む、請求項16に記載の方法。
【国際調査報告】