(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】熱暴走ピンポイント加熱試験
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240920BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240920BHJP
H01M 50/30 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518990
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 US2022036693
(87)【国際公開番号】W WO2023048795
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】ブジアン・イェブカ
(72)【発明者】
【氏名】ティン-ルプ・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ジョン・ジェイクス
【テーマコード(参考)】
5H012
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H012JJ09
5H028AA10
5H028BB12
5H028BB15
5H028HH01
5H029AJ12
5H029BJ27
5H029CJ01
5H029CJ28
5H029CJ30
(57)【要約】
方法および装置が、電気化学セルを試験することを可能にする。装置は、熱源、チャンバ、およびチャンバに熱源を結合する拡散器を含む。熱源は、電気化学セルのピンポイント部分に拡散器を介して熱を印加する。この熱の印加は、電気化学セルに局部内部短絡による熱暴走状態を引き起こす。次いで電気化学セルの熱暴走ピンポイント部分への熱源の適用に応答して電気化学セルが弁作動、開裂または破裂したかどうかが判定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学セルを試験するプロセスであって、
前記電気化学セルの一部分に熱源を適用して、それによって前記電気化学セルに局部内部短絡による熱暴走状態を引き起こすステップと、
前記電気化学セルの前記一部分への前記熱源の前記適用に応答して前記電気化学セルが弁作動、開裂または破裂したかどうかを判定するステップとを含む、プロセス。
【請求項2】
前記局部内部短絡が正極と負極との間の単一接触点を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記局部内部短絡が前記電気化学セルの内部または外部ゼリーロール層において生じる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記電気化学セルの前記一部分が、前記電気化学セルの総面積の1%未満である前記電気化学セルの面積を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記一部分がピンポイント部分を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記局部内部短絡が単一負極、単一正極および単一絶縁層を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記局部内部短絡が3つ以下の負極、3つ以下の正極および2つ以下の絶縁層を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記局部内部短絡が、電池内の負極、正極および絶縁層の総数の1%未満から成る数の負極、正極および絶縁層を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記局部内部短絡が、負極と正極との間に配設される絶縁層の局部収縮を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記熱源が、火炎、熱風加熱器、電気加熱器およびレーザの1つまたは複数を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
熱源と、
チャンバと、
前記チャンバに前記熱源を結合する拡散器と
を備えるシステムであって、
前記システムが、電気化学セルを試験するために動作可能であり、前記試験が、
前記チャンバ内に前記電気化学セルを位置決めするステップと、
前記電気化学セルの一部分に前記拡散器を介して前記熱源を適用して、それによって前記電気化学セルに局部内部短絡による熱暴走状態を引き起こすステップと、
前記電気化学セルの前記一部分への前記熱源の前記適用に応答して、前記電気化学セルが弁作動、開裂または破裂したかどうかを判定するステップとを含む、システム。
【請求項12】
前記電気化学セルを受ける装置を備え、前記装置が熱電対を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記チャンバが防爆窓を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記電気化学セルの前記一部分が、前記電気化学セルの総面積の1%未満である前記電気化学セルの面積を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記一部分がピンポイント部分を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記局部内部短絡が単一負極、単一正極および単一絶縁層を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記局部内部短絡が3つ以下の負極、3つ以下の正極および2つ以下の絶縁層を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記局部内部短絡が、前記電気化学セル内の負極、正極および絶縁層の総数の1%未満から成る数の負極、正極および絶縁層を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記局部内部短絡が、負極と正極との間に配設される絶縁層の局部収縮を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記熱源が、火炎、熱風加熱器、電気加熱器およびレーザの1つまたは複数を備える、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年9月27日に出願された米国特許出願第17/486,133号(整理番号RPS920210077-US-NP/2707.077US1)の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載される実施形態は、概して電気化学セル/電池を試験することに関し、一実施形態において、限定としてではなく、電気化学セルまたは電池の健全性に影響することなく内部短絡を模擬することによって電気化学セルまたは電池に対する熱暴走ピンポイント加熱試験に関する。
【背景技術】
【0003】
或る電気化学セルにおいて生じることがある4種類の重大な内部短絡がある。これらの種類は、集電体(正極&負極)短絡、負極集電体-カソード短絡、正極集電体-アノード短絡およびアノード-カソード短絡である。これらの種類のうち、集電体(正極&負極)短絡とともにセル故障の最大リスクが生じる。故障の種類にかかわらず、故障は熱暴走に起因する。セルが誤用されればまたは適切に設計されなければ熱暴走が起こることがあり、セルの開裂または破裂などの大災害が生じることがある。材料欠陥、製造欠陥、汚染、デンドライト成長、金属プレーティング、外部誤用、温度限界への曝露等など、そのような内部短絡に至る幾つかの因子がある。
【0004】
材料欠陥の一例が、電気化学セルにおけるセパレータが損傷、圧縮または穿孔された状況である。この損傷、圧縮または穿孔は、セパレータ設計および材料次第でアノードとカソードとの間の短絡に至り得る。これの結果、アノードとカソードとの間の単一接触点になる。高温にさらされればセパレータの劣化が生じ得、かつ/または材料が誤って指定されたために劣化が生じ得る。
【0005】
特定の電気化学セル設計が内部短絡ならびにその後の熱暴走状態および故障に至る容認不可能な可能性を有するかどうかを判定できる幾つかの試験が現在存在する。しかしながら、これらの試験は欠点を有する。
【0006】
第1の試験は、釘刺し試験と称される。釘刺し試験では、内部短絡を作り出す試みで電気化学セルへ釘が打ち込まれる。しかしながら、試験に多くの変数があるので試験は一貫していない。これらの変数は、釘が電気化学セルを貫通する速度、釘の鋭さまたは鈍さ、および釘の伝導率を含む。また、現場における商用の電気化学セルが内部短絡による熱暴走に進行する過程は、釘刺し試験によって発生されるものとは非常に異なる物理過程を伴う。
【0007】
釘刺し試験は、したがって現場において時間とともに進展する種類の内部短絡に対して有用な試験ではない。釘刺しと関連した熱暴走は、現場におけるように時間とともにではなく、約200~500ミリ秒以内に起こる。釘刺し試験は、結果的に可変的な結果を生み出し、内部短絡の結果熱暴走になる故障状態を反映しない。おそらく最も批判的には、釘刺し試験は、アノードとカソードとの間に単一接触点を作り出さない。
【0008】
内部短絡および熱暴走状態への電気化学セルの感受率の設計をテストできる幾つかの加熱試験もある。例えば、加熱テープ、サーマルチャンバ、サンドバス、セラミックヒータ、赤外発光(集束)、フォトニック発光(レーザ)および直火がある。しかしながら、これらの現在の加熱試験は、現場において生じる種類の内部短絡のいずれも全く模擬しない。すなわち、再度、おそらく最も批判的には、これらの現在の加熱試験は、単一接触点の電気短絡を作り出さない。
【0009】
内部短絡を作り出す電気化学セルのための既存の試験が強制内部短絡(FISC)試験である。FISC試験は、アノードとカソードとの間に単一接触点が生じる内部短絡を模擬するように設計される。FISC試験は、材料欠陥、製造欠陥、汚染、デンドライト成長およびリチウムプレーティングに起因する電気化学セルに関する問題を検出し得る。FISC試験は、不正確さ、疑念および間違った結果を引き起こす他の因子をもたらすことなく、アノードとカソードとの間に単一接触点を可能にする。しかしながら、FISC試験の欠点は、それが熱暴走状態下のベント性能および電気化学セル缶構造健全性を評価しないということである。
【0010】
追加的に、FISC試験は、電気化学セルが完全に充電されることを必要とする。それは、セルの分解およびセルにおける金属粒子(セルの設計に基づいて1つまたは2つの位置に配置される特別な調整された金属粒子)の配置を更に必要とする。FISC試験は、また特別な非伝導ツールで特別な環境において行われなければならない。FISC試験は、電解質蒸発を防止するために30分未満で完了されなければならない。FISC試験は、セルがシールバッグに配置されて、次いでチャンバにおいて条件付けられることを更に必要とする。
【0011】
別の既存の試験、NREL/NASA(国立再生可能エネルギー研究所;アメリカ航空宇宙局)内部短絡誘発器(instigator)も、要求に応じてアノードとカソードとの間に単一接触点を作り出す。その上、NREL/NASA試験は、セルを圧壊せず、セルを貫通せず、セルを曲げず、反らせず、または変形させず、セルの健全性を損なわない。追加的に、NREL/NASA試験は、セル製造業者によって作成でき、いかなる充電状態でも独立して起動でき、円筒型、角型およびパウチセル設計のために適切であり、試験実験室において最小リスク(取扱いおよび起動)を呈する。しかしながら、NREL/NASA試験は、試験のために特に必要とされる要素、例えば、銅パッド、銅パックを伴うセパレータ、ワックス相変化材料およびアルミニウムパッドで電池セルが製造されなければならないので、幾分人工的である。追加的に、FISC試験と似て、NREL/NASA試験はベント性能を評価せず、電気化学セルは熱暴走状態下の健全性を構造化できる。
【0012】
熱暴走状態下の電気化学セルの信頼性、それらの安全機構および機能を適切に試験することを保証するために、実世界の単一接触点内部短絡を模擬する試験方法だけが考えられるべきである。上記したように、FISCおよびNREL/NASA試験は、単一接触点内部短絡を作り出すことができるが、これらの試験は欠点を有する。電気化学セルの健全性を損なう試験方法(例えば、圧壊、貫通、変形および加熱)は、いかなる種類の内部の電気または電気化学誘導短絡故障も表さない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
図面においては、必ずしも一定の比率で描かれるわけではなく、同様の数字が異なる図において類似の構成要素を説明し得る。異なる添え文字を有する同様の数字が類似の構成要素の異なるインスタンスを表し得る。添付の図面の図中に、一部の実施形態が、限定としてではなく例として例示される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】電気化学セル熱暴走ピンポイント加熱試験システムの動作および特徴を例示するブロック図である。
【
図1B】電気化学セル熱暴走ピンポイント加熱試験システムの動作および特徴を例示するブロック図である。
【
図2】電気化学セル熱暴走ピンポイント加熱システムの一実施形態を例示する。
【
図3】電気化学セル熱暴走ピンポイント加熱試験システムの別の実施形態を例示する。
【
図4】本明細書に開示される一実施形態および先行の標準の加熱方法を使用する電気化学セルの加熱面積の差を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
既存の電気化学セル安全性試験の欠点を克服するために、必要とされるものは、熱暴走状態下の電気化学セル故障の可能性を測定する定性的かつ定量的手段を提供する試験、およびベント性能を評価できかつ熱暴走状態下の電気化学セルの健全性を構造化できる試験である。熱暴走および弁作動が予想される間、缶開裂は生じるべきでない。缶開裂が生じれば、セルの設計および/または材料に関する問題がある。本開示の一実施形態は、既存の電気化学セル試験のこれらの欠点に対処し、これらの必要性を満たす。
【0016】
一実施形態は、セルへ組み込まれる全ての保護機構を通して動的に進むことができる。先行の方法は、これを行うことができない。例えば、セルのガス排出のための中央管、圧力逃し安全弁および他の特徴を試験中に観察できる。すなわち、金属缶崩壊、ゼリーロールの放出およびケーシング破裂に至ったこれらの機構の故障を熱暴走ピンポイント加熱試験の実施形態において実際に観察できる。実施形態は、ユーザにとっての安全性懸念を引き起こし得る電気化学セル設計の欠陥を見つけ出し、セルの安全機構(例えば、電流遮断装置(CID))が熱暴走状態下で意図されるように動くことを証明し、かつセルを穿刺し、変形させ、曲げかつ/または圧壊する試験のようにセル健全性に影響することなく内部短絡を作り出す。
【0017】
熱暴走ピンポイント加熱試験に幾つかの利点がある。精密な温度制御がある。試験は、一部の既存の試験におけるような追加の準備も全くなく最終セル製品に直接適用される。試験は、リアルタイムデータ収集および目視観察を可能にする。試験は定量的測定を提供し、それは順応性があり、単純で、安全で、確実で、高速で、安価でかつ再現可能である。
【0018】
図1Aおよび
図1Bは、電気化学セルのための熱暴走ピンポイント加熱試験のステップ、動作および特徴を例示する。110で、電気化学セルの一部分に熱源が適用される。試験を使用できる1つのそのような電気化学セルがリチウムイオン電池である。これらの電気化学セルは、コンピュータラップトップおよび電気自動車などの多くの製品に使用できる。一実施形態において、112に例示されるように、電気化学セルの一部分は、電気化学セルの総面積の1%未満である電気化学セルの面積を備える。他の実施形態において、加熱部分は、電気化学セルの総面積の1%未満または超過であることができる。本開示の一実施形態および先行の標準の加熱方法のためのセルの加熱の総面積の差が
図4に例示される。
図4は、4つの加熱の範囲(中央側、角側、下中央側および端子側)、ならびに加熱面積410の差を例示する。電気化学セルのこの加熱は、電気化学セルに局部内部短絡による熱暴走状態を引き起こす。
図2は、電気化学セル200の限られた、集中したまたはピンポイント部分に適用される熱源210を例示する。
図2に例示されるように、この特定の実施形態において、加熱源は、電気化学セル200の特定の一部分または点220に向けられ、かつ加熱源は、電気化学セルのケーシングから特定の角度で電気化学セル200に、物理的接触なく、近接して配置される。加熱源は、火炎、熱風加熱器、電気加熱器および/またはレーザなど、何であることもできる(113)。
【0019】
115に示されるように、局部内部短絡は、負極240と正極260との間に配設されるセパレータ/絶縁層250の局部収縮によって引き起こされる。一実施形態において、局部内部短絡は、単一負極、単一正極および単一絶縁層を関与させる(115A)。別の実施形態において、局部内部短絡は、3つ以下の負極、3つ以下の正極および2つ以下の絶縁層を関与させる(115B)。更に別の実施形態において、局部内部短絡は、電池内の負極、正極および絶縁層の総数の1%未満を関与させる数の負極、正極および絶縁層から成る(115C)。116に示されるように、アノードが収縮したセパレータを超えて巻縮してカソードとの単一故障接触点を引き起こすことによってゼリーロール内部短絡を引き起こすことがある。
【0020】
動作110で熱源が電気化学セルに向けられた後、次いで120で、電気化学セルの一部分への熱源の適用に応答して電気化学セルが弁作動、開裂または破裂したかどうかが観察される。
【0021】
一実施形態において、
図3のシステム300は、電気化学セルに熱源を適用するために、ならびに電気化学セルが弁作動、開裂または破裂したかどうかの観察および判定をするために使用できる。システム300は、チャンバ310、熱風発生器320、およびチャンバ310に熱風発生器320を結合する拡散器330を含む。熱風発生器は、温度制御器325を有する。チャンバ310は、金属壁311および防爆窓312から製造され、排気口313を更に含む。チャンバ310内は、金属プラットフォーム314および試料保持器315である。一実施形態において、試料保持器315は、1つまたは複数の熱電対を含む。試料保持器315は電気化学セルを適所に維持し、熱電対は試料電気化学セルの正確な温度を提供する。試験されることになる電気化学セルがチャンバ310内に位置決めされる。
図1Aおよび
図1Bの動作が、次いで試験されている電気化学セルに実行される。すなわち、熱風発生器は、拡散器を介して電気化学セルのピンポイント部分に熱を印加する。前述したように、これは、電気化学セルに局部内部短絡による熱暴走状態を引き起こす。電気化学セルは、次いで防爆窓を通して観察され、電気化学セルの一部分への熱源の適用に応答して電気化学セルが弁作動、開裂または破裂したかどうかが判定される。
【0022】
以上の詳細な説明は、添付の図面の参照を含んでおり、これらは詳細な説明の一部を形成する。図面は、例示として、実践され得る具体的な実施形態を図示する。これらの実施形態は、本明細書において「例」とも称される。そのような例は、図示または記載されるものに加えて要素を含み得る。しかしながら、図示または記載される要素を含む例も企図される。その上、特定の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関してか、図示または本明細書に記載される他の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関してか、図示または記載されるそれらの要素(またはその1つもしくは複数の態様)のいかなる組合せまたは順列を使用する例も企図される。
【0023】
この文書において参照される出版物、特許および特許文書は、あたかも参照により個々に組み込まれるかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。この文書とそのように参照により組み込まれるそれらの文書との間の一貫しない使用法の場合には、組み込まれる参照における使用法がこの文書のそれへの補足であり、両立しない矛盾に関しては、この文書における使用法が統制する。
【0024】
この文書において、語「a」または「an」は、特許文書において一般的であるように、1つまたは2つ以上を含むために使用されており、「少なくとも1つ」あるいは「1つまたは複数」のいかなる他の例または使用法からも独立している。この文書において、語「または」は、非排他的なまたはを指すために使用され、別段の指示がない限り、「AまたはB」は、「AでありBでない」、「BでありAでない」ならびに「AおよびB」を含む。添付の特許請求の範囲において、語「含む(including)」および「そこで(in which)」は、それぞれの語「備える(comprising)」および「そこでは(wherein)」のプレインイングリッシュ同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、語「含む」および「備える」はオープンエンドであり、すなわち、請求項においてそのような語の後に列記されるものに加えて要素を含むシステム、装置、物品またはプロセスが、依然その請求項の範囲内に収まると考えられる。その上、以下の特許請求の範囲において、語「第1の」、「第2の」および「第3の」等は、単に標識として使用され、それらの目的語に対する番号順を示唆するとは意図されない。
【0025】
以上の説明は、例示的であり限定的でないと意図される。例えば、上記の例(またはその1つもしくは複数の態様)は、他のものと組み合わせて使用され得る。以上の説明を精査した上で当業者によってなど、他の実施形態が使用され得る。「要約」は、読者が技術的開示の本質を迅速に確認するのを可能にするものである。それは、それが特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために使用されるものではないという理解の下で提出される。また、以上の「発明を実施するための形態」において、本開示を簡素化するために様々な特徴がまとめられ得る。しかしながら、特許請求の範囲は、本明細書に開示されるあらゆる特徴を記載しなくてよく、実施形態が上記特徴の部分集合を特徴とし得るからである。更に、実施形態は、特定の例に開示されるものより少ない特徴を含み得る。そのため、以下の特許請求の範囲は、これによって「発明を実施するための形態」へ組み込まれ、請求項が個々の実施形態として独立している。本明細書に開示される実施形態の範囲は、そのような請求項に与えられる均等物の完全な範囲に加えて、添付の特許請求の範囲を参照しつつ決定されることになる。
【符号の説明】
【0026】
200 電気化学セル
210 熱源
220 一部分
240 負極
250 セパレータ/絶縁層
260 正極
300 システム
310 チャンバ
311 金属壁
312 防爆窓
313 排気口
314 金属プラットフォーム
315 試料保持器
320 熱風発生器
325 温度制御器
330 拡散器
410 加熱面積
【国際調査報告】